説明

位置ベースの通信制御システム

少なくとも一部において、通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する通信システムが開示される。第1の通信チャネルは、送信機を含む第1の通信端末に接続される。第2の通信チャネルは、受信機を含む第2の通信端末に接続される。距離決定機能が、第1の通信端末と第2の通信端末との間の距離を認識する。距離スケルチが距離を分析し、受信機によってメッセージを用いられることを阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に通信システムに関し、特に位置認識通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線ハンドヘルドラジオは、受信信号を認識するための十分な信号がある限り互いに通信する。いくつかのハンドヘルドラジオは、スケルチと称されるノブを用いて、受信信号に対する感度を調節することができる。低電力の受信信号は、スケルチによって除去されることができる。スケルチ機能は、ハンドヘルドラジオ間の距離ではなく信号強度と関連し、距離とはあまり関係がない。
【0003】
グローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信機を含む系列ラジオ(すなわちFRS帯域ラジオ又はGMRS帯域ラジオ)及び無線電話がある。これらのデバイスは、通信することも位置を判定することもできる。ほとんどの場合、位置認識機能と通信機能とは密接な関係はない。GPSを備えるいくつかの系列ラジオは、ラジオの位置を、近くにある他のラジオと通信することができる。緊急電話のコール中、緊急時応答者がコール者の位置を認識できるように、無線電話の位置が特定され、応答者に中継されることができる。
【0004】
最初の応答者間の通信を緊急者に限定することにより、干渉の無い効率的な通信が可能となる。スケルチ特徴は、より弱い信号から強い信号へアナログ通信を限定することができるが、十分に正確に限定することはできない。高いビルの中にいる緊急時応答者が、スケルチ特徴を用いてビル内に通信を限定しようとする場面を想定されたい。窓の近くにいる場合は、ほとんど妨害されずに遠くからの強い信号が受信されるだろうが、2階下にいる応答者は、非常に弱い信号しか受信できない。スケルチを調節することによって、何マイルも離れた人ではなく数階離れた人をフィルタすることができるだろう。
【発明の開示】
【0005】
(関連する特許出願)
本特許出願の特許請求の範囲は、本願の譲受人に譲渡され、参照することによって全ての目的のためにその全体に組み込まれた、2006年3月29日出願の“Location-based communication control system”と題された米国特許仮出願60/787,733号に対する優先権を主張する。
【0006】
本特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、参照することによって全ての目的のためにその全体に組み込まれた、2006年9月21日出願の“GEOGRAPHY-BASED FILTERING OF BROADCASTS”と題された米国特許出願11/534,065号に関連する。
【発明の概要】
【0007】
1つの実施形態において、本開示は、少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する方法を提供する。1つのステップにおいて、一方の通信端末が送信機を備え他方の通信端末が受信機を含む2つの通信端末間の距離が受信される。2つの通信端末のうちの1つからの、少なくとも部分的に距離に基づく通信リミットが受信される。距離が通信リミットを超えていると判定される。受信機は、送信機の通信を用いることを阻止される。通信リミットに従う他の複数の受信機で通信を用いることが許可される。
【0008】
別の実施形態において、本開示は、少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する通信デバイスを提供する。通信デバイスはプロセッサとメモリとを含む。プロセッサは、送信機からのメッセージを受信し、送信機への距離を取得し、予め定められた領域に関するプロセッサの位置に基づいてメッセージの配信を能動的に阻止するように構成される。メモリは、プロセッサに接続されている。
【0009】
また別の実施形態において、本開示は、少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する通信システムを提供する。通信システムは、2つの通信端末間の第1の距離を受信する手段と、2つの通信端末のうちの1つからの通信リミットを受信する手段と、第1の距離が第2の距離よりも大きいので通信リミットを超えていると判定する手段と、受信機が、送信機から受信機へ送られる通信を用いることを阻止する手段とを含む。一方の通信端末は送信機を含み、他方の通信端末は受信機を備える。通信リミットは第2の距離を含む。
【0010】
また別の実施形態において、本開示は、少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する通信システムを提供する。第1の通信チャネルは、送信機を含む第1の通信端末に接続されている。第2の通信チャネルは、受信機を含む第2の通信端末に接続されている。距離決定機能が、第1の通信端末と第2の通信端末との間の距離を認識する。距離スケルチが、受信機によるメッセージの利用を阻止するために距離を分析する。
【0011】
本開示の更なる応用可能な範囲が、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、様々な実施形態を示しているが、単に例示の目的のために意図されており、必ずしも本開示の範囲を限定するようには意図されていない。
