説明

亀裂変位計測システムおよび端末

【課題】トンネルや橋梁等のコンクリート構造物の亀裂の変位を計測するのに適した亀裂変位計測システムを、比較的低価格で実現する。
【解決手段】本発明の亀裂変位計測システムは、トンネル3の天井や側壁に取り付けられた複数のセンサ端末1と、これら複数のセンサ端末1で計測された亀裂の長さ(幅)のデータを、無線通信を利用して収集する1台のデータ収集端末2とで構成されている。各センサ端末1で計測されたデータは、隣接するセンサ端末1に送信され、バケツリレー式にデータ収集端末2まで転送される。データ収集端末2で収集・格納された亀裂長さの時系列データは、データ収集端末2のポートまたはスロットにリムーバブルメディアを差し込むことにより定期的に収集される。収集したデータをパソコン等によって分析することにより、トンネル3内の亀裂の変位を把握できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルや橋梁等のコンクリート構造物の複数個所に生じた亀裂の変位を、無線LANを利用して収集する亀裂変位計測システムに関し、さらにはそのシステムを構成する端末に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルや橋梁等のコンクリート構造物では、車両の通過による繰り返し荷重や振動、あるいは地震などにより、コンクリートに亀裂が生じる。亀裂が進行してコンクリートの損傷が激しくなった場合には補修を行う必要があるため、亀裂の程度を常に把握しておく必要がある。
【0003】
従来、亀裂の程度を把握するため、コンクリート構造物に計測センサを取り付けてデータを収集していたが、トンネルや橋梁等の大型の構造物では、データの収集に時間を要し、また常時自動車が通過するような場所では、データを収集すること自体が困難であった。
【0004】
一方、近年、分散配置されたセンサのデータを、無線LANを利用して収集するセンサシステムが開発され、建築物やビル、工場の保守点検に広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムは、センサに無線LANの機能を付加し、ZigBee(登録商標)等のネットワーク技術を利用して計測データを収集するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−72415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したセンサシステムは、無線LANとインターネット等を組み合わせることにより、温度、湿度、加速度、振動、歪等の様々な物理量に関するデータをリアルタイムで収集できる。
【0007】
しかし、構造物の近くにインターネット等のインフラが整備されていないトンネルや橋梁に、そのままの形態で適用することは困難であり、さらにシステムを構築するのに高額の費用がかかるという問題があった。
【0008】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、トンネルや橋梁の亀裂の変位を計測するのに適した構成を備え、かつ比較的低価格で実現できる亀裂変位計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明にかかる亀裂変位計測システムは、コンクリート構造体の壁面に生じた亀裂を含む領域の長さを、センサ端末を用いて所定の第1の時間間隔で計測し、計測した長さの時系列データを、無線通信を利用してデータ収集端末で収集し、この長さの時系列データに基づいて、時間の経過に対する亀裂の変位を計測する亀裂変位計測システムであって、
前記センサ端末は、
前記亀裂を含む領域の長さを計測する距離センサと、
前記距離センサで計測された長さの時系列データを第1のメモリに格納し、かつ前記長さの時系列データを含むパケットを生成する第1のコントローラと、
前記パケットに必要な情報を付加し、第1のアンテナを介して隣接するセンサ端末または前記データ収集端末に送信する第1のデータ伝送部と、
前記距離センサ、第1のコントローラおよび第1のデータ伝送部に電力を供給する第1のバッテリと、を備え、
前記データ収集端末は、
前記センサ端末から送信されたパケットを、第2のアンテナを介して受信する第2のデータ伝送部と、
前記第2のデータ伝送部で受信したパケットから前記長さの時系列データを取り出して第2のメモリに格納する第2のコントローラと、
前記第2のデータ伝送部および前記第2のコントローラに電力を供給する電力供給手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記第1および第2のメモリとして不揮発性メモリを用いることが好ましい。また前記電力供給手段として第2のバッテリを用いることが好ましい。
【0011】
また、前記データ収集端末は、リムーバブルメディアを接続できるリムーバブルメディア接続部を更に備え、前記第2のコントローラは、前記第2のメモリに格納された長さの時系列データを前記リムーバブルメディアに書き込むことが好ましい。
【0012】
