三次元道路中心線データの生成方法およびその装置
【課題】三次元走行軌跡をもとに三次元道路中心線データを自動生成する。
【解決手段】道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、平面線形として生成された平面走行軌跡から、制御点検出手段は制御点を検出し、平面線形の生成において円弧検出手段が制御点に関連して円弧を検出し、縦断線形の生成においては放物線検出手段が放物線に近似させた円弧を検出し、平面線形の生成においては緩和曲線検出手段が円弧につながる緩和曲線を検出し、直線検出手段は前記検出した制御点、円弧、緩和曲線から直線を検出するから、これらの制御点、円弧、緩和曲線、直線をつないだ線を平面線形、縦断線形の中心線として滑らかに生成することができる。
【解決手段】道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、平面線形として生成された平面走行軌跡から、制御点検出手段は制御点を検出し、平面線形の生成において円弧検出手段が制御点に関連して円弧を検出し、縦断線形の生成においては放物線検出手段が放物線に近似させた円弧を検出し、平面線形の生成においては緩和曲線検出手段が円弧につながる緩和曲線を検出し、直線検出手段は前記検出した制御点、円弧、緩和曲線から直線を検出するから、これらの制御点、円弧、緩和曲線、直線をつないだ線を平面線形、縦断線形の中心線として滑らかに生成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いて三次元都市モデルに用いる三次元道路データにおける三次元道路中心線データの作成方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
三次元都市モデルは、建物や地形などを表した三次元座標値を持つポリゴン、そのポリゴンに貼り付けるテクスチャ、道路中心線や信号の制御情報など都市機能を形成する様々な情報、の3つの要素からなりたつデータを意味する。この三次元都市モデルは、仮想都市または実在都市を模擬したものであるから、ドライビングシミュレータや洪水シミュレータなどシミュレーション分野で利用するために作成される。
三次元都市モデルでは、三次元道路データを構成の一部として、これを生成する。そのため、道路中心線データを生成して、それに沿って道路を生成する。
【0003】
従来は、人間が道路設計図や地図などの図面をもとにして、道路中心を設定し、道路中心線の制御点を入力する必要があった。この制御点は、三次元道路中心線の基本形状を定めるものであり、その制御点位置を変えることで、三次元道路中心線がもつ諸パラメータも変化する。
【0004】
従来はこの制御点及びパラメータを手作業で入力する手間がかかっていた。また、図面の間違いにより出来上がった道路中心線が実在のものと異なる可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、三次元走行軌跡をもとに三次元道路中心線データを自動生成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1に係る三次元道路中心線データの生成方法は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面線形用の軌跡データ生成手段により生成された平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、前記平面走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出過程と、前記制御点検出過程で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出過程と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程とを有することを特徴とするものである。
【0007】
上記課題を解決するため請求項2に係る三次元道路中心線データの生成方法は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断線形用の軌跡データ生成手段により生成された縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出過程と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程とを有することを特徴とするものである。
【0008】
上記課題を解決するため請求項3に係る三次元道路中心線データの生成装置は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面走行軌跡を生成する平面線形用の軌跡データ生成手段と、平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出手段と、前記制御点検出手段で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出手段と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
上記課題を解決するため請求項4に係る三次元道路中心線データの生成装置は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断走行軌跡を生成する縦断線形用の軌跡データ生成手段と、縦断線形用の軌跡データ生成手段からの縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出手段と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の三次元道路中心線データの生成方法によると、道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、平面線形として生成された平面走行軌跡から、制御点を検出し、制御点に関連して円弧を検出し、円弧につながる緩和曲線を検出し、前記検出した制御点、円弧、緩和曲線から直線を検出するから、これらの制御点、円弧、緩和曲線、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【0011】
請求項2の三次元道路中心線データの生成方法によると、道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、縦断線形として生成された縦断走行軌跡から、制御点を検出し、制御点に関連して円弧で近似した放物線を検出し、検出した制御点、円弧から直線を検出するから、これらの制御点、円弧、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【0012】
請求項3の三次元道路中心線データの生成装置によると、平面線形用の軌跡データ生成手段が道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、平面線形として平面走行軌跡を生成し、制御点検出手段が平面走行軌跡から、制御点を検出し、円弧検出手段が制御点に関連して円弧を検出し、緩和曲線検出手段が円弧につながる緩和曲線を検出し、直線検出手段が前記制御点、円弧、緩和曲線から直線を検出する。これらの制御点、円弧、緩和曲線、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【0013】
