説明

不活性環境用エンクロージャ

新規な不活性環境用エンクロージャは、製造物品がエンクロージャに入る物品入口と、製造物品が出る物品出口とを含む。物品入口及び物品出口のうちの少なくとも一方は、空気がエンクロージャに入るのを防止するための上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体の双方を含む。特定の実施形態において、上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体は、それぞれ、複数の個々の隣接するフィンガーを有する可撓性の織物から構成されたカーテンを含む。他の特定の実施形態において、不活性環境用エンクロージャは、ウェーブはんだ付け機を収容する窒素フードである。不活性ガスノズルは、入口及び/又は出口に又はその近くに取り付けられている。不活性環境用エンクロージャは、製造物品がエンクロージャを通過するとき、周囲環境に対して陽圧を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、製造装置に関し、特に、不活性環境用エンクロージャに関する。さらに特には、本発明は、不活性環境用エンクロージャの性能を向上させる機能性に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器製造業において、大規模なはんだ付けのプロセス及び装置は、例えばプリント回路基板(PCB)等の製造物品上に電気部品をはんだ付けするために現在使用されている。通常、PCBは、はんだ付けされることになる電気部品のリード線を受け入れる複数のめっきされたスルーホール(PTH)を含む。電気部品は、通常、リード線がPTHを貫通してPCBの底面から露出されるようにPCBの上面に載置する。
【0003】
一般に「ウェーブはんだ付け」として公知技術である1つのプロセスは、様々な電気的接合部を短期間にはんだ付けすることを可能にする。ウェーブはんだ付けは、通常、コンベヤシステムによってウェーブはんだ付け機を複数の生産用基板が通過することを含む。生産用基板がコンベヤシステム上に直接装填されるか、又は、複数の生産用基板がコンベヤシステム上に装填されたパレット上に配置される。生産用基板がコンベヤに沿って移動する際に、それらは一連のプロセスを経る。例えば、機械に投入された後に、生産用基板は、その底面上にフラックス層を付与するフラクサーを通過する。次に、生産用基板は、溶融はんだに対する急な暴露によって生じる熱衝撃を防止するように予熱されたヒーターを通過する。予熱された後に、生産用基板の底面全体は、はんだノズルを介して上方に射出されて波をなす溶融はんだを通過する。溶融はんだは、底面全体と接触し、その後、はんだマスクによって被覆されていない任意の領域上に接合部を形成する。はんだノズルはまた、付着することがない溶融はんだを捕らえるはんだ容器によって提供される。容器に戻るはんだは、他の溶融はんだと混合され、最終的にノズルから再射出される。
【0004】
従来のウェーブはんだ付け機は、比較的迅速にいくつかの接合部をはんだ付けすることができるものの、欠点がある。例えば、大気中の酸素は、はんだノズル及び他の機械部品に堆積する酸化物(例えば、酸化スズや酸化鉛等)を形成するようにはんだと反応する。酸化物は、はんだフローを阻害するため、許容できるはんだ付けを達成するために除去されなければならない。もちろん、酸化物の除去は、予防保守(PM)を必要とし、したがって、装置及び製造を休止させる時間を必要とする。さらに、酸化物の形成は、新しいはんだによって連続的に交換されなければならない高価なはんだを消費する。さらに他の欠点として、酸化物は、環境的に有害な物質(すなわち、酸化鉛)を作り出す。
【0005】
酸化物形成によって生じた問題を低減する取り組みにおいて、装置製造業者は、窒素フード等の不活性環境用エンクロージャ内で動作するウェーブはんだ付け機を設計した。窒素フードは、基本的に、空気がその部品と接触するのを防止するように機械周囲に構成された窒素で充満した大きなエンクロージャである。典型的な窒素フードは、はんだ付けされていない生産用基板を受け入れるための入口と、完成品が出る出口とを含む。
【0006】
従来の窒素フードは、作業空間内で酸素の量を低減するのに役立つものの、問題はなおも存在する。例えば、空気は、入口及び出口の双方を介して従来のフード内に入る可能性がある。
【0007】
従来の窒素フードに伴う問題を低減する取り組みにおいて、装置製造業者は、入口及び出口カーテンを有する窒素フードを設計した。そのようなカーテンは、また生産用基板が
そのカーテンを介して移動するのを許容する一方で、開口を介して気流を低減するように入口及び出口開口に取り付けられる。生産用基板がそのようなフード内に又はフード外に移動されないとき、カーテンは、空気が入るのを防止するように下方に懸下されている。コンベヤが入口又は出口を介して生産用基板を案内する際に、カーテンは、開口の上端と製造物品の上端との間において薄い「シール」を形成するように生産用基板の上面を軽くかすめる。
【0008】
そのようなカーテンは、生産用基板がフード内に又はフード外に移動されていないとき、空気が入るのを防止するのに役立つものの、機械が使用中のとき、空気は、依然としてフードに入る。製造物品がフード内に又はフード外に通る際に、カーテンは持ち上げられ、製造物品の底面下における空気の流れを許容する。
【0009】
したがって、必要とされるものは、製造物品がそのエンクロージャを通過するときにエンクロージャに入る空気及び/又は任意の他の潜在的に不要なガスの量を低減する不活性環境用エンクロージャである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、特定の周囲環境からエンクロージャに入る可能性があるガスの量を低減するための機能を有する不活性環境用エンクロージャを提供することによって従来技術に伴う問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示的な実施形態によれば、不活性環境用エンクロージャは、エンクロージャの内部及び外部を規定する壁と、エンクロージャの内部に対してガスを提供するように連結された少なくとも1つのガス入口と、製造物品がエンクロージャに入る物品入口と、製造物品がエンクロージャから出る物品出口とを含む。物品入口及び物品出口のうちの少なくとも一方は、エンクロージャの外部からのガスがエンクロージャの内部に入るのを妨げるための上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体を含む。上側流れ阻止体は、製造物品の上面に接触するように適合されており、底側流れ阻止体は、製造物品の底面に接触するように適合されている。
【0012】
