不良検査装置及びPTP包装機
【課題】PTPシートの製造過程における不良検査に際し、特にポケット部側の検査精度の向上を図ることで、PTPシートの外観品質の向上を図ることができる不良検査装置、及び、PTP包装機を提供する。
【解決手段】不良検査装置21は、搬送される容器フィルム3に形成されたポケット部に錠剤が収容された後、ポケット部を塞ぐ密封用フィルム4が取着される前段階において用いられる。不良検査装置21は、光源を具備する照明装置22と、錠剤を透過してくる透過光を撮像可能なカメラ23と、カメラ23から出力される画像信号を処理する画像処理装置24とを備えている。照明装置22は、容器フィルム3のポケット部の開口側に設けられ、カメラ23は、照明装置22とは容器フィルム3を介して反対側に設けられている。そして、光源から照射され、錠剤及び容器フィルム3を透過した光によって錠剤の欠け等に関する透過光検査が実施される。
【解決手段】不良検査装置21は、搬送される容器フィルム3に形成されたポケット部に錠剤が収容された後、ポケット部を塞ぐ密封用フィルム4が取着される前段階において用いられる。不良検査装置21は、光源を具備する照明装置22と、錠剤を透過してくる透過光を撮像可能なカメラ23と、カメラ23から出力される画像信号を処理する画像処理装置24とを備えている。照明装置22は、容器フィルム3のポケット部の開口側に設けられ、カメラ23は、照明装置22とは容器フィルム3を介して反対側に設けられている。そして、光源から照射され、錠剤及び容器フィルム3を透過した光によって錠剤の欠け等に関する透過光検査が実施される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTPシートの製造に際し、錠剤等を透過するほどの比較的強い光を用いて行われる不良検査のための装置、及び、当該不良検査装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートは、錠剤等が充填されるポケット部が形成された樹脂製の包装用フィルムと、その包装用フィルムにポケット部の開口側を密封するように前記包装用フィルムに取着されるアルミニウム製のカバーフィルムとから構成されている。
【0003】
ところで、ポケット部に錠剤等が充填された後、カバーフィルムが取着される前段階において、錠剤の表面欠け等に関する異常を検査することが行われる。かかる検査手法としては、照射手段を用いて所定の光を錠剤に照射し、そこで反射した光を撮像することに基づいて、画像信号から輝度データを得た上で検査を行うのが一般的である。
【0004】
しかしながら、上記技術では、錠剤の表面欠け部分に陰ができるような照射手段を用意する必要がある。一方で、そのような照射手段を用いて照射を行うと、錠剤表面の照度斑が大きくなり、期待する検出精度が得られないおそれがある。
【0005】
これに対し、錠剤充填後において、ポケット部側に設けられた照射手段から光を照射して、照射手段とは反対側に設けられたカメラにて透過光の撮像を行うという技術がある。この技術では、包装用フィルム及び錠剤を透過した光の画像データに基づいて、錠剤表面に欠け等の異常があるか否かが検査される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−198175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、本願出願人が鋭意検討した結果、上記特許文献1に記載の技術では、錠剤のうち、カメラの設けられたポケット部の開口側の面の異常は高精度に検出できるものの、錠剤のポケット部側の面の異常の検出精度又は検出感度が落ちてしまうことが判明した。ここで、PTPシートという商品の見た目の品質として、ポケット部側の欠け等をより精度よく検査するというニーズがあるのも事実である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、PTPシートの製造過程における不良を検査するに際し、特にポケット部側の検査精度の向上を図ることで、PTPシートの外観品質の飛躍的な向上を図ることができる不良検査装置、及び、PTP包装機を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を照射可能な光源を具備する照明手段と、
前記照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成されており、
前記照明手段は前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤に対して前記ポケット部の開口側から光を照射するよう構成したことを特徴とする不良検査装置。
【0010】
手段1によれば、PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において不良検査装置による不良検査が行われる。すなわち、照明手段の光源からは、錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光が照射される。また、照明手段とは包装用フィルムを介して反対側に設けられた撮像手段により、少なくとも光源から照射され錠剤を透過する透過光が撮像される。そして、画像処理装置では、前記撮像手段から出力される画像信号が処理され、画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも錠剤の表面異常が検出される。このため、反射光を用いて検査を行う場合と異なり、錠剤表面の照度斑が大きくなる等の懸念の必要がない。
【0011】
また、本願出願人が鋭意検討した結果、照明手段から照射された光は、錠剤中において拡散しながら透過することから、錠剤は、その照射面よりもその反対側の面の方がより高精度に検査を行いやすいことを見いだした。本手段では、照明手段がポケット部の開口側に設けられており、錠剤を透過した光が、ポケット部側に設けられた撮像手段によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部を介して視認可能な錠剤表面の欠け等の異常をより高精度に検出することができる。このため、錠剤の欠け等が外側から見えるようなPTPシートが生産されてしまうといった不具合をなくすことができ、見た目上の品質をより高いレベルで維持することができる。結果として、商品としてのPTPシートの外観品質の飛躍的な向上を図ることができる。その上、照明手段がポケット部の開口側、すなわち包装用フィルムの上側に設けられることで、照明手段の照射面にゴミ等の異物が堆積しにくく、錠剤表面に対してより好適に(均一に)光を照射することができるという効果も奏される。
【0012】
手段2.PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記包装用フィルムの前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部の開口側から照射可能な第1光源を具備する第1照明手段と、
前記第1照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第1光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第1撮像手段と、
前記包装用フィルムの前記ポケット部側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部側から照射可能な第2光源を具備する第2照明手段と、
前記第2照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第2光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第2撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成したことを特徴とする不良検査装置。
【0013】
手段2によれば、第1照明手段がポケット部の開口側に設けられており、錠剤を透過してきた光が、ポケット部側に設けられた第1撮像手段によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部を介して視認可能な錠剤表面の欠け等の異常をより高精度に検出することができる。結果として、商品としてのPTPシートの外観品質の向上を図ることができる。さらに、第2照明手段がポケット部側に設けられており、錠剤を透過してきた光が、ポケット部の開口側に設けられた第2撮像手段によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部の開口側の錠剤表面の欠け等の異常についても高精度に検出することができる。結果として、錠剤の表裏面両方の異常を高精度に検出することができ、PTPシートの品質向上を図ることができる。
【0014】
なお、画像処理装置は、前記第1撮像手段及び第2撮像手段にそれぞれ個別に対応して設けてもよいし、1つの画像処理装置で前記第1撮像手段及び第2撮像手段から出力される画像信号の両方を処理するよう構成してもよい。
【0015】
手段3.前記錠剤が割線を具備しているか否かによって、前記錠剤の表面異常検出のアルゴリズムを異ならせたことを特徴とする手段1又は2に記載の不良検査装置。
【0016】
手段1又は2において、錠剤が割線を有しているような場合、当該割線部分は他の錠剤部位に比べて薄肉であり、光をより透過させやすい。そのため、錠剤の欠け等と誤って判断されることが懸念される。この点、手段3では、錠剤が割線を具備しているか否かによって、錠剤の表面異常検出のアルゴリズムが異なっている。すなわち、割線を有している場合であっても、例えば、当該割線部にマスク処理を施したり、判断すべき塊個数を異ならせたりすることで、割線がない場合と同様の的確な検査を実施できる。そのため、多種多様の態様を有する錠剤に応じた適正な検査を行うことが可能となる。
【0017】
