説明

位置判定方法

【課題】GPSによる位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、物体の位置を特定すること。
【解決手段】物品検索装置100は、検索対象物が指定された場合に、検知記録データに基づいて、検索対象物が最後に検知された最終検知日時を判定し、最終検知日時および検知記録データに基づいて、最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定し、判定した物体の所有者のスケジュール表を基にして、検索対象物の位置を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物体に添付されたタグを検知した場合に、検知した物体および当該物体を検知した日時の情報を含んだ検知情報を記録する通信装置と通信を確立して、利用者に指定された検索対象となる物体の位置を判定する位置判定装置の位置判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が所有物を置き忘れた場合であっても、置き忘れた所有物の位置を特定可能とする各種の技術が考案され、実用化されている。例えば、GPS(Global Positioning System)機能を利用して所有物の位置を特定する技術や、所有物にICタグを添付しておき、位置の判明している複数のタグリーダを利用することで、所有物の位置を特定する技術等が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
なお、特許文献2では、GPSによる位置特定処理を行うことなく、撮像場所に関する情報を提示可能とするカメラが開示されている。この技術では、利用者がカメラにスケジュール(内容、日時、場所)を予め入力しておき、写真が撮影されると、撮影日時に対応するスケジュールを特定し、特定したスケジュールに含まれる場所を撮影場所として提示している。
【0004】
【特許文献1】特開2005−228292号公報
【特許文献2】特開2006−180284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、通常、物体(例えば、利用者の持ち物)の所在を検知する場合は、GPSを利用して位置情報を取得する手法や、固定設置されたタグリーダを用いる手法が利用されている。しかしながら、GPSを利用する手法では、GPS信号は屋内や地下では取得できないという問題があり、固定設置のタグリーダを利用する手法では、タグリーダを多数配置すると経費がかかり、現実的にはある程度の数のタグリーダしか配置できないため、局所的な範囲でしか適用できないという問題があった。
【0006】
すなわち、GPSによる位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、物体の位置を特定することが極めて重要な課題となっている。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、GPSによる位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、物体の位置を特定することができる位置判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この位置判定方法は、物体に添付されたタグを検知した場合に、検知した物体および当該物体を検知した日時の情報を含んだ検知情報を記録する通信装置と通信を確立して、利用者に指定された検索対象となる物体の位置を判定する位置判定装置の位置判定方法であって、前記位置判定装置は、前記検知情報および前記物体を所有する所有者の位置情報を記憶装置に記憶する記憶ステップと、前記利用者によって検索対象となる物体が指定された場合に、前記検知情報に基づいて、指定された物体が最後に検知された日時となる最終検知日時を判定する日時判定ステップと、前記最終検知日時および前記検知情報に基づいて、当該最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定する物体判定ステップと、前記物体判定ステップによって判定された物体の所有者と当該所有者の位置情報とを基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定する位置判定ステップと、を含んでいることを要件とする。
【0009】
また、この位置判定方法は、上記の位置判定方法において、前記記憶装置に記憶される所有者の位置情報は、日時および場所の情報を含んだ前記所有者のスケジュールであることを要件とする。
【0010】
また、この位置判定方法は、上記の位置判定方法において、前記物体判定ステップの判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された物体が複数存在する場合に、前記位置判定ステップは、複数の前記物体のうち、最終検知日時における場所がスケジュールに登録されている所有者の物体を選択し、選択した物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを要件とする。
【0011】
また、この位置判定方法は、上記の位置判定方法において、前記位置判定ステップは、前記最終検知日時に対応する前記検索対象となる物体の所有者の日時および場所の情報が前記スケジュールに登録されている場合には、当該検知対象となる物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを要件とする。
【0012】
また、この位置判定方法は、上記の位置判定方法において、前記タグが添付される物体は、位置が登録された固定設置の物体を含み、前記物体判定ステップの判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された各物体の中に、固定設置の物体が含まれる場合には、前記位置判定ステップは、当該固定設置の物体の位置を基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定することを要件とする。
【発明の効果】
【0013】
