予混合圧縮自着火機関及びそれを用いた複合発電システム
【課題】圧縮自着火を確実に行うことが出来る予混合圧縮自着火機関の提供、及び
高温作動型燃料電池を備えた発電システムであって、負荷追従が容易であるような複合発電システム及びその制御方法の提供。
【解決手段】空気供給系統(Ae)及び/又は予混合気供給系統(M)に熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)が介装されており、該熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)は燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(Gf2)に介装されており、燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気(Ae)及び/又は予混合気(M)へ投入する様に構成されていることを特徴としている。
高温作動型燃料電池を備えた発電システムであって、負荷追従が容易であるような複合発電システム及びその制御方法の提供。
【解決手段】空気供給系統(Ae)及び/又は予混合気供給系統(M)に熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)が介装されており、該熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)は燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(Gf2)に介装されており、燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気(Ae)及び/又は予混合気(M)へ投入する様に構成されていることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素系燃料を利用する動力源システムに関する。より詳細には、本発明は、高温の酸化剤に燃料を供給し、高圧縮比のピストンで圧縮して予混合気自着火燃焼させる予混合圧縮自着火機関と、溶融炭酸塩型燃料電池や固体酸化物型燃料電池に代表される高温作動型の燃料電池を備えた発電システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
発電システムや動力源システムとして、高温の酸化剤に燃料を供給し、高圧縮比のピストンで圧縮させることで予混合気を自着火燃焼させ、内燃機関を運転する予混合圧縮自着火機関が利用されている。
【0003】
この予混合圧縮自着火機関は、運転するためには、ピストン圧縮比にもよるが、予混合気の温度は80〜200℃程度と、火花点火式等の内燃機関の吸気温度40〜50℃に比べて、高い温度に予熱して供給する必要がある。このような高温に予混合気を予熱する手段としては、燃焼後の高温排気ガスとの熱交換が考えられている。然るに、予混合圧縮自着火機関の定常運転時における排気ガス温度は200℃〜230℃であって、仮に熱交換器で排気ガスの熱を混合気に与えるとしても、80℃〜200℃の混合気を得ることは困難である。
【0004】
ところで、自着火燃焼を起こしうる高い吸気温度が確保出来れば、火花点火式等の従来機関では運転が困難であった、超希薄混合域を含む、極めて広い燃料濃度域(空気過剰率λ=2.0〜6.0程度)で、安定した運転が可能である。
【0005】
予混合圧縮自着火機関は、燃焼方式が従来と異なる他は、従来の内燃機関と同様であるため、燃料供給量を制御することにより、容易に出力を変化させることが出来る上、出力変化速度も高い。即ち、負荷追従の制御幅が広く、追従速度が速い、即ち、負荷追従性が良いという特徴がある。
【0006】
上述のように、混合気が希薄であること、圧縮比が高いこと、自着火による急速燃焼と言う特性から、予混合圧縮自着火機関の熱効率は、火花点火式等の他の従来内燃機関に比べて高い。更に、希薄混合気の燃焼であるために、排ガス中に含まれるNOx濃度が低く、高効率且つ低NOxである、という優れた特徴を有している。
【0007】
又、予混合気中の燃料成分として、COやH2と言った、自着火温度の低い成分が含まれている場合には、これらが予混合気の自着火促進物質として作用するため、混合気の温度が低くても自着火運転が容易となる利点を有している。
【0008】
一方、内燃機関以外の発電システムや動力源システムとして、固体酸化物燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)と言った、高温作動型燃料地を利用する例も知られている。この固体酸化物燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)は、炭化水素系燃料を改質して利用し、固体酸化物燃料電池(SOFC)では600〜1000℃以上、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)では500〜900℃以上の高温で動作させている。
【0009】
高温作動型燃料電池では、供給燃料の全てが電池内での発電に利用されることは無く、定格運転時でも60〜80%程度の燃料が発電に、残り20〜40%程度は未反応燃料として電池外に排出される。未反応燃料はオフガス燃焼室等で燃焼し、その発生熱の一部は燃料電池システムの高温維持や供給燃料の改質等に利用される。又、燃料電池内においても、発電時に内部発熱が生じ、その熱によっても燃料電池システムは高温維持される。
尚、ここで供給燃料の発熱量に対する、燃料電池の発電反応に相当する熱量、(燃料電池の発電電力に相当する熱量と、燃料電池における発熱に相当する熱量の和)の比は、一般に燃料利用率と呼ばれる。
【0010】
更に、燃料同様、燃料電池に供給する酸化剤中の酸素(溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の場合は二酸化炭素も含む)も、その全てが発電に利用されるわけではなく、一般に20〜40%程度が利用され、これは酸化剤利用率と呼ばれる。
【0011】
上記の燃料利用率や酸化剤利用率、また燃料供給量や酸化剤供給量のバランスにより、燃料電池の温度が変化すると同時に、オフガス燃焼の状態も変化することで、結果的に排気ガス温度も変化する。この排気ガスは未反応成分である水素(H2)と一酸化炭素(CO)の他に水蒸気(H2O)を含み、燃料電池の運転状態や容量にもよるが、150〜300℃程度と、高い温度で排出されるのが一般的である。
【0012】
上記の通り、高温作動型燃料電池は、燃料電池システム内の微妙な熱バランス維持(熱自立の維持)に基づいて運転されるために、こうした熱バランス維持に影響を与える出力制御(負荷追従運転)は極めて難しく、不可能ではないとしても、追従可能な出力幅が限られたり、負荷追従速度が遅い、といった課題がある。
【0013】
ところで、自着火燃焼の基礎研究において、自着火温度の低い成分、一酸化炭素(CO)、水素(H2)を自着火燃焼機関に混ぜると、80℃で着火することが確認されている。
【0014】
ここで、出力反応を短時間で安定化させることが可能な固体電解質型燃料電池(SOFC)の運転方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0015】
上記運転方法は、熱自立を維持した出力制御が可能と考えられるが、一定制御させる電池の反応温度が890から1060℃と、依然として高温である上に、制御可能な温度幅が狭い。したがって、発電出力は制御できてもその制御範囲は小さく、出力変動幅の大きな負荷追従運転は困難である。
【0016】
燃料供給手段により燃料供給量を発電出力に応じて調整し、続いて電池の反応温度が一定となるように酸化剤供給量及び/又は酸化剤温度の一方又は双方を制御するという方法では、酸化剤供給量の変化や酸化剤温度変化の応答性が遅いため、結果として燃料電池システムの負荷追従速度は遅くならざるを得ない。更に、燃料供給量の増減時に電池での燃料と酸化剤の濃度バランスが容易に崩れ、燃料枯れや酸素枯れといった現象が置き易く、これらの現象によって電池が破損し易い。
【0017】
上記とは別に、圧縮自着火内燃機関において、効率が良く構造が簡単な内燃機関が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0018】
該提案では、燃焼形態が希薄燃焼であるがために、排気ガスの温度が200〜300℃と低く、排気ガスによる熱交換を行っても、吸気する予混合気の予熱温度が低くなってしなう。運転を維持するためには、排気ガス熱交換後の予混合気を付加的に加熱する方法も考えられるが、そのような方法では省エネ性は損なわれてしまう。
【0019】
自着火温度が高い成分が多く含まれる燃料を供給した場合、予混合気を更に高温に加熱するか、COやH2といった自着火促進物質を添加する必要が生じる場合も考えられる。その場合には、相応の吸気加熱手段か、自着火促進剤の供給手段が必要となり、システムが大規模且つ複雑化する。
【0020】
上記のような手段により、予混合気の自着火燃焼を促進しない場合、排気ガス中にCOや未燃HCと言った成分が多量に含まれ、効率が低下してしまうという課題がある。
【0021】
燃料濃度の高い予混合気を供給して高出力運転をさせる場合、過大な筒内圧によってエンジンが破損してしまう危険性がある。これを防止するため、EGRによって供給する予混合気中に不活性ガス(CO2)を添加したり、筒内に水蒸気を噴射供給する方法が提案されているが、こうした手段を用いると、システムが大規模且つ複雑化してしまう。
【特許文献1】特開平11−115315号公報
【特許文献2】特開平11−182365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、圧縮自着火を確実に行うことが出来る予混合圧縮自着火機関の提供を目的としている。
また、高温作動型燃料電池を備えた発電システムであって、負荷追従が容易であるような複合発電システム及びその制御方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
発明者は、高温作動型燃料電池と予混合圧縮自着火機関との研究を行った結果、高温作動型燃料電池と、予混合圧縮自着火機関を組み合わせれば、各々の長所により他方の弱点を補完しあうことが出来ることに着目した。
本発明はその様な着想から創作されたものである。
【0024】
本発明の予混合圧縮自着火機関(2)は、空気供給系統(Ae2)及び/又は予混合気供給系統(M)に熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)が介装されており、該熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)は燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(Gf2)に介装されており、燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気(Ae)及び/又は予混合気(M)へ投入する様に構成されていることを特徴としている(請求項1:図1〜図3)。
【0025】
また、本発明の予混合圧縮自着火機関(2A)は、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(から分岐したラインGf2)が供給系統(予混合気供給系統、空気供給系統、燃料電池のオフガス供給系統、燃料電池の排気ガス供給系統、或いは、予混合気、空気、燃料電池のオフガス、燃料電池の排気ガスの何れかが混合して供給される供給系統:以下、同じ)(図4では符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項2:図4)。
【0026】
さらに、本発明の予混合圧縮自着火機関(2B)は、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が供給系統(予混合気供給系統、空気供給系統、燃料電池のオフガス供給系統、燃料電池の排気ガス供給系統、或いは、予混合気、空気、燃料電池のオフガス、燃料電池の排気ガスの何れかが混合して供給される供給系統:以下、同じ)(図5では符号Ae2)に合流しており、当該供給系統(Ae2)には燃料を供給する燃料供給系統(Fe)も合流していることを特徴としている(請求項3:図5)。
【0027】
或いは、本発明の予混合圧縮自着火機関(2C)は、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が供給系統(図6の符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項4:図6)。
【0028】
本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、予混合圧縮自着火機関(2)の空気供給系統(Ae2)及び/又は予混合気供給系統(M)に熱交換器(排ガス熱交換器5,又は51)が介装されており、該熱交換器(5,又は51)は燃料電池(1)の排気ガス系統(Gf2)に介装されており、燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気(Ae1)及び/又は予混合気(M)へ投入する様に構成されていることを特徴としている(請求項5:図7、図8)。
【0029】
また、本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2A)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、燃料電池(1)の排気ガス系統(から分岐したラインGf2)が前記予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(図9では符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項6:図9)。
【0030】
さらに、本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2B)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、燃料電池(1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が前記予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(図10では符号Ae2)に合流しており、当該供給系統(Ae2)には燃料を供給する燃料供給系統(Fe)も合流していることを特徴としている(請求項7:図10)。
【0031】
或いは、本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2C)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、燃料電池(1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が前記予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(図11では符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項8:図11)。
【0032】
上述した複合発電システム(請求項5の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2の筒内圧センサ29、当該エンジン2の発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、予混合圧縮自着火機関(2)の第2の供給系統(Fe)に添加される燃料供給量を制御する手段(燃料供給量制御手段6)と、前記検出する手段(インバータ16)の検出信号に基づいて前記制御する手段(6)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)とを有するのが好ましい(請求項9:図12)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)、とを有するのが好ましい。
【0033】
また、上述した複合発電システム(請求項6の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2A)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジンの筒内圧センサ29、当該エンジンの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、供給系統(図14の符号Ae3)に連通している排気ガス系統(から分岐したラインGf2)を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)から添加される燃料及び空気の供給量を制御する手段(燃料供給量及び空気供給量制御手段61)と、前記検出する手段(16)の検出信号に基いて前記制御する手段(61)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)とを有するのが好ましい(請求項10:図14)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)、とを有しているのが好ましい。
【0034】
さらに、上述した複合発電システム(請求項7の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2B)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジンの筒内圧センサ29、当該エンジンの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、予混合圧縮自着火機関(2B)の供給系統(図15では符号Ae2)に合流している燃料電池のオフガスライン(から分岐したラインGf14)を流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、当該供給系統(Ae2)に合流している燃料供給系統(Fe)を介して添加される燃料の供給量を制御する手段(燃料供給量制御手段6)と、前記検出する手段(16)の検出信号に基づいて前記制御する手段(6)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10A)とを有するのが好ましい(請求項11:図15)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)と、燃料電池(1)のオフガス生成室(14A)から流出するオフガスが流過するライン(Gf11)から供給系統(Ae2)に合流している前記オフガスライン(Gf12)へ流れる流入量を制御する制御手段(三方弁41)とを有しているのが好ましい。
【0035】
そして、上述した複合発電システム(請求項8の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2C)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジンの筒内圧センサ29、当該エンジンの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、予混合圧縮自着火機関(2C)の供給系統(図16の符号Ae3)に連通している燃料電池のオフガスライン(から分岐したラインGf14)を流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、該供給系統(Ae3)に合流する第2の供給系統(AFe)を介して添加される空気及び燃料の供給量を制御する手段(燃料供給量及び空気供給量制御手段61)と、前記検出する手段(16)の検出信号に基いて前記制御する手段(61)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10A)とを有するのが好ましい(請求項12:図16)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)と、燃料電池(1)のオフガス生成室(14A)から流出するオフガスが流過するライン(Gf11)から供給系統(Ae3)に合流している前記オフガスライン(Gf14)へ流れる流入量を制御する制御手段(三方弁41)とを有しているのが好ましい。
【0036】
前記複合発電システム(請求項9の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を低下させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し(て予混合気の温度を上昇せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を上昇させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少する(以って、予混合気の温度を降下せしめる)制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項13:図12、図13)。
【0037】
そして、係る複合発電システム(請求項13の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2の発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S1)と、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を制御する出力制御工程(S2〜S5)とを有し、該出力制御工程(S2〜S5)では、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を低下させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し(て予混合気の温度を上昇せしめ:S5)、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を上昇させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少する(以って、予混合気の温度を降下せしめる:S4)ことを特徴としている(請求項22:図12、図13)。
【0038】
前記複合発電システム(請求項10〜12の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の供給系統(図14、図16の符号Ae3、又は、図15の符号Ae2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1又は1A)の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を増加せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の供給系統(Ae3又はAe2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量又はオフガス流量を減少する(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を低減させる)制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項14:図14〜図17)。
【0039】
そして、係る複合発電システム(請求項14の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2A又は2Bの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S11)と、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を制御する出力制御工程(S12〜S15)とを有し、該出力制御工程(S12〜S15)では、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の供給系統(Ae3又はAe2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を増加せしめ:S15)、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関(2)の供給系統(Ae3又はAe2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量又はオフガス流量を減少する(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を減少せしめる:S14)ことを特徴としている(請求項23:図14〜図17)。
【0040】
さらに、前記複合発電システム(請求項10の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(Ae3)に連通する排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち(それにより、供給系統Ae3を流れる空気、燃料電池の排気ガス、予混合気、或いは、それ等の何れかを混合した流体における燃料濃度を減少せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を上昇させる場合には前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち(それにより、供給系統Ae3を流れる空気、燃料電池の排気ガス、予混合気、或いは、それ等の何れかを混合した流体における燃料濃度を増加せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項15:図14、図18)。
【0041】
そして、係る複合発電システム(請求項15の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2Aの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S21)と、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を制御する出力制御工程(S22〜S29)とを有し、該出力制御工程(S22〜S29)では、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を低下させる場合(符号順にS22、S23、S26、S27のルート)には予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(Ae3)に連通する排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合(符号順にS22、S23、S26、S28のルート)には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは(符号順にS22、S23、S24、S28のルート)、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を上昇させる場合(符号順にS22、S23、S24、S25のルート)には前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合(S22→S23→S26→S25のルート)には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは(S22→S23→S24→S29のルート)、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加することを特徴としている(請求項24:図14、図18)。