手段4.前記照明手段は、前記包装用フィルム越しに前記撮像手段に直接入射する光を除去又は減光させる直接入射光制限手段を具備することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の不良検査装置。
【0018】
手段4によれば、撮像手段にて、錠剤を透過する透過光が撮像される構成とした場合、錠剤の存在する領域と、存在しない背景領域との輝度差(明度差)が著しく大きくなってしまうことが懸念される。この点、本手段では、照明手段が直接入射光制限手段を具備しており、当該制限手段によって、包装用フィルム越しに撮像手段に直接入射する光が除去又は減光させられる。このため、撮像手段に入射される光が強すぎることに起因する不具合、例えば、撮像手段としてCCDカメラが採用された場合のスミア現象を防止することができ、錠剤の領域を的確に特定することができる。結果として、正確な検査を実現でき、異常検出精度の向上を図ることができる。
【0019】
手段5.前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記光源と、前記撮像手段のレンズ部中心を結ぶ直線上の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする手段4に記載の不良検査装置。
【0020】
手段5によれば、直接入射光制限手段によって、少なくとも光源と、撮像手段のレンズ部中心を結ぶ直線上の光が一部反射又は全反射させられる。このため、撮像手段に光源からの光が直接入射させられにくくなり、上述した作用効果がより確実に奏されやすくなる。
【0021】
手段6.前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記直線方向に対し、前記レンズ部の画角分以内の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする手段5に記載の不良検査装置。
【0022】
手段6によれば、直接入射光制限手段によって、さらに、少なくとも前記直線方向に対し、(プラスマイナス)レンズ部の画角分以内の光が一部反射又は全反射させられる。このため、撮像手段に光源からの強い光が入射させられにくくなり、上述した作用効果がより確実に奏されやすくなる。
【0023】
手段7.前記照明手段は、光源からの光を拡散するための拡散手段を具備していることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の不良検査装置。
【0024】
手段7によれば、光源からの光が、拡散手段によって拡散させられるため、光源からの直接光が撮像手段にて撮像されるという不具合をより一層防止できるとともに、光の均一化が図られ、例えば好適な面発光を実現しやすい。
【0025】
なお、前記直接入射光制限手段は、前記拡散手段に取着されたフィルタであることとしてもよい。この場合、直接入射光制限手段がフィルタによって構成され、それが拡散手段に取着される。このため、照明手段としてのユニット化、コンパクト化を図ることができ、装置全体が嵩張ったものとなるのを抑制できる。
【0026】
手段8.前記光源は、赤外光を照射可能であることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の不良検査装置。
【0027】
手段8によれば、前記光源から赤外光が照射される。ここで、赤外光は、可視光に比べて錠剤等の透過率が高いため、より精度の高い検査が可能となる。しかも、錠剤等として着色の施されたものが採用されたり、包装用フィルムとして着色フィルムが採用されたりする場合があるが、このような場合でも、着色による減光要素を無視しやすいというメリットがある。
【0028】
手段9.手段1乃至8のいずれかに記載の不良検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
【0029】
手段9のように、不良検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において、特に錠剤のポケット部側の面に欠け等の異常があるような不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0031】
本実施形態では、不良検査装置をPTP包装機に装備することによって、PTP包装機においてPTPシートの不良(特に、チッピング、キャッピング、スティッキング等と称される錠剤の表面欠け等の異常)が検査されるようになっている。図2(a),(b)に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた包装用フィルムとしての容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルムとしての密封用フィルム4とを有している。容器フィルム3は、例えば、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する熱可塑性樹脂材料によって構成され、光透過性を有している(ここでは、透明を呈している)。密封用フィルム4は、アルミニウムによって構成されている。また、各ポケット部2には被充填物としての錠剤(この例では口腔内崩壊錠)5が1つずつ収容されている。
【0032】
図1に示すように、PTP包装機7は、錠剤5を容器フィルム3に自動的に包装するものである。具体的には、PP、PVCなどの帯状の樹脂フィルムをフィルム送りロール9とテンションロール10,11とで、加熱装置12及び成形装置13に送り込み、錠剤5充填用のポケット部2を樹脂フィルムに成形する。そして、樹脂フィルムにポケット部2の成形された容器フィルム3が、充填装置14の下まで送られてくると、充填装置14が各ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する。
【0033】
一方、帯状に形成された密封用フィルム4は、テンションロール16,17を介してフィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっており、該加熱ロール19の外周面には、僅かに凸状に形成された格子状の線(図示略)が設けられている。そして、両ロール18,19間に、容器フィルム3及び密封用フィルム4が送り込まれるようになっている。両フィルム3,4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着される。これによって、錠剤5が各ポケット部2に充填された長尺状のPTPフィルム20が製造される。
【0034】
さて、前記充填装置14の下流側、かつ、前記フィルム受けロール18及び加熱ロール19の上流側には、容器フィルム3の移送経路に沿って、容器フィルム3(充填された錠剤5)の不良を検査するための不良検査装置21が配設されている。当該不良検査装置21は、ポケット部2に充填された錠剤5の割れ、欠け等の表面異常の検出を主目的とする検査を行うものである。
【0035】
上記検査を経て、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着された後、PTPフィルム20は、図示しない打抜装置によってPTPシート1単位に裁断される。なお、不良検査装置21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0036】
さて、PTP包装機7の概略は以上のとおりであるが、以下においては図3〜5等に基づき、不良検査装置21についてより具体的に説明する。
【0037】
不良検査装置21は、照明手段としての照明装置22、撮像手段としてのカメラ23、画像処理装置24、モニタ25、及びキーボード26等を備えている。
【0038】
まずは、照明装置22について詳細に説明する。本実施形態における照明装置22は、容器フィルム3のポケット部2の開口側(図1では上側)に設けられており、面発光が可能となっている。図3に示すように照明装置22は、容器フィルム3に近い側(図の下側)において該容器フィルム3に対して平行に延びる拡散板27を有しているとともに、その内部には、LED実装基板28が設けられている。そして、LED実装基板28には、光源としての赤外光LED28aが多数配列されている。尚、赤外光の波長としては、760nm〜1100nm程度であることが望ましく、より好ましくは850nm〜950nmである。
【0039】
さらに、前記拡散板27の容器フィルム3側の面には、直接入射光制限手段としての角度透過率制御フィルタ29が取着されている。当該角度透過率制御フィルタ29は、図4に示すように、少なくとも光源(ここでは赤外光LED28a)と、カメラ23のレンズ部中心との間を結ぶ直線L1上の光を全反射可能に構成されているとともに、前記直線L1に対し、プラスマイナス前記レンズ部の画角θ以内の光を全反射可能に構成されている。換言すれば、角度透過率制御フィルタ29は、前記レンズ部の画角θよりも大きな光のみを透過しうるよう構成されている。これにより、光源(赤外光LED28a)からの赤外光のカメラ23への直接の入射が制限されるようになっている。
【0040】
また、撮像手段を構成する前記カメラ23は、前記容器フィルム3を介して前記照明装置22とは反対側、すなわちポケット部2側に設けられており、照明装置22から照射される光のうち、容器フィルム3及び錠剤5を透過した光を撮像可能となっている。本実施形態では、カメラ23としては、少なくとも赤外光に感度のあるCCDカメラが採用されている。
【0041】
このように、本実施形態では、照明装置22から拡散して斜めに照射される赤外光が、容器フィルム3及び錠剤5を照らし、そこを透過した光が、カメラ23によって二次元撮像されるように構成されている。そして、カメラ23によって撮像された画像データは、カメラ23内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置24に入力されるようになっている。
【0042】
