説明

ワイヤソー

【課題】ワークの切断精度を良くするとともにワイヤの使用量を少なくしてランニングコストを低く抑え、生産性の良いワイヤソーを提供する。
【解決手段】互いに横並びに配置され水平軸心回りに回転する一対のローラ2に1本のワイヤ3がローラ2の水平軸心方向に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられている。ローラ2を回転駆動させるローラ駆動モータ20と、ワークWをワイヤ3に押し付けるワーク押付手段5とを備える。制御装置8は、ワークW切断時にワイヤ3にかかる切断負荷の基準値を記憶する基準負荷記憶部8aと、切断負荷値を検出する切断負荷検出部8bと、検出値と基準値とを比較判定する判定部8cとを備える。制御装置8は、検出値が基準値に満たない場合には、ローラ駆動モータ20を制御して新線供給速度を下げ、検出値が基準値を超えた場合には、ローラ駆動モータ20を制御してワイヤ走行速度を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシリコンのインゴット等を切断するワイヤソーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般的に、半導体シリコンインゴット等のワークから薄板状のウェーハを切り出す手段としてワイヤソーが用いられる。例えば、特許文献1に開示されているワイヤソーは、互いに横並びに配置され水平軸心回りに回転する一対のローラを備えていて、該一対のローラには、1本のワイヤが上記各々のローラの水平軸心方向に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられている。上記ワイヤは、送り出しと引き戻しとを交互に繰り返しながらワイヤの新線部分が順次繰り出されるように制御されている。そして、走行するワイヤにスラリーを付着させつつ、一対のローラ間を走行するワイヤに対し、上方からワークを押し当てて、複数箇所でウェーハを同時に切断するようになっている。
【0003】
ところで、上記ワイヤソーを用いて、例えば、円柱状のワークを切断する場合、ワークを下降させるにつれて切断長が変化していくので、ワイヤにかかる切断負荷が変動し、それに伴ってワイヤの撓み量が変動するようになる。したがって、ローラ間を走行するワイヤの軌道が安定せず、ワークの切断精度が悪化してしまう。
【0004】
これを回避するために、特許文献1に開示されているワイヤソーでは、ワークの切断中におけるワイヤの撓み量を測定し、測定した撓み量とワイヤの初期張力とに基づいて切断負荷を算出するようにしている。そして、算出した切断負荷値と予め記憶された切断負荷の基準値とを比較し、切断負荷値が基準値を超えると、切断負荷が減るようにワークの送り速度が減速制御され、切断負荷値が基準値に満たないと、切断負荷が増えるようにワークの送り速度が増加制御されるようになっている。これにより、ワークの切断精度を良くすることができるようになっている。
【0005】
また、近年、特許文献2に開示されているように、サファイアや炭化ケイ素(SiC)といった難削材の切断に通常のワイヤに比べて高価な固定砥粒ワイヤが用いられるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−218502号公報(段落0025〜0028欄、図5)
【特許文献2】特開2010−105061号公報(段落0018欄、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1では、ワークの切断精度が良くなるものの、ワイヤの使用量については何ら考慮されていない。したがって、特許文献2の如き固定砥粒ワイヤを用いてワークを切断すると、通常のワイヤを使用する際に比べてランニングコストが高くなってしまう。
【0008】
また、切断負荷値が基準値を超えると、特許文献1のワイヤソーでは、切断負荷が減るようにワークの下降速度を減速制御するので、1回の切り出しに要するワークの切断時間が増加して生産性が悪くなってしまう。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その特徴とするところは、ワークの切断精度を良くするとともにワイヤの使用量を少なくしてランニングコストを低く抑えることができ、しかも生産性の良いワイヤソーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、ワーク切断時において、切断負荷の変化に応じてワイヤソーの駆動部分を制御する制御装置の制御の仕方に工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、第1の発明では、互いに横並びに配置され水平軸心回りに回転する一対のローラと、該一対のローラ間に各々の水平軸心方向に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられた1本のワイヤと、上記ローラの少なくとも一方を回転駆動させて上記ワイヤを一端側から他端側に送り出すローラ駆動手段と、切断に供するワークを把持して下降し、上記ワークを上記ワイヤに押し付けて複数箇所で同時に切断するワーク押付手段と、上記ローラ駆動手段及びワーク押付手段に接続され、上記ワイヤの送り出しと引き戻しとを交互に繰り返しながらワイヤ新線部分が順次繰り出すように、且つ、ワイヤ走行速度及び新線供給速度が変化するように上記ローラ駆動手段を制御する制御装置とを備え、上記制御装置は、ワーク切断時にワイヤにかかる切断負荷の基準値を記憶する基準負荷記憶部と、ワーク切断時の切断負荷値を検出する切断負荷検出部と、該切断負荷検出部の検出値と上記基準負荷記憶部に記憶された基準値とを比較判定する判定部とを備え、該判定部の判定結果により、上記検出値が基準値に満たない場合には、ワーク切断時の切断負荷が上がるように上記ローラ駆動手段を制御して新線供給速度を下げ、一方上記判定部の判定結果により、上記検出値が基準値を超えた場合には、ワーク切断時の切断負荷が下がるように上記ローラ駆動手段を制御して上記ワイヤ走行速度を上げるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、上記ローラ駆動手段及びワーク押付手段は、各々サーボモータ制御により駆動され、上記切断負荷検出部は、ワーク切断時に、上記ローラ駆動手段及びワーク押付手段のサーボモータのいずれか一方の切断負荷値を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
第3の発明では、第1の発明において、上記切断負荷検出部は、上記ワーク把持部材に取り付けられた力センサからワークにかかる切断負荷値を検出するするように構成されていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明では、第1の発明において、上記切断負荷検出部は、上記ワイヤの撓み量を検出する撓みセンサからワークにかかる切断負荷値を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
第5の発明では、第1から4のいずれか1つの発明において、上記一対のローラを支持するローラ支持部材と、上記一対のローラ間において、該ローラの回転軸心と平行に設けられた揺動軸心を中心に上記ローラを揺動させるローラ揺動手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
第6の発明では、第5の発明において、上記制御装置は、上記ローラの揺動速度が変化するように上記ローラ揺動手段を制御し、上記判定部の判定結果により、上記検出値が基準値を超えた場合には、ワーク切断時の切断負荷が下がるように上記ローラ揺動手段を制御して揺動速度を上げるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
第7の発明では、第6の発明において、上記制御装置は、ワイヤ走行速度及び揺動速度が所定の上限値になると、ワーク切断時の切断負荷が下がるように上記ローラ押付手段を制御してワーク下降速度を下げるように構成されていることを特徴とする。
【0018】
第8の発明では、第5の発明において、上記制御装置は、上記ワイヤの揺動速度が変化するように上記ローラ揺動手段を制御し、上記判定部の判定結果により、上記検出値が基準値に満たない場合には、ワーク切断時の切断負荷が上がるように上記ローラ駆動手段、ワーク押付手段及びローラ揺動手段の少なくとも1つを制御してワイヤ走行速度の減速、揺動速度の減速又はワーク下降速度の上昇、或いは、これら2つ、又は3つが組み合わさるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明では、ワーク切断時において、切断負荷値が基準値に満たないと新線供給速度が下がって切断負荷が増える一方、切断負荷値が基準値を超えるとワイヤ走行速度が上がって切断負荷が減る。したがって、ワーク切断中の切断負荷が基準値となるように補正され、ワイヤの軌道が安定してワークの切断精度を高くすることができる。また、切断負荷値が基準値に満たないと、新線供給速度が下がるので、ワイヤ新線部分を繰り出す量が減るようになる。したがって、ワイヤの使用量を減らしてランニングコストを低く抑えることができる。さらに、切断負荷値が基準値を超えると、ワイヤ走行速度が上がるので、ワイヤの切れ味が増して切断負荷が減り、しかも、新線供給速度を維持した状態であればワイヤの使用量を増やすことなく切断負荷を減らすことができる。したがって、特許文献1の如き切断負荷を減らすためにワークの下降速度を下げて1回の切り出しに要する切断時間が増えてしまうといったことを回避でき、生産性を損なうことなくワークの切断精度を高めることができる。
【0020】
第2の発明では、ワーク切断時の切断負荷値をローラ駆動手段及びワーク押付手段のサーボモータのいずれか一方から検出するので、切断負荷値を検出するためにセンサ等を新たに追加する必要がなく、低コストなワイヤソーとすることができる。
