作業機の表示構造
【課題】作業機に適した燃費表示を行なうことにより、作業機のより経済的な使用を可能にする。
【解決手段】作業状態か否かを検出する作業状態検出手段Cと、作業状態検出手段Cの出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃費を演算する燃費演算手段29Dと、燃費を表示する燃費表示領域Fを有する表示手段Aと、燃費演算手段29Dの出力に基づいて表示手段Aの作動を制御する表示制御手段Dを備えて、燃費演算手段29Dが出力する作業状態での燃費を燃費表示領域Fに表示する。
【解決手段】作業状態か否かを検出する作業状態検出手段Cと、作業状態検出手段Cの出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃費を演算する燃費演算手段29Dと、燃費を表示する燃費表示領域Fを有する表示手段Aと、燃費演算手段29Dの出力に基づいて表示手段Aの作動を制御する表示制御手段Dを備えて、燃費演算手段29Dが出力する作業状態での燃費を燃費表示領域Fに表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの稼働時間などを表示する表示手段を備えた作業機の表示構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタなどの作業機では、エンジン回転数を表示するタコメータや各種の表示灯などを備えたメータパネルに、エンジンの稼働時間や燃料の残量などの情報を表示する複数の表示領域を備えた液晶式のディスプレイなどを表示手段として装備したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−37302号公報(段落番号0025、0050、図10、14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、乗用車においては、乗用車のより経済的な運転を可能にするための指標となる燃費を、メータパネルに備えた燃費表示部に表示するようにしてある。そして、トラクタなどの作業機においても、作業機のより経済的な使用を可能にするために、メータパネルなどにおいて燃費を表示することが考えられている。
【0005】
しかしながら、作業機の使用状態としては、走行を停止して作業を行う定置作業状態や走行しながら作業を行う作業走行状態といった作業状態と、作業を行わずに移動するだけの移動走行などの非作業状態とがあることから、単に燃費を表示するようにしても、表示している燃費が、そのときの作業機の使用状態において、作業機をより経済的に使用するための適切な指標になっているとは言い難く、作業機のより経済的な使用を可能にする上においては更なる創意工夫を凝らす必要がある。
【0006】
本発明の目的は、作業機に適した燃費表示を行なうことにより、作業機のより経済的な使用を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、
作業状態か否かを検出する作業状態検出手段と、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃費を演算する燃費演算手段と、
前記燃費を表示する燃費表示領域を有する表示手段と、
前記燃費演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御する表示制御手段を備えて、
前記燃費演算手段が出力する前記作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする。
【0008】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の燃費表示領域に作業状態での燃費を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その作業状態での燃費は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて燃費演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0009】
従って、表示手段の燃費表示領域に表示される作業状態での燃費を考慮して作業機を運転することにより、作業機の作業時での使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0010】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、
前記燃費演算手段が、前記燃費として瞬間燃費と平均燃費を演算し、
前記燃費演算手段が出力する前記瞬間燃費及び前記平均燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする。
【0011】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の燃費表示領域に作業状態での瞬間燃費や平均燃費を表示して操縦者に把握させることができる。これにより、操縦者は、把握した作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを比較することにより、このときの作業状態において作業機を経済的に使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0012】
そして、その作業状態での瞬間燃費及び平均燃費は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて燃費演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0013】
従って、表示手段の燃費表示領域に表示される作業状態での瞬間燃費や平均燃費を考慮して作業機を運転することにより、作業機の作業時での使用状態に適したより経済的な使用を、より簡単に可能にすることができる。
【0014】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項2に記載の発明において、
前記燃費表示領域を一つとし、
瞬間燃費表示指令と平均燃費表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示状態と前記平均燃費を表示する平均燃費表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0015】
この特徴構成によると、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを一つの燃費表示領域において切り替え表示することができる。これにより、表示手段に、瞬間燃費表示用と平均燃費表示用の二つの燃費表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0016】
従って、作業機の作業時でのより経済的な使用を可能にするための適切な燃費表示を、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら行なうことができる。
【0017】
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項2に記載の発明において、
前記燃費表示領域を一つとし、
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費とをひとまとめにして前記燃費表示領域に同時にグラフ表示することを特徴とする。
【0018】
この特徴構成によると、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを一つの燃費表示領域において同時に表示することができる。これにより、表示手段に、瞬間燃費表示用と平均燃費表示用の二つの燃費表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0019】
又、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを同時表示することにより、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを比較し易くなる。その結果、作業状態において作業機を経済的に使用しているか否かの判断が行い易くなる。
【0020】
従って、作業機の作業時でのより経済的な使用をより簡単に可能にすることができる上に、そのための適切な燃費表示を、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら行なうことができる。
【0021】
本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項4に記載の発明において、
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費のうちのいずれか一方を点灯表示し、他方を点滅表示することを特徴とする。
【0022】
この特徴構成によると、表示手段としてモノクロ表示の安価なものを採用しながら、一つの燃費表示領域に同時に表示した作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを容易に判別することができる。
【0023】
従って、作業機の作業時でのより経済的な使用をより簡単に可能にするための適切な燃費表示を、コストの削減を更に図りながら行なうことができる。
【0024】
本発明のうちの請求項6に記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、
エンジンが稼働状態か否かを検出するエンジン稼働検出手段を備え、
前記燃費演算手段が、前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃費を演算するように構成して、
非作業状態では、前記燃費演算手段が出力する前記非作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする。
【0025】
この特徴構成によると、移動走行などの非作業時には、表示手段の燃費表示領域に非作業状態での燃費(非作業状態での瞬間燃費と平均燃費のうちのいずれか一つ又は双方)を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その非作業状態での燃費は、作業の終了などに伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて燃費演算手段が算出するものであることから、そのときの非作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0026】
従って、表示手段の燃費表示領域に表示される非作業状態での燃費を考慮して作業機を運転することにより、作業機の非作業時での使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0027】
本発明のうちの請求項7に記載の発明では、上記請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする。
【0028】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の使用量表示領域に作業状態での燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その作業状態での燃料の使用量は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて使用量演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0029】
従って、表示手段の使用量表示領域に表示される作業状態での燃料の使用量を考慮して作業機を運転することにより、作業機の作業時での使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0030】
本発明のうちの請求項8に記載の発明では、上記請求項6に記載の発明において、
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃料の使用量を演算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示し、非作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記非作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする。
【0031】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の使用量表示領域に作業状態での燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。又、移動走行などの非作業時には、表示手段の使用量表示領域に非作業状態での燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。
【0032】
そして、その作業状態での燃料の使用量は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて使用量演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。又、その非作業状態での燃料の使用量は、作業の終了などに伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて使用量演算手段が算出するものであることから、そのときの非作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0033】
従って、表示手段の使用量表示領域に表示される燃料の使用量を考慮して作業機を運転することにより、作業機の使用状態に適したより経済的な使用を、作業時と非作業時とにかかわらず可能にすることができる。
【0034】
本発明のうちの請求項9に記載の発明では、上記請求項7又は8に記載の発明において、
前記使用量表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と使用量表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記燃料の使用量を表示する使用量表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0035】
この特徴構成によると、燃費と燃料の使用量とを燃費表示領域において切り替え表示することができる。これにより、表示手段に、燃費表示用と燃料使用量表示用の二つの表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0036】
従って、作業機のより経済的な使用を可能にするための適切な燃費及び燃料使用量の表示を、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら行なうことができる。
【0037】
本発明のうちの請求項10に記載の発明では、上記請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記稼働時間積算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記稼働時間積算手段が出力する前記作業状態でのエンジンの稼働時間を前記稼働時間表示領域に表示することを特徴とする。
【0038】
この特徴構成によると、表示手段の稼働時間表示領域に、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジンの稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その作業状態でのエンジンの稼働時間は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて稼働時間積算手段が積算するものであることから、そのときの作業での作業量や作業効率などの適切な指標となる。
【0039】
従って、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などのより適切な算出を可能にすることができる。
【0040】
本発明のうちの請求項11に記載の発明では、上記請求項6又は8に記載の発明において、
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知することによりエンジンの総稼働時間を積算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力と前記稼働時間積算手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記稼働時間表示領域の表示状態を、前記エンジンの総稼働時間を表示する総稼働時間表示状態と前記作業状態でのエンジンの稼働時間を表示する作業時稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0041】
この特徴構成によると、表示手段の稼働時間表示領域に、オイル交換などのメンテナンスの指標となるエンジンの総稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。又、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジンの稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。
【0042】
そして、その作業状態でのエンジンの稼働時間は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて稼働時間積算手段が積算するものであることから、そのときの作業での作業量や作業効率などの適切な指標となる。
【0043】
又、稼働時間表示領域において、エンジンの総稼働時間と作業状態でのエンジンの稼働時間とを切り替え表示することにより、表示手段に、エンジンの総稼働時間表示用と作業状態でのエンジン稼働時間表示用の二つの表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0044】
従って、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら、オイル交換などのメンテナンスを適切な時期に行なえる上に、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などのより適切な算出を可能にすることができる。
【0045】
本発明のうちの請求項12に記載の発明では、上記請求項10又は11に記載の発明において、
前記稼働時間表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0046】
この特徴構成によると、燃費とエンジンの稼働時間とを燃費表示領域において切り替え表示することができる。これにより、表示手段に、燃費表示用と稼働時間表示用の二つの表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0047】
従って、表示手段の省スペース化やコストの削減を更に図りながら、オイル交換などのメンテナンスを適切な時期に行なえる上に、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などのより適切な算出を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】肥料散布仕様に構成したトラクタの全体側面図である。
【図2】制御構成を示すブロック図である。
【図3】メータパネルの構成を示す図である。
【図4】表示手段の構成を示す図である。
【図5】情報表示領域の総稼働時間表示状態を示す図である。
【図6】情報表示領域の作業時稼働時間表示状態を示す図である。
【図7】情報表示領域の瞬間燃費表示状態示す図である。
【図8】情報表示領域の平均燃費表示状態を示す図である。
【図9】情報表示領域の燃料使用量表示状態を示す図である。
【図10】情報表示領域の瞬間平均同時表示状態を示す図である。
【図11】情報表示領域のバー表示状態を示す図である。
【図12】別実施形態での情報表示領域の瞬間平均同時表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る作業機の表示構造を、作業機の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0050】
図1に示すように、このトラクタは、その前部に搭載した水冷式のディーゼルエンジン(以下、エンジンと略称する)1が出力する回転動力を、電子油圧制御式の主クラッチ2を介して走行伝動系及び作業伝動系に伝達する。走行伝動系の動力は、左右一対の前輪3及び左右一対の後輪4に伝達する。作業伝動系の動力は、機体フレームに兼用するトランスミッションケース(以下、T/Mケースと略称する)5の後端部に備えた動力取り出し用のPTO軸6に伝達する。
【0051】
図示は省略するが、走行伝動系は、8段の変速操作を可能にする電子油圧制御式の主変速装置、高低2段の変速操作を可能にする電子油圧制御式の副変速装置、前後進の切り換え操作を可能にする電子油圧制御式の前後進切換装置、左右の前輪3に対する伝動の断続操作や倍速操作を可能にする電子油圧制御式の前輪用変速装置、前輪用の差動装置、及び、後輪用の差動装置、などを備えて構成してある。
【0052】
作業伝動系は、PTO軸6に対する伝動の断続操作を可能にする電子油圧制御式の作業用クラッチや、PTO軸6の3段の変速操作と正逆転の切り換え操作とを可能にする電子油圧制御式の作業用変速装置、などを備えて構成してある。
【0053】
図1に示すように、トラクタの後部には、前輪操舵用のステアリングホイール7や運転座席8などを配備して搭乗運転部9を形成し、搭乗運転部9を覆うキャビン10を装備してある。
【0054】