画像処理装置24は、図5に示すように、カメラ23に対応する画像メモリ41、マスキング手段42、二値化手段43、判定用メモリ44、検査結果及び統計データメモリ45、カメラタイミング制御手段46、並びに、CPU及び入出力インターフェース47などから構成され、後述するような画像データの処理や、錠剤不良の判定(検査)等を実施可能となっている。
【0043】
カメラ23で撮像された二次元イメージデータは、デジタル信号に変換された後、対応する画像メモリ41に記憶される。また、イメージデータは、検査時において、マスキング手段42によりマスキング処理が行われた後、再度画像メモリ41に記憶され、同様に、二値化手段43により二値化された後、再度画像メモリ41に記憶される。
【0044】
CPU及び入出力インターフェース47は、各種処理プログラムを判定用メモリ44の記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機7に制御信号を送出し又はPTP包装機7から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機7の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース47は、モニタ25に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、二値あるいは濃淡のイメージデータや不良検査結果などを、モニタ25に表示させることができるようになっている。さらに、CPU及び入出力インターフェース47は、キーボード26からのデータを入力する機能をも有する。
【0045】
検査結果及び統計データメモリ45は、イメージデータに関する座標等のデータ、検査結果データ、及び、該検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース47の制御に基づき、適宜モニタ25に表示させることができる。また、これらの検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース47がPTP包装機7に制御信号を送出することもできる。
【0046】
カメラタイミング制御手段46は、カメラ23が撮像するイメージデータを、画像メモリ41に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機7に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、容器フィルム3を所定量送るごとにカメラ23によるシート単位(例えば打ち抜かれるPTPシート単位)で撮像(撮影)が行われる。
【0047】
なお、本実施形態においては、検査に先だって、各ウインドウの設定処理が実行されるようになっている。当該ウインドウは、予め設定される錠剤ウインドウJW及び錠剤形状ウインドウKWからなる。図8に示すように、錠剤ウインドウJWは、ポケット部2内の領域(ポケット部領域)と、ポケット部2外のシート部の領域(シート部領域)とを区別するための境界とされるものである。当該錠剤ウインドウJWは、良品サンプル及び各種データに基づき事前に設定されるものであって、ポケット部2の円と同心円をなし(ポケット部2が円形である場合)、かつ、径が一回り(例えば直径が1mm)大きい。そして、検査に際しては、例えば、図8(b)に示すように、各検査画像データに関し、錠剤ウインドウJWが設定された上で、ポケット部2内の領域について、錠剤の異常が検出される(ポケット部2外の領域(同図網目模様を付した領域)についてはマスキングが施される)ようになっている。
【0048】
また、図9に示すように、錠剤形状ウインドウKWは、錠剤5の形状が適正であるかを検査する際に用いられるものであって、事前に設定されるものである。錠剤形状ウインドウKWは、錠剤5の大きさよりも一回り小さい内側形状ウインドウKW1と、錠剤5の大きさよりも一回り大きい外側形状ウインドウKW2とからなる。
【0049】
次に、上記不良検査(錠剤検査)の手順について図6のフローチャート等に従って説明する。
【0050】
同図に示すように、「検査ルーチン」において、まずステップS101では、検査用の濃淡画像を取得する。次に、ステップS102においては、取得した画像につきシェーディング補正を行い、続くステップS103においては、所定の閾値に基づき2値化処理を行い、錠剤2値化画像A,Bを得る。ここで、図7及び図10に基づいて当該2値化処理について説明する。図7において、(a)は、チッピング(欠け)Tが生じ、かつ、中央に割線PLを有し、かつ、「C」字状の刻印KMの付された錠剤5を模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)のJ−J線断面図であり、(c)はJ−J線に沿った画像信号(明度)曲線を示すグラフである。錠剤5は、欠け等が生じて薄肉となっている部位ほど光を通しやすい。そのため、薄肉部位ほど画像が明るくなる傾向にある。本実施形態における2値化処理に際しては、まず、基準閾値δ0以上で、かつ、第1の閾値δ1以下(範囲d1以内)の2値化画像A(図10(a)参照)を得る。当該画像Aにおいては、チッピングTや割線PLを除いた正常な錠剤部位が明るいものとなる。また、これとともに、基準閾値δ0以上で、かつ、第2の閾値δ2以下(範囲d2以内)の2値化画像Bを得る。当該画像Bにおいては、チッピングT、割線PLに加えて、刻印KM部分を除いた正常な錠剤部位が明るいものとなる。尚、基準閾値δ0、第1の閾値δ1及び第2の閾値δ2は、そのときどきの錠剤の厚み、密度、糖衣の有無等によってそれぞれ違った値に設定される。
【0051】
その後、ステップS104において、塊処理を行う。より詳しくは、上記2値化画像Aを塊処理した結果Cと、2値化画像Bを塊処理した結果D(いずれも図示せず)とを得る。
【0052】
次に、ステップS105において、予め設定した前記錠剤ウインドウJWを用いて、ポケット部領域を特定するとともに、各ポケット部領域において、面積値が基準錠剤面積Lo以上の塊を抽出する(Lo未満の塊を除去する)。その後、ステップS106では、各ポケット部領域毎の塊個数が「1」であるか否かを判定し、否定判定された場合には、後述するステップS110へ移行する。
【0053】
これに対し、各ポケット部領域毎の塊個数が「1」である場合には、ステップS107において、前記錠剤形状ウインドウKWを用いて、錠剤5の形状が良好(適正)であるか否かを判断する。より詳しくは、前述した錠剤5の塊データより錠剤5の重心を求め、当該重心を同心とするようにして、予め設定された錠剤形状ウインドウKW(内側形状ウインドウKW1及び外側形状ウインドウKW2)を同時に配置し、両ウインドウKW1,KW2間から錠剤5の外形線が逸脱するか否かを判断する。そして、両ウインドウKW1,KW2間から錠剤5の外形線が逸脱する場合に、錠剤5の形状が異常であるものとして、ステップS109へ移行し、そこで、錠剤5に関し不良判定し、その後の処理を一旦終了する。
【0054】
また、前記ステップS107で肯定判定された場合には、ステップS108へ移行し、錠剤5に関し、良品判定を行い、その後の処理を一旦終了する。
【0055】
さて、前記ステップS106において、否定判定された場合には、ステップS110へ移行する。ステップS110においては、今回の検査ルーチンにおいて、「割線あり」の設定がなされているか否かを判定するとともに、塊個数が「2」であるか否かを判定する。そして、「割線あり」の設定がなされており、かつ、塊個数が「2」である場合に限り、ステップS111へ移行し、割線部マスク処理を行った上で、ステップS107の錠剤形状が良好か否かを判定する。
【0056】
ここで、割線部マスク処理について図11に基づき説明すると、2つの塊のそれぞれの重心位置M1,M2を求め、当該重心位置M1,M2を通る線分αの中心点C1を得る。そして、当該中心点C1を通り、かつ、前記線分αに直交する線分(直線)γを求め、当該線分γにプラスマイナスβの幅を持たせた帯状領域を、割線PLとみなしてマスク部として設定する。当該マスク処理されることで、次のステップS107においては、割線部の影響を除外した上での形状検査が可能となる。
【0057】
一方、前記ステップS110において、「割線あり」の設定がなされていないと判定されるか、又は、塊個数が「2」でもないと判定された場合には、ステップS109へ移行し、錠剤5に関し不良判定を行い、その後の処理を一旦終了する。
【0058】
以上詳述したように、本実施形態によれば、照明装置22の赤外LED28aからは、錠剤5及び容器フィルム3に対し、赤外光が照射され、反対側に設けられたカメラ23により、錠剤5等を透過する透過光が撮像される。そして、画像処理装置24では、画像信号から得た画像データに基づき、錠剤5の欠け等の表面異常が検出される。このため、反射光を用いて検査を行う場合と異なり、錠剤表面の照度斑が大きくなる等の懸念の必要がない。
【0059】
また、本願出願人が鋭意検討した結果、照明装置22から照射された光は、錠剤5中において拡散しながら透過することから、錠剤5は、その照射面よりもその反対側の面の方がより高精度に検査を行いやすいことを見い出した。本実施形態では、照明装置22がポケット部2の開口側に設けられており、錠剤5を透過した光が、ポケット部2側に設けられたカメラ23によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部2を介して視認可能な錠剤5表面の欠け等の異常をより高精度に検出することができる。このため、錠剤5の欠け等の異常が外側から見えるようなPTPシート1が生産されてしまうといったおそれをなくすことができ、見た目上の品質をより高いレベルで維持することができる。結果として、商品としてのPTPシート1の外観品質の飛躍的な向上を図ることができる。その上、照明装置22がポケット部2の開口側、すなわち容器フィルム3の上側に設けられることで、照明装置22の照射面にゴミ等の異物が堆積しにくく、錠剤5表面に対して均一に光を照射することができるという効果も奏される。
【0060】
