説明

位置情報送信機設定システム、位置情報送信機及び位置情報送信機の設定方法、

【課題】位置情報送信機の位置データ又はPRN番号の設定作業の作業性を向上する。
【解決手段】設定用端末から複数の位置情報送信機に対して、応答を求める第1の信号を無線通信により送信し、第1の信号を受信した複数の位置情報送信機から設定用端末に対して、第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信し、第2の信号を受信した設定用端末から、第2の信号を送信した複数の位置情報送信機のうち特定の位置情報送信機との通信を確立するための第3の信号を、特定の位置情報送信機に対して、無線通信により送信し、特定の位置情報送信機との通信確立後に、設定用端末から特定の位置情報送信機に対して、特定の位置情報送信機の位置データを設定するための第4の信号を無線通信により送信することにより、位置データを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報送信機の設定に関し、特に無線により位置情報送信機の設定を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)衛星等の人工衛星から送信されてくる無線信号(衛星測位信号)を利用して測位を行うシステムは、屋内や地下街等の衛星測位信号を受信できないエリアにGPS受信機等の通信端末が入ると、測位精度が低下し、もしくは測位不能になってしまう。
【0003】
その解決策として、例えば、特許文献1には、屋内や地下街等の衛星測位信号を受信できないエリア内に、位置を示す情報である位置情報を、GPSで使用している周波数(例えば、中心周波数1.57542GHz)、変調方式(具体的には、BPSK(Binary Phase-Shift Keying))、多元接続方式(具体的には、ダイレクト・スペクトラム拡散方式のCDMA(Code Division Multiple Access))などと互換性のある信号(以下、「位置情報信号」と称する。)で発信する、位置情報送信機(屋内送信機)を設置し、携帯電話などの通信端末が、受信した位置情報信号から自身の現在位置を取得する技術が開示されている。また、特許文献2には、屋内送信機に無線I/Fを備えることにより、無線で屋内送信機の設定パラメータや位置データを変更することが開示されている。また、非特許文献1には、位置情報取得までに要する時間を短縮する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−278756号公報
【特許文献2】特開2009−85928号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】準天頂衛星システムユーザインタフェース部仕様書(IS―QZSS)1.0版付録 地上補完信号(IMES)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した位置情報信号を用いた測位では、衛星測位信号に基づく測位と異なり、通信端末は、複雑な測位計算を行わずに、受信した位置情報信号に含まれる位置をそのまま自身の現在位置とする。そのため、位置情報送信機は、必要な測位精度に応じた間隔で設置され、発信された位置情報信号が遠く離れた場所から検出されないように、出力の調整が行われる。例えば、位置情報送信機を10m間隔で設置する場合には、位置情報信号の検出範囲が半径10〜15m以内となるように出力が調整されるが、受信機の感度などによっては、それ以上の距離で信号が検出されることもある。
【0007】
このように、位置情報信号を用いた測位では、多数の位置情報送信機が近接して設置されるので、位置情報信号間の干渉を回避するために、近接する位置情報送信機の間では、スペクトラム拡散に用いる符号パターンを選択するPRN(Pseudo Random Noise)番号が重ならないようにすることが望ましいが、屋内で利用可能なPRN番号の数は10個程度に制限されている。
【0008】
そして、特許文献1に開示されているような衛星測位信号による測位と位置情報信号による測位とが可能な通信端末において、安定して通信端末の現在位置を取得できるようにするには、位置情報送信機を適切に設置した後に位置データやPRN番号などを設定する必要があるが、特許文献1にはこの設定方法について何ら開示していない。
【0009】
また、特許文献2にはその設定を無線で行うことが開示されているが、具体的な設定方法は明らかにされておらず、設置されている位置情報送信機に対して設定作業の作業性を考慮したものではない。
【0010】
そこで本発明は位置情報送信機の位置データ又はPRN番号の設定作業の作業性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。一例を挙げるならば 複数設置され、自身の位置を特定するための位置データを送信する位置情報送信機と、位置情報送信機に対して前記位置データの設定を行う設定用端末とを備えた位置情報送信機設定システムであって、設定用端末から複数の位置情報送信機に対して、応答を求める第1の信号を無線通信により送信し、第1の信号を受信した複数の位置情報送信機から設定用端末に対して、第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信し、第2の信号を受信した設定用端末から、第2の信号を送信した複数の位置情報送信機のうち特定の位置情報送信機との通信を確立するための第3の信号を、特定の位置情報送信機に対して、無線通信により送信し、特定の位置情報送信機との通信確立後に、設定用端末から特定の位置情報送信機に対して、特定の位置情報送信機の位置データを設定するための第4の信号を無線通信により送信することにより、位置データを設定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、位置データ又はPRN番号の設定作業の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】位置情報送信機を含んで構成される測位システムを説明するための図である。
【図2】位置情報送信機の動作原理を示した説明図である。
【図3】位置情報送信機の機能ブロック図である。
【図4】位置情報発信機の位置情報発信プログラムの処理フローチャートである。
【図5】通信端末の機能ブロック図である。
【図6】設定用端末の機能ブロック図である。
【図7】位置データの設定を行う際の処理フロー図である。
【図8】設定用端末の表示部を説明するための図である。
【図9】実施例2のPRN番号設定を行う際の処理フロー図である。
【図10】実施例2のPRN番号を自動選択する場合の設定用端末の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態につき図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
<位置測位システム>
図1は、本実施例の位置情報送信機を含んで構成される測位システムを説明するための図である。図1に示す本実施例の測位システムは、測位のための無線信号(衛星測位信号)を地上に向けて送信する複数の人工衛星1と、地上(屋内や地下街などを含む。)の1地点の位置データを含んだ測位信号である位置情報信号を発信する複数の位置情報送信機2と、人工衛星1及び位置情報送信機2からの測位信号に基づいて自身の現在位置を測位する携帯電話やカーナビゲーション等の通信端末3とを有する。また構造物4は衛星測位信号が届きにくい建物や地下街などを示している。本実施例では位置情報送信機2が屋内に設置されているものとして説明するが、高層ビル街など屋外であっても衛星からの衛星測位信号が届きにくい状況も考えられるため、このような場合においては位置情報送信機2を屋外に設置して使用することもできる。
【0016】
