説明

位置検出装置

【課題】設計の自由度が高く、簡易な処理で送受信ユニットの位置を特定できる位置検出装置を提供する。
【解決手段】第1の送信アンテナ25が、第1の車輪3の送受信ユニット11及び第2の車輪2の送受信ユニット10の両方を含む第1の範囲30と通信可能に配置され、第2の送信アンテナ26が、第1の車輪3の送受信ユニット11を含み、第2の車輪2の送受信ユニット10を含まない第2の範囲31と通信可能に配置され、制御部は、第1の送信アンテナ25からの要求信号に応答した送受信ユニットのうち、第1の送信アンテナ25及び第2の送信アンテナ26からの要求信号の両方を受信してそれぞれ応答した送受信ユニット11の識別符号を、第1の範囲30と第2の範囲31の共通領域と対応させ、当該領域と対応させた識別符号以外の送受信ユニット10の識別符号を、第1の範囲30内であって第2の範囲31以外の領域と対応させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車輪に設けられる送受信ユニットがどの位置に取付けられているかを判別する位置検出装置に関し、特に車両側に設けられる複数の送信アンテナの通信範囲の差異を利用し送受信ユニットの位置を判別する位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両において、車輪を構成するタイヤの空気圧を適正に保つことは重要である。この空気圧を監視して、所定値以下の場合にアラームを発生するなどの動作を行うシステムが用いられている。この場合、車両の各車輪に空気圧を検出する機能を有した送受信ユニットを設け、車両側には各車輪の送受信ユニットと無線通信を行う車両側装置を設け、両者の間で通信を行うことで、各車輪の送受信ユニットの情報を車両側で処理することができる。
【0003】
車両において車輪は少なくとも4輪が設けられ、そのいずれか1つでタイヤの空気圧が低下ときにアラームを発生させる場合には、信号を送信したのがどの車輪に対応する送受信ユニットであるかを判別する必要はないが、どのタイヤで空気圧の低下が生じているのかを判別してアラームを発生させるためには、空気圧低下の信号を送信した送受信ユニットの位置を判別する必要がある。
【0004】
送受信ユニットの位置を検出するための構成としては、各送受信ユニットに固有の識別符号を付与し、この識別符号と車輪の取付位置とを対応させて車両側に記憶させておくことが知られている。この手法においては、タイヤをローテーションさせて位置を変えた際には、再度識別符号と位置の関係を入力し直す必要がある。これは手間がかかるので、エンジンを始動させるためイグニッションスイッチをオフからオンにしたときに、毎回、送受信ユニットと位置の対応関係を更新するものが知られている。具体的には、車両側から送受信ユニットに前輪側と後輪側をそれぞれ示す要求信号を送信する。要求信号を受信した各送受信ユニットは、前輪側か後輪側かを判断し、さらに該要求信号の強度によって左右を特定する。これによって各送受信ユニットは取り付けられたタイヤ位置を特定して記憶する。そして各送受信ユニットは、記憶したタイヤ位置と各送受信ユニットに付与されているIDデータを共に含む信号を送信する。車両側では、受信した信号により各送受信ユニットのIDとタイヤ位置を関係づける。このような位置検出装置としては、特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−149832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の位置検出装置では、送受信ユニットにおいてタイヤ位置を特定するための回路が必要であることから、設計の自由度が損なわれ、処理も複雑となる。
【0007】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、設計の自由度が高く、簡易な処理で送受信ユニットの位置を特定できる位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る位置検出装置は、車両の少なくとも2つ以上の車輪にそれぞれ取付けられる送受信ユニットと、車両に設けられる車両側装置とを有し、該車両側装置と前記車輪の各送受信ユニットとの間で無線通信を行う位置検出装置において、
前記車両側装置は、前記送受信ユニットからの信号を受信する受信機と、それぞれ所定範囲につき通信可能な複数の送信アンテナと、前記送受信ユニットのそれぞれに固有に割り当てられる識別符号を記憶するメモリと、前記送信アンテナに信号を送信させると共に前記受信機で受信した信号に基づき前記送受信ユニットの位置を判別する制御部とを有し、
前記複数の送信アンテナの1つである第1の送信アンテナは、第1の車輪に取付けられる送受信ユニット及び第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第2の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットを含み、前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットを含まない第2の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は前記複数の送信アンテナにそれぞれ要求信号を送信させ、該要求信号を受信した前記送受信ユニットはそれぞれ該送受信ユニットの識別符号の情報を含む応答信号を送信し、