また、一方で、本実施形態の如くカメラ23にて透過光が撮像される構成とした場合、錠剤5の存在する領域と、存在しない背景領域との輝度差(明度差)が著しく大きくなってしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、照明装置22が角度透過率制御フィルタ29を具備しており、当該角度透過率制御フィルタ29によって、容器フィルム3越しにカメラ23に直接入射する光が除去又は減光させられる。
【0061】
より詳しくは、光源(ここでは赤外光LED28a)と、カメラ23のレンズ部中心を結ぶ直線L1上の光、並びに、直線L1に対しレンズ部の画角θ以内の光が、全反射されるよう構成されている。これにより、光源(赤外光LED28a)からの赤外光のカメラ23への直接の入射が制限されることとなり、カメラ23に入射される光が強すぎることに起因する不具合、例えばスミア現象を防止することができ、錠剤5の領域を的確に特定することができる。結果として、正確な検査を実現でき、異常検出精度の向上を図ることができる。
【0062】
また、錠剤5が割線PLを有しているような場合、当該割線PL部分は他の錠剤5部位に比べて薄肉であり、光をより透過させやすい。そのため、錠剤5の欠け等と誤って判断されることが懸念される。この点、本実施形態では、錠剤5が割線PLを具備しているか否かによって、錠剤5の表面異常検出のアルゴリズムが異なっている(ステップS106,107等参照)。すなわち、割線PLを有している場合であっても、当該割線PLにマスク処理を施したり(ステップS111)、判断すべき塊個数を異ならせたりする(ステップS110)ことで、割線PLがない場合と同様の的確な検査を実施できる。そのため、多種態様の態様を有する錠剤5に応じた適正な検査を行うことが可能となる。
【0063】
さらに、照明装置22は拡散板27を具備しており、赤外光LED28aからの光が拡散板27によって拡散させられる。このため、赤外光LED28aからの直接光がカメラ23にて撮像されるという不具合をより一層防止できるとともに、光の均一化が図られ、好適な面発光を実現しやすい。結果として、検査精度の一層の向上を図ることができる。
【0064】
その上、直接入射光を制限するための手段が角度透過率制御フィルタ29によって構成され、それが拡散板27に取着されているため、照明装置22としてのユニット化、コンパクト化を図ることができ、装置全体が嵩張ったものとなるのを抑制できる。
【0065】
また、本実施形態では、光源として赤外光を採用することとしている。ここで、赤外光は、可視光に比べて錠剤5等の透過率が高いため、より精度の高い検査が可能となる。しかも、錠剤5等として着色の施されたものが採用されたり、容器フィルム3として着色フィルムが採用されたりする場合があるが、このような場合でも、着色による減光要素を無視しやすいというメリットがある。
【0066】
以上説明した実施形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
【0067】
(a)上記実施形態におけるポケット部2の開口側に設けられた照明装置22(第1照明手段)及びポケット部2側に設けられたカメラ23(第1撮像手段)に加えて、ポケット部2側に照明装置52(第2照明手段)を設けるとともに、その反対側(ポケット部2の開口側)にカメラ53(第2撮像手段)を設けてもよい。
【0068】
この場合、例えば、図13に示すように、両カメラ23,53の画像データの処理や錠剤不良の判定等を1つの画像処理装置24で行うよう構成してもよいし、また例えば、図14に示すように、各カメラ23,53に個別に対応して画像処理装置24,54を設け、各カメラ23,53毎に画像データの処理や錠剤不良の判定等を行うよう構成してもよい。
【0069】
このような構成を採用することによって、錠剤5のポケット部2側の面とポケット部2開口側の面との両面における欠け等の不良を高精度に検出することができ、結果として、PTPシート1の品質の向上を図ることができる。
【0070】
(b)上記実施形態では、特に言及しなかったが、画像B及び結果Dを利用して、刻印KM部分の検査を行うこととしてもよい。かかる検査を行うことで、スティッキング等の異常を検出することも可能である。尚、刻印等の検査を行わないのであれば、2値化処理(ステップS103)における画像Bを得る処理、及び、塊処理(ステップS104)における結果Dを得る処理を省略することとしてもよい。
【0071】
(c)上記実施形態では、光源として赤外光を照射可能な赤外光LED28aを採用しているが、可視光(例えば赤色光、青色光、白色光等)を照射可能な光源を採用することとしてもよい。
【0072】
(d)上記実施形態では、ポケット部2に収容される錠剤5として口腔内崩壊錠を例示しているが、その他の形態の錠剤であってもよい。また、錠剤には、透過光で欠け等の異常を検出可能なカプセル錠等も含まれる。なお、カプセル錠の場合には、ポケット部2側の傷や局所的な凹みを精度よく検出することができる。
【0073】
(e)上記実施形態では、各ウインドウはいずれも円形状をなしているが、当該ウインドウは錠剤の形状等に応じて適宜設定できるものであって、必ずしも円形状に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】一実施形態におけるPTP包装機等の概略構成を示す模式図である。
【図2】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図3】照明装置を模式的に示す部分断面図である。
【図4】照明装置のうち、角度透過率制御フィルタの機能を模式的に説明する説明図である。
【図5】不良検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】「検査ルーチン」を示すフローチャートである。
【図7】(a)はチッピング(欠け)が生じ、中央に割線を有し、かつ、刻印の付された錠剤を模式的に示す平面図であり、(b)は(a)のJ−J線断面図であり、(c)はJ−J線に沿った画像信号(明度)曲線を示すグラフである。
【図8】錠剤ウインドウの概念を説明するための平面模式図である。
【図9】錠剤形状ウインドウの概念を説明するための平面模式図である。
【図10】2値化後の画像を示す模式図である
【図11】割線部のマスク処理の手法を説明する説明図である。
【図12】別の実施形態における「検査ルーチン」を示すフローチャートである。
【図13】別の実施形態における不良検査装置の概略構成を示す模式図である。
【図14】別の実施形態における不良検査装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0075】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルムとしての容器フィルム、4…カバーフィルムとしての密封用フィルム、5…錠剤、7…PTP包装機、21…不良検査装置、22…照明手段としての照明装置、23…撮像手段としてのカメラ、24…画像処理装置、27…拡散手段としての拡散板、28a…光源としての赤外光LED、29…直接入射光制限手段としての角度透過率制御フィルタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTPシートの製造に際し、錠剤等を透過するほどの比較的強い光を用いて行われる不良検査のための装置、及び、当該不良検査装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートは、錠剤等が充填されるポケット部が形成された樹脂製の包装用フィルムと、その包装用フィルムにポケット部の開口側を密封するように前記包装用フィルムに取着されるアルミニウム製のカバーフィルムとから構成されている。
【0003】
ところで、ポケット部に錠剤等が充填された後、カバーフィルムが取着される前段階において、錠剤の表面欠け等に関する異常を検査することが行われる。かかる検査手法としては、照射手段を用いて所定の光を錠剤に照射し、そこで反射した光を撮像することに基づいて、画像信号から輝度データを得た上で検査を行うのが一般的である。
【0004】
しかしながら、上記技術では、錠剤の表面欠け部分に陰ができるような照射手段を用意する必要がある。一方で、そのような照射手段を用いて照射を行うと、錠剤表面の照度斑が大きくなり、期待する検出精度が得られないおそれがある。
【0005】
これに対し、錠剤充填後において、ポケット部側に設けられた照射手段から光を照射して、照射手段とは反対側に設けられたカメラにて透過光の撮像を行うという技術がある。この技術では、包装用フィルム及び錠剤を透過した光の画像データに基づいて、錠剤表面に欠け等の異常があるか否かが検査される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−198175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、本願出願人が鋭意検討した結果、上記特許文献1に記載の技術では、錠剤のうち、カメラの設けられたポケット部の開口側の面の異常は高精度に検出できるものの、錠剤のポケット部側の面の異常の検出精度又は検出感度が落ちてしまうことが判明した。ここで、PTPシートという商品の見た目の品質として、ポケット部側の欠け等をより精度よく検査するというニーズがあるのも事実である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、PTPシートの製造過程における不良を検査するに際し、特にポケット部側の検査精度の向上を図ることで、PTPシートの外観品質の飛躍的な向上を図ることができる不良検査装置、及び、PTP包装機を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を照射可能な光源を具備する照明手段と、
前記照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成されており、
前記照明手段は前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤に対して前記ポケット部の開口側から光を照射するよう構成したことを特徴とする不良検査装置。
