説明

ワイヤレスマウス

【課題】きわめて効率よく省電力動作を行うワイヤレスマウスを提供することを目的とする。
【解決手段】移動情報を取得するポインティングデバイスと移動情報を送信する送信手段とを備えたマウス部と、移動情報を受信するレシーバ部と、からなるワイヤレスマウスにおいて、前記マウス部に3軸センサと、前記レシーバ部からの信号を受信する受信手段と、前記3軸センサからの情報と前記レシーバ部からの信号とに基づいて前記ポインティングデバイスの電源を制御する制御部と、を備え、前記レシーバ部には、該レシーバ部に電力供給があると前記マウス部に所定の信号を送る送信手段を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレスマウスに関し、コンピュータ装置のUSB端子に接続したレシーバに移動情報を無線送信する省電力に優れたワイヤレスマウスに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ装置を操作するためのポインティングデバイスとして、マウスが用いられているが、マウスの移動情報をコンピュータ装置に伝えるために信号伝送コードが用いられると、机上での取り回しが煩雑となるため、近年では、電波等で移動情報をコンピュータ装置に伝送するワイヤレスマウスが普及し始めている。この場合、マウス本体にはマウスの移動情報を送信する送信手段が内蔵され、コンピュータ装置に接続され、マウスの移動情報を受信するレシーバが必要となる。
また、マウス本体は、コンピュータ装置から切り離され、ワイヤレスとなるために、マウスには、移動情報を取得する手段を動作させたり、電波を発信するための電力を供給するための電源が必要となり、電池や充電池が内蔵されるようになった。そのため、電池の交換や充電池の充電等の操作が必要となり、省電力タイプのワイヤレスマウスが希求されている。
【0003】
例えば、不使用時に不使用時間に応じて段階的に消費電力を低減するように制御されるワイヤレスマウス(特許文献1)や3軸センサを備え、3軸方向の加速度値のうち、少なくとも1軸方向の加速度値が所定閾値以上である場合に、検出部及び無線送信部に所定時間電力を供給するワイヤレスマウス(特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−107703号公報
【特許文献2】特開2008−242705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のワイヤレスマウスでは、有線でコンピュータ装置と接続されたレシーバを備えているため、このレシーバ上にマウス本体を収納してはじめて、ワイヤレスマウスの電源が切れるようになっており、レシーバにマウス本体を収納しなければ、マウス本体は、電力を消費し続けるという問題があった。
【0006】
また、特許文献2のワイヤレスマウスでは、3軸方向の加速度値のうち、少なくとも1軸方向の加速度値が所定閾値以上である場合に、検出部及び無線送信部に所定時間電力を供給するようになっているために、所定時間後は、電源がOFFとなるため、再度マウスの使用を始めるためには、電源をONする手段が必要となる等の、操作の煩雑性、電源ボタンの設置などの問題や、加速度値のみを電力供給の条件としているために、コンピュータ装置の電源が入っていない場合やワイヤレスマウスのレシーバがコンピュータ装置に接続されていない場合でも、ワイヤレスマウスが動くとワイヤレスマウスの電源が入るという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の問題を解決し、きわめて効率よく省電力動作を行うワイヤレスマウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ワイヤレスマウスの構成について鋭意検討を重ねた結果、ワイヤレスの構成を下記のようにすることにより、上記目的を達成することができることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、移動情報を取得するポインティングデバイスと該ポインティングデバイスにより得られた移動情報を送信する送信手段とを備えたマウス部と、
該ポインティングデバイスから送信される移動情報を受信するレシーバ部と、からなるワイヤレスマウスにおいて、
前記マウス部に3軸センサと、
前記レシーバ部からの信号を受信する受信手段と、
前記3軸センサからの情報と前記レシーバ部からの信号とに基づいて前記ポインティングデバイスの電源を制御する制御部と、を備え、
前記レシーバ部には、該レシーバ部に電力供給があると前記マウス部に所定の信号を送る送信手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
ワイヤレスマウスのマウス部に3軸センサと、この3軸センサからの情報に基づいてポインティングデバイスの電源を制御する制御部が備えているので、マウスが使用されていないときにポインティングデバイスの電源を切って省電力設計とすることができ、レシーバ部には、このレシーバ部に電力供給があるとマウス部に所定の信号を送る送信手段を備えているので、コンピュータ装置の電源が切られレシーバ部に電力が供給されなくなると、ポインティングデバイスの電源を切って省電力設計とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一例のワイヤレスマウスのマウス部とレシーバ部の斜視図である。
【図2】本発明の一例のワイヤレスマウスのマウス部の裏面の平面図である。
【図3】本発明の一例のワイヤレスマウスの内部構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明のワイヤレスマウスを説明する。
【0013】
図1に本発明の一例のワイヤレスマウスの外観を示す。本実施態様のワイヤレスマウス100は、マウス部10と、レシーバ部20とから構成される。マウス部10には、コンピュータ装置を操作するための、左ボタン171、右ボタン172、ホイール173が備えられている。
【0014】
図2に本発明の一例のワイヤレスマウス部の裏面の平面図を示す。マウス部10の裏面18には、板面を照らすLED182、板面上のマウス部10の移動情報を読み取るオプティカルセンサ181、レシーバ部20を収納する収納部183が備えられている。収納部183には、レシーバ部20の着脱に応じて断続するスイッチ13が設けられている。
