説明

体重増加抑制剤

【課題】長期間にわたり安全に投与できる体重増加抑制剤、体重増加抑制作用を有する食品組成物などを提供する。
【解決手段】ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる体重増加抑制剤、体重増加抑制作用を有する食品組成物などを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体重増加抑制剤、体重増加抑制作用を有する食品組成物などに関する。特に、ε−ポリリジンを含有する体重増加抑制剤、体重増加抑制作用を有する食品組成物などに関する。
【背景技術】
【0002】
現代においては、高脂肪食を中心とした食生活、運動不足などによる体重増加、その結果としての肥満が社会的に大きな問題となっている。肥満は、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病の発症リスクとなることから、体重増加を抑制することが生活習慣病の発生率を抑える上で重要だと考えられている。
【0003】
体重増加を抑制するためには、食事内容を改善したり、十分な運動をするなど、生活習慣を改善することが重要であることは広く認識されているものの、生活習慣を変えることは実際上容易ではなく、また、それだけでは賄いきれないことも少なくない。そこで、肥満や体重増加を抑制する薬剤や食品に対する強い要望がある。
【0004】
現在、抗肥満薬としては、カテコールアミン・セロトニン再取り込み阻害剤であるシブトラミン、CB1受容体阻害剤であるリモナバントなどが知られている。また、脂質代謝に関与する膵リパーゼの阻害薬としてオルリスタットが知られている。
【0005】
一方、ε−ポリリジンは、抗菌効果を有する食品添加物として知られている(例えば特許文献1参照)。石井あるいはHirakiらによる食品添加物としてのε−ポリリジンの安全性に関する報告において(例えば非特許文献1、2参照)、高脂肪食非摂取下でも、高濃度のε−ポリリジン摂取が体重抑制をもたらすことについて言及されているが、この体重抑制効果の一要因として、試験動物の被験物質に対する嗜好性による摂取量への影響が考えられている。また、近年、ε−ポリリジンの新しい機能として、膵リパーゼ反応阻害による脂肪吸収阻害への関与についての知見が得られている。即ち、摂取された脂肪分は胃から十二指腸にかけて、胆汁酸の存在下エマルジョンを形成し、その後膵リパーゼの作用を受ける。この膵リパーゼの作用により、エマルジョンはミセルフォームとなり、腸より吸収される。しかし、このエマルジョン形成時にε−ポリリジンが存在すると、エマルジョン表面のε−ポリリジンにより膵リパーゼの反応が阻害される。結果として、脂肪分を含んだエマルジョンはミセルへと変換されにくくなるため、腸壁からの吸収が阻害されると考えられている。例えば、Tsujitaらはε−ポリリジンによる膵リパーゼの反応阻害に関する基礎的なメカニズムについて報告している(例えば非特許文献3参照)。同様に、Kidoらは、高脂肪食摂取ラットの血中中性脂肪の減少がε−ポリリジンの投与用量に対し依存的に起こることについて報告している(例えば非特許文献4参照)。また、ε−ポリリジンについては、血清コレステロールレベルおよび肝臓コレステロールレベルの上昇を抑制する作用の報告もある(例えば特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、これまで高脂肪食を中心とする現代の食生活による体重増加や肥満などの改善につながるような、ε−ポリリジンの実用的な投与または摂取による体重増加の抑制に関する報告はない。
【0007】
【特許文献1】特開2003−171462号公報
【特許文献2】特開平4−221320号公報
【非特許文献1】基礎と臨床 27、2013-2033、1993
【非特許文献2】Regulatory Toxicology and Pharmacology 37,328-340,2003
【非特許文献3】J. Lipid. Res. 44,2278-2286,2003
【非特許文献4】J. Nutr. 133, 1887-1891, 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況の下、副作用が少なく、長期間にわたり安全に投与しうる体重増加抑制剤、体重増加抑制作用を有する食品組成物などの開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ε−ポリリジンまたはその塩の投与または摂取が、低用量でも体重増加抑制作用、脂肪量増加抑制作用などを有すること、および脂肪分を含む食事において糞便中への脂肪排泄作用などを有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
[1]ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる体重増加抑制剤;
[2]体重増加が、肥満に至る前の体重増加である上記[1]記載の体重増加抑制剤;
[3]体重増加が、肥満患者の体重増加である上記[1]記載の体重増加抑制剤;
[4]ε−ポリリジンまたはその塩の含有量が、体重増加を抑制する有効量である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の体重増加抑制剤;
[5]有効量が、0.1mg〜800mg/kg体重・日である、上記[4]記載の体重増加抑制剤;
[6]ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の体重増加抑制剤;
[7]ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる脂肪量増加抑制剤;
[8]ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる肥満の予防・治療剤;
[9]ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる体重増加抑制作用を有する食品組成物;
[10]体重増加が、肥満に至る前の体重増加である上記[9]記載の食品組成物;
[11]体重増加が、肥満患者の体重増加である上記[9]記載の食品組成物;
[12]ε−ポリリジンまたはその塩の含有量が、体重増加を抑制する有効量である、上記[9]〜[11]のいずれかに記載の食品組成物;
[13]有効量が、0.1mg〜800mg/kg体重・日である、上記[12]記載の食品組成物;
[14]ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲である、上記[9]〜[13]のいずれかに記載の食品組成物;
[15]脂肪を含有する、上記[9]〜[14]のいずれかに記載の食品組成物;
[16]ε−ポリリジンの含有量が、食品組成物中の脂肪に対して、0.1〜5質量%である、上記15記載の食品組成物;
[17]サプリメント、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、または病者用食品である上記[9]〜[16]のいずれかに記載の食品組成物;
[18]タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状または液状である上記[9]〜[17]のいずれかに記載の食品組成物;