例示的な実施形態において、ガス入口は、物品入口及び物品出口のうちの一方に配置されている。エンクロージャは、ガス入口を介したガスの流れを制御するためのフローコントローラをさらに含む。ガス入口を介したガスの流れは、エンクロージャの外部に対してエンクロージャの内部を陽圧に維持するように制御される。特定の実施形態において、フローコントローラは、製造物品がエンクロージャを通過するときであっても、陽圧を維持するように、ガス入口を介してほぼ連続的なガスの流れを提供する。開示された実施形態において、ガス入口は、物品出口に配置されている。流量計は、ガス入口を介し且つ物品出口へのガスの流れをユーザが制御することを可能にする。代替的な実施形態において、ガス入口は、物品入口に配置されており、第2のガス入口は、物品出口に配置されている。随意に、ガス入口は、不活性ガス(例えば窒素)源に連結されたガスノズルであり、エンクロージャ内に不活性ガスを放出するように作動する。
【0013】
開示された実施形態において、エンクロージャは、物品入口を介してエンクロージャ内に且つ物品出口を介してエンクロージャから外部に製造物品を案内するための案内システムを含む。特定の実施形態において、案内システムは、物品入口及び物品出口を通って配置された軌道の組を含む。製造物品は、即座に複数の製造物品(例えばPCB)を運ぶように作動するパレット上のエンクロージャを介して運ばれる。1つの例示的な実施形態において、案内システムは、コンベヤシステムである。
【0014】
開示された実施形態において、上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体のうちの少なくとも一方は、通過する製造物品に摺動可能に接触するように適合された可撓性材料を含む。例示的な実施形態において、可撓性材料は、織物から構成されている。さらに特定の実施形態において、この織物はフッ化炭素を含み、148.9℃(華氏300度)を超える温度に耐えることができる。さらに他の特定の実施形態において、この織物は、底側流れ阻止体の一部である。この織物は、製造物品の通過によって付勢されたとき、下方に屈曲するように十分な可撓性があり、さらに、製造物品が通過した後に直立位置に戻るように十分な弾性を有する。1つの実施形態において、可撓性材料は、製造物品の進行方向を横切る少なくとも1つの列に配置されている。随意に、可撓性材料は、製造物品の進行方向を横切る複数の列に配置されている。可撓性材料は、少なくとも第1のフィンガー及び隣接する第2のフィンガーを規定する第1の分離部を含む。第1のフィンガーは、第2の隣接するフィンガーから独立して屈曲する。各列は、可撓性材料の第1の層及びこれに当接する第2の層を含む。
【0015】
例示的な実施形態において、上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体のうちの少なくとも一方は、可撓性材料を取り付けるための第1の板を含む。可撓性材料は、取り付け部分及び妨げを受けない自由部分を含む。取り付け部分は、第1の板に対して固定的に取り付けられている。自由部分は、通過する製造物品に摺動可能に接触するように適合されている。第1の板は、第1の表面と、反対側の第2の表面と、第1の表面及び第2の表面の双方を貫通している開口とを含む。その板の第1の表面が可撓性材料の自由部分に対向し、その板の第2の表面が可撓性材料の取り付け部分に対向するように、可撓性材料は、開口を通って配置されている。さらに特定の実施形態において、流れ阻止体はまた、第1の表面及び反対側の第2の表面を有する第2の板を含む。第1の板の第2の表面が第2の板の第1の表面に対向するように、第2の板は、第1の板に対して固定されている。さらに、可撓性材料の取り付け部分は、第1の板の第2の表面と第2の板の第1の表面との間に挟持されている。
【0016】
開示された実施形態において、上側流れ阻止体は、上側流れ阻止体と底側流れ阻止体との間を通過する製造物品の上面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含む。同様に、底側流れ阻止体は、上側流れ阻止体と底側流れ阻止体との間を通過する製造物品の底面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含む。製造物品が上側流れ阻止体と底側流れ阻止体との間を通過しないとき、上側流れ阻止体の自由部分及び底側流れ阻止体の自由部分は、互いに接触するように適合されている。
【0017】
さらに特定の実施形態において、物品入口は、上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体を含み、物品出口は、上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体を含む。物品入口の底側流れ阻止体は、第1の物品入口の底側流れ阻止体と第1の上側流れ阻止体との間を通過する製造物品の底面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含む。同様に、物品入口の上側流れ阻止体は、物品入口の底側流れ阻止体と第1の上側流れ阻止体との間を通過する製造物品の上面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含む。製造物品が、物品入口の底側流れ阻止体と上側流れ阻止体との間を通過しないとき、物品入口の上側流れ阻止体の自由部分及び底側流れ阻止体の自由部分は、互いに接触するように適合されている。
【0018】
同様に、物品出口の底側流れ阻止体は、物品出口の底側流れ阻止体と上側流れ阻止体との間を通過する製造物品の底面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含む。物品出口の上側流れ阻止体は、物品出口の底側流れ阻止体と上側流れ阻止体との間を通過する製造物品の上面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含む。製造物品が、物品出口の底側流れ阻止体と上側流れ阻止体との間を通過しないとき、物品出口の上側流れ阻止体の自由部分及び物品出口の底側流れ阻止体の自由部分は、互いに接触するよう
に適合されている。
【0019】
例示的な実施形態において、不活性環境用エンクロージャは窒素フードである。さらに特定の実施形態において、窒素フードは、ウェーブはんだ付け機を受け入れるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】窒素フード100を示す斜視図。
【図2】図1に示された窒素フード100の入口102を示す斜視図。
【図3】入口102の底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204を示す斜視図。
【図4】底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204を示す分解図。