人工衛星1は、例えばGPS、ガリレオ測位システム(Galileo Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、準天頂衛星(Quazi-ZenithSatellites)システム等の測位システムにおける人工衛星である。なお、以下の説明では、人工衛星1はGPS衛星であるものとし、人工衛星1から送信される衛星測位信号は、例えば、L1 信号(1575.42MHz)やL2信号(1227.6MHz)などの、GPS信号であるものとする。
【0017】
人工衛星1から送られてくる衛星測位信号には、いわゆる航法メッセージが含まれている。航法メッセージは、例えば、全体で25個のフレームを含み、各フレームは5個のサブフレームを含み、各サブフレームは10ワードで構成され、1ワードは30ビットで構成される。各サブフレームは、例えば、衛星時計の補正情報、精密軌道情報(エフェメリス)、概略軌道情報(アルマナック)、電離層補正情報、UTC(Coordinated Universal Time)補正情報、人工衛星の健康情報等を含む。
【0018】
これらの航法メッセージは、人工衛星1ごとに割り当てられた固有の符号パターンで疑似ランダムノイズ符号(Pseudo Random Noise Code)にスペクトラム拡散され、所定の周波数帯域の搬送波にBPSK変調される。この疑似ランダムノイズ符号を生成するための個々の符号パターンに付された番号をPRN番号と呼び、それぞれの人工衛星1にはそれぞれ異なるPRN番号が割り当てられることから、このPRN番号は、人工衛星を識別したり測位信号の送信チャンネルを識別したりする番号としても利用される。つまり、スペクトラム拡散によって、複数の独立したチャンネルが構成される。
【0019】
位置情報送信機2から発信される位置情報信号は、人工衛星1から地上に向けて送信される衛星測位信号と互換性を有しており、衛星測位信号と同じ変調方式により同様のフレーム構成を有するデータが無線信号として発信される。また、位置情報送信機2から発信される位置情報信号にも人口衛星に割り当てられたPRN番号とは異なるPRN番号が割り当てられている。これにより衛星測位信号を受信して測位が可能な携帯電話等の通信端末3においては、ハードウェアの構成を変更することなく、位置情報送信機2からの位置情報信号に基づいて位置測位が可能である。
【0020】
ただし図1に示すように、位置情報送信機2が同じエリア内に多数設置されるにも関わらず、位置情報送信機2が使用可能なPRN番号の数は最大10個程度しかない。通常は10個以上の位置情報送信機2が設置されて使用されるため、有限個のPRN番号を複数の位置情報送信機2で共有して使用することになる。このとき、近い距離で同一のPRN番号が割り当てられた位置情報送信機2が設置されていると、これらの位置情報送信機2からの位置情報信号が干渉する虞があるため、これを 回避するために、同一のPRN番号が割り当てられた位置情報送信機はできるだけ距離を離して設置することとする。
【0021】
通信端末3は、例えば、GPS携帯電話やPND(Personal Navigation Device)、カーナビゲーションなど、人工衛星1や位置情報送信機2の測位信号を受信して自身の現在位置を測位する携帯通信端末であり、且つ、高精度なクロック部を持つ。
<位置情報送信機>
図2は、本実施例の位置情報送信機2の動作原理を説明する図である。衛星測位信号が受信できない屋内などの天井面には、必要な測位精度に応じた間隔で多数の位置情報送信機2が設置される。そして本実施例における位置情報送信機2は、図示してない少なくとも2つの無線インタフェース部を備えている。第1の無線インタフェース部21からは、位置情報送信機2の設置位置を示す位置データを含み、衛星測位信号と互換性がある位置情報信号が通信端末3に対して発信される。なお、この位置情報信号は特定の通信端末3に対して送信される信号ではなく、不特定多数の通信端末3に対して送信される無指向性の信号である。また、この第1の無線インタフェース部21は送信のみを行う無線インタフェース部であり、受信を行うことはできない。また29は後に詳述するが、表示部を示しており必要な情報が表示される。
【0022】
位置情報送信機2の第1の無線インタフェース部21から発信される位置情報信号は、PRN番号の符号パターンによってスペクトラム拡散され、所定周波数帯域の搬送波に変調されて発信される。例えば、位置情報送信機2の第1の無線インタフェース部21からは、それぞれPRN番号173の符号パターンでスペクトラム拡散(符号化)され、経度、緯度、高度を表す同一の位置データ(x1,y1,z1)を含む、位置情報信号PS1が発信される。
【0023】
通常は図1のように複数の位置情報送信機2が設置され、それぞれから位置情報信号が送信されるが、この場合、基本的には送信元からの距離が近いほど信号の受信強度が大きくなる。そこで、通信端末3は、受信したすべての位置情報信号の中で最大の受信強度をもつものを1つだけ選択して、選択した位置情報信号に含まれる位置データ(x1,y1,z1)を自らの位置であるとして測位する。つまり、人工衛星1からの衛星測位信号に基づく位置測位のように、複数の測位信号に基づいて正確に自らの位置測位を行う方法と異なり、近くに存在する位置情報送信機2の位置データを知ることで、この位置データを自らの位置と擬制することでより簡易に測位を行う。したがって、この方法で測位精度を向上させるためには、より短い距離間で位置情報送信機2を設置することが必要となる。
【0024】
上記したように第1の無線インタフェース部21は信号の送信を行うインタフェースであり、受信を行うことができない。そして、位置情報送信機2には自身の設置位置を特定するための位置データ、あるいは上記したPRN番号を設定する必要があるが、第1の無線インタフェース部21によっては設定を行うことができない。そこで、本実施例の位置情報送信機2は、これらの設定を行うための図示していない第2の無線インタフェース部22を備えることとしている。詳細は後述するが、第2の無線インタフェース部22は設定用端末からの無線信号を受信するだけでなく、設定用端末に対して応答信号を送信するため、無線信号の送受信を行うことができるインタフェースである。
【0025】
なお、第2の無線インタフェース部22の受信部は設定用端末からの無線信号を受信して、位置情報送信機2の設置位置を示す位置データやPRN番号の他に、第1の無線インタフェース部からの送信信号の電波強度、偏波、あるいは、中心周波数やアンテナの指向性などのパラメータを設定する役割がある。
【0026】
図3は、本実施例の位置情報送信機2の構成を示した機能ブロック図である。
位置情報送信機2は上記した設置場所を通信端末3に対して送信するための第1の無線インタフェース部21、設定用端末からの位置データやPRN番号の設定を行うための信号を送受信するための第2の無線インタフェース部22を備えている。また、RAM(Random Acsess Memory)23は位置情報送信機2の設置場所を示す位置データ231(緯度x1、経度y1、高度z1)、境界フラグ232、PRN番号233、位置情報発信プログラム234などを記憶する記憶部である。
【0027】
境界フラグ232は、位置情報送信機2が、屋外と屋内との境界付近に設置されていることを示す情報(境界エリア情報)であり、通信端末3において、自身の相関器のそれぞれに衛星測位信号と位置情報信号のいずれを受信させるか(動作モード)を設定するために用いられる。境界フラグ301の値は、例えば、図1における構造物4の出入口付近に設置された位置情報送信機2については「1:オン」に設定され、構造物4内の他の位置情報送信機2については「0:オフ」に設定される。
【0028】
位置情報送信機の設置後に、記憶部23は後に説明する設定用端末300からの信号により位置データ231やPRN番号233が設定される。あるいは、保守時には記憶されている位置データ等が書き換えられる場合もある。ここでは、位置データ231、境界フラグ232、PRN番号233が設定されているものとして説明する。
【0029】
