説明

人物監視装置、人物監視方法、及びコンピュータプログラム

【課題】エリア内で動きのなくなった人物が当該エリア内に滞在していることと、当該エリアから退出したこととを正確に検出できるようにする。
【解決手段】作業者が滞在する可能性がある溶け込みエリアを設定する。アラーム通知伝文ANに含まれる作業者の数を超える数のレコードが在席管理テーブルにある場合、又は、アラーム解除伝文ACが送信されたときに在席管理テーブルのレコードがある場合であって、当該レコードの在席位置が溶け込みエリア内にある場合、当該レコードの溶け込み中フラグの値を「1」に設定する。その後、在席管理テーブルのレコード数を超える数のオブジェクトIDを含むアラーム通知伝文ANを受信すると、在席管理テーブルのレコードに含まれるIDと異なるオブジェクトIDの値に、溶け込み中フラグが「1」のレコードのIDの値を変更し、当該溶け込み中フラグの値を「0」にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物監視装置、人物監視方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、エリアを入退出する人物を監視するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、安全上の問題や、防犯上の問題から、エリア(すなわち特定の空間領域)の画像を撮像し、撮像したエリアの画像を処理して当該エリア内にいる人物を監視するための技術が提案されている。このような技術として特許文献1、2に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1では、まず、撮像画像内における移動体の領域である対象画像と、カメラから当該移動体までの距離である対象距離とを移動体情報として検出し、当該対象画像に対して、当該移動体を人物と仮定したときの所定の大きさの頭部領域を、当該対象距離に応じた大きさで設定する。そして、当該頭部領域の大きさをサンプル画像の大きさに変換して当該頭部領域とサンプル画像とを比較することで移動体が人物であるか否かを判定する。
【0004】
また、特許文献2では、撮像画像と背景画像との差分画像の分散を算出して人物を検出する。このとき、背景画像を定期的に更新するが、人物を検出すると背景画像の更新を中断する。また、人物を検出しなくなったときに物体の検出を行う。物体の検出は、現在の画像と背景画像の輝度差分画像に基づいて行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−156939号公報
【特許文献2】特開2007−300531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、工場等では作業者がある監視対象のエリア内で作業を行う場合がある。この場合、作業者が当該エリア内に滞在し(作業者がエリア内で動きを止め)、その後エリア外に出ていくことがある。
しかしながら、前述した従来の技術では、撮像画像に変化がないと人物がエリアからいなくなったと判定してしまう。このため、エリア内で人物がある期間動かなかった場合、当該人物の検出ができなくなる。その後、当該人物が動き出すと、当該人物を検出することになるが、当該人物を、エリア内に居続けている人物とは別の新たな人物として検出してしまう。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、監視対象のエリア内で動きのなくなった人物が当該エリア内に滞在していることと、当該エリアから退出したこととを検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の人物監視装置は、人物の在、不在を検出する対象となる領域である検出エリアの動画または連続する静止画である撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該人物を識別する第1の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第1の人物位置情報とを含む通知伝文を映像判定装置から取得する通知伝文取得手段と、前記検出エリアの撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該検出エリアから人物がいなくなったことを示す解除伝文を映像判定装置から取得する解除伝文取得手段と、前記検出エリアの中の領域であって、人物が滞在する可能性がある領域である溶け込みエリアの情報を設定する溶け込みエリア設定手段と、前記溶け込みエリアの中にいる人物を識別する第2の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第2の人物位置情報と、当該人物の前記溶け込みエリアにおける滞在の状態を識別するための人物滞在情報とを含む在席管理情報を記憶する在席管理情報記憶手段と、前記通知伝文及び前記解除伝文に基づいて、前記在席管理情報を設定する在席管理情報設定手段と、を有し、前記在席管理情報設定手段は、前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報を前記第2の人物識別情報として設定すると共に、前記通知伝文に含まれる第1の人物位置情報を前記第2の人物位置情報として設定する第1の設定手段と、前記第1の設定手段による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報と異なる第2の人物識別情報が前記在席管理情報にあり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである場合に、当該第2の人物識別情報と当該第2の人物位置情報とに対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第2の設定手段と、前記第1の設定手段による設定がなされた後に前記解除伝文が取得され、且つ、前記第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである在席管理情報がある場合に、当該第2の人物位置情報に対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第3の設定手段と、前記第2の設定手段又は前記第3の設定手段による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に、前記在席管理情報に含まれる第2の人物識別情報と異なる第1の人物識別情報があり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する人物滞在情報が、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報である場合に、当該第2の人物識別情報を当該通知伝文に含まれる第1の人物識別情報に変更すると共に、当該人物滞在情報として、前記溶け込みエリアで滞在していないことを示す情報を設定する第4の設定手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の人物監視方法は、人物の在、不在を検出する対象となる領域である検出エリアの動画または連続する静止画である撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該人物を識別する第1の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第1の人物位置情報とを含む通知伝文を映像判定装置から取得する通知伝文取得工程と、前記検出エリアの撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該検出エリアから人物がいなくなったことを示す解除伝文を映像判定装置から取得する解除伝文取得工程と、前記検出エリアの中の領域であって、人物が滞在する可能性がある領域である溶け込みエリアの情報を設定する溶け込みエリア設定工程と、前記溶け込みエリアの中にいる人物を識別する第2の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第2の人物位置情報と、当該人物の前記検出エリアにおける滞在の状態を識別するための人物滞在情報とを含む在席管理情報を記憶する在席管理情報記憶工程と、前記通知伝文及び前記解除伝文に基づいて、前記在席管理情報を設定する在席管理情報設定工程と、を有し、前記在席管理情報設定工程は、前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報を前記第2の人物識別情報として設定すると共に、前記通知伝文に含まれる第1の人物位置情報を前記第2の人物位置情報として設定する第1の設定工程と、前記第1の設定工程による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報と異なる第2の人物識別情報が前記在席管理情報にあり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである場合に、当該第2の人物識別情報と当該第2の人物位置情報とに対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第2の設定工程と、前記第1の設定工程による設定がなされた後に前記解除伝文が取得され、且つ、前記第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである在席管理情報がある場合に、当該第2の人物位置情報に対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第3の設定工程と、前記第2の設定工程又は前記第3の設定工程による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に、前記在席管理情報に含まれる第2の人物識別情報と異なる第1の人物識別情報があり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する人物滞在情報が、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報である場合に、当該第2の人物識別情報を当該通知伝文に含まれる第1の人物識別情報に変更すると共に、当該人物滞在情報として、前記溶け込みエリアで滞在していないことを示す情報を設定する第4の設定工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明のコンピュータプログラムは、前記人物監視装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、人物監視装置において人物滞在情報により溶け込みエリアにいる人物が滞在しているか否かを管理するようにした。したがって、人物が溶け込みエリア内で動かなくなり、映像判定装置で当該人物を検出できなくなった場合でも、人物監視装置において、当該人物が溶け込みエリア内に滞在していることと溶け込みエリアから退出したこととを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】安全監視システムの構成の一例を示す図である。
【図2】アラーム通知伝文と、アラーム解除伝文の一例を示す図である。
【図3】アラーム通知伝文及びアラーム解除伝文を送信するタイミングの一例を示すタイムチャートである。
【図4】安全監視サーバの機能的な構成の一例を示す図である。
【図5】撮像エリアに検出エリアと溶け込みエリアの一例を重ねて示した図である。
【図6】滞在エリア座標テーブルの一例を示す図である。
【図7】溶け込みエリアと、検出エリアと、撮像画像の撮像エリアの一例を示す図である。