【詳細な説明】
【0012】
本開示は、添付図面と関連して説明される。
【0013】
添付図面において、同様の構成要素及び/又は特徴が、同一の参照符号を有しうる。更に、同一タイプの様々な構成要素は、同様の構成要素を区別するダッシュ及び第2の符号を備える参照符号によって区別されうる。もし第1の参照符号のみが明細書内で用いられる場合、その説明は、第2の参照符号に関わらず同じ第1の参照符号を有する同様の構成要素の何れにも適用可能である。
【0014】
以下の説明は、好適で典型的な実施形態のみを提供し、本開示の範囲、応用性、又は構成を限定するようには意図されていない。好適で典型的な実施形態の以下の説明は、当業者に、好適で典型的な実施形態の実現を可能とする説明を提供する。構成要素の機能及び順序において、特許請求の範囲に記載されたような精神及び範囲から逸脱することなく様々な変形がなされうることが理解されている。
【0015】
以下の説明において、実施形態に対する完全な理解を提供するために、具体的な詳細が記述される。しかし、実施形態はこれら具体的な詳細なしにも実現されうることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、回路は、不必要な詳細によって実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図内に示されうる。他の例において、周知の回路、処理、アルゴリズム、構成、及び技法が、実施形態を不明瞭にしないために、不必要な詳細なしに示されうる。
【0016】
また、実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構成図、又はブロック図として示される処理として説明されうることが留意される。フローチャート又はフロー図は、動作を順次的な処理として説明するが、動作の多くは、並行して、又は同時に実行されることができる。加えて、動作の順序は並べ替えられることができる。処理は、動作が完了すると終了するが、図内に含まれない追加のステップ又はブロックを有することができる。処理は、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラム等と対応しうる。処理が関数に相当する場合、処理の終了は、呼出関数又はメイン関数への関数の戻りに対応する。
【0017】
更に、本明細書に記載したように、「記憶媒体」という用語は、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光ディスク記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、及び/又は情報を格納するためのその他の機械読取可能媒体を含む、データを格納するための1つ又は複数のデバイスを表すことができる。「機械読取可能媒体」という用語は、移動式又は固定式の記憶デバイス、光記憶デバイス、無線チャネル、及び、命令及び/又はデータを格納、包含、又は搬送することのできるその他様々な媒体を含むが、これらに限定されない。
【0018】
更に、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこれらの任意の組み合わせによって実現されうる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードで実現される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、例えば記憶媒体のような機械読取可能媒体に格納されることができる。プロセッサは必要なタスクを実行することができる。コードセグメント又は機械実行可能命令は、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、又は命令、データ構成やプログラム文の任意の組み合わせを表すことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、又はメモリコンテンツを
引き渡し、受け取ることによって、別のコードセグメント又はハードウェア回路と接続されうる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を介して渡されたり、転送されたり、送信されることができる。
【0019】
最初に図1を参照すると、通信システム100の実施形態のブロック図が示される。この実施形態において、位置が知られている多数のモバイル端末128がある。位置が知られていることによって、モバイル端末128の位置が、システム100内に存在していると知らされるか、又は決定されるものと意図される。モバイル端末128は、他のモバイル端末に対する位置と、他の基準とに基づいて他のモバイル端末と通信することができる。モバイル端末128は、位置を決定するために人工衛星132(例えばGLONASS、GPS、Galileo、EGNOS、Globalstar、IRIDIUM)を用いる。他の実施形態は、位置を決定するために、基地局120を用いた測距、又はその他周知の位置決め方法を用いることができる。いくつかの実施形態は、モバイル端末128、基地局120、及び/又はその他いくつかの場所において、モバイル端末の位置を決定する。
【0020】
位置が決定された場合には必ず、端末位置データベース108がモバイル端末128の位置を格納する。位置は2D又は3Dであることができる。座標、番地、階数及びその他の記述子が、端末位置データベース108内で用いられることができる。更に、いくつかの実施形態は、例えば毎時30マイルで165度前進するなど、未来の位置が推定されるように動作ベクトルを格納することができる。位置が変わるごとに、端末位置データベース108は最新に維持される。
【0021】
