説明

低温焼結される半導体電極用の組成物及びこの組成物を用いた色素増感太陽電池

【課題】低温で焼結可能な半導体電極用組成物及びこれを利用した色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】ナノ結晶性酸化物コロイド溶液と塩基性水溶液とを含む半導体電極用組成物である。半導体電極用組成物は、結合剤を含まずとも、低温で粒子間の焼結が可能とする。また、半導体電極用組成物を伝導性基板に塗布した後、TiCl溶液で後処理することによって、低温で粒子間焼結をさらに強化させる。このような半導体電極用組成物を利用して製造された色素増感太陽電池は、優れた光電変換効率を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色素増感太陽電池に関し、特にチタン酸化物のナノ粒子からなる半導体電極を含む色素増感太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
色素増感太陽電池は、1991年スイスのグレツェルらによって発表された光電気化学太陽電池であって、低コストで11%のエネルギー変換効率を有するため、既存のシリコン太陽電池を代替できる次世代太陽電池として注目されている。色素増感太陽電池は、色素分子が吸着されたナノ結晶酸化物がコーティングされた透明伝導性電極と、ナノ粒子金属白金または炭素などがコーティングされた対電極、そしてヨード系酸化−還元電解質とで構成される。
【0003】
透明伝導性ガラス基板を用いた色素増感太陽電池の製造工程においては、ナノ結晶チタン酸化物フィルムをガラス基板にコーティングし、450℃以上の高温で熱処理してチタン酸化物電極を製作する。この時、ナノ粒子のチタン酸化物コロイド溶液にカーボワックス(商標名)のような高分子を混合して、粘度の高いコーティング液を作り、ガラス基板にコーティングした後、空気中または酸素中で450〜500℃の高温で約30分間熱処理して電極が作製される。450℃以上の高温で熱処理する理由は、高分子を焼いて除去する目的、ナノ粒子と透明伝導性基板との接着性向上、そして、ナノ粒子間の相互連結(neckingまたはinter−connection)を誘導するためである。したがって、このように450℃以上の高温で製造されたナノ粒子のチタン酸化物フィルムは、ナノ粒子間の相互連結性に優れて光電変換特性に優れる。
【0004】
フレキシブルな特性を有する色素増感太陽電池を製造するためには、透明伝導性ガラス基板の代りに透明伝導性プラスチック基板を使用しなければならない。プラスチック色素増感太陽電池のチタン酸化物電極を製作するためには、プラスチック基板が耐えられる温度(例えば、PETの場合150℃)以下でチタン酸化物電極を形成しなければならず、低温で形成されたチタン酸化物フィルムは、ナノ粒子間の相互連結性に優れなければならない。したがって、ガラス基板に使用するcarbowaxのような高分子が添加された高温コーティング用のナノ粒子のチタン酸化物コロイド溶液をプラスチック基板に適用することができない。したがって、低温でも粒子間の相互連結性に優れた特性を有するチタン酸化物フィルムを製造するためには、高分子が添加されていない低温コーティング用のチタン酸化物コーティング液が必要である。
【0005】
従来の低温コーティング用の溶液製造方法は、大体、単純にナノ粒子のチタン酸化物を水またはアルコールに分散させて製造したので、コーティング液の粘度を調節し難く、その結果、コーティング厚さ及びコーティング状態を調節することが容易ではない。また、水またはアルコールのみを使用する場合には、低温でチタン酸化物粒子間の相互連結を誘導するのが困難である。したがって、新たな低温コーティング用のチタン酸化物ペースト組成物の開発が要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、低温でもナノ粒子間の相互連結性を向上させて、焼結可能な色素増感太陽電池の半導体電極用組成物を提供することである。
【0007】
また、本発明の別の目的は、低温でも焼結可能な色素増感太陽電池の半導体電極用組成物を容易に製造できる方法を提供することである。
【0008】
また、本発明のさらに別の目的は、低温でも焼結可能な色素増感太陽電池の半導体電極用組成物を利用することで、基板損傷を防止し、光電変換効率に優れた色素増感太陽電池を提供することである。
【0009】
また、本発明のさらに別の目的は、低温でも焼結可能な色素増感太陽電池の半導体電極用組成物を利用することで、色素増感太陽電池を効果的に製造できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の色素増感太陽電池の半導体電極用組成物は、ナノ結晶性酸化物を含有するコロイド溶液と塩基性水溶液とを含むペースト組成物を含む。前記ペースト組成物は、結合剤を含まなくても色素増感太陽電池の半導体電極として有用に利用されうる。前記ナノ結晶性酸化物としては、TiO、ZnO、またはNbなどを使用でき、前記塩基性水溶液は、アンモニア水溶液を使用することが望ましい。