この位置判定方法は、検索対象物が指定された場合に、検知記録データに基づいて、検索対象物が最後に検知された最終検知日時を判定し、最終検知日時および検知記録データに基づいて、最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定し、判定した物体の所有者の位置情報(例えば、スケジュール、パソコンの使用履歴情報等)を基にして、検索対象物の位置を判定するので、GPS(Global Positioning System)による位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、検索対象物の位置を特定することが出来る。
【0014】
また、この位置判定方法は、最終検知日時と同じ日時に検知された物体が複数存在する場合に、複数の物体のうち、最終検知日時における場所がスケジュールに登録されている所有者の物体を選択し、選択した物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定するので、GPSによる位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、検索対象物の位置を特定することが出来る。
【0015】
また、この位置判定方法は、最終検知日時に対応する日時情報および場所の情報が、検索情報の所有者のスケジュールに含まれる場合には、かかるスケジュールから検索対象物の位置を判定するので、検索効率を向上させることが出来る。
【0016】
また、この位置判定方法は、最終検知日時によって生成された検知情報に、固定設置された物体が含まれる場合には、この固定設置された物体の位置を、検索対象物の位置として判定するので、検索処理を簡略化しつつ、正確に検索対象物の位置を特定することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る位置判定方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
まず、本実施例1にかかる位置検出システムの概要および特徴について説明する。図1は、本実施例1にかかる検索システムの概要および特徴を説明するための図である。同図に示すように、この検索システムは、通信装置50および物品検索装置100から構成されている。
【0019】
このうち、通信装置50は、IC(Integrated Circuit)タグセンサ(図示略)を利用して、各利用者の所有物(図1に示す例では、眼鏡、電卓、財布)に添付されたICタグを検知する。各ICタグには、物体を識別するための物品ID(Identification)が記録されており、通信装置50は、ICタグを検知した日時と、物品IDとを対応付けた検知記録データを生成する。
【0020】
なお、図1に示す例では、眼鏡10に添付されたICタグ15には、物品ID「F」が記録され、財布20に添付されたICタグ25には、物品ID「G」が記録され、電卓30に添付されたICタグ35には、物品ID「K」が記録されているものとする。
【0021】
また、通信装置50は、例えば、所有者に携帯されることで移動し、検知する物品IDの種別が変わるたびに、検知記録データに各情報を登録していく。例えば、初めに、通信装置50は、物品ID「F,G,K」を検知し、検知した物品ID「F,G,K」および検知した日時情報「2007年7月24日13時」を検知記録データに登録する。
【0022】
そして、検知される物品IDが、物品ID「F,G,K」から物品ID「G,K」に変化した場合(ここでは、物品ID「F」が検出されなくなった場合に)、検知記録データに物品ID「G,K」および日時情報「2007年7月24日13時30分」を登録する。このように、通信装置50は、検知する物品IDが変化するたびに、検知記録データに物品IDおよび日時情報を登録していく。
【0023】
物品検索装置100は、通信装置50と通信を確立して、検知記録データを取得し、検知記録データおよび物体の所有者のスケジュールデータを基にして、検索対象となる物体(所有物)の位置を検索する装置である。ここで、スケジュールデータは、図1に示すように、物体の所有者の日時情報と場所とを対応付けて記憶するデータである。
【0024】
例えば、物品検索装置100は、利用者から物品ID「F」の眼鏡10の検索要求を受け付けた場合には、検知記録データを基にして、物品ID「F」が最後に検知された日時(以下、最終検知日時)を判定する。図1の検知記録データに示す例では、物品ID「F」の最終検知日時は、「2007年7月24日13時」となる。
【0025】
続いて、物品検索装置100は、最終検知日時に、物品ID「F」と同時に検出された物品ID「G,K」を判定し、物品ID「G」あるいは物品ID「K」により識別される物体の所有者を特定する。ここでは、一例として、物品ID「G」(財布20)の所有者を「Aさん」とする。また、Aさんは、物品ID「F」(眼鏡10)の所有者と異なる所有者とする。
【0026】
そして、物品検索装置100は、最終検知日時と、Aさんのスケジュールデータとを比較し、最終検知日時に対応する場所を判定し、判定した場所を物品ID「F」(眼鏡10)の位置として利用者に通知する。図1に示す例では、物品検索装置100は、最終検知日時「2007年7月24日13時」は、Aさんの日時情報「2007年7月24日13時〜14時」に含まれるため、検索対象となった眼鏡10の位置を、「第1会議室」と判定する。
【0027】
このように、本実施例1にかかる検索システムは、物品検索装置100が、検索対象となる物体が指定された場合に、検知記録データに基づいて、指定された物体が最後に検知された最終検知日時を判定し、最終検知日時および検知記録データに基づいて、最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定し、判定した物体の所有者のスケジュールデータを基にして、検索対象となる所有物の位置を判定するので、GPS(Global Positioning System)による位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、物体(検索対象となる所有物)の位置を特定することが出来る。
【0028】
次に、図1に示した通信装置50の構成について説明する。図2は、通信装置50の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この通信装置50は、入力部51と、出力部52と、ICタグセンサー部53と、通信制御IF部54と、入出力制御IF部55と、記憶部56と、制御部57とを備えて構成される。
