説明

体重維持および体組成

個体において体脂肪量減少を促進し、または血圧を維持する薬理学的活性組成物を調製するための、周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる混合物の使用。このような使用は、減量期間に引き続いて実施してもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は体重維持の分野、より詳しくはヒトの長期体重維持の分野にある。したがって本発明は、体脂肪量減少の促進および血圧維持に関する。
【0002】
[発明背景]
ますます増加する肥満症の発生率は、先進国において認識されている医学的問題である。肥満症は、冠動脈心疾患、高血圧、インシュリン非依存性糖尿病、肺機能障害、骨関節炎、および特定タイプの癌をはじめとするいくつかの疾患の主要因である。肥満症は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量間の平衡状態が、プラスエネルギー収支に移行すると発生する。
【0003】
肥満症は、軽度(20〜30%過体重)、中等度(30〜60%過体重)または重度(>60%過体重)状態に分類できる。肥満症にはいくつかの保健上の危険が伴う。それは心臓および肺機能の双方を損ない、内分泌機能撹乱させ、情緒的問題を引き起こすかもしれない。高血圧、損なわれたグルコース耐性、およびインシュリン非依存性糖尿病、および高コレステロール血症は、正常体重の個体よりも過体重の個体においてより多く見られる病状である。したがって肥満症は、例えば高血圧、脳卒中、タイプII糖尿病、いくつかのタイプの癌、胆嚢疾患、および虚血性心疾患を患っている個体において、罹患率および死亡率に寄与するかもしれない。中程度および重度の肥満症例は、死亡率を上げることが知られている。結腸および直腸癌は肥満男性に出現することが多い疾患であり、肥満女性は子宮内膜または胆嚢癌を患うことが多い。さらに過体重の増大は、ほぼ必然的に心理的および社会的問題の増加をもたらすことが認められている。
【0004】
肥満症の治療は有益であり、減量は死亡および罹患のリスクを低下させる。例えば初期体重の5〜10%の控えめな減量でさえ、医学的見地からは興味深い。減量はエネルギー消費量増大および/またはエネルギー摂取量低下によって達成されてもよい。減量達成後、前の食物摂取量に戻らないことが重要である。低下体重を引き続いて維持することのない急速な減量に伴うリスクは、いわゆる「ヨーヨー」ダイエットを生じることであり、結果として体重がさらに増加する。
【0005】
[発明の概要]
発明者らは、負のエネルギー収支の対象である個体において、周囲温度から体温にかけて任意に固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、好ましくは食品乳化剤である乳化剤との混合物の効果を研究した。
【0006】
この混合物を摂取した食事代替品療法を受けた個体は、この混合物なしであるが同一脂肪含量で食事代替品療法を受けた個体よりも、顕著により高い率で体脂肪量が落ちた。
【0007】
減量段階では収縮期血圧が低下する。減量段階後、この混合物を摂取した食事代替品療法を受けた個体は、収縮期血圧を維持する一方、混合物なしであるが同一脂肪含量で食事代替品療法を受けた個体では、血圧が顕著に上昇した。
【0008】
したがって本発明により、個体において体脂肪量減少を促進するための、トリグリセリド油と乳化剤との混合物の使用が提供される。
【0009】
本発明はまた、薬理学的に活性の組成物、すなわち個体において体脂肪量減少を促進する薬剤を調製するための、トリグリセリド油と乳化剤との混合物の使用も提供する。
【0010】
本発明に従って、個体において血圧を維持するための、トリグリセリド油と乳化剤との混合物の使用がさらに提供される。
【0011】
本発明はまた、薬理学的に活性の組成物、すなわち個体において血圧を維持する薬剤を調製するための、トリグリセリド油と乳化剤との混合物の使用も提供する。
【0012】
トリグリセリド油は、周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するものであってもよい。
【0013】
本明細書中で述べられている使用では、当業者には、混合物が、周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と乳化剤以外の構成要素を含んでなってもよいことが明らかであろう。すなわち本明細書中で述べられている使用は、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる混合物の使用に関する。
【0014】
本発明はまた、
個体において体脂肪量減少を促進する薬理学的に活性の組成物(薬剤)を調製するための、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との混合物、
個体において血圧を維持する薬理学的に活性の組成物(薬剤)を調製するための、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との混合物、
任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との治療的に有効量の混合物を個体に投与するステップを含んでなる、個体において体脂肪量減少を促進する方法、および
任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との治療的に有効量の混合物を個体に投与するステップを含んでなる、個体において血圧を維持する方法も提供する。
【0015】
本発明はまた、体脂肪量減少を促進しまたは血圧を維持する薬理学的に活性の組成物、すなわち薬剤を調製するための、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とから本質的になる混合物の使用にも関する。このような混合物は、もちろん着色剤、抗酸化剤などをさらに含んでなってもよい。このような混合物は、典型的に水中油エマルジョンの形態であろう。
【0016】
このような使用は特に減量期間後に、および/または例えば食事代替品療法の対象である場合など、個体が負のエネルギー収支の対象である場合に、体重を維持するのに有利である。
【0017】
本発明は、
任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる混合物、および
食事代替品製品
を含んでなる製品をさらに提供する。
【0018】
このような製品は、個体において体脂肪量減少を促進するために、および/または個体において血圧を維持するために使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】研究デザインの略図を示す。V1〜V7=1回目の診察から7回目の訪問。
【図2】ウエストおよびヒップ測定の実施方法の概略図を示す。
【図3】実薬およびプラセボ処置について体脂肪量%の箱ひげ図を示す。
【図4】実薬およびプラセボ処置について体筋肉量%の箱ひげ図を示す。
【図5】実薬およびプラセボ処置について経時的にプロットされた体脂肪量を示す。
【0020】
[発明の詳細な説明]
本明細書および添付の特許請求の範囲の全体を通じて、「含んでなる(comprise)」および「含む(include)」という言葉、および「含んでなる(comprises)」、「含んでなる(comprising)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」などのバリエーションは、包括的に解釈されるものとする。すなわちこれらの言葉は、文脈が許せば、具体的に列挙されないその他の要素または整数の可能な包含を伝えることが意図される。
【0021】
冠詞「a」および「an」は、本明細書中で文法上の冠詞の目的語の1つ以上(すなわち1つまたは少なくとも1つ)に言及するのに使用される。一例として「要素(an element)」は、1つの要素または1つを超える要素を意味してもよい。
