作業車両
【課題】4基のローラジャッキを地面に接地し車両を移動しながら作業する場合に、後輪が地面の凹部に位置し前後のローラならびに前輪が凸部に位置する時には、前後のローラや前輪に支持されて走行駆動する後輪は地面に接地せずに凹部で宙に浮くことがあり、走行駆動できなくなる。本発明は、この問題を解決することを課題とする。
【解決手段】車両1上に作業機を搭載すると共に車両1の前後左右位置に各下端に接地板5を備え作業車両を地面に支持するアウトリガ4を4基配置し、前方2基のアウトリガ4aにのみ接地板5に替えてローラ6を配置可能にし、作業車両を停止位置で作業する際には各アウトリガ4の接地板5を地面に接地し作業車両を支持させ、作業車両を走行しながら作業する際にはアウトリガ4aの下端にローラ6を配置させこのアウトリガ4aのみを前輪2を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラ6で地面に支持させ車両1を駆動走行するようにした。
【解決手段】車両1上に作業機を搭載すると共に車両1の前後左右位置に各下端に接地板5を備え作業車両を地面に支持するアウトリガ4を4基配置し、前方2基のアウトリガ4aにのみ接地板5に替えてローラ6を配置可能にし、作業車両を停止位置で作業する際には各アウトリガ4の接地板5を地面に接地し作業車両を支持させ、作業車両を走行しながら作業する際にはアウトリガ4aの下端にローラ6を配置させこのアウトリガ4aのみを前輪2を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラ6で地面に支持させ車両1を駆動走行するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両上に作業機を搭載した作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の作業車両として、高所作業車、橋梁点検車、クレーン車等がある。これらの作業車両は、停止位置で作業する場合には、アウトリガで車両を地面から浮上させて、車両を地面に支持させて作業を行う。この場合には、車両をアウトリガで地面に支持させるものであるから、作業範囲が広くとれるものの、アウトリガの接地板が地面に接地しているので車両は移動できない。他方、架線工事やトンネル内面工事あるいは橋梁点検等の長い範囲を作業する場合には、車両を順次移動させながら行う必要があるが、車輪のみの接地ではサスペンションや車輪(タイヤ)の弾性により、車両が弾性的に揺れる。特に、高所作業車や橋梁点検車では、作業台が揺れ易くなり、作業がやりにくくなったり、乗り心地が悪くなったりする。
【0003】
そこで、従来から、車体の前後・左右4箇所にローラ付きジャッキを配置し、各ジャッキの下端部にローラを車輪とともに接地させて、車両を移動させながら順次作業を行えるようにした作業車両が公知である。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2000−118367号公報(第3頁〜第4頁、図1、図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記ローラ付ジャッキは、ローラ付ジャッキの下端部に取付けられ、ローラに替えて接地可能な接地板を有したジャッキベースを備えている。このジャッキベースは、接地板がローラの下面を覆う板設置位置と、ローラ下面を露出する退避位置とに揺動させるようにしている。すなわち、このローラ付ジャッキは、板設置位置では接地板を地面に接地させて車両を停止位置で作業を行い、退避位置ではローラを地面に接地させて車両を移動させながら作業するようにしている。
【0005】
ところがこのローラ付ジャッキでローラを地面に接地させて車両を移動させながら作業する場合に、凹凸の地面であると後輪が凹部に位置し前後のローラならびに前輪が凸部に位置している時には、作業車両は前後のローラや前輪に支持されて後輪は地面に接地せずに凹部で宙に浮いて空転することがある。通常後輪は作業車両を走行駆動する車輪でありこの後輪が空転するものだから、この時には作業車両の走行駆動が出来なくなることがある。
【0006】
本発明は、このようなことになるのを可及的に防止できる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の作業車両は、車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置し、当該前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にし、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガの下端にローラを配置させこの2基のアウトリガのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の作業車両は、車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置するとともに、当該前方に配置したアウトリガと前輪間にのみ下端にローラを備えたローラジャッキを2基配置し、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には車輪を浮上させない範囲で前記2基のローラジャッキを張出して作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の作業車両は、請求項2において、前記ローラジャッキは、伸長に伴ってローラが前輪に近接するよう斜めに配置したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4記載の作業車両は、請求項1乃至請求項3記載において、前記作業機は、車両の荷台後部位置に旋回可能な旋回台と、旋回台に取付けたブームとを備えて構成していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る本発明の作業車両は、前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にし、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガの下端にローラを配置させこの2基のアウトリガのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪でしか車両を支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪が凹部に位置しても、後輪が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両が走行駆動てきなくなることはない。しかも前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にしたものであるから、前方のアウトリガとは別にローラ付ジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0012】
また、請求項2に係る本発明の作業車両は、前方に配置したアウトリガと前輪間にのみ下端にローラを備えたローラジャッキを2基配置し、作業車両を走行させながら作業する際には車輪を浮上させない範囲で前記2基のローラジャッキを張出して作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪でしか車両を支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪が凹部に位置しても、後輪が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両が走行駆動てきなくなることはない。しかもローラジャッキを前方に2基のみ配置したものであるから、前方のローラジャッキとは別に後方にもローラジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0013】
更に、請求項3に係る本発明の作業車両は、前記ローラジャッキを伸長に伴ってローラが前輪に近接するよう斜めに配置したもので、走行させる際の地面が凹凸で前輪が凹部に位置しても、ローラを前輪に近接させ可及的にローラジャッキで車両を支持しないようにしてあるものだから、前輪が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両の操舵が不能になることを防止できる。
【0014】
次に、請求項4に係る本発明の作業車両は、請求項1乃至請求項3記載において、前記作業機は、車両の荷台後部位置に旋回可能な旋回台と、旋回台に取付けたブームとを備えて構成している。よって、作業車両を前方に配置したローラで支持して駆動走行させながら作業する場合に、一般にブームを前方に向けて作業させるものであるから、旋回中心とローラ間の距離を離間させることができ、作業機の作業範囲を広く取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明に係る作業車両の実施形態について、図1〜図7に図示し以下に説明する。
第1実施形態
図1〜図4に図示するように、作業車両は、車両1に操舵可能な左右一対の前輪2と車両1に搭載したエンジンにより回転駆動される左右一対の後輪3を備えている。車両1の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板5を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガ4を4基配置している。アウトリガ4は、次に説明するジャッキ30を車両1のフレームに固定したアーム(図示しない)に直接取付けている。ジャッキ30は、外筒31と、外筒31に伸縮自在に内嵌させた内筒32と、外筒31と内筒32間に外筒31に対して内筒32を伸縮駆動させる油圧シリンダ33と、内筒32の下端に止着させた接地板5とで構成している。なお、ジャッキ30は、上述したように車両1のフレームに固定したアームに直接取付けるようにしてもよいが、アームを伸縮自在としてジャッキ30を車両1の幅方向に進退可能にしたものであってもよい。
