説明

下地材探知具

【課題】探知針の差し込み作業中でも、測定筒体に嵌挿している目盛を指示する測定体が、確実に差し込み深さ目盛を指示し、測定位置の高低にも拘らず測定作業をスムーズに処理できる下地検知具を提供する。
【解決手段】探知針jを出入する針孔を有する筒体a内に一端部が嵌挿し、他端部17が飛出し、且内挿するコイルスプリングの付勢によって押圧される前記探知針jを飛出せしめる測定筒体dを有する下地材探知具において、前記測定筒体dの外周面部13に飛出した探知針jの長さに比例する目盛14を付記せしめると共に、前記測定筒体dに嵌挿する測定体kを嵌挿せしめた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物等に使用されている下地材を探知針を介して探知する下地材探知具の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下地材検出具として、特開平11−281305公開特許公報に記載のものが開示されている。
【0003】
前記公開特許公報の下地材検出具は、差込針5が下地材sに突き刺さった場合に壁材の厚さを読取ることができる構成部材として、ガイド体8の外周部に差込針5の差し込み深さを表示する深さ目盛19を設けていることが開示されている。
【0004】
さらに、従来針式下地検出具として、特開2003−156303公開特許公報が開示されている。
【0005】
前記公開特許公報の針式下地検出具は、内装壁101の厚さTを測定するのに、この検出具を構成する可動体50の一部を透視可能な窓部23aを開設し、この窓部23aに沿って目盛23bを設けた構成である。
【0006】
かかる構成によって、例えば、図5のように探知針40の尖端部41が下地材103に突き当たった場合に、窓部23aにおけるピストン部51の端部51aの移動量Lを目盛23bで読み取り、内装壁101の厚さTを測定する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−281305公開特許公報
【特許文献2】特開2003−156303公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、前記した従来開示の特開平11−281305公開特許公報の下地材検出具は、把手体1を手で握持し、握持したまま壁面等に向けて把手体1を押すと、ガイド体1が弾性体9に抗して握持体内に後退摺動し、これにより差込針5は針出穴8aから露呈突出し、更なる把手体1の押動により差込針5は壁面等の検出部位wに差し込まれ、下地材sが無い部位においては、差込針は壁面等を貫通し、又、下地材sがある部位においては、検出部位wとしての壁面等を貫通した後に差込針5は下地材sに突き刺さり、それ以上は差し込みが不能となり、このような差込針5の壁面等への差し込みに伴う差し込み抵抗の変化を手応えで感得したり、差込針5への差し込み停止位置をガイド体8の把手体1内への没入位置をもって目視確認することによって、下地材sの有無を認識することになり、この際、上記ガイイド体8に上記差込針5の差し込み深さを表示する深さ目盛9を設けているから、差込針5が下地材sに突き刺さった場合には壁材の厚さを読取ることができる構成である。
【0009】
前記下地材検出具は、差込針5の差込み深さを目盛9によって読取ることができるが、差込み深さの目盛9を差込針5を差し込んだまま測定しなければならなかったし、さらに差込針5を差し込んだまま記録等をしなければならないい煩雑さがあった。
【0010】
さらに、折角差込針5を差し込んで差し込み深さが測定できたにも拘らず、不用意に深さ目盛9を記録等をしない中に、把手体1を抜きとってしまうと、差込針5がガイド体8内にもぐり込み、目盛9が「0」に戻ってしまうおそれがあった。
【0011】
また、前記下地材検出具は、高所の壁面等の差込み作業になると、突き差したまま差込み深さ目盛9を読み取ることになって読み取り作業が極めて煩雑であった。
【0012】