【0022】
本発明は、体脂肪量減少を促進するため、および/または血圧を維持するための混合物の使用に関する。混合物は、このようにして例えば治療的理由などの健康上の理由で(例えば過体重に分類される個体において)、予防的理由で、または美容またはその他の非治療的な理由で(例えば過体重に分類されない個体において)使用されてもよい。
【0023】
混合物は、トリグリセリド油と乳化剤とを含んでなる。トリグリセリド油は、周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有してもよい。混合物は、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とから本質的になってもよい。本発明で使用されてもよい混合物/組成物については、下でより詳細に述べる。
【0024】
本明細書中で述べられている混合物、または組成物が、減量期間後にヒト個体のための栄養補助食品として、負のエネルギー収支を与える食餌療法の文脈で使用される場合、本発明に従った組成物を投与された個体(実薬被験者)における体脂肪量減少が、いずれの組成物も投与されなかった個体(対照被験者)よりも顕著により高いことが観察された。また実薬被験者では減量期間中に観察された血圧低下が維持されたのに対し、対照被験者では血圧は上昇した。
【0025】
より具体的には、減量段階の後、実施例で報告される研究の参加者は、オランダ国デルフトのDSMフードスペシャリティーズ(DSM Food Specialties(Delft,The Netherlands)からのファビュレス(Fabuless)TMを含有する食事代替品製品またはクリームによる1食(昼食)の置き換えを継続した(低カロリーダイエット)。介入段階におけるこの負のエネルギー収支の結果、被験者は体脂肪量を落とし続け、ファビュレスTM群において顕著により高度であった(統計学的有意差、p=0.023、8〜12週間の摂取後に観察できた)。
【0026】
収縮期血圧は、減量期間中には予期されたように低下した。介入中に使用された2つの試験製品には同量の脂肪が存在したのにもかかわらず、ファビュレスTM群では収縮期血圧は維持されたが、プラセボ群ではベースラインから顕著に上昇した。
【0027】
「促進する(increase)/促進した(increased)/促進する(increasing)体脂肪量減少」などの用語は、本明細書中で述べられる混合物を摂取した個体における体脂肪量減少が、例えば同等量の脂肪(ミルクからの脂肪など)で混合物が置換されている、実質的に同じ食餌療法の対象である個体における体脂肪量減少を超えることを意味する。すなわち本明細書中で述べられている混合物を摂取する個体は、熱量的に同様の(または同一の)食餌療法の対象であるが混合物を摂取しない個体よりも大幅に体脂肪量が低下する。
【0028】
したがって体脂肪量減少は、本明細書中で述べられる混合物を摂取しない個体よりも、混合物を摂取する個体においてより大きい。混合物を摂取する個体における体脂肪量減少は、前記混合物を摂取しない個体における体脂肪量減少を少なくとも約10%、少なくとも約50%、少なくとも約100%または少なくとも約500%超えてもよい。このような差は、個体が混合物の摂取を開始した後、約4週間、約8週間、約12週間以上の期間観察されてもよい。
【0029】
「血圧を維持する」という用語は、本明細書中で述べられる混合物を摂取する個体において、例えば収縮期血圧などの血圧が、例えば同等量の脂肪(ミルクからの脂肪など)で混合物が置換されている、実質的に同じ食餌療法の対象である個体よりも上昇が少ないことを意味する。
【0030】
典型的にこの文脈で「維持する」とは、例えば同等量の脂肪(ミルクからの脂肪など)で混合物が置換されている、実質的に同じ食餌療法の対象である個体において見られるであろう血圧上昇の約50%を超えて、約20%を超えて、約10%を超えてまたは約5%を超えて、約10%を超えて、約5%を超えて血圧が上昇しないことを意味する。
【0031】
したがって「維持する」とは、(例えば減量期間後など、本明細書中で述べられる混合物の摂取に先立つ)個体の初期血圧の例えば5%を超えないなどの約10%を超えないような、約20%を超えない血圧の上昇と定義されてもよい。「維持する」とは、本明細書中で統計学的に有意な程度まで血圧が上昇しないことを意味してもよい。
【0032】
この文脈で血圧を維持するとは、減量期間中に達成されたおおよその血圧低下を保つことを指してもよい。血圧低下期間の終了後、4週間、8週間、12週間以上にわたり、血圧の回復が血圧低下の%として約30%、約25%、約20%または約15%以下など、約35%を超えなければ、血圧は維持されたと見なされてもよい。
【0033】
本明細書中で述べられる混合物は、減量期間後に使用されてもよい。このような減量は、治療介入によってまたは個体の自助努力によって達成されてもよい。典型的に「減量」という用語は、初期またはベースライン体重の少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約7%、少なくとも約10%または少なくとも約15%など、少なくとも約2%の減量を達成することを指す。このような減量は、例えば1、2または3から5、6、10、18週間以上の期間をかけて達成されてもよい。代案としては、減量は、上述の期間をかけて体型指数(BMI)を2ポイント以上落とすことと表現されてもよい。
【0034】
体脂肪量(または体脂肪百分率)は、除脂肪体重(筋肉、骨、臓器組織、血液、およびその他全て)とは対照的に、脂肪組織である総体重の比率である。総体脂肪量は、脂肪貯蔵脂肪からなる。必須脂肪は、生命および生殖機能を維持するのに必要な量である。貯蔵脂肪は、脂肪組織中の脂肪の蓄積からなり、その一部は胸部および腹部内の内臓器官を保護する。
【0035】
個体の体脂肪量は、一般に正確に判定できない。しかしそれはいくつかの異なるやり方で推定してもよい。本発明の目的のために、当業者に知られているあらゆる方法を使用して体脂肪量を測定してもよい。このような方法としては、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)と、例えば静水力学的計量法によって身体密度が判定されるBrozek[BF=(4.57/ρ−4.142)×100]またはSiri[BF=(4.95/ρ−4.50)×100]の式を使用した、身体平均密度測定と、生体インピーダンス法と、または(例えば身体密度を推定し、次にそれをBrozekまたはSiri式などの式を使用して体脂肪量に変換する、Durnin−Womersley皮下脂肪法(Durnin and Womersley,Br.J.Nutr.(1974),32,77)、Jackson−Pollock皮下脂肪法または米海軍外周法などの式を使用した、様々な身体部分の外周または皮下脂肪厚などの人体の様々なパラメーターの測定を使用した)人体計測法とが挙げられる。
【0036】
血圧は、循環血液によって血管壁に加わる力を指す。血圧とは、本明細書中では典型的に動脈血圧、すなわち大動脈内の圧力を指す。一般に血圧は、本明細書中では収縮期圧力、すなわち心周期の始まり近くで生じる動脈内のピーク圧力を指してもよい。しかし血圧は、本明細書中では例えば平均動脈圧などの心周期全体を通じた平均圧力を指してもよい。
【0037】
血圧は、(皮膚を貫通して血管の内部を測定することで)侵襲的に測定されても、または非侵襲的に測定されてもよい。
【0038】
非侵襲法としては、聴診法およびオシロメトリック法が挙げられる。聴診法は、一般に血圧計および聴診器の使用を含んでなる。血圧計は、水銀またはアネロイド圧力計を含んでなってもよい。オシロメトリック法は、聴診法と機能的に類似しているが、聴診器を使用する代わりに、血流量を検出するように組み込まれた電子圧力センサー(トランスデューサー)を一般に使用する。
【0039】