【0010】
手段1によれば、PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において不良検査装置による不良検査が行われる。すなわち、照明手段の光源からは、錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光が照射される。また、照明手段とは包装用フィルムを介して反対側に設けられた撮像手段により、少なくとも光源から照射され錠剤を透過する透過光が撮像される。そして、画像処理装置では、前記撮像手段から出力される画像信号が処理され、画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも錠剤の表面異常が検出される。このため、反射光を用いて検査を行う場合と異なり、錠剤表面の照度斑が大きくなる等の懸念の必要がない。
【0011】
また、本願出願人が鋭意検討した結果、照明手段から照射された光は、錠剤中において拡散しながら透過することから、錠剤は、その照射面よりもその反対側の面の方がより高精度に検査を行いやすいことを見いだした。本手段では、照明手段がポケット部の開口側に設けられており、錠剤を透過した光が、ポケット部側に設けられた撮像手段によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部を介して視認可能な錠剤表面の欠け等の異常をより高精度に検出することができる。このため、錠剤の欠け等が外側から見えるようなPTPシートが生産されてしまうといった不具合をなくすことができ、見た目上の品質をより高いレベルで維持することができる。結果として、商品としてのPTPシートの外観品質の飛躍的な向上を図ることができる。その上、照明手段がポケット部の開口側、すなわち包装用フィルムの上側に設けられることで、照明手段の照射面にゴミ等の異物が堆積しにくく、錠剤表面に対してより好適に(均一に)光を照射することができるという効果も奏される。
【0012】
手段2.PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記包装用フィルムの前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部の開口側から照射可能な第1光源を具備する第1照明手段と、
前記第1照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第1光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第1撮像手段と、
前記包装用フィルムの前記ポケット部側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部側から照射可能な第2光源を具備する第2照明手段と、
前記第2照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第2光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第2撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成したことを特徴とする不良検査装置。
【0013】
手段2によれば、第1照明手段がポケット部の開口側に設けられており、錠剤を透過してきた光が、ポケット部側に設けられた第1撮像手段によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部を介して視認可能な錠剤表面の欠け等の異常をより高精度に検出することができる。結果として、商品としてのPTPシートの外観品質の向上を図ることができる。さらに、第2照明手段がポケット部側に設けられており、錠剤を透過してきた光が、ポケット部の開口側に設けられた第2撮像手段によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部の開口側の錠剤表面の欠け等の異常についても高精度に検出することができる。結果として、錠剤の表裏面両方の異常を高精度に検出することができ、PTPシートの品質向上を図ることができる。
【0014】
なお、画像処理装置は、前記第1撮像手段及び第2撮像手段にそれぞれ個別に対応して設けてもよいし、1つの画像処理装置で前記第1撮像手段及び第2撮像手段から出力される画像信号の両方を処理するよう構成してもよい。
【0015】
手段3.前記錠剤が割線を具備しているか否かによって、前記錠剤の表面異常検出のアルゴリズムを異ならせたことを特徴とする手段1又は2に記載の不良検査装置。
【0016】
手段1又は2において、錠剤が割線を有しているような場合、当該割線部分は他の錠剤部位に比べて薄肉であり、光をより透過させやすい。そのため、錠剤の欠け等と誤って判断されることが懸念される。この点、手段3では、錠剤が割線を具備しているか否かによって、錠剤の表面異常検出のアルゴリズムが異なっている。すなわち、割線を有している場合であっても、例えば、当該割線部にマスク処理を施したり、判断すべき塊個数を異ならせたりすることで、割線がない場合と同様の的確な検査を実施できる。そのため、多種多様の態様を有する錠剤に応じた適正な検査を行うことが可能となる。
【0017】
手段4.前記照明手段は、前記包装用フィルム越しに前記撮像手段に直接入射する光を除去又は減光させる直接入射光制限手段を具備することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の不良検査装置。
【0018】
手段4によれば、撮像手段にて、錠剤を透過する透過光が撮像される構成とした場合、錠剤の存在する領域と、存在しない背景領域との輝度差(明度差)が著しく大きくなってしまうことが懸念される。この点、本手段では、照明手段が直接入射光制限手段を具備しており、当該制限手段によって、包装用フィルム越しに撮像手段に直接入射する光が除去又は減光させられる。このため、撮像手段に入射される光が強すぎることに起因する不具合、例えば、撮像手段としてCCDカメラが採用された場合のスミア現象を防止することができ、錠剤の領域を的確に特定することができる。結果として、正確な検査を実現でき、異常検出精度の向上を図ることができる。
【0019】
手段5.前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記光源と、前記撮像手段のレンズ部中心を結ぶ直線上の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする手段4に記載の不良検査装置。
【0020】
手段5によれば、直接入射光制限手段によって、少なくとも光源と、撮像手段のレンズ部中心を結ぶ直線上の光が一部反射又は全反射させられる。このため、撮像手段に光源からの光が直接入射させられにくくなり、上述した作用効果がより確実に奏されやすくなる。
【0021】
手段6.前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記直線方向に対し、前記レンズ部の画角分以内の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする手段5に記載の不良検査装置。
【0022】
手段6によれば、直接入射光制限手段によって、さらに、少なくとも前記直線方向に対し、(プラスマイナス)レンズ部の画角分以内の光が一部反射又は全反射させられる。このため、撮像手段に光源からの強い光が入射させられにくくなり、上述した作用効果がより確実に奏されやすくなる。
【0023】
手段7.前記照明手段は、光源からの光を拡散するための拡散手段を具備していることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の不良検査装置。
【0024】
手段7によれば、光源からの光が、拡散手段によって拡散させられるため、光源からの直接光が撮像手段にて撮像されるという不具合をより一層防止できるとともに、光の均一化が図られ、例えば好適な面発光を実現しやすい。
【0025】
なお、前記直接入射光制限手段は、前記拡散手段に取着されたフィルタであることとしてもよい。この場合、直接入射光制限手段がフィルタによって構成され、それが拡散手段に取着される。このため、照明手段としてのユニット化、コンパクト化を図ることができ、装置全体が嵩張ったものとなるのを抑制できる。
【0026】
手段8.前記光源は、赤外光を照射可能であることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の不良検査装置。
【0027】
手段8によれば、前記光源から赤外光が照射される。ここで、赤外光は、可視光に比べて錠剤等の透過率が高いため、より精度の高い検査が可能となる。しかも、錠剤等として着色の施されたものが採用されたり、包装用フィルムとして着色フィルムが採用されたりする場合があるが、このような場合でも、着色による減光要素を無視しやすいというメリットがある。
【0028】
手段9.手段1乃至8のいずれかに記載の不良検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
【0029】
手段9のように、不良検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において、特に錠剤のポケット部側の面に欠け等の異常があるような不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0031】