各モバイル端末128又はモバイル端末のグループは、対応するデータベース116内に格納された1つ又は複数のスケルチ基準を有することができる。スケルチ基準は、多数の方法によって指定されることができる。一般にスケルチ基準は、近くの無線端末の数、送信している無線端末に近く、該無線端末に向かって移動している無線端末、円形状エリア、球状エリア、顧客形状エリア、地理的境界線、及び/又は、移動経路を与えられ最初に到着しそうな無線端末であることができる。例えば無線端末は、近くの5つの他の無線端末と通信することができるが、その数は無線端末で調節されることができる。別の実施形態において、3マイルのエリア内にある他の無線端末で、送信している無線端末から離れる方へ移動していない無線端末は、送信している無線端末の送信グループ内の無線端末である。
【0022】
スケルチ基準データベース116は、基準が適用されるグループと除外されるグループとを定めることができる。例えば、市内に位置する仲間のオフィサーグループ内の全てのモバイル端末がメッセージを聞くことができる。サージェントはこの基準から除外され、位置に関係なく全てのメッセージを聞くことができる。モバイル端末は、現在の位置から定められた基準の外側にある他のモバイル端末と通信することができる。例えば、現場から5マイルより遠く離れた全ての無線端末は、応答しないように指示されることができる。
【0023】
スケルチ基準及び端末位置を知ることによって、システムコントローラ112は、特定の無線端末に関して端末をグループ化することができる。グループ化は、予め行われるか、メッセージ又は情報のストリームが配信域へ到着する時に行われることができる。無線端末128によるエリア及び/又はグループサイズの変更がシステムコントローラ112へ通信され、端末グループデータベース110を変更する。例えば無線端末は、半径3マイルの円形状エリアのスケルチ基準116を有する音声ブロードキャストを開始することができる。システムコントローラ112は、ブロードキャストを受信する関連する他のモバイル端末を識別するために、端末位置データベース108を参照するであろう。このグループは、更なるブロードキャストを容易にするために、端末グループデータベース110内に格納されるであろう。グループの更新は、定期的に実行されることができる。
【0024】
システムコントローラ112は、機能を実行するプロセッサとメモリとを含む。システムコントローラ112の機能は、ネットワーク及びシステムを介して配信される。この実施形態において、システムコントローラ112は、特定の地理的エリア又はネットワークに関する基地局120の全て又はいくつかをカバーするが、他のエリア又はネットワークのための他のシステムコントローラ112と通信することができる。
【0025】
この実施形態は、システムコントローラ112と基地局120とに接続された任意の数の基地局コントローラ111を含む。基地局コントローラ111は、データ及び会話を広域ネットワーク及び電話システムと通信するために用いられる。システムコントローラ112は、どの無線端末128が特定のメッセージを受信すべきかを、1つ又は複数の基地局コントローラ111に指示するであろう。他の実施形態において、グループ決定は、例えばシステムコントローラ112ではなく1つ又は複数の基地局コントローラ111において行われる。
【0026】
図2A、2B及び2Cを参照すると、無線端末128の実施形態の図が示される。各実施形態は、位置関連スケルチ選択204とスケルチ表示208とを有する。図2Aに示す無線端末の第1の実施形態128−1は、選択ボタン204で選択可能な1マイル、3マイル又は5マイルの3つのプリセット通信範囲を有する。図2Bに示す第2の実施形態128−2において、通信距離を拡大又は縮小するために2つのボタン204を用いることができる。第3の実施形態128−3では、グループ内に含まれる近くの無線端末を指定するためにグループサイズが選択可能である。表示208は、キーパッドを用いて入力される選択204を示す。
【0027】
次に図3Aを参照すると、端末マップ300−1の実施形態のブロック図が示される。端末マップ300は、通信端末128をそれらの地理的位置に従って示す。送信している通信端末128−1が選択できる2つの円形状スケルチエリア304がある。第1のスケルチエリア304−1は、第2のスケルチエリア304−2よりも小さい。スケルチが小さい方のエリア304−1に設定される場合、第2及び第3の通信端末128−2、128−3は、第1のエリア304−1内で第1の通信無線端末128−1からの送信を受信することができる。更に3つの通信端末128−4、128−5、128−6と通信可能であるためには、大きい方のスケルチエリア304−2が選択されなければならない。大きい方のスケルチエリア304−2は、受信機の数を2から5へ増加させる。
【0028】
図3Bを参照すると、端末マップの別の実施形態300−2のブロック図が示される。この実施形態は、3つのスケルチエリア304を有する。第1のエリア304−1は、ブロードキャストを受信する1つの通信端末128−2を含み、第2のエリア304−2は、4つの通信端末128−2、128−3、128−4、128−5を含み、第3のエリア304−3は、5つの通信端末128−2、128−3、128−4、128−5、128−6を含む。2つの通信端末128−7、128−8は何れのスケルチモードからも除外されているが、選択的に含まれることができる。スケルチがアクティブでない場合、8つの通信端末128−2、128−3、128−4、128−5、128−6、128−7、128−8全てとの通信が可能である。
【0029】
