説明

作業車両の走行振動抑制装置

走行振動抑制装置20は、バケット用方向制御弁30、ブーム用方向制御弁29、ライドコントロール弁31及びブーム増速弁33が内部配管により一体に積層配設された構成となっている。ライドコントロール弁31によりブームシリンダ11のボトム室11aとアキュムレータ27との連通又は遮断を行う。ブーム増速弁33は、ボトム室11a又はヘッド室11bに油圧ポンプ21の吐出圧を供給したり、ボトム室11a又はヘッド室11bをタンク23に接続させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の走行振動抑制装置に係り、特に、作業装置が装着された作業車両において、走行時の作業装置における圧力脈動をアキュムレータにより抑制し、車体の振動低減を行う走行振動抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両の一例であるホィールローダでは、車両本体に昇降自在に取着されたブームと、ブームに回動自在に取着されたバケット等の作業部材と、ブーム及び作業部材を作動するそれぞれのブームシリンダ及びバケットシリンダ等からなる作業装置が車両本体に付設されている。ブーム及び作業部材を作動させて、土砂の掘削、運搬、積み込み等を行っている。
【0003】
ホィールローダにおいて、走行時の作業装置における乗り心地の改善及び荷こぼれ防止として圧力脈動を抑制し、車体振動の低減を図るため、例えば、特許文献1に示す作業車両のダイナミックダンパが提案されている。図14に示すように、作業車両のダイナミックダンパは以下のごとくに構成されている。
【0004】
昇降シリンダ(以下、ブームシリンダ112という)が、油圧ポンプ117の圧油を制御弁119により受けて伸縮し、ブームの昇降を行っている。制御弁119は、ブームシリンダ112のヘッド側油室126と配管127を介して接続されるとともに、ボトム側油室128と配管129を介して接続されている。
【0005】
配管127及び配管129は、管路途中でそれぞれ分岐した分岐配管130及び分岐配管131を接続している。分岐配管130は切換弁133を介して油タンク116に接続している。分岐配管131は、切換弁133及び可変絞り装置161を介してアキュムレータ162に接続している。切換弁133は電磁弁により構成されており、非通電時にはスプリングにより付勢されて遮断位置に切換わり、通電時には接続位置に切換わる。
【0006】
可変絞り装置161は、絞り開度を複数段階に亘り調整可能とした絞り装置であり、複数の絞り164、165と絞り選択用の切換弁166とから構成されている。切換弁166は電磁弁により構成され、非通電時にはスプリングにより付勢されて大きい絞り開度を有した絞り164を選択する位置に切換わる。通電時には小さい絞り開度を有した絞り165を選択する位置に切換わる。切換弁133及び切換弁166はコントローラ153により制御される。
【0007】
配管129に接続した圧力センサ149は、ボトム側油室128の圧力を検出する。コントローラ153は、圧力センサ149により検出したボトム側油室128の圧力が、アキュムレータの最低許容圧力以上で、且つ、最大許容圧力以下の範囲に入っているとき、切換弁133のコイルを励磁して接続位置に切換える。また、コントローラ153は、圧力センサ149で検出した圧力が設定圧以上のとき、圧力センサ149で検出した圧力に応じて切換弁166の位置を選択する。
【0008】
前記設定圧は次のようにして設定されている。即ち、装着される作業装置の最小質量と積載物を含む作業装置の最大質量との間における適当な設定質量を想定する。例えば、最小質量と最大質量との和の1/2の質量を設定質量とする。作業装置の質量が前記想定した定質量であるものとして、制御弁119が中立位置にあるとき、このときにおけるブームシリンダ112のボトム側油室128の圧力を設定圧として定義している。
【0009】
上記の構成において、制御弁119を中立位置にするとともに、切換スイッチ155をオン操作してダイナミックダンパを作動させる。これにより、ホィールローダの走行時における車両本体のピッチング、バウンシング等の振動を防止している。
【0010】
ダイナミックダンパを作動させた状態でホィールローダを走行させる。このとき、路面の状況、車両の加減速等に応答して作業装置が振動し、これに伴ってブームも上下方向に揺動しようとする。このため、ブームを保持するブームシリンダ112のボトム側油室128内において圧力変動が生ずる。
【0011】
このときのボトム側油室128内での圧力は、圧力センサ149により検出される。検出された圧力が、アキュムレータ162の最低許容圧力以上で、かつ、最大許容圧力以下の範囲内のときには、コントローラ153は切換弁133を接続位置に切換える。
【0012】
作業装置の質量が上述した設定質量よりも小で、ボトム側油室128内の圧力が設定圧よりも低い場合には、切換弁166の切換えによって、ボトム側油室128とアキュムレータ162とが、大きい絞り開度を有した絞り164を介しての接続となる。作業装置の質量が設定質量以上で、ボトム側油室128内の圧力が設定圧以上の場合には、切換弁166の切換えによって、ボトム側油室128とアキュムレータ162とが、小さい絞り開度を有した絞り165を介しての接続となる。
【0013】
これにより、作業装置の質量が変化して、振動特性が変化しても、ダイナミックダンパの作動により車両本体のピッチング、バウンシング等の振動を効果的に抑制できるとしている。
【特許文献1】特開2001−200804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、特許文献1の作業車両のダイナミックダンパにおいては、ダイナミックダンパを選択する切換弁133と、絞り選択用の切換弁166との2個の電磁弁を用いなければならなかった。しかも、切換弁133が制御弁119から離間した位置に別置きで配置されているため、制御弁119とブームシリンダ112とを接続する配管127、129からそれぞれ分岐した分岐配管130、131を必要とする。
【0015】
このため、配管の本数が増加すると共に、その配管の場積が増加して配管を行うためのスペースを確保することが困難になる。また、切換弁として2個の電磁弁と複数の絞りを必要とするため、部品点数が増加し、価格の上昇を招いている。
【0016】
ホィールローダの走行時において、切換スイッチ155がオン操作されると、ブームシリンダ112のボトム側油室128は、切換弁133及び切換弁166を介してアキュムレータ162に接続される。このとき、作業装置の質量と積載物の質量との総和が、アキュムレータ162の設定圧を規定するときに想定した質量から大きく隔たっている場合には、ダイナミックダンパを有効に作動させることができない。
【0017】
例えば、アキュムレータ162の圧力がボトム側油室128内の圧力よりも高い場合には、高圧側であるアキュムレータ162の圧力が低圧側のボトム側油室128へ急激に供給されてしまう。このため、ブームシリンダ112が伸長し、ブームが急激に上昇する。
【0018】
アキュムレータ162の圧力がボトム側油室128の圧力よりも低い場合には、高圧側であるボトム側油室128の圧力が低圧側のアキュムレータ162へ急激に供給されてしまう。このときは、ブームシリンダ112が急激に縮小し、ブームが急激に下降する。このように、オペレータにとって予期せぬブームの挙動が発生する。
【0019】
また、作業車両が走行中に石等の上に乗り上げたときには、ブームシリンダ112から流れ出る瞬間流量が急激に大きくなる。このときに生じる大流量の瞬間流量を流すため、圧力損失の低い圧力装置を走行振動抑制装置に備えておくことが要望されている。更に、走行振動抑制装置には、振動発生時に作業装置に対する衝撃を小さくするため、良好な応答特性が求められている。
【0020】
更にまた、切換弁が、作業部材の積載質量により生ずるボトム側油室での大きな圧力変動幅に対して充分に対応できる開口面積を有していること、あるいは、アクチュエータの設定圧を広い範囲に亘って簡単に変更できる構成などが走行振動抑制装置に求められている。
【0021】
特に、ホィールローダ等における走行振動抑制装置には、次のような構成が要望されている。例えば、ブームが突き上げられたときには、アキュムレータが応答性良くボトム側油室からの圧油を迅速に吸収して、ブームの上昇を抑制する構成、また、ブームが下降するときには、アキュムレータからボトム側油室に圧油をゆっくりと供給してブームの下降を抑制し、短時間の間にブームの振動を抑制できる構成が要望されている。
【0022】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、作業車両に装備した作業装置のアクチュエータを制御する方向制御弁と、アキュムレータとアクチュエータとを接続するライドコントロール弁とを備え、簡単な構成で、応答性良く、アクチュエータにおける圧力脈動を抑制し、車体の振動低減を行うことのできる走行振動抑制装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために、本願発明では請求の範囲第1項に記載したように、油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出された圧油によって作動する少なくとも1以上のアクチュエータと、少なくとも1つの前記アクチュエータにおける一方の圧力室に接続され、同圧力室の圧力脈動を吸収するアキュムレータと、前記油圧ポンプから前記アクチュエータに供給する圧油を制御する方向制御弁と、前記アキュムレータと前記圧力室との連通及び遮断を制御するライドコントロール弁とを備えた作業車両の走行振動抑制装置において、前記ライドコントロール弁が、内部配管により前記方向制御弁に積層配設されてなることを最も主要な特徴となしている。
【0024】