【0029】
このうち、入力部51は、各種の情報を入力する入力手段であり、入力ボタンなどによって構成される。出力部52は、各種の情報を出力する出力手段であり、ディスプレイやスピーカなどによって構成され、例えば、記憶部56に記憶された各種の情報を出力する。
【0030】
ICタグセンサー部53は、通信が可能な範囲に含まれるICタグ(例えば、図1参照)にアクセスし、ICタグに記憶された情報を取得する手段である。通信制御IF部54は、主に物品検索装置100との間における通信を制御する手段である。入出力制御IF部55は、入力部51、出力部52、ICタグセンサー部53、通信制御IF部54、記憶部56、制御部57によるデータの入出力を制御する手段である。
【0031】
記憶部56は、制御部57による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する記憶手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、検知記録データ56aを有する。
【0032】
この検知記録データ56aは、図1で説明したように、通信装置50が検知したICタグの物品IDおよび検知した日時情報を記憶するデータである。図3は、検知記録データ56aのデータ構造の一例を示す図である。同図に示すように、この検知記録データ56aは、各情報を識別するための検知履歴IDと、日時情報と、物品IDとを対応付けて記憶している。
【0033】
制御部57は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する制御手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、検知記録部57aおよび検知記録データ送信部57bを備える。
【0034】
ここで、検知記録部57aは、ICタグセンサー部53を制御して、定期的にICタグから物品IDを取得し、条件に応じて検知記録データ56aに、検知履歴ID、日時情報、物品IDを登録する手段である。
【0035】
具体的に、検知記録部57aの処理について説明する。検知記録部57aは、ICタグセンサー部53を制御して、物体のICタグに記録された各物品IDを取得し、取得した各物品IDと、検知記録データ56aに最後に登録された検知履歴IDの物品IDとを比較して、物品IDの種類が一致するか否かを判定する。
【0036】
そして、検知記録部57aは、物品IDの種類が一致しない場合に、ICタグセンサー部53から取得した物品IDと、この物品IDを検知した日時情報と、検知履歴IDとを検知記録データ56aに登録する。検知記録部57aは、タイマ(図示略)から日時情報を取得するものとする。なお、検知記録部57aは、検知記録データ56aに情報が記憶されていない場合(初期状態の場合)には、ICタグセンサー部53から取得した物品IDと、この物品IDを検知した日時情報と、検知履歴IDとを無条件で検知記録データ56aに登録する。
【0037】
例えば、図3に示す検知記録データ56aに検知履歴ID「1002」までのデータが記憶されている状況下において、検知記録部57aがICタグセンサー部53から物品ID「D,E,F」を取得した場合について説明する。
【0038】
この場合、検知記録部57aは、検知記録データ56aに最後に登録された検知履歴ID「1002」の物品ID「B,C,E,F」と、物品ID「D,E,F」とを比較すると、物品IDの種類が一致しないので、物品ID「D,E,F」と、物品ID「D,E,F」を検知した日時情報「2007年7月24日14時」と、検知履歴ID「1003」とを検知記録データ56aに登録する。
【0039】
図4は、通信装置50の位置と検知記録データ56aとの関係を説明するための図である。図4において、通信装置50(通信装置50を保持した利用者)は、(1)〜(8)の順に移動するものとする。また、図4に示す「A」〜「H」は、該当する物品ID「A」〜「H」を記憶したICタグが添付された物体を示す。
【0040】
具体的に、「A」は、パソコン、「B」は、本、「C」は、置時計、「D」は、机、「E」は、腕時計、「F」は、財布、「G」は、眼鏡、「H」は、部屋3のドア、「I」は、ペン、「J」は、眼鏡を示す。また、パソコンA、置時計C、机D、部屋3のドアHは、固定設置され、その他の物体は、物体の所有者と共に移動する場合がある。
【0041】
図4に示すように、通信装置50(検知記録部57a、以下同様)は、位置(1)において、物品ID「A,B,E,F」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1001」、日時情報「2007年7月24日13時」、物品ID「A,B,E,F」を登録する。
【0042】
通信装置50は、位置(2)において、物品ID「B,C,E,F」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1002」、日時情報「2007年7月24日13時30分」、物品ID「B,C,E,F」を登録する。
【0043】
通信装置50は、位置(3)において、物品ID「D,E,F」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1003」、日時情報「2007年7月24日14時」、物品ID「D,E,F」を登録する。
【0044】
通信装置50は、位置(4)において、物品ID「F」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1004」、日時情報「2007年7月24日14時30分」、物品ID「F」を登録する。
【0045】
通信装置50は、位置(5)において、物品ID「F,G,H」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1005」、日時情報「2007年7月24日15時」、物品ID「F,G,H」を登録する。
【0046】
通信装置50は、位置(6)において、物品ID「F,G,I,J」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1006」、日時情報「2007年7月24日15時30分」、物品ID「F,G,I,J」を登録する。
【0047】