次に図3Cを参照すると、端末マップのまた別の実施形態300−3のブロック図が示される。この実施形態において、端末位置データベース108は、移動中の通信端末128に関する動作ベクトルも格納する。スケルチ閾値が円形状エリア304を定めることができるが、ブロードキャストしている通信端末128−1に向かって移動しているエリア304内の通信端末のみを含むように指定する。図示した例では、1つの無線端末128−5のみが、送信している端末128−1に向かって移動している。別の実施形態において、基準は、未来のある時点にエリア内にいるであろう全ての通信端末を指定する。例えば、第6の端末128−6はエリア304から出て行くところであり、第8の端末128−8はエリア304内にまもなく入るので、第6の端末128−6は除外され、第8の端末128−8は含まれるであろう。
【0030】
図3Dを参照すると、端末マップのまた別の実施形態300−4のブロック図が示される。この実施形態において、選択可能なエリアは異なる形状を有する。例えば、第1のエリア304−1は、送信している端末128−1から放射状に広がるエリアでありうるが、第2のエリア304−2は、行政区画マップによって定められる。第1の端末128−1は、近隣のオフィサーと連絡をとるために電話のプッシュトーク機能を用いることができるが、その後、行政区画内の全てのオフィサーへの通信を開始する。いくつかの場合では、メッセージは最初に小さい方のエリア内で送られ、もし応答がなければ、その後自動的に大きい方のエリアへ送られる。例えば遭難信号は、1人が応答するまで、どこまでもエリアを拡大して送られることができる。
【0031】
次に図3Eを参照すると、端末マップの実施形態300−5のブロック図が示される。この実施形態において、スケルチ基準はグループサイズによって指定される。例えば、最も近い3つの端末128−2、128−3、128−6が最初にグループに含まれることができる。端末上で制御を調節することによって、グループサイズは拡大又は縮小されることができる。システムコントローラ112は、選択されたサイズが変化するたびにグループを決定することができる。距離は、2次元又は3次元で測定されることができる。
【0032】
受信している端末の各々は、それぞれのスケルチ基準を有することができる。あるいは、それらは第1の端末と同様にグループに関して組織し、スケルチモードを開始することができる。例えば、もし第1の無線(radio)が近くにいるタクシーにコールすると、グループ内の全てのタクシーが第1の無線に応答することができるが、その他のタクシーは聞くことができない。第1の無線によって開始されたグループは、応答のために用いられるであろう。可能性のある応答者は、自分の無線のスケルチを予め設定された値に調節することによって、グループから抜けることができる。
【0033】
図4Aを参照すると、いくつかの位置ベースの基準に従って選択的に通信するための処理400−1の実施形態が示される。この実施形態において、いくつかの端末128は通信リミットから除外され、通信リミットは自動的に拡大されることができる。開示する処理の部分は、端末128が通信リミットを送るブロック404から始まる。システムコントローラ112が通信リミットを受信し、スケルチ基準データベース116内に格納する。これは、ブロードキャスト機能をスケルチすることができる端末128の全てに関して実行される。
【0034】
ブロック408で、システムコントローラ112は、端末128に関する位置情報を受信し、これらの位置を端末位置データベース108内に格納する。更新情報もまた、報告され格納される。この実施形態において、端末128が位置を決定し報告するが、他の実施形態は、端末の位置を基地局120で決定したり、基地局120と端末128とを併用した処理で決定したりすることができる。
【0035】
ブロック412では、リミットメッセージが受信される。このメッセージは、ファイル又はストリームとして送信されるデータ、ビデオ、及び/又はサウンドであることができる。例えばこれは、ウォーキー・トーキー音声送信であることができる。送信を受信する端末128のグループは、ブロック416で決定される。システムコントローラ112は、スケルチ基準データベース116及び端末位置データベース108と相談してグループを見つける。グループは、端末グループデータベース110内に格納されることができる。ブロック420で、メッセージはグループへ送られる。
【0036】
加えて、スケルチ基準データベース116は、任意の通信リミットから除外された、いくつかの端末128を示すことができる。これら除外された端末は、グループに含まれ、ブロック424でメッセージを送られるであろう。リミットメッセージがグループ内の端末128によって応答及び/又は受信されるかが判定される。例えばグループメンバーは、受信できなかったり、単に応答しないと判断したりする。ブロック432で応答がないと判定された場合、ブロック420へ戻る前に、ブロック440で端末グループはより多くのエリア又はメンバーを含むように拡大される。応答がある、又はメッセージを受信した端末がある場合、メッセージを送る処理は終了する。
【0037】
次に図4Bを参照すると、いくつかの位置ベースの基準に従って選択的に通信するための処理400−2の実施形態のフローチャートが示される。この実施形態は、図4Aと同様にブロック404、408、412、416及び420を含むが、ブロック420の後に終了する。リミットから除外された端末を有することは、グループの自動的な拡大と同様にこの実施形態によってサポートされない。
【0038】
図5を参照すると、通信を制限する通信システム500の実施形態のブロック図が示される。通信システム500は、少なくとも一部において、通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限することができる。通信システム500は、2つの通信端末間の第1の距離を受信する手段504と、2つの通信端末のうちの1つから通信リミットを受信する手段508と、第1の距離が第2の距離よりも大きいので、通信リミットを超えていると判定する手段512と、受信機が、送信機から受信機への通信を用いることを阻止する手段516とを含む。一方の通信端末は送信機を含み、他方の通信端末は受信機を備える。通信リミットは第2の距離を含む。
