説明

三次元計測システム及び三次元計測方法

【課題】ロボットの座標系に依存しない、三次元計測システムを提供する。
【解決手段】計測対象の三次元形状を計測する三次元計測器20と、この三次元計測器20を移動させるロボット10と、ロボット10を駆動制御するロボット制御装置30と、を備えた三次元計測システム1であって、ロボットのアーム先端に固定され三次元計測器を支持したベースプレート60と、ベースプレートに固定された三次元計測器20の傾きを計測するロボット計測装置40と、ワーク計測箇所の座標及びワークの形状寸法を算出するデータ処理装置50と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットによって非接触式の三次元計測器を移動させて、ワーク上の座標及び形状寸法を計測する三次元計測システム及び三次元計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用ロボットに非接触式の計測センサを取り付けて測定対象の座標及び形状寸法を計測する三次元計測システムが知られている。
測定対象の座標及び形状寸法を計測する際に多数の点を計測するため、ロボットの移動指令値であるスキャンパス情報に基づいてロボットを移動させるが、スキャンパス情報に基づいたロボットの座標と実際のロボットの位置(以下、実測値と呼ぶ。)とにズレが生じる場合がある。従来、ロボットの座標と実測値との差分をロボット補正モデル等として求め、ズレを補正することが行われている。
【0003】
図7は従来の三次元計測システム100の概略図である。三次元計測システム100は、ロボット110と、ロボット110の可動アーム111に取り付けられた三次元計測器120と、ロボット110を駆動制御するロボット制御装置130と、三次元計測器120からの三次元計測座標データを処理するデータ処理装置140と、ロボット110の実測データを計測するロボット計測装置150と、を備えている。
【0004】
従来の三次元計測システム100では、ロボット110を制御するためのスキャンパス情報に基づいたロボット座標と、実際のロボットの位置とのズレを解消するために、ズレの大きさに応じてロボット座標を補正することが行われている。計測対象を計測する際に、ロボット座標を補正できるよう、事前に補正モデルが作成される。この補正モデルは、準備段階でロボットを適当に動かした挙動に基づいて作成され、計測対象の計測時にロボット制御装置130からロボット110へ出力されるロボット座標のデータを補正するための補正値である。この補正モデルを計測時に利用することで、スキャンパス情報に基づいたロボット110の座標と、実際のロボット110の位置とを同期させることができる。
【0005】
移動指令値ベースのロボット座標と、実際のロボットの測定位置とのズレを解消するために、ズレの大きさに応じてロボット座標を補正する計測システムが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010―91540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている計測システムによれば、ロボットの座標を補正することができるが、計測対象をスキャンパス情報に則って計測するためにはロボットに支持された三次元計測器の座標系をロボット座標と同じ系に同期させることが必要である。しかし、このような同期を行う場合、三次元計測器の座標系をロボット座標と同じ座標系に同期させる際のロボット座標と計測器座標との間に方位誤差が生じる。また、三次元計測器をロボットのアームの先端に取り付ける際の製作誤差も同期に影響を与える。よって、従来の計測システムでは、三次元計測器の座標系をロボット座標に同期させると、計測器座標系とロボット座標との間の誤差が三次元計測器の計測値に影響をもたらす虞がある。また、誤差を解消するためには、予めロボットを適当に動かして、補正モデルを作成しておくことが必要である。
【0008】
そこで、本発明は、ロボットの座標に依存しない、また座標系の補正モデルを必要としない三次元計測システム及び三次元計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、計測対象の位置及び形状寸法を計測する三次元計測器と、この三次元計測器を移動させるロボットと、ロボットを駆動制御するロボット制御装置と、を備えた三次元計測システムであって、ロボットのアーム先端に固定され三次元計測器を支持したベースプレートと、ベースプレートに固定された三次元計測器の傾きを計測するロボット計測装置と、以下の処理(A1)〜(A4)を順に行うデータ処理装置と、を備えていることを特徴としている。