図2に示すように、エンジン1には、燃料の噴射量や噴射タイミングを電子制御するコモンレール式の燃料噴射装置11を備えてある。燃料噴射装置11は、燃料タンク12に貯留した燃料を圧送するサプライポンプ13、圧送した燃料を蓄圧するコモンレール14、蓄圧した燃料を燃料室(図示せず)に噴射する複数のインジェクタ15、コモンレール14の内圧を検出する圧力センサ16、エンジン1の出力回転数を検出する電磁ピックアップ式の回転センサ17、及び、圧力センサ16や回転センサ17などの出力に基づいてサプライポンプ13や各インジェクタ15などの作動を制御するエンジン用の電子制御ユニット(以下、エンジンECUと略称する)18、などを備えて構成してある。エンジンECU18は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。
【0055】
図1に示すように、T/Mケース5の後部には、単動型の油圧シリンダからなる左右一対のリフトシリンダ19や、左右のリフトシリンダ19の作動により上下方向に揺動する左右一対のリフトアーム20、などを備えてある。そして、左右のリフトアーム20に連動する作業装置連結用のリンク機構21などを介して、作業装置の一例である肥料散布装置22を昇降可能に連結してある。これにより、このトラクタを肥料散布仕様に構成してある。
【0056】
図2に示すように、左右のリフトシリンダ19は、それらに対する作動油の流れを電磁制御弁23の作動で制御することにより伸縮させることができる。
【0057】
図1に示すように、肥料散布装置22は、リンク機構21に連結する施肥フレーム24に、肥料貯留用のホッパ25、散布量調節用の電動式のシャッタ機構26、及び、散布用の回転羽根27、などを備えて構成してある。回転羽根27には、PTO軸6から取り出した動力を、屈曲可能かつ伸縮可能に構成した軸伝動式の外部伝動機構28を介して伝達してある。
【0058】
又、図示は省略するが、肥料散布装置22には、トラクタからのパルス信号に基づいてシャッタ機構26の作動を制御する制御装置を搭載してある。制御装置は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。そして、制御装置は、トラクタからのパルス信号に基づいて、トラクタの前進走行とPTO軸6の駆動を検知していない間は、トラクタが非作業状態であると判断してシャッタ機構26を閉じ状態に維持して肥料の散布を停止する。又、トラクタからのパルス信号に基づいて、トラクタの前進走行とPTO軸6の駆動を検知すると、その検知に伴って、トラクタが作業状態であると判断してシャッタ機構26を閉じ状態から開き状態に切り換えて肥料の散布を開始するとともに、散布量設定器により設定した単位走行距離当たりの散布量と、トラクタからのパルス信号により検知したトラクタの走行速度とに基づいて、それらに応じたシャッタ開度が得られるようにシャッタ機構26の作動を制御する。これにより、トラクタを前進走行させてPTO軸6を駆動させた作業状態では、トラクタの走行速度にかかわらず、散布量設定器により設定した単位走行距離当たりの散布量で肥料を精度よく散布することができる。
【0059】
図2に示すように、エンジンECU18は、CAN通信などの車内通信によって、トラクタに搭載したメイン電子制御ユニット(以下、メインECUと略称する)29に相互通信可能に接続してある。これにより、エンジンECU18は、搭乗運転部9に備えた自己復帰型のアクセルペダル30の操作位置を検出するAPセンサ31の出力、搭乗運転部9に備えた位置保持型のアクセルレバー32の操作位置を検出するALセンサ33の出力、及び、エンジン回転数の上限を設定するダイヤル式の上限設定器34の出力、などをメインECU29から受け取ることができる。逆に、メインECU29は、エンジンECU18が各インジェクタ15に指示する燃料噴射量、及び、回転センサ17の出力、などをエンジンECU18から受け取ることができる。
【0060】
エンジンECU18は、エンジン回転数を制御するエンジン回転制御などを行なう。エンジン回転制御では、APセンサ31の出力、ALセンサ33の出力、及び、上限設定器34の出力、などに基づいてエンジン1の目標回転数を設定する。そして、この目標回転数に回転センサ17の出力が一致するようにサプライポンプ13や各インジェクタ15などの作動を制御して燃料噴射量を調節する。
【0061】
メインECU29は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。メインECU29には、走行用制御手段29Aや作業用制御手段29Bなどを制御プログラムとして備えてある。
【0062】
走行用制御手段29Aは、主クラッチ2の作動を制御するクラッチ制御、主変速装置の作動を制御する主変速制御、副変速装置の作動を制御する副変速制御、及び、前後進切換装置の作動を制御する前後進切換制御、などを行なう。
【0063】
クラッチ制御では、搭乗運転部9に配備したクラッチペダル35の踏み込み操作量を検出するCPセンサ36の出力に基づいて、クラッチペダル35の踏み込み操作量に応じた主クラッチ2の作動状態が得られるように主クラッチ2の作動を制御する。具体的には、クラッチペダル35の踏み込み操作量が所定の閾値を超えた場合に主クラッチ2が遮断状態になるように主クラッチ2の作動を制御する。
【0064】
副変速制御では、搭乗運転部9に配備したシフトレバー37の操作位置を検出するSLセンサ38の出力に基づいて、シフトレバー37の操作位置に応じた副変速装置の作動状態が得られるように副変速装置の作動を制御する。具体的には、シフトレバー37が低速位置にある場合は副変速装置が低速伝動状態になり、シフトレバー37が高速位置にある場合は副変速装置が高速伝動状態になり、シフトレバー37が中立位置にある場合は副変速装置が中立状態になるように副変速装置の作動を制御する。
【0065】
主変速制御では、シフトレバー37に備えた増速スイッチ39と減速スイッチ40の操作に基づいて、増速スイッチ39及び減速スイッチ40の操作回数に応じた主変速装置の作動状態が得られるように主変速装置の作動を制御する。具体的には、増速スイッチ39が操作されるごとに主変速装置の変速段を高速側に変更し、減速スイッチ40が操作されるごとに主変速装置の変速段を低速側に変更する。
【0066】
前後進切換制御では、搭乗運転部9に備えた前後進切換レバー41の操作位置を検出するFRCLセンサ42の出力に基づいて、前後進切換レバー41の操作位置に応じた前後進切換装置の作動状態が得られるように前後進切換装置の作動を制御する。具体的には、前後進切換レバー41が前進位置にある場合は前後進切換装置が前進伝動状態になり、前後進切換レバー41が後進位置にある場合は前後進切換装置が後進伝動状態になり、前後進切換レバー41が中立位置にある場合は前後進切換装置が中立状態になるように前後進切換装置の作動を制御する。
【0067】
作業用制御手段29Bは、作業用クラッチ及び作業用変速装置の作動を制御するPTO変速制御、及び、リフトシリンダ19の作動を制御して作業装置を昇降させる昇降制御、などを行なう。
【0068】
PTO変速制御では、搭乗運転部9に備えたダイヤル式のPTOスイッチ43の出力に基づいて、PTOスイッチ43の操作位置に応じた作業用クラッチの作動状態及び作業用変速装置の作動状態が得られるように作業用クラッチ及び作業用変速装置の作動を制御する。具体的には、PTOスイッチ43が切り位置にある場合は作業用クラッチが遮断状態になり、PTOスイッチ43が1速位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が1速伝動状態になり、PTOスイッチ43が2速位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が2速伝動状態になり、PTOスイッチ43が3速位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が3速伝動状態になり、PTOスイッチ43が逆転位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が逆転伝動状態になるように作業用クラッチ及び作業用変速装置の作動を制御する。
【0069】
昇降制御では、搭乗運転部9に備えた昇降レバー44の操作位置を検出するUDLセンサ45の出力と、リフトアーム20の上下揺動角度を検出するLAセンサ46の出力に基づいて、昇降レバー44の操作位置に応じたリフトアーム20の上下揺動角度(肥料散布装置22の高さ位置)が得られるようにリフトシリンダ19の作動を制御するポジション制御、などを行なう。
【0070】
メインECU29は、回転センサ17の出力やEEPROMに書き込んだ後輪4の外径などに基づいてトラクタの走行速度を算出し、算出した走行速度に基づいて、肥料散布装置22に出力するパルス信号の周波数を変更する。又、CPセンサ36の出力、SLセンサ38の出力、FRCLセンサ42の出力、及び、PTOスイッチ43の出力に基づいて、肥料散布装置22に出力するパルス信号のデューティ比を変更する。
【0071】
つまり、トラクタが出力するパルス信号の周波数により、トラクタの走行速度を肥料散布装置22の制御装置に把握させることができ、又、トラクタが出力するパルス信号のデューティ比により、トラクタが作業状態であるか否かの判別を肥料散布装置22の制御装置に行なわせることができる。
【0072】
尚、このトラクタでは、前述したようにトラクタを前進走行させてPTO軸6を駆動させた状態を作業状態としていることから、CPセンサ36がクラッチペダル35の所定の閾値を超える踏み込み操作を検出しておらず、かつ、SLセンサ38がシフトレバー37の中立位置への操作を検出していない状態で、FRCLセンサ42が前後進切換レバー41の前進位置への操作を検出し、かつ、PTOスイッチ43の出力が切り位置以外の操作位置を示している場合に、メインECU29は、トラクタが作業状態であることを検知することになる。
【0073】
図2〜4に示すように、搭乗運転部9におけるステアリングホール7の前下方の位置にはメータパネル47を配備してある。メータパネル47には、エンジン回転数を表示するタコメータ48、燃料の残量を表示する燃料計49、エンジン冷却水の温度を表示する水温計50、主変速装置の変速段や副変速装置の変速段などを表示する液晶表示部(表示手段Aの一例)51、及び、これらの作動を制御する表示用の電子制御ユニット(以下、表示ECUと略称する)52、などを備えてある。
【0074】
液晶表示部51には、主変速装置の変速段を文字表示するセグメント方式の主変速段表示領域51A、副変速装置の変速段を文字表示するセグメント方式の副変速段表示領域51B、前後進切換装置の作動状態を文字表示するセグメント方式の前後進表示領域51C、作業装置の高さとしてリフトアーム20の上下揺動角度を文字表示するセグメント方式の高さ表示領域51D、及び、エンジン1の総稼働時間などの各種の情報を文字表示するセグメント方式の情報表示領域51E、などを形成してある。
【0075】
表示ECU52は、CAN通信などの車内通信によってエンジンECU18やメインECU29などに相互通信可能に接続してある。これにより、表示ECU52は、回転センサ17の出力、SLセンサ38の出力、増速スイッチ39の出力、減速スイッチ40の出力、FRCLセンサ42の出力、LAセンサ46の出力、燃料の残量を検出する残量センサ53の出力、及び、冷却水の温度を検出する水温センサ54の出力、などをエンジンECU18及びメインECU29から受け取ることができる。
【0076】
そして、表示ECU52は、回転センサ17の出力に基づいてタコメータ48により表示するエンジン回転数を変更し、残量センサ53の出力に基づいて燃料計49により表示する燃料の残量を変更し、水温センサ54の出力に基づいて水温計50により表示する冷却水の温度を変更し、増速スイッチ39及び減速スイッチ40の出力に基づいて主変速段表示領域51Aに表示する主変速装置の変速段を変更し、SLセンサ38の出力に基づいて副変速段表示領域51Bに表示する副変速装置の変速段を変更し、FRCLセンサ42の出力に基づいて前後進表示領域51Cに表示する前後進切換装置の作動状態を変更し、LAセンサ46の出力に基づいて高さ表示領域51Dに表示するリフトアーム20の上下揺動角度を変更する。
【0077】
回転センサ17は、エンジン1の出力回転数を検出するものであることから、その検出に基づいてエンジン1が稼働状態であるか否かを判別することができる。そこで、このトラクタでは、エンジン1が稼働状態であるか否かを検出するエンジン稼働検出手段Bを回転センサ17により構成してある(図2参照)。
【0078】
又、前述したように、このトラクタでは、CPセンサ36の出力とSLセンサ38の出力とFRCLセンサ42の出力とPTOスイッチ43の出力に基づいて、トラクタが作業状態であるか否かを判別することができる。そこで、このトラクタでは、トラクタが作業状態であるか否かを検出する作業状態検出手段Cを、CPセンサ36とSLセンサ38とFRCLセンサ42とPTOスイッチ43により構成してある(図2参照)。
【0079】
図2に示すように、表示ECU52には、エンジン1の稼働時間を計測するタイマ52Aや、エンジン1の稼働時間を積算する稼働時間積算手段52B、などを備えている。
【0080】
タイマ52Aは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知した場合にエンジン1の稼働時間をカウントする。
【0081】
稼働時間積算手段52Bは、タイマ52Aの出力に基づいてエンジン1の総稼働時間を積算する総稼働時間演算処理を行なう。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合には、前述した総稼働時間積算処理とともに、作業状態でのタイマ52Aの出力に基づいて作業状態でのエンジン1の稼働時間を積算する作業時稼働時間演算処理を行なう。そして、メータパネル47の左下方に備えたリセットスイッチ55が出力する稼働時間リセット指令を受け取った場合は、稼働時間リセット指令を受け取るまでに積算した作業状態でのエンジン1の稼働時間をリセットし、リセット後の作業状態でのタイマ52Aの出力に基づいてリセット後の作業状態でのエンジン1の稼働時間を積算する。
【0082】
メインECU29には、エンジン1の稼働時間を計測するタイマ29C、燃費を演算する燃費演算手段29D、及び、燃料の使用量を演算する使用量演算手段29E、などを備えている。
【0083】
タイマ29Cは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、エンジン回転数が設定回転数(例えば100回転)以上であることを検知した場合にエンジン1の稼働時間をカウントする。
【0084】
燃費演算手段29Dは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合には、非作業状態での燃費を演算する非作業時燃費演算処理を行う。又、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合には、作業状態での燃費を演算する作業時燃費演算処理を行なう。
【0085】
非作業時燃費演算処理では、トラクタの非作業状態においてエンジンECU18が出力する燃料噴射量や回転センサ17の出力、及び、EEPROMに書き込んだ瞬間燃費算出用の各種の数値、などを瞬間燃費算出用の計算式に代入して算出した値に、所定の時定数(例えば200ms)によるローパスフィルタ処理を行なうことにより、非作業状態での瞬間燃費を演算する。
【0086】
又、この演算で得た非作業状態での瞬間燃費、非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを所定の計算式に代入して非作業状態での平均燃費(単位時間当たりの燃料消費量)を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する非作業時平均燃費リセット指令を受け取った場合は、その非作業時平均燃費リセット指令を受け取るまでに算出した非作業状態での平均燃費をリセットし、リセット後に得た非作業状態での瞬間燃費、リセット後の非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入してリセット後の非作業状態での平均燃費を算出する。
【0087】
作業時燃費演算処理では、トラクタの作業状態においてエンジンECU18が出力する燃料噴射量や回転センサ17の出力、及び、EEPROMに書き込んだ瞬間燃費算出用の各種の数値、などを瞬間燃費算出用の計算式に代入して算出した値に、所定の時定数(例えば200ms)によるローパスフィルタ処理を行なうことにより、作業状態での瞬間燃費を演算する。
【0088】
又、この演算で得た作業状態での瞬間燃費、作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを所定の計算式に代入して作業状態での平均燃費を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する作業時平均燃費リセット指令を受け取った場合は、その作業時平均燃費リセット指令を受け取るまでに算出した作業状態での平均燃費をリセットし、リセット後に得た作業状態での瞬間燃費、リセット後の作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入してリセット後の作業状態での平均燃費を算出する。
【0089】
使用量演算手段29Eは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合には、非作業状態での燃料の使用量を演算する非作業時使用量演算処理を行う。又、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合には、作業状態での燃料の使用量を演算する作業時使用量演算処理を行なう。
【0090】
非作業時使用量演算処理では、燃費演算手段29Dが出力する非作業状態での瞬間燃費、非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入して非作業状態での燃料の使用量を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する非作業時使用量リセット指令を受け取った場合は、その非作業時使用量リセット指令を受け取るまでに算出した非作業状態での燃料の使用量をリセットし、リセット後に得た非作業状態での瞬間燃費、リセット後の非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入してリセット後の非作業状態での燃料使用量を算出する。
【0091】
作業時使用量演算処理では、燃費演算手段29Dが出力する作業状態での瞬間燃費、作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入して作業状態での燃料の使用量を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する作業時使用量リセット指令を受け取った場合は、その作業時使用量リセット指令を受け取るまでに算出した作業状態での燃料の使用量をリセットし、リセット後に得た作業状態での瞬間燃費、リセット後の作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入してリセット後の作業状態での燃料使用量を算出する。
【0092】
そして、上記の各演算処理で得たエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での瞬間燃費、作業状態での瞬間燃費、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料の使用量、及び、作業状態での燃料の使用量は、表示ECU52の制御作動によって情報表示領域51Eに切り替え表示することができる。
【0093】
つまり、表示ECU52が、稼働時間積算手段52Bの出力、燃費演算手段29Dの出力、及び、使用量演算手段29Eの出力、に基づいて液晶表示部51の作動を制御する表示制御手段Dとして機能する。又、情報表示領域51Eが、エンジン1の稼働時間を表示する稼働時間表示領域E、燃費を表示する燃費表示領域F、及び、燃料の使用量を表示する使用量表示領域G、として機能する。
【0094】
図2及び図5〜9に示すように、表示ECU52は、メータパネル47の近くに備えたキースイッチ56のオン操作により起動すると、EEPROMに書き込んだエンジン1の総稼働時間などの各種の情報を読み出し、情報表示領域51Eにエンジン1の総稼働時間を表示させる〔図5参照〕。
【0095】
エンジン1の総稼働時間を表示している総稼働時間表示状態において、リセットスイッチ55に隣接した表示切替スイッチ57が出力する作業時稼働時間表示用の表示切り替え指令を受け取ると、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態から作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する作業時稼働時間表示状態に切り替える〔図6参照〕。
【0096】
この作業時稼働時間表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する瞬間燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、稼働時間表示状態から瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示状態に切り替える〔図7参照〕。
【0097】
この瞬間燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する平均燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、瞬間燃費表示状態から平均燃費を表示する平均燃費表示状態に切り替える〔図8参照〕。
【0098】
この平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する燃料使用量表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、平均燃費表示状態から燃料の使用量を表示する燃料使用量表示状態に切り替える〔図9参照〕。
【0099】
この燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する総稼働時間表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、燃料使用量表示状態から総稼働時間表示状態に切り替える〔図5参照〕。
