説明

仕分け設備

【課題】 本発明は、音声による応答でピッキング作業を実行する設備においてピッキングミスを迅速に解消できる仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】 検品エリアへ搬送されてきたコンテナに対する、自動検品装置53による商品の検品の結果、集品ミスにより商品の不足が判明すると、検知コントローラ65より、この商品24の仕分け先であるピッキングエリアのピッキングエリアコントローラ62または63または64に対して、不足した商品24およびその数量からなる不足情報が出力され、ピッキングエリアコントローラ62または63または64はこの不足情報に基づいて、直ちに、前記不足情報の商品24の集品を担当する作業者を求め、この作業者に対して無線端末器47を介して前記不足情報を音声で伝達する。作業者Hはこの不足情報を聞くと、すぐにこの不足情報の数量の商品を集品して検品エリアへ搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の仕分け先から送られてくる物品の要求情報に応じて各仕分け先毎の容器に前記物品を集品し、集品が終了した容器を検品し、仕分け先毎にまとめて出荷する仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の仕分け設備に、ピッキング作業データに基づいてピッキングの進行状態を管理するピッキング管理装置を備え、各ピッキング作業者に、前記ピッキング管理装置との間で無線通信を行い前記ピッキング管理装置から送信されるピッキングの内容を作業者に音声で伝達し且つ前記作業者の発する音声を入力して前記ピッキング管理装置に送信するためのピッキング端末装置を携帯させ、ピッキング作業者は、ピッキング端末装置を介して音声によりピッキング管理装置との間で応答を繰り返して、店舗毎の容器に商品の集品作業(ピッキング作業)を行う仕分け設備がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−35837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の仕分け設備では、音声による応答でピッキング作業を実行しているため、ピッキングミスが発生しやすいという問題があり、このようなピッキングミスが発生したときに迅速にそのミスを解消すること、特に物品の不足状態を解消することが望まれている。
【0004】
そこで、本発明は、音声による応答でピッキング作業を実行する設備においてピッキングミスを迅速に解消できる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の仕分け先から送られる物品の要求情報に応じて各仕分け先毎の容器に物品を集品する集品領域と、前記集品領域より搬送される容器内の物品の検品を行う検品領域と、前記検品領域より搬送される容器を前記仕分け先毎に仕分ける仕分け領域を備えた仕分け設備であって、
前記集品領域において集品作業を行う集品作業者毎に、受信する音声受信情報を人へ音声で伝達し、かつ前記人の発する音声を認識してその音声認識情報を送信する音声端末装置を設け、前記検品領域の検品結果による、物品と数量および物品が不足した容器の仕分け先からなる不足情報に応じて、この不足情報の物品を集品する集品作業者の音声端末装置へ、前記不足情報の物品と数量と仕分け先を音声受信情報として送信する集品管理装置を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
上記構成によれば、集品が終了した容器内の物品検品の結果、集品ミスにより物品の不足が判明すると、この容器の仕分け先、不足した物品およびその数量からなる不足情報が集品管理装置へ出力され、集品管理装置はこの不足情報に基づいて、直ちに、前記不足情報の物品を集品する集品作業者に対して音声端末装置を介して前記不足情報の物品と数量と仕分け先を音声で伝達する。集品作業者はこの不足情報を聞くと、対処できる。これにより迅速に集品ミスによる物品不足状態が解消される。
【0007】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記仕分け領域において仕分け作業を行う仕分け作業者毎に、受信する音声受信情報を人へ音声で伝達する音声受信装置を設け、
前記集品管理装置は、前記検品領域よりの前記不足情報に応じて、この不足情報の仕分け先の容器の仕分けを担当する仕分け作業者の音声受信装置へ、前記不足情報の仕分け先を音声受信情報として送信することを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、集品管理装置は、検品領域より不足情報を入力すると、仕分け領域において不足情報の仕分け先の容器を担当する仕分け作業者に対して音声受信装置を介して前記不足情報の仕分け先を音声で伝達する。よって、仕分け作業領域の仕分け作業者は、不足情報の仕分け先の容器が、検品領域で保留され、あるいは仕分け領域で保留され、不足した物品待ちであることが認識される。
【0009】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記集品領域に前記集品する容器を搬送する搬送手段を設け、前記不足情報を受信した音声端末装置は、止まるようにとの前記集品作業者の発声を認識すると停止情報を送信し、前記搬送手段が前記停止情報に応じて停止されることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、不足情報が伝達された集品作業者が止まるようにと発声すると、音声端末装置はこれを認識して停止情報を送信し、この停止情報により集品作業領域の容器の搬送手段が停止する。よって、前記不足情報に基づいて物品の再集品を実行しているとき、容器の搬送手段を停止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の仕分け設備は、音声による伝達で集品作業を実行し、集品ミスが発生すると、検品による不足情報が、物品を集品する集品作業者へ伝達され、対処される、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における仕分け設備の構成図である。