【0039】
開示された実施形態の様々な変形例及び改良例もまた用いられることができる。例えば無線端末は、有線であったり通常の移動式でなかったりすることができる。例えば1つの実施形態は、位置認識を備えるVOIP端末を有することができる。領域内又は送り手からの一定の距離内にある全てのVOIP端末にメッセージが送られることができる。別の実施形態において、送信機は、非常に多数の受信機によって受信されるテレビ信号を送ることができる。領域外、又は非常に遠くの受信機は、受信される信号を用いることができないであろう。いくつかの実施形態は、ブロードキャスト又はマルチキャストをスケルチすることを論じているが、他の実施形態は位置に基づいてシングルキャストをスケルチすることができる。
【0040】
本明細書に開示された技術は、様々な手段によって実現されうる。例えばこれらの技術は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせによって実現されうる。ハードウェアでの実現に関して、処理ユニットは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号プロセッサデバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明された機能を実現するように設計されたその他の電子ユニット、又はこれらの組み合わせにおいて実現されうる。
【0041】
ソフトウェアでの実現に関して、本明細書で説明された技術、処理、及び機能は、本明細書で説明された機能を実現するモジュール(例えば手順、関数等)を用いて実現されうる。ソフトウェアコードはメモリユニット内に格納され、プロセッサによって実行されうる。メモリユニットは、プロセッサ内に実装されるか、又はプロセッサに外付けで実装され、何れの場合にも、当業者によって知られている様々な手段によってプロセッサに接続され通信可能であることができる。
【0042】
本開示の原理は特定の装置及び方法と関連して本明細書で説明されたが、この説明は単に一例としてなされ、本開示の範囲の限定として説明されたのではないということが明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、通信システムの実施形態を示すブロック図を示す。
【図2A】図2Aは、無線端末の実施形態の図を示す。
【図2B】図2Bは、無線端末の実施形態の図を示す。
【図2C】図2Cは、無線端末の実施形態の図を示す。
【図3A】図3Aは、端末マップの実施形態のブロック図を示す。
【図3B】図3Bは、端末マップの実施形態のブロック図を示す。
【図3C】図3Cは、端末マップの実施形態のブロック図を示す。
【図3D】図3Dは、端末マップの実施形態のブロック図を示す。
【図3E】図3Eは、端末マップの実施形態のブロック図を示す。
【図4A】図4Aは、いくつかの位置ベースの基準に従って選択的に通信するための処理の実施形態のフローチャートを示す。
【図4B】図4Bは、いくつかの位置ベースの基準に従って選択的に通信するための処理の実施形態のフローチャートを示す。
【図5】図5は、通信を制限する通信システムの実施形態のブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する方法であって、
一方の通信端末が送信機を備え他方の通信端末が受信機を備える2つの通信端末間の距離を受信することと、
前記2つの通信端末のうちの1つから、少なくとも部分的に距離に基づく通信端末通信リミットを受信することと、
前記距離が、前記通信リミットを超えていると判定することと、
前記受信機が前記送信機の通信を用いることを阻止することと、
前記通信リミットに従う複数の他の受信機において前記通信を用いることを許可することと
からなる各ステップを備える方法。
【請求項2】
前記2つの通信端末間の距離を決定するステップを更に備える、請求項1に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項3】
前記第1の距離を決定するステップは、2つの通信端末のうちの少なくとも1つからの測距信号を用いる、請求項2に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項4】
前記第1の距離を決定するステップは、ジオ・ポジショニングを用いる、請求項2に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項5】
前記通信リミットは、少なくとも部分的に受信機の数に基づいている、請求項1に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項6】
前記通信リミットから除外されている第2の受信機が、前記通信リミットの外側にあっても前記通信を用いることを許可するステップを更に備える、請求項1に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項7】
前記受信機が応答しない場合、前記通信リミットを拡大するステップを更に備える、請求項1に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項8】
前記通信リミットは通信端末の周囲のエリアを定め、前記通信端末と、セル内の任意の他の通信端末との間の通信が許可され、全ての通信端末は前記エリア内にある、請求項1に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項9】
