作業車両
【課題】 作業車両において左右のフレームにより強固に構成する。
【解決手段】 ミッションケース(45)の左右両側方に前後方向に沿うように左右サイドフレーム(49,49)を設け、左右中央部にセンターフレーム(48)を設け、左右サイドフレーム(49,49)の下方位置で且つセンターフレーム(48)の上方位置に該センターフレーム(48)に連結される補強部材(38)を設け、左右補助ステップ(37,37)を補強部材(38)で連結した作業車両とする。
【解決手段】 ミッションケース(45)の左右両側方に前後方向に沿うように左右サイドフレーム(49,49)を設け、左右中央部にセンターフレーム(48)を設け、左右サイドフレーム(49,49)の下方位置で且つセンターフレーム(48)の上方位置に該センターフレーム(48)に連結される補強部材(38)を設け、左右補助ステップ(37,37)を補強部材(38)で連結した作業車両とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗移植機等の作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
苗移植機等の作業車両において、前後方向に延びる左右のフレームにより左右の車体カバーを支持し、この左右のフレームの内側にミッションケースを配設し、ミッションケースへの入力伝動部材とミッションケースからの出力伝動部材とを左右フレームの内側で且つ左右並列状に配置したものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−327400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、作業車両において左右のフレームにより強固に支持しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、ミッションケース(45)の左右両側方に前後方向に沿うように左右サイドフレーム(49,49)を設け、左右中央部にセンターフレーム(48)を設け、左右サイドフレーム(49,49)の下方位置で且つセンターフレーム(48)の上方位置に該センターフレーム(48)に連結される補強部材(38)を設け、左右補助ステップ(37,37)を補強部材(38)で連結した作業車両とする。
【0005】
請求項2の発明は、左右サイドフレーム(49,49)を短い前側サイドフレーム(49a,49a)と長い後側サイドフレーム(49b,49b)に分割し、前後それぞれの左右フレーム部を互いに連結した前後フレーム部を着脱自在に構成し、前記後側左右サイドフレーム(49b,49b)の前側部には左右フロントアクスル(32,32)を、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)をそれぞれ取り付け、前記左右後側サイドフレーム(49b,49b)の前側部に左右補助苗載せ台(31,31)を左右両側に突出するように取り付けた請求項1に記載の作業車両とする。
【0006】
請求項3の発明は、左右サイドフレーム(49,49)を連結するミッドフレーム(54)を設け、該ミッドフレーム(54)の中央部にブラケット(58)を設け、ミッドフレーム(54)、ブラケット(58)及び左右サイドフレーム(49,49)の上面をステップフロア(59,60)で覆い、該ステップフロア(59,60)にステップマット(35)を載置し、該ステップマット(35)に設けた取出穴(35b)に前輪デフロックペダル(36)を設け、前記取出穴(35b)の直径を前輪デフロックペダル(36)のアーム部の断面よりも小さく構成した請求項1又は2に記載の作業車両とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によると、左右補助ステップ(37,37)の強度を高め、強固に支持することができる。
請求項2の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、前後方向に長い後側サイドフレーム(49b,49b)を互いに連結した後側フレーム部には、その前側部に左右フロントアクスル(32,32)が、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)が取り付けられて強固なフレームが構成され、左右後側サイドフレーム(49b,49b)に左右補助苗載せ台(31,31)を取り付けることにより、部品点数を同じにしながら左右補助苗載せ台(31,31)を強固に支持することができる。
【0008】
請求項3の発明によると、請求項1又は2の発明の効果に加えて、取出穴(35b)の直径を前輪デフロックペダル(36)のアーム部の断面よりも小さく構成したので、ステップマット(35)のゴムの弾性力により、前輪デフロックペダル(36)の抜け止めができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面に基づき本発明を説明する。先ず初めに図1乃至図9に基づき本発明を具備する苗移植機の全体構成について説明する。
