説明

両性界面活性剤及びヒアルロン酸を含む眼科組成物

ビグアニド、ポリマービグアニド、クォータニウムアンモニウム化合物及びそれらのいずれかの混合物からなる群より選択されるカチオン性抗微生物性成分0.1ppm〜10ppm、ヒアルロン酸0.005wt%〜0.15wt%、及び、一般式I


(式中、RはR又は−(CH−NHC(O)Rであり、ここで、Rはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜C16アルキルであり、nは2、3又は4であり、R及びRは各々独立に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルから選ばれ、そしてRはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜Cアルキレンである)の両性界面活性剤0.01wt%〜1.0wt%、を含む眼科組成物。本発明はコンタクトレンズ、特に、ソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをクリーニングしそして消毒するための眼科組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は両性界面活性剤及びヒアルロン酸を含む眼科組成物に関する。本発明は、また、コンタクトレンズをクリーニングしそして消毒するための眼科組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
通常の使用の間に、コンタクトレンズは、レンズの性能を劣化させうる様々な化合物で汚され又は汚染されている。たとえば、コンタクトレンズは、涙液中に存在しそしてレンズの表面に付着するタンパク質又は脂質などの生体材料で汚染されるであろう。また、コンタクトレンズの取り扱いにより、皮脂(皮膚の油)もしくは化粧品又はその他の材料はコンタクトレンズを汚染しうる。これらの生物学的汚染物及び外部汚染物は視力及び患者の快適さに影響を及ぼすことがある。したがって、継続的に快適な使用のためにレンズ表面からデブリを、1種以上の洗浄成分を含むレンズケア液によって除去することが重要である。
【0003】
レンズケア液として配合される眼科組成物は、また、1種以上の消毒剤成分を含まなければならない。現在、2種の最も人気のある消毒剤成分は時折PHMB又はPAPBとも呼ばれるポリ(ヘキサメチレンビグアニジド)及びポリクォータニウム−1である。
【0004】
上記のとおり、PHMBは現在、コンタクトレンズケア液中に使用されている。これらのPHMBをベースとしたケア液は他のほとんどの抗微生物性成分と比較して患者の快適さ及び抗微生物効果の点で有意な改良を示す。しかし、どの抗微生物性成分とも同様に、液中の抗微生物性成分の濃度と患者が経験する快適さとの間にトレードオフの関係が残る。商業上広く受け入れられているために、PHMBを化学的に変性することによって抗微生物効力又は患者に対する快適さレベルを改良するように広範な努力が向けられてきた。
【0005】
患者の快適さを改良するための別のアプローチはレンズケア液に快適さ向上剤又は水和剤をレンズケア液に導入することであった。たとえば、米国特許第7,135,442号明細書は糖アルコールであるソルビトールとの組み合わせでデキスパンテノールの使用を記載している。デキスパンテノールはレンズケア液中に存在する界面活性剤による水性涙層の破壊を最少化し又は安定化させることを援助するものと言われている。
【0006】
Cantoroによる米国特許第5,770,628号明細書は0.05〜2質量%のヒアルロン酸(ヒアルロン酸ナトリウム)を含む、眼科人工涙組成物を記載している。ヒアルロン酸の粘弾性特性、すなわち、小さい剪断力下に、より低い粘度となるけれども静的条件下にハードエラスティックとなる特性により、ヒアルロン酸が眼科細胞及び組織のための耐衝撃吸収剤として基本的に機能することができる。そのすぐ後に、Cantoroは、もし人工涙のヒアルロン酸製剤にポロキサマー界面活性剤を添加するならば、その液は再湿潤性ドロップとして使用できるであろうということを認識した。ポロキサマー界面活性剤は、コンタクトレンズを装着している間に、長時間装着用コンタクトレンズから変性涙タンパク質及び他の汚染物をクリーニングし又は除去するものと言われている。
【0007】
PCT出願(公開番号WO01/057172号)明細書は非酵素タンパク質除去剤として分子量が5000ダルトン以上である多糖類(0.005〜10wt%)、非イオン性界面活性剤(0.01〜10wt%)及びポリマー防腐剤(0.00001〜1wt%)を含むコンタクトレンズケア液を記載している。例示の液は例5として提供される。この液は0.02wt%のヒアルロン酸ナトリウム、1.0wt%ポロキサミン(Tetronics(登録商標)1107)、0.125wt%のNaEDTA及び1ppmのPHMBをリン酸塩緩衝剤中に含む。
【0008】
フルオレセインを角膜に適用し、次いで、観測される応答を主観的及び定量的に解釈することは受け入れられた重要な診断ツールであり、それにより、角膜表面の生理学的状態を評価する。しかし、臨床家は、角膜病変及び疾病に関連する高強度の大きな染色という明確な臨床的重大さを、表層点状角膜染色の意味であると推定すべきでないことに注意すべきである。フルレセイン染料蛍光の表層点状パターンはその共通の特性(表面的、過渡的及び無症候的)に基づき、非表面的な合体した創傷関連染色とは異なって見える。この主題に関する広範な背景及び検討については、Ward, K. W., "Superficial Punctate Fluorescein Staining of the Ocular Surface ", Optometry and Vision Science 2008, 85(1) 1を参照する。
【0009】
1980年代の初めに、コンタクトレンズ使用の市場の成長とともに、表層点状角膜染色の記述的ケーススタディーの数が科学文献中に増加した。表層点状角膜染色に関連する蛍光シグナルの深さ及び程度を制御している正確な機構は明確でないが、研究は、概して、このような染色が角膜創傷又は毒性を反映するものでないことの科学的支持を提供している。実際に、疫学的及び実験的な両方の証拠は、表層点状角膜染色と角膜感染の確立との間に相関がないことを示している。それでも、角膜毒で2時間で表層点状角膜染色の強度を特性化し又はこのような染色と角膜感染の確立との間の相関が存在することを暗示しようとする報告が幾つか存在する。ここでも、これらの報告はこのような主張を支持する科学的又は臨床的データを提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
レンズケア液の市場に存在しうるこのような懸念を軽減するために、出願人は、眼科組成物で含浸したヒドロゲルコンタクトレンズを配置した後に、比較的に低い表層点状角膜染色を示す眼科組成物を探求しそして開発した。実際、本明細書中に記載される、直接対決した眼科組成物は現在市場にある主要なレンズケア液の表層点状角膜染色プロファイルに見合うか又はそれを上回る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はビグアニド、ポリマービグアニド、クォータニウムアンモニウム化合物及びそれらのいずれかの混合物からなる群より選択されるカチオン性抗微生物性成分0.1ppm〜10ppm、ヒアルロン酸0.005wt%〜0.15wt%及び下記一般式
【0012】
【化1】

