説明

位置追跡システムを使用し相互作用時間に基づいて対象の関連付けを実施するためのシステム及び方法

【課題】位置追跡システムを使用し相互作用時間に基づいて対象の関連付けを実施するためのシステム及び方法
【解決手段】相互作用時間に基づいて対象を場所又は第2の対象に関連付けるためのシステムが提供される。システムは、対象を識別するデータを提供するために対象にリンクされた対象識別要素と、対象の位置を決定するための位置決定モジュールとを含む。対象識別要素は、データに少なくとも部分的に基づいて対象の位置を決定するための対象位置特定モジュールと、対象を第2の対象又は場所に関連付けるための対象関連付けモジュールとを含む。対象関連付けモジュールは、対象が閾時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定し、対象と第2の対象又は場所との間に関連付けを形成するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2006年8月29日付けで米国特許第7,099,895号として発行された米国特許出願第10/096,187号の継続特許出願である米国特許出願第11/503,651号に関連した、2008年2月1日に出願された米国特許出願第12/024,711号の優先権を主張する。上記の出願及び特許の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の例示的実施形態は、全体として、位置追跡システムに関し、特に、位置追跡システムを使用して相互作用時間に基づいて対象、人、及び位置の関連付けを実施することに関する。
【背景技術】
【0003】
人又は対象がその他の人又は対象と相互作用する又は関連を持つことにかける時間の長さを自動的に且つ正確に追跡する必要がある。この関連付け情報は、会計目的のために、従業員の雇用のために、顧客に対して支払い請求するために、又は所定の対象に対して若しくは所定の人によって「費やされる作業」の記録を取るために使用されてよい。或いは、情報は、在庫の記録、機器利用の調査、事象の誘発、及び類似の用途に使用されてよい。あいにく、今日の対象関連付けシステムの正確さは、不十分である。従来の対象関連付けシステムは、デバイスが相互作用にかける時間の長さを捉えるために、推定を必要とする。例えば、高価な医療機器が検査中に使用された時間の長さを推定することが、極めて普通である。医療機器は、運転された時間に対応して年間何百万ドルもの支払い請求を生じる可能性があるので、運転時間の推定における僅かな不正確さは、支払人及び受取人の双方に大きく影響する。したがって、医療保険会社にとっては、特定の機器の使用の厳密な時間の記録を要求することが、いっそう普通になっている。この要求は、人間による監視を必要とするので、プロセスは、医療スタッフにとって過度な負担になる。
【0004】
従来の対象関連付けシステムを人間によって開始させる必要性は、システムにとっての大きな課題である。主として、タイマを開始及び停止させるため、又は時間を記録するためなどの、この手動の相互作用の必要性は、読み取りを不正確にし、不正に陥りやすくする。人によっては、とりわけ実施すべき任務が複数あるときなどに、単純に、タイマを開始若しくは停止させることを忘れたり、又は、物事を簡単にしておくために、時間を推定してすませたりする。小休憩をとるときは、タイマを停止させないことが大半であり、これは、更に、読み取りを不正確にする。場合によっては、人は、時間追跡システムを不正に開始又は停止させることがあり、その結果、支払い請求を不正確にする。また、タイマとのインターフェースを持たない対象は、自身でタイマを開始させることができないので、対象が相互作用にかける時間を正確に追跡することは困難である。通常は、人が何らかのかたちで関与している必要がある。あいにく、従来の関連付けシステムは、人間による介在なしに自動的に関連付けを決定する及びその記録を取るようにはデザインされていない。
【0005】
また、従来の対象関連付けシステムは、順次的であれ同時的であれ、複数の任務を追跡することができない。「タイムクロック」タイプのシステムにおいて、もし追跡されるべき対象又は任務が複数ある場合は、複数のタイマが使用されるのが通常である。これらのタイマは、2つのデバイスの相互作用の開始を人間のオペレータが通知したときに追跡を行うことができるが、問題は、他のデバイスと相互作用するデバイスが複数ある場合に記録が急激に困難になることである。従来の無線テザリングシステムは、2つのデバイスが互いに接近しているときに通知することに限られる。これらは、開始及び停止がかかわる複数の対象相互作用を扱う能力は備えていないのが通常である。位置特定システムの解決策は、単純に、複数のデバイスが同じ空間内にあることは示す。これらの解決策は、相互作用を詳細に決定することが難しいゆえに、どの対象が別の対象と相互作用しているのかも、これらの相互作用がいつ生じるかも示さない。また、現在のシステムの大半は、生産中の未完成品(WIP)の進行具合、並びにそれが各種の器具及び人との相互作用にかける時間を追跡するように、対象相互作用を自動的に且つ継続的に追跡してその情報を関係者に「リアルタイム」で使用可能にするための能力を持たない。対象関連付けデータをリアルタイムでチェックするこの能力を持たないと、管理者又はシステムは、生産フローにおいて問題を素早く認識することが困難である。
【0006】
位置特定システムが使用される病院などの現場は、大きくて複雑であると考えられる。これは、病院などの現場内におけるリソースの追跡を複雑な作業にする恐れがある。このような場合は、現場を複数の関心場所に細分することが有用であろう。本明細書において使用される場所という用語は、関心を持たれている任意のエリア、現場、位置、又は点を含むことを意図している。例えば、病院は、病室、緊急治療室、手術室、集中治療室、隔離室、実験室、機器室などの、幾つかのタイプの特殊目的の部屋を有する。これらの各部屋は、病院内の場所を構成することができる。実際、このような場所は、通常、病院が主に機能している位置の細かさのレベルである。例えば、患者は部屋に割り当てられ、試料は実験室に送られ、医師は手術室の使用の予定を組む。このような場所に対象又は人を関連付けることは、リソースの追跡に便利な細かさのレベルを提供するとともに、計算された対象又は人の位置についてのコンテクストを提供する。例えば、医師が手術室にいることを知ることは、医師が座標X,Y,Zにいることを知るよりも、より有用であろう。
【0007】
多くの場合、ある対象と別の対象との間の相互作用は、非論理的であると考えられる。例えば、医師は、ある患者のすぐ近くを、別の患者を治療する途中で通過する可能性がある。もし関連付けの基準が近さのみに基づく場合は、このような近くの通過は、たとえ医師が患者と実際の相互作用を持たなかった場合でも、医師と患者との間の関連付けとして決定される恐れがある。同様に、位置の決定に使用されるハードウェアの制約は、対象又は人の位置を僅かに変化させる、又は一貫性のない位置を示す恐れがある。例えば、医師は、部屋などの第1の場所におり、その第1の場所は、別の部屋などの第2の場所にすぐ隣接していることがある。もし医師が、第2の部屋に隣接する第1の部屋の壁を背にして立っている場合は、計算された医師の位置は、たとえ医師が実際に部屋を変わったことがなくても、医師が突然第2の部屋に移り、次いで第1の部屋に戻ったことを示す可能性がある。これらのいずれの例においても、医師と患者又は場所との相互作用は、実際の相互作用が生じるには簡単すぎたので、医師と患者又は場所との間には、関連付けが形成されないことが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
したがって、追跡されている対象又は人と、別の対象若しくは人、位置、又は場所との間の関連付けを、相互作用の時間、及び別の対象、位置、又は場所に対する対象の近さに基づいて決定することができると有利であろう。
【0009】
一実施形態にしたがって、対象を場所又は第2の対象に関連付けるためのシステムが提供される。システムは、対象識別要素と、位置決定モジュールとを含む。対象識別要素は、対象にリンクされ、その対象を識別するデータを提供する。位置決定モジュールは、対象の位置を決定し、対象位置特定モジュールと、対象関連付けモジュールとを含む。対象位置特定モジュールは、上記データに少なくとも部分的に基づいて、対象の位置を決定する。対象関連付けモジュールは、対象を第2の対象又は場所に関連付ける。対象関連付けモジュールは、対象の位置に基づいて、対象が閾時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するように構成される。もし対象が第2の対象又は場所の近くにある期間が閾時間以上である場合は、対象関連付けモジュールは、対象と、第2の対象又は場所との間に関連付けを形成するように構成される。
【0010】