前記制御部は、前記第1の送信アンテナからの要求信号を受信して応答信号を送信した送受信ユニットのうち、前記第1の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナからの要求信号の両方を受信してそれぞれ前記応答信号を送信した送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲と第2の範囲の共通領域と対応させ、当該領域と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲内であって前記第2の範囲以外の領域と対応させることを特徴として構成されている。
【0009】
また、本発明に係る位置検出装置は、前記車輪は前記車両の左前と左後、右前及び右後の4つの車輪にそれぞれ取付けられ、
前記第1の送信アンテナは、前記車両の左前と左後の各送受信ユニットを含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記第2の送信アンテナは、前記車両の左後と右後の各送受信ユニットを含む第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記車両の右前と右後の各送受信ユニットを含む第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は、前記第1の送信アンテナからの要求信号を受信して応答信号を送信した送受信ユニットのうち、前記第1の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナからの要求信号の両方を受信してそれぞれ前記応答信号を送信した送受信ユニットの識別符号を、前記車両左後の車輪の領域と対応させ、当該車両左後と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両左前の車輪の領域と対応させ、
さらに前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信して応答信号を送信した送受信ユニットのうち、前記第3の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナからの要求信号の両方を受信してそれぞれ前記応答信号を送信した送受信ユニットの識別符号を、前記車両右後の車輪の領域と対応させ、当該車両右後と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両右前の車輪の領域と対応させることを特徴として構成されている。
【0010】
さらに、本発明に係る位置検出装置は、車両の少なくとも2つ以上の車輪にそれぞれ取付けられる送受信ユニットと、車両に設けられる車両側装置とを有し、該車両側装置と前記車輪の各送受信ユニットとの間で無線通信を行う位置検出装置において、
前記車両側装置は、前記送受信ユニットからの信号を受信する受信機と、それぞれ所定範囲につき通信可能な複数の送信アンテナと、前記送受信ユニットのそれぞれに固有に割り当てられる識別符号を記憶するメモリと、前記送信アンテナに信号を送信させると共に前記受信機で受信した信号に基づき前記送受信ユニットの位置を判別する制御部とを有し、
前記複数の送信アンテナの1つである第1の送信アンテナは、第1の車輪に取付けられる送受信ユニット及び第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第2の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットを含み、前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットを含まない第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットと前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含まない第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は前記複数の送信アンテナにそれぞれ要求信号を送信させ、該要求信号を受信した前記送受信ユニットはそれぞれ該送受信ユニットの識別符号の情報を含む応答信号を送信し、
前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号は受信していない送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲内であって前記第2の範囲以外の領域と対応させ、当該領域と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲と第2の範囲の共通領域と対応させることを特徴として構成されている。
【0011】
さらにまた、本発明に係る位置検出装置は、前記車輪は前記車両の左前と左後、右前及び右後の4つの車輪にそれぞれ取付けられ、
前記第1の送信アンテナは、前記車両の左前と左後の各送受信ユニットを含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記第2の送信アンテナは、前記車両の左後と右後の各送受信ユニットを含む第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記車両の右前と右後の各送受信ユニットを含む第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号は受信していない送受信ユニットの識別符号を、前記車両左前の車輪の領域と対応させ、当該車両左前と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両左後の車輪の領域と対応させ、