【0013】
(上式中、RはR又は−(CH−NHC(O)Rであり、ここで、Rはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜C16アルキルであり、nは2、3又は4であり、R及びRは各々独立に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルから選ばれ、そしてRはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜Cアルキレンである)の両性界面活性剤0.01〜1.0wt%を含む眼科組成物に関する。本発明は、また、コンタクトレンズ、特に、ソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをクリーニングしそして消毒するための眼科組成物の使用にも関する。
【0014】
本発明は以下の記載からそして添付の図面を考慮して、よりよく理解されるであろう。しかしながら、各図面は本発明をさらに例示しそして説明するために提供されるものであって、特許請求される本発明をさらに限定することが意図されないということは、明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は快適装着の時間についての試験液及び対照液の間の臨床的比較の全体としての結果を示すプロットである。
【図2】図2は挿入時のレンズの清浄性についての試験液及び対照液の間の臨床的比較の全体としての結果を示すプロットである。
【図3】図3は挿入時の快適さについての試験液及び対照液の間の臨床的比較の全体としての結果を示すプロットである。
【図4】図4は一日の終わりにおけるレンズの清浄性についての試験液及び対照液の間の臨床的比較の全体としての結果を示すプロットである。
【図5】図5は一日の終わりにおける快適さについての試験液及び対照液の間の臨床的比較の全体としての結果を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
Bausch & Lombの出願人らはレンズケア液としての使用のための多くの眼科製剤を開発しそして試験した。上記のとおり、このようなレンズケア液は機能的特性を満たさなければならない。最初に、液は変性涙タンパク質及び涙脂質ならびに他の外部汚染物を除去する洗浄能力を有しなければならない。第二に、液は様々な異種の細菌及び真菌株に対する有意な消毒能力を有しなければならない。第三に、液は刺痛を最少にしてコンタクトレンズの患者に快適さを維持するとともに、目の表面にさらなる快適さ又は保護を提供するプラットフォームを提供しなければならない。第四に、液は多くの異なるコンタクトレンズ材料の有意な収縮又は膨潤を生じさせてはならない。このような収縮又は膨潤は視力の損失及び所望されない又は顕著なレンズの移動性をもたらすことがある。第五に、市場の認識に対して取り組むために、液は現在の商業用レンズケア液の染色プロファイルと同等以上の表層点状角膜染色プロファイルを有するべきである。
【0017】
上記のすべての特性に加えて、液は当該技術分野において「レジメン」試験と呼ばれている厳格な試験プロトコルにも合格しなければならない。ソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをクリーニングしそして消毒するように選択的に配合される眼科組成物は、非摩擦コンタクトレンズ清浄及び消毒液として食品医薬品局(FDA)からラベル認可を得るために、その製剤についての「レジメン」試験に合格しなければならない。開発中の多くの眼科組成物は米国市場における各々そしてすべてのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに用いるレジメン試験に合格し損なう。レジメン試験のより詳細な説明は本願のサブ表題「実施例」に提供されている。記載されそして特許請求される眼科組成物はこれらの機能的要求の各々を解決する。
【0018】
様々な眼科組成物に関する出願人の開発プログラム及び調査により、少なくとも3つの重要な見識が得られた。1つ目には、ヒアルロン酸を含む製剤は、そのアニオン性バイオポリマーを含まない製剤よりも少ない表層点状角膜染色を示す傾向がある。2つ目には、ヒアルロン酸のアニオン性サイトはカチオン荷電抗微生物性成分と相互作用するようであり、特にヒアルロン酸はPHMB及びポリクォータニウム−1の両方と相互作用する。3つ目には、一般式Iの両性界面活性剤の存在はヒアルロン酸のアニオン性サイトとカチオン性抗微生物性成分との間の相互作用を打ち消すようである。結果として、ヒアルロン酸が提供する観測される利点に対して最少の影響を及ぼし又はほとんど影響を及ぼさずに、例外的な殺生物活性及び殺生物安定性を示すレンズケア液となる。
【0019】
一般式Iの両性界面活性剤は酸性特性及びアルカリ性特性の両方を有する界面活性化合物である。一般式Iの両性界面活性剤としては、ベタミンとして知られるクラスの化合物が挙げられる。ベタミンは完全に第四級化された窒素原子を特徴としそしてアルカリ溶液中においてアニオン性を示さない。このことは中性pH付近でのみ双性イオンとして存在することを意味する。
【0020】
すべてのベタインは完全に第四級化された窒素を特徴とする。アルキルベタインにおいて、第四級化された窒素のアルキル基の1つは8〜16個の炭素原子を有するアルキル鎖である。1つのクラスのベタインは、アルキルベタインのカルボキシル基がスルホネートによって置換されたスルホベタインもしくはヒドロキシスルホベタインである。ヒドロキシスルホベタインにおいて、ヒドロキシ基は第四級化窒素からスルホネートに延びているアルキレン炭素のうちの1つの上に存在する。アルキルアミドベタインにおいて、アミド基は疎水性C〜C16アルキル鎖と第四級化窒素との間の結合として挿入される。
【0021】
したがって、本発明は、ビグアニド、ポリマービグアニド、クォータニウムアンモニウム化合物及びそれらのいずれかの混合物からなる群より選択されるカチオン性抗微生物性成分0.1ppm〜10ppm、ヒアルロン酸0.005wt%〜0.15wt%及び下記一般式
【0022】
【化2】

【0023】
(上式中、RはR又は−(CH−NHC(O)Rであり、ここで、Rはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜C16アルキルであり、nは2、3又は4であり、R及びRは各々独立に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルから選ばれ、そしてRはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜Cアルキレンである)の両性界面活性剤0.01wt%〜1.0wt%を含む眼科組成物に関する。
【0024】
1つの実施形態において、ヒアルロン酸は0.002wt%〜0.04wt%で存在し、そしてカチオン性抗微生物成分はポリ(ヘキサメチレンビグアニド)である。したがって、1つのより好ましい組成物はポリ(ヘキサメチレンビグアニド)0.5ppm〜3.0ppm、ヒアルロン酸0.002wt%〜0.04wt%及び一般式Iの両性界面活性剤0.01wt%〜1wt%を含む。
【0025】
一般式Iの特定のスルホベイタンは他のものよりも好ましい。たとえば、Calbiochem Companyから入手可能なツイッタージェント(Zwitergent)(登録商標)3−10は一般式Iのスルホベタインであって、ここで、Rは10個の炭素原子の直鎖飽和アルキルであり、R及びRは各々メチルであり、そしてRは−CHCHCH−(3個の炭素)である。眼科組成物中に使用されうる他のスルホベタインとしては、対応するツイッタージェント(Zwitergent)(登録商標)3−08(Rは8個の炭素原子の直鎖飽和アルキルである)、ツイッタージェント(Zwitergent)(登録商標)3−12(Rは12個の炭素原子の直鎖飽和アルキルである)、ツイッタージェント(Zwitergent)(登録商標)3−14(Rは14個の炭素原子の直鎖飽和アルキルである)及びツイッタージェント(Zwitergent)(登録商標)3−16(Rは16個の炭素原子の直鎖飽和アルキルである)が挙げられる。したがって、幾つかのより好ましい眼科組成物としては、RがC〜C16アルキルでありそしてR及びRがメチルである一般式IIのスルホベタインが挙げられるであろう。
【0026】
別の実施形態において、一般式Iの両性界面活性剤は一般式II
【0027】
【化3】