データ生成部24は記憶部23に記憶されている位置情報発信プログラム234を実行することで第1の無線インタフェース部21に送る位置情報信号の源泉となる送信ビットストリーム信号を生成する。
図4は、データ生成部24によって実行される位置情報発信プログラム234の処理フローチャートである。なお、以下の説明において、符号の前に付した「S」の文字はステップを意味する。データ生成部24は、まず始めに、記憶部23から位置情報信号に含ませる位置データ231を取得する(S411)。次に、データ生成部211は、取得した位置データ231を含んだ位置情報メッセージを生成し(S412)、生成した位置情報メッセージを図示しないサブフレームに格納する(S413)。
【0030】
次に、データ生成部24は、位置情報メッセージを格納したサブフレームから成る航法メッセージを、記憶部23に設定されているPRN番号に該当する符号パターンによってスペクトラム拡散して送信ビットストリーム信号を生成し(S414)、生成した送信ビットストリーム信号を第1の無線インタフェース部21に送る(S415)。送信ビットストリーム信号を受信した第1の無線インタフェース部21はこの信号を送信ビット列記憶部211に格納する。
【0031】
第1の無線インタフェース部21は、送信ビット列記憶部211、変調波生成部212、搬送波生成部213、BPSK変調部214を備えて構成されている。送信ビット列記憶部は上記した通りデータ生成部24から送られた送信ビットストリーム信号を記憶している。また、変調波生成部212においては、クロック部25で生成されたクロック信号から1.023MHzの変調波を生成する。また、搬送波生成部213においては、クロック部26で生成されたクロック信号から衛星測位信号に利用される中心周波数1.57542GHzの搬送波を生成する。
【0032】
クロック部25は、例えばTCXO(Temperature Compensated crystal Oscillator:温度保証型水晶発振器)やOCXO(Oven Controlled crystal Oscillator:恒温槽型水晶発振器)等の発振器を含み、搬送波又は変調波を生成するためのクロック信号(例えば20Mhz)を生成する。搬送波や変調波は上記した位置情報信号を生成するために用いられる。
【0033】
BPSK変調部214においては、変調波に応じて送信ビット列記憶部211に記憶された送信ビット列を1ビットずつ読み出し、搬送波の位相を切り替えるBPSK変調を実行して、PRN番号233に応じたスペクトラム拡散信号の符号パターンにより符号化されて位置データ231を含む位置情報信号が生成される。このようにして生成された位置情報信号は、アンテナ40から所定の周期で繰り返し発信される。位置情報信号はGPS衛星からの衛星信号と互換性を有しており、通信端末3においては、ハードウェア構成を変えることなく、衛星信号を受信して位置測位を行うのと同様に、位置情報信号を受信して位置測位を行うことができる。
【0034】
電源26は位置情報送信機の各部に電力を供給する。この電源26は位置情報送信機2に内蔵されていてもよいし、外部からの電源を供給するようにしてもよい。操作部27は、位置情報送信機2に対して操作入力を行うためのユーザインタフェース部であり、例えば、操作ボタンやスイッチである。操作部23にユーザが操作を行った場合には、操作部からの信号が制御部28に送られる。なお、制御部28はCPU281を備えており、位置情報送信機2の制御を司っている。例えば記憶部23に記憶された位置データは制御部28によりデータ生成部24に送られる。また、29は表示部であり、位置情報送信機2の操作入力や動作状態の確認などに必要な、各種情報を表示するためのユーザインタフェース部である。表示部29は例えば、液晶モニタやLED(Light Emitting Diode)である。この表示部の動作については後で詳述する。
【0035】
PRN番号233はそれぞれの位置情報送信機2に設定されており、このPRN番号に応じてスペクトラム拡散の符号パターンの符号化がなされ、第1の無線インタフェース部21において位置情報信号が生成される。このPRN番号233は例えば、非特許文献1に記載されているIndoor Messaging Systemでは173〜182の10個の番号(チャンネル)が利用可能となっており、近接する他の位置情報送信機2との信号の干渉が発生しないように、上記した10個から選択して設定される。
<通信端末>
次に、本実施例の位置情報送信機2から発信される位置情報信号を受信して自身の現在位置を測位する通信端末3の詳細について説明する。通信端末3は、例えば、GPS受信装置やGPS測位機能が搭載された携帯電話機などの携帯通信端末である。
図5は、本実施例の測位を行う通信端末3の機能を簡単に説明するための図である。通信端末3は位置情報送信機2の第1の無線インタフェース部21のアンテナ215から送信された位置情報信号を受信する無線インタフェース部31を備えている。無線インタフェース部31はアンテナ30で受信した位置情報信号を4MHz〜20MHzほどの周波数にダウンコンバートするダウンコンバート部311を備える。また、ダウンコンバートされた信号は復調部312によって、クロック部32から入力されるクロック信号を用いて、復調(BPSK復調)した信号を生成する。この生成された復調した信号はA/D変換部313において量子化され受信ビットストリーム信号が生成される。
【0036】
なお、クロック部32は、CPU331を動作させるためのクロック信号、復調部312の復調動作に必要なクロック信号(例えば1.023MHz)を生成する。クロック部32は、例えばTCXO(温度保証型水晶発振器)やOCXO(恒温槽型水晶発振器)等の高精度な発振器を含む。
【0037】
相関部314は、並列動作可能(異なるPRN番号に対応する複数のチャンネルを同時にトラッキング可能)な不図示の複数の相関器を備える。各相関器にはそれぞれが復調するPRN番号を個別に設定することができる。各相関器は、A/D変換部313から入力される受信ビットストリーム信号をPRN番号から生成された復号のための符号パターンによって復号する。つまり、この相関部314により位置情報信号がいずれのPRN番号に応じて符号化されたのか発見し、復号することができる。この復号結果はベースバンド処理部33に送られる。
【0038】
ベースバンド処理部33は、CPU331と記憶部332とを備える。CPU331は、記憶部332に格納されている各種プログラムをロードして実行することによって、通信端末3の種々の機能を具現化する。上記した位置情報信号の処理は測位処理プログラムが実行されて行われる。測位処理プログラムは自機の現在位置を取得する測位処理機能を実行させるためのプログラムである。
【0039】
ベースバンド処理部33は、復号された受信ビットストリーム信号からプリアンブル201やペイロード203を取得する。そしてペイロード203から位置データ231や境界フラグ232を取得する。この位置データ231は位置情報送信機2の設置位置を示したデータであるが、本実施例の測位方法ではこの位置データを通信端末3の位置として測位する。したがって、ベースバンド処理部33は現在の位置として取得した位置データを表示部34に表示する。
<位置情報送信機の設置・設定>
以上、説明した通り図1のシステムにおいては、人工衛星1および位置情報送信機2から送信される位置情報信号を、通信端末3が受信することで、位置測位を行うことができる。このとき、位置情報送信機2に登録する位置情報を正確に設定することが必要である。また、通信端末3が安定に位置情報を受信できるように、位置情報送信機2の送信電力を調整することも必要である。通常、位置情報送信機2は、建物の天井、壁等に設置することになるため、受信機である携帯電話などの通信端末3までの距離を想定して、通信端末3での受信電力がある範囲に収まるように送信電力を調整する必要がある。
【0040】