また、本願発明では、アクチュエータの負荷圧を検出する圧力センサ、作業車両の走行状態を検出する走行状態検出センサを用いて、ライドコントロール弁の連通開口面積を制御すること、アキュムレータの圧力を検出する圧力センサを用いて、アキュムレータとアクチュエータとを連通させるときの条件を設定すること、ライドコントロール弁の連通開口面積として開口できる上限の開口面積を制御すること、可変絞りを用いてアクチュエータと前記アキュムレータとの圧力を同一にすること、増速弁をライドコントロール弁又は方向制御弁に積層配設することをそれぞれ主要な特徴となしている。
【発明の効果】
【0025】
本願発明では、アクチュエータ用の方向制御弁とライドコントロール弁とを内部配管により積層配設している。これにより、方向制御弁とライドコントロール弁との合わせ面において、両方の弁間を結ぶ油路を連通させることができ、走行用振動抑制装置をコンパクトに構成することができる。しかも、方向制御弁からアクチュエータ及びアキュムレータ間での外部配管としては、方向制御弁とアクチュエータとを接続する配管及びライドコントロール弁とアキュムレータとを接続する配管などとなる。
【0026】
このため、外部配管を行うために配設する配管の本数を少なくでき、また外部配管に使用する配管の長さを短くすることができる。外部配管の本数が少なく、しかも配管の長さが短くなることで外部配管を行うために必要とするスペースを少なくできる。また、外部配管の取り付け作業が容易となる。
【0027】
内部配管により配管内での圧力損失を小さくすることができ、しかも、瞬間流量を大量に流す流路径を確保することができるので、ライドコントロール弁の応答性が向上する。また、アキュムレータに対して過大な衝撃圧が作用することが少なくなり、アキュムレータとしての耐久性が向上する。
【0028】
このため、振動発生時における車両本体のピッチング、バウンシング等の振動を効果的に抑制できる。また、ライドコントロール弁としては、1つのスプールで、アキュムレータへの圧油の供給、及びアキュムレータとアクチュエータとの連通あるいは遮断を行うことができる構成とすることができる。簡単な構成にて走行振動抑制装置を構成できるので、走行振動抑制装置を構成するための部品点数を減少させることができ、しかも走行振動抑制装置を安価にて構成することができる。
【0029】
本願発明では請求の範囲第2項に記載したように、圧力センサ及び/又は走行状態検出センサからの検出信号に基づいてライドコントロール弁の連通開口面積を制御することができる。例えば、作業車両に装備したブームが作業車両の走行時に発生した振動により上昇させられる時には、前記連通開口面積を広くする制御を行い、アクチュエータのボトム室から高圧となった圧油をアキュムレータによって迅速に吸収することができる。これにより、ブームの急激な上昇を抑制することができる。
【0030】
また、作業車両の走行時に発生した振動によりブームが下降させられる時には、前記連通開口面積を狭くする制御を行い、アキュムレータからアクチュエータに供給する圧油を減圧して少なく供給することができる。これにより、ブームをゆっくりと下降させることができる。このように、作業車両の走行時に発生した振動によるアクチュエータの圧力脈動を短時間のうちに抑制することができる。
【0031】
本願発明では請求の範囲第3項に記載したように、アキュムレータ内の圧力がアクチュエータの負荷圧よりも高圧の時には、アキュムレータとアクチュエータとをそのままの状態で接続せずに、アキュムレータ内の圧力をアクチュエータの負荷圧まで一旦減圧した後にアキュムレータとアクチュエータとを接続させることができる。
【0032】
これにより、アキュムレータとアクチュエータとの接続時に、例えば、アキュムレータ内の圧力がアキュムレータの負荷圧よりも高圧であったために、ブームがアキュムレータからの圧力によって急に上昇してしまう事態が発生するのを防止できる。
【0033】
本願発明では請求の範囲第4項に記載したように、上限の開口面積までの間でライドコントロール弁の連通開口面積を制御する上において、前記上限の開口面積の値についても制御することができる。前記上限の開口面積については、請求の範囲第5項及び請求の範囲第6項において記載したように、アクチュエータの負荷圧力に応じて、及び/又は作業車両の走行速度に応じて、前記上限の開口面積の値を制御することができる。
【0034】
例えば、作業部材の積載質量によって生ずるアクチュエータの負荷圧力が高いときや、作業車両の走行速度が速いときには、連通開口面積として開口できる上限の開口面積を小さくすることができる。これにより、アキュムレータに過大な衝撃圧が作用することを防止してアキュムレータの耐久性を向上させることができる。
【0035】
例えば、作業部材の積載質量により生ずるアクチュエータの負荷圧力が低いときや、作業車両の走行速度が遅いときには、連通開口面積として開口できる上限の開口面積を大きくすることができる。これにより、アクチュエータの圧力脈動に対するアキュムレータの応答性を向上させることができる。
【0036】
このように、アクチュエータの負荷圧力及び/又は作業車両の走行状態に適合した走行振動抑制装置を得ることができる。また、従来のごとく、アキュムレータからの圧力を受けてアクチュエータが予期せぬ伸縮を行うことがなくなり、作業車両における運転性が向上する。
【0037】
本願発明では請求の範囲第7項に記載したように、ライドコントロール弁に設けた可変絞りによって、アクチュエータとアキュムレータとの圧力を同一にすることができる。これにより、作業部材の積載質量によって生ずるアクチュエータの負荷圧力の変動幅が大きく変わったとしても、アクチュエータの負荷圧力に対応した圧力となるように、アキュムレータの圧力を広い範囲に亘って簡単に調整することができる。
【0038】
本願発明では請求の範囲第8項に記載したように、方向制御弁又はライドコントロール弁に隣接して増速弁を積層配設することができる。アクチュエータに対する供給流量及び排出流量を積層配設した増速弁からも流すことができる。アクチュエータに対して給排する圧油の流量を増速弁によって一部肩代わりして流すことができるので、中型及び大型の作業車両に対しても本願発明の走行振動抑制装置を搭載することができ、優れた振動抑制効果を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明に係る走行振動抑制装置を用いたホィールローダの側面概略図である。
【図2】図2は、走行振動抑制装置の構成図である。
【図3】図3は、走行振動抑制装置の圧力回路である。(実施例1)
【図4】図4は、ライドコントロール弁と制御部の回路図である。(実施例1)
【図5】図5は、ライドコントロール弁のストロークと開口面積を説明する図である。(実施例1)
【図6】図6は、ライドコントロール弁のタイムチャート図である。(実施例1)
【図7】図7は、第1ライドコントロール弁と制御部の回路図である。(実施例2)
【図8】図8は、第1ライドコントロール弁のストロークと開口面積を説明する図である。(実施例2)
【図9】図9は、第1ライドコントロール弁のタイムチャート図である。(実施例2)
【図10】図10は、第2ライドコントロール弁と制御部の回路図である。(実施例3)
【図11】図11は、第2ライドコントロール弁のストロークと開口面積を説明する図である。(実施例3)
【図12】図12は、第2ライドコントロール弁のタイムチャート図である。(実施例3)
【図13】図13は、第3ライドコントロール弁と制御部の回路図である。(実施例4)
【図14】図14は、作業装置の油圧回路を示した図である。(従来例)
【符号の説明】
【0040】
1 ホィールローダ
2 車両本体
3 作業装置
10 ブーム
11 ブームシリンダ(ブーム用アクチュエータ)
13 バケット
15 バケットシリンダ
20、20A、20B、20C 走行振動抑制装置
21 油圧ポンプ
23 タンク
25 方向制御弁
27 アキュムレータ
29 ブーム用方向制御弁(ブーム用方向制御弁)
30 バケット用方向制御弁
31、31A、31B ライドコントロール弁
33 ブーム増速弁
56 ライド弁用制御部
56a 制御室
56b 比例制御弁
57、57a、57b、57c コントローラ
61 供給油用配管
62 戻り用配管
63 タンク用油路
67 ポンプ用配管
73 配管
81 ブーム用圧力センサ
82 アキュムレータ用圧力センサ
84 走行状態検出センサ
86 可変絞り
88 可変絞り弁
90 第1比例制御弁
W1〜W3 合わせ面
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明に係る走行振動抑制装置の実施形態について図面を参照して以下において説明する。走行振動抑制装置を搭載した作業車両として、ホィールローダを例に挙げて説明を行うが、本発明に係る走行振動抑制装置を搭載することのできる作業車両としては、ホィールローダに限定されるものではない。作業車両の走行中に作業装置のアクチュエータに圧力脈動が発生するものであれば、同作業車両に対して圧力脈動を抑制する装置として本願発明に係わる走行振動抑制装置を搭載することができる。そのため、走行振動抑制装置としては、以下で説明する構成に限定されるものではなく多様な変更が可能である。
【0042】
図1において、ホィールローダ1は、車両本体2と、車両本体2の前部に取着された作業装置3とから構成されている。車両本体2は、前フレーム5と後フレーム6等からなる車体7と、キャビン8等とから構成されている。
【0043】
作業装置3は、前フレーム5の枢支軸9により昇降自在に枢支された左右一対のブーム10と、前フレーム5と各ブーム10との間に介装され、ブーム10を昇降する左右一対のブームシリンダ11と、一対のブーム10の前端部にそれぞれ回動自在に枢支されたバケット13と、前フレーム5とバケット13との間に介装され、バケット13を回動するバケットシリンダ15等とから構成されている。走行振動抑制装置20は、前フレーム5側の点線で囲んだ部位に配設されている。
【実施例1】
【0044】