本実施形態では、不良検査装置をPTP包装機に装備することによって、PTP包装機においてPTPシートの不良(特に、チッピング、キャッピング、スティッキング等と称される錠剤の表面欠け等の異常)が検査されるようになっている。図2(a),(b)に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた包装用フィルムとしての容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルムとしての密封用フィルム4とを有している。容器フィルム3は、例えば、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する熱可塑性樹脂材料によって構成され、光透過性を有している(ここでは、透明を呈している)。密封用フィルム4は、アルミニウムによって構成されている。また、各ポケット部2には被充填物としての錠剤(この例では口腔内崩壊錠)5が1つずつ収容されている。
【0032】
図1に示すように、PTP包装機7は、錠剤5を容器フィルム3に自動的に包装するものである。具体的には、PP、PVCなどの帯状の樹脂フィルムをフィルム送りロール9とテンションロール10,11とで、加熱装置12及び成形装置13に送り込み、錠剤5充填用のポケット部2を樹脂フィルムに成形する。そして、樹脂フィルムにポケット部2の成形された容器フィルム3が、充填装置14の下まで送られてくると、充填装置14が各ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する。
【0033】
一方、帯状に形成された密封用フィルム4は、テンションロール16,17を介してフィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっており、該加熱ロール19の外周面には、僅かに凸状に形成された格子状の線(図示略)が設けられている。そして、両ロール18,19間に、容器フィルム3及び密封用フィルム4が送り込まれるようになっている。両フィルム3,4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着される。これによって、錠剤5が各ポケット部2に充填された長尺状のPTPフィルム20が製造される。
【0034】
さて、前記充填装置14の下流側、かつ、前記フィルム受けロール18及び加熱ロール19の上流側には、容器フィルム3の移送経路に沿って、容器フィルム3(充填された錠剤5)の不良を検査するための不良検査装置21が配設されている。当該不良検査装置21は、ポケット部2に充填された錠剤5の割れ、欠け等の表面異常の検出を主目的とする検査を行うものである。
【0035】
上記検査を経て、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着された後、PTPフィルム20は、図示しない打抜装置によってPTPシート1単位に裁断される。なお、不良検査装置21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0036】
さて、PTP包装機7の概略は以上のとおりであるが、以下においては図3〜5等に基づき、不良検査装置21についてより具体的に説明する。
【0037】
不良検査装置21は、照明手段としての照明装置22、撮像手段としてのカメラ23、画像処理装置24、モニタ25、及びキーボード26等を備えている。
【0038】
まずは、照明装置22について詳細に説明する。本実施形態における照明装置22は、容器フィルム3のポケット部2の開口側(図1では上側)に設けられており、面発光が可能となっている。図3に示すように照明装置22は、容器フィルム3に近い側(図の下側)において該容器フィルム3に対して平行に延びる拡散板27を有しているとともに、その内部には、LED実装基板28が設けられている。そして、LED実装基板28には、光源としての赤外光LED28aが多数配列されている。尚、赤外光の波長としては、760nm〜1100nm程度であることが望ましく、より好ましくは850nm〜950nmである。
【0039】
さらに、前記拡散板27の容器フィルム3側の面には、直接入射光制限手段としての角度透過率制御フィルタ29が取着されている。当該角度透過率制御フィルタ29は、図4に示すように、少なくとも光源(ここでは赤外光LED28a)と、カメラ23のレンズ部中心との間を結ぶ直線L1上の光を全反射可能に構成されているとともに、前記直線L1に対し、プラスマイナス前記レンズ部の画角θ以内の光を全反射可能に構成されている。換言すれば、角度透過率制御フィルタ29は、前記レンズ部の画角θよりも大きな光のみを透過しうるよう構成されている。これにより、光源(赤外光LED28a)からの赤外光のカメラ23への直接の入射が制限されるようになっている。
【0040】
また、撮像手段を構成する前記カメラ23は、前記容器フィルム3を介して前記照明装置22とは反対側、すなわちポケット部2側に設けられており、照明装置22から照射される光のうち、容器フィルム3及び錠剤5を透過した光を撮像可能となっている。本実施形態では、カメラ23としては、少なくとも赤外光に感度のあるCCDカメラが採用されている。
【0041】
このように、本実施形態では、照明装置22から拡散して斜めに照射される赤外光が、容器フィルム3及び錠剤5を照らし、そこを透過した光が、カメラ23によって二次元撮像されるように構成されている。そして、カメラ23によって撮像された画像データは、カメラ23内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置24に入力されるようになっている。
【0042】
画像処理装置24は、図5に示すように、カメラ23に対応する画像メモリ41、マスキング手段42、二値化手段43、判定用メモリ44、検査結果及び統計データメモリ45、カメラタイミング制御手段46、並びに、CPU及び入出力インターフェース47などから構成され、後述するような画像データの処理や、錠剤不良の判定(検査)等を実施可能となっている。
【0043】
カメラ23で撮像された二次元イメージデータは、デジタル信号に変換された後、対応する画像メモリ41に記憶される。また、イメージデータは、検査時において、マスキング手段42によりマスキング処理が行われた後、再度画像メモリ41に記憶され、同様に、二値化手段43により二値化された後、再度画像メモリ41に記憶される。
【0044】
CPU及び入出力インターフェース47は、各種処理プログラムを判定用メモリ44の記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機7に制御信号を送出し又はPTP包装機7から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機7の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース47は、モニタ25に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、二値あるいは濃淡のイメージデータや不良検査結果などを、モニタ25に表示させることができるようになっている。さらに、CPU及び入出力インターフェース47は、キーボード26からのデータを入力する機能をも有する。
【0045】
検査結果及び統計データメモリ45は、イメージデータに関する座標等のデータ、検査結果データ、及び、該検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース47の制御に基づき、適宜モニタ25に表示させることができる。また、これらの検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース47がPTP包装機7に制御信号を送出することもできる。
【0046】
カメラタイミング制御手段46は、カメラ23が撮像するイメージデータを、画像メモリ41に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機7に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、容器フィルム3を所定量送るごとにカメラ23によるシート単位(例えば打ち抜かれるPTPシート単位)で撮像(撮影)が行われる。
【0047】
なお、本実施形態においては、検査に先だって、各ウインドウの設定処理が実行されるようになっている。当該ウインドウは、予め設定される錠剤ウインドウJW及び錠剤形状ウインドウKWからなる。図8に示すように、錠剤ウインドウJWは、ポケット部2内の領域(ポケット部領域)と、ポケット部2外のシート部の領域(シート部領域)とを区別するための境界とされるものである。当該錠剤ウインドウJWは、良品サンプル及び各種データに基づき事前に設定されるものであって、ポケット部2の円と同心円をなし(ポケット部2が円形である場合)、かつ、径が一回り(例えば直径が1mm)大きい。そして、検査に際しては、例えば、図8(b)に示すように、各検査画像データに関し、錠剤ウインドウJWが設定された上で、ポケット部2内の領域について、錠剤の異常が検出される(ポケット部2外の領域(同図網目模様を付した領域)についてはマスキングが施される)ようになっている。
【0048】
また、図9に示すように、錠剤形状ウインドウKWは、錠剤5の形状が適正であるかを検査する際に用いられるものであって、事前に設定されるものである。錠剤形状ウインドウKWは、錠剤5の大きさよりも一回り小さい内側形状ウインドウKW1と、錠剤5の大きさよりも一回り大きい外側形状ウインドウKW2とからなる。
【0049】
次に、上記不良検査(錠剤検査)の手順について図6のフローチャート等に従って説明する。
【0050】