【図5】底側流れ阻止体202の構造を描写する図。
【図6】入口102の断面図。
【図7】窒素フード100の出口104を示す斜視図。
【図8】出口104の底側流れ阻止体702及び上側流れ阻止体704を示す斜視図。
【図9】上側流れ阻止体704及びノズル712を示す分解図。
【図10】出口104の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、以下の図面を参照して記載される。ここで、同様の参照符号は、略類似する要素を意味する。
本発明は、エンクロージャの入口及び/又は出口に取り付けられた底側流れ阻止体及び上側流れ阻止体を有する不活性環境用エンクロージャを提供することによって、従来技術に伴う問題を解決する。以下の記載において、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細(例えば、コンベヤシステム、窒素フード、ウェーブはんだ付け機等)が記載される。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの具体的な詳細とは別に、実施され得る旨を認識するはずである。他の例において、周知のウェーブはんだ付けの実践(例えば、予熱、フラックス付与、はんだ付け等)及び構成要素の詳細は、不要に本発明を不明瞭なものとしないために省略されている。本発明は、ウェーブはんだ付けフードの内容について記載されているものの、当然のことながら、本発明は、フードにおいて通常行われる公知のプロセスによって実施されることができる。
【0022】
図1は、本発明の1つの実施形態にかかるウェーブはんだ付け窒素フード100の斜視図を示している。フード100は、入口102と、出口104と、コンベヤの軌道の組106と、コントロールパネル108とを含む。入口102及び出口104は、製造物品(例えば回路基板)がそこを通ってフード100にそれぞれ入って出る通路を提供する。軌道106は、フード100を介して製造物品を案内する手段を提供する。軌道106は、入口102、及び、処理機器(すなわち、フラックス噴霧器、ヒーター、はんだ波生成装置)を通過して、出口104を通って延在している。製造物品は、例えば、電動式のチェーン、ベルト、ローラー、ギア等の任意の適切な手段によって手動又は自動のいずれかで軌道106に沿って輸送することができる。さらに、製造物品は、直接に又はパレット上のいずれかで軌道106に沿って運ばれることができる。コントロールパネル108は、フード100の様々な機能及び動作状態のユーザによる制御及び監視を提供する。実際に、コントロールパネル108は、一組の流量計110及びユーザ入力/出力インターフェース112を含む。流量計110は、フード100内の様々な位置における窒素レベルの制御及び監視を容易なものとする。さらに、流量計110のうちの少なくとも1つは、出口104における窒素の制御及び監視を容易なものとする。製造中にフード100によって使用される窒素ガスは、例えば、補充可能な/取り外し可能な搭載型窒素タンク、遠隔
窒素源に対して接続された窒素ホース等の任意の適切な供給源によって供給されることができる。ユーザ入力/出力インターフェース112は、ユーザとフード100との間の通信を容易なものとする任意の適切な1つの装置又は複数の装置を示す。例えば、インターフェース112は、動作状態(例えば、内部酸素レベル、内部圧力レベル、温度等)やユーザ設定等の情報を提供するための表示画面114を含む。インターフェース112はまた、ユーザ入力を受ける任意の適切な手段(例えば、ボタン、スイッチ、ノブ等)を示す複数のユーザ入力装置116を含む。
【0023】
フード100の1つの重要な特徴は、それが製造中に正(陽)のゲージ圧で動作することができるということである。すなわち、正のゲージ圧で動作するとき、フード100の内部圧力は、フード100の外部圧力よりも大きい。もちろん、ゲージ圧は、フード100内に窒素ガスの流量を増やすことによって増加される。正のゲージ圧で動作することにより、窒素ガスがフード100の高圧内部から周囲の低圧大気まで連続的に流れることから、フード100に入ることができる空気の量は、大幅に低減される。それゆえに、圧力差は、正のゲージ圧で動作していない場合は、大気が通過するのを許容することができる任意の小開口を介して、フード100の外部へと窒素ガスを連続的に流れさせる。フード100は、正のゲージ圧で動作することができるのみならず、フード100はまた、自動又は手動のいずれかで正のゲージ圧を維持することができる。正のゲージ圧を維持する手段として、フード100は、所定の動作状態のセットを維持する自動制御システムを使用することができる。例えば、制御システムは、電子圧力計及び電気的に作動する窒素弁に対して電気的に結合されたコンピュータシステムを含むことができる。コンピュータシステムは、フード内の圧力を表す電気的圧力測定値を連続的にサンプリングすることができ、その後、ユーザ定義が可能な又は予めプログラムが可能な所定の値のセットと測定値とを比較することができる。所定の状態を満たさない測定値に応答して、コンピュータシステムは、十分なゲージ圧が達成されるまで窒素弁を作動させることができる。すなわち、ゲージ圧測定値が高すぎる又は低すぎるとき、窒素流量は増加又は低減されることができる。随意に、自動制御システムはまた、フード100内の様々な他の動作状態の自動制御及び監視を容易なものとするようにコンピュータに連結された様々な他の種類のセンサ(例えば、温度計、光センサ、電荷センサ、酸素センサ、窒素センサ等)並びに処理装置(例えば、ベントアクチュエータ、排気ポンプ/ファン、加熱/冷却素子、光源等)を含むことができる。正のゲージ圧を維持するための他の手段として、フード100内の圧力は、単に作動時に窒素の連続流量を維持する弁をフード100に組み入れることによって、手動で制御することができる。その弁は、可変流量弁又は単なる開放/閉止型の弁のいずれかとすることができる。用語「ゲージ圧」が、システム圧力が局所的な大気圧よりも大きいとき、局所的な大気圧に対するシステム内の圧力を指すことは、当業者にとって公知である。逆にいえば、用語「真空圧」は、システム圧力が局所的な大気圧より低い場合の、局所的な大気圧に対するシステム内の圧力を指す。
【0024】