[19]錠菓、ドロップ、キャンディ、ゼリー、飲料、クッキー、クラッカー、ビスケット、チョコレート、マーガリン、またはガムである上記[9]〜[18]のいずれかに記載の食品組成物;
[20]ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲であり、ε−ポリリジンの含有量が0.1mg〜800mg/kg体重・日となる量であり、サプリメント、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、または病者用食品であり、タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状または液状である上記[9]記載の食品組成物;
[21]ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲であり、脂肪を含有し、ε−ポリリジンの含有量が食品組成物中の脂肪に対して0.1〜5質量%であり、サプリメント、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、または病者用食品であり、タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状または液状である上記[9]記載の食品組成物;
[22]ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物
などを提供する。
【0011】
また、本発明は、
〔i〕哺乳動物に体重増加または脂肪量増加を抑制する有効量のε−ポリリジンまたはその塩を摂取させ、あるいは投与することを特徴とする体重増加または脂肪量増加の抑制方法;
〔ii〕体重増加抑制剤、脂肪量増加抑制剤、肥満の予防・治療剤、体重増加抑制作用を有する食品組成物または脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物の製造のための、ε−ポリリジンまたはその塩の使用
なども提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の体重増加抑制剤、脂肪量増加抑制剤、肥満の予防・治療剤、体重増加抑制作用を有するサプリメント、または食品組成物、脂肪増加抑制作用を有するサプリメント、または食品組成物などは、体重増加の抑制、脂肪増加の抑制、肥満の予防・治療などに有用である。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、例えば、嗜好性や摂食量に影響を与えることなく体重増加の抑制、脂肪増加の抑制、肥満の予防・治療などを行うことができる。
【0014】
一方、摂取された脂肪分が胆汁酸の存在下形成するエマルジョン中には、健康維持に必要な食物由来の脂溶性ビタミンなどの栄養成分も含まれている。そこで、ε−ポリリジンの投与量または摂取量が高用量であると、ε−ポリリジンは脂肪吸収を阻害するため、これら栄養成分の吸収までも阻害する可能性がある。しかし、本発明においては、ε−ポリリジンの投与量または摂取量が低用量であるため、このような健康維持に必要な栄養成分の吸収を阻害することなく、体重増加の抑制、脂肪増加の抑制、肥満の予防・治療などを行うことが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
1.ε−ポリリジン(EPL)
本発明は、ε−ポリリジン(本明細書中、ε−ポリリジンを「EPL」と略称することがある。)を含有してなる体重増加抑制剤、体重増加抑制作用を有するサプリメント、または食品組成物などを提供する。
【0016】
まず本発明で用いられるEPLについて説明する。本発明で用いられるEPLは、L−リジンが、α位のカルボキシル基とε位のアミノ基との間でアミド結合している直鎖状のポリマーであり、一般式(1)
【化1】

(式中、nは重合度を表す。)で表される。
重合度(n)は、通常約2〜100の範囲であり、約15〜50の範囲であるのが好ましく、約20〜40の範囲であるのがより好ましく、約25〜35の範囲であるのが特に好ましい。特にチッソ株式会社製の、ストレプトマイセス(Streptomyces)属細菌により発酵生産され、食品添加物として長年にわたり使用されてきた一般式(1)の重合度(n)が約25〜35の範囲のEPLが、安全性と食経験の観点から好ましい。さらに、重合度(n)が21以上であるEPLを90質量%以上含有するEPL、重合度(n)が21〜35の範囲であるEPLなど(例えば、特開2003−171462号公報参照)も好ましく用いることができる。また、その他の中重合度ポリリジン(例えば特開2005−006562号公報参照)なども好ましく用いることができる。
【0017】
本発明のEPLの重合度は、例えば、ペアードイオンクロマトグラフィー法(例えば特開平9−19288号公報など参照)、ゲル浸透クロマトグラフィー/低角度レーザ光散乱光度(GPC−LALLS)法などを用いることによって測定することができる。
【0018】
本発明で用いられるEPLは塩を形成していてもよい。該EPLの塩としては、生理学的に許容される酸(例えば、無機酸、有機酸など)や塩基(例えば、アルカリ金属など)などとの塩が用いられる。なかでも、生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。無機酸との塩としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸などとの塩があげられる。有機酸との塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アジピン酸、プロピオン酸、ソルビン酸、安息香酸、アスコルビン酸などとの塩があげられる。塩基との塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩などがあげられる。金属塩としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属との塩;アルミニウム塩などがあげられる。有機塩基との塩としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩があげられる。EPLの塩は、通常の方法に従って製造することができる。具体的には、例えば、EPLと所望の酸または塩基を含む溶液とを混合して所望の塩を生じさせ、生じた塩をろ取、溶媒の留去などの方法によって単離することにより得ることができる。
【0019】
以下、EPLとその塩とを、まとめて「EPL」と称することがある。
【0020】
本発明のEPLは、化学合成によって得られたものであってもよく、または発酵によって得られたものであってもよい。
【0021】