位置情報送信機2を設置する工事では、現場で設置の判断が行われるため、設置環境により、あらかじめ計画された設置場所とは異なる位置に設置される場合がある。このため、設置工事現場で位置情報送信機2を設置後に位置データ等の設定や設定の変更、あるいは調整を容易とすることが必要となる。ここで、本実施例においては、位置データ等の設定を容易にするために位置情報送信機2に無線インタフェース部22を設けている。第2の無線インタフェース部22を用いた位置データ、PRN番号の設定方法、あるいは、システムについて説明する。
【0041】
図6に設定用端末300のブロック図を示す。設定用端末300は、通信端末3と同様に位置情報送信機2から送信される位置情報信号を受信する第1の無線インタフェース部81を備えている。この第1の無線インタフェース部81はアンテナ91を介して信号の受信のみを行うインタフェース部である。そして、位置情報送信機2の第2の無線インタフェース部22との信号の送受信を行う第2の無線インタフェース部82を備える。この第2の無線インタフェース部82により後で説明するように設定用端末300との無線信号の送受信が行われ、位置データ等の設定を行うことが可能となる。また83は作業者が操作する操作部であり、ここで操作した信号が制御部89に送られ、制御部により操作内容が実行される。また、第2の無線インタフェース部82の信号の外部との信号の送受信はアンテナ84により行われる。85は表示部であり、外部からの信号の情報や作業者が操作するために必要な情報が表示される。86は外部から送信される信号の電波強度を計測する電波強度計測部である。90は設定を行う位置情報送信機2を自動で選択する送信機自動選択部である。また87は時計であり、この時刻情報は記憶部88に記憶される。
【0042】
次に図7を用いて位置情報送信機2を設置した後の位置データの設定の手順について説明する。図7は、図1に示すように建物内に複数の位置情報送信機2が設置された後に初期設定を行う状況であり、いくつかの位置情報送信機2には既に位置データが設定されており、その他の未設定の位置情報送信機2に対して設定を行っているものとする。まず、設定をしたい位置情報送信機2の近傍に設定用端末300を持ち、スイッチを入れることで第2の無線インタフェース部82による送受信が可能となる状態とする。 位置情報送信機2は、設置した段階で電源が接続されており、第2の無線インタフェース部22は受信状態となっているため、初期設定を開始することができる。
【0043】
まず、設定用端末300を持つ作業者(例えば設置業者)は、操作部83を操作することにより、接続のための信号S1を第2の無線インタフェース部82からアンテナ84を介して送信する(S1101)。この信号S1は不特定の位置情報送信機2に対して応答を求めるために送られる信号であり、したがって複数の位置情報送信機2に対して送られるようにする。つまり、信号S1は不特定の位置情報送信機2に対して「誰かいますか?」という意味をもつ。そして上記したように信号S1が不特定の複数の位置情報送信機2に対して送られるようにすることにより、作業者は特定の位置情報送信機2を選ぶことなく、楽に初期設定を行うことができる。つまり、特定の位置情報送信機2に対して送信する信号であれば、特定の位置情報送信機2の方向に向けて設定用端末300を持って操作しなければならず、設定用端末の位置がずれて通信できなくなる虞があるからである。本実施例においては信号S1を不特定の複数の位置情報送信機2に対して送信される信号とすることにより、設定用端末300の位置がずれたとしても、信号の電波にある程度の幅があることから通信することが可能であり、位置データの設定作業を容易に行うことができる。
【0044】
つまり、信号S1はある1点の方向に対してのみ電波強度の強い指向性を持つ電波ではなく、一定の範囲の方向において指向性を有した電波であるといえる。あるいは、全ての方向に対して同一の電波強度になる、いわゆる、無指向性の電波であってもよい。
【0045】
次に信号S1を受信した位置情報送信機2は第2の無線インタフェース部22からアンテナ41を介して応答信号S2を送信する(S1102)。応答信号S2は設定用端末300に対して送られる信号S1に応答する信号である。信号S1を受信する位置情報送信機2は一つとは限らないため、複数の位置情報送信機2から応答信号S2が送信されることになる。つまり応答信号S2は「私がいます」という意味を持つ。なお、位置情報送信機2からの応答信号S2も信号S1と同様に一定の範囲で指向性を有した電波、あるいは、無指向性の電波であることが望ましい。特定の方向に対してのみ指向性を有する電波の場合には位置情報送信機2からの応答信号が送られた場合に、指向性のずれから応答信号を受信することができず、通信が確立しているかどうかが分からないという問題がある。本実施例においては、この通信確立を一定の範囲の指向性(あるいは無指向性)の電波で行うことにより、通信確立をより信頼性を高く行うことが可能となる。
【0046】
そして設定用端末300の第2の無線インタフェース部82は設置された複数の位置情報送信機2から複数の応答信号S2を受信する(S1103)。設定用端末300においては、応答信号S2の電波強度を計測する電波強度計測部86を備えており、これにより計測した全ての位置情報送信機2からの応答信号S2の電波強度を計測している。このように計測された電波強度は設定用端末300の表示部85に表示される。
【0047】
図8は設定用端末300の構造を簡単に説明するための図である。85は表示部であり第2の無線インタフェース部からの信号が表示部に送られ、表示部85に位置情報送信機2からの応答信号S2の内容が表示される(S1104)。図8に示すように電波強度計測部86で計測された応答信号S2の電波強度の信号は制御部89に送られて表示部85に表示される。また、電波強度計測部86からの信号は送信機自動選択部90においては、電波強度の最も強い応答信号S2を送信した位置情報送信機2を選択して(S1105)、この送信機自動選択部90からの信号が制御部89に送信される。そして制御部89において通信を確立するための応答信号S3(ACK信号)を選択した位置情報送信機2に対して第2の無線インタフェース部82を介して送信する(S1106)。このように強い電波強度の応答信号S2を送信する位置情報送信機を選択することにより、通信確立の信頼性を向上することができる。電波強度が弱いと、受信することができない、あるいは、受信してもデコードすることができない虞があるからである。
【0048】
次に応答信号S3を送信して通信確立する位置情報送信機2の別の選択方法について説明する。応答信号S2の内容には、位置情報送信機2の無線ID及び位置データ(緯度、経度、高さ)が含まれているものとする。設置工事後の設定においては、位置情報送信機2の位置データはまだ設定されていないため、S2により送信する位置データは例えば緯度、経度、高さのそれぞれを0にする。これにより応答信号S2を受信した設定用端末300側において、このS2を送信した位置情報送信機2はまだ位置データが設定されていないことが判断できる。応答信号S2の情報は第2の無線インタフェース部82から送信機自動選択部90に送られ、送信機自動選択部90においていずれの位置情報送信機2から送信された応答信号S2に位置データが設定されていないか判別し、この位置データが設定されていないいずれかの位置情報送信機2を選択する。選択した信号は送信機自動選択部90から制御部89に送信される。そして制御部89からの指令により、通信確立のための応答信号S3が第2の無線インタフェース部82を介して選択した位置情報送信機2に対して送信される。このように応答信号S2に位置データを含ませることで、設定用端末300において位置データが設定済みか否か判別できるため、重複して設定を行うような作業効率が低下することを防止することが可能である。
【0049】