図2は、図1においては表示されない追加の特徴を含む入口102の斜視図を示している。入口102は、開口200(図6に示される)と、底側流れ阻止体202と、上側流れ阻止体204とを含む。開口200は、フード100の側壁206を通って形成されており、製造物品が軌道106に沿ってフード100内に案内される通路を提供する。底側流れ阻止体202は、一組のネジ208により軌道106の底部に取り付けられている。同様に、上側流れ阻止体204は、一組のネジ210により軌道106の上部に取り付けられている。底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204は、製造物品がフードに入る際に、底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204が同時に製造物品の上面及び底面にそれぞれ接触するように、軌道106の反対側から互いに対向して取り付けられている。この接触は、製造物品が開口200を通過する際に、空気がフード100に入るのを防止する。製造物品が開口200を通過していない間は、底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204は、空気がフード100内に入るのを防止するように互いに接触する。
空気がフード100内に入るのを防止することに加え、底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204は、フード100から外部への窒素の流れを低減する。フード100から外部への窒素の流れを低減することにより、ゲージ圧を増加又は維持するのに必要な窒素が少なくなる。上述したように、ガスがフード100内の高圧からフード100の外部の大気の比較的低圧へと局所的に流れることから、ゲージ圧の増加は、フード100内への空気の通過をさらに防止する。
【0025】
図3は、図1〜図2において表示されない追加の特徴を含む底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204の斜視図を示している。底側流れ阻止体202は、一組のカーテン300と、取付板302と、カバー板304とを含む。カーテン300は、通過する製造物品の底面にカーテン300の上部が摺動可能に接触するように直立位置で取付板302上に取り付けられている。カーテン300は、製造物品を通過させることによって付勢されたとき容易に屈曲する軟性の可撓性織物から構成されている。軟性かつ可撓性であることに加え、この織物は、通過する製造物品の底面との軽度の接触を維持し、カーテン300が屈曲した後に直立位置に戻るのを許容するように十分な剛性を有する。カーテン300は、様々な種類の織物及び材料(例えば剛毛)から構成されることができるものの、本願発明者は、静電放電(ESD)に対して安全であり148.9℃(300F)を超える温度に耐性がある織物を被覆したポリテトラフルオロエチレン(すなわち、テフロン(登録商標))からカーテンが構成されるときに良好な結果が達成されることを見出した。カーテン300は、開口200(図6に示される)の全幅に沿って延在している4つの平行な列306(a−d)として配置されている。それぞれの列306(a−d)は、第1の層308と、重なり合った第2の層310とを含み、それぞれは、複数の隣接するフィンガー314を規定する複数の垂直薄片312を含む。第1の層308に形成された薄片312は、フィンガー314同士の間の空気漏れを最小化するために第2の層310に形成された薄片312から水平方向にオフセットされている。それぞれのフィンガー314は、カーテン300が異なる製造物品の様々な大きさ及び要素の形状に適応することができるように、隣接するフィンガーから独立して自由に屈曲することができる。製造物品が入口102を通過する際に、フィンガー314は、下方に屈曲し、それらの間において薄いシールを形成するように物品の底面を優しく掃く。
【0026】
例えば、取付板302は、カーテン300の取り付けを容易なものとするアルミニウム板である。カーテン300の取り付けは、一組のネジ316(図4において示される)により取付板302の底面に取り付けられたカバー板304によってさらに容易とされる。ここで留意すべきは、取付板302及びカバー板304の追加の特徴及び機能性は、次の図4を考慮してさらに詳細に記載されるということである。
【0027】
上側流れ阻止体204は、一組のカーテン318と、取付板320と、カバー板322とを含む。カーテン318は、カーテン318の底部が、通過する製造物品の上面に摺動可能に接触するようにカーテン300に対向して下向き位置で取付板320上に取り付けられている。さらに、カーテン318は、物品がフード100内に通されていないとき、列306(a−d)にそれぞれ接触する4つの列324(a−d)内に配置されている。取付板320及びカバー板322は、カーテン318の取り付けを容易なものとする。また、取付板320及びカバー板322は、一組のネジ326により一体に固定される。カーテン318、取付板320及びカバー板322の特徴及び機能性は、それぞれ、カーテン300、取付板302及びカバー板304の特徴及び機能性と略同様である。したがって、カーテン318、取付板320及びカバー板322の掘り下げた詳細は、冗長を避けるべく以下の記載から省略する。
【0028】
図4は、カーテン300、取付板302、カバー板304、カーテン318、取付板320、及び、カバー板322の追加の特徴を示すために、軸線400に沿って分解した場
合の底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204の斜視図を示している。カーテン300は、取付板302に対するカーテン300の取り付けを容易なものとする取り付け部分402をさらに含む。取付板302は、一組のスルーホール404、一組のネジ孔406(示されない)、及び、4つの平行なスロット408を含む。スルーホール404は、取付板302を通って完全に形成された開口であり、それぞれは、軌道106の底部に対する底側流れ阻止体202の取り付けの際にネジ208のそれぞれ1つを受け入れる。それぞれのネジ孔406は、取付板302に対するカバー板304の取り付けの際にネジ316のそれぞれ1つを受け入れる。それぞれのスロット408は、取付板302を通って完全に形成された細長い開口であり、列306(a−d)のそれぞれ1つを受け入れるように構成されている。カバー板304は、スルーホール410の組と、第2のスルーホール412の組とを含む。それぞれのスルーホール410は、軌道106の底部に対する底側流れ阻止体202の取り付けの際にネジ208のそれぞれ1つを受け入れるように、スルーホール404のそれぞれ1つと同軸上に整列されている。それぞれのスルーホール412は、取付板302に対するカバー板304の取り付けの際にネジ316のそれぞれ1つを受け入れるように、ネジ孔406のそれぞれ1つと同軸上に整列されている。
【0029】