【0028】
(上式中、Rは少なくとも1個のヒドロキシルにより置換されているC〜C16アルキルであり、R及びRは各々独立に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルから選択され、そしてRは少なくとも1個のヒドロキシルにより置換されているC〜Cアルキレンである)のヒドロキシスルホベタインである。
【0029】
別の実施形態において、両性界面活性剤は一般式III
【0030】
【化4】

【0031】
(上式中、RはC〜C16アルキルであり、m及びnは独立に2,3,4又は5から選ばれ、R及びRは各々独立に、ヒドロキシルにより場合により置換されていてよいC〜Cアルキルから選択され、そしてRはヒドロキシルにより場合により置換されていてよいC〜Cアルキレンである)のアルキルアミドベタインである。最も一般的なアルキルアミドベタインはアルキルアミドプロピルベタイン、たとえば、ココアミドプロピルジメチルベタイン及びラウロイルアミドプロピルジメチルベタインである。
【0032】
ヒアルロン酸は、β(1−3)及びβ(1−4)グリコシド結合によって結合されたD−グルクロン酸及びN−アセチル−D−グルコサミンからなる二糖繰り返し単位によって形成された直鎖ポリサッカリド(長鎖生体ポリマー)である。ヒアルロン酸は他のグリコサミノグリカンとは区別される。というのは、それはタンパク質及びスルホン酸基への共有結合が存在しないからである。ヒアルロン酸は動物中の至る所にあり、最も高い濃度は軟質結合組織中に見られる。ヒアルロン酸は生体中の機械及び輸送目的の両方で重要な役割を担う。たとえば、関節に弾性を与え、そして脊椎動物の椎間板(ディスク)に剛性を与え、また、目の硝子体の重要な成分でもある。
【0033】
ヒアルロン酸は生体組織又は細胞を圧縮力から保護することができる化合物として眼科医学界で受け入れられている。したがって、ヒアルロン酸は白内障手術のための粘弾性眼科組成物の1つの成分として提案されてきた。ヒアルロン酸の粘弾性、すなわち、小さい剪断力下に、より低い粘度となるけれども静的条件下にハードエラスティックとなる特性により、ヒアルロン酸が細胞及び組織のための耐衝撃吸収剤として基本的に機能することができる。ヒアルロン酸は、また、水を吸収しそして保持する比較的に大きな能力を有する。ヒアルロン酸についての記載された特性は分子量、溶液濃度及び生理学的pHによって決まる。低い濃度では、溶液中で個々の鎖が絡み合いそして連続ネットワークを形成する。そのネットワークは低濃度の水溶性ポリマーに独特である、顕著な粘弾性及び擬可塑性などの興味深い特性を系に提供する。
【0034】
記載したとおり、組成物は、また、第四級アンモニウム化合物(小分子を含む)及びポリマーならびに低分子量及び高分子量ビグアニドから選ばれる抗微生物性成分をも含むであろう。たとえば、ビグアニドとしてはアレキシジン、クロロヘキシジン、ヘキサメチレンビグアニド及びそれらのポリマーの遊離塩基及び塩ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。アレキシジン及びクロロヘキシジンの塩は有機又は無機のいずれかであることができ、グルコン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物などが挙げられる。
【0035】
好ましい実施形態において、組成物はZeneca, Wilmington, DEからコスモシル(Cosmocil)(登録商標) CQの商標名で市販されているポリ(ヘキサメチレンビグアニド)(PHMB又はPAPB)として知られているポリマービグアニドを含むであろう。PHMBは組成物中に0.2ppm〜5ppm又は0.5ppm〜2ppmで存在する。
【0036】
興味深い別のビグアニドは1,1’−ヘキサメチレンビス[5−(2−エチルヘキシル)ビグアニド]であり、それは当該技術分野において「アレキシジン」と呼ばれている。アレキシジンは組成物中に0.5ppm〜5ppm又は0.5ppm〜2ppmで存在する。
【0037】
1つのより一般的な第四級アンモニウム化合物はα−[4−トリス(2−ヒドロキシエチル)−アンモニウムクロリド−2−ブテニル]ポリ[1−ジメチルアンモニウムクロリド−2−ブテニル]−ω−トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリドであり、それは当該技術分野においてポリクォータニウム−1と呼ばれている。第四級アンモニウム化合物は、当該技術分野において、一般に、「ポリクォータニウム」消毒剤と呼ばれており、そして指定名称に続いて特定の数により識別し、たとえば、ポリクォータニウム−1、ポリクォータニウム−10又はポリクォータニウム−42である。ポリクォータニウム−1は眼科組成物中に0.5ppm〜3ppmで存在する。組成物中においてポリクォータニウム−1の濃度を3ppmを超えるようにする試みでは沈殿物が形成する。沈殿物はヒアルロン酸とポリクォータニウム−1との錯体生成物であると信じられる。
【0038】
ポリクォータニウム−42は、また、より好ましいポリクォータニウム消毒剤の1つである。米国特許第5,300,296号明細書を参照されたい。ポリクォータニウム−42は眼科組成物中に5ppm〜50ppmで存在する。
【0039】
組成物が上記の抗微生物性成分を1種以上含むことができることは当業者に理解されるべきである。たとえば、1つの実施形態において、眼科組成物はポリ(ヘキサメチレンビグアニド)などのビグアニド抗微生物性成分との組み合わせでポリクォータニウム−1を含む。ポリクォータニウム−1は、オプティフリー(Opti-Free)(登録商標)エクスプレス(Express)及びオプティフリー(Opti- Free)(登録商標)リプレニッシュ(Replenish)中のポリクォータニウム−1の報告されている濃度と比較して、比較的に低い濃度で存在し、すなわち、0.5ppm〜3ppmで存在する。出願人はポリクォータニウム−1とPHMBとは、組み合わせで、眼科組成物の殺生物効力を向上させることができるものと信じる。
【0040】
コンタクトレンズケア組成物
コンタクトレンズケア液は非常に高い可能性で緩衝剤系を含むであろう。用語「緩衝剤」又は「緩衝剤系」とは、緩衝能力、すなわち、当初のpHを比較的に小さい変化で変化させ又は全く変化させずに酸又は塩基(アルカリ)を範囲内で中和させる能力を示す溶液中の緩衝性系を提供する化合物で、通常、少なくとも1つの他の化合物との組み合わせでの化合物を意味する。一般に、緩衝性成分は0.05%〜2.5%(w/v)又は0.1%〜1.5%(w/v)で存在する。
【0041】
用語「緩衝容量」は、1リットル(標準単位)の緩衝剤溶液に添加されるときに、1単位だけpHを変化させるのに要求される強酸又は塩基(又は、それぞれ、水素イオン又は水酸化物イオン)のミリモル(mM)を意味するように定義される。緩衝容量は緩衝成分のタイプ及び濃度に依存する。緩衝容量は6〜8の出発pH、好ましくは7.4〜8.4の出発pHから測定される。
