説明

一過硫酸カリウム溶液

約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウムの溶液を含む組成物およびアルカリ性材料による中和を含む前記組成物の調製のための方法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウム三重塩の高濃度溶液、高濃度溶液を調製する方法ならびにプリント配線板および半導体の製造における高濃度溶液の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
商標は以後大文字で示している。
【0003】
「一過硫酸カリウム」という用語は商取引において一般に用いられ、混合三重塩2KHSO5・KHSO4・K2SO4を意味するために本明細書において用いられている。三重塩中の活性成分の式である「KHSO5」という用語は、特に水素ペルオキシ一硫酸カリウムを表すために本明細書において用いられる。固体としての一過硫酸カリウムは、5.2%の理論活性酸素含有率を有するが、市販の固体の混合三重塩として約4.7%の典型的な活性酸素含有率を有する。市販の一過硫酸カリウムの純度が僅かな不純物、僅かな量の添加剤(凝結防止剤など)および製造プロセスにおける変動のゆえに約95%〜約98%であることは認識されている。「活性酸素」(AO)は、対応する硫酸水素塩を形成させるために必要な酸素の量を超過する一過硫酸カリウム三重塩中の酸素の量として定義される。それは、一過硫酸塩の分解のための式から百分率として計算してもよい。
【0004】
【数1】

【0005】
式中、AOは活性酸素を表し、[O]は示した分解によって遊離された酸素である。与えられた式を適用する際に、KHSO5の重量は、不純材料が用いられているサンプルの重量によって代替される。活性酸素は、もちろん、多くの反応、例えば、定量的であるヨウ化カリウムからのヨウ素の置換から決定することが可能である。一過硫酸カリウム中の活性酸素は分子酸素の製造のため、または種々の酸化反応において用いるために利用可能である。
【0006】
一過硫酸カリウムは、プリント回路板としても知られているプリント配線板のマイクロエッチングにおける用途を含む多くの用途を有する。米国特許公報(特許文献1)においてタファノ(Tufano)らは、低い不活性硫酸塩濃度および高重量%の活性酸素を有する一過硫酸カリウムマイクロエッチング溶液を用いる組成物およびマイクロエッチング方法を記載している。この組成物は、一過硫酸カリウムを完全に溶解させたとき、三重塩一過硫酸カリウムの活性酸素含有率の約1.5倍から約5.5倍に等しい最少活性酸素含有率を同等の温度で有する一過硫酸カリウムの溶液を含んでいた。これは、タファノ(Tufano)らの溶液に関して0.7%〜3.36%の活性酸素含有率である。溶液の調製のための方法は、固体を完全に溶解させるには不十分な量の水と固体の一過硫酸カリウムを混合する工程と、混合して平衡化されたスラリーを形成させる工程と、溶解しなかった固体を分離して溶液を得る工程とを含んでいた。しかし、遙かにより高い活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウム溶液を有することが望ましい。更に、タファノ(Tufano)らの溶液の貯蔵安定性は最大化されていなかった。貯蔵中または出荷中に沈殿する不活性固体の不溶性は依然として問題である。
【0007】
種々の用途のためにより高い活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウムの安定な溶液を有することが望ましい。より低い不活性硫酸塩濃度およびより高い重量%の活性酸素を提供する濃縮水性マイクロエッチング溶液の使用を通してプリント配線板をマイクロエッチングする方法を改良することも望ましい。一過硫酸カリウム溶液の貯蔵中および/または出荷中に不活性固体として沈殿する成分の不溶性を排除することも望ましい。すべての用途において、より高い活性酸素の溶液の入手の可能性は、最少化された不活性硫酸塩に加えてより望ましい。本発明は、こうした溶液を提供する。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,818,142号明細書
【非特許文献1】「OXONE一過硫酸塩化合物技術情報(OXONE Monopersulfate Compound Technical Information)」、ブレティン(Bulletin)、No.H−42434−5、日付2000年4月
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウムの溶液を含む組成物を含む。
【0010】
本発明は、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウムの溶液を調製する方法であって、a)i)固体の2KHSO5・KHSO4・K2SO4、ii)その固体を完全に溶解させるには不十分な量の水、およびiii)アルカリ性材料を混合して平衡化されたスラリーを形成させる工程と、(b)溶解しなかった固体を分離して溶液を得る工程とを含む方法を更に含む。
【0011】