カーテン318は、取付板320へのカーテン318の取り付けを容易なものとする取り付け部分414をさらに含む。取付板320は、一組のスルーホール416と、一組のネジ孔418と、4つの平行なスロット420とを含む。スルーホール416は、取付板320を通って完全に形成された開口であり、それぞれは、軌道106の上部に対する上側流れ阻止体204の取り付けの際にネジ210のそれぞれ1つを受け入れる。それぞれのネジ孔418は、取付板320へのカバー板322の取り付けの際にネジ326のそれぞれ1つを受け入れる。それぞれのスロット420は、取付板320を通って完全に形成された細長い開口であり、列324(a−d)のそれぞれ1つを受け入れるように構成されている。カバー板322は、一組のスルーホール422と、第2の一組のスルーホール424とを含む。それぞれのスルーホール422は、軌道106の上部に対する上側流れ阻止体204の取り付けの際にネジ210のそれぞれ1つを受け入れるように、スルーホール416のそれぞれ1つと同軸上に整列されている。それぞれのスルーホール424は、取付板320に対するカバー板322の取り付けの際にネジ326のそれぞれ1つを受け入れるように、ネジ孔418のそれぞれ1つと同軸上に整列されている。
【0030】
図5は、本発明の1つの実施形態にかかる底側流れ阻止体202を組み立てるための様々な段階を描いている。組み立て段階は、第1の段階500と、第2の段階502と、第3の段階504と、第4の段階506とに集約される。第1の段階500において、織物からなる単一の均一シート508、取付板302、カバー板304、及び、ネジ316が提供される。そして、第2の段階502において、織物508は、各スロット408に沿って延在する織物のループ510を形成するために、それぞれのスロット408内に且つスロット408から外部に織られる。組み立てのこの段階では、ループ510のそれぞれが列306(a−d)の個々の1つを形成すると認識されるべきである。次に、第3の段階504では、取り付け部分502が堅く挟持され、したがって、カバー板304及び302の間で固定されるように、カバー板304がネジ316によって取付板302に対して堅く取り付けられる。ネジ316が締められると、各ループ510は、複数の個々の隣接するループ514を形成するために線512に沿って垂直にスライスされる。最後に、第4の段階506において、各ループ514が2つの個々の当接しているフィンガー314に分離されるように、個々のループ514の頂点が水平にスライスされ、その一方は、第1の層308の一部となり、他方は、第2の層310の一部となる。
【0031】
図6は、製造物品がフード100内に通されていないときにおける入口102の断面図を示している。したがって、製造物品がフード100内に通されていないとき、列306(a−d)がそれぞれ列324(a−d)と接触を維持するように、カーテン318が下
向き位置を維持する一方で、カーテン300は直立位置を維持する。連続的接触がそれぞれの列306(a−d)とそれぞれの列324(a−d)との間で同時に維持されるものの、各列の4つの組の1つの列のみの間の接触は、空気がフード100に入るのを防止するのに十分である。それゆえに、空気が開口200を通って入るために、それぞれの列306(a−d)及びそれぞれの列324(a−d)において接触できないことは、同時に起こらなければならない。そのような生じ難い状況が起こった場合であっても、フード100内の正のゲージ圧は、空気がフード100内に入るのを防止するように開口200から外部への窒素ガスの連続放出を生じさせるであろう。
【0032】
物品がフード100内に通されていないときのみならず、物品がフード100内に通されたときもまた、カーテン300及び318は、空気が開口200に入るのを防止する。例えば、製造物品が最初に入口102に入るとき、列306(a−d)及び324(a−d)がそれぞれ接触を維持する一方で、製造物品は、内側に及び互いに離れるように列306(a)及び列324(a)を押圧する。列306(a)及び列324(a)が内側に屈曲することを強いられる際に、列306(a)及び列324(a)は、製造物品が通過する際に製造物品の底面及び上面にそれぞれ同時に接触する。列306(a)及び列324(a)を介して漏洩する可能性がある空気は、残りの接触列306(b−d)及び列324(b−d)によってそれ以上入るのを防止される。同様に、列306(b−d)及び列324(b−d)は、製造物品が前進する際に、連続して内側に屈曲し、製造物品の底面及び上面によってそれぞれ薄いシールを形成する。すべての列306(a−d)及び列324(a−d)が同時に屈曲するように、通過する製造物品の水平長さが入口102の水平長さよりも大きくなる傾向がある。しかしながら、フード100内の正のゲージ圧及びカーテン列間の水平距離によって、気流が開口200を通って入るのをさらに防止される。1つの列のフィンガーが製造物品の一部によって屈曲し、一部によって以前に屈曲した他の列のフィンガーが気流を妨げる位置に戻り得ることから、各列間の距離は、フード100内への気流を低減する。
【0033】
図7は、図1において示されない追加の特徴を含む出口104の斜視図を示している。出口104は、開口700(図11に示される)と、底側流れ阻止体702と、上側流れ阻止体704とを含む。開口700は、フード100の側壁706を通って形成されており、製造物品が軌道106に沿ってフード100から外部に案内される通路を提供する。底側流れ阻止体702は、一組のネジ708により軌道106の底部に取り付けられている。同様に、上側流れ阻止体704は、一組のボルト710により軌道106の上部に取り付けられている。底側流れ阻止体702及び上側流れ阻止体704は、製造物品がフード100から出る際に、底側流れ阻止体702及び上側流れ阻止体704が同時に製造物品の上面及び底面にそれぞれ接触するように、軌道106の反対側から互いに対向して取り付けられている。この接触は、製造物品が出口104を通って出る際に、空気がフード100に入るのを防止する。製造物品がフード100から出ていない場合、底側流れ阻止体702及び上側流れ阻止体704は、空気がフード100内に入るのを防止するように互いに接触する。空気がフード100に入るのを防止することに加え、底側流れ阻止体702及び上側流れ阻止体704は、フード100から外部への窒素の流出を低減する。
【0034】
この特定の実施形態において、フード100は、上側流れ阻止体704上に取り付けられた窒素ノズル712をさらに含む。窒素ノズル712は、空気がフード100に入るのをさらに防止するように窒素ガスを直接出口104へと供給する手段を提供する。窒素ガスは、壁706を貫通するように示される窒素供給ライン714を介してノズル712へと供給される。供給ライン714は、壁706を貫通するように示されるものの、供給源がフード100の内部又は外部に配置されるかにかかわらず、任意の適切な窒素源から窒素を搬送することができる。ノズル712を介した窒素流れの制御及び監視は、流量計110(図1に示される)のうちの少なくとも1つによって容易とされる。ここで留意すべ
きは、ノズル712は、一般に、ガスの放出を制御する任意の適切な手段を提供するということである。しかしながら、本願発明者は、チャンド・アイゼンマン・メタラジカル社(Chand Eisenmann Metallurgical)の多孔性焼結316ステンレス鋼ノズルを使用して良好な結果を達成している。
