位置調整装置およびスパッタ装置
【課題】本発明は、スパッタ装置の真空ロボットにより基板を基板ホルダに取付ける際の位置調整を行う位置調整装置を提供することを目的とする。
【解決手段】スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき真空ロボットにより基板を基板ホルダに取付ける取付け手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する位置調整装置。
【解決手段】スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき真空ロボットにより基板を基板ホルダに取付ける取付け手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する位置調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパッタリング成膜工程における磁気記録基板の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録基板は、複数の製造工程を経て製造される。磁気記録基板のスパッタリング成膜工程の手順は、次のようである。まず、前の工程を通過してきたスパッタ成膜前の基板は、真空ロボットによりスパッタ装置内の基板ホルダに取り付けられる。次に、スパッタ装置内の成膜プロセスに投入される。そして、スパッタ成膜終了後に真空ロボットにより基板ホルダから基板が取り外され、次工程へ基板は、投入される。この真空ロボットによりスパッタ装置内の基板ホルダに取り付けの調整の際、真空ロボットの各運動軸における送りパルスを変更し、基板が基板ホルダの中心に来るように目視確認によって、X軸、Z軸、θ軸方向に位置合わせしている。X軸方向とは、基板ホルダに対して垂直方向、Z軸方向とは、基板ホルダに対して高さ方向、θ軸方向とは、基板ホルダに対して水平方向を示す。
【0003】
この方式では真空ロボット調整における精度が目視確認者の習熟度に依存してしまう。このため真空ロボット調整を行うたびに位置ずれが発生し、調整完了位置が不安定となる。すなわち、真空ロボットの調整位置にずれがある場合、基板と基板を抑える基板ホルダのツメとの間に擦れが生じる。一方、成膜により基板ホルダの基板を抑えるツメの部分にはスパッタ粒子が蓄積されている。このため、新規基板をこのようなスパッタ粒子がツメに蓄積された基板ホルダに取付ける際、位置ずれにより基板が基板ホルダ上を擦れると、基板ホルダから擦れにより削れたパーティクル(スパッタ粒子)が発塵し、基板表面上にパーティクルが付着する。この微小なパーティクルは磁気記録基板の読み書き不良欠陥の原因となる。一方、基板を搬送する際の基板のアライメント時に発生する発塵について、センサを使用して基板のベースに対する位置と角度を検出し補正する技術が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−61775号公報(第2頁段落0010、第3頁段落0011)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、基板のベースに対する位置と角度を検出し、基板の傾きはモータを駆動させて補正する。位置の補正量は、基板を搬送するハンドラ装置にフィードバックする。しかし、この方法は、真空ロボットにより基板を基板ホルダに取付ける際の発塵を防止するために位置調整するものではない。本発明は、スパッタ装置の真空ロボットにより基板を基板ホルダに取付ける際の位置調整を行う位置調整装置およびスパッタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の位置調整装置は、スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する。この構成により、スパッタ装置の基板ホルダに対して基板を取付ける場合に精度高く取付けることができるため、パーティクルの発生が減少する。この結果、記録基板の歩留まりが向上する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ロボット調整位置の良否を量産開始以前に判定できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施例1)
図1にスパッタ装置の説明図を示す。
磁気記録媒体のスパッタリング成膜工程においては、まず、前の工程を通過してきたスパッタ成膜前の基板13が、スパッタ装置51内の基板取付け部52で基板ホルダ11に取り付けられる。次に、基板13は、スパッタ装置51内の成膜プロセスに投入される。まず、基板13が加熱部53で加熱される。次に成膜部54で基板13上にメタルを複数層形成し、その上にDLC(Diamond Like Carbon)膜が生成される。スパッタ成膜終了後は、基板取外し部55で基板ホルダ11から成膜された基板13が取り外され次工程へ投入される。真空ロボット2は、この基板13の取り付けおよび取り外しをしている。真空ロボット2による基板ホルダ11への基板13の取付けの位置調整を行う位置調整装置1は、基板取付け部52に搭載されている。
【0008】
図2に、位置調整装置の構成図を示す。
位置調整装置1は、真空ロボット2、測定部3、判定部4、補正部5、メモリ6、駆動部7を有する。真空ロボット2は、基板を把持して、X軸、θ軸、Z軸方向に移動する。
【0009】
図3に真空ロボットの説明図を示す。
真空ロボット2は、基板ホルダ11に対して垂直方向に移動する方向のX軸、基板ホルダ11を正面から見て、左右の水平方向に移動するθ軸、基板ホルダ11に対して、高さ方向に移動するZ軸を有する。また、真空ロボット2は、ハンド17の先端に基板13を搭載している。キャリア12は、基板ホルダ11を2セット搭載している。キャリア12は、スパッタ装置51内で基板13を搬送するためのものである。
【0010】
図4に基板ホルダへの基板の取り付けの説明図を示す。
真空ロボット2の基板13の取り付け方は、次のようである。まず、スパッタ装置51が基板ホルダ11に近接して配置しているレバーを押下げて基板ホルダ11の下ツメ16を押し下げる。そして押下げることで広げられた空間(図4(a)参照)、に向けて真空ロボット2は、真空ロボット2のハンド17上の基板13を基板ホルダ11に向けてX軸方向に移動する。移動が完了すると、スパッタ装置51がレバーを上げ、下ツメ16を解放すると、下ツメ16は持ち上がる(図4(b)参照)。この結果、下ツメ16は基板13を持ち上げ、基板13は上ツメ14,15と接触する。上下ツメ14〜16のバネ力が均衡する地点で基板13は保持される(図4(c)参照)。上下ツメ14〜16ツメは、V字型であり、基板13を保持する。位置ずれのない状態を図4(d)に示す。一方、パーティクル24は、この上下ツメ14〜16ツメ上に蓄積されている。このため、基板13は、矢印の方向にV字面上ずれて基板ホルダ11に取付けられると、V字面上をV字の底の中央に向けてずれるため擦れを生じ、パーティクル24が発塵する(図4(e)参照)。
【0011】
図2の説明に戻る。測定部3は、基板ホルダ11に基板13を取り付けたときの状態を測定する。測定方法としては、基板13に付着したパーティクル24の測定、飛散したパーティクル24の測定、基板取付け位置の画像測定の3種類の方法がある。これらは、個別的にも、組合せても用いることができる。判定部4は、上ツメ14,15,下ツメ16と基板13との衝突位置を判定する。補正部5は、推定された位置に従って、補正方向を決定し、所定の補正量に対応する設定値をメモリ6に格納する。メモリ6は、駆動部7の初期値としての設定値、補正された設定値および画像測定の場合の基準のエッジ情報を記憶する。駆動部7は、真空ロボット2の駆動制御を行う。最初は、メモリ6に格納されている初期値の設定値に従って、X軸、θ軸、Z軸方向に移動するための駆動パルスを真空ロボット2に送付する。その後、補正部5から補正完了を受けると、メモリ6から設定値を取得する。そして、初期値を補正した設定値に従った駆動パルスを真空ロボット2に送付する。このようなスパッタ装置51内の真空ロボット2により、基板ホルダ11への基板13のセットを正確に行うための、位置測定方法の説明を以下に行う。
【0012】
図5に基板上のパーティクルの測定方法を示す。
測定器A21を用いて基板13上のパーティクル24を測定する。測定器A21を基板13の両面に2台、設置して測定する。基板13は、所定方向に移動させることで、基板13の全面を測定できる。測定器A21は、レーザ発光ユニット22と、受光ユニット23を有する。レーザ発光ユニット22により放射されたレーザがパーティクル24で反射し、散乱した光を受光ユニット23が検出する。測定場所は、スパッタ装置51内でも、スパッタ装置51外でも可能である。測定のため、スパッタ装置51外での測定の場合は、スパッタ装置51内を成膜動作はさせずに、1周させたのちに、調査基板13をスパッタ装置51から排出し所定の測定場所に設置する。
【0013】
図6に基板上のパーティクルの測定処理を示す。
新規調査基板13を基板ホルダ11にセットする(S11ステップ)。このとき、X軸、θ軸、Z軸方向の駆動パルスの値は、メモリ6から設定値を取得して行う。設定値は、測定開始当初は、初期値である。次に、基板13の表面のパーティクル24を測定する(S12ステップ)。測定は、基板13の表面にレーザを当て、散乱光を検出することで基板13の表面に付着しているパーティクル24の数、大きさを検出する。基板13の両面について測定を行う。基板13の両面でパーティクル24の絶対量が大きい否かを判断する(S13ステップ)。パーティクル24の数が所定の個数を越えていたら絶対量が大きいと判断する。絶対量が大きい場合は、基板13のθ方向のずれと推定し、所定量、補正する(S14ステップ)。補正は、基板ホルダ11に対して例えばまず左に移動してみて改善しない場合は、右に移動する順序で行う。これは、基板13の取り付け位置が、真空ロボット2から見て所定値より右方向または左方向にずれることによる擦れが発生しているためである。すなわち、基板13により下ツメ16のパーティクル24および上ツメ14または15上のパーティクル24の削ずれが発生し、基板の両面にパーティクルが付着するためである。基板13のパーティクル24の絶対量が両面で大きくない場合は、面間差をチェックする(S15ステップ)。面間差が大きい場合、X軸方向のずれがあるため小さくなるように所定量、補正する(S16ステップ)。パーティクル数24の絶対量の大きい面が、A面側(真空ロボット2側)であれば、X軸の値を増加する。これは、基板13の取り付け位置が、真空ロボット2から見て所定値より手前にずれることによる擦れが発生しているためである。すなわち、基板13により上下ツメ14〜16のパーティクル24の削ずれが、手前で発生し、基板にパーティクルが付着するためである。パーティクル数24の絶対量の大きい面が、B面側(A面の反対面)であれば、X軸方向の値を減少する。これは、基板13の取り付け位置が、真空ロボット2から見て所定値より奥よりにずれることによる擦れが発生しているためである。すなわち、基板13により上下ツメ14〜16のパーティクル24の削ずれが、奥よりで発生し、基板にパーティクルが付着するためである。両面で絶対量が小さく、面間差がない場合には、設定値をメモリ6に記憶する(S17ステップ)。
【0014】
図7に、飛散パーティクルの測定方法を示す。
飛散パーティクルの測定器B25は、センサ26とマグネット27を有する。測定対象物の基板13を搭載する基板ホルダ11の両側にセンサ26の番号1〜4が配置されるように測定器B25をスパッタ装置51内に設置する。また、センサ26でのパーティクル検出感度を増すため、センサ26近傍にパーティクル吸着マグネット27を配置する。センサ26は、レーザ発光ユニット22と受光ユニット23を有する。
【0015】
図8に、飛散パーティクルの測定処理を示す。