図1において、Aは第1ピッキングエリア、Bは第2ピッキングエリア、Cは第3ピッキングエリアであり、これら集品領域の一例である各ピッキングエリアA,B,Cでは、集品ラインにより各店舗(仕分け先の一例)毎のコンテナ1(物品が集品される容器の一例)を移動させながら、後述するピッキング情報に基づいて指示される商品(物品の一例)およびその個数に応じて商品のピッキング(集品)が行われてコンテナ1内に収納され、ピッキングが終了したコンテナ1は、それぞローラコンベヤからなる搬送ライン2,3,4により搬送されて、ローラコンベヤからなる検品ライン6へ合流され、検品ライン6により、コンテナ1内の商品の検品を行う検品エリア(検品領域の一例)Dへ搬送される。また検品エリアDにより検品が実行され正常と判断されたコンテナ1は、出荷エリア(仕分け領域の一例)Eへ搬送され、出荷エリアEにおいて店舗毎に仕分けられて出荷される。
「ピッキングエリア」
上記ピッキングエリアA,B,Cの一例を図2に示す。
【0013】
集品される商品が保管されるストレージライン11と、商品を注文した店舗毎のコンテナ1を搬送する集品ライン12から構成されている。この集品ライン12の下流端に搬送ライン(搬送手段の一例)2,3,4が連結される。
【0014】
<ストレージライン11>
前記ストレージライン11は、図3に示すように、流動棚から形成されたピッキング棚21から構成され、前方に傾斜している複数段(図では3段)のラック23を有し、各ラック23にはそれぞれ、商品24の収納容器25が収納される複数の物品収納部26が形成され、各物品収納部26毎にフリーローラコンベヤ27が設けられ、各フリーローラコンベヤ27の前端にはストッパ28が設けられている。この構成により、ストッパ28により係止された収納容器25から必要な商品24を取り出し、収納容器25が空になればその収納容器25を除去することにより、次の収納容器25が前面にでてくる。
【0015】
またピッキング棚21の物品収納部26毎にそれぞれ、その前面に、この物品収納部26の特有のロケーションを示す数字およびバーコードが印刷されたプレート29が設けられている。
【0016】
また図2に示すように、集品ライン12に沿ってピッキング棚21の複数(図では6列の3段)の物品収納部26毎に、通路(ゾーン)が設定されて、上流から通路番号1〜Nが設定されている。
【0017】
<集品ライン12>
前記集品ライン12は、図2に示すように、通路を形成するピッキング棚21に沿って配置され、コンテナ1を搬送する一定経路iを形成するローラコンベヤ(搬送手段の一例)31を有しており、上流端に、コンテナ1を特定するバーコードラベルを、コンテナ1に貼り付けるラベラ32が配置され、このラベラ32に接続され、液晶表示装置33とキーボード34が付属されるコンピュータ端末機35が配置されている。
【0018】
また図3に示すように、ピッキング作業を実行するピッキング作業者Hに、受話器(ヘッドホン)41と送話器(マイク)42からなるヘッドセット43と、液晶表示器45と入力キー46とバーコードリーダ(図示せず)付きの無線端末機47が支給されて携帯している。
【0019】
無線端末機47は、
・無線端末機47を特定するナンバーを有し、受信した音声合成情報(後述する)が自分宛の情報かを前記ナンバーにより認識し、認識するとこれら音声合成情報を記憶し、ピッキング作業の進行に応じて受話器41へ出力して再生する機能、
・送話器42から入力した音声データを認識する音声認識機能(音素ベースの大語彙音声認識、不特定話者対応、優れた耐ノイズ特性を有する音声認識エンジン付き)、
・受信した音声合成情報を液晶表示器45へ表示する機能、
・入力キー46またはバーコードリーダの操作入力を認識する機能、
・認識した話者(ピッキング作業者H)の作業者発声情報、入力キー46またはバーコードリーダの操作入力情報を送信する機能、
・前回の音声合成情報を記憶し、入力キーの操作により、再度音声合成情報を受話器41で再生する機能、
を備えている。
【0020】
前記ヘッドセット43と無線端末機47により、受信する音声受信情報を人へ音声で伝達し、かつ前記人の発する音声を認識してその音声認識情報を送信する音声端末装置が構成される。
【0021】
また無線端末機47と無線で接続され、アクセスポイントとなる送受信器48が集品ライン12の上方に複数配置されている。
上記無線端末機47は、以上の機能により、送受信器48より音声合成情報(詳細は後述する)を受信すると、音声合成情報により添付されたナンバーにより認識して自分宛の情報のとき、これを記憶してピッキング作業の進行に応じて音声合成情報を受話器41へ出力・再生して音声で伝達し、また送話器42から入力した作業者Hの発声情報を認識してこの認識した作業者発声情報に自分のナンバーを添付して送受信器48へ送信する等を行う。
「検品エリア」
検品エリアDには、ローラコンベヤからなる検品ライン6の上流側から、搬送されているコンテナ1に貼りつけられたラベルのバーコードを読み取るバーコードリーダ51と、搬送されているコンテナ1に、出荷先を示す店舗名のラベルを貼りつけるラベラ52と、コンテナ1内の商品24を自動検品する自動検品装置53と、この自動検品装置53の結果、商品24が一致しないときにこのコンテナ1を待機ライン54へ分岐する分岐装置55から構成されている。自動検品装置53は、たとえば複数のカメラによりコンテナ1内の商品24を撮影しその撮像データにより形状、色模様等を求めて商品24を特定し、自動検品を行い、正常(商品が多い場合を含む)と(商品)不足を判定し、検品を行ったコンテナ1のバーコードを付して、検品結果として、「正常」、あるいは「不足(不足した商品コードおよび数量を含む)」を出力する。なお、上記店舗名のラベルは、店舗を認識できるラベルであればよい。