【0042】
そして、前記複合発電システム(請求項11、12の何れかの複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10A)は、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の供給系統(Ae2、Ae3)に連通し又は合流するオフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を上昇させる場合には前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項16:図15、図16、図19)。
【0043】
そして、係る複合発電システム(請求項16の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2B又は2Cの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S31)と、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を制御する出力制御工程(S32〜S39)とを有し、該出力制御工程(S32〜S39)では、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を低下させる場合(符号順にS32、S33、S34、S35のルート)には予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の供給系統(Ae2又はAe3)に連通し又は合流するオフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合(符号順にS32、S33、S34、S38のルート)には、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは(符号順にS32、S33、S36、S38のルート)、前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を上昇させる場合(符号順にS32、S33、S36、S37のルート)には前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合(符号順にS32、S33、S34、S39のルート)には、前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは(符号順にS32、S33、S36、S39のルート)、前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加することを特徴としている(請求項25:図15、図16、図19)。
【0044】
これに加えて、前記複合発電システム(請求項9〜12の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を上昇させる場合には前記供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項17:図12、図14〜図16、図20)。
【0045】
係る複合発電システム(請求項17の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2,2A〜2Cの何れかの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S41)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を制御する出力制御工程(S42〜4S5)とを有し、該出力制御工程(S42〜4S5)では、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少し(S44)、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を上昇させる場合には前記供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加する(S45)ことを特徴としている(請求項26:図12、図14〜図16、図20)。
【0046】
本発明の複合発電システム(請求項9〜17の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、電力負荷が変動した場合に予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力のみを変動し、燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力を変動する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項18:図12、図14〜図16、図21)。
【0047】
係る複合発電システム(請求項18の複合発電システム)の制御方法において、電力負荷が変動したか否かを判定する工程(S51)と、電力負荷の変動量を求める工程(S52)と、出力変動を決定する工程(S53〜S55)とを含み、出力変動を決定する工程(S53〜S55)では、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力変動が可能な範囲内であれば、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力のみを変動して(S54)燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池(高温作動型燃料電池1)の出力を変動する(S55)ことを特徴としている(請求項27:図12、図14〜図16、図21)。
【0048】
本発明の複合発電システム(請求項9〜18の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を続行し、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を停止する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項19:図12、図14〜図16、図22)。
【0049】
係る複合発電システム(請求項19の複合発電システム)の制御方法において、電力負荷が減少しているか否かを判定する工程(S62)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を停止するか否かを判定する工程(S64)とを含み、該判定する工程(S64)では、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1)の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を続行し(S66)、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1)の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関の運転を停止する(S65)ことを特徴としている(請求項28:図12、図14〜図16、図22)。
【0050】
本発明の複合発電システム(請求項9〜19の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲内であれば燃料電池(1)のみを運転して予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)は運転せず、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)を運転する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項20:図12、図14〜図16、図23〜図25)。
【0051】
係る複合発電システム(請求項20の複合発電システム)の制御方法において、電力負荷が増加しているか否かを判定する工程(S72)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)を運転するか否かを判定する工程(S74)とを含み、該判定する工程(S74)では、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲内であれば燃料電池(1又は1A)のみを運転して予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)は運転せず(S76)、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)を運転する(S75)ことを特徴としている(請求項29:図12、図14〜図16、図23〜図25)。
【0052】
本発明の複合発電システム(請求項9〜20の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、複合発電システムの運転モードとして、需要側の電力需要変化(負荷変動)に対する追従性(負荷追従性)が良好であるが発電効率が低下する場合がある運転モード(図27)と、発電効率は低下し難いが需要側の電力需要変化(負荷変動)に対する追従性(負荷追従性)が良好ではない運転モード(図28)とを選択可能な手段(運転モード決定手段40、運転モード入力手段60)を備えているのが好ましい(請求項21:図12、図14〜図16、図26〜図28)。
【0053】
そして、運転モードの決定は、複合発電システムの始動前に行われるのが好ましい(図29)。
【発明の効果】
【0054】
上述する構成を具備する本発明によれば、高温作動型燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気及び/又は予混合気に投入する(請求項1)ことにより、圧縮自着火を行う温度条件を充足することが出来る。換言すれば、圧縮自着火を行う吸気側の条件が厳しいという予混合圧縮自着火機関(2)の欠点を補うことが出来る。
【0055】
或いは、燃料電池(高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(から分岐したラインGf2)を吸気系統(Ae3)に連通させれば(請求項2)、燃料電池(1)の排ガスに残存酸素が含有されているので、残存酸素を含有する高温作動型燃料電池(1)の排ガスに燃料ガスを加えて、高温の予混合気を獲得することが出来る。
【0056】
さらに、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が空気供給系統(Ae2又はAe3)に合流する様に構成し(請求項3)、或いは、燃料電池(1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)を吸気系統(Ae3)に連通させれば(請求項4)、オフガスに大量に包含されている一酸化炭素(CO)や水素(H2)を圧縮自着火の予混合圧縮自着火機関(2C)に添加することとなる。そして、自着火を促進するCOやH2といった促進剤を添加することにより、予混合圧縮自着火機関(2C)における圧縮自着火を確実に行わせたり、自着火特性を変化させることで、出力を制御することが出来るのである。
【0057】
本発明において、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1又は1A)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連係する様に構成すれば(請求項5〜請求項9)、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)側は上述した様なメリットが享受できる事に加えて、負荷追従性が良好な予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)側から発電出力(We)を得ることが出来るので、燃料電池(1又は1A)のみを備えた発電システムに比較して、電力負荷の変動への追随性が遥かに良好となる。また、高い発電効率と低いNOx排出とを同時に成立させることが出来る。
さらに、高温作動型燃料電池(1又は1A)の高温の排気ガスやオフガスが保有する熱エネルギーを有効に利用することが出来る。
すなわち、高温作動型燃料電池(1又は1A)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)とが、互いの強み、弱みを補完し合えるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0059】
先ず、図1〜図3に基づいて第1実施形態を説明する。
【0060】
図1、即ち、本発明の第1実施形態に係る予混合圧縮自着火機関システムの全体構成を示すブロック図において、当該システムは、大きなユニット単位としては、固体酸化物型燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)といった高温作動型燃料電池(以降、「高温作動型燃料電池」、或いは単に「燃料電池」と略記する)1と、予混合圧縮自着火機関(以降、予混合圧縮自着火機関を自着火エンジンと言う)2とを有している。
【0061】
前記燃料電池1は、燃料電池の本体部分である空気極(+極)11と燃料極(−極)12と燃料改質器13とオフガス燃焼室14と第1の排ガス熱交換器15とインバータ16とで構成されている。発電した電力はインバータ16から燃料電池1側の電力ラインWfによって取り出される。
【0062】
前記空気極11にはブロワ3を介装した燃料電池側の空気供給ラインAf1から新気が供給され、前記燃料極12には燃料電池1側燃料供給ラインFf1から前記燃料改質器13を経由して燃料が供給される様に構成されている。
【0063】
前記空気極11で発電に使用した残りの空気は、空気ラインAf2を介して前記オフガス燃焼室14に回収され、一方、前記燃料極12で発電に使用した残りの未反応燃料は、燃料ラインFf2を介してオフガス燃焼室14に回収される。そして、オフガス燃焼室14では、残りの空気と未反応燃料が反応して燃焼し、その発生熱の一部は燃料電池1の高温維持や、供給燃料の改質等に利用される。
【0064】
オフガス燃焼室14には排気系である排気管Gf1が接続され、その排気管Gf1の後端には3方弁4が接続され、その3方弁4には排気管Gf2、Gf3が接続されている。オフガス燃焼室14で発生した排気ガスは、排気系である排気管Gf1によってオフガス燃焼室14外に排出される。排気管Gf1を流過する排気は、3方弁4で分岐し、排気管Gf2、Gf3にその分流を流すように構成されている。尚、3方弁4では、通過する排気ガスの全量及び/又は分流の比率を変えることが出来る。
【0065】
また、燃料電池1の第1の排ガス熱交換器15は、排気管Gf1を流過する排気の排熱を、前記空気ラインAf1によって空気極11に供給される空気、及び燃料供給ラインFf1によって燃料改質器13に流入する燃料に、与えるように構成されている。
【0066】
前記自着火エンジン2は、シリンダ21及びピストン22と、シリンダ21の上方に配置された吸気弁25及び排気弁26と、タービン27t及びコンプレッサ27cとから成る過給機27を有している。
【0067】
過給機27のコンプレッサ27cには、空気供給系統である空気供給管Ae1が接続され、コンプレッサ27cと前記吸気管25とは空気供給系統である吸気管Ae2によって連通している。
【0068】
該空気供給系統Ae2の途中には、燃料供給量制御手段6が介装され、その燃料供給量制御手段6には燃料供給ラインFeが接続されている。その燃料供給ラインFeから供給された燃料は前記空気供給ラインAe2を流過する空気と混じりあって予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0069】
一方、前記排気弁26は排気管Ge1によって過給機27のタービン27tと接続され、そのタービン27tは排気管Ge2と接続され、シリンダ21内の排気は排気弁26、排気管Ge1、タービン27tを経由し、排気管Ge2から大気に排出される。
【0070】
前記燃料電池1側の排気管Gf2には、第2の排ガス熱交換器5が介装され、排気管Gf2を流過する燃料電池1側の排気の熱を、自着火エンジン2側の吸気管Ae1を流過する吸気に与える様に構成されている。
【0071】
要約すれば、第1実施形態の予混合圧縮自着火機関システムは、高温作動型燃料電池1の高温排気ガスが、3方弁4を介して、第2の排ガス熱交換器5に供給され、予混合圧縮自着火エンジン2に供給する空気を予熱する様に構成されている。
【0072】
第1実施形態の予混合圧縮自着火機関システムは、高温作動型燃料電池1の排ガスが保有する高い熱量で、エンジンに供給される空気が加熱されるので、予混合圧縮自着火エンジン2で、圧縮自着火がされ易くなる。
また、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2とを組み合わせることにより、予混合圧縮自着火エンジン2の弱点が補われる。
【0073】
図2は、第1実施形態の第1変形例の構成を示す。
図1は、高温作動型燃料電池1の排ガスで排熱交換器5を用いて予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気(吸気管Ae1を流過する空気)を加熱する実施例であった。
それに対して、図2は、高温作動型燃料電池1の排ガスで排熱交換器51を用いて、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mを加熱している。
その他については、図1と同様であって、以降の説明を省略する。
【0074】
図3は、第1実施形態の第2変形例の構成を示す。
図1は、高温作動型燃料電池1の排ガスで予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気(吸気管Ae1を流過する空気)を排ガス熱交換器5で加熱する実施例であり、図2は、高温作動型燃料電池1の排ガスで、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mを加熱する実施例であった。
それに対して、図3は、排熱交換器52を用いて高温作動型燃料電池1の排ガスで、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気と、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mとを共に加熱している。
その他については、図1及び図2と同様であって、以降の説明を省略する。
【0075】
次に、図4に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。
【0076】
図1の第1実施形態は、排ガス熱交換器5,51,52を介して、高温作動型燃料電池1の排ガスの保有する熱量のみを、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気へ投入した実施形態であった。
それに対して、図4の第2実施形態では、高温作動型燃料電池1の排ガスを、予混合圧縮自着火エンジン2Aの吸気系、即ち、過給機27のコンプレッサ27cに、直接供給する実施形態である。以下、図4に基づいて、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0077】
燃料電池1の排気管Gf2は、直接過給機27のコンプレッサ27cに接続されている。また、コンプレッサ27cと吸気弁25とは吸気管Ae3によって連通している。
【0078】
該吸気管Ae3の途中には、空気及び燃料を調節する調節手段61が介装され、その調節手段61には空気及び燃料を供給する供給ラインAFeが接続されている。その空気及び燃料を供給する供給ラインAFeから供給された空気及び燃料は、前記吸気管Ae3を流過する酸素を含んだ高温の排気ガスと混じりあって高温の予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0079】
図4の第2実施形態は、燃料電池1側の排気管Gf2を流過する排ガス中に、残存酸素があるので、残存酸素を包含する高温作動型燃料電池1の排ガスに燃料ガスを加えて、高温の予混合気を獲得しようとするものである。
【0080】
ここで、過給機27は、圧力調整手段であり、予混合気の温度と圧力との組み合わせを適正に調整する機能を負っている。
また、燃料電池1の排ガスがエンジンの予混合気として不充分な場合は、空気及び燃料を供給する供給ラインAFeから空気などを追加することが出来る。
更に、燃料電池1の排ガスが自着火エンジン2の予混合気として過剰な場合は、前記3方弁の排気管Gf2側を絞ってやればよい。
【0081】
その他については、図1の第1実施形態と実質的に同様である。
【0082】
次に、図5に基づいて、本発明の第3実施形態を説明する。
【0083】
第1実施形態及び第2実施形態は、高温作動型燃料電池1の排ガスを利用した実施形態である。
それに対して、第3実施形態は、高温作動型燃料電池1のオフガスを予混合圧縮自着火エンジン2Bの吸気系統である吸気管Ae2にオフガス添加装置65を介して添加している。
以下、図5に基づいて、第3実施形態について説明する。
【0084】
図5、即ち、本発明の第3実施形態に係る予混合圧縮自着火機関システムの全体構成を示すブロック図において、当該システムは、大きなユニット単位としては、高温作動型燃料電池1Aと、予混合圧縮自着火エンジン2Bとを有している。
【0085】
前記燃料電池1Aは、燃料電池の本体部分である空気極(+極)11と燃料極(−極)12と燃料改質器13とオフガス生成室14Aと第1の排ガス熱交換器15とインバータ16とで構成されている。発電した電力はインバータ16から燃料電池1側の電力ラインWfによって取り出される。
【0086】
前記空気極11にはブロワ3を介装した燃料電池1A側の空気供給ラインAf1から新気が供給され、前記燃料極12には燃料電池1A側燃料供給ラインFf1から前記燃料改質器13を経由して燃料が供給される様に構成されている。
【0087】
前記空気極11で発電に使用した残りの空気は、空気ラインAf2を介して前記オフガス生成室14Aに回収され、一方、前記燃料極12で発電に使用した残りの未反応燃料は、燃料ラインFf2を介してオフガス生成室14Aに回収される。そして、オフガス生成室14Aでは、残りの空気と未反応燃料とによって、高温で且つCOやH2といった自着火促進成分を含むオフガスが生成される。尚、オフガス生成室14Aでは、オフガス燃焼していない。
【0088】
オフガス生成室14Aには、排気管Gf11が接続され、排気管Gf11の端部には3方弁41が取付けられる。その3方弁41の残ったポートには分岐管である排気管Gf12と排気管Gf13とが接続され、オフガスを排気管Gf12と排気管Gf13とに分岐する。
【0089】
前記排気管Gf12の他端には3方弁4の一つのポートが接続され、その3方弁4の残ったポートには排気管Gf14と排気管Gf15とが接続され、オフガスを排気管Gf14側とGf15側とに分岐する。一方、排気管Gf13の途中にはオフガスを燃焼させるためのオフガス燃焼室14が介装される。尚、前記3方弁4では、通過する排気ガスの全量及び/又は分流の比率を変えることが出来る。
【0090】
オフガス燃焼室14ではオフガスを燃焼させて、その発生熱の一部を燃料電池1Aの高温維持や、供給燃料の改質等に利用する。
【0091】
自着火エンジン2Bは、シリンダ21及びピストン22と、シリンダ21の上方に配置された吸気弁25及び排気弁26と、タービン27t及びコンプレッサ27cとから成る過給機27を有している。
【0092】
過給機27のコンプレッサ27cには、空気供給系統である吸気管Ae1が接続され、コンプレッサ27cと前記吸気弁25とは吸気管Ae2によって連通している。
【0093】
該吸気管Ae2の途中には、オフガス添加装置65が介装され、そのオフガス添加装置65は前記排気管Gf14と接続されて、燃料電池1Aのオフガスが吸気管Ae2に供給されるように構成されている。
【0094】
更に吸気管Ae2の前記オフガス添加装置65を介装した位置よりも下流側に、燃料調節手段6が介装され、その燃料調節手段6には燃料供給ラインFeが接続されている。その燃料供給ラインFeから供給された燃料は前記吸気管Ae2を流過するオフガスと混じりあって予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0095】
一方、前記排気弁26は排気管Ge1によって過給機27のタービン27tと接続され、そのタービン27tは排気管Ge2と接続され、シリンダ21内の排気は排気弁26、排気管Ge1、タービン27tを経由し、排気管Ge2から大気に排出される。
【0096】
オフガスは、一酸化炭素(CO)や水素(H2)の様に、圧縮自着火を促進する促進剤として作用する成分を大量に含有している。
そこで、図5の第3実施形態では、オフガスを圧縮自着火の促進剤として、予混合圧縮自着火エンジン2B側の吸気管Ae2に添加している。
【0097】
ここで、高温作動型燃料電池1Aのオフガスは、オフガス燃焼する以前の段階で排気系統の(オフガスが流過する領域の)一部を3方弁4で排気管Gf14とGf15とに分岐して、そのうちの排気管Gf14から予混合圧縮自着火機関1Bの吸気系統Ae2に加えている。
【0098】
図5では、示していないが、オフガスを筒内直噴する場合も有る。
その他については、上述の各実施形態と実質的に同様である。
【0099】
次に、図6に基づいて、本発明の第4実施形態を説明する。
【0100】
第3実施形態は、高温作動型燃料電池1Aのオフガスが、予混合圧縮自着火エンジン2Bの吸気管Ae2にオフガス添加装置65を介して添加(合流)されているのに対して、図6の第4実施形態では、高温作動型燃料電池1Aのオフガスが、燃料電池1A側の排気管Gf14から直接予混合圧縮自着火エンジン2Cの過給機27のコンプレッサ27cに投入されるように構成されている。
【0101】
予混合圧縮自着火エンジン2Cの過給機27のコンプレッサ27cと吸気弁25とは吸気管Ae3によって連通しており、該吸気管Ae3の途中には、空気及び燃料を調節する調節手段61が介装され、該調節手段61には空気及び燃料を供給する供給ラインAFeが接続されている。
供給ラインAFeから供給された空気及び燃料は前記吸気管Ae3を流過する酸素を含んだオフガスと混じりあって予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0102】
従って、燃料電池1Aのオフガスが自着火エンジン2Cの予混合気として不充分な場合は、前記供給ラインAFeから空気、燃料等を追加している。
【0103】
その他については、図5の第3実施形態と同様である。
【0104】
次に、図7に基づいて、本発明の第5実施形態を説明する。図7の第5実施形態は、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2の複合発電システムに係る実施形態である。
【0105】
図7の第5実施形態は、図1の第1実施形態に、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2の複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