さらに前記制御部は、前記第1の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号は受信していない送受信ユニットの識別符号を、前記車両右前の車輪の領域と対応させ、当該車両右前と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両右後の車輪の領域と対応させることを特徴として構成されている。
【0012】
そして、本発明に係る位置検出装置は、車両の少なくとも2つ以上の車輪にそれぞれ取付けられる送受信ユニットと、車両に設けられる車両側装置とを有し、該車両側装置と前記車輪の各送受信ユニットとの間で無線通信を行う位置検出装置において、
前記車両側装置は、前記送受信ユニットからの信号を受信する受信機と、それぞれ所定範囲につき通信可能な複数の送信アンテナと、前記送受信ユニットのそれぞれに固有に割り当てられる識別符号を記憶するメモリと、前記送信アンテナに信号を送信させると共に前記受信機で受信した信号に基づき前記送受信ユニットの位置を判別する制御部とを有し、
前記複数の送信アンテナの1つである第1の送信アンテナは、第1の車輪に取付けられる送受信ユニット及び第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第2の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットを含み、前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットを含まない第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットと前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含まない第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は前記複数の送信アンテナにそれぞれ要求信号を送信させ、該要求信号を受信した前記送受信ユニットはそれぞれ該送受信ユニットの識別符号の情報を含む応答信号を送信し、
前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号を受信した送受信ユニットの識別符号を前記第1の範囲と第2の範囲の共通領域と対応させ、当該領域と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲内であって前記第2の範囲以外の領域と対応させることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る位置検出装置によれば、車輪毎に送信アンテナを設ける必要がなく、簡易なシステム構成とすることができる。また、信号強度などを測定しなくても送受信ユニットの位置を判別することができるので、設計の自由度を高くすることができる。さらに、単に各送受信ユニットにおける要求信号受信の有無に基づいて位置判別が可能であり、位置判別のための処理も簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態における位置検出装置の構成図である。
【図2】車両における位置検出装置の構成部品の配置図である。
【図3】第1の形態における送受信ユニットの位置判別動作のフローチャートである。
【図4】第2の形態における送受信ユニットの位置判別動作のフローチャートである。
【図5】第3の形態における送受信ユニットの位置判別動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態における位置検出装置の構成図を、図2には車両における位置検出装置の構成部品の配置図を、それぞれ示している。本実施形態の位置検出装置は、4つの車輪2、3、4、5を有する車両1において、各車輪2、3、4、5に取付けられる送受信ユニット10、11、12、13の位置を判別するものである。
【0016】
図1に示すように、左前の車輪2には送受信ユニット10が、左後の車輪3には送受信ユニット11が、右前の車輪4には送受信ユニット12が、右後の車輪5には送受信ユニット13が、それぞれ設けられている。各送受信ユニット10、11、12、13は、それぞれ車両側との通信を行う送受信機15と、送受信ユニット毎に固有に割り当てられる識別符号を記憶しているメモリ16と、車輪を構成するタイヤの空気圧を検出するセンサ17を有している。
【0017】
各送受信ユニット10、11、12、13との通信を行うため、車両1には車両側装置20が設けられる。車両側装置20は、送受信ユニット10との通信や位置判別などの処理を行う制御部21と、送受信ユニット10、11、12、13の識別符号などを記憶するメモリ22と、送受信ユニット10、11、12、13からの応答信号を受信する受信機23と、送受信ユニット10、11、12、13に対する要求信号を送信する送信機24と、該送信機24からの信号を実際に電波により送信する第1の送信アンテナ25と第2の送信アンテナ26及び第3の送信アンテナ27を有している。
【0018】
図2に示すように、車両1において、受信機23は中央前方付近に配置される。ただし、受信機23については、4つの送受信ユニット10、11、12、13の全てからの信号を受信できる位置であれば、その他の位置であってもよい。車両1は複数のドア6を備え、そのうち左前方のドア6に第1の送信アンテナ25が配置される。第1の送信アンテナ25は、図2において点線で示した第1の範囲30に対して通信可能な強度の電波を到達させることができる。第1の範囲30は、左前の車輪2に取付けられた送受信ユニット10と、左後の車輪3に取付けられた送受信ユニット11の各位置を含み、右前の車輪4に取付けられた送受信ユニット12と、右後の車輪5に取付けられた送受信ユニット13の各位置を含まない。