(A1) 三次元計測器によって予め計測されたマスターの測定箇所と、三次元計測器によって計測されたワークの測定箇所との位置ズレ量Dを算出。
(A2) 三次元計測器のマスター測定時のワールド座標に対する傾きを表すベクトルPをロボット計測装置の計測値より算出。
(A3) (A1)の位置ズレ量Dを(A2)のベクトルPに乗じて、マスターの測定箇所からワークの測定箇所までのベクトルPSを算出。
(A4) ロボット計測装置で計測したマスターの測定箇所の座標と(A3)のベクトルPSとに基づいて、ワールド座標系でのワークの測定箇所の座標及びワークの形状寸法を算出。
【0010】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は、計測対象の座標及び形状寸法を計測する三次元計測方法であって、計測対象に対する計測の基準となる主情報を作成する準備工程と、主情報と三次元計測器によって計測されたワークの情報とに基づいて、計測対象の座標を算出する実測工程と、を含み、主情報は、ワールド座標系でのマスターの形状寸法及び傾きを示す情報であり、マスターの計測時と計測対象の計測時とにおける三次元計測器の傾きが同じと取り扱い、上記準備工程は、ロボット計測装置によってマスターの計測箇所の座標を計測する第1工程と、三次元計測器によってマスターの計測箇所を計測する第2工程と、ロボット計測装置によって三次元計測器の傾き具合を示すベクトルPを算出する第3工程と、を含み、上記実測工程は、三次元計測器によって計測対象の計測箇所を計測する第4工程と、データ処理装置によって、第2工程で得た計測情報と第4工程得た計測情報とに基づいてマスターに対する計測対象のずれ量を表すベクトルVを算出する第5工程と、データ処理装置によって、第5工程で算出したベクトルVを第3工程で算出したベクトルPに基づいてワールド座標系のベクトルV″に変換する第6工程と、データ処理装置によって、第6工程で算出したベクトルV″と第1工程で計測した座標に基づいて、ワールド座標系での計測対象の座標を算出する第7工程と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来の三次元計測システムで行われているばらつき誤差が大きい処理、具体的にはロボットのアーム先端部に取り付けられたセンサ系の座標をワールド座標系に合わせる処理に代えて、マスターの絶対位置計測と準備段階で計測したセンサの傾き具合とに基づいて、ワークWPの穴WHの中心座標PWCや半径を算出することができるので、センサの計測精度を従来技術に比べて向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の三次元計測システムの概要を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態に係る三次元計測システムのブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る三次元計測システムの準備工程の図である。
【図4】図3の準備工程の三次元計測システムを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る三次元計測システムの実測工程の図である。
【図6】図5の実測工程の三次元計測システムを示す図である。
【図7】従来の三次元計測システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、下記の項目の順に、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.概要
2.構成
3−1.準備工程
3−2.実測工程
【0014】
1.概要
本実施形態では、製造ライン上を搬送されてくる車両ボディのパネル(以下、ワークWPと呼ぶ。)に関して、図1に示すワークWPに形成された穴WHの中心座標PWCや半径を計測する。本実施形態では、準備工程において計測対象の車両に対して参考となる車両をマスターとして取り扱い、マスター車両の特定箇所のパネルの座標や寸法の計測の基準となる主情報を作成し、実測工程では主情報を利用して各ワークの穴の位置や大きさを容易に計測できるように構成されている。