【0100】
又、瞬間燃費表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに非作業状態での瞬間燃費を表示させる(非作業時瞬間燃費表示状態)。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに作業状態での瞬間燃費を表示させる(作業時瞬間燃費表示状態)。
【0101】
平均燃費表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに非作業状態での平均燃費を表示させる(非作業時平均燃費表示状態)。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに作業状態での平均燃費を表示させる(作業時平均燃費表示状態)。
【0102】
燃料使用量表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに非作業状態での燃料使用量を表示させる(非作業時使用量表示状態)。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに作業状態での燃料使用量を表示させる(作業時使用量表示状態)。
【0103】
更に、非作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する作業時平均燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を非作業時平均燃費表示状態から作業時平均燃費表示状態に切り替える。この作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する非作業時平均燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を作業時平均燃費表示状態から非作業時平均燃費表示状態に切り替える。
【0104】
非作業時燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する作業時使用量表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を非作業時使用量表示状態から作業時使用量表示状態に切り替える。この作業時使用量表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する非作業時使用量表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を作業時使用量表示状態から非作業時使用量表示状態に切り替える。
【0105】
表示切替スイッチ57はモーメンタリ式であり、表示ECU52は、総稼働時間表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、作業状態でのエンジン1の稼働時間の表示を指令する表示切り替え指令(作業時稼働時間表示指令)として受け取る。
【0106】
作業時稼働時間表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、瞬間燃費の表示を指令する表示切り替え指令(瞬間燃費表示指令)として受け取る。
【0107】
瞬間燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、平均燃費の表示を指令する表示切り替え指令(平均燃費表示指令)として受け取る。
【0108】
平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、燃料使用量の表示を指令する表示切り替え指令(燃料使用量表示指令)として受け取る。
【0109】
燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、エンジン1の総稼働時間の表示を指令する表示切り替え指令(総稼働時間表示指令)として受け取る。
【0110】
又、非作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での平均燃費の表示を指令する表示切り替え指令(作業時平均燃費表示指令)として受け取る。
【0111】
作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での平均燃費の表示を指令する表示切り替え指令(非作業時平均燃費表示指令)として受け取る。
【0112】
非作業時燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での燃料使用量の表示を指令する表示切り替え指令(作業時使用量表示指令)として受け取る。
【0113】
作業時燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での燃料使用量の表示を指令する表示切り替え指令(非作業時使用量表示指令)として受け取る。
【0114】
つまり、表示切替スイッチ57が、作業時稼働時間表示指令、瞬間燃費表示指令、平均燃費表示指令、燃料使用量表示指令、総稼働時間表示指令、作業時平均燃費表示指令、非作業時平均燃費表示指令、作業時使用量表示指令、及び非作業時使用量表示指令、を出力する指令手段Hとして機能する。
【0115】
又、作業状態検出手段Cが、作業時瞬間燃費表示指令、非作業時瞬間燃費表示指令、作業時平均燃費表示指令、非作業時平均燃費表示指令、作業時使用量表示指令、及び非作業時使用量表示指令、を出力する指令手段Iとして機能する。
【0116】
この構成から、表示切替スイッチ57を短押し操作することにより、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態と瞬間燃費表示状態と平均燃費表示状態と燃料使用量表示状態とに、その順に循環して切り替えることができる。
【0117】
そして、この切り替え表示により、移動走行などの非作業状態では、液晶表示部51の情報表示領域51Eに、非作業状態においてトラクタを経済的に使用する上での指標となる非作業状態での瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。
【0118】
又、前進走行しながら肥料散布装置22により肥料を散布する作業状態では、液晶表示部51の情報表示領域51Eに、作業状態においてトラクタを経済的に使用する上での指標となる作業状態での瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。
【0119】
その上、非作業状態と作業状態とにかかわらず、液晶表示部51の情報表示領域51Eに、オイル交換などのメンテナンスの指標となるエンジン1の総稼働時間や、肥料散布作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。
【0120】
しかも、それらの表示情報のうち、非作業状態での各情報は、作業状態検出手段Cの出力に基づく非作業状態の検知に従って、又、作業状態での各情報は、作業状態検出手段Cの出力に基づく作業状態の検知に従って、稼働時間積算手段52B、燃費演算手段29D、及び、使用量演算手段29Eが算出するものであることから、そのときのトラクタの使用状態においてトラクタをより経済的に使用する上でのより適切な指標となる。
【0121】
その結果、液晶表示部51の情報表示領域51Eに表示される燃費や燃料使用量などを考慮してトラクタを運転することにより、トラクタの使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0122】
そして、液晶表示部51に備えた一つの情報表示領域51Eを、オイル交換などのメンテナンスの指標となるエンジン1の総稼働時間を表示するアワーメータ〔図5参照〕、肥料散布作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する作業用のトリップメータ〔図6参照〕、トラクタをより経済的に使用するための指標となる瞬間燃費や平均燃費を表示する燃費計〔図7及び図8参照〕、及び、燃料の使用量を表示する消費燃料計〔図9参照〕として機能させることにより、メータパネル47に、瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示するための専用のメータを設ける必要がなく、又、液晶表示部51に、瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示するための専用の表示領域を確保する必要がないことから、メータパネル47や液晶表示部51の大型化を回避することができる。
【0123】
つまり、メータパネル47や液晶表示部51の大型化を招くことなく、トラクタをより経済的に使用する上での指標となるより適切な瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示することができ、トラクタのより経済的な使用を促進させることができる。
【0124】
リセットスイッチ55はモーメンタリ式であり、表示ECU52は、作業時稼働時間表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態でのエンジン1の稼働時間のリセットを指令する稼働時間リセット指令として受け取る。
【0125】
非作業時平均燃費表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での平均燃費のリセットを指令する非作業時平均燃費リセット指令として受け取る。
【0126】
作業時平均燃費表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での平均燃費のリセットを指令する作業時平均燃費リセット指令として受け取る。
【0127】
非作業時燃料使用量表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での燃料使用量のリセットを指令する非作業時使用量リセット指令として受け取る。
【0128】
作業時燃料使用量表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での燃料使用量のリセットを指令する作業時使用量リセット指令として受け取る。
【0129】
以上の構成から、例えば、キースイッチ56をオン操作して表示ECU52を起動させた後、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をリセットすれば、今回の肥料散布作業における作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量を容易に得ることができる。
【0130】
又、複数の圃場で肥料の散布を行なう場合には、次の圃場で作業を開始するごとに、作業状態でのエンジン1の稼働時間、作業状態での平均燃費、及び、作業状態での燃料使用量をリセットすれば、圃場ごとの作業状態でのエンジン1の稼働時間、作業状態での平均燃費、及び、作業状態での燃料使用量を容易に得ることができる。
【0131】
つまり、作業状態での平均燃費や燃料の使用量を、それぞれの圃場においてトラクタをより経済的に使用する上でのより適切な指標とすることができ、利用状況に適したより経済的なトラクタの使用を効果的に促進させることができる。
【0132】
表示ECU52は、作業時稼働時間表示状態、非作業時平均燃費表示状態、作業時平均燃費表示状態、非作業時燃料使用量表示状態、及び、作業時燃料使用量表示状態、のそれぞれにおいて、リセットスイッチ55の押し操作が所定時間に達した場合には、メータパネル47に備えたブザー58を1回作動させて、そのときのリセットスイッチ55の長押し操作に基づいて、そのときの情報表示領域51Eに表示している、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量、のうちのいずれかの情報をリセットすることを操縦者に報知する。
【0133】
これにより、リセットスイッチ55の長押し操作に基づくリセット操作が行われたか否かを操縦者に認識させることができる。
【0134】
図2及び図7〜9に示すように、表示ECU52は、瞬間燃費表示状態においてリセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合には、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を単位切り換え指令として受け取る。そして、この単位切り換え指令に基づいて、情報表示領域51Eでの表示単位をリットル表示〔図7〜9の(A)参照〕とガロン表示〔図7〜9の(B)参照〕とに切り換え、そのときの表示単位に応じた単位換算を行なう。
【0135】
これにより、情報表示領域51Eにおいて、瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料使用量を表示する際の表示単位のリットル表示とガロン表示との切り換えを簡単に行なうことができ、表示単位に応じた適切な値を情報表示領域51Eに表示することができる。
【0136】
表示ECU52は、瞬間燃費表示状態において、リセットスイッチ55の押し操作が所定時間に達した場合には、ブザー58を1回作動させて、そのときのリセットスイッチ55の長押し操作に基づいて、情報表示領域51Eでの表示単位の切り換えを行うことを操縦者に報知する。
【0137】
これにより、リセットスイッチ55の長押し操作に基づく情報表示領域51Eでの表示単位の切り換えが行われたか否かを操縦者に認識させることができる。
【0138】
図5〜9に示すように、表示ECU52は、総稼働時間表示状態及び作業時稼働時間表示状態では表示単位として「h」を表示する〔図5及び図6参照〕。瞬間燃費表示状態及び平均燃費表示状態では表示単位として「L/h」又は「G/h」を簡略化した「Lh」又は「Gh」を表示する〔図7及び図8参照〕。燃料使用量表示状態では表示単位として「L」又は「G」を表示する〔図9参照〕。又、平均燃費表示状態では、その識別記号として平均燃費の前に「Average」の頭文字である「A」を付設する〔図8参照〕。燃料使用量表示状態では、その識別記号として燃料使用量の前に「Total」の頭文字である「T」を付設する〔図9参照〕。これにより、操縦者は、情報表示領域51Eで表示している値が、エンジン1の稼働時間、瞬間燃費、平均燃費、及び、燃料使用量のいずれであるかを容易に識別することができる。
【0139】
図4に示すように、液晶表示部51には、情報表示領域51Eの表示状態が総稼働時間表示状態であるか作業時稼働時間表示状態であるかの識別を可能にするための稼働時間識別領域51Fを形成してある。稼働時間識別領域51Fは、表示ECU52の制御作動により、情報表示領域51Eの表示状態が作業時稼働時間表示状態である場合にのみ、作業時稼働時間に対応させた「TRIP」を表示するように構成してある。
【0140】
図示は省略するが、表示ECU52は、瞬間燃費表示状態において、瞬間燃費が平均燃費を下回っている場合や瞬間燃費が平均燃費と同じである場合には瞬間燃費の値を点灯表示し、瞬間燃費が平均燃費を上回っている場合には瞬間燃費の値を点滅表示する。又、平均燃費表示状態において、瞬間燃費が平均燃費を下回っている場合や瞬間燃費が平均燃費と同じである場合には平均燃費の値を点灯表示し、瞬間燃費が平均燃費を上回っている場合には平均燃費の値を点滅表示する。
【0141】
これにより、情報表示領域51Eにより表示している瞬間燃費又は平均燃費が点滅している(瞬間燃費が平均燃費を上回っている)場合には、瞬間燃費又は平均燃費が点灯する(瞬間燃費が平均燃費を上回らない)ようにエンジン回転数や主変速装置の変速段を変更することにより、燃費を向上させることができる。
【0142】
つまり、瞬間燃費表示状態と平均燃費表示状態のいずれにおいても、瞬間燃費が平均燃費を上回っているか否かを操縦者に容易に認識させることができ、トラクタのより経済的な運転を操縦者に促すことができる。
【0143】
図2、図3、図7、図8及び図10に示すように、表示ECU52は、瞬間燃費表示状態又は平均燃費表示状態において、リセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が同時に行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、瞬間燃費と平均燃費の同時表示を指令する瞬間平均同時表示指令として受け取る。
【0144】
そして、この瞬間平均同時表示指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、瞬間燃費表示状態又は平均燃費表示状態から、瞬間燃費と平均燃費とを情報表示領域51Eにひとまとめにして同時にグラフ表示する瞬間平均同時表示状態に切り替える〔図10参照〕。
【0145】
又、この瞬間平均同時表示状態において、リセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が同時に行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、瞬間平均同時表示状態の前の表示状態が瞬間燃費表示状態であれば瞬間燃費表示指令として、又、瞬間平均同時表示状態の前の表示状態が平均燃費表示状態であれば平均燃費表示指令として受け取る。
【0146】
そして、瞬間燃費表示指令として受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を瞬間平均同時表示状態から瞬間燃費表示状態に切り替え、平均燃費表示指令として受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を瞬間平均同時表示状態から平均燃費表示状態に切り替える。
【0147】
尚、瞬間平均同時表示状態では、瞬間燃費を情報表示領域51Eにおける下側の縦向きのセグメントを利用して短尺表示し、平均燃費を情報表示領域51Eにおける上下の縦向きのセグメントを利用して長尺表示してある。
【0148】
つまり、瞬間平均同時表示状態では、非作業状態と作業状態とにかかわらず、瞬間燃費と平均燃費とを一つの情報表示領域51Eにおいて比較可能に同時表示することができる。これにより、液晶表示部51に瞬間燃費表示用と平均燃費表示用の二つの燃費表示領域を備えることなく、瞬間燃費が平均燃費を上回っているか否かを操縦者に容易に認識させることができ、トラクタのより経済的な運転を操縦者に促すことができる。
【0149】
ちなみに、図10の(A)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っていない状態であり、図10の(B)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っている状態である。
【0150】
図11に示すように、表示ECU52は、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間が作業時稼働時間表示状態での表示限界値を超える場合には、作業時稼働時間表示状態でのエンジン稼働時間の表示をバー表示とする〔図11の(A)参照〕。又、非作業状態と作業状態とにかかわらず、算出した燃料の使用量が燃料使用量表示状態での表示限界値を超える場合には、燃料使用量表示状態での燃料使用量の表示をバー表示とする〔図11の(B)参照〕。
【0151】
更に、算出する作業状態でのエンジン1の稼働時間が表示ECU52の処理能力を超える場合には、作業時稼働時間表示状態でのエンジン稼働時間の表示をバー表示とし〔図11の(A)参照〕、平均燃費表示状態での平均燃費の表示をバー表示とする〔図11の(C)参照〕。又、非作業状態と作業状態とにかかわらず、算出する燃料の使用量がメインECU29の処理能力を超える場合には、燃料使用量表示状態での燃料使用量の表示をバー表示とし〔図11の(B)参照〕、平均燃費表示状態での平均燃費の表示をバー表示とする〔図11の(C)参照〕。
【0152】
これにより、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間、又は、燃料の使用量が表示限界値を超える場合には、エンジン1の稼働時間又は燃料の使用量をバー表示することにより、エンジン1の稼働時間や燃料の使用量及び平均燃費のリセットを操縦者に促すことができる。
【0153】
又、算出する作業状態でのエンジン1の稼働時間、又は、燃料の使用量が表示ECU52又はメインECU29の処理能力を超える場合には、作業状態でのエンジン1の稼働時間又は燃料の使用量とともに平均燃費をバー表示することにより、誤った平均燃費が情報表示領域51Eに表示されることを防止することができ、かつ、作業状態でのエンジン1の稼働時間や燃料の使用量及び平均燃費のリセットを操縦者に促すことができる。
【0154】
尚、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間又は燃料の使用量が表示限界値を超える場合、あるいは、算出する作業状態でのエンジン1の稼働時間又は燃料の使用量が表示ECU52又はメインECU29の処理能力を超える場合に、表示ECU52又はメインECU29が、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間や燃料の使用量及び平均燃費を自動的にリセットして、誤った平均燃費が情報表示領域51Eに表示されることを防止するように構成してもよい。そして、この構成おいては、自動リセットの発生を操縦者に報知するブザーやランプなどの報知手段を設けるようにしてもよい。又、自動リセットを行なうか否かの選択を可能にする選択スイッチなどの選択手段を設けるようにしてもよい。
【0155】
図2に示すように、メインECU29及び表示ECU52は、キースイッチ56のオフ操作に基づいて作動停止する際には、それまでに算出したエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をEEPROMに書き込み保存する書き込み処理を行なう。
【0156】
又、回転センサ17の出力に基づいてエンジンストールの発生を検知した場合、例えば、エンジン回転数が第1所定回転数(例えば300回転)以上になり、その後、第2所定回転数(例えば100回転)以下まで低下した場合にも、それまでに算出したエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をEEPROMに書き込み保存する書き込み処理を行なう。
【0157】
