説明

中間セッションモード切換での固定携帯通信

通信セッションの間にモードアジャイル通信を実行するための方法が開示される。多数のアクセスモードに対応する通信端末装置(104、118、124B、124A)は、第1アクセスモード通信を含むセッションの間、第2アクセスモードが利用可能で、かつセッションに対する後続通信に使用されるべき時を判断するよう構成される。通信端末装置(104、118、124B、124A)は、1つのアクセスモードから他のモードへの切換を開始又は制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年8月13日に出願された米国仮特許出願No.60/601256に基づき米国特許法119条による優先権主張を伴い、その全体は、参考のために本明細書において示される。
【0002】
本発明に従う実施形態は一般に、マルチモード通信を提供することに関し、具体的には、セッション開始プロトコル(SIP)ベースの固定モバイル集中型の通信サービスを提供することに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の通信システムは、ソースから送信先へデータを伝えるための無線及び/又は有線通信技術を採用することができる。一般に、ユーザは、音声、データ及び/又はメッセージサービス等の特定種類の通信サービスにアクセスするための各種専用装置を採用する。例えば、携帯電話は、無線音声呼を作成するために使用でき、個人用デジタル補助装置(PDA)は、電子メールメッセージを送受信するために使用でき、ファクシミリ機械は、一般電話システム(POTS)地上線を用いてファクシミリ送信に使用でき、及び/又はデスクトップコンピュータは、シールドツイストペア上のデジタル加入者線(DSL)を用いてマルチメディアアプリケーションにアクセスすることができる。結果として、これらの送信専用又はネットワーク専用装置は、ユーザが所望の一連の通信機能を実行するために多数の装置を有する必要があることを意味する。多数の装置の必要性は、強力な通信ソリューションの提供をさらに複雑にする。
【0004】
また、各装置がサービスプロバイダとの固有のサービス契約又は加入を要求することがあるため、通信ソリューションを複雑にしているという事実がある。例えば、ユーザは、携帯電話サービスのための無線通信事業者とのサービス契約、DSLサービスのための別個のプロバイダとのサービス契約、及び従来の地上電話サービスのための他のサービス契約をも有することがある。ユーザによって使用された各装置に対する固有の識別子を有する必要性は、現在の通信ソリューションを一層複雑なものにしうる。各サービスプロバイダは、そのネットワークに関連付けられた固有の識別子をユーザが有することを要求しうる。例えば、ユーザは、携帯電話アカウントのためにそれらに割当てられた1つの数と、地上線アカウントのために割当てられた別個の数と、DSLアカウントに割当てられた電子メールアドレス又はイーサネット(登録商標)アドレスとを有することがある。結果として、ユーザは、これら識別子を管理する必要があり、ユーザに対して通信するために第三者がこれら識別子を有していることを確実にしなければならないことがある。
【0005】
一般に、どのような通信手段又はモードがそれらに利用可能かを通じてパーティ間で通信を有効にすることが望まれる。例えば、携帯又は無線ユーザは、PSTNユーザとの電話呼を直ちに交換することができる。しかし、例えば電話発呼者が個人コンピュータ上でインスタントメッセージクライアントに対して直ちに通信することができるところまで、未だ技術が広く開発されていない。この種類の相互通信に対応する要望に加えて、同一の装置からの様々な通信モードを使用する時でも、ユーザが自由に任意の利用可能な通信モードを採用することが所望とされる。従って、最近開発されたいくつかの装置は、多数の通信モードに対応することができる。例えば、2G又は3Gを介して通信する従来の携帯電話装置は、近隣のWiFi“ホットスポット”を認識し、後者を介して通信を確立するよう備えられることもできる。
【0006】
一つより多い無線プロトコル又は搬送周波数帯域に対応できる無線通信装置等のマルチモード通信装置に照らして、いくつかの通信モードは、時々利用可能なことがある。任意の所定時間及び場所において、ある種類の通信は、近接性、低コスト、良好な品質又は比較的高い信頼性によって他の通信よりも好ましいことがある。しかし通信モードの選択は、ネットワークによって制御され、セッションの開始時又はセッションの間の任意の時間で発生することがある。アクセスモードがセッションの継続中に変わる、いわゆる“ミッドコールハンドオフ”は、警告なく行われ、パーティ間での通信を少し妨害することがある。
【0007】
また、ネットワーク常駐エンティティによって開始される1つのモードから他のモードへの変更は、ユーザにとってあまり好ましくないモードへの突発的な接続の変更をもたらすことがある。例えば、優れた信号強度での接続は、比較的狭い帯域幅、比較的低いセキュリティ又は比較的高いコストを示すことがある。アクセスモードの中間セッション切換は、ユーザの願望又はプリファレンスに関係なく発生することがあり、好ましくない動作をもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願の開示に従う各種実施形態は、ネットワーク制御のアプローチとは対照的に、携帯通信装置によって開始又は管理されるべきアクセスモードの中間セッション変更を提供する。また、各種実施形態は、装置のユーザの選択又はプリファレンスに当然払うべき注意を払って当該モード切換を実行する装置を提供する。
【0009】
1実施形態に従って、ネットワークにアクセスする通信端末装置を含む通信セッションを実行するための方法が提供される。例示的な方法は、通信端末装置において、第1アクセスモードを介してセッションに相当する通信を実行する過程と、通信端末装置において、セッションに相当する通信に第2アクセスモードが利用可能であることを判断する過程と、通信端末装置から、第2アクセスモードが使用されるべきネットワークに指示を送信する過程と、通信端末装置において、第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程とを含む。
【0010】
本発明のもう1つの実施形態によると、通信セッションに従事し、第1アクセスモードを介してセッションに相当する通信を実行し、第2アクセスモードが利用可能か判断し、第2アクセスモードがセッションの通信に使用されるべきネットワークに指示を送信し、第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する通信装置が提供される。いくつかの実施形態において、装置は、アクセスモード切換が発生すべきことを指示するためにセッション中にネットワークへSIP INVITEメッセージを送信することができる。
【0011】
本願の開示のもう1つの実施形態に従って、方法は、通信端末装置を含む通信セッションを実行するための通信ネットワークにおいて実行される。方法は、ネットワーク及び装置間で第1アクセスモードを介してセッションに相当する通信を実行する過程と、ネットワーク及び装置間の第2アクセスモードがセッションに相当する後続通信に用いられるべき指示を装置から受信する過程と、ネットワーク及び装置間の第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程とを具備する。第1アクセスモードによって有効にされた装置のモビリティの程度は、第2アクセスモードによって有効にされたモビリティと比較して実質的に異なることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の原理に従う実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図面における同一参照番号は、同一又は類似要素を特定する。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定しない。代わりに、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲及びその均等の範囲によって画定される。
【0013】
本明細書で使用されるように、“アクセス”という用語は一般に、通信ネットワークの加入者又はユーザがいくつかの形式の送信リンクを介してネットワークへどのように通信可能に連結されるかについて言及する。異なるアクセスモードの例は、CDPD、3G、WiMax、WiFi、イーサネット(登録商標)ベースのLAN/WAN及び従来の電話加入者ループである。アクセスモードは例えば、占有された高周波帯域、送信符号化/多重化スキーム、送信プロトコル、又は使用された伝搬媒体(無線、有線、光等)の点で異なることがある。
【0014】
“固定モバイル集中”の概念は、例えば高モビリティ2G通信及び低モビリティWiFiリンクの両方を使用するセッションをどのようにモードアジャイル装置及び通信システムが持続することができるかを検討するに当たって生じる。2G無線を使用することによって、広範なエリア上で自由なモビリティを可能にするが、所定のWiFiリンクが比較的かなりローカライズされるため、相対的に固定される。一般に、電気的連結は、さらにローカライズされる。
【0015】
また、システム及び方法は、単独のマルチモード通信装置を使用して、シームレスに或いは時として同時に、マルチメディア、声、データ、メッセージング及び/又はビデオ等の、任意の種類の固定及び/又はモバイル通信を実質的に実行可能にする。例えば、単独の無線装置は、インターネットネットワーク、2G/3Gモバイルネットワーク、時分割多重化(TDM)ネットワーク、無線フィデリティ(Wi−Fi)のような無線ネットワーク及びインターネットプロトコル(IP)ベースの構内電話交換(PBX)システムネットワークに限定されないが、それらを含む任意の種類のネットワークを実質的に介して呼を発するために使用されることができる。また、実施形態は、加入者装置からの要請を介して1つの通信モードから他の通信モードへの切換を容易にすることができる。加入者装置は、ユーザ入力を介して自動、半自動又は手動でモード切換を開始するよう構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザは、任意の特定セッションのコンテキストの前及び外で、いつどのような状況でモード切換が許容されるかを特定することができる。また、ユーザプリファレンスが表明され、かつそれに従って通信装置が作用することができる各種技術は、以下に説明される。
【0016】
例示的なネットワーク
図1は、マルチアジャイル通信セッションを提供するためのシステム及び方法が本発明の原理に従って実施されることができる例示的なネットワークのブロック図である。ネットワーク100は、無線及び/又は有線装置間の通信を容易にするよう採用されることができ、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)102、個人用デジタル補助装置(PDA)104、ネットワーク106、SIPモビリティサーバ108、加入者宅内機器(CPE)インタフェース110、デスクトップコンピュータ112、IP電話114、マルチモードソケット116、ハンドヘルドコンピュータ118、2G/3G無線ネットワーク120、無線ゲートウェイ122、2G無線装置124A、3G無線装置124B、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)126、PSTN電話128及びネットワークゲートウェイ130を含むことができる。
【0017】
無線LAN102は、PDA104等の無線通信装置へのローカルエリア接続性を提供できる任意の装置及び/又はネットワークを含むことができる。無線LAN102は、無線ルータ、アクセスポイント、切換、ネットワークアドレス変換器(NAT)等のネットワークハードウェアを含むことができる。無線LAN102は、有線及び/又は無線リンクを介してネットワーク106にインタフェースすることができる。例えば、無線LAN102は、IEEE802.11bプロトコル等の無線フィデリティ(Wi−Fi)プロトコルを実行することができる。無線LAN102は、PDA104等のユーザ装置を、ハンドヘルドコンピュータ118、2G無線装置124A及び/又はPSTN電話128等の、他のネットワーク上で動作するユーザ装置に接続することができる。
【0018】
PDA104は、動作を実行する機械読取可能な命令を処理できる任意の無線装置を含むことができる。例えば、PDA104は、無線リンク上でデータを送受信するための無線トランシーバを有するハンドヘルド装置を含むことができる。また、PDA104は、ソフトウェアアプリケーション、メモリ、ユーザディスプレイ装置、及び/又はユーザ入力装置を実行するためのマイクロプロセッサを含むことができる。ユーザ入力装置として、タッチセンシィティブディスプレイ、キーパッド及び/又はマイクロフォン等が挙げられる。PDA104は、スタンドアローンの装置として実施されることができ、又は無線電話等の他の装置に関連付けられた機能性を組込むことができる。PDA104は、無線LAN102等の一つ以上の無線ネットワークに対してデータを送受信するのに用いることができる。
