説明

主走査線湾曲補正機構、光走査装置および画像形成装置

【課題】主走査線のいずれの湾曲も補正することができ、補正後の主走査線の形状がW字状やM字状になるのを抑制することができ、かつ、反射鏡の蒸着膜の剥がれを抑制することができる主走査線湾曲補正機構、光走査装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】調整ネジ55Yで、板バネ部材54Yの第一面54aYをホルダー側へ押圧していくと、板バネ部材54Yが、第二面54bYの先端Bを中心にして、板バネ部材54Y全体が、図中反時計回りに回動する。すると、板バネ部材54Yの接続部Aが第二反射鏡45Yの支持部材たる爪52aYよりも中央側に当接し、第一面54aYが第二反射鏡54Yの裏面から離間する。これにより、第二反射鏡の加圧位置が、爪52aYよりも長手方向側から中央側へ切り替わり、強制湾曲方向が切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主走査線湾曲補正機構、光走査装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、潜像担持体に対して光走査による潜像を形成する光走査装置を備えた画像形成装置が知られている。潜像担持体を光走査する光走査装置では、それを構成する光学系部品や支持体等に、製造時の加工誤差などによる微妙な歪みがどうしても発生する。また、モータの発熱を伴う光走査動作中には、光学系部品や支持体の微妙な熱変形が生ずる。更には、光学系部品や支持体には組付誤差が少なからず発生する。これら歪み、熱変形、組付誤差などにより、潜像担持体の表面上の主走査線が湾曲してしまう。
【0003】
特許文献1には、走査光学系の反射鏡を湾曲させながらその湾曲量を調整することで、潜像担持体上における主走査線の湾曲を補正する主走査線湾曲補正機構を設けた光書込装置が記載されている。
図19は、特許文献1に記載の光書込装置における反射鏡46と、その周囲構成とを示す拡大構成図であり、図20は、図19のX方向から見た図である。反射鏡46は、図示しない書込用の光ビームを複数回に渡って折返し反射させることで最終的に図示しない潜像担持体に導く複数の反射鏡の1つである。反射鏡46は、その裏面(非鏡面)側に配設された保持部材たるホルダー52によって保持されている。
ホルダー52の長手方向の両端部には、図20に示すように、それぞれ反射鏡46に向けて突出する支持部材たる支持突起52aが設けられており、支持突起52aが反射鏡46の裏面に当接している。ホルダー52の端部の支持突起52aよりも長手方向の中央側には、加圧部材たる板バネ部材54が取り付けられている。それぞれの板バネ部材54は、反射鏡46を鏡面側から裏面側に向けて加圧している。これにより、反射鏡46は、長手方向の中央部を鏡面側から裏面側に向けて(図中矢印Aの方向)撓ませるような形状で湾曲する。つまり、ホルダー52の支持突起と板バネ部材54は、反射鏡46を強制的に湾曲させる第一の強制湾曲手段として機能する。ホルダー52の背面側には、ホルダー52を介して、反射鏡46の長手方向の中央部をホルダー52の強制湾曲方向とは逆方向(図中矢印Bの方向)に押し込む第二の強制湾曲手段たる押込装置64が配設されている。
【0004】
図21は、ホルダー52によって強制的に湾曲せしめられている状態の反射鏡46を示す模式図である。図示しない押込装置(図19の64)が反射鏡46を押し込んでいない状態では、反射鏡46が図中矢印Rで示すように、鏡面側から裏面側に向けて強制的に湾曲せしめられている。この状態から、反射鏡46を押込装置64によって図中矢印B方向に僅かに押し込むと、図22に示すように反射鏡46の湾曲量が減少する。反射鏡46を押込装置64によって更に押し込むと、図23に示すように反射鏡46が初期の状態とは逆方向に湾曲する。このように、反射鏡46を裏面側、鏡面側の何れの方向にも湾曲できるようにすることで、図24で実線で示す主走査線Lb、1点鎖線で示した主走査線Lcの何れの湾曲も補正することができ、点線で示した理想の走査線Laに近づけることができる。
【0005】
かかる構成の特許文献1に記載の光走査装置においては、図19に示すように、板バネ部材54と支持突起52とにより反射鏡の長手方向中央部を図中矢印A方向に強制湾曲した状態の反射鏡の中央部を押込装置64により図中矢印B方向に押し込むことで、主走査線の湾曲を補正する。このとき、反射鏡46の長手方向中央部は、押込装置64の押圧力により、反射鏡の鏡面が、支持突起52aよりも図中下側へ移動し、反射鏡46の中央部は鏡面側へ湾曲する。一方、反射鏡46の両端付近は、板バネ部材54の加圧力により、支持突起52aよりも図中下側へ移動せず、反射鏡46の端部付近は、板バネ部材52の加圧点を頂点として、鏡面側と反対側に湾曲した状態となる。従って、主走査線湾曲補正後の反射鏡46が、波打ったような形状となってしまう。その結果、主走査線湾曲補正機構で強制湾曲された反射鏡46から反射した光が、ダイレクトに感光体に照射される場合は、補正後の主走査線が図25に示すようにW字状となってしまう。また、主走査線湾曲補正機構で強制湾曲された反射鏡46から反射した光が別の反射鏡で反射されるなどして、反転して感光体に照射される場合は、補正後の主走査線が図26に示すようにM字状となってしまう。よって、良好な湾曲補正を行うことができなかった。
【0006】
特許文献2には、板バネ部材を反射鏡の長手方向にスライドさせることで、主走査線の湾曲を補正する主走査線湾曲補正機構を設けた光書込装置が記載されている。
図27は、特許文献2に記載の光書込装置における反射鏡46と、その周囲構成とを示す拡大構成図である。この特許文献2に記載に記載の主走査線湾曲補正機構は、板バネ部材54が、ホルダー52に対して長手方向にスライド可能に支持されている。図27(b)に示すように、板バネ部材54を支持突起52aよりも長手方向の端部側へスライドさせると、反射鏡46の長手方向の中央部が、鏡面側に強制湾曲する。また、図27(c)に示すように、板バネ部材54を支持突起52aよりも長手方向の中央側へスライドさせると、反射鏡46の長手方向の中央部が裏面側に強制湾曲する。このように、板バネ部材を長手方向にスライドさせることで、図24で実線で示した主走査線Lb、1点鎖線で示した主走査線Lcの何れの湾曲も補正することができる。
【0007】
