説明

中枢神経系障害の治療のための新規なキノキサリノンノルエピネフリン再吸収阻害剤

本発明は、R1−R8及びnが本明細書に定義される式(I)の化合物、それらを含有する医薬組成物、及び中心神経系障害の治療のためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中枢神経系障害又は症状を予防又は治療するための方法に関し、特に、ノルエピネフリンの再吸収を阻害する化合物を投与することによる注意欠陥多動障害(「ADHD」)を治療又は予防する方法に関する。このような化合物はまた、選択的ノルエピネフリン再吸収阻害剤(NRI)(複数)として文献に言及される。
【背景技術】
【0002】
注意欠陥多動障害(ADHD)は、学齢児童の3−5%の推定される罹患率を有し、多動、衝動、及び/又は無関心の中心的な症候群によって特徴付けられる。ADHDの注意症候群は、メチルフェニデート(リタリン(Ritalin))のような精神運動刺激物を用いて首尾よく治療することができる。クロニジン、α2−アドレナリン受容体アゴニストは、攻撃的及び反抗性症候群を治療する。メチルフェニデート及びクロニジンの両方による有意な副作用の可能性があり、減少した副作用及び乱用傾向を伴って同等か又はより良い効果を有する他の薬物を同定することは重要である。
【0003】
ADHDは、最も一般的な小児の精神障害の1つであり、同様に大人においても一般的であるが、しばしば過小認識されている精神障害であるように見える(T.Spencerら、J Clin Psychiatry、1998、59(Suppl.7)、759−768)。この障害は、小児期に始まるが、症候群(例えば、無関心及び/又は衝動)の生涯発現する場合もある(JB.Schweitzerら、Med Clin North Am,May 2001、85:3.757−777)。ADHDは、幼児期から成人期を通して発症するので、その症状が変化する場合がある(DP.Cantwell,J Am Acad Child Adolesc Psychiarty,Aug.1996,35(8),978−987;J.Eliaら,N Eng J Med,Mar.1999,340(10),780−788;EE.Nolanら,J Am Acad Child Adolesc Psychaitry,Feb.2001,40(2),241−249)。
【0004】
ADHDの診断は、臨床評価に基づく(M.Dulcanら、J Am Acad Child Adolesc Psychaitry,Oct.1997,36(10 Suppl),85S−121S;National Institute of Health,1998)。「ADHDの本質的な特徴は、発症の比較レベルで、個人に典型的に観察されるよりも頻繁で重篤である不注意及び/又は多動−衝動の持続性パターンである。」(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM−IV),American Psychiatric Association,Washington,D.C.,1994)。ADHDであると診断されるためには、患者は、7歳の年齢前に機能障害を引き起こすADHDの症状を示さなければならず、そして、症状は、少なくとも2つの設定(例えば、学校[又は仕事]及び家)で6ヶ月よりも長い間継続していなければならない。(DSM−IVを参照)。
【0005】
幾種かのNRI化合物が知られている。アトモキセチンは、NRIであるが、現在、商業的に利用可能であり(ストラテラ(Strattera)(登録商標)、Eli Lilly)、小児と成人の両方にADHDの臨床治療用に広範囲に使用され始めている。アトモキセチンは、ADHDに対する無刺激性の治療を表す。治療されたADHD患者の数は、アトモキセチンの導入及び増大した教育的先導の結果として増加することが期待される。したがって、現在利用可能な治療よりも多くの効果を提供するADHD治療について継続的な必要性がある。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明は、式I:
【化1】