具体的には、自着火エンジン2の図示しないクランク軸に発電機7の図示しない回転軸を直結させ、発電機7で発電した電力Weを燃料電池1で発電した電力Wfと集電装置8で集電し(終電下電力を符号Wで示す)、電力需要9に投入する様に構成されている。
【0106】
図7の第5実施形態は、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2の複合発電システムとして構成したので、予混合圧縮自着火エンジン2の不利な点を補うだけではなく、高温作動型燃料電池1における「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
すなわち、高温作動型燃料電池1では定負荷発電運転を行い、負荷の変動に対しては、予混合圧縮自着火エンジン2側の発電機7により負荷追従運転をさせることにより、複合発電システム全体としての負荷追従性を向上させることが出来る。
その他の構成及び作用効果については、図1の第1実施形態と同様である。
【0107】
次に、図8に基づいて、第5実施形態の変形例を説明する。
【0108】
図7の第5実施形態では、排気ガス熱交換器5により、高温作動型燃料電池1の排気ガスが保有する熱量で、予混合圧縮自着火エンジン2の過給機27に供給される空気が加熱されているが、図8の変形例では、排気ガス熱交換器51により、高温作動型燃料電池1の排気ガスが保有する熱量で、予混合圧縮自着火機関の過給機27と吸気弁25とを接続する吸気管Ae2内の予混合気Mを加熱している。
【0109】
その他の構成及び作用効果については、図7の第5実施形態と同様である。
【0110】
次に、図9に基づいて、第6実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0111】
図9の第6実施形態は、図8の第5実施形態と同様に、図4の第2実施形態に、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2Aの複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
図8の第5実施形態と同様に、予混合圧縮自着火エンジン2Aの不利な点を補うだけではなく、負荷変動に対しては、予混合圧縮自着火エンジン2A側の発電機7により負荷追従運転をさせることにより、複合発電システム全体としての負荷追従性を向上させることが出来るので、高温作動型燃料電池1における「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
【0112】
その他の構成及び作用効果については、図4の第2実施形態と同様である。
【0113】
次に、図10に基づいて、第7実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0114】
図10の第7実施形態は、図8の第5実施形態及び図9の第6実施形態と同様に、図5の第3実施形態に、高温作動型燃料電池1Aと予混合圧縮自着火エンジン2Bの複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
予混合圧縮自着火エンジン2Bの不利な点を補うだけではなく、高温作動型燃料電池1Aにおける「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
【0115】
その他の構成及び作用効果については、図5の第3実施形態と同様である。
【0116】
次に、図11に基づいて、第8実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0117】
図11の第8実施形態は、図8の第5実施形態、図9の第6実施形態及び図10の第7実施形態と同様に、図6の第4実施形態に、高温作動型燃料電池1Aと予混合圧縮自着火エンジン2Cの複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
予混合圧縮自着火エンジン2Cの不利な点を補うだけではなく、高温作動型燃料電池1Aにおける「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
その他の構成及び作用効果については、図6の第4実施形態と同様である。
【0118】
次に、図12に基づいて、第9実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図12の第9実施形態は、図7の第5実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0119】
即ち、図7の第5実施形態の構成に対して、制御手段である総合発電システム運転監視・制御装置(以降、総合発電システム運転監視・制御装置をコントロールユニットという)10を設けるとともに、後述する燃料電池及び自着火エンジンの運転状態や出力・効率等の性能を測定する手段(各種センサ)と、燃料電池、自着火エンジン夫々の電力負荷に対応して当該システムを運転させた場合の、燃料電池と自着火エンジン夫々の運転状態における性能値化、複合発電システムとしての性能値をマップ化して記憶しておき、電力負荷が変動した場合に、負荷追従やシステムとしての発電効率が最大になるような運転制御を行える手段を備えている。
【0120】
更に、燃料電池1側の燃料供給ラインFf1には流量制御弁30が介装され、自着火エンジン2のシリンダヘッドに筒内圧力を検出する圧力センサ29が装着されている。
【0121】
前記コントロールユニット10は、燃料電池1の燃料極12と入力ラインLi1で接続され燃料電池1の運転状態を示す信号、すなわち、熱自立をしているか否かの信号を受信し、燃料電池1のインバータ16と入力ラインLi2で接続され燃料電池1の発電出力信号を受信している。
【0122】
また、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29と入力ラインLi3で接続され、自着火エンジン2の運転状態を示す信号を受信し、前記自着火エンジン2側の発電機7に設けた図示しない発電出力発信手段と入力ラインLi4で接続され自着火エンジン2で運転される発電機7の発電出力信号を受信している。
【0123】
さらに、コントロールユニット10は、電力需要9と入力ラインLi5で接続され需要家の電力需要情報に関する信号を受信している。
【0124】
コントロールユニット10は、燃料電池1側の空気供給ラインAf1に介装されたブロワ3と出力ラインLo1で接続されブロワ3の回転速度を調整するための制御信号を発信し、燃料電池1側の燃料供給ラインFf1に介装された流量制御弁30と出力ラインLo2で接続され流量制御弁30の開度を調節するための制御信号を発信している。
【0125】
さらに、コントロールユニット10は、燃料電池1側の排気管Gf1に介装された3方弁4と出力ラインLo3で接続され、3方弁4に、3方弁による各分岐管Gf2、Gf3へのオフガスの遮断を含めた流量比率の調整を行うための制御信号を発信し、自着火エンジン2に介装された燃料供給量制御手段6と出力ラインLo4で接続され自着火エンジン2への燃料の量を調節するための制御信号を発信している。
【0126】
図12の第9実施形態では、自着火エンジン2と、燃料電池1の双方が良好な運転が出来る様に制御している。
【0127】
上述した制御に関する構成以外は、図7の第5実施形態と同様である。また、具体的な制御については、図13と、図20以降で説明する。
【0128】
ここで、図13に基づいて、第9実施形態の制御について説明する。
図13の第9実施形態は、燃料電池から高温排気ガスやオフガスの流量を制御することで、自着火エンジンに供給する混合気の熱交換量を制御し、自着火エンジンに供給する予混合気の温度に変化させることで自着火特性を制御し、これによりエンジンの出力を制御する実施形態である。
【0129】
先ず、ステップS1において、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2の出力を検出する。
【0130】
次のステップS2では、自着火エンジン2の出力は維持させるのか、上昇させるのか、或いは低下させるのかの何れかを判断する。維持させるのであればステップS3に進み、上昇させるのであればステップS4に進み、低下させるのであればステップS5に進む。
【0131】
ステップS3では、排ガス熱交換器5による、自着火エンジン2への供給空気への投入熱量をそのまま維持した後、ステップS6に進む。
尚、図2の第1実施形態の第1変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の予混合気Mへの投入熱量をそのまま維持する。また、図3の第1実施形態の第2変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の供給空気及び予混合気Mへの投入熱量をそのまま維持する。
【0132】
ステップS4では、排ガス熱交換器5による、自着火エンジン2への供給空気への投入熱量を減少させた後、ステップS6に進む。
尚、図2の第1実施形態の第1変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の予混合気Mへの投入熱量を減少させる。また、図3の第1実施形態の第2変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の供給空気及び予混合気Mへの投入熱量を減少させる。
【0133】
ステップS5では、排ガス熱交換器5による、自着火エンジン2への供給空気への投入熱量を増加させた後、ステップS6に進む。
尚、図2の第1実施形態の第1変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の予混合気Mへの投入熱量を増加させる。また、図3の第1実施形態の第2変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジンへの供給空気及び予混合気Mへの投入熱量を増加させる。
【0134】
ステップS6では、コントロールユニット10は、制御を終了するのか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS6のYES)、そのまま制御を終了する。一方終了しないのであれば(ステップS6のNO)、ステップS1まで戻り、再びステップS1以降を繰り返す。
【0135】
なお、図12では、高温作動型燃料電池1の排気ガスにより、排気ガス熱交換器5を用いて、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気を加熱しているが、制御方法の説明で触れたように、図2(第1実施形態の第1変形例)で示す如く、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mを加熱しても良い。
或いは、図3(第1実施形態の第1変形例)で示す如く、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気及び予混合気Mの双方を同時に加熱しても良い。
【0136】
次に、図14に基づいて、第10実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図14の第10実施形態は、図9の第6実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0137】
図14の第10実施形態の制御に関する構成は、図12の第9実施形態の制御構成と実質的に同様である。また、制御に関する構成以外は、図9の第6実施形態と同様である。
この実施形態(第10実施形態)と第11実施形態、第12実施形態の具体的な制御については、図17〜図19の第13実施形態以降で説明する。
【0138】
次に、図15に基づいて、第11実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図15の第11実施形態は、図10の第7実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0139】
即ち、図10の第7実施形態の構成に対して、制御手段である総合発電システム運転監視・制御装置(以降、総合発電システム運転監視・制御装置をコントロールユニットという)10Aを設けている。更に、燃料電池1A側の燃料供給ラインFf1には流量制御弁30が介装され、自着火エンジン2Bのシリンダヘッドに筒内圧力を検出する圧力センサ29が装着されている。
【0140】
前記コントロールユニット10Aは、燃料電池1Aの燃料極12と入力ラインLi1で接続され燃料電池1Aの運転状態を示す信号、すなわち、熱自立をしているか否かの信号を受信し、燃料電池1Aのインバータ16と入力ラインLi2で接続され燃料電池1Aの発電出力信号を受信している。
【0141】
また、コントロールユニット10Aは、自着火エンジン2Bのシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29と入力ラインLi3で接続され自着火エンジン2Bの運転状態を示す信号を受信し、前記発電機7に設けた図示しない発電出力発信手段と入力ラインLi4で接続され自着火エンジン2で運転される発電機7の発電出力信号を受信している。
【0142】
さらに、コントロールユニット10Aは、電力需要9と入力ラインLi5で接続され需要家の電力需要情報に関する信号を受信している。
【0143】
コントロールユニット10Aは、燃料電池1A側の空気供給ラインAf1に介装されたブロワ3と出力ラインLo1で接続されブロワ3の回転速度を調整するための制御信号を発信し、燃料電池1A側の燃料供給ラインFf1に介装された流量制御弁30と出力ラインLo2で接続され流量制御弁30の開度を調節するための制御信号を発信している。
【0144】
また、コントロールユニット10Aは、燃料電池1A側の排気管Gf12に介装された3方弁4と出力ラインLo3で接続され3方弁4による各分岐管Gf14、Gf15へのオフガスの遮断を含めた流量比率の調整を行うための制御信号を発信し、自着火エンジン2Bに介装された燃料供給量制御手段6と出力ラインLo4で接続され自着火エンジン2Bへの燃料の量を調節するための制御信号を発信している。
【0145】
さらに、コントロールユニット10Aは、オフガス生成室14Aに接続する排気管(オフガスライン)Gf11に介装された3方弁41と出力ラインLo5で接続され、3方弁41の各ポートの開度を調節する制御信号を3方弁41に発信している。
即ち、コントロールユニット10Aは、3方弁41の各ポートの開度を調節することで、オフガス燃焼室に投入するオフガス量や、自着火エンジン2Bの吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を調節して、燃料電池1Aと自着火エンジン2Bを最適に運転制御している。
【0146】
上述の制御に関する構成以外は、図10の第7実施形態と同様である。
【0147】
次に、図16に基づいて、第12実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図16の第12実施形態は、図11の第8実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0148】
図16の第12実施形態の制御に関する構成は、図15の第11実施形態の制御構成と実質的に同様である。また、制御に関する構成以外は、図11の第8実施形態と同様である。
【0149】
次に、図17に基づいて第13実施形態を説明する。図17の第13実施形態は、第10実施形態〜第12実施形態の制御の1例に係る実施形態である。
具体的には、図17で示す制御は、高温作動型燃料電池(第10実施形態では符号は1、第11、第12実施形態では符号は1A)の排気ガス或いはオフガスが保有する熱量に着目し、燃料電池の排気ガスやオフガスの割合を制御することで自着火エンジンの出力を制御する実施形態である。
【0150】
先ず、ステップS11において、コントロールユニット10は、自着火エンジン2Aのシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2Aの出力を検出する。
【0151】
次のステップS12では、自着火エンジン2Aの出力は維持させるのか、上昇させるのか、或いは低下させるのかの何れかを判断する。維持させるのであればステップS13に進み、上昇させるのであればステップS14に進み、低下させるのであればステップS15に進む。
【0152】
ステップS13では、自着火エンジン2Aの過給機27に投入する燃料電池1の排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量をそのまま維持した後、ステップS16に進む。
【0153】
ステップS14では、自着火エンジン2Aの過給機27に投入する燃料電池1の排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を減少させた後、ステップS16に進む。
排気ガス量及び吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を減少させれば、予混合気の温度は下降する。そして、混合気の温度が下降すれば自着火は相対的に燃料リッチで生じることとなり、予混合エンジンの出力は上がる。
【0154】
ステップS15では、自着火エンジン2Aの過給機27に投入する燃料電池1の排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を増加させた後、ステップS16に進む。
排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を増加させれば、予混合気の温度は上昇する。そして、混合気の温度が上昇すれば自着火は相対的に燃料リーンで生じることととなり、予混合エンジンの出力は下がる。
【0155】
ステップS16では、コントロールユニット10は、制御を終了するのか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS16のYES)、そのまま制御を終了する。一方終了しないのであれば(ステップS16のNO)、ステップS11まで戻り、再びステップS11以降を繰り返す。
【0156】
つぎに、図18に基づいて、第13実施形態の第1変形例の制御を説明する。
【0157】
図17の制御は、高温作動型燃料電池1の排気ガス或いはオフガスが保有する熱量に着目した制御であるのに対して、図18の第1変形例は、燃料電池1の排気ガスが含有する二酸化炭素CO2や水蒸気H2Oが、予混合圧縮自着火機関(第10実施形態では2A、第11実施形態では2B、第12実施形態では2C)の圧縮自着火を抑制する性質があることに着目した制御である。
即ち、排気ガスやオフガスの割合を増加させれば予混合気は昇温し、その結果、自着火は燃料リーン側で生じることとなり、自着火エンジンは出力が低下することを利用する制御である。
【0158】
以下、図18の制御フローチャートに基づいて、制御の流れを説明する。
尚、システムは、図14の第10実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0159】
先ず、ステップS21において、コントロールユニット10は、自着火エンジン2Aのシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2Aの出力を検出する。
【0160】
次のステップS22では、コントロールユニット10は自着火エンジン2Aの出力に変動があるか否かを判断し、変動がある場合は(ステップS22のYES)、ステップS23に進む。一方変動が無ければ(ステップS22のON)、そのままステップS30まで進む。
【0161】
ステップS23では、燃料電池1側の排気ガス割合を増加させるのか、減少させるのかを判断し、増加させるのであれば3方弁を操作して排気ガス割合を増加させた後ステップS26に、減少させるのであれば3方弁を操作して排気ガス割合を減少させた後ステップS24に進む。
ここで、排気ガス割合を増加させた場合は、予混合気M中のCO2,H2O(水蒸気)濃度が上昇し、自着火を抑制する。一方、排気ガス割合を減少させた場合は、予混合気M中のCO2,H2O(水蒸気)濃度が低下し、自着火を促進する。
【0162】
ステップS24では、コントロールユニット10は、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS25に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段61を燃料が増加する側に操作してステップS29に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段61を燃料が減少する側に操作してステップS28に進む。
【0163】
ステップS26では、コントロールユニット10は、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS27に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段61を燃料が増加する側に操作してステップS29に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段61を燃料が減少する側に操作してステップS28に進む。
【0164】
ステップS25では、自着火エンジン2Aの出力が増加し、ステップS30に進む。ステップS27では、自着火エンジン2Aの出力が減少し、ステップS30に進む。ステップS28では、自着火エンジン2Aの出力がリーン限界まで減少し、ステップS30に進む。
ステップS29では、自着火エンジン2Aの出力がノッキング限界まで増加し、ステップS30に進む。
【0165】
ステップS30では、コントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS30のYES)、そのまま制御は終了する。一方、運転継続であれば(ステップS30のNO)、ステップS21まで戻り、再びステップS21以降を繰り返す。
【0166】
次に、図19に基づいて、第13実施形態の第2変形例の制御を説明する。
図17の制御は、高温作動型燃料電池の排気ガス或いはオフガスが保有する熱量に着目した制御であるのに対して、図19の第2変形例は、燃料電池のオフガスが含有する一酸化炭素COや水素H2が、予混合圧縮自着火機関の圧縮自着火を促進する性質があることに着目した制御である。以下、図19に基づいて第2変形例の制御を説明する。
尚、システムは、図15の第11実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0167】
先ず、ステップS31において、コントロールユニット10Aは、自着火エンジン2Bのシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2Bの出力を検出する。
【0168】
次のステップS32では、コントロールユニット10Aは自着火エンジン2Bの出力に変動があるか否かを判断し、変動がある場合は(ステップS32のYES)、ステップS33に進む。一方変動が無ければ(ステップS32のON)、そのままステップS40まで進む。
【0169】
ステップS33では、燃料電池1Aのオフガス割合を増加させるのか、減少させるのかを判断し、増加させるのであれば3方弁4を操作してオフガス割合を増加させた後ステップS36に、減少させるのであれば3方弁を操作して排気ガス割合を減少させた後ステップS34に進む。
ここで、オフガス割合を増加させた場合は、予混合気M中のCO,H2濃度が上昇し、自着火を促進する。一方、オフガス割合を減少させた場合は、予混合気M中のCO,H2濃度が低下し、自着火を抑制する。
【0170】
ステップS34では、コントロールユニット10Aは、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS35に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段6を燃料が増加する側に操作してステップS39に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段6を燃料が減少する側に操作してステップS38に進む。
【0171】
ステップS36では、コントロールユニット10Aは、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS37に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段6を燃料が増加する側に操作してステップS39に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段6を燃料が減少する側に操作してステップS38に進む。
【0172】
ステップS35では、自着火エンジン2Bの出力が減少し、ステップS40に進む。ステップS37では、自着火エンジン2Bの出力が増加し、ステップS40に進む。ステップS38では、自着火エンジン2Bの出力がリーン限界まで減少し、ステップS40に進む。
ステップS39では、自着火エンジン2Bの出力がノッキング限界まで増加し、ステップS40に進む。
【0173】
ステップS40では、コントロールユニット10Aは、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS40のYES)、そのまま制御は終了する。一方、運転継続であれば(ステップS30のNO)、ステップS31まで戻り、再びステップS31以降を繰り返す。
【0174】
次に、図20に基づいて第14実施形態を説明する。図20の第14実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
具体的には、図20で示す制御は、自着火エンジン2(或いは2A,2B,2Cの何れか)を、燃料供給量を以って出力制御する、即ち、自着火エンジンの運転のために供給する追加燃料の供給量を制御する制御方法である。
尚、システムは、図12の第9実施形態を用いた場合について説明を行う。
【0175】
先ず、ステップS41において先ず、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2の出力を検出する。
【0176】
次のステップS42では、自着火エンジン2の出力は維持させるのか、上昇させるのか、或いは低下させるのかの何れかを判断する。維持させるのであればステップS43に進み、上昇させるのであればステップS44に進み、低下させるのであればステップS45に進む。
【0177】
ステップS43では、燃料供給量制御手段6をそのまま維持して吸気管Ae2への燃料供給量をそのまま維持した後、ステップS46に進む。
【0178】
ステップS44では、燃料供給量制御手段6を操作して、吸気管Ae2への燃料供給量を減少させた後、ステップS46に進む。
【0179】
ステップS45では、燃料供給量制御手段6を操作して、吸気管Ae2への燃料供給量を増加させた後、ステップS46に進む。
【0180】
ステップS46では、コントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS46のYES)、そのまま終了し、終了しないのであれば(ステップS46のNO)、ステップS41まで戻り、再びステップS41以降を繰り返す。
【0181】
図21の第15実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