【図8】在席管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】伝文受信処理の主要な動作の一例を説明するフローチャートである。
【図10】溶け込み判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【図11】溶け込み解除処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、安全監視システムの構成の一例を示す図である。本実施形態では、製鉄所等の工場で作業を行う作業者を監視する場合を例に挙げて説明する。
図1において、安全監視システムは、監視カメラ10と、映像判定装置20と、安全監視サーバ30と、VAスピーカ40と、ネットワーク50と、を有する。
【0014】
(監視カメラ10)
監視カメラ10は、作業者(人物)の在、不在を検出する検出エリア100として工場内のある作業エリア(の全部又は一部)の動画像(デジタル画像)である撮像画像を撮像する。ここでは一例として、検出エリア100には、作業者が操作する操作盤60が設置されているものとする。尚、図1では、検出エリア100を1つしか示していないが、複数の検出エリア100を定め、それぞれの検出エリア100を1台の監視カメラ10で纏めて又は複数の監視カメラ10で個別に撮像するようにしてもよい。また、検出エリア100に設置される設備は、操作盤60に限定されるものではなく、また1つの検出エリア100に複数の設備が設置されるようにしてもよい。
【0015】
監視カメラ10は、検出エリア100の画像を時系列に得ることができる撮像手段を有していれば、どのような構成であってもよい。例えば、監視カメラ10は、静止画像を時間的に連続的に撮像してもよいし、カラー画像及びモノクロ画像の何れを撮像してもよい。また、監視カメラ10は、検出エリア100をその撮像範囲に含むように固定されて設置されていることが望ましい。監視カメラ10の検出エリア100に対する撮像方向が変わると、作業者を検出する際に、撮像方向の変更を考慮した処理を行わなければならないため、映像判定装置20による処理の負荷が増大するからである。
【0016】
(映像判定装置20)
映像判定装置20は、監視カメラ10で撮像された撮像画像を入力し、当該撮像画像を画像解析し、当該画像解析の結果に基づいて、作業者の検出エリア100に対する入退出を判定する。映像判定装置20は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを備えたコンピュータと、コンピュータディスプレイとを用いることにより実現できる。
映像判定装置20が作業者を検出する方法は、公知の方法で実現できる。例えば、映像判定装置20は、撮像画像と別途得た背景画像との差分画像と、予めパラメータとして設定された作業者の大きさ・形を示す人物サイズ情報と、検出エリア100の位置・大きさを示す検出エリアサイズ情報と、に基づいて、作業者が検出エリア100に進入したか否かを判定する。すなわち、映像判定装置20は、撮像画像と背景画像との差分画像と、人物サイズ情報とを照合し、当該差分画像が人物であるか否かを判定する。また、映像判定装置20は、撮像画像と背景画像との差分画像と、検出エリアサイズ情報とを照合し、当該差分画像が検出エリア100の中に位置するものであるか否かを判定する。また、映像判定装置20は、差分画像(人物)の追跡処理を行って、検出エリア100の中に位置する差分画像(人物)を追跡する。映像判定装置20は、差分画像(人物)が検出エリア100の中に位置しなくなったら、当該差分画像(人物)についての追跡処理を終了する。
【0017】
映像判定装置20は、以上のようにして検出エリア100に作業者が進入したと判定すると、アラーム通知伝文ANを作成して安全監視サーバ30に送信する。映像判定装置20は、その後、検出エリア100から全員が退出したと判定すると(検出エリア100に作業者が1人もいなくなったと判定すると)、アラーム解除伝文ACを作成して安全監視サーバ30に送信する。
【0018】
図2は、アラーム通知伝文ANと、アラーム解除伝文ACの一例を示す図である。具体的に、図2(a)は、アラーム通知伝文ANの一例を示す図であり、図2(b)は、アラーム解除伝文ACの一例を示す図である。図2に示す各記号の意味を以下の表1に示す。
【0019】
【表1】

【0020】
図2(a)において、アラーム通知伝文ANには、アラーム通知伝文ANの通知日時を示す日付時刻201と、検出エリア100にいる作業者の数(進入物体数N)202と、各作業者を識別する検出進入物体ID203と、各作業者の位置204とが記述される。検出進入物体ID203の値として、検出順に001、002、・・・、999が付与され、999まで一巡すると検出進入物体ID203の値は001に戻る。また、各作業者の位置204には、撮像画像上での作業者の足元中心位置のx−y座標Fx、Fyと、平均化後の作業者の足元中心位置のx−y座標Fxa、Fyaと、作業者の重心位置のx−y座標Gx、Gyとが含まれる。
本実施形態では、映像判定装置20は、作業者の足元中心位置Fx、Fyが検出エリア100内にある場合に、当該作業者は検出エリア100にいると判定するようにしている。ただし、必ずしも作業者の足元中心位置Fx、Fyで作業者の位置を特定する必要はない、例えば、作業者の重心位置Gx、Gyで作業者の位置を特定するようにしてもよい。
尚、以下の説明では、「検出進入物体ID」を必要に応じて「オブジェクトID(OBJ_ID)」と称し、「作業者の重心位置」を必要に応じて「作業者の座標位置」と称する。
【0021】
図2(b)において、アラーム解除伝文ACには、アラーム解除伝文ACの通知日時を示す日付時刻205が記述される。尚、前述したように、アラーム解除伝文ACは、検出エリア100から全員が退出したと判定されると作成されるものであるので、作業者の情報(進入物体数N、オブジェクトID、各作業者の位置)を含まない。
図3は、映像判定装置20がアラーム通知伝文AN及びアラーム解除伝文ACを安全監視サーバ30に送信するタイミングの一例を示すタイムチャートである。
図3において、映像判定装置20は、無人だった検出エリア100に作業者1が進入したと判定すると、アラーム通知コマンドANを定周期(例えば1秒間隔程度)で安全監視サーバ30に送信する。映像判定装置20は、作業者の数(進入物体数N)202として「N=1」を、検出進入物体ID(オブジェクトID(OBJ_ID))203として例えば「001」を、作業者の位置204の情報として作業者1の位置204の情報をそれぞれ設定したアラーム通知伝文ANを作成して安全監視サーバ30に送信する。
【0022】
その後、検出エリア100に更に作業者2が進入したと判定すると、映像判定装置20は、作業者の数(進入物体数N)202として「N=2」を(進入物体数Nを「1」から「2」に変更し)、検出進入物体ID(オブジェクトID(OBJ_ID))203として例えば「002」を、作業者の位置204の情報として作業者2の位置204の情報をそれぞれ設定(追加)したアラーム通知伝文ANを作成して安全監視サーバ30に送信する。
その後、検出エリア100から作業者1が退出したと判定すると、映像判定装置20は、作業者の数(進入物体数N)202として「N=1」を設定(進入物体数Nを「2」から「1」に変更)すると共に、検出進入物体ID(オブジェクトID(OBJ_ID))203として作業者1の検出進入物体ID(「001」)と、作業者の位置204の情報として作業者1の位置204の情報とを削除したアラーム通知伝文ANを生成して安全監視サーバ30に送信する。
このように検出エリア100への進入者の増減に応じて、アラーム通知伝文ANに含まれる「作業者の数(進入物体数N)202の値と、検出進入物体ID(オブジェクトID(OBJ_ID))の数と、作業者の位置204の数」が増減する。
【0023】
そして、検出エリア100から作業者2が退出したと判定すると、すなわち検出エリア100から全員が退出したと判定すると、映像判定装置20は、アラーム通知伝文ANの送信を停止し、当該送信が停止してから所定の時間(警報確保時間)が経過した後にアラーム解除伝文ACを安全監視サーバ30に送信する。
【0024】
(安全監視サーバ30、VAスピーカ40)
安全監視サーバ30は、EtherNet(登録商標)等のネットワーク50を介して、映像判定装置20から、アラーム通知伝文AN及びアラーム解除伝文ACを受信し、それらに含まれている情報に基づいて、検出エリア100内にいる作業者を監視する。安全監視サーバ30は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを備えたコンピュータと、コンピュータディスプレイとを用いることにより実現できる。
【0025】
上記したように、映像判定装置20は、差分画像(人物)の追跡処理を行って、検出エリア100の中に位置する差分画像(人物)を追跡する。検出エリア100内で作業者の動きが止まった場合、映像判定装置20は、検出エリア100内に当該作業者がいるのにも関わらず、当該作業者を検出することができない。したがって、このとき映像判定装置20は、当該作業者の情報が削除されたアラーム通知伝文AN又はアラーム解除伝文ACを安全監視サーバ30に送信する。安全監視サーバ30は、このような場合であっても、検出エリア100内に当該作業者がいる(滞在している)ことを検出(認識)できるようにしている。以下の説明では、このような安全監視サーバ30による作業者の検出処理を必要に応じて「溶け込み判定処理」と称する。
また、映像判定装置20は、検出エリア100内にいるはずの作業者の検出ができなくなった後、当該作業者が動き出すことにより、当該作業者を検出した場合には、当該作業者の情報として新たな作業者の情報が追加されたアラーム通知伝文ANを安全監視サーバ30に送信する。安全監視サーバ30は、このような場合であっても、当該新たな作業者が検出エリア100内に既にいた作業者であることを検出(認識)できるようにしている。以下の説明では、このような安全監視サーバ30による作業者の検出処理を必要に応じて「溶け込み復帰処理」と称する。
【0026】
安全監視サーバ30は、検出エリア100内にいる作業者の監視の結果に応じた通報処理を行う。本実施形態では、工場内に適宜設置されたVAスピーカ40や、安全監視サーバ30が備えるコンピュータディスプレイから通報を行う。VAスピーカ40は、検出エリア100内にいる作業者本人に直接通報すべく検出エリア100の傍に設置されてもよいし、検出エリア100外(例えば検出エリア100外の運転室や管理室)に設置されてもよい。ただし、必ずしもVAスピーカ40やコンピュータディスプレイを用いて通報を行う必要はない。例えば、ネットワーク50に接続された通話電話から公衆網を介して携帯端末に通報したり、作業者本人等が装着しているイヤホンマイクに通報したりすることができる。
【0027】
((安全監視サーバ30の機能的な構成))
図4は、安全監視サーバ30の機能的な構成の一例を示す図である。
図4において、安全監視サーバ30は、滞在エリア座標テーブル記憶部401と、在席管理テーブル記憶部402と、伝文処理部403と、溶け込み判定処理部404と、溶け込み復帰処理部405と、エラー処理部406と、を有する。
【0028】
<滞在エリア座標テーブル記憶部401>
滞在エリア座標テーブル記憶部401は、滞在エリア座標テーブルを記憶する。滞在エリア座標テーブルは、検出エリア100の内部に設定される溶け込みエリアの位置と大きさを規定する情報と、溶け込みエリアの縁のうち作業者が通過できる箇所を示す入出管理ラインの位置と大きさ(長さ)を規定する情報と、を記憶するテーブルである。溶け込みエリアとは、例えば、検出エリア100内で作業者が滞在する(作業者の動きが止まる)可能性があり、映像判定装置20により当該滞在している作業者を検出することができなくなる可能性がある領域である。