【0016】
そして、作業車両に配置した上記アウトリガ4の内、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしている。ローラ6は、ジャッキ30の車両前方において図2に図示するように、内筒32の下端部に内外2つの保持アーム62,62で支持して上下に弧回動し得るようにしている。すなわち、各保持アーム62,62の先端部でローラ6の軸61の両端部を支持し、各保持アーム62,62の基端部を内筒32の下端部の内外面に枢軸63で枢支して、該枢軸63を中心にして保持アーム62,62およびローラ6が上下に弧回動し得るようにしている。
【0017】
また、ローラ6は図4に図示するように、ローラ下面が接地板5下面より高くなる上動位置と、図3に図示するようにローラ下面が接地板5下面より低くなる下動位置とでそれぞれ位置保持させる位置保持手段を設けている。この保持手段は、ロックピン71による固定方式が採用されている。
【0018】
すなわち、図2に図示するように、内筒32の下端部の車両前方側側面にピン穴つきの2つのブラケット72,72を設け、該各ブラケット72,72のピン穴に1本のロックピン71を挿通させている。ロックピン71は、各ブラケット72,72からそれぞれ若干長さづつ外方にはみ出す状態(符合71a,71a)で挿通されている。そして、図2および図4に図示するように、両各保持アーム62,62をロックピン71の両はみ出し部分71a,71a上に載せることで、ローラ6(両各保持アーム62,62)の下動を阻止するようにしている。図2および図4に図示する状態(各保持アーム62がロックピンはみ出し部分71a上に載った状態)では、ローラ6の下面は接地板5の下面より高位置にある(ローラ6が上動位置となる)。
【0019】
なお、図2の状態で。ロックピン71を各ブラケット72,72から抜き外すと、ローラ6が下方に回動可能になる。他方、各保持アーム62,62の長さ方向中間部には、図3に図示するように、各保持アーム62,62が水平方向まで下方に回動した状態で、各ブラケット72,72のピン穴と合致するピン穴64,64(図2)が形成されている。そして、保持アーム62のピン穴64とブラケット72のピン穴とにロックピン71を挿通させると、図3に図示するようにロックピン71で保持アーム62を水平姿勢で固定できるようになっている。保持アーム62が水平姿勢状態(図3)では、ローラ6の下面が接地板5の下面より低位置にある(ローラ6が下動位置となる)。
【0020】
車両1に搭載させる作業機Aは、車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に配置した旋回台11と旋回台11にブーム12を取付けている。旋回台11の上端部に、ブーム12の基端部を枢支させている。ブーム12は、基ブーム12aと基ブーム12aに順次嵌挿させた中間ブーム12bと先ブーム12cとからなる伸縮ブームで構成している。基ブーム12aと旋回台11の適所間には、ブーム12を起伏させる起伏用油圧シリンダ13を配置している。ブーム12の各ブ―ム間には各ブームを伸縮駆動させる油圧シリンダ等の適宜伸縮駆動装置(図示しない)を配置している。
【0021】
先ブーム12cの先端部にはブーム12の起伏動に関わりなく鉛直姿勢を維持させる維持装置を介してポスト15を配置しており、このポスト15に作業台14を旋回駆動可能に配置している。
【0022】
このように構成した本発明に係る作業車両は、次のように作用する。すなわち、架線工事するために作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪で駆動走行させながら作業する場合について以下に説明する。まず、図3に図示するように、前方のアウトリガ4aにおける各保持アーム62,62を水平方向まで下方に回動した状態で、各ブラケット72,72のピン穴と各保持アーム62,62のピン穴64,64とを合致させ、各ピン穴にロックピン71を挿通させる。すると図3に図示するようにロックピン71で保持アーム62を水平姿勢で固定でき、この状態では、ローラ6の下面が接地板5の下面より低位置にある(ローラ6が下動位置となる)。(図3に実線で示す状態)
この状態で、前方アウトリガ4aのジャッキ30の油圧シリンダ33を伸長させ、外筒31より内筒32を伸長させ,ローラ6を地面に接地させる。この時前輪2を浮上させない範囲でローラ6を接地させるように油圧シリンダ33を伸長させる。(図3に二点鎖線で示す状態)
そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である前方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0023】
このように、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にし、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガ4aの下端にローラ6を配置させこの2基のアウトリガ4aのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラ6で地面に支持させ車両1を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしたものであるから、前方のアウトリガ4aとは別にローラ付ジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0024】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方アウトリガ4aとの距離を離間させるようにしている(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる)。よって、作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0025】
次に、作業車両を停止位置で作業させる際に前後左右に配置した4基のアウトリガ4により作業車両を地面に支持させて作業させるのであるが、前方のアウトリガについては次のようにして接地板5を地面に接地させるようにすればよい。すなわち、図2および図4に図示するように、両各保持アーム62,62をロックピン71の両はみ出し部分71a,71a上に載せ、ローラ6(両各保持アーム62,62)の下動を阻止するようにして、ローラ6の下面を接地板5の下面より高位置に位置させる(ローラ6が上動位置となる)。(図4に実線で図示する状態)
この状態で、前後左右4基のアウトリガ4のジャッキ30に配置した油圧シリンダ33を伸長させ、外筒31より内筒32を伸長させ,車両1を浮上させ、接地板5により車両1を支持させる。(図4に二点鎖線で図示する状態)そして、作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置に移動させ高所作業を行う。
第2実施形態
次に上記実施形態では、ローラ6を一対の保持アーム62,62で保持させるようにしたが、片持ちで保持させるようにしてもよい。以下この場合の実施形態を第2実施形態として図5〜図7に基づいて説明する。
【0026】
図5〜図7に図示するように、内筒32の下端部内面側において、ローラ6を1枚の保持アーム62で片持ち保持させるようにしている。保持アーム62は、略三角状で、その1つの角部付近を枢軸63で内筒32下端部の内面側側面に枢支している。ローラ6のローラ軸61は、保持アーム62における枢軸63から離間した1つの角部付近に取付けている。そして、保持アーム62は、枢軸63を中心にして、図5に示すローラ6の下面が接地板5の下面より低くなる下動位置と、図7に図示するローラ6の下面が接地板5の下面より高くなる上動位置との間で上下に弧回動させ得るようになっている。
【0027】
また、保持アーム62の残りの角部付近には、ロックピン71を挿通させるピン穴64が形成されている。他方、内筒32の下端部には、ローラ下動位置で保持アーム62のピン穴64に重合するピン穴73と、接地板上動位置で保持アーム62のピン穴と重合するピン穴74とがそれぞれ形成されている。なお、内筒32側の各ピン穴73,74は、それぞれ内筒32を内外方向に貫通しており、ロックピン71の挿入・抜出し作業は内筒32の外面側から行う。
【0028】
このように構成した本発明の実施形態では次のように作用する。架線工事するために作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪で駆動走行させながら作業する場合について以下に説明する。まず、図5に図示するように、内筒32側の各ピン穴73に保持アーム62のピン穴64を重合させ、各ピン穴にロックピン71を挿通させ、図5に示すローラ6の下面が接地板5の下面より低くなる下動位置の状態にする。(図5および図6に実線で図示した状態)
この状態で、後方アウトリガ4bのジャッキ30の油圧シリンダ33を伸長させ、外筒32より内筒32を伸長させ,ローラ6を地面に接地させる。この時前輪2を浮上させない範囲でローラ6を接地させるように油圧シリンダ33を伸長させる。(図5および図6に二点鎖線で図示した状態)
そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である後方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0029】
このように、後方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にし、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガ4aの下端にローラ6を配置させこの2基のアウトリガ4aのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラ6で地面に支持させ車両1を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしたものであるから、前方のアウトリガ4aとは別にローラ付ジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0030】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方アウトリガ4aとの距離を離間させるようにしている(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる)。よって、作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0031】
次に、作業車両を停止位置で作業させる際に前後左右に配置した4基のアウトリガ4により作業車両を地面に支持させて作業させるのであるが、前方のアウトリガ4aについては次のようにして接地板5を地面に接地させるようにすればよい。すなわち、図7に図示するように、ローラ6の下面が接地板5の下面より高くなる上動位置状態となるように、保持アーム62のピン穴64と内筒32のピン穴74とを重合させ、ロックピン71を各ピン穴に挿通させる。そしてローラ6の下面を接地板5の下面より高位置に位置させる(ローラ6が上動位置となる)。(図7に実線で図示した状態)
この状態で、前後左右4基のアウトリガ4のジャッキ30に配置した油圧シリンダ33を伸長させ、外筒31より内筒32を伸長させ,車両1を浮上させ、接地板5により車両1を支持させる。(図7に鎖線で図示した状態)そして、作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置に移動させ高所作業を行う。
【0032】
なお、上記実施形態では、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみに下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置するに当たり、ローラ6を保持アーム62で内筒32に揺動させて、ローラ6の下面が接地板5の下面より低くなる下動位置状態と、ローラ6の下面が接地板5の下面より高くなる上動位置状態とに位置させるようにしたが、逆に内筒32の下端にローラ6を配置し、接地板5を内筒32の下端部で揺動させて、接地板5の下面がローラ6の下面より低くなる下動位置状態と、接地板5の下面がローラ6の下面より高くなる上動位置状態とに位置させるようにしてもよい。
【0033】
また、保持アーム62の揺動は手動で行うものとして上記では説明したが、油圧シリンダ等を介在させ自動で揺動させるようにしたものであってもよい。
【0034】
次に、上記第1および第2実施形態では、上記前方のアウトリガ4aと後方のアウトリガ4bの内、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしたが、次のようにローラ6を配置する専用のローラジャッキを前方のアウトリガ4aと後方のアウトリガ4bとは別に配置したものであってもよい。
第3実施形態
この場合を第3実施形態として以下図8〜図16に図示し以下に説明する。図8〜図10に図示するように、作業車両は、車両1に操舵可能な左右一対の前輪2と車両1に搭載したエンジンにより回転駆動される左右一対の後輪3を備えている。車両1の前方と後方にそれぞれアウトリガ4a,4bを左右一対配置している。各アウトリガ4a,4bは、前記ジャッキ30を備え固定アーム(図示しない)を介して車両1のフレームに車幅内に取付けている。また、アームは車幅方向に進退可能に構成し、車幅よりジャッキ30を突出させて張出したり、車幅内に格納するようにしたものであってもよい。
【0035】
前方に配置したアウトリガ4aと前輪2間に、下端にローラ7を備え前輪2を浮上させない範囲で伸長させるローラジャッキ8を左右2基配置している。ローラジャッキ8は、外箱9と、外箱9に内嵌させた内箱10と、両箱間に配置され外箱9に対して内箱10を伸長させる油圧シリンダ(図示しない)とで構成している。そして内箱10の下端にはローラ7を回転自在に配置している。ローラ7の回転軸は、前輪2の回転軸と平行で、ローラ7は内箱10より外側に突出させ、ローラ7の外側が略車幅位置となるように配置している。外箱9は車両1のフレームに取付けるに当たって、前記アーム4aに止着させた取付け部材4cを介して取付けている。このように構成したローラジャッキ8は、油圧シリンダを伸長させることにより外箱9から内箱10を伸長させ、ローラ7を地面に接地させるに、前輪2を浮上させない範囲で伸長させ、車両1を支持させることができるようにしている。
【0036】
作業機Aは、車両1の荷台後部位置に旋回可能に配置した旋回台11と旋回台11にブーム12を取付けている。旋回台11は上方を後方に屈曲させており、上端部にブーム12の基端部を枢支させている。ブーム12は、基ブーム12aと基ブーム12aに順次嵌挿させた中間ブーム12bと先ブーム12cとからなる伸縮ブームで構成している。基ブーム12aと旋回台11の適所間には、ブーム12を起伏させる起伏用油圧シリンダ13を配置している。ブーム12の各ブ―ム間には各ブームを伸縮駆動させる油圧シリンダ等の適宜伸縮駆動装置(図示しない)を配置している。
【0037】
先ブーム12cの先端部にはブーム12の起伏動に関わりなく鉛直姿勢を維持させる維持装置を介してポスト(図示しない)を配置しており、このポストに作業台14を旋回駆動可能に配置している。
【0038】
このように構成した実施形態3の本発明に係る作業車両は、次のように作用する。すなわち、架線工事するために作業車両をローラジャッキ8で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合について以下に説明する。ローラジャッキ8の油圧シリンダを伸長させ、外箱9より内箱10を伸長させ,ローラ7を地面に接地させる。この時前輪2を浮上させない範囲でローラジャッキ8を伸長させる。
【0039】
そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である後方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0040】
このように、前方に配置した2基のローラジャッキ8を前輪2を浮上させない範囲で伸長させ、作業車両をローラジャッキ8で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業できるようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも、後輪3は、常時接地しているものであるから後輪3の負荷が変動せず、常時安定した制動性を得ることができる。そして2基のローラジャッキ8を前方にのみ配置したものであるから、前方と後方に各2基計4基のローラジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0041】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方のロージャッキ8との距離を離間させるようにしている(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる)。よって、作業車両をローラ7で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0042】
なお、この第3実施形態の場合に、前輪2が地面の凹部に位置しても、前輪2と前方のアウトリガ4a間にローラジャッキ8を配置しているものだから、ローラ7を前輪2に近接させて配置することができ、ローラ7とともに前輪2の凹部に位置し、ローラ7で車両1を支持し地面の凹部で後輪3が宙に浮いて空転することを可及的に防止できる。すなわち、一般に前輪2は車両1の操舵を行う車輪であるから、このような場合に作業車両を操舵不能になるような事態を可及的に防止できる。また、前輪2が路面の凸部に位置してもローラ7も凸部に近接しているものだから、凸部で前部の負荷を前輪2のみで支持するようなことにならず、作業車両の傾斜を防止できる。
【0043】
作業車両を停止位置で作業させる際にアウトリガ4により作業車両を地面に支持させて作業させる場合については従前と同じであるので詳細な説明は省略する。
第4実施形態
次に上記実施形態では、ローラジャッキ8を前輪2と前方のアウトリガ4a間に鉛直に配置したが、図11〜図16に図示するように、伸長に伴ってローラが前輪2に近接するよう斜めに配置するようにしてもよい。以下この場合の実施形態を第4実施形態として図11〜図16に基づいて説明する。
【0044】