【0019】
車両1のリアバンパー、トランク等の後方部には第2の送信アンテナ26が配置される。第2の送信アンテナ26は、図2において点線で示した第2の範囲31に対して通信可能な強度の電波を到達させることができる。第2の範囲31は、左後の車輪3に取付けられた送受信ユニット11と、右後の車輪5に取付けられた送受信ユニット13の各位置を含み、左前の車輪2に取付けられた送受信ユニット10と、右前の車輪4に取付けられた送受信ユニット12の各位置を含まない。
【0020】
右前方のドア6には第3の送信アンテナ27が配置される。第3の送信アンテナ27は、図2において点線で示した第3の範囲32に対して通信可能な強度の電波を到達させることができる。第3の範囲32は、右前の車輪4に取付けられた送受信ユニット12と、右後の車輪5に取付けられた送受信ユニット13の各位置を含み、左前の車輪2に取付けられた送受信ユニット10と、左後の車輪3に取付けられた送受信ユニット11の各位置を含まない。
【0021】
各送信アンテナ25、26、27がかかる配置となっていることにより、左前の車輪2に取付けられた送受信ユニット10は、第1の範囲30内であって第2の範囲31外の領域にあり、左後の車輪3に取付けられた送受信ユニット11は、第1の範囲30と第2の範囲31の共通領域にあり、右後の車輪5に取付けられた送受信ユニット13は、第3の範囲32と第2の範囲31の共通領域にあり、右前の車輪4に取付けられた送受信ユニット12は、第3の範囲32内にあって第2の範囲31外の領域にあることとなる。
【0022】
かかる構成及び配置関係を有する位置検出装置の動作について、以下説明する。図3には、第1の形態における送受信ユニットの位置判別動作のフローチャートを示している。本形態では、左前の車輪2に取付けられた送受信ユニット10と左後の車輪3に取付けられた送受信ユニット11及び右後に取付けられた送受信ユニット13との位置判別が行われる。この動作は、車両1においてエンジンを始動するために、イグニッションスイッチが操作された際に、毎回行われる。なお、これは他の形態でも同様である。
【0023】
まず、制御部21は、送信機24に第1の送信アンテナ25から要求信号を送信させる(S1)。第1の送信アンテナ25と第2の送信アンテナ26、及び第3の送信アンテナ27から送信される要求信号は、所定のウェークアップ信号とコマンド信号を含むLF信号であり、それぞれ図2に示した範囲において、送受信ユニット10、11、12、13が受信できるものである。
【0024】
第1の送信アンテナ25からの要求信号は、図2に示すとおり、第1の範囲30において、送受信ユニットに受信される。したがって、2つの送受信ユニットが、第1の送信アンテナ25からの要求信号を受信するはずである。この段階ではシステムにおいて送受信ユニットの位置が判別されていないので、第1の送信アンテナ25からの信号を受信した送受信ユニットをA及びBとして表記する。なお、理解を助けるために図2では最終的に特定した送受信ユニットに符号を付記した。
【0025】
送受信ユニットAが要求信号を受信すると(S2)、送受信ユニットAではウェークアップ信号が所定のものであるか否かを判別し、所定のものである場合にはスリープ状態から起動状態となる。起動状態となった送受信ユニットAは、当該送受信ユニットAに対し固有に割り当てられた識別符号Aを含む応答信号を送信する(S3)。送受信ユニットAを始めとする各送受信ユニットは、いずれも応答信号としてRF信号を送信する。また、送受信ユニットBが要求信号を受信すると(S4)、起動状態となるまでは送受信ユニットAと同様に動作し、起動状態となった送受信ユニットBは、当該送受信ユニットBに対し固有に割り当てられた識別符号Bを含む応答信号を送信する(S5)。なお、以下において送受信ユニットが要求信号を受信して起動状態となるまでの動作は、全て同様に行われる。
【0026】
S3とS5の信号送信が同時になされると、受信機23において信号が受信できないので、少なくとも1回は単独の信号を車両側において受信できるように、各送受信ユニットは信号の送信タイミングをランダムに決定すると共に複数回の信号送信を行う。なお、以下において送受信ユニットが応答信号を送信する際には、全て同様に信号送信を行う。
【0027】
受信機23から各送受信ユニットからの応答信号を受信したら、制御部21は受信した信号に含まれる識別符号A、Bを、メモリ22を構成する第1メモリに保管する(S7)。車両側装置20のメモリ22は、第1メモリと第2メモリ及び第3メモリを有して構成され、これらは物理的に別のメモリであってもよいし、物理的に同一のメモリの異なるアドレス領域であってもよい。
【0028】
次に、制御部21は送信機24に第2の送信アンテナ26から要求信号を送信させる(S8)。第2の送信アンテナ26からの要求信号は、図2に示すとおり、第2の範囲31において、送受信ユニットに受信される。ここでは、送受信ユニットBが要求信号を受信し(S9)、識別符号Bを含む応答信号を送信する(S10)と共に、送受信ユニットCも要求信号を受信し(S11)、識別符号Cを含む応答信号を送信する(S12)。
【0029】
受信機23が応答信号を受信したら(S13)、制御部21は受信した信号に含まれる識別符号B、Cを第2メモリに保管する(S14)。続いて、制御部21は第1メモリと第2メモリにデータが保管されているか否かを判別し(S15)、データがある場合には次のステップに進み、データがない場合にはS1に戻る。
【0030】