図5は、監視カメラ10により撮像された撮像画像の撮像エリア510に、検出エリア100と溶け込みエリア500の一例を重ねて示した図である。尚、検出エリア100と溶け込みエリア500は、撮像画像(の撮像エリア510)に重ねて表示されなくてもよいが、安全監視サーバ30が備えるコンピュータディスプレイにより撮像画像を表示する場合には、図5に示すように、当該表示する撮像画像(の撮像エリア510)に、検出エリア100と溶け込みエリア500を重ねて表示するようにしてもよい。
本実施形態では、検出エリア100と溶け込みエリア500は、撮像画像上の物理的な座標エリアとして設定される。また、本実施形態では、安全監視サーバ30のオペレータにより、検出エリア100と溶け込みエリア500の位置と大きさの情報が予め設定されるものとする。
尚、本実施形態では、検出エリア100が作業エリアの床の領域である場合を例に挙げて説明する。ただし、検出エリア100は、必ずしもこのように作業エリアの床の領域とする必要はない。また、検出エリア100を2次元の領域ではなく、高さ方向も考慮した3次元の領域としてもよい。この場合、撮像画像は同一領域の画像を異なる角度から撮像した2枚の画像を用いても良い。
【0029】
図5に示す例では、作業者Wは、操作盤503に向かって操作盤503を操作する作業を行っている。検出エリア100及び溶け込みエリア500の縁のうち、作業者Wが向いている方の縁を基準として、奥の縁100a、500aと右の縁100b、500bの付近には、壁501、502がある。このため、作業者Wは、これらの縁100a、100b、500a、500bの領域を通過することができない。そこで、図5に示す例では、溶け込みエリア500の縁500a、500bを除く縁500c、500dを入出管理ラインとする。そして、本実施形態では、溶け込みエリア500のうち、この入出管理ラインを跨いで移動しなければ、溶け込みエリア500に対する作業者Wの入退出はないものとする。
【0030】
図6は、滞在エリア座標テーブル600の一例を示す図である。また、図7は、図6に示す滞在エリア座標テーブル600に基づく溶け込みエリア500と、検出エリア100と、撮像画像の撮像エリア510の一例を示す図である。尚、説明の都合上、図5に示すものと、図6及び図7に示すものとでは、検出エリア100、溶け込みエリア500、及び撮像エリア510の位置関係を異ならせている。
図6及び図7に示す座標の値は、撮像画像上の座標に対応している。また、図6及び図7に示す例では、座標(540,100)及び座標(540,380)を相互に結ぶ直線と、座標(100,380)及び座標(540,380)を相互に結ぶ直線とが入出管理ライン700a、700bとして設定される。本実施形態では、安全監視サーバ30のオペレータが、滞在エリア座標テーブル600に対して値を入力することによって、溶け込みエリア500と入出管理ライン700の情報が予め設定される。尚、本実施形態では、安全監視サーバ30は、溶け込みエリア500と入出管理ライン700の情報とは別に、検出エリア100や撮像エリア510の位置と大きさとを規定する情報を記憶しているが、これらを滞在エリア座標テーブル600で管理するようにしてもよい。
滞在エリア座標テーブル記憶部401は、例えば、安全監視サーバ30が備えるHDDを用いることにより実現される。
【0031】
<在席管理テーブル記憶部402>
在席管理テーブル記憶部402は、在席管理テーブルを記憶する。
図8は、在席管理テーブル800の一例を示す図である。
図8において、在席管理テーブル800は、IDと、発生時刻と、在席位置と、溶け込み中フラグとを相互に関連付けて、1組のレコード(REC1,2,・・・)として記憶するテーブルである。
【0032】
IDは、検出エリア100内にいる作業者Wを識別するものであり、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDが、このIDの欄に登録される。
発生時刻の欄には、IDの欄に登録されたID(作業者W)の情報(アラーム通知伝文AN)を受信した最新の時刻が登録される。
在席位置の欄には、IDの欄に登録されたID(作業者W)の最新の位置(x座標とy座標)が登録される。本実施形態では、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者の座標位置Fx、Fyが、この在席位置の欄に登録される。
【0033】
溶け込み中フラグの欄には、「−(何も設定されない)」、「0」、及び「1」の何れかが設定される。
映像判定装置20により送信されたアラーム通知伝文ANに含まれる作業者の座標位置Fx、Fyに基づき、作業者Wが初めて検出エリア100に入ったことが確認され、且つ当該作業者Wが溶け込みエリア500には入っていない場合、当該作業者Wに対する在席管理テーブル800のレコードの溶け込み中フラグには、何も設定されない(すなわち「−」)。
その後、作業者Wが溶け込みエリア500に入ったことが確認されると、当該作業者Wに対する在席管理テーブル800のレコードの溶け込み中フラグには、作業者Wが溶け込みエリア500内にいるが、溶け込みエリア500内で滞在していないこと(すなわち、溶け込みエリア500内で静止していないこと)を示す「0」が設定される。
【0034】
その後、映像判定装置20により送信された伝文からでは溶け込みエリア500にいないはずの作業者Wに対する在席管理テーブル800のレコードの在席位置が溶け込みエリア500内である場合、当該レコードの溶け込み中フラグの値は、「0」から「1」に変更される。溶け込み中フラグの値が「1」であることは、作業者Wが溶け込みエリア500内に滞在(すなわち静止して滞在)していることを表す。
その後、映像判定装置20により送信された伝文において、溶け込みエリア500にいるはずの作業者Wが別途の新たな作業者Wとして追加されている場合、当該作業者Wに対する在席管理テーブル800のレコードの溶け込み中フラグの値は、「1」から「0」に変更される。また、当該レコードのIDが、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)に変更される。
尚、在席管理テーブル800を更新する際の具体的な処理については、以下の伝文処理部403、溶け込み判定処理部404、及び溶け込み復帰処理部405の処理として説明する。
在席管理テーブル記憶部402は、例えば、安全監視サーバ30が備えるHDDを用いることにより実現される。
【0035】
<伝文処理部403>
伝文処理部403は、まず、映像判定装置20から送信された「アラーム通知伝文AN」又は「アラーム解除伝文AC」を受信すると、在席管理テーブル記憶部402に記憶された在席管理テーブル800の情報を読み出す。
次に、伝文処理部403は、受信した伝文が、アラーム解除伝文ACであるか否かを判定する。この判定の結果、受信した伝文がアラーム解除伝文ACである場合には、後述する溶け込み判定処理部404による溶け込み判定処理が行われる。溶け込み判定処理部404の処理の詳細については後述する。
一方、受信した伝文がアラーム解除伝文ACでない場合、伝文処理部403は、受信した伝文がアラーム通知伝文ANであるか否かを判定する。この判定の結果、受信した伝文がアラーム通知伝文ANでない場合、伝文処理部403は、その旨をエラー処理部406に送信する。
【0036】
一方、受信した伝文がアラーム通知伝文ANである場合、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数(図8のRECNoの数)を超えているか否かを判定する。
この判定の結果、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数を超えている場合、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコードの情報を在席管理テーブル800から抽出する。そして、伝文処理部403は、抽出したレコードの在席位置を、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyに書き換えて更新する。アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の作業者Wは、検出エリア100内にいることが映像判定装置20により検出されているから、当該オブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコードについては、在席位置(すなわち、作業者Wの検出エリア100内における位置)を更新するだけでよい。ただし、抽出したレコードの在席位置と、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyとを比較して、入出管理ライン700a、700bを跨がずに溶け込みエリア500を通過したと判定した場合、伝文処理部403は、抽出したレコードの在席位置を書き換えないようにする。アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyが、ノイズ等によって変更された可能性があるからである。このとき、伝文処理部403は、その旨をエラー処理部406に送信してもよい。また、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが設定されておらず、且つ、更新後の在席位置が溶け込みエリア500内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「0」に設定する。これとは逆に、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが「0」に設定されており、且つ、更新後の在席位置が(溶け込みエリア500外ではあるが)検出エリア100内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「−」に設定する。
尚、このような在席管理テーブル800の在席位置の更新は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコード毎に個別に行われる。
【0037】
次に、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)のうち、在席管理テーブル800のIDとは異なるオブジェクトID(OBJ_ID)を抽出する。伝文処理部403は、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)を溶け込み復帰処理部405に送信する。そして、溶け込み復帰処理部405による溶け込み復帰処理が行われる。溶け込み復帰処理部405の処理の詳細については後述する。
前述したアラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数の判定で、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数を超えていないと判定された場合、伝文処理部403は、次の判定を行う。すなわち、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満であるか否かを判定する。
【0038】