真空ロボット2により、基板13を基板ホルダ11にセットする(S21ステップ)。次に飛散パーティクル数を測定する。測定は、センサ25により、単位時間ごとに(最小1sec刻み)で飛散したパーティクル数をカウントする(S22ステップ)。そして、基板取り付けの際の飛散パーティクル数を測定した結果、センサ26の1,3とセンサ26の2,4が、ほぼ等しいか否かを判定する(S23ステップ)。ほぼ等しくない場合は、真空ロボット2のX方向の移動距離を変更する(S24ステップ)。具体的には、センサ26の1,3>センサ26の2,4の場合には、基板13の取り付け位置が奥寄り(図6の上寄り)になっており基板13と上下ツメ14〜16との削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のX方向の移動距離が短くなる方向、すなわち手前(図6の図面下方向)になるように、ロボットの移動を所定量、補正する。また、センサ26の1,3<センサ26の2,4の場合には、基板13の取り付け位置が手前(図6の下寄り)になっており基板13と上下ツメ14〜16との削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のX方向の移動距離が長くなる方向、すなわち手前(図6の図面上方向)になるように、真空ロボット2の移動を所定量、調整する。新しい基板により、再測定をするため、S21ステップに戻る。飛散パーティクル数を測定した結果、センサ26の1,3とセンサ25の2,4が、ほぼ等しい場合には、センサ26の1,2とセンサ26の3,4がほぼ等しいか否かを判定する(S25ステップ)。ほぼ等しくない場合は、真空ロボット2のθ方向の移動距離を変更する(S26ステップ)。
【0016】
具体的には、センサ26の1,2>センサ26の3,4の場合には、基板取り付け位置が真空ロボット2から見て左寄りになっており基板13と上ツメ14および下ツメ16の削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のθ方向を右方向に調整するように、真空ロボット2の移動を所定量、調整する(S27ステップ)。また、センサ26の1,2<センサ26の3,4の場合には、基板13の取り付け位置が右寄りになっており基板13と上ツメ15および下ツメ16との削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のθ方向を左方向に調整するように、真空ロボット2の移動を所定量、調整する。そして新しい基板13により、再測定をするため、S21ステップに戻る。そして、飛散パーティクルがセンサ1,3とセンサ2,4がほぼ等しくなった場合には、設定値をメモリ6に記憶する。
【0017】
図9に、画像モニタによる位置調整の測定方法を示す。
基板13の真空ロボット2と反対側の基板ホルダ11と対向する位置に画像モニタ31をスパッタ装置51内に設置する(図9(a)参照)。画像モニタ31での検出位置は、3箇所の上下ツメ14〜16の先端位置、および基板13の上下左右方向の6箇所の予め定めた測定領域32を検出する(図9(b)参照)。
【0018】
図10に、画像モニタ測定処理を示す。
真空ロボット2にて、新基板13を基板ホルダ11にセットする(S31ステップ)。画像モニタ31で測定する。測定は、下ツメ16のレバーが解放され、基板13が上下ツメ14〜16で保持されたタイミングで各ポイントのエッジを検出する(S32ステップ)。画像モニタ31はエッジ位置が所定範囲内かどうかの合否判定を行う(S33ステップ)。偏りがある場合はθ方向に補正する(S34ステップ)。偏りの判定は、次のようである。まず、画像モニタ31で空の基板ホルダ11の画像を取得する。そして仮想的に計算で基板13の中心位置を設定する。次に、エッジ検出をする領域を設定する。エッジ検出とは、コントラストの変化(白→黒 or 黒→白)で対象物の輪郭を求めることをいう。そして、予め各検出箇所の基板搭載時のエッジを計算で設定する。所定の領域内の基板13と上下ツメ14〜16の輪郭データが取得する。次に、実際の測定をする。そして、エッジのラインが、所定領域内のどの位置か、所定領域外かを判定する。
【0019】
図11にずれの説明図を示す。
例えば、図11(a)に取り付けが正常の場合、図11(b)に取付けが、真空右寄りの図を示す。エッジ検出での計測結果が、基板13の位置が右寄りの場合、測定領域32−1の右上ツメ15が上がっているので、NGと判定し、θ方向を左寄りに修正する。一方、エッジ検出での計測結果が、基板13の位置が左寄り、左上ツメ14が上がっている場合は、NGと判定し、θ方向を右寄りに修正する。そして、補正値を決定したあとは、再測定のため、S31ステップに戻る。各エッジの検出結果が所定範囲内となり正常となった場合には、その設定値をメモリ6に記憶する(S35ステップ)。但し、この画像センサはX軸のずれは検出できない。そのためX方向のずれを検出するためパーティクル測定または基板表面のパーティクル測定を併せて行うことで、精度向上できる。
【0020】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する位置調整装置。
(付記2)測定手段は、基板ホルダと基板の接触により基板に付着したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
(付記3)測定手段は、基板ホルダと基板の接触により飛散したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
(付記4)真空装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、画像を入力する画像入力手段と、基板を取付けていないときの基板ホルダの画像を基に所定領域の第1のエッジ画像を取得するエッジ画像取得手段と、基板を取付けたときの基板ホルダの画像を基に前記所定領域のエッジ画像を取得する第2のエッジ画像取得手段と、第1のエッジ画像と第2のエッジ画像の差分を測定する差分測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する位置調整装置。