【0021】
第3の発明では、ワーク切断時にワークにかかる切断負荷値を直接力センサを用いて検出できるようになるので、精度の高い切断負荷値を得ることができ、その検出値に基づいて制御を行うことで、さらにワークの切断精度を高めることができる。
【0022】
第4の発明では、ワーク切断時のワイヤの撓み量を直接撓みセンサを用いて測定し、その測定値に基づいて切断負荷値を検出できるようになるので、精度の高い切断負荷値を得ることができ、その検出値に基づいて制御を行うことで、さらにワークの切断精度を高めることができる。
【0023】
第5の発明では、ワイヤの切断時にローラが揺動することによってワークの切断長を短くしながら切断することができるようになる。これにより、切断負荷が減少するので、生産性を高めることができる。
【0024】
第6の発明では、切断負荷値が基準値を超えると、揺動速度が上がるので、ワイヤの切れ味が増して切断負荷が減り、生産性を高めることができる。
【0025】
第7の発明では、ワーク切断時にワイヤ走行速度及び揺動速度を上げたにもかかわらず切断負荷値が基準値まで下がらないような場合であっても、ワーク下降速度が下がることで切断負荷が下がるようになり、ワイヤの軌道を安定させてワークの切断精度を確実に高めることができる。
【0026】
第8の発明では、ワーク切断時に新線供給速度を下げたにもかかわらず切断負荷値が基準値まで上がらないような場合であっても、ワイヤ走行速度の減速、揺動速度の減速又はワーク下降速度の上昇、或いは、これら2つ、又は3つが組み合わさり、切断負荷値が基準値まで上がるようになるので、ワイヤの軌道を安定させてワークの切断精度を確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1に係るワイヤソーの全体構成を示した図である。
【図2】実施形態1に係るワイヤソーの構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係るワイヤソーのワーク切断時における制御動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態2に係るワイヤソーの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態3に係るワイヤソーの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るワイヤソー1を示す。該ワイヤソー1は、半導体や太陽電池等に用いられるシリコンのインゴット(以下、ワークと呼ぶ)Wを複数箇所で同時に薄板状ウェーハに切断するためのものである。上記ワイヤソー1は、貫通孔12が形成された上下に延びる側壁プレート10を備えていて、該側壁プレート10には、軸心が水平方向に延びる揺動円板91が上記貫通孔12に回動自在に取り付けられている。
【0029】
上記側壁プレート10の正面側には、上方が開放し、側面視で断面略コ字状のローラ支持部材4が上記揺動円板91に取り付けられている。
【0030】
一方、上記側壁プレート10の背面側には、サーボモータ制御で、回転軸心が水平方向に延びる一対のローラ駆動モータ(ローラ駆動手段)20が上記揺動円板91に取り付けられている。そして、上記ローラ駆動モータ20の側方には、上記揺動円板91を揺動駆動させる揺動駆動モータ92が上記側壁プレート10に固定されていて、図示しないタイミングベルト等を介して、その回転力を揺動円板91に伝達し、上記揺動円板91をその軸心周りに所定の角度範囲で揺動させるようになっている。尚、本発明のローラ揺動手段9は、上記揺動円板91と揺動駆動モータ92とからなっている。
【0031】
上記ローラ支持部材4には、互いに横並びに配置された一対のローラ2が回転自在に取り付けられている。該ローラ2は、その回転軸が上記ローラ駆動モータ20の出力軸に連結されていて、該ローラ駆動モータ20の回転駆動により、水平軸心周りに回転するようになっている。尚、上記一対のローラ2は、上記揺動円板91の軸心が上記一対のローラ2の間に位置するように配設されている。
【0032】
上記一対のローラ2間には、ワークWを切断するための1本のワイヤ3が上記各ローラ2の水平軸心方向に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられていて、一端側が一方のローラ2外側に位置するとともに他端側が他方のローラ2外側に位置するようになっている。
【0033】
上記一対のローラ2に巻き掛けられたワイヤ3の一端側は、複数の円盤状プーリP(図1では2個のみ示す)に案内されながらワイヤ供給装置6まで延びている。該ワイヤ供給装置6は、上記ワイヤ3を上記ローラ2へ送り出すようになっていて、上記ワイヤ3の新線部分が巻装された供給側ボビン61と、該供給側ボビン61を回転駆動させる第1アシストモータ62とを備えている。
【0034】