走行振動抑制装置20の構成図として図2に示すように、バケット用方向制御弁ボデイ30’(以下、バケット弁ボデイ30’という。)、ブーム用方向制御弁ボデイ29’(以下、ブーム弁ボデイ29’という。)、ライドコントロール弁ボデイ31’(以下、ライド弁ボデイ31’という。)及びブーム増速弁ボデイ33’(以下、増速弁ボデイ33’という。)がボデイ内の内部配管により積層配設され、一つのブロック体25として構成されている。上述した4個の弁ボデイが一つのブロック体25として構成された走行振動抑制装置20を用いて、以下において走行振動抑制装置20の説明を行う。
【0045】
バケット用方向制御弁30(以下、バケット弁30という。)及びブーム増速弁33(以下、増速弁33という。)を積層配設した走行振動抑制装置20について以下で説明を行うが、バケット弁30及び増速弁33を積層配設することは、走行振動抑制装置20として必ずしも必要な構成ではない。少なくともブーム用方向制御弁29(以下、ブーム弁29という。)及びライドコントロール弁31(以下、ライド弁31という。)が積層配設されている構成が、走行振動抑制装置20としては必要な構成となっている。
【0046】
図2に示すように油圧ポンプ21は、タンク23から吸引した油を吐出圧油としてブロック体25に送給する。バケット弁ボデイ30’内のバケット弁30(図3参照)は、図示せぬパイロット圧により切り換えられ、油圧ポンプ21からの吐出圧油をバケットシリンダ15に供給してバケットシリンダ15の作動制御を行う。また、ブーム弁ボデイ29’内のブーム弁29(図3参照)は、図示せぬパイロット圧により切り換えられ、油圧ポンプ21からの吐出圧油をブームシリンダ11に供給してブームシリンダ11の作動制御を行う。
【0047】
ライド弁ボデイ31’内のライド弁31(図3参照)は、図示せぬパイロット圧により切り換えられ、ブームシリンダ11とアキュムレータ27との接続、遮断とを行う。これにより、走行時に車体7の振動を受けて発生するブームシリンダ11の圧力脈動をアキュムレータ27により抑制することができる。
【0048】
増速弁ボデイ33’内の増速弁33(図3参照)は、図示せぬパイロット圧により切り換えられ、ブームシリンダ11とアキュムレータ27とを接続する流路径を増大させることができ、また、ブームシリンダ11とタンク23とを接続する流路径を増大させることができる。
【0049】
図3を用いて、走行振動抑制装置20の圧力回路を説明する。走行振動抑制装置20は、ブーム弁29、バケット弁30、ライド弁31及び増速弁33が一体に積層配設された構成となっている。尚、図3では、タンク23を走行振動抑制装置20内に記載しているが、これはタンク23との接続配管を省略することで圧力回路を見易くするためのものである。実際には、図示せぬ配管を介して、外部に配設したタンク23と接続している。
【0050】
バケット弁ボデイ30’とブーム弁ボデイ29’、ブーム弁ボデイ29’とライド弁ボデイ31’、及びライド弁ボデイ31’と増速弁ボデイ33’とはそれぞれ隣接して配設されている。また、各弁ボデイ内の配管は、隣接するボデイ同士の合わせ面W1〜W3において相互に接続されている。
【0051】
ブロック体25は、クローズドセンタとして形成されるとともに、ブーム弁29及びバケット弁30がポンプ用配管35により油圧ポンプ21に対して並列に接続されたパラレル弁として形成されている。これにより、内部配管により油路が形成された走行振動抑制装置20が構成されている。
【0052】
バケット弁ボデイ30’にはバケット弁30が形成されている。ボトム配管39aにより、バケットシリンダ15のボトム室15aとバケット弁30のポート30aとが接続し、ヘッド配管39bにより、バケットシリンダ15のヘッド室15bとボート30bが接続している。また、ポート30cは油圧ポンプ21の吐出ポートと配管35を介して接続し、ポート30dは、タンク23と接続している。
【0053】
バケット弁30は、バケットシリンダ15のピストンを伸長させるチルト位置(H)、ピストンを縮小させるダンプ位置(L)及びピストンの伸縮状態を維持する中立位置(N)の3位置に切換えることができる。パイロット圧を作動させて、バケット弁30の作動位置をチルト位置(H)に切換えると、油圧ポンプ21からの吐出圧油がポート30c、ポート30a及びボトム配管39aを介してバケットシリンダ15のボトム室15aに供給され、ヘッド室15bの圧油はヘッド配管39b、ポート30b及びポート30dを介してタンク23に排出される。これにより、バケットシリンダ15のピストンを伸長させることができる。
【0054】
また、バケット弁30の作動位置をダンプ位置(L)に切換えると、油圧ポンプ21からの吐出圧油がポート30c、ポート30b及びヘッド配管39bを介してヘッド室15bに供給され、ボトム室15aの圧油はボトム配管39a、ポート30a及びポート30dを介してタンク23に排出される。これにより、前記ピストンを縮小させることができる。バケット弁30が中立位置(N)にあるときは、バケット弁30とバケットシリンダ15との接続が遮断され、前記ピストンの伸縮状態を維持することができる。
【0055】
ブーム弁ボデイ29’には、ブーム弁29が形成されている。ボトム配管37aを介して、ブームシリンダ11のボトム室11aとブーム弁29のポート29aとが接続し、ヘッド配管37bを介して、ヘッド室11bとポート29bとが接続している。また、ポート29cは、油圧ポンプ21の吐出ポートと配管35を介して接続し、ポート30dは、タンク23と接続している。
【0056】
ブーム弁29の両端部には、操作レバー等により操作される図示せぬ圧力比例減圧弁を介してパイロット圧を受けるパイロット室49a、49bが形成されている。パイロット室49a、49bは、一方側のパイロット室49a、49bが図示せぬ圧力比例減圧弁を介してパイロット圧を受け、反対側のパイロット室49b、49aにおける圧油が図示せぬ圧力比例減圧弁を経てタンク23に戻される構成となっている。
【0057】
ブーム弁29は、浮き位置(F)、下降位置(L)、中立位置(N)及び上昇位置(H)の4位置に切換えることができる。4位置への切換えは、ブーム弁29の両端にそれぞれ作用するバネ及びパイロット室49a、49bに作用するパイロット圧により切換えることができる。
【0058】
上昇位置(H)では、油圧ポンプ21からの吐出圧油がポート29c、ポート29a及びボトム配管37aを介してブームシリンダ11のボトム室11aに供給され、ヘッド室11bの圧油はヘッド配管37b、ポート29b及び29dを介してタンク23に排出される。これにより、ブームシリンダ11のピストンが伸長し、ブーム10を上昇させる。
【0059】
中立位置(N)では、ブーム弁29とブームシリンダ11との接続が遮断され、ブームシリンダ11におけるピストンの伸縮状態を維持することができる。
下降位置(L)では、油圧ポンプ21からの吐出圧油がポート29c、ポート29b及びヘッド配管37bを介してヘッド室11bに供給され、ボトム室11aの圧油はボトム配管37a、ポート29a及び29dを介してタンク23に排出される。これにより、ブームシリンダ11のピストンが縮小してブーム10を下降させる。
【0060】
浮き位置(F)では、ポート29a、ポート29b及びポート29dが全て接続し、ボトム室11aとヘッド室11bとがタンク23に接続した状態で連通する。これにより、ブームシリンダ11を外力に応じて自由に伸縮させることができ、ブーム10を浮動させる。
【0061】
ライド弁ボデイ31’には、ライド弁31、ライド弁用制御部56としての比例制御弁56b、及びチャージ用減圧弁66が形成されている。ライド弁31は、一端にはバネが付勢され、他端には比例制御弁56bからのパイロット圧を受けるパイロット室56aが形成されている。比例制御弁56bとパイロット室56aとにより、ライド弁用制御部56が構成されている。
【0062】
ライド弁31のポート31aは、アキュムレータ用配管40を介してアキュムレータ27に接続している。ポート31bは、配管45a及び配管73を介してボトム配管37aからボトム室11aと接続している。
【0063】
ポート31cは、配管45bを介してヘッド配管37bからヘッド室11bと接続している。ポート31dは、油圧ポンプ21の吐出ポートと配管35及びチャージ用減圧弁66を介して接続し、ポート31eは、タンク23と接続している。
【0064】
ポート31dは、ライド弁31の非作動時において、ポート31a及びアキュムレータ用配管40を介してアキュムレータ27に接続することができる。
【0065】
ライド弁31は、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aを接続する走行振動抑制装置20の作動位置(A)と、油圧ポンプ21とアキュムレータ27を接続する走行振動抑制装置20の非作動位置(B)と、の2位置で切り換えることができる。ライド弁31の切換えは、比例制御弁56bを図示せぬコントローラ57(図4参照)からの制御信号による制御で行う。
【0066】
比例制御弁56bは、制御用ポンプ59に接続されている。比例制御弁56bがコントローラ57からの信号を受けて作動すると、制御用ポンプ59からの吐出圧油をパイロット圧として、パイロット室56aに供給してライド弁31の切換えを行う。また、チャージ用減圧弁66は、ライド弁31の非作動時にアキュムレータ27の圧力をチャージ用減圧弁66で設定する設定圧にする。
【0067】
ライド弁31が非作動位置(B)にありチャージ用減圧弁66の作動中には、油圧ポンプ21からの吐出圧油を減圧してアキュムレータ27に蓄圧しておくことができる。また、ライド弁31が作動位置(A)にあるときは、アキュムレータ27とボトム室11aとを接続し、ヘッド室11bをポート31c、ポート31eを介してタンク23に接続する。
【0068】
ライド弁31が作動位置(A)にあるときは、ホィールローダ1の走行時にブームシリンダ11のボトム室11aに発生する圧力脈動をアキュムレータ27により吸収・減衰することができる。また、ヘッド室11bとタンク23との間では油の給排を行うことができる。