(付記5)基板を基板ホルダに真空ロボットにより取付ける基板取付け部と、基板ホルダに取付けられた基板を加熱する過熱部と、加熱された基板上に薄膜を形成する成膜部と、を有するスパッタ装置であって、基板取付け部が、基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有するスパッタ装置。
(付記6)判定手段は、付着したパーティクル数について絶対量が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して水平方向の基板の位置ずれと判定する位置ずれ判定手段を有することを特徴とする付記2記載の位置調整装置。
(付記7)判定手段は、付着したパーティクル数について基板の面間差が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して垂直方向の基板の位置ずれと判定する位置ずれ判定手段を有することを特徴とする付記2記載の位置調整装置。
(付記8)判定手段は、飛散したパーティクル数について基板の面間差が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して垂直方向の基板の位置ずれと判定する位置ずれ判定手段を有することを特徴とする付記3記載の位置調整装置。
(付記9)判定手段は、基板の左右部分の近傍に飛散したパーティクル数の差が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して水平方向の位置ずれと判定することを特徴とする付記3記載の位置調整装置。
(付記10)スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整方法であって、取付け位置情報をメモリに記憶する記憶ステップと、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動ステップと、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定ステップと、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定ステップと、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正ステップと、を有する位置調整方法。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】スパッタ装置の説明図
【図2】位置調整装置の構成図
【図3】真空ロボットの説明図
【図4】基板ホルダへの基板の取り付けの説明図
【図5】基板上のパーティクルの測定方法
【図6】基板上のパーティクルの測定処理
【図7】飛散パーティクルの測定方法
【図8】飛散パーティクルの測定処理
【図9】画像モニタによる位置調整の測定方法
【図10】画像モニタ測定処理
【図11】ずれの説明図
【符号の説明】
【0022】
1 位置調整装置
2 真空ロボット
3 測定部
4 判定部
5 補正部
6 メモリ
7 駆動部
11 基板ホルダ
12 キャリア
13 基板
14、15 上ツメ
16 下ツメ
17 ハンド
21 測定器A
22 レーザ発光ユニット
23 受光ユニット
24 パーティクル
25 測定器B
26、26−1〜26−4 センサ
27 マグネット
31 画像モニタ
32、32−1 測定領域
51 スパッタ装置
52 基板取付け部
53 加熱部
54 成膜部
55 基板取外し部
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパッタリング成膜工程における磁気記録基板の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録基板は、複数の製造工程を経て製造される。磁気記録基板のスパッタリング成膜工程の手順は、次のようである。まず、前の工程を通過してきたスパッタ成膜前の基板は、真空ロボットによりスパッタ装置内の基板ホルダに取り付けられる。次に、スパッタ装置内の成膜プロセスに投入される。そして、スパッタ成膜終了後に真空ロボットにより基板ホルダから基板が取り外され、次工程へ基板は、投入される。この真空ロボットによりスパッタ装置内の基板ホルダに取り付けの調整の際、真空ロボットの各運動軸における送りパルスを変更し、基板が基板ホルダの中心に来るように目視確認によって、X軸、Z軸、θ軸方向に位置合わせしている。X軸方向とは、基板ホルダに対して垂直方向、Z軸方向とは、基板ホルダに対して高さ方向、θ軸方向とは、基板ホルダに対して水平方向を示す。
【0003】
この方式では真空ロボット調整における精度が目視確認者の習熟度に依存してしまう。このため真空ロボット調整を行うたびに位置ずれが発生し、調整完了位置が不安定となる。すなわち、真空ロボットの調整位置にずれがある場合、基板と基板を抑える基板ホルダのツメとの間に擦れが生じる。一方、成膜により基板ホルダの基板を抑えるツメの部分にはスパッタ粒子が蓄積されている。このため、新規基板をこのようなスパッタ粒子がツメに蓄積された基板ホルダに取付ける際、位置ずれにより基板が基板ホルダ上を擦れると、基板ホルダから擦れにより削れたパーティクル(スパッタ粒子)が発塵し、基板表面上にパーティクルが付着する。この微小なパーティクルは磁気記録基板の読み書き不良欠陥の原因となる。一方、基板を搬送する際の基板のアライメント時に発生する発塵について、センサを使用して基板のベースに対する位置と角度を検出し補正する技術が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−61775号公報(第2頁段落0010、第3頁段落0011)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、基板のベースに対する位置と角度を検出し、基板の傾きはモータを駆動させて補正する。位置の補正量は、基板を搬送するハンドラ装置にフィードバックする。しかし、この方法は、真空ロボットにより基板を基板ホルダに取付ける際の発塵を防止するために位置調整するものではない。本発明は、スパッタ装置の真空ロボットにより基板を基板ホルダに取付ける際の位置調整を行う位置調整装置およびスパッタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の位置調整装置は、スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する。この構成により、スパッタ装置の基板ホルダに対して基板を取付ける場合に精度高く取付けることができるため、パーティクルの発生が減少する。この結果、記録基板の歩留まりが向上する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ロボット調整位置の良否を量産開始以前に判定できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施例1)