【0035】
図8は、図7において示されない追加の特徴を含む底側流れ阻止体702及び上側流れ阻止体704の斜視図を示している。
底側流れ阻止体702は、一組のカーテン800と、取付板802と、カバー板804とを含む。カーテン800は、4つの平行な列806(a−d)として配置されており、それぞれは、複数の隣接するフィンガー808を含む。製造物品が出口104から出る際に、フィンガー808は、下方に屈曲し、それらの間において薄いシールを形成するように物品の底面を優しく掃く。取付板802及びカバー板804は、カーテン800の取り付けを容易とし、一組のネジ810(図10に示される)により一体に取り付けられる。ここで留意すべきは、底側流れ阻止体702の特徴が底側流れ阻止体202及び上側流れ阻止体204のものと略同様であるということである。したがって、底側流れ阻止体702の特徴と関連する多くの具体的な詳細は、冗長を避けるべく以下の記載から省略する。
【0036】
上側流れ阻止体704は、一組のカーテン812と、取付板814と、カバー板816とを含む。カーテン812は、カーテン812の底部が、通過する製造物品の上面に摺動可能に接触するように、カーテン800に対向して下向き位置で取付板814上に取り付けられている。さらに、カーテン812は、物品がフード100から出ていないとき、列806(b−d)にそれぞれ接触する3つの列818(b−d)内に配置されている。それぞれの列818(b−d)は、複数の隣接するフィンガー820(図9に示される)を含む。取付板814及びカバー板816は、カーテン812の取り付けを容易なものとする。カーテン812の部分がそれらの間に挟持される一方で、カーテン812の取り付けは、取付板814及びカバー板816を一体に固定する手段を提供する一組のネジ822によってさらに容易とされる。
【0037】
図9は、軸線900に沿って分解した場合のカーテン812、取付板814、カバー板816、及び、ノズル712の斜視図を示している。
カーテン812は、取り付けの際に取付板814及びカバー板816の間に堅く挟持される取り付け部分902をさらに含む。この特定の実施形態において、カーテン812は、カーテン300、318及び800を構成するのに使用される同じ種類の織物から構成される。
【0038】
しかしながら、1つのカーテンを構成するのに使用される材料は、必ずしも、他のカーテンを形成するのに使用される材料と同じである必要はない。例えば、カーテン812は、カーテン800とは異なり、カーテン812が、それらの元の位置に戻るときに下向きに屈曲せず、したがって重力に打ち勝つ必要はないことから、カーテン800を形成するのに使用されるものよりも可撓性がある材料から形成されることができる。
【0039】
取付板814は、一組のスルーホール904と、一組のネジ孔906と、3つの平行なスロット908とを含む。スルーホール904は、軌道106の上部に対する上側流れ阻止体704の取り付けの際にボルト710のそれぞれ1つを受け入れるように取付板814を通って完全に形成された開口である。それぞれのネジ孔906は、取付板814に対するカバー板816の取り付けの際にネジ822のそれぞれ1つを受け入れる。それぞれのスロット908は、取付板814を通って完全に形成された細長い開口であり、列818(b−d)のそれぞれ1つを受け入れるように構成されている。
【0040】
カバー板816は、一組のスルーホール910と、第2の一組のスルーホール912と
を含む。それぞれのスルーホール910は、軌道106の上部への上側流れの阻害物704の取り付けの際にボルト710のそれぞれ1つを受け入れるように、スルーホール904のそれぞれ1つと同軸上に整列されている。それぞれのスルーホール912は、取付板814に対するカバー板816の取り付けの際にネジ822のそれぞれ1つを受け入れるように、ネジ孔906のそれぞれ1つと同軸上に整列されている。
【0041】
取付板814及びカバー板816は、ノズル712の取り付けを容易なものとするために、さらにスルーホール914及び916をそれぞれ含む。スルーホール914及び916は、取付板814及びカバー板816が互いに固定されるとき、上側流れ阻止体704を通る開口を形成するために、軸線900に対して同軸上に整列されている。ノズル712が開口内に配置されると、ノズル712上に形成された相補的な組のネジ山920上にネジ山止めされるナット918により固定位置に取り付けられる。示されていないものの、ノズル712を取り付けるとき、いくつかの適切な種類のガス流れ阻止体(例えば、Oリングやガスケット等)がさらに使用される可能性がある。
【0042】
図10は、製造物品がフード100から出ていないときにおける出口104の断面図を示している。したがって、製造物品がフード100から出ていないとき、列806(b−d)がそれぞれ列818(b−d)と接触を維持するように、カーテン812が下向き位置を維持する間、カーテン800は、直立位置を維持する。この特定の実施形態において、カーテン800及び812の機能性は、カーテン300及び318の場合と略同様であり、カーテン812が4つではなく3つの列を有するということが唯一の違いである。第4の列を有する代わりに、ノズル712は、列806(a)よりも上方に取り付けられる。
【0043】
本発明の特定の実施形態の記載は、これで完全である。記載された特徴の多くは、本発明の範囲から逸脱することなく、置換され、変更され、又は、省略されてもよい。例えば、代替的な流れ阻止要素(例えば剛毛)が、カーテン300、318、800及び812のいずれかと置換されてもよい。他の例として、代替的な不活性ガス(例えば、ヘリウムやアルゴン等)が、窒素ガスと置換されてもよい。示された特定の実施形態からのこれらの及び他の逸脱は、特に上述した開示を考慮し、当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性環境用エンクロージャにおいて、
前記エンクロージャの内部及び前記エンクロージャの外部を規定する壁と、
前記エンクロージャの前記内部に対してガスを提供するように連結された少なくとも1つのガス入口と、
製造物品が前記エンクロージャに入る物品入口と、
前記製造物品が前記エンクロージャから出る物品出口とを備え、
前記物品入口及び前記物品出口のうちの少なくとも一方が、前記エンクロージャの外部からのガスが前記エンクロージャの前記内部に入るのを妨げるための上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体を含み、前記上側流れ阻止体が、前記製造物品の上面に接触するように適合されており、前記底側流れ阻止体が、前記製造物品の底面に接触するように適合されている、不活性環境用エンクロージャ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガス入口が、前記物品入口及び前記物品出口のうちの一方に配置されている、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項3】