燃料電池に比べ、予混合圧縮自着火機関の方が負荷追従性は良好である。
そこで、負荷が変動した場合には、先ず、予混合圧縮自着火機関側で対処する様に制御するのが図21の第15実施形態である。
なお、予混合圧縮自着火機関側の対処の手法は、図13、図17〜図20の制御による。
但し、予混合圧縮自着火機関で対処できないような負荷変動の場合には、高温作動型燃料電池の負荷変動制御を行う。
本実施形態では、燃料電池の出力制御方法は、燃料や酸化剤の供給量、燃料利用率、酸化剤利用率による従来の制御方法を利用することが出来る。
【0182】
以下、図21に基づいて第15実施形態を説明する。尚、システムは、図12の第9実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0183】
先ず、ステップS51では、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29でエンジン出力が変動したか否かを判断しており、エンジン出力が変化していれば(ステップS51のYES)、ステップS52に進む。一方、エンジン出力が変化していないのであれば(ステップS51のNO)、ステップS51のループを繰り返す。
【0184】
ステップS52ではエンジン負荷の変動幅を演算して、ステップS53に進み、負荷変動幅がエンジン出力の対応範囲以内か否かを判断する。
負荷変動幅がエンジン出力の対応範囲以内であれば(ステップS53のYES)、ステップS54に進み、エンジン出力対応範囲を超えていれば(ステップS53のNO)、ステップS55に進む。
【0185】
ステップS54では、エンジン出力を適正値まで変動させてステップS56に進む。またステップS55では自着火エンジン2及び燃料電池1の双方の出力を適正値まで変動させた後、ステップS56に進む。
【0186】
ステップS56ではコントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS56のYES)、そのまま制御を終える。一方、運転を続行するのであれば(ステップS56のNO)、ステップS51まで戻り、再びステップS51以降を繰り返す。
【0187】
図22の第16実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
具体的には、複合発電システムに要求される電力負荷が、高温作動型燃料電池で賄うことが出来る範囲になった場合に、予混合圧縮自着火機関を停止して、予混合圧縮自着火機関側からの電力供給を停止する制御である。即ち、電力負荷が燃料電池の出力範囲で対応できるまで低下した場合に、排気ガスやオフガスが自着火エンジンに供給されないように切換えることで、自着火エンジンの運転を停止させ、燃料電池単独での負荷追従運転を行う制御である。
【0188】
以下、図22に基づいて第16実施形態を説明する。尚、システムは、図12の第9実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0189】
先ず、ステップS61では、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29でエンジン出力を検出して、ステップS62に進み、電力負荷が減少中であるか否かを判断する。電力負荷が減少中でないのであれば(ステップS62のNO)、ステップS63に進む。一方、電力負荷が減少中であれば(ステップS62のYES)、ステップS64に進む。
【0190】
ステップS63では電力負荷が上昇中であるか否かを判断し、上昇中であれば(ステップS63のYES)、後述の図23の制御に進む。一方、上昇中で無ければ、即ち電力負荷に変動が無ければ、ステップS61まで戻り、再びステップS61以降を繰り返す。
【0191】
ステップS64では、コントロールユニット10は電力負荷が燃料電池1の出力範囲以内であるか否かを判断しており、電力負荷が燃料電池1の出力範囲以内であれば(ステップS64のYES)、ステップS65に進む。一方電力負荷が燃料電池1の出力範囲を超えていれば(ステップS64のNO)、ステップS66に進む。
【0192】
ステップS65では、排気ガス又はオフガスを自着火エンジン2側へ供給しないでエンジン2を停止させた後、ステップS67に進む。ステップS66では、排気ガス又はオフガスの自着火エンジン2側への供給を維持して運転を続行しつつステップS67に進む。
【0193】
ステップS67ではコントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS67のYES)、そのまま制御を終える。一方、運転を続行するのであれば(ステップS67のNO)、ステップS61まで戻り、再びステップS61以降を繰り返す。
【0194】
図23〜図25の第17実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
具体的には、図24で示す従来技術での「電力不足(符号H)」に相当する負荷を、予混合圧縮自着火機関の負荷追従運転(図25において符号Tで示す「自着火エンジンの負荷追従運転」)で補う場合に、電力不足に相当する出力を得る為には、図13〜図20で説明した制御を行う。
即ち、電力負荷が燃料電池の出力範囲で対応出来なくなるまで増加した場合に、排気ガスやオフガスを自着火エンジンに切換えて供給して、自着火エンジンを起動し、前記説明した自着火エンジン出力制御によって燃料電池と自着火エンジンの複合システムとして負荷追従運転を行うことを特徴とする運転制御である。
【0195】
高温作動型燃料電池のみの発電システムでは、図24の実線Lで示すような負荷変動、すなわち電力需要の変化に対処し難い。
それに対して、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態であれば、図25で示す様に、高温作動型燃料電池では不足する分(図24の「電力不足(符号H)」に相当する負荷)を、予混合圧縮自着火機関側の発電手段で得る事が出来る(図24及び図25において、符号Lは電力需要を、符号Lfは燃料電池の出力電力を、図25において、符号Ltは燃料電池の出力電力と自着火エンジンの出力電力の合計を示す)。
そのため、図24の「電力不足(符号H)」に相当する負荷が発生した場合にのみ、予混合圧縮自着火機関を作動させない制御が、図23で示す制御である。
言わば、図22の第16実施形態とは反対の制御である。
【0196】
以下、図23に基づいて、第17実施形態を説明する。尚、システムは、図12の第9実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0197】
先ず、ステップS71では、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29でエンジン出力を検出して、ステップS72に進み、電力負荷が増加中であるか否かを判断する。電力負荷が増加中でないのであれば(ステップS72のNO)、ステップS73に進む。一方、電力負荷が増加中であれば(ステップS72のYES)、ステップS74に進む。
【0198】
ステップS73では電力負荷が減少中であるか否かを判断し、減少中であれば(ステップS73のYES)、前述の図22の制御に進む。一方、減少中で無ければ、即ち電力負荷に変動が無ければ、ステップS71まで戻り、再びステップS71以降を繰り返す。
【0199】
ステップS74では、コントロールユニット10は電力負荷が燃料電池1の出力範囲以上であるか否かを判断しており、電力負荷が燃料電池1の出力範囲以上であれば(ステップS74のYES)、ステップS75に進む。一方、電力負荷が燃料電池1の出力範囲に達していなければ(ステップS74のNO)、ステップS76に進む。
【0200】
ステップS75では、排気ガス又はオフガスを自着火エンジン2側へ供給してエンジンを起動させた後、ステップS77に進む。ステップS76では、排気ガス又はオフガスを自着火エンジン2側へ供給しないでエンジンを停止した後、ステップS77に進む。
【0201】
ステップS77ではコントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS77のYES)、そのまま制御を終える。一方、運転を続行するのであれば(ステップS77のNO)、ステップS71まで戻り、再びステップS71以降を繰り返す。
【0202】
次に、図26〜図28に基づいて、第18実施形態を説明する。
図26〜図28の第18実施形態は、需要家が負荷追従速度を重視する場合には、複合システムとしての高効率よりも負荷追従性能が優先されるようにシステムの負荷追従制御を行い、一方、需要家がシステム全体の効率を重視する場合には、負荷追従性よりもシステムの高効率維持が優先されるように負荷追従制御を行うことを特徴とした複合発電システムの運転制御方法である。
【0203】
電力需要の形態として図27で示すタイプ(複合システムとしての高効率よりも負荷追従性能が優先されるようにシステムの負荷追従制御を行うタイプ)と、図28で示すタイプ(負荷追従性よりもシステムの高効率維持が優先されるように負荷追従制御を行うタイプ)のユーザーがいる(図27及び図28において、符号Lは電力需要を、符号Lfは燃料電池の出力電力を、符号Ltは燃料電池の出力電力と自着火エンジンの出力電力の合計を、符号μはシステム全体の効率を示す)。
【0204】
図26の複合発電システムでは、その(図27のタイプ、図28のタイプ)何れに対応する運転モードにするかを決定する運転モード決定手段40を、運転監視・制御手段であるコントロールユニット10Bに備えている。
尚、運転モード決定手段40は、運転モード入力手段60により図示しないオペレータの判断による運転モードが入力されるようになっているが、図示しない記憶手段(ROM等)により、予め決定されていても良い。
【0205】
図26の複合発電システムは、コントロールユニット10Bに運転モード決定手段40を備えている点以外は、図12の第9実施形態と同一である。しかし、図14〜図16の第10実施形態〜第12実施形態と同様な構成としても良い。
【0206】
図13〜図26の制御を、高温作動型燃料電池と予混合圧縮自着火機関の運転の時系列で表現したフローチャートが図29である。
以下、図29に基づいて図26をも参照して、第18実施形態の制御について説明する。
【0207】
先ず、ステップS81において運転モード決定手段40によって運転モードの決定を行い、ステップS82に進み、燃料電池1を始動させる。
【0208】
ステップS83ではコントロールユニット10Bは、負荷が燃料電池1の出力以上か否かを判断しており、燃料電池1の出力範囲以上であれば(ステップS83のYES)、ステップS84に進む。一方、燃料電池の出力未満であれば(ステップS83のNO)、ステップS85に進む。
【0209】
ステップS84では図22の制御ルーチンを用いて自着火エンジン2を停止した後、ステップS87に進む。ステップS85では、図23の制御ルーチンを用いて自着火エンジン2を始動させた後、ステップS86に進み、図13、図17〜図21の何れかの制御を行った後ステップS87に進む。
【0210】
ステップS87では、コントロールユニット10Bは、所定時間が経過したか否かを判断しており、所定時間が経過していれば(ステップS87のYES)、ステップS88に進む。一方、所定時間が経過していなければ(ステップS87のNO)、ステップS83まで戻り再びステップS83以降を繰り返す。
【0211】
ステップS88では、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS88のYES)、ステップS89に進み燃料電池1を停止して、全ての制御を終了する。一方、終了しないのであれば(ステップS88のNO)、ステップS87まで戻り、再びステップS87以降を繰り返す。
【0212】
すなわち、図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】本発明の第1実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図2】第1実施形態の第1変形例の構成を示したブロック図。
【図3】第1実施形態の第2変形例の構成を示したブロック図。
【図4】本発明の第2実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図5】本発明の第3実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図6】本発明の第4実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図7】本発明の第5実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図8】第3実施形態の変形例の構成を示したブロック図。
【図9】本発明の第6実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図10】本発明の第7実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図11】本発明の第8実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図12】本発明の第9実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図13】本発明の第9実施形態の制御方法を示したフローチャート。
【図14】本発明の第10実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図15】本発明の第11実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図16】本発明の第12実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図17】本発明の第13実施形態に係る制御フローチャート。
【図18】本発明の第13実施形態の第1変形例である制御フローチャート。
【図19】本発明の第13実施形態の第2変形例である制御フローチャート。
【図20】本発明の第14実施形態に係る制御フローチャート。
【図21】本発明の第15実施形態に係る制御フローチャート。
【図22】本発明の第16実施形態に係る制御フローチャート。
【図23】本発明の第17実施形態に係る制御フローチャート。
【図24】電力需要の1パターンを示す特性図。
【図25】本発明の第17実施形態に係り、燃料電池による発電と自着火エンジンによる発電を同時に行った時の発電量と電力需要を対比して示した特性図。
【図26】本発明の第18実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図27】第18実施形態を説明するための複合発電システムの運転パターンの1例を示す特性図。
【図28】第18実施形態を説明するための複合発電システムの運転パターンの他の例を示す特性図。
【図29】本発明の第18実施形態に係る制御フローチャート。
【符号の説明】
【0214】
1,1A・・・高温作動型燃料電池/燃料電池
2,2A,2B,2C・・・予混合圧縮自着火機関/予混合エンジン
3・・・ブロワ
4、41・・・3方弁
5・・・第2の排ガス熱交換器
6・・・燃料供給量制御手段
7・・・発電機
10,10A,10B・・・総合発電システム運転監視・制御手段/コントロールユニット
11・・・空気極
12・・・燃料極
13・・・燃料改質器
14・・・オフガス燃焼室
14A・・・オフガス生成室
15・・・第1の排ガス熱交換器
16・・・インバータ
25・・・吸気弁
26・・・排気弁
27・・・過給機
30・・・流量制御弁
40・・・運転モード決定手段
Ae1,Ae2,Ae3・・・吸気系/吸気管
Af1・・・空気供給ライン
Af2・・・空気ライン
AFe・・・空気及び燃料供給ライン
Fe・・・燃料供給ライン
Ff1・・・燃料供給ライン
Ff2・・・燃料ライン
Ge1,Ge2・・・排気管
Gf1〜Gf3、Gf11〜Gf15・・・排気系/排気管
Wf・・・燃料電池で発電した電力
We・・・発電機で発電した電力
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素系燃料を利用する動力源システムに関する。より詳細には、本発明は、高温の酸化剤に燃料を供給し、高圧縮比のピストンで圧縮して予混合気自着火燃焼させる予混合圧縮自着火機関と、溶融炭酸塩型燃料電池や固体酸化物型燃料電池に代表される高温作動型の燃料電池を備えた発電システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
発電システムや動力源システムとして、高温の酸化剤に燃料を供給し、高圧縮比のピストンで圧縮させることで予混合気を自着火燃焼させ、内燃機関を運転する予混合圧縮自着火機関が利用されている。
【0003】
この予混合圧縮自着火機関は、運転するためには、ピストン圧縮比にもよるが、予混合気の温度は80〜200℃程度と、火花点火式等の内燃機関の吸気温度40〜50℃に比べて、高い温度に予熱して供給する必要がある。このような高温に予混合気を予熱する手段としては、燃焼後の高温排気ガスとの熱交換が考えられている。然るに、予混合圧縮自着火機関の定常運転時における排気ガス温度は200℃〜230℃であって、仮に熱交換器で排気ガスの熱を混合気に与えるとしても、80℃〜200℃の混合気を得ることは困難である。
【0004】
ところで、自着火燃焼を起こしうる高い吸気温度が確保出来れば、火花点火式等の従来機関では運転が困難であった、超希薄混合域を含む、極めて広い燃料濃度域(空気過剰率λ=2.0〜6.0程度)で、安定した運転が可能である。
【0005】
予混合圧縮自着火機関は、燃焼方式が従来と異なる他は、従来の内燃機関と同様であるため、燃料供給量を制御することにより、容易に出力を変化させることが出来る上、出力変化速度も高い。即ち、負荷追従の制御幅が広く、追従速度が速い、即ち、負荷追従性が良いという特徴がある。
【0006】
上述のように、混合気が希薄であること、圧縮比が高いこと、自着火による急速燃焼と言う特性から、予混合圧縮自着火機関の熱効率は、火花点火式等の他の従来内燃機関に比べて高い。更に、希薄混合気の燃焼であるために、排ガス中に含まれるNOx濃度が低く、高効率且つ低NOxである、という優れた特徴を有している。
【0007】
又、予混合気中の燃料成分として、COやH2と言った、自着火温度の低い成分が含まれている場合には、これらが予混合気の自着火促進物質として作用するため、混合気の温度が低くても自着火運転が容易となる利点を有している。
【0008】
一方、内燃機関以外の発電システムや動力源システムとして、固体酸化物燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)と言った、高温作動型燃料地を利用する例も知られている。この固体酸化物燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)は、炭化水素系燃料を改質して利用し、固体酸化物燃料電池(SOFC)では600〜1000℃以上、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)では500〜900℃以上の高温で動作させている。
【0009】
高温作動型燃料電池では、供給燃料の全てが電池内での発電に利用されることは無く、定格運転時でも60〜80%程度の燃料が発電に、残り20〜40%程度は未反応燃料として電池外に排出される。未反応燃料はオフガス燃焼室等で燃焼し、その発生熱の一部は燃料電池システムの高温維持や供給燃料の改質等に利用される。又、燃料電池内においても、発電時に内部発熱が生じ、その熱によっても燃料電池システムは高温維持される。
尚、ここで供給燃料の発熱量に対する、燃料電池の発電反応に相当する熱量、(燃料電池の発電電力に相当する熱量と、燃料電池における発熱に相当する熱量の和)の比は、一般に燃料利用率と呼ばれる。
【0010】
更に、燃料同様、燃料電池に供給する酸化剤中の酸素(溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の場合は二酸化炭素も含む)も、その全てが発電に利用されるわけではなく、一般に20〜40%程度が利用され、これは酸化剤利用率と呼ばれる。
【0011】
上記の燃料利用率や酸化剤利用率、また燃料供給量や酸化剤供給量のバランスにより、燃料電池の温度が変化すると同時に、オフガス燃焼の状態も変化することで、結果的に排気ガス温度も変化する。この排気ガスは未反応成分である水素(H2)と一酸化炭素(CO)の他に水蒸気(H2O)を含み、燃料電池の運転状態や容量にもよるが、150〜300℃程度と、高い温度で排出されるのが一般的である。
【0012】
上記の通り、高温作動型燃料電池は、燃料電池システム内の微妙な熱バランス維持(熱自立の維持)に基づいて運転されるために、こうした熱バランス維持に影響を与える出力制御(負荷追従運転)は極めて難しく、不可能ではないとしても、追従可能な出力幅が限られたり、負荷追従速度が遅い、といった課題がある。
【0013】
ところで、自着火燃焼の基礎研究において、自着火温度の低い成分、一酸化炭素(CO)、水素(H2)を自着火燃焼機関に混ぜると、80℃で着火することが確認されている。
【0014】
ここで、出力反応を短時間で安定化させることが可能な固体電解質型燃料電池(SOFC)の運転方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0015】
上記運転方法は、熱自立を維持した出力制御が可能と考えられるが、一定制御させる電池の反応温度が890から1060℃と、依然として高温である上に、制御可能な温度幅が狭い。したがって、発電出力は制御できてもその制御範囲は小さく、出力変動幅の大きな負荷追従運転は困難である。
【0016】
燃料供給手段により燃料供給量を発電出力に応じて調整し、続いて電池の反応温度が一定となるように酸化剤供給量及び/又は酸化剤温度の一方又は双方を制御するという方法では、酸化剤供給量の変化や酸化剤温度変化の応答性が遅いため、結果として燃料電池システムの負荷追従速度は遅くならざるを得ない。更に、燃料供給量の増減時に電池での燃料と酸化剤の濃度バランスが容易に崩れ、燃料枯れや酸素枯れといった現象が置き易く、これらの現象によって電池が破損し易い。
【0017】
上記とは別に、圧縮自着火内燃機関において、効率が良く構造が簡単な内燃機関が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0018】
該提案では、燃焼形態が希薄燃焼であるがために、排気ガスの温度が200〜300℃と低く、排気ガスによる熱交換を行っても、吸気する予混合気の予熱温度が低くなってしなう。運転を維持するためには、排気ガス熱交換後の予混合気を付加的に加熱する方法も考えられるが、そのような方法では省エネ性は損なわれてしまう。
【0019】
自着火温度が高い成分が多く含まれる燃料を供給した場合、予混合気を更に高温に加熱するか、COやH2といった自着火促進物質を添加する必要が生じる場合も考えられる。その場合には、相応の吸気加熱手段か、自着火促進剤の供給手段が必要となり、システムが大規模且つ複雑化する。
【0020】
上記のような手段により、予混合気の自着火燃焼を促進しない場合、排気ガス中にCOや未燃HCと言った成分が多量に含まれ、効率が低下してしまうという課題がある。
【0021】
燃料濃度の高い予混合気を供給して高出力運転をさせる場合、過大な筒内圧によってエンジンが破損してしまう危険性がある。これを防止するため、EGRによって供給する予混合気中に不活性ガス(CO2)を添加したり、筒内に水蒸気を噴射供給する方法が提案されているが、こうした手段を用いると、システムが大規模且つ複雑化してしまう。
【特許文献1】特開平11−115315号公報
【特許文献2】特開平11−182365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、圧縮自着火を確実に行うことが出来る予混合圧縮自着火機関の提供を目的としている。
また、高温作動型燃料電池を備えた発電システムであって、負荷追従が容易であるような複合発電システム及びその制御方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
発明者は、高温作動型燃料電池と予混合圧縮自着火機関との研究を行った結果、高温作動型燃料電池と、予混合圧縮自着火機関を組み合わせれば、各々の長所により他方の弱点を補完しあうことが出来ることに着目した。
本発明はその様な着想から創作されたものである。
【0024】
本発明の予混合圧縮自着火機関(2)は、空気供給系統(Ae2)及び/又は予混合気供給系統(M)に熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)が介装されており、該熱交換器(排ガス熱交換器5,51,52の何れか)は燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(Gf2)に介装されており、燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気(Ae)及び/又は予混合気(M)へ投入する様に構成されていることを特徴としている(請求項1:図1〜図3)。
【0025】
また、本発明の予混合圧縮自着火機関(2A)は、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(から分岐したラインGf2)が供給系統(予混合気供給系統、空気供給系統、燃料電池のオフガス供給系統、燃料電池の排気ガス供給系統、或いは、予混合気、空気、燃料電池のオフガス、燃料電池の排気ガスの何れかが混合して供給される供給系統:以下、同じ)(図4では符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項2:図4)。
【0026】
さらに、本発明の予混合圧縮自着火機関(2B)は、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が供給系統(予混合気供給系統、空気供給系統、燃料電池のオフガス供給系統、燃料電池の排気ガス供給系統、或いは、予混合気、空気、燃料電池のオフガス、燃料電池の排気ガスの何れかが混合して供給される供給系統:以下、同じ)(図5では符号Ae2)に合流しており、当該供給系統(Ae2)には燃料を供給する燃料供給系統(Fe)も合流していることを特徴としている(請求項3:図5)。
【0027】
或いは、本発明の予混合圧縮自着火機関(2C)は、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が供給系統(図6の符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項4:図6)。
【0028】
本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、予混合圧縮自着火機関(2)の空気供給系統(Ae2)及び/又は予混合気供給系統(M)に熱交換器(排ガス熱交換器5,又は51)が介装されており、該熱交換器(5,又は51)は燃料電池(1)の排気ガス系統(Gf2)に介装されており、燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気(Ae1)及び/又は予混合気(M)へ投入する様に構成されていることを特徴としている(請求項5:図7、図8)。
【0029】