ここから、メモリ22に記憶された情報を基に、制御部21が各送受信ユニットの位置を判別する。まず、第1メモリと第2メモリに共通する識別符号を抽出する(S16)。第1メモリには第1の送信アンテナ25からの信号を受信した送受信ユニットの識別符号が記憶され、第2メモリには第2の送信アンテナ26からの信号を受信した送受信ユニットの識別符号が記憶されているから、これらに共通する識別符号に対応する送受信ユニットは、第1の範囲30と第2の範囲31の共通領域に位置していることが特定される。ここでは、識別符号Bが両方に記憶されているから、識別符号Bを第1の範囲30と第2の範囲31の共通領域と対応させ、送受信ユニットBが左後の車輪3に位置するものと判別する(S17)。
【0031】
次に、第1メモリに記憶されている識別符号のうち、S16で抽出されたもの以外の識別符号を抽出する(S18)。この識別符号に対応する送受信ユニットは、第1の範囲30内であって第2の範囲31外に位置することが特定される。ここでは、識別符号Aがそれに該当するから、識別符号Aを第1の範囲30内であって第2の範囲31外の領域に対応させ、送受信ユニットAが左前の車輪2に位置するものと判別する(S19)。
【0032】
第2メモリについても、S16で抽出されたもの以外の識別符号を抽出する(S20)。この識別符号に対応する送受信ユニットは、第2の範囲31内であって第1の範囲30外に位置することが特定される。ここでは、識別符号Cがそれに該当するから、識別符号Cを第2の範囲31内であって第1の範囲30外の領域に対応させ、送受信ユニットCが右後の車輪5に位置するものと判別する(S21)。これで位置判別を終了する。
【0033】
第1の形態では、少なくとも左前の車輪2の送受信ユニット10と、左後の車輪3の送受信ユニット11について、位置を判別することが想定されている。したがって、この場合には右後の車輪5の送受信ユニット13についての位置判別(S20〜S21)は行わなくてもよい。
【0034】
図4には、第2の形態における送受信ユニットの位置判別動作のフローチャートを示している。本形態では、4つの送受信ユニット全ての位置判別を行う。本形態の動作は、第1の送信アンテナ25からの信号の送信及び受信と、第2の送信アンテナ26からの信号の送信及び受信に関するS1〜S14については、第1の形態と同じであるので、説明を省略する。
【0035】
第2の送信アンテナ26についての動作が終わったら、次に制御部21は送信機24に第3の送信アンテナ27から要求信号を送信させる(S15)。第3の送信アンテナ27からの要求信号は、図2に示すとおり、第3の範囲32において、送受信ユニットに受信される。ここでは、送受信ユニットCが要求信号を受信し(S16)、識別符号Cを含む応答信号を送信する(S17)と共に、送受信ユニットDも要求信号を受信し(S18)、識別符号Dを含む応答信号を送信する(S19)。
【0036】
受信機23が応答信号を受信したら(S20)、制御部21は受信した信号に含まれる識別符号C、Dを第3メモリに保管する(S21)。続いて、制御部21は第1〜3メモリにデータが保管されているか否か判別し(S22)、データがある場合には次のステップに進み、データがない場合にはS1に戻る。
【0037】
S23以降で、制御部21は送受信ユニットの位置判別を行う。まず、第1メモリと第2メモリに共通する識別符号を抽出し(S23)、該当する識別符号Bを第1の範囲30と第2の範囲31の共通領域と対応させ、送受信ユニットBが左後の車輪3に位置するものと判別する(S24)。次いで、第1メモリに記憶されている識別符号のうち、S23で抽出されたもの以外の識別符号を抽出し(S25)、該当する識別符号Aを第1の範囲30内であって第2の範囲31外の領域に対応させ、送受信ユニットAが左前の車輪2に位置するものと判別する(S26)。
【0038】
ここまでは、第1の送信アンテナ25と第2の送信アンテナ26からの各要求信号に対する応答信号から、左側の車輪2、3に関し位置を判別している。同様の手法により、第3の送信アンテナ27と第2の送信アンテナ26からの各要求信号に対する応答信号から、右側の車輪4、5に関し位置を判別する。
【0039】
まず、第3メモリと第2メモリに共通する識別符号を抽出し(S27)、該当する識別符号Cを第3の範囲32と第2の範囲31の共通領域と対応させ、送受信ユニットCが右後の車輪5に位置するものと判別する(S28)。次いで、第3メモリに記憶されている識別符号のうち、S27で抽出されたもの以外の識別符号を抽出し(S29)、該当する識別符号Dを第3の範囲32内であって第2の範囲31外の領域に対応させ、送受信ユニットDが右前の車輪4に位置するものと判別する(S30)。これで位置判別を終了する。
【0040】
第1の形態及び第2の形態の位置判別動作では、各送受信ユニットがどの送信アンテナからの信号を受信したかによって、第1の範囲30と第2の範囲31の共通領域に位置する送受信ユニットを特定し、それ以外の送受信ユニットは第1の範囲30内であって第2の範囲31外と判別するようにしている。また、第2の形態では第3の範囲32と第2の範囲31についても同様の判別を行っている。これにより、車輪毎に送信アンテナを設ける必要がなく、また信号強度などを測定しなくても送受信ユニットの位置を判別することができるので、設計の自由度を高くすることができる。さらに、位置判別のための処理もメモリ22に記憶した情報から簡易に行うことができる。なお、第1の形態では3つの送受信ユニット、第2の形態では4つの送受信ユニットの位置を特定したが、所望に応じて、必要な位置の送受信ユニットのみを特定するようにしてもよい。
【0041】