{式中、
1は、H、(C1−C6)アルキル、又はハロゲンであり;
2及びR3は、独立して、H、(C1−C6)アルキル、又はハロゲンから選択され;
nは、1又は2であり;
4−R8は、独立して、H及び(C1−C8)アルキルから選択される}
で表される化合物、及びその医薬として許容される塩又は誘導体に関する。
【0007】
本発明の更なる態様は、R2がハロゲンである化合物に関する。
なお本発明の更なる態様は、R2及びR3がフルオロである化合物に関する。
なお本発明の更なる態様は、R1がフルオロであり、nが1であり、そして、R8=Hである化合物に関する。
なお本発明の更なる態様は、R1がフルオロであり、R2及びR3がフルオロであり、nが1であり、そして、R8=Hである化合物に関する。
【0008】
本発明の好ましい化合物は、下記の化合物:
1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン塩酸塩;
1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン塩酸塩;
1−(2−クロロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
3−ピペラジン−1−イル−1−o−トリル−1H−キノキサリン−2−オン;
【0009】
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
3−ピペラジン−1−イル−1−p−トリル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩;
7−フルオロ−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
7−メチル−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
【0010】
6−フルオロ−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
1−(2−クロロ−フェニル)−3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩;
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1−(3−フルオロ−フェニル)−1H−キノキサリン−2−オン;
【0011】
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1−p−トリル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩;
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−6−フルオロ−1−フェニル−1H−キノキサリン−2−オン;及び
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1−イソプロピル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩;
そして、それらの医薬として許容される塩を含む。
【0012】
さらに、本発明は、治療的に有効な量の式Iのいずれかにおいて定義される化合物を投与することを含む、注意欠陥多動障害、泌尿器障害、疼痛、早漏、又は線維筋痛症を治療する方法に関する。
【0013】
本発明はまた、ノルエピネフリン機能不全、単純一過性若しくは再発性大うつ病性障害、気分変調性障害、抑うつ神経症及び神経症性うつ病、食欲不振、体重減少、不眠症、早朝覚醒若しくは精神運動遅滞を含む憂うつ質うつ病;食欲増進、過眠症、精神運動性激越若しくは過敏症、季節的情動障害及び小児うつ病を含む非定型的うつ病(若しくは反応性うつ病);双極性障害若しくは躁うつ病、例えば双極I型障害、双極II型障害及び循環病;行為障害;注意欠陥多動障害(ADHD);崩壊性行動障害;精神発達障害、自閉性障害、及び行為障害と関連した行動障害;不安障害、例えば広場恐怖症を伴う若しくは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴がない広場恐怖症、特定の動物恐怖症を含む特定恐怖症、社会不安、社会恐怖症(社会不安障害を含む)、強迫性障害及び関連するスペクトル障害、心的外傷後ストレス障害を含むストレス障害、急性ストレス障害及び慢性ストレス障害、並びに全般性不安障害;境界型人格障害;結合失調症及び他の精神障害、例えば統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想障害、短期精神障害、共有精神障害、妄想若しくは幻覚を伴う精神障害、不安の精神病エピソード、精神病と関連した不安、重篤な大うつ病性障害のような精神病気分障害;双極性障害と関連した急性躁病及びうつ病のような精神障害と関連した気分障害;統合失調症と関連した気分障害;譫妄、痴呆、並びに健忘症及び他の認識若しくは神経変性障害、例えばパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆、アルツハイマー型痴呆、記憶障害、実行機能の喪失、脳血管性痴呆、及びHIV病、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病による又は複数の病因による他の痴呆;運動障害、例えば無動症、家族性発作性ジスキネジアを含むジスキネジア、痙縮、トゥーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動性−硬直症候群;錐体外路運動障害、例えば薬剤誘導の運動障害、例えば神経抑制薬誘導のパーキンソン症候群、神経抑制薬による悪性症候群、神経抑制薬誘導の急性緊張異常、神経抑制薬誘導の急性アカシジア、神経抑制薬誘導の遅発性ジスキネジア及び薬剤誘導の姿勢振戦;中毒障害及び退薬症候群、薬物依存及び中毒(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン、精神興奮物質、ニコチン、又はフェノバルビタールの依存性又は中毒)、及びギャンブル中毒のような行動中毒;眼球障害、例えば緑内障、及び虚血性網膜症中毒障害(アルコール、ニコチン、及び他の精神興奮物質によるものを含む)及び退薬症候群、適応障害(抑うつ気分、不安、混合性不安及び抑うつ気分、行為の障害、及び行為と気分の混合性障害を含む);年齢関連学習及び精神障害(アルツハイマー病を含む);神経性食欲不振;無関心;注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動障害(ADHD)並びにその認識されるサブタイプを含む一般的な医学的症状による注意欠陥(又は他の認識)障害;神経性過食症;慢性疲労症候群;疼痛;慢性疼痛;循環気質障害;うつ病(思春期うつ病及び小うつ病を含む);線維筋痛症及び他の身体表現性障害(身体化障害;転換性障害;疼痛障害;ヒポコンドリー;身体醜形障害;未分化身体表現性障害;及び身体表現性NOSを含む);尿失禁(即ち、緊張性尿失禁;真性緊張性尿失禁;及び混合性尿失禁);泌尿器障害;早漏;吸入障害;中毒障害(アルコール中毒);躁病;片頭痛;肥満(即ち、肥満又は過体重の患者を減少すること);レストレスレッグ症候群;反抗挑戦性障害;末梢神経障害;糖尿病性神経障害;疱疹後神経痛;月経前不快気分障害(即ち、月経前症候群及び黄体期後期精神症状);顔面潮紅;睡眠障害(例えば発作睡眠、不眠症及び夜尿症);特異的発達障害;選択的セロトニン再吸収阻害(SSRI)「停止(poop out)」症候群(即ち、満足のいく応答の初期の期間経過後のSSRI治療への満足のいく応答を維持できない患者);及びヒトを含む哺乳動物におけるTIC障害(例えば、トゥーレット疾患)から成る群から選択される障害又は症状を治療する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物にこのような治療又は症状の治療に有効な量の式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩を投与することを含む前記方法に関する。
【0014】
本発明はまた、治療的に有効な量の式Iの化合物、又は医薬として許容されるその塩、及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物に関する。
本発明はまた、下記のような治療を必要とするヒトを含む哺乳動物におけるノルエピネフリン機能不全、単純一過性若しくは再発性大うつ病性障害、気分変調性障害、抑うつ神経症及び神経症性うつ病、食欲不振、体重減少、不眠症、早朝覚醒若しくは精神運動遅滞を含む憂うつ質うつ病;食欲増進、過眠症、精神運動性激越若しくは過敏症、季節的情動障害及び小児うつ病を含む非定型的うつ病(若しくは反応性うつ病);双極性障害若しくは躁うつ病、例えば双極I型障害、双極II型障害及び循環病;行為障害;注意欠陥多動障害(ADHD);崩壊性行動障害;精神発達障害、自閉性障害、及び行為障害と関連した行動障害;不安障害、例えば広場恐怖症を伴う若しくは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴がない広場恐怖症、特定の動物恐怖症を含む特定恐怖症、社会不安、社会恐怖症(社会不安障害を含む)、強迫性障害及び関連するスペクトル障害、心的外傷後ストレス障害を含むストレス障害、急性ストレス障害及び慢性ストレス障害、並びに全般性不安障害;境界型人格障害;結合失調症及び他の精神障害、例えば統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想障害、短期精神障害、共有精神障害、妄想若しくは幻覚を伴う精神障害、不安の精神病エピソード、精神病と関連した不安、重篤な大うつ病性障害のような精神病気分障害;双極性障害と関連した急性躁病及びうつ病のような精神障害と関連した気分障害;統合失調症と関連した気分障害;譫妄、痴呆、並びに健忘症及び他の認識若しくは神経変性障害、例えばパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆、アルツハイマー型痴呆、記憶障害、実行機能の喪失、脳血管性痴呆、及びHIV病、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病による又は複数の病因による他の痴呆;運動障害、例えば無動症、家族性発作性ジスキネジアを含むジスキネジア、痙縮、トゥーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動性−硬直症候群;錐体外路運動障害、例えば薬剤誘導の運動障害、例えば神経抑制薬誘導のパーキンソン症候群、神経抑制薬による悪性症候群、神経抑制薬誘導の急性緊張異常、神経抑制薬誘導の急性アカシジア、神経抑制薬誘導の遅発性ジスキネジア及び薬剤誘導の姿勢振戦;中毒障害及び退薬症候群、薬物依存及び中毒(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン、精神興奮物質、ニコチン、又はフェノバルビタールの依存性又は中毒)、及びギャンブル中毒のような行動中毒;眼球障害、例えば緑内障、及び虚血性網膜症中毒障害(アルコール、ニコチン、及び他の精神興奮物質によるものを含む)及び退薬症候群、適応障害(抑うつ気分、不安、混合性不安及び抑うつ気分、行為の障害、及び行為と気分の混合性障害を含む);年齢関連学習及び精神障害(アルツハイマー病を含む);神経性食欲不振;無関心;注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動障害(ADHD)並びにその認識されるサブタイプを含む一般的な医学的症状による注意欠陥(又は他の認識)障害;レストレスレッグ症候群神経性過食症;慢性疲労症候群;疼痛;慢性疼痛;循環気質障害;うつ病(思春期うつ病及び小うつ病を含む);線維筋痛症及び他の身体表現性障害(身体化障害;転換性障害;疼痛障害;ヒポコンドリー;身体醜形障害;未分化身体表現性障害;及び身体表現性NOSを含む);尿失禁(即ち、緊張性尿失禁;真性緊張性尿失禁;及び混合性尿失禁);泌尿器障害;早漏;吸入障害;中毒障害(アルコール中毒);躁病;片頭痛;肥満(即ち、肥満又は過体重の患者を減少すること);反抗挑戦性障害;末梢神経障害;糖尿病性神経障害;疱疹後神経痛;月経前不快気分障害(即ち、月経前症候群及び黄体期後期精神症状);顔面潮紅;睡眠障害(例えば発作睡眠、不眠症及び夜尿症);特異的発達障害;選択的セロトニン再吸収阻害(SSRI)「故障」症候群(即ち、満足のいく応答の初期の期間経過後のSSRI治療への満足のいく応答を維持できない患者);及びヒトを含む哺乳動物におけるTIC障害(例えば、トゥーレット疾患)から選択される障害又は症状を治療するための医薬組成物であって、このような障害又は症状の治療に有効な量の式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩、及び医薬として許容される担体を含む前記医薬組成物に関する。
【0015】
本発明の別の特定の態様は、式Iの化合物が、上記方法のいずれかにおいて言及した障害及び症状から選択される任意の2又はそれより多くの合併した障害又は症状の治療のためにヒトに投与される上記方法に関する。
【0016】
ADHD、うつ病、不安、統合失調症、又は本発明の方法及び医薬組成物の記述において上記で言及した他の障害及び症状のいずれかの治療について、本発明の新規な化合物は、抗うつ薬、抗精神病薬又は抗不安剤を含む1つ又はそれより多くの追加の活性試薬と共に使用することができる。本発明の活性化合物と併用して使用することができる抗うつ薬の部類の例は、ノルエピネフリン再吸収阻害剤(NRI)、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SRI)、NI−1受容体アンタゴニスト、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミン阻害剤の可逆的阻害剤(RIMA)、二相性セロトニン及びノルエピネフリン再吸収阻害剤、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、アルファ−2−デルタリガンド(A2D)、及び非定型抗うつ薬を含む。
【0017】
本発明の新規化合物と併用して使用することができる別のタイプの試薬は、ニコチン受容体アゴニスト又はアンタゴニストである。
本発明の方法及び医薬組成物に有用なSRIは、限定されないが、セルトラリン(Zoloft(登録商標))、セルトラリン代謝物ジメチルセルトラリン、フルオキセチン(Prozac(登録商標))、ノルフルオキセチン(フルオキセチンデスメチル代謝物)、フルボキサミン(Luvox(登録商標))、パロキセチン(Seroxat(登録商標)、Paxil(登録商標))及びその代替製剤、Paxil−CR(登録商標)、シタロプラム(Celexa(登録商標))、シタロプラム代謝物デスメチルシタロプラム、エスシタロプラム(Lexapro(登録商標))、d,l−フェンフルラミン(Pondimin(登録商標))、フェモキセチン、イフォキセチン(ifoxetine)、シアノドチエピン(cyanodothiepin)、リトキセチン、セリクラミン、ダポキセチン、ネファザオドン(Serxone(登録商標))、及びトラゾドン(Desyrel(登録商標))、又は任意のそのプロドラッグ、又はSRI若しくはそのプロドラッグの任意の医薬として許容される塩を含む。
【0018】
本発明の方法及び医薬組成物に有用なNRIは、限定されないが、リボキセチン(Edronax(登録商標))及びリボキセチンの全ての異性体、即ち、(R/R、S/S、R/S、S/R)、デシプラミン(Norpramin(登録商標))、マプロチリン(Ludiomil(登録商標))、ロフェプラミン(Gamanil(登録商標))、ミトラゼピン(Remeron(登録商標))、オキサプロチリン、フェゾラミン、アトモキセチン(Strattera(登録商標))及びブプロプリオン(Wellbutrin(登録商標))、ブプロプリオン代謝物ヒドロキシブプロプリオン、ノミフェンシン(Merital(登録商標))、ビロキサジン(Vivalan(登録商標))、若しくはミアンセリン(Bolvidon(登録商標))、又は任意のそのプロドラッグ、又はNRI若しくはそのプロドラッグの任意の医薬として許容される塩を含む。
【0019】
セロトニン及びノルエピネフリンの両方の再吸収を阻害する医薬品は、ベンラファキシン(Effexor(登録商標))、ベンラファキシン代謝物O−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン(Anafranil(登録商標))、クロミプラミン代謝物デスメチルクロミプラミン、デュロキセチン(Cymbalta(登録商標))、ミルナシプラン、及びイミプラミン(Tofranil(登録商標)又はJanimine(登録商標))を含む。
【0020】
本発明と共に使用のための好ましいA2Dリガンドの例は、U.S.4,024,175、特にガバペンチン、EP641330、特にプレガバリン、U.S.5,563,175、WO9733858、WO9733859、WO9931057、WO9931074、WO9729101、WO02085839、特に[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、WO9931075、特に3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン及びC−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、WO9921824、特に(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、WO0190052、WO0128978、特に(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、EP0641330、WO9817627、WO0076958、特に(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、USSN10/401,060、特に(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、USSN10/401,060、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、及び(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、EP1178034、EP1201240、WO9931074、WO0300642、WO0222568、WO0230871、WO0230881、WO02100392、WO02100347、WO0242414、WO0232736及びWO0228881に一般的に又は具体的に開示される化合物、並びに医薬として許容されるその塩及び溶媒和物である。
【0021】