図1にスパッタ装置の説明図を示す。
磁気記録媒体のスパッタリング成膜工程においては、まず、前の工程を通過してきたスパッタ成膜前の基板13が、スパッタ装置51内の基板取付け部52で基板ホルダ11に取り付けられる。次に、基板13は、スパッタ装置51内の成膜プロセスに投入される。まず、基板13が加熱部53で加熱される。次に成膜部54で基板13上にメタルを複数層形成し、その上にDLC(Diamond Like Carbon)膜が生成される。スパッタ成膜終了後は、基板取外し部55で基板ホルダ11から成膜された基板13が取り外され次工程へ投入される。真空ロボット2は、この基板13の取り付けおよび取り外しをしている。真空ロボット2による基板ホルダ11への基板13の取付けの位置調整を行う位置調整装置1は、基板取付け部52に搭載されている。
【0008】
図2に、位置調整装置の構成図を示す。
位置調整装置1は、真空ロボット2、測定部3、判定部4、補正部5、メモリ6、駆動部7を有する。真空ロボット2は、基板を把持して、X軸、θ軸、Z軸方向に移動する。
【0009】
図3に真空ロボットの説明図を示す。
真空ロボット2は、基板ホルダ11に対して垂直方向に移動する方向のX軸、基板ホルダ11を正面から見て、左右の水平方向に移動するθ軸、基板ホルダ11に対して、高さ方向に移動するZ軸を有する。また、真空ロボット2は、ハンド17の先端に基板13を搭載している。キャリア12は、基板ホルダ11を2セット搭載している。キャリア12は、スパッタ装置51内で基板13を搬送するためのものである。
【0010】
図4に基板ホルダへの基板の取り付けの説明図を示す。
真空ロボット2の基板13の取り付け方は、次のようである。まず、スパッタ装置51が基板ホルダ11に近接して配置しているレバーを押下げて基板ホルダ11の下ツメ16を押し下げる。そして押下げることで広げられた空間(図4(a)参照)、に向けて真空ロボット2は、真空ロボット2のハンド17上の基板13を基板ホルダ11に向けてX軸方向に移動する。移動が完了すると、スパッタ装置51がレバーを上げ、下ツメ16を解放すると、下ツメ16は持ち上がる(図4(b)参照)。この結果、下ツメ16は基板13を持ち上げ、基板13は上ツメ14,15と接触する。上下ツメ14〜16のバネ力が均衡する地点で基板13は保持される(図4(c)参照)。上下ツメ14〜16ツメは、V字型であり、基板13を保持する。位置ずれのない状態を図4(d)に示す。一方、パーティクル24は、この上下ツメ14〜16ツメ上に蓄積されている。このため、基板13は、矢印の方向にV字面上ずれて基板ホルダ11に取付けられると、V字面上をV字の底の中央に向けてずれるため擦れを生じ、パーティクル24が発塵する(図4(e)参照)。
【0011】
図2の説明に戻る。測定部3は、基板ホルダ11に基板13を取り付けたときの状態を測定する。測定方法としては、基板13に付着したパーティクル24の測定、飛散したパーティクル24の測定、基板取付け位置の画像測定の3種類の方法がある。これらは、個別的にも、組合せても用いることができる。判定部4は、上ツメ14,15,下ツメ16と基板13との衝突位置を判定する。補正部5は、推定された位置に従って、補正方向を決定し、所定の補正量に対応する設定値をメモリ6に格納する。メモリ6は、駆動部7の初期値としての設定値、補正された設定値および画像測定の場合の基準のエッジ情報を記憶する。駆動部7は、真空ロボット2の駆動制御を行う。最初は、メモリ6に格納されている初期値の設定値に従って、X軸、θ軸、Z軸方向に移動するための駆動パルスを真空ロボット2に送付する。その後、補正部5から補正完了を受けると、メモリ6から設定値を取得する。そして、初期値を補正した設定値に従った駆動パルスを真空ロボット2に送付する。このようなスパッタ装置51内の真空ロボット2により、基板ホルダ11への基板13のセットを正確に行うための、位置測定方法の説明を以下に行う。
【0012】
図5に基板上のパーティクルの測定方法を示す。
測定器A21を用いて基板13上のパーティクル24を測定する。測定器A21を基板13の両面に2台、設置して測定する。基板13は、所定方向に移動させることで、基板13の全面を測定できる。測定器A21は、レーザ発光ユニット22と、受光ユニット23を有する。レーザ発光ユニット22により放射されたレーザがパーティクル24で反射し、散乱した光を受光ユニット23が検出する。測定場所は、スパッタ装置51内でも、スパッタ装置51外でも可能である。測定のため、スパッタ装置51外での測定の場合は、スパッタ装置51内を成膜動作はさせずに、1周させたのちに、調査基板13をスパッタ装置51から排出し所定の測定場所に設置する。
【0013】
図6に基板上のパーティクルの測定処理を示す。
