説明

一般にシート、特に自動車のシートの背部、ヘッドレスト及び座部のためのフレームと凸状クッションプレートを備えており、クッションプレートの凸状及び位置を手動又はモーター駆動によって調節することができるようになされた解剖学的支持構造体

一般にチェアのシート、特に自動車のシートの背部、ヘッドレスト及び座部内に使用するための解剖学的支持構造体。この支持構造体は、レームと、該フレームに対して摺動する手段を備えた凸状クッションプレートと、鞘内に摺動自在に挿通されたプッシュプルケーブルと、前記シートの背部、ヘッドレスト及び座部の固定構造体に取り付けられた制御デバイスとから成り、前記プッシュプルケーブルの第1端は、前記クッションプレートの一端又は他端に固定されており、前記鞘の第1端は、前記フレーム、又は、前記クッションプレートの一端又は他端に固定されており、該プッシュプルケーブルの第2端及び該鞘の第2端は、前記制御デバイスに固定されており、該制御デバイスは、該プッシュプルケーブルを一方向又は他方向のどちらかに選択的にに移動させることによって、前記鞘の第1端が前記フレームに固定されている場合は、前記クッションプレートの位置を調節し、前記鞘の第1端が該クッションプレートに固定されている場合は、該クッションプレートの凸状を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般にシート、特に自動車のシートの背部、ヘッドレスト及び座部に適合するように付形されたクッションプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
シートの背部、特に、自動車シートの背部内にクッションを埋め込み、ユーザーの好みに合うようにクッションの縦方向の位置だけでなく、クッションの凸状をも変更することができるようにした構造は、広く使用されている。しかしながら、このような調節を可能にするために必要とされるデバイスは、一般に、複雑で、高価であり、ユーザー操作する上で多少面倒であるという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、シートの背部だけでなく、ヘッドレスト及び座部のクッションプレートの位置並びに凸状を簡単な手動又は電動制御デバイスによって極めて容易に変更することを可能にする。
【0004】
本発明の主題は、一般にシート、特に自動車のシートの背部、ヘッドレスト及び座部のための解剖学的支持構造体である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この支持構造体は、フレームに対して摺動するための手段を備えた凸状クッションプレートと、第1端を該フレーム又は該クッションプレートの一端又は他端に固定された鞘内に摺動自在に挿通され、第1端を該クッションプレートの一端又は他端に固定されたプッシュプルケーブルから成る。前記プッシュプルケーブル及び鞘の第2端は、シートの対応する構成部(背部、座部又はヘッドレスト)の固定部材に取り付けられた制御デバイス(操作デバイス)に固定される。
【0006】
前記制御デバイスは、プッシュプルケーブルを一方又は他方に選択的に移動させることによって、前記鞘の第1端が前記フレームに固定されている場合は、前記クッションプレートの位置を調節し、前記鞘の第1端が前記クッションプレートに固定されている場合は、該クッションプレートの凸状を調節する。
【0007】
鞘の両端は、クッションプレート、フレーム及び制御デバイスにアンカー(係留又は固定)手段によって固定される。アンカー手段は、鞘の圧入を可能にする部分的に弾性の端部を有する円筒形本体と、遊び位置と、該鞘を安定(固定)状態に保持するために該鞘の端部が圧入されている前記円筒形本体の部位との間で移動自在の安全リングとから成る。
【0008】
プッシュプルケーブルの鞘内での両方向への移動は、上端に2つの直径方向に対向したアームを有し、下端にプッシュプルケーブルの端部を保持(係留)するためのアンカー手段を有する円筒形滑り子によって可能にされる。該円筒形滑り子は、その直径方向対向アームを移動自在に受容する2つの長手方向のスリットを有する円筒形本体内で摺動自在である。円筒形本体は、スリーブ内に嵌められており、該スリーブの内壁には、前記スリットを貫通して突出した前記直径方向対向アームを移動自在に受容する寸法を有する2つのらせん溝が形成されている。該溝付きスリーブの底部に、前記鞘を係留するためのアンカー手段が設けられている。鞘から突出したプッシュプルケーブルの端部は、前記滑り子に固定される。
【0009】
かくして、前記円筒形本体を回転させるための制御デバイスを用いることによって、前記アーム付き滑り子が、該円筒形本体の長手方向のスリットと前記溝付きスリーブのらせん溝との協同作用により、該本体によって該滑り子に付与される回転の方向に応じて前記鞘に対して一方向又は他方向に並進せしめられ、それによって、前記フレームに対して前記クッションプレートの位置又は凸状を調節することができる。