また、特許文献2に記載の光走査装置の主走査線湾曲補正機構は、板バネ部材54の押圧力のみで、反射鏡46の長手方向中央部を鏡面側および裏面側に強制湾曲させるので、特許文献1のように、主走査線の形状がW字状やM字状になるのを抑制することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載の主走査線湾曲補正機構は、湾曲調整時に板バネ部材54が反射鏡46の鏡面を摺擦する。反射鏡46は、樹脂材からなる板状部材54の表面にアルミなどを蒸着させて鏡面を形成している。このため、湾曲調整時に板バネ部材54が反射鏡46の鏡面を摺擦すると、反射鏡46の蒸着膜を剥がしてしまうという課題があった。板バネ部材54が鏡面を摺擦する箇所は、走査光が入射しないところであるが、蒸着膜がはがれると、そこから蒸着膜にひび割れが生じ、そのひび割れが反射鏡46の走査光が入射する箇所に及んで、走査光が正反射しなくなるおそれがある。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、主走査線のいずれの湾曲も補正することができ、補正後の主走査線の形状がW字状やM字状になるのを抑制することができ、かつ、反射鏡の蒸着膜の剥がれを抑制することができる主走査線湾曲補正機構、光走査装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光ビーム発射手段と、前記光ビーム発射手段から発射された光ビームを主走査方向に偏向せしめる偏向手段と、前記光ビームを反射させる反射鏡とを有し、前記光ビームによって走査対象物を光走査する光走査装置に用いられ、前記反射鏡を強制的に湾曲させて前記走査対象物表面上での主走査線の湾曲を補正する主走査線湾曲補正機構において、上記反射鏡の端部付近に当接して上記反射鏡を支持する支持部材と、上記反射鏡の上記支持部材が支持する支持位置よりも反射鏡長手方向端部側に当接して反射鏡を加圧する第一加圧手段と、上記反射鏡の上記支持位置よりも反射鏡長手方向中央側に当接して上記反射鏡を加圧する第二加圧手段と、上記第一加圧手段および上記第二加圧手段の一方が上記反射鏡に当接し、上記反射鏡に当接している一方の加圧手段が反射鏡から離間すると、他方の加圧手段が上記反射鏡に当接するよう各加圧手段を移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の主走査線湾曲補正機構において、上記移動手段は、上記第一加圧手段と、上記第二加圧手段とを備え、上記反射鏡に当接している一方の加圧手段が反射鏡から離間すると、他方の加圧手段が上記反射鏡に当接するよう揺動する揺動部材と、上記揺動部材を揺動させる揺動手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の主走査線湾曲補正機構において、上記反射鏡の鏡面と反対側の面に対向する対向面を有し、上記反射鏡よりも剛性の高い部材で構成され、上記反射鏡を湾曲可能に保持する保持体を備え、上記揺動部材が、第一面と第二面とを有し、第一面と第二面とがなす角が鋭角な板バネ部材であり、上記板バネ部材第二面を、上記保持体の上記対向面と当接させ、上記第一面を上記反射鏡端部に当接させ、上記板バネ部材が揺動して第一面が上記反射鏡から離間すると、上記第一面と第二面との接続部が、上記支持位置よりも反射鏡長手方向中央側に当接するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の主走査線湾曲補正機構において、上記第一面の先端よりも接続部側に上記反射鏡の端部が当接するよう構成されており、上記揺動手段は、上記第一面先端を上記保持体側へ押圧する押圧手段であり、上記第二面の反射鏡長手方向長さが、第一面の反射鏡長手方向長さよりも短いことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の主走査線湾曲補正機構において、上記揺動手段は、上記第一面の先端付近に設けられた貫通孔に貫通し、上記保持体の対向面に設けられたネジ穴にネジ止めされた調整ネジであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4の主走査線湾曲補正機構において、上記押圧手段は、上記保持体の対向面に設けられた貫通孔に貫通し、上記第一面の先端付近に設けられたネジ穴にネジ止めされた調整ネジであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかの主走査線湾曲補正機構において、上記第一面が、反射鏡側に湾曲する湾曲形状にしたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項3乃至7いずれかの主走査線湾曲補正機構において、上記第二面が、上記保持体側に湾曲する湾曲形状にしたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかのの主走査線湾曲補正機構において、上記支持部材、上記第一加圧手段、上記第二加圧手段および上記移動手段を、上記反射鏡の両端に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、光ビーム発射手段と、前記光ビーム発射手段から発射された光ビームを主走査方向に偏向せしめる偏向手段と、前記光ビームを反射させる反射鏡と、走査対象物の表面上における主走査線の湾曲を補正する湾曲補正手段とを備え、前記光ビームによって前記走査対象物を光走査する光走査装置において、前記湾曲補正手段として、請求項1乃至9いずれかの主走査線湾曲補正機構を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、光走査によって該潜像担持体の表面に潜像を形成する光走査手段と、該潜像担持体に担持された潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、前記光走査手段として、請求項10の光走査装置を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記第一加圧手段が反射鏡の支持位置よりも端部側を加圧しているときは、反射鏡の中央部が支持部材と反対側へ強制湾曲する。この状態から上記移動手段で上記第一加圧手段を反射鏡から離間する方向へ移動させていくと、上記第一加圧手段の加圧力が減少していき、反射鏡の湾曲量が減少する。さらに第一加圧手段を移動させていくと、第一加圧手段が反射鏡から離間し、第二加圧手段が反射鏡の支持位置よりも中央側に当接して、反射鏡を加圧していく。その結果、反射鏡の中央が、支持部材側へ強制湾曲する。このように、反射鏡を支持部材側とその反対側の両方に強制湾曲させることができるので、主走査線のいずれの湾曲も補正することができる。
また、上述したように、第一加圧手段で反射鏡を加圧しているときは、第二加圧手段が反射鏡から離間し、第二加圧手段で反射鏡を加圧しているときは、第一加圧手段が反射鏡から離間することで、反射鏡の強制湾曲方向を切り替えることができる。よって、特許文献1に記載の構成のように、反射鏡の強制湾曲方向を切り替えたときに、切り替えた強制湾曲方向と逆向きに反射鏡を強制湾曲させようとする力が反射鏡に生じない。よって、特許文献1に記載の光走査装置のように、主走査線の形状がW字状やM字状となることがない。
さらに、本発明によれば、第一加圧手段で反射鏡を加圧するときは、第二加圧手段を反射鏡から離間させ、第二加圧手段で反射鏡を加圧するときは、第一加圧手段を反射鏡から離間させることで、反射鏡の強制湾曲方向を切り替える。よって、特許文献2に記載の構成のように、板バネ部材を反射鏡の長手方向にスライドさせて、反射鏡の強制湾曲方向を切り替えるもののように、反射鏡を加圧する部材が、反射鏡の鏡面と摺擦することがない。よって、反射鏡の蒸着膜がはがれるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタにおけるY用の作像ステーションを示す概略構成図。
