説明

不揮発性半導体メモリドライブ

【課題】不揮発性半導体メモリとメモリコントローラとの間に位置する領域であって、基板の他の領域に比較して高温になる領域の温度を測定することができる不揮発性半導体メモリドライブを提供する。
【解決手段】不揮発性半導体メモリドライブ10は、基板100と、基板100上に設けられた複数の不揮発性半導体メモリと、基板100上に設けられて複数の不揮発性半導体メモリの動作を制御するメモリコントローラ103と、メモリコントローラ103と不揮発性半導体メモリとの間に設けられた温度センサ101とを備え、メモリコントローラ103は、温度センサ101により検出された温度が規定値を超えているとき、外部からの要求に対し、複数の不揮発性半導体メモリから読み出したデータを外部に転送する際の転送速度、又は自己と複数の不揮発性半導体メモリとの間でのデータの転送速度を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体メモリドライブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メモリチップ、温度センサ及び温度検出回路を備えたメモリモジュールが知られ
ている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このメモリモジュールは、基板上に実装されたメモリチップと、メモリチップの温度を
測定する温度センサと、温度センサにより測定された温度と予め設定された設定温度とを
比較する温度検出回路とを備える。したがって、メモリモジュールは、温度センサにより
メモリチップの温度を測定し、その測定した温度が設定温度を超えているか否かを温度検
出回路により検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−257062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、不揮発性半導体メモリとメモリコントローラとの間に位置する領域であって、基板の他の領域に比較して高温になる領域の温度を測定することができる不揮発性半導体メモリドライブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の不揮発性半導体メモリドライブは、基板と、前記基板上に設けられた複数の不揮発性半導体メモリと、前記基板上に設けられて前記複数の不揮発性半導体メモリの動作を制御するメモリコントローラと、前記メモリコントローラと前記複数の不揮発性半導体メモリのうち1つの前記不揮発性半導体メモリとの間に設けられた温度センサとを備え、前記メモリコントローラは、前記温度センサにより検出された温度が規定値を超えているとき、外部からの要求に対し、前記複数の不揮発性半導体メモリから読み出したデータを前記外部に転送する際の転送速度、又は自己と前記複数の不揮発性半導体メモリとの間でのデータの転送速度を低下させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不揮発性半導体メモリとメモリコントローラとの間に位置する領域であって、基板の他の領域に比較して高温になる領域の温度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置の外観を示す概略図である。
【図2】情報処理装置の本体の内部を示す平面図である。
【図3】情報処理装置の本体の内部を示す底面図である。
【図4】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】SSDの外観の一例を示す斜視図である。
【図6】SSDの概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の情報処理装置の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
(情報処理装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置の外観を示す概略図である。こ
の情報処理装置1は、本体2と、本体2に取り付けられた表示ユニット3とから構成され
ている。
【0011】
本体2は、箱状の筐体4を有し、その筐体4は、上壁4a、周壁4b及び下壁4cを備
える。筐体4の上壁4aは、情報処理装置1を操作するユーザに近い側から順にフロント
部40、中央部41及びバック部42を有する。下壁4cは、この情報処理装置1が置か
れる設置面に対向する。周壁4bは、前壁4ba、後壁4bb及び左右の側壁4bc,4
bdを有する。
【0012】
フロント部40は、ポインティングデバイスであるタッチパッド20と、パームレスト
21と、情報処理装置1の各部の動作に連動して点灯するLED22とを備える。
【0013】
中央部41は、文字情報等を入力可能なキーボード23aが取り付けられるキーボード
載置部23を備える。
【0014】
バック部42は、着脱可能に取り付けられたバッテリパック24と、バッテリパック2
4の右側に情報処理装置1の電源を投入するための電源スイッチ25と、バッテリパック
24の左右に表示ユニット3を回転可能に支持する一対のヒンジ部26a,26bとを備
える。
【0015】
筐体4の左の側壁4bcには、筐体4内から外部に対して風Wを排出する排出口29が
設けられている。また、右の側壁4bdには、例えば、DVD等の光記憶媒体にデータを
読み書き可能なODD(Optical Disc Drive)27と、各種のカード280が出し入れさ
れるカードスロット28とが配置されている。
【0016】
筐体4は、周壁4bの一部及び上壁4aを含む筐体カバーと、周壁4bの一部及び下壁
4cを含む筐体ベースとにより形成されている。筐体カバーは、筐体ベースに対して着脱