一方、上記一対のローラ2に巻き掛けられたワイヤ3の他端側は、複数の円盤状プーリP(図1では2個のみ示す)に案内されながらワイヤ巻取装置7まで延びている。該ワイヤ巻取装置7は、上記ローラ2から送り出されるワイヤ3を巻き取る巻取側ボビン71と、該巻取側ボビン71を回転駆動させる第2アシストモータ72とを備えている。
【0035】
そして、上記ワイヤ3は、上記ローラ駆動モータ20、第1アシストモータ62及び第2アシストモータ72の回転駆動により、送り出しと、送り出し量よりも所定量だけ少ない引き戻しとを交互に繰り返しながらワイヤ3の新線部分が順次繰り出され、一端側から他端側に送り出されるようになっている。
【0036】
上記一対のローラ2の上方には、上記一対のローラ2間に巻き掛けられたワイヤ3に対応するようにワーク押付手段5が配設されている。該ワーク押付手段5は、上下に延びる略直方体状のワーク把持部材51を備えていて、該ワーク把持部材51の下端には、上記ワークWが把持される一方、上端には、サーボモータ制御のワーク昇降モータ52が取り付けられている。
【0037】
そして、上記ワイヤ3が走行している状態において、上記ワーク昇降モータ52が回転駆動すると、図示しないボールネジ機構によって上記ワーク把持部材51が上記ワイヤ3に対して下降し、上記ワークWがワイヤ3に押し付けられて、複数箇所でウェーハが同時に切断されるようになっている。
【0038】
上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9には、図2に示すように、当該ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御する制御装置8が接続されている。
【0039】
上記制御装置8は、図示しないが、中央演算処理装置(CPU)や、制御プログラムが格納されたメモリ等を備えて、上記ワイヤ3の送り出しと、送り出し量よりも所定量だけ少ない引き戻しとを交互に繰り返しながらワイヤ3の新線部分が繰り出すように、且つ、ワイヤ走行速度及び新線供給速度が変化するように上記ローラ駆動モータ20を制御している。また、上記制御装置8は、上記ワーク把持部材51が昇降するように、且つ、ワーク下降速度が変化するように上記ワーク押付手段5を制御している。さらに、上記制御装置8は、上記一対のローラ2が揺動するように、且つ、揺動速度が変化するように上記ローラ揺動手段9を制御している。
【0040】
ここで、新線供給速度とは、単位時間当たりの新線供給量のことであり、ワイヤ走行速度(m/min)×(送り出し時間−引き戻し時間)/(送り出し時間+引き戻し時間)で表される。当該新線供給速度は送り出し時間又は引き戻し時間を変化させることにより調整することができる。
【0041】
上記制御装置8は、ワークW切断時にワイヤ3にかかる切断負荷の基準値(若しくは基準範囲)を記憶する基準負荷記憶部8aと、ワークW切断時の切断負荷値を検出する切断負荷検出部8bと、該切断負荷検出部8bの検出値と上記基準負荷記憶部8aに記憶された基準値とを比較判定する判定部8cとを備えていて、上記切断負荷検出部8bは、ワークW切断時に上記ローラ駆動モータ20にかかる負荷に基づいて切断負荷値を検出するようになっている。尚、上記切断負荷検出部8bは、ワークW切断時に、上記ワーク昇降モータ52にかかる負荷に基づいて切断負荷値を検出するようにしてもよい。
【0042】
そして、上記制御装置8は、上記判定部8cの判定結果により、上記検出値が基準値に満たない場合には、ワークW切断時の切断負荷が上がるように、上記ローラ駆動モータ20を制御してワイヤ走行速度及び新線供給速度を下げるようにし、また、上記ワーク押付手段5を制御してワーク下降速度を上げるようにし、さらに、上記ローラ揺動手段9を制御して揺動速度を下げるように構成されている。一方、上記制御装置8は、上記判定部8cの判定結果により、上記検出値が基準値を超えた場合には、ワークW切断時の切断負荷が下がるように、上記ローラ駆動モータ20を制御してワイヤ走行速度及び新線供給速度を上げるようにし、また、上記ワーク押付手段5を制御してワーク下降速度を下げるようにし、さらに、上記ローラ揺動手段9を制御して揺動速度を上げるように構成されている。したがって、ワークW切断中の切断負荷が基準値となるように補正され、ワイヤ3の軌道が安定してワークWの切断精度を高くすることができる。
【0043】
次に、ワイヤソー1でワークWを切断する際の具体的な制御動作を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0044】
まず、ワイヤソー1の電源をONにし、使用者がワークWをワーク把持部材51に把持させるとともに、切断条件等を図示しない操作パネルで設定する。
【0045】
その後、図3のフローチャートのステップS1に進む。このステップS1では、制御装置8が、ワイヤ走行速度、新線供給速度、ワーク下降速度及び揺動速度をそれぞれ所定値に設定して、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御し、ワークWの切断が開始された後、ステップS2に進んで切断負荷検出部8bにより、ワークWの切断時における切断負荷値が検出される。