【図3】同プリンタおける光書込ユニットを、4つの感光体とともに示す概略構成図。
【図4】同光書込ユニットのY用の第二反射鏡とその周囲構成とを、第二反射鏡の鏡面側から示す斜視図。
【図5】同第二反射鏡の縦断面と、その周囲構成とを示す構成図。
【図6】同光書込ユニットのY用の傾き調整機構を示す拡大斜視図。
【図7】同傾き補正機構の傾き調整パルスモータ及び傾き調整アジャスタを側面側から示す側面図。
【図8】同傾き補正機構のモータホルダ及び傾き調整アジャスタを示す平面図。
【図9】同第二反射鏡の縦断面を、同傾き補正機構及びホルダーとともに示す拡大構成図。
【図10】同第二反射鏡の縦断面を、主走査線湾曲補正機構及びホルダーとともに示す拡大構成図と、第二反射鏡の湾曲状態とを示す図。
【図11】同主走査線湾曲補正機構の板バネ部材の回動について説明する図。
【図12】同板バネ部材周辺の拡大構成図。
【図13】同板バネ部材の第一変形例の概略構成図。
【図14】同板バネ部材の第二変形例の概略構成図。
【図15】同主走査線湾曲補正機構の第一変形例を示す概略構成図。
【図16】同第一変形例の主走査線湾曲補正機構の板バネ部材の概略斜視図。
【図17】同主走査線湾曲補正機構の第二変形例を示す概略構成図。
【図18】同主走査線湾曲補正機構の第3変形例を示す概略構成図。
【図19】特許文献1に記載の光書込装置における反射鏡とその周囲構成とを示す拡大構成図。
【図20】図19のX方向から見た図。
【図21】強制的に湾曲せしめられている状態の同反射鏡を示す模式図。
【図22】反射鏡を押込装置によって強制的な湾曲方向とは逆方向に僅かに押し込んだときの主走査線を示す模式図。
【図23】反射鏡を押込装置によって更に押し込んだときの主走査線を示す模式図。
【図24】感光体と、その表面上における主走査線とを示す斜視図。
【図25】感光体の表面上における補正後の主走査線の一例を示す模式図。
【図26】感光体の表面上における補正後の主走査線の他の例を示す模式図。
【図27】特許文献2に記載の光書込装置における反射鏡とその周囲構成とを示す拡大構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、筐体1と、この筐体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。筐体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
【0014】
図2は、イエロー(Y)用の作像ステーションを示す概略構成図である。なお、他の作像ステーションも同様の構成である。
図1及び図1に示すように、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、図中矢印A方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10Y,10C,10M,10Kを備えている。感光体10Y,10C,10M,10Kは、直径40[mm]のアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、それぞれ、感光体10Y,10C,10M,10Kの周囲に、感光体を帯電する帯電装置11Y,11C,11M,11Kを備えている。また、感光体に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12Y,12C,12M,12K、感光体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y,13C,13M,13Kも感光体の周囲に備えている。
【0015】
各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの下方には、感光体10Y,10C,10M,10Kに対し、書込光Lによる光走査を行う光書込ユニット4を備えている。また、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの上方には、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kによって形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト20を具備する中間転写ユニット5を備えている。また、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を転写体としての記録紙Pに定着せしめる定着ユニット6を備えている。また、筐体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y,7C,7M,7Kが装填されている。このトナーボトル7Y,7C,7M,7Kは、筐体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、筐体1から脱着可能になっている。
【0016】
光走査装置としての光書込ユニット4は、光源であるレーザーダイオードを有しており、このレーザーダイオードから、回転駆動される正多角柱構造のポリゴンミラーに向けて光ビームとしての書込光Lを発射する。発射された書込光Lは、回転するポリゴンミラーの鏡面によって主走査方向に偏向せしめられながら反射する。そして、複数の反射鏡によって折り返された後、帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様帯電せしめられた感光体10Y,10C,10M,10Kの周面を走査する。これにより、潜像担持体としての感光体10Y,10C,10M,10Kの周面に、それぞれY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット4の詳しい説明は後述する。
【0017】
転写手段たる中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け回されながら、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、感光体10Y,10C,10M,10Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト20に1次転写する1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kを備えている。また、中間転写ベルト20上に1次転写されたトナー像を記録紙Pに転写する2次転写ローラ25、記録紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26も備えている。
【0018】
次に、本プリンタにおいて、カラー画像を得る工程について説明する。