別の実施形態にしたがって、対象を場所又は第2の対象に関連付けるための方法が提供される。方法は、対象にリンクされた対象識別要素上に、その対象を識別するデータを提供することを含む。対象位置特定モジュールは、次いで、対象を識別する提供されたデータに少なくとも部分的に基づいて、対象の位置を決定してよい。対象関連付けモジュールは、次いで、対象の位置、及び対象が閾時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかに基づいて、対象と、第2の対象又は場所との間に関連付けを形成してよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示的実施形態を実施するのに適した環境のブロック図である。
【図2】別の例示的実施形態を実施するのに適した環境のブロック図である。
【図3】ネットワークを用いない本発明の例示的実施形態を実施するのに適した別の環境のブロック図である。
【図4A】図1の例示的実施形態によって使用される対象識別要素のブロック図である。
【図4B】図1の例示的実施形態によって使用される固定位置識別要素のブロック図である。
【図4C】図2の例示的実施形態によって使用される対象識別要素のブロック図である。
【図4D】図2の例示的実施形態によって使用される固定位置識別要素のブロック図である。
【図5】本発明の例示的実施形態を実施する病院の配置のブロック図である。
【図6】位置決定モジュールによって決定される関連付けを解析するために使用される本発明の例示的実施形態のコンポーネントのブロック図である。
【図7】本発明の例示的実施形態によって決定される対象の関連付けの結果として機器利用解析及び支払い請求生成を実施するために本発明の例示的実施形態によってたどられるステップの順序のフローチャートである。
【図8】本発明の例示的実施形態によって決定される対象の関連付けの結果として事象開始を実施するために本発明の例示的実施形態によってたどられるステップの順序のフローチャートである。
【図9】対象の関連付けを実施するために本発明の例示的実施形態によってたどられるステップの順序のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の例示的実施形態は、位置特定システムを使用して関連付けを追跡、計算、又は決定する方法を提供する。対象の位置は、対象にリンクされた対象識別要素から伝送され位置決定デバイスに転送される信号に基づいて決定される。本明細書において使用されるリンクという用語は、対象識別要素が対象に直接的に又は間接的に任意の適切な方式で関連付けられる、結合される、接続される、又は添付されることを意味することを意図している。信号の起源は、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、信号を受信するレシーバの特性(即ち範囲)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及び信号が繰り返されたかどうかを含むがこれらに限定されない幾つかの要因に基づいて計算される。当業者ならば、本発明の教示に矛盾しないその他の位置決定の方法を決定することができるであろう。位置は、位置決定モジュールによって決定される。対象の位置が決定されたら、位置決定モジュールは、位置を特定された対象がその他の対象又は場所の近くにある時間の長さに基づいて、位置を特定された対象とその他の対象又は場所との間の関連付けを決定することができる。関連付けが決定されたら、関連付けは、処理されてよい、又は関連付けの持続時間とともに格納されてよい。特定された関連付けは、次いで、例えば、特定された関連付けに基づいて、支払い請求システム、在庫システム、資産管理システム、及び自動事象生成システムにおいて使用されるなどのように、ネットワークとのインターフェースを持つその他のアプリケーションによって数々の方式で活用されてよい。
【0013】
本明細書において使用される対象という用語は、本発明の対象識別要素に使用する又は関連付けることができる、任意の大きさ、形状、若しくは寸法のポータブル若しくは非ポータブルな任意のアイテム若しくは物、又は人、又は実体、又は哺乳類若しくは非哺乳類を含むことを意図している。
【0014】
本明細書において使用されるネットワークという用語は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、都市規模ネットワーク、イントラネット、インターネット、衛星ネットワーク、又は幾つかのその他のタイプのネットワークを含むがこれらに限定されないことを意図している。通信は、標準電話回線、LANリンク若しくはWANリンク(例えば802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えばISDN、Frame Relay、ATM)、又はBluetoothセルラ若しくはGSMなどの無線接続、又は上記の任意若しくは全部の幾つかの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な接続を通じて、ネットワークとの間に確立されてよい。ネットワークとインターフェースを取るために、ネットワークインターフェースが提供されてよい。ネットワークインターフェースは、FireWireインターフェース、FlexRayインターフェース、RS−232インターフェースであってよく、内蔵式ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、又は任意のその他の適切なデバイスを含んでよい。
【0015】
図1は、本発明の例示的実施形態を実施するのに適した位置特定システム111の一実施形態を示している。対象にリンクされた複数の対象識別要素102は、ネットワーク接続要素106に送信される信号を生成するために使用される1つ又は2つ以上のトランスミッタを含む。1つ又は2つ以上のトランスミッタは、無線周波数(RF)トランスミッタ、赤外線(IR)トランスミッタ、超音波(US)トランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。図1の例において、対象識別要素102は、IRトランスミッタ103及びRFトランスミッタ104のうちの、1つ又は2つ以上を含む。伝送される信号は、対象識別要素をそして拡張によってそのリンク先の対象を識別する一意識別子を含んでよい。ネットワーク接続要素106は、1つ又は2つ以上の伝送コンポーネントと、1つ又は2つ以上の受信コンポーネントとを含んでよい。1つ又は2つ以上の伝送コンポーネントは、無線周波数(RF)トランスミッタ、赤外線(IR)トランスミッタ、超音波(US)トランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせのうちの、1つ又は2つ以上を含んでよい。1つ又は2つ以上の受信コンポーネントは、無線周波数(RF)レシーバ、赤外線(IR)レシーバ、超音波(US)レシーバ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせのうちの、1つ又は2つ以上を含んでよい。図1の例において、ネットワーク接続要素106は、IRトランスミッタ103、RFトランスミッタ104、IRレシーバ107、及びRFレシーバ108のうちの、1つ又は2つ以上を含む。IRレシーバ107は、対象識別要素102によって生成されるIR信号を受信することができる。RFレシーバ108は、対象識別要素102によって生成されるRF信号を受信することができる。
【0016】
ネットワーク接続要素106は、ネットワークインターフェースを通じてネットワーク110とインターフェースを取り、対象識別要素102から受信される信号を、やはりネットワーク110とインターフェースを取っている電子デバイス112に転送する。ネットワーク接続要素106とネットワーク110との間のインターフェースは、有線ネットワークの場合は物理インターフェースであってよく、無線ネットワークの場合は無線インターフェースであってよい。対象識別要素102及びネットワーク接続要素106は、IRトランスミッタ103、RFトランスミッタ104、IRレシーバ107、及びRFレシーバ108を含むものとして説明されているが、当業者ならば、本発明の範囲から逸脱することなくその他の構成及びレシーバとトランスミッタとのその他の組み合わせが可能であることがわかるであろう。
【0017】
電子デバイス112は、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、サーバ、ウェブサーバ、ラップトップ型コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、センサ、アクチュエータ、又はネットワークとの無線通信若しくは有線通信が可能で且つ本明細書において説明される動作を実施するのに十分なプロセッサ電力及びメモリ容量を有するその他の形態のコンピューティングデバイス若しくは電気通信デバイスなどの、任意の電子システム又はコンピュータシステムを含んでよい。電子デバイス112は、対象識別要素102の及び対象識別要素をリンクされた対応する対象の位置を特定するために使用される位置決定モジュール114を含む。
【0018】