「出荷エリア」
出荷エリアEには、図4に示すように、検品ライン6に連結される出荷ライン56が設けられ、この出荷ライン56より、コンテナ1に貼り付けられたラベルの店舗名によりコンテナ1を判別して店舗別のカゴ車57へ仕分ける仕分け作業者Jが配置されている。
【0022】
また仕分け作業者Jは、ピッキングエリアの作業者Hと同様に、受話器(ヘッドホン)41と送話器(マイク)42からなるヘッドセット43と、液晶表示器45と入力キー46とバーコードリーダ(図示せず)付きの無線端末機47から構成される音声端末装置が支給されて携帯している。また出荷エリアEにも無線端末機47と無線で接続され、アクセスポイントとなる送受信器48が出荷ライン56の上方に複数配置されている。
【0023】
店舗毎にコンテナ1が仕分けられたカゴ車57は、1台あるいは複数台のトラックにまとめて出荷される。
「制御構成」
上記設備の制御構成図を図5に示す。
【0024】
図5に示すように、複数の店舗から注文を受けた注文リスト(商品とこの商品の個数からなる店舗別注文リスト;図6参照)を受けて設備全体をコントロールする設備コントローラ61と、設備コントローラ61に接続され各ピッキングエリアA,B,Cのピッキング制御をそれぞれ行うピッキングエリアコントローラ(集品管理装置の一例)62,63,64と、設備コントローラ61に接続され検品エリアDの制御を統括する検品コントローラ(検品装置の一例)65が設けられている。これらコントローラ61〜65はコンピュータにより構成される。
【0025】
各ピッキングエリアコントローラ62,63,64には、各ピッキングエリアA,B,Cのコンピュータ端末機35と複数の送受信器48とローラコンベヤ31と搬送ライン2,3,4が接続され、また検品コントローラ65には、バーコードリーダ51とラベラ52と自動検品装置53と出荷エリアEの送受信器48が接続されている。また自動検品装置53に分岐装置55が接続されている。またコンピュータ端末機35に、ラベラ32と液晶表示装置33とキーボード34が接続され、送受信器48に電波を介して複数の無線端末機47が接続されている。
【0026】
上記設備コントローラ61には、予め各ピッキングエリアA,B,Cに収納されている商品24のリストが記憶され、設備コントローラ61は、図6に示す店舗別注文リストを入力すると、記憶している商品24のリストを参照して、各店舗毎に、注文されている各商品が収納されているピッキングエリアAまたはBまたはCを求め、求めたピッキングエリアにその商品と注文の個数を割り当てて、図6に示すように各店舗毎の商品およびその個数からなるピッキング情報を形成して各ピッキングエリアA,B,Cのピッキングエリアコントローラ62,63,64と検品コントローラ65へ出力する。
「ピッキングエリアコントローラ」
各ピッキングエリアコントローラ62,63,64には、図7に示すように、
各物品収納部26のロケーションと物品収納部26に収納された商品24を特定する商品コード(商品を特定するデータの一例)が、予め通路の通路ナンバー毎に記憶される第1メモリ71(図8参照)と、
無線端末機47を特定するナンバーと、この無線端末機47が貸与された作業者Hを特定する作業者コードとからなる作業者データが、予め記憶される第2メモリ72(図8参照)と、
設備コントローラ61より入力された各店舗毎のピッキング情報(各店舗を特定するナンバーとピッキングする商品のコードおよびピッキングする数量の情報)を記憶する第3メモリ73(図6参照)と、
各店舗を特定するナンバーと、商品24を集品するコンテナ1に対応するバーコードと、このコンテナ1に対してピッキング作業を行う作業者の作業者コードを記憶する第4メモリ74(図8参照)と、
無線端末機47のナンバー毎に、ピッキング作業を実行する、通路ナンバー、ロケーション、数量からなる情報を記憶する第5メモリ75(図8参照)と
が設けられ、さらにラベラ駆動部76と、音声合成エンジン77と、ピッキング制御部78と、検品対応部79が設けられている。
【0027】
ラベラ駆動部76は、第3メモリ73に記憶された各店舗毎のバーコード(ピッキングエリアA,B,Cを特定するデータと順番を示すコンテナ特有のデータ)を設定し第4メモリ74に記憶し、コンピュータ端末機35へ出力してラベラ32により発行させ、またこの店舗とバーコードからなるコンテナ特定データを検品コントローラ65へ出力する。
【0028】
また音声合成エンジン77は、作業者Hへ音声で指令データを伝達するため、インテリジェンドな言語処理プロセスを備え、自然な発話(人間の肉声に近い女声、音量、話す速さの調整機能)が可能な言語データを有し、作業者Hへ音声で指令データを伝達するための情報を合成し、送受信器48により送信する。
【0029】
またピッキング制御部78は、コンピュータ端末機35のキーボード34により入力された作業者コードとコンテナ1に割り当てられたバーコードをつなぎ、第4メモリ74に記憶して店舗(ナンバー)を特定する。そして、この第4メモリ74の「店舗−コンテナ−作業者」のデータと第2メモリ72の「作業者−無線端末機」のデータより、店舗ナンバーと無線端末機ナンバーをつなぎ、続いて第1メモリ71の「通路−ロケーション−商品」のデータと第3メモリ73の「店舗−商品−数量」のデータにより、無線端末機ナンバー毎の「通路−ロケーション−数量」のデータを形成して第5メモリ75へ記憶し、実際に無線端末機47(作業者H)と応答しながらピッキング作業を実行する(詳細は後述する)。