侵襲法は、典型的に血管内カニューレによる測定および動脈圧の直接測定を伴う。観血式血圧計は、表示および処理のために圧力情報が得られるようにデザインされた圧力モニタリングシステムである。単一圧力、二重圧力、および複数パラメーターをはじめとする多様な観血式血圧計が利用できる。モニターは例えば動脈圧、中心静脈圧、肺動脈圧、左右心房圧の測定および経過観察のために使用してもよい。
【0040】
本発明に従って混合物を使用する個体は、典型的に、負のエネルギー収支をもたらす食餌療法の対象である。エネルギー収支は、エネルギー摂取量からエネルギー出力を差し引いたものと定義される。エネルギー摂取量が維持と生成の要求を満たすのに不十分である場合、個体は負のエネルギー収支にあると述べられる。すなわち(食物および飲料からの)カロリー摂取量が、(日常活動中の代謝および消費エネルギーを通じた)カロリー消費量よりも少ない場合に、個体は負のエネルギー収支にある。
【0041】
エネルギー摂取量がエネルギー出力とほぼ等しい場合に、個体は、中立エネルギー収支にある。本発明の目的では、負のエネルギー収支の対象である個体は、あらゆる程度の負のエネルギー収支にあってもよい。典型的に個体は、1日を基準とした判定で負のエネルギー収支にあるが、本発明の目的では、個体は、例えば約12時間にわたる、または約1週間、約2週間、約6週間以上にわたる、好ましくは本明細書中で述べられる混合物が摂取される期間全体にわたる、1週間よりも長いまたは短い期間にわたる判定で、負のエネルギー収支にあってもよい。
【0042】
負のエネルギー収支の対象である個体は、エネルギー摂取量が、中立エネルギー収支を達成するのに必要とされるエネルギー摂取量の約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満または約50%または未満にあってもよい。
【0043】
中立エネルギー収支を維持するのに必要とされるカロリー摂取量は、多数の可変要素によって変動する。しかし典型的な中程度に活動的な生活習慣で暮らす女性の推奨カロリー摂取量は、一日当たり約2000〜約2200キロカロリーの範囲にある。中程度に活動的な男性の数値は、一日当たり約2500〜約2800キロカロリーである。しかし例えば老年(約70歳を超える)または若年(約10未満)の個体は、中立エネルギー収支を達成するのに一般により低いエネルギー摂取量を必要とするなど、これらの数値は年齢について調節する必要があるかもしれない。また非常に活動的な個体は、中立エネルギー収支を達成するのにより高いエネルギー摂取量を必要とする可能性が高い。栄養士は、中立エネルギー収支を達成するのに要するおよそのエネルギー摂取量(ひいては特定の所望の程度の負のエネルギー収支を達成するのに要するエネルギー摂取量)について助言できるであろう。
【0044】
したがって本発明の目的では、一日当たり約2000〜約2200キロカロリー未満(女性)または一日当たり約2500〜2800キロカロリー未満(男性)を摂取する場合、個体は一般に負のエネルギー収支にあると見なされてもよい。しかしこれらを超えるエネルギー量を摂取する個体は、それでもなお特定の状況次第で負のエネルギー収支にあるかもしれない。
【0045】
個体が負のエネルギー収支にある食餌療法は、低カロリーダイエット(LCD)と称されてもよい。800kcal以下のエネルギー摂取量を達成するダイエットは、超低カロリーダイエット(VLCD)と定義される。本発明に従った混合物を使用する個体は、LCDまたはVLCDの対象とされてもよい。
【0046】
スウェーデン国立食品庁(Swedish Food Administration)は、中立エネルギー収支を達成するために、毎日1〜3回の間食と共に3食を摂取することを勧告する。勧告されるエネルギーの分配は次のとおり。朝食には約20%〜約25%、昼食には約25%〜約35%、および夕食には約25%〜約35%。これは昼食時のエネルギー摂取量が、約500kcal〜約770kcal(女性)および約625kcal〜約890kcal(男性)であってもよいことを示唆する。したがって負のエネルギー収支(上述のエネルギー量に関する)は、例えば他の食事において通常の(中立)エネルギー摂取量を維持しながら、昼食および/または夕食および/または朝食などの1回以上の食事においてエネルギー摂取量を減らすことで達成されてもよい。
【0047】
本発明に従った混合物を使用する個体は、食事代替品療法を受けてもよい。これは負のエネルギー収支が達成されるかもしれない都合よいやり方かもしれない。このような療法では、個体は1、2回以上の通常の毎日の食事の代わりに、例えば液体または固形バーの形態の食事代替品を摂取する。さらにダイエットする個体は、1、2回以上の(例えば一日当たり約400kcal〜約600kcalを提供するなど、カロリー制御されていてもよい)本物の食物の食事を摂取してもよい。いくつかの液体ダイエットプログラムは、これらの「本物の」食事に対する、包装済みの食事オプションを提供する。食事代替品製品は、例えば約150〜約250kcalなど、典型的に約100〜約400kカロリーを含有する。それらは少なくとも約25%のタンパク質と、少なくとも約3つのビタミンおよびミネラルを含有してもよい。市販される製品のほとんどは、約5〜6gの繊維を含有する。
【0048】
このようなダイエットは、例えば一日当たり約1200kcal〜約1400kcalなど、典型的に一日当たり約1000kcal〜約1500kcalの総エネルギー摂取量を提供してもよい。
【0049】
したがって本発明は、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる混合物を含んでなる製品、および食事代替品製品を提供する。
【0050】
このような製品中では、混合物は本明細書中で定義されるとおりであってもよい。食事代替品製品は、本明細書中で定義されるとおりであってもよい。食事代替品製品は、バー、粉末(例えばスープ粉末)または(シェイクなどの)液体などのあらゆる適切な形態であってもよい。
【0051】
製品は、混合物および/または食事代替品製品の複数サービング/投与量を提供してもよい。例えば製品は、1週間、2週間、3週間、4週間以上の期間にわたって摂取するのに十分な投与量を提供してもよい。
【0052】
食事代替品製品は、一食あたり、例えば約約150〜約250kcalなど、約100〜約400kカロリーを提供してもよい。
【0053】
このような製品は、混合物および食事代替品製品が同時、個別または逐次使用用である併用製剤であってもよい。このような製品は、個体において体脂肪量減少を促進しおよび/または個体において血圧を維持するために使用されてもよい。
【0054】
本発明に従った混合物を使用する個体は、VLCDの対象であってもよい。これは医学的に一日当たり800kcal以下のダイエットと定義される。VLCDは、栄養的に完全な液体食として調合される。VLCDはまた、ビタミン、ミネラル、微量元素、脂肪酸、およびタンパク質の1日当たり推奨所用量を含有する。VLCD製品は、通常、水、ジュース、またはその他の低カロリー液体と混合される粉末である。このようなダイエットは、典型的に医療管理の下に行われる。
【0055】
本発明で使用されてもよい混合物は、有利には水中油エマルジョンである。本明細書において「水中油エマルジョン」という用語は、懸濁液である液体油分散体ならびに固形脂肪分散体を指す。トリグリセリド油の量(重量%)は、本明細書中で教示されるように、想定用途およびトリグリセリド油の性質および特徴次第で変動してもよい。本発明に従った組成物は、水がなおも連続相としてある最大分散性まで、5、10、15、20、30、40、または60重量%以上ものトリグリセリド油を含有することが想定できる。
【0056】