位置決定モジュール114は、本発明の一実施形態にしたがうと、対象に関する位置情報を決定又は導出するための、対象及び/又は場所が互いに相互作用する時間を追跡するための、並びに対象及び/又は場所の間の関連付けを形成するための、任意の適切なソフトウェア及びハードウェアを含む。
【0019】
本明細書に例示される位置決定モジュール114は、対象位置特定モジュール115と、対象関連付けモジュール116とを含む。対象位置特定モジュール115は、対象識別要素102によって提供される、対象を識別するデータに少なくとも部分的に基づいて、対象識別要素の及び対象識別要素にリンクされた対象の位置を決定するように構成される。
【0020】
位置決定モジュール114の対象位置特定モジュール115は、やはりネットワーク110とインターフェースを取っているトポロジストレージデバイス117から読み込まれる、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、やはりネットワークとインターフェースを取っているストレージデバイス118から読み込まれる、信号を受信するレシーバの特性(即ち範囲)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及び信号が繰り返されたかどうか(ネットワーク接続要素106から受信される信号に含まれる情報を解析することによって決定される)を含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の要因を使用して、信号の起源を計算する。要因のリストは、限定的であることを意図しておらず、以下に明記されるその他の既知の要因又は方法を含むことができる。対象位置特定モジュール115によって用いることができる位置決定のための適切なシステム及び/又は方法は、本出願の譲受人に譲渡され且つ参照により本明細書に内容を組み込まれる米国特許公開第2002/0198986号並びに米国特許第7,053,831号及び第7,099,895号に説明されている。本発明において用いることができるその他の適切な位置決定のシステム及び/又は方法は、アクティブRFIDシステム及びパッシブRFIDシステム、バーコードシステム、磁気カード、固定式のビーコンタイプのシステム、三角測量システム、到着時間システム及び微分到着時間システム、並びにデッドレコニングシステムを含む。
【0021】
位置決定モジュール114は、対象関連付けモジュール116も含み、これは、本発明の一実施形態にしたがうと、対象位置特定モジュール115と通信する。対象関連付けモジュール116は、対象位置特定モジュール115から受信される対象の位置に基づいて、対象が閾時間以上の期間にわたって別の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するように構成される。もし対象が第2の対象又は場所の近くにある期間が閾時間以上である場合は、対象関連付けモジュール116は、対象と第2の対象又は場所との間に関連付けを作成するように構成される。
【0022】
位置決定モジュール114は、ソフトウェアコンポーネントとして実装されるのが普通であるが、配線によるデバイスへの組み込みによって実装することも可能である。
【0023】
対象識別要素は、任意の適切な留め付け又は結び付けのメカニズムによって直接的に又は間接的に対象にリンクされてよい。例えば、対象識別要素102は、それを医療用の腕輪として装着している人に直接的にリンクされてよい。或いは、対象識別要素102は、衣服に留め付けられた名札に埋め込まれるなどによって、間接的にリンクされてよい。対象識別要素102は、リンク先の対象とともに移動している限り、対象の位置を識別することができる。位置決定モジュール114は、対象識別要素の現在の位置を計算するために、一意識別子を使用する。対象識別要素102の位置の計算又は決定がなされたら、対象の位置は、それが対象の関連付けを表わしているかどうか、又はより具体的にはその他の対象又は場所に関連付けることができるかどうかを見るために、解析することができる。次に、計算された対象識別要素102の位置を解析するプロセスは、以下において、より詳しく説明される。識別された関連付けは、どれも、ストレージデバイス118に格納することができる。
【0024】
トポロジストレージデバイス117も、やはり、ネットワーク110とインターフェースを取っている。トポロジストレージデバイス117は、対象識別要素102の位置を決定するために位置決定モジュール114によって使用されるトポロジデータを格納する。トポロジデータは、位置特定システム111が配備されている現場若しくは場所についての間取り、並びに/又は現場に配備することができるネットワーク接続要素106及び/若しくは固定位置識別要素120の位置などの、任意の適切なタイプのトポロジデータを格納することができる。この情報を使用して、位置決定モジュール114は、現場の既知の構造的特徴(例えば階、中庭、廊下、部屋など)との関連において、対象識別要素102(並びにネットワーク接続要素106及び固定位置識別要素120)の位置を決定することができる。
【0025】
本発明の例示的実施形態の一態様において、位置特定システム内には、固定位置識別要素120も存在している。固定位置識別要素120は、1つ又は2つ以上のトランスミッタと、1つ又は2つ以上のレシーバとを含んでよい。トランスミッタは、1つ又は2つ以上の、RF、IR、USのトランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。レシーバは、1つ又は2つ以上の、RF、IR、USのレシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。図1に示されるように、固定位置識別要素120は、IRトランスミッタ103と、RFトランスミッタ104と、IRレシーバ107と、RFレシーバ108とを含むことができる。IRレシーバ107は、対象識別要素102によって生成されるIR信号を受信することができ、RFレシーバ108は、対象識別要素102によって生成されるRF信号を受信することができる。固定位置識別要素120の位置は、トポロジストレージデバイス117に格納される。対象識別要素102から信号を受信した後、固定位置識別要素は、自身の識別子(一意又は非一意)を信号に付加し、その信号を、ネットワーク接続要素106に伝送する。信号が最終的に位置決定モジュール114に達すると、位置決定モジュールは、対象識別要素102の位置の決定に役立てるために、固定位置識別要素120の特性(位置及び範囲など)を使用することができる。例えば、もし位置決定モジュールが、ともにRF信号を受信した固定位置識別要素120及びネットワーク接続要素106の両方から通知を受信する場合は、その信号は、両レシーバの範囲内の位置を起源としているとしか考えられない。当業者ならば、本発明の範囲内において多くの代替の実装形態が可能であることがわかるであろう。
【0026】
図2は、無線自動識別(RFID)タグ構成を使用してシステム211が実装される代替の実施形態を示している。図1と同様に、システム211は、対象にリンクされた複数の対象識別要素202と、1つ又は2つ以上のネットワーク接続要素206と、ネットワーク210と、トポロジストレージデバイス216及び位置決定モジュール114を含む電子デバイス212と、1つ又は2つ以上の固定位置識別要素220とを含む。この実施形態において、対象識別要素は、RFレシーバ203とRFトランスミッタ204とを含むパッシブRFIDタグとして構成されるが、対象識別要素は、アクティブRFIDタグとして構成することも可能である。同様に、ネットワーク接続要素206及び固定位置識別要素220も、RFレシーバ207、223と、RFトランスミッタ208、224とを含む。
【0027】
動作にあたり、1つ又は2つ以上の対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素220のRFトランスミッタ208、224から送信され対象識別子202のRFレシーバ203によって受信される信号によって問い合わせされる。1つ又は2つ以上の対象識別要素202は、パッシブRFIDタグとして構成されるので、対象識別要素202において受信される信号は、対象識別要素202に電力を供給する働きをし、対象識別要素202は、すると、一意識別子を含む応答信号を生成してRFトランスミッタ204から伝送する。伝送される応答信号は、次いで、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素220のRFレシーバ207、223によって受信されるであろう。ネットワーク接続要素206は、ネットワーク210とインターフェースを取っており、対象識別要素202から受信された信号を、やはりネットワークとインターフェースを取っている電子デバイス212に転送する。
【0028】