【0030】
また前記検品対応部79は、検品コントローラ65から後述する不足情報(検品の結果、商品が不足したコンテナ1のバーコードと不足した商品コードおよび数量からなるデータ)を入力すると、第4メモリ74をコンテナ1のバーコードにより検索して作業者コードと店舗ナンバーを求め、第2メモリ72を、求めた作業者コードで検索して無線端末機ナンバーを求め、また不足情報の商品コードにより第1メモリ71を検索してこの商品が収納されている通路ナンバーと物品収納部26のロケーションを求め、求めた店舗ナンバー、通路ナンバーおよびロケーション、不足情報の数量からなる要求データを作成し、無線端末機ナンバーを添付して音声合成エンジン77へ出力し、また要求データを送信した無線端末機より停止情報(後述する)を入力するとローラコンベヤ31を停止し、開始情報(後述する)を入力するとローラコンベヤ31を駆動する。
【0031】
各ピッキングエリアコントローラ62,63,64のピッキング制御部78の動作を、実際のピッキング作業の動作とともに、図9を参照しながら詳細に説明する。
なお、各ローラコンベヤ31は検品対応部79により低速度で駆動される。また作業者Hは、ピッキング作業に入る前準備としてキーボード34によりコンピュータ端末機35を介してピッキングエリアコントローラ62,63,64へ作業者コードを入力する。これにより、ラベラ駆動部76によって、この作業者Hに対して第4記憶メモリ74に記憶された店舗が割り当てられ、この店舗用のコンテナ1を特定するバーコードがラベラ32へ出力され、このバーコードが印刷されたラベルが発行される。作業者Hはこのラベルを空のコンテナ1の所定位置へ貼りつけ、ローラコンベヤ31へ載せて、1番通路へ入る。コンテナ1はゆっくり低速度で下流へ搬送される。また上述したように、ピッキング制御部78により、作業者Hの無線端末機ナンバーの「通路−ロケーション−数量」のピッキングデータが形成される。
(1)まず作業者Hは、開始指示「作業スタート。1番通路」を発声する。
【0032】
すると、無線端末機47は、送話器42から入力した作業者Hの発声情報を認識してこの認識した作業者発声情報に自分の無線端末機ナンバーを添付して送受信器48を介してピッキングエリアコントローラのピッキング制御部78へ送信する。
【0033】
すると、ピッキング制御部78は、この無線端末機ナンバーの無線端末機47が1番通路に入ったことを確認し、第5メモリ75を検索して、前記ピッキングデータの1番通路のデータを選択して、このデータ、たとえば「ロケーション02、数量5本」、「ロケーション08、数量10本」を無線端末機ナンバーを添付して音声合成エンジン77へ出力する。
【0034】
音声合成エンジン77は、この「ロケーション02、数量5本」、「ロケーション08、数量10本」を音声で作業者Hへ指令データを伝達するための音声合成情報を合成し、無線端末機ナンバーを添付して送受信器48を介して無線端末機47へ送信する。
(2)無線端末機47は、送受信器48より音声合成情報(詳細は後述する)を受信する。
(3)無線端末機47は、音声合成情報により添付された無線端末機ナンバーにより認識して自分宛の情報のとき、これら音声合成情報「ロケーション02、数量5本」、「ロケーション08、数量10本」を記憶し、まず「ロケーション02、数量5本」の音声合成情報を受話器41へ出力・再生して作業者Hへ音声で通知する。
(4)無線端末機47は、同時に液晶表示画面45にこの「ロケーション02、数量5本」を表示する。
(5)作業者Hは、この音声により通知されたロケーションの物品収納部26へ移動し、通知されたロケーションのデータを発声する(「ロケーション02」を発声する)。
(6)無線端末機47は、送話器42から入力した作業者Hの発声情報を認識してこの認識した作業者発声情報で、ロケーションが正確であると、数量を再度通知する。すなわち、「数量5本」と音声で通知する。作業者Hは、この数量の通知により商品24を、指定されたロケーションの物品収納部26よりピッキングし、コンテナ1へ投入する。なお、ピッキングした商品24を仮の箱に収納し、作業終了でコンテナ1へ投入してもよい。
(7)作業者Hは、物品収納部26のプレート29のロケーションを入力キー46により、またはプレート29のロケーションのバーコードをバーコードリーダにより読み取り、無線端末機47へ入力する。
(8)そして、作業者Hは、ピッキングした商品24の数量を発声する(「数量5本」を発声する)。無線端末機47は、入力されたロケーションが正確で、かつ送話器42から入力した作業者Hの発声情報を認識してこの認識した作業者発声情報で、数量が正確であると、次のデータ「ロケーション08、数量10本」の音声合成情報を受話器41へ出力して作業者Hへ音声で通知する。
(9)上記(2)〜(7)の動作が再び実行される。そして、1番通路の全てのピッキング作業が終了すると、無線端末機47は、「作業終了」を受話器41へ出力して作業者Hへ音声で通知する。作業者Hは、「作業終了」を発声する。無線端末機47は、送話器42から入力した作業者Hの発声情報を認識してこの認識した作業者発声情報で、「作業終了」を確認すると、作業終了情報に自分の無線端末機ナンバー添付して送受信器48を介してピッキング制御部78へ送信する。
【0035】
続いて作業者Hは、2番通路へ移動して、開始指示「作業スタート。2番通路」を発声する。そして、2番通路における上記(1)〜(9)の動作が実行される。
そして、全ての通路によるピッキングが終了すると、コンテナ1は搬送ライン2,3,4へ送り出される。
【0036】
以上のように、ピッキングエリアA,B,Cにおいて、音声による応答・認識が行われることにより、ピッキング作業が実行される。
このような音声による応答・認識システムを使用することにより、