【0046】
次いで、ステップS3では、判定部8cが、ステップ2で検出した切断負荷値と、上記基準負荷記憶部8aに記憶された切断負荷の基準値とを比較判定する。
【0047】
このステップS3の判定がYESであるとき、すなわち、判定部8cが、検出値と基準値とが等しいと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8が、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、ステップS23に進む。
【0048】
一方、ステップS3の判定がNOであるときには、すなわち、判定部8cが、検出値と基準値とが等しくないと判定すると、ステップS4に進み、判定部8cが、検出値が基準値を超えているかどうかを判定する。
【0049】
ここで、ステップS4の判定がYESのとき、すなわち、判定部8cが、検出値が基準値を超えていると判定したときの具体的な制御動作を説明する。
【0050】
ステップS4において、判定部8cが、検出値が基準値を超えていると判定すると、ステップS5に進み、制御装置8は、ローラ駆動モータ20を制御してワイヤ走行速度を所定値よりα1分増加させ、その後、ステップS7に進む。
【0051】
ステップS7では、制御装置8が、ワイヤ走行速度が予め設定された上限値に達したかどうかを判定する。このステップS7の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、ワイヤ走行速度が上限値に達したと判定すると、ステップS9に進み、制御装置8は、ローラ揺動手段9を制御して揺動速度を所定値よりα2分増加させ、その後、ステップS11に進む。
【0052】
一方、ステップS7の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、ワイヤ走行速度が上限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0053】
ステップS11では、制御装置8が、揺動速度が予め設定された上限値に達したかどうかを判定する。このステップS11の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、揺動速度が上限値に達したと判定すると、ステップS13に進み、制御装置8は、ワーク押付手段5を制御してワーク下降速度を所定値よりα3分減少させ、その後、ステップS15へ進む。
【0054】
一方、ステップS11の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、揺動速度が上限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0055】
ステップS15では、制御装置8が、ワーク下降速度が予め設定された下限値に達したかどうかを判定する。このステップS15の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、ワーク下降速度が下限値に達したと判定すると、ステップS17に進み、制御装置8は、ローラ駆動モータ20を制御して新線供給速度を所定値よりα4分増加させ、その後、ステップS19に進む。
【0056】
一方、ステップS15の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、ワーク下降速度が下限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0057】
ステップS19では、制御装置8が、新線供給速度が予め設定された上限値に達したかどうかを判定する。このステップS19の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、新線供給速度が上限値に達したと判定すると、ステップS22に進み、制御装置8は、切断負荷が基準値となるようにワークWを切断できないとして、切断を停止させる。
【0058】
一方、ステップS19の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、新線供給速度が上限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0059】
次に、ステップS4の判定がNOのとき、すなわち、判定部8cが、検出値が基準値に満たないと判定したときの具体的な制御動作を説明する。
【0060】
ステップS4において、判定部8cが、検出値が基準値に満たないと判定すると、ステップS6に進み、制御装置8は、ローラ駆動モータ20を制御して新線供給速度を所定値よりα5分減少させ、その後、ステップS8に進む。
【0061】