前記エンクロージャの前記外部に対して前記エンクロージャの前記内部を陽圧に維持するように、前記ガス入口を介した前記ガスの流れを制御するように作動するフローコントローラをさらに備える、請求項2に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項4】
前記フローコントローラが、前記陽圧を維持するように、前記ガス入口を介してほぼ連続的なガスの流れを提供する、請求項3に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項5】
前記ガス入口が、前記物品出口に配置されている、請求項2に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項6】
流量計をさらに備え、該流量計によって前記ガス入口を介した前記物品出口へのガスの流れのユーザ制御が行われる、請求項5に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項7】
前記ガス入口が、前記物品入口に配置されている、請求項2に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項8】
前記物品出口に配置された第2のガス入口をさらに備える、請求項7に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項9】
前記ガス入口が、ガスノズルである、請求項2に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項10】
前記ガスノズルが、窒素ガスを放出するように作動する、請求項9に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項11】
前記ガス入口が、不活性ガス源から前記ガスを提供するように連結されている、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項12】
前記不活性ガス源が窒素源である、請求項11に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項13】
前記エンクロージャの前記外部に対して前記エンクロージャの前記内部を陽圧に維持するように、前記ガス入口を介した前記ガスの流れを制御するように作動するフローコントローラをさらに備える、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項14】
前記ガス入口が、前記陽圧を維持するのに十分な一定な流量で前記エンクロージャ内に前記ガスを放出するように作動する、請求項13に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項15】
前記物品入口を介して前記エンクロージャ内に且つ前記物品出口を介して前記エンクロージャから外部に製造物品を案内するように作動する案内システムをさらに備える、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項16】
前記案内システムが、前記物品入口及び前記物品出口を通って配置された軌道の組を含む、請求項15に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項17】
前記軌道の組が、前記エンクロージャを介してパレットを案内するように作動し、前記パレットが、その上に製造物品を搬送するように作動する、請求項16に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項18】
前記案内システムがコンベヤシステムである、請求項15に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項19】
前記上側流れ阻止体及び前記底側流れ阻止体のうちの少なくとも一方が、製造物品に摺動可能に接触するように適合された可撓性材料を含む、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項20】
前記可撓性材料が、織物から構成されている、請求項19に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項21】
前記織物がフッ化炭素を含む、請求項20に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項22】
前記織物が、148.9℃(華氏300度)を超える温度に耐えることができる、請求項20に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項23】
前記織物が、前記底側流れ阻止体の一部であり、
製造物品を通過させることによって付勢されたとき、前記織物が下方に屈曲し、
前記織物が、前記製造物品によって下方に屈曲した後に直立位置に戻るような十分な弾性を有する、請求項20に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項24】
前記可撓性材料が、前記製造物品の進行方向を横切る少なくとも1つの列に配置されている、請求項19に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項25】
前記可撓性材料が、少なくとも第1のフィンガー及び隣接する第2のフィンガーを規定する第1の分離部を含み、前記第1のフィンガーが、前記第2の隣接するフィンガーから独立して屈曲することができる、請求項24に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項26】
可撓性材料の前記少なくとも1つの列が、前記可撓性材料の第1の層及び前記可撓性材料の第2の層を含み、前記可撓性材料の前記第1の層が、前記可撓性材料の前記第2の層に当接している、請求項24に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項27】
前記可撓性材料が、前記製造物品の進行方向を横切る複数の列に配置されている、請求項24に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項28】
前記上側流れ阻止体及び前記底側流れ阻止体のうちの前記少なくとも一方が、第1の板を含み、可撓性のカーテンが、前記第1の板上に取り付けられている、請求項19に記載
の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項29】