【0015】
2.構成
三次元計測システム1は、図2に示すように、ロボット10と、三次元計測器20と、ロボット制御装置30と、ロボット計測装置40と、データ処理装置50と、を備えている。
【0016】
ロボット10は多関節のアーム11を備え、各関節部12に備えられたモータを駆動してアーム先端部を移動させる。このアーム先端部には三次元計測器20が設けられている。
【0017】
三次元計測器20は、レーザー照射とその反射光とによってワークWPの計測箇所の位置と形状を計測する。この三次元計測器20は、図1に示すように、ベースプレート60に固定されている。このベースプレート60の広い面(以下、第1面61と呼ぶ。)に三次元計測器20が固定されている。
【0018】
第1面61と、この第1面61に隣接する第2面62と、第1面61と第2面62とにそれぞれ隣接する第3面63とは、それぞれ法線成分が直交する。ベースプレート60は、アーム先端に固定されている。
【0019】
第1面61に固定された三次元計測器20がワークWP(図1参照)を臨むように、後述のロボット制御装置30によってロボット10が制御されて、三次元計測器20がワークWPを計測する位置に移動する。そこで、三次元計測器20からレーザーが照射され、ワークWPの計測箇所の位置と形状寸法が計測される。
【0020】
ロボット制御装置30は、ロボット10を駆動制御する。予め作成されたスキャンパス情報に基づいてロボット10を駆動してアーム先端部の三次元計測器20を移動させる。
【0021】
ロボット計測装置40は、アーム先端部に固定されたベースプレート60の位置を計測する。具体的には、ベースプレート60の第1面61,第2面62,第3面63を計測する。ロボット計測装置40は、接触式の計測装置であり、図示を省略した触針を第1面61、第2面62、第3面63に当接させて、各面61,62,63の座標を測定する。例えば、ロボット計測装置40として、東京貿易テクノシステム株式会社製のベクトロンを利用することができる。なお、第1面61、第2面62、第3面63の計測箇所は予め決められており、例えば触針を当てる位置にマークが付されている。なお、ロボット計測装置40で計測される座標は、ワールド座標系で表される。
【0022】
データ処理装置50は、三次元計測器20からの情報やロボット計測装置40からの参照情報に基づいてデータ処理する。このデータ処理として、準備工程で参照情報を作成し、実測工程では参照情報と三次元計測器20からの情報とに基づいてワークWの穴W1の中心座標や半径を求める。
以下、準備工程と実測工程とについて説明する。
【0023】
3−1.準備工程
図3は本発明の実施形態に係る三次元計測システム1の準備工程図を示している。
準備工程では、ステップS11で、計測の基準となる図4に示すマスターパネルMPに形成された穴MHの中心座標PMCを計測する。例えば、マスターとなる車両のパネルの特定の箇所を計測する。具体的には、ロボット計測装置40であるベクトロンの触針をマスターパネルMPの穴MHに当てて、当該穴MHの中心座標PMC、半径を計測する。ロボット計測装置40の座標はワールド座標系と同期しており、触針を計測箇所に当てることで、当該計測箇所の座標が求められる。また、穴MHを形作る縁を複数個所測定し、それらの座標から穴MHの半径と中心座標PMCとをデータ処理装置50が算出する。このようにして得た、マスターパネルMPの穴MHの中心座標PMCや穴MHの半径が、主情報として、データ処理装置の記憶部に格納される。
【0024】
さらに、ステップS12で、三次元計測器20によってマスターパネルMPを計測する。ロボット制御装置30は、スキャンパス情報に基づいてベースプレート60の第1面61に固定された三次元計測器20を、マスターパネルMPの穴MHを臨む位置へ移動させる。以下、この位置を計測位置と呼ぶ。この計測位置で、三次元計測器20はマスターパネルMPの穴MHを計測する。データ処理装置50は、三次元計測器20からの情報に基づいて、マスターパネルMPの穴MHなどの計測箇所の位置及び形状寸法データを格納する。
【0025】