図11および図12に図示するローラジャッキ20は、ローラ21を直接油圧シリンダで伸縮させるようにしたもので、油圧シリンダ22とローラ21およびロッドの回り止め23とで構成している。すなわち、油圧シリンダ22は、前輪2と前方のアウトリガ4a間に取付けるに当たって、伸長に伴ってローラ21が前輪2に近接するようシリンダ側を前記ジャッキ30の外筒31に止着した取付け部材4dを介して斜めに取付けている。油圧シリンダ22の伸縮に伴ってロッドが回転するとローラ21の回転軸が前輪2の回転軸と平行にならなくなるので、ローラ21の回転軸と前輪2の回転軸とが平行を維持させるためにロッドの回り止め23を配置している。この回り止め23は、油圧シリンダ22のロッドとローラ21の取付け位置から偏奇した点と油圧シリンダ22のシリンダ側とを連結し、油圧シリンダ22の伸縮に連動して伸縮する伸縮干で構成している。
【0045】
このように構成したローラジャッキ20によっても上記と同様の効果を得ることができる。すなわち、作業車両をローラジャッキ20で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合、油圧シリンダ22を伸長させて前輪2を浮上させない範囲でローラジャッキ8を伸長させる。ローラジャッキ20は、伸長に伴ってローラ21が前輪2に近接するよう斜めに配置しているものだから、ローラ21は前輪2に近接して接地させることができる。そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である後方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0046】
よって走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも、後輪3は、常時接地しているものであるから後輪3の負荷が変動せず、常時安定した制動性を得ることができる。そして2基のローラジャッキ20を前方にのみ配置したものであるから、前方と後方に各2基計4基のローラジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0047】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方のローラジャッキ20との距離を離間させるようにしている。(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる。)よって、作業車両をローラ21で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0048】
なお、この第4実施形態の場合に、前輪2が地面の凹部に位置しても、前輪2と前方のアウトリガ4a間にローラジャッキ20を斜めに配置しているものだから、ローラ21を前輪2に近接させて配置することができ、ローラ21とともに前輪2の凹部に位置し、ローラ21で車両1を支持し地面の凹部で前輪2が宙に浮いて空転することを可及的に防止できる。すなわち、一般に前輪2は車両1の操舵を行う車輪であるから、このような場合に作業車両を操舵不能になるような事態を可及的に防止できる。また、前輪2が路面の凸部に位置してもローラ7も凸部に近接しているものだから、凸部で前輪側の負荷を前輪2のみで支持するようなことにならず、作業車両の傾斜を防止できる。
【0049】
作業車両を停止位置で作業させる際に前方のアウトリガ4aおよび後方のアウトリガ4bにより作業車両を地面に支持させて作業させる場合については従前と同じであるので詳細な説明は省略する。
第5実施形態
次に、図13および図14に図示する第5実施形態について以下に説明する。この実施形態では、伸長に伴ってローラが前輪2に近接するように三角状のリンクを用いたもので、この実施形態のローラジャッキ50は、油圧シリンダ51、三角状のリンク52、取付け部材53、およびローラ54で構成している。すなわち、取付け部材53は、前記ジャッキ30の外筒31に沿って止着され、上部で油圧シリンダ51のシリンダ側の基端部を枢支し、下部で三角状のリンク52の3支点における一点を枢支している。三角状のリンク52における3支点のうち他の一点は、油圧シリンダ51のロッド先端部と枢支させ、残りの支点はローラ54の回転軸を枢支させている。
【0050】
このように構成したローラジャッキ50は、油圧シリンダ51を伸長することで三角状のリンク52が作用してローラ54を前輪2に近接して接地させることができるものである。(図13に図示する格納状態から図14に図示する張出状態にする。)よって、ローラジャッキ50によっても上記第4実施形態と同様の効果を得ることができることは容易に理解できるのでこの第5実施形態での作用・効果についての説明は省略する。
第6実施形態
更に、図15および図16に図示する第6実施形態について以下に説明する。この実施形態では、伸長に伴ってローラを前輪2に近接させるに当たって油圧シリンダを逆に取付けてリンクを配置したもので、この実施形態のローラジャッキ40は、油圧シリンダ41、取付け部材42、リンク43、およびローラ44で構成している。すなわち、取付け部材42は、前記ジャッキ30の外筒31に沿って止着され、上部で油圧シリンダ41のロッド先端部を枢支し、下部でリンク43の一方を枢支している。リンク43の他方は、油圧シリンダ41のシリンダ側の中央部をトラニオンを介して枢支させている。油圧シリンダ41のシリンダ側の端部にローラ44を取付けている。
【0051】
このように構成したローラジャッキ40は、油圧シリンダ41を伸長することでリンク43が作用してローラ44を前輪2に近接して接地させることができるものである。(図15に図示する格納状態から図16に図示する張出状態にする。)よって、ローラジャッキ40によっても上記第4実施形態と同様の効果を得ることができることは容易に理解できるのでこの実施形態での効果についての説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
上記実施形態の説明では、作業機Aとして車両1上に旋回台11を旋回可能に配置するとともに伸縮、起伏可能にブーム12を配置し、ブーム12の先端部に作業台14を配置した作業車両として高所作業車を例に説明したが、同様な構成となっている橋梁点検車やクレーン等にも適用できること勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る第1実施形態の作業車両を説明する説明図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の作業車両で、接地板で支持させる状態を斜視図で説明する説明図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の作業車両で、ローラで支持させる状態を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る第1実施形態の作業車両で、接地板で支持させる状態を説明する説明図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態の作業車両で、ローラで支持させる状態を説明する説明図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態の作業車両を説明する説明図で、接地板で支持させる状態を説明する説明図である。
【図8】本発明に係る第3実施形態の作業車両を説明する説明図である。
【図9】本発明に係る第3実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図10】本発明に係る第3実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【図11】本発明に係る第4実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図12】本発明に係る第4実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【図13】本発明に係る第5実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図14】本発明に係る第5実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【図15】本発明に係る第6実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図16】本発明に係る第6実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 車両
2 前輪
3 後輪
4 アウトリガ
5 接地板
6 ローラ
7 ローラ
8 ローラジャッキ
11 旋回台
12 ブーム
20 ローラジャッキ
21 ローラ
40 ローラジャッキ
41 ローラ
50 ローラジャッキ
51 ローラ
A 作業機
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両上に作業機を搭載した作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の作業車両として、高所作業車、橋梁点検車、クレーン車等がある。これらの作業車両は、停止位置で作業する場合には、アウトリガで車両を地面から浮上させて、車両を地面に支持させて作業を行う。この場合には、車両をアウトリガで地面に支持させるものであるから、作業範囲が広くとれるものの、アウトリガの接地板が地面に接地しているので車両は移動できない。他方、架線工事やトンネル内面工事あるいは橋梁点検等の長い範囲を作業する場合には、車両を順次移動させながら行う必要があるが、車輪のみの接地ではサスペンションや車輪(タイヤ)の弾性により、車両が弾性的に揺れる。特に、高所作業車や橋梁点検車では、作業台が揺れ易くなり、作業がやりにくくなったり、乗り心地が悪くなったりする。
【0003】