【0042】
ホウ酸塩緩衝剤としては、たとえば、ホウ酸及びその塩が挙げられ、たとえば、ホウ酸ナトリウム又はホウ酸カリウムである。ホウ酸塩緩衝剤としては、また、四ホウ酸カリウム又はメタホウ酸カリウムなどの化合物が挙げられ、それらは液中でホウ酸又はホウ酸塩を生成する。ホウ酸塩緩衝剤は特定のポリマービグアニドの効力を改良することが知られている。たとえば、Ogunbiyiらの米国特許第4,758,595号明細書はPHMBを含むコンタクトレンズ液が、ホウ酸塩緩衝剤と組み合わされたならば、改良された効力を示すことができることを記載している。
【0043】
リン酸塩緩衝剤系は、好ましくは、1種以上の一塩基性リン酸塩、二塩基性リン酸塩などを含む。特に有用なリン酸塩緩衝剤はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のリン酸塩から選ばれるものである。適切なリン酸塩緩衝剤の例としては、1種以上のナトリウム二塩基性リン酸塩(NaHPO)、ナトリウム一塩基性リン酸塩(NaHPO)及びカリウム一塩基性リン酸塩(KHPO)が挙げられる。リン酸塩緩衝剤成分は、しばしば、リン酸塩イオンとして計算して、0.01%又は0.5%(w/v)までの量で使用される。
【0044】
他の既知の緩衝性化合物は、場合により、レンズケア組成物に添加されてよく、そのような化合物は、たとえば、クエン酸塩、クエン酸、重炭酸ナトリウム、TRISなどである。液中の他の成分は、他の機能を有するとともに、緩衝容量にも影響を及ぼし、そのような成分は、たとえば、プロピレングリコール又はグリセリンである。
【0045】
好ましい緩衝剤系はホウ酸/ホウ酸塩、一塩基性及び/又は二塩基性リン酸塩/リン酸又は組み合わせホウ酸/リン酸緩衝剤系を基礎とする。たとえば、組み合わせホウ酸/リン酸緩衝剤系はホウ酸/ホウ酸ナトリウムと、一塩基性/二塩基性リン酸塩との混合物から製剤されうる。組み合わせホウ酸/リン酸緩衝剤系において、リン酸塩緩衝剤は(合計で)0.004〜0.2M(モル)、好ましくは0.04〜0.1Mの濃度で使用される。ホウ酸塩緩衝剤(合計で)は0.02〜0.8M、好ましくは0.07〜0.2Mの濃度で使用される。
【0046】
レンズケア液は、また、一般式Iの両性界面活性剤に加えて、有効量の界面活性剤成分、粘度誘発性もしくは増粘剤成分、キレート化もしくは金属イオン封鎖剤成分又は張度成分を含むことができる。追加の成分はコンタクトレンズケア液中で有用であることが知られている材料から選択されることができ、そして所望の機能特性を提供するのに有効な量で含まれる。
【0047】
適切な界面活性剤はカチオン性であるか又は非イオン性であることができ、そして、通常、2%w/vまでの量で(個々に又は組み合わせで)存在する。1つの好ましい界面活性剤のクラスは非イオン性界面活性剤である。界面活性剤はレンズケア液中で可溶性でありそして眼組織に非刺激性であるべきである。多くの非イオン性界面活性剤は、Rが2〜6個の炭素原子を有するオキシアルキレン(−O−R−)繰り返し単位を有する1種以上の鎖又はポリマー成分を含む。好ましい非イオン性界面活性剤は2種類以上の異なる種類のオキシアルキレン繰り返し単位のブロックポリマーを含み、異なる繰り返し単位の比が界面活性剤のHLBを決定する。満足される非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、たとえば、ココナツ、ポリソルベート、高級アルカン(C12〜C18)のポリオキシエチレンもしくはポリオキシプロピレンエーテルが挙げられる。このクラスの例としては、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20の商標で入手可能)、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(Brii(登録商標)35)、ポリオキシエチレン(40)ステアレート(Myrj(登録商標)52)、ポリオキシエチレン(25)プロピレングリコールステアレート(Altas(登録商標)G2612)が挙げられる。なおも好ましい別の界面活性剤はチロキサポールである。
【0048】
分子量が約6,000〜約24,000ダルトンであるエチレンジアミンのポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)付加物で、この付加物の少なくとも40質量%がポリ(オキシエチレン)である付加物からなる特定の非イオン性界面活性剤は、ソフトコンタクトレンズ及びハードコンタクトレンズの両方をクリーニングしそして状態調節するのに使用するのは特に有利であることが判った。この群の界面活性剤のためのCTFA化粧品成分辞書が採用した名称はポロキサミンである。このような界面活性剤はBASF Wyandotte Corp., Wyandotte, Mich.からテトロニック(Tetronic)(登録商標)で入手可能である。ポロキサミン1107又はポロキサミン1304により特に良好な結果が得られる。上記のポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックポリマー界面活性剤は、一般に、合計量の中に、0.0〜2%w/v、0.〜1%w/v、又は、0.2〜0.8%w/vで存在するであろう。
【0049】
レンズケア組成物のための類似の界面活性剤のシリーズはポロキサマーシリーズであり、それはプルロニック(Pluronic)(登録商標)(BASFから市販)で入手可能なポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックポリマーである。レンズケア組成物の1つの実施形態によると、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーは分子量が2500〜13,000ダルトン又は6000〜12,000ダルトンであろう。満足される界面活性剤の特定の例としては、ポロキサマー108、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー238、ポロキサマー288及びポロキサマー407が挙げられる。ポロキサマー237又はポロキサマー407で特に良好な結果が得られている。上記のポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックポリマー界面活性剤は0.0〜2%w/v、0.〜1%w/v又は0.2〜0.8%w/vの合計量で存在するであろう。
【0050】
レンズケア液は、また、ホスホン酸又はその生理学的適合性塩を含むことができ、それは下記式により示される。
【0051】
【化5】