適したCRFアンタゴニストは、国際特許出願WO94/13643、WO94/13644、WO94/13661、WO94/13676及びWO94/13677に開示される化合物を含む。適した非定型な抗うつ薬は、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジンを含む。
【0022】
適したNK−1受容体アンタゴニストは、世界特許公開WO01/77100において言及されたものを含む。
本発明の活性化合物と併用して使用することができる適した抗不安剤の部類は、ベンゾジアゼピン及びセロトニンIA(5−HTIA)アゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HTIA部分的アゴニスト、及びコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む。適したベンゾジアゼピンは、アルプラゾラム、クロロジアゼポキシド、クロナゼパム、クロルアゼペート、ジアゼパム、ハルアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、及びプラゼパムを含む。適した5−HTIA受容体アゴニスト又はアンタゴニストは、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロンを含む。
【0023】
適した抗精神薬は、慣用的かつ非定型の抗精神薬を含む。
慣用的な抗精神薬は、ドーパミン(D2)受容体のアンタゴニストである。非典型の抗精神薬はまた、D2アンタゴニスト的特性を有するが、これらの受容体に対して異なる結合動力学、及び他の受容体、特に5−HT2A、5−HT2C及び5−HT2Dでの活性を有する(Schmidt Bら、Soc.Neurosci,Abstr.24:2177,1998)。
【0024】
ドーパミン(D4)受容体リガンドの例は、U.S.6,548,502、U.S.5,852,031、U.S.5,883,094、U.S.5,889,010及びWO98/08835に記載される。
【0025】
ニコチン受容体アゴニスト又はアンタゴニストの例は、バレニクリン、U.S.5,977,131に記載されるアザインドール−エチルアミン誘導体、及び類似体、誘導体、プロドラッグ、そして、ニコチン受容体アゴニスト又はアンタゴニストの医薬として許容される塩及びそのプロドラッグを含む。
【0026】
特に好ましいニコチン受容体アゴニストは、バレニクリン、7,8,9,10−テトラヒドロ−6,10−メエタノ−6H−ピラジノ[2,3−h][3]ベンザピン(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシブタンジオエート、又は任意の医薬として許容されるその塩であり、その任意の多形又は任意のプロドラッグ、又は任意の医薬として許容されるこのようなプロドラッグの塩を含む。バレニクリンの好ましい塩は、酒石酸バレニクリンである。バレニクリンは、いくつかのニコチン受容体サブタイプにアフィニティーを有し、他にはアフィニティーを有しない部分的なニコチンアゴニストである。酒石酸バレニクリンの合成は、WO99/35131、米国特許第6,410,550号、特許出願第1997070245号、第2002072524号、2002072525号、2002111350号、及び2002132824号に開示される。
【0027】
非定型な抗精神薬の部類は、クロザピン(Clozaril(登録商標))、8−クロロ−11−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(米国特許第3,539,573号);リスペリドン(Risperdal(登録商標))、3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)ピペリジノ]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド−[1,2−a]ピリミジン−4−オン(米国特許第4,804,663号);オランザピン(Zyprexa(登録商標))、2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン(米国特許第5,229,382号);クエチアピン(Seroquel(登録商標))、5−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−1−ピペラジニル)エトキシ]エタノール(米国特許第4,879,288);アリピプラゾール(Abilify(登録商標))、7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]−ブトキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル及び7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]−ブトキシ}−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン(米国特許第4,734,416号及び第5,006,528号);セルチンドール、1−[2−[4−[5−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−3−イル]−1−ピペリジニル]エチル]イミダゾリジン−2−オン(米国特許第4,710,500号);アミスルプリド(米国特許第4,410,822号);ジプラシドン(Geodon(登録商標))塩酸5−[2−[4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル)ピペラジン−3−イル]エチル]−6−クロロインドリン−2−オン水和物(米国特許第4,831,031号);及び、アセナピントランス−5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール(米国特許第4,145,434号及び5,763,476号)を含む。
【0028】
本発明はまた、下記のような治療を必要とするヒトを含む哺乳動物における中毒障害(アルコール、ニコチン、及び他の精神興奮物質によるものを含む)及び退薬症候群、適応障害(抑うつ気分、不安、混合性不安及び抑うつ気分、行為の障害、及び行為と気分の混合性障害を含む);年齢関連学習及び精神障害(アルツハイマー病を含む);神経性食欲不振;無関心;注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動障害(ADHD)並びにその認識されるサブタイプを含む一般的な医学的症状による注意欠陥(又は他の認識)障害;レストレスレッグ症候群;神経性過食症;慢性疲労症候群;疼痛;慢性疼痛;循環気質障害;うつ病(思春期うつ病及び小うつ病を含む);線維筋痛症及び他の身体表現性障害(身体化障害;転換性障害;疼痛障害;ヒポコンドリー;身体醜形障害;未分化身体表現性障害;及び身体表現性NOSを含む);尿失禁(即ち、緊張性尿失禁;真性緊張性尿失禁;及び混合性尿失禁);泌尿器障害;早漏;吸入障害;中毒障害(アルコール中毒);躁病;片頭痛;肥満(即ち、肥満又は過体重の患者を減少すること);反抗挑戦性障害;末梢神経障害;糖尿病性神経障害;疱疹後神経痛;月経前不快気分障害(即ち、月経前症候群及び黄体期後期精神症状);顔面潮紅;睡眠障害(例えば発作睡眠、不眠症及び夜尿症);特異的発達障害;選択的セロトニン再吸収阻害(SSRI)「故障」症候群(即ち、満足のいく応答の初期の期間経過後のSSRI治療への満足のいく応答を維持できない患者);及びTIC障害(例えば、トゥーレット疾患)から選択される障害又は症状を治療する方法であって、前記哺乳動物に、下記:
(a)式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩;及び
(b)抗うつ薬、抗精神薬若しくは抗不安剤である別の医薬として活性な化合物、又は医薬として許容されるその塩
(ここで、活性化合物「a」及び「b」はこのような障害又は症状の治療において化合物を効果的なものとする量で存在する)
を投与することを含む前記方法に関する。
【0029】
本発明の別のより特異的な態様は、式Iの化合物、及び抗うつ薬、抗不安剤、又は抗精神薬を含む付加的な医薬品が、上記方法のいずれかにおいて言及した障害及び症状から選択される任意の2つ又はそれより多くの合併した障害又は症状の治療のためにヒトに投与される上記方法に関する。
【0030】
本発明はまた、下記のような治療を必要とするヒトを含む哺乳動物における中毒障害(アルコール、ニコチン、及び他の精神興奮物質によるものを含む)及び退薬症候群、適応障害(抑うつ気分、不安、混合性不安及び抑うつ気分、行為の障害、及び行為と気分の混合性障害を含む);年齢関連学習及び精神障害(アルツハイマー病を含む);神経性食欲不振;無関心;注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動障害(ADHD)並びにその認識されるサブタイプを含む一般的な医学的症状による注意欠陥(又は他の認識)障害;神経性過食症;慢性疲労症候群;疼痛;慢性疼痛;循環気質障害;うつ病(思春期うつ病及び小うつ病を含む);線維筋痛症及び他の身体表現性障害(身体化障害;転換性障害;疼痛障害;ヒポコンドリー;身体醜形障害;未分化身体表現性障害;及び身体表現性NOSを含む);尿失禁(即ち、緊張性尿失禁;真性緊張性尿失禁;及び混合性尿失禁);泌尿器障害;早漏;吸入障害;中毒障害(アルコール中毒);躁病;片頭痛;肥満(即ち、肥満又は過体重の患者を減少すること);レストレスレッグ症候群;反抗挑戦性障害;末梢神経障害;糖尿病性神経障害;疱疹後神経痛;月経前不快気分障害(即ち、月経前症候群及び黄体期後期精神症状);顔面潮紅;睡眠障害(例えば発作睡眠、不眠症及び夜尿症);特異的発達障害;選択的セロトニン再吸収阻害(SSRI)「故障」症候群(即ち、満足のいく応答の初期の期間経過後のSSRI治療への満足のいく応答を維持できない患者);及びTIC障害(例えば、トゥーレット疾患)から選択される障害又は症状を治療するための医薬組成物であって、下記:
(a)式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩;
(b)抗うつ薬若しくは抗不安剤を含む別の医薬として活性な化合物、又は医薬として許容されるその塩;及び
(c)医薬として許容される担体
(ここで、活性化合物「a」及び「b」はこのような障害又は症状の治療において化合物を効果的なものとする量で存在する)
を含む前記医薬組成物に関する。
【0031】
本発明はまた、治療的に有効な量の式Iの化合物若しくは医薬として許容されるその塩、及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物に関する。
式Iの化合物は、不斉中心を有していてもよく、したがって、異なる鏡像異性形態及びジアステレオマー形態で存在することができる。本発明は、それぞれ、ラセミ混合物として、個々の鏡像異性体及びこのような化合物のジアステレオ異性体、その混合物として、式Iの化合物の全ての光学異性体及び全ての立体異性体に関し、そして、それらを含む又は使用する上記で定義した全ての医薬組成物及び治療方法に関する。個々の異性体は、既知の方法、例えば、古典的な分解、立体選択的反応、又は最終生産物若しくはその中間体の調製の際のクロマトグラフィーによる分離によって得ることができる。式Iの化合物の個々の鏡像異性体は、種々の障害又は症状の治療において、これらの化合物のラセミ混合物と比較して利点を有することができる。
【0032】
本発明の式Iの化合物が塩基性化合物である限りにおいて、それらはすべて、様々な無機酸及び有機酸を用いて非常に多種の異なる塩を形成することができる。このような塩は動物への投与について医薬として許容されなければならないが、しばしば、実施において、医薬として許容されない塩として反応混合物から塩基性化合物を初期に単離し、次に、アルカリ試薬を用いる処理によって遊離塩基性化合物に単純に変換し、その後、医薬として許容される酸付加塩に遊離塩基を変換することが望まれる。本発明の塩基性化合物の酸付加塩は、水性溶媒、又はメタノール若しくはエタノールのような適した有機溶媒中で、実質的に同量の選択されるミネラル又は有機酸を用いてこの塩基性化合物を処理することによって容易に調製される。溶媒の注意深い蒸発により、所望の固体塩が容易に得られる。本発明の前述した塩基性化合物の医薬として許容される酸付加塩を調製するために使用される酸は、非毒性な酸付加塩、即ち、医薬として許容される陰イオンを含有する塩を形成するものであり、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩もしくは硫酸水素塩、リン酸塩若しくは酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩若しくは酸性クエン酸塩、酒石酸若しくは塩酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩[即ち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]を形成するものである。
【0033】
本発明はまた、同位体標識した化合物の使用を含み、式Iで引用された化合物と同一だが、実際には、1個又はそれより多くの原子が、天然には通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換される。本発明の化合物に取り込むことができる同位元素の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位元素、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clを含む。前述した同位元素及び/又は他の原子の他の同位元素を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、及び前記化合物又は前記プロドラッグの医薬として許容される塩は、本発明の範囲内である。本発明のある種の同位体標識した化合物、例えば、3H及び14Cのような放射性同位元素を取り込んだ化合物は、薬物及び/又は基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化、即ち、3H、及び炭素−14、即ち、14Cの同位元素は、それらの調製及び検出の容易さのために特に好ましい。さらに、デューテリウム、即ち、2Hのようなより重い同位元素による置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボでの半減期の増加又は投与量要求性の減少に起因するある種の治療的利点を提供することができ、それ故、ある状況では好ましいかもしれない。本発明の式Iの同位体標識した化合物及びそのプロドラッグは、一般的には、下記のスキーム及び/又は実施例に開示される方法を実行することによって、非同位体標識した試薬の代わりに容易に利用可能な同位体標識した試薬によって製造することができる。
【0034】
用語「アルキル」は、本明細書中で使用するとき、他に指示がない限り、直鎖、分岐若しくは環状部分又はそれらの組み合わせを有する飽和一価炭化水素基を含む。「アルキル」基の例は、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、3−エチルブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル等を含む。
【0035】
用語「複素環」は、本明細書中で使用されるとき、他に指示がない限り、芳香族及び非芳香族環系を含む少なくとも1つのN、O、又はSを含有する4、5又は6員環を含み、5又は6員の芳香族、ヘテロ芳香族、非芳香族炭素環、又は非芳香族複素環への縮合を含む。複素環の例は、限定されないが、フラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、テトラゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダザイン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、及び縮合した二環式複素環類:インドリジン、インドール、イソインドール、インドリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、アゼチジン、オキセタン、及びエチレンジオキシベンゼンを含む。
【0036】
用語「1個又はそれより多くの置換基」は、本明細書中で使用するとき、利用可能な結合部位の数に基づいて、可能な置換基の1個から最大限の数までの等しい置換基数を意味する。
用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、本明細書中で使用するとき、他に指示がない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
【0037】
いくつかの本発明の化合物の構造は、不斉炭素原子を含むことに気づくであろう。したがって、このような不斉から生ずる異性体(例えば、全ての鏡像異性体及びジアステレオマー)は、他に指示がない限り、本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。このような異性体は、古典的な分離技術によって、そして、立体化学的に制御した合成によって実質的に純粋な形態で得ることができる。さらに、本出願において開示した構造及び他の化合物及び部分はまた、全てのその互変異性体を含む。
【0038】
用語「治療すること」は、本明細書中で使用するとき、このような用語があてはまる障害又は症状、あるいはこのような症状又は症障害の1つ又はそれより多くの症候の進行を逆転、緩和、阻害、又はそれを予防することを意味する。
【0039】
用語「治療」は、本明細書中で使用するとき、「治療すること」を直前で定義したような治療行為を意味する。用語「治療」はまた、治療されるべき障害に関連した、又はそれによって引き起こされた少なくとも1つの症候の縮小又は緩和を含む。例えば、治療は、障害のいくつかの症候の縮小、又は障害の完全な根絶であることができる。
式Iの化合物及びそれらの医薬として許容される塩はまた、集合的に、「本発明の新規な化合物」及び「本発明の活性化合物」として本明細書中に言及される。
【0040】
本発明の追加の利益及び特徴は、実施例及び添付の特許請求の範囲と一緒にして、下記の詳細な説明の検討から当業者に明らかになるであろう。しかしながら、本発明が種々の形態の態様を可能にする一方で、本明細書中に記載された特定の態様に本発明を限定することを意図しないことの理解と共に、本発明の好ましい特定の態様が下記に開示されることに気づくべきである。
【0041】
発明の詳細な説明
本発明の式Iの化合物は、下記の反応スキームに記載したように調製することができる。他に指示がない限り、続く反応スキーム及び検討のR1−R8は、上記で定義される通りである。
【0042】
【化2】