前記通信リミットは通信端末の数を定め、前記通信端末と他の任意の通信端末との間の通信は、前記通信リミットに達するまで、最も近い通信端末に関して許可される、請求項1に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項10】
前記通信リミットは通信端末の数を定め、前記通信端末と他の任意の通信端末との間の通信は、所与のストリートマップに早く到着しそうな通信端末に関して、前記通信リミットに達するまで許可される、請求項1に記載の通信端末間の通信を制限する方法。
【請求項11】
少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する通信システムであって、
送信機を備える第1の通信端末に接続された第1の通信チャネルと、
受信機を備える第2の通信端末に接続された第2の通信チャネルと、
前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間の距離を決定する距離決定機能と、
前記受信機によってメッセージが用いられることを阻止するために前記距離を分析する距離スケルチと
を備えるシステム。
【請求項12】
前記第1および第2の無線端末は無線で通信する、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項13】
前記第1の通信端末がセルラー電話である、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項14】
前記第1の通信端末がハンドヘルドラジオである、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項15】
前記第1および第2の無線端末は、ウォーキー・トーキーモードで動作し、他の無線端末へブロードキャストすることができる、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項16】
前記第1および第2の無線端末に関する位置が知られている、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項17】
前記メッセージがビデオを含む、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項18】
前記距離スケルチは前記メッセージが送信されることを阻止する、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項19】
前記距離決定機能は、前記第1および第2の通信端末の位置を知ることによって前記距離を決定する、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項20】
前記距離スケルチは、前記第1および第2の通信端末の何れからも離れて位置する、請求項11に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項21】
少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する通信デバイスであって、
プロセッサであって、送信機からのメッセージを受信し、送信機への距離を取得し、予め定められた領域に関する前記プロセッサの位置に基づいて前記メッセージの配信を能動的に阻止するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと
を備えるデバイス。
【請求項22】
前記通信デバイスが無線通信デバイスである、請求項21に記載の通信端末間の通信を制限する通信デバイス。
【請求項23】
前記メッセージが、複数の受信機へ向けられたマルチキャストメッセージである請求項21に記載の通信端末間の通信を制限する通信デバイス。
【請求項24】
前記予め定められた領域が通信におけるリミットである、請求項21に記載の通信端末間の通信を制限する通信デバイス。
【請求項25】
前記プロセッサは前記送信機から離れて位置する、請求項21に記載の通信端末間の通信を制限する通信デバイス。
【請求項26】
少なくとも一部において通信端末間の距離に基づいて通信端末間の通信を制限する通信システムであって、
一方の通信端末が送信機を備え、他方の通信端末が受信機を備える2つの通信端末間の第1の距離を受信する手段と、
前記2つの通信端末のうちの1つから、第2の距離を含む前記通信リミットを受信する手段と、
前記第1の距離が前記第2の距離よりも大きいために通信リミットを超えていると判定する手段と、
前記受信機が、前記送信機から前記受信機へ送られる通信を用いることを阻止する手段と
を備えるシステム。
【請求項27】
前記2つの通信端末間の前記第1の距離を決定する手段を更に備える、請求項26に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項28】
前記決定する手段は、前記第1の距離を認識するためにジオ・ポジショニングを用いる、請求項27に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。
【請求項29】
前記第2の距離を調節する手段を更に備える、請求項26に記載の通信端末間の通信を制限する通信システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−531959(P2009−531959A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502754(P2009−502754)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/037128
【国際公開番号】WO2007/111637
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】