「周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有する」という語句は、周囲と体温の間の全体にわたり固形脂肪含量があるべきことを意味する。「固形脂肪含量」の意味は当業者に知られており、例えばwww.minispec.com/applications/solid_fat_content.htmlで提供されるような標準法を使用して判定されてもよい。別の言い方をすれば本用語は、体温において少なくとも残留する検出可能な固形脂肪含量があるべきことを意味する。残留する検出可能な固形脂肪含量は、0.5%、1%、2%、3%、5%、10%以上など、ほぼ0.1%を超える程度であってもよい。固形脂肪含量は、ISO8292またはIUPAC2.150法を使用して、卓上NMRによって判定されてもよい。これらの方法は融解曲線を生じ、それから特定のトリグリセリド油が、周囲温度から体温にかけての範囲内で固形脂肪含量を有するかどうかを容易に判定することができる。固形脂肪含量を判定するための追加的な方法としては、AOCS法:2000年改定AOCS Cd 16b−93(直接法)、および2000年改定AOCS Cd 16−81(間接法)が挙げられる。
【0057】
本発明に従って、組成物が使用される温度であるおよその室温を示すために、周囲温度が使用される。通常これは18、19、20、21または22℃など、およそ20℃である。
【0058】
体温は種毎にわずかに異なり、本明細書中ではこの用語は処置されるヒト個体の体温を示すのに使用される。通常これは36、36.5、37、37.5、38、38.5または39℃など、およそ37℃である。
【0059】
本発明は、過体重または肥満の個体において、体脂肪量減少を促進するのに特に有用である。実用目的では、体重が「望ましい体重」を超える場合に過体重が存在する一方、体重が「望ましい重量」を20%以上超える場合に肥満症が存在するということで一般に意見が一致している。ヒトにとって望ましい体重は、中肉中背の個体の範囲の中点としてMetropolitan Height and Weight Tablesに従って定義できる。しかし本発明は、美容目的で体脂肪量を低下させたい、過体重でなく肥満でない個体において有用かもしれない。
【0060】
「トリグリセリド」という用語は、本明細書中での用法では3つの脂肪酸がエステル化されたグリセロールである、トリアシルグリセロールを指す。
【0061】
前記混合物または水中油エマルジョンのトリグリセリド油は、あらゆるトリグリセリド材料またはトリグリセリド含有材料であることができる。本発明で使用されるトリグリセリド油は、周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有してもよい。トリグリセリド油は、IUPAC法2.150号第7版で述べられているようにNMR連続測定で判定される固形脂肪含量の百分率によって定義されてもよい。
【0062】
トリグリセリド油は、好ましくはパーム油、カカオ脂などまたはその他の製菓用脂肪である。適切なトリグリセリド油のさらなる例は、イリッペバター、シアバター、コクムバター、サルバターまたは同様の固形脂肪含量あるいは融解範囲を有するその他の天然油もしくはそれらの画分である。このような油のその他の例は、水素化または部分的水素化ダイズ油、ナタネ油、綿油およびヒマワリ油またはそれらの画分である。トリグリセリド油はまた、合成または半合成であってもよい。
【0063】
「製菓用油脂」という用語は、製菓用途のための特別な脂肪を指し、当該技術分野で知られている。このグループではカカオバターが最も良く知られており、製菓用油脂はまた、カカオバター代替え品(alternative)またはカカオバター同等物と称されることが多く、時折カカオバター置き換え品(replacer)またはカカオバター代用品(substitute)とも称される。
【0064】
合成または半合成という用語は、完全に天然でなくおよび/または化学合成によって得られる物質を指す。
【0065】
本発明は、特にトリグリセリド油がパーム油画分を含んでなる組成物の使用に言及する。このパーム油画分は、市販のパーム油から得られてもよく、それは主にグリセロールのパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、およびステアリン酸エステルの組み合わせにそれぞれ基づいて、適切なトリグリセリドの特定混合物に分画されてもよい。
【0066】
したがって本発明で使用される好ましい脂肪酸は、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、およびステアリン酸からなる群から選択される。なおもより好ましい組成物は、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、およびステアリン酸からなる群から選択される、少なくとも2つの脂肪酸を含んでなる。パルミチン酸およびステアリン酸からなる群から選択された30〜70%などの20〜80%の脂肪酸、およびオレイン酸およびリノール酸からなる群から選択された70〜30%などの80〜20%の脂肪酸を使用した場合に、特に良好な結果が得られた。これらの量は、必ずしも合計が100%にならず、すなわちそれらはラウリン酸などの追加的脂肪酸の存在を必ずしも排除しないことに留意すべきである。
【0067】
トリグリセリド油は、95重量%以上など、少なくとも90重量%のトリグリセリドを含有してもよい。またパーム油画分中のトリグリセリド含量は、99重量%以上であってもよい。純度は、薄層クロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーなどの従来のクロマトグラフィー法によってチェックできる。薬理学的目的で使用される場合、エマルジョン中で使用されるトリグリセリド油は、純粋で望まれない汚染物質を含まないことが好ましい。
【0068】
本発明ではあらゆる乳化剤を使用してもよいが、食品乳化剤が好ましい。食品乳化剤は食品用途で一般に使用される乳化剤であり、一般に親水性および親油性部分から構成されるエステルである。一般に親油性部分は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、またはリノール酸もしくは前記脂肪酸の組み合わせを含んでなる。親水性部分は、一般にヒドロキシル、カルボキシル、またはオキシエチレン群を含んでなる。
【0069】
食品等級乳化剤ファミリーの例は、レシチン、モノおよびジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ラクチル化エステル、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、エトキシル化エステル、スクシニル化エステル、フルーツ酸エステル、アセチル化モノおよびジグリセリド、リン酸塩含有モノおよびジグリセリド、およびスクロースエステルである。トリグリセリド油のエマルジョンはまた、油を適切な食物または食品と混合して、前記食物または食品に固有の乳化特性を利用しても得られる。本発明に従った食品乳化剤は、その中にエマルジョンが組み込まれてもよい食品の加工を容易にするために、トリグリセリド油の20重量%以上、好ましくは40重量%以上を乳化して、なおも液体のままであるエマルジョンを与えてもよい。
【0070】
本発明の好ましい乳化剤は、例えば卵黄、ミルク、ダイズ油、ヒマワリ油、およびナタネ油から生成されるレシチンであり、それは主にホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質の混合物からなる。レシチンはこの文脈では、出発原料の脱ガムに際して得られ食品乳化剤として市販される、前記リン脂質の粗製混合物を指す。
【0071】
特に好ましい乳化剤は、ガラクト脂質ベースの乳化剤である。ガラクト脂質は、植物細胞膜の良く知られている構成物である糖脂質群に属する。これらの重要なクラスは、ジアシルグリセロールとグリコシド結合する1〜4個の糖を含有する。2つの最も豊富なクラスはそれぞれ1および2個のガラクトース単位を含有し、これらの一般に使用される命名法および略語は、モノ−およびジガラクトシルジグリセリド(MGDGおよびDGDG)であり、時折ガラクト脂質と称される。主としてDGDGおよびDGDGに富む材料であるガラクト脂質については調査されており、食物、化粧品、および医薬品などの産業上の利用において興味深い表面活性物質であることが分かった。ガラクト脂質乳化剤については、国際公開第95/20943号パンフレットおよび国際公開第97/11141号パンフレットで述べられている。好ましいガラクト脂質乳化剤源は、穀草類(cereal)および穀類(grain)、特にオート麦である。