さらに、従来開示の特開2003−156303公開特許公報の針式下地検出具も、検知針40の尖端部41が下地材103に突き当たった場合に、窓部23aにピストン部51の端部51aの移動量Lを目盛23bで読み取ることによって、内装壁101の厚さTを測定することができる桟構を有しているが、殊に高所壁面等への前記探知針40の突き差し作業中にグリップ10を抜き取ってしまうと、ピストン部51の端部51aは目盛23bの「0」の位置に戻ってしまうので、しっかりと測定をしない中にグリップ10を引き抜くことはできなかった。
【0013】
従って、高所壁面等の下地を検知するための突き差し作業時の差し込み深さの読み取り測定作業は煩雑であった。
【0014】
さらに、前記した従来開示の下地材検出具及び針式下地検出具は、作業者が差込針5もしくは探知針40を下地材に差し込んだ際に、差し込み深さを読み取るのに目盛9、23bが見易い位置に予め調整しておかなければならない煩雑な作業があった。
【0015】
しかるに、本発明は、探知針jの差し込み作業中でも、殊に高所での差し込み作業後に抜き取り前記探知針jが筒体a内に潜ったとしても、測定筒体dに嵌挿している目盛14を指示する測定体kが、確実に差し込み深さ目盛14を指示しており、測定位置の高低にも拘らず測定作業をスムーズに処理できるようにした。
【0016】
さらに本発明は、筒体aの先端部1に、探知針jが出入する針孔2と、壁面p等の表面部に当たる前面部1aが円盤状にして、且フラット状の当て部1bを形成せしめ、探知針jの差し込み時に前記筒体aの当て部1bの前面部1aが壁面p等に当っても、壁面pに当て部1bの前面部1aの跡がつくことがなく、壁面pの損傷を防止し、前記壁面pの美感をも確保せしめた。
【課題を解決するための手段】
【0017】
課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、探知針jを出入する針孔2を有する筒体a内に一端部11が嵌挿し、他端部17が飛出し、且内挿するコイルスプリングgの付勢によって押圧される前記探知針jを飛出せしめる測定筒体dを有する下地材探知具において、前記測定筒体dの外周面部13に飛出した探知針jの長さに比例する目盛14を付記せしめると共に、前記測定筒体dに嵌挿する測定体kを嵌挿せしめることを特徴とする下地材探知具である。
【0018】
課題を解決するための手段として、請求項2に記載の発明は、前記測定体kがスライド自在な環形状をしていることを特徴とする請求項1記載の下地材探知具である。
【0019】
課題を解決するための手段として、請求項3に記載の発明は、前記測定筒体dの軸方向に凹溝15を単数もしくは複数形成すると共に、前記測定体kの内側に前記凹溝15に嵌挿する突出部31を単数もしくは複数形成せしめることを特徴とする請求項1又は同2に記載の下地材探知具である。
【0020】
課題を解決するための手段として、請求項4に記載の発明は、前記測定体kの幅員が均一にて形成せしめられていることを特徴とする請求項1又は同2又は同3に記載の下地材探知具である。
【0021】
課題を解決するための手段として、請求項5に記載の発明は、前記測定体kが、前記測定筒体dの軸方向に対し、直角状に嵌挿せしめられていることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4に記載の下地材探知具である。
【0022】
課題を解決するための手段として、請求項6に記載の発明は、前記筒体aの先端部1に探知針Jが出入する針孔2を有し、且壁面p等の表面部に当たる前面部1aがフラット状の当て部1bを有していることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5に記載の下地材探知具である。
【0023】