発酵によるEPLの製造方法としては、例えば、EPLを生産する菌を液体培地中で培養し、液中に生成蓄積したEPLを採取する方法が知られている。このような方法としては、ストレプトマイセス・アルブラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Streptomyces albulus subsp. lysinopolymerus) No.346−D株(微工研菌寄第3834号:以下、No.346−D株という。)を用いる方法(特公昭59−20359号公報など参照)、No.346−D株のS−アミノエチル−L−システイン耐性変異株である11011A−1株(微工研条寄第1109号)を用いる方法(特公平3−42070号公報など参照)、No.346−D株のプラスミド増幅変異株である50833株(微工研条寄第1110号)を用いる方法(特公平3−42075号公報、特公平6−75501号公報など参照)、高濃度のS−アミノエチル−L−システインに対して耐性を有する、11011A−1株の変異株であるB21021株(FERM BP−5926)を用いる方法(特開平9−173057号公報など参照)、ストレプトマイセス・ノールセイ(Streptomyces noursei)に属する菌株(FERM P−9797)を用いる方法(特開平1−187090号公報など参照)、ストレプトマイセスsp.SP−72株(FERM P−16810)を用いる方法(特開2000−069988号公報など参照)、ストレプトマイセスsp.SP−66株(FERM P−17223)を用いる方法(特開2001−017159号公報参照)、ストレプトマイセス・ヘルバリカラー SP−13株(FERM P−17845)を用いる方法(特開2002−95466号公報など参照)、ストレプトマイセス・アルブラス・サブスペシーズ SP−25株(FERM P−17998)を用いる方法(特開2002−95467号公報など参照)、ストレプトマイセス・ラベンデュラエ USE−53株(FERM P−18305)を用いる方法(特開2003−52358号公報など参照)などが知られている。
【0022】
また、EPLを化学合成によって製造する場合には、例えば、α位のアミノ基を保護したリジンを縮合させた後、保護基を脱離させることにより製造することができる。このような製造方法に用いられる公知のアミノ基の保護・脱保護方法やアミノ酸の縮合方法としては、例えば、ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年);ザ ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年);ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年);生化学実験講座 1、 タンパク質の化学IV、 205、(1977年);続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成 広川書店などに記載の方法があげられる。
【0023】
また、重合度(n)が2〜19であるEPLの製造方法としては、例えば、特開平4−221320号公報に記載の方法などが知られている。重合度(n)が21以上であるEPLを90質量%以上含有するEPL、重合度(n)が21〜35の範囲であるEPLの製造方法としては、例えば、特開2003−171462号公報に記載の方法などが知られている。さらに、特開2005−006562号公報に記載されているような方法によっても本発明で用いられるEPLを製造することができる。
【0024】
これらの方法によって得られたEPLをプロテアーゼで加水分解することによって、より重合度(n)の小さいEPLを製造することもできる(例えば、特開平4−221320号公報など参照)。
【0025】
2.EPLまたはその塩を含有する製剤および食品組成物
EPLまたはその塩は体重増加抑制活性、脂肪量増加抑制活性などを有しているので、EPLまたはその塩は、動物に対し、例えば、体重増加抑制剤、脂肪量増加抑制剤、肥満の予防・治療剤など(以下、「本発明の製剤」と略称することがある。)として、並びに、例えば、体重増加抑制作用を有する食品組成物、脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物など(以下、「本発明の食品組成物」と略称することがある。)として用いることができる。
【0026】
EPLは、上述のように、摂取された脂肪分が形成するエマルジョンのミセルへの変換を阻害することにより脂肪分の吸収を阻害するので、食品組成物としては脂肪成分の多い食品への使用が特に好ましい。
【0027】
また、製剤における投与あるいは摂取の好ましい方法としては、EPLの脂肪吸収阻害様式から判断すれば食後の投与あるいは摂取が特に好ましいが、後述の試験例1のように定時的な投与あるいは摂取形態でも構わない。本発明の食品組成物の場合は、投与あるいは摂取方法には特に限定はない。
【0028】
適用対象の動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、インコ、キュウカンチョウ、オウム、モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル、カエル、サンショウウオ、キンギョ、コイ、フナなどの脊椎動物であるのが好ましく、哺乳動物であるのがより好ましく、ヒトであるのが特に好ましい。適用対象の動物は、体重増加もしくは脂肪量増加を回避したい動物、または肥満の予防・治療を行いたい動物であればよく、遺伝的に体重増加のリスクを有している動物であってもよいし、糖尿病、高血圧症および/または高脂血症などの生活習慣病を患っている動物であってもよい。
【0029】
また、体重増加は、肥満に至るまえの体重増加であってもよいし、肥満患者の体重増加であってもよい。肥満とは、WHOの基準によれば、BMI(ボディー・マス・インデックス:体重(kg)/[身長(m)]2)が30以上と定義されるが、日本人については、BMIが25以上であることを意味する(日本肥満学会の基準による)。本発明でも同義で使用している。
【0030】
また、EPLまたはその塩は、前述のように脂肪量増加抑制剤または脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物として用いることができるが、なかでも、中性脂肪量増加抑制剤または中性脂肪量増加を抑制する作用を有する食品組成物として好ましく用いることができ、とりわけ、トリグリセリド量増加抑制剤またはトリグリセリド量増加を抑制する作用を有する食品組成物として好ましく用いることができる。
【0031】
本発明の脂肪量増加抑制剤または脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物によって脂肪量の増加が抑制される組織または器官としては、例えば、肝臓、副睾丸脂肪組織、側腹部脂肪組織など脂肪細胞を多く含む組織または器官が挙げられる。また、本発明の脂肪量増加抑制剤または脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物は、血中脂質含量の増加を抑制する作用も有する。
【0032】
さらに、EPLまたはその塩は、血中の総コレステロールの増加を抑制する作用を有する。より具体的には、EPLまたはその塩は、血中のHDLコレステロールに影響を与えることなくHDL以外のコレステロールの増加を抑制する作用を有する。したがって、EPLまたはその塩は、コレステロール増加抑制剤またはコレステロール増加抑制作用を有する食品組成物として用いることができる。好ましくは、EPLまたはその塩は、HDLコレステロールを抑制することなくHDL以外のコレステロールの増加を抑制するコレステロール抑制剤またはHDLコレステロールを抑制することなくHDL以外のコレステロールの増加を抑制する作用を有する食品組成物として用いることができる。