第1の形態及び第2の形態の位置判別動作では、送信アンテナからの信号を受信した送受信ユニットの識別符号から位置判別を行っているが、逆に送信アンテナからの信号を受信しなかった送受信ユニットの識別符号から位置判別を行うようにしてもよく、そのような位置判別動作を第3の形態として説明する。図5には、第3の形態における送受信ユニットの位置判別動作のフローチャートを示している。本形態では、4つの送受信ユニット全ての位置判別を行う。
【0042】
第3の形態では、まず最初に全ての送受信ユニットの識別符号を取得する(S1)。全ての送受信ユニットの識別符号を取得するには、第1の送信アンテナ25と第2の送信アンテナ26から要求信号を送信すればよい。これにより全ての送受信ユニットに要求信号が送信され、各送受信ユニットからは識別符号を含む応答信号が送信される。これら4つの送受信ユニットからの応答信号を受信機23で受信し、識別符号A〜Dをメモリ22に記憶しておく。
【0043】
S2〜S7までは第2の形態と同様で、第1の送信アンテナ25から要求信号が送信され、送受信ユニットA、Bからの識別符号を含む応答信号が受信される。ここで制御部21は、受信した応答信号に含まれる識別符号ではなく、S1で取得した識別符号のうち受信した応答信号に含まれない識別符号C、Dを第1メモリに保管する(S8)。これはすなわち、第1の送信アンテナ25からの要求信号を受信しなかった送受信ユニットに対応しており、それらが第1の範囲30外に位置していることを意味する。
【0044】
S9〜S14も第2の形態と同様で、第2の送信アンテナ26から要求信号が送信され、送受信ユニットB、Cからの識別符号を含む応答信号が受信される。ここでも制御部21は、S1で取得した識別符号のうち受信した応答信号に含まれない識別符号A、Dを第2メモリに保管する(S15)。これはすなわち、第2の送信アンテナ26からの要求信号を受信しなかった送受信ユニットに対応しており、それらが第2の範囲31外に位置していることを意味する。
【0045】
S16〜S21も第2の形態と同様で、第3の送信アンテナ27から要求信号が送信され、送受信ユニットC、Dからの識別符号を含む応答信号が受信される。ここでも制御部21は、S1で取得した識別符号のうち受信した応答信号に含まれない識別符号A、Bを第3メモリに保管する(S22)。これはすなわち、第2の送信アンテナ26からの要求信号を受信しなかった送受信ユニットに対応しており、それらが第3の範囲32外に位置していることを意味する。ここまでの動作に続いて、制御部21は第1〜3メモリにデータが保管されているか否か判別し(S23)、データがある場合には次のステップに進み、データがない場合にはS1に戻る。
【0046】
次に、メモリ22に記憶された情報を基に送受信ユニットの位置判別を行う。まず、第2メモリと第3メモリに共通する識別符号を抽出する(S24)。第3メモリには、第3の送信アンテナ27からの要求信号を受信しなかった送受信ユニット、すなわち第3の範囲32外に配置された送受信ユニット10、11の識別符号が記憶されており、第2メモリには、第2の送信アンテナ26からの要求信号を受信しなかった送受信ユニット、すなわち第2の範囲31外に配置された送受信ユニット10、12の識別符号が記憶されている。したがって、これらに共通する識別符号Aは、左前の送受信ユニット10のものであることが特定される(S25)。
【0047】
第3メモリに記憶された識別符号のうち、既に位置が特定された識別符号A以外の識別符号Bを抽出すると(S26)、これは車両の左側にあるその他の送受信ユニットに対応するから、左後の送受信ユニット11のものであることが特定される(S27)。
【0048】
次に、第1メモリと第2メモリに共通する識別符号を抽出する(S28)。第1メモリには、第1の送信アンテナ25からの要求信号を受信しなかった送受信ユニット、すなわち第1の範囲30外に配置された送受信ユニット12、13の識別符号が記憶されており、第2メモリには、第2の送信アンテナ26からの要求信号を受信しなかった送受信ユニット、すなわち第2の範囲31外に配置された送受信ユニット10、12の識別符号が記憶されている。したがって、これらに共通する識別符号Dは、右前の送受信ユニット12のものであることが特定される(S29)。
【0049】
第1メモリに記憶された識別符号のうち、既に位置が特定された識別符号D以外の識別符号Cを抽出すると(S30)、これは車両の右側にあるその他の送受信ユニットに対応するから、右後の送受信ユニット13のものであることが特定される(S31)。これで位置判別のフローを終了する。
【0050】
このように、予め全ての送受信ユニットについて識別符号を取得しておいた上で、送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットを特定して位置判別を行うこともでき、要求信号を受信した送受信ユニットを特定して位置判別を行う場合と同様の効果を得ることができる。なお、第3の形態では、3つの送信アンテナについて、全て受信しなかった送受信ユニットの識別符号をメモリに保管したが、例えば、第2の送信アンテナ26の送信については、受信した送受信ユニットB、Cの識別符号をメモリに保管するなど、受信しなかった送受信ユニットと受信した送受信ユニットの両方のデータを用いて、位置判別を行うようにしてもよい。
【0051】