図2の例において、電子デバイス212は、位置決定モジュール214と、ストレージデバイス218とを含む。電子デバイス212は、位置データのためのストレージデバイス218が電子デバイス212上に位置していることを除き、図1の電子デバイス112とほぼ同様に動作する。適切なストレージデバイス218は、デジタル又はアナログのデータを格納することができる任意のデバイス、コンポーネント、又はシステムを含み、ハードドライブ及び光ドライブなどのメモリドライブ、フラッシュドライブ、光媒体(CD、DVDなど)、EPROM、EEPROM、USBドライブ又はUSBストレージエレメント、RAM、ROM、データベースソフト及びデータベースハード、リムーバブルストレージデバイス及び二次ストレージデバイス、又はその他の適切なストレージ媒体を含んでよいがこれらに限定されない。この実施形態において、ストレージデバイス218は、トポロジストレージデバイス217又はそれに関連付けられた情報も含む。位置決定モジュール214は、対象識別要素202の及び対象識別要素をリンクされた対応する対象の位置を特定するために使用される。位置決定モジュール214は、図1の位置決定モジュール114と同様に動作する。位置決定モジュール214は、対象識別要素の現在の位置を計算するために、一意識別子を使用する。位置決定モジュール214は、トポロジデータ216から読み込まれる、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、ストレージデバイス118から読み込まれる、信号を受信するレシーバの特性(即ち範囲)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及びネットワーク接続要素206から受信される信号に含まれる情報を解析することによって決定される、信号が繰り返されたかどうかを含む様々な要因を使用して、信号の起源を計算する。対象識別要素202の位置の計算又は決定がなされたら、対象の位置は、それが対象の関連付けを表わしているかどうか、又は対象が1つ若しくは2つ以上のその他の対象に関連付けることができるかどうかを見るために、解析することができる。計算された対象識別要素の位置を解析するプロセスは、以下において、より詳しく説明される。識別された関連付けは、どれも、ストレージデバイス218に格納することができる。
【0029】
図2のネットワーク接続要素206及び固定位置識別要素220は、図1のネットワーク接続要素106及び固定位置識別要素120と同様に動作する。デバイス206、220は、ともに、対象識別要素202に問い合わせするように、問い合わせ信号に応答して対象識別要素202から送信される応答信号を受信するように、及び一意識別を含む情報を受信信号から位置決定モジュール214に引き渡すように構成される。固定位置識別子220及びネットワーク接続要素206は、受信信号内に存在する情報に情報を追加することもできる。信号が最終的に位置決定モジュール214に達すると、位置決定モジュール214は、対象識別要素202の位置の特定に役立てるために、固定位置識別要素220及びネットワーク接続要素206によって加えられた情報を使用することができる。
【0030】
ネットワーク化されていない形態の例示的実施形態も、実装可能である。図3は、ネットワークの使用に依存することなく対象の関連付けを決定するのに適した位置特定システム311のブロック図を示している。システム311は、対象にリンクされた対象識別要素302と、位置決定モジュール314とを含む。
【0031】
対象識別要素302は、対象を識別するデータを決定モジュール314に提供する。対象識別要素302は、識別データを含む信号を、信号を伝送するための伝送コンポーネントを使用して伝送することができる。伝送コンポーネントは、トランスミッタ、トランシーバ、トランスポンダ、又は類似のデバイスであってよい。その他の実施形態において、対象を識別するデータは、RFID、バーコーディング、又は磁気エンコーディングなどの、識別データを取得するためにリーダを必要とするパッシブ技術によって提供されてよい。
【0032】
本明細書に例示される位置決定モジュールは、上記のように、対象位置特定モジュール315と、対象関連付けモジュール316とを含む。対象位置特定モジュール315は、対象識別要素302によって提供される、対象を識別するデータに少なくとも部分的に基づいて、対象識別要素の位置を決定するように構成される。対象関連付けモジュール316は、対象位置特定モジュール315によって決定される対象の位置に基づいて、対象が閾時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するように構成される。もし対象が第2の対象又は場所の近くにある期間が閾時間以上である場合は、対象関連付けモジュール316は、対象と第2の対象又は場所との間に関連付けを作成するように構成される。
【0033】
対象位置特定モジュール315と対象関連付けモジュール316とを含む位置決定モジュール314は、位置を決定するのに、時間の追跡を維持するのに、及び関連付けを形成するのに適した任意の構造を含むことができる。例として、1つ又は2つ以上の対象識別要素の位置を決定する、時間の追跡を維持する、並びに近さ及び時間に基づいて関連付けを形成することができる任意のデバイスが挙げられる。本発明の各種の実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、電子デバイスであってよい。電子デバイスは、複数の形態をとってよく、プロセッサ、コンピュータ、個人用携帯情報端末、携帯電話などの通信デバイス、ネットアプライアンス、ウェブサーバ、ネットワーク、情報を操作することができる任意のデバイス、レシーバ、トランスミッタ、インターフェース、又はこれらのデバイスの任意の組み合わせを含んでよい。更に、当業者ならば、位置決定モジュール314が、位置特定システム311の異なるパーツに組み入れ可能であることがわかるであろう。例えば、位置決定モジュールは、ネットワーク接続要素、固定位置識別要素、対象識別要素の一部を形成することができる、又はその他のシステムコンポーネントとは別個である及び/若しくはその他のシステムコンポーネントの遠くに位置していることが可能である。
【0034】
本発明の各種の実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、情報を求める要求を受信する、情報を提供する、情報を格納する、位置情報に応答して行動を指示する、対象をその他の対象に又は位置に関連付ける、位置情報の使用可能性に関するプライバシー条件を確立する、各種のネットワークタイプと直接的にインターフェースを取るなどの、更なる機能を実施することが可能であってよい。本発明の更なる実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、分散された複数のレシーバ又はリーダを含み、それらのなかには、ネットワークに接続されるものも、接続されないものもあってよい。本発明の各種の実施形態にしたがうと、対象識別要素302及び位置決定モジュール314は、位置の決定のためにRF信号を用いる。
【0035】
当業者ならば、本明細書に例示及び図示されるトランスミッタ及びレシーバの代わりに、信号の送受信が可能な異なるタイプのコンポーネントが使用されてよいことがわかるであろう。例えば、レシーバは、本発明の範囲から逸脱することなくトランシーバに置き換えられてよい。
【0036】
図4Aは、例えば図1において使用されるものと同様の対象識別要素102のブロック図を示している。図に示されるように、対象識別要素102は、IRトランスミッタ103と、RFトランスミッタ104とを含む。トランスミッタは、ともに、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ105によって制御される。同様に、図4Bは、例えば図1において使用される固定位置識別要素120のブロック図を示している。固定位置識別要素120は、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ105によって制御されるIRトランスミッタ103とRFトランスミッタ104とを含む。固定位置識別要素120には、対象識別要素102からの信号を受信するために使用されるIRレシーバ107及びRFレシーバ109も含まれる。
【0037】
シグナリングプロセスは、RF信号及びIR信号の両方を、交互する形で併用することができる。本発明の一実施形態にしたがうと、RF信号は10秒ごとに伝送され、IR信号は20秒ごとに伝送される。この方法は、実質的に一貫したIR電力レベルを提供する一方で、RF電力レベルを変動させる。RF電力レベルの変動は、ネットワーク接続要素106が一部のRF信号のみを受信することを可能にすることによって、対象識別要素102の位置の決定を助けることができる。伝送される信号は、伝送される信号強度、伝送と伝送との間の期間、伝送の時間の長さ、対象識別要素102のための一意識別子、1つ若しくは2つ以上の入力デバイスから受信される情報、及び/又は対象識別要素のコンポーネントに関係するなどの各種の状態情報などの、追加情報を含んでもよい。本発明の一態様において、対象識別要素102は、レシーバも含んでおり、位置決定モジュール114は、伝送パラメータ(即ち30秒ごとの交互信号)を送信することによって、ネットワーク110を通じて対象識別要素を設定する。IR信号は視程信号であり、RF信号は壁を突き抜けるので、これらの信号の組み合わせは、いずれか一方のシグナリング形態のみの使用によって可能であると考えられるよりも更に正確に信号の位置を特定するために、本発明の例示的実施形態において用いられてよい。