【0052】
上式中、a、b、c及びdの各々は独立に、0〜4の整数から選ばれ、好ましくは0又は1であり、Xはホスホン酸基(すなわち、P(OH)O)、ヒドロキシル、アミン又は水素であり、そしてX及びXは独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、アミン、カルボキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、又は、置換もしくは未置換フェニル及びメチルからなる群より選ばれる。フェニル上の例示の置換基はハロゲン、ヒドロキシ、アミン、カルボキシ及び/又はアルキル基である。特に好ましい種類は、a、b、c及びdが0であるものであり、特に、エチドロン酸四ナトリウムとも呼ばれている1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸の四ナトリウム塩であり、それはMonsanto Companyからデクエスト(DeQuest)(登録商標)2016 ジホスホン酸ナトリウム塩又はホスホン酸塩として市販されている。
【0053】
レンズケア液はデキスパンテノールを含むことができ、それはパントテン酸のアルコールであり、プロビタミン(Provitamin B5)、D−パントテニルアルコール又はD−パンテノールとも呼ばれる。デキスパンテノールは目の上のコンタクトレンズの配置の次に目の表面で涙膜を安定化させる役割を担うことができる。デキスパンテノールは好ましくは液中に0.2〜5%/v、0.5〜3%w/v又は1〜2%w/vの量で存在する。
【0054】
コンタクトレンズケア液は、また、糖アルコール、たとえば、ソルビトール又はキシリトールを含むことができる。通常、デキスパンテノールは糖アルコールとの組み合わせで使用される。糖アルコールはレンズケア組成物中に0.4〜5%w/v又は0.8〜3%w/vの量で存在する。
【0055】
レンズケア液は、また、1種以上の中性もしくは塩基性アミノ酸を含むことができる。中性アミノ酸としては、アルキル基含有アミノ酸、たとえば、アラニン、イソロイシン、バリン、ロイシン及びプロリン、ヒドロキシル基含有アミノ酸、たとえば、セリン、トレオニン及び4−ヒドロキシプロリン、チオ基含有アミノ酸、たとえば、システイン、メチオニン及びアスパラギンが挙げられる。塩基性アミノ酸の例としてはリシン、ヒスチジン及びアルギニンが挙げられる。1種以上の中性もしくは塩基性アミノ酸は合計濃度で0.1〜3%w/vで組成物中に存在する。
【0056】
レンズケア液は、また、0.001%〜4%(w/v)又は0.01%〜2.0%(w/v)の合計濃度でグリコール酸、アスパラギン酸又はそれら2つのあらゆる混合物を含むことができる。さらに、1種以上のアミノ酸及びグリコール酸及び/又はアスパラギン酸の組み合わせ使用によって、レンズ液中にレンズを配置した後の膨潤及び収縮によるコンタクトレンズのサイズの変化を減らすことができる。
【0057】
レンズケア液は、また、ヒアルロン酸に加えて、1種以上の快適性向上性成分又はクッション性向上成分を含むことができる。快適性向上成分は界面活性剤成分のクリーニング活性及び湿潤活性を向上させ及び/又は延長させることができ、及び/又は、レンズ表面を状態調節し、レンズの表面をより親水性(より低い親油性)とし、及び/又は、目の上で粘滑薬として作用することができる。快適性向上剤は、レンズの配置の間に目の表面上での衝撃を吸収し、そして目の刺激を緩和するように作用するものと信じられる。
【0058】
適切な快適性向上剤としては、限定するわけではないが、水溶性天然ガム、セルロース誘導ポリマーなどが挙げられる。有用な天然ガムとしては、グアーガム、ガムトラガカンスなどが挙げられる。有用なセルロース誘導快適性向上剤としては、セルロース誘導ポリマー、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。非常に有用な快適性向上性成分はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。ある非セルロース快適性向上性成分としては、プロピレングリコール又はグリセリンが挙げられる。快適性向上成分は、通常、液中に0.01%〜1%(w/v)で存在する。
【0059】
水和された角膜表面を維持すると信じられる1つの好ましい快適性向上剤はポリビニルピロリドン(PVP)である。PVPは直鎖ホモポリマーであるか、又は、1−ビニル−2−ピロリドンモノマーから誘導される繰り返し単位を少なくとも90%含み、モノマー組成の残りが中性モノマー、たとえば、ビニル又はアクリレートを含むことができる、本質的に直鎖ホモポリマーである。PVPの他の類似語としては、ポビドン、ポリビドン、1−ビニル−2−ピロリジノン及び1−エテニル−2−ピロリオノン(CAS登録番号9003−39−8)が挙げられる。PVPは好ましくは、重量平均分子量が10,000〜250,000であり、又は、30,000〜100,000である。このような材料は様々な会社から販売されており、プラスドン(PLASDONE)(登録商標)K-29/32の商標名でのISP Technologies, Inc.から、そしてコリドン(KOLLIDON)(登録商標)、たとえば、KOLLIDON(登録商標)K-30又はK-90の商標名でBASFから販売されているものを含む。医薬グレードのPVPを使用することも好ましい。
【0060】
レンズケア液は、また、日常使用の後にレンズ表面から脂質及びタンパク質付着物を除去するのを補助するために1種以上のキレート化成分を含むことができる。通常、眼科組成物は比較的に少量の、たとえば、0.005%〜0.05%(w/v)のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はその対応する金属塩、たとえば、ナトリウム塩NaEDTAを含むであろう。
【0061】
キレート化剤NaEDTAに対する1つの可能な代替品又はNaEDTAとの可能な組み合わせ品は下記式IVのジスクシネート又はその対応する塩である。
【0062】
【化6】

【0063】
上式中、Rは水素、アルキル又は−C(O)アルキルであり、ここで、アルキルは1〜12個の炭素原子を有しそして場合により1個以上の酸素原子を有し、Aはメチレン基又はオキシアルキレン基であり、そしてnは2〜8である。1つの実施形態において、ジスクシネートはS,S−エチレンジアミンジスクシネート(S,S−EDDS)又はその対応する塩である。S,S−EDDSの1つの商業的な源はOctelから市販されているオクタクエスト(Octaquest)(登録商標)E30である。S,S−EDDSの三ナトリウム塩の化学構造を下記に示す。その塩として、カルシウム又はマグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩が挙げられる。ジスクシネートの亜鉛もしくは銀塩も眼科組成物中に使用されうる。
【0064】
キレート化剤のさらに別のクラスとしては、ノナイルエチレンジアミントリアセテートなどのアルキルエチレンジアミントリアセテートが挙げられる。このような剤のより完全な記載については、米国特許第6,995,123号明細書を参照されたい。
【0065】
レンズケア液は、通常、有効量の張度調節成分を含むであろう。使用されうる張度調節成分には、種々の無機塩などのコンタクトレンズケア製品中に従来から使用されているものが含まれる。塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムなどは非常に有用な張度調節成分である。張度調節成分の量は液に所望の程度の張度を提供するのに有効な量である。
【0066】
レンズケア液は、通常、少なくとも約200mOsmol/kg、たとえば、約300又は約350〜約400mOsmol/kgの範囲の重量オスモル濃度を有するであろう。レンズケア液は、実質的に等張性であり又は高張性(たとえば、若干高張性)であり、そして眼科的に許容可能である。
【0067】
1つの例示の眼科組成物は表1に示す各々の成分及び量を用いて調製されるコンタクトレンズ消毒液として製剤される。
【0068】
【表1】