ステップS8では、制御装置8が、新線供給速度が予め設定された下限値に達したかどうかを判定する。このステップS8の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、新線供給速度が下限値に達したと判定すると、ステップS10に進み、制御装置8は、ローラ駆動モータ20を制御してワイヤ走行速度を所定値よりα6分減少させ、その後、ステップS12に進む。
【0062】
一方、ステップS8の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、ワイヤ走行速度が下限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0063】
ステップS12では、制御装置8が、ワイヤ走行速度が予め設定された下限値に達したかどうかを判定する。このステップS12の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、ワイヤ走行速度が下限値に達したと判定すると、ステップS14に進み、制御装置8は、ローラ揺動手段9を制御して揺動速度を所定値よりα7分減少させ、その後、ステップS16に進む。
【0064】
一方、ステップS12の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、ワイヤ走行速度が下限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0065】
ステップS16では、制御装置8が、揺動速度が予め設定された下限値に達したかどうかを判定する。このステップS16の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、揺動速度が下限値に達したと判定すると、ステップS18に進み、制御装置8は、ワーク押付手段5を制御してワーク下降速度を所定値よりα8分増加させ、その後、ステップS20へ進む。
【0066】
一方、ステップS16の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、揺動速度が下限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0067】
ステップS20では、制御装置8が、ワーク下降速度が予め設定された上限値に達したかどうかを判定する。このステップS20の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8が、ワーク下降速度が上限値に達したと判定すると、ステップS22に進み、制御装置8は、切断負荷が基準値となるようにワークWを切断できないとして、切断を停止させる。
【0068】
一方、ステップS20の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8が、ワーク下降速度が上限値に達していないと判定すると、ステップS21に進み、制御装置8は、そのときのワイヤ走行速度、新線供給速度、揺動速度及びワーク下降速度の設定値に基づいて、上記ローラ駆動モータ20、ワーク押付手段5及びローラ揺動手段9を制御してワークWの切断を継続し、その後、ステップS23に進む。
【0069】
そして、ステップS23では、制御装置8が、切断負荷検出部8bによりワークWの切断時において検出された切断負荷値がゼロであるかどうかを判定する。このステップS23の判定がYESであるとき、すなわち、制御装置8は、切断負荷値がゼロであると判定すると、ワークWの切断が終了したとして、制御を終了させる。
【0070】
一方、ステップS23の判定がNOであるとき、すなわち、制御装置8の切断負荷値がゼロでないと判定すると、ステップS2に戻り、再び切断負荷値と基準値とを比較判定する。
【0071】
尚、ワークWの切断時において、切断負荷値が基準値を超えると、制御装置8が、ワイヤ走行速度及び揺動速度を制御した後、ワーク下降速度、新線供給速度の順で制御するように構成されているが、上記ワーク下降速度及び新線供給速度の制御の順はこれに限らず、新線供給速度を制御した後、ワーク下降速度を制御するようにしてもよい。また、ワーク下降速度、新線供給速度を制御せずにワークWの切断を停止させるようにしてもよい。
【0072】
また、ワークWの切断時において、切断負荷値が基準値に満たないと、制御装置8が、新線供給速度を制御した後、ワイヤ走行速度、揺動速度、ワーク下降速度の順で制御するように構成されているが、上記ワイヤ走行速度、揺動速度、ワーク下降速度の制御の順はこれに限らず、どれを先に制御するようにしてもよい。また、ワイヤ走行速度、揺動速度、ワーク下降速度を制御せずにワークWの切断を停止させるようにしてもよい。
【0073】
以上より、本発明の実施形態1によれば、ワークW切断時の切断負荷値が基準値に満たないと、新線供給速度が下がるので、ワイヤ3の新線部分を繰り出す量が減るようになる。したがって、ワイヤ3の使用量を減らしてランニングコストを低く抑えることができる。また、ワークW切断時の切断負荷値が基準値を超えると、ワイヤ走行速度が上がるので、ワイヤ3の切れ味が増して切断負荷が減り、しかも、新線供給速度を維持した状態であればワイヤ3の使用量を増やすことなく切断負荷を減らすことができる。したがって、特許文献1の如き切断負荷を減らすためにワーク下降速度を下げて切断時間が増えてしまうといったことを回避でき、生産性を損なうことなくワークWの切断精度を高めることができる。