レシーバ部20には、コンピュータ装置に接続し、マウスからの信号を伝える接続端子21、受信ユニット22が含まれている。
【0015】
図3に本発明のワイヤレスマウスの内部構成を示す。図中各電気パーツを結ぶ実線は信号線、破線は電力線を示す。マウス部10には、電池、充電池などの電源12、マウス部の3次元的な動きを察知する3軸センサ15、後述するレシーバ部20からの第2送信手段24からの信号を受信する第1受信手段16、3軸センサ15、第1受信手段16からの信号を受けて、マウス部10の板面上での移動情報を読み取ったりマウス操作を行うポインティングデバイス17への電力供給を制御する制御部14、ポインティングデバイス17からの信号をレシーバ部20の第2受信手段23に送信する第1送信手段11、電源12からの電力を断続するスイッチ13が含まれる。
【0016】
ポインティングデバイス17には、左ボタン171、右ボタン172、ホイール173、LED182、オプティカルセンサ181およびこれらの電気パーツからの信号を処理する不図示の電気回路を含む。
【0017】
レシーバ部20には、マウス部10の第1送信手段11からの信号を受信する第2受信手段23、レシーバ部20がコンピュータ装置30から電力供給されているという信号をマウス部10の第1受信手段16に送信する第2送信手段24、第2受信手段23からの信号をコンピュータ装置30に伝える信号に変換したり、レシーバ部20がコンピュータ装置30から電力供給されているという信号を第2送信手段に伝える信号回路25、レシーバ部20とコンピュータ装置30とを電気的に接続する接続端子21とを含む。
【0018】
次に本発明のワイヤレスマウス100の動作について説明する。使用前状態においては、本発明のマウス100のレシーバ部20は、マウス部10の裏面18の収納部183に収納されている。この状態では、収納部183に設けられたスイッチ13は遮断されており、マウス部10に含まれる各電気パーツには電力が供給されていない。
【0019】
レシーバ部20を収納部183から取り出すとスイッチ13は接続されて制御部14に電力が供給されて制御部14が動作状態になる。制御部14から3軸センサ15、第1受信手段16に電力が供給されて3軸センサ15、第1受信手段16が動作状態になる。レシーバ部20がコンピュータ装置30に接続され、コンピュータ装置30の電源が入れられるか、電源の入っているコンピュータ装置30にレシーバ部20が接続されると、コンピュータ装置30から、レシーバ部20に電力が供給され、レシーバ部20の各電気パーツが動作状態になる。信号回路25から第2送信手段24に、レシーバ部20がコンピュータ装置30から電力供給されているという信号が送られ、第2送信手段24からこの信号が、マウス部10の第1受信手段16に送信される。さらに、この信号は、第1受信手段16から制御部14に送られる。制御部14は、3軸センサからマウスが動かされているという信号(ON信号)と第1受信手段16からレシーバ部20がコンピュータ装置30から電力供給されているという信号(ON信号)とを受けると、ポインティングデバイス17と第1送信手段11とに所定時間電力を供給して、これらを動作状態に入らせる。
【0020】
ポインティングデバイス17は動作状態に入ると、LED182は、板面を照らし、オプティカルセンサ181からのマウス部10の板面上の移動情報や左ボタン171、右ボタン172、ホイール173からの操作情報が信号として第1送信手段11に送られ、第1送信手段11はこの信号をレシーバ部20の第2受信手段23に送信する。第2受信手段23は、この信号を信号回路25に送る。信号回路25は、この信号をコンピュータ装置30が受け取れる信号に変換して接続端子21を介してコンピュータ装置30に送り、コンピュータ装置30を操作できるようにする。
【0021】
所定時間以上の間、3軸センサ15からON信号がないか、第1受信手段16からON信号がないかのいずれかの場合、制御部14は、ポインティングデバイス17と第1送信手段11とに電力を供給するのを遮断する。このため、マウス部10が使用されていないか、レシーバ部20がコンピュータ装置と接続されていないか、レシーバ部20がコンピュータ装置と接続されていても、コンピュータ装置の電源が入っていない場合には、ポインティングデバイスへの電力供給を遮断する。この状態においては、電源12から、制御部14にのみ電力が供給されているが、これは非常に微弱なものなので省電力効果は非常に大きい。
【0022】
また、レシーバ部20をコンピュータ装置30から抜き取り、マウス部10の収納部183に収納すると、スイッチ13が遮断され、マウス部10の各電気パーツには完全に電力が供給されなくなる。

【符号の説明】
【0023】
10 マウス部
11 第1送信手段
12 電源
13 スイッチ
14 制御部
15 3軸センサ
16 第1受信手段
17 ポインティングデバイス
18 マウス裏面
20 レシーバ部
21 接続端子
22 受信ユニット
23 第2受信手段
24 第2送信手段
25 信号回路
30 コンピュータ装置
100 ワイヤレスマウス
171 左ボタン
172 右ボタン
173 ホイール
181 オプティカルセンサ
182 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動情報を取得するポインティングデバイスと該ポインティングデバイスにより得られた移動情報を送信する送信手段とを備えたマウス部と、
該ポインティングデバイスから送信される移動情報を受信するレシーバ部と、からなるワイヤレスマウスにおいて、
前記マウス部に3軸センサと、
前記レシーバ部からの信号を受信する受信手段と、
前記3軸センサからの情報と前記レシーバ部からの信号とに基づいて前記ポインティングデバイスの電源を制御する制御部と、を備え、
前記レシーバ部には、該レシーバ部に電力供給があると前記マウス部に所定の信号を送る送信手段を備えていることを特徴とするワイヤレスマウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−218403(P2010−218403A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66492(P2009−66492)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】