【0069】
別のコンタクトレンズ液は表2に示す下記成分を含む。
【表2】

【0070】
他のコンタクトレンズ液は表3〜5に示す下記成分を含む。
【表3】

【0071】
【表4】

【0072】
【表5】

【0073】
上記のとおり、眼科組成物はコンタクトレンズをクリーニングしそして消毒するために使用されうる。一般に、コンタクトレンズ液は「非摩擦レジメン」として当該技術分野において知られている毎日の又は一日おきのケア措置として使用されうる。この手順は、目からコンタクトレンズを取り外し、数ミリリットルの液でレンズの両面を濯ぎ、そしてレンズ貯蔵ケースにレンズを配置することを含む。その後、レンズを新鮮な液に少なくとも2時間浸漬させる。レンズをケースから取り出し、場合により、さらなる液で濯ぎ、そして目に再配置する。
【0074】
又は、摩擦手順は、上記の各々の工程に加えて、数滴の液をレンズの各面に加え、次いで、約3〜10秒間、指の間で表面を穏やかに擦ることを含む。その後、レンズを場合により濯ぎ、そして、次いで、液中に少なくとも2時間浸漬させることができる。レンズをレンズ貯蔵ケースから取り出し、そして目の上に再配置する。
【0075】
(1)ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などのアクリルエステルの重合により調製される材料から形成されるハードレンズ、(2)シリコーンアクリレート及びフルオロシリコーンメタクリレートから形成される剛性ガス透過性(RGP)レンズ、(3)ソフトヒドロゲルレンズ及び(4)非ヒドロゲルエラストマーレンズを含む多くの異なるタイプのコンタクトレンズで眼科組成物を使用することができる。
【0076】
例として、ソフトヒドロゲルコンタクトレンズはヒドロゲルポリマー材料から製造されており、ヒドロゲルは平衡状態で水を含有する架橋ポリマー系と定義される。一般に、ヒドロゲルは優れた生体適合性、すなわち、生体組織内で毒性の、傷害性の又は免疫学的な応答を生じないことで生物学的又は生化学的に適合性である特性を示す。代表的な従来のヒドロゲルコンタクトレンズ材料は少なくとも1種の親水性モノマー、たとえば、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリセリルメタクリレート、N,N−ジメタクリルアミド及びN−ビニルピロリドン(NVP)を含むモノマー混合物を重合させることにより製造される。シリコーンヒドロゲルの場合には、コポリマーが調製されるモノマー混合物は、親水性モノマーに加えて、シリコーン含有モノマーをさらに含む。一般に、モノマー混合物は、また、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート及びメタクリルオキシエチルビニルカーボネートなどの架橋性モノマーをも含むであろう。又は、シリコーン含有モノマー又は親水性モノマーのいずれかが架橋剤として機能することができる。
【0077】
眼科組成物は、また、コンタクトレンズ再湿潤点眼液として製剤されうる。たとえば、再湿潤点眼剤は上記の表1〜5の上記の処方のいずれかによって配合されうる。又は、製剤は、界面活性剤の量を増加させ、抗微生物剤の量を防腐剤量にまで低下させ、及び/又は、湿潤剤及び/又は粘滑薬を添加することにより、変性されうる。
【0078】
眼科組成物はドライアイの患者を処置するための製剤において防腐剤として使用できる。このような方法において、眼科組成物は患者の目、まぶた又は患者の目の周囲の皮膚に投与される。組成物は、コンタクトレンズが患者の目に存在しているかどうかに関係なく、目に投与されることができる。たとえば、多くの人々は目の涙系がホコリ、花粉などの刺激性環境汚染物を除去するために必要な十分な涙の体積又は涙膜安定性を提供し損なう一時的又は慢性的な目の状態に悩まされている。
【0079】
眼科組成物は、また、医薬活性剤を含む点鼻スプレイ、点耳剤、点眼剤、坐薬、ならびに、処方薬及び店頭販売製剤などの医薬組成物であって、クリーム、軟膏又は溶液などのある期間にわたって使用され又は投与される医薬組成物中の防腐剤としても使用されうる。
【0080】
多くの場合に、眼科組成物は1種以上の活性医薬剤を含むであろう。一般に、活性医薬剤は1つ以上のクラスの眼科組成物に属し、限定するわけではないが、抗炎症剤、抗生物質、免疫抑制剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、麻酔薬及び鎮痛剤、抗癌剤、抗緑内障剤、ペプチド及びタンパク質、抗アレルギー薬を含む。
【実施例】
【0081】
例1〜5ならびに比較例1及び2
表6に示す例1〜5ならびに比較例1及び2のコンタクトレンズ組成物は下記のプロセスを用いて調製される(成分はppmと記載していないかぎり、wt%として示す)。合計バッチ質量の85〜90%に相当する体積の精製水をステンレススチール混合容器に添加する。下記のバッチの量の成分を示した順序で攪拌しながら水に添加する:塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム及びポロキサミン1107。液を10分間以上の時間、混合(攪拌)し、各成分の完全な溶解を確保する。この液を70℃以上の温度に加熱し、そしてヒアルロン酸ナトリウムを添加する。温められた液をヒアルロン酸ナトリウムが完全に溶解したようになるまで少なくとも20分間攪拌する。得られた溶液のpHを室温にて測定し、もし必要ならば、pHを1NのNaOH又は1NのHCl(目標pH=7.5)に調節する。その液を、その後、121℃で少なくとも30分間加熱滅菌する。
【0082】
第二のステンレススチール容器において、所定の量の精製水に対して、バッチに要求される測定量のZwittergent3-10を添加し、そして液を少なくとも30分間攪拌する。Zwittergent溶液を無菌フィルターをとおしてバルク溶液に無菌で移し、そして液を再び、少なくとも10分間攪拌する。
【0083】
第三のステンレススチール容器において、所定の量の精製水に対して、バッチに要求される測定量のPAPBを添加し、そして液を少なくとも10分間攪拌する。PAPB溶液を無菌フィルターをとおしてバルク溶液に無菌で移し、そして液を再び、少なくとも10分間攪拌する。
【0084】
第四のステンレススチール容器において、所定の量の精製水に対して、バッチに要求される測定量のポリクォータニウム−1を添加し、そして液を少なくとも10分間攪拌する。ポリクォータニウム−1溶液を無菌フィルターをとおしてバルク溶液に無菌で移し、そして液を再び、少なくとも10分間攪拌する。その後、精製水をバルク溶液に添加し、バッチ重量とする。最終の液を少なくとも15分間攪拌する。
【0085】
【表6】