【0011】
また、本発明は、前記半導体電極用組成物を製造する方法を提供する。詳細には、ナノ結晶性酸化物と溶媒とを水熱反応させて酸化物コロイド溶液を製造して、溶媒をアルコールに置換する。溶媒がアルコールに置換されたコロイド溶液に塩基性水溶液を加えてペースト組成物を形成することによって、色素増感太陽電池の半導体電極として利用可能な組成物を製造することができる。
【0012】
また、本発明は、前記ペースト組成物が塗布された半導体電極、対向電極、及び前記半導体電極と対向電極との間に介在した電解質溶液で構成された色素増感太陽電池を提供する。
【0013】
前記伝導性基板は、伝導性プラスチック基板、伝導性ガラス基板、伝導性金属基板、半導体基板または不導体基板などを使用でき、そのうち、伝導性プラスチック基板を使用することが望ましい。また、前記半導体電極は、前記ペースト組成物に化学的に吸着されている色素分子層をさらに備える。前記色素分子層は、ルテニウム錯体からなる。前記対向電極は、透明伝導性基板や白金層がコーティングされた透明基板を使用でき、前記電解質溶液は、ヨード系酸化還元電解質を使用できる。
【0014】
また、本発明は、伝導性ガラス基板上に前記ペースト組成物を塗布し、室温〜200℃で乾燥して半導体電極を形成する。望ましくは、前記乾燥された半導体電極をTiCl溶液に含浸し、室温〜200℃で再び乾燥して製造する。そして、伝導性基板に白金をコーティングして対向電極を形成し、前記半導体電極と前記対向電極との間に電解質溶液を加えて色素増感太陽電池を製造する方法を含む。
【0015】
したがって、前記ペースト組成物は、結合剤を含有せずとも低温でナノ粒子の焼結を可能にする。さらに、前記ペースト組成物が塗布された半導体電極をTiCl溶液で後処理することで、ナノ粒子の焼結をさらに強化する。したがって、前記ペースト組成物は、低温で焼結して半導体電極を製造することによって、高温による基板の損傷を防止することができる。また、低温でも焼結可能な前記ペースト組成物が塗布された半導体電極を利用することで、光電変換効率に優れた色素増感太陽電池を製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、チタン酸化物コロイド溶液及びアンモニア水溶液を含む半導体電極用組成物を提供することによって、結合剤を含まずとも、低温工程で粒子間の焼結を可能にする。
【0017】
また、本発明は、チタン酸化物コロイド溶液を合成した後、ここにアンモニア水溶液を添加して粘性を有する半導体電極用組成物を製造する方法を提供する。本発明の方法によれば、低温でも粒子間の焼結が可能な色素増感太陽電池の半導体電極用組成物を効果的に製造することができる。
【0018】
また、本発明の色素増感太陽電池は、低温でも粒子間の焼結が可能な半導体電極用組成物を含むことによって、優れた電気的特性を示し、これにより、光電変換効率を改善することができる。
【0019】
また、本発明は、前記ペースト組成物を透明伝導性基板にコーティングして低温で乾燥するにもかかわらず、粒子間の焼結が可能になった半導体電極を製造し、対向電極及び前記電極の間に電解質溶液を加えて色素増感太陽電池を製造することができる。また、前記コーティングの後、TiCl化学的後処理することで、粒子間の焼結をさらに強化した半導体電極を製造することができる。前記半導体電極用組成物を低温でコーティングすることで高温による基板の損傷問題を防止し、粒子間の相互連結を向上させることによって、コーティング厚さ及びコーティング状態を容易に調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の色素増感太陽電池の半導体電極用組成物及びこれを利用した色素増感太陽電池の製造例を説明する。また、前記色素増感太陽電池の電気的特性を測定した実験例を説明する。前記製造例及び実験例は、添付された図面を参照して詳細に説明する。しかしながら、本発明はここで説明される製造例及び実験例により限定されず、他の形態に具体化できる。ここで紹介する製造例及び実験例は、本発明の技術的思想を徹底して完全に開示できるように、また当業者に本発明の思想を十分に伝えるために例示的に提供されるものである。
【0021】
以下、本発明による色素増感太陽電池の半導体電極用組成物の製造例を説明する。前記半導体電極用組成物は、ナノ粒子のTiO、ZnO、またはNbなどを使用できるが、本実施の形態では、チタン酸化物を含む半導体電極を例示する。
【0022】