本発明は、表面をマイクロエッチングする改良された方法であって、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウム溶液を含有するマイクロエッチング溶液にエッチングされるべき表面を接触させることが改良に含まれる方法を更に含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、約3.4重量%〜約6.8重量%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウムの水性高濃度溶液とその溶液の調製のための中和方法とを含む。本方法は、固体の一過硫酸カリウム三重塩(2KHSO5,KHSO4,K2SO4)、その固体を完全に溶解させるには不十分な量の水およびアルカリ性材料を混合して平衡化されたスラリーを形成させる工程と、その後、溶解しなかった固体を分離して本発明の溶液を得る工程とを含む。あるいは、三重塩および水を組み合わせてスラリーを形成させ、その後、アルカリ性材料を添加して、スラリー中に存在する硫酸水素カリウムを中和する。その後、溶解しなかった固体を分離して、本発明の一過硫酸カリウムの高活性酸素溶液を得る。
【0013】
以下、すべての溶解度および濃度を水100g中に溶解した固体のグラムで示し、すべての濃度を重量%またはg/100g溶液として示す。近似の相互変換に関する例として、10g溶質/100g水は、100×10(10+100)、すなわち9.1重量%に相当する。水の比重が室温または室温付近で1.0に近いからである。20℃での水中の一過硫酸カリウム三重塩の溶解度は、約30g/100g水(異なる温度でのより詳細は以下の表1に示している)であり、よって約1.0〜約1.1%の活性酸素濃度を示す。
【0014】
【表1】

【0015】
一過硫酸カリウムに適用される「完全飽和溶液」は、塩が完全に(100%)溶解されている先行技術の一過硫酸カリウム溶液を意味するために本明細書で用いられる。一過硫酸カリウム溶液は粒状形態を取った無水三重塩より限定的な安定性を有する。例えば、0.5%の活性酸素を含有する溶液は、304日後に固体の一過硫酸カリウムに関して10%の活性酸素の損失または室温で貯蔵された1520日の半減期と比較して、22℃で57日後にその活性酸素の10%の損失または910日の半減期を示す。一過硫酸カリウム溶液のこの安定性は、貯蔵温度に応じて溶液を数週間以内に用いる用途のために十分であるのみである。本発明の組成物は、三重塩の完全飽和溶液より良好な貯蔵安定性を有するより濃縮された溶液を提供する。
【0016】
表1は、OXONEの完全飽和溶液の溶解度限界および三重塩中の各成分の溶解度限界を示している。三重塩によって発生する活性酸素は、KHSO5の限界から無関係に達成できる活性酸素より遙かに低い。表1から、20℃で、三重塩の完全飽和溶液(100g脱イオン水中の30g)は、
(0.47×30)/(100+30)=0.0108(1.08%)
の活性酸素を有することが分かる。米国特許公報(特許文献1)の組成物は、0.7%〜3.36%の活性酸素含有率を有する。それに反して、本発明の組成物は、他の不活性塩の低い濃度も含有しつつ、高いレベルのKHSO5を有するとともに約3.4重量%〜約6.8重量%の活性酸素レベルを有する一過硫酸カリウムの溶液を含む。
【0017】
本発明の組成物の活性酸素含有率は、好ましくは約3.5重量%〜約6.8重量%、代わりに約3.6〜約6.8重量%、代わりに約3.6〜約6.0重量%、代わりに約3.6〜約5.4重量%、代わりに3.8〜約5.4重量%または代わりに約4.0〜約5.0重量%である。この範囲内のより高い活性酸素含有率は好ましい。
【0018】
一過硫酸カリウムの完全飽和溶液および米国特許公報(特許文献1)に記載された溶液と比較すると、本発明の溶液は、より高いKHSO5濃度、従って、より高い活性酸素濃度を有する。活性酸素を基準にして、本発明の高濃度溶液または高濃縮溶液は、より低い不活性硫酸塩濃度も有する。本発明の組成物は、約5.5%、好ましくは約5.0%の最大SO4含有率を有する。より低い不活性硫酸塩およびより高い活性酸素は、幾つかの最終用途のために商業的利点を有する組成物を提供する。組成物は、より高い貯蔵安定性を有し、ドラム入り製品または包装製品中の不活性固体の望ましくない沈殿を排除するためにより少ない工程を必要とする。より低い不活性硫酸塩値でもって、活性酸素が補充されるにつれて硫酸塩蓄積が減少するので、より長いプリント回路板マイクロエッチング溶液寿命が実現される。これは、汚染が起きる前にマイクロエッチングされ得るプリント回路板の数を拡大する。
【0019】
本発明は、高い活性酸素レベルを有する上述した本発明の組成物の調製のための方法を更に含む。本発明の方法は、固体の一過硫酸カリウム、その固体を完全に溶解させるには不十分な量の水およびアルカリ性材料をスラリー化する工程と、引き続く混合して平衡化されたスラリーを形成させる工程と溶解しなかった固体を除去する工程とを含む。任意に、固体の一過硫酸カリウムおよび水を混合して、平衡化されたスラリーを形成させ、その後、アルカリ性材料を添加する。適するアルカリ性材料には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムが挙げられる。水酸化カリウムは好ましいアルカリ性材料である。