また、位置データが設定されていない位置情報送信機2を選択し、さらに上記した電波強度計測部86の情報を用いることも可能である。つまり、応答信号S2から送信機自動選択部90の図示されていない第1の選択手段として、位置データが設定されていない位置情報送信機2を選択する。位置データが設定されていない位置情報送信機2が複数存在した場合には、送信機自動選択部90の図示されていない第2の選択手段として、電波強度計測部86からの信号に基づいて、位置データが含まれていない複数の応答信号S2の中で、最も電波強度の強い信号を送信した位置情報送信機2を選択する。これにより、重複して設定作業を行うことを防止しつつ、通信確立の信頼性を向上することが可能となる。
【0050】
次に応答信号S2を受信した設定用端末300において、いずれの位置情報送信機2と通信確立を行うかの選択を作業者が行う場合の、設定用端末300の表示部の例を説明する。上記においては、通信確立の選択を送信機自動選択部90において自動で行う場合について説明したが、ここではその選択を作業者が操作部83を操作することにより行うものとする。
【0051】
第2の無線インタフェース部82からの信号は表示部85に送られ、表示部85に位置情報送信機2からの応答信号S2の内容が表示される(S1104)。図8に示すように、複数の位置情報送信機2からのS2を受信した設定用端末300の表示部85は、それぞれの位置情報送信機2の無線IDや位置データを表示する。なお、この表示部85に表示させる情報は設定用端末300とは別の機器に表示させるようにしてもよい。また、電波強度計測部86において計測した応答信号S2の電波強度の信号も表示部に送られて合わせて表示するようにしている。
【0052】
ここで、図8には無線ID(1)、(2)、(3)の3種類の応答信号S2を受信した場合について示している。そして応答信号S2の電波強度が表示されているため、無線ID(1)の電波強度が−40dBと最も強いことが分かる。しかし無線ID(1)の位置情報送信機2には位置情報及びPRN番号が表示されていることから、これらのデータは設定済であることが分かる。つまり作業者は無線ID(1)の位置情報送信機2に位置データの設定は不要であると容易に判断でき、重複作業の防止が図れる。
【0053】
次に無線ID(2)、(3)を見るといずれも位置データやPRN番号が設定されていないため、設定が必要であることが分かる。そこで、それぞれの電波強度を見ると無線ID(2)の方が電波強度が強いことが分かるため、この無線ID(2)の位置情報送信機2を選択することで設定のための無線通信を信頼性高く行うことが可能となる。したがって、作業者は無線ID(2)の位置情報送信機2を位置データを設定すべき対象として選択する(S1105)。この選択の操作は操作部83により行うが、表示部85においては、いずれの無線IDを選択しているか表示されるようになっている。そこで操作部83を操作することで設定を行う位置情報送信機2の無線IDを選択して、操作部83からの信号が制御部89に送られる。制御部89は選択した位置情報送信機2との通信を確立するための応答信号S3(ACK信号)S3を第2の無線インタフェース部82を介して返信するように信号を第2の無線インタフェース部82に送信する(S1106)。
【0054】
さらにここでは最終設定時刻を表示部85に合わせて表示している。つまり設定用無線端末300は時計87を備えており、位置データを設定した時刻を記憶部88に記憶し、制御部89により表示部85に表示する。この最終設定時刻は設置後に最初に行う設定に限られず、位置データやPRN番号の設定を最終的に行ったのはいつなのかを示している。このように最終的に設定が行われた時刻を表示部85に表示することにより、作業者はたしかに(例えば位置データの)設定が行われたことを確認することができ、重複作業を防止することができる。
【0055】
次に位置データの設定を行う位置情報送信機2との通信を確立する方法について説明する。上記したように、送信機自動選択部90により(あるいは操作部83の操作により)第2の無線インタフェース部82から応答信号(ACK信号)S3を返信する(S1106)。この応答信号S3も広い指向性を持つ信号であり、複数の位置情報送信機2に対して送られるが、S3の信号の中で特定の位置情報送信機2が選択されている。つまり、S3の中には選択した位置情報送信機2の無線ID情報が含まれている。したがって、位置情報送信機2においては、アンテナ41を介して第2の無線インタフェース部22により応答信号S3を受信するが、制御部28において記憶部23に記憶されている自身の無線IDとの照合を行い、一致した場合にのみ通信確立を行う。つまり、自身の無線IDと異なる無線IDが応答信号S3に含まれていた場合には、この応答信号S3を破棄する。すなわち、応答信号S3は位置情報送信機2の特定IDに対する接続信号であり、この接続信号を特定された位置情報送信機2において受信することにより接続(LINK)が確立する(S1107)。
【0056】
ここで、応答信号S3には位置情報送信機2に対して表示部29に何らかの表示を行わせる命令が含まれている。例えば表示部29がLEDであればこのLEDを点灯又は点灯するように命令する。あるいは表示部29が液晶画面である場合には、具体的に位置データ設定中であることや、あるいは、通信中であることを文字により表示するようにしてもよい。つまり、S3を送信するタイミングで位置情報送信機2のLEDを点灯(あるいは点滅)することにより、作業者は通信が確立したことを目視で確認することができる。位置情報送信機2は狭い範囲に複数存在することもあるため、作業者にとっては、どの位置情報送信2と通信を行っているのか分からなく虞がある。そこで本実施例においては上記したように、S3を受信した位置情報送信機2の第2の無線インタフェース部22からLED(表示部29)に対して信号が送られてLEDを点灯させる(S1108)。
【0057】
これによりどの位置情報送信機2の設定を行っているのか作業者が確認できるため(S1109)、誤った位置情報送信機2の初期設定を行うことを避けることができる。例えば隣の位置情報送信機2に設定すべき位置情報を設定してしまう等の誤設定を防止することが可能となる。あるいは、実際に設定しようと思っていた位置情報送信機2(例えば作業者と最も近いもの)と異なる位置情報送信機2の表示部29に通信中の表示がなされた場合には、位置情報送信機2の選択を再度行うことも可能となる。
【0058】
次に選択した位置情報送信機2に対して位置データの設定を行う(S1110)。具体的には位置情報送信機2の記憶部23に位置データを設定するように命令する信号S4を送信することになる。位置データは設置位置の緯度、経度、高さであり、これらの情報は予め設けていた屋内の基準点からのX、Y、Z方向の距離を入力することで、経度、緯度、高さのデータに変換されてS4として送信される。S4を位置情報送信機2の第2の無線インタフェース部22が受信すると、制御部28はこの位置データを記憶部23に設定する(S1111)。その後、制御部28は、第2の無線インタフェース部22から設定完了したことを示す信号S5、あるいは設定できなかったことを示すS6を設定用端末300に対して送信する(S1112)。S5、または、S6を受信した設定用端末を持つ作業者は位置情報の設定が完了したか、あるいは、設定できなかったかを確認することができる(S1113)。
【0059】
S5、又は、S6を受信した設定用端末300は、その時刻を設定を行った時刻として表示部85の最終設定時刻を更新する(S1114)。この時刻は位置情報送信機2から送信されるS5(S6)に時間情報を含ませるようにして、この時間情報に基づいて最終設定時刻を更新しても良い。これにより、設定用端末300を持つ作業者はいつ位置データの設定が行われたのか確認することができるので、たしかに設定が行われたことが分かり、設定済みの位置情報送信機2に対して再度設定を行う等の重複作業を避けることが可能となる。また、位置情報送信機2の表示部は29は設定が完了したことが分かるように表示を切替えるようにしてもよい。例えば表示部29は複数のLEDを備えており、通信中に点灯(あるいは点滅)するLEDと、設定完了後に点灯(あるいは点滅)するLEDとを備えるようにすることも可能である。あるいは、通信中はLEDが点滅し、設定完了後は点灯するようにしてもよい。点灯と点滅を逆にしてもよいことはもちろんである。