【0033】
また、EPLまたはその塩は、糞中への脂肪排泄を促進する作用などを有する。したがって、EPLまたはその塩は、糞中への脂肪排泄剤または糞中への脂肪排泄促進作用などを有する食品組成物として用いることができる。
【0034】
(1)本発明の製剤
EPLを上述の製剤として使用する場合には、公知の方法によって実施することができる。具体的には、例えば、以下に記載するとおりに実施することができる。
【0035】
本発明の製剤は、必要に応じて糖衣やコーティングを施した錠剤、丸剤、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、細粒剤、トローチ剤、液剤(シロップ剤、乳剤、懸濁剤を含む)などとして経口的に使用するのが好ましい。
【0036】
本発明の製剤には、本発明の効果を阻害しない限り、生理学的に許容される担体などを配合することができる。生理学的に許容される担体などとしては、製剤材料として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、増粘剤、乳化剤などがあげられる。また、必要に応じて、着色剤、甘味剤、抗酸化剤などの製剤添加剤も用いることができる。さらに本発明の製剤をコーティングしてもよい。
【0037】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース(例えば、微結晶セルロースなど)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどがあげられる。結合剤としては、例えば、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、マクロゴール、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)などがあげられる。崩壊剤としては、例えば、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋ポリビニルピロリドン、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、陽イオン交換樹脂、部分α化でんぷん、トウモロコシデンプンなどがあげられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ワックス類、コロイドシリカ、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、マクロゴール、エアロジルなどがあげられる。
【0038】
溶剤としては、例えば、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、植物油(例えば、サフラワー油、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油、大豆レシチンなど)などがあげられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどがあげられる。懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などがあげられる。緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などがあげられる。増粘剤としては、例えば、天然ガム類、セルロース誘導体などがあげられる。乳化剤としては、例えば、脂肪酸エステル類(例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなど)、ワックス(例えば、ミツロウ、菜種水素添加油、サフラワー水素添加油、パーム水素添加油、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、カカオ脂粉末、カルナウバロウ、ライスワックス、モクロウ、パラフィンなど)、レシチン(例えば、卵黄レシチン、大豆レシチンなど)などがあげられる。
【0039】
着色剤としては、例えば、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラなど)などがあげられる。甘味剤としては、例えば、ショ糖、乳糖、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどがあげられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸及びそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などがあげられる。
【0040】
錠剤、顆粒剤、細粒剤などに関しては、味のマスキング、光安定性の向上、外観の向上あるいは腸溶性などの目的のため、コーティング基材を用いて通常の方法でコーティングしてもよい。このコーティング基剤としては、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基材、腸溶性フィルムコーティング基材などがあげられる。
【0041】
糖衣基剤としては、例えば、白糖があげられ、さらにタルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
【0042】
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社)ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などがあげられる。腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL(オイドラギットL(商品名)ロームファルマ社)、メタアクリル酸コポリマーLD(オイドラギットL−30D55(商品名)ロームファルマ社)メタアクリル酸コポリマーS(オイドラギットS(商品名)ロームファルマ社)などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などがあげられる。これらのコーティング基剤は、単独で、または2種以上を適宜の割合で混合してコーティングしてもよく、また2種以上を順次コーティングしてもよい。
【0043】
本発明の製剤中におけるEPLの含有量は、製剤全体に対して通常約0.001〜99質量%、好ましくは、約0.01〜80質量%、より好ましくは、約0.1〜50質量%の任意の範囲である。
【0044】
本発明の製剤で用いられるEPLまたはその塩の投与量は、EPLまたはその塩の体重増加または脂肪量増加を抑制する有効量の範囲内であればよい。例えば、体重増加を抑制する目的で成人に投与する場合、投与対象、投与形態、摂食量などによっても異なるが、EPLの投与量として、一般的に一日につき、体重1kgあたり、0.1〜800mg、好ましくは0.1〜400mg、より好ましくは0.1〜15mg、特に好ましくは0.5〜10mg、最も好ましくは0.5〜5mgである。EPLの投与量が少なすぎても効果が発現しないし、多すぎると脂溶性ビタミンなどの他の栄養成分の吸収を阻害する恐れがある。また、嗜好性や摂食量に影響をあたえずに効果が発現するという観点からも、上記に例示した各投与量が好ましい。他の動物の場合も、同様の量を投与することができる。