課題を解決するための手段として、請求項7に記載の発明は、先端部1に探知針jが出入する針孔2と、且壁面p等の表面部に当たる前面部1aにフラット状の当て部1bを有し、他端部3には開口部4を有し、内側の前方部には凹部6を有し、且前記開口部4より内側方に組立て指示用凹部6aを有する中空状部7の筒体aと、一端部8が前記筒体aの中空状部7の凹部6に嵌挿し、且貫通孔9を有するガイド体bと、前記ガイド体bの貫通孔9に挿入し前記探知針jが貫通する小径貫通孔10を有する小径ガイド体cと、前記筒体aと前記ガイド体bとの間に一端部11に係止部12を有し、外周面部13に前記探知針jの差込深さを表示する目盛14を付記し、一端部11寄りに直角状に折曲し、且軸方向に延設する凹溝15を形成し、内側には貫通孔16を形成し、他端部17に針ガイド体fの他端部18を挿入する挿入部19と、前記挿入部19と連接する探知針jの貫通孔20とからなる針固定体hを係止する突出部21を前記貫通孔16と連接する嵌挿孔16aの内側部に形成し、且前記貫通孔16の右側方の内側部にグリップ体lの一端部に形成の雄ネジ部22が螺合する雌ネジ部23を形成する測定筒体dと、前記測定筒体dの凹溝15に嵌挿するガイド部24を貫通孔25の内側に形成し、且他端部26に外側方に突設する鍔部27と、前記鍔部27の基部に前記筒体aの組立て指示用凹部6aに嵌挿する指示用凸部27aを形成するホルダー部eと、前記探知針jを貫通する貫通孔28付き針ガイド体fと、前記ガイド体bと前記小径ガイド体cとの間に形成された空隙部29と、前記測定筒体dと針ガイド体fとの間に形成された空隙部30内に前記針ガイド体fを挿入する前記コイルスプリングgを挿入せしめると共に、前記測定筒体dを常時右側方に付勢せしめ、前記測定筒体dの凹溝15に嵌挿する突出部31を単数もしくは複数内側に形成せしめ、前記筒体aより突出する探知針jの長さに比例し前記測定筒体dの目盛14をスライドしながら指示する前記測定筒体dに嵌挿の測定体kを形成し、前記各構成部材を組立て形成せしめることを特徴とする下地材探知具である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明は、探知針jを出入する針孔2を有する筒体a内に一端部11が嵌挿し、他端部17が飛出し、且内挿するコイルスプリングgの付勢によって押圧される前記探知針jを飛出せしめる測定筒体dを有する下地材探知具において、前記測定筒体dの外周面部13に飛出した探知針jの長さに比例する目盛14を付記せしめると共に、前記測定筒体dに嵌挿する測定体kを嵌挿せしめる下地材探知具なので、探知針jの差し込んだ最大深さの表示によって壁面pと下地(梁)r間の距離が極めて容易に測定することができる。
【0025】
さらに本発明は、スライドする測定体kによって探知針jの最大深さ量の表示保持ができるので、安定した固定状態で測定数値を読み取ることができる。
【0026】
また本発明は、測定体kによって、探知針jを差し込んだ状態での読み取りを不要にしたので、記録が容易となった。
【0027】
さらに本発明は、探知針jを差し込み後、直ちに前記探知針jを抜く動作を実施した後でも、測定体kがスライドしないので、差し込んだ探知針jの最大深さを確実に読み取ることができる。
【0028】
また本発明は、被測定位置が高くても、前記のとおり差し込み後直ちに抜き取っても、測定体kは容易にスライドすることなく、適度な保持力を維持しているので、探知針jの差し込み深さを正確に測定できる利点を有している。
【0029】
請求項2に記載の発明は、前記測定体kがスライド自在な環形状をしている下地材探知具なので、前記請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0030】
請求項3に記載の発明は、前記測定筒体dの軸方向に凹溝15を単数もしくは複数形成すると共に、前記測定体kの内側に前記凹溝15に嵌挿する突出部31を単数もしくは複数形成せしめる下地材探知具なので、前記請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0031】
請求項4に記載の発明は、前記測定体kの幅員が均一に形成せしめられている下地材探知具なので、前記請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0032】