【0074】
また、ワークW切断時の切断負荷値をローラ駆動モータ20及びワーク押付手段5のいずれか一方から検出するので、切断負荷値を検出するためにセンサ等を新たに追加する必要がなく、低コストなワイヤソー1とすることができる。
【0075】
また、ワイヤ3の切断時にローラ2が揺動することによってワークWの切断長を短くしながら切断することができるようになる。これにより、切断負荷が減少するので、生産性を高めることができる。
【0076】
また、ワークW切断時に切断負荷値が基準値を超えると、揺動速度が上がるので、ワイヤ3の切れ味が増して切断負荷が減り、生産性を高めることができる。
【0077】
また、ワークW切断時にワイヤ走行速度及び揺動速度を上げたにもかかわらず切断負荷値が基準値まで下がらないような場合であっても、ワーク下降速度が下がることで切断負荷が下がるようになり、ワイヤ3の軌道を安定させてワークWの切断精度を確実に高めることができる。
【0078】
また、ワークW切断時に新線供給速度を下げたにもかかわらず切断負荷値が基準値まで上がらないような場合であっても、ワイヤ走行速度、揺動速度が下がるか、ワーク下降速度が上がるようになり、ワイヤ3の軌道を安定させてワークWの切断精度を確実に高めることができる。
【0079】
尚、本発明の実施形態1のワイヤソー1には、ローラ2を揺動させるローラ揺動手段9が設けられているが、当該ローラ揺動手段9が設けられていないワイヤソー1においても上記制御装置8の制御を適用することができる。この場合、制御装置8は、図3に示すフローチャートのステップS9、S11及びステップS14、S16を省いて制御を行うようになる。
《発明の実施形態2》
図4は、本発明の実施形態2に係るワイヤソー1を示す。この実施形態2では、ワークWの切断時に切断負荷値を検出する機器として、ワークWにかかる負荷を直接検出することができる力センサ21を用いている点が実施形態1と異なっているだけで、他の部分は同じであるため、以下、異なる部分のみを詳細に説明する。
【0080】
実施形態2のワイヤソー1には、図4に示すように、ワーク把持部材51に力センサ21が取り付けられている。上記力センサ21は、制御装置8に接続されていて、ワークWの切断時におけるワークWにかかる切断負荷値を切断負荷検出部8bに出力するようになっている。
【0081】
実施形態2における制御装置8の具体的な制御動作は、切断負荷値を検出するための機器がローラ駆動モータ20やワーク押付手段5のワーク昇降モータ52ではなく力センサ21を用いている以外は実施形態1と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0082】
したがって、実施形態2のワイヤソーによれば、ワークW切断時のワークWにかかる切断負荷値を直接力センサ21を用いて検出できるようになるので、精度の高い切断負荷値を得ることができ、その検出値に基づいて制御を行うことで、さらにワークWの切断精度を高めることができる。
《発明の実施形態3》
図5は、本発明の実施形態3に係るワイヤソー1を示す。この実施形態3では、ワークWの切断時に切断負荷値を検出する機器として、ワイヤ3の撓み量を直接測定することができる撓みセンサ22を用いている点が実施形態1と異なっているだけで、他の部分は同じであるため、以下、異なる部分のみを詳細に説明する。
【0083】
実施形態2のワイヤソー1には、図5に示すように、ワイヤ3に撓みセンサ22が接触するように設けられている。上記撓みセンサ22は、制御装置8に接続されていて、ワークWの切断時におけるワイヤ3の撓み量を制御装置8に出力するようになっている。そして、制御装置8に入力されたワイヤ3の撓み量から切断負荷値が算出されるようになっている。
【0084】
実施形態3における制御装置8の具体的な制御動作は、切断負荷値を検出するための機器がローラ駆動モータ20やワーク押付手段5のワーク昇降モータ52ではなく撓みセンサ22を用いている以外は実施形態1と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0085】
したがって、実施形態3のワイヤソーによれば、ワークW切断時のワイヤ3の撓み量を直接撓みセンサ22を用いて測定し、その測定値に基づいて切断負荷値を検出できるようになるので、精度の高い切断負荷値を得ることができ、その検出値に基づいて制御を行うことで、さらにワークWの切断精度を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、例えば、例えばシリコンのインゴット等を切断するワイヤソーに適している。
【符号の説明】
【0087】
1 ワイヤソー
2 ローラ
3 ワイヤ
4 ローラ支持部材
5 ワーク押付手段
8 制御装置
8a 基準負荷記憶部