この判定の結果、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満である場合、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコードの情報を在席管理テーブル800から抽出し、抽出したレコードの在席位置を、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyに書き換えて更新する。ただし、抽出したレコードの在席位置と、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyとを比較して、入出管理ライン700a、700bを跨がずに溶け込みエリア500を通過したと判定した場合、伝文処理部403は、抽出したレコードの在席位置を書き換えないようにする。このとき、伝文処理部403は、その旨をエラー処理部406に送信してもよい。また、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが設定されておらず、且つ、更新後の在席位置が溶け込みエリア500内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「0」に設定する。これとは逆に、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが「0」に設定されており、且つ、更新後の在席位置が(溶け込みエリア500外ではあるが)検出エリア100内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「−」に設定する(何も設定しない)。尚、このような在席管理テーブル800の在席位置の更新は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコード毎に個別に行われる。
次に、伝文処理部403は、在席管理テーブル800のIDのうち、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)とは異なるIDを抽出する。伝文処理部403は、抽出したIDを溶け込み判定処理部404に送信する。そして、溶け込み判定処理部404による溶け込み判定処理が行われる。溶け込み判定処理部404の処理の詳細については後述する。
【0039】
前述したアラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数の判定で、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満でないと判定された場合、伝文処理部403は、次の処理を行う。すなわち、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数と、在席管理テーブル800のレコード数とが同じであるか否かを判定する。この判定の結果、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数と、在席管理テーブル800のレコード数とが同じである場合、伝文処理部403は、在席管理テーブル800の各レコードの在席位置を更新することになる。そのために、まず、伝文処理部403は、未抽出のオブジェクトID(OBJ_ID)を、アラーム通知伝文ANから1つ抽出する。次に、伝文処理部403は、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDが、在席管理テーブル800のレコードにあるか否かを判定する。この判定の結果、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDが、在席管理テーブル800のレコードにない場合、伝文処理部403は、その旨をエラー処理部406に送信する。
【0040】
一方、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDが、在席管理テーブル800のレコードにある場合、伝文処理部403は、当該レコードの在席位置を、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyに書き換えて更新する。ただし、抽出したレコードの在席位置と、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyとを比較して、入出管理ライン700a、700bを跨がずに溶け込みエリア500を通過したと判定した場合、伝文処理部403は、抽出したレコードの在席位置を書き換えないようにする。このとき、伝文処理部403は、その旨をエラー処理部406に送信してもよい。また、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが設定されておらず、且つ、更新後の在席位置が溶け込みエリア500内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「0」に設定する。これとは逆に、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが「0」に設定されており、且つ、更新後の在席位置が(溶け込みエリア500外ではあるが)検出エリア100内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「−」に設定する(何も設定しない)。
伝文処理部403は、以上のIDの処理を、アラーム通知伝文ANに含まれる全てのオブジェクトID(OBJ_ID)について個別に行う。
【0041】
前述したアラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数の判定で、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数と同じでないと判定された場合(すなわち、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数と、在席管理テーブル800のレコード数との比較ができない場合)、伝文処理部403は、その旨をエラー処理部406に送信する。
伝文処理部403は、例えば、安全監視サーバ30が備える通信インターフェースにより伝文を受信し、安全監視サーバ30が備えるCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0042】
<溶け込み判定処理部404>
溶け込み判定処理部404は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満である場合、又は、アラーム解除伝文ACを受信した場合に起動する。
溶け込み判定処理部404は、まず、滞在エリア座標テーブル600の情報を読み出す。
次に、溶け込み判定処理部404は、伝文処理部403によりアラーム解除伝文ACが受信されたか否かを判定する。この判定の結果、伝文処理部403によりアラーム解除伝文ACが受信された場合、溶け込み判定処理部404は、在席管理テーブル800の全てのレコードの情報を抽出する。
一方、伝文処理部403によりアラーム解除伝文ACが受信されなかった場合、溶け込み判定処理部404は、伝文処理部403により受信された伝文に含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と異なるIDが在席管理テーブル800のレコードにあるか否かを判定する。この判定の結果、伝文処理部403により受信された伝文に含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と異なるIDが在席管理テーブル800のレコードにない場合には、溶け込み判定処理を終了する。
【0043】
一方、伝文処理部403により受信された伝文に含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と異なるIDが在席管理テーブル800のレコードにある場合には、在席管理テーブル800のIDのうち、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)とは異なるIDが伝文処理部403から送信されているので、溶け込み判定処理部404は、当該IDのレコードの情報を在席管理テーブル800から抽出する。
以上のようにして抽出されるレコードの情報(ID)により特定される作業者Wは、映像判定装置20では検出エリア100内にいないと判定された作業者Wである可能性がある。そこで、溶け込み判定処理部404は、抽出したレコードの情報のうち、未選択のレコードの情報を1つ選択し、選択したレコードの在席位置が、溶け込みエリア500のうち、入出管理ライン700よりも所定の距離だけ内側の領域以外の領域内にあるか否かを判定する。以下の説明では、入出管理ライン700よりも所定の距離だけ内側の領域以外の領域を、必要に応じて「退出不可エリア」と称する。退出不可エリアは、アラーム通知伝文ANの送信間隔(本実施形態では約1秒)の間に、作業者Wが、物理的に溶け込みエリア500から退出することができないエリアと、作業者Wが滞在すると想定されるエリア(本実施形態では、例えば、操作盤60の前の領域)とにより構成されるものとする。このような退出不可エリアは、安全監視サーバ30のオペレータにより予め設定される。
【0044】
よって、選択したレコードの在席位置が、退出不可エリア内にある場合、当該退出不可エリアにいる作業者Wは、溶け込みエリア500内で作業を行っているか、又は、物理的に溶け込みエリア500から退出することができない位置にいると見なせる。そこで、溶け込み判定処理部404は、選択したレコードの溶け込み中フラグを「1」に設定し、当該レコードの作業者Wは溶け込みエリア内にいることを在席管理テーブル800に設定する。
一方、選択したレコードの在席位置が、退出不可エリア内にない場合、当該レコードの作業者Wは、溶け込みエリア500にいないと確定することができる。そこで、溶け込み判定処理部404は、選択したレコードを削除する。
溶け込み判定処理部404は、以上の処理を、在席管理テーブル800から抽出したレコードの情報毎に個別に行う。
溶け込み判定処理部404は、例えば、CPUが、ROMに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0045】
<溶け込み復帰処理部405>
溶け込み復帰処理部405は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数を超えている場合に実行を開始する。
溶け込み復帰処理部405は、まず、滞在エリア座標テーブル600の情報を読み出す。
次に、溶け込み復帰処理部405は、伝文処理部403で抽出された「アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)」のうち、未選択のオブジェクトID(OBJ_ID)のデータをアラーム通知伝文ANから1つ選択する。
【0046】
次に、溶け込み復帰処理部405は、選択したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに含まれている「作業者の座標位置Fx、Fy」が溶け込みエリア500内にあるか否かを判定する。この判定の結果、作業者の座標位置Fx、Fyが溶け込みエリア500内にない場合、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータにより識別される作業者Wは、新たに検出エリア100(の溶け込みエリア500外の領域)内に入った作業者であると考えられる。そこで、溶け込み復帰処理部405は、選択したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに基づいて、在席管理テーブル800に新しいレコードを追加する。このとき、当該レコードの溶け込み中フラグには何も設定されない。
【0047】