通信装置50は、位置(7)において、物品ID「G,H」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1007」、日時情報「2007年7月24日16時」、物品ID「G,H」を登録する。
【0048】
通信装置50は、位置(8)において、物品ID「G」を検知し、検知記録データ56aに、検知履歴ID「1008」、日時情報「2007年7月24日16時30分」、物品ID「G」を登録する。このように、通信装置50が、(1)〜(8)の順に移動することによって、図3に示した検知記録データ56aが生成される。
【0049】
検知記録データ送信部57bは、記憶部56に記憶された検知記録データ56aを物品検索装置100に送信する手段である。
【0050】
次に、図1に示した物品検索装置100の構成について説明する。図5は、本実施例にかかる物品検索装置100の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この物品検索装置100は、入力部110と、出力部120と、通信制御IF部130と、入出力制御IF部140と、記憶部150と、制御部160とを備えて構成される。
【0051】
このうち、入力部110は、各種の情報を入力する入力手段であり、キーボードやマウス、マイクなどによって構成される。また、出力部120は、各種の情報を出力する出力手段であり、例えば、検索対象となる物体の情報等を表示する。
【0052】
通信制御IF部130は、主に通信装置50との間における通信を制御する手段である。入出力制御IF部140は、入力部110、出力部120、通信制御IF部130、記憶部150、制御部160によるデータの入出力を制御する手段である。
【0053】
記憶部150は、制御部160による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する記憶手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図5に示すように、物品リストテーブル150aと、検知記録データ150bと、スケジュールデータ150cと、検知物リスト150dとを有する。
【0054】
このうち、物品リストテーブル150aは、ICタグを添付された物体(物品)の各種情報を記憶するデータである。図6は、物品リストテーブル150aのデータ構造の一例を示す図である。同図に示すように、この物品リストテーブル150aは、物品IDと、物品登録名と、携帯フラグと、使用者名と、使用者IDと、設置位置とを対応付けて記憶している。
【0055】
このうち、携帯フラグは、該当する物体が固定設置された物体か携帯物(利用者が携帯する物体)かを示す情報である。具体的に、携帯フラグが「オン」の物体は、携帯物であることを示し、携帯フラグが「オフ」の物体は、固定物であることを示す。
【0056】
そして、使用者名は、物体の所有者を示し、使用者IDは、使用者を識別する情報である。また、設置位置は、固定設置された物体の位置情報を示す。
【0057】
検知記録データ150bは、通信装置50が検知したICタグの物品IDおよび検知した日時情報を記憶するデータである(図3参照)。この検知記録データ150bは、通信装置50から物品検索装置100に送信されたものが記憶装置150に記憶される。
【0058】
スケジュールデータ150cは、物体の各所有者のスケジュールを記憶するデータである。図7は、スケジュールデータ150cのデータ構造の一例を示す図である。同図に示すように、このスケジュールデータ150cは、各所有者(利用者)のスケジュール表を備えている。例えば、スケジュールデータ150cは、富士通太郎(使用者ID「U1003」)のスケジュール表151、中原花子(使用者ID「U1005」)のスケジュール表152、蒲田次郎(使用者ID「U1006」)のスケジュール表153を記憶している。
【0059】
検知物リスト150dは、最終検知日時に検知された物体の各種情報を記憶するデータである。図8は、検知物リスト150dのデータ構造の一例を示す図である。同図に示すように、この検知リスト150dは、検知履歴IDと、物品IDと、物品登録名と、使用者名と、使用者IDとを対応付けて記憶している。
【0060】
制御部160は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する制御手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、データ管理部160aと、検知物リスト生成部160bと、位置判定部160cとを備える。
【0061】
このうち、データ管理部160aは、記憶部150に記憶された物品リストテーブル150a、検知記録データ150b、スケジュールデータ150cを管理する手段である。例えば、データ管理部160aは、入力部110から物品リストテーブル150a、スケジュールデータ150cの更新データを取得した場合には、更新データによって物品リストテーブル150a、スケジュールデータ150cを更新する。また、データ管理部160aは、通信装置50から検知記録データを取得した場合には、取得した検知記録データを検知記録データ150bとして記憶部150に登録する。
【0062】
検知物リスト生成部160bは、検知物リスト150dを生成する手段である。具体的に、まず、検知物リスト生成部160bは、入力部110を介して利用者から検索対象となる物体(以下、検索対象物と表記する)の物品IDを受け付けた場合に、検索対象物の物品IDと、検知記録データ150bとを比較して、最終検知日時を判定する。
【0063】
例えば、検索対象物の物品IDが「F」の場合には、検知記録データ150bにおいて物品ID「F」が最後に検知された日時は、「2007年7月24日15時30分」となるので、最終検知日時は、「2007年7月24日15時30分」と判定される(図3参照)。
【0064】
そして、検知物リスト生成部160bは、最終検知日時と、検知記録データ150bとを比較して、最終検知日時に対応する物品IDを判定し、判定した物品IDと物品リストテーブル150aとを基にして、検知物リスト150dを生成する。例えば、最終検知日時が、「2007年7月24日15時30分」と判定された場合には、該当する物品リストは「F,G,I,J」となり、検知物リスト生成部160bは、図8に示すような検知物リスト150dを生成する。