新規調査基板13を基板ホルダ11にセットする(S11ステップ)。このとき、X軸、θ軸、Z軸方向の駆動パルスの値は、メモリ6から設定値を取得して行う。設定値は、測定開始当初は、初期値である。次に、基板13の表面のパーティクル24を測定する(S12ステップ)。測定は、基板13の表面にレーザを当て、散乱光を検出することで基板13の表面に付着しているパーティクル24の数、大きさを検出する。基板13の両面について測定を行う。基板13の両面でパーティクル24の絶対量が大きい否かを判断する(S13ステップ)。パーティクル24の数が所定の個数を越えていたら絶対量が大きいと判断する。絶対量が大きい場合は、基板13のθ方向のずれと推定し、所定量、補正する(S14ステップ)。補正は、基板ホルダ11に対して例えばまず左に移動してみて改善しない場合は、右に移動する順序で行う。これは、基板13の取り付け位置が、真空ロボット2から見て所定値より右方向または左方向にずれることによる擦れが発生しているためである。すなわち、基板13により下ツメ16のパーティクル24および上ツメ14または15上のパーティクル24の削ずれが発生し、基板の両面にパーティクルが付着するためである。基板13のパーティクル24の絶対量が両面で大きくない場合は、面間差をチェックする(S15ステップ)。面間差が大きい場合、X軸方向のずれがあるため小さくなるように所定量、補正する(S16ステップ)。パーティクル数24の絶対量の大きい面が、A面側(真空ロボット2側)であれば、X軸の値を増加する。これは、基板13の取り付け位置が、真空ロボット2から見て所定値より手前にずれることによる擦れが発生しているためである。すなわち、基板13により上下ツメ14〜16のパーティクル24の削ずれが、手前で発生し、基板にパーティクルが付着するためである。パーティクル数24の絶対量の大きい面が、B面側(A面の反対面)であれば、X軸方向の値を減少する。これは、基板13の取り付け位置が、真空ロボット2から見て所定値より奥よりにずれることによる擦れが発生しているためである。すなわち、基板13により上下ツメ14〜16のパーティクル24の削ずれが、奥よりで発生し、基板にパーティクルが付着するためである。両面で絶対量が小さく、面間差がない場合には、設定値をメモリ6に記憶する(S17ステップ)。
【0014】
図7に、飛散パーティクルの測定方法を示す。
飛散パーティクルの測定器B25は、センサ26とマグネット27を有する。測定対象物の基板13を搭載する基板ホルダ11の両側にセンサ26の番号1〜4が配置されるように測定器B25をスパッタ装置51内に設置する。また、センサ26でのパーティクル検出感度を増すため、センサ26近傍にパーティクル吸着マグネット27を配置する。センサ26は、レーザ発光ユニット22と受光ユニット23を有する。
【0015】
図8に、飛散パーティクルの測定処理を示す。
真空ロボット2により、基板13を基板ホルダ11にセットする(S21ステップ)。次に飛散パーティクル数を測定する。測定は、センサ25により、単位時間ごとに(最小1sec刻み)で飛散したパーティクル数をカウントする(S22ステップ)。そして、基板取り付けの際の飛散パーティクル数を測定した結果、センサ26の1,3とセンサ26の2,4が、ほぼ等しいか否かを判定する(S23ステップ)。ほぼ等しくない場合は、真空ロボット2のX方向の移動距離を変更する(S24ステップ)。具体的には、センサ26の1,3>センサ26の2,4の場合には、基板13の取り付け位置が奥寄り(図6の上寄り)になっており基板13と上下ツメ14〜16との削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のX方向の移動距離が短くなる方向、すなわち手前(図6の図面下方向)になるように、ロボットの移動を所定量、補正する。また、センサ26の1,3<センサ26の2,4の場合には、基板13の取り付け位置が手前(図6の下寄り)になっており基板13と上下ツメ14〜16との削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のX方向の移動距離が長くなる方向、すなわち手前(図6の図面上方向)になるように、真空ロボット2の移動を所定量、調整する。新しい基板により、再測定をするため、S21ステップに戻る。飛散パーティクル数を測定した結果、センサ26の1,3とセンサ25の2,4が、ほぼ等しい場合には、センサ26の1,2とセンサ26の3,4がほぼ等しいか否かを判定する(S25ステップ)。ほぼ等しくない場合は、真空ロボット2のθ方向の移動距離を変更する(S26ステップ)。
【0016】
具体的には、センサ26の1,2>センサ26の3,4の場合には、基板取り付け位置が真空ロボット2から見て左寄りになっており基板13と上ツメ14および下ツメ16の削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のθ方向を右方向に調整するように、真空ロボット2の移動を所定量、調整する(S27ステップ)。また、センサ26の1,2<センサ26の3,4の場合には、基板13の取り付け位置が右寄りになっており基板13と上ツメ15および下ツメ16との削ずれが、発生しているため、真空ロボット2のθ方向を左方向に調整するように、真空ロボット2の移動を所定量、調整する。そして新しい基板13により、再測定をするため、S21ステップに戻る。そして、飛散パーティクルがセンサ1,3とセンサ2,4がほぼ等しくなった場合には、設定値をメモリ6に記憶する。
【0017】
図9に、画像モニタによる位置調整の測定方法を示す。
基板13の真空ロボット2と反対側の基板ホルダ11と対向する位置に画像モニタ31をスパッタ装置51内に設置する(図9(a)参照)。画像モニタ31での検出位置は、3箇所の上下ツメ14〜16の先端位置、および基板13の上下左右方向の6箇所の予め定めた測定領域32を検出する(図9(b)参照)。
【0018】
図10に、画像モニタ測定処理を示す。
真空ロボット2にて、新基板13を基板ホルダ11にセットする(S31ステップ)。画像モニタ31で測定する。測定は、下ツメ16のレバーが解放され、基板13が上下ツメ14〜16で保持されたタイミングで各ポイントのエッジを検出する(S32ステップ)。画像モニタ31はエッジ位置が所定範囲内かどうかの合否判定を行う(S33ステップ)。偏りがある場合はθ方向に補正する(S34ステップ)。偏りの判定は、次のようである。まず、画像モニタ31で空の基板ホルダ11の画像を取得する。そして仮想的に計算で基板13の中心位置を設定する。次に、エッジ検出をする領域を設定する。エッジ検出とは、コントラストの変化(白→黒 or 黒→白)で対象物の輪郭を求めることをいう。そして、予め各検出箇所の基板搭載時のエッジを計算で設定する。所定の領域内の基板13と上下ツメ14〜16の輪郭データが取得する。次に、実際の測定をする。そして、エッジのラインが、所定領域内のどの位置か、所定領域外かを判定する。