請求項4の三次元道路中心線データの生成装置によると、縦断線形用の軌跡データ生成手段が道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、縦断線形として縦断走行軌跡を生成し、制御点検出手段が縦断走行軌跡から、制御点を検出し、放物線検出手段が制御点に関連して円弧で近似した放物線を検出し、直線検出手段が前記制御点、円弧から直線を検出する。これらの制御点、円弧、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明装置の1実施例の機能ブロック図である。
【図2a】図2aは、平面線形の生成方法を説明するフロー図である。
【図2b】図2bは、縦断線形の生成方法を説明するフロー図である。
【図3】図3は、平面線形及び縦断線形用の軌跡データの生成を説明する図である。
【図4】図4は、平面線形及び縦断線形の生成を説明する図である。
【図5】図5は、制御点の検出を説明する図である。
【図6】図6は、円弧の検出を説明する図である。
【図7】図7は、緩和曲線の検出を説明する図である。
【図8】図8は、緩和曲線の作成を説明する図である。
【図9a】図9aは、平面線形における直線の検出を説明する図である。
【図9b】図9bは、縦断線形における直線の検出を説明する図である。
【図10】図10は、放物線の検出を説明する図である。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明装置の1実施例の機能ブロック図であって、101は三次元走行軌跡データ格納部、102は平面線形の生成部、103は平面線形用軌跡データ生成手段、104は制御点検出手段、105は円弧検出手段、106は緩和曲線検出手段、107は直線検出手段、108は縦断線形の生成部、109は縦断線形用軌跡データ生成手段、110は制御点検出手段、111は放物線検出手段、112は直線検出手段、113は三次元道路中心線データ記憶部、114は画像生成部、115はモニタである。
図2a、図2bは、本発明の方法を実施するフロー図である。
【0016】
三次元走行軌跡データ格納部101には、三次元走行軌跡データが格納される。このデータは、図示しない自動車などにGPS等の三次元の位置センサを搭載し、予め実在の道路を走行させ、所定の間隔で走行軌跡をサンプリングし、その三次元の走行軌跡を取得したものであり、鉛直方向をZ軸に設定した直交座標上を走行したものとしている。
平面線形の生成部102では、三次元軌跡データから平面線形のデータを生成する。縦断線形の生成部108では、三次元軌跡データから縦断線形のデータを生成する。
まず、操作者は三次元走行軌跡データを三次元走行軌跡データ格納部101から読み出し、平面線形用軌跡データ生成手段103と縦断線形用軌跡データ生成手段109に転送し、平面線形及び縦断線形用の軌跡データを生成する(図3)。この生成状況は、モニタ115に表示され、操作者はこの画面を見ることができる。
【0017】
<平面線形の生成>
平面線形の生成部102における平面線形の生成について説明する(図4(a))。
平面線形用軌跡データ生成手段103は三次元軌跡データからその軌跡がXY平面における軌跡に変換して平面線形用軌跡データを生成する(図2aのP201a)。このとき、三次元軌跡データを得る際の位置センサの走行方向を走行軌跡の定義方向としている(図4)。
制御点検出手段104は制御点検出過程を実行し、平面線形用軌跡データ生成手段103が生成した平面線形用軌跡データからその制御点を検出して、その位置を得る(図2aのP202a)。
<制御点の検出>
この制御点検出過程P202aは制御点検出手段104により、例えば以下のように行われる。
1.平面線形用軌跡データ中から選択した各曲線部における走行軌跡点群からランダムに選んだある2点からなる直線の式を求める。曲線部の範囲は操作者が指定する。(図5(a))
2.該当する曲線部の全ての点群に対して、求めた直線との最小距離を求める。(図5(b))
3.求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図5(c))
4.前記1〜3を適当な値N回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの直線を検出された直線とする。(図5(d))
5.前記1において処理するために選択した曲線部の点群から前記4で検出した直線に含まれる点群を除いた点群を用いて、さらに1〜4を繰り返す。(図5(e))
6.前記1〜5までを行うことにより、各曲線部において計2つの直線を得ることができる。そしてこの2直線が交わる点を制御点とし、各曲線部には1つの制御点が存在するものとする。なお全ての走行軌跡点群のうち両端に位置する2点は、無条件に制御点とみなす。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
制御点の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について制御点を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
平面線形用の制御点は三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0018】
<円弧の検出>
次に、円弧検出手段105は円弧検出過程を実行し、円弧パラメータを検出する(図2aのP203a)。
この円弧検出過程P203aは円弧検出手段105により例えば以下のように行われる。
1.操作者は平面線形用軌跡データに基づいて画像生成部114で生成され、モニタ115に表示されている画面上で、各曲線部における走行軌跡点群のうち、前記制御点検出手段104による<制御点の検出>過程P202aにおける“6”で得た2つの直線を構成する点群を除いた走行軌跡点群からランダムに3点を選ぶ。円弧検出手段105は円の式を求める。(図6(a))
この3点を選ぶことは、プログラムにより自動的に選ぶようにしてもよい。
2.円弧検出手段105は、全ての点群に対して、求めた円との最小距離を求める。(図6(b))
3.円弧検出手段105は、求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図6(c))
4.円弧検出手段105は、前記1〜3をN回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの円を求め、このときの円半径を円弧の半径R、円中心をMとする。(図6(d))
5.円弧検出手段105は、前記4で検出した円に使われたnmax個の点群の最初の点を円弧の起点BPとする。また、円中心と最初の点とを結んだ線と、円中心と最後の点を結んだ線がなす角度を円中心角θとする。(図6(d))