まず、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにおいて、感光体10Y,10C,10M,10Kが帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電される。その後、画像情報に基づいて生成された書込光Lによって走査露光されて、感光体10Y,10C,10M,10Kの表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kの現像ローラ15Y,15C,15M,15K上に担持された各色のトナーによって現像されて、Y,C,M,Kトナー像となる。感光体10Y,10C,10M,10K上のY,C,M,Kトナー像は、各1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kの作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて1次転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0019】
1次転写終了後の感光体10Y,10C,10M,10Kは、クリーニング装置13Y,13C,13M,13Kのクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされて、次の画像形成に備えられる。
【0020】
トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
【0021】
一方、上記給紙カセット2内の記録紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、筐体1内に搬送され、レジストローラ対28によって所定のタイミングで2次転写部に搬送される。そして、2次転写部において、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像が記録紙Pに転写される。トナー像が転写された記録紙Pは、定着ユニット6を通過することでトナー像が定着せしめられた後、排出ローラ29によって排紙トレイ8に排出される。感光体10と同様に、中間転写ベルト20上に残った転写残のトナーは、中間転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
【0022】
次に、光書込ユニット4の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るプリンタおける光書込ユニット4を、4つの感光体とともに示す概略構成図である。この光書込ユニット4は、正多角柱構造の形状からなる2つのポリゴンミラー41a,41bを備えている。これらポリゴンミラー41a,41bは、その6つの側面に反射鏡を有しており、互いに正多角柱の中心を重ねるようにして上下方向に接続されている。そして、図示しないポリゴンモータによって同一回転軸線上で高速回転する。これにより、その側面にレーザーダイオード(光ビーム発射手段)からの書込光(光ビーム)が入射すると、この書込光が偏向・走査される。なお、ポリゴンミラー41aは、それに対して互いに反対方向から進んでくるC,M用の書込光Lc,Lmを主走査方向に偏向せしめるものである。また、ポリゴンミラー41bは、それに対して互いに反対方向から進んでくるY,K用の書込光Ly,Lkを主走査方向に偏向せしめるものである。
【0023】
図示の光書込ユニット4においては、ポリゴンミラー41a,41bや図示しないポリゴンモータ等により、光ビームとしての書込光Lを偏向せしめる偏向手段が構成されている。光書込ユニット4は、かかる偏向手段の他、4つの反射光学系、防音ガラス42a,42b、走査レンズ43a,43b、防塵ガラス48Y,48M,48C,48Kなども有している。
【0024】
ポリゴンミラーによって主走査方向に偏向せしめられながら、防音ガラス42bを透過したY,C用の書込光Ly,Lcは、それぞれ上下方向に並んだ状態で走査レンズ43bを透過する。この走査レンズ43bは、書込光Ly,Lcを主走査線方向および副走査線方向に集光することでポリゴンミラーによる主走査方向の等角度運動を等速直線運動へと変えるとともに、ポリゴンミラーの面倒れ補正を行う役割を担っている。防音ガラス42aを透過したM,K用の書込光Lm,Lkは、防音ガラス42aを透過して前述の走査レンズ43bとは反対側に位置している走査レンズ43aを透過する。
【0025】
光書込ユニット4における4つの反射光学系は、それぞれ、上述したレーザーダイオード、反射鏡等から構成されている。具体的には、Y,C,M,Kの各色のうち、Y用の反射光学系を例にすると、これは、図示しないY用のレーザーダイオード、第一反射鏡44Y、第二反射鏡45Y等を有している。これら反射鏡は、何れもレンズ機能を有さないミラーである。C,M,K用の反射光学系も、同様にして、レーザーダイオード、第一反射鏡(44C〜K)、第二反射鏡(45C〜K)を有している。
【0026】
走査レンズ43a,43bを透過したY,C,M,K用の書込光Ly,Lc,Lm,Lkは、Y,C,M,K用の反射光学系の各反射鏡に向かう。例えば、走査レンズ43aを透過したY用の書込光Lyは、第一反射鏡44Y、第二反射鏡45Yの鏡面を順次反射し、2回折り返されることで、Y用の感光体10Yの表面に導かれていく。C,M,K用のレーザー光Lc,Lm,Lkも同様にしてそれぞれ専用の2つの反射鏡で折り返されることで、C,M,K用の感光体10C,M,Kの表面に導かれていく。なお、第二反射鏡45Y,C,M,Kの鏡面で反射したY,C,M,K用の書込光Ly,Lc,Lm,Lkは、光書込ユニット4の上面に設けられた防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kを透過した後、感光体10Y,M,C,Kの表面に到達する。
【0027】
本プリンタの光書込ユニット4は、Y,C,M,K用の反射光学系にそれぞれ、何れか1つの反射鏡の湾曲状態を調整することで主走査線の湾曲方向や湾曲量を調整する主走査線湾曲補正機構と、その反射鏡の傾きを調整する傾き補正機構とを設けている。以下、Y用の反射光学系を例にして、主走査線湾曲補正機構や傾き補正機構について説明する。
【0028】
図4は、Y用の第二反射鏡45Yとその周囲構成とを、第二反射鏡45Yの鏡面側から示す斜視図である。また、図5は、Y用の第二反射鏡45Yの縦断面と、その周囲構成とを示す構成図である。これらの同図において、第二反射鏡45Yは、その裏面側に存在するコの字状の断面形状を有する保持体たるホルダー52Yによって保持されている。
【0029】
ホルダー52Yとしては、第二反射鏡46Yよりも剛性の強いものを用いている。第二反射鏡45Yを強制的に湾曲させた状態で保持するホルダー52Yが第二反射鏡45Yよりも強い剛性を発揮することにより、同じ剛性あるいは第二反射鏡45Yよりも弱い剛性のものに比べて、ホルダー52Yの経時的な変形を抑える。よって、主走査線の湾曲をより長期間に渡って補正することができる。