・ピッキング作業者Hはハンズフリーで作業でき、煩わしい端末操作から作業者Hを少しでも開放できる、
・ピッキングエリアA,B,C内における、生産性と安全性の向上に繋がる、
・無線方式を採用しているので、作業環境の異なる、単に液晶画面にピッキングデータを送信する(音声応答無し)無線端末機との共存が可能である、
・軽量なヘッドセット43と無線端末機47の組合せで作業性が向上し、また聞き漏らしがあっても、再生機能があり、また液晶表示器45に表示されることにより、ピッキングデータの確認を行うことができ、またバーコードリーダにより読み取るデータにより検品確認を行うことができる、
・ヘッドセット43と無線端末機47の追加のみで設備増設に対応可能で、拡張性に優れ、設備規模に影響されずソフト面のみで対応が可能で柔軟性に優れる、
・1通路に複数の作業者Hが存在しても、各作業者Hはそれぞれ各自のピッキング作業を行うことができ、作業者H単位で作業導線を決定できる、
・ピッキング作業のみでなく、入出庫全般に応用できる、
という効果を期待できる。
「検品コントローラ」
検品コントローラ65には、図10に示すように、設備コントローラ61より入力した、各ピッキングエリアA,B,Cでそれぞれピッキングされる、各店舗毎の商品コードおよびその数量からなるピッキング情報を記憶するピッキング情報メモリ81と、各ピッキングエリアコントローラ62,63,64(ラベラ駆動部76)より入力したコンテナ特定データ(店舗とコンテナ1に貼り付けられたラベルのバーコードからなるデータ)を記憶するコンテナ特定データメモリ82が設けられ、店舗特定部83と、検品データ形成部84と、コンテナ数判断部85と、データ形成部86と、音声合成エンジン87が設けられている。
【0037】
店舗特定部83は、バーコードリーダ51より検品ライン9により搬送されてくるコンテナ1より読み取られたバーコードを入力すると、このバーコードにより、コンテナ特定データメモリ82に記憶されたコンテナ特定データを検索して店舗を求め、この店舗のデータをラベラ52へ出力する。
【0038】
前記検品データ形成部84は、バーコードリーダ51より入力したバーコードにより特定されるピッキングエリアAまたはBまたはCと、店舗特定部83により求めた店舗により、ピッキング情報メモリ81を検索して、搬送されてきたコンテナ1に収納されている商品コードおよびその数量、すなわち検品データを求め、コンテナ1を特定するバーコードを付して自動検品装置53へ出力する。
【0039】
また前記コンテナ数判断部85は、ピッキング情報メモリ81に記憶された、各ピッキングエリアA,B,Cでそれぞれピッキングされる、各店舗毎の商品コードおよびその数量からなるピッキング情報より、各店舗毎にピッキングエリアA,B,Cでそれぞれピッキングが実行されるか否か(1個でもピッキングされる商品があるときピッキング実行と判断)を判断し、搬送されてくるコンテナ1の数を判定して記憶する。
【0040】
また前記データ形成部86は、自動検品装置53より、検品の結果として、バーコードが添付された「正常」あるいは「不足(不足した商品コードおよび数量を含む)」を入力すると、添付されたバーコードによりコンテナ特定データメモリ82に記憶されたコンテナ特定データを検索して店舗を求め、店舗の情報(正常または不足)として記憶し、またこの店舗のコンテナ数としてカウントする。そして、カウント値がコンテナ数判断部85に記憶されたこの店舗のカウントと一致するかを確認し、一致すると、この店舗のコンテナ1が全て正常なとき「店舗ナンバー」と「正常終了」を、不足があるとき「店舗ナンバー」「不足発生」を音声出力データとして音声合成エンジン87へ出力する。
【0041】
また自動検品装置53より、「不足」を入力すると、添付されたコンテナ1を特定するバーコードにより、ピッキングエリアAまたはBまたはCを求め、求めたピッキングエリアAまたはBまたはCのピッキングエリアコントローラ62または63または64の検品対応部79に対して、バーコードと不足データ(不足した商品コードおよび数量)からなる不足情報を出力する。
【0042】
また前記音声合成エンジン87には、ピッキングエリアコントローラの音声合成エンジン77と同じ機能が備えられており、予め各仕分け作業者Jが担当する店舗のナンバーと、各仕分け作業者Jに貸与された無線端末機47のナンバーが記憶されている。また音声合成エンジン87は、まずデータ形成部86より音声出力データを入力すると、このデータの「店舗ナンバー」により担当する仕分け作業者Jを検索し、検索した仕分け作業者Jにより無線端末機47のナンバーを検索する。そして、仕分け作業者Jへ音声で伝達するための情報として、音声出力データが正常のとき「正常終了−店舗ナンバー」の情報を合成し、不足のとき「不足発生−店舗ナンバー」の情報を合成し、検索した無線端末機47のナンバーを添付して送受信器48により送信する。
【0043】
上記構成の検品コントローラ65とピッキングエリアコントローラの検品対応部79による検品の動作を説明する。
まず、検品コントローラ65は、設備コントローラ61より入力した、各ピッキングエリアA,B,Cでそれぞれピッキングされる、各店舗毎の商品およびその個数からなるピッキング情報をピッキング情報メモリ81に記憶し、また各ピッキングエリアコントローラ62,63,64のラベラ駆動部76より入力したコンテナ特定データ(店舗とコンテナ1に貼り付けられたラベルのバーコードからなるデータ)をコンテナ特定データメモリ82に記憶する。またコンテナ数判定部85により各店舗毎のコンテナ数を求めて記憶する。
【0044】
そして、検品コントローラ65の店舗特定部83は、検品ライン9により搬送されてくるコンテナ1より、バーコードリーダ51によってバーコードが読み取られてそのバーコードを入力すると、このバーコードによりコンテナ特定データメモリ82を検索して店舗ナンバーを求め、この店舗ナンバーのデータをラベラ52へ出力する。ラベラ52はこの店舗ナンバーのデータに基いて店舗名を印刷したラベルを、前記バーコードが読み取られたコンテナ1へ貼りつける。