【0038】
図4Cは、図2に示された代替の実施形態において使用される対象識別要素202のブロック図を示している。したがって、対象識別要素202は、RFレシーバ203と、RFトランスミッタ204とを含む。レシーバ203及びトランスミッタ204は、ともに、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ205によって制御される。同様に、図4Dは、図2に示された代替の実施形態によって使用される固定位置識別要素220のブロック図を示している。固定位置識別要素220は、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ225によって制御されるRFレシーバ223とRFトランスミッタ224とを含む。
【0039】
図2に関連して上述されたように、対象識別要素202は、パッシブRFIDタグとして構成される。このように、対象識別要素のRFトランスミッタ204及び組み込みプロセッサ205は、固定位置識別要素220のRFトランスミッタ224からのRF信号によって提供される電力に依存する。動作にあたり、固定位置識別要素220の組み込みプロセッサは、問い合わせ信号を送信するようにRFトランスミッタ224に指示する。問い合わせ信号は、対象識別要素202のRFレシーバ203によって受信され、組み込みプロセッサ205及びRFトランスミッタ204を活動させる。組み込みプロセッサ205は、問い合わせ信号を解釈し、一意識別子を提供する応答信号を伝送するようにRFトランスミッタ203に指示する。応答信号は、固定位置識別要素220のRFレシーバ223において受信され、組み込みプロセッサによって処理される。組み込みプロセッサ225は、次いで、応答信号の情報に追加情報を付加し、追加情報と応答信号からの情報とを含む信号を伝送するようにRFトランスミッタ224に指示する。
【0040】
このようなパッシブRFID設計の利点は、対象識別要素202上に電源を必要としないことにある。これは、対象識別要素202の構築コストも抑える。当業者ならば、対象識別要素が必要に応じてアクティブRFIDタグとしても構成可能であることがわかるであろう。
【0041】
図5は、本発明の例示的実施形態を使用する病院の配置のブロック図を示している。病院の配置は、トポロジストレージデバイス117に予め格納することができる。病院500は、やはり場所であると見なすことができる複数の部屋502、504、506、508、510、及び512を含む。各部屋502、504、506、508、510、及び512は、室内に固定位置識別要素(FLI)520を有する。廊下501は、更なる固定位置識別要素520を廊下の端に、そして1対のネットワーク接続要素(NCE)530を廊下の真ん中及び廊下の端に有する。固定位置識別要素520及びネットワーク接続要素530は、図1及び図2のもののような、上述された実装形態のうちの任意であってよい、又はその他の任意の数の実装形態であってよい。上記のように、ネットワーク接続要素530を接続されたネットワークは、有線ネットワーク又は無線ネットワークであってよく、その結果、ネットワーク接続要素530は、ネットワークに物理的に接続されている場合又は接続されていない場合がある。本発明の例示的実施形態は、既存のネットワークを通じて実行されるように設計されており、専用のプロプライエタリネットワークの作成は不要である。病院は、対象識別要素(OI)540をリンクされた複数の対象を含む。ある部屋502は、患者カルテ550を含み、そのカルテには、置き間違えがないように且つ素早い読み込みが可能であるように対象識別要素540が取り付けられている。別の部屋504は、衣服に又は腕輪として対象識別要素540を装着している患者560を含む。患者560に取り付けられた対象識別要素540は、病院全体において患者の動きを追跡することを可能にする。廊下501に出ると、点滴ポンプ570に対象識別要素540がリンクされている。対象識別要素540は、ポンプを割り当てられた病院の科で働いている適切な人に通知する時間がないままに病院の別の科が緊急でポンプを借りる場合に、点滴ポンプ570の位置を素早く特定することを可能にする。対象識別要素540は、図1及び図2のもののような、上述された実装形態のうちの任意であってよい、又はその他の任意の数の実装形態であってよい。
【0042】
ネットワーク接続要素530及び固定位置識別要素520の使用が、例を挙げて説明される。注入ポンプ570にリンクされた対象識別要素540は、一意識別子を持つ1つ又は2つ以上の信号を発するように構成することができる。もし点滴ポンプ570が廊下501に位置する場合は、対象識別要素によって伝送されるRF信号は、幾つかの部屋504、506、510、及び512の中にある固定位置識別要素520内に位置するレシーバ、並びにポンプに最も近い廊下の端にある固定位置識別要素520内に位置するレシーバによって受信される。また、信号は、部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530によっても受信されるであろう。IR信号は、視程信号であるので、もし点滴ポンプ570にリンクされた対象識別要素540がIR信号も伝送する場合は、その信号は、廊下501の端に位置する固定位置識別要素520及び部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530によってのみ受信される。視程信号は、ほとんどの壁を突き抜けないので、病室502、504、506、508、510、及び512のどれかの中に位置するRFレシーバによって受信されるとは考えにくい。部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530及び廊下501の端に位置する固定位置識別要素520は、両信号の受信を位置決定モジュール(不図示)に報告する。位置決定モジュールは、位置を決定するために、部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530及び廊下501の端に位置する固定位置識別要素520の両者の既知の位置を使用する。もしネットワーク接続要素530及び固定位置識別要素520が、ともに、両タイプの信号を受信した場合は、点滴ポンプ570は、廊下510にあるはずだと決定することができる。更に、固定位置識別要素520は、ネットワーク接続要素530よりもRF信号の受信範囲が狭いと考えられるので、点滴ポンプ570は、廊下内であるのみならず、固定位置識別要素520上のRFレシーバの範囲内に位置すると決定することができる。或いは、レシーバに対する近さを決定するために、信号強度を使用することができる。RFレシーバの受信範囲及びRFトランスミッタの伝送強度は、実装上の選択肢であり、当業者ならば、それらが本発明の範囲から逸脱することなく調整可能であることがわかるであろう。
【0043】
位置決定モジュールが、対象識別要素540をリンクされた対象の現在の位置又は場所を決定したら、その位置は、位置を特定された対象の、その他の対象又は場所に対する近さを決定するために、その他の対象又は場所の現在の位置と比較される。事前に決定されたこの位置は、通常は、特に関心を持たれるベッドなどの個所である。場所は、例えば病院環境では部屋である。もし対象が別の対象又は場所から規定距離の範囲内にある場合は、位置決定モジュールは、2つの対象どうしが又は対象と場所とが相互作用していると決定し、ストレージデバイスにおいて関連付けを記録する。当業者ならば、1つの対象又は場所の、別の対象又は場所に対する近さ即ち距離関係が、ユーザの要求又はニーズに基づいて可変であることが容易にわかるであろう。適切な近さ即ち距離は、予め選択する若しくは事前に決定することができる、又はリアルタイムで導出、計算、若しくは決定することができる。当業者ならば、対象のタイプ、対象の状態、場所、以前の相互作用又は関連付け、システムが使用される環境、及び/又はユーザの要求若しくは指定を含む1つ又は2つ以上の要因に基づいて、適切な近さを容易に決定することができるであろう。
【0044】
位置決定モジュールは、関連付けが生じていると判定する前に、最短期間即ち閾期間にわたって関連付けが生じていることを要求するであろう。これは、偽りの関連付けを回避するのに有用である。閾期間は、予め選択され又は事前に決定され、システム111に格納することができる。閾時間は、ユーザ入力、システム仕様、対象のタイプ、対象の状態、場所、以前の相互作用若しくは関連付け、システムが使用される環境、ユーザの要求若しくは指定などを含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の要因に基づいて、計算、導出、又はその他の形で確立することができる。更に、閾時間は、上記のパラメータのうちの1つ又は2つ以上に基づいて、リアルタイムで計算又は決定することもできる。当業者ならば、関連付けを決定するために使用される閾時間の値が、前述のパラメータのうちの1つ又は2つ以上のパラメータの関数として可変であることもわかるであろう。例えば、医師、看護師、又は清掃スタッフなどの職員は、かかる時間の異なる様々な方式で、異なる対象及び/又は場所と相互作用することができるであろう。例えば、看護師は、医師よりもずっと迅速に患者と相互作用することができるであろう。したがって、看護師を患者に関連付けるための閾時間は、同じ患者に医師を関連付けるための閾時間よりも短くてよい。