【0020】
以下の説明は、アルカリ性材料として好ましい水酸化カリウムの使用に基づく本発明の方法の特定の実施形態である。三重塩100g当たり約25g〜約70gの水を用いる。最少処理温度は、十分に高いKHSO5溶解度を維持するために5℃を上回る。スラリーの調製において、低濃度の金属イオンおよび低レベルの酸化性の有機汚染物および無機汚染物を有する脱イオン水は好ましい。Co、FeおよびNiなどの特定の重金属イオンは水溶液中でKHSO5の分解に触媒作用を及ぼす。アルカリ性材料の量は、三重塩の約1.0%〜約100%のKHSO4分を中和するために十分である。スラリーを攪拌し、最高濃度の活性KHSO5成分を可溶化させるために十分な時間の長さにわたりスラリーを平衡化させる。スラリー時間は、バッチサイズおよび攪拌のような要素に応じて異なるが、典型的には約3時間は十分であり、好ましくは約2時間である。中和は良好な攪拌を伴って行われ、局所的な熱点からの活性酸素の損失を最少化するために、約40℃未満、好ましくは15℃の温度で行われる。約35%〜約40%KOHの濃度を用いる水酸化カリウム溶液は、再び熱点を最少化するためにアルカリ性材料として好ましい。本発明のプロセスの中和工程中に、KHSO4は、より低い可溶性のK2SO4に転化される。K2SO4の溶解度を超過するにつれて、塩が沈殿する。濾過、遠心沈殿、沈降分離およびデカンテーションなどに限定されないが、それらを含む適するいずれかの分離技術によって過剰の固体を透明濾液から分離する。濾液およびデカント液は、高レベルのKHSO5を含有する本発明の高活性酸素溶液である。典型的には、将来の使用のために適する耐酸容器および耐酸化容器、例えば、高密度ポリ(エチレン)、高密度ポリ(プロピレン)およびステンレススチール容器に濾液を貯蔵する。
【0021】
三重塩2KHSO5・KHSO4・K2SO4において、KHSO5成分が最も可溶性であり、K2SO4成分が最も不溶性(表1参照)であるので、殆どの元の硫酸カリウム(K2SO4)および水素硫酸カリウム(KHSO4)の部分中和によって形成された硫酸カリウムは溶解されないままであるか、または沈殿物のままである。中和工程は、活性酸素濃度の抽出を強化するために三重塩の3成分の異なる溶解度を利用する。表1から、水酸化カリウムをアルカリ性材料として用いるとき、KHSO4の溶解度は、K2SO4の溶解度の約4.5倍〜約5倍である。従って、KHSO4成分の部分中和は、より可溶性でないK2SO4の含有率を増加させ、K2SO4は、限定された体積の水中で沈殿し、除去される。その後、これらの溶解しなかった固体を上記の多くの適する手段のいずれかによってスラリーから分離する。
【0022】
中和技術は種々の利点を有する高活性酸素溶液をもたらす。本方法は、金属マイクロエッチング剤および/または金属クリーナーなどの種々の用途において用いられたときに溶液において入手できる(i)高い活性酸素濃度、(ii)不活性硫酸塩の低濃度、(iii)高い金属塩溶解度および(iv)高い活性酸素含有率の4つの利点を提供する。活性の水素ペルオキシ一硫酸カリウム(KHSO5)対不活性硫酸塩の濃度比は、先行技術において利用可能であった比より大幅に大きい。
【0023】
一過硫酸カリウム三重塩対水の比を増加させることが累進的により高い活性酸素値をもたらす一方で、KHSO5の収率は累進的に減少する。これは、累進的により大きいフィルターケーキ中の溶液滞留量または濾液保持、および最高の一過硫酸カリウム対水比におけるKHSO4の限定された溶解度のゆえである。最高の活性酸素を必要とする本発明の溶液の最終使用または最終用途において、KHSO5の多少の収率損失は許容できる。逆に、約100:60より下に一過硫酸カリウム三重塩対水の重量比を減少させることは高いKHSO5収率を提供するが、先行技術に比べて活性酸素含有率の観点で利点を減少させる。
【0024】
溶液の最終使用または最終用途に応じて、KHSO5の%活性酸素または収率のいずれかを最大化することが望ましい。本発明の方法は、こうした最大化を可能にする。用いられる脱イオン水の量は、表1に示した三重塩の完全飽和溶液を製造するために必要とされる量の約7%〜約21%であり、好ましくは約10%〜約21%である。より低い%の脱イオン水は、上述した4つの利点を累進的により多くもたらすが、元の三重塩中の活性酸素の質量を基準にして産出された活性酸素の質量が減少する。嵌込みチャンバーフィルタープレスなどの、より良好な「脱水」分離技術を用いることにより収率を改良できることに留意するべきである。ウェットケーキサイズは、単純真空濾過において大きな役割を果たす。
【0025】
本発明の高活性酸素溶液は、米国特許公報(特許文献1)の溶液および完全飽和溶液に匹敵する安定性を有する。更に、厳密に保存寿命に基づいて、本発明の組成物の出発活性酸素がより高いので、最小有用レベルまたは最小許容レベルに劣化するのにより長い時間を要する。これは、同じ重量の出発材料から本発明の組成物に関するより長い保存寿命を用意する。以下の実施例の表2は、本発明の溶液の実施例に関して35℃での時間に対する活性酸素の安定性を示している。水素ペルオキシ一硫酸カリウム(KHSO5)分子からの活性酸素の損失は