【0072】
本発明の好ましい態様は、本発明のトリグリセリド油がパーム油、パーム核油またはココナツ油と合わせられた組成物の使用である。
【0073】
ガラクト脂質ベースの乳化剤として分画オート麦油を使用した場合に、特に良好な結果が得られた。したがって本発明は、ガラクト脂質ベースの乳化剤が分画オート麦油である組成物の使用にも関する。
【0074】
水中油エマルジョンは、乳化剤を単独で、または共界面活性剤などのその他の両親媒性化合物との併用で使用して、調製されてもよい。水中油エマルジョンはまた、着香剤、甘味料、着色剤、増粘剤、保存料、抗酸化剤など、組成物の異なる側面を改善することが当該技術分野で知られている任意の添加剤を含んでなってもよい。
【0075】
水中油エマルジョンは、従来の方法によって調製されてもよい。例えば水中トリグリセリド油の30重量%エマルジョンは、乳化剤を液体トリグリセリドに添加して調製される。連続相は、純水であっても、または等張剤、甘味料、香料、および保存料などの水溶性添加剤を含有する水溶液であってもよい。必要ならば次に水相のpHを調節する。油相ならびに水相を予熱して、次に高剪断混合下で油相を水相に添加する。次にプレエマルジョンを高圧均質化してもよい。
【0076】
本明細書中で述べられている組成物は、体脂肪量減少効果および/または血圧維持効果(例えば減量に続く血圧低下後の)を得るために、腸内投与または経口投与されてもよい。したがって本発明は、個体において体脂肪量減少を促進するためのまたは個体において血圧を維持するための、周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との混合物に関する。
【0077】
本発明はまた、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との有効量の混合物を個体に投与するステップを含んでなる、個体において体脂肪量減少を促進するためのまたは個体において血圧を維持するための方法にも関する。
【0078】
好ましくは組成物は、食品の形態で投与される。したがってトリグリセリド油と乳化剤とを含んでなる混合物は、固体または半固体食品に添加されてもよく、それは次に胃腸液に曝されると、自然に乳化されて水中油エマルジョンになる。混合物はまた、抗酸化剤および香料などの油溶性添加剤を含有してもよい。混合物はまた、液体または半液体食物および飲料に添加できる即席エマルジョンにしてもよい。
【0079】
本発明は、特に、エマルジョンのトリグリセリド油と乳化剤との混合物が、80〜99重量%のトリグリセリドと1〜20重量%の乳化剤とを含んでなる、食物組成物に言及する。
【0080】
乳化剤の乳化力は、乳化剤の性質または特性に左右されることが強調されるべきである。上述の分画オート麦油は、5〜60重量%のトリグリセリドの水中油エマルジョンを調製するために、乳化剤として総組成物の1〜20重量%の量で、さらなる精製なしに使用できる。国際公開第95/20943号パンフレットのガラクト脂質乳化剤は、5〜80重量%のトリグリセリドの水中油エマルジョンを調製するために、総組成物の0.1〜5.0重量%で使用されるべきである。
【0081】
混合物は、ヨーグルトなどの酪農製品、アイスクリーム、マーガリン、スプレッド、サラダ油およびドレッシング、加工肉製品、菓子類、フィリング、ソース、スープ、果実飲料、デザート、離乳食、そしてまた栄養および医薬補給剤の配合中で使用できる。特に油性混合物は、チョコレート、その他の砂糖菓子、ベークド製品およびあらゆるその他の適切な食物などの固体または半固体食品中で使用できる。
【0082】
本発明はまた、1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%の水中油エマルジョンを含んでなる酪農製品の使用にも関する。ヨーグルトなどの好ましい酪農製品は、パーム油および分画オート麦油のトリグリセリド画分の4〜10重量%のエマルジョンを含んでなってもよい。
【0083】
体脂肪量減少または血圧の維持の所望の効果を得るために、例えば約40重量%のエマルジョンを摂取してもよい。エマルジョンは、サービングまたは食事あたり約1〜約200ml、代案としては約5〜約100mlまたは約10〜約30mlの量であってもよい。油構成要素のみ、すなわち油性混合物を比例的により少ない量で使用してもよい。
【0084】
本明細書中で述べられる混合物は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも8週間、少なくとも12週間、少なくとも16週間以上の期間にわたり毎日摂取されてもよい。本発明の目的は、単一期間にわたって混合物が摂取され、または例えば中立エネルギー収支ダイエットのような混合物が摂取されないダイエット期間が割り込んだ、複数の期間にわたって混合物が摂取されて、達成されてもよい。
【0085】
本発明はまた、体脂肪量減少を促進しまたは血圧を維持する薬理学的に活性の組成物を調製するための、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との水中油エマルジョンの使用にも関する。したがって本発明は、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤との治療的に有効量の混合物を個体に投与するステップを含んでなる、個体において血圧を維持する方法に関する。これは意図的な減量期間後に特に有用である。
【0086】
医薬組成物中で使用される場合、このような組成物は、水中油エマルジョンに加えて、本発明に従った構成要素以外の治療効果のある構成要素を含んでなってもよい。添加されてもよい治療効果のある構成要素としては、ビタミン、ミネラル、および処方薬が挙げられる。
【0087】
以下の脂肪または油が、本発明で使用される混合物中で使用されてもよい。Akofrite(スウェーデン国カルルスハムン(Karlshamn,Sweden)のKarlshamns ABからのパーム油の商品名)の分画によって得られる、スウェーデン国カルルスハムンのLTP Lipid Technologies Provider ABからの分画パーム油(CPL−パーム油)。
【0088】
乳化剤としては、次を使用してもよい。約20%のDGDGを含んでなり、国際公開第97/11141号パンフレットに従ってオート麦から調製される、スウェーデン国カルルスハムンのLTP Lipid Technologies Provider ABからの分画オート麦油;または約60%DGDGを含んでなり、国際公開第95/20943号パンフレットに従ってオート麦から調製される、スウェーデン国カルルスハムンのLTP Lipid Technologies Provider ABからのガラクト脂質(CPL−ガラクト脂質)。
【0089】
使用される分画パーム油は、アルカリ性メタノリシス後のガス液体クロマトグラフィーによる判定で、次の脂肪酸組成を有してもよい。40〜45重量%のパルミチン酸、38〜42重量%のオレイン酸、8〜10重量%のリノール酸、および4〜5重量%のステアリン酸、残部はラウリン酸、ミリスチン酸、アラキジン酸、およびパルミトレイン酸からなる群から選択される。
【0090】
分画パーム油は99.8〜100.0wtBのトリグリセリド(TG)含量、20および35C(NおよびN35)でそれぞれ31および6の固形脂肪含量を有してもよい。
【0091】
以下の実施例によって本発明を例証する。
【0092】
[実施例]
[実施例1]
[ファビュレスTMエマルジョン]
[分画パーム油による40重量%エマルジョンの調製(バッチサイズ300g)]
【0093】
【表1】