また前記センサ端末は、気温を計測する温度センサを更に備え、前記第1のコントローラは、前記第1の不揮発性メモリに、前記温度センサで計測した気温の時系列データを、前記長さの時系列データと関連付けて格納することが好ましい。
【0013】
また前記センサ端末は、前記第1の時間間隔で長さの計測と格納を行い、かつ所定の第2の時間間隔で前記長さの時系列データの送信を行い、それ以外の時間はスリープ状態にあることが好ましい。
【0014】
また前記データ収集端末は、前記第2の時間間隔で前記長さの時系列データの受信と前記第2の不揮発性メモリへの格納を行い、それ以外の時間はスリープ状態にあることが好ましい。
【0015】
また前記第1および第2のデータ伝送部は、短距離無線通信規格の一つである ZigBee に準拠したものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる亀裂変位計測システムは、インフラである電力線や通信網を必要としないため、どのような場所にでも設置できる。さらに、一旦、センサ端末およびデータ収集端末を設置すれば、バッテリの寿命が尽きるまで、亀裂変位データの計測を継続して行うことができる。
【0017】
従って、データ収集端末を作業者が接近し易い場所に設置すれば、トンネルのような、常時自動車が通過するような場所でも、データの収集を長期間、問題なく行える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態にかかる亀裂変位計測システムが設置されたトンネルの外観図である。
【図2】図1のトンネルの天井と側壁部分を水平方向に展開して下から見上げた状態を示した図である。
【図3】センサ端末の回路構成を示すブロック図である。
【図4】センサ端末がトンネルの壁に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図5】データ収集端末の回路構成を示すブロック図である。
【図6】データ収集端末の不揮発性メモリに蓄積されたデータの一例を示す図である。
【図7】動作状態とスリープ状態が繰り返されるセンサ端末の動作シーケンスを示す図である。
【図8】センサ端末で計測されたデータを、データ収集端末で収集する際の動作シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態にかかる亀裂変位計測システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0020】
<亀裂変位計測システムの構成>
図1は、本実施の形態にかかる亀裂変位計測システムが設置されたトンネルの外観を示した図である。また図2は、図1のトンネルの天井と側壁部分を水平方向に展開して下から見上げた状態を示した図である。図中、矢印Rは道路と並行な方向を示している。
【0021】
本実施の形態にかかる亀裂変位計測システムは、トンネル3の天井および側壁に取り付けられた複数のセンサ端末1a〜1fと、これら複数のセンサ端末1a〜1fで計測された亀裂の変位データを、無線通信を利用して収集する1台のデータ収集端末2とで構成されている。
【0022】
センサ端末1a〜1f(以降、総称して「センサ端末1」ともいう)は、コンクリート構造物であるトンネル3の天井や側壁のうち亀裂4が生じた場所に、打ち込みネジ等を用いて取り付けられており、亀裂の長さ(幅)を計測する距離センサが内蔵されている。
【0023】
またセンサ端末1には ZigBee に準拠したデータ伝送部が内蔵されており、ZigBee のネットワークにおける End Device または Router として機能する。図2においてセンサ端末1a、1b、1dおよび1eは End Deviceとして機能し、センサ端末1cおよび1fは Router として機能する。センサ端末1の構成については、後に図3を用いて詳述する。
【0024】
ここで、ZigBee について簡単に説明する。ZigBee は短距離無線通信規格の一つであり、低速で転送速度が短い代わりに、端末が安価で消費電力が小さいという特徴を備えている。基礎部分の仕様はIEEE802.15.4として規格化されている。
【0025】
データ収集端末2は、複数のセンサ端末1で計測された亀裂変位の時系列データを、無線通信により収集すると共に、内蔵のメモリに格納する。データ収集端末2にも、ZigBee に準拠したデータ伝送部が内蔵されており、ZigBee のネットワークにおける Coordinator として機能する。データ収集端末2の構成については、後に図5を用いて詳述する。
【0026】
各センサ端末1で計測されたデータは、隣接するセンサ端末1に送信され、図2に破線の矢印で示すルートをたどり、バケツリレー式にデータ収集端末2まで転送される。ルートの設定方法については、後に詳述する。
【0027】
データ収集端末2で収集・格納された亀裂変位の時系列データは、データ収集端末2の差込用スロットにUSBメモリなどのリムーバブルメディアを差し込むことにより定期的に収集される。このようにして収集したデータをパソコン等を用いて解析することにより、トンネル3内の亀裂の変位を把握できる。解析データは、補修の必要性等を検討する際の基礎データとして用いられる。