【0019】
ネットワーク106は、ワールドワイドウェブのような広域ネットワーク(WAN)等の、任意の種類のネットワーク或いは一組のネットワークを含むことができる。また、ネットワーク106は、ルータ、切換及び/又はファイアウォール等の転送及び/又はネットワーク装置を含むことができる。ネットワーク106は、無線LAN102、CPEインタフェース110、無線ゲートウェイ122及び/又はネットワークゲートウェイ130に対して送受信されるデータのための主要な転送基盤として動作することができる。ネットワーク106の実施形態は、インターネットプロトコル(IP)ネットワークとして動作することができる。ネットワーク106は、非同期転送モード(ATM)、フレームリレー、同期光ネットワーク(SONET)又は統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)等の、任意のデータネットワーキング又は通信プロトコルを実質的に実行する他のネットワークに協働することができる。
【0020】
ネットワーク106は、無線装置を用いてシームレス通信を向上するために用いることができる一つ以上のネットワークプロトコルに対応することができる。例えば、セッション開始又は呼設定のために、ネットワーク106は、マルチメディア集中型サービスを容易にするのに適した他のプロトコルだけでなく、SIPと、インスタントメッセージング及びプレゼンス活用の拡張(SIMPLE)と、ENUM等の単独のIP通信プロトコルとに対応することができる。ネットワーク106は、ネットワーク106において動作する固定及び/又はモバイル装置に関連付けられたネットワーク識別のデータベースを維持するために、単独又はSIPモビリティサーバ108と同時に動作するSIPホーム登録機関を含むことができる。
【0021】
ネットワーク106は、ネットワーク106に関連付けられた1つ以上のネットワークのシグナリング範囲内にある無線装置の利用可能性を判断及び/又は検出するために、無線ゲートウェイ122等の一つ以上のゲートウェイと同時に動作することができる。ネットワーク及び/又はゲートウェイによって検出された無線装置は、存在情報に相当することができ、関連付けられたエンドユーザによる通信の受信可能性を意味又は示す。存在を判断することは、無線装置を検出すること、無線装置を識別すること、及び/又は無線装置で受信及び/又は伝送できる一つ以上のネットワークプロトコルを判断することを含むことができる。同様に、ディスプレイサイズ、コーデックスキーム又は対応するメディア種類等の、装置の機能も感知されることができる。ネットワーク106は、無線装置の動的登録に基づき無線装置に対して自動的に検出及び/又は通信するよう構成されることができる。これは、ユーザが手動で明示的な登録をする必要性を取除く。
【0022】
SIPモビリティサーバ108(以下、SIPサーバー108)は、IP音声呼及び/又はマルチメディア会議電話等のセッションを生成、変更及び/又は終了するためのSIPシグナリングプロトコルを採用できる任意の装置を含むことができる。SIPサーバー108は、トラステッドドメインで動作する時にエンドユーザ及び/又はエンドシステムの識別を他のSIPサーバーがアサートできるようにするためのプライベート拡張で増強されることができる。例えば、SIPサーバー108は、URI等のユーザ及び/又はネットワーク識別子のデータベースを維持するためのSIP登録機関として動作することができる。ネットワーク識別子は、被呼者の装置を見つけるために使用されることができる。例えば、ユーザは、無線SIP電話に関連付けられた固有のネットワーク識別子を有することが想定できる。携帯装置は、ネットワーク全体を介し及び/又はネットワークを横切って移動することができるので、SIP登録機関は、無線SIP電話が特定の時点で到達しうるネットワークの特定部分にネットワーク識別子を関連付ける情報を維持することができる。無線SIP電話が1つの位置から他の位置へ移動する時、SIP登録機関データベースは、装置の現在位置を反映するために更新されることができる。SIP登録機関は、SIPベースのマルチモード通信セッションを容易にするために、ソース装置及び送信先装置の両方に対してネットワーク識別子を維持することができる。
【0023】
ネットワーク100内における1つ以上のSIPサーバーの使用は、シームレスなモードアジャイル通信を容易にすることができる。1つより多いSIPサーバーがネットワーク100で動作している時、1つのSIPサーバーは、ホーム登録機関として動作することができ、他のSIPサーバーは、訪問SIPサーバーとして動作することができる。本発明の実施形態は、訪問SIP登録機関及び/又はSIPサーバーの必要なしでモードアジャイル通信を容易にするためのホーム登録機関として動作する単独のホームSIPサーバーを使用することができる。SIPサーバー108は、ネットワーク100と同時に動作するSIP装置の代わりに、ネットワーク100を横切るSIPメッセージの転送を容易にするためにSIPプロキシサーバーの機能性等、ホーム登録機関として機能する時に追加の機能性を含むことができる。
【0024】
CPEインタフェース110は、一つ以上の加入者宅内機器部分をネットワーク106へ通信可能に連結できる任意の装置を含むことができる。CPEインタフェース110は、オフィスビル、大学キャンパス、政府施設及び/又は病院等の、一つ以上の加入者位置に関連付けられることができる。CPEインタフェース110は、加入者所有の通信装置をネットワーク106に連結するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。また、CPEインタフェース110は、ファイアウォール及び/又はネットワークアドレス変換(NAT)等のセキュリティ装置を含むことができる。また、1つの実施形態において、CPEインタフェース110は、マルチモードソケット116(以下、ソケット116)と同時に動作するデスクトップコンピュータ112とIP電話114とをネットワーク106に接続する加入者LANを含むことができる。CPEインタフェース110は、ネットワーク106が利用可能なデータを作成する前にデスクトップコンピュータ112、IP電話114及び/又はソケット116から通信データを集約することができる。
【0025】
デスクトップコンピュータ112は、動作を実行するための機械読取可能な命令を処理できる任意の装置を含むことができる。デスクトップコンピュータ112は、個人用コンピュータ、ラップトップ、サーバー及び/又はワークステーション等の従来のコンピュータを含むことができる。IP電話114は、パケットネットワーク上で電話音声データストリームを送受信できる任意の電話装置を含むことができる。例えば、イーサネット(登録商標)LANに直接に連結されることができるSIPベースのIP電話である。また、マルチモードソケット116が示すとおり、IP電話器具は、マルチモード通信装置に対してアクセスポイントとしての機能を果たすことができる。マルチモードソケット116は、IP電話がソートのパススルーとして機能する状態で、マルチモード通信装置に対して便利なアクセスポイントを提供する。例えば、マルチモード装置は、バッテリ充電、スピーカ付電話又はエンハンスドディスプレイ機能だけでなく、ネットワーク接続性を受信するためにソケットへ“ドック”することができる。マルチモード装置は、IP電話114のLAN接続を介して接続をなす。この配列は、LANの差込口を節約し、ユーザの便宜に供する。適切に装着された場合、また、マルチモード通信装置は、電気的又は物理的接続が装置間で必要とされないように、IP電話へブルートゥース無線接続を確立することができる。マルチモード通信装置は、ブルートゥースリンクの利用可能性を感知し、ユーザが望む場合にはアクセスモードの切換を実行することができる。マルチモード装置は、IP電話の識別を感知し、IP電話の識別に従ってブルートゥースアクセスリンクを選択的に有効にすることができる。
【0026】
IP電話は、企業内等における一組の当該電話を構内電話交換(PBX)として機能させる一部の“IP PBX”システムにすることができる。PBX電話は、企業内ダイアルプランを実施し、呼送信、呼転送、電子機器での会議、代理応答及び/又はハントグループの対応等、向上された呼機能を提供する。
【0027】
ハンドヘルドコンピュータ118は、動作を実行するために機械読取可能な命令を処理できる任意の装置を含むことができる。例えば、ハンドヘルドコンピュータ118は、データを送受信するための無線通信インタフェースを有するパームトップコンピュータを含むことができる。ハンドヘルドコンピュータ118の実施形態は、無線LAN102、2G/3G無線ネットワーク120及び/又はネットワーク106で動作することができる。
【0028】
2G/3G無線ネットワーク120は、2G及び/又は3G準拠の無線信号を送受信できる任意のネットワークを含むことができる。例えば、2G/3G無線ネットワーク120は、無線信号を送受信するための一つ以上のベースステーションを有するセルラーネットワークとして実施されることができる。ベースステーションは、無線装置124A及び124Bの一方及び/又は両方に関連付けられた被呼者に発呼者が連絡を試みる時、2G無線装置124A及び/又は3G無線装置124Bにデータを送信することができる。
【0029】
2G/3G無線ネットワーク120は、モバイルネットワークに関連付けられた加入者情報を含むデータベースを実施するためのホーム位置レジスタ(HLR)を含むことができる。HLRに含まれた情報は、加入者名、請求情報、アカウント状態及び/又は加入者の装置情報を含むことができる。HLRは、無線ネットワークの使用料金を加入者に請求する等の動作機能を実行するための支払サーバーのような他の装置に交信することができる。2G/3G無線ネットワーク120は、モビリティの手順をSS7アプリケーションに提供するためにモバイルアプリケーション部(MAP)プロキシを含むことができる。SS7のMAP層は、ローミング加入者にサービストランスパレンシ(service transparency)を提供する一方で、登録、認証及び/又は呼終了等のモビリティの機能に対応するプロトコル詳細を含むことができる。HLR及び/又はMAPプロキシは、2G無線装置124Aに2Gサービスを提供するために、及び/又は3G無線装置124Bに3Gサービスを提供するために2G/3G無線ネットワーク120で動作することができる。
【0030】
無線ゲートウェイ122は、無線LAN102、ネットワーク106及び/又はPSTN126等の他のネットワークで2G/3G無線ネットワーク120をインタフェースできる任意の装置を含むことができる。無線ゲートウェイ122は、2G/3G準拠のプロトコルをIP準拠のプロトコルに変換することができる。また、無線ゲートウェイ122は、ネットワーク106が利用可能なデータを作成する時、SIP等のプロトコルを実施することができる。無線ゲートウェイ122は、通信データを受信し、通信データを処理し、通信データをハンドオフし、及び/又はエラー報告或いは訂正のような他の機能を実行することができる。
【0031】
2G無線装置124Aは、2G準拠のデータを送受信できる任意の装置を含むことができる。例えば、2G無線装置124Aは、2G準拠の携帯電話、2G準拠のPDA及び/又は2G準拠のハンドヘルドコンピュータを含むことができる。3G無線装置124Bは、3G準拠のデータを送受信できる任意の装置を含むことができる。例えば、3G無線装置124Bは、3G準拠の携帯電話、3G準拠のラップトップコンピュータ及び/又はリモートモニタリング装置のような3G準拠の特定用途装置を含むことができる。
【0032】
PSTN126は、一般電話システム(POTS)準拠のデータを伝えることができる任意のネットワークを含むことができる。PSTN126は、“ツイストペア”の銅伝導体及び/又は光ファイバ上でデータを伝えるための電話局及び/又は切換を含むことができる。PSTN126は、さまざまな地点で、アナログ信号又はデジタル信号を受入れて伝えることができる。
【0033】
PSTN電話128は、PSTN及び/又はPOTS準拠のデータを送受信できる任意の装置を含むことができる。PSTN電話128は、スタンドアローン装置として実施されることができるか、又はモデムを有するデスクトップコンピュータのような他の装置に組込まれることができる。
【0034】
ネットワークゲートウェイ130は、PSTN及び/又はPOTS準拠のデータを、ネットワーク106、無線LAN102及び/又は2G/3G無線ネットワーク120に互換性があるフォーマットに変換できる任意の装置を含むことができる。ネットワークゲートウェイ130は、PSTNフォーマットから、ネットワーク106に互換性があるフォーマットへ変換するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。また、ネットワークゲートウェイ130は、ファイアウォール等のセキュリティ装置及び/又は手段を含むことができる。
【0035】