また、本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2A)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、燃料電池(1)の排気ガス系統(から分岐したラインGf2)が前記予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(図9では符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項6:図9)。
【0030】
さらに、本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2B)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、燃料電池(1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が前記予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(図10では符号Ae2)に合流しており、当該供給系統(Ae2)には燃料を供給する燃料供給系統(Fe)も合流していることを特徴としている(請求項7:図10)。
【0031】
或いは、本発明の複合発電システムは、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2C)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連携する様に構成されており、燃料電池(1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が前記予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(図11では符号Ae3)に連通しており、該供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)が合流していることを特徴としている(請求項8:図11)。
【0032】
上述した複合発電システム(請求項5の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2の筒内圧センサ29、当該エンジン2の発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、予混合圧縮自着火機関(2)の第2の供給系統(Fe)に添加される燃料供給量を制御する手段(燃料供給量制御手段6)と、前記検出する手段(インバータ16)の検出信号に基づいて前記制御する手段(6)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)とを有するのが好ましい(請求項9:図12)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)、とを有するのが好ましい。
【0033】
また、上述した複合発電システム(請求項6の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2A)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジンの筒内圧センサ29、当該エンジンの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、供給系統(図14の符号Ae3)に連通している排気ガス系統(から分岐したラインGf2)を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(Ae3)に空気及び燃料を供給する第2の供給系統(AFe)から添加される燃料及び空気の供給量を制御する手段(燃料供給量及び空気供給量制御手段61)と、前記検出する手段(16)の検出信号に基いて前記制御する手段(61)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)とを有するのが好ましい(請求項10:図14)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)、とを有しているのが好ましい。
【0034】
さらに、上述した複合発電システム(請求項7の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2B)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジンの筒内圧センサ29、当該エンジンの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、予混合圧縮自着火機関(2B)の供給系統(図15では符号Ae2)に合流している燃料電池のオフガスライン(から分岐したラインGf14)を流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、当該供給系統(Ae2)に合流している燃料供給系統(Fe)を介して添加される燃料の供給量を制御する手段(燃料供給量制御手段6)と、前記検出する手段(16)の検出信号に基づいて前記制御する手段(6)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10A)とを有するのが好ましい(請求項11:図15)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)と、燃料電池(1)のオフガス生成室(14A)から流出するオフガスが流過するライン(Gf11)から供給系統(Ae2)に合流している前記オフガスライン(Gf12)へ流れる流入量を制御する制御手段(三方弁41)とを有しているのが好ましい。
【0035】
そして、上述した複合発電システム(請求項8の複合発電システム)において、予混合圧縮自着火機関(2C)の運転状態を検出する手段(例えば、予混合圧縮自着火エンジンの筒内圧センサ29、当該エンジンの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段等)と、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)の運転状態を検出する手段(例えば、燃料電池のインバータ16や、発電部分の温度センサ)と、予混合圧縮自着火機関(2C)の供給系統(図16の符号Ae3)に連通している燃料電池のオフガスライン(から分岐したラインGf14)を流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段(流量制御機能付三方弁4)と、該供給系統(Ae3)に合流する第2の供給系統(AFe)を介して添加される空気及び燃料の供給量を制御する手段(燃料供給量及び空気供給量制御手段61)と、前記検出する手段(16)の検出信号に基いて前記制御する手段(61)への制御信号を出力する制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10A)とを有するのが好ましい(請求項12:図16)。
ここで、燃料電池(1)の空気極(11)に供給する空気流量を制御する手段(ブロワ3)と、燃料電池(1)の燃料極(12)に供給する燃料流量を制御する手段(流量調整弁30)と、燃料電池(1)のオフガス生成室(14A)から流出するオフガスが流過するライン(Gf11)から供給系統(Ae3)に合流している前記オフガスライン(Gf14)へ流れる流入量を制御する制御手段(三方弁41)とを有しているのが好ましい。
【0036】
前記複合発電システム(請求項9の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を低下させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し(て予混合気の温度を上昇せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を上昇させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少する(以って、予混合気の温度を降下せしめる)制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項13:図12、図13)。
【0037】
そして、係る複合発電システム(請求項13の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2の発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S1)と、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を制御する出力制御工程(S2〜S5)とを有し、該出力制御工程(S2〜S5)では、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を低下させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し(て予混合気の温度を上昇せしめ:S5)、予混合圧縮自着火機関(2)の出力を上昇させる場合には前記熱交換器(5)を介装した排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少する(以って、予混合気の温度を降下せしめる:S4)ことを特徴としている(請求項22:図12、図13)。
【0038】
前記複合発電システム(請求項10〜12の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の供給系統(図14、図16の符号Ae3、又は、図15の符号Ae2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1又は1A)の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を増加せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の供給系統(Ae3又はAe2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量又はオフガス流量を減少する(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を低減させる)制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項14:図14〜図17)。
【0039】
そして、係る複合発電システム(請求項14の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2A又は2Bの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S11)と、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を制御する出力制御工程(S12〜S15)とを有し、該出力制御工程(S12〜S15)では、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の供給系統(Ae3又はAe2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を増加せしめ:S15)、予混合圧縮自着火機関(2A又は2B)の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関(2)の供給系統(Ae3又はAe2)に連通する排気ガス系統又はオフガスライン(Gf2又はGf14)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量又はオフガス流量を減少する(以って、自着火促進物質であるCOやH2の濃度を減少せしめる:S14)ことを特徴としている(請求項23:図14〜図17)。
【0040】
さらに、前記複合発電システム(請求項10の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(Ae3)に連通する排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち(それにより、供給系統Ae3を流れる空気、燃料電池の排気ガス、予混合気、或いは、それ等の何れかを混合した流体における燃料濃度を減少せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を上昇させる場合には前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち(それにより、供給系統Ae3を流れる空気、燃料電池の排気ガス、予混合気、或いは、それ等の何れかを混合した流体における燃料濃度を増加せしめ)、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項15:図14、図18)。
【0041】
そして、係る複合発電システム(請求項15の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2Aの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S21)と、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を制御する出力制御工程(S22〜S29)とを有し、該出力制御工程(S22〜S29)では、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を低下させる場合(符号順にS22、S23、S26、S27のルート)には予混合圧縮自着火機関(2A)の供給系統(Ae3)に連通する排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合(符号順にS22、S23、S26、S28のルート)には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは(符号順にS22、S23、S24、S28のルート)、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を上昇させる場合(符号順にS22、S23、S24、S25のルート)には前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2A)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合(S22→S23→S26→S25のルート)には、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは(S22→S23→S24→S29のルート)、前記排気ガス系統(Gf2)を流れる燃料電池(1)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae3)に添加される燃料の供給量を増加することを特徴としている(請求項24:図14、図18)。
【0042】
そして、前記複合発電システム(請求項11、12の何れかの複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10A)は、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の供給系統(Ae2、Ae3)に連通し又は合流するオフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)の排気ガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を上昇させる場合には前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2、Ae3)に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項16:図15、図16、図19)。
【0043】
そして、係る複合発電システム(請求項16の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2B又は2Cの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S31)と、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を制御する出力制御工程(S32〜S39)とを有し、該出力制御工程(S32〜S39)では、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を低下させる場合(符号順にS32、S33、S34、S35のルート)には予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の供給系統(Ae2又はAe3)に連通し又は合流するオフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合(符号順にS32、S33、S34、S38のルート)には、前記オフガス系統を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは(符号順にS32、S33、S36、S38のルート)、前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を上昇させる場合(符号順にS32、S33、S36、S37のルート)には前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関(2B又は2C)の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合(符号順にS32、S33、S34、S39のルート)には、前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)の排気ガス流量を減少し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加し、或いは(符号順にS32、S33、S36、S39のルート)、前記オフガス系統(Gf14)を流れる燃料電池(1A)のオフガス流量を増加し且つ供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加することを特徴としている(請求項25:図15、図16、図19)。
【0044】
これに加えて、前記複合発電システム(請求項9〜12の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を上昇させる場合には前記供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項17:図12、図14〜図16、図20)。
【0045】
係る複合発電システム(請求項17の複合発電システム)の制御方法において、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を(例えば、予混合圧縮自着火エンジン2,2A〜2Cの何れかの発電手段7に設けられた発電出力信号発生手段により)計測する工程(S41)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を制御する出力制御工程(S42〜4S5)とを有し、該出力制御工程(S42〜4S5)では、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を減少し(S44)、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力を上昇させる場合には前記供給系統(Ae2又はAe3)に添加される燃料の供給量を増加する(S45)ことを特徴としている(請求項26:図12、図14〜図16、図20)。
【0046】
本発明の複合発電システム(請求項9〜17の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10)は、電力負荷が変動した場合に予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力のみを変動し、燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力を変動する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項18:図12、図14〜図16、図21)。
【0047】
係る複合発電システム(請求項18の複合発電システム)の制御方法において、電力負荷が変動したか否かを判定する工程(S51)と、電力負荷の変動量を求める工程(S52)と、出力変動を決定する工程(S53〜S55)とを含み、出力変動を決定する工程(S53〜S55)では、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力変動が可能な範囲内であれば、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力のみを変動して(S54)燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池(高温作動型燃料電池1)の出力を変動する(S55)ことを特徴としている(請求項27:図12、図14〜図16、図21)。
【0048】
本発明の複合発電システム(請求項9〜18の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を続行し、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を停止する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項19:図12、図14〜図16、図22)。
【0049】
係る複合発電システム(請求項19の複合発電システム)の制御方法において、電力負荷が減少しているか否かを判定する工程(S62)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を停止するか否かを判定する工程(S64)とを含み、該判定する工程(S64)では、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1)の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)の運転を続行し(S66)、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1)の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関の運転を停止する(S65)ことを特徴としている(請求項28:図12、図14〜図16、図22)。
【0050】
本発明の複合発電システム(請求項9〜19の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲内であれば燃料電池(1)のみを運転して予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)は運転せず、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)を運転する制御を行う様に構成されているのが好ましい(請求項20:図12、図14〜図16、図23〜図25)。
【0051】
係る複合発電システム(請求項20の複合発電システム)の制御方法において、電力負荷が増加しているか否かを判定する工程(S72)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)を運転するか否かを判定する工程(S74)とを含み、該判定する工程(S74)では、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲内であれば燃料電池(1又は1A)のみを運転して予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)は運転せず(S76)、電力負荷が燃料電池(高温作動型燃料電池1又は1A)の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)を運転する(S75)ことを特徴としている(請求項29:図12、図14〜図16、図23〜図25)。
【0052】
本発明の複合発電システム(請求項9〜20の何れか1項の複合発電システム)において、前記制御ユニット(複合発電システム運転監視・制御手段10又は10A)は、複合発電システムの運転モードとして、需要側の電力需要変化(負荷変動)に対する追従性(負荷追従性)が良好であるが発電効率が低下する場合がある運転モード(図27)と、発電効率は低下し難いが需要側の電力需要変化(負荷変動)に対する追従性(負荷追従性)が良好ではない運転モード(図28)とを選択可能な手段(運転モード決定手段40、運転モード入力手段60)を備えているのが好ましい(請求項21:図12、図14〜図16、図26〜図28)。
【0053】
そして、運転モードの決定は、複合発電システムの始動前に行われるのが好ましい(図29)。
【発明の効果】
【0054】
上述する構成を具備する本発明によれば、高温作動型燃料電池(1)の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関(2)に供給される空気及び/又は予混合気に投入する(請求項1)ことにより、圧縮自着火を行う温度条件を充足することが出来る。換言すれば、圧縮自着火を行う吸気側の条件が厳しいという予混合圧縮自着火機関(2)の欠点を補うことが出来る。
【0055】
或いは、燃料電池(高温作動型燃料電池1)の排気ガス系統(から分岐したラインGf2)を吸気系統(Ae3)に連通させれば(請求項2)、燃料電池(1)の排ガスに残存酸素が含有されているので、残存酸素を含有する高温作動型燃料電池(1)の排ガスに燃料ガスを加えて、高温の予混合気を獲得することが出来る。
【0056】
さらに、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)が空気供給系統(Ae2又はAe3)に合流する様に構成し(請求項3)、或いは、燃料電池(1A)のオフガスライン(から分岐したラインGf14)を吸気系統(Ae3)に連通させれば(請求項4)、オフガスに大量に包含されている一酸化炭素(CO)や水素(H2)を圧縮自着火の予混合圧縮自着火機関(2C)に添加することとなる。そして、自着火を促進するCOやH2といった促進剤を添加することにより、予混合圧縮自着火機関(2C)における圧縮自着火を確実に行わせたり、自着火特性を変化させることで、出力を制御することが出来るのである。
【0057】
本発明において、燃料電池(固体酸化物型燃料電池SOFCや溶融炭酸塩型燃料電池MCFCの様な高温作動型燃料電池1又は1A)の発電出力(Wf)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)に設けた発電手段(発電機7)の発電出力(We)とを系統連係する様に構成すれば(請求項5〜請求項9)、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)側は上述した様なメリットが享受できる事に加えて、負荷追従性が良好な予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)側から発電出力(We)を得ることが出来るので、燃料電池(1又は1A)のみを備えた発電システムに比較して、電力負荷の変動への追随性が遥かに良好となる。また、高い発電効率と低いNOx排出とを同時に成立させることが出来る。