自在に組み合わされ、筐体ベースとの間に収容空間を形成する。この収容空間には、不揮
発性半導体メモリドライブとしてのSSD(Solid State Drive)10等が収容される。
なお、SSD10の詳細は後述する。
【0017】
表示ユニット3は、開口部30aを有するディスプレイハウジング30と、表示画面3
1aに画像を表示可能なLCD等からなる表示部31とを備える。表示部31はディスプ
レイハウジング30に収容され、表示画面31aは開口部30aを通じてディスプレイハ
ウジング30の外部に露出している。
【0018】
図2は、本体2の平面図であり、図3は、本体2を下方から見た下面図である。筐体4
内のレイアウトを示すために、図2では筐体カバー5を省略し、図3では筐体ベース6を
省略している。筐体カバー5及び筐体ベース6には、複数のボス43が設けられている。
【0019】
筐体4内には、上述のSSD10、バッテリパック24、ODD27及びカードスロッ
ト28の他に、メイン回路基板11、拡張モジュール12及びファン13等が収容されて
いる。
【0020】
メイン回路基板11は、複数の電子部品が実装され、複数の電子部品が機能することに
より所定の動作を行うユニットである。また、メイン回路基板11は、コネクタ110に
結合されたケーブル110aを介してSSD10に接続されるとともに、図示しないケー
ブルを介してバッテリパック24、ODD27、カードスロット28、拡張モジュール1
2及びファン13等に接続されている。
【0021】
ODD27は、筐体4内に収容されるケース270と、ケース270内に引き出し可能
に収容されるとともに光記憶媒体を載せるディスクトレイ271とを有する。
【0022】
カードスロット28は、例えば、PCカードスロットやExpressCard(登録
商標)スロット等の規格により形状が定められている。
【0023】
拡張モジュール12は、拡張回路基板120と、拡張回路基板120に設けられたカー
ドソケット121と、カードソケット121に挿入された拡張モジュール基板122とを
備える。カードソケット121は、例えば、Mini−PCI等の規格に基づいており、
拡張モジュール基板122は、例えば、3G(3rd Generation)モジュール、テレビチュ
ーナー、GPSモジュール、及びWimax(登録商標)モジュール等が挙げられる。
【0024】
ファン13は、筐体4内を送風に基づいて冷却する冷却部であり、筐体4内の空気を排
出口29を介して風Wとして外部に排出する。
【0025】
SSD10は、基板100を備え、その基板100が有する面100aには、温度セン
サ101、コネクタ102及び制御部(メモリコントローラ)103等が実装されている
。筐体4内において、SSD10は、ファン13により筐体4内から外部にかけての風W
の上流側に制御部103が位置し、風Wの下流側に温度センサ101が位置するように収
容されている。
【0026】
図4は、情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。この情報処理装置1は、上
述のSSD10、拡張モジュール12、ファン13、タッチパッド20、キーボード23
a、LED22、電源スイッチ25、ODD27、カードスロット28及び表示部31の
他に、各部を制御する組込システムであるEC(Embedded Controller)111と、BI
OS(Basic Input Output System)112aを格納するフラッシュメモリ112と、L
SI(Large Scale Integration)チップであり各種バス及びI/Oコントローラ(主制
御部)として機能するサウスブリッジ113と、LSIチップであり後述するCPU(Ce
ntral Processing Unit)115、GPU(Graphic Processing Unit)116、メインメ
モリ117及び各種バスとの接続を制御するノースブリッジ114と、各種信号を演算処
理するCPU115と、映像信号を演算処理して表示制御するGPU116と、CPU1
15により読み書きされるメインメモリ117とを有する。
【0027】
なお、EC111、フラッシュメモリ112、サウスブリッジ113、ノースブリッジ
114、CPU115、GPU116及びメインメモリ117は、メイン回路基板11に
実装された電子部品である。
【0028】
(SSDの構成)
図5は、SSDの外観の一例を示す斜視図である。このSSD10は、面100a〜1
00fを有する基板100を備え、基板100の面100aにそれぞれ実装された温度セ
ンサ101、コネクタ102、制御部103、8つのNANDメモリ104A〜104H
及びDRAM105を備える。このSSD10は、データやプログラムを記憶し、電源を
供給しなくても記録が消えない外部記憶装置である。従来のハードディスクドライブのよ
うな磁気ディスクやヘッド等の駆動機構を持たないが、基板100上に実装される8つの
NANDメモリ104A〜104Hの記憶領域に、OS(Operating System)等のプログ
ラム、ユーザやソフトウエアの実行に基づいて作成されたデータ等を従来のハードディス
クドライブと同様に読み書き可能に長期的に保存でき、情報処理装置1の起動ドライブと
して動作することのできる不揮発性半導体メモリからなるドライブである。
【0029】
図6は、SSDの概略構成を示すブロック図である。制御部103は、温度センサ10
1、コネクタ102、8つのNANDメモリ104A〜104H、DRAM105、及び
電源回路106にそれぞれ接続されている。また、制御部103は、コネクタ102を介
してホスト装置8に接続され、必要に応じて外部装置9に接続される。
【0030】
電源7は、バッテリパック24又は図示しないACアダプタであり、例えば、DC3.