【0069】
増速弁ボデイ33’には、増速弁33が形成されている。増速弁33のポート33aは、ブーム用増速配管41により配管73及び外部配管とした供給油用配管61を介してボトム配管37aに接続している。ポート33bは、油圧ポンプ21の吐出ポートと配管35を介して接続し、ポート33cは、タンク23と接続している。
【0070】
増速弁33は、ブームシリンダ11の縮小を増速させる下げ位置(Ld)、中立位置(N)及びブームシリンダ11の伸長を増速させる上げ位置(Hu)の3位置に切換えることができる。3位置への切換えは、増速弁33の両端に形成したパイロット室75a、75bにパイロット圧を受けることで行うことができる。
【0071】
各パイロット室75a、75bにはバネがそれぞれ配設されており、増速弁33を中立位置(N)に保持している。パイロット室75a及びブーム弁29のパイロット室49aはパイロット配管77aを介して同じパイロット圧が作用する。また、パイロット室75b及びブーム弁29のパイロット室49bはパイロット配管77bを介して同じパイロット圧が作用する。
【0072】
パイロット室75a及びパイロット室49a又はパイロット室75b及びパイロット室49bの一方のパイロット室にパイロット圧が作用するときには、他方のパイロット室はタンク23に接続する。これにより、増速弁33をブーム弁29に同期させて切り換えることができる。
【0073】
増速弁33が下げ位置(Ld)に切換わるのは、ブーム弁29がパイロット圧を受けて下げ位置(L)又は浮き位置(F)に切り換わり、同じパイロット圧を受けて増速弁33が下げ位置(Ld)に切換わるときである。このとき、油圧ポンプ21からの吐出圧油は、ブーム弁29を介してヘッド室11bに供給される。ボトム室11aの圧油は、ボトム配管37’a、37aを介してブーム弁29からタンク23に排出されるとともに、ボトム配管37aから分岐した配管61、73を介して配管41を通り増速弁33からタンク23に排出される。
【0074】
ブーム弁29が中立位置(N)にあり、増速弁33も同じく中立位置(N)にあるときは、ポート33bとポート33aとの接続が遮断される。ブーム弁29がパイロット圧を受けて上げ位置(H)に切り換わり、同じパイロット圧を受けて増速弁33が上げ位置(Hu)に切換わると、油圧ポンプ21からの吐出圧油は、ブーム弁29及び増速弁22を介してボトム室11aに供給される。ヘッド室11bの圧油は、ブーム弁29からタンク23に排出される。
【0075】
以上の説明において、バケット弁30、ブーム弁29、ライド弁31及び増速弁33が、パイロット圧により制御される例を説明したが、前記各弁の制御はパイロット圧により制御されるものに限定されるものではなく、電磁ソレノイドにより制御することもできる。また、前記各弁のパイロット室又は電磁ソレノイド部は、それぞれの弁ブロックの外方に配設することで着脱自在に取着することができる。これにより、各弁ブロックを小型化することができ、パイロット室又は電磁ソレノイド部の整備性を向上させることができる。
【0076】
配管35は、バケット弁ボデイ30’とブーム弁ボデイ29’との合わせ面W1、ブーム弁ボデイ29’とライド弁ボデイ31’との合わせ面W2、及びライド弁ボデイ31’と増速弁ボデイ33’との合わせ面W3をそれぞれ貫通して配管されている。また、配管45bは、ブーム弁ボデイ29’とライド弁ボデイ31’との合わせ面W2を貫通して配管されている。配管73、パイロット配管77bは、それぞれブーム弁ボデイ29’とライド弁ボデイ31’との合わせ面W2、及びライド弁ボデイ31’と増速弁ボデイ33’との合わせ面W3をそれぞれ貫通して配管されている。供給油用配管61は外部配管により配設されている。
【0077】
パイロット配管77a、77bは、内部配管として構成することも外部配管として構成することもできる。
【0078】
走行振動抑制装置20の構成として増速弁33を積層配設した構成を説明したが、増速弁33は必ずしも設けなければならないものではなく、作業車両が大きくなったときに、ブーム5を迅速に作動させる目的で増設することができる。増速弁33は、バケットの積載容量が大きくなり、これを作動するブームシリンダ11の直径が太くなっても、抵抗を少なくして圧油を供給することができる。
【0079】
次に、走行振動抑制装置20の作動について説明する。先ず、図4、図5、図6を用いてライド弁31の作動について説明し、次にホィールローダ1について走行振動抑制装置20の振動抑制について説明する。
【0080】
図4はライド弁31の構成を説明するため、ブーム弁29及び増速弁33の構成を省略して示している。図4に示すように、コントローラ57から制御信号が出力させずライド弁31が非作動時において、比例制御弁56bはライド弁31のパイロット室56aとタンク23とを接続させて、パイロット室56aに加わるパイロット圧を低圧にしている。ライド弁31はバネ55aの付勢力により走行振動抑制装置20の非作動位置(B)に位置する。
【0081】
このとき、ライド弁31は、チャージ用減圧弁66で設定したチャージ圧に減圧した圧力ポンプ21の吐出圧油をアキュムレータ27に供給し、アキュムレータ27の圧力として蓄圧する。
【0082】
ライド弁31の作動開始時には、図6(a)に示すように、コントローラ57から比例制御弁56bに出力される制御電流を、時刻T1から順次増加する。比例制御弁56bはコントローラ57からの制御信号を受けて、ライド弁31のパイロット室56aと制御用ポンプ59とを接続し、パイロット室56aに供給するパイロット圧を漸次高圧にする。
【0083】
これにより、図6(b)に示すようにライド弁31のスプールは、バネ55aの付勢力に抗してストローク量を増大させる。これにより、ライド弁31は非作動位置(B)から作動位置(A)に切換わっていく。このとき、図6(c)に示すように、ポート31dとポート31aとを連通する開口面積Saは、A1の面積から減少して時刻T2において面積が零(A0)の状態となる。それ以降も面積が零(A0)の状態が維持される。
【0084】
時刻T2から時刻T3までの間では、図6(d)に示すように、ポート31aとポート31bとを連通する開口面積Sbは、開口面積が零(A0)の状態から増加して時刻T3において面積がA3の状態となる。また、このとき、図6(e)に示すように、ポート31cとポート31eとを連通する開口面積Scは、面積が零(A0)の状態から増加して時刻T3において面積がA4の状態となる。
【0085】
尚、ポート31cとポート31eとが連通してヘッド室11bをタンク23に接続する開口面積Scは、時刻T2の時点から面積がA4となる全開状態とすることもできる。また、ライド弁31の切換速度は、コントローラ57から比例制御弁56bに対して出力する制御電流の大きさにより制御することができる。このため、制御電流の大きさを制御することでライド弁31の切換速度を自由に設定することができる。
【0086】
時刻T3から時刻T4までの間では制御電流を増加させながら比例制御弁56bを制御するが、時刻T4に到達する前の時刻T3において、ポート31aとポート31bとを連通する開口面積SbはA3の一定値となり、またポート31cとポート31eとを連通する開口面積ScはA4の一定値となり、それ以上の開口面積の増加は行われない。時刻T4以降ではコントローラ57から出力される制御電流が一定値になっている。
【0087】
図5は、ライド弁31のスプールのストローク量を横軸に開口面積を縦軸にとり、ポート31dとポート31aとを連通する開口面積Sa、ポート31aとポート31bとを連通する開口面積Sb、及びポート31cとポート31eとを連通する開口面積Scに対するライド弁31のスプールのストローク量の関係を示した図である。
【0088】
図5においては、ライド弁31のスプールがストロークL1以上にストロークしたとき、ポート31cとポート31eとが連通してヘッド室11bをタンク23に接続する開口面積Scは、面積が零(A0)の状態から面積がA4の状態に変わることを示している。即ち、図6の説明で上述したように、ポート31cとポート31eとが連通してヘッド室11bをタンク23に接続する開口面積Scは、時刻T2の時点から面積がA4となり全開状態となっている。
【0089】
図5においても図6(e)に示したと同様に、ライド弁31のスプールにおけるストローク量がストロークL1から増加するに従って開口面積Scを順次増加させることもできる。
【0090】
これにより、ライド弁31のスプールに対しては設定された所定量のストロークを得ることができ、開口面積Sb、Scとして開口することのできる上限の面積A3及び面積A4を確実に得ることができる。
【0091】
ホィールローダ1の走行が終了し、オペレータが比例制御弁56bを制御する図示しないスイッチをOFF操作することで、ライド弁31は非作動位置(B)に復帰する。このとき、開口面積Saは零(A0)の状態からA1の面積状態に復帰し、開口面積Sb、Scはそれぞれ面積A3及び面積A4の状態から零(A0)の状態に復帰する。
【0092】
次に、走行振動抑制装置20を用いたホィールローダ1の振動抑制について説明する。例えば、ホィールローダ1が掘削作業を行うときには、比例制御弁56bを制御する図示しないスイッチをOFF操作しておく。これにより、コントローラ57は比例制御弁56bに対して制御電流を出力せず、ライド弁31は非作動位置(B)に留まる。
【0093】
このとき図3に示すように、ブームシリンダ11のボトム室11aはブーム弁29のポート29aと増速弁33のポート33aとに接続し、ヘッド室11bはブーム弁29のポート29bに接続している。この状態で、ブーム弁29がパイロット圧により操作されると同時に増速弁33も操作され、油圧ポンプ21の吐出圧油がブーム弁29及び増速弁33を介してブームシリンダ11に給排され、ブームシリンダ11に対しての伸縮作動を行わせて掘削作業を行うことができる。