【0094】
パーム油を50℃で溶解し、分画オート麦油と混合する。油相および水を65〜70℃に予熱して、次に15,000rpmで4分間の高剪断混合下で油相を水に添加した。次にプレエマルジョンを2つの部分に分割する。どちらも60℃、6サイクルで、片方の部分は400バー、他方の部分は800バーで均質化する(デンマーク国のAPV RannieからのRannieホモジナイザー(モデルMini−Lab 8.30 H))。
【0095】
調製品のどちらの部分も、同様のクリーム様の稠度があるエマルジョンをもたらした。どちらの場合も平均粒度(Z平均)は約480nmである(英国のマルバーン・インストゥルメンツ(Malvern Instruments)からのゼータサイザー(Zetasizer)4)。
【0096】
上のように調製されたエマルジョン(以下ファビュレスTMと称され、オランダ国デルフトのDSMフードスペシャリティーズによって市販される)は、製品の製造において成分として使用されるまで2〜8℃で保存できる。
【0097】
[実施例2]
[減量期間後の体重維持に関する研究]
[序論]
体重維持および体組成に関して、ファビュレスTM添加または無添加の食事代替品製品摂取の効果を調査するために研究を実施した。
【0098】
第一の目的は、ファビュレスTM無添加であるが同一脂肪含量の同一食事代替品を12週間摂取した後の体重維持に対する、ファビュレスTM添加の食事代替品の効果を判定することであった。
【0099】
第二の目的は、以下に対するファビュレスTM添加または無添加の食事代替品の効果を判定することであった。
−体脂肪量、除脂肪体重、および骨格量、
−ウエストおよびヒップ、
−体温および矢状面測定、
−血圧および脈拍、および
−安全性。
【0100】
[研究デザイン]
研究は、自由意志による自由生活被験者を用いた、4〜6週間のならし減量期間および12週間の介入研究がある、無作為化二重盲検プラセボ対照並列デザインであった。二重盲検は研究食品が非常によく似ており、ならびに同等に包装されラベル表示されることを要した。研究デザインを図1に模式的に示し、各訪問時のイベント予定表を表1に記載する。
【0101】
減量は市販製品Nutrilett Intensiveの4〜6週間の食餌療法によって達成された。Nutrilett IntensiveはVLCD製品粉末であり、完全な食事としてシェーカー内で200mlの水と混合された。被験者はForest Fruit(112kcal/袋)とチョコレート(111kcal/袋)の2つの風味から選択した。製品は製造業者の使用説明書に従って、保存、調製、摂取された。
【0102】
最初の2週間のならし期間中、被験者は毎日5袋のNutrilett Intenstive、すなわち全部で2.3kJ/日(557/日)を使用するように指示された。被験者はまた、水/ライトレモネード/ソーダ、またはミルクおよび砂糖なしの茶/コーヒーなどのノンカロリー飲料を毎日最低2.5リットル飲むことを義務づけられた。その他の食物または飲料は許されなかった。
【0103】
3週めからは、被験者は通常の朝食を食べることができ、次にその日の残りの食事を4袋のNutrilett Intensiveで置き換えたことを除き、最初の2週間のならし期間と同様の食餌療法を使用した。被験者は、どのようにして低脂肪かつ低糖で食物繊維に富んだ健康な朝食を選択するかについての情報を受け取った。
【0104】
介入研究の12週めからは、被験者は彼らの習慣的摂食パターンに戻り、対照またはファビュレスTM(LCDミール)のどちらかを含有するNutrilett Intensiveミール(1袋)で昼食を置き換えた。
【0105】
様々な試験日に行われた測定については下述する。
【0106】
[試験製品]
試験製品はダイズタンパク質を含む食事代替品(Nutrilett Intensive)であり、双方の処置群によって摂取された。被験者はファビュレスTMまたはミルクからの脂肪(クリーム、プラセボ)のどちらかの追加について無作為化された。プラセボ中の脂肪量は、ファビュレスTMと同一であった。追加されたファビュレスTMまたは乳脂肪は、Nutrilett Intensiveの一部と共に飲むドリンクショットとして供された。
【0107】
研究試験製品であるファビュレスTM(42%)、および参照製品であるプラセボは、環境条件制御下で、ねじ蓋付き15ml褐色ガラス薬瓶に充填された。プラセボ製品は、ノルメイエリーエル(Norrmejerier)からのロングライフクリーム(Langhallbarhetsgraedde、36%)であった。研究中、瓶は冷蔵庫内に保存したが、使用前に室温に1〜2時間置いた。製造業者の説明書に従って、食事代替品粉末チョコレートまたはForest Fruitの袋をプラスチック容器内で200mlの水と混合し、その後、ファビュレスTMまたは対照製品をNutrilett Intensitve調合物の入った容器中に注いで、5秒間シェイクした。
【0108】
試験製品ファビュレスTMの一日当たり栄養成分表:
【0109】
【表2】