【0019】
図11にずれの説明図を示す。
例えば、図11(a)に取り付けが正常の場合、図11(b)に取付けが、真空右寄りの図を示す。エッジ検出での計測結果が、基板13の位置が右寄りの場合、測定領域32−1の右上ツメ15が上がっているので、NGと判定し、θ方向を左寄りに修正する。一方、エッジ検出での計測結果が、基板13の位置が左寄り、左上ツメ14が上がっている場合は、NGと判定し、θ方向を右寄りに修正する。そして、補正値を決定したあとは、再測定のため、S31ステップに戻る。各エッジの検出結果が所定範囲内となり正常となった場合には、その設定値をメモリ6に記憶する(S35ステップ)。但し、この画像センサはX軸のずれは検出できない。そのためX方向のずれを検出するためパーティクル測定または基板表面のパーティクル測定を併せて行うことで、精度向上できる。
【0020】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する位置調整装置。
(付記2)測定手段は、基板ホルダと基板の接触により基板に付着したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
(付記3)測定手段は、基板ホルダと基板の接触により飛散したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
(付記4)真空装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、画像を入力する画像入力手段と、基板を取付けていないときの基板ホルダの画像を基に所定領域の第1のエッジ画像を取得するエッジ画像取得手段と、基板を取付けたときの基板ホルダの画像を基に前記所定領域のエッジ画像を取得する第2のエッジ画像取得手段と、第1のエッジ画像と第2のエッジ画像の差分を測定する差分測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有する位置調整装置。
(付記5)基板を基板ホルダに真空ロボットにより取付ける基板取付け部と、基板ホルダに取付けられた基板を加熱する過熱部と、加熱された基板上に薄膜を形成する成膜部と、を有するスパッタ装置であって、基板取付け部が、基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置情報を記憶する記憶手段と、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有するスパッタ装置。
(付記6)判定手段は、付着したパーティクル数について絶対量が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して水平方向の基板の位置ずれと判定する位置ずれ判定手段を有することを特徴とする付記2記載の位置調整装置。
(付記7)判定手段は、付着したパーティクル数について基板の面間差が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して垂直方向の基板の位置ずれと判定する位置ずれ判定手段を有することを特徴とする付記2記載の位置調整装置。
(付記8)判定手段は、飛散したパーティクル数について基板の面間差が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して垂直方向の基板の位置ずれと判定する位置ずれ判定手段を有することを特徴とする付記3記載の位置調整装置。
(付記9)判定手段は、基板の左右部分の近傍に飛散したパーティクル数の差が所定値より大きいときは、基板ホルダに対して水平方向の位置ずれと判定することを特徴とする付記3記載の位置調整装置。
(付記10)スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整方法であって、取付け位置情報をメモリに記憶する記憶ステップと、記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動ステップと、取付けられた基板の取付け状態を測定する測定ステップと、測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定ステップと、位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正ステップと、を有する位置調整方法。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】スパッタ装置の説明図
【図2】位置調整装置の構成図
【図3】真空ロボットの説明図
【図4】基板ホルダへの基板の取り付けの説明図
【図5】基板上のパーティクルの測定方法
【図6】基板上のパーティクルの測定処理
【図7】飛散パーティクルの測定方法
【図8】飛散パーティクルの測定処理
【図9】画像モニタによる位置調整の測定方法
【図10】画像モニタ測定処理
【図11】ずれの説明図
【符号の説明】
【0022】
1 位置調整装置
2 真空ロボット
3 測定部
4 判定部
5 補正部
6 メモリ
7 駆動部
11 基板ホルダ
12 キャリア
13 基板
14、15 上ツメ
16 下ツメ
17 ハンド
21 測定器A
22 レーザ発光ユニット
23 受光ユニット
24 パーティクル
25 測定器B
26、26−1〜26−4 センサ
27 マグネット
31 画像モニタ
32、32−1 測定領域
51 スパッタ装置
52 基板取付け部
53 加熱部
54 成膜部
55 基板取外し部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、
取付け位置情報を記憶する記憶手段と、
記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、