【0030】
第二反射鏡45Yの長手方向の一端部裏面には、傾き補正機構が当接している。そして、この傾き補正機構は、図6に示すように、傾き調整パルスモータ56Y、モータホルダ57Y、傾き調整アジャスタ58Y等を有している。
【0031】
図7は、傾き補正機構の傾き調整パルスモータ56Y及び傾き調整アジャスタ58Yを側面側から示す側面図である。また、図8は、傾き補正機構のモータホルダ57Y及び傾き調整アジャスタ58Yを示す平面図である。図7に示すように、傾き調整パルスモータ56Yの回転軸56aYには、雄ネジ部56bYが設けられている。傾き調整アジャスタ58は自らに設けられた雌ネジ部が前述の雄ネジ部56bYに螺合せしめられることで、回転軸56aYに固定される。傾き調整アジャスタ58Yは、図8に示すように、断面D形状をしており、モータホルダ57に設けられたD形状のアジャスタ挿入口57aYに挿入されている。傾き調整アジャスタ58Yは、傾き調整パルスモータ56Yの回転軸56aYが回転してもアジャスタ挿入口57aYに係止されるので回転することがない。そして、回転軸56aYの回転に伴うネジ送りによって図4の矢印D方向に昇降する。
【0032】
先に示した図5において、傾き調整パルスモータ56Yを保持しているモータホルダ57Yは、図示しない光書込ユニット4のハウジングに固定されている。この傾き調整パルスモータ56Yの回転軸のネジ部に螺合せしめられた傾き調整アジャスタ58Yの頂部は、第二反射鏡45Yの端部の鏡面に当接している。
【0033】
一方、第二反射鏡45Yにおける傾き調整パルスモータ56Yとは反対側の端部(以下、「支点側端部」という。)は、図示しない光書込ユニット4のハウジングに形成された支持部66の上に載せられている。この状態で、図示しないハウジングに固定された板バネ69が裏面に押し当てられることで、支持部66と板バネ69との間に挟み込まれている。
【0034】
傾き調整パルスモータ56Yの回転軸に螺合せしめられた傾き調整アジャスタ(図7の58Y)が回転軸の回動に伴って昇降すると、第二反射鏡45Yの一端部に対する傾き調整アジャスタの押込量が変化する。これにより、第二反射鏡45Yのモータ側端部が、支持部66と板バネ69との間に挟み込まれている支点側端部を支点にして、図9に示すようにアジャスタ昇降方向に揺動する。そして、この揺動によって第二反射鏡45Yの傾きが変化する。つまり、図示の第二反射鏡45Yは、傾き調整パルスモータ56Yの回動量の調整によって傾きが調整される。
【0035】
次に、本発明の特徴点である主走査線湾曲補正機構について説明する。
図10は、第二反射鏡45Yの縦断面を、主走査線湾曲補正機構及びホルダー52Yとともに示す拡大構成図と、第二反射鏡45Yの湾曲状態とを示す図である。
第二反射鏡45Yの裏面側に位置しながら第二反射鏡45Yを保持しているホルダー52Yは、第二反射鏡45Yの幅方向に並ぶ2つの爪52aYを、長手方向の両端部にそれぞれ有している。これらの爪52aYは、ホルダー52Yの本体に一体形成されたものである。ホルダー52Yは、それぞれの爪52aYを第二反射鏡45Yの鏡面に引っ掛けることで、第二反射鏡45Yを鏡面側で支持している。また、傾き調整パルスモータ56Y側のホルダー52Yと第二反射鏡45Yとの間には、コイルスプリングなどからなる押圧部材53Yが設けられている。押圧部材53Yは、支持部材たる爪52aYを挟んで、第二反射鏡45Yの裏面(非鏡面)を鏡面側に向けて押圧している。
【0036】
支点側のホルダー52Yと第二反射鏡45Yとの間には、揺動部材たる板バネ部材54Yが設けられている。板バネ部材54Yは、図10(a)に示す初期状態のとき、第二反射鏡45Yの裏面端部に当接する第一面54aYと、ホルダー52Yに当接する第二面54bYとを有し、第一面54aYと第二面54bYとのなす角度が鋭角となっている。板バネ部材54Yは、圧縮状態で、ホルダー52Yと第二反射鏡45Yとの間に設けられ、第二反射鏡45Yの端部を鏡面側に向けて加圧している。これにより、第二反射鏡45Yが、ホルダー52Y側へ強制湾曲している。
【0037】
板バネ部材54Yの第一面54aYと第二面54bYとの接続部Aは、支持部材たる爪52aYよりも長手方向中央側に位置している。また、第一面54aYの長手方向長さが、第二面54bYの長手方向長さよりも長くなっており、第二面54bYの先端Bが、第一面の先端Cよりも第二反射鏡側に位置している。このように構成することにより、第一面54aYの先端C付近をホルダー52Y側に加圧したとき、板バネ部材54Yが、図11に示すように、第二面54bYの先端Bを中心にして図中反時計回りに回動させることができる。また、第二面54bYの長手方向の長さは、ホルダー52Yと第二反射鏡45Yとの間の隙間よりも長くなっている。これにより、板バネ部材54Yが第二面54bYの先端Bを中心にして図中反時計回りに回動したとき、接続部Aを第二反射鏡45Yの裏面に当接させることができる。
【0038】
図12は、板バネ部材54Y周辺の拡大構成図である。
図に示すように、板バネ部材54Yの第一面54aYの先端付近には、貫通孔54cYが形成されており、その貫通孔54cYに揺動手段たる調整ネジ55Yが貫通している。調整ネジ55Yは、ホルダー52Yに設けられたネジ穴52bYにネジ止めされている。
【0039】
調整ネジ55Yを一方向に回すと、調整ネジ55Yがホルダー52Y側へ移動し、調整ネジ55Yの頭部が、板バネ部材54Yの第一面54aYと当接する。さらに、調整ネジ55Yを回してホルダー52Y側へ移動させていくと、調整ネジ55Yの頭部が、第一面54aYをホルダー52Y側へ押圧する。すると、板バネ部材54Yが、第二面54bYの先端Bを中心にして、板バネ部材54Y全体が、図中反時計回りに回動する。また、調整ネジ55Yで第一面54aYを、ホルダー52Y側に押圧することで、第一面54aYから第二反射鏡45Yの端部に加わる加圧力が減少し、第二反射鏡45Yのホルダー52Y側への湾曲が減少する。さらに、調整ネジ55Yをホルダー52Y側へネジ込んでいくと、図10(b),図12(b)に示すように、板バネ部材54Yの第一面54aYが、第二反射鏡45Yの裏面と面接触する。これにより、図10(b)に示すように、第二反射鏡45Yが、フラットな状態となる。また、このとき、板バネ部材54Yの接続部Aが第二反射鏡45Yの裏面と当接し、これ以上、板バネ部材54Yが図中反時計回りに回動しなくなる。よって、図10(b),図12(b)の状態から、調整ネジ55Yをホルダー52Y側へネジ込んで、第一面54aYをホルダー52Y側に押し込むと、板バネ部材全体を図中反時計回りに回動させようとするが、接続部Aが第二反射鏡45Yの裏面に当接しているため回動できない。このため、第一面54aYが第二面54bY側へ圧縮され、第一面54aYが第二反射鏡45Yの裏面から離間する(図10(c),図12(c)参照)。また、板バネ部材54Yを図中反時計回りに回動させる力により、接続部Aが第二反射鏡45Yの裏面を鏡面側へ加圧する。すなわち、この接続部Aが、支持部材たる爪52aYよりも中央側を加圧する第二加圧手段として機能する。このとき、接続部Aの第二反射鏡45Yとの当接位置は、支持部材たる爪52aYよりも中央側であるので、第二反射鏡45Yは、この接続部Aによる加圧力により、鏡面側へ湾曲する。そして、調整ネジ55をさらにホルダー側へネジ込んでいくと、接続部Aの第二反射鏡45Yに対する加圧力が増加し、第二反射鏡45Yが、鏡面側へ大きく湾曲する。