同図に示すように、「検査ルーチン」において、まずステップS101では、検査用の濃淡画像を取得する。次に、ステップS102においては、取得した画像につきシェーディング補正を行い、続くステップS103においては、所定の閾値に基づき2値化処理を行い、錠剤2値化画像A,Bを得る。ここで、図7及び図10に基づいて当該2値化処理について説明する。図7において、(a)は、チッピング(欠け)Tが生じ、かつ、中央に割線PLを有し、かつ、「C」字状の刻印KMの付された錠剤5を模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)のJ−J線断面図であり、(c)はJ−J線に沿った画像信号(明度)曲線を示すグラフである。錠剤5は、欠け等が生じて薄肉となっている部位ほど光を通しやすい。そのため、薄肉部位ほど画像が明るくなる傾向にある。本実施形態における2値化処理に際しては、まず、基準閾値δ0以上で、かつ、第1の閾値δ1以下(範囲d1以内)の2値化画像A(図10(a)参照)を得る。当該画像Aにおいては、チッピングTや割線PLを除いた正常な錠剤部位が明るいものとなる。また、これとともに、基準閾値δ0以上で、かつ、第2の閾値δ2以下(範囲d2以内)の2値化画像Bを得る。当該画像Bにおいては、チッピングT、割線PLに加えて、刻印KM部分を除いた正常な錠剤部位が明るいものとなる。尚、基準閾値δ0、第1の閾値δ1及び第2の閾値δ2は、そのときどきの錠剤の厚み、密度、糖衣の有無等によってそれぞれ違った値に設定される。
【0051】
その後、ステップS104において、塊処理を行う。より詳しくは、上記2値化画像Aを塊処理した結果Cと、2値化画像Bを塊処理した結果D(いずれも図示せず)とを得る。
【0052】
次に、ステップS105において、予め設定した前記錠剤ウインドウJWを用いて、ポケット部領域を特定するとともに、各ポケット部領域において、面積値が基準錠剤面積Lo以上の塊を抽出する(Lo未満の塊を除去する)。その後、ステップS106では、各ポケット部領域毎の塊個数が「1」であるか否かを判定し、否定判定された場合には、後述するステップS110へ移行する。
【0053】
これに対し、各ポケット部領域毎の塊個数が「1」である場合には、ステップS107において、前記錠剤形状ウインドウKWを用いて、錠剤5の形状が良好(適正)であるか否かを判断する。より詳しくは、前述した錠剤5の塊データより錠剤5の重心を求め、当該重心を同心とするようにして、予め設定された錠剤形状ウインドウKW(内側形状ウインドウKW1及び外側形状ウインドウKW2)を同時に配置し、両ウインドウKW1,KW2間から錠剤5の外形線が逸脱するか否かを判断する。そして、両ウインドウKW1,KW2間から錠剤5の外形線が逸脱する場合に、錠剤5の形状が異常であるものとして、ステップS109へ移行し、そこで、錠剤5に関し不良判定し、その後の処理を一旦終了する。
【0054】
また、前記ステップS107で肯定判定された場合には、ステップS108へ移行し、錠剤5に関し、良品判定を行い、その後の処理を一旦終了する。
【0055】
さて、前記ステップS106において、否定判定された場合には、ステップS110へ移行する。ステップS110においては、今回の検査ルーチンにおいて、「割線あり」の設定がなされているか否かを判定するとともに、塊個数が「2」であるか否かを判定する。そして、「割線あり」の設定がなされており、かつ、塊個数が「2」である場合に限り、ステップS111へ移行し、割線部マスク処理を行った上で、ステップS107の錠剤形状が良好か否かを判定する。
【0056】
ここで、割線部マスク処理について図11に基づき説明すると、2つの塊のそれぞれの重心位置M1,M2を求め、当該重心位置M1,M2を通る線分αの中心点C1を得る。そして、当該中心点C1を通り、かつ、前記線分αに直交する線分(直線)γを求め、当該線分γにプラスマイナスβの幅を持たせた帯状領域を、割線PLとみなしてマスク部として設定する。当該マスク処理されることで、次のステップS107においては、割線部の影響を除外した上での形状検査が可能となる。
【0057】
一方、前記ステップS110において、「割線あり」の設定がなされていないと判定されるか、又は、塊個数が「2」でもないと判定された場合には、ステップS109へ移行し、錠剤5に関し不良判定を行い、その後の処理を一旦終了する。
【0058】
以上詳述したように、本実施形態によれば、照明装置22の赤外LED28aからは、錠剤5及び容器フィルム3に対し、赤外光が照射され、反対側に設けられたカメラ23により、錠剤5等を透過する透過光が撮像される。そして、画像処理装置24では、画像信号から得た画像データに基づき、錠剤5の欠け等の表面異常が検出される。このため、反射光を用いて検査を行う場合と異なり、錠剤表面の照度斑が大きくなる等の懸念の必要がない。
【0059】
また、本願出願人が鋭意検討した結果、照明装置22から照射された光は、錠剤5中において拡散しながら透過することから、錠剤5は、その照射面よりもその反対側の面の方がより高精度に検査を行いやすいことを見い出した。本実施形態では、照明装置22がポケット部2の開口側に設けられており、錠剤5を透過した光が、ポケット部2側に設けられたカメラ23によって撮像されるようになっている。従って、ポケット部2を介して視認可能な錠剤5表面の欠け等の異常をより高精度に検出することができる。このため、錠剤5の欠け等の異常が外側から見えるようなPTPシート1が生産されてしまうといったおそれをなくすことができ、見た目上の品質をより高いレベルで維持することができる。結果として、商品としてのPTPシート1の外観品質の飛躍的な向上を図ることができる。その上、照明装置22がポケット部2の開口側、すなわち容器フィルム3の上側に設けられることで、照明装置22の照射面にゴミ等の異物が堆積しにくく、錠剤5表面に対して均一に光を照射することができるという効果も奏される。
【0060】
また、一方で、本実施形態の如くカメラ23にて透過光が撮像される構成とした場合、錠剤5の存在する領域と、存在しない背景領域との輝度差(明度差)が著しく大きくなってしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、照明装置22が角度透過率制御フィルタ29を具備しており、当該角度透過率制御フィルタ29によって、容器フィルム3越しにカメラ23に直接入射する光が除去又は減光させられる。
【0061】
より詳しくは、光源(ここでは赤外光LED28a)と、カメラ23のレンズ部中心を結ぶ直線L1上の光、並びに、直線L1に対しレンズ部の画角θ以内の光が、全反射されるよう構成されている。これにより、光源(赤外光LED28a)からの赤外光のカメラ23への直接の入射が制限されることとなり、カメラ23に入射される光が強すぎることに起因する不具合、例えばスミア現象を防止することができ、錠剤5の領域を的確に特定することができる。結果として、正確な検査を実現でき、異常検出精度の向上を図ることができる。
【0062】
また、錠剤5が割線PLを有しているような場合、当該割線PL部分は他の錠剤5部位に比べて薄肉であり、光をより透過させやすい。そのため、錠剤5の欠け等と誤って判断されることが懸念される。この点、本実施形態では、錠剤5が割線PLを具備しているか否かによって、錠剤5の表面異常検出のアルゴリズムが異なっている(ステップS106,107等参照)。すなわち、割線PLを有している場合であっても、当該割線PLにマスク処理を施したり(ステップS111)、判断すべき塊個数を異ならせたりする(ステップS110)ことで、割線PLがない場合と同様の的確な検査を実施できる。そのため、多種態様の態様を有する錠剤5に応じた適正な検査を行うことが可能となる。
【0063】
さらに、照明装置22は拡散板27を具備しており、赤外光LED28aからの光が拡散板27によって拡散させられる。このため、赤外光LED28aからの直接光がカメラ23にて撮像されるという不具合をより一層防止できるとともに、光の均一化が図られ、好適な面発光を実現しやすい。結果として、検査精度の一層の向上を図ることができる。
【0064】
その上、直接入射光を制限するための手段が角度透過率制御フィルタ29によって構成され、それが拡散板27に取着されているため、照明装置22としてのユニット化、コンパクト化を図ることができ、装置全体が嵩張ったものとなるのを抑制できる。
【0065】
また、本実施形態では、光源として赤外光を採用することとしている。ここで、赤外光は、可視光に比べて錠剤5等の透過率が高いため、より精度の高い検査が可能となる。しかも、錠剤5等として着色の施されたものが採用されたり、容器フィルム3として着色フィルムが採用されたりする場合があるが、このような場合でも、着色による減光要素を無視しやすいというメリットがある。
【0066】
以上説明した実施形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
【0067】
(a)上記実施形態におけるポケット部2の開口側に設けられた照明装置22(第1照明手段)及びポケット部2側に設けられたカメラ23(第1撮像手段)に加えて、ポケット部2側に照明装置52(第2照明手段)を設けるとともに、その反対側(ポケット部2の開口側)にカメラ53(第2撮像手段)を設けてもよい。
【0068】
この場合、例えば、図13に示すように、両カメラ23,53の画像データの処理や錠剤不良の判定等を1つの画像処理装置24で行うよう構成してもよいし、また例えば、図14に示すように、各カメラ23,53に個別に対応して画像処理装置24,54を設け、各カメラ23,53毎に画像データの処理や錠剤不良の判定等を行うよう構成してもよい。
【0069】
このような構成を採用することによって、錠剤5のポケット部2側の面とポケット部2開口側の面との両面における欠け等の不良を高精度に検出することができ、結果として、PTPシート1の品質の向上を図ることができる。
【0070】
(b)上記実施形態では、特に言及しなかったが、画像B及び結果Dを利用して、刻印KM部分の検査を行うこととしてもよい。かかる検査を行うことで、スティッキング等の異常を検出することも可能である。尚、刻印等の検査を行わないのであれば、2値化処理(ステップS103)における画像Bを得る処理、及び、塊処理(ステップS104)における結果Dを得る処理を省略することとしてもよい。
【0071】
(c)上記実施形態では、光源として赤外光を照射可能な赤外光LED28aを採用しているが、可視光(例えば赤色光、青色光、白色光等)を照射可能な光源を採用することとしてもよい。
【0072】
(d)上記実施形態では、ポケット部2に収容される錠剤5として口腔内崩壊錠を例示しているが、その他の形態の錠剤であってもよい。また、錠剤には、透過光で欠け等の異常を検出可能なカプセル錠等も含まれる。なお、カプセル錠の場合には、ポケット部2側の傷や局所的な凹みを精度よく検出することができる。