これにより、エンジンストールした後に、キースイッチ56のオフ操作を行わずに、キースイッチ56の操作でエンジン1を再始動させることにより、メインECU29及び表示ECU52のCPUなどがリセットされた場合であっても、エンジンストールするまでに算出したエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をEEPROMに書き込み保存することができ、エンジン1の再始動とともにEEPROMから読み出すことができる。
【0158】
尚、エンジンストールの発生検知条件としては種々の変更が可能である。
【0159】
〔別実施形態〕
【0160】
〔1〕作業機としては、田植機やコンバインなどの農用作業機、あるいは、バックホーやホイールローダなどの建設用作業機、などであってもよい。
【0161】
〔2〕作業機に装備する作業装置としては、薬剤散布装置、播種装置、ロータリ耕耘装置、プラウ、フロントローダ、モーア、溝切り装置、畦塗り装置、などであってもよい。
【0162】
〔3〕作業機にロータリ耕耘装置や代掻き装置などの作業装置を連結する場合には、リンク機構21として、作業装置のローリング駆動を可能にするローリングシリンダを備えたものを採用すれば、作業機にロータリ耕耘装置や代掻き装置などの作業装置(図示せず)を昇降可能かつローリング可能に連結することができる。
【0163】
〔4〕エンジン1として、電子制御式分配型のディーゼルエンジンや電子制御式のガソリンエンジンなどを搭載するようにしてもよい。
【0164】
〔5〕表示手段Aとしては、稼働時間表示領域Eと燃費表示領域Fと使用量表示領域Gとを個別に備え、稼働時間表示領域Eでは、エンジン1の総稼働時間と作業状態でのエンジン1の稼動時間とを切り替え表示し、燃費表示領域Fでは、非作業状態での瞬間燃費と作業状態での瞬間燃費と非作業状態での平均燃費と作業状態での平均燃費とを切り替え表示し、使用量表示領域Gでは、非作業状態での燃料使用量と作業状態での燃料使用量とを切り替え表示するように構成したものであってもよい。
【0165】
この構成においては、作業状態検出手段Cが、総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能し、それらの指令に基づいて、表示手段Aが、非作業状態では稼働時間表示領域Eにおいてエンジン1の総稼働時間を表示し、かつ、作業状態では稼働時間表示領域Eにおいて作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示するように、又、表示切替スイッチ57が瞬間燃費表示指令と平均燃費表示指令とを出力する指令手段(H)として機能するように構成してもよい。
【0166】
〔6〕表示手段Aとしては、稼働時間表示領域Eと燃費表示領域Fとを個別に備え、燃費表示領域Fが使用量表示領域Gとして機能するように、燃費表示領域Fにおいて、非作業状態での瞬間燃費と作業状態での瞬間燃費と非作業状態での平均燃費と作業状態での平均燃費と非作業状態での燃料使用量と作業状態での燃料使用量とを切り替え表示するように構成したものであってもよい。
【0167】
この構成においては、作業状態検出手段Cが、総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能し、それらの指令に基づいて、表示手段Aが、非作業状態では稼働時間表示領域Eにおいてエンジン1の総稼働時間を表示し、かつ、作業状態では稼働時間表示領域Eにおいて作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示するように、又、表示切替スイッチ57が、瞬間燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と平均燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と使用量表示指令とを出力する指令手段(H)として機能するように構成してもよい。
【0168】
〔7〕表示手段Aとしては、燃費表示領域Fと使用量表示領域Gとを個別に備え、燃費表示領域Fが稼働時間表示領域Eとして機能するように、燃費表示領域Fにおいて、エンジン1の総稼働時間と作業状態でのエンジン1の稼動時間と非作業状態での瞬間燃費と作業状態での瞬間燃費と非作業状態での平均燃費と作業状態での平均燃費とを切り替え表示するように構成したものであってもよい。
【0169】
この構成においては、表示切替スイッチ57が、瞬間燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と平均燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能し、作業状態検出手段Cが、総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能するように構成してもよい。
【0170】
〔8〕表示手段Aとしては、情報表示領域51E(燃費表示領域F及び使用量表示領域G)での表示単位のリットル表示とガロン表示との切り換えを行なわずに、リットル表示とガロン表示のいずれか一方のみとするものであってもよい。
【0171】
〔9〕表示手段Aにおける情報表示領域51E(燃費表示領域F)での燃費の表示単位として、立法センチメートル/秒(cc/sec)や立法センチメートル/分(cc/min)を採用するようにしてもよい。又、情報表示領域51E(燃費表示領域F)での表示単位を、リットル表示とガロン表示と立法センチメートル表示とに切り換え可能に構成してもよい。
【0172】
〔10〕表示手段Aとしては、ドットマトリクス方式の液晶表示領域や、セグメント方式又はドットマトリクス方式のLED表示領域などを備えるものであってもよい。
【0173】
〔11〕表示手段Aの情報表示領域51E(稼働時間表示領域E、燃費表示領域F、使用量表示領域G)に、液晶によるドットマトリクス方式のものやLEDによるセグメント方式又はドットマトリクス方式のものなどを採用してもよい。
【0174】
〔12〕表示手段Aとしては、情報表示領域51E(燃費表示領域F)での燃費表示として瞬間燃費と平均燃費の同時グラフ表示(瞬間平均同時表示状態)のみを行ない、瞬間燃費と平均燃費の個別表示(瞬間燃費表示状態と瞬間燃費表示状態)を行なわないように構成したものであってもよい。
【0175】
又逆に、情報表示領域51E(燃費表示領域F)での燃費表示として瞬間燃費と平均燃費の個別表示(瞬間燃費表示状態と瞬間燃費表示状態)のみを行ない、瞬間燃費と平均燃費の同時グラフ表示(瞬間平均同時表示状態)を行なわないように構成したものであってもよい。
【0176】
〔13〕表示手段Aとしては、非作業状態での瞬間燃費、非作業状態での平均燃費、及び、非作業状態での燃料使用量、のうちのいずれか又は全ての表示を行なわないように構成したものであってもよい。
【0177】
〔14〕図12に示すように、情報表示領域51E(燃費表示領域F)を液晶又はLEDによるドットマトリクス方式に構成して、瞬間燃費と平均燃費とをひとまとめにして同時にグラフ表示するように構成してもよい。尚、図12においては、情報表示領域51E(燃費表示領域F)の中間部に明表示(白表示)した平均燃費に対して、暗表示(黒表示)した瞬間燃費を移動させることにより、瞬間燃費と平均燃費との比較を行ない易くしてある。ちなみに、図12の(A)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っていない状態であり、図12の(B)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っている状態である。
【0178】
〔15〕情報表示領域51E(燃費表示領域F)に瞬間燃費と平均燃費とをひとまとめにして同時にグラフ表示する瞬間平均同時表示状態においては、瞬間燃費と平均燃費のいずれか一方を点灯表示し、他方を点滅表示するように構成してもよい。
【0179】
〔16〕エンジン稼働検出手段Bをキースイッチ56により構成し、メインECU29及び表示制御手段D(表示ECU52)が、キースイッチ56のスタート位置(エンジン始動位置)への操作に基づいてエンジン1の稼働を検知し、キースイッチ56のオフ位置(エンジン停止位置)への操作に基づいてエンジン1の稼働停止を検知するように構成してもよい。
【0180】
〔17〕作業状態検出手段Cの構成としては、作業機の構成や作業機に装備する作業装置あるいは作業形態などに応じて種々の変更が可能である。
【0181】
例えば、トラクタの後部に、ロータリ耕耘装置などのようにPTO軸6からの動力で作動する作業装置を連結する場合には、PTO軸6の回転を検出する回転センサ、又は、PTO軸6への伝動を断続する作業用クラッチの作動状態を検出するクラッチセンサ、などにより作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0182】
トラクタの後部に、ロータリ耕耘装置や代掻き装置などの接地作業式の作業装置を連結する場合には、リフトアーム20の上下揺動角度を検出するLAセンサ46により作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0183】
トラクタの後部に、プラウなどの牽引式の作業装置を連結する場合には、牽引検出用の歪ゲージにより作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0184】
作業装置が、ロータリ耕耘装置や田植機の苗植付装置のように接地作業式で接地センサ(ロータリ耕耘装置では、ロータリ耕耘装置に備えた耕耘カバーの接地を検出するカバーセンサ、苗植付装置では、苗植付装置に備えた整地フロートの接地を検出するフローとセンサ)を備えるものであれば、接地センサにより作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0185】
〔18〕表示制御手段D(表示ECU52)に燃費演算手段29Dや使用量演算手段29Eを備えるように構成してもよい。又、表示制御手段D(表示ECU52)をメインECU29に統合するようにしてもよい。
【0186】
〔19〕燃費演算手段29Dによる瞬間燃費や平均燃費の算出方法は種々の変更が可能である。例えば、燃費演算手段29Dが、エンジンECU18が出力する燃料噴射量、回転センサ17の出力、タイマ29Cの出力、EEPROMに記憶した平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入して平均燃費を算出するように構成してもよい。又、燃料の残量を検出する残量センサ53の出力、タイマ29Cの出力、EEPROMに記憶した平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入して平均燃費を算出するように構成してもよい。
【0187】
〔20〕作業状態での平均燃費及び非作業状態での平均燃費として、単位容量当たりのエンジンの稼働時間を表示するようにしてもよく、又、単位距離当たりの燃料消費量や単位容量当たりの走行距離などを表示するようにしてもよい。
【0188】
〔21〕使用量演算手段29Eによる燃料使用量の算出方法は種々の変更が可能である。例えば、使用量演算手段29Eが、エンジンECU18が出力する燃料噴射量などを燃料使用量算出用の計算式に代入して燃料の使用量を算出するように構成してもよい。又、残量センサ53の出力などを燃料使用量算出用の計算式に代入して燃料の使用量を算出するように構成してもよい。
【0189】
〔22〕稼働時間積算手段52Bにより非作業状態でのエンジン1の稼働時間を算出し、算出した非作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示手段Aの情報表示領域51E(稼働時間表示領域E)に切り替え表示するように構成してもよい。ちなみに、非作業状態でのエンジン1の稼働時間は、移動量や移動効率などの指標にすることができる。
【0190】
〔23〕圃場ごとや作業ごとの作業状態でのエンジン1の稼働時間、作業状態での平均燃費、作業状態での燃料使用量などを、表示制御手段D(表示ECU52)やメインECU29に書き込み保存することが可能となるように構成してもよい。
【0191】
〔24〕表示制御手段D(表示ECU52)としては、指令手段Hの出力に基づいて情報表示領域51Eの表示状態を、稼働時間表示状態と瞬間燃費表示状態と平均燃費表示状態と燃料使用量表示状態とに切り替え、稼働時間表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいて作業機の非作業状態を検知した場合は情報表示領域51Eの表示状態を総稼働時間表示状態とし、作業状態検出手段Cの出力に基づいて作業機の作業状態を検知した場合は情報表示領域51Eの表示状態を作業時稼働時間表示状態とするように構成してもよい。
【0192】
〔25〕表示制御手段D(表示ECU52)としては、情報表示領域51Eの表示状態を作業時稼働時間表示状態と作業時平均燃費表示状態と作業時使用量表示状態のいずれかに切り替えた場合において、リセットスイッチ55が出力するリセット指令を受け取ると、作業状態でのエンジン1の稼働時間と作業状態での平均燃費と作業状態での燃料使用量とを一括してリセットし、かつ、非作業時平均燃費表示状態と非作業時使用量表示状態のいずれか(非作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する構成においては非作業時稼働時間表示状態を含む)に切り替えた場合において、リセットスイッチ55が出力するリセット指令を受け取ると、非作業状態での平均燃費と非作業状態での燃料使用量と(非作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する構成においては非作業状態でのエンジン1の稼働時間を含む)を一括してリセットするように構成したものであってもよい。
【0193】
〔26〕表示制御手段D(表示ECU52)が、指令手段H(表示切替スイッチ57)の出力に基づいて情報表示領域51Eの表示状態を切り替える順番としては種々の変更が可能である。例えば、表示制御手段Dが、指令手段Hの出力に基づいて情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態、作業時稼働時間表示状態、燃料使用量表示状態、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0194】
〔27〕指令手段Hをタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、総稼働時間表示状態、作業時稼働時間表示状態、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0195】
〔28〕指令手段Hを表示切替スイッチ57とタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、表示切替スイッチ57の出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態とに切り替え、かつ、作業時稼働時間表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、作業時稼働時間表示状態、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0196】
〔29〕指令手段Hを表示切替スイッチ57とタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、表示切替スイッチ57の出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、稼働時間表示状態と燃料情報表示状態とに切り替え、かつ、稼働時間表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態とに切り替え、又、燃料情報表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0197】
〔30〕指令手段Hを表示切替スイッチ57とタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、表示切替スイッチ57の出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態と燃料情報表示状態とに切り替え、かつ、燃料情報表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0198】
〔31〕指令手段Hを単一の多接点スイッチにより構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明に係る作業機の表示構造は、トラクタ以外に、田植機やコンバインなどの農用作業機、あるいは、バックホーやホイールローダなどの建設用作業機、などに適用することができる。
【符号の説明】
【0200】
1 エンジン
29D 燃費演算手段
29E 使用量演算手段
52B 稼働時間積算手段
A 表示手段
B エンジン稼働検出手段
C 作業状態検出手段
D 表示制御手段
E 稼働時間表示領域
F 燃費表示領域
G 使用量表示領域
H 指令手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの稼働時間などを表示する表示手段を備えた作業機の表示構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタなどの作業機では、エンジン回転数を表示するタコメータや各種の表示灯などを備えたメータパネルに、エンジンの稼働時間や燃料の残量などの情報を表示する複数の表示領域を備えた液晶式のディスプレイなどを表示手段として装備したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−37302号公報(段落番号0025、0050、図10、14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、乗用車においては、乗用車のより経済的な運転を可能にするための指標となる燃費を、メータパネルに備えた燃費表示部に表示するようにしてある。そして、トラクタなどの作業機においても、作業機のより経済的な使用を可能にするために、メータパネルなどにおいて燃費を表示することが考えられている。
【0005】
しかしながら、作業機の使用状態としては、走行を停止して作業を行う定置作業状態や走行しながら作業を行う作業走行状態といった作業状態と、作業を行わずに移動するだけの移動走行などの非作業状態とがあることから、単に燃費を表示するようにしても、表示している燃費が、そのときの作業機の使用状態において、作業機をより経済的に使用するための適切な指標になっているとは言い難く、作業機のより経済的な使用を可能にする上においては更なる創意工夫を凝らす必要がある。
【0006】
本発明の目的は、作業機に適した燃費表示を行なうことにより、作業機のより経済的な使用を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、
作業状態か否かを検出する作業状態検出手段と、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃費を演算する燃費演算手段と、
前記燃費を表示する燃費表示領域を有する表示手段と、
前記燃費演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御する表示制御手段を備えて、
前記燃費演算手段が出力する前記作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする。
【0008】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の燃費表示領域に作業状態での燃費を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その作業状態での燃費は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて燃費演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0009】
従って、表示手段の燃費表示領域に表示される作業状態での燃費を考慮して作業機を運転することにより、作業機の作業時での使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0010】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、
前記燃費演算手段が、前記燃費として瞬間燃費と平均燃費を演算し、
前記燃費演算手段が出力する前記瞬間燃費及び前記平均燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする。
【0011】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の燃費表示領域に作業状態での瞬間燃費や平均燃費を表示して操縦者に把握させることができる。これにより、操縦者は、把握した作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを比較することにより、このときの作業状態において作業機を経済的に使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0012】
そして、その作業状態での瞬間燃費及び平均燃費は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて燃費演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0013】
従って、表示手段の燃費表示領域に表示される作業状態での瞬間燃費や平均燃費を考慮して作業機を運転することにより、作業機の作業時での使用状態に適したより経済的な使用を、より簡単に可能にすることができる。
【0014】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項2に記載の発明において、
前記燃費表示領域を一つとし、
瞬間燃費表示指令と平均燃費表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示状態と前記平均燃費を表示する平均燃費表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0015】