【0045】
また検品コントローラ65の検品データ形成部84は、バーコードリーダ51よりバーコードを入力すると、バーコードにより特定されるピッキングエリアAまたはBまたはCを求め、このピッキングエリアAまたはBまたはCと、店舗特定部83により求められた店舗ナンバーにより、ピッキング情報メモリ81を検索して、搬送されてきたコンテナ1に収納されている商品コードおよびその個数、すなわち検品データを求め、コンテナ1を特定するバーコード情報を付して自動検品装置53へ出力する。
【0046】
自動検品装置53は、検品データによる検品の結果、正常と判断すると、そのまま出荷エリアEへ搬送させ、「正常」をコンテナ1を特定するバーコードを付して検品コントローラ65のデータ形成部86へ出力し、また商品24が不足していると判断すると、分岐装置55を駆動してコンテナ1を待機ライン54へ分岐させ、不足した商品コードおよび数量からなる「不足」(の情報)を形成し、この「不足」をコンテナ1を特定するバーコードを付して検品コントローラ65のデータ形成部86へ出力する。
【0047】
検品コントローラ65のデータ形成部85は、「不足」の情報を入力すると、添付されたコンテナ1を特定するバーコードにより、ピッキングエリアAまたはBまたはCを求め、求めたピッキングエリアAまたはBまたはCのピッキングエリアコントローラ62または63または64の検品対応部79に対して、バーコードと不足データ(不足した商品コードおよび数量)からなる不足情報を出力する。
【0048】
またデータ形成部85は、自動検品装置53の「正常」または「不足」の情報を入力すると、添付されたコンテナ1を特定するバーコードによりコンテナ特定データメモリ82に記憶されたコンテナ特定データを検索して店舗を求め、店舗の情報(正常または不足)として記憶し、またこの店舗のコンテナ数としてカウントする。そして、カウント値がコンテナ数判断部85に記憶されたこの店舗のカウントと一致するかを確認し、一致すると、この店舗のコンテナ1が全て正常なとき「店舗ナンバー」と「正常終了」を、不足があるとき「店舗ナンバー」「不足発生」を音声出力データとして音声合成エンジン87へ出力する。
【0049】
音声合成エンジン87は、データ形成部86より音声データを入力すると、このデータの「店舗ナンバー」により担当する仕分け作業者Jを検索し、検索した仕分け作業者Jにより無線端末機47のナンバーを検索する。そして、仕分け作業者Jへ音声で伝達するための情報として、音声出力データが正常のとき「正常終了−店舗ナンバー」の情報を合成し、不足のとき「不足発生−店舗ナンバー」の情報を合成し、検索した無線端末機47のナンバーを添付して送受信器48により送信する。
【0050】
無線端末機47は、送受信器48より音声合成情報を受信すると、音声合成情報により添付された無線端末機ナンバーにより認識して自分宛の情報のとき、これら音声合成情報「正常終了−店舗ナンバー」または「不足発生−店舗ナンバー」を受話器41へ出力・再生して作業者Hへ音声で通知し、同時に液晶表示画面45に表示する。これにより、出荷エリアEの仕分け作業者Jは、担当する店舗のコンテナ1が正常に終了したか、不足が発生したことを認識できる。コンテナ1が正常に終了したとき、コンテナ1を移載した店舗別のカゴ車57をトラック等への搬入を実施し(出荷し)、不足が発生したとき、不足のコンテナ1が別途、運ばれてくるのを待つ(この店舗別のカゴ車57を保留しておく)。このように、仕分け作業者Jは、出荷前検品を行うことなく、音声による応答だけで、コンテナ1を移載した店舗別のカゴ車57をトラック等への搬入を実施できる(出荷できる)。
【0051】
また検品対応部79は、検品コントローラ65から不足情報を入力すると、第4メモリ74をコンテナ1のバーコードにより検索して作業者コードと店舗ナンバーを求め、第2メモリ72を、求めた作業者コードで検索して無線端末機ナンバーを求め、また不足情報の商品コードにより第1メモリ71を検索してこの商品が収納されている通路ナンバーと物品収納部26のロケーションを求め、求めた店舗ナンバー、通路ナンバーおよびロケーション、不足情報の数量からなる要求データを作成し、無線端末機ナンバーを添付して音声合成エンジン77へ出力する。
【0052】
音声合成エンジン77は、要求データの主旨である「商品不足」、要求データの「店舗ナンバー、通路ナンバー、ロケーション、数量」を音声で作業者Hへ指令データを伝達するための音声合成情報を合成し、無線端末機ナンバーを添付して送受信器48を介して無線端末機47へ送信する。
【0053】
無線端末機47は、送受信器48より音声合成情報を受信すると、音声合成情報により添付された無線端末機ナンバーにより認識して自分宛の情報のとき、これら音声合成情報「商品不足、店舗、通路ナンバー、ロケーション、数量」を受話器41へ出力して作業者Hへ音声で通知し、同時に液晶表示画面45に表示する。
【0054】
作業者Hは、この音声を確認すると、現在のピッキング作業を中断して、ピッキング作業を実行しているコンテナ1をローラコンベヤ31より外して、通路ナンバーのロケーション位置へ移動してこのロケーションの物品収納部26に収納されている商品24を指定された数量、取り出して、検品エリアDの待機ライン54へ搬送し、通知された店舗をラベルで確認してコンテナ1へ投入し、出願エリアEで待っているこの店舗の仕分け作業者Jへ渡す。
【0055】
このように、検品の結果、商品24が不足しているとき、この商品24をピッキングするはずのピッキング作業者Hに対して、不足情報が音声で通知され、通知された作業者Hは迅速に対応して不足した商品24を補充して、出荷エリアEへ渡す。