【0045】
さらに、本発明の製剤で用いられるEPLまたはその塩は、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、利尿剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。本明細書においては、「組み合わせて用いる」とは、別々の製剤として投与する形態および一つの製剤として合剤にする形態のいずれであってもよい。
【0046】
別々の製剤として組み合わせて使用する際、本発明の製剤で用いられるEPLまたはその塩および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、併用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合わせて用いてもよい。
【0047】
(2)本発明の食品組成物
EPLを上述の食品組成物として使用する場合には、通常の方法によって実施することができる。具体的には、例えば、以下に記載するとおりに実施することができる。
【0048】
本発明の食品組成物としては、EPLを含有し、かつ、動物が経口的に摂取しうるものであればよく、食品組成物の種類、形状などに特に制限はない。食品組成物としては、例えば、ドロップ、キャンディー、チューインガムなどの菓子類;
クッキー、クラッカー、ビスケット、ポテトチップス、パン、ケーキ、チョコレート、ドーナツ、プリン、ゼリーなどの洋菓子;煎餅、羊羹、大福、おはぎ、饅頭、カステラなどの和菓子;アイスクリーム、アイスキャンディー、シャーベット、ジェラートなどの冷菓;食パン、フランスパン、クロワッサンなどのパン類;うどん、そば、きしめんなどの麺類;かまぼこ、魚肉ソーセージなどの魚肉練り製品;ハム、ソーセージ、ハンバーグ、コーンビーフなどの畜肉製品;塩、胡椒、みそ、しょう油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、甘味料、辛味料などの調味類;明石焼き、たこ焼き、もんじゃ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼きうどん等の鉄板焼き食品;チーズ、ハードタイプのヨーグルト等の乳製品;納豆、厚揚げ、豆腐、こんにゃく、団子、漬物、佃煮、餃子、シューマイ、コロッケ、サンドイッチ、ピザ、ハンバーガー、サラダなどの各種総菜;ビーフ、ポーク、チキンなどの畜産物;海老、帆立、蜆、昆布などの水産物;野菜・果実類、植物、酵母、藻類などを粉末にした各種粉末;油脂類・香料類(バニラ、柑橘類、かつおなど)を粉末固形化したもの;飲料などがあげられる。
【0049】
飲料としては、スープ、味噌汁などの飲食品;インスタントコーヒー、インスタント紅茶、インスタントミルク、インスタントスープ、インスタント味噌汁などの粉末飲食品;ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、酎ハイなどのアルコール飲料;果汁(例えば、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、ウメの果汁など)入り飲料、野菜汁(例えば、トマト、ニンジン、セロリ、キュウリ、スイカの野菜汁など)入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、清涼飲料水、牛乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、コーヒー、ココア、茶飲料(紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー茶、ローズ茶、キク茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)など)、栄養ドリンク、スポーツ飲料、ミネラルウォーターなどの非アルコール飲料などがあげられる。
【0050】
このような食品組成物として好ましい例としては、例えば、ゼリー、飲料、錠菓、ドロップ、キャンディ、クッキー、クラッカー、ビスケット、チョコレート、マーガリン、ガムなどがあげられる。
【0051】
また、本発明の食品組成物で用いられるEPLは、食品に含まれる脂肪を糞便中へ排泄させる作用を有し、体重増加、脂肪増加などを抑制することができる。よって、本発明の食品組成物中に脂肪が含まれている場合には、より効率的に脂肪を糞便中に排泄させることができ、体重増加、脂肪増加などをより効率的に抑制することができる。したがって、本発明においては、脂肪を含有する食品組成物も好適に用いることができる。このような脂肪を含有する食品組成物としては、例えば、クッキー、クラッカー、ビスケット、ポテトチップス、パン、ケーキ、チョコレート、ドーナツ、プリン、カステラ、アイスクリーム、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、コーンビーフ、ドレッシング、マヨネーズ、チーズ、ヨーグルト、餃子、シューマイ、コロッケ、ピザ、ハンバーガー、ビーフ、ポーク、チキン、インスタントミルク、牛乳、豆乳、乳飲料、スープ、インスタントスープなどがあげられる。
【0052】
また、本発明の食品組成物は、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、病者用食品、サプリメントなどとして調製されてもよく、機能性食品として調製されるのが好ましい。このような本発明の食品組成物の形状としては、例えば、タブレット状、丸状、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状、液状(シロップ状、乳状、懸濁状をふくむ)などがあげられ、タブレット状、カプセル状であるのが好ましい。
【0053】
本発明の食品組成物としては、特にタブレット状、カプセル状であるのが好ましく、とりわけタブレット状の機能性食品、カプセル状の機能性食品であるのが好ましい。
【0054】
本明細書において、サプリメントとは、栄養素などを補うための栄養補助食品、栄養機能食品などを意味するだけではなく、健康の保持・回復・増進などのために役立つ機能(例えば、体重増加抑制、脂肪量増加抑制など)などを有する健康補助食品、健康機能食品などをも意味する。
【0055】
本発明の食品組成物は、例えば、公知の方法によって食品中にEPLを含有させることによって製造することができる。具体的には、例えば、タブレット状の食品組成物は、例えば、EPL、および、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、マンニトールなど)、甘味剤、着香剤などの原料を添加、混合し、打錠機などで圧力をかけてタブレット状に成形することにより製造することができる。必要に応じて、その他の材料(例えば、ビタミンCなどのビタミン類、鉄などミネラル類、食物繊維など)を添加することもできる。カプセル状の食品組成物は、例えば、EPLを含有する液状、懸濁状、のり状、粉末状または顆粒状の食品組成物をカプセルに充填するか、またはカプセル基剤で被包成形して製造することができる。
【0056】