6.円弧検出手段105は、前記1〜5において決定された、半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPによって定義される円弧を最終的に検出された円弧とし、制御点検出手段104による<制御点の検出>過程P202aにおいて検出された制御点とこの円弧が1対1の関係を持つ。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
円弧の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について円弧を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
平面線形用の半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPは、これを円弧パラメータとして、前記1対1の関係を持つ制御点に関連させて三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0019】
<緩和曲線の検出>
次に、緩和曲線検出手段106は緩和曲線検出過程を実行し、緩和曲線パラメータを検出する(図2aのP203a)。
この緩和曲線検出過程P203aは緩和曲線検出手段106により例えば以下のように行われる。
1.操作者は、モニタ115に表示されているXY平面の全走行軌跡点群において、
前記制御点検出手段104による<制御点の検出>過程P202aで検出された各制御点を結び、直線群を作る。(図7(a))
この直線群を作ることは、緩和曲線検出手段106がプログラムにより自動的に選ぶようにしてもよい。
2.操作者又は緩和曲線検出手段106は、上記1における各制御点と直線群のうち、ある制御点IPとその制御点を端とする2つの直線、および制御点と1対1の関係にある円弧Cについて選択する。なお、2つの直線は、走行軌跡点群の定義方向順にLa,Lbとする。緩和曲線検出手段106により選択する場合は、例えば走行軌跡点群の定義方向順に行う。(図7(b))
3.緩和曲線検出手段106は円弧Cの起点における接線とLaの交点がなす角をτa、円弧Cの終点における接線とLbの交点がなす角τbを求める。(図7(c))
4.τaと円弧Cの半径Rで定義される緩和曲線をKa、またτbと円弧Cの半径Rで定義される緩和曲線をKbとし、これらを各制御点における2つの緩和曲線とする。なお、τaまたはτbがほぼゼロとみなせる場合には、該当する緩和曲線は存在しないものとする。(図7(d))。緩和曲線検出手段106は緩和曲線ka,KbがLa,Lbに接する曲率半径を∞、円弧Cに繋がる曲率半径をRとなるように、徐々に変化させる(図8)。緩和曲線の作成は、予め設定したプログラムにより実行させる。
緩和曲線の検出において、制御点毎に1〜4の処理をし、全部の制御点について緩和曲線を検出又は存在しないことを確認するまで繰り返すか、1〜4の各処理を順次全制御点について行うようにしてもよい。
平面線形用の角度τa、τb、円弧Cの半径R、緩和曲線Ka、Kbは、これを緩和曲線パラメータとして、前記1対1の関係を持つ制御点に関連させて三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0020】
<平面線形での直線の検出>
次に、直線検出手段107は直線検出過程を実行し、直線パラメータを検出する(図2aのP205a)。
この直線検出過程P205aは直線検出手段107により例えば以下のように行われる。(図9a)
1.操作者は、前記制御点検出過程P202a、円弧検出過程P203a及び緩和曲線検出過程204aにおいて、走行軌跡の点群に沿ってそれぞれ検出された制御点、円弧及び緩和曲線がパラメータに従ってモニタ115に表示されている走行軌跡の点群を定義方向に順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出する。
2.(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出する。
3.(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す。
検出された平面線形用の直線は、制御点、円弧、緩和曲線に順次連続して結ばれるようにこれらのパラメータと関連づけて、三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0021】
<縦断線形の生成>
次に、縦断線形の生成部108における縦断線形の生成について説明する(図4(b))。
縦断線形用軌跡データ生成手段109は三次元軌跡データからその軌跡がZY平面における軌跡に変換して縦断線形用軌跡データを生成する(図2bのP201b)。このとき、三次元軌跡データを得る際の位置センサの走行方向を走行軌跡の定義方向としている(図4)。
<制御点の検出>
制御点検出手段110は制御点検出過程を実行し、縦断線形用軌跡データ生成手段109が生成した縦断線形用軌跡データからその制御点を検出して、その位置を得る(図2bのP202b)。
この制御点検出過程P202bは制御点検出手段110により、例えば以下のように行われる。この制御点検出過程P202bの手法は、<平面線形の生成>の制御点検出過程P202aと同様である。
1.縦断線形用軌跡データ中から選択した各曲線部における走行軌跡点群からランダムに選んだある2点からなる直線の式を求める。曲線部の範囲は操作者が指定する。(図5(a))
2.該当する曲線部の全ての点群に対して、求めた直線との最小距離を求める。(図5(b))
3.求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図5(c))
4.前記1〜3を適当な値N回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの直線を検出された直線とする。(図5(d))
5.前記1において処理するために選択した曲線部の点群から前記4で検出した直線に含まれる点群を除いた点群を用いて、さらに1〜4を繰り返す。(図5(e))
6.前記1〜5までを行うことにより、各曲線部において計2つの直線を得ることができる。そしてこの2直線が交わる点を制御点とし、各曲線部には1つの制御点が存在するものとする。なお全ての走行軌跡点群のうち両端に位置する2点は、無条件に制御点とみなす。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
制御点の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について制御点を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
縦断線形用の制御点は三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0022】
<放物線の検出>
次に、放物線検出手段111は放物線検出過程を実行するのであるが、前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して、円弧パラメータを検出する(図2bのP204b)。