【0094】
ホィールローダ1の走行時において、路面の起伏に応じてブームシリンダ11の圧力に脈動が発生するのを抑制するため、前記スイッチをON操作する。これにより、コントローラ57から比例制御弁56bに対して制御電流が出力され、ライド弁31を作動位置(A)側に切換える。
【0095】
これにより、ライド弁31のスプールは、制御された比例制御弁56bが出力するパイロット圧によって所定量のストロークが得えられる。ライド弁31のスプールにおけるストローク量に応じて、ライド弁31におけるアキュムレータ51とブームシリンダ11のボトム室11aとを連通する開口面積Sbは、零(A0)の状態から上限の開口面積A3に増大する。また、ブームシリンダ11のヘッド室11bとタンク23とを連通する開口面積Scは、図6(e)においては零(A0)の状態から上限の開口面積A4状態に増大する。図5においては零(A0)の状態から直接上限の開口面積A4となっている。
【0096】
ライド弁31を作動位置(A)に切り換えた状態で、ホィールローダ1を走行させる。このときブーム弁29及び増速弁33は中立位置(N)に切換えておく。これにより、ブーム弁29及びライド弁31とブームシリンダ11のボトム室11aとの接続、びブーム弁29とヘッド室11bとの接続をともに遮断しておくことができる。
【0097】
ライド弁31が作動位置(A)にある状態でホィールローダ1を走行させる。路面の起伏状態、ホィールローダ1の加速、減速により車体7が振動する。これに伴って作業装置3を支持しているブーム10が上下方向に回動しようとして、ブーム10を支持しているブームシリンダ11のボトム室11aの油に圧力脈動を発生する。
【0098】
ブームシリンダ11のボトム室11aは、ボトム配管37aから分岐した配管73を経てライド弁31からアキュムレータ27と連通する。このため、圧力損失が少ない状態で瞬間に多量の流体を流すことができる。またこのとき、ヘッド室11bは、ヘッド配管37bを介してライド弁31のポート31c、ポート31eからタンク23に連通し、ヘッド室11b内の圧油の給排を行うことができる。ブームシリンダ11のボトム室11aとアキュムレータ27との間で迅速な圧油の給排を行うことで、ブームシリンダ11の圧力脈動を早急に抑制することができる。
【0099】
本願発明の走行振動抑制装置では、大きな振動を発生する中型、大型のホィールローダ1に装着した場合でも、ブームシリンダ11のボトム室11aとアキュムレータ27との間において、ブームシリンダ11の圧力脈動を迅速に抑制することができる。
【0100】
なお、上記説明では、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを接続するライド弁31での開口面積Sbが上限の開口面積A3となっており、ブームシリンダ11のヘッド室11bとタンク23とを接続するライド弁31での開口面積Scが上限の開口面積A4となっている場合について説明を行った。しかし、ライド弁31としては、開口面積Sbを上限の開口面積A3まで開口させずに、開口面積A3よりも小さな面積にして使用することもできる。
【実施例2】
【0101】
次に、本願発明に係わる第2実施例の走行振動抑制装置20Aについて説明する。図7はライド弁31Aと制御部の回路図を示し、図8はライド弁31Aのストローク量と開口面積との関係を説明する図であり、図9はタイムチャート図を示す。図7はライド弁31Aの構成を説明するため、ブーム弁29及び増速弁33の構成を省略して示している。
【0102】
実施例2における走行振動抑制装置20Aは、第1実施例の走行振動抑制装置20に対して、主に、ライド弁31Aの構成が一部異なっており、実施例1と同一の部品に対しては同一の符号を付すことで、その説明を省略している。
【0103】
図7において、走行振動抑制装置20Aでは、ライド弁31Aが3位置に切換えられる構成となっている。また、ブームシリンダ11のボトム室11aの圧力を検出するブーム用圧力センサ81と、アキュムレータ27の圧力を検出するアキュムレータ用圧力センサ82が設けられている。コントローラ57aは、両圧力センサ81、82からの信号を受けて比例制御弁56bに対して制御信号を出力する。
【0104】
ライド弁31Aは、実施例1におけるライド弁31の作動位置(A)と非作動位置(B)との間に、ポート31aとポート31eを接続する接続位置(C)を追加している。作動位置(A)と非作動位置(B)とにおける構成は、実施例1における構成と同様の構成を備えているので、以下では接続位置(C)の構成を中心に説明する。
【0105】
接続位置(C)においてライド弁31Aは、ポート31aとポート31eとをライド弁31A内に形成した絞りを介して接続する。接続位置(C)では、前記絞りを介してアキュムレータ27の圧油をタンク23に排出することができる。
【0106】
実施例2においては、アキュムレータ27に蓄圧された圧力としては、作業装置3の質量による圧力と、バケットに積載する土砂の質量による圧力との和の最大圧力以上の圧力が蓄圧されている。これにより、作業装置3の質量が変化してブームシリンダ11の圧力が変化しても、接続位置(C)を使ってアキュムレータ27の圧力を一部タンク23に逃がすことができ、アキュムレータ27の圧力を容易にブームシリンダ11のボトム室11aの圧力に適合した圧力とすることができる。
【0107】
次に、走行振動抑制装置20Aの作動について説明する。先ず、図7、図8、図9を用いてライド弁31Aの作動について説明し、次にホィールローダ1に装備した走行振動抑制装置20Aによるブームシリンダ11の圧力脈動を抑制する作用について説明する。
【0108】
図7に示すように、実施例1と同様に走行振動抑制装置20Aの非作動時においては、コントローラ57aは比例制御弁56bを低圧にして、ライド弁31Aを非作動位置(B)にする。このとき、ポート31dとポート31aとの開口面積Saは面積A1の状態で接続し、油圧ポンプ21の吐出圧油をチャージ用減圧弁66で設定した圧力に減圧したのちアキュムレータ27に蓄圧することができる。
【0109】
作動時には、コントローラ57aは、図9に示す時刻T11から時刻T13までの間において比例制御弁56bに対して、図9(a)に示すような制御電流を順次増加して出力する。比例制御弁56bはコントローラ57aからの制御信号を受けて、ライド弁31Aのパイロット室56aに対して制御用ポンプ59のパイロット圧を漸次高圧にして供給する。
【0110】
これにより、図9(b)に示すようにライド弁31Aのスプールは、そのストローク量を増大させ、図8及び図9(c)に示すように、ポート31dとポート31aとを連通する開口面積Saを開口面積A1の状態から順次減少させる。
【0111】
ライド弁31Aのスプールのストローク量がLhalfとなる途中のストローク量L1になったとき、即ち図9における時刻T12では、ポート31dとポート31aとを連通する開口面積Saは零(A0)となる。また、時刻T12以降においても開口面積Saは零(A0)の状態が維持される。
【0112】
時刻T12から時刻T13の間では、コントローラ57aは制御電流を増加させ、ライド弁31Aを図7の接続位置(C)とする。このとき、ライド弁31Aのスプールは、図8(b)に示すようにストローク量を最大ストローク量Lmaxの半分Lhalfまで漸次増大させる。また、図8(d)に示すように、ポート31aとポート31eとを連通する開口面積Sdを増大させ、時刻T13において面積Anとする。
【0113】
時刻T13から時刻T14の間隔は、アキュムレータ27の圧力をボトム室11aの圧力に減圧する期間であり、同期間内は圧力センサ82で検出したアキュムレータ27の圧力と圧力センサ81で検出したボトム室11aの圧力との差圧の大きさによって決定される。時刻T14から時刻T15の間で、ライド弁31Aのスプールは、図8(b)に示すようにストローク量をストローク量Lhalfから漸次増大させながら、図8(d)に示すように、ポート31aとポート31eとを連通する開口面積Sdを減少させ、時刻T15において面積を零(A0)とする。これにより、アキュムレータ27の圧力をボトム室11aの圧力と等しい圧力にすることができる。
【0114】
時刻T15以降は、実施例1における時刻T2以降と同様の制御が行われる。このため、時刻T15以降についての説明は、実施例1における時刻T2以降の説明をもって省略する。ライド弁31Aのスプールの切換速度は、コントローラ57aから比例制御弁56bに出力する制御電流の大きさによって制御することができる。実施例1の場合と同様に制御電流の大きさを制御することで、ライド弁31Aの切換速度を自由に設定することができる。
【0115】
ホィールローダ1の走行が終了し、オペレータが比例制御弁56bを制御する図示しないスイッチをOFF操作すると、ライド弁31Aは非作動位置(B)に復帰する。このとき、開口面積Saは零(A0)の状態からA1の開口面積状態に復帰し、開口面積Sb、Scはそれぞれ開口面積A3及び開口面積A4の状態から零(A0)の状態に復帰する。
【0116】
次に、走行振動抑制装置20Aの作動についてホィールローダ1の運搬作業を用いて説明するが、実施例1と略同様な作動を行うことができるため、異なっている作動を中心に説明する。
【0117】
ホィールローダ1の走行時において、オペレータが比例制御弁56bを制御する図示しないスイッチをON操作すると、コントローラ57aは、作業装置3が積載している土砂量に応じて生じたブームシリンダ11のボトム室11aにおける圧力Pbをブーム用圧力センサ81からの検出圧力として入力する。また、アキュムレータ27に蓄圧されているアキュムレータ圧Paをアキュムレータ用圧力センサ82からの検出圧力として入力する。
【0118】
コントローラ57aは、ボトム室11aの圧力Pbとアキュムレータ圧Paとの差圧を求め、差圧が大きいときには比例制御弁56bに対して制御電流を出力し、ライド弁31Aのスプールを図9(b)に示すハーフストロークのストローク量Lhalfにする。これにより、ライド弁31Aは(C)位置となり、アキュムレータ27の圧力が減圧される。