【0110】
プラセボ製品の一日当たり栄養成分表:
【0111】
【表3】



【0112】
[被験者]
スウェーデン国ウプサラのCentrum foer Klinisk Proevning av Livsmedel(KPL)のボランティアのプールから、または地方紙を通じて、18〜60歳の間でBMIが26〜31kg/mの間である55人の女性を採用した。彼女らは健康良好であり、血圧は160/105mmHgを超えておらず、医薬品は使用していなかった。6週間後に5%または4週間後に9%を超える減量をした被験者のみが、介入研究への継続参加を許された。
【0113】
ならし期間後に組み入れ規準を満たした被験者は、実薬処置またはプラセボ処置による介入研究に無作為に分けられた。試験製品は、彼女らが研究製品を摂取した日毎に書き込んで署名するための研究日誌と共に、各訪問時に配布された。
【0114】
[測定]
各訪問時に絶食状態で、体重、ウエスト、ヒップ、および腹部矢状面測定(SAG)、身長、体温、血圧、脈拍、身体活動、生体インピーダンス、および皮下脂肪厚を測定した(図1および表1参照)。臨床化学、グルコース血液学のための血液サンプル、および尿をならし期間前にベースラインで、および研究終了時に採取した。
【0115】
[体重および身長]
体重は全ての訪問時に評価した。体重はキログラム(kg)で測定し、被験者は室内着で靴を脱ぎ、財布やキーホルダーを持たずに計量した。使用した秤はスウェーデン国イェーテボリのCarl LidenからのCL−300BMIであった。研究全体を通じて同じ秤を使用した。身長は靴なしでセンチメートル(cm)で測定した。
【0116】
[ウエストおよびヒップ測定]
ウエストおよびヒップ測定は各訪問時に実施した。被験者は起立していた。研究看護師が、巻き尺を被験者のウエストに巻いた。巻き尺は腸骨稜と胸骨下部の間に置かれた(図2の番号2または矢印参照)。測定中は、下着以外の被験者の衣服をウエストおよびヒップから除去した。研究看護師は、ウエストの測定前に、被験者に息を吐くよう求めた。ヒップは図2の番号3で測定した。
【0117】
[矢状面測定(SAG)]
腹部矢状面の測定は全ての訪問時に実施した。SAGは、被験者を平らな固い面に仰向けにさせて、被験者の腸骨稜で、表面と腹部の最高点の間の距離を測定した。測定中は、下着以外の被験者の衣服を腹部から除去した。
【0118】
[血圧および脈拍]
血圧および脈拍は全ての訪問時に評価した。血圧および脈拍は、座位において3〜5分間の安静時間後に、右腕でオランダ国Hoofdorpのオムロン・ヘルスケア・ヨーロッパ(Omron Healthcare Europe)B.V.からのオシロメータ(オムロン(Omron)M4−I)で測定した。2〜5分間隔で合わせて3回の測定を実施し、これらの平均値を計算した。
【0119】
[体温]
体温を2〜7回目の訪問時に測定した。研究中は同じ温度計を使用した。体温はテルモ電子発熱温度計(Terumo Electronic Fever Thermometer)C402により直腸で測定した。
【0120】
[皮下脂肪厚測定]
皮下脂肪厚測定は全ての訪問時に評価した。再現性のある結果のために、皮下脂肪厚測定を実施する全ての研究要員(同一看護師)は、技術訓練された。二頭筋、三頭筋、肩甲下筋、および腸骨上の4つの異なる身体部位で測定を実施した。測定は、特定の「皮下脂肪厚測定指示」に従って行った。
【0121】
[生体インピーダンス]
生体インピーダンスは全ての訪問時に評価した。測定から信頼できる結果を得るために、被験者は絶食しなくてはならない。測定は、被験者を平坦な木製表面に水平に横たえ、ザイトロン・テクノロジーズ(Xitron Technologies)からのHydra ECF/ICFを用いて、装置の説明書に従って実施した。
【0122】
皮下脂肪厚および生体電気インピーダンス測定は、Forslund et al.Evaluation of modified multicompartment models to calculate body composition in healthy males.Am.Clin.Nutr.1996,6,856−862に従った、体重、体除脂肪量、および骨格筋量の計算の基礎であった。
【0123】
[統計学的方法]
統計学的分析のために、本研究ではウィンドウズ用SPSSバージョン15.0を使用した。統計学的分析はKPLによって行われた。
【0124】
スチューデントt検定は、両側で5%の有意水準で実施された。処置の違いは、対応のあるt−検定を用いて分析された。
【0125】
記述統計は、箱ひげ図を使用して、体脂肪量および体筋肉量パラメーターについて計算された。箱ひげ図は、中央値、第25および第75百分位数、および統計学的外れ値でない最小および最大測定値の5数要約を使用して、各群の比較を可能にする。外れ値および極端な値には、特別な注意が払われる。各箱中の黒い太線は、その分布の第50百分位数または中央値を標識する。上下ヒンジまたは箱境界は、それぞれ各分布の第25および第75百分位数を標識する。ひげはヒンジの上下に現れる。
【0126】
ひげおよび垂直線は、統計学的外れ値でない最大および最小実測値において、水平線に終わる。外れ値はOで識別される(図3および4参照)。
【0127】
[結果]
[被験者]
採用手順は、スクリーニングに訪れた79人の潜在的に適格な女性被験者をもたらした。これらの被験者から、54人がならし期間に適格であることが分かり、その後46人の被験者を無作為化して、実薬処置またはプラセボ処置に分けた。被験者分布は各処置について23人の被験者を示し、43人の被験者が統計学的分析に適格であることが分かった。1人の被験者は自己判断で離脱し、2人の被験者は服薬遵守が70%よりも低かったので統計学的分析には含めなかった。
【0128】
スクリーニング期間は2006年の第31週中であり、次に介入期間は6週間のならし期間および12週間の試験製品の介入と共に、2006年の32〜49週中に実施された。
【0129】
全部で46人の被験者を無作為化し、実薬またはプラセボの2つの処置順序の1つに分けた。各処置群中の被験者分布は、23人が実薬および23人の女性がプラセボを摂取した。研究を完了した被験者数は、46人の無作為化被験者の内45人であった。
【0130】
ランダム化の後、1人の被験者が自己判断で離脱した。
【0131】
相対服薬遵守は、実薬処置では90.8%であり、プラセボ処置では91.4%であった。2人の被験者は服薬遵守が70%よりも低かったので統計学的分析には含めなかった。全部で43人の被験者が統計学的分析に含まれた。
【0132】
[バックグラウンド特徴]
有効性集団の定義は、大きなプロトコール偏差がなく、服薬遵守が少なくとも70%の被験者であった。
【0133】
平均年齢は、実薬では46.4歳(SD 9.7)で、プラセボでは49.4歳(SD 7.8)であった。ならし期間の平均BMIは、実薬処置群では28.2(SD1.4)、プラセボ処置群では28.3(SD1.6)であった。
【0134】
血圧(収縮期および拡張期圧)に関して、処置群の間で大きな違いは観察されなかった。脈拍、ウエスト、ヒップ矢状面、体脂肪量、除脂肪体重、および骨格筋量が2つの処置群について記録され、ここでもまた処置群の間で大きな違いは見られなかった。
【0135】
ベースライン(4回目の訪問)の特徴は、収縮期血圧においてプラセボ(115.9)と比較して実薬処置群(120.7)で、拡張期血圧においてプラセボ(74.7)と比較して実薬処置(79.7)で、いくぶんより高い血圧を示した。BMIは処置群の間で同様であったが、ならし期間の特徴と比較して明らかな低下を示した。その他のベースライン特徴(脈拍、ウエスト、ヒップ矢状面、体脂肪量、除脂肪体重、および骨格筋量)に関しても同じパターンが示され、処置群の間で違いは見られなかったが、ならし期間の特徴と比較して明らかな低下を示した。
【0136】
服薬遵守に従ったエネルギー摂取量は、一日当たり実薬製品では約42kcalで、プラセボ処置ではほぼ45kcalであった。
【0137】
ランダム化番号1006(プラセボ)および1036(実薬)の2人の被験者は、体脂肪量(1036)および筋肉量(1006)について計算された後に外れ値と見なされた。これは図2および3に記載される箱ひげ図において、明らかに実証されている。
【0138】
したがってここに提示される結果は、これらの2つの外れ値なしの有効性変数に基づく。
【0139】
[体重]
食事代替品と共にファビュレスTMおよびプラセボを摂取した12週間後のベースラインからの体重変化は、統計学的有意差を示した(表2参照)。2つの処置の女性の体重を比較しても、統計学的差違は示されなかった(表3参照)。
【0140】
食事代替品と共にファビュレスTMを摂取した4〜8週間後のベースラインからの体重変化は、双方の訪問時に統計学的差違を示した(表3参照)。プラセボ処置については、4または8週間後に差違は見られなかった。処置間で体重変化を比較しても差違は見られなかった(表3参照)。
【0141】
体脂肪量、除脂肪体重および骨格量
体脂肪量、除脂肪体重、および筋肉量のベースラインからの変化(4回目の訪問)、および食事代替品と共にファビュレスTMまたはプラセボを摂取した4、8、および12週間後の変化は、双方の処置について全ての訪問時に統計学的有意差を示した(表4および5参照)。
【0142】
処置間の比較はまた、8週めに体脂肪量および除脂肪体重についても統計学的有意差(p−値0.023)を示した(表6および7)。8および12週めの片側t−検定により、処置間で体脂肪量および除脂肪体重に著しい違いがある。
【0143】
これは12週間の処置期間についても、体脂肪量について曲線下面積を計算して2つの処置間で比較した際に、さらに確認された(表8〜10参照)。これはまた、実薬に対してより急である傾斜の形状から図5でも明らかに実証される。
【0144】
[ヒップおよびウエスト]
ウエストおよびヒップのベースラインからの変化(4回目の訪問)、および食事代替品と共にファビュレスTMまたはプラセボを摂取した4、8、および12週間後の変化は、ウエストについて12週間後に統計学的有意差を示し、ヒップについて全ての訪問時に統計学的有意差を示した(表11参照)。プラセボと一緒の食事代替品摂取後のウエストの変化は、いずれの訪問時にも差違を示さなかったが、8および12週間後にヒップについて統計学的有意差を示した。処置間の比較は、いかなる差違も示さなかった(表6および7参照)。
【0145】
[収縮期血圧]
収縮期血圧に関するベースラインからの変化は、実薬群では気付かれなかったが、プラセボ群(表12)では全ての訪問時に顕著な上昇が観察された。8週めに処置間の顕著な違いが見られた。
【0146】
[結論]
減量段階の後、本研究の参加者は、ファビュレスTMまたはクリームを含有する食事代替品製品で1食(ランチ)を継続して置き換えた(LCD)。したがって介入段階中の負のエネルギー収支に際して、被験者は体脂肪量を減らし続け、ファビュレスTM群で顕著により高度に減らし続けた(統計学的有意差、p=0.023;8および12週間の摂取後に観察できた)。
【0147】
収縮期血圧は、減量期間中に予期されたように低下した。介入中に使用された2つの試験製品の同一脂肪量にもかかわらず、収縮期血圧はファビュレスTM群では維持されたが、プラセボ群ではベースラインから顕著に上昇した。
【0148】
[実施例3]
[皮下脂肪厚の追加的統計学的分析]
経時的体組成の計算に関する確立された方法である、キャリパーで測定された皮脂厚データについてさらなる統計学的分析を実施した。この評価はベースライン、および処置の4、8、および12週間後において行い、体脂肪量計算はDurninおよびWormersly(Brit.J.Nutr.(1974)32,77)の方法に従って行った。
【0149】
統計学的評価では分散分析(ANOVA)を使用した。実薬群の体脂肪量の減少は、プラセボと比較して顕著により大きかったp=0.0108(表13参照)。
【0150】
[表]
【0151】
【表4】