【0056】
また音声を確認した作業者Hが、「止まれ」と発声すると、無線端末機47は、送話器42から入力した作業者Hの発声情報を認識してこの認識した作業者発声情報で、「止まれ」を確認すると、この停止情報に自分の無線端末機ナンバー添付して送受信器48を介してピッキングエリアコントローラへ送信する。
【0057】
このピッキングエリアコントローラの検品対応部79はこの停止情報が不足情報を送信した無線端末機47であることを添付された無線端末機ナンバーにより確認すると、ローラコンベヤ31と搬送ライン2または3または4を停止する。よって不足した商品24を補充している間、ローラコンベヤ31が停止される。また、音声を確認した作業者Hが、「動け」と発声すると、同様に、開始情報が自分の無線端末機ナンバー添付して送受信器48を介してピッキングエリアコントローラへ送信され、検品対応部79によりローラコンベヤ31と搬送ライン2または3または4は再び駆動される。
【0058】
以上のように本実施の形態によれば、集品が終了したコンテナ1内の物品検品の結果、集品ミスにより商品24の不足が判明すると、この商品24の仕分け先であるピッキングエリアAまたはBまたはCのピッキングエリアコントローラ62または63または64に対して、不足した商品24とその数量および店舗ナンバーからなる「不足」の情報が出力され、ピッキングエリアコントローラ62または63または64はこの「不足」の情報に基づいて、直ちに、前記不足情報の商品24の集品を担当する作業者Hを求め、この作業者Hに対して無線端末機47を介して前記不足情報の商品24と数量および店舗を音声で伝達する。作業者Hはこの不足情報を聞くと、対処して、すなわち、すぐにこの不足情報の数量の商品24を集品して検品エリアDへ搬送することにより、迅速にピッキングミスによる商品不足状態を解消することができる。
【0059】
また本実施の形態によれば、検品コントローラ65は、自動検品装置53より「不足」の情報を入力すると、出荷エリア(仕分け領域)Eにおいて不足が発生したコンテナ1の仕分けを担当する仕分け作業者Jへ、上記音声端末装置を介して前記不足情報から求めた店舗ナンバーからなる「不足発生」の情報が伝達されることによって、出荷エリアEの仕分け作業者Jは、商品24が不足している店舗のコンテナ1が、検品エリアDで保留され、不足した商品24待ちであることを認識することができる。
【0060】
また本実施の形態によれば、不足情報が伝達されたピッキング作業者Hが、止まるようにと発声すると、無線端末機47は停止情報を送信し、この停止情報によりこのピッキングエリアのローラコンベヤ31と搬送ライン2または3または4が停止することによって、不足情報に基づいて商品24の再ピッキング、および搬送しているとき、コンテナ1の搬送を停止することができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、ピッキングエリアコントローラの第5メモリ75に、無線端末機47のナンバー毎に、ピッキング作業を実行する、通路ナンバー、ロケーション、数量からなる情報を記憶しているが、商品コードを付加して、通路ナンバー、ロケーション、商品コード、数量を記憶し、無線端末機47へピッキングデータを送信するとき、ロケーションと数量に加えて商品コード(あるいは商品コードに対応する商品名)を送信するようにしてもよい。このとき、ピッキング作業者Hに、ロケーションと数量を音声で伝達し、物品収納部23より取り出した商品24のバーコードをバーコードリーダで読み取り、入力した商品コード(あるいは商品名)と一致しているかを判断することで、検品を行うことができる。
【0062】
また本実施の形態では、ピッキングエリアA,B,Cでは、ピッキング棚21の物品収納部23から商品24のピッキング作業を行う構成としているが、パレットに積まれた商品24をピッキングする構成、自動倉庫の出庫口あるいは横出し口へ出庫されたコンテナやパレットから商品24をピッキングする構成などとしてもよい。
【0063】
また本実施の形態では、コンテナ1に集品された商品24の検品作業を自動検品装置53により行っているが、作業者が目視で検品を行うようにしてもよい。このとき、検品エリアDにコンピュータ端末機を配置して、検品データ形成部84により出力された検品データ、コンテナ1を特定するバーコードを表示画面に表示させて作業者に通知し、また作業者は、検品データによる検品の結果、正常と判断すると、そのまま出荷エリアEへ搬送させ、商品24が不足していると判断すると、コンテナ1を待機ライン54へ外し、不足した商品コードとその数量からなる不足データをコンテナ1を特定するバーコードとともに、キーボードにより検品コントローラ65の不足データ形成部85へ入力する。
【0064】
また自動検品装置53は、複数のカメラの撮像データにより検品を実行しているが、商品24にICタグが付けられているとき、このICタグが発信するデータを受信する複数の受信器を設けて、商品24を特定し、検品を行うようにすることも可能である。
【0065】
また本実施の形態では、出荷エリアEにおいて仕分け作業者Jがコンテナ1を仕分けしているが、自動で、ラベラ52によりコンテナ1に貼りつけられた店舗名を印刷したラベルに基づいてコンテナ1を判別して店舗別に仕分けるようにすることも可能である。
【0066】
また本実施の形態では、仕分け作業者Jは、ヘッドセット43と無線端末機47から構成される音声端末装置が支給されて携帯しているが、受信する音声受信情報を人へ音声で伝達する機能のみを有する音声受信装置を支給し、自動検品装置53の「不足」の情報に応じて、出荷エリア(仕分け領域)Eにおいて不足が発生したコンテナ1の仕分けを担当する仕分け作業者Jの音声受信装置へ、前記不足情報から求めた店舗ナンバーからなる「不足発生」の情報を音声受信情報として伝達するようにしてもよい。