【0043】
式Iの化合物及びそれらの医薬として許容される塩は、経口(例えば、皮下、静脈内、筋内、胸骨内、及び注入技術)、直腸、口内、又は鼻腔内経路のいずれかを介して、哺乳動物に投与することができる。治療されるべき患者の種、体重及び状態、並びに薬剤への患者個々の応答、そして、選択される医薬製剤の形、及びこのような投与が実行される期間及び間隔に依存して、変形が必然的に生じるであろうが、一般的に、これらの化合物は、約0.1mg〜1000mg/日の範囲の服用量で、1回又は分割服用(即ち、1〜4回服用/日)で最も望ましく投与される。しかしながら、一日当り約25mg〜約100mgの範囲である服用レベルは、最も望ましく採用される。いくつかの場合において、上述の範囲の下限を下回る服用レベルは、より十分であるかもしれないが、一方、他の場合には、さらに多くの服用量が、任意の有害な副作用を引き起こすことなしに採用されてもよく、ただし、このようなより高い服用レベルは、その日を通した投与についていくつかの少ない服用量ではじめに分割されることを条件とする。
【0044】
本発明の化合物は、以前に指示した経路のいずれかによって、単独で、又は医薬として許容される担体若しくは希釈剤と併用して投与されてもよく、このような投与は、1回又は複数回の服用で実行されてもよい。より具体的には、本発明の新規な治療薬は、広範な種々の異なった剤形で投与することができ、即ち、それらは、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、トローチ、ハードキャンディ、坐薬、ジェル、ゲル、ペースト、軟膏、水性懸濁液、注入可能な溶液、エリキシール剤、シロップ等の形態で、種々の医薬として許容される不活性な担体と併用してもよい。このような担体は、固体希釈剤又はろ過剤、無菌水性媒体及び種々の非毒性有機溶媒等を含む。さらに、経口用医薬組成物は、適切に甘味及び/又は香味を付すことができる。一般的に、本発明の新規化合物と医薬として許容される担体の重量比は、約1:6〜約2:1、そして好ましくは約1:4〜約1:1の範囲であろう。
【0045】
経口投与用として、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、及びグリシンのような種々の賦形剤を含有する錠剤は、スターチ(及び好ましくはコーン、ポテト又はタピオカスターチ)、アルギン酸及びある種の錯ケイ酸塩のような種々の崩壊剤、並びに、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン及びアカシアのような顆粒化結合剤と共に使用してもよい。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルクのような潤滑剤は、しばしば、錠剤化の目的に非常に有用である。類似形の固体組成物はまた、ゼラチンカプセル剤のろ過剤として使用することができ;これに関連して好ましい材料はまた、ラクトース又はミルク糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁液及び/又はエリキシール剤が経口投与用に望まれる場合、活性成分は、種々の甘味剤又は香味剤、着色物質又は色素、そして、望む場合には、同様に乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及び種々のそれらの組み合わせのような希釈剤と組み合わせることができる。
【0046】
非経口投与については、ゴマ油若しくはピーナッツ油のいずれか、又は水性プロピレングリコール中の本発明の化合物の溶液を使用することができる。水溶液は、必要であれば安定に緩衝化(好ましくは8より大きいpH)すべきであり、液体希釈剤は初めに等浸透圧にしてもよい。これらの水溶液は、静脈注射の目的に適切である。油性溶液は、動脈内、筋内及び皮下注射の目的に適切である。無菌条件下での全てのこれらの溶液の調製は、当業者に周知の標準的な製剤技術によって容易に達成される。
【0047】
本発明は、ADHD、不安、うつ病、統合失調症、及び本発明の方法の記述に言及したその他の障害のような中心神経障害又は症状を治療する方法に関し、ここで、本発明の新規化合物及び上記で言及した1又はそれより多くのその他の活性剤(例えば、NK1受容体アンタゴニスト、精神安定薬、抗精神病薬、三環系抗うつ薬、5HT1B受容体アンタゴニスト、又はセロトニン再吸収阻害剤)は、同じ医薬組成物の一部として、一緒に投与され、並びに、本発明は、このような活性剤が併用療法の利益を得るために設計された適切な服用計画の一部として別々に投与される方法に関する。適切な服用計画、投与される活性剤の各服用量、及び各活性剤の服用間の特定の間隔は、治療されるべき患者、投与される特定の活性剤、並びに治療されるべき特定の障害又は症状の性質及び重度に依存するであろう。一般的に、本発明の新規化合物は、単一の活性剤又は別の活性剤と併用して使用される場合、1回又は分割した服用で、1日当り約3mg〜約300mg、好ましくは1日当り約25〜約100mgの量で、成人に投与されるであろう。このような化合物は、1日当り最大6回、好ましくは1日当り1〜4回、特に1日当り2回、そして最もよくは特に1日当り1回の処方のより投与されてもよい。それにもかかわらずに、変形は、治療されるべき動物の種、及び当該薬剤に対するその個々の応答、並びに選択される医薬製剤の形及びこのような投与が実行される期間及び間隔に依存して生ずる。ある場合には、前述の範囲の下限を下回る服用レベルは、より十分であるかもしれないし、一方、他の場合では、さらにより多くの服用量が、任意の有害な副作用を生じることなく使用されてもよいが、ただし、このようなより多くの服用量は、その日を通じた投与のためにいくつかの小さい服用量にまず分割されることを条件とする。
【0048】
本発明の併用法及び組成物において、上記で言及した症状を治療するための平均的な成人への経口、非経口、又は口内投与に関する非定型な抗精神病薬、好ましくはピプラシドン(piprasidone)の提案される毎日の投与量は、単位服用量当り非定型の抗精神病薬の約0.1mg〜約2000mg、好ましくは約1mg〜約200mgであり、例えば1日当り1〜4回投与され得る。本発明の併用法及び組成物において、上記で言及した症状を治療するための平均的な成人への経口、非経口、直腸内又は口内投与に関する5HT1B受容体アンタゴニストの提案される毎日の投与量は、単位服用量当り5HT1B受容体アンタゴニストの約0.01mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約200mgであり、例えば1日当り1〜4回投与され得る。
【0049】
鼻腔内投与又は吸入による投与については、本発明の新規化合物は、適切な高圧ガス、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガスの使用を伴って、患者による圧搾又はポンプで注入されるポンプスプレイ容器からの溶液又は懸濁液の形態で、あるいは、加圧容器又は噴霧器からのエアロゾルスプレイ押出しとして慣用的に輸送される。加圧したエアロゾルの場合、服用単位は、測定した量を輸送するための値を提供することによって決定される。加圧容器又は噴霧器は、活性化合物の溶液又は懸濁液を含有することができる。吸入器又は吹き入れ器(insufflator)における使用のためのカプセル及びカートリッジ(例えば、ゼラチンから作製される)は、本発明の化合物、及びラクトース又はスターチのような適した粉末基材の粉末混合物を含有して製剤化することができる。平均的な成人における上記で言及した症状を治療するための本発明の活性化合物の製剤化は、各計量した服用量又はエアロゾルの「一回の吸入(puff)」が活性化合物の20μg〜1000μgを含有するように整えられることが好ましい。エアロゾルを伴う一日の全服用量は、100μg〜10mgの範囲内であろう。投与は、毎日複数回、例えば2、3、4又は8回であってよく、毎回、例えば1、2又は3服用量を与える。
【0050】
hNET及びセロトニンSERT受容体に結合する本発明の化合物の能力は、慣用的な放射性リガンド結合アッセイを用いて決定することができる。受容体は、細胞株に異種由来的に発現され、下記に概要した方法を用いて細胞株からの膜調製物において実験を行った。IC50濃度は、特異的結合における濃度依存的減少の非線形回帰によって決定することができる。IC50をKi濃度に変換するためにCheng−Prussoff式を使用することができる。
【0051】
hNET受容体結合:
ヒトノルエピネフリン・トランスポーターをトランスフェクトしたHEK−293細胞の細胞ペーストは、Pfizer Ann Arborのタンパク質発現及び生産グループによって供給された。ペレットを400〜700mlのKrebs−HEPESアッセイ緩衝液(25mM HEPES、122mM NaCl、3mM KCl、1.2mM MgSO4、1.3mM CaCl2、及び11mM グルコース、pH7.4)中にPolytronホモジナイザーを用いてセッティング7で30秒間再懸濁した。膜のアリコート(5mg/mlタンパク質)を使用するまで液体窒素中に保存した。
【0052】
結合アッセイは、Beckmanの深底ウェルのポリプロピレンプレート中で、薬物(10-5M〜10-12M)、細胞膜、及び50pMの[125I]−RTI−55(Perkin Elmer,NEX−272;特異的活性2200Ci/mmol)を含有する全容積250μlを用いて開始した。室温で90分間穏やかな撹拌によって反応物をインキュベートし、Brandelの96ウェルプレートハーベスターを用いてWhatman GF/Cフィルタープレートを通してろ過によって反応を停止した。シンチレーション液(100μl)を各ウェルに添加し、結合[125−I]−RTI−55をWallac Trilux Beta Plate Counterを用いて測定した。試験化合物を二重で行い、特異的結合は10μMのデシプラミンの有無における結合の差異として定義した。
【0053】
Excel及びGraphPad Prismソフトウェアは、データ計算及び分析のために使用した。IC50値は、Cheng−Prusoff式を用いてKi値に変換した。
【0054】
hSERT受容体結合:
ヒトセリトニン(seritonin)トランスポーターでトランスフェクトしたHEK−293細胞の細胞ペーストは、Pfizer Ann Arborタンパク質発現及び生産グループによって供給された。ペレットを400〜700mlのKrebs−HEPESアッセイ緩衝液(25mM HEPES、122mM NaCl、3mM KCl、1.2mM MgSO4、1.3mM CaCl2、及び11mM グルコース、pH7.4)中にPolytronホモジナイザーを用いてセッティング7で30秒間再懸濁した。膜のアリコート(5mg/mlタンパク質)を使用するまで液体窒素中に保存した。
【0055】
結合アッセイは、Beckmanの深底ウェルのポリプロピレンプレート中で、薬物(10-5M〜10-12M)、細胞膜、及び50pMの[125I]−RTI−55(Perkin Elmer,NEX−272;特異的活性2200Ci/mmol)を含有する全容積250μlを用いて開始した。室温で90分間穏やかな撹拌によって反応物をインキュベートし、Brandelの96ウェルプレートハーベスターを用いてWhatman GF/Cフィルタープレートを通してろ過によって反応を停止した。シンチレーション液(100μl)を各ウェルに添加し、結合[125−I]−RTI−55をWallac Trilux Beta Plate Counterを用いて測定した。試験化合物を二重で行い、特異的結合は10μMのシタロプラムの有無における結合の差異として定義した。
Excel及びGraphPad Prismソフトウェアは、データ計算及び分析のために使用した。IC50値は、Cheng−Prusoff式を用いてKi値に変換した。
【0056】
本発明の化合物のhNET活性を表1に記載する。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【実施例】
【0061】
実施例1
6−フルオロ−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン
【化3】