前記可撓性材料が、取り付け部分及び自由部分を含み、前記取り付け部分が、前記第1の板に固定して取り付けられており、前記自由部分が、通過する製造物品に摺動可能に接触するように前記第1の板から延在しており、
前記第1の板が、第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、前記第1の表面及び前記第2の表面を貫通する開口とを含み、
前記第1の板の前記第1の表面が、前記可撓性材料の前記自由部分に対向し、前記第1の板の前記第2の表面が、前記可撓性材料の前記取り付け部分に対向するように、前記可撓性材料が、前記開口を通って配置されている、請求項28に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項30】
前記上側流れ阻止体及び前記底側流れ阻止体のうちの前記少なくとも一方が、さらに、第2の板を含み、該第2の板が、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面を有し、前記第1の板の前記第2の表面が、前記第2の板の前記第1の表面に対向するように、前記第2の板が前記第1の板に対して固定されており、前記可撓性材料の前記取り付け部分が、前記第1の板の前記第2の表面と前記第2の板の前記第1の表面との間に維持されている、請求項29に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項31】
前記上側流れ阻止体が、前記上側流れ阻止体と前記底側流れ阻止体との間を通過する製造物品の上面に摺動可能に接触するように適合された第1の自由部分を含み、
前記底側流れ阻止体が、前記上側流れ阻止体と前記底側流れ阻止体との間を通過する前記製造物品の底面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含み、
前記製造物品が前記上側流れ阻止体と前記底側流れ阻止体との間を通過しないとき、前記上側流れ阻止体の前記自由部分及び前記底側流れ阻止体の前記自由部分が、互いに接触するように適合されている、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項32】
前記物品入口が、上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体を含み、
前記物品出口が、上側流れ阻止体及び底側流れ阻止体を含む、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項33】
前記物品入口の前記底側流れ阻止体が、前記物品入口の前記底側流れ阻止体と前記物品入口の前記上側流れ阻止体との間を通過する製造物品の底面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含み、
前記物品入口の前記上側流れ阻止体が、前記物品入口の前記底側流れ阻止体と前記物品入口の前記上側流れ阻止体との間を通過する前記製造物品の上面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含み、
前記製造物品が、前記物品入口の前記底側流れ阻止体と前記物品入口の前記上側流れ阻止体との間を通過しないとき、前記物品入口の前記底側流れ阻止体の前記自由部分及び前記物品入口の前記上側流れ阻止体の前記自由部分が、互いに接触するように適合されており、
前記物品出口の前記底側流れ阻止体が、前記物品出口の前記底側流れ阻止体と前記物品出口の前記上側流れ阻止体との間を通過する製造物品の底面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含み、
前記物品出口の前記上側流れ阻止体が、前記物品出口の前記底側流れ阻止体と前記物品出口の前記上側流れ阻止体との間を通過する前記製造物品の上面に摺動可能に接触するように適合された自由部分を含み、
前記製造物品が、前記物品出口の前記底側流れ阻止体と前記物品出口の前記上側流れ阻止体との間を通過しないとき、前記物品出口の前記底側流れ阻止体の前記自由部分及び前記物品出口の前記上側流れ阻止体の前記自由部分が、互いに接触するように適合されてい
る、請求項32に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項34】
前記不活性環境用エンクロージャが窒素フードである、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項35】
前記窒素フードが、ウェーブはんだ付け機を受け入れるように構成されている、請求項34に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項36】
前記エンクロージャが、ウェーブはんだ付け機を受け入れるように構成されている、請求項1に記載の不活性環境用エンクロージャ。
【請求項37】
不活性環境用エンクロージャにおいて、
前記エンクロージャの内部及び前記エンクロージャの外部を規定する壁と、
前記エンクロージャの前記内部に対してガスを提供するように連結された少なくとも1つのガス入口と、
製造物品が前記エンクロージャに入る物品入口と、
前記製造物品が前記エンクロージャから出る物品出口とを備え、
前記物品入口及び前記物品出口のうちの少なくとも一方が、前記製造物品の上方及び下方において前記エンクロージャの外部からのガスが前記エンクロージャの前記内部に入るのを妨げる手段を含む、不活性環境用エンクロージャ。
【請求項38】
不活性環境用エンクロージャにおいて、
前記エンクロージャの内部及び前記エンクロージャの外部を規定する壁と、
製造物品が前記エンクロージャに入る物品入口と、
前記製造物品が前記エンクロージャから出る物品出口とを備え、
少なくとも1つのガス入口が、前記エンクロージャの前記内部に対してガスを提供するように連結されており、前記少なくとも1つのガス入口が、前記物品入口又は前記物品出口に配置されている、不活性環境用エンクロージャ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2013−501618(P2013−501618A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521629(P2012−521629)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/002098
【国際公開番号】WO2011/011093
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(508176957)フレクストロニクス エイピー エルエルシー (21)
【氏名又は名称原語表記】FLEXTRONICS AP,LLC
【Fターム(参考)】