式1:LogeC/C0=−Kt
によって表される一次反応に従う。
式中、Cは濃度であり、tは時間であり、Kは速度定数である。速度定数は、時間に対するC/C0の自然対数をプロットすることにより見つけることが可能である。ここで、負の勾配=Kである。活性酸素の損失として安定性を表すために、例えば、C=(9/10)C0を代わりに用いて10%損失値を表してもよい。10%だけ出発活性酸素を減らすために要する日の数を表すために、式1において置換することにより
t10%=Loge(10/9)/K
を得る。
【0026】
本発明の溶液のpHは酸を添加することにより調節して、特定の用途のために必要な場合、約4.0〜約1.5のpHの範囲を得ることが可能である。従来の酸は、この目的のために適するが、硫酸およびリン酸は好ましい。より高い活性酸素と安定性との間にバランスが存在する。pHを下げると、より小さい速度定数Kをもたらす観点で安定性を高めるが、酸の添加による希釈を通して活性酸素を減少させる。短い保存寿命のみを要求する本発明の溶液を使用する人々は、可能な限り最高の活性酸素を好む場合がある。より長い期間にわたって活性酸素がより一定のままであることを望むもう一人のユーザーは、pHを下げるが、安定性を改良するために、酸の添加による希釈を通して活性酸素を若干減少させる場合がある。
【0027】
調製プロセス中に上述したように溶解しなかった固体から分離後、または使用の時点で、追加の補助剤を本発明の溶液に溶解させて、特定の最終製品要件を満たしてもよい。適切な溶解度および非常に酸性の溶液および非常に酸化性の溶液において安定性を有する補助剤が選択される。マイクロエッチング溶液として用いるときに本発明の溶液中での使用のために適する補助剤のタイプおよび例には、硫酸、リン酸および硝酸などの鉱酸(しかし、有害な塩素が発生する可能性があるため塩酸ではない)、C1〜C4の有機酸、湿潤性を改良する界面活性剤(非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤および両性界面活性剤など)、フェノールスルホン酸ナトリウムなどの安定剤およびアゾール化合物、例えば、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有ヘテロ環式化合物などのエッチング速度調整剤のような例が挙げられるが、それらに限定されない。
【0028】
本発明の高活性酸素溶液は低い濃度の不活性硫酸塩も有する。これは、溶解しなかった硫酸塩を除去した後であるが、上述した補助剤などの補助剤のあらゆる添加の前に測定されるか、または計算される。希釈は、活性酸素対不活性硫酸塩の比に影響を及ぼさない。固体の一過硫酸カリウム三重塩および先行技術における市販の一過硫酸カリウムから調製されたすべての完全飽和溶液に関する活性酸素対硫酸塩の重量比は約0.15:1である。これは、不純物、添加剤および製造プロセスの変動が存在するため計算理論値より若干低い。本発明の高活性酸素溶液において、溶解しなかった硫酸塩を除去するので、活性酸素対不活性硫酸塩の重量比は大幅により高く、約0.8:1〜約1.7:1の範囲である。本発明の溶液の実施例に関する活性酸素値および硫酸塩値は、実施例において表2、3および4に示している。
【0029】
本発明の組成物は、プリント配線板の製造において用いるためのマイクロエッチングコンセントレートを調製する際に特に有用である。本発明の組成物および方法は幾つかの利点を提供する。特定の最終使用のために必要に応じて希釈され得る高濃度水素一過硫酸カリウム(KHSO5)コンセントレートが提供される。本発明の組成物は、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する溶液をもたらす。より高い活性酸素含有率および低い不活性硫酸塩は、飽和を緩和することにより出荷の安定性を改良するために水をコンセントレートに戻すことを見越しており、にもかかわらず高活性酸素液体材料を提供する。先行技術の三重塩溶液に対してより低い不活性固体含有率が提供される。これは、生産性を改良するために浴寿命を延長できるマイクロエッチング用途において特に有用である。三重塩は、典型的には、より安定な固体の形で出荷され、その後、化学品取扱い業者によって「ジャストインタイム」使用のために溶液形態に変換される。本発明の溶液の使用は、最終使用者の作業環境から固体ダストを排除し、特に適切な保護具をあまり利用しない場合に向上した作業者の安全を通してより良好な工業衛生を提供する。
【0030】
本発明の溶液は、噴水、反射プールおよび観賞用池などを含むプール、温泉、および他のレクリエーション用の水および観賞用の水のための補助酸化剤または水撃処理剤としても有用である。本発明の溶液は、非微生物廃棄物分を減少させるとともに、水のこうした本体の輝きおよび透明性を回復させるために用いられる。本発明の溶液は、次亜塩素酸カルシウムなどの塩素化製品に関連した刺激性で悪臭のクロラミンを形成せずに上述したように用いられる。本発明の溶液はEPA−登録殺菌剤と組み合わせて用いられる。次亜塩素酸カルシウムなど塩素漂白剤に反して、本発明の溶液は、ビニルライナー、塗装表面または水着の布地の漂白または退色などの望ましくない副作用なしに酸化を提供する。本発明の組成物の他の用途は、クリーニング組成物中の活性漂白成分として、湿潤強度樹脂の破壊のための紙リパルピング助剤;抗菌組成物、洗濯製品、レクリエーションプール、温泉、義歯クリーナー、半導体処理、殺菌、廃棄水処理中の酸化剤、および有機合成における官能基のための選択的酸化剤としての用途を含む。