【0073】
(e)上記実施形態では、各ウインドウはいずれも円形状をなしているが、当該ウインドウは錠剤の形状等に応じて適宜設定できるものであって、必ずしも円形状に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】一実施形態におけるPTP包装機等の概略構成を示す模式図である。
【図2】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図3】照明装置を模式的に示す部分断面図である。
【図4】照明装置のうち、角度透過率制御フィルタの機能を模式的に説明する説明図である。
【図5】不良検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】「検査ルーチン」を示すフローチャートである。
【図7】(a)はチッピング(欠け)が生じ、中央に割線を有し、かつ、刻印の付された錠剤を模式的に示す平面図であり、(b)は(a)のJ−J線断面図であり、(c)はJ−J線に沿った画像信号(明度)曲線を示すグラフである。
【図8】錠剤ウインドウの概念を説明するための平面模式図である。
【図9】錠剤形状ウインドウの概念を説明するための平面模式図である。
【図10】2値化後の画像を示す模式図である
【図11】割線部のマスク処理の手法を説明する説明図である。
【図12】別の実施形態における「検査ルーチン」を示すフローチャートである。
【図13】別の実施形態における不良検査装置の概略構成を示す模式図である。
【図14】別の実施形態における不良検査装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0075】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルムとしての容器フィルム、4…カバーフィルムとしての密封用フィルム、5…錠剤、7…PTP包装機、21…不良検査装置、22…照明手段としての照明装置、23…撮像手段としてのカメラ、24…画像処理装置、27…拡散手段としての拡散板、28a…光源としての赤外光LED、29…直接入射光制限手段としての角度透過率制御フィルタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を照射可能な光源を具備する照明手段と、
前記照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成されており、
前記照明手段は前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤に対して前記ポケット部の開口側から光を照射するよう構成したことを特徴とする不良検査装置。
【請求項2】
PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記包装用フィルムの前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部の開口側から照射可能な第1光源を具備する第1照明手段と、
前記第1照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第1光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第1撮像手段と、
前記包装用フィルムの前記ポケット部側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部側から照射可能な第2光源を具備する第2照明手段と、
前記第2照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第2光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第2撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成したことを特徴とする不良検査装置。
【請求項3】
前記錠剤が割線を具備しているか否かによって、前記錠剤の表面異常検出のアルゴリズムを異ならせたことを特徴とする請求項1又は2に記載の不良検査装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記包装用フィルム越しに前記撮像手段に直接入射する光を除去又は減光させる直接入射光制限手段を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の不良検査装置。
【請求項5】
前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記光源と、前記撮像手段のレンズ部中心を結ぶ直線上の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の不良検査装置。
【請求項6】
前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記直線方向に対し、前記レンズ部の画角分以内の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の不良検査装置。
【請求項7】
前記照明手段は、光源からの光を拡散するための拡散手段を具備していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の不良検査装置。
【請求項8】
前記光源は、赤外光を照射可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の不良検査装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の不良検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
【請求項1】
PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を照射可能な光源を具備する照明手段と、
前記照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成されており、
前記照明手段は前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤に対して前記ポケット部の開口側から光を照射するよう構成したことを特徴とする不良検査装置。
【請求項2】
PTPシートの製造過程にあって、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着される前段階において用いられる不良検査装置であって、
前記包装用フィルムの前記ポケット部の開口側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部の開口側から照射可能な第1光源を具備する第1照明手段と、
前記第1照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第1光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第1撮像手段と、
前記包装用フィルムの前記ポケット部側に設けられ、前記錠剤及び包装用フィルムに対し、所定の光を前記ポケット部側から照射可能な第2光源を具備する第2照明手段と、
前記第2照明手段とは前記包装用フィルムを介して反対側に設けられ、少なくとも前記第2光源から照射され前記錠剤を透過する透過光を撮像可能な第2撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも前記錠剤の表面異常を検出可能に構成したことを特徴とする不良検査装置。
【請求項3】
前記錠剤が割線を具備しているか否かによって、前記錠剤の表面異常検出のアルゴリズムを異ならせたことを特徴とする請求項1又は2に記載の不良検査装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記包装用フィルム越しに前記撮像手段に直接入射する光を除去又は減光させる直接入射光制限手段を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の不良検査装置。
【請求項5】
前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記光源と、前記撮像手段のレンズ部中心を結ぶ直線上の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の不良検査装置。
【請求項6】
前記直接入射光制限手段は、少なくとも前記直線方向に対し、前記レンズ部の画角分以内の光を一部反射又は全反射可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の不良検査装置。
【請求項7】
前記照明手段は、光源からの光を拡散するための拡散手段を具備していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の不良検査装置。
【請求項8】
前記光源は、赤外光を照射可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の不良検査装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の不良検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−208065(P2006−208065A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17674(P2005−17674)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
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