ナノ粒子のチタン酸化物コロイド水溶液は、チタンイソプロポキシド、酢酸、イソプロパノール、水などを利用して、周知の水熱合成法により230℃で12時間反応させた後、遠心分離機を利用して水を除去し、アルコールに再分散してチタン酸化物コロイド水溶液を製造する。低温コーティング用の半導体電極用組成物を製造するために、水熱合成法で製造されたチタン酸化物コロイド水溶液に、チタン酸化物が前記コロイド水溶液の重量対比5〜20重量%、望ましくは10〜15重量%含まれることが望ましい。
【0023】
ナノ粒子のチタン酸化物が12.5重量%で含まれたコロイド溶液10gに、10モルのアンモニア水溶液を磁石撹拌機で撹拌しつつ、一滴ずつゆっくり加える。前記コロイド水溶液と前記アンモニア水溶液とが1:0.1〜10重量%で混合されるように製造する。前記アンモニア水溶液は、1〜10モルで多様に製造可能である。前記コロイド溶液にアンモニア水溶液が添加されるほど、クリームのようなペースト状態となって、半導体電極用組成物を製造できる。
【0024】
図1A及び図1Bは、本発明による半導体電極用組成物を製造する過程において、ナノ粒子のチタン酸化物(TiO)コロイド溶液(図1A)と、前記コロイド溶液にアンモニア水を添加したペースト組成物(図1B)とを比較した写真である。
【0025】
図1Aを参照すれば、液体状のナノ粒子のチタン酸化物コロイド溶液を確認することができ、図1Bを参照すれば、前記コロイド水溶液にアンモニア水溶液を添加した後、高粘度のペースト組成物が形成されることを確認することができる。
【0026】
図2は、ナノ粒子のチタン酸化物に対するアンモニア水溶液の重量比による本発明の半導体電極用組成物の粘度変化を示すグラフである。
【0027】
図2を参照すれば、アンモニア水溶液を添加する前にチタン酸化物含有コロイド溶液は、100cP以下の低粘度を有する。前記コロイド溶液にチタン酸化物を基準として0.5重量%のアンモニアを添加した半導体電極用組成物は、30,000cPの高粘度を有する。5重量%添加の後には、53,000cPの非常に高い粘度を得るようになる。5重量%以後には、粘度が若干低下するが、その理由は、アンモニア水に含まれた蒸溜水量の増加で粘度が若干低下するためである。
【0028】
図3A及び図3Bは、ナノ粒子のチタン酸化物コロイド溶液にアンモニア水を添加した前と添加した後の粘度変化を図式化した図である。
【0029】
図3Aを参照すれば、粘度100cP以下のチタン酸化物コロイド溶液(pH=1.9)のナノ粒子の間隔が離れていることを確認することができる。
【0030】
図3Bを参照すれば、前記コロイド溶液に少量のアンモニア水を添加すれば、粘度53,000cPの高粘土ペースト組成物(pH=2.2−3.6)が形成されるが、この時、ナノ粒子の一部が群がることが分かった。これは、アンモニア水の添加後、水素陽イオンから形成されたナノ粒子のチタン酸化物の表面電荷が、塩基性物質の中性効果によって低下し、酢酸の陰イオンとアンモニウムの陽イオンの電解質の増加によって、ナノ粒子間の凝集が発達するためである。
【0031】
次に、前記で製造されたペースト組成物を利用した本発明の色素増感太陽電池の製造例を説明する。
【0032】
図4は、本発明による色素増感太陽電池の構成を概略的に示す図であって、これを参照して詳細に説明する。
【0033】
図4を参照すれば、本発明による色素増感太陽電池は、半導体電極10と対向電極20、及びこれらの間に介在している電解質溶液30を備える。
【0034】
前記半導体電極10は、透明伝導性基板12に前記ペースト組成物14をドクタブレード法でコーティングして製造される。詳細には、前記ペースト組成物14を透明伝導性プラスチック基板または透明伝導性ガラス基板のような透明伝導性基板12にコーティングした後、150℃の常圧条件で10〜30分間乾燥する。乾燥されたチタン酸化物がコーティングされた透明伝導性基板は、0.01M〜0.6MのTiCl水溶液、望ましくは0.1〜0.3MのTiCl水溶液に1〜10分間浸した後、取り出して空気で乾燥し、150℃の常圧条件で10〜60分間乾燥して半導体電極10を製造できる。
【0035】
前記対向電極20は、透明伝導性基板22に白金24をコーティングして製造する。したがって、前記対向電極20の白金24は、前記半導体電極10のペースト組成物14と対向して配置される。半導体電極10と対向電極20との間に高分子層40を置いて前記二電極を密着させる。この時、熱及び圧力を加えて前記高分子層40を前記二電極の表面に強く付着させる。前記二電極が付着された後、対向電極に形成された微細孔26を通じて電解質溶液30を充填させる。前記電解質溶液30は、ヨード系酸化還元電解質を使用できる。前記電解質溶液30の充填が完了した後、薄いガラスを瞬間的に加熱することによって、前記微細孔26を閉じて本発明による色素増感太陽電池を完成する。