【0031】
本発明は、表面をマイクロエッチングする改良された方法であって、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する本発明の一過硫酸カリウム溶液を含有するマイクロエッチング溶液にエッチングされるべき表面を接触させることが改良に含まれる方法を更に含む。この改良された方法は、例えば、プリント配線板または半導体をエッチングするプロセスにおいて金属表面をエッチングするために有用である。銅フォイルによりプラスチックまたは他の絶縁体基板クラッド上に所望の導電性パターンを展開するための近代的なプリント配線板の製造は複雑なプロセスであり、よって100以上の工業工程を含むことが多い。過剰の銅、銅の沈着から残る試薬;各組立工程後の粉末、ダスト、酸化物および他の屑または残留物の注意深い除去(「マイクロエッチング」と呼ばれる)は必要である。マイクロエッチングプロセスは、本発明の一過硫酸カリウム溶液を含有する溶液にプリント配線板を接触させ(典型的には、浴として、またはコンベヤーで行う噴霧プロセスとして)、銅クラッドプリント配線板基板をマイクロエッチングし、洗浄し、望ましくない残留物と一緒に溶液を除去することを含む。KHSO5活性成分はマイクロエッチング中に消費され、よって硫酸塩を形成させる。従って、溶液中の硫酸銅濃度は増加する。減少する活性酸素を補充するために追加の一過硫酸カリウムを添加してもよい一方で、硫酸塩は蓄積する。浴の有効寿命は、硫酸塩の蓄積によって限定され、その後、置き換えなければならない。さもないとプリント配線板の汚染が発生し、品質が低下する。本発明の溶液のより高い活性酸素およびより低い不活性硫酸塩濃度は、マイクロエッチング溶液として用いられるとき、こうしたプロセスにおいてより高い金属充填容量をもたらす。同様に、マイクロエッチング浴として用いられるときの溶液の有効寿命は、溶液のより低い初期SO4含有率により時間が延長される。本発明の溶液は、少なくとも27g/溶液リットル、好ましくは少なくとも29g/溶液リットル、より好ましくは少なくとも30g/溶液リットルの銅充填容量を有する。より高い活性酸素対硫酸塩比を通して硫酸塩(SO4)濃度が表3に示したように実質的に減少するので、浴活性および処理量は増加し、浴寿命は延長される。先行技術の完全飽和溶液および米国特許公報(特許文献1)の溶液と比べて、本発明の溶液を用いるときに浴寿命が増加する。
【0032】
マイクロエッチングを受ける銅クラッド基板または銅合金クラッド基板は、銅フォイルが接着されるか、または銅が上に無電解メッキされるか、上に電解沈着されるプラスチック、ガラス繊維または他の材料のあらゆるプライを含む。基板は積層物または他の材料などの複合構造体または層状構造体の形態を取った単一プライまたは多プライであることが可能である。こうした銅クラッド基板および積層物はプリント配線板の技術上従来型である。基板は、銅を電気接続のために沈着させた壁上の貫通孔または小型層間貫通孔(マイクロ通路)技術を含んでもよい。近代の高密度回路板において、マイクロ通路は、より良い空間利用を提供するために貫通孔を置き換えてきた。単一積層物または多層板は、プリント配線板製作中に通常多数回マイクロエッチングされ、洗浄されなければならない。マイクロエッチング溶液および洗浄溶液の塗布は、通常、吹付けによって、またはエッチング溶液により形成された浴に銅クラッド基板を浸漬させることにより行われ、そして溶液は便利な他のいずれかの方式で被着させることが可能である。
【0033】
本発明の高活性酸素溶液は化学−機械的研磨用スラリーの成分としても有用である。こうしたスラリーは、半導体製造に関連した金属層および金属薄膜を研磨するために用いられる。
【0034】
典型的な半導体集積回路は、シリコン基板中にまたはシリコン基板上に形成された数百万個の能動素子から構成されている。初期的に互いに孤立されている能動素子は合一して機能的な回路および部品を形成させる。素子は周知された多レベル相互連結の使用を通して相互に連結される。相互連結構造は、通常、金属被覆の第1の層、相互連結層、金属被覆の第2のレベルおよびときには金属被覆の第3および後続のレベルを有する。ドープ二酸化ケイ素および非ドープ二酸化ケイ素(SiO2)などのレベル間誘電体を用いて、シリコン基板またはシリコンウェル中の異なるレベルの金属被覆を電気的に分離する。異なる相互連結レベル間の電気接続は、金属被覆された通路の使用を通して行われる。金属接触は、相互連結レベル間の電気接続を形成させるために用いられ、素子はウェル中に形成される。
【0035】