そこで、従来から、車体の前後・左右4箇所にローラ付きジャッキを配置し、各ジャッキの下端部にローラを車輪とともに接地させて、車両を移動させながら順次作業を行えるようにした作業車両が公知である。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2000−118367号公報(第3頁〜第4頁、図1、図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記ローラ付ジャッキは、ローラ付ジャッキの下端部に取付けられ、ローラに替えて接地可能な接地板を有したジャッキベースを備えている。このジャッキベースは、接地板がローラの下面を覆う板設置位置と、ローラ下面を露出する退避位置とに揺動させるようにしている。すなわち、このローラ付ジャッキは、板設置位置では接地板を地面に接地させて車両を停止位置で作業を行い、退避位置ではローラを地面に接地させて車両を移動させながら作業するようにしている。
【0005】
ところがこのローラ付ジャッキでローラを地面に接地させて車両を移動させながら作業する場合に、凹凸の地面であると後輪が凹部に位置し前後のローラならびに前輪が凸部に位置している時には、作業車両は前後のローラや前輪に支持されて後輪は地面に接地せずに凹部で宙に浮いて空転することがある。通常後輪は作業車両を走行駆動する車輪でありこの後輪が空転するものだから、この時には作業車両の走行駆動が出来なくなることがある。
【0006】
本発明は、このようなことになるのを可及的に防止できる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の作業車両は、車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置し、当該前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にし、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガの下端にローラを配置させこの2基のアウトリガのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の作業車両は、車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置するとともに、当該前方に配置したアウトリガと前輪間にのみ下端にローラを備えたローラジャッキを2基配置し、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には車輪を浮上させない範囲で前記2基のローラジャッキを張出して作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の作業車両は、請求項2において、前記ローラジャッキは、伸長に伴ってローラが前輪に近接するよう斜めに配置したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4記載の作業車両は、請求項1乃至請求項3記載において、前記作業機は、車両の荷台後部位置に旋回可能な旋回台と、旋回台に取付けたブームとを備えて構成していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る本発明の作業車両は、前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にし、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガの下端にローラを配置させこの2基のアウトリガのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪でしか車両を支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪が凹部に位置しても、後輪が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両が走行駆動てきなくなることはない。しかも前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にしたものであるから、前方のアウトリガとは別にローラ付ジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0012】
また、請求項2に係る本発明の作業車両は、前方に配置したアウトリガと前輪間にのみ下端にローラを備えたローラジャッキを2基配置し、作業車両を走行させながら作業する際には車輪を浮上させない範囲で前記2基のローラジャッキを張出して作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪でしか車両を支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪が凹部に位置しても、後輪が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両が走行駆動てきなくなることはない。しかもローラジャッキを前方に2基のみ配置したものであるから、前方のローラジャッキとは別に後方にもローラジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0013】
更に、請求項3に係る本発明の作業車両は、前記ローラジャッキを伸長に伴ってローラが前輪に近接するよう斜めに配置したもので、走行させる際の地面が凹凸で前輪が凹部に位置しても、ローラを前輪に近接させ可及的にローラジャッキで車両を支持しないようにしてあるものだから、前輪が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両の操舵が不能になることを防止できる。
【0014】
次に、請求項4に係る本発明の作業車両は、請求項1乃至請求項3記載において、前記作業機は、車両の荷台後部位置に旋回可能な旋回台と、旋回台に取付けたブームとを備えて構成している。よって、作業車両を前方に配置したローラで支持して駆動走行させながら作業する場合に、一般にブームを前方に向けて作業させるものであるから、旋回中心とローラ間の距離を離間させることができ、作業機の作業範囲を広く取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明に係る作業車両の実施形態について、図1〜図7に図示し以下に説明する。
第1実施形態
図1〜図4に図示するように、作業車両は、車両1に操舵可能な左右一対の前輪2と車両1に搭載したエンジンにより回転駆動される左右一対の後輪3を備えている。車両1の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板5を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガ4を4基配置している。アウトリガ4は、次に説明するジャッキ30を車両1のフレームに固定したアーム(図示しない)に直接取付けている。ジャッキ30は、外筒31と、外筒31に伸縮自在に内嵌させた内筒32と、外筒31と内筒32間に外筒31に対して内筒32を伸縮駆動させる油圧シリンダ33と、内筒32の下端に止着させた接地板5とで構成している。なお、ジャッキ30は、上述したように車両1のフレームに固定したアームに直接取付けるようにしてもよいが、アームを伸縮自在としてジャッキ30を車両1の幅方向に進退可能にしたものであってもよい。
【0016】
そして、作業車両に配置した上記アウトリガ4の内、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしている。ローラ6は、ジャッキ30の車両前方において図2に図示するように、内筒32の下端部に内外2つの保持アーム62,62で支持して上下に弧回動し得るようにしている。すなわち、各保持アーム62,62の先端部でローラ6の軸61の両端部を支持し、各保持アーム62,62の基端部を内筒32の下端部の内外面に枢軸63で枢支して、該枢軸63を中心にして保持アーム62,62およびローラ6が上下に弧回動し得るようにしている。
【0017】
また、ローラ6は図4に図示するように、ローラ下面が接地板5下面より高くなる上動位置と、図3に図示するようにローラ下面が接地板5下面より低くなる下動位置とでそれぞれ位置保持させる位置保持手段を設けている。この保持手段は、ロックピン71による固定方式が採用されている。
【0018】
すなわち、図2に図示するように、内筒32の下端部の車両前方側側面にピン穴つきの2つのブラケット72,72を設け、該各ブラケット72,72のピン穴に1本のロックピン71を挿通させている。ロックピン71は、各ブラケット72,72からそれぞれ若干長さづつ外方にはみ出す状態(符合71a,71a)で挿通されている。そして、図2および図4に図示するように、両各保持アーム62,62をロックピン71の両はみ出し部分71a,71a上に載せることで、ローラ6(両各保持アーム62,62)の下動を阻止するようにしている。図2および図4に図示する状態(各保持アーム62がロックピンはみ出し部分71a上に載った状態)では、ローラ6の下面は接地板5の下面より高位置にある(ローラ6が上動位置となる)。
【0019】
なお、図2の状態で。ロックピン71を各ブラケット72,72から抜き外すと、ローラ6が下方に回動可能になる。他方、各保持アーム62,62の長さ方向中間部には、図3に図示するように、各保持アーム62,62が水平方向まで下方に回動した状態で、各ブラケット72,72のピン穴と合致するピン穴64,64(図2)が形成されている。そして、保持アーム62のピン穴64とブラケット72のピン穴とにロックピン71を挿通させると、図3に図示するようにロックピン71で保持アーム62を水平姿勢で固定できるようになっている。保持アーム62が水平姿勢状態(図3)では、ローラ6の下面が接地板5の下面より低位置にある(ローラ6が下動位置となる)。