【0152】
【表5】



【0153】
【表6】



【0154】
【表7】



【0155】
【表8】



【0156】
【表9】



【0157】
【表10】



【0158】
【表11】



【0159】
【表12】



【0160】
【表13】



【0161】
【表14】



【0162】
【表15】



【0163】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体において体脂肪量減少を促進するための、トリグリセリド油および乳化剤を含んでなる混合物の使用。
【請求項2】
個体において体脂肪量減少を促進する薬理学的に活性の組成物を調製するための、トリグリセリド油および乳化剤を含んでなる混合物の使用。
【請求項3】
個体において血圧を維持するためのトリグリセリド油および乳化剤を含んでなる混合物の使用。
【請求項4】
個体において血圧を維持する薬理学的に活性の組成物を調製するための、トリグリセリド油および乳化剤を含んでなる混合物の使用。
【請求項5】
トリグリセリド油が周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
体脂肪量減少の促進または血圧の維持が減量の後に起きる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
減量が少なくとも約5%である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
個体が負のエネルギー収支の対象である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
個体が食事代替品療法の対象である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
トリグリセリド油が製菓用油脂である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
製菓用油脂が、パーム油、カカオ脂、イリッペバター、シアバター、コクムバター、サルバター、水素化あるいは部分的水素化ダイズ油、ナタネ油、綿油、ヒマワリ油またはそれらの画分、もしくは同様の固形脂肪含量あるいは融解範囲を有するその他の天然油またはそれらの画分からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
トリグリセリドが分画パーム油から得られる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
トリグリセリドが、グリセロールのパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸またはステアリン酸エステルである、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
トリグリセリドが合成または半合成である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
乳化剤が食品乳化剤である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
食品乳化剤が親水性および親油性部分から構成されるエステルを含んでなる、請求項に15に記載の使用。
【請求項17】
親油性部分が、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、またはリノール酸もしくは前記脂肪酸の組み合わせから構成される、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
親水性部分が、ヒドロキシル、カルボキシル、またはオキシエチレン基を含んでなる、請求項16または17に記載の使用。
【請求項19】
食品乳化剤が、レシチン、モノおよびジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ラクチル化エステル、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、エトキシル化エステル、スクシニル化エステル、フルーツ酸エステル、アセチル化モノおよびジグリセリド、リン酸塩含有モノおよびジグリセリドまたはスクロースエステルを含んでなる、請求項15〜18のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
食品乳化剤が、卵黄、ミルク、ダイズ油、ヒマワリ油、またはナタネ油から生成されるレシチンを含んでなる、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
乳化剤が1つ以上のガラクト脂質を含んでなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用。
【請求項22】
乳化剤がガラクト脂質である、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
ガラクト脂質がジアシルグリセロールとグリコシド結合する1〜4個の糖を含有する、請求項21または22に記載の使用。
【請求項24】
ガラクト脂質がモノまたはジガラクトシルジグリセリドである、請求項21または22に記載の使用。
【請求項25】
個体において体脂肪量減少を促進するための、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる混合物。
【請求項26】
個体において血圧を維持する、任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる混合物。
【請求項27】
請求項25または26に記載のおよび請求項10〜24のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項28】
任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる有効量の混合物を個体に投与するステップを含んでなる、個体において体脂肪量減少を促進する方法。
【請求項29】
任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる有効量の混合物を個体に投与するステップを含んでなる、個体において血圧を維持する方法。
【請求項30】
混合物が請求項10〜24のいずれか一項に記載されるとおりである、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
任意に周囲温度から体温にかけて固形脂肪含量を有するトリグリセリド油と、乳化剤とを含んでなる混合物、および
食事代替品製品
を含んでなる製品。
【請求項32】
混合物が請求項10〜24のいずれか一項に記載されるとおりである、請求項31に記載の製品。
【請求項33】
食事代替品製品が、バー、粉末または液体の形態である、請求項31または32に記載の製品。
【請求項34】
食事代替品製品が一食あたり約100〜約400kカロリーを提供する、請求項31〜33のいずれか一項に記載の製品。
【請求項35】
混合物および食事代替品製品が、同時、個別または逐次使用用である、請求項31〜34のいずれか一項に記載の製品。
【請求項36】
製品が個体において体脂肪量減少を促進するためのものである、請求項31〜35のいずれか一項に記載の製品。
【請求項37】
製品が個体において血圧を維持する乳化剤用である、請求項31〜36のいずれか一項に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−526123(P2010−526123A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506939(P2010−506939)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055713
【国際公開番号】WO2008/099025
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】