【0045】
更に、上記のように、医師は、ある患者のすぐ近くを、別の患者を治療する途中で通過する可能性がある。もし関連付けの基準が近さのみに基づく場合は、このような近くの通過は、たとえ医師が患者と実際の相互作用を持たなかった場合でも、医師と患者との間の関連付けとして決定される恐れがある。したがって、閾値は、追跡されている対象が関連付けを確立される前に別の対象又は場所の近くにある必要がある最短時間限度即ち閾時間限度として設定することができる。もし閾値が満たされない場合は、関連付けは確立されない。
【0046】
別の例において、医師は、部屋などの第1の場所におり、その第1の場所は、別の部屋などの第2の場所にすぐ隣接していることがある。もし医師が、第2の部屋に隣接する第1の部屋の壁を背にして立っている場合は、計算された医師の位置は、たとえ医師が実際に部屋を変わったことがなくても、医師が突然第2の部屋に移り、次いで第1の部屋に戻ったことを示す可能性がある。もし医師が第2の部屋にいるものとして示された時間が、医師が物理的に他の部屋に移動するために実際にかかると考えられる時間よりも短い場合は、この場所の変化は、実際の変化でないと見なすことができる。
【0047】
例えば、医師の位置を図表で表わすと、次のように見えるであろう。
【0048】
【表1】

【0049】
ここで、「L1」は、例えば第1の部屋に対応する第1の場所であり、「L2」は、例えば第2の部屋に対応する第2の場所である。「tL1」は、医師が第1の部屋の中で過ごす時間の長さに対応し、「tL2」は、医師が第2の部屋の中で過ごす時間の長さに対応する。ここでは、医師は、第1の部屋から第2の部屋に移動して第1の部屋に戻るものとして示されている。
【0050】
もし時間「tL1」が閾時間以上で且つ時間「tL2」が閾時間未満である場合は、第1の部屋との関連付けのみが確立される。上述のように、閾時間は、追跡されている対象のタイプ及びそれが関連付けられる場所に依存してよい。例えば、看護師は、医師よりも迅速に部屋間を移動すると考えられるので、看護師に関連付けられる閾時間は、より短くてよい。第2の部屋「L2」は、第1の部屋「L1」から遠く離れていることもあり、この場合は、長い移動時間が必要とされ、閾時間は長くなるであろう。例えば、もし「tL2」が、第1の部屋「L1」から第2の部屋「L2」まで移動して第1の部屋「L1」に戻るためにかかる時間よりも短い場合は、医師を第2の部屋「L2」にいたとする表示をシステムによって偽りの決定と見なすことができる。
【0051】
関連付けは、開始時間、終了時間、持続時間、及び個々の発生を交互に追跡され、それらは全て、ストレージデバイスに格納されてよい。電子デバイスは、位置決定モジュールによって決定される対象の関連付けを活用するために、様々なソフトウェアプログラムを格納する、又は様々なソフトウェアプログラムとインターフェースを取る。
【0052】
図6は、位置決定モジュール614によって決定される関連付けを解析するために使用される実施形態のコンポーネントのブロック図600を示している。電子デバイスは、図1及び図2に示された電子デバイスと、多くの点において同様である。位置決定モジュール614は、対象の関連付けを決定し、これらの関連付けの記録をストレージデバイス618に記録する。対象の関連付けの解析には、位置決定モジュール614にアクセス可能な様々なソフトウェアコンポーネント又はモジュールを使用することができる。電子デバイス612上には、機器利用ソフトウェア615、資産管理ソフトウェア616、及び事象開始ソフトウェア617が格納されている。支払い請求ソフトウェア620は、ネットワーク610とインターフェースを取っている。位置決定モジュール614によって決定される対象の関連付けの解析に使用される様々なタイプのソフトウェアの例が、以下において、更に詳しく取り上げられる。ソフトウェアは、位置決定モジュール614内に位置するJDBCインターフェースを用いてよく、これは、Java(登録商標)アプリケーションがストレージデバイス618上のデータベースにSQLコマンドを送信することを可能にする。当業者ならば、対象の関連付けを入力データとして用いる各種のソフトウェアコンポーネントの位置及びタイプが、本発明の範囲から逸脱することなく可変であることがわかるであろう。当業者ならば、対象の関連付けの決定及び/又は格納が、例示されたシステム内のその他の位置において発生可能であることもわかるであろう。
【0053】
位置決定モジュール614によって対象の関連付けが決定されると、関連付けデータは、入力データとして様々なソフトウェアプログラムに提供することができる。図7は、対象の関連付けを決定しそれらを機器利用ソフトウェアモジュール615及び支払い請求ソフトウェアモジュール620において用いるために本発明の例示的実施形態によって実施されるステップの順序のフローチャート700である。対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、ネットワーク接続要素106、206、530に信号をブロードキャストする(ステップ710)。図2に示されたような特定の実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信された信号に応答して信号を伝送してよい。信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送されてよい。ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報を信号に付加し、その信号を、電子デバイス112、121及び位置決定モジュール114、214、314に送信する(ステップ720)。位置決定モジュール114、214、314は、概説されたように対象の位置を計算し、位置を特定された対象を別の対象及び/又は場所に関連付け、その関連付け及びその関連付けが開始した時間をストレージデバイス118、218、618に記録する(ステップ730)。ネットワーク接続要素106、206、530は、対象識別要素102、202、302、540から及び/又は固定位置識別要素120、220、520から受信される信号を、関連付けが終わるまで送信する(ステップ740)。ネットワーク接続要素106、206、530が信号の送信を停止すると、位置決定モジュール114、214、314、614は、ストレージデバイス118、218、618において対象の関連付けを解除し、その関連付けが終了した時間を記録する(ステップ750)。ストレージデバイス118、218、618は、関連付けの記録を格納し、それらの記録は、次いで、機器利用ソフトウェア615又は支払い請求ソフトウェア620によって読み込まれてよい(ステップ760)。機器利用ソフトウェア615は、病院の特定の科においてポータブルX線装置がどれくらいの頻度で使用されるかを解析するために、データを使用してよい。或いは、対象関連付けデータは、部屋がどれくらいの頻度で用いられるかを示してよい。同様に、支払い請求ソフトウェア620は、外科医が手術室においてどれくらいの時間を過ごしたかを決定し、患者に対する支払い請求額を決定するために、対象関連付けデータを使用してよい。
【0054】
本発明の例示的実施形態は、対象関連付けデータを数々の方式で活用することができる。一実施形態において、決定された対象の関連付けは、医療施設において感染病患者の動きを追跡するために使用される。個々の移動経路を示す計算された位置をマッピングすることによって、医療施設は、どの患者が感染に曝された可能性があるかに基づく応答を作成することができる。別の実施形態において、対象識別要素は、処方薬にリンクされてよい。例えば、対象識別要素にリンクされた静注薬の袋が患者との間に関連付けを形成するときは、その患者に既に投与されているその他の薬及び/又はアレルギーを示す患者個人の病歴に基づいて拒否反応を阻止するために、ストレージデバイスが調べられてよい。別の実施形態においては、対象の関連付けは、患者の記録に対するアクセスの制限を求めるHIPAA(Health Insurance Privacy and Portability Act:医療保険のプライバシーと携行に関する法律)の順守を保証するために使用されてよい。対象識別要素102、202、302、540をスタッフ及び患者のカルテにリンクさせることによって、誰がカルテを閲覧したかを示す記録が作成されてよい。
【0055】