縦断線形での放物線は円弧で近似できるものとするから、ZY平面における各曲線部の走行軌跡点群について、平面線形における<円弧の検出>過程P203aの1〜4を実行する。従って、検出された円弧の半径Rと同じ半径を持つ放物線を、各曲線部での放物線とする。(図10)
この放物線検出過程P204bは放物線検出手段111により例えば以下のように行われる。
1.操作者は縦断線形用軌跡データに基づいて画像生成部114で生成され、モニタ115に表示されている画面上で、各曲線部における走行軌跡点群のうち、前記制御点検出手段110による<制御点の検出>過程P202bにおける“6”で得た2つの直線を構成する点群を除いた走行軌跡点群からランダムに3点を選ぶ。放物線検出手段111は円の式を求める。(図6(a))
この3点を選ぶことは、プログラムにより自動的に選ぶようにしてもよい。
2.放物線検出手段111は、全ての点群に対して、求めた円との最小距離を求める。(図6(b))
3.放物線検出手段111は、求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図6(c))
4.放物線検出手段111は、前記1〜3をN回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの円を求め、このときの円半径を円弧の半径R、円中心をMとする。(図6(d))
5.放物線検出手段111は、前記4で検出した円に使われたnmax個の点群の最初の点を円弧の起点BPとする。また、円中心と最初の点とを結んだ線と、円中心と最後の点を結んだ線がなす角度を円中心角θとする。(図6(d))
6.放物線検出手段111は、前記1〜5において決定された、半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPによって定義される円弧を最終的に検出された円弧とし、制御点検出手段110による<制御点の検出>過程P202bにおいて検出された制御点とこの円弧が1対1の関係を持つ。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
円弧の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について円弧を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
縦断線形用の半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPは、これを円弧パラメータとして、前記1対1の関係を持つ制御点に関連させて三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0023】
<縦断線形での直線の検出>
次に、直線検出手段112は直線検出過程を実行し、直線パラメータを検出する(図2bのP205b)。
この直線検出過程P205bは直線検出手段112により例えば以下のように行われる。(図9b)
1.操作者は、前記制御点検出過程P202b及び放物線検出過程P204bにおいて、走行軌跡の点群に沿ってそれぞれ検出された制御点及び円弧がパラメータに従ってモニタ115に表示されている走行軌跡の点群を定義方向に順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出する。
2.(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出する。
3.(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す。
検出された縦断線形用の直線は、制御点、円弧に順次連続して結ばれるようにこれらのパラメータと関連づけて、三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【符号の説明】
【0024】
101…三次元走行軌跡データ格納部、
102…平面線形の生成部、
103…平面線形用軌跡データ生成手段、
107…直線検出手段、
104…制御点検出手段、
105…円弧検出手段、
106…緩和曲線検出手段、
108…縦断線形の生成部、
109…縦断線形用軌跡データ生成手段、
112…直線検出手段、
110…制御点検出手段、
111…放物線検出手段、
113…三次元道路中心線データ記憶部、
114…画像生成部、
115…モニタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いて三次元都市モデルに用いる三次元道路データにおける三次元道路中心線データの作成方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
三次元都市モデルは、建物や地形などを表した三次元座標値を持つポリゴン、そのポリゴンに貼り付けるテクスチャ、道路中心線や信号の制御情報など都市機能を形成する様々な情報、の3つの要素からなりたつデータを意味する。この三次元都市モデルは、仮想都市または実在都市を模擬したものであるから、ドライビングシミュレータや洪水シミュレータなどシミュレーション分野で利用するために作成される。
三次元都市モデルでは、三次元道路データを構成の一部として、これを生成する。そのため、道路中心線データを生成して、それに沿って道路を生成する。
【0003】
従来は、人間が道路設計図や地図などの図面をもとにして、道路中心を設定し、道路中心線の制御点を入力する必要があった。この制御点は、三次元道路中心線の基本形状を定めるものであり、その制御点位置を変えることで、三次元道路中心線がもつ諸パラメータも変化する。
【0004】
従来はこの制御点及びパラメータを手作業で入力する手間がかかっていた。また、図面の間違いにより出来上がった道路中心線が実在のものと異なる可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、三次元走行軌跡をもとに三次元道路中心線データを自動生成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1に係る三次元道路中心線データの生成方法は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面線形用の軌跡データ生成手段により生成された平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、前記平面走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出過程と、前記制御点検出過程で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出過程と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程とを有することを特徴とするものである。
【0007】