本発明の食品組成物には、本発明の効果を阻害しない限り、通常用いられる食品素材、食品添加物、各種の栄養素、ビタミン類、風味物質(例えば、チーズやチョコレートなど)などに加え、生理学的に許容される担体などを配合することができる。生理学的に許容される担体などとしては、慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤、増粘剤、乳化剤などがあげられる。また食品添加物としては、着色剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤、着香剤などがあげられる。さらに、その他の材料、例えば、鉄などのミネラル類、ペクチン、カラギーナン、マンナンなどの食物繊維などを含有していてもよい。
【0057】
賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、増粘剤、着色剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤としては、それぞれ前記した本発明の製剤に用いられるものと同様のものがあげられる。
【0058】
ビタミン類としては、水溶性であっても脂溶性であってもよく、例えばパルミチン酸レチノール、トコフェロール、ビスベンチアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、アスコルビン酸ナトリウム、コレカルシフェロール、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオチン、重酒石酸コリンなどがあげられる。
【0059】
タブレット状、顆粒状、細粒状の食品組成物などに関しては、味のマスキング、光安定性の向上、外観の向上あるいは腸溶性などの目的のため、コーティング基材を用いて自体公知の方法でコーティングしてもよい。そのコーティング基材としては、前記した本発明の製剤に用いられるものと同様のものがあげられ、同様にして実施することができる。
【0060】
本発明の食品組成物中におけるEPLの含有量は、食品組成物全体に対して通常約0.001〜10質量%、好ましくは、約0.01〜5質量%、より好ましくは、約0.05〜1質量%である。EPLの含有量が少なすぎても効果が発現しないし、多すぎると脂溶性ビタミンなどの他の栄養成分の吸収を阻害する恐れがある。
【0061】
また、食品組成物が脂肪を含有する場合には、本発明の食品組成物中の脂肪に対するEPLの含有量は、通常0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜2.5質量%という範囲である。EPLの含有量が少なすぎても効果が発現しないし、多すぎると脂溶性ビタミンなどの他の栄養成分の吸収を阻害する恐れがある。
【0062】
このようにして得られる食品組成物は、安全であるので、例えば、脊椎動物に対して与えることができる。
【0063】
本発明の食品組成物の摂取量は、EPLまたはその塩の体重増加または脂肪量増加を抑制する有効量の範囲内であればよい。例えば、本発明の食品組成物を体重増加を抑制する目的で成人に摂取させる場合、摂取させる対象、摂取形態、摂食量などによっても異なるが、EPLの摂取量として、一般的に一日につき、体重1kgあたり、0.1〜800mg、好ましくは0.1〜400mg、より好ましくは1〜400mg、特に好ましくは40〜400mgである。EPLの投与量が少なすぎても効果が発現しないし、多すぎると脂溶性ビタミンなどの他の栄養成分の吸収を阻害する恐れがある。また、嗜好性や摂食量に影響をあたえずに効果が発現するという観点からも、上記の各投与量が好ましい。他の動物の場合も、同様の量を投与することができる。
【実施例】
【0064】
以下の実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0065】
試験例1
EPLの経口強制投与による高脂肪食摂取マウスの体重増加および脂質量増加に対する作用
(1)実験方法
C57BL/6マウス(雄、4週齢、日本クレア株式会社)を1週間予備飼育した後、16週間、群ごとに表1に示す配合組成の飼料および水を自由に摂食させて飼育した。ミネラル混合物、ビタミン混合物は、オリエンタル酵母(株)のAIN-93G(ミネラル混合)、AIN-93 (ビタミン混合)を使用した。EPL投与群は、EPL(重合度(n)=25〜35、数平均分子量(Mn)=4,090、重量平均分子量(Mw)=4,700、分子量分布(Mw/Mn)=1.14、チッソ株式会社)を純水に溶解したEPL水溶液0.5ml(濃度は、EPLの投与量が体重1kgあたり1mgまたは10mgとなるように各々調製した)を1日1回午前中にゾンデを用いて経口強制投与した。動物は、全て温度24℃、湿度60%、明暗周期12時間(明期8時から20時)で飼育した。
【0066】
16週目まで、毎週摂食量および体重を測定した。16週目に測定後屠殺し、肝臓重量、肝臓の脂質含量をそれぞれ測定した。肝臓の脂質含量は、Bligh and Dyer 法(Bligh E.G. and W.E. Dyer Can. J. Biochem. Physiol 31, 911 (1959))に準じて脂質を抽出後、測定キット(トリグリセライドE−テストワコー、和光純薬株式会社)により測定した。具体的には、200mgの肝臓組織に1mlの純水を加えホモジナイズし、1.25mlの純水、5.0mlのメタノール-クロロホルム混液(1:1 V/V)を加えボルテックスミキサーにて1分間混合した。その後1000gで10分間遠心分離し、クロロホルム層を濃縮・乾固し、前記の測定キットにより脂質含量を測定した。
【0067】
標準群は6匹/群、対照群、EPL1mg/kg投与群、EPL10mg/kg投与群はそれぞれ7匹/群であった。
【0068】
【表1】

【0069】
(2)結果
EPL1mg/kg投与群、EPL10mg/kg投与群のいずれも対照群と比較して体重増加が抑制され、EPLは用量依存的に体重増加を抑制することが示された(図1)。肝臓のトリグリセリド含量は、EPL1mg/kg投与群、EPL10mg/kg投与群ともに対照群に比べて少なく、EPLが用量依存的にトリグリセリド量の増加を抑制することが示された(表2)。なお、通常の食品カロリー表により換算したエネルギー摂取量は、標準群、対照群、EPL1mg/kg投与群およびEPL10mg/kg投与群とで差は見られなかった(図2)。
【表2】

【0070】
試験例2
EPLの混餌投与によるマウスの体重増加に対する作用
(1)実験方法
C57BL/6マウス(雄、4週齢、日本クレア株式会社)を1週間予備飼育した後、6週間、群(n=10)ごとに表3に示す配合組成の飼料および水を自由に摂食させて飼育した。EPLは試験例1と同様のものを用いた。ミネラル混合物、ビタミン混合物は、オリエンタル酵母(株)のAIN-93G(ミネラル混合)、AIN-93 (ビタミン混合)を使用した。動物は、全て温度24℃、湿度60%、明暗周期12時間(明期8時から20時)で飼育し、6週目まで、毎週体重を測定した。
【0071】
【表3】

【0072】
(2)結果
EPL投与群では対照群と比較して体重増加が抑制され、EPLは体重増加を抑制することが示された(図3)。
【0073】
試験例3
EPLの経口強制投与による高脂肪食摂取マウスの糞便中への脂肪分排泄に対する作用
(1)実験方法