さらに、高温作動型燃料電池(1又は1A)の高温の排気ガスやオフガスが保有する熱エネルギーを有効に利用することが出来る。
すなわち、高温作動型燃料電池(1又は1A)と、予混合圧縮自着火機関(2,2A〜2Cの何れか)とが、互いの強み、弱みを補完し合えるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0059】
先ず、図1〜図3に基づいて第1実施形態を説明する。
【0060】
図1、即ち、本発明の第1実施形態に係る予混合圧縮自着火機関システムの全体構成を示すブロック図において、当該システムは、大きなユニット単位としては、固体酸化物型燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)といった高温作動型燃料電池(以降、「高温作動型燃料電池」、或いは単に「燃料電池」と略記する)1と、予混合圧縮自着火機関(以降、予混合圧縮自着火機関を自着火エンジンと言う)2とを有している。
【0061】
前記燃料電池1は、燃料電池の本体部分である空気極(+極)11と燃料極(−極)12と燃料改質器13とオフガス燃焼室14と第1の排ガス熱交換器15とインバータ16とで構成されている。発電した電力はインバータ16から燃料電池1側の電力ラインWfによって取り出される。
【0062】
前記空気極11にはブロワ3を介装した燃料電池側の空気供給ラインAf1から新気が供給され、前記燃料極12には燃料電池1側燃料供給ラインFf1から前記燃料改質器13を経由して燃料が供給される様に構成されている。
【0063】
前記空気極11で発電に使用した残りの空気は、空気ラインAf2を介して前記オフガス燃焼室14に回収され、一方、前記燃料極12で発電に使用した残りの未反応燃料は、燃料ラインFf2を介してオフガス燃焼室14に回収される。そして、オフガス燃焼室14では、残りの空気と未反応燃料が反応して燃焼し、その発生熱の一部は燃料電池1の高温維持や、供給燃料の改質等に利用される。
【0064】
オフガス燃焼室14には排気系である排気管Gf1が接続され、その排気管Gf1の後端には3方弁4が接続され、その3方弁4には排気管Gf2、Gf3が接続されている。オフガス燃焼室14で発生した排気ガスは、排気系である排気管Gf1によってオフガス燃焼室14外に排出される。排気管Gf1を流過する排気は、3方弁4で分岐し、排気管Gf2、Gf3にその分流を流すように構成されている。尚、3方弁4では、通過する排気ガスの全量及び/又は分流の比率を変えることが出来る。
【0065】
また、燃料電池1の第1の排ガス熱交換器15は、排気管Gf1を流過する排気の排熱を、前記空気ラインAf1によって空気極11に供給される空気、及び燃料供給ラインFf1によって燃料改質器13に流入する燃料に、与えるように構成されている。
【0066】
前記自着火エンジン2は、シリンダ21及びピストン22と、シリンダ21の上方に配置された吸気弁25及び排気弁26と、タービン27t及びコンプレッサ27cとから成る過給機27を有している。
【0067】
過給機27のコンプレッサ27cには、空気供給系統である空気供給管Ae1が接続され、コンプレッサ27cと前記吸気管25とは空気供給系統である吸気管Ae2によって連通している。
【0068】
該空気供給系統Ae2の途中には、燃料供給量制御手段6が介装され、その燃料供給量制御手段6には燃料供給ラインFeが接続されている。その燃料供給ラインFeから供給された燃料は前記空気供給ラインAe2を流過する空気と混じりあって予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0069】
一方、前記排気弁26は排気管Ge1によって過給機27のタービン27tと接続され、そのタービン27tは排気管Ge2と接続され、シリンダ21内の排気は排気弁26、排気管Ge1、タービン27tを経由し、排気管Ge2から大気に排出される。
【0070】
前記燃料電池1側の排気管Gf2には、第2の排ガス熱交換器5が介装され、排気管Gf2を流過する燃料電池1側の排気の熱を、自着火エンジン2側の吸気管Ae1を流過する吸気に与える様に構成されている。
【0071】
要約すれば、第1実施形態の予混合圧縮自着火機関システムは、高温作動型燃料電池1の高温排気ガスが、3方弁4を介して、第2の排ガス熱交換器5に供給され、予混合圧縮自着火エンジン2に供給する空気を予熱する様に構成されている。
【0072】
第1実施形態の予混合圧縮自着火機関システムは、高温作動型燃料電池1の排ガスが保有する高い熱量で、エンジンに供給される空気が加熱されるので、予混合圧縮自着火エンジン2で、圧縮自着火がされ易くなる。
また、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2とを組み合わせることにより、予混合圧縮自着火エンジン2の弱点が補われる。
【0073】
図2は、第1実施形態の第1変形例の構成を示す。
図1は、高温作動型燃料電池1の排ガスで排熱交換器5を用いて予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気(吸気管Ae1を流過する空気)を加熱する実施例であった。
それに対して、図2は、高温作動型燃料電池1の排ガスで排熱交換器51を用いて、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mを加熱している。
その他については、図1と同様であって、以降の説明を省略する。
【0074】
図3は、第1実施形態の第2変形例の構成を示す。
図1は、高温作動型燃料電池1の排ガスで予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気(吸気管Ae1を流過する空気)を排ガス熱交換器5で加熱する実施例であり、図2は、高温作動型燃料電池1の排ガスで、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mを加熱する実施例であった。
それに対して、図3は、排熱交換器52を用いて高温作動型燃料電池1の排ガスで、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気と、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mとを共に加熱している。
その他については、図1及び図2と同様であって、以降の説明を省略する。
【0075】
次に、図4に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。
【0076】
図1の第1実施形態は、排ガス熱交換器5,51,52を介して、高温作動型燃料電池1の排ガスの保有する熱量のみを、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気へ投入した実施形態であった。
それに対して、図4の第2実施形態では、高温作動型燃料電池1の排ガスを、予混合圧縮自着火エンジン2Aの吸気系、即ち、過給機27のコンプレッサ27cに、直接供給する実施形態である。以下、図4に基づいて、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0077】
燃料電池1の排気管Gf2は、直接過給機27のコンプレッサ27cに接続されている。また、コンプレッサ27cと吸気弁25とは吸気管Ae3によって連通している。
【0078】
該吸気管Ae3の途中には、空気及び燃料を調節する調節手段61が介装され、その調節手段61には空気及び燃料を供給する供給ラインAFeが接続されている。その空気及び燃料を供給する供給ラインAFeから供給された空気及び燃料は、前記吸気管Ae3を流過する酸素を含んだ高温の排気ガスと混じりあって高温の予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0079】
図4の第2実施形態は、燃料電池1側の排気管Gf2を流過する排ガス中に、残存酸素があるので、残存酸素を包含する高温作動型燃料電池1の排ガスに燃料ガスを加えて、高温の予混合気を獲得しようとするものである。
【0080】
ここで、過給機27は、圧力調整手段であり、予混合気の温度と圧力との組み合わせを適正に調整する機能を負っている。
また、燃料電池1の排ガスがエンジンの予混合気として不充分な場合は、空気及び燃料を供給する供給ラインAFeから空気などを追加することが出来る。
更に、燃料電池1の排ガスが自着火エンジン2の予混合気として過剰な場合は、前記3方弁の排気管Gf2側を絞ってやればよい。
【0081】
その他については、図1の第1実施形態と実質的に同様である。
【0082】
次に、図5に基づいて、本発明の第3実施形態を説明する。
【0083】
第1実施形態及び第2実施形態は、高温作動型燃料電池1の排ガスを利用した実施形態である。
それに対して、第3実施形態は、高温作動型燃料電池1のオフガスを予混合圧縮自着火エンジン2Bの吸気系統である吸気管Ae2にオフガス添加装置65を介して添加している。
以下、図5に基づいて、第3実施形態について説明する。
【0084】
図5、即ち、本発明の第3実施形態に係る予混合圧縮自着火機関システムの全体構成を示すブロック図において、当該システムは、大きなユニット単位としては、高温作動型燃料電池1Aと、予混合圧縮自着火エンジン2Bとを有している。
【0085】
前記燃料電池1Aは、燃料電池の本体部分である空気極(+極)11と燃料極(−極)12と燃料改質器13とオフガス生成室14Aと第1の排ガス熱交換器15とインバータ16とで構成されている。発電した電力はインバータ16から燃料電池1側の電力ラインWfによって取り出される。
【0086】
前記空気極11にはブロワ3を介装した燃料電池1A側の空気供給ラインAf1から新気が供給され、前記燃料極12には燃料電池1A側燃料供給ラインFf1から前記燃料改質器13を経由して燃料が供給される様に構成されている。
【0087】
前記空気極11で発電に使用した残りの空気は、空気ラインAf2を介して前記オフガス生成室14Aに回収され、一方、前記燃料極12で発電に使用した残りの未反応燃料は、燃料ラインFf2を介してオフガス生成室14Aに回収される。そして、オフガス生成室14Aでは、残りの空気と未反応燃料とによって、高温で且つCOやH2といった自着火促進成分を含むオフガスが生成される。尚、オフガス生成室14Aでは、オフガス燃焼していない。
【0088】
オフガス生成室14Aには、排気管Gf11が接続され、排気管Gf11の端部には3方弁41が取付けられる。その3方弁41の残ったポートには分岐管である排気管Gf12と排気管Gf13とが接続され、オフガスを排気管Gf12と排気管Gf13とに分岐する。
【0089】
前記排気管Gf12の他端には3方弁4の一つのポートが接続され、その3方弁4の残ったポートには排気管Gf14と排気管Gf15とが接続され、オフガスを排気管Gf14側とGf15側とに分岐する。一方、排気管Gf13の途中にはオフガスを燃焼させるためのオフガス燃焼室14が介装される。尚、前記3方弁4では、通過する排気ガスの全量及び/又は分流の比率を変えることが出来る。
【0090】
オフガス燃焼室14ではオフガスを燃焼させて、その発生熱の一部を燃料電池1Aの高温維持や、供給燃料の改質等に利用する。
【0091】
自着火エンジン2Bは、シリンダ21及びピストン22と、シリンダ21の上方に配置された吸気弁25及び排気弁26と、タービン27t及びコンプレッサ27cとから成る過給機27を有している。
【0092】
過給機27のコンプレッサ27cには、空気供給系統である吸気管Ae1が接続され、コンプレッサ27cと前記吸気弁25とは吸気管Ae2によって連通している。
【0093】
該吸気管Ae2の途中には、オフガス添加装置65が介装され、そのオフガス添加装置65は前記排気管Gf14と接続されて、燃料電池1Aのオフガスが吸気管Ae2に供給されるように構成されている。
【0094】
更に吸気管Ae2の前記オフガス添加装置65を介装した位置よりも下流側に、燃料調節手段6が介装され、その燃料調節手段6には燃料供給ラインFeが接続されている。その燃料供給ラインFeから供給された燃料は前記吸気管Ae2を流過するオフガスと混じりあって予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0095】
一方、前記排気弁26は排気管Ge1によって過給機27のタービン27tと接続され、そのタービン27tは排気管Ge2と接続され、シリンダ21内の排気は排気弁26、排気管Ge1、タービン27tを経由し、排気管Ge2から大気に排出される。
【0096】
オフガスは、一酸化炭素(CO)や水素(H2)の様に、圧縮自着火を促進する促進剤として作用する成分を大量に含有している。
そこで、図5の第3実施形態では、オフガスを圧縮自着火の促進剤として、予混合圧縮自着火エンジン2B側の吸気管Ae2に添加している。
【0097】
ここで、高温作動型燃料電池1Aのオフガスは、オフガス燃焼する以前の段階で排気系統の(オフガスが流過する領域の)一部を3方弁4で排気管Gf14とGf15とに分岐して、そのうちの排気管Gf14から予混合圧縮自着火機関1Bの吸気系統Ae2に加えている。
【0098】
図5では、示していないが、オフガスを筒内直噴する場合も有る。
その他については、上述の各実施形態と実質的に同様である。
【0099】
次に、図6に基づいて、本発明の第4実施形態を説明する。
【0100】
第3実施形態は、高温作動型燃料電池1Aのオフガスが、予混合圧縮自着火エンジン2Bの吸気管Ae2にオフガス添加装置65を介して添加(合流)されているのに対して、図6の第4実施形態では、高温作動型燃料電池1Aのオフガスが、燃料電池1A側の排気管Gf14から直接予混合圧縮自着火エンジン2Cの過給機27のコンプレッサ27cに投入されるように構成されている。
【0101】
予混合圧縮自着火エンジン2Cの過給機27のコンプレッサ27cと吸気弁25とは吸気管Ae3によって連通しており、該吸気管Ae3の途中には、空気及び燃料を調節する調節手段61が介装され、該調節手段61には空気及び燃料を供給する供給ラインAFeが接続されている。
供給ラインAFeから供給された空気及び燃料は前記吸気管Ae3を流過する酸素を含んだオフガスと混じりあって予混合気Mが形成され、その予混合気Mが吸気弁25を介してシリンダ21内に流入する様に構成されている。
【0102】
従って、燃料電池1Aのオフガスが自着火エンジン2Cの予混合気として不充分な場合は、前記供給ラインAFeから空気、燃料等を追加している。
【0103】
その他については、図5の第3実施形態と同様である。
【0104】
次に、図7に基づいて、本発明の第5実施形態を説明する。図7の第5実施形態は、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2の複合発電システムに係る実施形態である。
【0105】
図7の第5実施形態は、図1の第1実施形態に、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2の複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
具体的には、自着火エンジン2の図示しないクランク軸に発電機7の図示しない回転軸を直結させ、発電機7で発電した電力Weを燃料電池1で発電した電力Wfと集電装置8で集電し(終電下電力を符号Wで示す)、電力需要9に投入する様に構成されている。
【0106】
図7の第5実施形態は、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2の複合発電システムとして構成したので、予混合圧縮自着火エンジン2の不利な点を補うだけではなく、高温作動型燃料電池1における「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
すなわち、高温作動型燃料電池1では定負荷発電運転を行い、負荷の変動に対しては、予混合圧縮自着火エンジン2側の発電機7により負荷追従運転をさせることにより、複合発電システム全体としての負荷追従性を向上させることが出来る。
その他の構成及び作用効果については、図1の第1実施形態と同様である。
【0107】
次に、図8に基づいて、第5実施形態の変形例を説明する。
【0108】
図7の第5実施形態では、排気ガス熱交換器5により、高温作動型燃料電池1の排気ガスが保有する熱量で、予混合圧縮自着火エンジン2の過給機27に供給される空気が加熱されているが、図8の変形例では、排気ガス熱交換器51により、高温作動型燃料電池1の排気ガスが保有する熱量で、予混合圧縮自着火機関の過給機27と吸気弁25とを接続する吸気管Ae2内の予混合気Mを加熱している。
【0109】
その他の構成及び作用効果については、図7の第5実施形態と同様である。
【0110】
次に、図9に基づいて、第6実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0111】
図9の第6実施形態は、図8の第5実施形態と同様に、図4の第2実施形態に、高温作動型燃料電池1と予混合圧縮自着火エンジン2Aの複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
図8の第5実施形態と同様に、予混合圧縮自着火エンジン2Aの不利な点を補うだけではなく、負荷変動に対しては、予混合圧縮自着火エンジン2A側の発電機7により負荷追従運転をさせることにより、複合発電システム全体としての負荷追従性を向上させることが出来るので、高温作動型燃料電池1における「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
【0112】
その他の構成及び作用効果については、図4の第2実施形態と同様である。
【0113】
次に、図10に基づいて、第7実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0114】
図10の第7実施形態は、図8の第5実施形態及び図9の第6実施形態と同様に、図5の第3実施形態に、高温作動型燃料電池1Aと予混合圧縮自着火エンジン2Bの複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
予混合圧縮自着火エンジン2Bの不利な点を補うだけではなく、高温作動型燃料電池1Aにおける「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
【0115】
その他の構成及び作用効果については、図5の第3実施形態と同様である。
【0116】
次に、図11に基づいて、第8実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0117】
図11の第8実施形態は、図8の第5実施形態、図9の第6実施形態及び図10の第7実施形態と同様に、図6の第4実施形態に、高温作動型燃料電池1Aと予混合圧縮自着火エンジン2Cの複合発電システムとしての構成を付加した実施形態である。
予混合圧縮自着火エンジン2Cの不利な点を補うだけではなく、高温作動型燃料電池1Aにおける「負荷追従性が悪い」という弱点を補うことが出来る。
その他の構成及び作用効果については、図6の第4実施形態と同様である。
【0118】
次に、図12に基づいて、第9実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図12の第9実施形態は、図7の第5実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0119】
即ち、図7の第5実施形態の構成に対して、制御手段である総合発電システム運転監視・制御装置(以降、総合発電システム運転監視・制御装置をコントロールユニットという)10を設けるとともに、後述する燃料電池及び自着火エンジンの運転状態や出力・効率等の性能を測定する手段(各種センサ)と、燃料電池、自着火エンジン夫々の電力負荷に対応して当該システムを運転させた場合の、燃料電池と自着火エンジン夫々の運転状態における性能値化、複合発電システムとしての性能値をマップ化して記憶しておき、電力負荷が変動した場合に、負荷追従やシステムとしての発電効率が最大になるような運転制御を行える手段を備えている。
【0120】
更に、燃料電池1側の燃料供給ラインFf1には流量制御弁30が介装され、自着火エンジン2のシリンダヘッドに筒内圧力を検出する圧力センサ29が装着されている。
【0121】
前記コントロールユニット10は、燃料電池1の燃料極12と入力ラインLi1で接続され燃料電池1の運転状態を示す信号、すなわち、熱自立をしているか否かの信号を受信し、燃料電池1のインバータ16と入力ラインLi2で接続され燃料電池1の発電出力信号を受信している。
【0122】
また、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29と入力ラインLi3で接続され、自着火エンジン2の運転状態を示す信号を受信し、前記自着火エンジン2側の発電機7に設けた図示しない発電出力発信手段と入力ラインLi4で接続され自着火エンジン2で運転される発電機7の発電出力信号を受信している。
【0123】
さらに、コントロールユニット10は、電力需要9と入力ラインLi5で接続され需要家の電力需要情報に関する信号を受信している。
【0124】
コントロールユニット10は、燃料電池1側の空気供給ラインAf1に介装されたブロワ3と出力ラインLo1で接続されブロワ3の回転速度を調整するための制御信号を発信し、燃料電池1側の燃料供給ラインFf1に介装された流量制御弁30と出力ラインLo2で接続され流量制御弁30の開度を調節するための制御信号を発信している。
【0125】
さらに、コントロールユニット10は、燃料電池1側の排気管Gf1に介装された3方弁4と出力ラインLo3で接続され、3方弁4に、3方弁による各分岐管Gf2、Gf3へのオフガスの遮断を含めた流量比率の調整を行うための制御信号を発信し、自着火エンジン2に介装された燃料供給量制御手段6と出力ラインLo4で接続され自着火エンジン2への燃料の量を調節するための制御信号を発信している。
【0126】
図12の第9実施形態では、自着火エンジン2と、燃料電池1の双方が良好な運転が出来る様に制御している。
【0127】
上述した制御に関する構成以外は、図7の第5実施形態と同様である。また、具体的な制御については、図13と、図20以降で説明する。
【0128】
ここで、図13に基づいて、第9実施形態の制御について説明する。
図13の第9実施形態は、燃料電池から高温排気ガスやオフガスの流量を制御することで、自着火エンジンに供給する混合気の熱交換量を制御し、自着火エンジンに供給する予混合気の温度に変化させることで自着火特性を制御し、これによりエンジンの出力を制御する実施形態である。
【0129】
先ず、ステップS1において、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2の出力を検出する。
【0130】
次のステップS2では、自着火エンジン2の出力は維持させるのか、上昇させるのか、或いは低下させるのかの何れかを判断する。維持させるのであればステップS3に進み、上昇させるのであればステップS4に進み、低下させるのであればステップS5に進む。
【0131】
ステップS3では、排ガス熱交換器5による、自着火エンジン2への供給空気への投入熱量をそのまま維持した後、ステップS6に進む。
尚、図2の第1実施形態の第1変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の予混合気Mへの投入熱量をそのまま維持する。また、図3の第1実施形態の第2変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の供給空気及び予混合気Mへの投入熱量をそのまま維持する。
【0132】
ステップS4では、排ガス熱交換器5による、自着火エンジン2への供給空気への投入熱量を減少させた後、ステップS6に進む。
尚、図2の第1実施形態の第1変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の予混合気Mへの投入熱量を減少させる。また、図3の第1実施形態の第2変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の供給空気及び予混合気Mへの投入熱量を減少させる。
【0133】
ステップS5では、排ガス熱交換器5による、自着火エンジン2への供給空気への投入熱量を増加させた後、ステップS6に進む。
尚、図2の第1実施形態の第1変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジン2の予混合気Mへの投入熱量を増加させる。また、図3の第1実施形態の第2変形例に同様の制御ユニット及び制御方法を付帯させた場合では、ステップS3では、自着火エンジンへの供給空気及び予混合気Mへの投入熱量を増加させる。
【0134】
ステップS6では、コントロールユニット10は、制御を終了するのか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS6のYES)、そのまま制御を終了する。一方終了しないのであれば(ステップS6のNO)、ステップS1まで戻り、再びステップS1以降を繰り返す。
【0135】
なお、図12では、高温作動型燃料電池1の排気ガスにより、排気ガス熱交換器5を用いて、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気を加熱しているが、制御方法の説明で触れたように、図2(第1実施形態の第1変形例)で示す如く、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される予混合気Mを加熱しても良い。
或いは、図3(第1実施形態の第1変形例)で示す如く、予混合圧縮自着火エンジン2に供給される空気及び予混合気Mの双方を同時に加熱しても良い。
【0136】
次に、図14に基づいて、第10実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図14の第10実施形態は、図9の第6実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0137】
図14の第10実施形態の制御に関する構成は、図12の第9実施形態の制御構成と実質的に同様である。また、制御に関する構成以外は、図9の第6実施形態と同様である。
この実施形態(第10実施形態)と第11実施形態、第12実施形態の具体的な制御については、図17〜図19の第13実施形態以降で説明する。
【0138】
次に、図15に基づいて、第11実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図15の第11実施形態は、図10の第7実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0139】
即ち、図10の第7実施形態の構成に対して、制御手段である総合発電システム運転監視・制御装置(以降、総合発電システム運転監視・制御装置をコントロールユニットという)10Aを設けている。更に、燃料電池1A側の燃料供給ラインFf1には流量制御弁30が介装され、自着火エンジン2Bのシリンダヘッドに筒内圧力を検出する圧力センサ29が装着されている。
【0140】