【0065】
位置判定部160cは、検知物リスト150dを基にして、検知対象物の位置を判定する手段である。位置判定部160cは、検知物リスト150dに含まれる物品IDに応じて、第1の位置判定処理、第2の位置判定処理、第3の位置判定処理のいずれかを実行する。なお、各判定処理の優先度は、例えば、第1の位置判定処理>第2の位置判定処理>第3の位置判定処理となる。以下において、第1〜3の位置判定処理について説明する。
【0066】
(第1の位置判定処理)
位置判定部160cは、検知物リスト150dと、物品リストテーブル150aとを比較して、検知物リスト150dの物品IDに、固定設置の物品IDが含まれているか否かを判定し、固定設置の物品ID「例えば、物品ID「A、C、D、H」」のいずれか一つが含まれている場合に、第1の位置判定処理を実行する。
【0067】
位置判定部160cは、検知物リスト150dに含まれる固定設置の物品IDを検出し、検出した物品IDと物品リストテーブル150aとを比較することで、検索対象物の位置を特定する。例えば、検知物リスト150dに固定設置の物品ID「A」が含まれている場合には、検索対象物の位置は「部屋1」となる(図6参照)。
【0068】
(第2の位置判定処理)
位置判定部160cは、検知物リスト150dの物品IDに、固定設置の物品IDが含まれていない場合に、第2の位置判定処理を試みる。位置判定部160cは、検知対象物の物品IDと、検知物リスト150dとを比較して、検知対象物の使用者IDを判定し、判定した使用者IDとスケジュールデータ150cとを比較することで、検知対象物の所有者のスケジュール表を判定する。例えば、検知対象物の使用者IDが「U1003」の場合には、検知対象物の所有者のスケジュール表は、スケジュール表151となる。
【0069】
そして、位置判定部160cは、判定したスケジュール表と、最終検知日時とを比較して、最終検知日時に対応する日時および場所が、かかるスケジュール表に記憶されている場合に、第2の位置判定処理を実行する。例えば、検知対象物の所有者のスケジュール表がスケジュール表151の場合に、最終検知日時が「2007年7月24日15時〜2007年7月24日15時20分」あるいは、「2007年7月24日16時30分〜2007年7月24日17時30分」に含まれていれば、検知対象物の位置を特定できる。
【0070】
すなわち、位置判定部160cは、第2の位置判定処理において、検知対象物の所有者のスケジュール表と、最終検知日時とを比較することで、検知対象物の位置を特定する。例えば、検知対象物の所有者のスケジュール表がスケジュール表151であり、最終検知日時が「2007年7月24日15時20分」である場合には、検知対象物の位置は「川崎 R55」となる。
【0071】
(第3の位置判定処理)
位置判定装置160cは、第1、2の位置判定処理によって検知対象物の位置を特定することができない場合に、第3の位置判定処理を実行する。まず、位置判定部160cは、検知物リスト150dに含まれる物品IDの中から、検索対象物の物品ID以外の物品ID(例えば、検索を行った利用者ではない、他人の所有物の物品ID)を抽出する。
【0072】
そして、位置判定装置160cは、抽出した物品IDの使用者IDとスケジュールデータ150cとを比較することで、所有者(他人)のスケジュール表を抽出し、抽出したスケジュール表のうち、最終検知日時に対応する日時情報および場所を含むスケジュール表から、検知対象物の位置を特定する。
【0073】
例えば、検知対象物の物品IDが「F」であり、最終検知日時が「2007年7月24日15時50分」の場合に、第3の位置判定処理を行う場合について説明すると、位置判定部160cは、まず、検知物リスト150dから、物品ID「F」の使用者ID「U1003」以外の物品ID「I,J」を抽出し、抽出した物品ID「I,J」に対応するスケジュール表152,153を抽出する。
【0074】
そして、各スケジュール表152,153のうち、最終検知日時「2007年7月24日15時50分」に対応する日時情報および場所を有するスケジュール152を用いて、検索対象物の位置を特定する。最終検知日時「2007年7月24日15時50分」に対応する場所(検索対象物の位置)は、スケジュール表152より、「川崎 R62」となる。
【0075】
このように、位置判定部160cは、上述した第1〜3の位置判定処理のいずれかを実行することにより、検知対象物の位置を特定し、特定した位置の情報を出力部120に出力する。
【0076】
図9は、ディスプレイの画面例を示す図である。図9の左側は、検索画面の一例を示す図であり、図9の右側は、結果出力画面の一例を示す図である。検索画面が表示された場合に、利用者は、入力部110を介して、物品登録名および使用者を入力する。
【0077】
この場合、検知物リスト生成部160bは、物品登録名および使用者をキーにして、検索対象物の物品IDを判定し、上述した手法により、最終検知日時を判定し、検知物リスト150dを生成する。
【0078】
そして、位置判定部160cは、図9の右側に示す結果出力画面のように、検知対象物の位置のほかに、最終検知日時、検知物リスト150dの情報を出力部120に出力して、表示させても良い。
【0079】
次に、本実施例1にかかる物品検索装置100の処理手順について説明する。図10、図11は、本実施例1にかかる物品検索装置の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、物品検索装置100は、検索対象物を受付け(ステップS101)、検索対象物の最終検知日時を識別する(ステップS102)。
【0080】
そして、物品検索装置100は、最終検知日時に含まれる他の物品IDを識別し、検知物リスト150dを生成し(ステップS103)、検知物リスト150dに固定設置の物体の物品IDが存在するか否かを判定する(ステップS104)。
【0081】
固定設置の物体の物品IDが存在する場合には(ステップS105,Yes)、固定物の設置位置に基づいて、検知対象物の位置を特定し(ステップS106)、ステップS120に移行する。
【0082】
一方、固定設置の物体の物品IDが存在しない場合には(ステップS105,No)、検索対象物の所有者を識別し(ステップS107)、検索対象物の最終検知日時を含み、かつ場所が登録されている所有者のスケジュール表が存在するか否かを判定する(ステップS108)。