典型的な化学機械的研磨プロセスにおいて、基板は回転研磨パッドに直接接触して置く。キャリアは基板の背面に対して圧力を加える。研磨プロセス中に、下向きの力を基板背部に対して維持しつつパッドおよびテーブルを回転させる。「スラリー」と一般に呼ばれる研磨性化学反応性溶液を研磨中にパッド上に沈着させる。スラリーは、研磨される膜と化学的に反応することにより研磨プロセスを開始する。基板を基準としたパッドの回転運動は、スラリーがウェハ/パッド界面に供給されるにつれて研磨プロセスを促進する。絶縁体上の所望の膜が除去されるまで、この方式で研磨は続けられる。
【0036】
スラリー組成物は化学機械的研磨工程において重要な要素である。酸化剤、研磨材および有用な他の添加剤の選択に応じて、研磨スラリーは、表面欠陥、欠陥、腐食および浸食を最少化しつつ所望の研磨速度で金属層に有効な研磨を提供するために適応させることが可能である。更に、研磨スラリーは、チタンおよび窒化チタンなどの現行集積回路技術において用いられる他の薄膜材料に制御された研磨選択性を与えるために用いてもよい。本発明の濃縮溶液は、こうしたスラリー中の優れた酸化剤である。
【0037】
(材料および試験方法)
以下の材料および試験方法を本明細書の実施例において用いた。
【0038】
(材料)
本願特許出願人から入手できる一過硫酸カリウム化合物のOXONEブランドを用いた。
【0039】
(活性酸素の測定)
すべての実施例において、活性酸素濃度は重量%で表現し、本願特許出願人によって刊行された(非特許文献1)に記載されたように標準ヨウ素滴定によって決定する。簡単に言うと、分析されるべき溶液の秤量されたアリコートを冷脱イオン水で希釈し、酸性化し、ヨウ化カリウムで処理し、標準化0.1Nチオ硫酸ナトリウム試薬により澱粉指示薬によって目視化された終点まで滴定する。活性酸素(AO)含有率を次の通り計算する。
%AO=(mL滴定液×規定度滴定液×0.8)/(グラムサンプル
同様に、%KHSO5濃度を以下によって計算してもよい。
%KHSO5=%AO/0.105
【実施例】
【0040】
(実施例1)
OXONE(600g)を脱イオン水(325g)中でスラリー化し、水酸化カリウム溶液(37.9%、120.9g)を混合しつつ約10分にわたりゆっくり添加して、存在するKHSO4の90%を中和した。全OXONE:水比は600:400(水酸化カリウム溶液中に添加された水を含む)であった。混合を2時間にわたり続けた。混合後、真空濾過を用いて固体をフリットガラス漏斗により濾液から分離した。得られた濾液溶液は、34.71%のKHSO5を含有し、3.65%の活性酸素、1.05:1のAO/SO4比、3.5の%SO4含有率、85.1%の活性酸素収率およびt10%=8日の活性酸素安定性を有していた。ここで、t10%は活性酸素の10%損失のための時間である。
【0041】
(実施例2)
OXONE(600g)を脱イオン水(334g)中でスラリー化し、水酸化カリウム溶液(37.9%、106.3g)を混合しつつ約10分にわたりゆっくり添加して、存在するKHSO4の79.4%を中和した。全OXONE:水比は600:400(水酸化カリウム溶液中に添加された水を含む)であった。混合を2時間にわたり続けた。混合後、真空濾過を用いて固体をフリットガラス漏斗により濾液から分離した。得られた濾液溶液は、35.23%のKHSO5を含有し、3.71%の活性酸素、4.7の%SO4、0.79:1のAO/SO4比、85.83%の活性酸素収率およびt10%=14日の活性酸素安定性を有していた。ここで、t10%は活性酸素の10%損失のための時間である。
【0042】
(実施例3)
OXONE(1100g)を脱イオン水(403g)中でスラリー化し、水酸化カリウム溶液(37.9%、186.32g)を混合しつつ約10分にわたりゆっくり添加して、存在するKHSO4の76%を中和した。全OXONE:水比は1100:228(水酸化カリウム溶液中に添加された水を含む)であった。混合を2時間にわたり続けた。混合後、真空濾過を用いて固体をフリットガラス漏斗により濾液から分離した。得られた濾液溶液は、42.66%のKHSO5を含有し、4.49%の活性酸素を有し、0.83:1のAO/SO4比、60.24%の活性酸素収率およびt10%=16日の活性酸素安定性を有していた。ここで、t10%は活性酸素の10%損失のための時間である。
【0043】
(実施例4)
実施例2のように調製された高濃度液体OXONE溶液のpHを0.63のpHに85%のH3PO4により調節し、比較安定性試験のために3.0%の活性酸素濃度に脱イオン水で希釈した。得られた溶液は、3.8の%SO4、0.71:1のAO/SO4比を有していた。活性酸素は調製時点で3.71%であり、活性酸素安定性はt10%=20日であった。
【0044】
(実施例5)
OXONE(600g)を脱イオン水(320.73g)中でスラリー化し、水酸化カリウム溶液(37.9%、127.7g)を混合しつつ約10分にわたりゆっくり添加して、存在するKHSO4の95%を中和した。全OXONE:水比は600:400(水酸化カリウム溶液中に添加された水を含む)であった。混合を2時間にわたり続けた。混合後、真空濾過を用いて固体をフリットガラス漏斗により濾液から分離した。得られた濾液のサンプルを3.0%活性酸素に希釈し、20%硫酸(92.82g)を用いてpHを0.44に下げた。この調節された溶液の活性酸素安定性はt10%=18日であった。%SO4は2.7であり、AO/SO4比は約1.35:1であり、一切の調節の前に調製されたままで活性酸素は3.68%であった。