ところで、本実施形態における第1の範囲30、第2の範囲31、第3の範囲32は、その範囲内の送受信ユニットが、第1の送信アンテナ30、第2の送信アンテナ26、第3の送信アンテナ27からの信号を、所定の要求信号として検知できる程度の強度で受信できる範囲であることを意味する。しかし、送受信ユニットが、所定レベル以下の受信信号を受信した場合には、受信しなかったというように判断してもよく、その場合、第1の範囲30、第2の範囲31、第3の範囲32は、その範囲内の送受信ユニットが所定のレベル以上の強度で送信アンテナからの信号を受信できる範囲を意味することになる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0053】
1 車両
2 車輪(左前)
3 車輪(左後)
4 車輪(右前)
5 車輪(右後)
6 ドア
10 送受信ユニット(左前)
11 送受信ユニット(左後)
12 送受信ユニット(右前)
13 送受信ユニット(右後)
15 送受信機
16 メモリ
17 センサ
20 車両側装置
21 制御部
22 メモリ
23 受信機
24 送信機
25 第1の送信アンテナ
26 第2の送信アンテナ
27 第3の送信アンテナ
30 第1の範囲
31 第2の範囲
32 第3の範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の少なくとも2つ以上の車輪にそれぞれ取付けられる送受信ユニットと、車両に設けられる車両側装置とを有し、該車両側装置と前記車輪の各送受信ユニットとの間で無線通信を行う位置検出装置において、
前記車両側装置は、前記送受信ユニットからの信号を受信する受信機と、それぞれ所定範囲につき通信可能な複数の送信アンテナと、前記送受信ユニットのそれぞれに固有に割り当てられる識別符号を記憶するメモリと、前記送信アンテナに信号を送信させると共に前記受信機で受信した信号に基づき前記送受信ユニットの位置を判別する制御部とを有し、
前記複数の送信アンテナの1つである第1の送信アンテナは、第1の車輪に取付けられる送受信ユニット及び第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第2の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットを含み、前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットを含まない第2の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は前記複数の送信アンテナにそれぞれ要求信号を送信させ、該要求信号を受信した前記送受信ユニットはそれぞれ該送受信ユニットの識別符号の情報を含む応答信号を送信し、
前記制御部は、前記第1の送信アンテナからの要求信号を受信して応答信号を送信した送受信ユニットのうち、前記第1の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナからの要求信号の両方を受信してそれぞれ前記応答信号を送信した送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲と第2の範囲の共通領域と対応させ、当該領域と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲内であって前記第2の範囲以外の領域と対応させることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記車輪は前記車両の左前と左後、右前及び右後の4つの車輪にそれぞれ取付けられ、
前記第1の送信アンテナは、前記車両の左前と左後の各送受信ユニットを含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記第2の送信アンテナは、前記車両の左後と右後の各送受信ユニットを含む第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記車両の右前と右後の各送受信ユニットを含む第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は、前記第1の送信アンテナからの要求信号を受信して応答信号を送信した送受信ユニットのうち、前記第1の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナからの要求信号の両方を受信してそれぞれ前記応答信号を送信した送受信ユニットの識別符号を、前記車両左後の車輪の領域と対応させ、当該車両左後と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両左前の車輪の領域と対応させ、
さらに前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信して応答信号を送信した送受信ユニットのうち、前記第3の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナからの要求信号の両方を受信してそれぞれ前記応答信号を送信した送受信ユニットの識別符号を、前記車両右後の車輪の領域と対応させ、当該車両右後と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両右前の車輪の領域と対応させることを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
【請求項3】
車両の少なくとも2つ以上の車輪にそれぞれ取付けられる送受信ユニットと、車両に設けられる車両側装置とを有し、該車両側装置と前記車輪の各送受信ユニットとの間で無線通信を行う位置検出装置において、
前記車両側装置は、前記送受信ユニットからの信号を受信する受信機と、それぞれ所定範囲につき通信可能な複数の送信アンテナと、前記送受信ユニットのそれぞれに固有に割り当てられる識別符号を記憶するメモリと、前記送信アンテナに信号を送信させると共に前記受信機で受信した信号に基づき前記送受信ユニットの位置を判別する制御部とを有し、