【0083】
検索対象物の最終検知日時を含み、かつ場所が登録されている所有者のスケジュール表が存在する場合には(ステップS109,Yes)、検索対象物の位置を所有者のスケジュール表を基にして特定し(ステップS110)、ステップS120に移行する。
【0084】
一方、上記条件を満たす所有者のスケジュール表が存在しない場合には(ステップS109,No)、検知物リスト150dから所有者のアイテム(物品ID)を除去し(ステップS111)、検知物リスト150dに他の物品IDが存在しているか否かを判定する(ステップS112)。
【0085】
物品検索装置100は、検知物リスト150dに他の物品IDが存在しない場合には(ステップS113,No)、位置検出エラーを回答する(ステップS114)。一方、物品検索装置100は、検知物リスト150dに他の物品IDが存在している場合には(ステップS113,Yes)、次の物品IDを選択し(ステップS115)、選択した物品IDの所有者を識別する(ステップS116)。
【0086】
そして、物品検索装置100は、検索対象物の最終検知日時を含み、かつ場所が登録されている所有者のスケジュール表が存在するか否かを判定し(ステップS117)、検索対象物の最終検知日時を含み、かつ場所が登録されている所有者のスケジュール表が存在する場合には(ステップS118,Yes)、検索対象物の位置を特定し(ステップS119)、検索対象物の位置を回答する(ステップS120)。
【0087】
一方、上記条件を満たす所有者のスケジュール表が存在しない場合には(ステップS118,No)、ステップS111に移行する。
【0088】
上述してきたように、本実施例1にかかる物品検索装置100は、検索対象物が指定された場合に、検知記録データに基づいて、検索対象物が最後に検知された最終検知日時を判定し、最終検知日時および検知記録データに基づいて、最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定し、判定した物体の所有者のスケジュール表を基にして、検索対象物の位置を判定するので、GPS(Global Positioning System)による位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、検索対象物の位置を特定することが出来る。
【0089】
また、本実施例1にかかる物体検索装置100は、最終検知日時によって生成された検知物リスト150dに、固定設置された物体が含まれる場合には、この固定設置された物体の位置を、検索対象物の位置として判定するので、検索処理を簡略化しつつ、正確に検索対象物の位置を特定することが出来る。
【0090】
また、本実施例1にかかる物体検索装置100は、最終検知日時に対応する日時情報および場所の情報が、検索対象物の所有者のスケジュール表に含まれる場合には、かかるスケジュール表から検索対象物の位置を判定するので、検索効率を向上させることが出来る。
【実施例2】
【0091】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例1以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0092】
(1)検索処理で利用するデータについて
また、上記の実施例1では、スケジュールデータ150cを用いて、検索対象物の位置を判定していたが、これに限定されるものではない。すなわち、各所有者に対する日時と場所を特定できる情報であれば、スケジュールデータ150c以外の情報を利用しても良い。例えば、設置位置が登録済みのパソコンの使用履歴データをスケジュールデータ150cの代わりに用いることが出来る。
【0093】
図12は、使用履歴データのデータ構造の一例を示す図である。同図に示すように、この使用履歴データは、パソコンID、設置位置、使用者名、使用者ID、ログイン日時、ログアウト日時を有する。図12の1段目では、「場所1」に設置されたパソコンID「P1001」のパソコンを、使用者ID「U1003」の使用者「富士通太郎」が、「2007年7月25日18時」〜「2007年7月25日19時」まで使用していたことが分かる。
【0094】
従って、物品検索装置100の位置判定部160cは、スケジュールデータ150cの代わりに、使用履歴データを利用することで、検索対象物の位置を特定することが出来る。例えば、位置判定部160cは、検知物リストに使用者「富士通太郎」の物品IDが含まれており、検索対象物の最終検知日時が、ログイン日時「2007年7月25日18時」からログアウト日時「2007年7月25日19時」に含まれていれば、検索対象物の位置を「場所1」と判定することが出来る。
【0095】
(2)システムの構成など
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部あるいは一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0096】
また、図2に示した通信装置50、図5に示した物品検索装置100の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部がCPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0097】
図13は、実施例1にかかる物品検索装置100を構成するコンピュータ40のハードウェア構成を示す図である。図13に示すように、このコンピュータ(物品検索装置)40は、入力装置41、モニタ42、RAM(Random Access Memory)43、ROM(Read Only Memory)44、記憶媒体からデータを読み取る媒体読取装置45、他の装置との間でデータの送受信を行う通信装置46、CPU(Central Processing Unit)47、HDD(Hard Disk Drive)48をバス49で接続して構成される。
【0098】
そして、HDD48には、上記した物品検索装置100の機能と同様の機能を発揮する検索プログラム48bが記憶されている。CPU47が、検索プログラム48bを読み出して実行することにより、検索プロセス47aが起動される。ここで、検索プロセス47aは、図5に示したデータ管理部160a、検知物リスト生成部160b、位置判定部160cに対応する。