次に、ステップS13で、三次元計測器20の姿勢を算出する。ロボット計測装置40の触針をベースプレート60の第1面61、第2面62、第3面63について予め決められた計測箇所に当てて、ロボット座標系における3つの各面の法線成分P1(x1,y1,z1),P2(x2,y2,z2),P3(x3,y3,z3)を求める。三次元計測器20は、その座標系がベースプレート60の第1面61、第2面62、第3面63に一致するように取り付けられているため、これらの法線成分P1(x1,y1,z1),P2(x2,y2,z2),P3(x3,y3,z3)は三次元計測器20の姿勢となる。これらの成分P1,P2,P3から成るベクトルPは、ワールド座標系に対する三次元計測器20の傾き具合を表す。マスターパネルMPを計測した際の三次元計測器20の傾き具合を表すベクトルPも、データ処理装置50の記憶部に主情報として格納される。
【0026】
3−2.実測工程
図5は本発明の実施形態に係る三次元計測システム1の実測工程図を示している。
実測工程では、製造ライン上を搬送されてくる計測対象の各ワークWPの穴WHの中心座標PWCと半径を計測する。
【0027】
先ず、ステップS21で、三次元計測器20によってワークWPを計測する。ロボット制御装置30は、図6に示すように、マスターパネルMPの穴MHを三次元計測した計測位置へ三次元計測器20を移動させて、ワークWPの穴WHを計測する。この時、ロボットの手先の位置、姿勢、すなわち三次元計測器のワールド座標系に対する傾き具合は準備工程の時とほぼ同じとなる。データ処理装置50は、三次元計測器20からの情報に基づいて、計測対象の3次元形状データを格納する。
【0028】
ステップS22で、データ処理装置は、ステップS21で三次元計測器20によってワークWPを計測して得た三次元形状の情報とステップS12で当該三次元計測器によってマスターパネルMPを計測して得た三次元形状の情報とに基づいて、ワークWPの穴WHの位置(XW,YW,ZW)とマスターパネルMPの穴MHの位置(XM,YM,ZM)とのずれ量D(以下、差分と呼ぶ場合がある。)を算出する。ここで、ワークWPの穴WHの位置とマスターパネルMPの穴MHの位置との差分を示すベクトルVは、V=(X′,Y′,Z′)=(XM−XW,YM−YW,ZM−ZW)と表される。
ここで、このベクトルVは、センサ座標系上のものであって、ワールド座標系ではなく、センサの方向が変わると実際にワールド座標系上でどの方向であるかは判然としない。そこで、以下のような処理を本実施形態は行う。
【0029】
ステップS23で、センサ座標系上でのずれ量を表すベクトルVをワールド座標系に変換する。具体的には、準備工程のステップS13でロボット計測装置40によって計測した三次元計測器20の姿勢ベクトルPを利用する。ベースプレート60の第1面61、第2面62、第3面63の各法線成分P1(x1,y1,z1),P2(x2,y2,z2),P3(x3,y3,z3)を利用して、ベクトルV=(X′,Y′,Z′)を座標変換する。変換後のベクトルVのX成分はX″=(X′×x1+Y′×x2+Z′×x3)、Y成分はY″=(X′×y1+Y′×y2+Z′×y3)、Z成分はZ″=(X′×z1+Y′×z2+Z′×z3)と表される。これらのベクトル成分で表される変換後のベクトルV″=(X″,Y″,Z″)はロボット計測装置40の座標系で差分のベクトルVを表したものになる。
このようにして算出されたベクトルV″=(X″,Y″,Z″)はワールド座標系上でのマスターパネルMPの穴MHの中心からワークWPの穴WHの中心がずれた方向と量とを表す図6に示すベクトルPSとなる。
【0030】
次に、ステップS24で、ステップS11で計測したマスターパネルMPの穴MHの座標と、ステップS23で算出したベクトルPSとに基づいて、ワークWPの穴WHの中心座標PWCや半径を算出する。つまり、ワークWPの穴WHの中心座標PWCは、ワークWPの穴WHのマスターパネルMPの穴MHに対する移動方向を表すベクトルPSを、当初計測したワールド座標の原点OからのマスターパネルMPの穴MHの絶対座標での中心座標PMCを示すベクトルと合算して、求められる。半径については、半径を示す2点の座標値をベクトルPを用いて同様にワールド座標系上でのずれ量に変換して求めることができる。
【0031】
このように、本実施形態に係る三次元計測システム1によれば、従来の三次元計測システムで行われているばらつき誤差が大きい処理、具体的にはロボットのアーム先端部に取り付けられたセンサ系の座標をワールド座標に毎回合わせる処理に代えて、準備段階で計測した絶対座標とセンサの傾き具合とに基づいて、ワークWPの穴WHの中心座標PWCや半径をセンサ測定値だけを用いて算出することができるので、センサの計測精度を従来技術に比べて向上させることができる。