【0010】
円筒形本体の一方向又は他方向の回転が終端に達すると、前記滑り子のアームが前記長手方向のスリットの両端にそれぞれ形成されている1対の横断方向の溝(分岐凹部)に嵌まり、それによって、円筒形本体の回転によって決定されたクッションプレートの調節位置又は凸状を安定化させる。
【0011】
円筒形本体を一方向又は他方向に選択的に回転させる制御デバイスは、つまみを用いた手動式としてもよく、あるいは、シートの背部、ヘッドレスト及び座部の側面に設けられたスイッチにそれぞれ接続された電気比率計による電気駆動式としてもよい。
【0012】
シート構成部、即ち、背部、ヘッドレスト及び座部の側面に、それぞれクッションプレートの位置と凸状を調節するための2つの制御デバイスが設けられる。
【0013】
本発明の一実施形態においては、鞘の第1端は、前記フレームの一端に固定され、プッシュプルケーブルの第1端は、クッションプレートの一端に固定される。それによって、該プッシュプルケーブルの第2端と鞘の第2端が固定されている制御デバイスにより鞘に対するプッシュプルケーブルの並進移動量を決めれば、フレームに対するクッションプレートの位置を調節することができる。本発明の一実施形態において、該フレーム及びクッションプレートは一つのピースで作成される。
【0014】
前記2つの構成部品、即ちクッションプレートとフレームは、それらと同じ素材の、しかし、薄肉のヒンジによって連結し、クッションプレートをフレームに対して折り重ねるように屈曲させる構成とすることができる。
【0015】
フレームの、前記ヒンジのある側とは反対側の端部において、クッションプレートの自由端に設けられたロッドが、該フレームに形成された1対の側部スロット内に摺動自在に挿入される。
【0016】
前記鞘の第1端は、フレームに固定され、プッシュプルケーブルの第1端は、クッションプレートの自由端に固定される。かくして、プッシュプルケーブルの第2端と鞘の第2端が固定されている制御デバイスにより鞘に対しプッシュプルケーブルの並進移動量を決めれば、クッションプレートの凸状を調節することができる。
【0017】
手動多重制御デバイスは、前記つまみを担持している前記溝付きスリーブを被って嵌められた回転スリーブを含み、この回転スリーブに前記つまみに対して十分に突出した先端部を有する三角形の操作レバーが固定され、該先端部に回転自在の縦刻み付きフィンガーつまみが取り付けられる。前記溝付きスリーブに固定された長手方向のタブに鞘を固定するためのアンカー手段が取り付けられる。前記回転スリーブには、別の長手方向タブが固定されており、該タブに鞘内で摺動するプッシュプルケーブルの一端のヘッドが係留される。
【0018】
かくして、前記つまみを回すことによって、前記溝付きスリーブの下端において前記アンカー手段に挿入された鞘内で前記プッシュプルケーブルを一方向又は他方向に移動させることが可能であり、かつ、前記フィンガーつまみを用いて前記三角形の操作レバーを変位させることによって、前記溝付きスリーブ手段に取り付けられた前記タブに固定された前記アンカー手段に挿入されている鞘内でプッシュプルケーブルを移動させることができる。
【0019】
以上の説明から明らかなように、前記多重制御デバイスによれば、前記つまみを用いてクッションプレートの凸状を調節することができるとともに、前記縦刻み付きフィンガーつまみを用いてクッションプレートの位置を調節することができる。
【0020】
一実施形態においては、前記フレームは、コイルばねによってシートの固定構造体に結合される。
一実施形態においては、前記固定構造体は、シートの背部と座部内に、それらの実質的に全周囲を囲繞するように形成された横断方向の金属バンドによって形成される。
一実施形態においては、電気モータのための前記比率計は、外転サイクロイド歯車(遊星歯車装置)である。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、下記の利点を提供する。
一般にチェアの、特に自動車シートの背部、ヘッドレスト及び座部内のクッションプレートを調節するための簡単で便利な手段を提供する。
背部、ヘッドレスト及び座部内のクッションプレートの縦方向の位置及び凸状を調節するための制御デバイスが背部、ヘッドレスト及び座部の側面に配置されているので、特に自動車の走行中にクッションプレートを調節するのを容易にする。
【0022】
電気モータを用いる実施形態においては、ユーザーは、背部、ヘッドレスト及び座部のそれぞれのクッションプレートの位置と凸状を調節するのに好便な位置に配置されたスイッチを用いるだけでよい。
【0023】
クッションプレートの位置と凸状を調節するためのつまみとレバーを備えた多重制御デバイスを用いる実施形態は、安価であるとともに、使い勝手がよい。
又、フレームとクッションプレートを単一部品として形成する実施形態は、部品コストの点でも、組み立てコストの点でも安価である。
【0024】