一方、作業者の座標位置Fx、Fyが溶け込みエリア500内にある場合、溶け込み復帰処理部405は、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードが在席管理テーブル800にあるか否かを判定する。この判定の結果、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードが在席管理テーブル800にない場合、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータにより識別される作業者Wは、新たに検出エリア100(の溶け込みエリア500内の領域)内に入った作業者であると考えられる。そこで、溶け込み復帰処理部405は、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに基づいて、在席管理テーブル800に新しいレコードを追加する。このとき、当該レコードの溶け込み中フラグには「0」が設定される。
【0048】
一方、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードが在席管理テーブル800にある場合、溶け込み復帰処理部405は、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードのうち、未選択のレコードを在席管理テーブル800から1つ選択する。
そして、溶け込み復帰処理部405は、このようにして在席管理テーブル800から選択したレコードのIDと、前述したようにしてアラーム通知伝文ANから選択したオブジェクトID(OBJ_ID)とが一致するか否かを判定する。この判定の結果、在席管理テーブル800から選択したレコードのIDと、アラーム通知伝文ANから選択したオブジェクトID(OBJ_ID)とが一致しない場合、溶け込み復帰処理部405は、当該レコードのIDの値を、当該オブジェクトID(OBJ_ID)の値に書き換える。そして、溶け込み復帰処理部405は、当該レコードの溶け込み中フラグの値を「0」に設定する。ただし、当該レコードの在席位置と、当該オブジェクトID(OBJ_ID)のデータに含まれる「作業者Wの座標位置」とが所定の範囲内にある場合に限り、当該レコードのIDの値を、当該オブジェクトID(OBJ_ID)の値に書き換えることと、当該レコードの溶け込み中フラグの値を「0」に設定することとを行う。レコードの在席位置と、作業者Wの座標位置とが、アラーム通知伝文ANの送信間隔(本実施形態では約1秒)の間に作業者Wが移動できない距離だけ離れている場合には、ノイズ等の原因により、レコードの在席位置と、作業者Wの座標位置とが離れていると考えられるからである。前記所定の範囲は、このような指標の下でオペレータにより予め設定される。
【0049】
一方、在席管理テーブル800から選択したレコードのIDと、アラーム通知伝文ANから選択したオブジェクトID(OBJ_ID)とが一致する場合、溶け込み復帰処理部405は、当該レコードを変更しない。このとき、溶け込み復帰処理部405は、その旨をエラー処理部406に送信してもよい。溶け込みエリア500内に滞在していた作業者Wが動き出し、当該作業者Wが映像判定装置20により検出された場合には、映像判定装置20は、当該作業者Wに対して新たなオブジェクトID(OBJ_ID)を付与する。よって、何らかのエラーがなければ、このような場合に、在席管理テーブル800から選択したレコードのIDと、アラーム通知伝文ANから選択したオブジェクトID(OBJ_ID)とが一致することはないからである。
溶け込み復帰処理部405は、以上の処理を、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコード毎に個別に行い、更に、これらの処理を、伝文処理部403で抽出された「アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)」毎に個別に行う。
溶け込み復帰処理部405は、例えば、CPUが、ROMに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0050】
<エラー処理部406>
エラー処理部406は、他の処理部から送信された情報に対応する通報情報を作成する。そして、エラー処理部406は、当該通知情報の内容に基づいて、当該通報情報を出力する装置(例えば、VAスピーカ40、安全監視サーバ30が備えるコンピュータディスプレイ)を選択し、選択した装置に当該通報情報を出力する。
エラー処理部406は、例えば、安全監視サーバ30が備えるCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行し、通信インターフェースを介して通報情報を送信したり、コンピュータディスプレイに通報情報を表示したりすることにより実現される。尚、通報情報の内容や出力先は、前述したものに限定されない。
【0051】
(動作フローチャート)
次に、図9のフローチャートを参照しながら、安全監視サーバ30による伝文受信処理の主要な動作の一例を説明する。映像判定装置20から送信された「アラーム通知伝文AN又はアラーム解除伝文AC」を受信すると、伝文受信処理の実行が開始される。
まず、ステップS101において、伝文処理部403は、在席管理テーブル記憶部402に記憶された在席管理テーブル800の情報を読み出す。
次に、ステップS102において、伝文処理部403は、受信した伝文が、アラーム解除伝文ACであるか否かを判定する。この判定の結果、受信した伝文がアラーム解除伝文ACである場合には、ステップS103に進んで、溶け込み判定処理が実行された後、図9のフローチャートによる処理を終了する。溶け込み判定処理の詳細については、図10を参照しながら後述する。
【0052】
一方、受信した伝文がアラーム解除伝文ACでない場合には、ステップS104に進む。ステップS104に進むと、伝文処理部403は、受信した伝文がアラーム通知伝文ANであるか否かを判定する。この判定の結果、受信した伝文がアラーム通知伝文ANでない場合には、ステップS105に進む。ステップS105に進むと、エラー処理部406は、意図しない伝文が受信されたものとしてエラー処理を行う。そして、図9のフローチャートによる処理を終了する。
一方、受信した伝文がアラーム通知伝文ANである場合には、ステップS106に進む。ステップS106に進むと、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数(図8のRECNoの数)を超えているか否かを判定する。
この判定の結果、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数を超えていない場合には、後述するステップS111に進む。一方、この判定の結果、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数を超えている場合には、ステップS107に進む。
【0053】
ステップS107に進むと、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコードの情報を在席管理テーブル800から抽出する。
次に、ステップS108において、伝文処理部403は、ステップS107で抽出したレコードの在席位置を、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyに書き換えて更新する。ただし、抽出したレコードの在席位置と、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyとを比較して、入出管理ライン700a、700bを跨がずに溶け込みエリア500を通過したと判定した場合、伝文処理部403は、抽出したレコードの在席位置を書き換えないようにする。また、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが設定されておらず、且つ、更新後の在席位置が溶け込みエリア500内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「0」に設定する。これとは逆に、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが「0」に設定されており、且つ、更新後の在席位置が(溶け込みエリア500外ではあるが)検出エリア100内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「−」に設定する(何も設定しない)。
【0054】
次に、ステップS109において、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)のうち、在席管理テーブル800のIDとは異なるオブジェクトID(OBJ_ID)を抽出する。そして、ステップS110に進んで溶け込み復帰処理が実行された後、図9のフローチャートによる処理を終了する。溶け込み復帰処理の詳細については、図11を参照しながら後述する。
前述したように、ステップS106において、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数を超えていないと判定された場合には、ステップS111に進む。ステップS111に進むと、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満であるか否かを判定する。
【0055】
この判定の結果、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満でない場合には、後述するステップS116に進む。一方、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満である場合には、ステップS112に進む。
ステップS112に進むと、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコードの情報を在席管理テーブル800から抽出する。
次に、ステップS113において、伝文処理部403は、ステップS112で抽出したレコードの在席位置を、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyに書き換えて更新する。ただし、抽出したレコードの在席位置と、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyとを比較して、入出管理ライン700a、700bを跨がずに溶け込みエリア500を通過したと判定した場合、伝文処理部403は、抽出したレコードの在席位置を書き換えないようにする。また、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが設定されておらず、且つ、更新後の在席位置が溶け込みエリア500内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「0」に設定する。これとは逆に、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが「0」に設定されており、且つ、更新後の在席位置が(溶け込みエリア500外ではあるが)検出エリア100内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「−」に設定する(何も設定しない)。
【0056】
次に、ステップS114において、伝文処理部403は、在席管理テーブル800のIDのうち、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)とは異なるIDを抽出する。
そして、ステップS110に進んで溶け込み判定処理が実行された後、図9のフローチャートによる処理を終了する。溶け込み判定処理の詳細については、図10を参照しながら後述する。
【0057】