【0032】
以上説明したが、本発明は発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な実施形態で実施できる。
例えば、上記説明では、製造ラインを搬送されてくる各ワークの一箇所の穴を計測対象にした場合を例示したが、各ワークに複数の穴が設けられ、各穴が計測されるように本発明は構成されてもよい。
【0033】
また、測定箇所は、ワークの穴に限らず、突起、切り欠き、凹み、膨らみなどのパネル上の箇所であってもよい。なお、比較の対象となるマスターは、パネル状に形成されたものに限定されるものではなく、立体的に構成された構造物などであってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 三次元計測システム
10 ロボット
20 三次元計測器
30 ロボット制御装置
40 ロボット計測装置
50 データ処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の形状寸法を計測する三次元計測器と、この三次元計測器を移動させるロボットと、ロボットを駆動制御するロボット制御装置と、を備えた三次元計測システムであって、
上記ロボットのアーム先端に固定され上記三次元計測器を支持したベースプレートと、
上記ベースプレートに固定された三次元計測器の傾きを計測するロボット計測装置と、
以下の処理(A1)〜(A4)を順に行うデータ処理装置と、を備えていることを特徴とする、三次元計測システム。
(A1) 前記三次元計測器によって予め計測されたマスターの測定箇所と、前記三次元計測器によって計測された前記ワークの測定箇所とのズレ量Dを算出。
(A2) 前記三次元計測器のマスター測定時のワールド座標に対する傾きを表すベクトルPの前記ロボット計測装置による算出。
(A3) (A1)のズレ量Dを(A2)のベクトルPに乗じて、マスターの測定箇所から前記ワークの測定箇所までのベクトルPを算出。
(A4) 前記ロボット計測装置で計測したマスターの測定箇所の座標と(A3)のベクトルPとに基づいて、ワールド座標系でのワークの測定箇所の座標を算出。
【請求項2】
計測対象の形状寸法を計測する三次元計測方法であって、
上記計測対象に対する計測の基準となる主情報を作成する準備工程と、
上記主情報と三次元計測器によって計測された前記ワークの情報とに基づいて、上記計測対象の座標を算出する実測工程と、を含み、
上記主情報は、ワールド座標系でのマスターの形状寸法及び傾きを示す情報であり、
上記マスターの計測時と上記計測対象の計測時とにおける上記三次元計測器の傾きが同じであると取り扱い、
上記準備工程は、
ロボット計測装置によってマスターの計測箇所の座標を計測する第1工程と、
上記三次元計測器によって上記マスターの計測箇所を計測する第2工程と、
上記ロボット計測装置によって上記三次元計測器の傾き具合を示すベクトルPを算出する第3工程と、を含み、
上記実測工程は、
上記三次元計測器によって上記計測対象の計測箇所を計測する第4工程と、
データ処理装置によって、上記第2工程で得た計測情報と上記第4工程で得た計測情報とに基づいて上記マスターに対する上記計測対象のずれ量と方向とを表すセンサ座標系のベクトルVを算出する第5工程と、
上記データ処理装置によって、上記第5工程で算出したベクトルVを上記第3工程で算出したベクトルPに基づいてワールド座標系のベクトルV″に変換する第6工程と、
上記データ処理装置によって、第6工程で算出したベクトルV″と第1工程で計測した座標に基づいて、ワールド座標系での上記計測対象の座標を算出する第7工程と、を含むことを特徴とする、三次元計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−19704(P2013−19704A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151202(P2011−151202)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000157083)トヨタ自動車東日本株式会社 (1,164)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】