【0036】
図5は、本発明による色素増感太陽電池の光電流−電圧特性を示すグラフである。
【0037】
実験群として前記透明伝導性基板に前記半導体電極用組成物を4.2μmの厚さにコーティングして乾燥した後、150℃の低温でTiCl水溶液で処理して製造された半導体電極を利用した色素増感太陽電池を使用した。対照群としては、前記透明伝導性基板に高分子結合剤を含むチタン酸化物のペースト組成物を4.7μmの厚さにコーティングして、500℃で30分間熱処理して製造した半導体電極を利用した色素増感太陽電池を使用した。前記実験群と対照群との電流−電圧特性を評価した。評価結果を図5及び下記表1に示した。図5において、実験群は(d)、対照群は(c)で表した。図5を参照すれば、全般的に実験群と対照群とは類似した電気的特性を表した。詳細には、下記表1に示すように、AM1.5G〜1の太陽エネルギー(1000W/m)を適用した場合、実施群では4.18%のエネルギー変換効率を表し、対象群は4.27%のエネルギー変換効率を表した。
【表1】

【0038】
図6は、本発明による色素増感太陽電池の光電変換効率(Incident Photo-to-current Conversion Efficiency:IPCE)を示すグラフである。
【0039】
図6を参照すれば、図5の実験群と対照群との光電変換効率(IPCE)特性を示している。図6において、実験群は(f)、対照群は(e)で表した。各波長によるIPCE特性から半導体電極が150℃以下の低温で製造された場合、500℃以上の高温熱処理により製造されてノ粒子間の焼結特性に優れる半導体電極と類似した特性を示すということが分かる。したがって、本発明は、結合剤を含まず、低温工程で製造されてもエネルギー変換効率に優れた色素増感太陽電池を製造することができる。
【0040】
図7は、TiCl水溶液を処理した本発明の色素増感太陽電池の光電流−電圧特性を示すグラフである。
【0041】
20重量%の光散乱チタン酸化物粒子(直径400nm、アナターゼ型)を含むペースト組成物でコーティングされた半導体電極をTiCl水溶液で処理して製造した色素増感太陽電池の光電流電圧特性を評価した。前記コーティングは、150℃以下で4.5μmの厚さに行われた。図7及び下記表2を参照すれば、AM1.5G〜1太陽条件(1000W/m)で4.8%の高いエネルギー変換効率を表すことを確認することができる。150℃以下の低温でも高温熱処理で得られる電気的特性が可能な理由は、一次的に、ナノ粒子間の連結が本発明による半導体電極用組成物の組成成分に特徴があり、二次的に、TiCl化学的後処理によって前記ナノ粒子間の焼結が強化されたためである。したがって、本発明は、150℃以下の低い温度でもナノ粒子間の焼結が可能であることを示している。
【表2】

【0042】
以上、本発明を望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で当業者によって多様な変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、太陽電池関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1A】本発明による半導体電極用組成物を製造する過程において、ナノ粒子のチタン酸化物(TiO)コロイド溶液の写真である。
【図1B】本発明による半導体電極用組成物を製造する過程において、図1Aのコロイド溶液にアンモニア水を添加したペースト組成物の写真である。
【図2】ナノ粒子のチタン酸化物に対するアンモニア水の重量比による本発明の半導体電極用組成物の粘度変化を示すグラフである。
【図3A】ナノ粒子のチタン酸化物コロイド溶液にアンモニア水を添加する前の粘度を示す図である。
【図3B】ナノ粒子のチタン酸化物コロイド溶液にアンモニア水を添加した後の粘度変化を示す図である。
【図4】本発明による色素増感太陽電池の構成を概略的に示す図である。
【図5】本発明による色素増感太陽電池の光電流−電圧特性を示すグラフである。
【図6】本発明による色素増感太陽電池の光電変換効率(IPCE)を示すグラフである。
【図7】TiCl水溶液を処理した本発明の色素増感太陽電池の光電流−電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
10 半導体電極
12 透明伝導性基板
14 ペースト組成物
20 対向電極
22 透明伝導性基板
24 白金
26 微細孔
30 電解質溶液
40 高分子層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ結晶性酸化物を含有するコロイド溶液と塩基性水溶液とを含む色素増感太陽電池の半導体電極用組成物。