前述したように、ステップS111において、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数が、在席管理テーブル800のレコード数未満でないと判定された場合には、ステップS116に進む。ステップS116に進むと、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数と、在席管理テーブル800のレコード数とが同じであるか否かを判定する。この判定の結果、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数と、在席管理テーブル800のレコード数とが同じでない場合には、ステップS117に進む。ステップS117に進むと、エラー処理部406は、エラー処理を実行する。そして、図9のフローチャートによる処理を終了する。
【0058】
一方、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数と、在席管理テーブル800のレコード数とが同じである場合には、ステップS118に進む。
ステップS118に進むと、伝文処理部403は、未抽出のオブジェクトID(OBJ_ID)を、アラーム通知伝文ANから1つ抽出する。
次に、ステップS119において、伝文処理部403は、ステップS118で抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDが、在席管理テーブル800のレコードにあるか否かを判定する。この判定の結果、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDが、在席管理テーブル800のレコードにない場合にはステップS120に進み、エラー処理部406は、エラー処理を実行する。そして、後述するステップS122に進む。
【0059】
一方、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDが、在席管理テーブル800のレコードにある場合には、ステップS121に進む。ステップS121に進むと、伝文処理部403は、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコードの在席位置を、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyに書き換えて更新する。ただし、抽出したレコードの在席位置と、アラーム通知伝文ANに含まれる作業者Wの座標位置Fx、Fyとを比較して、入出管理ライン700a、700bを跨がずに溶け込みエリア500を通過したと判定した場合、伝文処理部403は、抽出したレコードの在席位置を書き換えないようにする。また、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが設定されておらず、且つ、更新後の在席位置が溶け込みエリア500内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「0」に設定する。これとは逆に、在席位置を更新したレコードにおいて、溶け込み中フラグが「0」に設定されており、且つ、更新後の在席位置が(溶け込みエリア500外ではあるが)検出エリア100内にある場合、伝文処理部403は、当該レコードの溶け込み中フラグを「−」に設定する(何も設定しない)。そして、ステップS122に進む。
【0060】
ステップS122に進むと、伝文処理部403は、アラーム通知伝文ANに含まれる全てのオブジェクトID(OBJ_ID)を抽出したか否かを判定する。この判定の結果、アラーム通知伝文ANに含まれる全てのオブジェクトID(OBJ_ID)を抽出していない場合には、ステップS118の処理に戻り、アラーム通知伝文ANに含まれる全てのオブジェクトID(OBJ_ID)を抽出するまで、ステップS118〜S122の処理を繰り返し行う。そして、アラーム通知伝文ANに含まれる全てのオブジェクトID(OBJ_ID)を抽出すると、図9のフローチャートによる処理を終了する。
【0061】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、図9のステップS103、S115の溶け込み判定処理の一例を説明する。
まず、ステップS201において、溶け込み判定処理部404は、滞在エリア座標テーブル600の情報を読み出す。
次に、ステップS202において、溶け込み判定処理部404は、伝文処理部403によりアラーム解除伝文ACが受信されたか否かを判定する。この判定の結果、アラーム解除伝文ACが受信された場合には、ステップS203に進む。ステップS203に進むと、溶け込み判定処理部404は、在席管理テーブル800の全てのレコードの情報を抽出する。そして、後述するステップS206に進む。
【0062】
一方、アラーム解除伝文ACが受信されていない場合には、ステップS204に進む。ステップS204に進むと、溶け込み判定処理部404は、伝文処理部403により受信されたアラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と異なるIDが在席管理テーブル800のレコードにあるか否かを判定する。この判定の結果、伝文処理部403により受信されたアラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と異なるIDが在席管理テーブル800のレコードにない場合には、溶け込み判定処理を終了する。
一方、伝文処理部403により受信されたアラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と異なるIDが在席管理テーブル800のレコードにある場合には、ステップS205に進む。ステップS205に進むと、溶け込み判定処理部404は、図9のステップS114で伝文処理部403により抽出されたID(アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と異なるID)のレコードの情報を在席管理テーブル800から抽出する。そして、ステップS206に進む。
【0063】
ステップS206に進むと、溶け込み判定処理部404は、ステップS203又はS205で抽出したレコードの情報のうち、未選択のレコードの情報を1つ選択する。
次に、ステップS207において、溶け込み判定処理部404は、ステップS206で選択したレコードの在席位置が、退出不可エリア内にあるか否かを判定する。この判定の結果、レコードの在席位置が、退出不可エリア内にある場合には、ステップS208に進む。
ステップS208に進むと、溶け込み判定処理部404は、ステップS206で選択したレコードの溶け込み中フラグを「1」に設定する。そして、後述するステップS209に進む。
【0064】
一方、レコードの在席位置が、退出不可エリア内にない場合には、ステップS209に進む。ステップS209に進むと、溶け込み判定処理部404は、ステップS206で選択したレコードを削除する。そして、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、溶け込み判定処理部404は、ステップS203又はS205で抽出した全てのレコードを選択したか否かを判定する。この判定の結果、全てのレコードを選択していない場合には、ステップS206に戻り、全てのレコードを選択するまで、ステップS206〜S209の処理を繰り返し実行する。そして、全てのレコードを選択すると、溶け込み判定処理を終了する。
【0065】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、図9のステップS110の溶け込み復帰処理の一例を説明する。
まず、ステップS301において、溶け込み復帰処理部405は、滞在エリア座標テーブル600の情報を読み出す。
次に、ステップS302において、溶け込み復帰処理部405は、図9のステップS109で伝文処理部403により抽出されたオブジェクトID(OBJ_ID)(在席管理テーブル800のIDと異なるオブジェクトID(OBJ_ID))のデータを1つ選択する。
【0066】
次に、ステップS303において、溶け込み復帰処理部405は、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに含まれている「作業者の座標位置Fx、Fy」が溶け込みエリア500内にあるか否かを判定する。この判定の結果、作業者の座標位置Fx、Fyが溶け込みエリア500内にない場合には、ステップS304に進む。ステップS304に進むと、溶け込み復帰処理部405は、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに基づいて、在席管理テーブル800に新しいレコードを追加する。このとき、当該レコードの溶け込み中フラグには何も設定されない。そして、後述するステップS311に進む。
【0067】
一方、作業者の座標位置Fx、Fyが溶け込みエリア500内にある場合には、ステップS305に進む。ステップS305に進むと、溶け込み復帰処理部405は、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードが在席管理テーブル800にあるか否かを判定する。この判定の結果、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードが在席管理テーブル800にない場合には、前述したステップS304に進み、溶け込み復帰処理部405は、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに基づいて、在席管理テーブル800に新しいレコードを追加する。このとき、当該レコードの溶け込み中フラグには「0」が設定される。
【0068】
一方、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードが在席管理テーブル800ある場合には、ステップS306に進む。ステップS306に進むと、溶け込み復帰処理部405は、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードのうち、未選択のレコードを在席管理テーブル800から1つ選択する。
次に、ステップS307において、溶け込み復帰処理部405は、ステップS306で選択したレコードのIDと、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID))とが一致するか否かが判定する。この判定の結果、レコードのIDと、オブジェクトID(OBJ_ID))とが一致する場合には、後述するステップS310に進む。
【0069】
一方、レコードのIDと、オブジェクトID(OBJ_ID))とが一致しない場合には、ステップS308に進む。ステップS308に進むと、溶け込み復帰処理部405は、ステップS306で選択したレコードのIDの値を、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID)の値に書き換える。ただし、ステップS306で選択したレコードの在席位置と、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに含まれる「作業者Wの座標位置」とが所定の範囲内にある場合に限り、ステップS306で選択したレコードのIDの値を、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID)の値に書き換える。
次に、ステップS309において、溶け込み復帰処理部405は、ステップS306で選択したレコードの溶け込み中フラグの値を「0」に設定する。そして、溶け込み復帰処理を終了する。ただし、ステップS306で選択したレコードの在席位置と、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID)のデータに含まれる「作業者Wの座標位置」とが所定の範囲内にある場合に限り、レコードの溶け込み中フラグの値を「0」に設定する。
【0070】