【0028】
センサ端末1およびデータ収集端末2の構成について説明する前に、本発明にかかる亀裂変位計測システムの構成上の特徴について説明する。
【0029】
本発明にかかる亀裂変位計測システムは、電力の供給が困難なトンネルや橋梁等に設置されることから、センサ端末1は、全てバッテリで駆動される。さらに、亀裂変位計測システムが設置されるほとんどの場所では、周辺にインターネット等と接続可能な通信網がないことを考慮し、1台のデータ収集端末2に、全てのセンサ端末1a〜1fで計測した亀裂変位データを収集し蓄積するように構成している。
【0030】
なお、データ収集端末2についても、通常はバッテリで駆動されるが、設置場所によっては、照明器具用の配電盤から電力を供給することも可能である。またデータ収集端末2は、データの収集だけを目的とするため、亀裂の変位を測定する機能を備えておらず、またセンサ端末1とは無線通信で結ばれているため、作業者がデータを収集するのに最適の場所に設置できる。
【0031】
上述した構成とすれば、センサ端末1およびデータ収集端末2に電力を供給する電力線が不要であるため、コンクリート構造物がどのような場所にあっても本システムを設置できる。また収集した亀裂変位データについては、データ収集端末2が設置された場所に、作業者が定期的(例えば1ヶ月に一度)に出向き、データ収集端末2に蓄積されたデータをリムーバブルメディアに書き込むことで簡単に入手できる。
【0032】
このように本発明にかかる亀裂変位計測システムは、基本的にインフラである電力線や通信網を必要としないため、どのような場所にでも設置できるメリットがある。
【0033】
さらに、本発明にかかる亀裂変位計測システムは、一旦、センサ端末1およびデータ収集端末2を設置すれば、バッテリの寿命が尽きるまで(通常3年〜4年)、亀裂変位データの計測を継続して行うことができる。従って、データ収集端末2を作業者が接近し易い場所(図1では、トンネル内の歩道の上)に設置すれば、トンネルのような、常時自動車が通過するような場所でも、データの収集を長期間、問題なく行える。
【0034】
<センサ端末およびデータ収集端末の構成>
次に、センサ端末1およびデータ収集端末2について説明する。最初に、図3および図4を参照して、センサ端末1の構成と機能について説明する。図3は、センサ端末1の回路構成を示すブロック図、図4は、センサ端末1がトンネル3の壁5に取り付けられた状態を示す断面図である。
【0035】
図3に示すように、センサ端末1は、コントローラ10、データ伝送部20、距離センサ30、温度センサ40およびバッテリ50で構成されている。
【0036】
コントローラ10は、以下の各機能を備えている。(1)亀裂の長さを計測する距離センサ30、およびセンサ端末1が設置されたトンネル3内の気温を計測する温度センサ40の動作を制御する。(2)距離センサ30および温度センサ40で計測されたデータをパケット化してデータ伝送部20に送信する。(3)センサ端末1の各部に電力を供給するバッテリ50の動作を制御する。なお、コントローラ10の構成については、後に詳述する。
【0037】
データ伝送部20は ZigBee に準拠して構成されており、コントローラ10で生成されたパケットにヘッダ等の情報を付加して、データ転送用のパケットを生成する。データ転送用パケットには、送信元のセンサ端末1のアドレス、送信先であるデータ収集端末2のアドレス、データを一義的に特定するデータID、距離および気温の時系列計測データ、ならびにパリティチェック用のCRCが含まれる。
【0038】
データ伝送部20はパケットの中継機能を備えており、自身で生成したパケットを、他のセンサ端末1を介してデータ収集端末2に伝送すると共に、他のセンサ端末1から送信されてきたパケットを、更に他のセンサ端末1またはデータ収集端末2に転送する。
【0039】
図示しないが、データ伝送部20は、自分よりデータ収集端末2に近いセンサ端末1のうち、どのセンサ端末1にデータを送信するかを定めたアドレスリストを内蔵のメモリに格納している。
【0040】
例えば、図2において End Device として機能するセンサ端末1a、1bから送信されたパケットは、上記リストで指示された Router として機能するセンサ端末1cおよび1fに転送され、最終的に Coordinator として機能するデータ収集端末2に伝送される。
【0041】
距離センサ30は、トンネル3の天井や側壁のコンクリートに発生した亀裂の長さ(幅)を計測する。図4に、距離センサ30により亀裂の幅を計測する状態を示す。センサ端末1のケース60は、先端の尖った複数本のネジ6により、亀裂4が生じたコンクリート5の近傍に固定されている。この際、ケース60を、距離センサ30の計測用ニードル31が亀裂4を横切る状態でコンクリート5に取り付ける。
【0042】