3Vがコネクタ102を介して電源回路106に供給される。また、電源7は、情報処理
装置1全体に対して電力を供給する。
【0031】
ホスト装置8は、本実施の形態ではメイン回路基板11であり、メイン回路基板11に
実装されたサウスブリッジ113と制御部103との間が接続されている。サウスブリッ
ジ113と制御部103との間は、例えば、シリアルATA等の規格に基づいてデータの
送受信が行われる。
【0032】
外部装置9は、情報処理装置1とは異なる他の情報処理装置である。外部装置9は、情
報処理装置1から取り外されたSSD10に対して、例えば、RS−232C等の規格に
基づいて制御部103に接続され、NANDメモリ104A〜104Hに記憶されたデー
タを読み出す機能を有する。
【0033】
(SSDの各部の構成)
基板100は、例えば、1.8インチタイプ又は2.5インチタイプのHDD(Hard d
isk drive)と同等の外形サイズを有する。なお、本実施の形態では、1.8インチタイ
プと同等である。また、基板100を筐体4に固定するための複数の貫通穴100gを有
する。
【0034】
温度センサ101は、基板100上において、ともに熱源となる制御部103とNAN
Dメモリ104A〜104Hとの間に設けられている。図5の例では、温度センサ101
は、制御部103とNANDメモリ104A〜104Hによって囲まれるように基板の中
央付近に設けられ、その位置における温度を測定する。温度センサ101により測定され
た測定温度は、温度情報として制御部103に送られる。なお、本実施の形態では、半導
体のPN接合部の電圧が温度により変化する特性を利用した半導体温度センサを用いたが
、例えば、サーミスタ等の他の方式による温度センサを用いてもよい。
【0035】
上記の位置に設けられた温度センサ101による測定温度は、SSD10が動作中の場
合は、例えば、50℃〜60℃であり、基板100の他の領域に比較して10℃程度高い

【0036】
制御部103は、NANDメモリ104A〜104Hに対する動作を制御する。具体的
には、制御部103は、ホスト装置8からの要求に応じて、NANDメモリ104A〜1
04Hに対するデータの読み書きを制御する。データの転送速度は、例えば、データ読み
出し時で100MB/Sec、書き込み時で40MB/Secである。
【0037】
制御部103は、温度センサ101から温度情報を一定の周期で取得し、温度情報が示
す測定温度が予め設定された規定値を超えているとき、ホスト装置に対するレスポンスを
低下させる。レスポンスを低下させる動作は、SSD10が有する処理能力の一部を制限
する動作として、例えば、NANDメモリ104A〜104Hから読み出したデータをホ
スト装置8に転送する際の転送速度の低下や、制御部103とNANDメモリメモリ10
4A〜104Hとの間の転送速度の低下等が挙げられる。
【0038】
また、制御部103は、測定温度が規定値を超えているとき、その旨を示す情報として
警告信号をホスト装置8に出力する。なお、制御部103は、警告信号の代わりに温度情
報自体をホスト装置8に出力してもよい。
【0039】
また、制御部103は、その取得した温度情報をその取得した取得日時とともにNAN
Dメモリ104A〜104Hの所定のアドレスに書き込む。
【0040】
NANDメモリ104A〜104Hは、長辺と短辺からなる外形を有し、例えば、その
厚みは3mmである。NANDメモリ104A〜104Hは、基板100上で非対称な配
置に実装されている。すなわち、図5の例では、NANDメモリ104A〜104Hのう
ち4つのNANDメモリ104A〜104Dは、長辺が略平行になるように揃えた状態で
配置され、他の4つのNANDメモリ104E〜104Hは、短辺と長辺とが対向するよ
うに組み合わされた状態で配置されている。なお、NANDメモリは、基板100の面1
00bにも実装されていてもよい。
【0041】
NANDメモリ104A〜104Hは、1つの記憶容量が、例えば、16GBの不揮発
性の半導体メモリであって、例えば、1つのメモリセルに2ビットを記録可能なMLC(
Multi Level Cell)−NANDメモリ(多値NANDメモリ)である。MLC−NAND
メモリは、SLC(Single Level Cell)−NANDメモリに比較して、一般に書き換え