前述したように、ステップS307において、ステップS306で選択したレコードのIDと、ステップS302で選択したオブジェクトID(OBJ_ID))とが一致する場合には、ステップS310に進む。ステップS310に進むと、溶け込み復帰処理部405は、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードを全て選択したか否かを判定する。この判定の結果、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードを全て選択していない場合には、ステップS306に戻り、未選択のレコードを選択してステップS307以降の処理を行う。
一方、溶け込み中フラグの値が「1」であるレコードを全てすると、ステップS311に進む。ステップS311に進むと、図9のステップS109で伝文処理部403により抽出された全てのオブジェクトID(OBJ_ID)のデータを選択したか否かを判定する。この判定の結果、全てのオブジェクトID(OBJ_ID)のデータを選択していない場合には、ステップS302に戻り、全てのオブジェクトID(OBJ_ID)のデータを選択するまで、ステップS302〜S311の処理を繰り返し行う。そして、全てのオブジェクトID(OBJ_ID)のデータを選択すると、溶け込み復帰処理を終了する。
【0071】
(まとめ)
以上のように本実施形態では、検出エリア100の中に、作業者Wが滞在する可能性がある領域として溶け込みエリア500を予め設定する。安全監視サーバ30は、アラーム通知伝文ANに基づいて、在席管理テーブル800に、作業者Wを識別するIDと在席位置と溶け込み中フラグとを登録する。アラーム通知伝文ANに含まれる作業者の数202を超える数のレコードが在席管理テーブル800にある場合、又は、アラーム解除伝文ACが送信されたときに在席管理テーブル800のレコードがある場合、当該レコードの在席位置が溶け込みエリア500の退出不可エリア内にあるか否かを判定する。当該レコードの在席位置が溶け込みエリア500の退出不可エリア内にある場合、当該レコードの溶け込み中フラグの値を「1」に設定して、当該レコードにより特定される作業者Wが検出エリア100内に滞在しているものとして管理する。その後、在席管理テーブル800のレコード数を超える数のオブジェクトID(OBJ_ID)を含むアラーム通知伝文ANを受信すると、在席管理テーブル800のレコードに含まれるIDと一致しないオブジェクトID(OBJ_ID)を抽出し、溶け込み中フラグの値が「1」のレコードのIDの値を、抽出したオブジェクトID(OBJ_ID)の値に変更すると共に、当該溶け込み中フラグの値を「1」から「0」に変更する。
【0072】
したがって、例えば、溶け込みエリア500内で作業者Wが滞在し、映像判定装置20により作業者Wが検出されなくなった場合でも、安全監視サーバ30は、当該作業者Wを管理することができる。そして、映像判定装置20により当該作業者Wが新たな別の作業者Wとして検出された場合でも、安全監視サーバ30は、当該新たな別の作業者を、溶け込みエリア500に滞在し続けている作業者であると認識することができる。これにより、作業者Wが溶け込みエリア500内にいるにも関わらず、溶け込みエリア500から退出してしまうと判定してしまうことと、当該作業者Wを溶け込みエリア500に新たに進入した作業者Wであると判定してしまうこととを防止することができる。よって、溶け込みエリア500内で動きのなくなった作業者Wが溶け込みエリア500内に滞在していることと、溶け込みエリア500から退出したこととを正確に検出することができる。これにより、例えば、監視する対象の作業者Wが所定の数になっていない場合にVAスピーカ40等による通報を行う場合に、余分な通報を行わないようにすることができる。
【0073】
また、本実施形態では、溶け込みエリア500内に退出不可エリアを設定し、この退出不可エリア内で作業者Wが滞在している場合に当該作業者Wに対する溶け込み中フラグを「1」にする。したがって、アラーム通知伝文ANの送信間隔(本実施形態では約1秒)の間に作業者Wが物理的に溶け込みエリア500から退出することができない位置にいるとみなせる場合、又は作業者Wが溶け込みエリア500内で作業を行っていると見なせる場合に、映像判定装置20により当該作業者Wが検出されなくなると、当該作業者Wが溶け込みエリア500内に滞在していることを在席管理テーブル800で管理することができる。すなわち、溶け込みエリア500内であっても退出不可エリア以外のエリアでは、作業者Wが滞在することはないと想定することで、在席管理テーブル800の更新頻度を小さくすることができる。
【0074】
(変形例)
安全監視サーバ30のオペレータは、安全監視サーバ30のコンピュータディスプレイに表示されている撮像画像を見ながら、検出エリア100と、溶け込みエリア500と、入出管理ライン700を、当該撮像エリア510に対して直接的に設定することができる。例えば、コンピュータディスプレイの画面をタッチパネルとし、タッチパネルで指示された位置の情報を滞在エリア座標テーブル600に設定したり、撮像画像に対してマウスで指示された内の位置の情報を滞在エリア座標テーブル600に設定したりすることができる。
【0075】
また、安全監視サーバ30は、溶け込みエリア500内に同一の作業者Wが一定時間以上継続しているか否かを判定し、溶け込みエリア500内に同一の作業者Wが一定時間以上継続している場合に、VAスピーカ40にその旨を示す通報情報を出力するようにしてもよい。このようにする場合には、在席管理テーブル800に、最初の発生時刻(最初に作業者Wが溶け込みエリア500に進入した時刻)と現在の発生時刻とを記憶し、これらの時刻の差が一定時間以上であるかどうかを判定するようにすればよい。また、溶け込みエリア500内に同一の作業者Wが一定時間以上継続して滞在しているか否かを判定し、溶け込みエリア500内に同一の作業者Wが一定時間以上継続して滞在している場合に、VAスピーカ40にその旨を示す通報情報を出力するようにしてもよい。このようにする場合には、在席管理テーブル800に、溶け込み中フラグを「0」から「1」に変更した時刻(作業者Wが溶け込みエリア500で止まった時刻)と現在の発生時刻とを記憶し、これらの時刻の差が一定時間以上であるかどうかを判定するようにすればよい。
【0076】
また、本実施形態では、アラーム通知伝文ANを受信した際の溶け込み復帰処理と溶け込み判定処理の特徴を分かりやすく説明するために、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)の数と、在席管理テーブル800のレコード数(図8のRECNoの数)との比較の結果に応じて、溶け込み復帰処理又は溶け込み判定処理を行うようにした。しかしながら、例えば、溶け込みエリア500内に作業者Wが滞在し映像判定装置20で当該作業者Wを検出できなくなったときに複数の作業者Wが検出エリア100に進入した場合には、図9のステップS106でYESになった場合でも溶け込み判定処理を行う必要がある。同様に、溶け込みエリア500内に滞在していた作業者Wが動き出し映像判定装置20で当該作業者Wを検出できるようになったときに複数の作業者Wが検出エリア100から退出した場合には、図9のステップS111でYESになった場合でも溶け込み復帰処理を行う必要がある。さらに、溶け込みエリア500内に作業者Wが滞在し映像判定装置20で当該作業者Wを検出できなくなったときに1人の作業者Wが検出エリア100に進入した場合には、図9のステップS116でYESになった場合でも溶け込み判定処理を行う必要がある。この他、溶け込みエリア500内に滞在していた作業者Wが動き出し映像判定装置20で当該作業者Wを検出できるようになったときに1人の作業者Wが検出エリア100から退出した場合には、図9のステップS116でYESになった場合でも溶け込み復帰処理を行う必要がある。
【0077】
したがって、このような場合にも溶け込み判定処理と溶け込み復帰処理を行うようにすることができる。このようにする場合には、例えば、以下のようにすればよい。
まず、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)と同じIDのレコードの情報については、図9のステップS108(ステップS113、S121でもよい)の処理を行う。
次に、在席管理テーブル800のIDのうち、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)とは異なるIDのレコードを1つずつ選択して、図10のステップS206〜S210の処理を行うようにする。
次に、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)のうち、在席管理テーブル800のIDとは異なるオブジェクトID(OBJ_ID)のデータを1つずつ選択して図11のステップS302〜S311の処理を行うようにする。
【0078】
また、本実施形態では、溶け込み判定処理において、在席管理テーブル800のレコードのうち、アラーム通知伝文ANに含まれるオブジェクトID(OBJ_ID)とは異なるIDのレコードの在席位置が、退出不可エリア内にあるか否かを判定した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はなく、退出不可エリア内ではなく、溶け込みエリア500内にあるか否かを判定するようにしてもよい。このようにした場合には、入出管理ライン700の設定は必ずしも必要なく、溶け込みエリアを退出不可エリアと同じ意味を有する領域として設定することになる。
【0079】
また、本実施形態では、溶け込みエリア500の縁のうち、作業者が通過することができる縁に入出管理ライン700を設定するようにしたが、これとは反対に、作業者が通過することができない縁に入出管理ラインを設定するようにしてもよい。このようにした場合には、入出管理ラインを跨いで溶け込みエリア500に対して入退出することはできなくなり、また、入出管理ラインから所定の距離だけ内側のエリアが退出不可エリアとなる。
【0080】
(請求項との関係)
<請求項1>
人物監視装置は、例えば、安全監視サーバ30により実現される。第1の人物識別情報は、例えば、検出進入物体ID203により実現される。第1の人物位置情報は、例えば、作業者の位置204(作業者の足元中心位置のx−y座標Fx、Fy)により実現される。通知伝文は、例えば、アラーム通知伝文ANにより実現される。解除伝文は、例えば、アラーム解除伝文ACにより実現される。第2の人物識別情報は、例えば、在席管理テーブル800のIDにより実現される。第2の人物位置情報は、例えば、在席管理テーブル800の在席位置により実現される。人物滞在情報は、例えば、溶け込み中フラグにより実現される。在席管理情報は、例えば、在席管理テーブル800の各レコードの情報により実現される。第1の設定手段は、例えば、溶け込み復帰処理部405(図11のステップS304)により実現される。第2の設定手段は、例えば、溶け込み判定処理部404(図10のステップS202→S205〜S207→S208)により実現される。ここで、溶け込みエリアに滞在していることを示す情報(人物滞在情報)は、例えば、値が「1」である溶け込み中フラグにより実現される。第3の設定手段は、例えば、溶け込み判定処理部404(図10のステップS202→S203、S206、S207→S208)により実現される。第4の設定手段は、例えば、溶け込み復帰処理部405(図11のステップS302、S303→S306、S307→S308、S309)により実現される。ここで、溶け込みエリアに滞在していないことを示す情報(人物滞在情報)は、例えば、値が「0」である溶け込み中フラグにより実現される。
<請求項2>
入出管理ラインは、例えば、入出管理ライン700により実現される。
<請求項3>
第5の設定手段は、例えば、伝文処理部403(図9のステップS107・S108、S112・S113、又はS118・S119→S121)により実現される。