上記課題を解決するため請求項2に係る三次元道路中心線データの生成方法は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断線形用の軌跡データ生成手段により生成された縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出過程と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程とを有することを特徴とするものである。
【0008】
上記課題を解決するため請求項3に係る三次元道路中心線データの生成装置は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面走行軌跡を生成する平面線形用の軌跡データ生成手段と、平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出手段と、前記制御点検出手段で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出手段と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
上記課題を解決するため請求項4に係る三次元道路中心線データの生成装置は、道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断走行軌跡を生成する縦断線形用の軌跡データ生成手段と、縦断線形用の軌跡データ生成手段からの縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出手段と、定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の三次元道路中心線データの生成方法によると、道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、平面線形として生成された平面走行軌跡から、制御点を検出し、制御点に関連して円弧を検出し、円弧につながる緩和曲線を検出し、前記検出した制御点、円弧、緩和曲線から直線を検出するから、これらの制御点、円弧、緩和曲線、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【0011】
請求項2の三次元道路中心線データの生成方法によると、道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、縦断線形として生成された縦断走行軌跡から、制御点を検出し、制御点に関連して円弧で近似した放物線を検出し、検出した制御点、円弧から直線を検出するから、これらの制御点、円弧、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【0012】
請求項3の三次元道路中心線データの生成装置によると、平面線形用の軌跡データ生成手段が道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、平面線形として平面走行軌跡を生成し、制御点検出手段が平面走行軌跡から、制御点を検出し、円弧検出手段が制御点に関連して円弧を検出し、緩和曲線検出手段が円弧につながる緩和曲線を検出し、直線検出手段が前記制御点、円弧、緩和曲線から直線を検出する。これらの制御点、円弧、緩和曲線、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【0013】
請求項4の三次元道路中心線データの生成装置によると、縦断線形用の軌跡データ生成手段が道路走行時に取得した位置センサの走行軌跡を、縦断線形として縦断走行軌跡を生成し、制御点検出手段が縦断走行軌跡から、制御点を検出し、放物線検出手段が制御点に関連して円弧で近似した放物線を検出し、直線検出手段が前記制御点、円弧から直線を検出する。これらの制御点、円弧、直線をつないだ線を中心線として滑らかに生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明装置の1実施例の機能ブロック図である。
【図2a】図2aは、平面線形の生成方法を説明するフロー図である。
【図2b】図2bは、縦断線形の生成方法を説明するフロー図である。
【図3】図3は、平面線形及び縦断線形用の軌跡データの生成を説明する図である。
【図4】図4は、平面線形及び縦断線形の生成を説明する図である。
【図5】図5は、制御点の検出を説明する図である。
【図6】図6は、円弧の検出を説明する図である。
【図7】図7は、緩和曲線の検出を説明する図である。
【図8】図8は、緩和曲線の作成を説明する図である。
【図9a】図9aは、平面線形における直線の検出を説明する図である。
【図9b】図9bは、縦断線形における直線の検出を説明する図である。
【図10】図10は、放物線の検出を説明する図である。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明装置の1実施例の機能ブロック図であって、101は三次元走行軌跡データ格納部、102は平面線形の生成部、103は平面線形用軌跡データ生成手段、104は制御点検出手段、105は円弧検出手段、106は緩和曲線検出手段、107は直線検出手段、108は縦断線形の生成部、109は縦断線形用軌跡データ生成手段、110は制御点検出手段、111は放物線検出手段、112は直線検出手段、113は三次元道路中心線データ記憶部、114は画像生成部、115はモニタである。
図2a、図2bは、本発明の方法を実施するフロー図である。
【0016】
三次元走行軌跡データ格納部101には、三次元走行軌跡データが格納される。このデータは、図示しない自動車などにGPS等の三次元の位置センサを搭載し、予め実在の道路を走行させ、所定の間隔で走行軌跡をサンプリングし、その三次元の走行軌跡を取得したものであり、鉛直方向をZ軸に設定した直交座標上を走行したものとしている。
平面線形の生成部102では、三次元軌跡データから平面線形のデータを生成する。縦断線形の生成部108では、三次元軌跡データから縦断線形のデータを生成する。
まず、操作者は三次元走行軌跡データを三次元走行軌跡データ格納部101から読み出し、平面線形用軌跡データ生成手段103と縦断線形用軌跡データ生成手段109に転送し、平面線形及び縦断線形用の軌跡データを生成する(図3)。この生成状況は、モニタ115に表示され、操作者はこの画面を見ることができる。
【0017】
<平面線形の生成>
平面線形の生成部102における平面線形の生成について説明する(図4(a))。
平面線形用軌跡データ生成手段103は三次元軌跡データからその軌跡がXY平面における軌跡に変換して平面線形用軌跡データを生成する(図2aのP201a)。このとき、三次元軌跡データを得る際の位置センサの走行方向を走行軌跡の定義方向としている(図4)。
制御点検出手段104は制御点検出過程を実行し、平面線形用軌跡データ生成手段103が生成した平面線形用軌跡データからその制御点を検出して、その位置を得る(図2aのP202a)。
<制御点の検出>
この制御点検出過程P202aは制御点検出手段104により、例えば以下のように行われる。
1.平面線形用軌跡データ中から選択した各曲線部における走行軌跡点群からランダムに選んだある2点からなる直線の式を求める。曲線部の範囲は操作者が指定する。(図5(a))