【0040】
また、図10(c),図12(c)の状態から、調整ネジ55Yを他方向へ回すと、第二面54bY側へ圧縮されていた第一面54aYが、復元力により図中時計回りに回動し、図10(b),図12(b)に示すような状態となる。また、調整ネジ55Yが、板バネ部材54Y全体を回動させようとする力が弱まるので、接続部Aの第二反射鏡45Yに対する加圧力が低下していく。これにより、第二反射鏡の鏡面側の湾曲が減少していく。図10(b),図12(b)に示すような状態からさらに、調整ネジを他方向へ回転させていくと、第二反射鏡45Yの端部を支点とするてこの原理が働き、第一面54aYの復元力が接続部Aに作用して、接続部Aにホルダー側へ移動させるような力が働く。その結果、板バネ部材54Y全体が、第二面54bYの先端Bを中心にして、図中時計回りに回動し、図10(a)、図12(c)のような状態となる。また、第一面54aYの復元力が第二反射鏡45Yの端部を加圧し、第二反射鏡45Yがホルダー52Y側に湾曲する。すなわち、第一面54aYが、支持部材たる爪52aYの支持位置よりも端部側を押圧する第一加圧手段として機能する。
【0041】
このように、本実施形態においては、揺動部材たる板バネ部材54Yが揺動して、第二反射鏡45Yを加圧する位置が、支持部材たる爪52aYの支持位置よりも端部側から、中央側へ切り替わることにより、第二反射鏡45Yを、ホルダー側、鏡面側の両方に湾曲させることができる。これにより、主走査線のいずれの湾曲も補正することができる。また、第二反射鏡45Y鏡面と摺擦することなく、加圧位置を切り替えることができるので、第二反射鏡45Yの蒸着膜が剥がれることがない。
【0042】
また、揺動部材を板バネ部材54Yとすることで、揺動部材自身の復元力で、第二反射鏡45Yを加圧することができ、装置を安価にすることができる。また、本実施形態においては、板バネ部材54Y自身の復元力により、板バネ部材54Yをホルダー52Yと第二反射鏡45Yとの間に保持しているが、第二面54bYの先端Bを回動自在にホルダー52Yに取り付けてもよい。
【0043】
次に、板バネ部材54Yの変形例について説明する。
図13は、板バネ部材の第一変形例の概略構成図である。
図に示すように、この第一変形例の板バネ部材541Yは、第一面541aYを第二反射鏡側に湾曲させている。かかる構成とすることで、図13(b)に示すように、第一面541aYの先端側をホルダー52Y側へ押圧して、板バネ部材541を図中反時計回りに回動させたとき、第一面の第二反射鏡の裏面との当接位置を異ならせることができる。より具体的に説明すると、板バネ部材541を図中時計回りに回動させると、第一面の第二反射鏡との当接位置が、第二反射鏡の端部側から中央側へ連続的に変化するのである。このように、当接位置を変化させることによって、板バネ部材が、第二反射鏡45Yを加圧する位置を連続的に変化させることができ、第二反射鏡45Yの湾曲調整を精度よく行うことができる。
【0044】
図14は、板バネ部材の第二変形例の概略構成図である。
図に示すように、第二変形例の板バネ部材542Yは、第二面542bYを、ホルダー側に湾曲させたものである。かかる構成にすることで、接続部Aが反射鏡と当接したとき、第二面の先端部Bよりも、接続部側が、ホルダー52Yと当接する。そして、接続部Aが第二反射鏡に当接した状態から第一面をホルダー側へ押圧したとき、ホルダー52Yからの反力により、第二面542bYが変形する。すなわち、第二面542bYが、板バネのような機能を発揮するのである。その結果、接続部Aに第二面542bYの復元力が働き、第二面542bYがフラットな形状に比べて、接続部Aの加圧力が増加する。よって、反射鏡長手方向中央部のホルダー側への湾曲量を大きくすることができ、十分な調整範囲を確保することができる。
【0045】
次に、主走査線湾曲補正機構の変形例について説明する。
【0046】
[変形例1]
図15は、主走査線湾曲補正機構の第一変形例を示す概略構成図であり、図16は、板バネ部材の概略斜視図である。
図に示すように、板バネ部材54Yの第一面54aYの先端には、ネジ穴59aYが形成されたネジ穴部材59Yがカシメや接着などによって固定されている。ホルダー52Yには、貫通孔52cYが設けられている。調整ネジ55Yは、この貫通孔52cYに貫通し、ネジ穴部材59Yのネジ止めされている。
調整ネジ55を一方向へ回転させると、ネジ穴部材59Yが、ホルダー52Y側へ移動し、ネジ穴部材59Yが、板バネ部材54Yの第一面先端をホルダー52Y側へ押圧する。すると、上述同様、板バネ部材54Yが、第二面54bYの先端を中心に図中反時計回りに回動する。また、ネジ穴部材59Yにより、第一面54aYがホルダー52Y側へ押圧されることにより、第一面54aYの第二反射鏡45Yへの加圧力が減少し、第二反射鏡45Yの長手方向中央部のホルダー側への湾曲が減少する。さらに、調整ネジ55Yを回転させて、ネジ穴部材59Yをホルダー52Y側へ移動させると、接続部Aが第二反射鏡45Yの支持位置より長手方向中央側に当接する。さらに、調整ネジ55Yを回転させて、ネジ穴部材59Yをホルダー52Y側へ移動させると、図15(b)に示すように、第一面54aYが撓んで、第一面54aYが第二反射鏡45Yから離間し、接続部Aで第二反射鏡45Yを加圧する。これにより、第二反射鏡45Yの長手方向中央部が鏡面側へ湾曲する。さらに、ネジ穴部材59Yをホルダー側52Yへ移動させると、接続部Aの第二反射鏡45Yを加圧する力が増加し、第二反射鏡45Yの長手方向中央部が鏡面側へ大きく湾曲する。
【0047】
この変形例1の主走査線湾曲補正機構によれば、調整ネジ55Yに対してホルダー52Y側からアクセスすることができる。装置のレイアウトなどにより、反射鏡45Yの鏡面側から調整ネジ55Yへのアクセスが困難な場合、この変形例1の主走査線湾曲補正機構を採用することにより、湾曲補正の作業を容易に行うことができる。
【0048】
[変形例2]
図17は、主走査線湾曲補正機構の第二変形例を示す概略構成図である。
この変形例2においては、第二反射鏡45Yの両端に板バネ部材54Yと、調整ネジ55Yとを設けて、第二反射鏡45Yの両端で、加圧位置を切り替えるように構成したものである。かかる構成とすることで、第二反射鏡45Yの湾曲の頂点を、反射鏡の長手方向中央に位置させることができる。その結果、良好に色ずれ補正を行うことができる。一方、一端のみ加圧位置を切り替えるようにした構成では、一端のみ調整すればよいので、湾曲調整の作業を容易に行うことができるというメリットや、部品点数を削減できるため、装置を安価にできるというメリットがある。
【0049】
[変形例3]