上記各実施形態は、通常のシートにおいても、自動車シートにおいても、特に長い旅において、又、ストレスの多い交通条件下においても、ユーザーにクッションプレートを適用することによる高い快適性を与えることを可能にし、クッションプレートの安楽な位置を保証する。
【0025】
本発明によって得られる簡単な構造、経済性及びユーザーに与える快適さは、本発明の広範な分野への適用、特に自動車への適用を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の目的及び特徴は、添付図を参照して記述する以下の説明から一層明らかになろう。
【0027】
図1を参照すると、座部6と、背部7と、組み込みヘッドレスト8から成る自動車のシート5が示されている。
【0028】
背部7において、金属補強材10が、縦部材18と横部材19,21から成るフレーム15を1組の引張コイルばね25を介して支持している。コイルばね25は、その両端を補強材10の穴13とフレーム15の穴22に固定されている。
【0029】
フレーム15の縦部材18と18の間に長手方向に僅かに凸状の長方形の弾性クッションプレート40が配設されている。クッションプレート40は、座る人の要望に応じて位置及び凸状を調節することができる。クッションプレート40の上端と下端は、フレーム15の内側面に形成されたスロット30,31内に縦方向に摺動自在に保持されたバー42,43及びその両端の短ロッド45によって保持される。
【0030】
クッションプレート40の位置は、背部7の一側面に設けられたつまみ92付き制御デバイス90を操作することにより、鞘70内に摺動自在に挿通され、フレーム15の上側横部材19に固定された伝動デバイス50(図1)に連結されたプッシュプルケーブル80を介して調節される。
【0031】
制御デバイス90(図2〜5)は、制御組立体91と、1対の直径方向に対向した長手方向のリブ94を有するカラー93を備えたつまみ92とから成る。つまみのカラー93は、組立体91の円筒形本体97のカラー96に形成された1対の直径方向に対向した長手方向の溝98に受容されるリブ94によって案内されてカラー96内に挿入され、簡略化のために図示されない手段によって安定化される。円筒形本体97は、各々両端に互いに反対向きの同一幅の分岐凹部即ち横断方向の溝102,103を有する2つの長手方向のスリット100,101を備えている。
【0032】
円筒形本体97内には、円筒形滑り子110が適当な遊び量をもって挿入されている。滑り子110の一端に1対の直径方向に対向したアーム116,117が突設されている。アーム116,117は、適当な遊び量をもって円筒形本体97の長手方向のスリット100,101の幅に対応する直径を有する。
【0033】
滑り子110の、アーム116,117のある側とは反対側の端部には、窓112を有するチャンバー111が画定されており、チャンバー111の底部には、面取りコーナー115と、対向した2つの突起118によって囲まれた凹部114を有するスリット113が形成されている。この凹部114内にプッシュプルケーブル80が圧入される。
【0034】
制御組立体91のスリーブ120の下端近くに直径方向に対向したアンカー(係留又は固定用)タブ122が突設されており、スリーブ120の内壁に1対のらせん溝123,124が形成されている。らせん溝123,124は、スリーブ120のリム(上縁)のところで開放しており、滑り子110のアーム116,117の直径に対応する一定幅を有している。
【0035】
スリーブ120の内径は、適当な遊び量をもって円筒形本体97の外径に対応しており、その内壁に下端125に近接して周溝126を有する。周溝126の寸法は、円筒形本体97の端部に形成された内向き傾斜壁を有する突条リム106の寸法に対応している。
【0036】
スリーブ120の下端125は、滑り子110の内径より僅かに大きい内径を有する円筒形延長部130に連接し、更に、鞘70を係留するためのそれぞれ直径方向に対向した1対の内側突起132と1対の外側突起133を有する適度に弾性の筒状アンカー(「鞘ホルダー」とも称する)131に連接する。アンカー131の内径は、鞘70の、窪み76を有する第2端の外径に対応している。
【0037】
鞘70のためのアンカー131の周りに内側窪み136を有する安全リングを嵌めることができる。組み立てにおいては、スリーブ120内でプッシュプルケーブル80を滑り子110の底部のスリット113へ圧入すると、ケーブル80は、スリット113の側壁とケーブルのヘッド82によって及ぼされる圧力によって所定位置に保持される(図4)。
【0038】
プッシュプルケーブル80を包被する鞘70は、アンカー131内に挿入され、鞘70の窪み76内に進入する突起132(図4)と、内側窪み136を有する安全リング135からの圧力によってアンカー131内に安定化(固定)される。この組み立てに際しては、安全リング135は、図4に示される示される遊び位置135’から図5に示される示される位置135へ変位される。次いで、滑り子110が円筒形本体97内に挿入され、アーム116,117がそれぞれ対応するスリット100,101内に嵌入される。