PDA104、IP電話114、ソケット116、2G電話124A及び/又は3G電話124B等の、SIP有効無線及び有線装置は、利用可能なネットワークに関連付けられた関連通信スタック及び/又は物理的ネットワークポートを用いて全ての利用可能なネットワークにアクセスするよう構成されることができる。例えば、通信スタック及び/又は物理的ネットワークポートは、無線LAN102、ネットワーク106、2G/3G無線ネットワーク120及び/又はPSTNネットワーク128から受信したデータ上で動作するよう適合されることができる。通信スタックは、特定のネットワークプロトコルに関連付けられた出入メッセージをパースするための呼可能機能又は呼出方法を含む実行可能なコードを用いてソフトウェアスタックとして実施されることができる。例えば、PDA104は、SIPデータグラムをパースするための通信スタックを含むことができる。通信スタックは、一つ以上のネットワークプロトコルで動作するクライアント装置と一つ以上のネットワークとの間の通信を可能にする。本発明の実施形態に従うSIP有効無線及び/又は有線装置は、1つの通信メディア又はモードから、他の通信メディアへハンドオフを開始することができる。ハンドオフは、通信セッション中に交換された装置の位置、ユーザプリファレンス及び/又はデータの種類に基づき開始されることができる。装置は、代わりの通信モード又はリンクの一部に対するその近接度を検出するか、或いは代わりの通信モード又はリンクの利用可能性を検出して、通信モードの変更を開始することができる。
【0036】
例示的な装置アーキテクチャ
図2は、本発明の原理に従うマルチモード通信端末又はエンドポイント装置の実施形態に用いることができる汎用通信装置の例示的な構成を示す。アーキテクチャ200は、本発明の精神から逸脱することなく、コンピュータ、ネットワーク装置及び/又は非マルチモード通信装置で実施されることができる。図2に関連して図示された実施形態は、例示的なものであり、代わりに他の配置が使用できる。
【0037】
アーキテクチャ200は、プロセッサ220、バス222、メモリ230、読取専用メモリ(ROM)240、記憶装置250、入力装置260、出力装置270及び通信インタフェース280を含むことができる。バス222は、アーキテクチャ200の構成要素の間で通信を可能にし、データ及び命令を伝達できる光学又は電気導体を含むことができる。
【0038】
プロセッサ220は、命令の解釈及び実行と並列プロセッサ構成等のスタンドアローン又は分散構成における実施とが可能な任意の種類の従来のプロセッサ、マイクロプロセッサ又は処理ロジックを含むことができる。メモリ230は、プロセッサ220が実行する情報及び命令を記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の種類の動的記憶装置を含むことができる。また、メモリ230は、プロセッサ220が命令を実行する間、一時的変数又は他の中間情報を記憶するのに使用されることができる。
【0039】
ROM240は、プロセッサ220のための静的情報及び命令を記憶する従来のROM装置及び/又は他の静的記憶装置を含むことができる。記憶装置250は、情報及び命令を記憶するための、磁気ディスク又は光学ディスク及びそれに相当するドライブ、及び/又はいくつかの他の種類の磁気又は光学記録媒体及びそれに相当するドライブを含むことができる。
【0040】
入力装置260は、キーボード、マウス、ペン、音声認識及び/又はバイオメトリックメカニズム等のような、オペレータがアークテクチャ200に情報を入力できる一つ以上の従来のインタフェース、構成要素及び/又はメカニズムを含むことができる。出力装置270は、オペレータに情報を出力する一つ以上の従来のメカニズムを含むことができ、ディスプレイ、プリンタ、一つ以上のスピーカ等を含むことができる。通信インタフェース280は、アーキテクチャ200が他の装置及び/又はシステムに対して通信できるようにする任意のトランシーバ型メカニズムを含むことができる。例えば、通信インタフェース280は、LANへのモデム又はイーサネット(登録商標)インタフェース、3G装置124Bを2G/3G無線ネットワーク120に連結するための無線トランシーバ等を含むことができる。
【0041】
アーキテクチャ200は、メモリ230に含まれた命令のシーケンスを実行するプロセッサ220に応じて処理を実行することができる。当該命令は、記憶装置250等の他のコンピュータ読取可能な媒体から、又は通信インタフェース280を介して別個の装置から、メモリ230が読取ることができる。コンピュータ読取可能な媒体は、任意のこれらのメディア上で命令が維持されることができるように、一つ以上のメモリ装置、搬送波又はデータ構造を含むことができることが理解されるべきである。メモリ230に含まれた命令シーケンスの実行は、方法図及び信号フロー図に関連して以下に説明される一定の行為をプロセッサ220に実行させることができる。代替の実施形態において、ハードワイヤードの回路構成は、アーキテクチャ200によって実行された機能を実施するためにソフトウェア命令に代替して又は関連して使用されることができる。また、他の実施形態は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、専用チップセット、又は不揮発性読取専用メモリに記憶されたファームウェアのような技術を含むことができる。故に、本発明に従う実施形態は、ハードウェア回路構成及びソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されない。
【0042】
当業者であれば、図2に関連して実施されることができる本明細書中に説明された各種機能又は動作の態様を理解することができる。例えば、通信インタフェース280は、いくつかの潜在的アクセスリンク又はアクセスモードの利用可能性又は相対的品質属性をモニタすることができる。この情報は、バス222を介してプロセッサ220に提供されることができ、実行過程は、切換を行うべきか否かを決定することができ、後の図で説明されるようにネットワークへシグナリングを送信することによって切換を開始することができる。また、プロセッサ220は、ユーザへ交信して切換に関するユーザプリファレンスを受信するために、及び提案又は実際の切換イベントをユーザに報告するために、(複数の)入力装置260及び(複数の)出力装置270を使用するユーザインタフェースアプリケーション又は過程を実行することができる。モード切換に関するユーザプリファレンスは、記憶装置250に持続的に記憶されるか、又はメモリ230に一時的に記憶されることができる。これらのプリファレンスは、切換に影響を与えるよう決定が行われるように、プロセッサ220によってアクセスされることができる。
【0043】
例示的なソフトウェア構成
図3は、本発明の原理に従うマルチモード通信装置で実施されることができる例示的なソフトウェア構成を示す。ソフトウェア構成300は、特にオペレーティングシステム302、アプリケーション304、サービス306、支払い308、エンターテイメント310、データ312、インタフェース314及びネットワーキング316を含むことができる。図3の例示的なソフトウェア構成は、通信セッションの間、特に実質的にアクティブ状態でセッションを維持する間、1つの通信モードから他の通信モードへの変更をマルチモード装置に開始させるよう構成されることができる。これは、アクセスモードの変更が発生する任意の時に通信パーティ間で通信を回復する必要性を回避する。理想的に、このモード変更は、ユーザ通信の妨害が殆どなく発生する。
【0044】
オペレーティングシステム302は、全ての動作を制御し、無線及び/又は有線マルチモード通信装置を機能するためのソフトウェアを含むことができる。例えば、オペレーティングシステム302は、無線装置上で動作するアプリケーション間でスケジューリング及び対話を制御することができる。オペレーティングシステム302は、電話番号、カレンダー入力及び/又は音声メッセージ等のユーザ入力を受入れるのに必要な機能性を含むことができる。オペレーティングシステム302は、メモリ使用量、インタフェース使用量及び/又は診断ルーチンを制御及び/又は管理することができる。オペレーティングシステム302の実施は、装置固有であり、特定のマルチモード通信装置の製造業者に依存して変更できる。
【0045】
アプリケーション304は、機能及び/又は一連の機能、及び/又は動作を実行するための機械実行可能な命令を含む一つ以上のソフトウェアアプリケーションを含むことができる。例えば、アプリケーションは、マルチモード通信装置上のカレンダーの維持を対象にすることができる。アプリケーション304は、ユーザ入力データを受入れることができ、またネットワークに連結されたサーバー上に常駐する一つ以上のリモートアプリケーションにデータを同期することができる。特に、いくつかのソフトウェア暗号化アプリケーション又は過程は、アクセスモード切換に関連してユーザから情報を収集し、アクセスモード切換が発生するか又は既に発生したことをユーザに報告し、アクセスモード切換を実行するか否かの選択に関する決定又は比較を行うよう作動する。
【0046】
サービス306は、マルチモード通信装置とサービスを提供する送信先装置との間の通信を容易にするための機械実行可能な命令を有するソフトウェアを含むことができる。例えば、サービスは、サービスプロバイダによって動作される電子メールサービスにすることができる。電子メールサービスは、無線マルチモード通信装置に対してメッセージを配信又は受信するよう動作する。サービス306の実施形態は、サービスネットワーク内の無線装置の位置に基づき無線装置に最新交通情報を配信するためのリアルタイム交通情報機能、リアルタイム株式取引情報、マルチモード通信装置の位置に基づきリアルタイム天気予報情報等の、任意の種類のサービスを含むことができる。
【0047】
支払い308は、一時的トランザクションを作成及び/又は受信するためのマルチモード通信装置と同時に動作する一つ以上のソフトウェアアプリケーションを含むことができる。例えば、無線マルチモード装置は、金融機関との交信を介してオンライン支払いを行うために支払いアプリケーションを実行することができる。
【0048】
エンターテイメント310は、エンターテイメント関連データの送信、受信及び/又はディスプレイを容易にするためのソフトウェアアプリケーションを含むことができる。例えば、エンターテイメントモジュールは、データ通信ネットワーク上で注文されたムービーをディスプレイするためのそれに関連付けられたLCDディスプレイを有するIP電話114上で動作することができる。
【0049】
データ312は、記憶されたデータを含む一つ以上のコンピュータ読取可能なデータ構造を含むことができる。データ312は、実質的に任意の種類のアプリケーション及び/又はサブジェクトに関連付けられたコンピュータ読取可能な情報を含むことができる。例えば、データ312は、無線マルチモード通信装置で受信された信号強度測定データを扱うコンピュータ読取可能な情報を含むことができる。例えば、無線マルチモード装置は、一つ以上の無線ネットワークから受信した信号強度を記録することができる。無線マルチモード装置は、どの無線ネットワークが信号強度データに基づき通信セッションに使用されるべきかを判断することができる。
【0050】
インタフェース314は、一つ以上の通信プロトコルを用いてネットワークに対する通信を容易にするソフトウェアを含むことができる。インタフェース314は、無線装置上の発信データを所定のネットワークに準拠するフォーマットへ変換するための機械読取可能な命令を含むことができる。例えば、インタフェース314は、2G無線装置124A上の発信データを2G/3G無線ネットワーク120に準拠するフォーマットへ変換するソフトウェアを含むことができる。インタフェース314は、受信データを2G無線装置124Aに準拠するフォーマットへ変換することができる。インタフェース314は、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、通信制御プロトコル(TCP)及びIPだけでなく他のプロトコルも用いて通信を容易にするための命令を含むことができる。インタフェース314は、受信データグラムをパースするための一つ以上の通信スタックを含むことができる。通信スタックは、受信データグラムからデータを抽出し、マルチモード通信装置上で動作する他のソフトウェアルーチンが抽出データを利用できるようにする。
【0051】
ネットワークインタフェース316は、一部の開放型システム間相互接続(OSI)モデル、即ちOSI層を実施するための機械読取可能な命令を含むことができる。例えば、ネットワークインタフェース316は、特定のネットワークプロトコルを実行するネットワークに対してマルチモード通信装置が通信できるようにするOSIモデルの物理層(層1)及び/又はデータリンク層(層2)の実施を容易にすることができる。ネットワークインタフェース316は、ネットワークインタフェースカード(NIC)等のハードウェアと同時に動作することができる。ネットワークインタフェース316は、マルチモード装置及び/又はそのユーザによって開始された命令に基づき、1つの通信モードから他の通信モードへマルチモード装置を変更するよう動作することができる。