【0086】
殺生物独立安定性
製剤の活性を評価するために、サンプルを4オンスPET容器中に入れ、そして周囲温度、及び、高温に所定の時間貯蔵した。サンプルの独立殺生物効力を指定した間隔で試験し、消毒活性について、時間経過に伴う製剤の安定性を決定する。「消毒製品の独立手順」(Stand- Alone Procedure for Disinfecting Products)は、米国食品医薬局(FDA)、眼科デバイス課によって用意された、1997年5月1日付けの製品の消毒効力試験に基づいている。この性能要求は摩擦手順を含まない。
【0087】
独立試験は代表的な種類の微生物の標準的な接種を用いて消毒性製品に挑戦させ、そして製品が使用されうる時間に相当する予め決められた時間間隔で生存率低下の程度を実証する。所与の消毒時間(可能最小推奨消毒時間に対応する)の主な基準は、1mL当たりに回収される細菌の数が所与の消毒時間内に平均値で3.0 ログ(log)以上、低減されていなければならない、ということである。1ml当たりに回収されるカビ及びイーストの数は、最小推奨消毒時間の4倍の時間増加せずに、最小推奨消毒時間内に平均値で1.0ログ(log)以上、低減されなければならない。
【0088】
コンタクトレンズの化学消毒及びクリーニングのために様々な組成物の各々の抗微生物効力を10%有機汚染物の存在下に独立手順を用いて評価する。微生物攻撃接種物を黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) (ATCC 6538)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) (ATCC 9027)、霊菌(Serratia marcescens) (ATCC 13880)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans) (ATCC 10231)及びフザリウム・ソラニ(Fusarium solani) (ATCC 36031)を用いて調製する。試験有機体を適当な寒天上で培養し、そして培養物を、無菌ダルベコ(Dulbecco’s)リン酸塩緩衝塩類溶液+0.05%w/vポリソルベート80(DPBST)又は適切な希釈剤を用いて採取し、適切な容器に移す。胞子懸濁液を無菌グラスウールを通してろ過し、菌糸断片を除去する。霊菌(Serratia marcescens)を、適宜、1.2μmフィルターをとおしてろ過し、懸濁液を浄化する。
【0089】
採取の後に、懸濁液を30分以下の時間、20℃〜25℃の温度で5000×g以下で遠心分離する。上層液をデカントし、DPBST又は他の適切な希釈剤中に再懸濁させる。懸濁液に第2回目の遠心分離を行い、DPBST又は他の適切な希釈剤中に再懸濁させる。すべての攻撃細菌及び真菌細胞懸濁液をDPBST又は他の適切な希釈剤で1×10〜1×10cfu/mLに調節する。適切な細胞濃度を、懸濁液の濁りを、たとえば、所定の波長、たとえば、490nmで分光光度計を用いて測定することにより評価することができる。攻撃有機体あたりに最低で10mLの試験液を含むチューブを用意する。試験しようとする液の各チューブを、最終の計数が1×10〜1×10cfu/mLとなるのに十分な試験有機体懸濁液で接種し、その接種材料の体積はサンプル体積の1%以下である。接種材料の分散は少なくとも15秒間、サンプルをボルテックスすることで確保する。接種された製品を10℃〜25℃で貯蔵する。消毒の特定時間後の生存計数の決定のために、1.0mLの量のアリコートを接種された製品から取り出す。
【0090】
少なくとも5秒間、激しくボルテックスすることで、懸濁液をよく混合する。特定した時間間隔で取り出した1.0mLのアリコートを、確証された中和媒体中で適切な回数の10倍希釈に付す。懸濁液を激しく混合し、そして適切な時間、インキュベートし、微生物剤の中和を可能にする。有機体の生存計数を、細菌のためのトリプトソイ寒天(trypticase soy agar)(TSA)ならびにカビ及びイーストのためのサブローデキストロース寒天(Sabouraud dextrose agar)(SDA)の3つのプレートの調製によって適当な希釈物中で決定する。細菌回収プレートを30℃〜35℃で2〜4日間インキュベートする。イースト回収プレートを20℃〜30℃で2〜4日間インキュベートする。カビ回収プレートを20℃〜25℃で3〜7日間インキュベートする。コロニー形成単位の平均値を、計数可能なプレート上で決定する。計数可能なプレートとは、コロニーが10又は10−1希釈プレートにのみ観測される場合を除いて、細菌及びイーストについては30〜300cfu/プレート、そしてカビについては8〜80cfu/プレートのものを指す。その後、微生物減少を指定された時点で計算する。
【0091】
試験有機体の成長のために使用される媒体の適切さを示しそして初期の接種材料濃度の見積を提供するために、上記に示した有機体を懸濁するために使用されるのと同一の体積の希釈剤を用いて、適切な希釈剤、たとえば、DPBST中に、接種材料の同一のアリコートを分散させることにより、接種対照物を調製する。 確証された中和ブロス中での接種及び適切な時間のインキュベーションの後に、接種材料対照物は1.0×10〜1×10cfu/mLでなければならない。
【0092】
殺生物独立安定性データを例5で得た。
【0093】
【表7】

【0094】
【表8】

【0095】
PureVision(登録商標)レンズを用いたレジメン試験
レジメン効力試験は有機体汚染液中の試験有機体1.0×10〜1.0×10CFU/mLの懸濁液0.01mLでコンタクトレンズの両面を最初に接種することを含む。接種材料を20〜25℃で5〜10分間、各レンズに吸着させる。吸着の時間の後に、レンズの各面を試験液で5秒間濯ぎ、その後、4時間、標準B&Lレンズケース中に保存された試験液中に含浸させる。生存している攻撃有機体を回収するために、所定の体積の確証された中和媒体をろ過装置に入れる。所与のレンズケースの全内容物(レンズ及び試験液)をろ過装置中の中和媒体に移す。適当な中和暴露時間後に、ろ過装置に真空を課し、液をろ過する。レンズを、試験有機体の回収に適する寒天培地床に無菌で移す。床中に使用されるのと同一の寒天(40〜50℃)を所与の量でレンズ上に注ぎ、キャストする。試験フィルターを、試験有機体を回収するのに適する寒天培地の表面に配置する。細菌回収プレートを30〜35℃で2〜4日間インキュベートし、イースト回収プレートを20〜25℃又は30〜35℃で3〜5日間インキュベートし、そしてカビ回収プレートを20〜25℃で3〜7日間インキュベートする。適切な接種材料、レンズの接種、ならびに、中和及び回収対照物を各試験で操作する。
【0096】
【表9】

【0097】
【表10】

【0098】
【表11】

【0099】
【表12】

【0100】
2時間での表層点状角膜染色
レンズケースの各ウェルを、試験液又は対照液のいずれかで予備処理(1回、最低で4時間浸漬)した。各場合に、試験液で処理したウェルと、対照液を受けた相手方のウェルをランダムに決定した。予備処理されたレンズケースの中で、すべてのPureVision(登録商標)レンズを、試験液又は対照液のいずれかで予備処理(最低4時間)し、次いで、レンズケースウェルについて用いた同一のランダム化を行った。レンズ挿入前に、表層点状角膜染色をスリットランプで評価した。レンズ装着の約2時間後に、各被験者は戻ってきた。レンズを取り外し、表層点状角膜染色プロファイルをスリットランプを用いて再評価した。対照液はOpti-Free(登録商標)Replenishである。
【0101】
【表13】