亀裂4を挟んでケース60と対向する位置に、断面がL字状の固定板32が、先端の尖ったネジ6によりコンクリートに固定されている。一方、ケース60には、距離センサ30の本体(図示せず)が内蔵されている。距離センサ30の本体は、電磁誘導を利用して、ニードル31のセンサ本体からの突出量を計測するものである。ニードル31の突出量は、亀裂4を含む領域の長さを表わしている。ニードル31の後端部には磁石が取り付けられており、距離センサ30は、ニードル31が前後に移動することにより生じる磁力線の変化を周辺に配置したコイルで検出することによって、ニードル31の突出量を計測する。
【0043】
ニードル31は、ばね等によって前方に付勢されて固定板32に当接しており、何らかの理由で亀裂4が拡がると、センサ本体からのニードル31の突出量が変化する。距離センサ30は、定期的に(例えば1時間毎に)ニードル31の突出量を計測して、コントローラ10のCPU(Central Processing Unit)11(図3参照)に送信する。距離センサ30で時系列に計測した長さ(ニードル31の突出量)の変化を算出すれば、亀裂4の経時的な変位を計測できる。
【0044】
温度センサ40は、亀裂4の周辺の気温を計測する。コンクリート5は気温によって延び縮みし、これに対応する形で亀裂4の幅も変化する。距離センサ30で計測したニードル31の突出量を、温度センサ40で計測した気温に基づいて補正することにより、気温による影響を是正した計測値を得ることができる。
【0045】
バッテリ50は、破線の矢印で示すように、コントローラ10、データ伝送部20、距離センサ30および温度センサ40に駆動用電力を供給する。バッテリ50は、通常、複数本の乾電池で構成される。バッテリ50による給電はコントローラ10(具体的にはCPU11)によって制御され、センサ端末1がスリープ状態にあるときには、コントローラ10の一部(計時部15とCPU11のうち割り込みを制御する部分)にのみ給電される。スリープ状態における給電制御については、後に図7および図8を参照して詳述する。
【0046】
次に、コントローラ10の構成を説明する。図3に示すように、コントローラ10は、CPU11、ROM12、揮発性メモリ13、不揮発性メモリ14、計時部15および表示部16を含む。
【0047】
CPU11は、コントローラ10全体の動作を制御する。またCPU11はパケットを生成する機能を備えており、距離センサ30ならびに温度センサ40で計測されたデータ、および計時部14で計時された時刻データを含むパケットを生成し、データ伝送部20に送信する。
【0048】
ROM12は読み出し専用メモリであり、コントローラ10の製造工程において、制御用のプログラムコードや動作パラメータが書き込まれる。
【0049】
揮発性メモリ13は、ランタイムデータを一時的に格納するメモリである。揮発性メモリ13は、電力が供給されている期間のみデータを保持するので、バッテリ50からの給電が停止した場合、それまで保持していたデータは失われる。
【0050】
不揮発性メモリ14は、距離センサ30および温度センサ40で計測されたデータを、計時部14で計時された時刻データと共に記憶する。不揮発性メモリ17は、一度書き込んだデータは給電がなくなっても保持し続けるので、長時間保持しておくべきデータを記憶するために用いられる。
【0051】
計時部15はRTC(リアルタイムクロック、計時専用の半導体チップ)で構成されたタイマーを内蔵しており、常時バッテリ50から電力が供給されている。計時部15のタイマーは、後述するように、定期的に(例えば、1日に1回)リセットされ、新たな時刻がセットされる。
【0052】
表示部16は、距離センサ30で計測した突出量や、温度センサ40で計測した温度を表示するもので、距離センサ30や温度センサ40の計測値を確認するため、またこれらのセンサが正常に動作しているかどうかを確認するために用いられる。
【0053】
次に、図5を参照してデータ収集端末2の構成と機能を説明する。図5は、データ収集端末2の回路構成を示すブロック図である。
【0054】
データ収集端末2は、コントローラ10A、データ伝送部20およびバッテリ50を備えている。データ収集端末2の機能は、センサ端末1で計測した長さデータと温度データを収集し蓄積することにあるため、距離センサ30および温度センサ40を備えていない。その点を除き、データ収集端末2の構成は、センサ端末1の構成とほぼ同じである。
【0055】
コントローラ10Aの構成要素のうちコントローラ10と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。なお、コントローラ10Aの表示部16の機能は、コントローラ10のそれと若干異なり、スリープ期間の確認等のために用いられる。
【0056】
図6に、コントローラ10Aの不揮発性メモリ14に蓄積されたデータの一例を示す。センサ端末1aで所定間隔(例えば1時間)の時刻t1、t2、t3・・に計測されたニードル31の長さ(突出量)データDa1、Da2、Da3・・および温度データTa1,Ta2,Ta3・・が1セットとして蓄積される。同様に、センサ端末1bで所定間隔の時刻t1、t2、t3・・に計測された長さデータDb1、Db2、Db3・・および温度データTb1,Tb2,Tb3・・が1セットとして蓄積される。全てのセンサ端末において計測された同様のデータがテーブルの形で、不揮発性メモリ14に蓄積される。
【0057】