ストレージデバイス618に格納された対象関連付けデータは、事象開始に使用することもできる。図8は、対象の関連付けを決定しそれらを図6の事象開始ソフトウェアモジュール617において用いるために本発明の例示的実施形態によって実施される順序立てられたステップのフローチャート800である。順序は、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540がネットワーク接続要素106、206、530に信号をブロードキャストするときに始まる(ステップ810)。図2に示されたような特定の実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信された信号に応答して信号を伝送してよい。信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送されてよい。ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子を信号に付加し、その信号を、電子デバイス112、121及び位置決定モジュール114、214、314、614に送信する(ステップ820)。位置決定モジュール114、214、314、614は、概説されたように対象の位置を計算し、位置を特定された対象を別の対象又は場所に関連付け、その関連付けをストレージデバイスに記録する(ステップ830)。関連付けは、次いで、事象開始ソフトウェア617によって、関連付けのテンプレートとプログラムによって比較されてよい(ステップ840)。例えば、事象開始ソフトウェア617は、もし病院の患者の対象識別要素が廊下に関連付けられる場合に、適切な科のナースステーションにおいて警報が鳴るように示すことができる。或いは、事象開始ソフトウェアは、もし企業のCEOの名前バッジに埋め込まれた対象識別要素が通用門に関連付けられた場合に、歓迎がブロードキャストされるように示すことができる。もし関連付けがテンプレート内に挙げられている場合は、その事象のための指示がネットワーク110、210、610にブロードキャストされる(ステップ850)。当業者ならば、対象の関連付けを解析するために、テンプレート以外の形態も本発明の範囲から逸脱することなく使用されてよいことがわかるであろう。
【0056】
本発明の一実施形態において、対象関連付けデータは、資産管理ソフトウェアモジュール616によって用いられる。資産管理ソフトウェアモジュール616は、企業によって所有される資産のリアルタイムな在庫を提供するために使用することができる。品目の位置を迅速に特定する能力は、それが失敗した場合に深刻な結果をもたらす恐れがある医療業界などの業界において、最重要であると考えられる。また、資産位置の定期的な更新は、年末の在庫調査を大幅にコストダウンできるであろう。資産が自身の位置を伝送する頻度は、設定可能であり、品目がどれくらいの頻度で動く傾向があるかに基づくことができる。例えば、あまり頻繁に動かない大型の機器の場合は、トランスミッタは、一時間に一度又は一日に一度、信号を発するように設定されてよい。トランスミッタは、より小型の品目若しくは頻繁に動かされる品目の場合は一分に一度、又は人にリンクされた対象識別要素の場合は10秒に一度、信号を発するように設定されてよい。リアルタイムな資産の位置は、次いで、ネットワーク110、210、610にブロードキャストされ、関係者個人が使用できるようにされてよい。別の実施形態においては、寝たきりの患者とベッドとの間に関連付けを形成することができる。もし関連付けが停止したことが決定された場合は、患者がベッドから落ちた可能性があることを示すために、ネットワークを通じてナースステーションに警告が送信される。
【0057】
図9は、図7及び図8のステップ730及び830において本発明の位置特定システムの位置決定モジュール114、214、314、614によって実施されるプロセスのフローチャートである。プロセスは、対象識別要素102、202、302、540をリンクされた対象についての位置の決定から始まる(ステップ910)。特定の実施形態において、位置の決定(ステップ910)は、図1及び図3に関係して説明されたように、位置決定モジュール314の対象位置特定モジュール315によって実施されてよい。対象の位置が決定されたら(ステップ910)、位置情報は、対象が別の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するために使用することができる(ステップ920)。もし対象が別の対象又は場所の近くにない場合は、対象の位置は、更に監視される(ステップ910)。しかしながら、もし対象が別の対象又は場所の近くにある場合は、対象が他の対象又は場所の近くにある時間が追跡されてよい(ステップ930)。もし対象が別の対象又は場所の近くにある時間が閾時間未満である場合は、対象の位置は、更に監視される(ステップ910)。しかしながら、もし対象が別の対象又は場所の近くにある時間が閾時間以上である場合は、対象についての関連付けを形成することができる(ステップ940)。対象の関連付けは、次いで、図6〜8に関係して論じられたように使用されてよい。
【0058】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院環境を基準にしているが、本発明の例示的実施形態は、様々なその他の環境において対象の関連付けを検出するために使用することができる。例えば、対象の関連付けは、荷物を具体的な目的地に振り分けるように指定された機械に荷物を関連付けられる空港の設定において生じることができる。或いは、対象の関連付けは、飛行機が空港から離陸する前に、預けられた各荷物が着席した乗客に関連付けられていることを確認するために使用することができる。対象の関連付けは、店内の商品の動きを追跡するために使用する、又は支払いレジにおいて用いることができる。対象の関連付けは、広告看板の有効性又はその欠如を識別するために使用することができる。対象関連付けシステムは、既存のネットワークトポロジを用いるコンポーネントを使用して機能するように設計されるので、対象の関連付けは、多くの異なる環境において決定することができ、本明細書に挙げられる環境は、包括的なものではなく単なる例示にすぎないことを意図している。
【0059】
したがって、本発明は、先の説明に記載された目的を達成することがわかる。本発明の範囲から逸脱することなく特定の変更を加えることが可能であるので、上記の説明に含まれる又は添付の図面に示される全ての事柄は、文字通りの意味ではなく例示的なものと解釈されることを意図している。当業者ならば、図に示されたステップの順序が本発明の範囲から逸脱することなく可変であること、及び本明細書に含まれる例示が本発明として考えられる多数の描写の特異な例であることがわかるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象を場所又は第2の対象に関連付けるためのシステムであって、
対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素と、
前記対象の位置を決定するように構成された位置決定モジュールと
を備え、
前記位置決定モジュールは、
前記データに少なくとも部分的に基づいて前記対象の前記位置を決定するための対象位置特定モジュールと、
前記対象を第2の対象又は場所に関連付けるための対象関連付けモジュールであって、前記対象が閾時間以上の期間にわたって前記第2の対象又は前記場所の近くにあるかどうかを前記対象の前記位置に基づいて決定するように構成され、もし前記対象が前記第2の対象又は前記場所の近くにある前記期間が前記閾時間以上である場合に、前記対象と前記第2の対象又は前記場所との間に関連付けを作成するように構成される対象関連付けモジュールと、
を含むシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記対象識別要素は、
前記対象を識別する前記データを含む信号を伝送するように構成されたトランスミッタ、
前記対象を識別する前記データを要求する信号を受信するように構成されたレシーバ、並びに
前記対象識別要素の前記トランスミッタ及び前記レシーバを制御するためのプロセッサ、
のうちの1つ又は2つ以上を含むシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記対象を識別する前記データは、一意識別子を含むシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記対象を識別する前記データは、前記対象識別要素上のバーコードに提供される、又は前記対象識別要素上に磁気的にエンコーディングされるシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記位置決定モジュールは、電子デバイスの一部であるシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記位置決定モジュールは、更に、
前記対象を識別する前記データを提供する前記対象識別要素からの信号を受信するためのレシーバ、及び
前記対象を識別するデータを求める要求を伝送するためのトランスミッタ、
のうちの、1つ又は2つ以上を含むシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