【0060】
以上、説明したように本実施例の位置情報送信機は、人工衛星から送信される測位のための第1の衛星測位信号と互換性を有する第2の衛星測位信号を送信する位置情報送信機であって、位置情報送信機の位置を特定するための位置データと前記位置情報送信機を識別するためのPRN番号とを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された位置データをPRN番号に応じて変調して前記第2の衛星測位信号を生成する生成部と、生成部により生成された第2の衛星測位信号を無線通信により送信する無線送信部と、位置データを設定する場合に、設定用端末から無線通信により送信される、不特定の複数の前記位置情報送信機に対して応答を求める第1の信号を受信する無線受信部と、無線受信部により前記第1の信号を受信した場合に、第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信する第2の無線送信部と、無線受信部により、第2の信号を受信した設定用端末から送信される通信を確立するための第3の信号を受信した場合に、設定用端末との通信を確立する通信確立部と、通信確立部により通信確立した後に、無線受信部によって、設定用端末から無線通信により送信される前記位置データを設定するための第4の信号を受信した場合に、前記位置データを設定する位置データ設定部と、を備えた。
【実施例2】
【0061】
本発明の実施例2について図面用いて説明する。本実施例においてはPRN番号の設定方法について説明するが、実施例1の位置データの設定と併用して行うことももちろん可能である。その場合には実施例1における効果も奏することができる。
【0062】
図9はPRN番号の設定のフローを説明するための図である。なお、図7の位置データの設定フローとS1109までは同様である。設定用端末300では受信している位置情報送信機2のPRN番号の中で使用していないものを設定する。例えば図8ではPRN番号173がされているので、173番以外を選択して使用するようにする。このように選択されていないPRN番号を選択することにより、同じPRN番号が設定されている位置情報送信機2からの信号の干渉を低減することができる。具体的なPRN番号の設定方法について以下に説明する。
【0063】
図10に示すように、S2を受信した第2の無線インタフェース部82からいずれの位置情報送信機2にPRN番号が設置されているか示す信号がPRN番号自動選択部91に送られる。この信号を受信したPRN番号自動選択部91は設定されていないPRN番号があった場合には、この設定されていないPRN番号(例えば175番)を選択する(S1110)。そしてPRN番号を選択した信号は制御部89に送信され、制御部89から第2の無線インタフェース部82に対して信号が送られる。制御部89からの信号を受信した第2の無線インタフェース部82からアンテナ84を介して位置情報送信機2に対して175番のPRN番号を設定する命令が信号S7に含まれて送信される(S1111)。
【0064】
次にPRN番号自動選択部91において、規定されているPRN番号が全て設定されていた場合について説明する。図8において図示はされていないが、PRN番号は10個程度の有限個のものであるため、受信した複数の位置情報送信機2からの信号S2に規定されている全てのPRN番号が設定されていることがあり得る。この場合には上記した単に設定されていないPRN番号を選択することができない。そこで本実施例においては、信号S2の電波強度を用いてPRN番号を選択することとしている。
【0065】
まず信号S2の電波強度を計測する計測部86からの信号がPRN番号自動選択部91に送られる。そして、PRN番号自動選択部91は受信したS2を送信する位置情報送信機2の中で、最も電波強度の弱い信号S2を送信した位置情報送信機2に設定されているPRN番号(例えば178番)を選択する。つまり、PRN番号178番は重複して設定されることになるが、その電波強度が弱いことから同一のPRN番号が設定されている位置情報送信機2からの信号の干渉を低減することができる。これにより、通信端末3において安定して位置測位が行える位置データを含む信号を送信する位置情報送信機とすることができる。
【0066】
PRN番号自動選択部91から178番を選択する信号が第2の無線インタフェース部82に送られ、第2の無線インタフェース部82から位置情報送信機2に対して178番を設定する命令がアンテナ84を介して信号S8に含まれて送信される。つまり、作業者はS7を送信する操作さえ行えば、設定用端末300のPRN番号自動選択部91において自動的にPRN番号を選択する。そして、選択したPRN番号を設定するように命令するS7が送信される。これにより、PRN番号を選択する作業が省略されるので、作業効率を向上することができる。
【0067】
上記においては、設定するPRN番号をPRN番号自動選択部91において自動で選択する方法を説明したが、この選択を作業者が操作部83を操作することにより、選択することも可能である。なお、この場合に表示部85に表示する内容は図8と同様である。
【0068】
作業者は図6における操作部83のPRN番号選択部832を操作して、例えば174番を選択する(S1110)。選択した結果、PRN番号選択部832からの信号が制御部89に送られ、この信号を受信した制御部89は第2の無線インタフェース部82に信号を送信する。制御部89からの信号を受信した第2の無線インタフェース部82は選択した174番を設定するための信号S7をアンテナ84を介して位置情報送信機2に対して送信する(S1111)。
【0069】
なお、図8に図示されていないが、規定されている全てのPRN番号が使用されていた場合には、表示部を確認して最も電波強度の弱い無線IDの位置情報発信機2に設定されているPRN番号と同様のものを選択して信号S7を送信する。PRN番号は最大でも10個程度しか使用できないため、同じ空間内でも重複して設定する必要が生ずるが、できるだけ同じPRN番号が設定されている位置情報送信機2から送信される信号は干渉しないことが望ましい。そこで、本実施例においては上記したように、最も電波強度の弱い位置情報送信機2に設定されているPRN番号を選択することにより、同じPRN番号が設定された位置情報送信機2からの信号の干渉を低減することができる。
【0070】
信号S7を第2の無線インタフェース部22で受信した位置情報送信機2においては、制御部28により記憶部23に信号S7で選択されたPRN番号の設定がなされる(S1112)。また、このS7を受信した位置情報送信機2からはPRN番号が設定されたことを示す信号S8、あるいは、設定できなかったことを示す信号S9が送信される(S1113)。このS8、または、S9を受信した設定用端末を持つ作業者はPRN番号が設定されたこと、あるいは、設定できなかったことを確認することができる(S1114)。
【0071】
また、このS8、または、S9にも実施例1のS5(S6)と同様に時間情報が含まれている。そして、S8、または、S9を受信した設定用端末は最終設定時刻を更新する(S1115)。図8に示されているように、表示部204においては、位置情報とPRN番号とのそれぞれの最終設定時刻が表示される。この最終設定時刻を確認することにより、重複して設定作業を行う虞を低減することが可能となる。
【0072】