前記コントロールユニット10Aは、燃料電池1Aの燃料極12と入力ラインLi1で接続され燃料電池1Aの運転状態を示す信号、すなわち、熱自立をしているか否かの信号を受信し、燃料電池1Aのインバータ16と入力ラインLi2で接続され燃料電池1Aの発電出力信号を受信している。
【0141】
また、コントロールユニット10Aは、自着火エンジン2Bのシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29と入力ラインLi3で接続され自着火エンジン2Bの運転状態を示す信号を受信し、前記発電機7に設けた図示しない発電出力発信手段と入力ラインLi4で接続され自着火エンジン2で運転される発電機7の発電出力信号を受信している。
【0142】
さらに、コントロールユニット10Aは、電力需要9と入力ラインLi5で接続され需要家の電力需要情報に関する信号を受信している。
【0143】
コントロールユニット10Aは、燃料電池1A側の空気供給ラインAf1に介装されたブロワ3と出力ラインLo1で接続されブロワ3の回転速度を調整するための制御信号を発信し、燃料電池1A側の燃料供給ラインFf1に介装された流量制御弁30と出力ラインLo2で接続され流量制御弁30の開度を調節するための制御信号を発信している。
【0144】
また、コントロールユニット10Aは、燃料電池1A側の排気管Gf12に介装された3方弁4と出力ラインLo3で接続され3方弁4による各分岐管Gf14、Gf15へのオフガスの遮断を含めた流量比率の調整を行うための制御信号を発信し、自着火エンジン2Bに介装された燃料供給量制御手段6と出力ラインLo4で接続され自着火エンジン2Bへの燃料の量を調節するための制御信号を発信している。
【0145】
さらに、コントロールユニット10Aは、オフガス生成室14Aに接続する排気管(オフガスライン)Gf11に介装された3方弁41と出力ラインLo5で接続され、3方弁41の各ポートの開度を調節する制御信号を3方弁41に発信している。
即ち、コントロールユニット10Aは、3方弁41の各ポートの開度を調節することで、オフガス燃焼室に投入するオフガス量や、自着火エンジン2Bの吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を調節して、燃料電池1Aと自着火エンジン2Bを最適に運転制御している。
【0146】
上述の制御に関する構成以外は、図10の第7実施形態と同様である。
【0147】
次に、図16に基づいて、第12実施形態に係る複合発電システムについて説明する。図16の第12実施形態は、図11の第8実施形態に係る複合発電システムに、制御系を加えた実施形態である。
【0148】
図16の第12実施形態の制御に関する構成は、図15の第11実施形態の制御構成と実質的に同様である。また、制御に関する構成以外は、図11の第8実施形態と同様である。
【0149】
次に、図17に基づいて第13実施形態を説明する。図17の第13実施形態は、第10実施形態〜第12実施形態の制御の1例に係る実施形態である。
具体的には、図17で示す制御は、高温作動型燃料電池(第10実施形態では符号は1、第11、第12実施形態では符号は1A)の排気ガス或いはオフガスが保有する熱量に着目し、燃料電池の排気ガスやオフガスの割合を制御することで自着火エンジンの出力を制御する実施形態である。
【0150】
先ず、ステップS11において、コントロールユニット10は、自着火エンジン2Aのシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2Aの出力を検出する。
【0151】
次のステップS12では、自着火エンジン2Aの出力は維持させるのか、上昇させるのか、或いは低下させるのかの何れかを判断する。維持させるのであればステップS13に進み、上昇させるのであればステップS14に進み、低下させるのであればステップS15に進む。
【0152】
ステップS13では、自着火エンジン2Aの過給機27に投入する燃料電池1の排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量をそのまま維持した後、ステップS16に進む。
【0153】
ステップS14では、自着火エンジン2Aの過給機27に投入する燃料電池1の排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を減少させた後、ステップS16に進む。
排気ガス量及び吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を減少させれば、予混合気の温度は下降する。そして、混合気の温度が下降すれば自着火は相対的に燃料リッチで生じることとなり、予混合エンジンの出力は上がる。
【0154】
ステップS15では、自着火エンジン2Aの過給機27に投入する燃料電池1の排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を増加させた後、ステップS16に進む。
排気ガス量又は吸気系(吸気管)Ae2に投入するオフガス量を増加させれば、予混合気の温度は上昇する。そして、混合気の温度が上昇すれば自着火は相対的に燃料リーンで生じることととなり、予混合エンジンの出力は下がる。
【0155】
ステップS16では、コントロールユニット10は、制御を終了するのか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS16のYES)、そのまま制御を終了する。一方終了しないのであれば(ステップS16のNO)、ステップS11まで戻り、再びステップS11以降を繰り返す。
【0156】
つぎに、図18に基づいて、第13実施形態の第1変形例の制御を説明する。
【0157】
図17の制御は、高温作動型燃料電池1の排気ガス或いはオフガスが保有する熱量に着目した制御であるのに対して、図18の第1変形例は、燃料電池1の排気ガスが含有する二酸化炭素CO2や水蒸気H2Oが、予混合圧縮自着火機関(第10実施形態では2A、第11実施形態では2B、第12実施形態では2C)の圧縮自着火を抑制する性質があることに着目した制御である。
即ち、排気ガスやオフガスの割合を増加させれば予混合気は昇温し、その結果、自着火は燃料リーン側で生じることとなり、自着火エンジンは出力が低下することを利用する制御である。
【0158】
以下、図18の制御フローチャートに基づいて、制御の流れを説明する。
尚、システムは、図14の第10実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0159】
先ず、ステップS21において、コントロールユニット10は、自着火エンジン2Aのシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2Aの出力を検出する。
【0160】
次のステップS22では、コントロールユニット10は自着火エンジン2Aの出力に変動があるか否かを判断し、変動がある場合は(ステップS22のYES)、ステップS23に進む。一方変動が無ければ(ステップS22のON)、そのままステップS30まで進む。
【0161】
ステップS23では、燃料電池1側の排気ガス割合を増加させるのか、減少させるのかを判断し、増加させるのであれば3方弁を操作して排気ガス割合を増加させた後ステップS26に、減少させるのであれば3方弁を操作して排気ガス割合を減少させた後ステップS24に進む。
ここで、排気ガス割合を増加させた場合は、予混合気M中のCO2,H2O(水蒸気)濃度が上昇し、自着火を抑制する。一方、排気ガス割合を減少させた場合は、予混合気M中のCO2,H2O(水蒸気)濃度が低下し、自着火を促進する。
【0162】
ステップS24では、コントロールユニット10は、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS25に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段61を燃料が増加する側に操作してステップS29に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段61を燃料が減少する側に操作してステップS28に進む。
【0163】
ステップS26では、コントロールユニット10は、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS27に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段61を燃料が増加する側に操作してステップS29に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段61を燃料が減少する側に操作してステップS28に進む。
【0164】
ステップS25では、自着火エンジン2Aの出力が増加し、ステップS30に進む。ステップS27では、自着火エンジン2Aの出力が減少し、ステップS30に進む。ステップS28では、自着火エンジン2Aの出力がリーン限界まで減少し、ステップS30に進む。
ステップS29では、自着火エンジン2Aの出力がノッキング限界まで増加し、ステップS30に進む。
【0165】
ステップS30では、コントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS30のYES)、そのまま制御は終了する。一方、運転継続であれば(ステップS30のNO)、ステップS21まで戻り、再びステップS21以降を繰り返す。
【0166】
次に、図19に基づいて、第13実施形態の第2変形例の制御を説明する。
図17の制御は、高温作動型燃料電池の排気ガス或いはオフガスが保有する熱量に着目した制御であるのに対して、図19の第2変形例は、燃料電池のオフガスが含有する一酸化炭素COや水素H2が、予混合圧縮自着火機関の圧縮自着火を促進する性質があることに着目した制御である。以下、図19に基づいて第2変形例の制御を説明する。
尚、システムは、図15の第11実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0167】
先ず、ステップS31において、コントロールユニット10Aは、自着火エンジン2Bのシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2Bの出力を検出する。
【0168】
次のステップS32では、コントロールユニット10Aは自着火エンジン2Bの出力に変動があるか否かを判断し、変動がある場合は(ステップS32のYES)、ステップS33に進む。一方変動が無ければ(ステップS32のON)、そのままステップS40まで進む。
【0169】
ステップS33では、燃料電池1Aのオフガス割合を増加させるのか、減少させるのかを判断し、増加させるのであれば3方弁4を操作してオフガス割合を増加させた後ステップS36に、減少させるのであれば3方弁を操作して排気ガス割合を減少させた後ステップS34に進む。
ここで、オフガス割合を増加させた場合は、予混合気M中のCO,H2濃度が上昇し、自着火を促進する。一方、オフガス割合を減少させた場合は、予混合気M中のCO,H2濃度が低下し、自着火を抑制する。
【0170】
ステップS34では、コントロールユニット10Aは、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS35に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段6を燃料が増加する側に操作してステップS39に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段6を燃料が減少する側に操作してステップS38に進む。
【0171】
ステップS36では、コントロールユニット10Aは、燃料供給量は一定のままか、増加させるのか、或いは減少させるのかを判断しており、一定であれば、そのままを維持した後、ステップS37に進む。
燃料供給量を増加させるのであれば燃料供給量制御手段6を燃料が増加する側に操作してステップS39に進む。
又、燃料供給量を減少させるのであれば、燃料供給量制御手段6を燃料が減少する側に操作してステップS38に進む。
【0172】
ステップS35では、自着火エンジン2Bの出力が減少し、ステップS40に進む。ステップS37では、自着火エンジン2Bの出力が増加し、ステップS40に進む。ステップS38では、自着火エンジン2Bの出力がリーン限界まで減少し、ステップS40に進む。
ステップS39では、自着火エンジン2Bの出力がノッキング限界まで増加し、ステップS40に進む。
【0173】
ステップS40では、コントロールユニット10Aは、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS40のYES)、そのまま制御は終了する。一方、運転継続であれば(ステップS30のNO)、ステップS31まで戻り、再びステップS31以降を繰り返す。
【0174】
次に、図20に基づいて第14実施形態を説明する。図20の第14実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
具体的には、図20で示す制御は、自着火エンジン2(或いは2A,2B,2Cの何れか)を、燃料供給量を以って出力制御する、即ち、自着火エンジンの運転のために供給する追加燃料の供給量を制御する制御方法である。
尚、システムは、図12の第9実施形態を用いた場合について説明を行う。
【0175】
先ず、ステップS41において先ず、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた圧力センサ29によって自着火エンジン2の出力を検出する。
【0176】
次のステップS42では、自着火エンジン2の出力は維持させるのか、上昇させるのか、或いは低下させるのかの何れかを判断する。維持させるのであればステップS43に進み、上昇させるのであればステップS44に進み、低下させるのであればステップS45に進む。
【0177】
ステップS43では、燃料供給量制御手段6をそのまま維持して吸気管Ae2への燃料供給量をそのまま維持した後、ステップS46に進む。
【0178】
ステップS44では、燃料供給量制御手段6を操作して、吸気管Ae2への燃料供給量を減少させた後、ステップS46に進む。
【0179】
ステップS45では、燃料供給量制御手段6を操作して、吸気管Ae2への燃料供給量を増加させた後、ステップS46に進む。
【0180】
ステップS46では、コントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS46のYES)、そのまま終了し、終了しないのであれば(ステップS46のNO)、ステップS41まで戻り、再びステップS41以降を繰り返す。
【0181】
図21の第15実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
燃料電池に比べ、予混合圧縮自着火機関の方が負荷追従性は良好である。
そこで、負荷が変動した場合には、先ず、予混合圧縮自着火機関側で対処する様に制御するのが図21の第15実施形態である。
なお、予混合圧縮自着火機関側の対処の手法は、図13、図17〜図20の制御による。
但し、予混合圧縮自着火機関で対処できないような負荷変動の場合には、高温作動型燃料電池の負荷変動制御を行う。
本実施形態では、燃料電池の出力制御方法は、燃料や酸化剤の供給量、燃料利用率、酸化剤利用率による従来の制御方法を利用することが出来る。
【0182】
以下、図21に基づいて第15実施形態を説明する。尚、システムは、図12の第9実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0183】
先ず、ステップS51では、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29でエンジン出力が変動したか否かを判断しており、エンジン出力が変化していれば(ステップS51のYES)、ステップS52に進む。一方、エンジン出力が変化していないのであれば(ステップS51のNO)、ステップS51のループを繰り返す。
【0184】
ステップS52ではエンジン負荷の変動幅を演算して、ステップS53に進み、負荷変動幅がエンジン出力の対応範囲以内か否かを判断する。
負荷変動幅がエンジン出力の対応範囲以内であれば(ステップS53のYES)、ステップS54に進み、エンジン出力対応範囲を超えていれば(ステップS53のNO)、ステップS55に進む。
【0185】
ステップS54では、エンジン出力を適正値まで変動させてステップS56に進む。またステップS55では自着火エンジン2及び燃料電池1の双方の出力を適正値まで変動させた後、ステップS56に進む。
【0186】
ステップS56ではコントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS56のYES)、そのまま制御を終える。一方、運転を続行するのであれば(ステップS56のNO)、ステップS51まで戻り、再びステップS51以降を繰り返す。
【0187】
図22の第16実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
具体的には、複合発電システムに要求される電力負荷が、高温作動型燃料電池で賄うことが出来る範囲になった場合に、予混合圧縮自着火機関を停止して、予混合圧縮自着火機関側からの電力供給を停止する制御である。即ち、電力負荷が燃料電池の出力範囲で対応できるまで低下した場合に、排気ガスやオフガスが自着火エンジンに供給されないように切換えることで、自着火エンジンの運転を停止させ、燃料電池単独での負荷追従運転を行う制御である。
【0188】
以下、図22に基づいて第16実施形態を説明する。尚、システムは、図12の第9実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0189】
先ず、ステップS61では、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29でエンジン出力を検出して、ステップS62に進み、電力負荷が減少中であるか否かを判断する。電力負荷が減少中でないのであれば(ステップS62のNO)、ステップS63に進む。一方、電力負荷が減少中であれば(ステップS62のYES)、ステップS64に進む。
【0190】
ステップS63では電力負荷が上昇中であるか否かを判断し、上昇中であれば(ステップS63のYES)、後述の図23の制御に進む。一方、上昇中で無ければ、即ち電力負荷に変動が無ければ、ステップS61まで戻り、再びステップS61以降を繰り返す。
【0191】
ステップS64では、コントロールユニット10は電力負荷が燃料電池1の出力範囲以内であるか否かを判断しており、電力負荷が燃料電池1の出力範囲以内であれば(ステップS64のYES)、ステップS65に進む。一方電力負荷が燃料電池1の出力範囲を超えていれば(ステップS64のNO)、ステップS66に進む。
【0192】
ステップS65では、排気ガス又はオフガスを自着火エンジン2側へ供給しないでエンジン2を停止させた後、ステップS67に進む。ステップS66では、排気ガス又はオフガスの自着火エンジン2側への供給を維持して運転を続行しつつステップS67に進む。
【0193】
ステップS67ではコントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS67のYES)、そのまま制御を終える。一方、運転を続行するのであれば(ステップS67のNO)、ステップS61まで戻り、再びステップS61以降を繰り返す。
【0194】
図23〜図25の第17実施形態は、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態における具体的な制御の一例である。
具体的には、図24で示す従来技術での「電力不足(符号H)」に相当する負荷を、予混合圧縮自着火機関の負荷追従運転(図25において符号Tで示す「自着火エンジンの負荷追従運転」)で補う場合に、電力不足に相当する出力を得る為には、図13〜図20で説明した制御を行う。
即ち、電力負荷が燃料電池の出力範囲で対応出来なくなるまで増加した場合に、排気ガスやオフガスを自着火エンジンに切換えて供給して、自着火エンジンを起動し、前記説明した自着火エンジン出力制御によって燃料電池と自着火エンジンの複合システムとして負荷追従運転を行うことを特徴とする運転制御である。
【0195】
高温作動型燃料電池のみの発電システムでは、図24の実線Lで示すような負荷変動、すなわち電力需要の変化に対処し難い。
それに対して、図12〜図16の第9実施形態〜第12実施形態であれば、図25で示す様に、高温作動型燃料電池では不足する分(図24の「電力不足(符号H)」に相当する負荷)を、予混合圧縮自着火機関側の発電手段で得る事が出来る(図24及び図25において、符号Lは電力需要を、符号Lfは燃料電池の出力電力を、図25において、符号Ltは燃料電池の出力電力と自着火エンジンの出力電力の合計を示す)。
そのため、図24の「電力不足(符号H)」に相当する負荷が発生した場合にのみ、予混合圧縮自着火機関を作動させない制御が、図23で示す制御である。
言わば、図22の第16実施形態とは反対の制御である。
【0196】
以下、図23に基づいて、第17実施形態を説明する。尚、システムは、図12の第9実施形態の構成を用いた場合について説明を行う。
【0197】
先ず、ステップS71では、コントロールユニット10は、自着火エンジン2のシリンダヘッドに設けた筒内圧力センサ29でエンジン出力を検出して、ステップS72に進み、電力負荷が増加中であるか否かを判断する。電力負荷が増加中でないのであれば(ステップS72のNO)、ステップS73に進む。一方、電力負荷が増加中であれば(ステップS72のYES)、ステップS74に進む。
【0198】
ステップS73では電力負荷が減少中であるか否かを判断し、減少中であれば(ステップS73のYES)、前述の図22の制御に進む。一方、減少中で無ければ、即ち電力負荷に変動が無ければ、ステップS71まで戻り、再びステップS71以降を繰り返す。
【0199】
ステップS74では、コントロールユニット10は電力負荷が燃料電池1の出力範囲以上であるか否かを判断しており、電力負荷が燃料電池1の出力範囲以上であれば(ステップS74のYES)、ステップS75に進む。一方、電力負荷が燃料電池1の出力範囲に達していなければ(ステップS74のNO)、ステップS76に進む。
【0200】
ステップS75では、排気ガス又はオフガスを自着火エンジン2側へ供給してエンジンを起動させた後、ステップS77に進む。ステップS76では、排気ガス又はオフガスを自着火エンジン2側へ供給しないでエンジンを停止した後、ステップS77に進む。
【0201】
ステップS77ではコントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS77のYES)、そのまま制御を終える。一方、運転を続行するのであれば(ステップS77のNO)、ステップS71まで戻り、再びステップS71以降を繰り返す。
【0202】
次に、図26〜図28に基づいて、第18実施形態を説明する。
図26〜図28の第18実施形態は、需要家が負荷追従速度を重視する場合には、複合システムとしての高効率よりも負荷追従性能が優先されるようにシステムの負荷追従制御を行い、一方、需要家がシステム全体の効率を重視する場合には、負荷追従性よりもシステムの高効率維持が優先されるように負荷追従制御を行うことを特徴とした複合発電システムの運転制御方法である。
【0203】
電力需要の形態として図27で示すタイプ(複合システムとしての高効率よりも負荷追従性能が優先されるようにシステムの負荷追従制御を行うタイプ)と、図28で示すタイプ(負荷追従性よりもシステムの高効率維持が優先されるように負荷追従制御を行うタイプ)のユーザーがいる(図27及び図28において、符号Lは電力需要を、符号Lfは燃料電池の出力電力を、符号Ltは燃料電池の出力電力と自着火エンジンの出力電力の合計を、符号μはシステム全体の効率を示す)。
【0204】
図26の複合発電システムでは、その(図27のタイプ、図28のタイプ)何れに対応する運転モードにするかを決定する運転モード決定手段40を、運転監視・制御手段であるコントロールユニット10Bに備えている。
尚、運転モード決定手段40は、運転モード入力手段60により図示しないオペレータの判断による運転モードが入力されるようになっているが、図示しない記憶手段(ROM等)により、予め決定されていても良い。
【0205】
図26の複合発電システムは、コントロールユニット10Bに運転モード決定手段40を備えている点以外は、図12の第9実施形態と同一である。しかし、図14〜図16の第10実施形態〜第12実施形態と同様な構成としても良い。
【0206】
図13〜図26の制御を、高温作動型燃料電池と予混合圧縮自着火機関の運転の時系列で表現したフローチャートが図29である。
以下、図29に基づいて図26をも参照して、第18実施形態の制御について説明する。
【0207】
先ず、ステップS81において運転モード決定手段40によって運転モードの決定を行い、ステップS82に進み、燃料電池1を始動させる。
【0208】
ステップS83ではコントロールユニット10Bは、負荷が燃料電池1の出力以上か否かを判断しており、燃料電池1の出力範囲以上であれば(ステップS83のYES)、ステップS84に進む。一方、燃料電池の出力未満であれば(ステップS83のNO)、ステップS85に進む。
【0209】
ステップS84では図22の制御ルーチンを用いて自着火エンジン2を停止した後、ステップS87に進む。ステップS85では、図23の制御ルーチンを用いて自着火エンジン2を始動させた後、ステップS86に進み、図13、図17〜図21の何れかの制御を行った後ステップS87に進む。
【0210】
ステップS87では、コントロールユニット10Bは、所定時間が経過したか否かを判断しており、所定時間が経過していれば(ステップS87のYES)、ステップS88に進む。一方、所定時間が経過していなければ(ステップS87のNO)、ステップS83まで戻り再びステップS83以降を繰り返す。
【0211】
ステップS88では、制御を終了するか否かを判断しており、終了するのであれば(ステップS88のYES)、ステップS89に進み燃料電池1を停止して、全ての制御を終了する。一方、終了しないのであれば(ステップS88のNO)、ステップS87まで戻り、再びステップS87以降を繰り返す。
【0212】
すなわち、図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】本発明の第1実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図2】第1実施形態の第1変形例の構成を示したブロック図。
【図3】第1実施形態の第2変形例の構成を示したブロック図。
【図4】本発明の第2実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図5】本発明の第3実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図6】本発明の第4実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図7】本発明の第5実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図8】第3実施形態の変形例の構成を示したブロック図。