【0052】
マルチモード通信装置は、ユーザが必要なものを満たすために、及び/又は各種ネットワークの種類との統合のために必要に応じて、他のソフトウェアの機能性を含むことができる。また、マルチモード通信装置は、全ソフトウェアアプリケーションが通信装置上に常駐するスタンドアローンモードで、及び/又は残りのソフトウェアがネットワーク接続を用いてリモートアクセスされる間に一部のソフトウェアが通信装置上に常駐する分散モードで、ソフトウェアを採用することができる。
【0053】
例示的な通信ソケット
図4は、マルチモード通信装置を連結するためのマルチモードソケットの例示的な実施形態を示す。本発明に従ういくつかのデザインにおいて、通信装置は、ソケットに対して、物理的に“ネスト”するか、又は機械的に連結することができるが、これは、本発明に必要なものではないことが分かる。また、通信装置は、ソケットに連結される時にいくつかの電気的接続を達成することができる。電気的接続は、直流だけでなくアナログ又はデジタル信号を提供することができ、装置の電力及び/又は装置のバッテリ充電に役立つことができる。通信装置はさらに又は代わりに、ソケットを介して通信を通過させるために、短距離無線信号又は光信号を採用することができる。図4に示されたマルチモード通信装置200は、インタフェース414を介してソケット116に連結される。インタフェース414は、所定のデザインの必要に応じて、機械的、電気的、電磁的又は光学的連結の任意の組合せを含むことができる。
【0054】
特に、ソケット116は、バッテリ充電器402、PC/ラップトップ同期モジュール404、イーサネット(登録商標)インタフェース406、ディスプレイ装置408、スピーカ410及び/又はマイクロフォン412を含むことができる。
【0055】
バッテリ充電器402は、バッテリを充電できる任意の装置を含むことができる。バッテリ充電器402は、2G無線装置124A等の通信装置を受入れるためのクレードルとして動作するよう構成及び配置されることができる。バッテリ充電器402は、2G無線装置124Aに関連付けられたバッテリを充電することができ、充電する間に2G無線装置124Aに対してデータを送受信するための電気的構成要素及び/又は光学メディアを含むことができる。例えば、ソケット116における広帯域光ファイバは、バッテリ充電器402上に搭載される時に2G無線装置124Aに関連付けられた対応する光ファイバコネクタに取外し可能に連結することができる。2G無線装置124Aは、バッテリ充電器402に係合される間、CPEインタフェース110及びソケット116を介してリモート装置に対する広帯域マルチモード通信に参加することを可能にする。代わりに、2G無線装置124Aは、ブルートゥース等の自由空間無線プロトコルを用いてソケット116へ通信することができる。
【0056】
PC/ラップトップ同期モジュール404は、携帯装置200と比較的固定されたPC又はラップトップコンピュータとの間で、電子メールファイル、カレンダーデータ及びアドレスブックデータの同期及び調整を可能にするために、携帯装置200(PDA等)へ通信することができる。ラップトップは、赤外線リンク及び/又は短距離無線リンク等のハードワイヤード接続又は自由空間リンクを用いてソケット116へ通信することができる。
【0057】
イーサネット(登録商標)インタフェース406は、利用可能なアクセスモードとしてダイレクトLAN接続を携帯装置に提供するために、IP電話114及び/又はCPEインタフェース110へ直接にソケット116を通信可能に連結するためのコネクタ及び/又はロジックを含むことができる。イーサネット(登録商標)インタフェース406は、例えばイーサネット(登録商標)ネットワークにソケット116を取外し可能に連結するための業界標準RJ−45レセプタクルを含むことができる。
【0058】
ディスプレイ装置408は、2G無線装置124A等の装置へディスプレイ機能を提供するために、カラー液晶ディスプレイ(LCD)等の任意の種類のディスプレイを含むことができる。ディスプレイ装置408は、2G無線装置124Aがソケット116へ動作可能に連結される間に高解像度ビデオ及び/又は画像のディスプレイを容易にすることができる。
【0059】
スピーカ410及び/又はマイクロフォン412は、ソケット116へ動作可能に連結される間、2G無線装置124A等の装置へスピーカフォン及び/又はエンハンスド音声機能を提供することができる。例えば、2G無線装置124Aは、それに関連付けられたユーザが2G無線ネットワークによって提供された帯域幅よりも広い帯域幅を要求するビデオ会議に参加することができるように、ソケット116を用いてSIPモビリティサーバ108に識別情報を提供することができる。ソケット116は、通信セッションの間に1種類のメディアセッションから他のセッションへの変更を従来の装置及び/又はマルチモード装置が開始できるよう構成されることができる。ソケット116は、メディア種類又はメディアパラメータ(帯域幅、コーデック、スキーム、解像度等)における変更を容易にするためにネットワーク装置に対する必要な通信を達成することができる。
【0060】
SIPベースのモバイル通信のための例示的なシステム
図5は、本発明の原理に準拠するSIPベースの通信セッションに参加する間、多数のネットワークを横切ってトラバースする移動局への通信を容易にするための例示的なシステムを示す。例えば、通信セッションに参加する移動局は、通信セッションを妨害することなく、第1ネットワークプロトコルで動作する第1ネットワークから第2ネットワークプロトコルで動作する第2ネットワークへ横切ることができる。第1ネットワーク及び第2ネットワークは両方とも、Wi−Fiネットワークのように、セルラーネットワークである第1ネットワークと無線IPネットワークである第2ネットワークとを備えた無線ネットワークにすることができる。本発明の原理に従う実施形態は、移動局と送信先装置との間に発生する継続中の通信セッションを妨害することなく、第1ネットワークから第2ネットワークへ移動局がトラバースできるようにする。本発明の原理に従う実施形態は、1つのネットワークから他のネットワークへ、及び/又は1つの通信モードから他の通信モードへの変更を携帯装置に開始させることができる。
【0061】
システム500は、ネットワーク106と、開始位置504及び終了位置506を有する移動局502と、第1外部ネットワーク508と、第2外部ネットワーク510と、参加局512と、ホーム登録機関及びプロキシサーバー514(以下、ホームSIP登録機関514)と、ホームネットワーク516とを含むことができる。
【0062】
ネットワーク106は、図1に従って説明されたネットワーク106と実質的に類似したネットワークを含むことができる。1実施形態において、ネットワーク106は、インターネットのような公衆ネットワークである。
【0063】
移動局502は、マルチモード通信セッションに参加できる任意の無線装置を含むことができる。移動局502は、開始位置504で第1外部ネットワーク508を介して参加局512に対するSIPベースの通信セッションを開始することができる。第1外部ネットワーク508を介した通信中に、移動局502は、第2外部ネットワーク510へ移動することができる。第2外部ネットワーク510は、位置決めされることができ、終了位置506で移動局502に対して通信をすることを可能にする。第1外部ネットワーク508及び第2外部ネットワーク510は、ゲートウェイを介してネットワーク106に動作可能に連結されることができる。
【0064】
移動局502は、第1外部ネットワーク508から第2外部ネットワーク510への移行を開始するよう構成されることができる。移動局502は、2つのネットワークを比較できる一つ以上の属性に基づき変更を要求することができる。これらの相対的な属性は、例えば信号強度又は信号対雑音比、ビットエラー率、帯域幅、物理的近接度、質、信頼性、コスト、セキュリティレベル、対応機能を含むことができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、ユーザプリファレンスは、1つのネットワークから他のネットワーク又は1つのアクセスモードから他のモードへ切換する決定に対してこれらの属性がどのくらい比較考量されたかについて影響を与えることができる。例えば、ユーザは、ネットワーク間の違いが切換を正当化するのに十分強制的である閾値を表現することができる。代わりに又はさらに、ユーザプリファレンスは、他よりも好まれる所定のアクセスモード又は所定ネットワークの識別に関して表現及び実行されることができる。これらのプリファレンスは、任意の特定の通信セッションのコンテキストに対してかなり前及び外で特定されることができる。
【0066】
ユーザプリファレンスは、携帯装置において固定記憶装置又は不揮発性メモリで維持されることができる。ユーザプリファレンスは、装置から遠隔の位置で保持され、必要な時、電源入力時、又はネットワークへの装置の登録時に装置が利用することができる。
【0067】
半自動モードにおいて、装置は、実行可能な又は好ましい代わりのネットワーク又はアクセスモードが利用可能か否かを判断し、その後切換を実行するための許可をユーザに促すことができる。このアプローチにより、ユーザは、決定に参加し、例えば会話の中断に合わせるように切換のタイミングを制御することができる。ユーザによる続行決定を受信すると、その後装置は、切換を開始するために以下に説明されるようなシグナリングを実行する。
【0068】
ユーザプリファレンスが切換決定のために考慮されたか否かに関わらず、及びユーザ入力がセッション中に“リアルタイム”で求められたか否かに関わらず、装置は、当該切換が発生したこと、又はこれから発生することをユーザに報告することができる。これは、中間セッション切換のユーザ認識を高めることができる。装置からの報告は、視覚又は音声刺激の形式に、又は瞬間振動等の機械動作にもできることが想像される。例えば耳又は口の近くで端末として携帯電話を用いる人は、ディスプレイを見ることができないが、特定のパターンを有し、アクセスモード切換が発生したことを微妙に示す僅かな振動を会話中に受けることができる。ユーザは、コストの変動について、又は一時的信号妨害が発生して会話中に話し言葉の受信に影響を与える時について認識することを希望できる。
【0069】
中間セッションモード切換を実行する場合、装置は、新たな接続が首尾よく確立された時にユーザに合図を送る。単独で、又は上述した他の相互作用と同時に、この特徴は、切換後に信頼できる接続を確立した時をユーザに明示するためのいくつかの実施形態において役立つことができる。
【0070】
上記アプローチのいくつかの組合せが可能である。装置は、代わりの接続が切換の考慮に十分か否かに影響を与えるよう予め設定されたユーザプリファレンスを採用し、その後に切換を実行するための許可をユーザに促すことができる。
【0071】
1つのアクセスモードから他のモード、又は1つのネットワークから他のネットワークへの切換に影響を与えるユーザプリファレンスは、各種方法で入力されることができる。ユーザは、(アプリケーション304のような)装置によって提供されたユーザインタフェースアプリケーションに対する交信等によって直接に装置にプリファレンスを入力することができる。予め、ユーザプリファレンスは、例えばユーザプロファイルに存在することができるウェブサイトを介して入力されることができ、その後切換決定を行うための装置及び/又はネットワークに対して利用可能にすることができる。検出された無線信号等のリアルタイム状況は、装置内全体の基準又は他の構成要素との協働の基準に関して評価されることができる。
【0072】
実施形態に依存して、ユーザプリファレンスは、単純又は詳細にすることができる。ユーザプリファレンスの一形式は、携帯装置がアクセスモードの自動又は半自動の切換を実行することができるか否かを単純に表現することができる。代わりに、ユーザプリファレンスは、モード切換が発生する基準又は閾値状態に関する詳細を表現することができる。本発明は、これら変更の特定の1つの範囲に限定されず、採用された実施形態にどの変更を配置するかについては、デザイン選択の事項にすることができる。
【0073】
いくつかの状況で役立つことができるユーザプリファレンスの一実施形態は、時間遅延又は持続値である。この値は、装置が後続通信のための候補として代わりのリンク、ネットワーク又はアクセスモードを検討する前に、それが利用可能であるとして持続的に検出されなければならない時間間隔に関する。これは、例えば携帯ユーザが公衆WiFiホットスポットを通過する時に発生しうる好ましくない過渡切換を避ける。時間遅延は、異なる閾値をネットワーク種類、ネットワーク識別等の関数として有する程度まで、ユーザによってプログラム可能でもよい。
【0074】