【0067】
また本実施の形態では、検品の結果、不足が発生すると、担当したピッキング作業者Hが不足の商品24をピッキングして検品エリアDのコンテナ1まで搬送しているが、ピッキングした不足の商品24を他の作業者へ依頼して搬送してもらい、続けてピッキング作業に従事するようにすることもできる。
【0068】
また本実施の形態では、分岐装置55と待機ライン54を検品エリアDに設けて、商品24が不足しているコンテナ1を、分岐装置55を駆動して待機ライン54へ分岐させて保留しているが、分岐装置55と待機ライン54を出荷エリアEに設けて、商品24が不足しているコンテナ1を出荷エリアEで保留するようにしてもよい。
【0069】
また本実施の形態では、集品が終了したコンテナ1内の物品検品の結果、集品ミスにより商品24の不足が判明すると、前記「不足」の情報に基づいて、直ちに、不足情報の商品24の集品を担当する作業者Hを求め、この作業者Hに対して無線端末機47を介して前記不足情報の商品24と数量および店舗を音声で伝達しているが、各ピッキングエリアA,B,C毎に、「不足」の情報の商品24を集品する特定の作業者(ラインに沿ってピッキング作業を実行しているピッキング作業者H以外の作業者)を配置し、この特定の作業者に対して無線端末機47を介して前記不足情報の商品24と数量および店舗を音声で伝達するようにしてもよい。これによれば、ラインに沿ってピッキング作業を実行しているピッキング作業者Hはピッキング作業を中断して、不足情報の数量の商品24を集品して検品エリアDへ搬送することがなくなり、各ピッキングエリアA,B,Cにおける作業効率が改善される。
【0070】
また本実施の形態では、仕分け先を店舗別としているが、仕分け先をユーザー別、方面別、アイテム別、搬送トラック別などとしてもよい。
また本実施の形態では、集品容器としてコンテナ1を使用しているが、バケットやケースやダンボールなど、あるいは蓋付きのもの(封函可能なもの)を使用するようにしてもよい。
【0071】
また本実施の形態では、ピッキング棚21を流動棚としているが、必ずしも流動棚とすることはなく、単なる固定棚であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態における仕分け設備の構成図である。
【図2】同仕分け設備のピッキングエリアの構成図である。
【図3】同仕分け設備のピッキングエリアの要部側面図である。
【図4】同仕分け設備の出荷エリアの構成図、要部側面図である。
【図5】同仕分け設備の制御構成図である。
【図6】同仕分け設備の設備コントローラのピッキング情報動作説明図である。
【図7】同仕分け設備のピッキングエリアコントローラのブロック図である。
【図8】同仕分け設備のピッキングエリアコントローラのメモリの説明図である。
【図9】同仕分け設備のピッキングエリアコントローラの動作説明図である。
【図10】同仕分け設備の検品コントローラのブロック図である。
【符号の説明】
【0073】
A,B,C ピッキングエリア
D 検品エリア
E 出荷エリア
H ピッキング作業者
J 仕分け作業者
1 コンテナ
2,3,4 搬送ライン
6 検品ライン
11 ストレージライン
12 集品ライン
21 ピッキング棚
23 物品収納部
24 商品
31 ローラコンベヤ
32,52 ラベラ
43 ヘッドセット
47 無線端末機
48 送受信器
51 バーコードリーダ
53 自動検品装置
57 カゴ車
61 設備コントローラ
62,63,64 ピッキングエリアコントローラ
65 検品コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕分け先から送られる物品の要求情報に応じて各仕分け先毎の容器に物品を集品する集品領域と、前記集品領域より搬送される容器内の物品の検品を行う検品領域と、前記検品領域より搬送される容器を前記仕分け先毎に仕分ける仕分け領域を備えた仕分け設備であって、
前記集品領域において集品作業を行う集品作業者毎に、受信する音声受信情報を人へ音声で伝達し、かつ前記人の発する音声を認識してその音声認識情報を送信する音声端末装置を設け、
前記検品領域の検品結果による、物品と数量および物品が不足した容器の仕分け先からなる不足情報に応じて、この不足情報の物品を集品する集品作業者の音声端末装置へ、前記不足情報の物品と数量と仕分け先を音声受信情報として送信する集品管理装置を備えたこと
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記仕分け領域において仕分け作業を行う仕分け作業者毎に、受信する音声受信情報を人へ音声で伝達する音声受信装置を設け、
前記集品管理装置は、前記検品領域よりの前記不足情報に応じて、この不足情報の仕分け先の容器の仕分けを担当する仕分け作業者の音声受信装置へ、前記不足情報の仕分け先を音声受信情報として送信すること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記集品領域に前記集品する容器を搬送する搬送手段を設け、
前記不足情報を受信した音声端末装置は、止まるようにとの前記集品作業者の発声を認識すると停止情報を送信し、前記搬送手段が前記停止情報に応じて停止されること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の仕分け設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−36413(P2006−36413A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−216664(P2004−216664)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】