可能回数は劣るが、記憶容量の大容量化は容易である。また、NANDメモリ104A〜
104Hは、設置された環境温度によりデータを保持可能な期間が変動する特性を有する

【0042】
NANDメモリ104A〜104Hは、制御部103の制御により書き込まれたデータ
を記憶するとともに、温度情報及び取得日時を温度履歴として記憶する。
【0043】
DRAM105は、制御部103の制御によりNANDメモリ104A〜104Hに対
するデータの読み書きが行われる際に一時的にデータが格納されるバッファである。
【0044】
コネクタ102は、シリアルATA等の規格に基づいた形状を有する。なお、制御部1
03及び電源回路106は、別々のコネクタによりホスト装置8及び電源7にそれぞれ接
続されていてもよい。
【0045】
電源回路106は、電源7から供給されたDC3.3Vを、例えば、DC1.8V、1
.2V等に変換するとともに、それら3種類の電圧をSSD10の各部の駆動電圧に合わ
せて各部に供給する。
【0046】
(第1の実施の形態の動作)
以下に、第1の実施の形態に係る情報処理装置の動作について図7のフローチャートを
参照して説明する。
【0047】
まず、ユーザが電源スイッチ25を押下すると、その電源スイッチ25の押下を検出し
たEC111は、電源7から情報処理装置1の各部に電力の供給を開始する。そして、E
C111は、BIOS112aに基づいて情報処理装置1の起動を行う。
【0048】
次に、情報処理装置1の起動が完了すると、ユーザは表示部31の表示画面31aを視
認しながら、タッチパッド20及びキーボード23aを用いて情報処理装置1に対する操
作を行う。
【0049】
次に、情報処理装置1は、ユーザによる操作を受け付けると、その操作に応じて所定の
動作を行う。例えば、情報処理装置1のCPU15が、SSD10に記憶されたデータを
表示部31に表示する操作を受け付けた場合には、CPU115は、SSD10に対して
データの読み出しを命令する。次に、SSD10の制御部103は、NANDメモリ10
4A〜104Hからデータを読み出し、そのデータをサウスブリッジ113及びノースブ
リッジ114を介して、GPU116に送る。そして、GPU116は、そのデータを表
示部31に画像として表示する。
【0050】
情報処理装置1が上記のような動作を行っている間、SSD10の温度センサ101は
、温度センサ101が設けられた位置における温度を測定する。
【0051】
そして、制御部103は、温度センサ101による測定温度を一定の周期で温度情報と
して取得する温度監視を行う(S10)。また、制御部103は、その取得した温度情報
を取得日時とともに、NANDメモリ104A〜104Hの所定のアドレスに温度履歴と
して記憶する。
【0052】
次に、制御部103は、その取得した温度情報に基づいて、その測定された温度である
測定温度が規定値以上であるか否かを判定する(S11)。
【0053】
そして、制御部103が、測定温度が規定値以上でないと判定した場合には(S11:
No)、ステップS10に戻り、温度センサ101による温度の監視を継続する。一方、
制御部103が、測定温度が規定値以上であると判定した場合には(S11:Yes)、
ホスト装置8に対して警告信号を出力する(S12)。その警告信号を受けたホスト装置
8は、例えば、LED22の点灯状態の変更や、表示部31への警告メッセージの表示等
により、ユーザにSSD10において測定温度が規定値以上である旨を通知する。
【0054】
そして、制御部103は、ホスト装置8に対する自らのレスポンスを低下させる(S2
0)。
【0055】
次に、制御部103は、測定温度が規定値以下であるか否かを判定する(S30)。そ
して、制御部103は、測定温度が規定値以下でないと判定した場合には(S30:No
)、ステップS20に戻り、レスポンスを低下させた状態を維持する。
【0056】
一方、制御部103は、測定温度が規定値以下であると判定した場合には(S30:Y
es)、ホスト装置8に対して警告解除信号を出力する(S31)。その警告解除信号を
受けたホスト装置8は、LED22及び表示部31等を介してユーザに警告が解除された
旨を通知する。
【0057】
そして、制御部103は、ホスト装置8に対する自らのレスポンスを低下前の通常の状
態に戻す(S40)。
【0058】
上記した本発明の第1の実施の形態によると、温度センサ101を制御部103とNA