引続き図5を参照すると、第1外部ネットワーク508及び第2外部ネットワーク510は、移動局へデータを送信でき、及び/又は移動局からデータを受信できる任意の種類の無線ネットワークを含むことができる。第1及び第2外部ネットワーク508、510は、単独の無線ネットワークプロトコルを用いて動作することができ、又は異なる無線ネットワークプロトコルを用いて動作することができる。第1及び第2外部ネットワーク508、510は、ネットワーク106からデータを受信すること、及び/又はネットワーク106が利用できるデータを作成することができる。例えば、第1外部ネットワーク508は、移動局502から被呼者に関連付けられた電話番号を受信することができる。第1外部ネットワーク508は、ホームSIP登録機関514が被呼者に関連付けられた位置を判断して移動局502の代わりに呼を完了することができるように、ネットワーク106が利用できる電話番号を作成することができる。
【0075】
参加局512は、ネットワークにデータを送信及び/又はネットワークからデータを受信できる任意の装置を含むことができる。参加局512は、PDA104、ハンドヘルドコンピュータ118、2G無線装置124A及び/又はPSTN電話128等の通信装置を含むことができる。参加局512は、呼を作成する時にソース装置として、及び/又は呼を受信する時に送信先装置として動作することができる。
【0076】
ホームSIP登録機関514は、ネットワーク上でホーム位置登録機関として構成及び動作可能な任意の装置を含むことができる。ホームSIP登録機関514は、スタンドアローン構成で実施されることができ、及び/又はSIP携帯サーバー108に組合せることができる。ホームSIP登録機関514は、ホームネットワーク516及び/又はネットワーク106に連結されることができる。ホームSIP登録機関514は、移動局502及び/又は移動局502が通信できる関連ネットワーク間の通信に影響を与えるよう動作することができる。ホームSIP登録機関514は、移動局502から一つ以上の参加局512へデータを伝えるための最適経路を判断する等の機能を実行することができる。例えば、移動局502が第1外部ネットワーク508に関連付けられたサービス領域のエッジに到達する時、ホームSIP登録機関514は、ネットワーク層2を用いて、第1外部ネットワーク508から第2外部ネットワーク510へのハンドオフを容易にすることができる。また、ホームSIP登録機関514は、ホームネットワーク516に移動局502を接続することができる。
【0077】
ホームネットワーク516は、移動局502に関連付けられた第1ネットワークを含むことができる。装置がホームネットワーク516のサービス領域内の位置に関連付けられる時、ホームネットワーク516は、通信装置からデータを受信するよう構成されることができる。
【0078】
通信は、移動局502がSIP準拠のINVITE又はRE−INVITE要求を第1外部ネットワーク508に送信する時、システム500を用いて行われることができる。INVITE要求は、移動局502との通信セッションに送信先装置を参加させる要求として動作することができる。INVITE要求は、ストリーミングメディアセッション及び/又はマルチキャスト送信を記述するためのテキストベースのフォーマットを定義することができる“接触”ヘッダー領域と更新されたセッション記述プロトコル(SDP)とを含むことができる。第1外部ネットワーク508は、INVITE要求が受信及び理解されたことを示すために、200OK応答等のメッセージを発することができる。
【0079】
移動局502は、200OK応答を受信したことを確認するために、ACK応答等の確認応答を発することができる。移動局502は、確認応答を送信した後、第1外部ネットワーク508に対してデータを送受信することができる。例えば、SIP有効通信セッションは、INVITE、200OK及びACKメッセージ交換が発生した後、移動局502と第1外部ネットワーク508との間で交換されたデータを用いて行われることができる。
【0080】
通信セッションを確立するためのINVITE、200OK及びACKシンタックスは、システム500において他の装置によって使用されることができる。例えば、第1外部ネットワーク508は、INVITE要求をネットワーク106に送信することができ、ネットワーク106は、200OK応答を第1外部ネットワーク508に送信することができ、第1外部ネットワーク508は、確認応答をネットワーク106に送信することができる。上記交換の後、第1外部ネットワーク508及びネットワーク106は、一部の通信セッションとして通信データを交換することができる。本発明の実施形態に関連付けられた装置は、固定及び/又はモバイル通信セッションに関連付けられたパラメータについて交渉するためのSIPを使用することができる。
【0081】
SIPベースの通信のための例示的な方法
図6は、本発明の原理に従うSIPベースのサービスを用いてフル機能IP通信を容易にするための例示的な方法を示す。方法は、移動局502等の携帯装置が動的ホスト設定プロトコル(DHCP)を用いてIPアドレスを要求する時に開始することができる(段階602)。移動局502は、一つ以上のネットワーク上でその識別を確立するのに使用されることができるネットワーク識別子をそれが有するように、IPアドレスを要求することができる。移動局502は、ネットワーク接続を確立することができ、取得したIPアドレスを用いて通信を開始することができる(段階604)。例えば、IPアドレスは、ネットワーク上で他の装置に対する移動局502を識別するよう動作することができる。ルータ、ファイアウォール及び/又は切換等のネットワーク装置は、移動局502から送信されたデータがネットワークを横切って通過できるようにするためのIPアドレスを使用することができる。また、ネットワーク装置は、移動局502へデータを配信するためにIPアドレスを使用することができる。最適なNAT/ファイアウォールトラバース経路は、従来技術を用いて判断されることができる(段階606)。例えば、トラバース経路は、ICE、STUN、TURN及び/又は領域特定IP(RSIP)を用いて判断されることができる。
【0082】
移動局502は、そのホームSIP登録機関に登録することができる(段階608)。例えば、移動局502は、ホームSIP登録機関514に登録することができる。登録は、移動局502の識別及び/又はその現在位置に関する情報をホームSIP登録機関に提供するよう動作することができる。また、登録は、移動局502に関連付けられた構成に関する情報の交換を含むことができる。例えば、登録は、移動局502が対応できるメディアセッションの種類に関する情報をホームSIP登録機関514に提供することができる。
【0083】
移動局502は、ネットワーク上でフルSIPベースのIP通信を開始することができる(段階610)。移動局502は、参加局512に対する通信セッションを開始することができる。例えば、ホームSIP登録機関514は、参加局512に関連付けられたネットワーク識別子を含むことができる。移動局502は、参加局512が移動局502に対する通信セッションに加わることを要求するために参加局512にINVITE要求を発することができる。ホームSIP登録機関514は、移動局502からINVITE要求を受信し、参加局512へ要求を転送することができる。参加局512は、INVITE要求が受信されたことを確認するために、ホーム登録機関514を介して移動局502に200OK応答を送信することができる。移動局は、200OKメッセージの受信を確認するために、ACKメッセージ等の確認応答メッセージを直接に参加局512に送信することができる。移動局502は、ホームSIP登録機関514を通過することなく、参加局に直接にACKメッセージを送信することができる。なぜなら、移動局502は、ホーム登録機関514を介して受信した200OKメッセージから参加局512のネットワーク識別子を取得できたからである。
【0084】
ホームSIP登録機関514及び/又は一つ以上のトラバースネットワークは、移動局502が2つのネットワーク間で切換を試行しているか否かを判断するよう動作することができる(段階612)。例えば、ホームSIP登録機関514は、移動局502が要求を作成しているか否か、及び/又は第1外部ネットワーク508から第2外部ネットワーク510への切換を試行しているか否かを判断するために、第1外部ネットワーク508、第2外部ネットワーク510及び/又はネットワーク106で動作することができる。移動局502がネットワークの切換を試行していることを第1外部ネットワーク508又は第2外部ネットワーク510が検出した場合、第1外部ネットワーク508及び/又は第2外部ネットワーク510は、ホームSIP登録機関514に接触することができる。第1外部ネットワーク508及び/又は第2外部ネットワーク510は、移動局502が1つのネットワークから他のネットワークへ移動していることをホームSIP登録機関514に報告することができる。
【0085】
移動局502がネットワークの切換を試行している時、SIP RE−INVITE要求は、確立されたインターネット通信セッションにおいて任意の妨害を引起すことなく、発せられることができる(段階614)。例えば、移動局502及び/又は第2外部ネットワーク510は、ホームSIP登録機関514にRE−INVITE要求を発することができる。移動局502は、自動的にRE−INVITE要求を送信することができ、及び/又は移動局502のユーザは、RE−INVITE要求を手動で送信することができる。RE−INVITE要求は、第1外部ネットワーク508の代わりに第2外部ネットワーク510を用いて通信セッションを継続するために、ホームSIP登録機関514によって使用されることができる。例えば、ホームSIP登録機関514は、通信セッションを妨害することなく、第1外部ネットワーク508から第2外部ネットワークへトラバースする一部の通信セッションを移行するために、単独又は他のネットワーク装置と共に動作することができる。反対に、移動局502がネットワーク切換を試行していない場合、方法のフローは、段階610に戻ることができる。
【0086】
本発明の原理に従う実施形態は、進行中の通信セッションにおいて任意の妨害を受けることなく、第1外部ネットワーク508から第2外部ネットワーク510へ移動局502が移動することを可能にする。また、移動局502のユーザは、システム500が自動的にルーティング及び切換を実行することができるので、セッション中に接続性を維持することに関して任意の手動動作を実行する必要がない。また、実施形態は、単独のホームSIP登録機関514を採用することができるので、訪問SIP登録機関を採用する必要性を軽減する。単独のSIP登録機関の使用は、シームレスな通信セッションを可能にすることを確実にすることができる。
【0087】
例示的な呼認証及び登録フロー
図7は、本発明の原理に従う固定モバイル集中型の通信サービスを提供するためにIPネットワークで認証及び登録を実行するよう使用されることができる例示的な呼フローを示す。呼フロー700は、マルチモード移動局702、訪問アクセスポイント/イーサネット(登録商標)切換704、訪問RADIUS/AAAサーバー706、AAAサーバー708、STUN/TURNサーバー710及びSIPプロキシサーバー712間で行われることができる。
【0088】
マルチモード移動局702(以下、移動局702)は、一つより多い無線通信モードに対応できる任意の装置を含むことができる。例えば、移動局702は、移動局502を含むことができる。訪問アクセスポイント/イーサネット(登録商標)切換704(以下、アクセスポイント704)は、ネットワークで無線アクセスポイントとして動作できる任意の装置を含むことができる。例えば、アクセスポイント704は、2G/3G無線ネットワーク120、第1外部ネットワーク508及び/又は第2外部ネットワーク510に含まれることができる。訪問RADIUSAAAサーバー706(以下、訪問サーバー706)は、認証、承認及びアカウンティング(AAA)サービス及び/又はリモート認証ダイヤルインユーザサービス(RADIUS)を実行できる任意の装置を含むことができる。訪問サーバー706は、ネットワークのユーザを認証するための中央サーバーにリモートアクセスサーバーがアクセス可能にすることができる。訪問サーバー706は、認証動作を実行する時にユーザ情報を含む一つ以上のデータベースで動作することができる。訪問サーバー706は、スタンドアローンの装置として実施されることができ、及び/又はSIPモビリティサーバ108及び/又はホームSIP登録機関514等の、他の装置の機能性に組込まれることができる。AAAサーバー708は、AAAサービスを実行できる任意の装置を含むことができる。STUN/TURNサーバー710は、リレーNAT(TURN)サービスを用いてNATの(STUN)及び/又はトラバースを介してUDPの単独のトラバースを実行できる任意の装置を含むことができる。STUN/TURNサーバー710は、ソース装置と送信先との間の通信セッションを容易にすることに関連付けられたシグナリング及び/又はメッセージングデータのネットワークトラバースを容易にするよう動作することができる。AAAサーバー708及び/又はSTUN/TURNサーバー710は、ネットワーク106、無線ゲートウェイ122及び/又はネットワークゲートウェイ130で動作するネットワーク装置として実施されることができる。SIPプロキシサーバー712は、SIPベースの通信セッションを容易にできる任意の装置を含むことができる。例えば、SIPプロキシサーバー712は、一部のSIPモビリティサーバ108及び/又はホームSIP登録機関514として実施されることができる。SIPプロキシサーバーは、通信セッションに関連付けられたソース装置及び/又は送信先装置の代わりにSIPメッセージを転送するよう動作することができる。