この特徴構成によると、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを一つの燃費表示領域において切り替え表示することができる。これにより、表示手段に、瞬間燃費表示用と平均燃費表示用の二つの燃費表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0016】
従って、作業機の作業時でのより経済的な使用を可能にするための適切な燃費表示を、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら行なうことができる。
【0017】
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項2に記載の発明において、
前記燃費表示領域を一つとし、
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費とをひとまとめにして前記燃費表示領域に同時にグラフ表示することを特徴とする。
【0018】
この特徴構成によると、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを一つの燃費表示領域において同時に表示することができる。これにより、表示手段に、瞬間燃費表示用と平均燃費表示用の二つの燃費表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0019】
又、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを同時表示することにより、作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを比較し易くなる。その結果、作業状態において作業機を経済的に使用しているか否かの判断が行い易くなる。
【0020】
従って、作業機の作業時でのより経済的な使用をより簡単に可能にすることができる上に、そのための適切な燃費表示を、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら行なうことができる。
【0021】
本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項4に記載の発明において、
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費のうちのいずれか一方を点灯表示し、他方を点滅表示することを特徴とする。
【0022】
この特徴構成によると、表示手段としてモノクロ表示の安価なものを採用しながら、一つの燃費表示領域に同時に表示した作業状態での瞬間燃費と平均燃費とを容易に判別することができる。
【0023】
従って、作業機の作業時でのより経済的な使用をより簡単に可能にするための適切な燃費表示を、コストの削減を更に図りながら行なうことができる。
【0024】
本発明のうちの請求項6に記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、
エンジンが稼働状態か否かを検出するエンジン稼働検出手段を備え、
前記燃費演算手段が、前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃費を演算するように構成して、
非作業状態では、前記燃費演算手段が出力する前記非作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする。
【0025】
この特徴構成によると、移動走行などの非作業時には、表示手段の燃費表示領域に非作業状態での燃費(非作業状態での瞬間燃費と平均燃費のうちのいずれか一つ又は双方)を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その非作業状態での燃費は、作業の終了などに伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて燃費演算手段が算出するものであることから、そのときの非作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0026】
従って、表示手段の燃費表示領域に表示される非作業状態での燃費を考慮して作業機を運転することにより、作業機の非作業時での使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0027】
本発明のうちの請求項7に記載の発明では、上記請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする。
【0028】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の使用量表示領域に作業状態での燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その作業状態での燃料の使用量は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて使用量演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0029】
従って、表示手段の使用量表示領域に表示される作業状態での燃料の使用量を考慮して作業機を運転することにより、作業機の作業時での使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0030】
本発明のうちの請求項8に記載の発明では、上記請求項6に記載の発明において、
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃料の使用量を演算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示し、非作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記非作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする。
【0031】
この特徴構成によると、作業機を使用した作業時には、表示手段の使用量表示領域に作業状態での燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。又、移動走行などの非作業時には、表示手段の使用量表示領域に非作業状態での燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。
【0032】
そして、その作業状態での燃料の使用量は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて使用量演算手段が算出するものであることから、そのときの作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。又、その非作業状態での燃料の使用量は、作業の終了などに伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて使用量演算手段が算出するものであることから、そのときの非作業状態において作業機をより経済的に使用するための適切な指標となる。
【0033】
従って、表示手段の使用量表示領域に表示される燃料の使用量を考慮して作業機を運転することにより、作業機の使用状態に適したより経済的な使用を、作業時と非作業時とにかかわらず可能にすることができる。
【0034】
本発明のうちの請求項9に記載の発明では、上記請求項7又は8に記載の発明において、
前記使用量表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と使用量表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記燃料の使用量を表示する使用量表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0035】
この特徴構成によると、燃費と燃料の使用量とを燃費表示領域において切り替え表示することができる。これにより、表示手段に、燃費表示用と燃料使用量表示用の二つの表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0036】
従って、作業機のより経済的な使用を可能にするための適切な燃費及び燃料使用量の表示を、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら行なうことができる。
【0037】
本発明のうちの請求項10に記載の発明では、上記請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記稼働時間積算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記稼働時間積算手段が出力する前記作業状態でのエンジンの稼働時間を前記稼働時間表示領域に表示することを特徴とする。
【0038】
この特徴構成によると、表示手段の稼働時間表示領域に、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジンの稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。そして、その作業状態でのエンジンの稼働時間は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて稼働時間積算手段が積算するものであることから、そのときの作業での作業量や作業効率などの適切な指標となる。
【0039】
従って、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などのより適切な算出を可能にすることができる。
【0040】
本発明のうちの請求項11に記載の発明では、上記請求項6又は8に記載の発明において、
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知することによりエンジンの総稼働時間を積算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力と前記稼働時間積算手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記稼働時間表示領域の表示状態を、前記エンジンの総稼働時間を表示する総稼働時間表示状態と前記作業状態でのエンジンの稼働時間を表示する作業時稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0041】
この特徴構成によると、表示手段の稼働時間表示領域に、オイル交換などのメンテナンスの指標となるエンジンの総稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。又、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジンの稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。
【0042】
そして、その作業状態でのエンジンの稼働時間は、作業の開始に伴って変化する作業状態検出手段の出力に基づいて稼働時間積算手段が積算するものであることから、そのときの作業での作業量や作業効率などの適切な指標となる。
【0043】
又、稼働時間表示領域において、エンジンの総稼働時間と作業状態でのエンジンの稼働時間とを切り替え表示することにより、表示手段に、エンジンの総稼働時間表示用と作業状態でのエンジン稼働時間表示用の二つの表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0044】
従って、表示手段の省スペース化やコストの削減を図りながら、オイル交換などのメンテナンスを適切な時期に行なえる上に、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などのより適切な算出を可能にすることができる。
【0045】
本発明のうちの請求項12に記載の発明では、上記請求項10又は11に記載の発明において、
前記稼働時間表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする。
【0046】
この特徴構成によると、燃費とエンジンの稼働時間とを燃費表示領域において切り替え表示することができる。これにより、表示手段に、燃費表示用と稼働時間表示用の二つの表示領域を備える必要がなくなる。その結果、表示手段として小型で安価なものを採用することができる。
【0047】
従って、表示手段の省スペース化やコストの削減を更に図りながら、オイル交換などのメンテナンスを適切な時期に行なえる上に、作業機を使用した作業での作業量や作業効率などのより適切な算出を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】肥料散布仕様に構成したトラクタの全体側面図である。
【図2】制御構成を示すブロック図である。
【図3】メータパネルの構成を示す図である。
【図4】表示手段の構成を示す図である。
【図5】情報表示領域の総稼働時間表示状態を示す図である。
【図6】情報表示領域の作業時稼働時間表示状態を示す図である。
【図7】情報表示領域の瞬間燃費表示状態示す図である。
【図8】情報表示領域の平均燃費表示状態を示す図である。
【図9】情報表示領域の燃料使用量表示状態を示す図である。
【図10】情報表示領域の瞬間平均同時表示状態を示す図である。
【図11】情報表示領域のバー表示状態を示す図である。
【図12】別実施形態での情報表示領域の瞬間平均同時表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る作業機の表示構造を、作業機の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0050】
図1に示すように、このトラクタは、その前部に搭載した水冷式のディーゼルエンジン(以下、エンジンと略称する)1が出力する回転動力を、電子油圧制御式の主クラッチ2を介して走行伝動系及び作業伝動系に伝達する。走行伝動系の動力は、左右一対の前輪3及び左右一対の後輪4に伝達する。作業伝動系の動力は、機体フレームに兼用するトランスミッションケース(以下、T/Mケースと略称する)5の後端部に備えた動力取り出し用のPTO軸6に伝達する。
【0051】
図示は省略するが、走行伝動系は、8段の変速操作を可能にする電子油圧制御式の主変速装置、高低2段の変速操作を可能にする電子油圧制御式の副変速装置、前後進の切り換え操作を可能にする電子油圧制御式の前後進切換装置、左右の前輪3に対する伝動の断続操作や倍速操作を可能にする電子油圧制御式の前輪用変速装置、前輪用の差動装置、及び、後輪用の差動装置、などを備えて構成してある。
【0052】
作業伝動系は、PTO軸6に対する伝動の断続操作を可能にする電子油圧制御式の作業用クラッチや、PTO軸6の3段の変速操作と正逆転の切り換え操作とを可能にする電子油圧制御式の作業用変速装置、などを備えて構成してある。
【0053】
図1に示すように、トラクタの後部には、前輪操舵用のステアリングホイール7や運転座席8などを配備して搭乗運転部9を形成し、搭乗運転部9を覆うキャビン10を装備してある。
【0054】
図2に示すように、エンジン1には、燃料の噴射量や噴射タイミングを電子制御するコモンレール式の燃料噴射装置11を備えてある。燃料噴射装置11は、燃料タンク12に貯留した燃料を圧送するサプライポンプ13、圧送した燃料を蓄圧するコモンレール14、蓄圧した燃料を燃料室(図示せず)に噴射する複数のインジェクタ15、コモンレール14の内圧を検出する圧力センサ16、エンジン1の出力回転数を検出する電磁ピックアップ式の回転センサ17、及び、圧力センサ16や回転センサ17などの出力に基づいてサプライポンプ13や各インジェクタ15などの作動を制御するエンジン用の電子制御ユニット(以下、エンジンECUと略称する)18、などを備えて構成してある。エンジンECU18は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。
【0055】
図1に示すように、T/Mケース5の後部には、単動型の油圧シリンダからなる左右一対のリフトシリンダ19や、左右のリフトシリンダ19の作動により上下方向に揺動する左右一対のリフトアーム20、などを備えてある。そして、左右のリフトアーム20に連動する作業装置連結用のリンク機構21などを介して、作業装置の一例である肥料散布装置22を昇降可能に連結してある。これにより、このトラクタを肥料散布仕様に構成してある。
【0056】
図2に示すように、左右のリフトシリンダ19は、それらに対する作動油の流れを電磁制御弁23の作動で制御することにより伸縮させることができる。
【0057】
図1に示すように、肥料散布装置22は、リンク機構21に連結する施肥フレーム24に、肥料貯留用のホッパ25、散布量調節用の電動式のシャッタ機構26、及び、散布用の回転羽根27、などを備えて構成してある。回転羽根27には、PTO軸6から取り出した動力を、屈曲可能かつ伸縮可能に構成した軸伝動式の外部伝動機構28を介して伝達してある。
【0058】
又、図示は省略するが、肥料散布装置22には、トラクタからのパルス信号に基づいてシャッタ機構26の作動を制御する制御装置を搭載してある。制御装置は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。そして、制御装置は、トラクタからのパルス信号に基づいて、トラクタの前進走行とPTO軸6の駆動を検知していない間は、トラクタが非作業状態であると判断してシャッタ機構26を閉じ状態に維持して肥料の散布を停止する。又、トラクタからのパルス信号に基づいて、トラクタの前進走行とPTO軸6の駆動を検知すると、その検知に伴って、トラクタが作業状態であると判断してシャッタ機構26を閉じ状態から開き状態に切り換えて肥料の散布を開始するとともに、散布量設定器により設定した単位走行距離当たりの散布量と、トラクタからのパルス信号により検知したトラクタの走行速度とに基づいて、それらに応じたシャッタ開度が得られるようにシャッタ機構26の作動を制御する。これにより、トラクタを前進走行させてPTO軸6を駆動させた作業状態では、トラクタの走行速度にかかわらず、散布量設定器により設定した単位走行距離当たりの散布量で肥料を精度よく散布することができる。
【0059】
図2に示すように、エンジンECU18は、CAN通信などの車内通信によって、トラクタに搭載したメイン電子制御ユニット(以下、メインECUと略称する)29に相互通信可能に接続してある。これにより、エンジンECU18は、搭乗運転部9に備えた自己復帰型のアクセルペダル30の操作位置を検出するAPセンサ31の出力、搭乗運転部9に備えた位置保持型のアクセルレバー32の操作位置を検出するALセンサ33の出力、及び、エンジン回転数の上限を設定するダイヤル式の上限設定器34の出力、などをメインECU29から受け取ることができる。逆に、メインECU29は、エンジンECU18が各インジェクタ15に指示する燃料噴射量、及び、回転センサ17の出力、などをエンジンECU18から受け取ることができる。
【0060】
エンジンECU18は、エンジン回転数を制御するエンジン回転制御などを行なう。エンジン回転制御では、APセンサ31の出力、ALセンサ33の出力、及び、上限設定器34の出力、などに基づいてエンジン1の目標回転数を設定する。そして、この目標回転数に回転センサ17の出力が一致するようにサプライポンプ13や各インジェクタ15などの作動を制御して燃料噴射量を調節する。
【0061】
メインECU29は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。メインECU29には、走行用制御手段29Aや作業用制御手段29Bなどを制御プログラムとして備えてある。
【0062】
走行用制御手段29Aは、主クラッチ2の作動を制御するクラッチ制御、主変速装置の作動を制御する主変速制御、副変速装置の作動を制御する副変速制御、及び、前後進切換装置の作動を制御する前後進切換制御、などを行なう。
【0063】
クラッチ制御では、搭乗運転部9に配備したクラッチペダル35の踏み込み操作量を検出するCPセンサ36の出力に基づいて、クラッチペダル35の踏み込み操作量に応じた主クラッチ2の作動状態が得られるように主クラッチ2の作動を制御する。具体的には、クラッチペダル35の踏み込み操作量が所定の閾値を超えた場合に主クラッチ2が遮断状態になるように主クラッチ2の作動を制御する。
【0064】
副変速制御では、搭乗運転部9に配備したシフトレバー37の操作位置を検出するSLセンサ38の出力に基づいて、シフトレバー37の操作位置に応じた副変速装置の作動状態が得られるように副変速装置の作動を制御する。具体的には、シフトレバー37が低速位置にある場合は副変速装置が低速伝動状態になり、シフトレバー37が高速位置にある場合は副変速装置が高速伝動状態になり、シフトレバー37が中立位置にある場合は副変速装置が中立状態になるように副変速装置の作動を制御する。
【0065】
主変速制御では、シフトレバー37に備えた増速スイッチ39と減速スイッチ40の操作に基づいて、増速スイッチ39及び減速スイッチ40の操作回数に応じた主変速装置の作動状態が得られるように主変速装置の作動を制御する。具体的には、増速スイッチ39が操作されるごとに主変速装置の変速段を高速側に変更し、減速スイッチ40が操作されるごとに主変速装置の変速段を低速側に変更する。
【0066】
前後進切換制御では、搭乗運転部9に備えた前後進切換レバー41の操作位置を検出するFRCLセンサ42の出力に基づいて、前後進切換レバー41の操作位置に応じた前後進切換装置の作動状態が得られるように前後進切換装置の作動を制御する。具体的には、前後進切換レバー41が前進位置にある場合は前後進切換装置が前進伝動状態になり、前後進切換レバー41が後進位置にある場合は前後進切換装置が後進伝動状態になり、前後進切換レバー41が中立位置にある場合は前後進切換装置が中立状態になるように前後進切換装置の作動を制御する。
【0067】