【0062】
アニリン(3.36ml、36.88mmol)、2,5−ジフルオロニトロベンゼン(4.00ml、36.88mmol)、及び乾燥THF(37ml)を合わせ、氷水浴中で冷却した。リチウム・アミド(2.12g、92.2mmol)を淡いオレンジ色の溶液に非常にゆっくりと添加し、濃い紫色の混合物を90分間撹拌した。水層がpH=1になるまで3N HClを用いて反応を停止させた。この層を分別して、水層をEtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機物をブライン(50ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。暗いオレンジ色の固形物を20% CH2Cl2/ヘキサンで溶離するシリカのプラグを通してろ過し、所望の製造物を5.012g(58%)を得た。
【0063】
【化4】

【0064】
【化5】

【0065】
(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミン(5.012g、21.5mmol)をEtOAc/MeOH(50ml/50ml)に溶解し、5% Pd/C(0.50g)を装填した。懸濁液を水素でパージし、反応物を室温で水素雰囲気(1気圧)下で18時間撹拌した。触媒をろ過で取り出し、EtOAcで洗浄した。ろ液を濃縮して、物質を30% CH2Cl2/ヘキサンで溶離するシリカ上でクロマトグラフィーを行い、3.285g(75%)の所望の製造物を得た。
【0066】
【化6】

【0067】
【化7】

【0068】
4−フルオロ−N−フェニル−ベンゼン−1,2−ジアミン(3.285g、16.24mmol)をシュウ酸ジエチル(6.6ml、48.73mmol)と合わせ、N2雰囲気下で145℃で18時間加熱した。灰色の懸濁液を室温まで冷却し、エーテル(40ml)を添加した。固形物をろ過し、エーテルで洗浄し、空気乾燥させて、3.528g(84%)の所望の製造物を得た。
【0069】
【化8】

【0070】
【化9】

【0071】
6−フルオロ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン(2.010g、7.84mmol)を無水DMF(5.5ml)及び無水トルエン(78ml)と合わせた。塩化チオニル(0.89ml、12.16mmol)を添加し、懸濁液をN2下で3時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、粗製物質をEtOAcで洗浄し、乾燥するまで濃縮した。粗製物質をCH2Cl2を用いて溶離することによってフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1.86g(86%)の製造物を得た。
【0072】
【化10】

【0073】
【化11】

【0074】
3−クロロ−6−フルオロ−1−フェニル−1H−キノキサリン−2−オン(0.398g、1.449mmol)をピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.08g、5.8mmol)及びメシチレン(5ml)と合わせた。混合物を145℃で5時間加熱した。反応物を水/EtOAc(15ml/15ml)との間で分割し、有機物を分別した。水層をEtOAc(3×25ml)で抽出した。合わせた有機物をブライン(25ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。粗製物質をCH2Cl2で5分間、その後、35% EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、0.568g(92%)の所望の製造物を得た。
【0075】
【化12】

【0076】
【化13】

【0077】
4−(7−フルオロ−3−オキソ−4−フェニル−3,4−ジヒドロ−キノキサリン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.562g、1.324mmol)をトリフルオロ酢酸(2.65ml)及び水(0.26ml)と合わせた。反応物を室温で1時間撹拌した。反応物をMeOH(5ml)で希釈し、5% AcOH/MeOHで予め洗浄した10gのVarian Mega Bond Elut SCXカラムを通した。洗浄物がpH中性になるまでMeOHを用いてカラムは即座に溶離され、その後、1.0M NH3/MeOHを用いて溶離して製造物を得た。ろ過物を濃縮し、そして、EtOAcで洗浄物を洗浄し、乾燥するまで濃縮した(3回)。固形物をEtOAcに溶解し、セライトのプラグを通してろ過し、そして乾燥するまで濃縮した。固形物をヘキサン/エーテルで洗浄し、ろ過し、そして、65℃で真空にして乾燥させ、0.347g(80%)の所望の製造物を得た。
MP=150−152℃
1817FN4O・0.05C482についての分析、計算値:C,66.49;H,5.33;N,17.04;F,5.78.実測値:C,66.18;H,5.24;N,16.93;F,5.80.
【0078】
【化14】

【0079】
HPLC:97.70%、4.647分、214nM、Phenomenex Luna 5u C18、4.6×150mm、65:35(H2O/MeOH)+0.1% TFA、1ml/分.
【0080】
実施例2
1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン塩酸塩
【化15】

【0081】
実施例1に記載した方法に続いて本化合物が提供されるが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンを用いた。HCl塩は、EtOAc中の親化合物の0.03M溶液をエーテル中の1NのHCl溶液の1当量で処理することによって、収率92%で得た。
MP=290−292℃.C18184O・1.0HCl・0.15H2O・0.03C482についての分析:C,62.51;H,5.66;N,16.09;Cl,10.18.実測値:C,62.52;H,5.47;N,16.10;Cl,10.38.
【0082】
実施例3
1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン塩酸塩
【化16】

【0083】
(2−フルオロ−フェニル)−(2−ニトロ−フェニル)−アミン(5.012g、21.5mmol)をEtOAc/MeOH(300ml/110ml)に溶解し、10% Pd/C(0.50g)を装填した。懸濁液を水素でパージし、反応物を室温で水素雰囲気(1気圧)下で4時間撹拌した。触媒をろ過で取り出し、EtOAcで洗浄した。ろ液を濃縮して、4.35g(99%)の所望の製造物を得た。
【0084】
【化17】

【0085】
【化18】

【0086】
N−(2−フルオロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(4.26g、21.06mmol)をシュウ酸ジエチル(11.4ml、84.26mmol)と合わせ、N2雰囲気下で145℃で18時間加熱した。灰色の懸濁液を室温まで冷却し、エーテル(40ml)を添加した。固形物をろ過し、エタノール(2×5ml)で洗浄し、空気乾燥させて、4.67g(86%)の所望の製造物を得た。
【0087】
【化19】

【0088】
MS(APCI+):257(M+1,100%)
【0089】
【化20】

【0090】
1−(2−フルオロ−フェニル)−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン(2.016g、7.87mmol)を無水DMF(5.2ml)及び無水トルエン(75ml)と合わせた。塩化チオニル(0.9ml、12.34mmol)を添加し、懸濁液をN2下で3時間加熱還流した。反応を水(40ml)で停止させ、有機物を分別し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。粗製物質をCH2Cl2に即座に溶解し、その後、25%のEtOAc/ヘキサンで溶離することによってシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1.26g(58%)の製造物を得た。
【0091】
【化21】