【0119】
コントローラ57aは、ボトム室11aの圧力Pbとアキュムレータ圧Paの差圧が所定の許容範囲内になるまでライド弁31Aを(C)位置に維持する。差圧が許容範囲内になると再度比例制御弁56bに対して制御電流を出力し、ライド弁31Aのスプールを最大ストローク量Lmaxまでストロークさせる。
【0120】
ライド弁31Aは、作動位置(A)となり、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを開口面積A3で接続し、タンク23とブームシリンダ11のヘッド室11bとを開口面積A4で接続する。
【0121】
ライド弁31Aを作動位置(A)にしてホィールローダを走行させると、実施例1と同様に、例えばタイヤが石に乗りブーム10が突き上げられたときに生じるブームシリンダ11のボトム室11aの圧力変動を抑制することができる。しかも、アキュムレータ27の圧力をボトム室11aの圧力とほぼ等しい圧力にしてから、アキュムレータ27とボトム室11aとを接続するので、アキュムレータ27との接続時にブームシリンダ11が急激に伸長することを防止することができる。
【0122】
なお、上記説明では、ライド弁31Aにおける開口面積Sbを開口することのできる上限の開口面積A3とし、開口面積Scも開口することのできる上限の面積A4とした状態での走行振動抑制装置の作動を説明した。しかし、ボトム室11aの圧力上昇時には開口面積Sbを上限の開口面積A3のままとして使用することで、流路抵抗が少なくい状態でボトム室11aの圧力を迅速にアキュムレータ27で吸収させ、ボトム室11aの圧力下降時には開口面積Sbにおける上限の面積を面積A3よりも小さな開口面積にして、抵抗を若干大きくしてゆっくりとアキュムレータからの圧油をボトム室11aに供給するようにしても良い。
【実施例3】
【0123】
次に、本願発明に係わる実施例3の走行振動抑制装置20Bを説明する。図10はライド弁31Bと制御部の回路図を示し、図11はライド弁31Bのストロークと開口面積との関係を説明する図であり、図12はタイムチャート図を示す。なお、走行振動抑制装置20Bは、第1走行振動抑制装置20に対して、主に、ライド弁31Bの構成が一部異なっており、実施例1と同一の部品に対しては同一の符号を付すことで、その説明を省略している。図10はライド弁31Bの構成を説明するため、ブーム弁29及び増速弁33の構成を省略して示している。
【0124】
図10において、走行振動抑制装置20Bでは、ライド弁31Bが3位置で切換えられる構成となっている。また、ブームシリンダ11のボトム室11aの圧力を検出するブーム用圧力センサ81と車両の走行状態を検出する走行状態検出センサ84が設けられている。コントローラ57bは、ブーム用圧力センサ81と走行状態検出センサ84からの信号を受けて比例制御弁56bに対して制御信号を出力する。
【0125】
ライド弁31Bは、実施例1であるライド弁31の作動位置(A)位置と非作動位置(B)との間にポート31aとポート31bとを接続する接続位置(D)が追加されている。即ち、ライド弁31Bの接続位置(D)では、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを可変絞り86を介して接続している。
【0126】
可変絞り86としては、例えば、ライド弁31Bのスプールにポート31aからポート31bに向けたテーパ形状のスリット溝等を前記スプールの円周方向に複数個設け、前記スプールの移動に伴う前記複数個のスリット溝の開口面積変化により、ポート31aとポート31bとを連通する開口面積Saを可変にすることができる。
【0127】
走行状態検出センサ84としては、例えば、速度センサ、変速機の速度段とエンジンの回転速度とを検出できるセンサ、変速機の速度段とアクセルペタルのストローク位置とを検出できるセンサ、また、車両の加速および減速を検出する加速度検出センサ、車両の現在位置を検出できるGPS(全地球測位システム)センサ等の車両の走行状態が検出できるセンサーを用いることができる。
【0128】
ライド弁31Bを非作動にする時には、実施例1と同様にコントローラ57bは比例制御弁56bから出力するパイロット圧を低圧にして、ライド弁31Bを非作動位置(B)に位置させる。これにより、ポート31dとポート31aとを連通する開口面積Saを面積A1として、チャージ用減圧弁66を介して油圧ポンプ21とアキュムレータ27とが接続される。
【0129】
ライド弁31Bを作動させる時には、走行状態検出センサ84とブーム用圧力センサ81とから得たそれぞれの検出情報に基づいて、コントローラ57bは比例制御弁56bから出力されるパイロット圧が所定の圧力となるように制御する。これにより、ライド弁31Bは接続位置(D)に切換わり、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとは可変絞り86を介して接続する。
【0130】
このとき、コントローラ57bは比例制御弁56bに対して、例えば、車速が速いとき、及び/又は積載重量が大きいときには可変絞り86の開口面積が小さくなるように制御して、絞りを強くする。反対に車速が遅いとき、及び/又は積載重量が小さいときには可変絞り86の開口面積が大きくなるように制御して、絞りを弱くする。
【0131】
ライド弁31Bの作動について、図11のストロークと開口面積との関係図、及び図12のタイムチャートを用いて説明する。
【0132】
コントローラ57bは、図12(a)に示すように、時刻T21から時刻T24までの間、制御電流を順次増加して比例制御弁56bに対して出力している。比例制御弁56bはコントローラ57bからの制御信号を受けて、ライド弁31Bのパイロット室56aに供給するパイロット圧を漸次高圧にする。
【0133】
コントローラ57bは、可変絞り86の開口面積を大きくする場合には、図12(a)の実線(I)で示すように、勾配の大きな制御電流を比例制御弁56bに出力する。可変絞り86の開口面積を小さくする場合には、時刻T22から2点鎖線(II)で示すように、勾配の小さな制御電流を比例制御弁56bに対して出力する。
【0134】
可変絞り86の開口面積を小さくする場合において、コントローラ57bからの制御電流を時刻T21から勾配の小さな制御電流として比例制御弁56bに対して出力することもできる。しかし、油圧ポンプ21とアキュムレータ27との接続を遮断するまでの時間、即ち、ライド弁31Bのスプールがストローク量L1となるまでの時間を短くする上からも、時刻T22から勾配の小さな制御電流をコントローラ57bから比例制御弁56bに対して出力させることが望ましい。
【0135】
これにより、ライド弁31Bのスプールは、図12(b)に示すようにそのストローク量が増大していく。図11に示すように、ライド弁31Bのスプールのストローク量がL1を超えると、即ち、図12(c)の実線においては時刻T22以降において、ポート31dからポート31aへの開口面積Saを面積零(A0)にする。
【0136】
時刻T22から時刻T24の間では、コントローラ57bは、引き続き制御電流を増加させ、ライド弁31Bのスプールはストローク量を増大させていき、ライド弁31Bのスプールのストローク量がL1を超えると、ライド弁31Bは図10の接続位置(D)に切換わる。
【0137】
ライド弁31Bのスプールのストローク量がL1よりも増加することによって、ライド弁31Bは、図11及び図12(d)、(e)に示すように、ポート31aとポート31bとの開口面積Sb及びポート31cとポート31eの開口面積Scを漸次増加させる。ポート31cとポート31eの開口面積Scは、図11に示すようにライド弁31Bのスプールがストローク量L1を超えたとき、面積A4に全開させることもできる。
【0138】
またこのとき、コントローラ57bは、ブーム用圧力センサ81および走行状態検出センサ84からの検出信号に応じた制御電流を比例制御弁56bに出力し、比例制御弁56bから出力されるパイロット圧の圧力を制御する。例えば、コントローラ57bは、前記のように可変絞り86の開口面積を大きくする場合には、図12(a)の実線(I)で示すように、勾配の大きな制御電流を比例制御弁56bに出力する。可変絞り86の開口面積を小さくする場合には、2点鎖線(II)で示すように、勾配の小さな制御電流を比例制御弁56bに出力する。
【0139】
ライド弁31Bのスプールは、時刻T22から時刻T23まで間、図12(a)の実線(I)に示すように制御電流が大きい場合には、図12(b)の実線で示すようにストローク量が大きくなる。これにより、図12(d)に示すようにブームシリンダ11とアキュムレータ27の開口面積Sbは、実線(III)のごとく面積A3まで大きくすることができる。
【0140】
図12(a)の2点鎖線(II)で示すように制御電流が小さい場合には、ライド弁31Bのスプールは、図12(b)の2点鎖線で示すごとくストローク量が小さくなる。ブームシリンダ11とアキュムレータ27の開口面積Sbは、図12(d)の2点鎖線(IV)に示すように面積A3よりも小さな面積Anまで大きくすることができる。
【0141】
同様に、図12(e)に示すようにタンク23とブームシリンダ11のヘッド室1bとを連通する開口面積Scは、制御電流が大きいときには点線(V)に示すように面積A4まで大きくすることができる。制御電流が小さいときには、2点鎖線(VI)のように面積A4よりも小さな面積Arまで大きくすることができる。
【0142】
図12(b)の実線では時刻T23を越えると、また、図12(b)の2点鎖線では、時刻T24を超えると、ライド弁31Bのスプールは一定のストローク量となり、開口面積Sb、Scも一定となる。開口面積Sb、Scとして開口することのできる上限の開口面積は、ブーム用圧力センサ81及び走行状態検出センサ84からの検出信号に対応して予め記憶されている制御電流値により、実線(III)と2点鎖線(IV)との間における開口面積及び実線(III)と2点鎖線(IV)との間における開口面積から適宜の開口面積を選択することができる。