データ収集端末2のコントローラ10Aは、センサ端末1のコントローラ10の構成にリムーバブルメディア接続部17が追加されたものである。リムーバブルメディア接続部17は、複数のセンサ端末1から伝送され、データ収集端末2の不揮発性メモリ14に蓄積されたデータを、リムーバブルメディアに書き込む際に用いられる。
【0058】
リムーバブルメディア接続部17は、リムーバブルメディアにUSBメモリを用いた場合にはUSBポートが該当し、リムーバブルメディアにSD(登録商標)カードのようなメモリカードを用いた場合には、メモリカード用のスロットが該当する。
【0059】
作業者は、定期的に(例えば、1ヶ月に1回)データ収集端末2が設置されている場所に出向き、リムーバブルメディア接続部17に持参したリムーバブルメディアを差し込んで、不揮発性メモリ14に格納されたデータ(図6参照)をリムーバブルメディアに書き込む。
【0060】
作業者は、パソコン等を用いて、リムーバブルメディアを用いて収集した長さデータを温度データで補正した後、時間の経過に対する長さデータの変位量を算出する。更に作業者は、長さデータの変位量に基づいて亀裂の状態を分析し、補修の必要性等について検討を行う。
【0061】
なお、本実施の形態では、コントローラ10の主要部をCPU11と3つのメモリ12〜14で構成したが、これに代えて、ROMおよびRAMを含むマイクロコントローラと不揮発性メモリで構成し、かつデータ伝送部20の機能を、マイクロコントローラにおいてファームウェアで実現するようにしても良い。このような構成とすれば、部品点数が少なくなるため、センサ端末およびデータ収集端末のコストダウンが図れる。
【0062】
また、データの収集手段としてリムーバブルメディアを用いているが、リムーバブルメディア接続部17の代わりに無線LANの機能を備えたデータ伝送部を用いてもよい。このような構成とすれば、不揮発性メモリ14に格納されたデータを、作業者の持参したノートパソコン等に直接、転送することができる。
【0063】
また亀裂の長さを計測する距離センサ30として、磁力線の変化を利用してニードルの突出量を測定するセンサを用いたが、これに限定されない。価格面で問題がなければ、光学式や超音波式等、他の方式により長さを計測するセンサを用いてもよい。
【0064】
また、本実施の形態では、バッテリ50を用いてデータ収集端末2の各部に電力を供給したが、前述したようにデータ収集端末2を配電盤の近くに設置できる場合には、データ収集端末2を商用電源に接続して各部に電力を供給するようにしても良い。
【0065】
<センサ端末およびデータ収集端末の動作>
次に、センサ端末およびデータ収集端末の動作について説明する。最初に、図2を参照して、センサ端末1およびデータ収集端末2をトンネル3内に設置する際の手順について説明する。
【0066】
センサ端末1およびデータ収集端末2は、あらかじめ不揮発性メモリ14に自己の端末を特定するアドレスが記憶されている。また、データ収集端末2の不揮発性メモリ14には、センサ端末1およびデータ収集端末2を間歇駆動する際の時間間隔に関するデータが記憶されている。
【0067】
センサ端末1およびデータ収集端末2がトンネル3内に設置された後、データ収集端末2のCPU11は、全てのセンサ端末1に対して自己のアドレスを報告するコマンドを送信する。このコマンドを含むパケットは、データ伝送部20を介して隣接するセンサ端末1に次々に転送される。このコマンドを受信したセンサ端末1は、それぞれのアドレスを含むパケットを、逆のルートを辿ってデータ収集端末2に送信する。
【0068】
全てのセンサ端末1からのアドレスを受け取ったデータ収集端末2のCPU11は、パケットが送られてきたルートから、それぞれのセンサ端末1の配置を確認し、各センサ端末1へのアクセスのルート(図2に破線の矢印で示す。)を設定し、そのデータを不揮発性メモリ14に格納する。
【0069】
次に、データ収集端末2は、あらかじめ不揮発性メモリ14に記憶してある間歇駆動を行う際の時間間隔およびデータの送信時刻に関するデータを含むパケットを、設定したルートを通じて各センサ端末1に送信する。パケットを受信したセンサ端末1は、パケットから時間間隔およびデータ送信時刻に関するデータを取り出して不揮発性メモリ14に格納する。
【0070】
次に、図7および図8を参照して、センサ端末1およびデータ収集端末2の間歇駆動について説明する。
【0071】
亀裂変位計測システムの性格上、センサ端末1およびデータ収集端末2は、バッテリ50を用いて数年間稼動させる必要がある。このため、センサ端末1については、長さおよび温度の計測を間歇的に行い、計測を行わない時および計測データをデータ収集端末2に送信する時間以外は、スリープ状態にして省電力駆動を行っている。スリープ状態においては、データ伝送部20、距離センサ30および温度センサ40への給電は行われず、またコントローラ10も低電力モードで駆動され、計時部15およびCPU11の一部のみに給電される。
【0072】