請求項5に記載の発明は、前記測定体kが、前記測定筒体dの軸方向に対し、直角状に嵌挿せしめられている下地材探知具なので、前記請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0033】
請求項6に記載の発明は、前記筒体aの先端部1に探知針Jが出入する針孔2を有し、且壁面p等の表面部に当たる前面部1aがフラット状の当て部1bを有している下地材探知具なので、前記請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0034】
請求項7に記載の発明は、先端部1に探知針jが出入する針孔2と、且壁面p等の表面部に当たる前面部1aにフラット状の当て部1bを有し、他端部3には開口部4を有し、内側の前方部には凹部6を有し、且前記開口部4より内側方に組立て指示用凹部6aを有する中空状部7の筒体aと、一端部8が前記筒体aの中空状部7の凹部6に嵌挿し、且貫通孔9を有するガイド体bと、前記ガイド体bの貫通孔9に挿入し前記探知針jが貫通する小径貫通孔10を有する小径ガイド体cと、前記筒体aと前記ガイド体bとの間に一端部11に係止部12を有し、外周面部13に前記探知針jの差込深さを表示する目盛14を付記し、一端部11寄りに直角状に折曲し、且軸方向に延設する凹溝15を形成し、内側には貫通孔16を形成し、他端部17に針ガイド体fの他端部18を挿入する挿入部19と、前記挿入部19と連接する探知針jの貫通孔20とからなる針固定体hを係止する突出部21を前記貫通孔16と連接する嵌挿孔16aの内側部に形成し、且前記貫通孔16の右側方の内側部にグリップ体lの一端部に形成の雄ネジ部22が螺合する雌ネジ部23を形成する測定筒体dと、前記測定筒体dの凹溝15に嵌挿するガイド部24を貫通孔25の内側に形成し、且他端部26に外側方に突設する鍔部27と、前記鍔部27の基部に前記筒体aの組立て指示用凹部6aに嵌挿する指示用凸部27aを形成するホルダー部eと、前記探知針jを貫通する貫通孔28付き針ガイド体fと、前記ガイド体bと前記小径ガイド体cとの間に形成された空隙部29と、前記測定筒体dと針ガイド体fとの間に形成された空隙部30内に前記針ガイド体fを挿入する前記コイルスプリングgを挿入せしめると共に、前記測定筒体dを常時右側方に付勢せしめ、前記測定筒体dの凹溝15に嵌挿する突出部31を単数もしくは複数内側に形成せしめ、前記筒体aより突出する探知針jの長さに比例し前記測定筒体dの目盛14をスライドしながら指示する前記測定筒体dに嵌挿の測定体kを形成し、前記各構成部材を組立て形成せしめる下地材探知具なので、前記請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明下地材探知具の使用状態を示す正面図である。
【0036】
【図2】同探知針が飛出していない状態の正面図である。
【0037】
【図3】図におけるA−A線縦断正面図である。
【0038】
【図4】同筒体とホルダー部の組立て前の斜視図である。
【0039】
【図5】図4の部材を組立てた状態の斜視図である。
【0040】
【図6】同ホルダー部を嵌挿した測定筒体の正面図である。
【0041】
【図7】図6の斜視図である。
【0042】
【図8】同ホルダー部の拡大正面図である。
【0043】
【図9】図8のホルダー部の右側面図である。
【0044】
【図10】図8のホルダー部の平面図である。
【0045】
【図11】同筒体に組立てた測定筒体内に挿入前のコイルスプリング、探知針、針ガイド体等を示す図である。
【0046】
【図12】同探知針の一端部を固定させるための針固定体の正面図である。
【0047】
【図13】同図12の針固定体の右側面図である。
【0048】
【図14】同第1実施例の下地材探知具の各構成部材の組立て前の斜視図である。
【0049】
【図15】第2実施例の下地材探知具の使用状態を示す正面図である。
【0050】
【図16】図15の下地材探知具の斜視図である。
【0051】
【図17】図15の下地材探知具の縦断正面図である。
【0052】