【図9】本発明の第6実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図10】本発明の第7実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図11】本発明の第8実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図12】本発明の第9実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図13】本発明の第9実施形態の制御方法を示したフローチャート。
【図14】本発明の第10実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図15】本発明の第11実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図16】本発明の第12実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図17】本発明の第13実施形態に係る制御フローチャート。
【図18】本発明の第13実施形態の第1変形例である制御フローチャート。
【図19】本発明の第13実施形態の第2変形例である制御フローチャート。
【図20】本発明の第14実施形態に係る制御フローチャート。
【図21】本発明の第15実施形態に係る制御フローチャート。
【図22】本発明の第16実施形態に係る制御フローチャート。
【図23】本発明の第17実施形態に係る制御フローチャート。
【図24】電力需要の1パターンを示す特性図。
【図25】本発明の第17実施形態に係り、燃料電池による発電と自着火エンジンによる発電を同時に行った時の発電量と電力需要を対比して示した特性図。
【図26】本発明の第18実施形態のシステム全体の構成を示したブロック図。
【図27】第18実施形態を説明するための複合発電システムの運転パターンの1例を示す特性図。
【図28】第18実施形態を説明するための複合発電システムの運転パターンの他の例を示す特性図。
【図29】本発明の第18実施形態に係る制御フローチャート。
【符号の説明】
【0214】
1,1A・・・高温作動型燃料電池/燃料電池
2,2A,2B,2C・・・予混合圧縮自着火機関/予混合エンジン
3・・・ブロワ
4、41・・・3方弁
5・・・第2の排ガス熱交換器
6・・・燃料供給量制御手段
7・・・発電機
10,10A,10B・・・総合発電システム運転監視・制御手段/コントロールユニット
11・・・空気極
12・・・燃料極
13・・・燃料改質器
14・・・オフガス燃焼室
14A・・・オフガス生成室
15・・・第1の排ガス熱交換器
16・・・インバータ
25・・・吸気弁
26・・・排気弁
27・・・過給機
30・・・流量制御弁
40・・・運転モード決定手段
Ae1,Ae2,Ae3・・・吸気系/吸気管
Af1・・・空気供給ライン
Af2・・・空気ライン
AFe・・・空気及び燃料供給ライン
Fe・・・燃料供給ライン
Ff1・・・燃料供給ライン
Ff2・・・燃料ライン
Ge1,Ge2・・・排気管
Gf1〜Gf3、Gf11〜Gf15・・・排気系/排気管
Wf・・・燃料電池で発電した電力
We・・・発電機で発電した電力
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気供給系統及び/又は予混合気供給系統に熱交換器が介装されており、該熱交換器は燃料電池の排気ガス系統に介装されており、燃料電池の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関に供給される空気及び/又は予混合気へ投入する様に構成されていることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項2】
燃料電池の排気ガス系統が供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項3】
燃料電池のオフガスラインが供給系統に合流しており、当該供給系統には燃料を供給する燃料供給系統も合流していることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項4】
燃料電池のオフガスラインが供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項5】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、予混合圧縮自着火機関の空気供給系統及び/又は予混合気供給系統に熱交換器が介装されており、該熱交換器は燃料電池の排気ガス系統に介装されており、燃料電池の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関に供給される空気及び/又は予混合気へ投入する様に構成されていることを特徴とする複合発電システム。
【請求項6】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、燃料電池の排気ガス系統が前記予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする複合発電システム。
【請求項7】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、燃料電池のオフガスラインが前記予混合圧縮自着火機関の供給系統に合流しており、当該供給系統には燃料を供給する燃料供給系統も合流していることを特徴とする複合発電システム。
【請求項8】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、燃料電池のオフガスラインが前記予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする複合発電システム。
【請求項9】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段と、予混合圧縮自着火機関の第2の供給系統に添加される燃料供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基いて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項5の複合発電システム。
【請求項10】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、供給系統に連通している排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段と、予混合圧縮自着火機関の供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統から添加される燃料及び空気の供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基いて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項6の複合発電システム。
【請求項11】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、予混合圧縮自着火機関の供給系統に合流している燃料電池のオフガスラインを流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段と、当該供給系統に合流している燃料供給系統を介して添加される燃料の供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基づいて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項7の複合発電システム。
【請求項12】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通している燃料電池のオフガスラインを流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段、該供給系統に合流する第2の供給系統を介して添加される空気及び燃料の供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基いて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項8の複合発電システム。
【請求項13】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少する制御を行う様に構成されている請求項9の複合発電システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を減少する制御を行う様に構成されている請求項10〜12の何れか1項の複合発電システム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されている請求項10の複合発電システム。
【請求項16】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通し又は合流するオフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されている請求項11、12の何れかの複合発電システム。
【請求項17】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記供給系統に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されている請求項9〜12の何れか1項の複合発電システム。
【請求項18】
前記制御ユニットは、電力負荷が変動した場合に予混合圧縮自着火機関の出力のみを変動し、燃料電池の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池の出力を変動する制御を行う様に構成されている請求項9〜17の何れか1項の複合発電システム。
【請求項19】
前記制御ユニットは、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関の運転を続行し、電力負荷が燃料電池の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関の運転を停止する制御を行う様に構成されている請求項9〜18の何れか1項の複合発電システム。
【請求項20】
前記制御ユニットは、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば燃料電池のみを運転して予混合圧縮自着火機関は運転せず、電力負荷が燃料電池の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関を運転する制御を行う様に構成されている請求項9〜19の何れか1項の複合発電システム。
【請求項21】
前記制御ユニットは、複合発電システムの運転モードとして、需要側の電力需要変化に対する追従性が良好であるが発電効率が低下する場合がある運転モードと、発電効率は低下し難いが需要側の電力需要変化に対する追従性が良好ではない運転モードとを選択可能な手段を備えている請求項9〜20の何れか1項の複合発電システム。
【請求項22】
請求項13の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項23】
請求項14の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を減少することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項24】
請求項15の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項25】
請求項16の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通し又は合流するオフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ予混合気供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項26】
請求項17の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記供給系統に添加される燃料の供給量を増加することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項27】
請求項18の複合発電システムの制御方法において、電力負荷が変動したか否かを判定する工程と、電力負荷の変動量を求める工程と、出力変動を決定する工程とを含み、出力変動を決定する工程では、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関の出力変動が可能な範囲内であれば、予混合圧縮自着火機関の出力のみを変動して燃料電池の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池の出力を変動することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項28】
請求項19の複合発電システムの制御方法において、電力負荷が減少しているか否かを判定する工程と、予混合圧縮自着火機関の運転を停止するか否かを判定する工程とを含み、該判定する工程では、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関の運転を続行し、電力負荷が燃料電池の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関の運転を停止することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項29】
請求項20の複合発電システムの制御方法において、電力負荷が増加しているか否かを判定する工程と、予混合圧縮自着火機関を運転するか否かを判定する工程とを含み、該判定する工程では、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば燃料電池のみを運転して予混合圧縮自着火機関は運転せず、電力負荷が燃料電池の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関を運転することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項1】
空気供給系統及び/又は予混合気供給系統に熱交換器が介装されており、該熱交換器は燃料電池の排気ガス系統に介装されており、燃料電池の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関に供給される空気及び/又は予混合気へ投入する様に構成されていることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項2】
燃料電池の排気ガス系統が供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項3】
燃料電池のオフガスラインが供給系統に合流しており、当該供給系統には燃料を供給する燃料供給系統も合流していることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項4】
燃料電池のオフガスラインが供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
【請求項5】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、予混合圧縮自着火機関の空気供給系統及び/又は予混合気供給系統に熱交換器が介装されており、該熱交換器は燃料電池の排気ガス系統に介装されており、燃料電池の排気ガスが保有する熱量を予混合圧縮自着火機関に供給される空気及び/又は予混合気へ投入する様に構成されていることを特徴とする複合発電システム。
【請求項6】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、燃料電池の排気ガス系統が前記予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする複合発電システム。
【請求項7】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、燃料電池のオフガスラインが前記予混合圧縮自着火機関の供給系統に合流しており、当該供給系統には燃料を供給する燃料供給系統も合流していることを特徴とする複合発電システム。
【請求項8】
燃料電池の発電出力と、予混合圧縮自着火機関に設けた発電手段の発電出力とを系統連携する様に構成されており、燃料電池のオフガスラインが前記予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通しており、該供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統が合流していることを特徴とする複合発電システム。
【請求項9】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段と、予混合圧縮自着火機関の第2の供給系統に添加される燃料供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基いて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項5の複合発電システム。
【請求項10】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、供給系統に連通している排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を制御する手段と、予混合圧縮自着火機関の供給系統に空気及び燃料を供給する第2の供給系統から添加される燃料及び空気の供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基いて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項6の複合発電システム。
【請求項11】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、予混合圧縮自着火機関の供給系統に合流している燃料電池のオフガスラインを流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段と、当該供給系統に合流している燃料供給系統を介して添加される燃料の供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基づいて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項7の複合発電システム。
【請求項12】
予混合圧縮自着火機関の運転状態を検出する手段と、燃料電池の運転状態を検出する手段と、予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通している燃料電池のオフガスラインを流れる燃料電池のオフガス流量を制御する手段、該供給系統に合流する第2の供給系統を介して添加される空気及び燃料の供給量を制御する手段と、前記検出する手段の検出信号に基いて前記制御する手段への制御信号を出力する制御ユニット、とを有する請求項8の複合発電システム。
【請求項13】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少する制御を行う様に構成されている請求項9の複合発電システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を減少する制御を行う様に構成されている請求項10〜12の何れか1項の複合発電システム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されている請求項10の複合発電システム。
【請求項16】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通し又は合流するオフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されている請求項11、12の何れかの複合発電システム。
【請求項17】
前記制御ユニットは、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記供給系統に添加される燃料の供給量を増加する制御を行う様に構成されている請求項9〜12の何れか1項の複合発電システム。
【請求項18】
前記制御ユニットは、電力負荷が変動した場合に予混合圧縮自着火機関の出力のみを変動し、燃料電池の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池の出力を変動する制御を行う様に構成されている請求項9〜17の何れか1項の複合発電システム。
【請求項19】
前記制御ユニットは、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関の運転を続行し、電力負荷が燃料電池の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関の運転を停止する制御を行う様に構成されている請求項9〜18の何れか1項の複合発電システム。
【請求項20】
前記制御ユニットは、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば燃料電池のみを運転して予混合圧縮自着火機関は運転せず、電力負荷が燃料電池の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関を運転する制御を行う様に構成されている請求項9〜19の何れか1項の複合発電システム。
【請求項21】
前記制御ユニットは、複合発電システムの運転モードとして、需要側の電力需要変化に対する追従性が良好であるが発電効率が低下する場合がある運転モードと、発電効率は低下し難いが需要側の電力需要変化に対する追従性が良好ではない運転モードとを選択可能な手段を備えている請求項9〜20の何れか1項の複合発電システム。
【請求項22】
請求項13の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記熱交換器を介装した排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項23】
請求項14の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を増加し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統又はオフガスラインを流れる燃料電池の排気ガス流量又はオフガス流量を減少することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項24】
請求項15の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通する排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記排気ガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項25】
請求項16の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に連通し又は合流するオフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ予混合気供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を希薄側の運転限界まで低下させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少するか、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を一定に保ち、予混合圧縮自着火機関の出力を濃厚側の運転限界まで上昇させる場合には、前記オフガス系統を流れる燃料電池の排気ガス流量を減少し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加し、或いは、前記オフガス系統を流れる燃料電池のオフガス流量を増加し且つ供給系統に添加される燃料の供給量を増加することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項26】
請求項17の複合発電システムの制御方法において、予混合圧縮自着火機関の出力を計測する工程と、予混合圧縮自着火機関の出力を制御する出力制御工程とを有し、該出力制御工程では、予混合圧縮自着火機関の出力を低下させる場合には予混合圧縮自着火機関の供給系統に添加される燃料の供給量を減少し、予混合圧縮自着火機関の出力を上昇させる場合には前記供給系統に添加される燃料の供給量を増加することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項27】
請求項18の複合発電システムの制御方法において、電力負荷が変動したか否かを判定する工程と、電力負荷の変動量を求める工程と、出力変動を決定する工程とを含み、出力変動を決定する工程では、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関の出力変動が可能な範囲内であれば、予混合圧縮自着火機関の出力のみを変動して燃料電池の出力は変動させず、電力負荷の変動量が予混合圧縮自着火機関の出力変動が可能な範囲を超えた場合のみ燃料電池の出力を変動することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項28】
請求項19の複合発電システムの制御方法において、電力負荷が減少しているか否かを判定する工程と、予混合圧縮自着火機関の運転を停止するか否かを判定する工程とを含み、該判定する工程では、電力負荷が減少している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば予混合圧縮自着火機関の運転を続行し、電力負荷が燃料電池の出力範囲を低下すれば予混合圧縮自着火機関の運転を停止することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【請求項29】
請求項20の複合発電システムの制御方法において、電力負荷が増加しているか否かを判定する工程と、予混合圧縮自着火機関を運転するか否かを判定する工程とを含み、該判定する工程では、電力負荷が増加している場合に、電力負荷が燃料電池の出力範囲内であれば燃料電池のみを運転して予混合圧縮自着火機関は運転せず、電力負荷が燃料電池の出力範囲よりも大きくなった場合に予混合圧縮自着火機関を運転することを特徴とする複合発電システムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2006−207412(P2006−207412A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17834(P2005−17834)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】
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