【0039】
次いで、円筒形本体97が、そのらせん溝123,124に滑り子110のアーム116,117の端部を嵌合させてスリーブ120内に挿入され、円筒形本体97の突条リム106がスリーブ120の下端の周溝に嵌入され、図2に示される組み立て状態となる。
【0040】
図2の組み立て状態では、滑り子110のアーム116,117は、スリット100,101の下端即ち底部の凹部102に受容され、従って、プッシュプルケーブル80は、クッションプレート40の図1に示される下方レベルに対応する図2の点Aの位置をとる。
【0041】
図5に示されるように、つまみ92を回すと、滑り子110のアーム116,117は、スリット100,101の底部の凹部102から離脱し、らせん溝123,124によって案内され、スリット100,101の出発点即ち頂部に到達し、その後、プッシュプルケーブル80が符号80’で示されるように点Bにまで並進し(図5)、クッションプレート40を図6に符号40’で示される位置、即ち、横部材19に近づけられた位置に位置づけする。
【0042】
図8には、ヘッドレスト8のための補強材10の延長部分11及びフレーム15の延長部分16が示されている。
【0043】
背部7のためのクッションプレート40より小さいが、実質的に同じ形態の、ヘッドレスト8のためのクッションプレート170の上端と下端は、フレーム15の延長部分16の内側面に形成されたそれぞれ1対のスロット34,35内に縦方向に摺動自在に保持されたバー171,172の両端の短ロッド175によって案内される。バー171,172は、クッションプレート170の長短及び底端を補強する働きをもする。フレーム15の延長部分16の上側横部材28には、鞘182を有するプッシュプルケーブル180によってつまみ192付き制御デバイス190に連結された伝動デバイス185が固定されている。プッシュプルケーブル180は、クッションプレート170のバー171にブロック187を介して固定されている。
【0044】
クッションプレート170のバー171には、又、伝動デバイス205を介してつまみ212付き制御デバイス210に連結された鞘202を有するプッシュプルケーブル200がブロック207を介して固定されている。
【0045】
座部6は、ばね230を介して補強材221によって支持されたフレーム225を有する。ばね230は、その両端をフレーム225の穴227と補強材221の穴222に係止されている。
【0046】
座部6のクッションプレート240は、背部7のためのクッションプレート40と実質的に同じであるが、僅かに大きく、フレーム225の縦部材の間に配置されている。
【0047】
クッションプレート240の後端と前端は、フレーム225の内側面に形成されたそれぞれ1対のスロット235,236内に縦方向に摺動自在に保持されたバー242,243の両端の短ロッド245によって保持される。
【0048】
座部6の側面220において、クッションプレート240の位置を調節するためのつまみ262付き制御デバイス260が、補強材221に取り付けられている。
【0049】
つまみ262は、鞘252内に摺動自在に挿通され、フレーム225の後側横部材233に固定された伝動デバイス255に連結されたプッシュプルケーブル250を介してクッションプレート240の位置を調節する。
【0050】
図8は、つまみ262を回してクッションプレート240の位置をフレーム225の後側横部材233に近い側に設定したところを示す。
【0051】
クッションプレート240の凸状を調節するために前側バー243に固定された伝動デバイス275が、座部6の側面220に取り付けられたつまみ282付き第2制御デバイス280に鞘272付きプッシュプルケーブル270によって連結されている。
【0052】
伝動デバイス255,275及び制御デバイス260,280は、それぞれ、先に述べた伝動デバイス50及び制御デバイス90と実質的に同じであるから、詳しい説明を要さない。参照番号を変えたのは、単位、機能する部所が異なることを示すためである。
【0053】
図9は、それぞれ背部7、ヘッドレスト8及び座部6のクッションプレート40、170及び240の位置及び凸状を調節するためのつまみ付き制御デバイスをモーター駆動式制御デバイスに代えたシート290を示す。
【0054】
これらのモーター駆動式デバイスは、図2〜5に示される制御組立体91をつまみ92にではなく、電気比率計(レシオメーター)に接続することによって得られる。
【0055】
図10は、背部7のクッションプレート40の位置を調節するためのモーター駆動式制御デバイス300を示す。このデバイスは、上述した制御組立体91から成るが、固定用タブ122はその下端にではなく側壁に取り付けられている。組立体91の円筒形本体97の円筒形カラー96内で比率計295のロッドが電極301,303を有する電気モータ296に結合されている。