【0045】
(実施例6)
メカニカルスターラーを用いて実施例6を調製して、OXONE(653.2g)を水(266.83g)によりスラリー化した。約36%の水酸化カリウム溶液を20分にわたりゆっくり添加して、利用可能なKHSO4の80%を中和し、溶液を2時間にわたり混合した。温度を60℃±5°F(℃±℃)で維持した。水酸化カリウム溶液からの79.92gを含め、存在する水の合計は346.75gであった。混合後、真空濾過を用いて固体をフリットガラス漏斗により濾液から分離した。このプロセスは、530.6グラムの濾液および497.5gのウェットケーキをもたらした。得られた濾液は0.69のpHを有し、4.2%の活性酸素を含有し、t10%=13日を有していた。
【0046】
(実施例7)
濾液のpHを水性硫酸(19.4%)および水により調節したことを除き、実施例7を実施例6に記載されたように調製した。実施例6で調製された102.18gの材料を17.84グラムの水および4.04グラムの19.4%硫酸溶液と混合した。酸を添加して実施例6と同じpHを維持した。得られた溶液は3.5%の活性酸素含有率および0.66のpHを有していた。
【0047】
(実施例8)
濾液のpHを水性硫酸(19.4%)および水により調節したことを除き、実施例8を実施例6に記載されたように調製した。実施例6で調製された88.45gの材料を31.55グラムの水および5.02グラムの19.4%硫酸溶液と混合した。酸を添加して実施例6と同じpHを維持した。得られた溶液は3.0%の活性酸素含有率および0.64のpHを有していた。
【0048】
(比較例A)
米国特許公報(特許文献1)の実施例1の表2に記載された「従来の完全溶液」に関して比較例Aを調製した。22℃の温度で脱イオン水(100g)にOXONE(12.6g)一過硫酸カリウムを溶解させることにより11.2%一過硫酸カリウム溶液を調製した。完全に溶解されるまでOXONEを混合した。製造された得られた溶液を上の表1で表された飽和限界より下で調製した。得られた溶液は、0.51%の活性酸素、5.00%のKHSO5、2.54%のKHSO4、1.2のpH、10.56%の全溶解固体(TDS)および0.15:1のAO/SO4重量比を含んでいた。米国特許公報(特許文献1)の表2のデータから速度定数を誘導し、k=0.0062であることを見出した。上の式1を用いて、t10%の値は17日であった。ここで、t10%は活性酸素の10%を失うのに要する時間である。
【0049】
(比較例B)
米国特許公報(特許文献1)の実施例1に記載されたように比較例Bを調製した。OXONE一過硫酸カリウム(104g、固体として4.52%の活性酸素)を200gOXONE/100g水に等しい脱イオン水(52g)によりスラリー化した。スラリーを周囲室温(22℃±2℃)で一晩攪拌し、その後、粗いガラスフィルタ漏斗を通して濾過して、溶解しなかった硫酸カリウムおよび硫酸水素塩を除去した。透明な濾液を分析した。得られた溶液は、2.98%の活性酸素、28.4%のKHSO5、13.5%のKHSO4、0.9のpH、49.4%の全溶解固体(TDS)および0.22:1重量比のAO/SO4を含んでいた。米国特許公報(特許文献1)の表2のデータから速度定数を誘導し、k=0.0062であることを見出した。式1を用いて、t10%=18日であった。ここで、t10%は活性酸素の10%を失うのに要する時間である。
【0050】
(比較例C)
表1に表された溶解度限界までOXONE一過硫酸カリウムを20℃の温度で溶解させることにより完全飽和溶液を調製した。OXONE(30g)を水(100g)に20℃で溶解させ、完全に溶解するまで混合した。得られた溶液は、1.08gの活性酸素、10.34%のKHSO5、4.74%のKHSO4、21.89%のTDSおよび0.15:1のAO/SO4重量比を有していた。
【0051】
【表2】

【0052】
表2は本発明の溶液中で得られたより高い%の活性酸素を示している。活性酸素損失の速度(K)は、溶液の%活性酸素がより高くなるにつれて、およびpHが増加するにつれても増加した。約0.6にpHを下げるために濾液に酸を戻すことが、KHSO4中和工程からのより高いpHと比べて活性酸素安定性を高めるために有用であることも示されている。表2は、pHと濃度の両方が活性酸素を失った速度(安定性)に影響を及ぼしたことを示している。更に、活性酸素安定性においてpHが濃度より大きな影響を及ぼしたことが表2で示されている。本発明の溶液は、より良好な速度定数を有する、および2.7%の活性酸素に減少する時間まで測定された時に3倍の保存寿命を有する溶液をもたらした。
【0053】
【表3】

【0054】
表3は、本発明の溶液がより低い%SO4を提供したことを示している。本発明の実施例は、比較例より低い使用中の硫酸塩濃度をもたらした。例えば、マイクロエッチング中に、KHSO5が消費されて硫酸塩を生成させる。硫酸塩濃度および残留活性酸素によって浴寿命を決定するので、より低い%硫酸塩は、より長い浴寿命を提供した。