2.該当する曲線部の全ての点群に対して、求めた直線との最小距離を求める。(図5(b))
3.求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図5(c))
4.前記1〜3を適当な値N回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの直線を検出された直線とする。(図5(d))
5.前記1において処理するために選択した曲線部の点群から前記4で検出した直線に含まれる点群を除いた点群を用いて、さらに1〜4を繰り返す。(図5(e))
6.前記1〜5までを行うことにより、各曲線部において計2つの直線を得ることができる。そしてこの2直線が交わる点を制御点とし、各曲線部には1つの制御点が存在するものとする。なお全ての走行軌跡点群のうち両端に位置する2点は、無条件に制御点とみなす。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
制御点の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について制御点を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
平面線形用の制御点は三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0018】
<円弧の検出>
次に、円弧検出手段105は円弧検出過程を実行し、円弧パラメータを検出する(図2aのP203a)。
この円弧検出過程P203aは円弧検出手段105により例えば以下のように行われる。
1.操作者は平面線形用軌跡データに基づいて画像生成部114で生成され、モニタ115に表示されている画面上で、各曲線部における走行軌跡点群のうち、前記制御点検出手段104による<制御点の検出>過程P202aにおける“6”で得た2つの直線を構成する点群を除いた走行軌跡点群からランダムに3点を選ぶ。円弧検出手段105は円の式を求める。(図6(a))
この3点を選ぶことは、プログラムにより自動的に選ぶようにしてもよい。
2.円弧検出手段105は、全ての点群に対して、求めた円との最小距離を求める。(図6(b))
3.円弧検出手段105は、求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図6(c))
4.円弧検出手段105は、前記1〜3をN回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの円を求め、このときの円半径を円弧の半径R、円中心をMとする。(図6(d))
5.円弧検出手段105は、前記4で検出した円に使われたnmax個の点群の最初の点を円弧の起点BPとする。また、円中心と最初の点とを結んだ線と、円中心と最後の点を結んだ線がなす角度を円中心角θとする。(図6(d))
6.円弧検出手段105は、前記1〜5において決定された、半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPによって定義される円弧を最終的に検出された円弧とし、制御点検出手段104による<制御点の検出>過程P202aにおいて検出された制御点とこの円弧が1対1の関係を持つ。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
円弧の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について円弧を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
平面線形用の半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPは、これを円弧パラメータとして、前記1対1の関係を持つ制御点に関連させて三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0019】
<緩和曲線の検出>
次に、緩和曲線検出手段106は緩和曲線検出過程を実行し、緩和曲線パラメータを検出する(図2aのP203a)。
この緩和曲線検出過程P203aは緩和曲線検出手段106により例えば以下のように行われる。
1.操作者は、モニタ115に表示されているXY平面の全走行軌跡点群において、
前記制御点検出手段104による<制御点の検出>過程P202aで検出された各制御点を結び、直線群を作る。(図7(a))
この直線群を作ることは、緩和曲線検出手段106がプログラムにより自動的に選ぶようにしてもよい。
2.操作者又は緩和曲線検出手段106は、上記1における各制御点と直線群のうち、ある制御点IPとその制御点を端とする2つの直線、および制御点と1対1の関係にある円弧Cについて選択する。なお、2つの直線は、走行軌跡点群の定義方向順にLa,Lbとする。緩和曲線検出手段106により選択する場合は、例えば走行軌跡点群の定義方向順に行う。(図7(b))
3.緩和曲線検出手段106は円弧Cの起点における接線とLaの交点がなす角をτa、円弧Cの終点における接線とLbの交点がなす角τbを求める。(図7(c))
4.τaと円弧Cの半径Rで定義される緩和曲線をKa、またτbと円弧Cの半径Rで定義される緩和曲線をKbとし、これらを各制御点における2つの緩和曲線とする。なお、τaまたはτbがほぼゼロとみなせる場合には、該当する緩和曲線は存在しないものとする。(図7(d))。緩和曲線検出手段106は緩和曲線ka,KbがLa,Lbに接する曲率半径を∞、円弧Cに繋がる曲率半径をRとなるように、徐々に変化させる(図8)。緩和曲線の作成は、予め設定したプログラムにより実行させる。
緩和曲線の検出において、制御点毎に1〜4の処理をし、全部の制御点について緩和曲線を検出又は存在しないことを確認するまで繰り返すか、1〜4の各処理を順次全制御点について行うようにしてもよい。
平面線形用の角度τa、τb、円弧Cの半径R、緩和曲線Ka、Kbは、これを緩和曲線パラメータとして、前記1対1の関係を持つ制御点に関連させて三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0020】
<平面線形での直線の検出>
次に、直線検出手段107は直線検出過程を実行し、直線パラメータを検出する(図2aのP205a)。
この直線検出過程P205aは直線検出手段107により例えば以下のように行われる。(図9a)
1.操作者は、前記制御点検出過程P202a、円弧検出過程P203a及び緩和曲線検出過程204aにおいて、走行軌跡の点群に沿ってそれぞれ検出された制御点、円弧及び緩和曲線がパラメータに従ってモニタ115に表示されている走行軌跡の点群を定義方向に順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出する。
2.(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出する。
3.(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す。