【0089】
移動局702は、通信セッションを開始するために無線ネットワークプロトコルに準拠するIEEE802.1xフォーマットで拡張可能な認証プロトコル(EAP)メッセージ714を発することができる。EAPは、ネットワーク装置が適切なネットワークアクセス識別子(NAI)を選択することを助けるのに用いることができる。NAIは、ネットワーク上の装置の識別を確立するのに用いる識別子にすることができる。NAIは、独自のホームネットワークに関連付けられることができないローミング装置を識別することができる。
【0090】
互換IEEE802.1xアクセスポイント704は、EAPメッセージ714を受信することができ、EAPメッセージ716をRADIUS準拠のフォーマットを介して訪問サーバー706に転送することができる。訪問サーバー706は、要求718をAAAサーバー708に送信することができる。要求718は、移動局702がネットワークへの登録を望むことを示すことができる。AAAサーバー708は、要求718に応えて訪問サーバー706に回答720を送信することができる。訪問サーバー706は、アクセスポイント704に送信される応答722を生成することができる。応答722は、EAPメッセージ716の結果として生成されることができる。アクセスポイント704は、移動局702にEAP成功メッセージ724を渡す。EAP成功メッセージ724は、登録要求が確認されたことを示すことができる。
【0091】
移動局702は、アクセスポイント704へDHCP発見/提供メッセージ726を送信することができる。STUN/TURNプロトコル準拠の経路728は、移動局702とSTUN/TURNサーバー710との間で確立されることができる。移動局702は、SIPプロキシサーバー712へ登録要求730を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、登録要求730が受信及び理解されたことを示す200OK応答732を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、信号フロー700を用いてネットワーク106等のネットワーク上で移動局702を登録するよう動作することができる。ネットワーク上での登録後、移動局702は、送信先装置に対するマルチモード通信セッションに参加することができる。
【0092】
PSTN呼フローに対する例示的な移動局
図8は、移動局から本発明の原理に従うPSTN装置へ呼を完了するのに用いることができる例示的な呼フローを示す。呼フロー800は、マルチモード移動局702、セルラーモバイル切換802、モバイルゲートウェイ804、SIPプロキシサーバー712、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808間で行われることができる。
【0093】
移動局702及びSIPプロキシサーバー712は、図7に関連して説明されるように実質的に構成されることができる。セルラーモバイル切換(以下、モバイル切換802)は、無線呼の設定を容易にできる任意の装置を含むことができる。例えば、モバイル切換802は、被呼者の識別に関連付けられた一連の発信番号を処理するために、一部の第1外部ネットワーク508及び/又は第2外部ネットワーク510として動作することができる。モバイルゲートウェイ804は、他のネットワークに無線ネットワークをインタフェースできる任意の装置を含むことができる。例えば、モバイルゲートウェイ804は、図1に関連して検討された無線ゲートウェイ122と実質的に類似する方法で動作するよう構成されることができる。PSTNゲートウェイ806は、他のネットワークにPSTNネットワークをインタフェースできる任意の装置を含むことができる。1実施形態において、PSTNゲートウェイ806は、図1に関連して検討されたネットワークゲートウェイ130に実質的に類似する方法で動作するよう構成されることができる。PSTN装置808は、PSTN呼を作成又は受信できる任意の装置を含むことができる。1実施形態において、PSTN装置808は、PSTN電話128に実質的に類似する方法で動作するよう構成されることができる。
【0094】
呼フロー800は、移動局702が一連のダイヤル番号810を用いて呼試行を発する時に開始することができる。モバイル切換802は、ダイヤル番号810を受信し、初期アドレスメッセージ(IAM)又は設定メッセージ812を構成することができる。IAM812は、移動局702から受信したダイヤル番号を含むことができる。モバイル切換802は、モバイルゲートウェイ804にIAM812を送信することができる。モバイルゲートウェイ804は、SIPプロキシサーバー712にINVITE要求814を送信することができる。INVITE要求814は、PSTN装置808等の送信先装置を移動局702との発呼セッションに参加させる要求として動作することができる。SIPプロキシサーバー712は、INVITE要求816としてPSTNゲートウェイ806へINVITE要求814を転送することができる。
【0095】
PSTNゲートウェイ806は、INVITE要求816が受信及び理解されたことを示す200OK応答818を発することができる。SIPプロキシサーバー712は、200OK応答818を受信することができ、INVITE要求814が受信及び理解されたことを示すために200OK応答820を生成し、それをモバイルゲートウェイ804に送信することができる。モバイルゲートウェイ804は、ANM又は接続メッセージ822をモバイル切換802へ送信することができる。モバイル切換802は、移動局702へ接続メッセージ824を発することができる。移動局702は、セルラーデータ826上のメディアに対してネットワーク上で通信することができる。移動局702は、モバイル切換802へセルラーデータ826上でメディアを送信することができる。モバイル切換802は、TDMフォーマットでモバイルゲートウェイへメディアデータ828を渡すことができる。モバイルゲートウェイ804は、メディアデータ828をIPフォーマット830に変換することができ、データをPSTNゲートウェイ806へ伝えることができる。PSTNゲートウェイ806は、PSTN準拠のフォーマット832でPSTN装置808へメディアデータを提供することができる。
【0096】
移動局の呼フローに対する例示的なPSTN
図9は、本発明の原理に従う、PSTN装置から開始して移動局で終了する例示的な呼フローを示す。呼フロー900は、移動局702、モバイル切換802、モバイルゲートウェイ804、SIPプロキシサーバー712、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808を使用することができる。移動局702、モバイル切換802、モバイルゲートウェイ804、SIPプロキシサーバー712、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808は、先に説明したように構成されることができる。
【0097】
PSTNゲートウェイ806は、SIPプロキシサーバー712にINVITE要求902を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、INVITE要求904としてモバイルゲートウェイ804へINVITE要求902を転送することができる。モバイルゲートウェイ804は、モバイル切換802へIAM又は設定メッセージ906を送信することができる。モバイル切換802は、移動局702へ警告信号908を送信することができる。警告信号は、例えば着メロを含むことができる。
【0098】
移動局702は、警告信号908に基づき回答910を発することができる。例えば、ユーザは、電話に回答することによって警告信号908に応答することができる。代わりに、警告信号908は、留守番電話及び/又は音声メールシステムに入力信号を抽出させることによって扱われることができる。モバイル切換802は、回答910を受信することができる。モバイル切換802は、ANM又は接続メッセージ912を発することができる。モバイルゲートウェイ804は、ANM又は接続メッセージ912を受信することができ、SIPプロキシサーバー712へ200OK応答914を送信することができる。200OK応答914は、INVITE要求904が受信及び理解されたことを示すことができる。SIPプロキシサーバー712は、INVITE要求902が受信及び理解されたことを示すPSTNゲートウェイ806へ200OK応答916を送信することができる。
【0099】
PSTNゲートウェイ806は、SIPプロキシサーバー712へ確認応答ACK918を送信することによって200OK応答916に応答することができる。SIPプロキシサーバー712は、200OK応答914が受信及び理解されたことを示すモバイルゲートウェイ804へACK920として確認応答を送信することができる。モバイルゲートウェイ804がACK920を受信した時、セルラー呼922上のメディアは、有効にされることができる。モバイル切換802は、TDMフォーマット924でモバイルゲートウェイ804へセルラーメディアデータ922を渡すことができる。モバイルゲートウェイ804は、PSTNゲートウェイ806へIP926上のメディアを渡すことができ、次にPSTNゲートウェイ806は、PSTNフォーマット928でPSTN装置808へデータを伝えることができる。
【0100】
図10は、本発明の原理に従うIPモードでの送信後、2G移動局で開始してPSTN装置で終了する例示的な呼フローを示す。呼フロー1000は、移動局702、アクセスポイント704、モバイル切換802、モバイルゲートウェイ804、SIPプロキシサーバー712、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808を含むことができる。移動局702、アクセスポイント704、モバイル切換802、モバイルゲートウェイ804、SIPプロキシサーバー712、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808は、上記説明のように動作することができる。
【0101】
呼フロー1000の実施形態は、セルラー1002上のメディア、TDM1004上のメディア、IP1006上のメディア及びPSTN1008上のメディアを初めに含むことができる。呼が行われる間、呼フロー1000は、IP1038上のメディア及びPSTNメディア1040を含むために移行することができる。移行は、移動局702等の携帯装置によって作成された要求の結果として発生することができる。
【0102】
呼フロー1000は、802.1x認証メッセージ1010が移動局702とアクセスポイント704との間で交換された時に開始することができる。SIP登録STUN/TURNメッセージ1012は、移動局702とSIPプロキシサーバー712との間で交換されることができる。SIP登録STUN/TURNメッセージ1012は、SIPプロキシサーバー712の途上で一つ以上のNAT及び/又はファイアウォールをトラバースすることができる。移動局702は、SIPプロキシサーバー712にINVITE要求1014を発することができる。INVITE要求1014は、IPセッション1038上のメディア等の、移動局702に対する発呼セッションに送信先装置を参加させる要求又は案内として動作することができる。SIPプロキシサーバー712は、PSTNゲートウェイ806にINVITE要求1016を送信することができる。INVITE要求1016は、進行中の通信セッションをIP1038上のメディアに移行することに関連付けられた情報を含むことができる“置換”ヘッダーを含むことができる。
【0103】
PSTNゲートウェイ806は、INVITE要求が受信及び理解されたことを示す200OK応答1018でINVITE要求1016に応答することができる。SIPプロキシサーバー712は、移動局702へ200OK応答1020を送信することができる。移動局702は、200OK応答1020の受信を確認するためにSIPプロキシサーバー712に確認(ACK)応答1022を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、PSTNゲートウェイ806へACK応答1024を送信することができる。ACK応答1024は、200OK応答1018が受信及び理解されたことを示すことができる。
【0104】