【0056】
クッションプレート40の凸状を調節するために、第1導線306によってスイッチ307に接続されたモーター駆動式制御デバイス305が設けられている。
【0057】
図9において、他のクッションプレートの位置及び凸状を調節するためのその他のモーター駆動式制御デバイスも、上述した制御デバイス300と実質的に同じ特性を有する。
【0058】
ヘッドレスト8のクッションプレート170の位置の調節は、第1導線311によってスイッチ312に接続されたモーター駆動式制御デバイス310によって行われ、クッションプレート170の凸状の調節は、導線316によってスイッチ317に接続されたモーター駆動式制御デバイス315によって行われる。
【0059】
座部6のクッションプレート240の位置の調節は、第1導線321によってスイッチ322に接続されたモーター駆動式制御デバイス320によって行われ、クッションプレート240の凸状の調節は、導線326によってスイッチ327に接続されたモーター駆動式制御デバイス320によって行われる。
【0060】
上述した各モーター駆動式制御デバイスのための第2導線及びそれらのスイッチの第2導線は、導線331,332を介してバッテリー330の2つの極に接続されている。その態様は、図11に回路図として説明されている。
【0061】
図12〜17は、フレーム351を有する単一部品で形成された僅かに凸状のクッションプレート350を示す。このクッションプレートは、特に、自動車のシートの背部に用いることができる。
【0062】
この製品は、適当な材料でプレス加工によって、従って、安価に製造することができ、いろいろな異なるサイズで、即ち、シートやチェアのタイプ及び好みに応じて関連する部品とのサイズ比に配慮して形成することができる。
【0063】
図12を参照して説明すると、フレーム351は、頂部横バー352、底部横バー355、及び、それらの間に位置する横バー353,354を有する。多数の穴357を有するクッションプレート350は、フレーム351よりも薄い薄肉ストリップ360(図13の拡大詳細図参照)から成るヒンジによって底部横バー355に取り付けられる。
【0064】
このクッションプレート350をプレス加工した後、図13にみられるように、フレーム351上に反り返らせて取り付けることは、容易である。
【0065】
クッションプレート350のこの位置は、該クッションプレートの頂部において補強バー364の両端に形成された1対のロッド365によって安定化される(図14)。
【0066】
これらのロッド365は、フレーム351の横バー353に近接して形成された1対の受座370に嵌入される。これらのロッド365は、その受座内で受座の全長に亘って移動自在である。
【0067】
クッションプレート350の上端に設けられた舌状片375に穴376が形成され、この穴に通じる面取りされた切り込み377が形成されている(図15の拡大図参照)。
【0068】
横バー354の裏面に、図1の詳細図に示された伝動デバイス50と実質的に同様の伝動デバイス380が取り付けられている。
【0069】
このデバイスを介して、ヘッド391がプッシュプルケーブル390及びその鞘392を保持し、安全リングによって安定化させる。
【0070】
このケーブル−鞘ユニットを手動操作のための制御デバイス90,190,260のようなつまみ付き制御デバイス、又は、モーター駆動による制御デバイス300,310,320ようなモーター駆動式制御デバイスに接続することによって、図17にみられるように、クッションプレート350の凸状を所望に応じて調節することができる。
【0071】
図18及び19は、ダブル制御のための多重制御デバイス400を示す。
【0072】
第1に、つまみ162を回すと、溝付きスリーブ120と鞘ホルダー131を介してプッシュプルケーブル150を鞘152内で両方向のどちらかの方向に選択的に自由に移動させることができ、それによって、クッションプレートの凸状を調節するための制御が行われる。
【0073】
第2に、溝付きスリーブ120を被って遊嵌され、アンカータブ122の手前まで延長した回転スリーブ401によってクッションプレートの位置を調節するための制御が行われる。
【0074】
スリーブ401は、その頂端につまみ162と協同する制御レバー402を備えている。レバー402の三角形の頂端にそれと直交するピン405が担持されており、ピン405に円筒形の縦刻み付きフィンガーつまみ406が回転自在に嵌められている。
【0075】
スリーブ401は、その下端近くに長手方向の長方形の窓410を有し、その窓の長手方向側縁にヘッド81を備えたプッシュプルケーブル80を支持するための長手方向のタブ415を有する。タブ415には、プッシュプルケーブル80を受容するための穴416が形成されている。穴416は、ケーブル80を押し下げるためのスリット417の底部に設けられており、スリットの上端開口は、ケーブル80の挿入を容易にするために符号418で示されるように面取りされている。