【請求項2】
前記ナノ結晶性酸化物が、TiO、ZnO、及びNbからなる群から選択され化合物である、請求項1に記載の半導体電極用組成物。
【請求項3】
前記塩基性水溶液が、アンモニア水溶液である、請求項1に記載の半導体電極用組成物。
【請求項4】
前記コロイド溶液と前記塩基性水溶液とが、1:0.1〜10の重量比で混合されてなる、請求項1に記載の半導体電極用組成物。
【請求項5】
色素増感太陽電池の半導体電極用組成物を製造する方法であって、
ナノ結晶性酸化物と溶媒との水和反応によって、ナノ結晶性酸化物を含有するコロイド溶液を準備する工程と、
前記コロイド溶液の溶媒を、置換反応によってアルコールに置換する工程と、
前記置換反応によって得られたコロイド溶液に、塩基性水溶液を加える工程と、
を含んでなる、色素増感太陽電池の半導体電極用組成物の製造方法。
【請求項6】
前記塩基性水溶液を加える際に、コロイド溶液を撹拌する工程をさらに含んでなる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ナノ結晶性酸化物が、TiO、ZnO、及びNbからなる群から選択される化合物である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基性水溶液が、アンモニア水溶液である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記コロイド溶液と前記塩基性水溶液とが、1:0.1〜10の重量比となるように、前記塩基性水溶液を加える、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
伝導性基板上に、ナノ結晶性酸化物を含有するコロイド溶液と塩基性溶液とを含むペースト組成物と塗布して得られた半導体電極と、
対向電極と、
前記半導体電極と対向電極との間に介在した電解質溶液と、
を含む色素増感太陽電池。
【請求項11】
前記伝導性基板が伝導性プラスチック基板である、請求項10に記載の色素増感太陽電池。
【請求項12】
前記ナノ結晶性酸化物が、TiO、ZnO、及びNbからなる群から選択される化合物である、請求項10に記載の色素増感太陽電池。
【請求項13】
前記塩基性水溶液が、アンモニア水溶液である、請求項10に記載の色素増感太陽電池。
【請求項14】
前記ペースト組成物が、前記コロイド溶液と前記塩基性水溶液とを1:0.1〜10の重量比で含んでなる、請求項10に記載の色素増感太陽電池。
【請求項15】
色素増感太陽電池を製造する方法であって、
第1伝導性基板上に、ナノ結晶性酸化物を含有するコロイド溶液と塩基性溶液とを含む半導体電極用組成物を塗布する工程と、
前記半導体電極用組成物が塗布された第1伝導性基板を、室温〜200℃で乾燥する工程と、
前記第1伝導性基板上に色素分子層を形成して、半導体電極を完成する工程と、
第2伝導性基板上に導電物を塗布して、対向電極を形成する工程と、
前記半導体電極と前記対向電極との間に電解質溶液を介在させる工程と、
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1伝導性基板をTiCl溶液に含浸させて、次いで室温〜200℃で第1伝導性基板を乾燥する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第1伝導性基板上への半導体電極用組成物の塗布が、ドクタブレード法を利用して行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ナノ結晶性酸化物は、TiO、ZnO、及びNbからなる群から選択される化合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記塩基性水溶液が、アンモニア水溶液である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記半導体電極用組成物が、前記コロイド溶液と前記塩基性水溶液とを1:0.1〜10の重量比で含む、請求項15に記載の方法。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1A】
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【図1B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2007−149682(P2007−149682A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316515(P2006−316515)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】