PSTNゲートウェイ806は、一部の通信セッションを終了するためにSIPプロキシサーバー712へBYE要求1026を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、モバイルゲートウェイ804へBYE要求1028を送信することができる。モバイルゲートウェイ804は、モバイル切換802へ解放メッセージ1030を送信することができる。解放メッセージ1030は、一部の現在の通信セッションを解放又は終了することに関連付けられることができる。モバイル切換802は、移動局702へ切断メッセージ1032を送信することができる。切断メッセージ1032は、一部の発呼セッションを終了させることができる。モバイルゲートウェイ804がBYE要求1028を受信した時、それは、SIPプロキシサーバー712へ200OK要求1034を返送することができる。SIPプロキシサーバー712は、PSTNゲートウェイ806へ200OK応答1036を送信することができる。通信セッションは、移動局702及びPSTNゲートウェイ806間のIP1038と、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置708間のPSTNデータとの上のメディアを含むことができる。
【0105】
IPから2Gへのモード切換の例示的な呼フロー。
図11は、本発明の原理に従うPSTN呼の間にIPから2Gへの切換を用いて、移動局からPSTN装置へ呼を伝えるのに用いることができる例示的な呼フローを示す。呼フロー1100は、移動局702、アクセスポイント704、セルラーモバイル切換802、モバイルゲートウェイ804、SIPプロキシサーバー712、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808を使用することができる。移動局702、アクセスポイント704、セルラーモバイル切換802、モバイルゲートウェイ804、SIPプロキシサーバー712、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808は、上記説明のように構成及び動作することができる。
【0106】
呼フロー1100は、移動局702及びPSTNゲートウェイ806間のIP1102と、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808間のPSTN呼1103との上のメディアを初めに含むことができる。通信セッションの間、呼フロー1100は、移動局702及びモバイル切換802間のセルラー1130上のメディアと、モバイル切換802及びモバイルゲートウェイ804間のTDM1132上のメディアと、モバイルゲートウェイ804及びPSTNゲートウェイ806間のIP1134上のメディアと、PSTNゲートウェイ806及びPSTN装置808間のPSTN呼1136とへ移行することができる。移行は、移動局702及び/又はPSTN装置708等の加入者装置によって実行される行為の結果として開始されることができる。
【0107】
呼フロー1100は、移動局702及びモバイル切換802間でダイヤル番号1104を有する呼試行を含むことができる。モバイル切換802は、モバイルゲートウェイ804へIAM又は設定メッセージ1106を発することができる。IAMメッセージ1106は、ダイヤル番号を含むことができる。モバイルゲートウェイ804は、SIPプロキシサーバー712へINVITE要求1108を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、PSTNゲートウェイ806へ“置換”ヘッダー1110を含むINVITE要求を送信することができ、“置換”ヘッダーは、1つの装置に関連付けられたネットワーク識別子を他の識別子に置換するよう動作することができる。例えば、INVITE要求1108は、送信装置、ここではモバイルゲートウェイ804に関連付けられたネットワーク識別子を含むことができる。SIPプロキシサーバー712がINVITE要求1110を送信する時、“置換”ヘッダーは、SIPプロキシサーバー712及び/又はネットワーク上の他の装置に関連付けられたネットワーク識別子を含むことができる。“置換”ヘッダーを用いるINVITE要求は、呼抽出、呼転送及び呼ハンドオフ等の動作を容易にすることができる。PSTNゲートウェイ806は、200OK応答1112で応答することができる。SIPプロキシサーバー712は、200OK応答1112を受信することができ、モバイルゲートウェイ804へ200OK応答1114を発することができる。
【0108】
モバイルゲートウェイ804は、モバイル切換802へANM又は接続メッセージ1116を送信することができる。モバイル切換802は、移動局702に対する呼を確立するために接続メッセージ1118を発することができる。モバイルゲートウェイ804は、200OK応答1114の受信を確認するためにSIPプロキシサーバー712へACK回答1119を発することができる。SIPプロキシサーバー712は、200OK応答1112の受信を確認するためにPSTNゲートウェイ806へACK回答1120を送信することができる。
【0109】
PSTNゲートウェイ806は、SIPプロキシサーバー712へ送信されることができるBYE要求1122を発することができる。SIPプロキシサーバー712は、一部の現在の通信セッションを切断するために移動局702へBYE要求1124を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、BYE要求1124の受信を確認する移動局702から200OK応答1126を受信することができる。SIPプロキシサーバー712は、BYE要求1122の受信を確認するためにPSTNゲートウェイ806へ200OK応答1128を送信することができる。
【0110】
ユーザ対ユーザの例示的な呼フロー
図12は、本発明の原理に従う2Gモードでユーザ対ユーザ呼を発するのに使用されることができる例示的な呼フローを示す。呼フロー1200は、第1デュアルモード移動局702Aと、第2デュアルモード移動局702Bと、セルラーモバイル切換802と、モバイルゲートウェイ804と、SIPプロキシサーバー712とを含むことができる。第1移動局702A及び第2移動局702Bは、移動局702と実質的に類似した方法で動作するよう構成されることができる。モバイル切換802、モバイルゲートウェイ804及びSIPプロキシサーバー712は、上記説明のように動作するよう構成されることができる。
【0111】
呼フロー1200は、ダイヤル番号1202を含む呼試行が第1移動局702A及びモバイル切換802間で開始された時に開始することができる。モバイル切換802は、ダイヤル番号を含むIAM又は設定メッセージ1204をモバイルゲートウェイ804へ送信することができる。モバイルゲートウェイ804は、SIPプロキシサーバー712へINVITE要求1206を送信することができる。INVITE要求1206は、通信セッションに参加するために第2移動局702Bを案内するよう動作することができる。SIPプロキシサーバー712は、INVITE要求1206に応じてモバイルゲートウェイ804へINVITE要求1208を送信することができる。
【0112】
モバイルゲートウェイ804は、モバイル切換802へダイヤル番号を含むIAM又は設定メッセージ1210を送信することができる。モバイル切換802は、第2移動局702Bへ警告メッセージ1212を発することができる。第2移動局702Bは、電話に回答することによって警告信号に回答することができる。モバイル切換802は、警告メッセージ1212を発行した後、及び/又は第2移動局702Bが呼を抽出したことを検出した後、モバイルゲートウェイ804へANM又は接続メッセージ1214を送信することができる。モバイルゲートウェイ804は、INVITE要求1208の受信に応じてSIPプロキシサーバー712へ200OK応答1216を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、INVITE要求1206の受信を確認するために200OK応答1218を返送することができる。
【0113】
モバイルゲートウェイ804は、モバイル切換802へANM又は接続メッセージ1220を送信することができる。モバイル切換802は、接続メッセージ1222を用いて発呼セッションを開始することができる。モバイル切換802は、第1移動局702Aに接続メッセージ1222を送信することができる。発呼セッションは、第1移動局702A及び第2移動局702B間で行われることができる。モバイルゲートウェイ804は、200OK応答1218の受信を確認するためにSIPプロキシサーバー712へACK応答1228を送信することができる。SIPプロキシサーバー712は、200OK応答1216の受信及び理解を確認するためにモバイルゲートウェイ804へACK応答1230を送信することができる。
【0114】
呼フロー1200は、第1移動局702Aとモバイル切換802との間でセルラーデータ1224上のメディアを含むことができ、モバイル切換802とモバイルゲートウェイ804との間でTDMデータ1226上のメディアを含むことができる。また、呼フロー1200は、第2移動局702B及びモバイル切換802間のセルラーデータ1232上のメディアと、モバイル切換802及びモバイルゲートウェイ804間のTDM1234上のメディアとを含むことができる。
【0115】
2GからIPへのモード切換の例示的な呼フロー
図13は、本発明の原理に従う発呼セッションの間に2GからIPへのモード切換を実行するのに用いることができる例示的な呼フローを示す。呼フロー1300は、第1デュアルモード移動局702Aと、802.11/イーサネット(登録商標)切換1302(以下、イーサネット(登録商標)切換1302)と、第2デュアルモード移動局702Bと、モバイル切換802と、モバイルゲートウェイ804と、SIPプロキシサーバー712とを含むことができる。第1移動局702A、第2移動局702B、モバイル切換802、モバイルゲートウェイ804及びSIPプロキシサーバー712は、上記説明のように構成及び動作することができる。802.11/イーサネット(登録商標)切換1302は、802.11準拠のデータをイーサネット(登録商標)準拠のインタフェースへインタフェースできる任意の装置を含むことができる。
【0116】
呼フロー1300は、第1移動局702A及びモバイル切換802間のセルラーデータ1304上のメディアと、モバイル切換802及びモバイルゲートウェイ804間のTDMデータ1306上のメディアと、第2移動局702B及びモバイル切換802間のセルラーデータ1310上のメディアと、モバイル切換802及びモバイルゲートウェイ804間のTDM1308上のメディアとを初めに含むことができる。発呼セッションの間、呼フロー1300は、第2移動局702B及びモバイル切換802間のセルラー1340上のメディアと、モバイル切換802及びモバイルゲートウェイ804間のTDM1338上のメディアと、第1移動局702A及びモバイルゲートウェイ804間のIP1334上のメディアとを含むよう移行することができる。1つの呼メディアから他の呼メディアへの移行は、移動局702A又は702B等の加入者装置によって作成された要求の結果として発生することができる。
【0117】
第1移動局702Aは、イーサネット(登録商標)切換1302で802.1x認証1312を実行することができる。SIP登録1314は、第1移動局702A及びSIPプロキシサーバー712間で行われることができる。SIP登録1314は、ファイアウォール等のネットワーク装置をトラバースするためのSTUN及び/又はTURNを採用することができる。第1移動局702Aは、INVITE要求1316をSIPプロキシサーバー712へ発することができる。INVITE要求1316は、第2移動局702Bを通信セッションに加入させる案内にすることができる。SIPプロキシサーバー712は、INVITE要求1318を送信することができる。INVITE要求1318は、“置換”ヘッダーを含むことができる。SIPプロキシサーバー712は、モバイルゲートウェイ804へメッセージ1318を送信することができる。モバイルゲートウェイ804は、INVITE要求1318の受信を確認する200OK応答1320で応答することができる。SIPプロキシサーバー712は、INVITE要求1316の受信を確認する第1移動局702Aへ200OK応答1322を送信することができる。第1移動局702Aは、200OK応答1322の受信を確認する確認応答(ACK)メッセージ1324を返送することができる。SIPプロキシサーバー712は、200OK応答1320に応じてモバイルゲートウェイ804へ確認応答(ACK)メッセージ1326を送信することができる。
【0118】
BYE要求1328は、モバイルゲートウェイ804からSIPプロキシサーバー712へ送信されることができる。BYE要求1328は、モバイルゲートウェイ804が一部の発呼セッションを切断しようとすることを示すものとして動作することができる。モバイルゲートウェイ804は、モバイル切換802へ解放メッセージ1330を送信することができる。切断メッセージ1332は、呼の足に関連付けられることができる。解放メッセージ1330は、切断メッセージ1332をモバイル切換802から第1移動局702Aへ送信させることができる。SIPプロキシサーバー712がBYE要求1328を受信した時、それは、BYE要求1334で応答することができる。モバイルゲートウェイ804は、BYE要求1334に応じて200OK応答1336で応答することができ、SIPプロキシサーバー712は、BYE要求1328に応じてモバイルゲートウェイ804へ200OK応答1342を返送することができる。切断メッセージ1332は、それとモバイルゲートウェイ804との間のIP1344上のメディアを用いて第1移動局702Aを通信させることができる。