【0020】
車両1に搭載させる作業機Aは、車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に配置した旋回台11と旋回台11にブーム12を取付けている。旋回台11の上端部に、ブーム12の基端部を枢支させている。ブーム12は、基ブーム12aと基ブーム12aに順次嵌挿させた中間ブーム12bと先ブーム12cとからなる伸縮ブームで構成している。基ブーム12aと旋回台11の適所間には、ブーム12を起伏させる起伏用油圧シリンダ13を配置している。ブーム12の各ブ―ム間には各ブームを伸縮駆動させる油圧シリンダ等の適宜伸縮駆動装置(図示しない)を配置している。
【0021】
先ブーム12cの先端部にはブーム12の起伏動に関わりなく鉛直姿勢を維持させる維持装置を介してポスト15を配置しており、このポスト15に作業台14を旋回駆動可能に配置している。
【0022】
このように構成した本発明に係る作業車両は、次のように作用する。すなわち、架線工事するために作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪で駆動走行させながら作業する場合について以下に説明する。まず、図3に図示するように、前方のアウトリガ4aにおける各保持アーム62,62を水平方向まで下方に回動した状態で、各ブラケット72,72のピン穴と各保持アーム62,62のピン穴64,64とを合致させ、各ピン穴にロックピン71を挿通させる。すると図3に図示するようにロックピン71で保持アーム62を水平姿勢で固定でき、この状態では、ローラ6の下面が接地板5の下面より低位置にある(ローラ6が下動位置となる)。(図3に実線で示す状態)
この状態で、前方アウトリガ4aのジャッキ30の油圧シリンダ33を伸長させ、外筒31より内筒32を伸長させ,ローラ6を地面に接地させる。この時前輪2を浮上させない範囲でローラ6を接地させるように油圧シリンダ33を伸長させる。(図3に二点鎖線で示す状態)
そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である前方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0023】
このように、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にし、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガ4aの下端にローラ6を配置させこの2基のアウトリガ4aのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラ6で地面に支持させ車両1を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしたものであるから、前方のアウトリガ4aとは別にローラ付ジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0024】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方アウトリガ4aとの距離を離間させるようにしている(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる)。よって、作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0025】
次に、作業車両を停止位置で作業させる際に前後左右に配置した4基のアウトリガ4により作業車両を地面に支持させて作業させるのであるが、前方のアウトリガについては次のようにして接地板5を地面に接地させるようにすればよい。すなわち、図2および図4に図示するように、両各保持アーム62,62をロックピン71の両はみ出し部分71a,71a上に載せ、ローラ6(両各保持アーム62,62)の下動を阻止するようにして、ローラ6の下面を接地板5の下面より高位置に位置させる(ローラ6が上動位置となる)。(図4に実線で図示する状態)
この状態で、前後左右4基のアウトリガ4のジャッキ30に配置した油圧シリンダ33を伸長させ、外筒31より内筒32を伸長させ,車両1を浮上させ、接地板5により車両1を支持させる。(図4に二点鎖線で図示する状態)そして、作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置に移動させ高所作業を行う。
第2実施形態
次に上記実施形態では、ローラ6を一対の保持アーム62,62で保持させるようにしたが、片持ちで保持させるようにしてもよい。以下この場合の実施形態を第2実施形態として図5〜図7に基づいて説明する。
【0026】
図5〜図7に図示するように、内筒32の下端部内面側において、ローラ6を1枚の保持アーム62で片持ち保持させるようにしている。保持アーム62は、略三角状で、その1つの角部付近を枢軸63で内筒32下端部の内面側側面に枢支している。ローラ6のローラ軸61は、保持アーム62における枢軸63から離間した1つの角部付近に取付けている。そして、保持アーム62は、枢軸63を中心にして、図5に示すローラ6の下面が接地板5の下面より低くなる下動位置と、図7に図示するローラ6の下面が接地板5の下面より高くなる上動位置との間で上下に弧回動させ得るようになっている。
【0027】
また、保持アーム62の残りの角部付近には、ロックピン71を挿通させるピン穴64が形成されている。他方、内筒32の下端部には、ローラ下動位置で保持アーム62のピン穴64に重合するピン穴73と、接地板上動位置で保持アーム62のピン穴と重合するピン穴74とがそれぞれ形成されている。なお、内筒32側の各ピン穴73,74は、それぞれ内筒32を内外方向に貫通しており、ロックピン71の挿入・抜出し作業は内筒32の外面側から行う。
【0028】
このように構成した本発明の実施形態では次のように作用する。架線工事するために作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪で駆動走行させながら作業する場合について以下に説明する。まず、図5に図示するように、内筒32側の各ピン穴73に保持アーム62のピン穴64を重合させ、各ピン穴にロックピン71を挿通させ、図5に示すローラ6の下面が接地板5の下面より低くなる下動位置の状態にする。(図5および図6に実線で図示した状態)
この状態で、後方アウトリガ4bのジャッキ30の油圧シリンダ33を伸長させ、外筒32より内筒32を伸長させ,ローラ6を地面に接地させる。この時前輪2を浮上させない範囲でローラ6を接地させるように油圧シリンダ33を伸長させる。(図5および図6に二点鎖線で図示した状態)
そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である後方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0029】
このように、後方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にし、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガ4aの下端にローラ6を配置させこの2基のアウトリガ4aのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラ6で地面に支持させ車両1を駆動走行するようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしたものであるから、前方のアウトリガ4aとは別にローラ付ジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0030】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方アウトリガ4aとの距離を離間させるようにしている(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる)。よって、作業車両をローラ6で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0031】
次に、作業車両を停止位置で作業させる際に前後左右に配置した4基のアウトリガ4により作業車両を地面に支持させて作業させるのであるが、前方のアウトリガ4aについては次のようにして接地板5を地面に接地させるようにすればよい。すなわち、図7に図示するように、ローラ6の下面が接地板5の下面より高くなる上動位置状態となるように、保持アーム62のピン穴64と内筒32のピン穴74とを重合させ、ロックピン71を各ピン穴に挿通させる。そしてローラ6の下面を接地板5の下面より高位置に位置させる(ローラ6が上動位置となる)。(図7に実線で図示した状態)
この状態で、前後左右4基のアウトリガ4のジャッキ30に配置した油圧シリンダ33を伸長させ、外筒31より内筒32を伸長させ,車両1を浮上させ、接地板5により車両1を支持させる。(図7に鎖線で図示した状態)そして、作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置に移動させ高所作業を行う。
【0032】