【0092】
【化22】

【0093】
3−クロロ−1−(2−フルオロ−フェニル)−1H−キノキサリン−2−オン(1.254g、4.565mmol)をピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.40g、22mmol)及びメシチレン(6ml)と合わせた。混合物を140℃で90分間加熱した。反応物を水/EtOAc(50ml/50ml)との間で分割し、有機物を分別した。水層をEtOAc(3×25ml)で抽出した。合わせた有機物をブライン(25ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。粗製物質をCH2Cl2で5分間、その後、30% EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1.86g(96%)の所望の製造物を得た。
【0094】
【化23】

【0095】
【化24】

【0096】
4−[4−(2−フルオロ−フェニル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−キノキサリン−2−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.137g、2.679mmol)をトリフルオロ酢酸(14ml)及び水(1.4ml)と合わせた。反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を体積で3等分に分割し、各部分を5% AcOH/MeOHで予め洗浄した10gのVarian Mega Bond Elut SCXカラムを通した。洗浄物がpH中性になるまでMeOHを用いてカラムは即座に溶離され、その後、1.0M NH3/MeOHを用いて溶離して製造物を得た。ろ過物を濃縮し、そして、EtOAcで洗浄物を洗浄し、乾燥するまで濃縮した(3回)。固形物をEtOAcに溶解し、セライトのプラグを通してろ過し、そして乾燥するまで濃縮した。固形物をエーテルで洗浄し、ろ過し、そして空気乾燥させ、1.380g(60%)の所望の製造物を得た。
【0097】
【化25】

【0098】
【化26】

【0099】
1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン(0.425g、1.310mmol)をEtOAc(60ml)に溶解した。1N HCl/エーテル(1.3ml)を溶液に滴下して添加し、そして、懸濁液を室温で15分間撹拌した。メタノール(5ml)を添加し、そして、混合物室温で45分間撹拌した。固形物をろ過し、95℃で一晩真空下で乾燥させ、0.2518g(53%)の所望の製造物を得た。
MP=261−263℃.C1817FN4O・1.0HCl・0.40H2Oについての分析:C,58.74;H,5.15;N,15.22;Cl,9.63;F,5.16.実測値:C,58.73;H,5.06;N,14.88;Cl,9.70;F,5.23.
【0100】
【化27】

【0101】
実施例4
1−(2−クロロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン
【化28】

【0102】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で表題化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(2−クロロ−フェニル)−(2−ニトロ−フェニル)−アミンを使用した。
MP=135−137℃.C1817ClN4O・0.03C410Oについての分析:C,63.44;H,5.08;N,16.33;Cl,10.34.実測値:C,63.23;H,4.92;N,16.07;Cl,10.28.
【0103】
実施例5
3−ピペラジン−1−イル−1−o−トリル−1H−キノキサリン−2−オン
【化29】

【0104】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で表題化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(2−ニトロ−フェニル)−o−トリル−アミンを使用した。
MP=151−153℃.C19204O・0.06C482・0.02C410Oについての分析:C,70.93;H,6.37;N,17.13.実測値;C,70.84;H,6.30;N,17.12.
【0105】
実施例6
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン
【化30】

【0106】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で表題化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(3−フルオロ−フェニル)−(2−ニトロ−フェニル)−アミンを使用した。
MP=149−150℃.C1817FN4O・0.02C482についての分析:C,66.59;H,5.30;N,17.18;F,5.83.実測値:C,66.77;H,5.10;N,17.08;F,5.87.
【0107】
実施例7
マレイン酸3−ピペラジン−1−イル−1−p−トリル−1H−キノキサリン−2−オン
【化31】

【0108】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で親化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(2−ニトロ−フェニル)−p−トリル−アミンを使用した。マレイン酸塩は、EtOAc中の親化合物の0.10M溶液をメタノール(1ml)中の1当量のマレイン酸で処理することによって、収率94%で得た。
MP=197−199℃.C19204O・C444についての分析:C,63.29;H,5.54;N,12.84.実測値:C,63.23;H,5.45;N,12.74.
【0109】
実施例8
7−フルオロ−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン
【化32】

【0110】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で表題化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(5−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンを使用した。
MP=142−143℃.C1817FN4Oについての分析:C,66.65;H,5.28;N,17.27;F,5.86.実測値:C,66.47;H,4.94;N,17.05;F,5.71.
【0111】
実施例9
7−メチル−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン
【化33】

【0112】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で表題化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(5−メチル−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンを使用した。
MP=166−168℃.C19204O・0.09C4H10Oについての分析:C,71.10;H,6.44;N,17.13.実測値:C,70.71;H,6.37;N,17.37.
【0113】
実施例10
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン
【化34】

【0114】
2,6−ジフルオロアニリン(3.97ml、36.88mmol)、2,5−ジフルオロニトロベンゼン(4.00mlg、36.88mmol)、及び乾燥THF(40ml)を合わせ、氷水浴中で冷却した。リチウム・アニリド(2.12g、92.2mmol)を淡いオレンジ色の溶液に非常にゆっくりと添加し、濃い紫色の混合物を2時間撹拌した。反応を3N HCl(20ml)を用いて停止させ、水層がpH=1になるまで濃HClで酸性にした。この層を分別して、水層をEtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機物をブライン(50ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。暗いオレンジ色の固形物を40% CH2Cl2/ヘキサンで溶離するシリカのプラグを通してろ過し、所望の製造物9.054g(92%)を得た。
【0115】
【化35】

【0116】
【化36】

【0117】
(2,6−ジフルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−アミン(4.006g、14.9mmol)をEtOAc/MeOH(50ml/50ml)に溶解し、5% Pd/C(0.40g)を装填した。懸濁液を水素でパージし、反応物を室温で水素雰囲気(1気圧)下で18時間撹拌した。触媒をろ過で取り出し、EtOAcで洗浄した。ろ液を濃縮して、物質を15% EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカ上でクロマトグラフィーを行い、3.262g(92%)の所望の製造物を得た。
【0118】
【化37】

【0119】
【化38】

【0120】
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−4−フルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミン(3.262g、13.69mmol)をシュウ酸ジエチル(7.4ml、41mmol)と合わせ、N2雰囲気下で150℃で18時間加熱した。NaH(1.10g、60%w/w、27.4mmol)を反応物に添加し、そして、150℃で2時間加熱した。1N HClを用いて反応を停止させ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そしてEtOAcで溶離するシリカのプラグを通した。ろ過物を濃縮し、緑色の油状物を得た。エーテル(40ml)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。青緑色の固形物をろ過し、空気乾燥させて、2.545g(63%)の所望の製造物を得た。
【0121】
【化39】

【0122】
【化40】

【0123】
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン(1.000g、3.422mmol)を無水DMF(2.5ml)及び無水トルエン(35ml)と合わせた。塩化チオニル(0.39ml、5.3mmol)を添加し、懸濁液をN2下で3時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、粗製物質をEtOAcで洗浄し、乾燥するまで濃縮した。粗製物質をCH2Cl2を用いて溶離することによってシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、0.782g(74%)の製造物を得た。
【0124】
【化41】

【0125】
【化42】

【0126】
3−クロロ−1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−1H−キノキサリン−2−オン(0.350g、1.127mmol)をピペラジン−1−炭酸tert−ブチルエステル(0.839g、4.50mmol)及びメシチレン(5ml)と合わせた。混合物を150℃で5時間加熱した。反応物を水/EtOAc(15ml/15ml)との間で分割し、有機物を分別した。水層をEtOAc(3×25ml)で抽出した。合わせた有機物をブライン(25ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。粗製物質をCH2Cl2で用いて5分間溶離し、その後、25% EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、0.522g(99%)の所望の製造物を得た。
【0127】
【化43】

【0128】
【化44】

【0129】
4−[4−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−7−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−キノキサリン−2−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.515g、1.118mmol)をトリフルオロ酢酸(2.24ml)及び水(0.22ml)と合わせた。反応物を室温で1時間撹拌した。反応物をMeOH(5ml)で希釈し、5% AcOH/MeOHで予め洗浄した10gのVarian Mega Bng Elut SCXカラムを通した。洗浄物がpH中性になるまでMeOHを用いてカラムは即座に溶離され、その後、1.0M NH3/MeOHを用いて溶離して製造物を得た。ろ過物を濃縮し、そして、EtOAcで洗浄物を洗浄し、乾燥するまで濃縮した(3回)。固形物をEtOAcに溶解し、セライトのプラグを通してろ過し、そして乾燥するまで濃縮した。固形物をヘキサン/エーテルで洗浄し、ろ過し、そして、65℃で真空にして乾燥させ、0.317g(79%)の所望の製造物を得た。
MP=146−147℃.
181534O・0.03C482についての分析、計算値:C,59.96;H,4.23;N,15.44;F,15.70.実測値:C,59.93;H,4.15;N、15.29;F、15.59.
【0130】
【化45】

【0131】
実施例11
マレイン酸1−(2−クロロ−フェニル)−3−[1,4]ジアゼパン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン
【化46】

【0132】
実施例1に記載の方法に続いて親化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(2−クロロ−フェニル)−(2−ニトロ−フェニル)−アミン、及び工程5のピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用した。マレイン酸塩は、EtOAc中の親化合物の0.11M溶液をメタノール(1ml)中の1当量のマレイン酸で処理することによって、収率91%で得た。
MP=159−161℃.C1919ClN4O・C444についての分析:C,58.66;H,4.92;N,11.90;Cl,7.53.実測値:C,58.63;H,4.84;N,11・85;Cl,7.48.
【0133】
実施例12
3−[1,4]ジアゼパン−1−イル−1−(3−フルオロ−フェニル)−1H−キノキサリン−2−オン
【化47】

【0134】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で表題化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(2−クロロ−フェニル)−(2−ニトロ−フェニル)−アミン、そして、工程5のピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用した。
MP=128−129℃.C1919FN4O・0.06C482についての分析:C,67.24;H,5.71;N,16.30;F,5.53.実測値:C,67.18;H,5.68;N,16.17;F,5.41.
【0135】
実施例13
マレイン酸3−[1,4]ジアゼパン−1−イル−1−p−トリル−1H−キノキサリン−2−オン
【化48】