【0119】
結論
本発明に従うシステム及び方法は、単独のSIPホームサーバーだけ用いてシームレスなマルチモード通信を可能にする。結果として、ユーザは、無線ネットワーク、PSTN、IPネットワーク及び他のネットワーク上で通信するのに用いることができる、電話番号又はURI等の単独の識別子を有することができる。また、ユーザは、マルチモード通信技術を使用するために各通信事業者との別個のサービス加入を維持する必要がない。
【0120】
本発明の例示的な実施形態の上記説明は、図及び説明を提供するが、開示された通りの形式に本発明を網羅的かつ限定的にすることを意図しない。改良及び変更は、上記教示に照らして可能であり、かつ本発明の実施から習得されることができる。例えば、一連のシグナリングフローが図7から13に関して説明され、一連の段階が図6に関して説明されたが、信号フロー及び/又は段階の順番は、本発明に従う他の実施形態で変更されることができる。また、互いに依存しない信号フロー及び/又は段階が同時に実施されることができる。
【0121】
例えば、本発明の原理に従う実施形態は、本発明の精神から逸脱しない範囲において説明され図説された装置以外に、ネットワークプロトコル、メッセージングシーケンス、ネットワークトポロジー及び通信装置を用いて実施されることができる。また、図7〜13に関して説明された通信セッションに関連付けられた一連のイベントは、図示された順番以外の他の順番で実行されることができる。また、追加のイベントは、使用された特定のネットワークトポロジーとユーザ及び/又はサービスプロバイダの必要とに応じて、追加又は削除されることができる。また、互いに依存しない段階は、同時に実行されることができる。また、開示された実施形態は、ハードウェア回路及び/又はソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されない。
【0122】
本発明の説明で使用された構成要素、段階又は命令は、特に明示される場合を除くほか、本発明に重要及び必須なものとして解釈されるべきではない。1つの項目だけが意図される場合、“1つ”という語句又は類似の言語が使用される。また、本明細書中で使用される“基づく”という語句は、特に明示される場合を除くほか、“少なくとも一部に基づき”を意味するよう意図される。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】図1は、モードアジャイル通信セッションを提供するためのシステム及び方法が本発明の原理に従って実施されることができる例示的なネットワークのブロック図である。
【図2】図2は、本発明の原理に従うマルチモード通信装置の実施携帯を実施するのに用いることができる汎用通信装置の例示的な構成を示す図である。
【図3】図3は、本発明の原理に従うマルチモード通信装置で実施されることができる例示的なソフトウェア構成を示す図である。
【図4】図4は、本発明の原理に従うマルチモード通信装置に適応するためのソケットの例示的な実施形態を示す図である。
【図5】図5は、本発明の原理に従うSIPベースの通信セッションに参加する間に多数のネットワークを横切ってトラバースする移動局に対する通信を容易にする例示的なシステムを示す図である。
【図6】図6は、本発明の原理に従うSIPベースのサービスを用いてフル機能IP通信を用意にするための例示的な方法を示す図である。
【図7】図7は、本発明の原理に従う固定モバイル集中型の通信装置を提供するためにIPネットワークで認証及び登録を実行するのに用いることができる例示的な呼フローを示す図である。
【図8】図8は、移動局から本発明の原理に従うPSTN装置へ呼を終了させるのに用いることができる例示的な呼フローを示す図である。
【図9】図9は、PSTN装置から開始して本発明の原理に従う移動局で終了する例示的な呼フローを示す図である。
【図10】図10は、本発明の原理に従うIPモードでの通信の後、2G移動局で開始してPSTN装置で終了する例示的な呼フローを示す図である。
【図11】図11は、本発明の原理に従うPSTN呼の間、IPから2Gへの切換を用いて移動局からPSTN装置へ呼を伝えるのに用いることができる例示的な呼フローを示す図である。
【図12】図12は、本発明の原理に従う2Gモードでユーザ対ユーザ呼を行うのに用いることができる例示的な呼フローを示す図である。
【図13】図13は、本発明の原理に従う発呼セッションの間に2GからIPモードへの切換を実行するのに用いることができる例示的な呼フローを示す図である。
【符号の説明】
【0124】
102 無線LAN
104 PDA
106 ネットワーク
110 CPEインタフェース
116 マルチモードソケット
120 2G/3G無線ネットワーク
126 PSTNネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにアクセスする通信端末装置を含む通信セッションを実行するための方法であって、
通信端末装置において、第1アクセスモードを介してセッションに相当する通信を実行する過程と、
通信端末装置において、セッションに相当する通信に第2アクセスモードが利用可能であることを判断する過程と、
通信端末装置から、第2アクセスモードが使用されるべきネットワークに指示を送信する過程と、
通信端末装置において、第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程と
を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
第2アクセスモードを用いて通信を実行する過程と同時に、第1アクセスモードを用いて通信を切断する過程をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ネットワークへ指示を送信する過程は、第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信をネットワークに実行させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
セッションが第1アクセスモードから第2アクセスモードの使用へ移行する時、前記セッションは、アクティブ状態で実質的に維持されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程は、第2アクセスモードを介する通信が首尾よく確立されたか否かの通信端末装置における検出に応答して条件付で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
通信端末装置は、無線携帯通信装置として機能できることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
無線携帯通信装置は、携帯電話通信を実行するように、及び無線ローカルエリアネットワーク通信を実行するように構成されたデュアルモード装置であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
通信端末装置は、有線ローカルエリアネットワークに通信可能に連結されるように、及びアクセスモードとしてローカルエリアネットワークを採用するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1及び第2アクセスモードは、無線通信を具備し、第1アクセスモードは、第2アクセスモードのそれと比較して異なる高周波帯域での通信を採用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1及び第2アクセスモードは、無線通信を具備し、第1アクセスモードは、第2アクセスモードのそれと比較して異なる通信プロトコルに従う通信を採用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
セッションの間、第2アクセスモードが後続通信に用いられる指示を、通信端末装置を介してユーザへ提供する過程をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第2アクセスモードを用いる通信が首尾よく確立された指示を、通信端末装置を介してユーザへ提供する過程をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
セッションの間、第2アクセスモードが利用可能である指示を、通信端末装置を介してユーザへ提供する過程をさらに具備することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項14】
ユーザへの指示は、通信端末装置によって示される音声信号、視覚信号又は機械動作のうち少なくとも1つを介して提供されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第2アクセスモードがユーザによって受入られたか否かに関する指示をユーザから受信する過程と、
それに応じて、第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程と
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第2アクセスモードが受入可能か否かをユーザが判断できるようにするために第1アクセスモード又は第2アクセスモードのうち少なくとも1つに関する情報を、通信端末装置を介してユーザへ伝える過程をさらに具備することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第2通信モードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程は、第2アクセスモードの属性がセッション開始前にユーザによって設定された一組の基準を満たすか否かに基づき条件付で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
基準は、通信端末装置に持続的に記憶されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
属性は、セッションの間に通信端末装置によって基準に関して評価されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程は、中間セッションアクセスモード切換を可能にするためにユーザによって設定された現在の承認を条件として条件付で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ネットワークにアクセスすることによって通信セッションを実行するための通信端末装置であって、
第1アクセスモードを介してセッションに相当する通信を実行する手段と、
セッションに相当する通信に第2アクセスモードが利用可能であることを判断する手段と、
第2アクセスモードが使用されるべきネットワークへ指示を送信する手段と、
第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する手段と
を具備することを特徴とする方法。
【請求項22】
ネットワークへ指示を送信する手段は、セッション中にネットワークへSIP INVITEメッセージを送信する手段を具備することを特徴とする請求項21に記載の通信端末装置。
【請求項23】
通信端末装置を含む通信セッションを実行するための通信ネットワークにおける方法であって、
ネットワーク及び装置間で第1アクセスモードを介してセッションに相当する通信を実行する過程と、
ネットワーク及び装置間の第2アクセスモードがセッションに相当する後続通信に用いられるべき装置から指示を受信する過程と、
ネットワーク及び装置間の第2アクセスモードを用いてセッションに相当する後続通信を実行する過程と
を具備することを特徴とする方法。
【請求項24】
第1アクセスモードによって有効にされた装置のモビリティの程度は、第2アクセスモードによって有効にされたモビリティと比較して実質的に異なることを特徴とする請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−510394(P2008−510394A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525879(P2007−525879)
【出願日】平成17年8月15日(2005.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/029009
【国際公開番号】WO2006/020977
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(507044789)
【出願人】(507044804)
【Fターム(参考)】