【0143】
また、時刻T24から時刻T25の間で、例えば、積載重量が途中で軽くなりブーム用圧力センサ81からの検出圧力が小さくなったときなどには、コントローラ57bから検出圧力に対応した制御電流を比例制御弁56bに出力して、開口面積Sb、Scとして開口することのできる上限の開口面積をそれぞれ図12(d)、(e)に示すように開口面積An、開口面積Arの状態から開口面積Awl、開口面積Arlに変更させることができる。
【0144】
逆に、例えば、積載重量が途中で重くなりブーム用圧力センサ81からの検出圧力が大きくなったときなどには、コントローラ57bから検出圧力に対応した制御電流を比例制御弁56bに出力して、開口面積Sbとして開口することのできる上限の開口面積を図11に示すように面積Awsに減少させることもできる。同様に開口面積Scとして開口することのできる上限の開口面積を減少させることもできる。
【0145】
コントローラ57bは、時刻T25から時刻T26までは、時刻T21から時刻T24のときとは逆の信号を出力して、実施例1と同様に、ブームシリンダ11とアキュムレータ27との開口面積Sb及びブームシリンダ11とタンク23との開口面積Scを、ライド弁31Bのスプールのストローク量をL1に戻したときにそれぞれの開口面積を零に戻し、アキュムレータ27のボトム室11aと油圧ポンプ21とを連通する開口面積Saを、ライド弁31Bのスプールのストローク量がL0に戻ったとき開口面積A1に戻すことができる。
【0146】
次に、走行振動抑制装置20Bの作動についてホィールローダ1の運搬作業を用いて説明するが、第1実施例と略同様な作動を行えるため、走行時における異なっている作動について説明する。
【0147】
ホィールローダ1の走行時において、オペレータが比例制御弁56bを制御する図示しないスイッチをON操作すると、コントローラ57bは、作業装置3が積載している土砂量に応じて生じたブームシリンダ11のボトム室11aの圧力Pbをブーム用圧力センサ81からの検出圧力として入力する。また、コントローラ57bは、走行状態検出センサ84からの検出信号を入力する。
【0148】
コントローラ57bは、ブーム用圧力センサ81で検出されたボトム室11aの圧力Pbに基づいて、予め試験等より求めて記憶した圧力Pbに対応する可変絞り86の開口面積と、それに対応したライド弁31Bのスプールに対するストローク量とを求める。ライド弁31Bのスプールが前記ストローク量となるように、比例制御弁56bに対して制御電流を出力する。
【0149】
比例制御弁56bは、コントローラ57bの信号に応じたパイロット圧をライド弁31Bに供給する。これにより、例えば、ライド弁31Bのスプールが図11のストローク量Lmまで移動する。ライド弁31Bは接続位置(D)となり、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを可変絞り86の開口面積Anで接続する。また、タンク23とブームシリンダ11のヘッド室11bとを連通する開口面積Scは面積Arで接続している。これにより、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとはライド弁31Bを介して等しい圧力で接続される。
【0150】
タンク23とブームシリンダ11のヘッド室11bとを連通する開口面積Scとしては、図12(e)に示すように時刻T22から時刻T23までの間(2点鎖線では時刻T24までの間)、即ち、ライド弁31Bのスプールがストローク量L1からストローク量Lmまで移送する間、前記スプールの移動量の増加にともなって開口面積Scを面積Arまで順次増加させることもできる。
【0151】
ライド弁31Bにおける開口面積Sb及び開口面積Scを、それぞれをコントローラ57bで制御された面積An及び面積Arに切り換えた状態で走行させることができる。コントローラ57bが、走行状態検出センサ84によるホィールローダ1の走行状態、例えば車速情報を入力すると、予め記憶装置に記憶した車速情報と開口面積との関係から、最適な可変絞り86の開口面積Awlを求める。コントローラ57bが、可変絞り86の開口面積を面積Anの状態から面積Awlの状態に変更することが必要と判断したときには、可変絞り86の開口面積が面積Awlとなる制御信号を比例制御弁56bに出力する。
【0152】
例えば、コントローラ57bが、走行状態検出センサ84から入力した車両速度が所定の速度より速いと判断すると、比例制御弁56bから出力するパイロット圧を減少させて、ライド弁31Bのスプールのストローク量をLmからLmsに減少させる。これにより、図11に示すようにアキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを接続する可変絞り86の開口面積Sbを面積Anの状態から更に小さくした面積Awsとすることができる。
【0153】
また、走行状態検出センサ84から入力した車両速度が所定の速度より遅いときには、コントローラ57bは比例制御弁56bから出力するパイロット圧を増大させて、ライド弁31Bのスプールのストローク量をLmからLmlに増大させる。これにより、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを接続する可変絞り86の開口面積Sbを面積Anの状態から大きくした面積Awlの状態に変更できる。
【0154】
これにより、走行振動抑制装置20Bでは、可変絞り86の開口面積Sbを、例えば車速および作業装置3の積載量に適した面積に制御することができるので、ブームシリンダ11のボトム室11aに発生する圧力脈動を走行状態や積載状態に応じて最適に抑制することができる。
【0155】
ボトム室11aに発生する圧力脈動は、開口面積Sbを最適な面積としたライド弁31Bを介してアキュムレータ27により抑制することができる。
【0156】
また、例えば、車体7が石等に乗り上げて上昇するとき、ブーム10が今までいた高さ位置に留まろうとしてブームシリンダ11のボトム室11aにおける圧力が上昇する。このとき、ライド弁31Bにおける開口面積Sb、Scによって、ボトム室11aにおける上昇した圧力を迅速にアキュムレータ27に供給して吸収することができる。また、車体7が窪み等に入って下降するときには、ブームシリンダ11のボトム室11aにアキュムレータ27からゆっくりと圧油を供給してブーム10を押し上げないように制御することができる。
【0157】
また、ライド弁31Bのスプールにおける切換速度は、圧力センサ81、走行状態検出センサ84の信号に応じてコントローラ57bから比例制御弁56bに出力する制御電流により、自由に設定することができる。
【実施例4】
【0158】
次に、実施例4における走行振動抑制装置20Cについて説明する。図13は走行振動抑制装置20Cの一部構成を示している。実施例4では、実施例3におけるライド弁31Bの接続位置(D)における構成をライド弁31から独立させて可変絞り弁88として別構成にしている。また可変絞り弁88を制御する第1比例制御弁90を追加して配設している。他の構成は、実施例3における構成と同様の構成を備えている。このため、実施例1〜実施例3と同一の部品に対しては同一の符号を付すことで、その説明を省略している。図13はライド弁31の構成を説明するため、ブーム弁29及び増速弁33の構成を省略して示している。
【0159】
可変絞り弁88は、アキュムレータ27とライド弁31との間に配設され、第1比例制御弁90からのパイロット圧を制御室88aに受けて作動する。可変絞り弁88により、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとの接続面積を可変にしている。可変絞り弁88は、第1比例制御弁90からのパイロット圧を受けたときの可変の絞り位置(E)と、パイロット圧を受けないときの開放位置(F)とに切換わる。可変絞り弁88は、開放位置(F)にあるときは、ライド弁31を経てアキュムレータ27と油圧ポンプ21とが接続し、抵抗を少なくして油圧ポンプ21からの吐出圧油をアキュムレータ27に対して供給しやすくしている。
【0160】
第1比例制御弁90は、コントローラ57cからの制御電流を受けて制御される。第1比例制御弁90は、コントローラ57cから制御電流を受けたときに可変絞り弁88を可変の絞り位置(E)として、制御電流値に応じて可変絞りの開口面積を制御する。また、第1比例制御弁90は、制御電流を受けないとき(零電流のとき)には非作動となり、可変絞り弁88を、開放位置(F)にする。
【0161】
走行振動抑制装置20Cに用いるライド弁31及び可変絞り弁88の作動について、図13の回路図を用いて説明する。コントローラ57cから比例制御弁56bに対して制御電流を増加させながら出力すると、実施例1で説明したようにライド弁31のスプールをストロークさせ、ポート31aとポート31dとを連通する開口面積Saを漸次減少させ、面積をA1の状態から零(A0)とした以降は、面積が零の状態が維持される。
【0162】
第3コントローラ57cから比例制御弁56bに対する制御電流により、ライド弁31のスプールが所定量移動すると、ポート31aとポート31bとを連通する開口面積Sbを面積A3まで順次開口させる。また、ポート31aとポート31eとを連通する開口面積Scを面積A4まで順次開口させることも、あるいは一気に面積A4まで全開させることもできる。
【0163】
第3コントローラ57cから第1比例制御弁90に対する制御電流の大きさに応じて、可変絞り弁88は可変の絞り位置(E)における最大の絞り開口となるまで絞り面積を変更させることができる。
【0164】
ブーム用圧力センサ81及び/又は走行状態検出センサ84からの信号を受けてコントローラ57cは、記憶装置に予め記憶している両センサの検出値と開口面積との関係より、第1比例制御弁90に対して制御電流を出力し、両センサで検出した検出値に対応した最適な開口面積となるように可変絞り弁88の絞りを変更する。