図18は、主走査線湾曲補正機構の第三変形例を示す概略構成図である。
この変形例3においては、揺動部材として加圧レバー101Yを備えている。加圧レバー101Yには、支持部材たる爪52aよりも長手方向端部側に当接して第二反射鏡45Yを加圧する第一加圧手段たる第一加圧部101aYと、爪52aよりも長手方向中央側に当接して第二反射鏡45Yを加圧する第二加圧手段たる第二加圧部101bYとを有している。加圧レバー101Yの第一加圧部101aYと第二加圧部101bYとの間には、貫通孔が形成されており、この貫通孔に揺動軸101cYが挿入されている。揺動軸101cYは、コの字状のホルダー52Yの鏡面側へ延びる面に固定されている。これにより、加圧レバー101Yは、揺動軸101cYを中心に回動自在にホルダー52Yに取り付けられる。加圧レバー101Yの第二加圧部101bYと反対側(以下、揺動側という)端部には、コイルスプリングなどの加圧部材102Yが当接しており、加圧レバー101Yの揺動側の端部を、ホルダー52Y側へ加圧している。これにより、加圧レバー101Yの第二加圧部101bYが第二反射鏡45Yに当接し、加圧部材102Yの加圧力により第二加圧部101bYが、第二反射鏡45Yを鏡面側へ加圧している。その結果、第二反射鏡45Yが鏡面側に湾曲している。また、加圧レバー101Yの揺動側端部には、加圧レバー101Yを挟んで加圧部材102Yと対向するように、揺動手段としてのアクチュエータ103Yが設けられている。また、揺動手段を調整ネジとしてもよい。この場合、ホルダーにネジ穴を設け、そのネジ穴に調整ネジをネジ止めする。そして、調整ネジの先端を加圧レバーに当接させる。
【0050】
アクチュエータ103Yを駆動して、加圧レバー101Yの揺動側端部を加圧部材102Y側へ押圧すると、加圧部材102Yの加圧レバー101Yに対する加圧力が減少し、第二加圧部101bYの第二反射鏡45Yに対する加圧力が減少する。その結果、第二反射鏡45Yの長手方向中央部の鏡面側への湾曲が減少する。さらに、アクチュエータ103Yで加圧レバー101Yの揺動側端部を加圧部材102Y側へ押圧すると、加圧レバー101Yが図中時計回りに回動して、第二加圧部101bYが第二反射鏡45Yから離間し、第一加圧部101aYが第二反射鏡45Yと当接する(図18(b)参照)。これにより、第一加圧部101aYにより第二反射鏡45Yの支持部材たる爪52aよりも端部側が加圧され、第二反射鏡45Yの長手方向中央部が、ホルダー52Y側へ湾曲する。さらに、アクチュエータ103Yによって加圧レバー101Yを加圧部材102Y側へ押圧すると、第一加圧部101aYの第二反射鏡45Yに対する加圧力が増加し、第二反射鏡の長手方向中央部が、ホルダー側へ大きく湾曲する。
【0051】
かかる構成であっても、加圧部材を長手方向にスライドさせることなく、反射鏡の加圧位置を支持位置よりも中央側から端部側へ切り替えることができる。
【0052】
以上、本実施形態の主走査線湾曲補正機構によれば、反射鏡の端部付近に当接して反射鏡を支持する支持部材たるホルダー52Yの爪52aと、反射鏡の支持位置よりも反射鏡長手方向端部側に当接して反射鏡を加圧する第一加圧部と、反射鏡の支持位置よりも中央側に当接して反射鏡を加圧する第二加圧部とを有し、第一加圧部および第二加圧部の一方が反射鏡に当接し、反射鏡に当接している一方の加圧部が反射鏡から離間すると、他方の加圧部が反射鏡に当接するよう揺動する揺動部材と、揺動部材を揺動させる揺動手段とを備えている。これにより、揺動部材が揺動することによって、反射鏡の加圧位置を長手方向中央側から端部側へ切り替えることができるので、特許文献2に記載の主走査線湾曲補正機構のように、反射鏡を加圧する加圧部材を長手方向にスライドさせて加圧位置を切り替えるもののように、加圧部材が反射鏡と摺擦することがない。よって、反射鏡が傷つくのを抑制することができ、反射鏡の蒸着膜が剥がれるのを抑制することができる。また、加圧位置を、支持位置よりも長手方向端部側から中央側へ切り替えることができるので、反射鏡の長手方向中央部を鏡面側、その反対側の両方に湾曲させることができる。これにより、図23の実線で示す主走査線Lb、1点鎖線で示した主走査線Lcの何れの湾曲も補正することができ、点線で示した理想の走査線Laに近づけることができる。また、補正後の主走査線が、W字状やM字状になるのを抑制することができ、良好な色ずれ補正を行うことができる。
【0053】
また、本実施形態においては、反射鏡の鏡面と反対側の面に対向する対向面を有し、反射鏡よりも剛性の高い部材で構成され、反射鏡を湾曲可能に保持する保持体たるホルダー52を備えている。これにより、ホルダーが反射鏡と同じ剛性あるいは反射鏡よりも弱い剛性のものに比べて、ホルダー52の経時的な変形を抑えることができる。よって、主走査線の湾曲をより長期間に渡って補正することができる。
【0054】
また、揺動部材が、第一面54aと第二面54bとを有し、第一面54aと第二面54bとがなす角が鋭角な板バネ部材54であり、板バネ部材54の第二面54bを、ホルダーの対向面と当接させ、第一面54aを反射鏡長手方向端部に当接させる。また、板バネ部材54が揺動して第一面54aが反射鏡から離間すると、第一面54aと第二面54bとの接続部Aが、支持位置よりも長手方向中央側に当接するよう構成している。これにより、板バネ部材の第一面が第一加圧部として、反射鏡を加圧し、接続部Aが第二加圧部として、反射鏡を加圧することができる。また、揺動部材を板バネ部材とすることで、加圧部材を別に設けることなく、初期状態において、第一面54aで、反射鏡を加圧することができる。
【0055】
特に、第一面の先端よりも接続部側に反射鏡の端部が当接するよう構成し、第二面の反射鏡長手方向長さが、第一面の反射鏡長手方向長さよりも短くすることによって、第一面先端を保持体側へ押圧すると、板バネ部材が回動して、接続部を第二反射鏡に当接させることができる。
【0056】
また、板バネ部材の第一面を押圧する押圧手段としては、第一面の先端付近に設けられた貫通孔に貫通し、ホルダーの対向面に設けられたネジ穴にネジ止めされた調整ネジとした。これにより、調整ネジを回転させるだけで、板バネ部材を押圧して、板バネ部材を回動させて、加圧位置を切り換えたり、板バネ部材の反射鏡に対する加圧力を増減させたりすることができ、反射鏡の湾曲を調整することができる。
【0057】
また、板バネ部材の第一面を押圧する押圧手段を、ホルダーの対向面に設けられた貫通孔に貫通し、第一面の先端付近に設けられたネジ穴にネジ止めされた調整ネジとしてもよい。このように構成しても、上述と同様な作用が得られ、反射鏡の湾曲を調整することができる。また、ホルダー側から調整ネジにアクセスすることができる。
【0058】
また、板バネ部材の第一面を反射鏡側に湾曲する湾曲形状にすることによって、板バネ部材を回動させたときに、第一面の反射鏡との当接位置を連続的に変位させることができ、第一面の反射鏡に対する加圧力がほとんど変化しない場合でも、反射鏡の湾曲量を調整することができる。
【0059】