NDメモリ104Hとの間に設けたため、基板100の他の領域に比較して高温になる領
域の温度を測定することができる。
【0059】
また、SSD10の制御部103が、測定温度が規定値を超えているとき、ホスト装置
8に対する自らのレスポンスを低下させることにより、測定温度を規定値以下に抑制し、
SSD10のデータ保持期間の変動を抑制することができる。
【0060】
また、SSD10の制御部103が、測定温度が規定値を超えているとき、警告信号を
ホスト装置8に出力するため、ホスト装置8がSSD10において測定温度が規定値を超
えていることを認識し、その警告信号に対応した処理を行うことができる。
【0061】
また、NANDメモリ104A〜104Hに温度履歴を記憶することにより、SSD1
0が使用された状況での環境温度を時系列的に確認することができる。なお、温度履歴は
、制御部103による読み出しだけでなく、例えば、SSD10の温度を低下させる処理
を行うにあたってサウスブリッジ113による読み出しも可能である。
【0062】
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図で
ある。第1の実施の形態では、SSD10自らが測定温度を規定値以下に抑える動作を行
ったのに対し、本実施の形態では、SSD10に接続されたホスト装置8が、SSD10
から出力される温度情報に基づいて、SSD10を冷却する冷却動作を行うものである。
【0063】
すなわち、この情報処理装置1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置1と比較して
、CPU115が冷却動作を制御する制御回路115aを有する点において異なり、その
他の構成及び機能は同様である。
【0064】
制御回路115aは、SSD10から出力される温度情報に基づいて、冷却動作として
ファン13の送風量を通常動作時の通常レベルよりも大きな大レベルにする。本実施の形
態では、SSD10から出力される温度情報は、第1の実施の形態と同様の警告信号及び
警告解除信号とするため、制御回路115aは、SSD10から警告信号を受けたとき、
ファン13の送風量を大レベルに変更し、警告解除信号を受けたとき、ファン13の送風
量を通常レベルに変更する。なお、制御回路115aは、ファン13のオンオフを切り替
えるようにしてもよい。
【0065】
以下に、第2の実施の形態に係る情報処理装置の動作について図9のフローチャートを
参照して説明する。
【0066】
まず、SSD10の制御部103は、情報処理装置1が所定の動作を行っている間、温
度センサ101による温度監視を行う(S10)。一方、ホスト装置8は、ユーザの要求
に応じた所定の動作を行うとともに、ファン13の送風量を通常レベルで送風を開始する
(S100)。
【0067】
次に、制御部103は、温度センサ101による測定温度が規定値以上であるか否かを
判定し(S11)、規定値以上でないと判定した場合には(S11:No)、ステップS
10に戻る。一方、制御部103が、測定温度が規定値以上であると判定した場合には(
S11:Yes)、ホスト装置8に警告信号を出力する(S12)。
【0068】
次に、CPU115の制御回路115aは、SSD10からの警告信号を受けると、E
C111を介してファン13の送風量を大レベルに変更する(S101)。
【0069】
次に、制御部103は、測定温度が規定値以下であるか否かを判定し(S30)、規定
値以下でないと判定した場合には(S30:No)、ステップS20に戻る。一方、制御
部103が、測定温度が規定値以下であると判定した場合には(S30:Yes)、ホス
ト装置8に警告解除信号を出力する(S31)。
【0070】
そして、制御回路115aは、SSD10からの警告解除信号を受けると、EC111
を介してファン13の送風量を通常レベルに変更する(S102)。
【0071】
上記した本発明の第2の実施の形態によると、ホスト装置8が、SSD10からの温度
情報に基づいてファンの送風量を制御することにより、測定温度を規定値以下に抑制し、
SSD10のデータ保持期間の変動を抑制することができる。
【0072】
[第3の実施の形態]
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャート
である。本実施の形態の制御回路115aは、第2の実施の形態と比較して、冷却動作と
してホスト装置8の処理能力、すなわち、クロック数を低下させる点が異なり、その他は
同様の構成及び機能を有する。
【0073】
制御回路115aは、CPU105のクロック数を通常の状態にして、ホスト装置8の
動作を開始する(S110)。次に、制御回路115aは、SSD10から警告信号を受
けると、CPU105のクロック数を通常の状態より低下させる(S111)。そして、
制御回路115aは、警告解除信号を受けると、CPU105のクロック数を通常の状態
に戻す(S112)。
【0074】
なお、制御回路115aによるクロック数の制御は、CPU105だけでなくGPU1
16も対象にしてもよいし、GPU116だけを対象にしてもよい。
【0075】
上記した本発明の第3の実施の形態によると、ホスト装置8が、SSD10からの温度
情報に基づいてクロック数を制御することにより、測定温度を規定値以下に抑制し、SS
D10のデータ保持期間の変動を抑制することができる。
【0076】
[第4の実施の形態]
図11は、本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャート
である。本実施の形態の制御回路115aは、第2の実施の形態と比較して、冷却動作と
してホスト装置8をスタンバイ状態又はハイバネーション状態に移行させて、その冷却動
作によりSSD10の冷却性が改善しないとき、シャットダウン処理を行う点が異なり、
その他は同様の構成及び機能を有する。
【0077】
制御回路115aは、ホスト装置8のシステムを通常の状態で起動し、動作を開始する
(S120)。次に、制御回路115aは、SSD10から警告信号を受けると、ホスト
装置8をスタンバイ状態又はハイバネーション状態に移行させ、システムの動作を一旦停
止する(S121)。そして、制御回路115aは、移行後の一定期間内に警告解除信号
を受けなかった場合には(S122:No)、ホスト装置8のシャットダウン処理を行い
、システムを終了する(S123)。
【0078】
一方、制御回路115aが、一定期間内に警告解除信号を受けた場合には(S122:
No)、スタンバイ状態又はハイバネーション状態から通常の状態に移行し、システムの
動作を再開する(S124)。
【0079】
上記した本発明の第4の実施の形態によると、ホスト装置8が、SSD10からの温度
情報に基づいてシステムの状態を制御することにより、測定温度を規定値以下に抑制し、
SSD10のデータ保持期間の変動を抑制することができる。
【0080】
また、ホスト装置8が、SSD10の冷却性が改善しないとき、シャットダウン処理を
行うため、環境温度によるSSD10の故障を防止することができる。
【0081】
[第5の実施の形態]
図12は、本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャート
である。本実施の形態の情報処理装置は、SSD10が第1の実施の形態と同様に自らの
レスポンスを低下させる動作を行うとともに、ホスト装置8も第2の実施の形態と同様の
ファン13による冷却動作を行うものである。
【0082】
なお、制御回路115aは、冷却動作としてファン13の送風量を制御する他に、第3
及び第4の実施の形態で説明したように、クロック数及びシステムの状態を制御してもよ
いし、これら3つのうちから2つを任意に組み合わせてもよいし、3つ全てを行ってもよ
い。
【0083】
SSD10の制御部103が、温度監視(S10)により、測定温度が規定値以上であ
ると判定した場合には(S11:Yes)、ホスト装置8に警告信号を送信する(S12
)。また、制御部103は、ホスト装置8に対する自らのレスポンスを低下する(S20
)。
【0084】
そして、制御回路115aは、警告信号を受けると、ファン13の送風量を大レベルに
変更する(S101)。
【0085】
次に、制御部103は、測定温度が規定値以下であるか否かを判定し(S30)、規定
値以下であると判定した場合には(S30:Yes)、ホスト装置8に警告解除信号を出
力する(S31)。また、制御部103は、ホスト装置8に対して低下していた自らのレ
スポンスを低下前の通常の状態に戻す(S40)。
【0086】
そして、制御回路115aは、警告解除信号を受けると、ファン13の送風量を通常レ