【図18】第2実施例の下地材探知具における各構成部材の組立て前の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明の請求項1〜7に関する発明の実施の形態は、共通しているので以下のとおり一括して説明する。
【0054】
aは本発明の下地材探知具を構成する筒体であり、以下の構成からなっている。
【0055】
前記筒体aは、先端部1に探知針jが出入する針孔2と、且壁面p等の表面部に当たる前面部1aにフラット状の当て部1bを有し、他端部3には開口部4を有し、内側の前方部には凹部6を有し、且前記開口部4より内側方に組立て指示用凹部6aを有する中空状部7となっている。
【0056】
rは、前記壁面pの裏面部に取着の下地材である。
【0057】
前記探知針jは、図1に図示のように、前記フラット状の当て部1bをも貫通した構造である。
【0058】
さらに前記筒体aの開口部4より、先端部1の内側部方向に、所定長さの内径が若干大き目の段部4a付き前方中空状部7aを形成する。
【0059】
さらに前記当て部1bは、前面部1a方向よりみて円盤形状である。
【0060】
bは前記筒体a内に嵌挿するガイド体であり、以下の構成からなっている。
【0061】
前記ガイド体bの一端部8は前記筒体aの中空状部7の凹部6に嵌挿し、内側部には前記探知針jが貫通する貫通孔9を形成する。
【0062】
cは小径ガイド体である。この構成は前記ガイド体bの貫通孔9内に挿入し前記探知針jが貫通する小径貫通孔10を有する。
【0063】
dは測定筒体であり以下の構成からなっている。
【0064】
前記測定筒体dは断面が円形状にして、前記筒体aと前記ガイド体bとの間に形成の中空状部7内に嵌挿する一端部11に係止部12を有し、外周面部13に前記探知針jの差込深さを表示する目盛14を付記する。
【0065】
そして、一端部11寄りに直角状に折曲し、且軸方向に延設する凹溝15を通常2本を対称的に形成する。
【0066】
内側には貫通孔16を形成し、他端部17に針ガイド体fの他端部18を挿入する挿入部19と、前記挿入部19と連接する探知針jの貫通孔20とからなる針固定体hを係止する突出部21を前記貫通孔16と連接する嵌挿孔16aの内側部に形成し、且前記貫通孔16の右側方の内側部にグリップ体lの一端部に形成の雄ネジ部22が螺合する雌ネジ部23を形成する。
【0067】
eはホルダー部であり、以下の構成からなっている。
【0068】
前記測定筒体dの凹溝15に嵌挿するガイド部24を貫通孔25の内側に単数もしくは複数形成し、且他端部26に外側方に突設する鍔部27と、前記鍔部27の基部に前記筒体aの組立て指示用凹部6aに嵌挿する指示用凸部27aを形成する(図8、9、10)。
【0069】
fは針ガイド体である。この針ガイド体fは、前記探知針jを貫通する貫通孔28が形成されている。
【0070】
そして、前記針ガイド体fは、図3、11のようにコイルスプリングg内に挿入させ使用する。
【0071】
kは測定体であり、以下の構成からなっている。
【0072】
前記測定体kは、前記測定筒体dに嵌挿可能な環形状にて形成し、内側に前記測定筒体dの凹溝15に嵌挿する突出部31を単数もしくは複数形成する。
【0073】
さらに、前記測定体kは、前記測定筒体dに予め図6、7のように嵌挿して組立てる。
【0074】
nは、マグネットmを挿入し、前記グリップ体lに嵌着せしめるキャップである。
【0075】
前記した本発明の下地材探知具の各構成部材の組立ては以下のようにする。
【0076】
前記筒体aの開口部4より中空状部7の凹部6に前記ガイド体bの一端部8を嵌挿する。
【0077】
つぎに前記ガイド体bの貫通孔9内に小径ガイド体cを嵌挿する。
【0078】
そして、前記針ガイド体fを前記コイルスプリング8内に挿入後、前記探知針jを前記針固定体hから前記針ガイド体fの貫通孔28内に挿入し、前記測定筒体dから前記小径ガイド体cの貫通孔9に挿入し、前記針孔2へと挿入する。
【0079】
前記測定筒体dには、前記測定筒体dの凹溝15内に、前記ホルダー部eのガイド部24を挿入し、前記測定筒体dと前記ホルダー部eとを予め組立てる。