【0076】
穴416に挿入されたプッシュプルケーブル80のヘッド81は、タブ415の背面に設けられた上端開口421を有するケーシング420内に保持される。窓410は、溝付きスリーブ120の端部に長手方向に固定されたブラケット430を外部に突出させる。ブラケット430に安全リング432を備えた鞘ホルダー431が固定される。
【0077】
以上の説明から、多重制御デバイス400が、図6に示された2つの制御デバイス90と160に代わる制御デバイスとして、例えば図20に示されるように二重の制御機能を果たすことができることが理解されるであろう。
【0078】
図20において、鞘152は、鞘ホルダー131によって所定位置に保持され、プッシュプルケーブル150を案内する。一方、プッシュプルケーブル80のための鞘70は、溝付きスリーブ120の端部に固定されたブラケット430(図19参照)に固定された鞘ホルダー431に挿入される。
【0079】
かくして、つまみ162を回せば、背部7のクッションプレート40の凸状を調節することができ、フィンガーつまみ406を用いてレバー402を回転させれば、クッションプレート40の位置を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、組み込みヘッドレストを有する自動車のシートの背部をその内部が見えるように一部破除して示す透視図であり、つまみ付き制御デバイスによって鞘入りプッシュプルケーブルと伝動デバイスを用いてクッションプレートを操作し、クッションプレートの位置を最下限に位置づけし、プレートの凸状を最小にしたところを示す。円で囲まれた部分は、伝動デバイスの詳細図である。
【図2】図2は、アーム付き滑り子と溝付きスリーブから成る組立体を含むつまみ付き制御デバイスの一部破除された透視図であり、プッシュプルケーブル及び鞘の端部が滑り子の第1終端位置に位置しているところを示す。
【図3】図3は、図2の制御デバイスの分解である。
【図4】図4は、図3と同様の図であるが、プッシュプルケーブルが組立体内に嵌められたアーム付き滑り子内に固定され、鞘が溝付きスリーブの体部に挿入されたところを示す。
【図5】図5は、図2と同様の図であるが、制御デバイスが第2終端位置に位置しているところを示す。
【図6】図6は、図1と同様の図であるが、クッションプレートの位置を上昇させたところを示す。
【図7】図7は、図6と同様の図であるが、クッションプレートの凸状を大きくしたところを示す。
【図8】図8は、組み込みヘッドレストを有する自動車のシートの背部の一部分と、座部を分離して示す一部破除された透視図である。
【図9】図9は、モーター駆動式制御デバイスを付したシートの透視図である。
【図10】図10は、モーター駆動式制御デバイスの透視図である。
【図11】図11は、モーター駆動式制御デバイスのための電気接続を示す回路図である。
【図12】図12は、単一部品として製造されるフレームと、平坦な状態のクッションプレートの正面図である。
【図13】図13は、図12のクッションプレートをフレームに装着したところを示す正面図である。
【図14】図14は、図13のフレーム及びクッションプレートの背面図である。
【図15】図15は、図14の線A−Aに沿ってみた断面図である。
【図16】図16は、図14の線B−Bに沿ってみた部分断面図である。
【図17】図17は、図15と同様の図であるが、クッションプレートの凸状を大きくしたところを示す。
【図18】図18は、多重制御デバイスの一部破除された透視図であり、制御デバイスの第2制御機構が第1位置にあるところを示す。
【図19】図19は、図18と同様の図であるが、制御デバイスの第2制御機構が第2位置にあるところを示す。
【図20】図20は、図1と同様の図であるが、図18の多重制御デバイスを備えた自動車シートを示す。
【符号の説明】
【0081】
5 シート
6 座部
7 背部
8 ヘッドレスト
10 金属補強材、補強材
11 延長部分
13 穴
15 フレーム
16 延長部分
18 縦部材
19,21 横部材
25 引張コイルばね
22 穴
28 上側横部材
30,31 スロット
34,35 スロット
40 弾性クッションプレート、、クッションプレート
42,43 バー
45 短ロッド
50 伝動デバイス
70 鞘
76 窪み
80 プッシュプルケーブル、ケーブル
81 ヘッド
82 ヘッド
90 制御デバイス
91 制御組立体
93 カラー
94 リブ
96 円筒形カラー、カラー
97 円筒形本体
98 溝
100,101 スリット
102,103 分岐凹部
106 突条リム
110 滑り子
111 チャンバー
112 窓
113 スリット
114 凹部
115 コーナー
116,117 アーム
118 突起
120 スリーブ
122 アンカータブ、固定用タブ、タブ
123,124 らせん溝
125 下端
126 周溝