なお、上記実施形態では、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみに下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置するに当たり、ローラ6を保持アーム62で内筒32に揺動させて、ローラ6の下面が接地板5の下面より低くなる下動位置状態と、ローラ6の下面が接地板5の下面より高くなる上動位置状態とに位置させるようにしたが、逆に内筒32の下端にローラ6を配置し、接地板5を内筒32の下端部で揺動させて、接地板5の下面がローラ6の下面より低くなる下動位置状態と、接地板5の下面がローラ6の下面より高くなる上動位置状態とに位置させるようにしてもよい。
【0033】
また、保持アーム62の揺動は手動で行うものとして上記では説明したが、油圧シリンダ等を介在させ自動で揺動させるようにしたものであってもよい。
【0034】
次に、上記第1および第2実施形態では、上記前方のアウトリガ4aと後方のアウトリガ4bの内、前方に配置した2基のアウトリガ4aにのみ下端に備えた接地板5に替えてローラ6を配置可能にしたが、次のようにローラ6を配置する専用のローラジャッキを前方のアウトリガ4aと後方のアウトリガ4bとは別に配置したものであってもよい。
第3実施形態
この場合を第3実施形態として以下図8〜図16に図示し以下に説明する。図8〜図10に図示するように、作業車両は、車両1に操舵可能な左右一対の前輪2と車両1に搭載したエンジンにより回転駆動される左右一対の後輪3を備えている。車両1の前方と後方にそれぞれアウトリガ4a,4bを左右一対配置している。各アウトリガ4a,4bは、前記ジャッキ30を備え固定アーム(図示しない)を介して車両1のフレームに車幅内に取付けている。また、アームは車幅方向に進退可能に構成し、車幅よりジャッキ30を突出させて張出したり、車幅内に格納するようにしたものであってもよい。
【0035】
前方に配置したアウトリガ4aと前輪2間に、下端にローラ7を備え前輪2を浮上させない範囲で伸長させるローラジャッキ8を左右2基配置している。ローラジャッキ8は、外箱9と、外箱9に内嵌させた内箱10と、両箱間に配置され外箱9に対して内箱10を伸長させる油圧シリンダ(図示しない)とで構成している。そして内箱10の下端にはローラ7を回転自在に配置している。ローラ7の回転軸は、前輪2の回転軸と平行で、ローラ7は内箱10より外側に突出させ、ローラ7の外側が略車幅位置となるように配置している。外箱9は車両1のフレームに取付けるに当たって、前記アーム4aに止着させた取付け部材4cを介して取付けている。このように構成したローラジャッキ8は、油圧シリンダを伸長させることにより外箱9から内箱10を伸長させ、ローラ7を地面に接地させるに、前輪2を浮上させない範囲で伸長させ、車両1を支持させることができるようにしている。
【0036】
作業機Aは、車両1の荷台後部位置に旋回可能に配置した旋回台11と旋回台11にブーム12を取付けている。旋回台11は上方を後方に屈曲させており、上端部にブーム12の基端部を枢支させている。ブーム12は、基ブーム12aと基ブーム12aに順次嵌挿させた中間ブーム12bと先ブーム12cとからなる伸縮ブームで構成している。基ブーム12aと旋回台11の適所間には、ブーム12を起伏させる起伏用油圧シリンダ13を配置している。ブーム12の各ブ―ム間には各ブームを伸縮駆動させる油圧シリンダ等の適宜伸縮駆動装置(図示しない)を配置している。
【0037】
先ブーム12cの先端部にはブーム12の起伏動に関わりなく鉛直姿勢を維持させる維持装置を介してポスト(図示しない)を配置しており、このポストに作業台14を旋回駆動可能に配置している。
【0038】
このように構成した実施形態3の本発明に係る作業車両は、次のように作用する。すなわち、架線工事するために作業車両をローラジャッキ8で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合について以下に説明する。ローラジャッキ8の油圧シリンダを伸長させ、外箱9より内箱10を伸長させ,ローラ7を地面に接地させる。この時前輪2を浮上させない範囲でローラジャッキ8を伸長させる。
【0039】
そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である後方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0040】
このように、前方に配置した2基のローラジャッキ8を前輪2を浮上させない範囲で伸長させ、作業車両をローラジャッキ8で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業できるようにしたものであるから、走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部の負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも、後輪3は、常時接地しているものであるから後輪3の負荷が変動せず、常時安定した制動性を得ることができる。そして2基のローラジャッキ8を前方にのみ配置したものであるから、前方と後方に各2基計4基のローラジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0041】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方のロージャッキ8との距離を離間させるようにしている(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる)。よって、作業車両をローラ7で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0042】
なお、この第3実施形態の場合に、前輪2が地面の凹部に位置しても、前輪2と前方のアウトリガ4a間にローラジャッキ8を配置しているものだから、ローラ7を前輪2に近接させて配置することができ、ローラ7とともに前輪2の凹部に位置し、ローラ7で車両1を支持し地面の凹部で後輪3が宙に浮いて空転することを可及的に防止できる。すなわち、一般に前輪2は車両1の操舵を行う車輪であるから、このような場合に作業車両を操舵不能になるような事態を可及的に防止できる。また、前輪2が路面の凸部に位置してもローラ7も凸部に近接しているものだから、凸部で前部の負荷を前輪2のみで支持するようなことにならず、作業車両の傾斜を防止できる。
【0043】
作業車両を停止位置で作業させる際にアウトリガ4により作業車両を地面に支持させて作業させる場合については従前と同じであるので詳細な説明は省略する。
第4実施形態
次に上記実施形態では、ローラジャッキ8を前輪2と前方のアウトリガ4a間に鉛直に配置したが、図11〜図16に図示するように、伸長に伴ってローラが前輪2に近接するよう斜めに配置するようにしてもよい。以下この場合の実施形態を第4実施形態として図11〜図16に基づいて説明する。
【0044】
図11および図12に図示するローラジャッキ20は、ローラ21を直接油圧シリンダで伸縮させるようにしたもので、油圧シリンダ22とローラ21およびロッドの回り止め23とで構成している。すなわち、油圧シリンダ22は、前輪2と前方のアウトリガ4a間に取付けるに当たって、伸長に伴ってローラ21が前輪2に近接するようシリンダ側を前記ジャッキ30の外筒31に止着した取付け部材4dを介して斜めに取付けている。油圧シリンダ22の伸縮に伴ってロッドが回転するとローラ21の回転軸が前輪2の回転軸と平行にならなくなるので、ローラ21の回転軸と前輪2の回転軸とが平行を維持させるためにロッドの回り止め23を配置している。この回り止め23は、油圧シリンダ22のロッドとローラ21の取付け位置から偏奇した点と油圧シリンダ22のシリンダ側とを連結し、油圧シリンダ22の伸縮に連動して伸縮する伸縮干で構成している。
【0045】
このように構成したローラジャッキ20によっても上記と同様の効果を得ることができる。すなわち、作業車両をローラジャッキ20で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合、油圧シリンダ22を伸長させて前輪2を浮上させない範囲でローラジャッキ8を伸長させる。ローラジャッキ20は、伸長に伴ってローラ21が前輪2に近接するよう斜めに配置しているものだから、ローラ21は前輪2に近接して接地させることができる。そして作業台14に搭乗した作業者はブーム12を適宜伸縮、起伏ならびに旋回台11を旋回させ、作業台14を作業目的位置である後方の架線位置に位置させて作業する。そして運転席1aに搭乗した作業者により作業車両を前進させ、作業台14を架線に沿って移動させ、作業台14の作業者により架線に沿って作業を行うのである。
【0046】
よって走行させる際の地面が凹凸であっても作業車両の後部負荷は後輪3でしか支持しない(後部にローラ付のジャッキを配置していない)。よって後輪3が凹部に位置しても、後輪3が凹部で宙に浮いて空転することはなく、作業車両を走行駆動できなくなることはない。しかも、後輪3は、常時接地しているものであるから後輪3の負荷が変動せず、常時安定した制動性を得ることができる。そして2基のローラジャッキ20を前方にのみ配置したものであるから、前方と後方に各2基計4基のローラジャッキを配置する場合と比較して作業車両の重量を軽減させることができるとともに、安価なコストで製作できる。
【0047】
しかも車両1の荷台後部位置に旋回駆動可能に旋回台11を配置し、旋回台11の旋回中心と前方のローラジャッキ20との距離を離間させるようにしている。(旋回台11の旋回中心を前方に配置する場合に比較して距離を離間させることができる。)よって、作業車両をローラ21で地面に支持させ後輪駆動走行させながら作業する場合に、一般にブーム12を前方に向けて作業させるものであるから、作業範囲を広く取ることができる。すなわち、前方に向けたブーム12の側方への旋回角、ならびに伸長したブーム12の倒伏角度を大きく取れるのである。