実施例1と同様に飼育した高脂肪食摂取C57BL/6マウスの14週目の、対照群(7匹/群)、EPL1mg/kg投与群(7匹/群)、EPL10mg/kg投与群(7匹/群)の各群の糞を採取し凍結乾燥した。糞中トリグリセリド含量は、Bligh and Dyer 法に準じて脂質を抽出後、測定キット(トリグリセライドE−テストワコー、和光純薬株式会社)により測定した。具体的には、1.0gの凍結乾燥糞に6.75mlの純水を加えホモジナイズし、15.0mlのメタノール-クロロホルム混液(1:1 V/V)を加え30分間振とうした。その後1000gで10分間遠心分離し、クロロホルム層を濃縮・乾固し、前記の測定キットにより脂質含量を測定した。
【0074】
(2)結果
EPL投与群ではEPL非投与の対照群と比較して、EPLの投与濃度に依存して、糞中のトリグリセリド含量が増加することが示された(表4)。
【0075】
糞中トリグリセリド(TG)含量
【表4】

【0076】
試験例4
EPLの混餌投与によるマウスに対する作用
(1)実験方法
C57BL/6マウス(雄、8週齢、日本クレア株式会社)を1週間予備飼育した後、60日間、群(10匹/群)ごとに表5に示す配合組成の飼料および水を自由に摂食させて飼育(5匹/ケージ)した。EPLは試験例1と同様のものを用いた。ミネラル混合物、ビタミン混合物は、オリエンタル酵母(株)のAIN-93G(ミネラル混合)、AIN-93 (ビタミン混合)を使用した。動物は、全て温度24℃、湿度60%、明暗周期12時間(明期8時から20時)で飼育し、60日目まで、1週間毎に体重および摂食量を測定した。
【表5】

【0077】
また、17日目および35日目に、群ごとに糞を採取し、凍結乾燥後、重量、糞中脂質含量および糞中コレステロール含量を測定した。糞中脂質含量は、試験例3と同様にして測定した。糞中コレステロール含量は、糞よりBligh and Dyer の方法(Can. J. Biochem. Physiol. 31: 911 (1959))で全脂質を抽出し、和光純薬(株)のコレステロールE-テストワコーで測定した。
【0078】
さらに、60日目および61日目の午前中に、マウスを麻酔後、ヘパリン採血ならびに肝臓、脂肪組織の採取および重量測定を行った。また、肝臓中の脂質含量ならびに血清中の脂質含量およびコレステロール含量を測定した。肝臓中の脂質含量の測定は、実施例1と同様にして行った。血清中のコレステロール含量の測定は、前述の(糞からの)測定と同様にしておこなった。
【0079】
(2)結果
0.1%EPL群、0.2%EPL群および0.4%EPL群のいずれも、対照群と比較して体重増加が抑制され、EPLは用量依存的に体重増加を抑制することが示された(図4、表6)。また、肝臓重量は、対照群と0.1%EPL群とでは差が見られなかったが、0.2%EPL群および0.4%EPL群のいずれも対照群より少なく、EPLは肝臓重量の増加を用量依存的に抑制することが示された(表6、各群の平均値を示した)。同様に、EPLが肝臓トリグリセリド含量の増加を抑制することも示された。さらに、副睾丸脂肪組織重量および側腹部脂肪組織重量は、0.1%EPL群、0.2%EPL群および0.4%EPL群のいずれも、対照群より少なく、EPLは脂肪組織重量の増加を用量依存的に抑制することが示された(表6、各群の平均値を示した)。なお、摂食量および通常の食品カロリー表により換算したエネルギー摂取量は、対照群、0.1%EPL群、0.2%EPL群および0.4%EPL群とで差は見られなかった。標準群は、他の群と比較して、摂食量は多かったがエネルギー摂取量は少なかった(図5、表6)。また、各群のEPL摂取量は、表6に示す通りであった。但し、摂食量の測定は56日目までとした。また、各群の摂食量は飼育期間を通じてほとんど変化しなかった。
【表6】

【0080】
次に、血中トリグリセリド濃度は、0.1%EPL群、0.2%EPL群および0.4%EPL群のいずれも、対照群より少なく、EPLは用量依存的に血中トリグリセリドを抑制することが示された(表7、各群の平均値を示した)。血中総コレステロール濃度は、0.1%EPL群、0.2%EPL群および0.4%EPL群のいずれも、対照群より少なく、EPLは血中総コレステロールを抑制することが示された。しかし、血中HDLコレステロール濃度は、対照群と各EPL群とで差がなかった。これらのことから、EPLは、血中のHDLコレステロールを抑制することなく、HDL以外のコレステロール(非HDLコレステロール)を抑制することが明らかとなった(表7、各群の平均値を示した)。
【表7】

【0081】
さらに、EPL投与群では、EPLの投与濃度に依存して、糞中のトリグリセリド量およびコレステロール量が増加することが示された(表8)。なお、糞中のトリグリセリドおよびコレステロールの含量および量は、17日目および35日目にそれぞれ測定し、その平均値で表している。
【表8】

【0082】
実施例1
タブレット状の機能性食品
EPL60gに、微結晶セルロースとマンニトールを、適宜、水をバインダーとして加熱・造粒しながら添加し、ステアリン酸マグネシウムを加え1000gの混合物を得る。その後、1粒あたり1gになるよう打錠し、タブレット状の機能性食品を得る。
【0083】
実施例2
タブレット状の機能性食品
(1)EPL 60mg
(2)ラクトース 55mg
(3)コーンスターチ 100mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1タブレット 250mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて打錠し、タブレット状の機能性食品を得る。
【0084】
実施例3
ハードカプセル状の機能性食品
EPL60gに、デキストリンを140g添加し、均等に混和したのち、プルラン、植物油、カラギーナン、塩化カリウムからなるハードカプセル基材に1カプセルあたり200mgずつ充填し、ハードカプセル状の機能性食品を得る。
【0085】
実施例4
ハードカプセル状の機能性食品
EPL60gに、デキストリンを140g添加し、均等に混和したのち、ゼラチンとグリセリンからなるハードカプセル基材に、1カプセルあたり200mgずつ充填しハードカプセル状の機能性食品を得る。
実施例5
ハードカプセル状の機能性食品
(1)EPL 60mg
(2)ラクトース 60mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 200mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をハードゼラチンカプセルに封入し、ハードカプセル状の機能性食品を得る。
【0086】
実施例6
ソフトカプセル状の機能性食品
EPL6kgを、サフラワー油23.5kg、ミツロウ2kg、大豆レシチン0.5kgの混合物で均等に懸濁したのち、1カプセルあたり内容液が300mgずつとなるように、カラギーナン、デンプン、グリセリンを主成分とするカプセル基材で被包し、楕円球状のソフトカプセル状の機能性食品を得る。
【0087】
実施例7
ソフトカプセル状の機能性食品
EPL6kgを、サフラワー油31.5kg、ミツロウ2kg、大豆レシチン0.5kgの混合物で均等に懸濁したのち、1カプセルあたり内容液が400mgずつとなるように、ゼラチンとグリセリンからなるカプセル基材で被包し、楕円球状のソフトカプセル状の機能性食品を得る。