【0136】
実施例1に記載の方法に続いて、親化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりに(2−ニトロ−フェニル)−p−トリル−アミン、そして、工程5のピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用した。マレイン酸塩は、EtOAc中の親化合物の0.10M溶液をエタノール(1ml)中の1当量のマレイン酸で処理することによって、収率91%で得た。
MP=199−200℃.C20224O・C444についての分析:C,63.99;H,5.82;N,12.44.実測値:C,63.83;H,5.97;N,12.21.
【0137】
実施例14
3−[1,4]ジアゼパン−1−イル−6−フルオロ−1−フェニル−1H−キノキサリン−2−オン
【化49】

【0138】
実施例1に記載の方法に続いて、類似の収率で表題化合物を得たが、工程5のピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用した。
MP=151−152℃.C1919FN4O・0.07C482・0.12H2Oについての分析:C,66.79;H,5.76;N,16.16;F,5.48.実測値:C,66.42;H,5.62;N,16.02;F,5.55.
【0139】
実施例15
マレイン酸3−[1,4]ジアゼパン−1−イル−1−イソプロピル−1H−キノキサリン−2−オン
【化50】

【0140】
実施例1に記載の方法に続いて親化合物を得たが、工程2の(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−フェニル−アミンの代わりにイソプロピル−(2−ニトロ−フェニル)−アミン、そして、工程5のピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用した。マレイン酸塩は、EtOAc中の親化合物の0.16M溶液をメタノール(1ml)中の1当量のマレイン酸を用いて処理することによって、収率85%で得た。
MP=147−149℃.C16224O・C444についての分析:C,59.69;H,6.51;N,13.92.実測値:C,59.46;H,6.53;N,13.87.
【0141】
実施例16
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン
工程1
(2,6−ジフルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−アミンの調製
【化51】

【0142】
窒素雰囲気下で乾燥THF1000mL中の2,6−ジフルオロアニリンの溶液496.5mL(4.611mol、2.50当量)に、498g(4.518mol、2.45当量)のtert−五酸化ナトリウムを一度に添加した。温度を43℃まで上昇させ、反応物は暗い紫色に変化し、反応物を2.5時間撹拌しながら温度を43℃まで戻した。反応物に200ml(1.844mol、1.00当量)の2,5−ジフルオロニトロベンゼンを滴下して添加した。試薬を添加しながら、反応を発熱還流し、穏やかな還流を維持するように添加速度を調整した。添加が終了した後、反応物を1時間撹拌させ、反応が完了していることをHPLCによって確かめた。反応物を1500mLの3M HClを用いて酸性にし、相を分別させた。有機物を2000mLのIPAで希釈し、THFを全て除去するように蒸留物温度が82℃に達するまで大気で蒸留した。2000mLの水を添加して製造物を沈殿させ、−10℃まで冷却した。沈殿の固形物を500mLのIPAで洗浄し、乾燥させて、HPLCによって95.38%純度の406.30g(82.15%)の暗褐色の固形物を得た。
【0143】
【化52】

【0144】
工程2
(2,6−ジフルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−シュウ酸エチルエステルの調製
【化53】

【0145】
2350mLのEtOAc中の(2,6−ジフルオロ−フェニル)−4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)アミンの587.34g(2.190mol、1.00当量)に915mL(6.57mol、3.00当量)のトリエチルアミンを添加した。この溶液に367mL(3.285mol、1.500当量)の塩化エチルオキサリルを滴下して添加した。反応は発熱するため、添加速度は、温度<40℃を維持するように調整した。添加後、反応物を1.5時間撹拌し、HPLCによって反応が完了していることを確かめた。3M HClを用いてpH=1に反応物を酸性にし、相を分別した。有機層にラネーニッケル還元−還化を施した。
【0146】
工程3
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン
【化54】

【0147】
800mLのEtOAc中の(2,6−ジフルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−シュウ酸エチルエステルの205.00g(556.67mmol、1.00当量)の溶液を同容積のMeOHで希釈し、その後、40g 10%のPd触媒、55%の水で処理し、水素の取り込みが止むまで得られたスラリーをParr水素化装置で50PSIで振とうした(1.7時間)。ろ過した試料のHPLCは、出発物質のヒドロキサム酸への変換を完了したことを示した。触媒をろ過によって取り除き、100gのスポンジニッケル触媒を添加した。HPLCが中間体のヒドロキサム酸の完全な消費及び所望の製造物の形成を示すまで、50℃、50PSIで加熱しながら、得られたスラリーをParr水素化装置で振とうした。反応物を通気し、窒素でパージし、そして注意深くろ過した。固形物をさらに加温したMeOHで洗浄し、ろ過物を合わせた。ろ過物を濃縮して、赤色の固形物を得て、それを300mLのDCM中でスラリーにし、ろ過して、135.10g(83%)のオフホワイト色の固形物を得た。
【0148】
【化55】

【0149】
【化56】

【0150】
機械的スターラー、熱電温度計及び追加の通気筒/冷却器を装備した3Lの3口フラスコに、CH2Cl2(1500mL)中でキノキソロンをスラリーにした。DMF(7.34mL、0.1当量)を添加した。塩化チオニル(約10mL)を添加し、39℃まで温度上昇する原因となりガスを放出した。塩化チオニルの残り(全量83mL)を3回分に分けて滴下して添加し、約37℃の温度で操作可能な速度でのガス流を維持した。反応物を一晩撹拌したが、その時点では反応物がまだスラリーのままであり完了しなかった(NMR分析により判断した)。次に、反応物を40℃に加熱し、その時点で、ガス抜き処理し、還流しながら2時間撹拌した。反応はまだ完了しなかった(NMR分析により判断した)。追加の塩化チオニル(5mL)を添加し、反応物をもう1時間撹拌し、その時点では完了したようであった。薄い緑色のスラリーは次の工程で直接使用した。
【0151】
【化57】

【0152】
ピペラジンをCH2Cl2(1000mL)に溶解した。工程4による塩化イミノイル溶液を30分かけて滴下して添加し、15℃から38℃までの温度上昇の原因となった。得られた薄いスラリーを2時間撹拌した。2時間後のHPLC分析は反応が完了したことを示した。反応物を冷却し、一晩維持した。反応混合物を炭酸カリウム水溶液に注いだ。有機層を1N HCl(2×1000mL)で抽出した。反応容積が約2000mLに達するまで有機層を大気圧(45℃)で蒸発させた。ヘプタン(1500mL)を添加し、蒸留温度を98℃まで緩やかに上昇させ、この時点で、反応容積は約1500mLであった。反応混合物を室温までゆっくり冷却し、一晩そのままにした。得られた固形物をろ過によって単離した(420g、収率96%)。
【0153】
【化58】

【0154】
熱電温度計、追加の通気筒及び機械的スターラーを装備した3口の被覆した反応器中で反応を行った。ジャケット温度を25℃にセットした。中間体(400g、1.0当量)を塩化メチレンに溶解した(2000mL)。トリフルオロ酢酸(268mL、4.0当量)を4回に分けて滴下して添加し、約29℃までの温度上昇の原因となった。追加の通気筒を還流冷却器に交換した。ジャケット温度を43℃(内部は39℃まで上昇)まで上昇させ、反応物を一晩撹拌させた。HPLCによって反応が約90%まで完了していると判断され、さらに24時間撹拌し、その時点で、ガス抜きを止め、HPLCによって反応が完了していると判断された。反応物を13℃まで冷却した。水酸化カリウム(約25%w/w溶液の1000mL)を4回に分けて滴下して添加し、約20℃以下の温度を維持した。塩化メチレン(約500mL)及び水(約200mL)。水層を除去した。有機層を水(約1000mL)で洗浄し、水層を除去した。約500mLが残りまで有機層を大気圧で蒸発させた。イソプロパノール(約1500mL)を添加し、反応物を65℃まで加熱した。最終圧250torrで真空を適用することによって蒸留をこの温度で維持した。溶媒の比率が約200:1のIPA:CH2Cl2(全反応容積は約1200mLであった)になるまで蒸留を続けた。IPAを用いて反応物を全容積1.5Lまで希釈し、その後、12℃/時で50℃まで冷却した。シード(約2g)を添加し、反応物を12℃/時で0℃まで冷却し、一晩撹拌した。試料を取り出し、PXRD分析は形態Aを指示した。次に、反応物をろ過し、空気を湿ったケーキを通して一晩引いた。湿ったケーキは、9:1の水:IPA(1000mL)でスラリーにし、1時間25℃で撹拌した。スラリーをろ過し、得られた湿ったケーキを真空オーブンで乾燥させ、オフホワイト色の固形物としてPF−881003を得た(190g、収率61%)。
【0155】
医薬組成物実施例
下記の実施例において、用語「活性化合物」又は「活性成分」は、上記の本発明に係る化合物、又は、例えば、A2Dリガンド、SRI、非定型の抗精神病薬などの別の活性薬物及び/又は本発明に係る医薬として許容される塩若しくは溶媒和物との組み合わせを意味する。
【0156】
(i)錠剤組成物
下記の組成物A及びBは、ポビドンの溶液を用いて、成分(a)−(c)及び(a)−(d)の湿式顆粒化、その後、ステアリン酸マグネシウムの添加及び圧縮によって調製することができる。
【0157】
【表5】

【0158】
【表6】

【0159】
【表7】

【0160】
下記の組成物D及びEは、混ぜた成分の直接圧縮によって調製することができる。製剤Eに使用されるラクトースは、直接圧縮形のものである。
【0161】
【表8】

【0162】
【表9】

【0163】
【表10】

【0164】
組成物は、ポビドンの溶液を用いて、成分(a)−(c)の湿式顆粒化によって、その後、ステアリン酸マグネシウムの添加及び圧縮によって調製することができる。
【0165】
組成物G(腸溶性被服錠剤)
組成物Cの腸溶性錠剤は、25mg/錠剤の腸溶性重合体、例えば酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はメタクリル酸及びメタクリル酸メチルエステルのアニオン性重合体(Eudragit L)を用いて錠剤を被覆することによって調製することができる。Eudragit Lを除いて、これらの重合体はまた、適用中又は貯蔵中に膜亀裂を防ぐために10%(使用した重合体の量の重量比)の可塑剤を含む。適した可塑剤は、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、及びトリアセチンを含む。
【0166】
組成物H(腸溶性被服した放出制御錠剤)
組成物Fの腸溶性被服錠剤は、50mg/錠剤の腸溶性重合体、例えば、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はメタクリル酸及びメタクリル酸メチルエステルのアニオン性重合体(Eudgragit L)を用いて錠剤を被覆することによって調製することができる。Eudgragit L)を除いて、これらの重合体はまた、適用中又は貯蔵中に膜亀裂を防ぐために10%(使用した重合体の量の重量比)の可塑剤を含む。適した可塑剤は、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、及びトリアセチンを含む。
【0167】
(ii)カプセル剤組成物
組成物A
カプセル剤は、上記の組成物Dの成分を混合し、得られる混合物を用いて2つに分けた硬質ゼラチンカプセルを充填することによって調製することができる。組成物B(下記)は類似の方法で調製することができる。
【0168】
【表11】