【0080】
前記測定体dと前記ホルダー部eとを組立て後、前記測定筒体dに前記環形状の測定体kを嵌挿する。
【0081】
前記のようにして各部材を組立てした後、例えば図3に図示されているように、前記測定筒体dの後方部にグリップ体lを螺着せしめる。
【0082】
前記測定筒体dに前記ホルダー部eと前記測定体kとを組立て後、例えば図3に図示されているように、前記探知針jを貫通せしめた前記小径ガイド体cと前記針ガイド体fを挿入せしめた前記筒体a内に前記測定筒体dを嵌挿せしめる。
【0083】
そして、前記筒体aの開口部4に、前記ホルダー部eを嵌め込み両体を接着剤等を介して容易に離脱しないように接着する。
【0084】
前記のようにして組立てられた前記探知針jは、針先が前記コイルスプリングgの伸長作用によって、前記針孔2から約1.5mm潜り込んで組み立てられている。例えば図3に図示されているように、針孔2から探知針jの先端部が飛出したりしない。
【0085】
さらに本発明の下地材探知具は、前記のように各構成部材が組立てられ、差し込み使用前の状態のときは、前記測定体kが前記ホルダー部eと密着状態であること、前記測定体kの右側面部が目盛14の「0」位置よりも、マイナスの領域に入っている。
【0086】
また、前記測定筒体dの係止部12は、前記筒体aに嵌挿した前記ホルダー部eのガイド部24によって係止されて抜け出したりしない。
【0087】
そして、前記測定体kは、前記測定筒体dの凹溝15内に嵌挿している突出部31等によって、前記測定筒体dに対し適度な保持力を確保しスライドする状態で組立てられている。
【0088】
前記のように組立てられた前記筒体aを左手指で握持し、右手指で握持した前記測定筒体dを回転すると、前記ホルダー部eのガイド部24が直角状に折曲している凹溝15に嵌挿し、前記筒体aと前記測定筒体dがロック状態となる。
【0089】
つぎに、本発明の下地材探知具の作用につき説明する。
【0090】
ロック状態になっている前記測定筒体dを、前記の回転操作と逆回転させ、前記筒体aと前記測定筒体dとのロック状態を解除する。
【0091】
前記グリップ体lを握持し、図1に図示されているように、壁面pに当て部1bの前面部1aを当てる。
【0092】
しかる後、グリップ体lを押圧し針先が前記壁面pに当ると、前記測定体kの右端部は、「0」の目盛14に位置している。さらに、そのまま前進させると、前記探知針j及び前記測定筒体d等がコイルスプリングgを圧縮して、前記探知針jが前記壁面p内に差し込まれ、もしも下地材rがあって前記探知針jの先端部が前記下地材rに当ると前記探知針jの突進はストップする。
【0093】
前記のように前記探知針jの差し込みがストップしたら、前記グリップ体lを握持し抜き取る。そのときコイルスプリングgの付勢によって、前記測定筒体dが図16に図示されているように押圧状態から伸長する。そして前記探知針jは、潜って針孔2から飛出しない。
【0094】
その際前記測定体kが図16のように目盛14上をスライドして前記目盛14を指示したままの状態でストップしている。
【0095】
従って、スライドしストップしている前記測定体kの右側面部の数字を読み取ることによって前記探知針jの最大差込み深さを容易に記録し測定ができる。
【0096】
そして、測定終了後は、前記測定体kを例えば図2に図示のとおり、前記ホルダー部eに密着せしめる。
【符号の説明】
【0097】
a 筒体
b ガイド体
c 小径ガイド体
d 測定筒体
e ホルダー部
f 針ガイド体
g コイルスプリング
h 針固定体
j 探知針
k 測定体
l グリップ体
m マグネット
n キャップ
p 壁面
r 下地材
1 先端部
1a 前面部
1b 当て部
2 針孔
3 他端部
4 開口部
4a 段部
6 凹部
6a 指示用凹部
7 中空状部
7a 段部付き前方中空状部
8 一端部
9 貫通孔
10 小径貫通孔
11 一端部
12 係止部
13 外周面部
14 目盛
15 凹溝
16 貫通孔
17 他端部
18 他端部