実施例8
ソフトカプセル状の機能性食品
(1)EPL 60mg
(2)中鎖脂肪酸トリグリセリド 320mg
(3)カルナバロウ 20mg
1カプセル 400mg
(1)、(2)と(3)を混和した後、全体をソフトゼラチンカプセルに封入し、ソフトカプセル状の機能性食品を得る。
【0088】
実施例9
顆粒状の機能性食品
EPL粉末1kgに、デキストリン9kgを添加し、水をバインダーとして流動層造粒機を用いて、均等に混和・加熱・造粒を行い、造粒物10kgを得る。この造粒物を、スティック充填機にて、1スティック600mgとなるように充填し、顆粒状の機能性食品を得る。
【0089】
実施例10
粉末状の機能性食品
EPL粉末1kgに、デキストリン9kgを添加し、水をバインダーとして流動層造粒機を用いて、均等に混和・加熱・造粒を行い、造粒物10kgを得る。この造粒物を、18号篩を全量通過するまで粉砕し、スティック充填機にて、1スティック600mgとなるように充填し、粉末状の機能性食品を得る。
【0090】
実施例11
液状の機能性食品
EPL6gをぶどう糖0.7kg、蒸留水5.3kgおよび香料5gと混和し、加熱殺菌後、1本60mlの密封容器に無菌的に充填し、液状の機能性食品を得る。
【0091】
実施例12
ゲル状の機能性食品
EPL0.06kgをκカラギーナン1kg、ブドウ糖果糖液糖17kg、クエン酸0.36kg、クエン酸ナトリウム0.235kg、水82kgと混合した後、80℃に加温し、密封容器に充填する。ついで定法に従って加熱殺菌した後、冷却し、ゲル状の機能性食品を得る。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の体重増加抑制剤、脂肪量増加抑制剤、肥満の予防・治療剤、体重増加抑制作用を有する食品組成物、脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物などは、体重増加の抑制、脂肪増加の抑制、肥満の予防・治療などのための予防・治療剤または体重増加抑制用の食品組成物、脂肪量増加抑制用の食品組成物などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】試験例1における、EPLの経口強制投与によるマウスの体重増加に対する作用を示すグラフである。
【図2】試験例1における、マウスのエネルギー摂取量を示すグラフである。
【図3】試験例2における、EPLの混餌投与によるマウスの体重増加に対する作用を示すグラフである。
【図4】試験例4における、EPLの混餌投与によるマウスの体重増加に対する作用を示すグラフである。
【図5】試験例4における、マウスの摂食量およびエネルギー摂取量を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる体重増加抑制剤。
【請求項2】
体重増加が、肥満に至る前の体重増加である請求項1記載の体重増加抑制剤。
【請求項3】
体重増加が、肥満患者の体重増加である請求項1記載の体重増加抑制剤。
【請求項4】
ε−ポリリジンまたはその塩の含有量が、体重増加を抑制する有効量である、請求項1〜3のいずれかに記載の体重増加抑制剤。
【請求項5】
有効量が、0.1mg〜800mg/kg体重・日である、請求項4記載の体重増加抑制剤。
【請求項6】
ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の体重増加抑制剤。
【請求項7】
ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる脂肪量増加抑制剤。
【請求項8】
ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる肥満の予防・治療剤。
【請求項9】
ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる体重増加抑制作用を有する食品組成物。
【請求項10】
体重増加が、肥満に至る前の体重増加である請求項9記載の食品組成物。
【請求項11】
体重増加が、肥満患者の体重増加である請求項9記載の食品組成物。
【請求項12】
ε−ポリリジンまたはその塩の含有量が、体重増加を抑制する有効量である、請求項9〜11のいずれかに記載の食品組成物。
【請求項13】
有効量が、0.1mg〜800mg/kg体重・日である、請求項12記載の食品組成物。
【請求項14】
ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲である、請求項9〜13のいずれかに記載の食品組成物。
【請求項15】
脂肪を含有する、請求項9〜14のいずれかに記載の食品組成物。
【請求項16】
ε−ポリリジンの含有量が、食品組成物中の脂肪に対して、0.1〜5質量%である、請求項15記載の食品組成物。
【請求項17】
サプリメント、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、または病者用食品である請求項9〜16のいずれかに記載の食品組成物。
【請求項18】
タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状または液状である請求項9〜17のいずれかに記載の食品組成物。
【請求項19】
錠菓、ドロップ、キャンディ、ゼリー、飲料、クッキー、クラッカー、ビスケット、チョコレート、マーガリン、またはガムである請求項9〜18のいずれかに記載の食品組成物。
【請求項20】
ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲であり、ε−ポリリジンの含有量が0.1mg〜800mg/kg体重・日となる量であり、サプリメント、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、または病者用食品であり、タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状または液状である請求項9記載の食品組成物。
【請求項21】
ε−ポリリジンの重合度が20〜40の範囲であり、脂肪を含有し、ε−ポリリジンの含有量が食品組成物中の脂肪に対して、0.1〜5質量%であり、サプリメント、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、または病者用食品であり、タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状または液状である請求項9記載の食品組成物。
【請求項22】
ε−ポリリジンまたはその塩を含有してなる脂肪量増加抑制作用を有する食品組成物。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−39428(P2007−39428A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37775(P2006−37775)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(504147254)国立大学法人愛媛大学 (214)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】