【0165】
これにより、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとは、可変絞り弁88における絞りの開口面積と、ライド弁31におけるポート31aとポート31bとを連通する開口面積Sbとを介して接続されることになる。またこのとき、タンク23とブームシリンダ11のヘッド室11bとを連通するライド弁31における開口面積Scは、一定の面積A4となって、タンク23とブームシリンダ11との間での圧油の給排量を増して真空の発生を防止している。
【0166】
これによって、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを連通する開口面積は、2段階に亘って制御することができる。
【0167】
コントローラ57cは、例えば、ブーム用圧力センサ81から検出された積載重量が大きいとき、走行状態検出センサ84から検出された車速が早いときには、大きな制御電流を第1比例制御弁90に出力して可変絞り弁88の開口面積を小さくして絞りを強くすることができる。
【0168】
反対に積載重量が小さいとき、車速が遅いときには、小さい制御電流を第1比例制御弁90に出力して可変絞り弁88の開口面積を大きくして絞りを弱くすることができる。
【0169】
次に、走行振動抑制装置20Cの作動についてホィールローダ1の運搬作業を用いて説明するが、実施例3の場合と略同様な作動を行うことができるので、ホィールローダ1の走行時における実施例3の場合とは異なる作動について説明する。
【0170】
走行時には、オペレータが図示しないスイッチをON操作すると、コントローラ57cは、比例制御弁56bに制御信号を出力し、ライド弁31をフルストロークさせて作動位置(A)にする。また、コントローラ57cは、ブーム用圧力センサ81により検出したボトム室11aの圧力Pbを入力し、予め試験等より求めて記憶した圧力Pbに対する可変絞り弁88の開口面積を得るための制御電流を用いて、第1比例制御弁90に対して制御電流を出力する。
【0171】
制御電流を受けた第1比例制御弁90は可変絞り弁88に対して所定圧としたパイロット圧を作動させ、可変絞りの開口面積を所定の開口面積にする。アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを所定の開口面積にした絞りを介して接続する。
【0172】
これにより、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとは、ライド弁31における開口面積Sb及び可変絞り弁88の開口面積を介して接続されて等しい圧力になる。
【0173】
次に、ホィールローダ1が走行して、コントローラ57cが走行状態検出センサ84から、例えば車速の情報を入力する。このとき、予め記憶装置に記憶している車速情報と開口面積との関係から得た可変絞りの開口面積と、ブーム用圧力センサ81からの検出圧力に応じて設定した可変絞りの開口面積とを比較し、両可変絞りの開口面積差が大きなときには第1比例制御弁90に対して制御電流を出力して可変絞り弁88の絞りを最適な開口面積となるように変更する。
【0174】
例えば、コントローラ57cが、走行状態検出センサ84から車両速度が速いという情報を受けると、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを接続する可変絞り弁88の絞りを絞って開口面積を更に小さくする。
【0175】
また、コントローラ57cが、車両速度が遅いという情報を受けたときには、可変絞り弁88の絞りの開口面積を大きくする制御信号を第1比例制御弁90に出力する。第1比例制御弁90は、コントローラ57cから制御信号を受けて、パイロット圧を大きく、あるいは、小さくし制御して、可変絞り弁88における絞りの開口面積を走行状態検出センサ84からの検出信号に応じた開口面積とすることができる。
【0176】
これにより、走行振動抑制装置20Cでは、ホィールローダ1が走行して生じたブームシリンダ11の圧力脈動は、ブーム用圧力センサ81及び/又は走行状態検出センサ84からの検出信号に適合した開口面積として可変絞り弁88及びライド弁31を介してアキュムレータ27で吸収することができる。
【0177】
上記各実施例において、アキュムレータ27とブームシリンダ11のボトム室11aとを接続する例で説明を行ったが、アキュムレータ27とブームシリンダ11のヘッド室11bとを接続する構成としても、本願発明の走行振動抑制装置を有効に機能させることができる。
【0178】
また、ライド弁31は、説明を容易化するため2位置切換弁あるいは3位置切換弁等を使用して説明を行ったが、連続して変化するサーボ弁を用いることもできる。
【0179】
また、方向制御弁24は、ライド弁31を真中として両側にブーム弁29と増速弁33とを配設した構成を説明したが、これに囚われることなく、ブーム弁29を真中として両側にライド弁31と増速弁33とを配設することもできる。
【0180】
また、アキュムレータ27とブームシリンダ11の開口面積の変化は直線で示したが、2次放物線等の曲線により変化させることもできる。
【0181】
上記説明において、方向制御弁としてブーム弁29とバケット弁30との2個の方向制御弁を用い、ポンプ側にブーム用方向制御弁のブーム弁29を配設し、次に隣接したバケット弁30を配設した構成について説明を行った。しかし、方向制御弁としての配置構成としてはこれに囚われることなく、例えば、方向制御弁を3個以上とし、ポンプ側にバケット弁30を配設し、残りの内の1個をブーム用方向制御弁のブーム弁29とした構成とすることもできる。
更に、走行振動抑制装置としては、第1実施例から第4実施例を適宜組み合わせて構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0182】
走行車両の走行中の振動によって圧力脈動が発生するものに対して、本願発明の走行振動抑制装置を利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21から吐出された圧油によって作動する少なくとも1以上のアクチュエータ11と、少なくとも1つの前記アクチュエータ11における一方の圧力室に接続され、同圧力室の圧力脈動を吸収するアキュムレータ27と、前記油圧ポンプ21から前記アクチュエータ11に供給する圧油を制御する方向制御弁29と、前記アキュムレータ27と前記圧力室との連通及び遮断を制御するライドコントロール弁31、31A、31Bとを備えた作業車両の走行振動抑制装置20において、
前記ライドコントロール弁31、31A、31Bが、内部配管により前記方向制御弁29に積層配設されてなることを特徴とする作業車両の走行振動抑制装置。
【請求項2】
請求の範囲第1項記載の走行振動抑制装置において、
前記アクチュエータ11の負荷圧を検出する第1圧力センサ81及び/又は前記作業車両の走行状態検出センサ84が配設され、
前記第1圧力センサ81及び/又は走行状態検出センサ84からの検出信号に基づいて、前記ライドコントロール弁31Bの連通開口面積が制御されてなることを特徴とする走行振動抑制装置。
【請求項3】
請求の範囲第2項記載の走行振動抑制装置において、
前記アキュムレータ27の圧力を検出する第2圧力センサ82が配設され、
同第2圧力センサ82による前記アキュムレータ27の検出圧力が、前記第1圧力センサ81による前記アクチュエータ11の負荷圧よりも高圧のとき、前記ライドコントロール弁31Aが制御されて、前記アキュムレータ27の圧力を前記アクチュエータ11の負荷圧力まで減圧し、その後、前記アキュムレータ27と前記圧力室とを連通してなることを特徴とする走行振動抑制装置。
【請求項4】
請求の範囲第1項又は第2項記載の走行振動抑制装置において、
前記ライドコントロール弁31Bが、前記連通開口面積として開口できる上限の開口面積を可変に構成してなることを特徴とする走行振動抑制装置。
【請求項5】
請求の範囲第4項記載の走行振動抑制装置において、
前記アクチュエータ11の負荷圧力が高くなるのに応じて、及び/又は前記作業車両1の走行速度が速くなるのに応じて、前記上限の開口面積を小さくする制御が行われてなることを特徴とする走行振動抑制装置。
【請求項6】
請求の範囲第4項記載の走行振動抑制装置において、
前記アクチュエータ11の負荷圧力が低くなるのに応じて、及び/又は前記作業車両1の走行速度が遅くなるのに応じて、前記上限の開口面積を大きくする制御が行われてなることを特徴とする走行振動抑制装置。
【請求項7】
請求の範囲第1項又は第2項記載の走行振動抑制装置において、
前記ライドコントロール弁31が、前記圧力室と前記アキュムレータ27との圧力を同一にする可変絞り88を備えてなることを特徴とする走行振動抑制装置。
【請求項8】
請求の範囲第1項又は第2項記載の走行振動抑制装置において、
前記少なくとも1つのアクチュエータ11に対して、前記油圧ポンプ21からの圧油を供給する増速弁33が更に配設され、
同増速弁33が、内部配管及び/又は外部配管により前記ライドコントロール弁31、31A、31B又は前記方向制御弁29に積層配設されてなることを特徴とする走行振動抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【国際公開番号】WO2005/035883
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【発行日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514592(P2005−514592)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014827
【国際出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】