【0169】
【表12】

【0170】
カプセル剤は、マクロゴール4000BPを溶融し、溶融物に活性成分を分散させ、そしてそれと共に2つに分けた硬質ゼラチンカプセルを充填することによって調製することができる。
【0171】
【表13】

【0172】
カプセル剤は、レシチン及びラッカセイ油に活性成分を分散させ、軟質、腸溶性ゼラチンカプセルを分散物と共に充填することによって調製することができる。
【0173】
【表14】

【0174】
放出制御カプセル製剤は、押出機を用いて混合した成分(a)−(c)を押出し、その後、球形化し、押出物を乾燥させることによって調製することができる。乾燥したペレットを放出制御膜(d)を用いて被覆し、2つに分けた硬質ゼラチンカプセルに充填した。
【0175】
【表15】

【0176】
腸溶性カプセル組成物は、押出機を用いて混合した成分(a)−(c)を押出し、その後、球形化し、押出物を乾燥させることによって調製することができる。乾燥したペレットを可塑剤(e)を含有する腸溶性膜(d)で被覆し、2つに分けた硬質ゼラチンカプセルに充填した。
【0177】
組成物G(腸溶被服した放出制御カプセル剤)
組成物Eの腸溶性カプセル剤は、50mg/カプセル剤の腸溶性重合体、例えば、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はメタクリル酸及びメタクリル酸メチルエステルのアニオン性重合体(Eudragit L)を用いて錠剤を被覆することによって調製することができる。Eudragit L)を除いて、これらの重合体はまた、適用中又は貯蔵中に膜亀裂を防ぐために10%(使用した重合体の量の重量比)の可塑剤を含む。適した可塑剤は、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、及びトリアセチンを含む。
【0178】
【表16】

【0179】
活性成分を35−40℃で大分リン酸緩衝液に溶解し、次に容積を嵩上げし、無菌の微孔質フィルターを通して無菌の10mlガラスバイアル(1型)にろ過し、無菌のクローザー及びオーバーシールで密封する。
【0180】
【表17】

【0181】
活性成分をグリコフロールに溶解する。次に、ベンジルアルコールを添加し、水を3mlまで添加する。その後、混合物を無菌の微孔質フィルターを通してろ過し、無菌の3mlガラスバイアル(1型)に密封する。
【0182】
【表18】

【0183】
安息香酸ナトリウムを精製水の一部に溶解し、ソルビトール溶液を添加する。活性成分を添加し溶解する。得られる溶液をグリセロールと混合し、その後、精製水で必要な容積まで嵩上げする。
【0184】
【表19】

【0185】
Witepsol H15の5分の1を最大45℃で蒸気ジャケットパンで溶融させる。活性成分を200lmのこし器でふるいにかけ、滑らかな分散物が達成するまで、切断頭部を装備したSilversonを用いて混合しながら溶融した塩基物に添加した。混合物を45℃に維持しながら、残りのWitepsol H15を懸濁液に添加し、均一な混合物を確実にするために撹拌する。次に、全懸濁液を250lmのステインレススチールスクリーンを通過させ、40℃まで冷却を許しながら連続的に撹拌する。38−40℃の温度で、2.02gの混合物のアリコートを適したプラスチック鋳型に充填し、坐薬を室温まで冷却する。
【0186】
【表20】

【0187】
上記成分を直接混合し、得られる混合物の圧縮によってペッサリーを調製する。
【0188】
【表21】

【0189】
活性成分及びアルコールUSPをヒドロキシエチルセルロースを用いてゲル化し、表面積10cm2を有する経皮装置に詰め込む。
本明細書で引用した全ての参考文献は、全体として及び全ての目的のために参照により援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
1は、H、(C1−C6)アルキル、又はハロゲンであり;
2及びR3は、独立して、H、(C1−C6)アルキル、又はハロゲンから選択され;
nは、1又は2であり;
4−R8は、独立して、H及び(C1−C8)アルキルから選択される}
で表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは誘導体。
【請求項2】
2がハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2及びR3がフルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1がフルオロであり、nが1であり、及びR8=Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
1がフルオロであり、R2及びR3がフルオロであり、nが1であり、及びR8=Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン塩酸塩;
1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン塩酸塩;
1−(2−クロロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
3−ピペラジン−1−イル−1−o−トリル−1H−キノキサリン−2−オン;
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
3−ピペラジン−1−イル−1−p−トリル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩;
7−フルオロ−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
7−メチル−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
6−フルオロ−1−フェニル−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−3−ピペラジン−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン;
1−(2−クロロ−フェニル)−3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩;
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1−(3−フルオロ−フェニル)−1H−キノキサリン−2−オン;
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1−p−トリル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩;
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−6−フルオロ−1−フェニル−1H−キノキサリン−2−オン;そして
3−[1,4]ジアゼパム−1−イル−1−イソプロピル−1H−キノキサリン−2−オン・マレイン酸塩
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1に定義される化合物、及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項8】
ノルエピネフリン機能不全、単純一過性若しくは再発性大うつ病性障害、気分変調性障害、抑うつ神経症及び神経症性うつ病、食欲不振、体重減少、不眠症、早朝覚醒若しくは精神運動遅滞を含む憂うつ質うつ病;食欲増進、過眠症、精神運動性激越若しくは過敏症、季節的情動障害及び小児うつ病を含む非定型的うつ病若しくは反応性うつ病;双極性障害若しくは躁うつ病、例えば双極I型障害、双極II型障害及び循環病;行為障害;注意欠陥多動障害(ADHD);崩壊性行動障害;精神発達障害、自閉性障害、及び行為障害と関連した行動障害;不安障害、例えば広場恐怖症を伴う若しくは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴がない広場恐怖症、特定の動物恐怖症を含む特定恐怖症、社会不安、社会不安障害を含む社会恐怖症、強迫性障害及び関連するスペクトル障害、心的外傷後ストレス障害を含むストレス障害、急性ストレス障害及び慢性ストレス障害、並びに全般性不安障害;境界型人格障害;統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想障害、短期精神障害、共有精神障害、妄想若しくは幻覚を伴う精神障害、不安の精神病エピソード、精神病と関連した不安、重篤な大うつ病性障害のような精神病気分障害を含む統合失調症及び他の精神障害;双極性障害と関連した急性躁病及びうつ病のような精神病と関連した気分障害;統合失調症と関連した気分障害;譫妄、痴呆、並びに健忘症及び他の認識若しくは神経変性障害、例えばパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆、アルツハイマー型痴呆、記憶障害、実行機能の喪失、脳血管性痴呆、及びHIV病、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病による又は複数の病因による他の痴呆;運動障害、例えば無動症、家族性発作性ジスキネジアを含むジスキネジア、痙縮、トゥーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動性−硬直症候群;錐体外路運動障害、例えば薬剤誘導の運動障害、例えば神経抑制薬誘導のパーキンソン症候群、神経抑制薬による悪性症候群、神経抑制薬誘導の急性緊張異常、神経抑制薬誘導の急性アカシジア、神経抑制薬誘導の遅発性ジスキネジア及び薬剤誘導の姿勢振戦;中毒障害及び退薬症候群、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン、精神興奮物質、ニコチン、又はフェノバルビタールの依存性又は中毒を含む薬物依存及び中毒、及びギャンブル中毒を含む行動中毒;眼球障害、例えば緑内障、アルコール、ニコチン、及び他の精神興奮物質によるものを含む虚血性網膜症中毒障害及び退薬症候群、抑うつ気分、不安、混合性不安及び抑うつ気分、行為の障害、及び行為と気分の混合性障害含む適応障害;アルツハイマー病を含む年齢関連学習及び精神障害;神経性食欲不振;無関心;注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動障害(ADHD)並びにその認識されるサブタイプを含む一般的な医学的症状による注意欠陥又は他の認識障害;神経性過食症;慢性疲労症候群;疼痛;慢性疼痛;循環気質障害;思春期うつ病及び小うつ病を含むうつ病;身体化障害、転換性障害、疼痛障害、ヒポコンドリー、身体醜形障害、未分化身体表現性障害、及び身体表現性NOSを含む線維筋痛症及び他の身体表現性障害;緊張性尿失禁、真性緊張性尿失禁、及び混合性尿失禁を含む尿失禁;泌尿器障害;早漏;吸入障害;アルコール中毒を含む中毒障害;躁病;片頭痛;肥満又は過体重の患者を減少することを含む肥満;レストレスレッグ症候群;反抗挑戦性障害;末梢神経障害;糖尿病性神経障害;疱疹後神経痛;月経前症候群及び黄体期後期精神症状を含む月経前不快気分障害;顔面潮紅;発作睡眠、不眠症及び夜尿症を含む睡眠障害;特異的発達障害;選択的セロトニン再吸収阻害(SSRI)「停止(poop out)」症候群;及びヒトを含む哺乳動物におけるトゥーレット疾患を含むTIC障害から成る群から選択される障害又は症状を治療する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に請求項1に記載の化合物の量を投与することを含む、前記方法。
【請求項9】
治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、注意欠陥多動障害、泌尿器障害、疼痛、早漏、又は線維筋痛症を治療する方法。
【請求項10】
(2,6−ジフルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−アミン;
(2,6−ジフルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−オキサラミン酸エチルエステル;及び
1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン
から選択される化合物。

【公表番号】特表2008−509212(P2008−509212A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525385(P2007−525385)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002916
【国際公開番号】WO2006/016278
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】