同様に、データ収集端末2についても、センサ端末1の計測データを収集・格納する時以外はスリープ状態にして省電力駆動を行っている。スリープ状態においては、データ伝送部20への給電は行われず、またコントローラ10Aも低電力モードで駆動され、計時部15およびCPU11の一部のみに給電される。ただし、データ収集端末2が商用電源に接続されている場合は、常に電力の供給が行われるため、省電力駆動を行う必要はない。
【0073】
図7に、動作状態とスリープ状態が繰り返されるセンサ端末1の動作シーケンスを示す。図中、縦軸方向は時間の流れを示している。また斜線で囲んだ区間は、センサ端末1がスリープ状態にあることを示す。コントローラ10のCPU11は、所定の時間ta(例えば24時間)毎に、データ伝送部20を介してデータ収集端末2からリセットコマンドを受信すると、計時部15のタイマーをリセットし、データ収集端末2から通知された時刻をセットする(ステップS1)。
【0074】
その後、センサ端末1は、所定の時間tb(例えば、1時間)毎に、動作状態とスリープ状態(斜線で示す)を繰り返す。動作状態(数分間)においては、距離センサ30でニードル31の長さ(突出量)を計測し、温度センサ40で温度を計測する(ステップS2)。CPU11は、計測された長さデータと温度データを取り込み、計時部15から出力された時刻データと共に、不揮発性メモリ14に格納する(ステップS3)。
【0075】
CPU11は、不揮発性メモリ14へのデータ格納が終了するとモードの切り換えを行い、その後、センサ端末1はスリープ状態に遷移する。センサ端末1は、所定の時間tb毎に、長さおよび温度の計測と、計測データの不揮発性メモリ14への格納を繰り返すことにより、長さデータ等を蓄積する。
【0076】
なお、所定の時間ta毎に計時部15のタイマーをリセットするのは、各センサ端末1における計測のタイミングを一致させるため、および各センサ端末1で計測したデータを、データ収集端末2に送信する際のタイミングを一致させるためである。
【0077】
各センサ端末1において計測され、不揮発性メモリ14に格納されたデータは、所定の時間ta毎にデータ収集端末2に伝送され、データ収集端末2の不揮発性メモリ14に格納される。
【0078】
図8を参照し、図1および図2に示す亀裂変位計測システムにおいて、センサ端末1a〜1fで計測されたデータを、データ収集端末2で収集する際の動作シーケンスを説明する。前述したように、センサ端末1a,1b,1dおよび1eは、 ZigBee における End Device としての機能を備え、センサ端末1cおよび1fは Router としての機能を備えている。
【0079】
全てのセンサ端末1a〜1fおよびデータ収集端末2は、それぞれの不揮発性メモリ14に格納された時刻情報に基づき、タイマーリセット後、所定の時間(例えば23時間)が経過すると、スリープ状態から動作状態に遷移する。従って、データ収集端末2がデータの収集を行う際には、データ収集端末2およびセンサ端末1a〜1fは全て動作状態にある。
【0080】
最初に、データ収集端末2は、センサ端末1aに対してデータ要求コマンドを含むパケットを送信する(ステップS11)。
【0081】
データ収集端末2から送信されたパケットはセンサ端末1fに伝送される。センサ端末1fは、パケットのヘッダから送信先の情報を読み取り、その情報に基づいてパケットをセンサ端末1cに転送する(ステップS21)。
【0082】
センサ端末1cは、センサ端末1fと同様に、パケットのヘッダから送信先の情報を読み取り、その情報に基づいてパケットをセンサ端末1aに転送する(ステップS31)。
【0083】
パケットを受信したセンサ端末1aは、ヘッダの情報からそのパケットが自分宛のパケットであり、また計測データの要求コマンドであることを確認する(ステップS41)。
【0084】
センサ端末1aは、コントローラ10の不揮発性メモリ14に格納された時系列の計測データを読み出すと共に、データ伝送部20で、そのパケットにヘッダ情報等を付加し、センサ端末1cに向けて送信する(ステップS42)。
【0085】
センサ端末1aから送信されたパケットはセンサ端末1cに伝送される。センサ端末1cはステップS31と同様に、パケットのヘッダから送信先の情報を読み取り、その情報に基づいてパケットをセンサ端末1fに転送する(ステップS32)。
【0086】
センサ端末1fも、センサ端末1cと同様の手順で、パケットをデータ収集端末2に転送する(ステップS22)。
【0087】
センサ端末1aのパケットを受信したデータ収集端末2は、ヘッダの情報から、それがセンサ端末1aから送信されたデータであることを確認し、計測データを読み出して不揮発性メモリ14に格納する(ステップS12およびS13)。
【0088】
データ収集端末2は、次に、センサ端末1bに対して、データ要求コマンドを含むパケットを送信する。この際の手順は、センサ端末1aのデータを収集する際の手順と同じであるため、図では省略している。
【0089】
データ収集端末2は、次に、センサ端末1cに対して、データ要求コマンドを含むパケットを送信する(ステップS14)。
【0090】
データ収集端末2から送信されたパケットはセンサ端末1fに伝送される。センサ端末1fは、ステップS21と同様の手順によりデータ要求コマンドを含むパケットをセンサ端末1cに転送する(ステップS23)。