130 円筒形延長部
131 アンカー、鞘ホルダー
132 内側突起
133 外側突起
135 安全リング
150 プッシュプルケーブル
152 鞘
160 制御デバイス
162 つまみ
170 クッションプレート
171,172 バー
171 バー
175 短ロッド
180 プッシュプルケーブル
182 鞘
185 伝動デバイス
187 ブロック
190 制御デバイス
192 つまみ
200 プッシュプルケーブル
202 鞘
205 伝動デバイス
207 ブロック
210 制御デバイス
220 側面
221 補強材
222 穴
225 フレーム
227 穴
230 ばね
233 後側横部材
235,236 スロット
240 クッションプレート
242,243 バー
245 短ロッド
250 プッシュプルケーブル
252 鞘
255 伝動デバイス
260 制御デバイス
260 制御デバイス
270 プッシュプルケーブル
272 鞘
275 伝動デバイス
280 制御デバイス
290 シート
295 比率計
296 電気モータ
300 モーター駆動式制御デバイス
301,303 電極
305 モーター駆動式制御デバイス
306 導線
307 スイッチ
310 モーター駆動式制御デバイス
311 導線
312 スイッチ
315 モーター駆動式制御デバイス
316 導線
317 スイッチ
320 モーター駆動式制御デバイス
321 導線
322 スイッチ
326 導線
327 スイッチ
330 バッテリー
331,332 導線
350 クッションプレート
351 フレーム
352 頂部横バー
353,354 横バー
353 横バー
354 横バー
355 底部横バー
357 穴
360 薄肉ストリップ
364 補強バー
365 ロッド
375 舌状片
376 穴
380 伝動デバイス
390 プッシュプルケーブル
391 ヘッド
392 鞘
400 多重制御デバイス
401 回転スリーブ
402 制御レバー
405 ピン
410 窓
415 タブ
416 穴
417 スリット
420 ケーシング
421 上端開口
430 ブラケット
431 鞘ホルダー
432 安全リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般にシート、特に自動車のシートの背部、ヘッドレスト及び座部内に使用するための解剖学的支持構造体であって、
フレームと、
該フレームに対して摺動する手段を備えた凸状クッションプレートと、
鞘内に摺動自在に挿通されたプッシュプルケーブルと、
前記シートの背部、ヘッドレスト及び座部の固定構造体に取り付けられた制御デバイスとから成り、
前記プッシュプルケーブルの第1端は、前記クッションプレートの一端又は他端に固定されており、前記鞘の第1端は、前記フレーム、又は、前記クッションプレートの一端又は他端に固定されており、該プッシュプルケーブルの第2端及び該鞘の第2端は、前記制御デバイスに固定されており、該制御デバイスは、該プッシュプルケーブルを一方向又は他方向のどちらかに選択的に移動させることによって、前記鞘の第1端が前記フレームに固定されている場合は、前記クッションプレートの位置を調節し、前記鞘の第1端が該クッションプレートに固定されている場合は、該クッションプレートの凸状を調節することを特徴とする支持構造体。
【請求項2】
前記鞘の両端は、それぞれ、アンカー手段によって前記クッションプレート、前記フレーム、及び前記制御デバイスに固定されており、該アンカー手段は、該鞘の圧入を可能にする部分的に弾性の端部を有する円筒形本体と、遊び位置と、該鞘を安定状態に保持するために該鞘の端部が圧入されている前記円筒形本体の部位との間で移動自在の安全リングとから成る請求項1に記載の支持構造体。
【請求項3】
前記プッシュプルケーブルの前記鞘内での両方向への移動は、上端に2つの直径方向に対向したアームを有し、下端に該プッシュプルケーブルの端部を係留するためのアンカー手段を有する円筒形滑り子によって可能にされ、該円筒形滑り子は、その直径方向対向アームを移動自在に受容する2つの長手方向のスリットを有する前記円筒形本体内で摺動自在であり、該円筒形本体は、スリーブ内に嵌められており、該スリーブの内壁には、前記スリットを貫通して突出した前記直径方向対向アームを移動自在に受容する寸法を有する2つのらせん溝が形成されており、該溝付きスリーブの底部に、前記鞘を係留するためのアンカー手段が設けられており、該鞘から突出した前記プッシュプルケーブルの端部は、前記滑り子に固定されており、それによって、前記制御デバイスによって前記円筒形本体を回転させると、前記アーム付き滑り子が、該円筒形本体の前記長手方向のスリットと前記溝付きスリーブの前記らせん溝とに案内されて、該円筒形本体によって該滑り子に付与される回転の方向に応じて前記鞘に対して一方向又は他方向に並進せしめられ、それによって、前記フレームに対して前記クッションプレートの位置又は凸状を調節する請求項1又は2に記載の支持構造体。