作業用制御手段29Bは、作業用クラッチ及び作業用変速装置の作動を制御するPTO変速制御、及び、リフトシリンダ19の作動を制御して作業装置を昇降させる昇降制御、などを行なう。
【0068】
PTO変速制御では、搭乗運転部9に備えたダイヤル式のPTOスイッチ43の出力に基づいて、PTOスイッチ43の操作位置に応じた作業用クラッチの作動状態及び作業用変速装置の作動状態が得られるように作業用クラッチ及び作業用変速装置の作動を制御する。具体的には、PTOスイッチ43が切り位置にある場合は作業用クラッチが遮断状態になり、PTOスイッチ43が1速位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が1速伝動状態になり、PTOスイッチ43が2速位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が2速伝動状態になり、PTOスイッチ43が3速位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が3速伝動状態になり、PTOスイッチ43が逆転位置にある場合は作業用クラッチが伝動状態になり、かつ、作業用変速装置が逆転伝動状態になるように作業用クラッチ及び作業用変速装置の作動を制御する。
【0069】
昇降制御では、搭乗運転部9に備えた昇降レバー44の操作位置を検出するUDLセンサ45の出力と、リフトアーム20の上下揺動角度を検出するLAセンサ46の出力に基づいて、昇降レバー44の操作位置に応じたリフトアーム20の上下揺動角度(肥料散布装置22の高さ位置)が得られるようにリフトシリンダ19の作動を制御するポジション制御、などを行なう。
【0070】
メインECU29は、回転センサ17の出力やEEPROMに書き込んだ後輪4の外径などに基づいてトラクタの走行速度を算出し、算出した走行速度に基づいて、肥料散布装置22に出力するパルス信号の周波数を変更する。又、CPセンサ36の出力、SLセンサ38の出力、FRCLセンサ42の出力、及び、PTOスイッチ43の出力に基づいて、肥料散布装置22に出力するパルス信号のデューティ比を変更する。
【0071】
つまり、トラクタが出力するパルス信号の周波数により、トラクタの走行速度を肥料散布装置22の制御装置に把握させることができ、又、トラクタが出力するパルス信号のデューティ比により、トラクタが作業状態であるか否かの判別を肥料散布装置22の制御装置に行なわせることができる。
【0072】
尚、このトラクタでは、前述したようにトラクタを前進走行させてPTO軸6を駆動させた状態を作業状態としていることから、CPセンサ36がクラッチペダル35の所定の閾値を超える踏み込み操作を検出しておらず、かつ、SLセンサ38がシフトレバー37の中立位置への操作を検出していない状態で、FRCLセンサ42が前後進切換レバー41の前進位置への操作を検出し、かつ、PTOスイッチ43の出力が切り位置以外の操作位置を示している場合に、メインECU29は、トラクタが作業状態であることを検知することになる。
【0073】
図2〜4に示すように、搭乗運転部9におけるステアリングホール7の前下方の位置にはメータパネル47を配備してある。メータパネル47には、エンジン回転数を表示するタコメータ48、燃料の残量を表示する燃料計49、エンジン冷却水の温度を表示する水温計50、主変速装置の変速段や副変速装置の変速段などを表示する液晶表示部(表示手段Aの一例)51、及び、これらの作動を制御する表示用の電子制御ユニット(以下、表示ECUと略称する)52、などを備えてある。
【0074】
液晶表示部51には、主変速装置の変速段を文字表示するセグメント方式の主変速段表示領域51A、副変速装置の変速段を文字表示するセグメント方式の副変速段表示領域51B、前後進切換装置の作動状態を文字表示するセグメント方式の前後進表示領域51C、作業装置の高さとしてリフトアーム20の上下揺動角度を文字表示するセグメント方式の高さ表示領域51D、及び、エンジン1の総稼働時間などの各種の情報を文字表示するセグメント方式の情報表示領域51E、などを形成してある。
【0075】
表示ECU52は、CAN通信などの車内通信によってエンジンECU18やメインECU29などに相互通信可能に接続してある。これにより、表示ECU52は、回転センサ17の出力、SLセンサ38の出力、増速スイッチ39の出力、減速スイッチ40の出力、FRCLセンサ42の出力、LAセンサ46の出力、燃料の残量を検出する残量センサ53の出力、及び、冷却水の温度を検出する水温センサ54の出力、などをエンジンECU18及びメインECU29から受け取ることができる。
【0076】
そして、表示ECU52は、回転センサ17の出力に基づいてタコメータ48により表示するエンジン回転数を変更し、残量センサ53の出力に基づいて燃料計49により表示する燃料の残量を変更し、水温センサ54の出力に基づいて水温計50により表示する冷却水の温度を変更し、増速スイッチ39及び減速スイッチ40の出力に基づいて主変速段表示領域51Aに表示する主変速装置の変速段を変更し、SLセンサ38の出力に基づいて副変速段表示領域51Bに表示する副変速装置の変速段を変更し、FRCLセンサ42の出力に基づいて前後進表示領域51Cに表示する前後進切換装置の作動状態を変更し、LAセンサ46の出力に基づいて高さ表示領域51Dに表示するリフトアーム20の上下揺動角度を変更する。
【0077】
回転センサ17は、エンジン1の出力回転数を検出するものであることから、その検出に基づいてエンジン1が稼働状態であるか否かを判別することができる。そこで、このトラクタでは、エンジン1が稼働状態であるか否かを検出するエンジン稼働検出手段Bを回転センサ17により構成してある(図2参照)。
【0078】
又、前述したように、このトラクタでは、CPセンサ36の出力とSLセンサ38の出力とFRCLセンサ42の出力とPTOスイッチ43の出力に基づいて、トラクタが作業状態であるか否かを判別することができる。そこで、このトラクタでは、トラクタが作業状態であるか否かを検出する作業状態検出手段Cを、CPセンサ36とSLセンサ38とFRCLセンサ42とPTOスイッチ43により構成してある(図2参照)。
【0079】
図2に示すように、表示ECU52には、エンジン1の稼働時間を計測するタイマ52Aや、エンジン1の稼働時間を積算する稼働時間積算手段52B、などを備えている。
【0080】
タイマ52Aは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知した場合にエンジン1の稼働時間をカウントする。
【0081】
稼働時間積算手段52Bは、タイマ52Aの出力に基づいてエンジン1の総稼働時間を積算する総稼働時間演算処理を行なう。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合には、前述した総稼働時間積算処理とともに、作業状態でのタイマ52Aの出力に基づいて作業状態でのエンジン1の稼働時間を積算する作業時稼働時間演算処理を行なう。そして、メータパネル47の左下方に備えたリセットスイッチ55が出力する稼働時間リセット指令を受け取った場合は、稼働時間リセット指令を受け取るまでに積算した作業状態でのエンジン1の稼働時間をリセットし、リセット後の作業状態でのタイマ52Aの出力に基づいてリセット後の作業状態でのエンジン1の稼働時間を積算する。
【0082】
メインECU29には、エンジン1の稼働時間を計測するタイマ29C、燃費を演算する燃費演算手段29D、及び、燃料の使用量を演算する使用量演算手段29E、などを備えている。
【0083】
タイマ29Cは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、エンジン回転数が設定回転数(例えば100回転)以上であることを検知した場合にエンジン1の稼働時間をカウントする。
【0084】
燃費演算手段29Dは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合には、非作業状態での燃費を演算する非作業時燃費演算処理を行う。又、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合には、作業状態での燃費を演算する作業時燃費演算処理を行なう。
【0085】
非作業時燃費演算処理では、トラクタの非作業状態においてエンジンECU18が出力する燃料噴射量や回転センサ17の出力、及び、EEPROMに書き込んだ瞬間燃費算出用の各種の数値、などを瞬間燃費算出用の計算式に代入して算出した値に、所定の時定数(例えば200ms)によるローパスフィルタ処理を行なうことにより、非作業状態での瞬間燃費を演算する。
【0086】
又、この演算で得た非作業状態での瞬間燃費、非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを所定の計算式に代入して非作業状態での平均燃費(単位時間当たりの燃料消費量)を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する非作業時平均燃費リセット指令を受け取った場合は、その非作業時平均燃費リセット指令を受け取るまでに算出した非作業状態での平均燃費をリセットし、リセット後に得た非作業状態での瞬間燃費、リセット後の非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入してリセット後の非作業状態での平均燃費を算出する。
【0087】
作業時燃費演算処理では、トラクタの作業状態においてエンジンECU18が出力する燃料噴射量や回転センサ17の出力、及び、EEPROMに書き込んだ瞬間燃費算出用の各種の数値、などを瞬間燃費算出用の計算式に代入して算出した値に、所定の時定数(例えば200ms)によるローパスフィルタ処理を行なうことにより、作業状態での瞬間燃費を演算する。
【0088】
又、この演算で得た作業状態での瞬間燃費、作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを所定の計算式に代入して作業状態での平均燃費を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する作業時平均燃費リセット指令を受け取った場合は、その作業時平均燃費リセット指令を受け取るまでに算出した作業状態での平均燃費をリセットし、リセット後に得た作業状態での瞬間燃費、リセット後の作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入してリセット後の作業状態での平均燃費を算出する。
【0089】
使用量演算手段29Eは、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合には、非作業状態での燃料の使用量を演算する非作業時使用量演算処理を行う。又、エンジン稼働検出手段Bの出力に基づいてエンジン1の稼働を検知し、かつ、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合には、作業状態での燃料の使用量を演算する作業時使用量演算処理を行なう。
【0090】
非作業時使用量演算処理では、燃費演算手段29Dが出力する非作業状態での瞬間燃費、非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入して非作業状態での燃料の使用量を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する非作業時使用量リセット指令を受け取った場合は、その非作業時使用量リセット指令を受け取るまでに算出した非作業状態での燃料の使用量をリセットし、リセット後に得た非作業状態での瞬間燃費、リセット後の非作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入してリセット後の非作業状態での燃料使用量を算出する。
【0091】
作業時使用量演算処理では、燃費演算手段29Dが出力する作業状態での瞬間燃費、作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入して作業状態での燃料の使用量を算出する。そして、リセットスイッチ55が出力する作業時使用量リセット指令を受け取った場合は、その作業時使用量リセット指令を受け取るまでに算出した作業状態での燃料の使用量をリセットし、リセット後に得た作業状態での瞬間燃費、リセット後の作業状態でのタイマ29Cの出力、及び、EEPROMに書き込んだ燃料使用量算出用の各種の数値、などを燃料使用量算出用の計算式に代入してリセット後の作業状態での燃料使用量を算出する。
【0092】
そして、上記の各演算処理で得たエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での瞬間燃費、作業状態での瞬間燃費、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料の使用量、及び、作業状態での燃料の使用量は、表示ECU52の制御作動によって情報表示領域51Eに切り替え表示することができる。
【0093】
つまり、表示ECU52が、稼働時間積算手段52Bの出力、燃費演算手段29Dの出力、及び、使用量演算手段29Eの出力、に基づいて液晶表示部51の作動を制御する表示制御手段Dとして機能する。又、情報表示領域51Eが、エンジン1の稼働時間を表示する稼働時間表示領域E、燃費を表示する燃費表示領域F、及び、燃料の使用量を表示する使用量表示領域G、として機能する。
【0094】
図2及び図5〜9に示すように、表示ECU52は、メータパネル47の近くに備えたキースイッチ56のオン操作により起動すると、EEPROMに書き込んだエンジン1の総稼働時間などの各種の情報を読み出し、情報表示領域51Eにエンジン1の総稼働時間を表示させる〔図5参照〕。
【0095】
エンジン1の総稼働時間を表示している総稼働時間表示状態において、リセットスイッチ55に隣接した表示切替スイッチ57が出力する作業時稼働時間表示用の表示切り替え指令を受け取ると、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態から作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する作業時稼働時間表示状態に切り替える〔図6参照〕。
【0096】
この作業時稼働時間表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する瞬間燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、稼働時間表示状態から瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示状態に切り替える〔図7参照〕。
【0097】
この瞬間燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する平均燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、瞬間燃費表示状態から平均燃費を表示する平均燃費表示状態に切り替える〔図8参照〕。
【0098】
この平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する燃料使用量表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、平均燃費表示状態から燃料の使用量を表示する燃料使用量表示状態に切り替える〔図9参照〕。
【0099】
この燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する総稼働時間表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、燃料使用量表示状態から総稼働時間表示状態に切り替える〔図5参照〕。
【0100】
又、瞬間燃費表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに非作業状態での瞬間燃費を表示させる(非作業時瞬間燃費表示状態)。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに作業状態での瞬間燃費を表示させる(作業時瞬間燃費表示状態)。
【0101】
平均燃費表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに非作業状態での平均燃費を表示させる(非作業時平均燃費表示状態)。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに作業状態での平均燃費を表示させる(作業時平均燃費表示状態)。
【0102】
燃料使用量表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの非作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに非作業状態での燃料使用量を表示させる(非作業時使用量表示状態)。又、作業状態検出手段Cの出力に基づいてトラクタの作業状態を検知した場合は、情報表示領域51Eに作業状態での燃料使用量を表示させる(作業時使用量表示状態)。
【0103】
更に、非作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する作業時平均燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を非作業時平均燃費表示状態から作業時平均燃費表示状態に切り替える。この作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する非作業時平均燃費表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を作業時平均燃費表示状態から非作業時平均燃費表示状態に切り替える。
【0104】
非作業時燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する作業時使用量表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を非作業時使用量表示状態から作業時使用量表示状態に切り替える。この作業時使用量表示状態において、表示切替スイッチ57が出力する非作業時使用量表示用の表示切り替え指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を作業時使用量表示状態から非作業時使用量表示状態に切り替える。
【0105】
表示切替スイッチ57はモーメンタリ式であり、表示ECU52は、総稼働時間表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、作業状態でのエンジン1の稼働時間の表示を指令する表示切り替え指令(作業時稼働時間表示指令)として受け取る。
【0106】
作業時稼働時間表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、瞬間燃費の表示を指令する表示切り替え指令(瞬間燃費表示指令)として受け取る。
【0107】
瞬間燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、平均燃費の表示を指令する表示切り替え指令(平均燃費表示指令)として受け取る。
【0108】
平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、燃料使用量の表示を指令する表示切り替え指令(燃料使用量表示指令)として受け取る。
【0109】
燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間未満(例えば2秒未満)の短押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間未満のオン信号を、エンジン1の総稼働時間の表示を指令する表示切り替え指令(総稼働時間表示指令)として受け取る。
【0110】
又、非作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での平均燃費の表示を指令する表示切り替え指令(作業時平均燃費表示指令)として受け取る。
【0111】
作業時平均燃費表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での平均燃費の表示を指令する表示切り替え指令(非作業時平均燃費表示指令)として受け取る。
【0112】
非作業時燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での燃料使用量の表示を指令する表示切り替え指令(作業時使用量表示指令)として受け取る。
【0113】
作業時燃料使用量表示状態において、表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときに表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での燃料使用量の表示を指令する表示切り替え指令(非作業時使用量表示指令)として受け取る。
【0114】
つまり、表示切替スイッチ57が、作業時稼働時間表示指令、瞬間燃費表示指令、平均燃費表示指令、燃料使用量表示指令、総稼働時間表示指令、作業時平均燃費表示指令、非作業時平均燃費表示指令、作業時使用量表示指令、及び非作業時使用量表示指令、を出力する指令手段Hとして機能する。
【0115】
又、作業状態検出手段Cが、作業時瞬間燃費表示指令、非作業時瞬間燃費表示指令、作業時平均燃費表示指令、非作業時平均燃費表示指令、作業時使用量表示指令、及び非作業時使用量表示指令、を出力する指令手段Iとして機能する。
【0116】
この構成から、表示切替スイッチ57を短押し操作することにより、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態と瞬間燃費表示状態と平均燃費表示状態と燃料使用量表示状態とに、その順に循環して切り替えることができる。
【0117】
そして、この切り替え表示により、移動走行などの非作業状態では、液晶表示部51の情報表示領域51Eに、非作業状態においてトラクタを経済的に使用する上での指標となる非作業状態での瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。
【0118】