また、位置情報送信機2の表示部は29はPRN番号の設定が完了したことが分かるように表示を切替えるようにしてもよい。例えば表示部29は複数のLEDを備えており、通信中に点灯(あるいは点滅)するLEDと、PRN番号の設定完了後に点灯(あるいは点滅)するLEDとを備えるようにすることも可能である。あるいは、通信中はLEDが点滅し、設定完了後は点灯するようにしてもよい。点灯と点滅を逆にしてもよいことはもちろんである。あるいは、表示部を液晶画面として通信中や設定完了後であることを文字で表示するようにしてもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施例の位置情報送信機は、人工衛星から送信される測位のための第1の衛星測位信号と互換性を有する第2の衛星測位信号を送信する位置情報送信機であって、位置情報送信機の位置を特定するための位置データと位置情報送信機を識別するためのPRN番号とを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された位置データをPRN番号に応じて変調して第2の衛星測位信号を生成する生成部と、生成部により生成された第2の衛星測位信号を無線通信により送信する無線送信部と、PRN番号を設定する場合に、設定用端末から無線通信により送信される不特定の複数の位置情報送信機に対して応答を求める第1の信号を受信する無線受信部と、無線受信部により第1の信号を受信した場合に、設定されているPRN番号を含む第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信する第2の無線送信部と、無線受信部によって、設定用端末から無線通信により送信され、設定用端末が受信した前記第1の信号への応答信号を送信した複数の位置情報送信機に設定されているいずれのPRN番号とも異なるPRN番号を設定するための第3の信号を受信した場合に、異なるPRN番号の設定を行うPRN番号設定部と、を備えた。
【0074】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0075】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0076】
また、図面における制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…人工衛星、2…位置情報送信機2と、3…通信端末、4…構造物、21…第1の無線インタフェース部(位置情報送信機2)、22…第2の無線インタフェース部(位置情報送信機2)、23…記憶部、24…データ生成部、29…表示部(位置情報送信機2)、30…アンテナ(位置情報送信機2)、300…設定用端末、81…第1の無線インタフェース部81(設定用端末)、82…第2の無線インタフェース部(設定用端末)、83…操作部(設定用端末)、831…送信機選択部831、832…PRN番号選択部、85…表示部85(設定用端末)、87…時計、88…記憶部(設定用端末)、90…送信機自動選択部、91…PRN番号自動選択部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数設置され、自身の位置を特定するための位置データを送信する位置情報送信機と、
該位置情報送信機に対して前記位置データの設定を行う設定用端末とを備えた位置情報送信機設定システムであって、
前記設定用端末から不特定の前記複数の位置情報送信機に対して、応答を求める第1の信号を無線通信により送信し、
前記第1の信号を受信した前記複数の位置情報送信機から前記設定用端末に対して、前記第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信し、
前記第2の信号を受信した前記設定用端末から、前記第2の信号を送信した前記複数の位置情報送信機のうち特定の位置情報送信機との通信を確立するための第3の信号を、前記特定の位置情報送信機に対して、無線通信により送信し、
前記特定の位置情報送信機との通信確立後に、前記設定用端末から前記特定の位置情報送信機に対して、前記特定の位置情報送信機の前記位置データを設定するための第4の信号を無線通信により送信することにより、前記位置データを設定することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報送信機設定システムであって、
前記第1の信号は無指向性の信号であることを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項3】
請求項1に記載の位置情報送信機設定システムであって、
前記複数の位置情報送信機からの前記第2の信号の電波強度を計測し、
前記設定用端末から、該設定用端末が受信した前記第2の信号を送信する前記複数の位置情報送信機のうち、計測した電波強度の最も強い前記第2の信号を送信した位置情報送信機に対して、前記第3の信号を無線通信により送信することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項4】
請求項1に記載の位置情報送信機設定システムであって、
前記第2の信号は前記位置情報送信機に設定されている前記位置データを含み、
前記設定用端末から、該設定用端末が受信した前記第2の信号を送信した前記複数の位置情報送信機のうち、前記位置データが設定されていない前記第2の信号を送信した位置情報送信機に対して、前記第3の信号を無線通信により送信することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項5】
請求項4に記載の位置情報送信機設定システムであって、
前記設定用端末から、該設定用端末が受信した前記第2の信号を送信した前記複数の位置情報送信機のうち、前記位置データが設定されておらず、かつ、計測した電波強度の最も強い前記第2の信号を送信した位置情報送信機に対して、前記第3の信号を無線通信により送信することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の位置情報送信機設定システムにおいて、
前記位置情報送信機が前記第3の信号を受信した場合に、該第3の信号を受信した位置情報送信機が備えた表示部に前記設定用端末との通信を行っていることを表示することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項7】
請求項6に記載の位置情報送信機設定システムにおいて、
前記表示部はLEDであり、前記設定用端末との通信を行っていることを前記LEDを点灯、あるいは、点滅させることにより表示することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項8】
請求項1〜5の何れかに記載の位置情報送信機設定システムにおいて、
前記特定の位置情報送信機に前記位置データを設定した時刻を前記設定用端末の表示部に表示することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項9】
複数設置され、自身の位置を特定するための位置データを人工衛星から送信される測位のための第1の衛星測位信号と互換性を有する第2の衛星測位信号に設定されたPRN番号に応じて変調して送信する位置情報送信機と、
該位置情報送信機に対して前記PRN番号の設定を行う設定用端末とを備えた位置情報送信機設定システムであって、
前記設定用端末から不特定の前記複数の位置情報送信機に対して、応答を求める第1の信号を無線通信により送信し、
前記第1の信号を受信した前記複数の位置情報送信機から前記設定用端末に対して、設定されている前記PRN番号を含む前記第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信し、
前記設定用端末から、前記複数の位置情報送信機のうち、前記PRN番号が設定されていない前記第2の信号を送信した位置情報送信機に対して、前記第2の信号を送信した複数の位置情報送信機に設定されているいずれのPRN番号とも異なるPRN番号を設定するための第3の信号を無線通信により送信することにより、前記PRN番号の設定を行うことを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項10】
請求項9に記載の位置情報送信機設定システムであって、
前記第2の信号を送信した複数の位置情報送信機に規定されている全てのPRN番号が設定されていた場合に、
前記第2の信号を送信した複数の位置情報送信機のそれぞれの第2の信号の電波強度を計測し、