【0102】
【表14】

【0103】
例5vsOpti-Free(登録商標)Replenishの臨床評価
多施設覆面実薬対照相互対比群2週間試験(multi-center, masked, active-controlled, bilateral, parallel-group, two-week study)を、被験者の半分に例5(試験液)のレンズケア液をランダムに受けさせ、そして半分にOpti-Free(登録商標)Replenish(対照液)を受けさせることで行った。試験の初めに、すべての被験者に彼らが常用しているレンズ(1/3がPureVision(登録商標)、1/3がAcuvue(登録商標)Oasys、1/3がNight & Day(登録商標)又はOOptix(登録商標))及び試験レンズケア液又は対照レンズケア液のいずれかを分配した。被験者に液の使用及びレンズのケアを指示した。被験者に対して、試験の最初の1週間について、毎日の日記を付けさせ、それぞれの賛助者に完了した試験をメールすることを要求した。試験ではアジア系人361人の被験者(347人が試験を完了)が含まれ、表14に人口統計を示す。
【0104】
【表15】

【0105】
試験結果
各々の目について、0〜100スケールを用いて、被験者の主観的な症状/病気を等級化した。0は幾つかのレンズケア特性(たとえば、一日の終了時の快適さ、レンズの挿入時の激しい刺激/刺痛、炎症及び乾燥)を示し、そして100は最も好ましい等級である。2週間後の追跡訪問時に、例5の液は症状/病気について、対照液と統計的に有意な相違はなかった。試験液は、すべての日記レンズ性能等級についての製品使用の最初の7日間の間に対照液と少なくとも同程度に良好であることを示した。レンズタイプに無関係に、すべての被験者に対する全体の結果を線プロットで示す。図1は快適装着時間についての試験液と対照液との間の臨床比較の結果を示している。図2は挿入時のレンズの清浄性についての試験液と対照液との間の結果を示している。図3は挿入時の快適さについての試験液と対照液との間の結果を示している。図4は一日の終わりでのレンズの清浄性についての試験液と対照液との間の結果を示している。図5は一日の終わりでの快適さについての試験液と対照液との結果を示している。
【0106】
ドライアイ結果
16人の被験者が試験液及び対照液の各々についてドライアイ関連症状を有することが確認された。ドライアイとは、ベースライン訪問時に、目が「しばしば」又は「常に」乾燥していると感じるか又は過去にドライアイ症候群と医師から診断された人の目として定義される。表15に示す予備的な結果は、ドライアイ症状を伴う被験者では、試験液が対照液を上回っていることを示唆する。長期間分析(longitudinal analysis)を用いて、各々の日の質問について試験液と対照液との間でスコアを比較する。0のスコアは最も好ましくない等級を示しそして100のスコアは最も好ましい等級を示す。
【0107】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビグアニド、ポリマービグアニド、クォータニウムアンモニウム化合物及びそれらのいずれかの混合物からなる群より選択されるカチオン性抗微生物性成分0.1ppm〜10ppm、
ヒアルロン酸0.005wt%〜0.15wt%、及び、
下記一般式
【化1】

(上式中、RはR又は−(CH−NHC(O)Rであり、ここで、Rはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜C16アルキルであり、nは2、3又は4であり、R及びRは各々独立に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルから選ばれ、そしてRはヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜Cアルキレンである)の両性界面活性剤0.01wt%〜1.0wt%、
を含む眼科組成物。
【請求項2】
前記ヒアルロン酸は0.005wt%〜0.02wt%で存在し、そして前記カチオン性抗微生物性成分は0.5ppm〜2.0ppmで存在するポリ(ヘキサメチレンビグアニド)である、請求項1記載の眼科組成物。
【請求項3】
はRであり、そしてR及びRは各々メチルであり、そしてRはC〜Cアルキレンである、請求項1又は2記載の眼科組成物。
【請求項4】
0.5ppm〜3ppmで存在するα−[4−トリス(2−ヒドロキシエチル)−アンモニウムクロリド−2−ブテニル]ポリ[1−ジメチルアンモニウムクロリド−2−ブテニル]−ω−トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリドをさらに含む、請求項2記載の眼科組成物。
【請求項5】
デキスパンテノール、ソルビトール、グリコール酸、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール又はそれらのいずれかの混合物をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の眼科組成物。
【請求項6】
クエン酸塩、クエン酸又はそれらの混合物をさらに含む、請求項4記載の眼科組成物。
【請求項7】
プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルグアー又はミリストアミドプロピルジメチルアミンをさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の眼科組成物。
【請求項8】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の眼科組成物。
【請求項9】
は直鎖飽和C10アルキルである、請求項1〜8のいずれか1項記載の眼科組成物。
【請求項10】
ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)0.8ppm〜1.6ppm、
α−[4−トリス(2−ヒドロキシエチル)−アンモニウムクロリド−2−ブテニル]ポリ[1−ジメチルアンモニウムクロリド−2−ブテニル]−ω−トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド0.5ppm〜2ppm、
ヒアルロン酸0.005wt%〜0.015wt%、及び、
下記一般式
【化2】

(上式中、Rは少なくとも1個のヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜C16アルキルであり、R及びRは各々メチルであり、そしてRは1個のヒドロキシルによって場合により置換されていてよいC〜Cアルキレンである)のスルホベタイン0.01wt%〜0.6wt%、
ホウ酸/ホウ酸塩緩衝剤、
ポロキサマー、ポロキサミン又はそれらのいずれかの組み合わせから選ばれる非イオン性界面活性剤、及び、
塩化ナトリウム、塩化カリウム又はそれらのいずれかの組み合わせ、
を含む水性コンタクトレンズクリーニング及び消毒液組成物。
【請求項11】
前記非イオン性界面活性剤はHLB値が13〜28であるポロキサミンである、請求項10記載のコンタクトレンズ液。
【請求項12】
は直鎖飽和C10アルキルである、請求項10又は11記載のコンタクトレンズ液。
【請求項13】
請求項1記載の眼科組成物中にコンタクトレンズを少なくとも2時間含浸させることを含む、コンタクトレンズをクリーニングしそして消毒する方法。
【請求項14】
請求項10記載の液中にコンタクトレンズを少なくとも2時間含浸させることを含む、コンタクトレンズをクリーニングしそして消毒する方法。
【請求項15】
含浸後にコンタクトレンズを濯ぐことなく、クリーニングしそして消毒したコンタクトレンズを目に入れることをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
含浸後にコンタクトレンズを濯ぐことなく、クリーニングしそして消毒したコンタクトレンズを目に入れることをさらに含む、請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−517660(P2011−517660A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544969(P2010−544969)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/079451
【国際公開番号】WO2009/097028
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(506076640)ボーシュ アンド ローム インコーポレイティド (99)
【Fターム(参考)】