19 挿入部
20 貫通孔
21 突出部
22 雄ネジ部
23 雌ネジ部
24 ガイド部
25 貫通孔
26 他端部
27 鍔部
27a 凸部
28 貫通孔
29 空隙部
30 空隙部
31 突出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
探知針を出入する針孔を有する筒体内に一端部が嵌挿し、他端部が飛出し、且内挿するコイルスプリングの付勢によって押圧される前記探知針を飛出せしめる測定筒体を有する下地材探知具において、
前記測定筒体の外周面部に飛出した探知針の長さに比例する目盛を付記せしめると共に、前記測定筒体に嵌挿する測定体を嵌挿せしめることを特徴とする下地材探知具。
【請求項2】
前記測定体がスライド自在な環形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の下地材探知具。
【請求項3】
前記測定筒体の軸方向に凹溝を単数もしくは複数形成すると共に、前記測定体の内側に前記凹溝に嵌挿する突出部を単数もしくは複数形成せしめることを特徴とする請求項1又は同2に記載の下地材探知具。
【請求項4】
前記測定体の幅員が均一にて形成せしめられていることを特徴とする請求項1又は同2又は同3に記載の下地材探知具。
【請求項5】
前記測定体が、前記測定筒体の軸方向に対し、直角状に嵌挿せしめられていることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4に記載の下地材探知具。
【請求項6】
前記筒体の先端部に探知針が出入する針孔を有し、且壁面等の表面部に当たる前面部がフラット状の当て部を有していることを特徴とする請求項1又は同2又は同3又は同4又は同5に記載の下地材探知具。
【請求項7】
先端部に探知針が出入する針孔と、且壁面等の表面部に当たる前面部にフラット状の当て部を有し、他端部には開口部を有し、内側の前方部には凹部を有し、且前記開口部より内側方に組立て指示用凹部を有する中空状部の筒体と、
一端部が前記筒体の中空状部の凹部に嵌挿し、且貫通孔を有するガイド体と、
前記ガイド体の貫通孔に挿入し前記探知針が貫通する小径貫通孔を有する小径ガイド体と、
前記筒体と前記ガイド体との間に一端部に係止部を有し、外周面部に前記探知針の差込深さを表示する目盛を付記し、一端部寄りに直角状に折曲し、且軸方向に延設する凹溝を形成し、内側には貫通孔を形成し、他端部に針ガイド体の他端部を挿入する挿入部と、前記挿入部と連接する探知針の貫通孔とからなる針固定体を係止する突出部を前記貫通孔と連接する嵌挿孔の内側部に形成し、且前記貫通孔の右側方の内側部にグリップの一端部に形成の雄ネジ部が螺合する雌ネジ部を形成する測定筒体と、
前記測定筒体の凹溝に嵌挿するガイド部を貫通孔の内側に形成し、且他端部に外側方に突設する鍔部と、前記鍔部の基部に前記筒体の組立て指示用凹部に嵌挿する指示用凸部を形成するホルダー部と、
前記探知針を貫通する貫通孔付き針ガイド体と、
前記ガイド体と前記小径ガイド体との間に形成された空隙部と、前記測定筒体と針ガイド体との間に形成された空隙部内に前記針ガイド体を挿入する前記コイルスプリングを挿入せしめると共に、前記測定筒体を常時右側方に付勢せしめ、
前記測定筒体の凹溝に嵌挿する突出部を単数もしくは複数内側に形成せしめ、前記筒体より突出する探知針の長さに比例し前記測定筒体の目盛をスライドしながら指示する前記測定筒体に嵌挿の測定体を形成し、
前記各構成部材を組立て形成せしめることを特徴とする下地材探知具。


【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−132809(P2012−132809A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285750(P2010−285750)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(391011836)新潟精機株式会社 (4)
【Fターム(参考)】