前記計測した電波強度が最も弱い前記第2の信号を送信した位置情報送信機に設定されているPRN番号が選択され、
前記複数の位置情報送信機のうち、前記PRN番号が設定されていない前記第2の信号を送信した位置情報送信機に対して、
前記選択されたPRN番号を設定するための前記第3の信号を無線通信により送信することにより、前記PRN番号の設定を行うことを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の位置情報送信機設定システムにおいて、
前記位置情報送信機に前記PRN番号を設定した時刻を前記設定用端末の表示部に表示することを特徴とする位置情報送信機設定システム。
【請求項12】
人工衛星から送信される測位のための第1の衛星測位信号と互換性を有する第2の衛星測位信号を送信する位置情報送信機であって、
前記位置情報送信機の位置を特定するための位置データと前記位置情報送信機を識別するためのPRN番号とを記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された前記位置データを前記PRN番号に応じて変調して前記第2の衛星測位信号を生成する生成部と、
該生成部により生成された前記第2の衛星測位信号を無線通信により送信する無線送信部と、
前記位置データを設定する場合に、設定用端末から無線通信により送信される、不特定の複数の前記位置情報送信機に対して応答を求める第1の信号を受信する無線受信部と、
該無線受信部により前記第1の信号を受信した場合に、前記第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信する第2の無線送信部と、
前記無線受信部により、前記第2の信号を受信した前記設定用端末から送信される通信を確立するための第3の信号を受信した場合に、前記設定用端末との通信を確立する通信確立部と、
該通信確立部により通信確立した後に、前記無線受信部によって、前記設定用端末から無線通信により送信される前記位置データを設定するための第4の信号を受信した場合に、前記位置データを設定する位置データ設定部と、
を備えたことを特徴とする位置情報送信機。
【請求項13】
請求項12に記載の位置情報送信機であって、
前記第1の信号は無指向性の信号であることを特徴とする位置情報送信機。
【請求項14】
請求項12に記載の位置情報送信機であって、
前記第2の無線送信部が送信した前記第2の信号の電波強度が、前記設定用端末が前記複数の位置情報送信機から受信した前記第1の信号への応答信号のいずれよりも電波強度が強かった場合に、前記設定用端末から前記第3の信号が送信されることを特徴とする位置情報送信機。
【請求項15】
請求項12に記載の位置情報送信機であって、
前記第2の信号は設定されている位置データを含み、前記位置データが設定されていない場合に、前記設定用端末から前記第3の信号が送信されることを特徴とする位置情報送信機。
【請求項16】
請求項15に記載の位置情報送信機であって、
前記位置データが設定されていない場合で、かつ、前記第2の無線送信部が送信した前記第2の信号の電波強度が、前記設定用端末が前記複数の位置情報送信機から受信した前記第1の信号への応答信号のいずれよりも電波強度が強かった場合に、前記設定用端末から前記第3の信号が送信されることを特徴とする位置情報送信機。
【請求項17】
請求項12〜15の何れかに記載の位置情報送信機であって、
前記無線受信部により前記第3の信号を受信した場合に、前記設定用端末との通信を行っていることを表示する表示部を備えたことを特徴とする位置情報送信機。
【請求項18】
請求項16に記載の位置情報送信機であって、
前記表示部はLEDであり、前記設定用端末との通信を行っていることを前記LEDを点灯、あるいは、点滅させることにより表示することを特徴とする位置情報送信機。
【請求項19】
人工衛星から送信される測位のための第1の衛星測位信号と互換性を有する第2の衛星測位信号を送信する位置情報送信機であって、
前記位置情報送信機の位置を特定するための位置データと前記位置情報送信機を識別するためのPRN番号とを記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された前記位置データを前記PRN番号に応じて変調して前記第2の衛星測位信号を生成する生成部と、
該生成部により生成された前記第2の衛星測位信号を無線通信により送信する無線送信部と、
前記PRN番号を設定する場合に、設定用端末から無線通信により送信される不特定の複数の前記位置情報送信機に対して応答を求める第1の信号を受信する無線受信部と、
該無線受信部により前記第1の信号を受信した場合に、設定されているPRN番号を含む前記第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信する第2の無線送信部と、
前記無線受信部によって、前記設定用端末から無線通信により送信される、前記設定用端末が受信した前記第1の信号への応答信号を送信した複数の前記位置情報送信機に設定されているいずれのPRN番号とも異なるPRN番号を設定するための第3の信号を受信した場合に、前記異なるPRN番号の設定を行うPRN番号設定部と、
を備えたことを特徴とする位置情報送信機。
【請求項20】
請求項19に記載の位置情報送信機であって、
前記第1の信号は無指向性の信号であることを特徴とする位置情報送信機。
【請求項21】
請求項19に記載の位置情報送信機であって、
前記設定用端末が受信した前記応答信号を送信した複数の前記位置情報送信機に、規定されている全てのPRN番号が設定されていた場合に、前記第2の信号が他の前記位置情報送信機の前記第1の信号への応答信号よりも電波強度が弱かったときに、前記第3の信号が送信されることを特徴とする位置情報送信機。
【請求項22】
複数設置され、自身の位置を特定するための位置データを送信する位置情報送信機の設定方法であって、
設定用端末から不特定の前記複数の位置情報送信機に対して、応答を求める第1の信号を無線通信により送信するステップと、
前記第1の信号を受信した前記複数の位置情報送信機から前記設定用端末に対して、前記第1の信号に応答する第2の信号を無線通信により送信するステップと、
前記第2の信号を受信した前記設定用端末から、前記第2の信号を送信した前記複数の位置情報送信機のうち特定の位置情報送信機との通信を確立するための第3の信号を前記特定の位置情報送信機に対して無線通信により送信するステップと、
前記特定の位置情報送信機との通信確立後に前記設定用端末から前記特定の位置情報送信機に対して、前記特定の位置情報送信機の前記位置データを設定するための第4の信号を無線通信により送信することにより、前記位置データを設定するステップとを有することを特徴とする位置情報送信機の設定方法。
【請求項23】
請求項22に記載の位置情報送信機の設定方法であって、
前記第1の信号は無指向性の信号であることを特徴とする位置情報送信機の設定方法。
【請求項24】
請求項22又は23の何れかに記載の位置情報送信機の設定方法であって、
前記位置情報送信機が前記第3の信号を受信した場合に、該位置情報送信機が備えた表示部に前記設定用端末との通信を行っていることを表示することを特徴とする位置情報送信機の設定方法。
【請求項25】
請求項24に記載の位置情報送信機の設定方法であって、
前記表示部はLEDであり、前記設定用端末との通信を行っていることを前記LEDを点灯、あるいは、点滅させることにより表示することを特徴とする位置情報送信機の設定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−18105(P2012−18105A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156317(P2010−156317)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】