取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、
測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、
位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、
を有する位置調整装置。
【請求項2】
測定手段は、基板ホルダと基板の接触により基板に付着したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
【請求項3】
測定手段は、基板ホルダと基板の接触により飛散したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
【請求項4】
真空装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、
取付け位置情報を記憶する記憶手段と、
記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、
画像を入力する画像入力手段と、
基板を取付けていないときの基板ホルダの画像を基に所定領域の第1のエッジ画像を取得するエッジ画像取得手段と、
基板を取付けたときの基板ホルダの画像を基に前記所定領域のエッジ画像を取得する第2のエッジ画像取得手段と、
第1のエッジ画像と第2のエッジ画像の差分を測定する差分測定手段と、
測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、
位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、
を有する位置調整装置。
【請求項5】
基板を基板ホルダに真空ロボットにより取付ける基板取付け部と、
基板ホルダに取付けられた基板を加熱する加熱部と、
加熱された基板上に薄膜を形成する成膜部と、を有するスパッタ装置であって、
基板取付け部が、
基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置情報を記憶する記憶手段と、
記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、
取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、
測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、
位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、
を有するスパッタ装置。
【請求項1】
スパッタ装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、
取付け位置情報を記憶する記憶手段と、
記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、
取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、
測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、
位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、
を有する位置調整装置。
【請求項2】
測定手段は、基板ホルダと基板の接触により基板に付着したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
【請求項3】
測定手段は、基板ホルダと基板の接触により飛散したパーティクル数を測定することを特徴とする請求項1記載の位置調整装置。
【請求項4】
真空装置内の基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置を調整する位置調整装置であって、
取付け位置情報を記憶する記憶手段と、
記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、
画像を入力する画像入力手段と、
基板を取付けていないときの基板ホルダの画像を基に所定領域の第1のエッジ画像を取得するエッジ画像取得手段と、
基板を取付けたときの基板ホルダの画像を基に前記所定領域のエッジ画像を取得する第2のエッジ画像取得手段と、
第1のエッジ画像と第2のエッジ画像の差分を測定する差分測定手段と、
測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、
位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、
を有する位置調整装置。
【請求項5】
基板を基板ホルダに真空ロボットにより取付ける基板取付け部と、
基板ホルダに取付けられた基板を加熱する加熱部と、
加熱された基板上に薄膜を形成する成膜部と、を有するスパッタ装置であって、
基板取付け部が、
基板ホルダに真空ロボットにより基板を取付けるときの取付け位置情報を記憶する記憶手段と、
記憶された取付け位置情報に基づき基板を基板ホルダに取付けるために真空ロボットを駆動する駆動手段と、
取付けられた基板の取付け状態を測定する測定手段と、
測定結果に基づき、位置ずれを生じているか否かを判定する判定手段と、
位置ずれと判定されたときは、基板の取付け位置情報を補正する位置情報補正手段と、
を有するスパッタ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−144194(P2008−144194A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329892(P2006−329892)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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