8b 切断負荷検出部
8c 判定部
9 ローラ揺動手段
20 ローラ駆動モータ(ローラ駆動手段)
21 力センサ
22 撓みセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに横並びに配置され水平軸心回りに回転する一対のローラと、
該一対のローラ間に各々の水平軸心方向に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられた1本のワイヤと、
上記ローラの少なくとも一方を回転駆動させて上記ワイヤを一端側から他端側に送り出すローラ駆動手段と、
切断に供するワークを把持して下降し、上記ワークを上記ワイヤに押し付けて複数箇所で同時に切断するワーク押付手段と、
上記ローラ駆動手段及びワーク押付手段に接続され、上記ワイヤの送り出しと引き戻しとを交互に繰り返しながらワイヤ新線部分が順次繰り出すように、且つ、ワイヤ走行速度及び新線供給速度が変化するように上記ローラ駆動手段を制御する制御装置とを備え、
上記制御装置は、ワーク切断時にワイヤにかかる切断負荷の基準値を記憶する基準負荷記憶部と、ワーク切断時の切断負荷値を検出する切断負荷検出部と、該切断負荷検出部の検出値と上記基準負荷記憶部に記憶された基準値とを比較判定する判定部とを備え、該判定部の判定結果により、上記検出値が基準値に満たない場合には、ワーク切断時の切断負荷が上がるように上記ローラ駆動手段を制御して新線供給速度を下げ、一方上記判定部の判定結果により、上記検出値が基準値を超えた場合には、ワーク切断時の切断負荷が下がるように上記ローラ駆動手段を制御して上記ワイヤ走行速度を上げるように構成されていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤソーであって、
上記ローラ駆動手段及びワーク押付手段は、各々サーボモータ制御により駆動され、
上記切断負荷検出部は、ワーク切断時に、上記ローラ駆動手段及びワーク押付手段のサーボモータのいずれか一方にかかる負荷に基づいて切断負荷値を検出するように構成されていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤソーであって、
上記切断負荷検出部は、上記ワーク把持部材に取り付けられた力センサからワークにかかる切断負荷値を検出するするように構成されていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項4】
請求項1に記載のワイヤソーであって、
上記切断負荷検出部は、上記ワイヤの撓み量を検出する撓みセンサからワークにかかる切断負荷値を検出するように構成されていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のワイヤソーであって、
上記一対のローラを支持するローラ支持部材と、
上記一対のローラ間において、該ローラの回転軸心と平行に設けられた揺動軸心を中心に上記ローラを揺動させるローラ揺動手段とを備えていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項6】
請求項5に記載のワイヤソーであって、
上記制御装置は、上記ローラの揺動速度が変化するように上記ローラ揺動手段を制御し、上記判定部の判定結果により、上記検出値が基準値を超えた場合には、ワーク切断時の切断負荷が下がるように上記ローラ揺動手段を制御して揺動速度を上げるように構成されていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項7】
請求項6に記載のワイヤソーであって、
上記制御装置は、ワイヤ走行速度及び揺動速度が所定の上限値になると、ワーク切断時の切断負荷が下がるように上記ローラ押付手段を制御してワーク下降速度を下げるように構成されていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項8】
請求項5に記載のワイヤソーであって、
上記制御装置は、上記ワイヤの揺動速度が変化するように上記ローラ揺動手段を制御し、上記判定部の判定結果により、上記検出値が基準値に満たない場合には、ワーク切断時の切断負荷が上がるように上記ローラ駆動手段、ワーク押付手段及びローラ揺動手段の少なくとも1つを制御して、ワイヤ走行速度の減速、揺動速度の減速又はワーク下降速度の上昇、或いは、これら2つ、又は3つが組み合わさるように構成されていることを特徴とするワイヤソー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−91238(P2012−91238A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237958(P2010−237958)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(391003668)トーヨーエイテック株式会社 (145)
【Fターム(参考)】