前記位置決定モジュールを接続されたネットワークと、
信号の伝送又は受信が可能な少なくとも1つのシグナリングコンポーネントを含むネットワーク接続要素であって、前記対象識別要素によって提供される前記対象を識別する前記データを受信して、前記データを含む信号を前記位置決定モジュールに伝送するように構成されたネットワーク接続要素と、
を備えるシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記対象識別要素は、パッシブRFIDデバイスであり、前記ネットワーク接続要素は、パッシブRFIDリーダであるシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、
前記対象識別要素は、バーコードであり、前記ネットワーク接続要素は、バーコードリーダであるシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記位置決定モジュールは、前記対象識別要素に直接的に結合されるシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
対象の関連付けを格納するためのストレージデバイスを備えるシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
トポロジデータを格納するためのトポロジストレージデバイスを備えるシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
前記対象識別要素とは別個で異なる、既知の位置を有する固定位置識別要素を備えるシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記固定位置識別要素は、前記対象識別要素からの伝送を受信するための少なくとも1つの受信コンポーネントと、信号を伝送するための少なくとも1つの伝送コンポーネントとを含むシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、更に、
前記位置決定モジュールを接続されたネットワークと、
信号の伝送又は受信が可能な少なくとも1つのシグナリングコンポーネントを含むネットワーク接続要素であって、前記対象識別要素によって提供される前記対象を識別する前記データを受信して、前記データを含む信号を前記位置決定モジュールに伝送するように構成されたネットワーク接続要素と、
を備え、前記固定位置識別要素は、前記信号を前記ネットワーク接続要素に伝送し、前記ネットワーク接続要素は、前記固定位置識別要素からの前記信号を前記位置決定モジュールに送信される信号に組み入れ、
前記位置決定モジュールは、前記対象識別要素の位置の計算に、前記固定位置識別要素の前記既知の位置を使用するシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、
対象識別要素は、医療施設内に位置しているシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記場所は、前記医療施設内の部屋を含むシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムであって、
関連付けを決定するための前記期間は、前記対象識別要素をリンクされた対象のタイプに依存するシステム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムであって、
関連付けを決定するための前記期間は、前記対象識別要素の前記位置又は場所に依存するシステム。
【請求項20】
請求項1に記載のシステムであって、
関連付けを決定するための前記期間は、前記対象識別要素を関連付けられている前記第2の対象又は場所に依存するシステム。
【請求項21】
対象を場所又は第2の対象に関連付けるための方法であって、
対象にリンクされた対象識別要素上に、前記対象を識別するデータを提供することと、
対象位置特定モジュールにおいて、前記対象を識別する前記データに少なくとも部分的に基づいて前記対象の位置を決定することと、
対象関連付けモジュールにおいて、前記対象の前記位置、及び前記対象が閾時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかに基づいて、前記対象と前記第2の対象又は前記場所との間に関連付けを作成することと、
を備える方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記対象識別要素は、
前記対象を識別する前記データを含む信号を伝送するように構成されたトランスミッタ、
前記対象を識別する前記データを要求する信号を受信するように構成されたレシーバ、並びに
前記対象識別要素の前記トランスミッタ及び前記レシーバを制御するためのプロセッサ、
のうちの、1つ又は2つ以上を含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、
前記対象を識別する前記データは、一意識別子を含む、方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であって、
前記対象を識別する前記データは、前記対象識別要素上のバーコードに提供される、又は前記対象識別要素上に磁気的にエンコーディングされる、方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、
前記対象位置特定モジュール及び前記対象関連付けモジュールは、位置決定モジュールの一部である、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、
前記位置決定モジュールは、更に、
前記対象を識別する前記データを提供する前記対象識別要素からの信号を受信するためのレシーバ、及び
前記対象を識別するデータを求める要求を伝送するためのトランスミッタ、
のうちの、1つ又は2つ以上を含む、方法。
【請求項27】
請求項25に記載のシステムであって、
前記位置決定モジュールは、ネットワークに接続され、
前記方法は、更に、
ネットワーク接続要素において、前記対象識別要素によって提供される前記データを受信することと、
前記ネットワーク接続要素から、前記データを含む信号を伝送することと、
前記位置決定モジュールにおいて、前記ネットワーク接続要素からの前記信号を受信することと、
を含むシステム。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
前記対象識別要素は、パッシブRFIDデバイスであり、前記ネットワーク接続要素は、パッシブRFIDリーダである、方法。
【請求項29】
請求項27記載の方法であって、
前記対象識別要素は、バーコードであり、前記ネットワーク接続要素は、バーコードリーダである、方法。
【請求項30】
請求項21に記載の方法であって、
前記位置決定モジュールは、前記対象識別要素に直接的に結合される、方法。
【請求項31】
請求項21に記載の方法であって、更に、
前記対象の関連付けをストレージデバイス格納することを備える方法。
【請求項32】
請求項21に記載の方法であって、更に、
固定位置識別要素において、前記対象識別要素によって提供される前記データを受信することと、
前記固定位置識別要素から、前記データを含む信号を伝送することと、
前記対象位置特定モジュールにおいて、前記固定位置識別要素からの前記信号を受信することと、
を備える方法。
【請求項33】
請求項21に記載の方法であって、
対象識別要素は、医療施設内に位置している、方法。
【請求項34】
請求項21に記載の方法であって、
前記場所は、前記医療施設内の部屋を含む、方法。
【請求項35】
請求項21に記載の方法であって、
関連付けを決定するための前記期間は、前記対象識別要素をリンクされた対象のタイプに依存する、方法。
【請求項36】
請求項21に記載の方法であって、
関連付けを決定するための前記期間は、前記対象識別要素の前記位置又は場所に依存する、方法。
【請求項37】
請求項21に記載の方法であって、
関連付けを決定するための前記期間は、前記対象識別要素を関連付けられている前記第2の対象又は場所に依存する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−516935(P2011−516935A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545048(P2010−545048)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/030848
【国際公開番号】WO2009/097183
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(510196800)コンソーシアム・ピー・インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】CONSORTIUM P INCORPORATED
【Fターム(参考)】