【0055】
(実施例9)
OXONE(642g)および水(358g)を用いる1000グラムのバッチサイズを10℃でスラリー化した。水酸化カリウム溶液(36.4%の122.7g)を用いてKHSO4〜K2SO4の80%を中和した。OXONE:水比を計算するときに水酸化カリウム溶液中の水を含めた。その後、スラリー混合物を2時間にわたり機械的に攪拌した。混合後、真空濾過を用いてフリットガラス漏斗により固体を濾液から分離した。濾液組成の結果および活性酸素を表4に示している。
【0056】
(実施例10〜12)
示されたOXONE:水比および表4で示された10℃または20℃の対応する温度を用いて実施例10〜12を実施例9に記載されたように調製した。用いられたOXONEの量に対応してKOHの量を若干変えて、三重塩中に存在するKHSO4の80%を中和した。濾液の組成の結果および活性酸素を表4に示している。
【0057】
【表4】

【0058】
表4は、活性酸素濃度および%SO4がOXONE:水の比によってどのように影響を受けるかを示している。表4は、若干より高い温度でKHSO5のスラリー抽出を行うことによって、同じ時間にわたり混合された場合、より高い%のKHSO5が水性溶液にどのように移動するかも示している。より高い混合温度は、三重塩の溶液の吸熱を克服するのを助けた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウムの溶液を含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
5.5%の最大SO4含有率を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約0.4〜約1.5のpHを有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
塩酸以外の鉱酸、C1〜C4の有機酸、界面活性剤、安定剤およびエッチング速度調整剤からなる群から選択される補助剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウムの溶液を調製する方法であって、a)i)固体の2KHSO5・KHSO4・K2SO4、ii)前記固体を完全に溶解させるには不十分な量の水、およびiii)アルカリ性材料を混合して平衡化されたスラリーを形成させる工程と、(b)溶解しなかった固体を分離して溶液を得る工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記固体の2KHSO5・KHSO4・K2SO4と水が混合された後に前記アルカリ性材料を添加し、前記アルカリ性材料が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項7】
100gの2KHSO5・KHSO4・K2SO4当たり約25g〜約70gの水を用い、前記アルカリ性材料の添加中に、40℃以下で温度を維持することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
表面をマイクロエッチングする改良された方法であって、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウム溶液を含有するマイクロエッチング溶液にエッチングされるべき表面を接触させることが改良に含まれることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記エッチングされるべき表面が、銅または銅合金で被覆されている金属被覆半導体または金属被覆プリント配線板であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記溶液が溶液リットル当たり少なくとも25gの銅の銅充填容量および約3.5%〜約6.8%の活性酸素含有率を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
基板を機械的に研磨する改良された方法であって、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウム溶液を含有する研磨用スラリーの使用が改良に含まれることを特徴とする方法。
【請求項12】
レクリエーション用の水および観賞用の水を処理する改良された方法であって、約3.4%〜約6.8%の活性酸素含有率を有する一過硫酸カリウム溶液の使用が改良に含まれることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−539740(P2009−539740A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513306(P2009−513306)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/012995
【国際公開番号】WO2007/143127
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】