【0099】
また、HDD48は、物品リストテーブル150a、検知記録データ150b、スケジュールデータ150c、検知物リスト150dに対応する各種データ48aを記憶する。CPU47は、HDD48に格納された各種データ48aを読み出して、RAM43に格納し、RAM43に格納された各種データ43aを用いて、検索対象物の位置を判定する。
【0100】
ところで、図13に示した検索プログラム48bは、必ずしも最初からHDD48に記憶させておく必要はない。たとえば、コンピュータに挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータに接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに検索プログラム48bを記憶しておき、コンピュータがこれらから検索プログラム48bを読み出して実行するようにしてもよい。
【0101】
上記の実施例1,2を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0102】
(付記1)物体に添付されたタグを検知した場合に、検知した物体および当該物体を検知した日時の情報を含んだ検知情報を記録する通信装置と通信を確立して、利用者に指定された検索対象となる物体の位置を判定する位置判定装置の位置判定方法であって、
前記位置判定装置は、
前記検知情報および前記物体を所有する所有者の位置情報を記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記利用者によって検索対象となる物体が指定された場合に、前記検知情報に基づいて、指定された物体が最後に検知された日時となる最終検知日時を判定する日時判定ステップと、
前記最終検知日時および前記検知情報に基づいて、当該最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定する物体判定ステップと、
前記物体判定ステップによって判定された物体の所有者と当該所有者の位置情報とを基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定する位置判定ステップと、
を含んでいることを特徴とする位置判定方法。
【0103】
(付記2)前記記憶装置に記憶される所有者の位置情報は、日時および場所の情報を含んだ前記所有者のスケジュールであることを特徴とする付記1に記載の位置判定方法。
【0104】
(付記3)前記物体判定ステップの判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された物体が複数存在する場合に、前記位置判定ステップは、複数の前記物体のうち、最終検知日時における場所がスケジュールに登録されている所有者の物体を選択し、選択した物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする付記2に記載の位置判定方法。
【0105】
(付記4)前記位置判定ステップは、前記最終検知日時に対応する前記検索対象となる物体の所有者の日時および場所の情報が前記スケジュールに登録されている場合には、当該検知対象となる物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする付記2または3に記載の位置判定方法。
【0106】
(付記5)前記タグが添付される物体は、位置が登録された固定設置の物体を含み、前記物体判定ステップの判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された各物体の中に、固定設置の物体が含まれる場合には、前記位置判定ステップは、当該固定設置の物体の位置を基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の位置判定方法。
【0107】
(付記6)物体に添付されたタグを検知した場合に、検知した物体および当該物体を検知した日時の情報を含んだ検知情報を記録する通信装置と通信を確立して、利用者に指定された検索対象となる物体の位置を判定する位置判定装置であって、
前記利用者によって検索対象となる物体が指定された場合に、前記検知情報に基づいて、指定された物体が最後に検知された日時となる最終検知日時を判定する日時判定手段と、
前記最終検知日時および前記検知情報に基づいて、当該最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定する物体判定手段と、
前記物体判定手段によって判定された物体の所有者と当該所有者の位置情報とを基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定する位置判定手段と、
を備えたことを特徴とする位置判定装置。
【0108】
(付記7)前記所有者の位置情報は、日時および場所の情報を含んだ前記所有者のスケジュールであることを特徴とする付記6に記載の位置判定装置。
【0109】
(付記8)前記物体判定手段の判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された物体が複数存在する場合に、前記位置判定手段は、複数の前記物体のうち、最終検知日時における場所がスケジュールに登録されている所有者の物体を選択し、選択した物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする付記7に記載の位置判定装置。
【0110】
(付記9)前記位置判定手段は、前記最終検知日時に対応する前記検索対象となる物体の所有者の日時および場所の情報が前記スケジュールに登録されている場合には、当該検知対象となる物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする付記7または8に記載の位置判定装置。
【0111】