【0091】
パケットを受信したセンサ端末1cは、ヘッダの情報からそのパケットが自分宛のパケットであり、また計測データの要求コマンドであることを確認する(ステップS33)。
【0092】
センサ端末1cは、コントローラ10の不揮発性メモリ14に格納された時系列の計測データを読み出すと共に、データ伝送部20で、そのデータを含むパケットを生成し、センサ端末1fに向けて送信する(ステップS34)。
【0093】
パケットを受信したセンサ端末1fは、ステップS22と同様の手順により計測データを含むパケットをデータ収集端末2に向けて転送する(ステップS24)。
【0094】
センサ端末1cのパケットを受信したデータ収集端末2は、ヘッダの情報から、それがセンサ端末1cから送信されたデータであることを確認し、計測データを読み出して不揮発性メモリ14に格納する(ステップS15およびS16)。
【0095】
図では省略しているが、センサ端末1d,1eおよび1fの不揮発メモリ14に格納された時系列の計測データについても、センサ端末1a〜1cと同様の手順によりデータ収集端末2の不揮発性メモリ14に格納される。
【0096】
全てのセンサ巻末1a〜1fからの計測データの収集が終了した後、データ収集端末2は、リセットコマンドを含むパケットを生成し、全てのセンサ端末1a〜1fに送信する(ステップS17)。データ収集端末2は、その後スリープ状態に遷移する。
【0097】
データ収集端末2から送信されたパケットを受信したセンサ端末1fは、ヘッダに含まれる情報から、そのパケットが全てのセンサ端末1に対するコマンドであることを確認し、そのパケットをセンサ端末1cに転送する(ステップS25)。
【0098】
リセットコマンドを含むパケットを受信したセンサ端末1cは、センサ端末1fと同様に、リセットコマンドを含むパケットをセンサ端末1aに転送する(ステプS35)。
【0099】
センサ端末1fおよび1cのコントローラ10は、受信したリセットコマンドに従い、計時部15のタイマーをリセットし、データ収集端末2から送信された時刻をセットする(ステップS26、S36)。その後、センサ端末1fおよび1cは、スリープ状態に遷移する。
【0100】
センサ端末1cから送信されたパケットを受信したセンサ端末1aは、ヘッダに含まれる情報から、そのパケットが全てのセンサ端末に対するコマンドであることを確認し、かつ時刻データを読み出す。
【0101】
センサ端末1aのコントローラ10は、センサ端末1fと同様に、計時部15のタイマーをリセットし、データ収集端末2から送信された時刻をセットする(ステップS44)。図示しないが、センサ端末1b,1dおよび1eについても、ステップS25、S35およびS43と同様の手順によりタイマーがリセットされる。
【0102】
上述した各ステップにより、センサ端末1a〜1fからデータ収集端末2への計測データの伝送が行われ、またデータ収集端末2とセンサ端末1a〜1fとの間の同期がとられる。その後、センサ端末1a〜1fは時間tb毎に動作状態とスリープ状態の遷移を繰り返すと共に、所定の時間(例えば23時間)が経過したら、動作状態に遷移する。またデータ収集端末2は、所定の時間(例えば23時間)が経過するまでスリープ状態に入り、その後動作状態に遷移して、センサ端末1a〜1fにデータ要求コマンドを送信する(ステップS11)。
【0103】
なお、システムを構成するセンサ端末1の数が非常に多い(例えば1000台)と、全てのセンサ端末からのデータを収集するのに数時間かかる場合がある。その間、センサ端末1は動作状態を維持する必要があるため、バッテリの消耗が激しくなる。このような場合には、センサ端末1を、 Router 機能を有する1台の端末と隣接する End Device 機能を有する10台程度の端末でグループ化し、計測データをデータ収集端末2に送信する時刻をグループ毎に変えるようにすれば、グループ当りのデータ送信時間を短縮できるため、バッテリの消耗を抑えることができる。ただしこの場合、各グループとデータ収集端末2とを結ぶルートにある Router 機能を有するセンサ端末1の動作時間は、グループのそれに合わせる必要がある。
【0104】
上述したように、センサ端末およびデータ収集端末を間歇駆動することにより、バッテリとして乾電池のように容量の小さいものを用いた場合でも、バッテリを取り換えることなく、亀裂変位計測システムを長期間(3〜4年間)稼動させることができる。
【0105】
なお、本実施の形態では、無線通信ネットワークとして ZigBee に準拠した無線LANを採用したが、他の方式に準拠した無線通信ネットワークを採用しても同様の効果が得られることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0106】
1、1a〜1f センサ端末
2 データ収集端末
3 トンネル
4 亀裂
5 コンクリート
10、10A コントローラ
11 CPU
12 ROM
13 揮発性メモリ
14 不揮発性メモリ
15 計時部
16 表示部
17 リムーバブルメディア接続部
20 データ伝送部
30 距離センサ
31 ニードル
32 固定板