検出された平面線形用の直線は、制御点、円弧、緩和曲線に順次連続して結ばれるようにこれらのパラメータと関連づけて、三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0021】
<縦断線形の生成>
次に、縦断線形の生成部108における縦断線形の生成について説明する(図4(b))。
縦断線形用軌跡データ生成手段109は三次元軌跡データからその軌跡がZY平面における軌跡に変換して縦断線形用軌跡データを生成する(図2bのP201b)。このとき、三次元軌跡データを得る際の位置センサの走行方向を走行軌跡の定義方向としている(図4)。
<制御点の検出>
制御点検出手段110は制御点検出過程を実行し、縦断線形用軌跡データ生成手段109が生成した縦断線形用軌跡データからその制御点を検出して、その位置を得る(図2bのP202b)。
この制御点検出過程P202bは制御点検出手段110により、例えば以下のように行われる。この制御点検出過程P202bの手法は、<平面線形の生成>の制御点検出過程P202aと同様である。
1.縦断線形用軌跡データ中から選択した各曲線部における走行軌跡点群からランダムに選んだある2点からなる直線の式を求める。曲線部の範囲は操作者が指定する。(図5(a))
2.該当する曲線部の全ての点群に対して、求めた直線との最小距離を求める。(図5(b))
3.求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図5(c))
4.前記1〜3を適当な値N回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの直線を検出された直線とする。(図5(d))
5.前記1において処理するために選択した曲線部の点群から前記4で検出した直線に含まれる点群を除いた点群を用いて、さらに1〜4を繰り返す。(図5(e))
6.前記1〜5までを行うことにより、各曲線部において計2つの直線を得ることができる。そしてこの2直線が交わる点を制御点とし、各曲線部には1つの制御点が存在するものとする。なお全ての走行軌跡点群のうち両端に位置する2点は、無条件に制御点とみなす。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
制御点の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について制御点を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
縦断線形用の制御点は三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0022】
<放物線の検出>
次に、放物線検出手段111は放物線検出過程を実行するのであるが、前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して、円弧パラメータを検出する(図2bのP204b)。
縦断線形での放物線は円弧で近似できるものとするから、ZY平面における各曲線部の走行軌跡点群について、平面線形における<円弧の検出>過程P203aの1〜4を実行する。従って、検出された円弧の半径Rと同じ半径を持つ放物線を、各曲線部での放物線とする。(図10)
この放物線検出過程P204bは放物線検出手段111により例えば以下のように行われる。
1.操作者は縦断線形用軌跡データに基づいて画像生成部114で生成され、モニタ115に表示されている画面上で、各曲線部における走行軌跡点群のうち、前記制御点検出手段110による<制御点の検出>過程P202bにおける“6”で得た2つの直線を構成する点群を除いた走行軌跡点群からランダムに3点を選ぶ。放物線検出手段111は円の式を求める。(図6(a))
この3点を選ぶことは、プログラムにより自動的に選ぶようにしてもよい。
2.放物線検出手段111は、全ての点群に対して、求めた円との最小距離を求める。(図6(b))
3.放物線検出手段111は、求めた距離が、あらかじめ設定された閾値d以下となった点群の個数nを求める。(図6(c))
4.放物線検出手段111は、前記1〜3をN回繰り返し、nが最大値(nmax)となったときの円を求め、このときの円半径を円弧の半径R、円中心をMとする。(図6(d))
5.放物線検出手段111は、前記4で検出した円に使われたnmax個の点群の最初の点を円弧の起点BPとする。また、円中心と最初の点とを結んだ線と、円中心と最後の点を結んだ線がなす角度を円中心角θとする。(図6(d))
6.放物線検出手段111は、前記1〜5において決定された、半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPによって定義される円弧を最終的に検出された円弧とし、制御点検出手段110による<制御点の検出>過程P202bにおいて検出された制御点とこの円弧が1対1の関係を持つ。
なお、dとNは操作者が、処理時間と検出精度から判断して決定・調整する。
円弧の検出において、曲線部毎に1〜6の処理をし、全部の曲線部について円弧を検出するまで繰り返すか、1〜6の各処理を順次全曲線部について行うようにしてもよい。
縦断線形用の半径R、円中心M、円中心角θ、起点BPは、これを円弧パラメータとして、前記1対1の関係を持つ制御点に関連させて三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【0023】
<縦断線形での直線の検出>
次に、直線検出手段112は直線検出過程を実行し、直線パラメータを検出する(図2bのP205b)。
この直線検出過程P205bは直線検出手段112により例えば以下のように行われる。(図9b)
1.操作者は、前記制御点検出過程P202b及び放物線検出過程P204bにおいて、走行軌跡の点群に沿ってそれぞれ検出された制御点及び円弧がパラメータに従ってモニタ115に表示されている走行軌跡の点群を定義方向に順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出する。
2.(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出する。
3.(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す。
検出された縦断線形用の直線は、制御点、円弧に順次連続して結ばれるようにこれらのパラメータと関連づけて、三次元道路中心線データ記録部113に記録される。
【符号の説明】
【0024】
101…三次元走行軌跡データ格納部、
102…平面線形の生成部、
103…平面線形用軌跡データ生成手段、
107…直線検出手段、
104…制御点検出手段、
105…円弧検出手段、
106…緩和曲線検出手段、
108…縦断線形の生成部、
109…縦断線形用軌跡データ生成手段、
112…直線検出手段、
110…制御点検出手段、
111…放物線検出手段、
113…三次元道路中心線データ記憶部、
114…画像生成部、