【請求項4】
前記円筒形本体の一方向又は他方向の回転が終端に達すると、前記滑り子の前記アームが前記長手方向のスリットの両端にそれぞれ形成されている1対の横断方向の溝に嵌まり、それによって、該円筒形本体の回転によって決定された前記クッションプレートの位置又は凸状の調節を安定化させる請求項3に記載の支持構造体。
【請求項5】
前記制御デバイスによる前記円筒形本体の両方向の回転は、つまみによって手動で行われる請求項3に記載の支持構造体。
【請求項6】
前記制御デバイスによる前記円筒形本体の両方向の回転は、シートの背部、ヘッドレスト及び座部の側面に設けられたスイッチにそれぞれ接続された電気比率計によって行われる請求項3に記載の支持構造体。
【請求項7】
前記背部、ヘッドレスト及び座部の各々の側面に、それぞれのクッションプレートの位置と凸状を調節するための2つの制御デバイスが設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の支持構造体。
【請求項8】
前記鞘の第1端は、前記フレームの一端に固定され、前記プッシュプルケーブルの第1端は、前記クッションプレートの一端に固定されており、それによって、該プッシュプルケーブルの第2端と該鞘の第2端が固定されている制御デバイスを用いて該プッシュプルケーブルを該鞘に対して並進させれば、前記フレームに対する前記クッションプレートの位置を調節することができる請求項1又は2に記載の支持構造体。
【請求項9】
前記クッションプレートとフレームは、それらと同じ素材の、しかし、薄肉のヒンジによって連結されており、該クッションプレートをフレームに対して折り重ねるように屈曲させることができる構成とされており、該フレームの、前記ヒンジのある側とは反対側の端部において、該クッションプレートの自由端に設けられたロッドが、該フレームに形成された1対の側部スロット内に摺動自在に挿入されている請求項1に記載の支持構造体。
【請求項10】
前記鞘の第1端は、前記フレームに固定され、前記プッシュプルケーブルの第1端は、前記クッションプレートの自由端に固定されており、それによって、該プッシュプルケーブルの第2端と該鞘の第2端が固定されている前記制御デバイスを介して該プッシュプルケーブルを該鞘に対して並進移させることにより、該クッションプレートの凸状を調節することができる請求項1、2又は8に記載の支持構造体。
【請求項11】
前記制御デバイスは、手動多重制御デバイスであり、該手動多重制御デバイスは、前記つまみを支持している前記溝付きスリーブを被って嵌められた回転スリーブを含み、該回転スリーブに前記つまみから外方に突出した先端部を有する三角形の操作レバーが固定され、該先端部に回転自在の縦刻み付きフィンガーつまみが取り付けられ、前記溝付きスリーブに固定された長手方向のタブに鞘を係留するためのアンカー手段が取り付けら、前記回転スリーブに、第2の長手方向タブが固定されており、該第2のタブに前記鞘内で摺動する前記プッシュプルケーブルの一端のヘッドが固定されており、それによって、前記つまみを回すと、前記溝付きスリーブの端部において前記円筒形本体に取り付けられた前記アンカー手段に挿入された鞘内で前記プッシュプルケーブルを一方向又は他方向に移動させて前記フレームに対する前記クッションプレートの位置を調節することができ、かつ、前記フィンガーつまみを用いて前記三角形の操作レバーを変位させることによって前記溝付きスリーブに取り付けられた前記タブに固定された前記アンカー手段に挿入されている前記鞘内で前記プッシュプルケーブルを移動させて前記クッションプレートの凸状を調節することができる請求項1〜5のいずれか1項に記載の支持構造体。
【請求項12】
前記フレームは、コイルばねによって前記シートの固定構造体に結合されている請求項1に記載の支持構造体。
【請求項13】
前記固定構造体は、前記シートの背部と座部内に、それらの実質的に全周囲を囲繞するように形成された横断方向の金属バンドによって形成されている請求項1に記載の支持構造体。
【請求項14】
前記電気モータのための前記比率計は、外転サイクロイド歯車である請求項6に記載の支持構造体。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2006−513814(P2006−513814A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516751(P2005−516751)
【出願日】平成15年4月3日(2003.4.3)
【国際出願番号】PCT/IT2003/000201
【国際公開番号】WO2004/080243
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505330479)
【氏名又は名称原語表記】RESAL S.R.L
【住所又は居所原語表記】Via Caimi,32,I−26019 Vailate ITALY
【Fターム(参考)】