又、前進走行しながら肥料散布装置22により肥料を散布する作業状態では、液晶表示部51の情報表示領域51Eに、作業状態においてトラクタを経済的に使用する上での指標となる作業状態での瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示して操縦者に把握させることができる。
【0119】
その上、非作業状態と作業状態とにかかわらず、液晶表示部51の情報表示領域51Eに、オイル交換などのメンテナンスの指標となるエンジン1の総稼働時間や、肥料散布作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示して操縦者に把握させることができる。
【0120】
しかも、それらの表示情報のうち、非作業状態での各情報は、作業状態検出手段Cの出力に基づく非作業状態の検知に従って、又、作業状態での各情報は、作業状態検出手段Cの出力に基づく作業状態の検知に従って、稼働時間積算手段52B、燃費演算手段29D、及び、使用量演算手段29Eが算出するものであることから、そのときのトラクタの使用状態においてトラクタをより経済的に使用する上でのより適切な指標となる。
【0121】
その結果、液晶表示部51の情報表示領域51Eに表示される燃費や燃料使用量などを考慮してトラクタを運転することにより、トラクタの使用状態に適したより経済的な使用を可能にすることができる。
【0122】
そして、液晶表示部51に備えた一つの情報表示領域51Eを、オイル交換などのメンテナンスの指標となるエンジン1の総稼働時間を表示するアワーメータ〔図5参照〕、肥料散布作業での作業量や作業効率などの指標となる作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する作業用のトリップメータ〔図6参照〕、トラクタをより経済的に使用するための指標となる瞬間燃費や平均燃費を表示する燃費計〔図7及び図8参照〕、及び、燃料の使用量を表示する消費燃料計〔図9参照〕として機能させることにより、メータパネル47に、瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示するための専用のメータを設ける必要がなく、又、液晶表示部51に、瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示するための専用の表示領域を確保する必要がないことから、メータパネル47や液晶表示部51の大型化を回避することができる。
【0123】
つまり、メータパネル47や液晶表示部51の大型化を招くことなく、トラクタをより経済的に使用する上での指標となるより適切な瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料の使用量を表示することができ、トラクタのより経済的な使用を促進させることができる。
【0124】
リセットスイッチ55はモーメンタリ式であり、表示ECU52は、作業時稼働時間表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態でのエンジン1の稼働時間のリセットを指令する稼働時間リセット指令として受け取る。
【0125】
非作業時平均燃費表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での平均燃費のリセットを指令する非作業時平均燃費リセット指令として受け取る。
【0126】
作業時平均燃費表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での平均燃費のリセットを指令する作業時平均燃費リセット指令として受け取る。
【0127】
非作業時燃料使用量表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、非作業状態での燃料使用量のリセットを指令する非作業時使用量リセット指令として受け取る。
【0128】
作業時燃料使用量表示状態において、リセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を、作業状態での燃料使用量のリセットを指令する作業時使用量リセット指令として受け取る。
【0129】
以上の構成から、例えば、キースイッチ56をオン操作して表示ECU52を起動させた後、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をリセットすれば、今回の肥料散布作業における作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量を容易に得ることができる。
【0130】
又、複数の圃場で肥料の散布を行なう場合には、次の圃場で作業を開始するごとに、作業状態でのエンジン1の稼働時間、作業状態での平均燃費、及び、作業状態での燃料使用量をリセットすれば、圃場ごとの作業状態でのエンジン1の稼働時間、作業状態での平均燃費、及び、作業状態での燃料使用量を容易に得ることができる。
【0131】
つまり、作業状態での平均燃費や燃料の使用量を、それぞれの圃場においてトラクタをより経済的に使用する上でのより適切な指標とすることができ、利用状況に適したより経済的なトラクタの使用を効果的に促進させることができる。
【0132】
表示ECU52は、作業時稼働時間表示状態、非作業時平均燃費表示状態、作業時平均燃費表示状態、非作業時燃料使用量表示状態、及び、作業時燃料使用量表示状態、のそれぞれにおいて、リセットスイッチ55の押し操作が所定時間に達した場合には、メータパネル47に備えたブザー58を1回作動させて、そのときのリセットスイッチ55の長押し操作に基づいて、そのときの情報表示領域51Eに表示している、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量、のうちのいずれかの情報をリセットすることを操縦者に報知する。
【0133】
これにより、リセットスイッチ55の長押し操作に基づくリセット操作が行われたか否かを操縦者に認識させることができる。
【0134】
図2及び図7〜9に示すように、表示ECU52は、瞬間燃費表示状態においてリセットスイッチ55の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が行われた場合には、そのときにリセットスイッチ55が出力する所定時間以上のオン信号を単位切り換え指令として受け取る。そして、この単位切り換え指令に基づいて、情報表示領域51Eでの表示単位をリットル表示〔図7〜9の(A)参照〕とガロン表示〔図7〜9の(B)参照〕とに切り換え、そのときの表示単位に応じた単位換算を行なう。
【0135】
これにより、情報表示領域51Eにおいて、瞬間燃費や平均燃費あるいは燃料使用量を表示する際の表示単位のリットル表示とガロン表示との切り換えを簡単に行なうことができ、表示単位に応じた適切な値を情報表示領域51Eに表示することができる。
【0136】
表示ECU52は、瞬間燃費表示状態において、リセットスイッチ55の押し操作が所定時間に達した場合には、ブザー58を1回作動させて、そのときのリセットスイッチ55の長押し操作に基づいて、情報表示領域51Eでの表示単位の切り換えを行うことを操縦者に報知する。
【0137】
これにより、リセットスイッチ55の長押し操作に基づく情報表示領域51Eでの表示単位の切り換えが行われたか否かを操縦者に認識させることができる。
【0138】
図5〜9に示すように、表示ECU52は、総稼働時間表示状態及び作業時稼働時間表示状態では表示単位として「h」を表示する〔図5及び図6参照〕。瞬間燃費表示状態及び平均燃費表示状態では表示単位として「L/h」又は「G/h」を簡略化した「Lh」又は「Gh」を表示する〔図7及び図8参照〕。燃料使用量表示状態では表示単位として「L」又は「G」を表示する〔図9参照〕。又、平均燃費表示状態では、その識別記号として平均燃費の前に「Average」の頭文字である「A」を付設する〔図8参照〕。燃料使用量表示状態では、その識別記号として燃料使用量の前に「Total」の頭文字である「T」を付設する〔図9参照〕。これにより、操縦者は、情報表示領域51Eで表示している値が、エンジン1の稼働時間、瞬間燃費、平均燃費、及び、燃料使用量のいずれであるかを容易に識別することができる。
【0139】
図4に示すように、液晶表示部51には、情報表示領域51Eの表示状態が総稼働時間表示状態であるか作業時稼働時間表示状態であるかの識別を可能にするための稼働時間識別領域51Fを形成してある。稼働時間識別領域51Fは、表示ECU52の制御作動により、情報表示領域51Eの表示状態が作業時稼働時間表示状態である場合にのみ、作業時稼働時間に対応させた「TRIP」を表示するように構成してある。
【0140】
図示は省略するが、表示ECU52は、瞬間燃費表示状態において、瞬間燃費が平均燃費を下回っている場合や瞬間燃費が平均燃費と同じである場合には瞬間燃費の値を点灯表示し、瞬間燃費が平均燃費を上回っている場合には瞬間燃費の値を点滅表示する。又、平均燃費表示状態において、瞬間燃費が平均燃費を下回っている場合や瞬間燃費が平均燃費と同じである場合には平均燃費の値を点灯表示し、瞬間燃費が平均燃費を上回っている場合には平均燃費の値を点滅表示する。
【0141】
これにより、情報表示領域51Eにより表示している瞬間燃費又は平均燃費が点滅している(瞬間燃費が平均燃費を上回っている)場合には、瞬間燃費又は平均燃費が点灯する(瞬間燃費が平均燃費を上回らない)ようにエンジン回転数や主変速装置の変速段を変更することにより、燃費を向上させることができる。
【0142】
つまり、瞬間燃費表示状態と平均燃費表示状態のいずれにおいても、瞬間燃費が平均燃費を上回っているか否かを操縦者に容易に認識させることができ、トラクタのより経済的な運転を操縦者に促すことができる。
【0143】
図2、図3、図7、図8及び図10に示すように、表示ECU52は、瞬間燃費表示状態又は平均燃費表示状態において、リセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が同時に行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、瞬間燃費と平均燃費の同時表示を指令する瞬間平均同時表示指令として受け取る。
【0144】
そして、この瞬間平均同時表示指令を受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を、瞬間燃費表示状態又は平均燃費表示状態から、瞬間燃費と平均燃費とを情報表示領域51Eにひとまとめにして同時にグラフ表示する瞬間平均同時表示状態に切り替える〔図10参照〕。
【0145】
又、この瞬間平均同時表示状態において、リセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57の所定時間以上(例えば2秒以上)の長押し操作が同時に行われた場合は、そのときにリセットスイッチ55及び表示切替スイッチ57が出力する所定時間以上のオン信号を、瞬間平均同時表示状態の前の表示状態が瞬間燃費表示状態であれば瞬間燃費表示指令として、又、瞬間平均同時表示状態の前の表示状態が平均燃費表示状態であれば平均燃費表示指令として受け取る。
【0146】
そして、瞬間燃費表示指令として受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を瞬間平均同時表示状態から瞬間燃費表示状態に切り替え、平均燃費表示指令として受け取った場合は、情報表示領域51Eの表示状態を瞬間平均同時表示状態から平均燃費表示状態に切り替える。
【0147】
尚、瞬間平均同時表示状態では、瞬間燃費を情報表示領域51Eにおける下側の縦向きのセグメントを利用して短尺表示し、平均燃費を情報表示領域51Eにおける上下の縦向きのセグメントを利用して長尺表示してある。
【0148】
つまり、瞬間平均同時表示状態では、非作業状態と作業状態とにかかわらず、瞬間燃費と平均燃費とを一つの情報表示領域51Eにおいて比較可能に同時表示することができる。これにより、液晶表示部51に瞬間燃費表示用と平均燃費表示用の二つの燃費表示領域を備えることなく、瞬間燃費が平均燃費を上回っているか否かを操縦者に容易に認識させることができ、トラクタのより経済的な運転を操縦者に促すことができる。
【0149】
ちなみに、図10の(A)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っていない状態であり、図10の(B)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っている状態である。
【0150】
図11に示すように、表示ECU52は、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間が作業時稼働時間表示状態での表示限界値を超える場合には、作業時稼働時間表示状態でのエンジン稼働時間の表示をバー表示とする〔図11の(A)参照〕。又、非作業状態と作業状態とにかかわらず、算出した燃料の使用量が燃料使用量表示状態での表示限界値を超える場合には、燃料使用量表示状態での燃料使用量の表示をバー表示とする〔図11の(B)参照〕。
【0151】
更に、算出する作業状態でのエンジン1の稼働時間が表示ECU52の処理能力を超える場合には、作業時稼働時間表示状態でのエンジン稼働時間の表示をバー表示とし〔図11の(A)参照〕、平均燃費表示状態での平均燃費の表示をバー表示とする〔図11の(C)参照〕。又、非作業状態と作業状態とにかかわらず、算出する燃料の使用量がメインECU29の処理能力を超える場合には、燃料使用量表示状態での燃料使用量の表示をバー表示とし〔図11の(B)参照〕、平均燃費表示状態での平均燃費の表示をバー表示とする〔図11の(C)参照〕。
【0152】
これにより、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間、又は、燃料の使用量が表示限界値を超える場合には、エンジン1の稼働時間又は燃料の使用量をバー表示することにより、エンジン1の稼働時間や燃料の使用量及び平均燃費のリセットを操縦者に促すことができる。
【0153】
又、算出する作業状態でのエンジン1の稼働時間、又は、燃料の使用量が表示ECU52又はメインECU29の処理能力を超える場合には、作業状態でのエンジン1の稼働時間又は燃料の使用量とともに平均燃費をバー表示することにより、誤った平均燃費が情報表示領域51Eに表示されることを防止することができ、かつ、作業状態でのエンジン1の稼働時間や燃料の使用量及び平均燃費のリセットを操縦者に促すことができる。
【0154】
尚、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間又は燃料の使用量が表示限界値を超える場合、あるいは、算出する作業状態でのエンジン1の稼働時間又は燃料の使用量が表示ECU52又はメインECU29の処理能力を超える場合に、表示ECU52又はメインECU29が、算出した作業状態でのエンジン1の稼働時間や燃料の使用量及び平均燃費を自動的にリセットして、誤った平均燃費が情報表示領域51Eに表示されることを防止するように構成してもよい。そして、この構成おいては、自動リセットの発生を操縦者に報知するブザーやランプなどの報知手段を設けるようにしてもよい。又、自動リセットを行なうか否かの選択を可能にする選択スイッチなどの選択手段を設けるようにしてもよい。
【0155】
図2に示すように、メインECU29及び表示ECU52は、キースイッチ56のオフ操作に基づいて作動停止する際には、それまでに算出したエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をEEPROMに書き込み保存する書き込み処理を行なう。
【0156】
又、回転センサ17の出力に基づいてエンジンストールの発生を検知した場合、例えば、エンジン回転数が第1所定回転数(例えば300回転)以上になり、その後、第2所定回転数(例えば100回転)以下まで低下した場合にも、それまでに算出したエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をEEPROMに書き込み保存する書き込み処理を行なう。
【0157】
これにより、エンジンストールした後に、キースイッチ56のオフ操作を行わずに、キースイッチ56の操作でエンジン1を再始動させることにより、メインECU29及び表示ECU52のCPUなどがリセットされた場合であっても、エンジンストールするまでに算出したエンジン1の総稼働時間、作業状態でのエンジン1の稼働時間、非作業状態での平均燃費、作業状態での平均燃費、非作業状態での燃料使用量、及び、作業状態での燃料使用量をEEPROMに書き込み保存することができ、エンジン1の再始動とともにEEPROMから読み出すことができる。
【0158】
尚、エンジンストールの発生検知条件としては種々の変更が可能である。
【0159】
〔別実施形態〕
【0160】
〔1〕作業機としては、田植機やコンバインなどの農用作業機、あるいは、バックホーやホイールローダなどの建設用作業機、などであってもよい。
【0161】
〔2〕作業機に装備する作業装置としては、薬剤散布装置、播種装置、ロータリ耕耘装置、プラウ、フロントローダ、モーア、溝切り装置、畦塗り装置、などであってもよい。
【0162】
〔3〕作業機にロータリ耕耘装置や代掻き装置などの作業装置を連結する場合には、リンク機構21として、作業装置のローリング駆動を可能にするローリングシリンダを備えたものを採用すれば、作業機にロータリ耕耘装置や代掻き装置などの作業装置(図示せず)を昇降可能かつローリング可能に連結することができる。
【0163】
〔4〕エンジン1として、電子制御式分配型のディーゼルエンジンや電子制御式のガソリンエンジンなどを搭載するようにしてもよい。
【0164】
〔5〕表示手段Aとしては、稼働時間表示領域Eと燃費表示領域Fと使用量表示領域Gとを個別に備え、稼働時間表示領域Eでは、エンジン1の総稼働時間と作業状態でのエンジン1の稼動時間とを切り替え表示し、燃費表示領域Fでは、非作業状態での瞬間燃費と作業状態での瞬間燃費と非作業状態での平均燃費と作業状態での平均燃費とを切り替え表示し、使用量表示領域Gでは、非作業状態での燃料使用量と作業状態での燃料使用量とを切り替え表示するように構成したものであってもよい。
【0165】
この構成においては、作業状態検出手段Cが、総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能し、それらの指令に基づいて、表示手段Aが、非作業状態では稼働時間表示領域Eにおいてエンジン1の総稼働時間を表示し、かつ、作業状態では稼働時間表示領域Eにおいて作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示するように、又、表示切替スイッチ57が瞬間燃費表示指令と平均燃費表示指令とを出力する指令手段(H)として機能するように構成してもよい。
【0166】
〔6〕表示手段Aとしては、稼働時間表示領域Eと燃費表示領域Fとを個別に備え、燃費表示領域Fが使用量表示領域Gとして機能するように、燃費表示領域Fにおいて、非作業状態での瞬間燃費と作業状態での瞬間燃費と非作業状態での平均燃費と作業状態での平均燃費と非作業状態での燃料使用量と作業状態での燃料使用量とを切り替え表示するように構成したものであってもよい。
【0167】
この構成においては、作業状態検出手段Cが、総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能し、それらの指令に基づいて、表示手段Aが、非作業状態では稼働時間表示領域Eにおいてエンジン1の総稼働時間を表示し、かつ、作業状態では稼働時間表示領域Eにおいて作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示するように、又、表示切替スイッチ57が、瞬間燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と平均燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と使用量表示指令とを出力する指令手段(H)として機能するように構成してもよい。
【0168】
〔7〕表示手段Aとしては、燃費表示領域Fと使用量表示領域Gとを個別に備え、燃費表示領域Fが稼働時間表示領域Eとして機能するように、燃費表示領域Fにおいて、エンジン1の総稼働時間と作業状態でのエンジン1の稼動時間と非作業状態での瞬間燃費と作業状態での瞬間燃費と非作業状態での平均燃費と作業状態での平均燃費とを切り替え表示するように構成したものであってもよい。
【0169】
この構成においては、表示切替スイッチ57が、瞬間燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と平均燃費表示指令(燃費表示指令の一例)と稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能し、作業状態検出手段Cが、総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段(H)として機能するように構成してもよい。
【0170】
〔8〕表示手段Aとしては、情報表示領域51E(燃費表示領域F及び使用量表示領域G)での表示単位のリットル表示とガロン表示との切り換えを行なわずに、リットル表示とガロン表示のいずれか一方のみとするものであってもよい。
【0171】
〔9〕表示手段Aにおける情報表示領域51E(燃費表示領域F)での燃費の表示単位として、立法センチメートル/秒(cc/sec)や立法センチメートル/分(cc/min)を採用するようにしてもよい。又、情報表示領域51E(燃費表示領域F)での表示単位を、リットル表示とガロン表示と立法センチメートル表示とに切り換え可能に構成してもよい。
【0172】
〔10〕表示手段Aとしては、ドットマトリクス方式の液晶表示領域や、セグメント方式又はドットマトリクス方式のLED表示領域などを備えるものであってもよい。
【0173】
〔11〕表示手段Aの情報表示領域51E(稼働時間表示領域E、燃費表示領域F、使用量表示領域G)に、液晶によるドットマトリクス方式のものやLEDによるセグメント方式又はドットマトリクス方式のものなどを採用してもよい。
【0174】
〔12〕表示手段Aとしては、情報表示領域51E(燃費表示領域F)での燃費表示として瞬間燃費と平均燃費の同時グラフ表示(瞬間平均同時表示状態)のみを行ない、瞬間燃費と平均燃費の個別表示(瞬間燃費表示状態と瞬間燃費表示状態)を行なわないように構成したものであってもよい。