40 温度センサ
50 バッテリ
60 ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造体の壁面に生じた亀裂を含む領域の長さを、センサ端末を用いて所定の第1の時間間隔で計測し、計測した長さの時系列データを、無線通信を利用してデータ収集端末で収集し、この長さの時系列データに基づいて、時間の経過に対する亀裂の変位を計測する亀裂変位計測システムであって、
前記センサ端末は、
前記亀裂を含む領域の長さを計測する距離センサと、
前記距離センサで計測された長さの時系列データを第1のメモリに格納し、かつ前記長さの時系列データを含むパケットを生成する第1のコントローラと、
前記パケットに必要な情報を付加し、第1のアンテナを介して隣接するセンサ端末または前記データ収集端末に送信する第1のデータ伝送部と、
前記距離センサ、第1のコントローラおよび第1のデータ伝送部に電力を供給する第1のバッテリと、を備え、
前記データ収集端末は、
前記センサ端末から送信されたパケットを、第2のアンテナを介して受信する第2のデータ伝送部と、
前記第2のデータ伝送部で受信したパケットから前記長さの時系列データを取り出して第2のメモリに格納する第2のコントローラと、
前記第2のデータ伝送部および前記第2のコントローラに電力を供給する電力供給手段と、を備えることを特徴とする亀裂変位計測システム。
【請求項2】
前記第1および第2のメモリとして不揮発性メモリを用いることを特徴とする、請求項1に記載の亀裂変位計測システム。
【請求項3】
前記電力供給手段として第2のバッテリを用いることを特徴とする、請求項1または2に記載の亀裂変位計測システム。
【請求項4】
前記データ収集端末は、リムーバブルメディアを接続できるリムーバブルメディア接続部を更に備え、前記第2のコントローラは、前記第2のメモリに格納された長さの時系列データを前記リムーバブルメディアに書き込むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の亀裂変位計測システム。
【請求項5】
前記センサ端末は、気温を計測する温度センサを更に備え、
前記第1のコントローラは、前記第1の不揮発性メモリに、前記温度センサで計測した気温の時系列データを、前記長さの時系列データと関連付けて格納することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の亀裂変位計測システム。
【請求項6】
前記センサ端末は、前記第1の時間間隔で長さの計測と格納を行い、かつ所定の第2の時間間隔で前記長さの時系列データの送信を行い、それ以外の時間はスリープ状態にあることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の亀裂変位計測システム。
【請求項7】
前記データ収集端末は、前記第2の時間間隔で前記長さの時系列データの受信と前記第2のメモリへの格納を行い、それ以外の時間はスリープ状態にあることを特徴とする、請求項6に記載の亀裂変位計測システム。
【請求項8】
前記第1および第2のデータ伝送部は、短距離無線通信規格の一つであるZigBee に準拠したものであることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の亀裂変位計測システム。
【請求項9】
コンクリート構造体の壁面に生じた亀裂を含む領域の長さを、所定の第1の時間間隔で計測し、計測した長さの時系列データを、無線通信を利用してデータ収集端末に送信するセンサ端末であって、
前記亀裂を含む領域の長さを計測する距離センサと、
前記距離センサで計測された長さの時系列データをメモリに格納し、かつ前記長さの時系列データを含むパケットを生成するコントローラと、
前記パケットに必要な情報を付加し、アンテナを介して隣接するセンサ端末または前記データ収集端末に送信するデータ伝送部と、
前記距離センサ、コントローラおよびデータ伝送部に電力を供給するバッテリと、を備えたことを特徴とするセンサ端末。
【請求項10】
センサ端末を用いて所定の第1の時間間隔で計測された、コンクリート構造体の壁面に生じた亀裂を含む領域の長さの時系列データを、無線通信を利用して前記センサ端末から受信するデータ収集端末であって、
前記センサ端末から送信された長さの時系列データを含むパケットを、アンテナを介して受信するデータ伝送部と、
前記データ伝送部で受信したパケットから前記長さの時系列データを取り出してメモリに格納するコントローラと、
前記データ伝送部および前記コントローラに電力を供給する電力供給手段と、を備えることを特徴とするデータ収集端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−38188(P2012−38188A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179288(P2010−179288)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(599098127)株式会社ソーキ (28)
【Fターム(参考)】