(付記10)前記タグが添付される物体は、位置が登録された固定設置の物体を含み、前記物体判定手段の判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された各物体の中に、固定設置の物体が含まれる場合には、前記位置判定手段は、当該固定設置の物体の位置を基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする付記6〜9のいずれか一つに記載の位置判定装置。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上のように、本発明にかかる位置判定方法は、物体の位置を検索する位置検索システムなどに有用であり、特に、GPSによる位置取得やタグリーダの位置等の、絶対的位置が特定できる参照データを用いることなく、物体の位置を特定する必要がある場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本実施例1にかかる検索システムの概要および特徴を説明するための図である。
【図2】通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】検知記録データのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】通信装置の位置と検知記録データとの関係を説明するための図である。
【図5】本実施例にかかる物品検索装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】物品リストテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】スケジュールデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】検知物リストのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】ディスプレイの画面例を示す図である。
【図10】本実施例1にかかる物品検索装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。
【図11】本実施例1にかかる物品検索装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。
【図12】使用履歴データのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】実施例1にかかる物品検索装置を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
10 眼鏡
15,25,35 ICタグ
20 財布
30 電卓
40 コンピュータ
41 入力装置
42 モニタ
43 RAM
43a,48a 各種データ
44 ROM
45 媒体読取装置
46 通信装置
47 CPU
47a 検索プロセス
48 HDD
48b 検索プログラム
50 通信装置
51,110 入力部
52,120 出力部
53 ICタグセンサー部
54,130 通信制御IF部
55,140 入出力制御IF部
56,150 記憶部
56a 検知記録データ
57,160 制御部
57a 検知記録部
57b 検知記録データ送信部
100 物品検索装置
150a 物品リストテーブル
150b 検知記録データ
150c スケジュールデータ
150d 検知物リスト
160a データ管理部
160b 検知物リスト生成部
160c 位置判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体に添付されたタグを検知した場合に、検知した物体および当該物体を検知した日時の情報を含んだ検知情報を記録する通信装置と通信を確立して、利用者に指定された検索対象となる物体の位置を判定する位置判定装置の位置判定方法であって、
前記位置判定装置は、
前記検知情報および前記物体を所有する所有者の位置情報を記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記利用者によって検索対象となる物体が指定された場合に、前記検知情報に基づいて、指定された物体が最後に検知された日時となる最終検知日時を判定する日時判定ステップと、
前記最終検知日時および前記検知情報に基づいて、当該最終検知日時と同じ日時に検知された物体のうち、検索対象となる物体の所有者とは異なる他人が所有する物体を判定する物体判定ステップと、
前記物体判定ステップによって判定された物体の所有者と当該所有者の位置情報とを基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定する位置判定ステップと、
を含んでいることを特徴とする位置判定方法。
【請求項2】
前記記憶装置に記憶される所有者の位置情報は、日時および場所の情報を含んだ前記所有者のスケジュールであることを特徴とする請求項1に記載の位置判定方法。
【請求項3】
前記物体判定ステップの判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された物体が複数存在する場合に、前記位置判定ステップは、複数の前記物体のうち、最終検知日時における場所がスケジュールに登録されている所有者の物体を選択し、選択した物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする請求項2に記載の位置判定方法。
【請求項4】
前記位置判定ステップは、前記最終検知日時に対応する前記検索対象となる物体の所有者の日時および場所の情報が前記スケジュールに登録されている場合には、当該検知対象となる物体の所有者のスケジュールに基づいて前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする請求項2または3に記載の位置判定方法。
【請求項5】
前記タグが添付される物体は、位置が登録された固定設置の物体を含み、前記物体判定ステップの判定結果によって、前記最終検知日時と同じ日時に検知された各物体の中に、固定設置の物体が含まれる場合には、前記位置判定ステップは、当該固定設置の物体の位置を基にして、前記検索対象となる物体の位置を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の位置判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−163638(P2009−163638A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2549(P2008−2549)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】