【0175】
又逆に、情報表示領域51E(燃費表示領域F)での燃費表示として瞬間燃費と平均燃費の個別表示(瞬間燃費表示状態と瞬間燃費表示状態)のみを行ない、瞬間燃費と平均燃費の同時グラフ表示(瞬間平均同時表示状態)を行なわないように構成したものであってもよい。
【0176】
〔13〕表示手段Aとしては、非作業状態での瞬間燃費、非作業状態での平均燃費、及び、非作業状態での燃料使用量、のうちのいずれか又は全ての表示を行なわないように構成したものであってもよい。
【0177】
〔14〕図12に示すように、情報表示領域51E(燃費表示領域F)を液晶又はLEDによるドットマトリクス方式に構成して、瞬間燃費と平均燃費とをひとまとめにして同時にグラフ表示するように構成してもよい。尚、図12においては、情報表示領域51E(燃費表示領域F)の中間部に明表示(白表示)した平均燃費に対して、暗表示(黒表示)した瞬間燃費を移動させることにより、瞬間燃費と平均燃費との比較を行ない易くしてある。ちなみに、図12の(A)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っていない状態であり、図12の(B)は、瞬間燃費が平均燃費を上回っている状態である。
【0178】
〔15〕情報表示領域51E(燃費表示領域F)に瞬間燃費と平均燃費とをひとまとめにして同時にグラフ表示する瞬間平均同時表示状態においては、瞬間燃費と平均燃費のいずれか一方を点灯表示し、他方を点滅表示するように構成してもよい。
【0179】
〔16〕エンジン稼働検出手段Bをキースイッチ56により構成し、メインECU29及び表示制御手段D(表示ECU52)が、キースイッチ56のスタート位置(エンジン始動位置)への操作に基づいてエンジン1の稼働を検知し、キースイッチ56のオフ位置(エンジン停止位置)への操作に基づいてエンジン1の稼働停止を検知するように構成してもよい。
【0180】
〔17〕作業状態検出手段Cの構成としては、作業機の構成や作業機に装備する作業装置あるいは作業形態などに応じて種々の変更が可能である。
【0181】
例えば、トラクタの後部に、ロータリ耕耘装置などのようにPTO軸6からの動力で作動する作業装置を連結する場合には、PTO軸6の回転を検出する回転センサ、又は、PTO軸6への伝動を断続する作業用クラッチの作動状態を検出するクラッチセンサ、などにより作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0182】
トラクタの後部に、ロータリ耕耘装置や代掻き装置などの接地作業式の作業装置を連結する場合には、リフトアーム20の上下揺動角度を検出するLAセンサ46により作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0183】
トラクタの後部に、プラウなどの牽引式の作業装置を連結する場合には、牽引検出用の歪ゲージにより作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0184】
作業装置が、ロータリ耕耘装置や田植機の苗植付装置のように接地作業式で接地センサ(ロータリ耕耘装置では、ロータリ耕耘装置に備えた耕耘カバーの接地を検出するカバーセンサ、苗植付装置では、苗植付装置に備えた整地フロートの接地を検出するフローとセンサ)を備えるものであれば、接地センサにより作業状態検出手段Cを構成してもよい。
【0185】
〔18〕表示制御手段D(表示ECU52)に燃費演算手段29Dや使用量演算手段29Eを備えるように構成してもよい。又、表示制御手段D(表示ECU52)をメインECU29に統合するようにしてもよい。
【0186】
〔19〕燃費演算手段29Dによる瞬間燃費や平均燃費の算出方法は種々の変更が可能である。例えば、燃費演算手段29Dが、エンジンECU18が出力する燃料噴射量、回転センサ17の出力、タイマ29Cの出力、EEPROMに記憶した平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入して平均燃費を算出するように構成してもよい。又、燃料の残量を検出する残量センサ53の出力、タイマ29Cの出力、EEPROMに記憶した平均燃費算出用の各種の数値、などを平均燃費算出用の計算式に代入して平均燃費を算出するように構成してもよい。
【0187】
〔20〕作業状態での平均燃費及び非作業状態での平均燃費として、単位容量当たりのエンジンの稼働時間を表示するようにしてもよく、又、単位距離当たりの燃料消費量や単位容量当たりの走行距離などを表示するようにしてもよい。
【0188】
〔21〕使用量演算手段29Eによる燃料使用量の算出方法は種々の変更が可能である。例えば、使用量演算手段29Eが、エンジンECU18が出力する燃料噴射量などを燃料使用量算出用の計算式に代入して燃料の使用量を算出するように構成してもよい。又、残量センサ53の出力などを燃料使用量算出用の計算式に代入して燃料の使用量を算出するように構成してもよい。
【0189】
〔22〕稼働時間積算手段52Bにより非作業状態でのエンジン1の稼働時間を算出し、算出した非作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示手段Aの情報表示領域51E(稼働時間表示領域E)に切り替え表示するように構成してもよい。ちなみに、非作業状態でのエンジン1の稼働時間は、移動量や移動効率などの指標にすることができる。
【0190】
〔23〕圃場ごとや作業ごとの作業状態でのエンジン1の稼働時間、作業状態での平均燃費、作業状態での燃料使用量などを、表示制御手段D(表示ECU52)やメインECU29に書き込み保存することが可能となるように構成してもよい。
【0191】
〔24〕表示制御手段D(表示ECU52)としては、指令手段Hの出力に基づいて情報表示領域51Eの表示状態を、稼働時間表示状態と瞬間燃費表示状態と平均燃費表示状態と燃料使用量表示状態とに切り替え、稼働時間表示状態において、作業状態検出手段Cの出力に基づいて作業機の非作業状態を検知した場合は情報表示領域51Eの表示状態を総稼働時間表示状態とし、作業状態検出手段Cの出力に基づいて作業機の作業状態を検知した場合は情報表示領域51Eの表示状態を作業時稼働時間表示状態とするように構成してもよい。
【0192】
〔25〕表示制御手段D(表示ECU52)としては、情報表示領域51Eの表示状態を作業時稼働時間表示状態と作業時平均燃費表示状態と作業時使用量表示状態のいずれかに切り替えた場合において、リセットスイッチ55が出力するリセット指令を受け取ると、作業状態でのエンジン1の稼働時間と作業状態での平均燃費と作業状態での燃料使用量とを一括してリセットし、かつ、非作業時平均燃費表示状態と非作業時使用量表示状態のいずれか(非作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する構成においては非作業時稼働時間表示状態を含む)に切り替えた場合において、リセットスイッチ55が出力するリセット指令を受け取ると、非作業状態での平均燃費と非作業状態での燃料使用量と(非作業状態でのエンジン1の稼働時間を表示する構成においては非作業状態でのエンジン1の稼働時間を含む)を一括してリセットするように構成したものであってもよい。
【0193】
〔26〕表示制御手段D(表示ECU52)が、指令手段H(表示切替スイッチ57)の出力に基づいて情報表示領域51Eの表示状態を切り替える順番としては種々の変更が可能である。例えば、表示制御手段Dが、指令手段Hの出力に基づいて情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態、作業時稼働時間表示状態、燃料使用量表示状態、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0194】
〔27〕指令手段Hをタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、総稼働時間表示状態、作業時稼働時間表示状態、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0195】
〔28〕指令手段Hを表示切替スイッチ57とタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、表示切替スイッチ57の出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態とに切り替え、かつ、作業時稼働時間表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、作業時稼働時間表示状態、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0196】
〔29〕指令手段Hを表示切替スイッチ57とタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、表示切替スイッチ57の出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、稼働時間表示状態と燃料情報表示状態とに切り替え、かつ、稼働時間表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態とに切り替え、又、燃料情報表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0197】
〔30〕指令手段Hを表示切替スイッチ57とタイマ52Aにより構成し、表示制御手段D(表示ECU52)が、表示切替スイッチ57の出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、総稼働時間表示状態と作業時稼働時間表示状態と燃料情報表示状態とに切り替え、かつ、燃料情報表示状態に切り替えた場合は、タイマ52Aの出力に基づいて、情報表示領域51Eの表示状態を、設定時間ごとに、瞬間燃費表示状態、平均燃費表示状態、燃料使用量表示状態の順に循環して切り替えるように構成してもよい。
【0198】
〔31〕指令手段Hを単一の多接点スイッチにより構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明に係る作業機の表示構造は、トラクタ以外に、田植機やコンバインなどの農用作業機、あるいは、バックホーやホイールローダなどの建設用作業機、などに適用することができる。
【符号の説明】
【0200】
1 エンジン
29D 燃費演算手段
29E 使用量演算手段
52B 稼働時間積算手段
A 表示手段
B エンジン稼働検出手段
C 作業状態検出手段
D 表示制御手段
E 稼働時間表示領域
F 燃費表示領域
G 使用量表示領域
H 指令手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業状態か否かを検出する作業状態検出手段と、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃費を演算する燃費演算手段と、
前記燃費を表示する燃費表示領域を有する表示手段と、
前記燃費演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御する表示制御手段を備えて、
前記燃費演算手段が出力する前記作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする作業機の表示構造。
【請求項2】
前記燃費演算手段が、前記燃費として瞬間燃費と平均燃費を演算し、
前記燃費演算手段が出力する前記瞬間燃費及び前記平均燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする請求項1に記載の作業機の表示構造。
【請求項3】
前記燃費表示領域を一つとし、
瞬間燃費表示指令と平均燃費表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示状態と前記平均燃費を表示する平均燃費表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項2に記載の作業機の表示構造。
【請求項4】
前記燃費表示領域を一つとし、
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費とをひとまとめにして前記燃費表示領域に同時にグラフ表示することを特徴とする請求項2に記載の作業機の表示構造。
【請求項5】
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費のうちのいずれか一方を点灯表示し、他方を点滅表示することを特徴とする請求項4に記載の作業機の表示構造。
【請求項6】
エンジンが稼働状態か否かを検出するエンジン稼働検出手段を備え、
前記燃費演算手段が、前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃費を演算するように構成して、
非作業状態では、前記燃費演算手段が出力する前記非作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の作業機の表示構造。
【請求項7】
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の作業機の表示構造。
【請求項8】
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃料の使用量を演算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示し、非作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記非作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする請求項6に記載の作業機の表示構造。
【請求項9】
前記使用量表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と使用量表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記燃料の使用量を表示する使用量表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項7又は8に記載の作業機の表示構造。
【請求項10】
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記稼働時間積算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記稼働時間積算手段が出力する前記作業状態でのエンジンの稼働時間を前記稼働時間表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の作業機の表示構造。
【請求項11】
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知することによりエンジンの総稼働時間を積算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力と前記稼働時間積算手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記稼働時間表示領域の表示状態を、前記エンジンの総稼働時間を表示する総稼働時間表示状態と前記作業状態でのエンジンの稼働時間を表示する作業時稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項6又は8に記載の作業機の表示構造。
【請求項12】
前記稼働時間表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項10又は11に記載の作業機の表示構造。
【請求項1】
作業状態か否かを検出する作業状態検出手段と、
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃費を演算する燃費演算手段と、
前記燃費を表示する燃費表示領域を有する表示手段と、
前記燃費演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御する表示制御手段を備えて、
前記燃費演算手段が出力する前記作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする作業機の表示構造。
【請求項2】
前記燃費演算手段が、前記燃費として瞬間燃費と平均燃費を演算し、
前記燃費演算手段が出力する前記瞬間燃費及び前記平均燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする請求項1に記載の作業機の表示構造。
【請求項3】
前記燃費表示領域を一つとし、
瞬間燃費表示指令と平均燃費表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示状態と前記平均燃費を表示する平均燃費表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項2に記載の作業機の表示構造。
【請求項4】
前記燃費表示領域を一つとし、
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費とをひとまとめにして前記燃費表示領域に同時にグラフ表示することを特徴とする請求項2に記載の作業機の表示構造。
【請求項5】
前記表示制御手段が、前記瞬間燃費と前記平均燃費のうちのいずれか一方を点灯表示し、他方を点滅表示することを特徴とする請求項4に記載の作業機の表示構造。
【請求項6】
エンジンが稼働状態か否かを検出するエンジン稼働検出手段を備え、
前記燃費演算手段が、前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃費を演算するように構成して、
非作業状態では、前記燃費演算手段が出力する前記非作業状態での燃費を前記燃費表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の作業機の表示構造。
【請求項7】
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の作業機の表示構造。
【請求項8】
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知し、かつ、前記作業状態検出手段の出力に基づいて非作業状態を検知することにより、非作業状態での燃料の使用量を演算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態での燃料の使用量を演算する使用量演算手段を備え、
前記表示手段に、前記燃料の使用量を表示する使用量表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記使用量演算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示し、非作業状態では、前記使用量演算手段が出力する前記非作業状態での燃料の使用量を前記使用量表示領域に表示することを特徴とする請求項6に記載の作業機の表示構造。
【請求項9】
前記使用量表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と使用量表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記燃料の使用量を表示する使用量表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項7又は8に記載の作業機の表示構造。
【請求項10】
前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
前記表示制御手段が、前記稼働時間積算手段の出力に基づいて前記表示手段の作動を制御するように構成して、
前記稼働時間積算手段が出力する前記作業状態でのエンジンの稼働時間を前記稼働時間表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の作業機の表示構造。
【請求項11】
前記エンジン稼働検出手段の出力に基づいて前記エンジンの稼働を検知することによりエンジンの総稼働時間を積算し、又、前記作業状態検出手段の出力に基づいて作業状態を検知することにより作業状態でのエンジンの稼働時間を積算する稼働時間積算手段を備え、
前記表示手段に、前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示領域を形成し、
総稼働時間表示指令と作業時稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力と前記稼働時間積算手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記稼働時間表示領域の表示状態を、前記エンジンの総稼働時間を表示する総稼働時間表示状態と前記作業状態でのエンジンの稼働時間を表示する作業時稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項6又は8に記載の作業機の表示構造。
【請求項12】
前記稼働時間表示領域を前記燃費表示領域により構成し、
燃費表示指令と稼働時間表示指令とを出力する指令手段を備え、
この指令手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が、前記燃費表示領域の表示状態を、前記燃費を表示する燃費表示状態と前記エンジンの稼働時間を表示する稼働時間表示状態とに切り替えることを特徴とする請求項10又は11に記載の作業機の表示構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−188961(P2010−188961A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37946(P2009−37946)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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