115…モニタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面線形用の軌跡データ生成手段により生成された平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、
前記平面走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出過程と、
前記制御点検出過程で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出過程と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成方法。
【請求項2】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断線形用の軌跡データ生成手段により生成された縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、
前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出過程と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成方法。
【請求項3】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面走行軌跡を生成する平面線形用の軌跡データ生成手段と、
平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、
平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出手段と、
前記制御点検出手段で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出手段と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成装置。
【請求項4】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断走行軌跡を生成する縦断線形用の軌跡データ生成手段と、
縦断線形用の軌跡データ生成手段からの縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、
前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出手段と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成装置。
【請求項1】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面線形用の軌跡データ生成手段により生成された平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、
前記平面走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出過程と、
前記制御点検出過程で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出過程と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成方法。
【請求項2】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を、縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断線形用の軌跡データ生成手段により生成された縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出過程と、
前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出過程と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出過程と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成方法。
【請求項3】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を平面線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として平面走行軌跡を生成する平面線形用の軌跡データ生成手段と、
平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、
平面線形用の軌跡データ生成手段からの平面走行軌跡から、前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の円弧を検出する円弧検出手段と、
前記制御点検出手段で検出した制御点を順次結んだ1つの制御点を端とする2つの直線と当該制御点付近に前記円弧検出過程により検出し直線と接触していない円弧とを滑らかに繋がる緩和曲線を検出する緩和曲線検出手段と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点又は前記緩和曲線の終点と次方向にある円弧の起点又は緩和曲線の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成装置。
【請求項4】
道路上を移動した位置センサで取得した三次元軌跡データが表す走行軌跡の点群を縦断線形とし走行方向を走行軌跡の定義方向として縦断走行軌跡を生成する縦断線形用の軌跡データ生成手段と、
縦断線形用の軌跡データ生成手段からの縦断走行軌跡から、曲線部分を中間に位置する2つの直線部分が交わる点を制御点として検出する制御点検出手段と、
前記縦断走行軌跡から前記制御点として検出された付近が形成する曲線部分の放物線を円弧で近似して検出する放物線検出手段と、
定義方向に走行軌跡の点群を順次調べて、
(a)走行軌跡の始端にある制御点とそれから定義方向にある円弧の起点とを結ぶ直線を検出し、
(b)前記円弧の終点と次方向にある円弧の起点又は制御点を結ぶ直線を検出し、
(c)前記検出した直線が制御点に結ばない場合は制御点に結ぶまで、前記(a)から(b)を繰り返す直線検出手段と
を有することを特徴とする三次元道路中心線データの生成装置。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【公開番号】特開2010−266306(P2010−266306A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117257(P2009−117257)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000176730)三菱プレシジョン株式会社 (97)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000176730)三菱プレシジョン株式会社 (97)
【Fターム(参考)】
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