【0081】
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施の形態として適用することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などのプログラムプロダクトも本発明の実施の形態として適用することができる。前記のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0082】
10 監視カメラ
20 映像判定装置
30 安全監視サーバ
40 VAスピーカ
50 ネットワーク
100 検出エリア
401 滞在エリア座標テーブル記憶部
402 在席管理テーブル記憶部
403 伝文処理部
404 溶け込み判定処理部
405 溶け込み復帰処理部
406 エラー処理部
500 溶け込みエリア
600 滞在エリア座標テーブル
700 入出管理ライン
800 在席管理テーブル
AN アラーム通知伝文
AC アラーム解除伝文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の在、不在を検出する対象となる領域である検出エリアの動画または連続する静止画である撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該人物を識別する第1の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第1の人物位置情報とを含む通知伝文を映像判定装置から取得する通知伝文取得手段と、
前記検出エリアの撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該検出エリアから人物がいなくなったことを示す解除伝文を映像判定装置から取得する解除伝文取得手段と、
前記検出エリアの中の領域であって、人物が滞在する可能性がある領域である溶け込みエリアの情報を設定する溶け込みエリア設定手段と、
前記溶け込みエリアの中にいる人物を識別する第2の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第2の人物位置情報と、当該人物の前記溶け込みエリアにおける滞在の状態を識別するための人物滞在情報とを含む在席管理情報を記憶する在席管理情報記憶手段と、
前記通知伝文及び前記解除伝文に基づいて、前記在席管理情報を設定する在席管理情報設定手段と、を有し、
前記在席管理情報設定手段は、前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報を前記第2の人物識別情報として設定すると共に、前記通知伝文に含まれる第1の人物位置情報を前記第2の人物位置情報として設定する第1の設定手段と、
前記第1の設定手段による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報と異なる第2の人物識別情報が前記在席管理情報にあり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである場合に、当該第2の人物識別情報と当該第2の人物位置情報とに対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第2の設定手段と、
前記第1の設定手段による設定がなされた後に前記解除伝文が取得され、且つ、前記第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである在席管理情報がある場合に、当該第2の人物位置情報に対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第3の設定手段と、
前記第2の設定手段又は前記第3の設定手段による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に、前記在席管理情報に含まれる第2の人物識別情報と異なる第1の人物識別情報があり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する人物滞在情報が、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報である場合に、当該第2の人物識別情報を当該通知伝文に含まれる第1の人物識別情報に変更すると共に、当該人物滞在情報として、前記溶け込みエリアで滞在していないことを示す情報を設定する第4の設定手段と、を有することを特徴とする人物監視装置。
【請求項2】
前記溶け込みエリアの縁に設定されるラインであって、人物が通過することができる領域又は人物が通過することができない領域である入出管理ラインを設定する入出ライン領域設定手段を有し、
前記第2の設定手段と、前記第3の設定手段は、前記溶け込みエリア内の位置であって、前記入出管理ラインに基づいて設定される退出不可エリア内の位置を、前記溶け込みエリア内の位置の代わりに用いて、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定することを特徴とする請求項1に記載の人物監視装置。
【請求項3】
前記在席管理情報設定手段は、前記第1の設定手段による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報と同じ第2の人物識別情報があり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである場合に、当該第2の人物識別情報と当該第2の人物位置情報とに対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアで滞在していないことを示す情報を設定する第5の設定手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の人物監視装置。
【請求項4】
前記検出エリアと前記溶け込みエリアは、前記撮像画像上の領域であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の人物監視装置。
【請求項5】
前記通知伝文取得手段は、前記通知伝文を、一定の周期で繰り返し取得することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の人物監視装置。
【請求項6】
人物の在、不在を検出する対象となる領域である検出エリアの動画または連続する静止画である撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該人物を識別する第1の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第1の人物位置情報とを含む通知伝文を映像判定装置から取得する通知伝文取得工程と、
前記検出エリアの撮像画像の差分画像に基づいて、当該検出エリアにおける人物を検出した結果として、当該検出エリアから人物がいなくなったことを示す解除伝文を映像判定装置から取得する解除伝文取得工程と、
前記検出エリアの中の領域であって、人物が滞在する可能性がある領域である溶け込みエリアの情報を設定する溶け込みエリア設定工程と、
前記溶け込みエリアの中にいる人物を識別する第2の人物識別情報と、当該人物の位置を示す第2の人物位置情報と、当該人物の前記検出エリアにおける滞在の状態を識別するための人物滞在情報とを含む在席管理情報を記憶する在席管理情報記憶工程と、
前記通知伝文及び前記解除伝文に基づいて、前記在席管理情報を設定する在席管理情報設定工程と、を有し、
前記在席管理情報設定工程は、前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報を前記第2の人物識別情報として設定すると共に、前記通知伝文に含まれる第1の人物位置情報を前記第2の人物位置情報として設定する第1の設定工程と、
前記第1の設定工程による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報と異なる第2の人物識別情報が前記在席管理情報にあり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである場合に、当該第2の人物識別情報と当該第2の人物位置情報とに対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第2の設定工程と、
前記第1の設定工程による設定がなされた後に前記解除伝文が取得され、且つ、前記第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである在席管理情報がある場合に、当該第2の人物位置情報に対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定する第3の設定工程と、
前記第2の設定工程又は前記第3の設定工程による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に、前記在席管理情報に含まれる第2の人物識別情報と異なる第1の人物識別情報があり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する人物滞在情報が、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報である場合に、当該第2の人物識別情報を当該通知伝文に含まれる第1の人物識別情報に変更すると共に、当該人物滞在情報として、前記溶け込みエリアで滞在していないことを示す情報を設定する第4の設定工程と、を有することを特徴とする人物監視方法。
【請求項7】
前記溶け込みエリアの縁に設定されるラインであって、人物が通過することができる領域又は人物が通過することができない領域である入出管理ラインを設定する入出管理ライン設定工程を有し、
前記第2の設定工程と、前記第3の設定工程は、前記溶け込みエリア内の位置であって、前記入出管理ラインに基づいて設定される退出不可エリア内の位置を、前記溶け込みエリア内の位置の代わりに用いて、前記溶け込みエリアに滞在していることを示す情報を設定することを特徴とする請求項6に記載の人物監視方法。
【請求項8】
前記在席管理情報設定工程は、前記第1の設定工程による設定がなされた後に取得された前記通知伝文に含まれる第1の人物識別情報と同じ第2の人物識別情報があり、且つ、当該第2の人物識別情報に対応する第2の人物位置情報が前記溶け込みエリア内の位置を示すものである場合に、当該第2の人物識別情報と当該第2の人物位置情報とに対応する人物滞在情報として、前記溶け込みエリアで滞在していないことを示す情報を設定する第5の設定工程を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の人物監視方法。
【請求項9】
前記検出エリアと前記溶け込みエリアは、前記撮像画像上の領域であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の人物監視方法。
【請求項10】
前記通知伝文取得工程は、前記通知伝文を、一定の周期で繰り返し取得することを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の人物監視方法。
【請求項11】
請求項1〜5の何れか1項に記載の人物監視装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−174223(P2012−174223A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38816(P2011−38816)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】