前記複数の送信アンテナの1つである第1の送信アンテナは、第1の車輪に取付けられる送受信ユニット及び第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第2の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットを含み、前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットを含まない第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットと前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含まない第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は前記複数の送信アンテナにそれぞれ要求信号を送信させ、該要求信号を受信した前記送受信ユニットはそれぞれ該送受信ユニットの識別符号の情報を含む応答信号を送信し、
前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号は受信していない送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲内であって前記第2の範囲以外の領域と対応させ、当該領域と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲と第2の範囲の共通領域と対応させることを特徴とする位置検出装置。
【請求項4】
前記車輪は前記車両の左前と左後、右前及び右後の4つの車輪にそれぞれ取付けられ、
前記第1の送信アンテナは、前記車両の左前と左後の各送受信ユニットを含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記第2の送信アンテナは、前記車両の左後と右後の各送受信ユニットを含む第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記車両の右前と右後の各送受信ユニットを含む第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号は受信していない送受信ユニットの識別符号を、前記車両左前の車輪の領域と対応させ、当該車両左前と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両左後の車輪の領域と対応させ、
さらに前記制御部は、前記第1の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号は受信していない送受信ユニットの識別符号を、前記車両右前の車輪の領域と対応させ、当該車両右前と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記車両右後の車輪の領域と対応させることを特徴とする請求項3記載の位置検出装置。
【請求項5】
車両の少なくとも2つ以上の車輪にそれぞれ取付けられる送受信ユニットと、車両に設けられる車両側装置とを有し、該車両側装置と前記車輪の各送受信ユニットとの間で無線通信を行う位置検出装置において、
前記車両側装置は、前記送受信ユニットからの信号を受信する受信機と、それぞれ所定範囲につき通信可能な複数の送信アンテナと、前記送受信ユニットのそれぞれに固有に割り当てられる識別符号を記憶するメモリと、前記送信アンテナに信号を送信させると共に前記受信機で受信した信号に基づき前記送受信ユニットの位置を判別する制御部とを有し、
前記複数の送信アンテナの1つである第1の送信アンテナは、第1の車輪に取付けられる送受信ユニット及び第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含む第1の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第2の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットを含み、前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットを含まない第2の範囲と通信可能に配置され、前記複数の送信アンテナの1つである第3の送信アンテナは、前記第1の車輪に取付けられる送受信ユニットと前記第2の車輪に取付けられる送受信ユニットの両方を含まない第3の範囲と通信可能に配置され、
前記制御部は前記複数の送信アンテナにそれぞれ要求信号を送信させ、該要求信号を受信した前記送受信ユニットはそれぞれ該送受信ユニットの識別符号の情報を含む応答信号を送信し、
前記制御部は、前記第3の送信アンテナからの要求信号を受信しなかった送受信ユニットのうち、前記第2の送信アンテナからの要求信号を受信した送受信ユニットの識別符号を前記第1の範囲と第2の範囲の共通領域と対応させ、当該領域と対応させた識別符号以外の送受信ユニットの識別符号を、前記第1の範囲内であって前記第2の範囲以外の領域と対応させることを特徴とする位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−158254(P2012−158254A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19567(P2011−19567)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】