【0048】
なお、この第4実施形態の場合に、前輪2が地面の凹部に位置しても、前輪2と前方のアウトリガ4a間にローラジャッキ20を斜めに配置しているものだから、ローラ21を前輪2に近接させて配置することができ、ローラ21とともに前輪2の凹部に位置し、ローラ21で車両1を支持し地面の凹部で前輪2が宙に浮いて空転することを可及的に防止できる。すなわち、一般に前輪2は車両1の操舵を行う車輪であるから、このような場合に作業車両を操舵不能になるような事態を可及的に防止できる。また、前輪2が路面の凸部に位置してもローラ7も凸部に近接しているものだから、凸部で前輪側の負荷を前輪2のみで支持するようなことにならず、作業車両の傾斜を防止できる。
【0049】
作業車両を停止位置で作業させる際に前方のアウトリガ4aおよび後方のアウトリガ4bにより作業車両を地面に支持させて作業させる場合については従前と同じであるので詳細な説明は省略する。
第5実施形態
次に、図13および図14に図示する第5実施形態について以下に説明する。この実施形態では、伸長に伴ってローラが前輪2に近接するように三角状のリンクを用いたもので、この実施形態のローラジャッキ50は、油圧シリンダ51、三角状のリンク52、取付け部材53、およびローラ54で構成している。すなわち、取付け部材53は、前記ジャッキ30の外筒31に沿って止着され、上部で油圧シリンダ51のシリンダ側の基端部を枢支し、下部で三角状のリンク52の3支点における一点を枢支している。三角状のリンク52における3支点のうち他の一点は、油圧シリンダ51のロッド先端部と枢支させ、残りの支点はローラ54の回転軸を枢支させている。
【0050】
このように構成したローラジャッキ50は、油圧シリンダ51を伸長することで三角状のリンク52が作用してローラ54を前輪2に近接して接地させることができるものである。(図13に図示する格納状態から図14に図示する張出状態にする。)よって、ローラジャッキ50によっても上記第4実施形態と同様の効果を得ることができることは容易に理解できるのでこの第5実施形態での作用・効果についての説明は省略する。
第6実施形態
更に、図15および図16に図示する第6実施形態について以下に説明する。この実施形態では、伸長に伴ってローラを前輪2に近接させるに当たって油圧シリンダを逆に取付けてリンクを配置したもので、この実施形態のローラジャッキ40は、油圧シリンダ41、取付け部材42、リンク43、およびローラ44で構成している。すなわち、取付け部材42は、前記ジャッキ30の外筒31に沿って止着され、上部で油圧シリンダ41のロッド先端部を枢支し、下部でリンク43の一方を枢支している。リンク43の他方は、油圧シリンダ41のシリンダ側の中央部をトラニオンを介して枢支させている。油圧シリンダ41のシリンダ側の端部にローラ44を取付けている。
【0051】
このように構成したローラジャッキ40は、油圧シリンダ41を伸長することでリンク43が作用してローラ44を前輪2に近接して接地させることができるものである。(図15に図示する格納状態から図16に図示する張出状態にする。)よって、ローラジャッキ40によっても上記第4実施形態と同様の効果を得ることができることは容易に理解できるのでこの実施形態での効果についての説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
上記実施形態の説明では、作業機Aとして車両1上に旋回台11を旋回可能に配置するとともに伸縮、起伏可能にブーム12を配置し、ブーム12の先端部に作業台14を配置した作業車両として高所作業車を例に説明したが、同様な構成となっている橋梁点検車やクレーン等にも適用できること勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る第1実施形態の作業車両を説明する説明図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の作業車両で、接地板で支持させる状態を斜視図で説明する説明図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の作業車両で、ローラで支持させる状態を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る第1実施形態の作業車両で、接地板で支持させる状態を説明する説明図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態の作業車両で、ローラで支持させる状態を説明する説明図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態の作業車両を説明する説明図で、接地板で支持させる状態を説明する説明図である。
【図8】本発明に係る第3実施形態の作業車両を説明する説明図である。
【図9】本発明に係る第3実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図10】本発明に係る第3実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【図11】本発明に係る第4実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図12】本発明に係る第4実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【図13】本発明に係る第5実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図14】本発明に係る第5実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【図15】本発明に係る第6実施形態の作業車両で、ローラジャッキの格納状態を説明する説明図である。
【図16】本発明に係る第6実施形態の作業車両で、ローラジャッキの張出状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 車両
2 前輪
3 後輪
4 アウトリガ
5 接地板
6 ローラ
7 ローラ
8 ローラジャッキ
11 旋回台
12 ブーム
20 ローラジャッキ
21 ローラ
40 ローラジャッキ
41 ローラ
50 ローラジャッキ
51 ローラ
A 作業機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置し、当該前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にし、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガの下端にローラを配置させこの2基のアウトリガのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置するとともに、当該前方に配置したアウトリガと前輪間にのみ下端にローラを備えたローラジャッキを2基配置し、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には車輪を浮上させない範囲で前記2基のローラジャッキを張出して作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とする作業車両。
【請求項3】
前記ローラジャッキは、伸長に伴ってローラが前輪に近接するよう斜めに配置したことを特徴とする請求項2記載の作業車両。
【請求項4】
前記作業機は、車両の荷台後部位置に旋回可能な旋回台と、旋回台に取付けたブームとを備えて構成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の作業車両。
【請求項1】
車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置し、当該前方に配置した2基のアウトリガにのみ下端に備えた接地板に替えてローラを配置可能にし、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には前方2基のアウトリガの下端にローラを配置させこの2基のアウトリガのみを車輪を浮上させない範囲で張出し作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
車両上に作業機を搭載するとともに車両の前後左右位置にそれぞれ下端に接地板を備え作業車両を地面に支持させるアウトリガを4基配置するとともに、当該前方に配置したアウトリガと前輪間にのみ下端にローラを備えたローラジャッキを2基配置し、作業車両を停止位置で作業する際には前後4基の各アウトリガの接地板を地面に接地させて作業車両を支持させ、作業車両を走行させながら作業する際には車輪を浮上させない範囲で前記2基のローラジャッキを張出して作業車両をローラで地面に支持させ車両を駆動走行するようにしたことを特徴とする作業車両。
【請求項3】
前記ローラジャッキは、伸長に伴ってローラが前輪に近接するよう斜めに配置したことを特徴とする請求項2記載の作業車両。
【請求項4】
前記作業機は、車両の荷台後部位置に旋回可能な旋回台と、旋回台に取付けたブームとを備えて構成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−1354(P2007−1354A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181225(P2005−181225)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
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