ベルに変更する(S102)。
【0087】
上記した本発明の第5の実施の形態によると、SSD10とホスト装置8がともに冷却
動作を行うため、より効率的にSSD10を冷却することができる。
【0088】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変
更しない範囲内で種々な変形が可能である。例えば、第2〜第5の実施の形態に係るCP
U115の制御回路115aは、フラッシュメモリ112又はSSD10に記憶されたプ
ログラムであって、CPU115がそのプログラムに従って動作することにより実現する
ものでもよい。
【0089】
また、第2〜第5の実施の形態では、SSD10の制御部103が温度監視を行ってい
たが、例えば、CPU115の制御回路115aが、定期的に温度センサ101から温度
情報を取得することにより温度監視を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…情報処理装置、2…本体、3…表示ユニット、4…筐体、4a…上壁、4b…周壁、4ba…前壁、4bb…後壁、4bc,4bd…側壁、4c…下壁、5…カバー、6…筐体ベース、7…電源、8…ホスト装置、9…外部装置、10…SSD、11…メイン回路基板、12…拡張モジュール、13…ファン、20…タッチパッド、21…パームレスト、22…LED、23…キーボード載置部、23a…キーボード、24…バッテリパック、25…電源スイッチ、26a,26b…ヒンジ部、27…ODD、28…カードスロット、29…排出口、30…ディスプレイハウジング、30a…開口部、31…表示部、31a…表示画面、40…フロント部、41…中央部、42…バック部、43…ボス、100…基板、100a〜100f…面、100g…貫通穴、101…温度センサ、102…コネクタ、103…制御部、104A〜104P…NANDメモリ、104a…長辺、104b…短辺、105,105A,105B…DRAM、106…電源回路、110…コネクタ、110a…ケーブル、111…EC、112…フラッシュメモリ、112a…BIOS、113…サウスブリッジ、114…ノースブリッジ、115…CPU、116…GPU、117…メインメモリ、120…拡張回路基板、121…カードソケット、122…拡張モジュール基板、130…ヒートパイプ、270…ケース、271…ディスクトレイ、280…カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた複数の不揮発性半導体メモリと、
前記基板上に設けられて前記複数の不揮発性半導体メモリの動作を制御するメモリコントローラと、
前記メモリコントローラと前記複数の不揮発性半導体メモリのうち1つの前記不揮発性半導体メモリとの間に設けられた温度センサとを備え、
前記メモリコントローラは、前記温度センサにより検出された温度が規定値を超えているとき、外部からの要求に対し、前記複数の不揮発性半導体メモリから読み出したデータを前記外部に転送する際の転送速度、又は自己と前記複数の不揮発性半導体メモリとの間でのデータの転送速度を低下させることを特徴とする不揮発性半導体メモリドライブ
【請求項2】
前記複数の不揮発性半導体メモリは、それぞれ多値NANDメモリである請求項1に記載の不揮発性半導体メモリドライブ。
【請求項3】
前記メモリコントローラは、前記温度センサにより検出された前記温度を前記外部に出力する請求項2又は3に記載の不揮発性半導体メモリドライブ。
【請求項4】
前記メモリコントローラは、前記温度センサにより検出された前記温度を温度履歴として前記不揮発性半導体メモリに記憶させる請求項1から3のいずれか1項に記載の不揮発性半導体メモリドライブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−287242(P2010−287242A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148853(P2010−148853)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【分割の表示】特願2007−338083(P2007−338083)の分割
【原出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】