また、板バネ部材の第二面をホルダー側に湾曲する湾曲形状にすることによって、第二面がホルダーの反発力により変形しやすくなる。その結果、接続部Aが反射鏡に当接した状態で、第一面をホルダー側へ押圧したとき、第二面がホルダーの反力を受けて弾性変形する。その結果、接続部Aの反射鏡の加圧力に、板バネ部材全体が回動しようとする力に、第二面の復元力が加わり、接続部Aの反射鏡の加圧力が増加する。これにより、反射鏡のホルダー側への湾曲量を十分に確保することができ、調整範囲を十分に確保することができる。
【0060】
また、爪52aと、揺動部材たる板バネ部材と、揺動手段とを、反射鏡の両端に配置することにより、反射鏡の長手方向中央部を頂点にして反射鏡を湾曲させることができる。これにより、色あわせ精度を向上させることができる。
【0061】
また、光走査装置たる光書込ユニットとして、上述の主走査線湾曲補正機構を用いることで、走査線の副走査方向の湾曲を良好に補正することができる。
【0062】
また、画像形成装置として、上述の光書込ユニットを用いることで、色ずれのない良好な画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0063】
4:光書込ユニット
45:第二反射鏡
52:ホルダー
52a:爪
53:押圧部材
54,541,542:板バネ部材
54a,541a,542a:第一面
54b,541b,542b:第二面
55:調整ネジ
59:ネジ穴部材
101Y:加圧レバー
101a:第一加圧部
101b:第二加圧部
103:アクチュエータ
A:接続部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2006−17881号公報
【特許文献2】特開2008−299304号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビーム発射手段と、前記光ビーム発射手段から発射された光ビームを主走査方向に偏向せしめる偏向手段と、前記光ビームを反射させる反射鏡とを有し、前記光ビームによって走査対象物を光走査する光走査装置に用いられ、
前記反射鏡を強制的に湾曲させて前記走査対象物表面上での主走査線の湾曲を補正する主走査線湾曲補正機構において、
上記反射鏡の端部付近に当接して上記反射鏡を支持する支持部材と、
上記反射鏡の上記支持部材が支持する支持位置よりも反射鏡長手方向端部側に当接して反射鏡を加圧する第一加圧手段と、
上記反射鏡の上記支持位置よりも反射鏡長手方向中央側に当接して上記反射鏡を加圧する第二加圧手段と、
上記第一加圧手段および上記第二加圧手段の一方が上記反射鏡に当接し、上記反射鏡に当接している一方の加圧手段が反射鏡から離間すると、他方の加圧手段が上記反射鏡に当接するよう各加圧手段を移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項2】
請求項1の主走査線湾曲補正機構において、
上記移動手段は、上記第一加圧手段と、上記第二加圧手段とを備え、上記反射鏡に当接している一方の加圧手段が反射鏡から離間すると、他方の加圧手段が上記反射鏡に当接するよう揺動する揺動部材と、
上記揺動部材を揺動させる揺動手段とを備えたことを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項3】
請求項2の主走査線湾曲補正機構において、
上記反射鏡の鏡面と反対側の面に対向する対向面を有し、上記反射鏡よりも剛性の高い部材で構成され、上記反射鏡を湾曲可能に保持する保持体を備え、
上記揺動部材が、第一面と第二面とを有し、第一面と第二面とがなす角が鋭角な板バネ部材であり、
上記板バネ部材第二面を、上記保持体の上記対向面と当接させ、上記第一面を上記反射鏡端部に当接させ、上記板バネ部材が揺動して第一面が上記反射鏡から離間すると、上記第一面と第二面との接続部が、上記支持位置よりも反射鏡長手方向中央側に当接するよう構成したことを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項4】
請求項3の主走査線湾曲補正機構において、
上記第一面の先端よりも接続部側に上記反射鏡の端部が当接するよう構成されており、
上記揺動手段は、上記第一面先端を上記保持体側へ押圧する押圧手段であり、
上記第二面の反射鏡長手方向長さが、第一面の反射鏡長手方向長さよりも短いことを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項5】
請求項4の主走査線湾曲補正機構において、
上記揺動手段は、上記第一面の先端付近に設けられた貫通孔に貫通し、上記保持体の対向面に設けられたネジ穴にネジ止めされた調整ネジであることを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項6】
請求項4の主走査線湾曲補正機構において、
上記押圧手段は、上記保持体の対向面に設けられた貫通孔に貫通し、上記第一面の先端付近に設けられたネジ穴にネジ止めされた調整ネジであることを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項7】
請求項3乃至6いずれかの主走査線湾曲補正機構において、
上記第一面が、反射鏡側に湾曲する湾曲形状にしたことを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項8】
請求項3乃至7いずれかの主走査線湾曲補正機構において、
上記第二面が、上記保持体側に湾曲する湾曲形状にしたことを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかのの主走査線湾曲補正機構において、
上記支持部材、上記第一加圧手段、上記第二加圧手段および上記移動手段を、上記反射鏡の両端に配置したことを特徴とする主走査線湾曲補正機構。
【請求項10】
光ビーム発射手段と、前記光ビーム発射手段から発射された光ビームを主走査方向に偏向せしめる偏向手段と、前記光ビームを反射させる反射鏡と、走査対象物の表面上における主走査線の湾曲を補正する湾曲補正手段とを備え、前記光ビームによって前記走査対象物を光走査する光走査装置において、
前記湾曲補正手段として、請求項1乃至9いずれかの主走査線湾曲補正機構を用いたことを特徴とする光走査装置。
【請求項11】
潜像を担持する潜像担持体と、光走査によって該潜像担持体の表面に潜像を形成する光走査手段と、該潜像担持体に担持された潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
前記光走査手段として、請求項10の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−8171(P2012−8171A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141365(P2010−141365)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】