苗移植機の車体21は、ステアリングハンドル22で操向する左右前輪8,8と左右後輪9,9を有し、運転席10を搭載したシートカバー11の下方に配設したエンジン12によって駆動して走行する乗用四輪走行形態に構成している。車体21の後部に平行リンク機構13を介して苗植付装置14を連結し、リフトシリンダ15の伸縮によって昇降可能に構成している。
【0010】
苗植付装置14は、平行リンク機構13の後側端部に連結したリンクヒッチ16に対してローリング軸17回りのローリング自在に連結している苗植付フレーム18の下部に、左右方向中央部のセンターフロート19と、その左右両側のサイドフロート20,20を配置し、土壌面を滑走支持するように構成している。
【0011】
苗植付フレーム18の上方には、マット状に育苗した苗を収容して後側下方へ繰り出す多条植付形態の苗載せ台3を左右方向に往復移動自在に設け、後側端部には、図7に示すように、側面視楕円形状の植付奇跡線を描いて苗植付作動をする植付爪1を設けて、それぞれ対応した苗載せ台3から繰り出された苗を分離保持して土壌面に植え付ける多条植付形態に構成している。この苗載せ台3の後側下部には、左右方向に沿う苗載せ台ガイドとしての側断面略L字型の前板5を設け、各苗載せ台3,…下端苗送り出し口部を摺動案内し、各苗載せ台3,…毎に各苗植付爪1,…を作用させる苗取出口2,…を形成している。
【0012】
次に、前記フロート19,20,20の支持構成について説明する。図1に示すように、苗植付フレーム18のフロート支持軸24から後側下部に向けてフロートアーム25を突出し、このフロートアーム25をフロート支持軸24の回りに上下回動調節可能に支持している。このフロートアーム25の後側端部に左右方向のフロート軸26を設けて、各フロート19,20,20のブラケットを回動自在に支持し、各フロート19,20,20は滑走時の土壌抵抗を受けて前側端部が上下動するように支持している。
【0013】
このセンターフロート19の上下回動によって、前記リフトシリンダ15の油圧制御弁を切り替えてリフトシリンダ15を伸縮し、苗植付装置14全体を昇降させることにより、苗植付爪1による苗植付深さを一定に維持するように構成している。苗植付作業中に土壌面が深くなりセンターフロート19が上側に移動すると、苗植付装置14を上昇させ、また、逆に土壌面が浅くなりセンターフロート19が下方に移動すると、苗植付装置14を下降させて、苗植付深さを所定深さになるように制御する。
【0014】
この苗植付深さを変更するために、前記フロート支持軸24回りに回動可能の植付深さ調節レバーを設けている。前記各フロート19,20,20は、前側部分のフロート幅を広く張り出すようにして均平部を構成し、全体として平面視で略T字型に構成し、苗植付爪1をこのフロート19,20,20の左右両側の均平部の後方に植付作動させるように配置している。苗載せ台3の各苗取出口2,…から分離した苗を、苗取出口2,…の左右両側に設けた植付ガイドに案内させて、フロート19,20,20で均平された土壌面に植え付けていく。
【0015】
前記車体21は、図3乃至図6に示すように、前側のミッションケース45と、左右両側にリヤーアクスルケース46,46を取り付けるリヤーフレーム47と、ミッションケース45とリヤーフレーム47の左右中央部を連結する左右センターフレーム48,48を主体として構成し、これらを囲う左右サイドフレーム49,49、フロントフレーム50等で構成している。
【0016】
このミッションケース45からは、後輪出力軸51,51や、PTO軸52等を設けて、後輪9,9や苗植付装置14等を駆動している。エンジン11の左側にはエンジンプーリ53を設け、ミッションケース45の前側左部の油圧無段変速装置HSTには入力プーリ54を設けて、これらプーリ53,54間に亘って左側のサイドフレーム49の内側に設けるベルトカバー55に沿ってベルト56を架け渡し伝動している。
【0017】
また、このミッションケース45の後側上部には、左右のサイドフレーム49,49間を連結するミッドフレーム57を設け、このミッドフレーム57の中央部に板状のブラケット58を設け、このブラケット58の上面に前後左右に分割しているステップフロア59,60を接合して取り付け固定している。また、フロントフレーム50の中央部にはバッテリ61を搭載し、その左右両側にバランスウエイト62,62を搭載可能に構成している。
【0018】
また、図4及び図5に示すように、前記リヤーフレーム47の上部には上部フレーム63を設け、下側の左右センターフレーム48,48との間を前下がり傾斜の左右傾斜フレーム64,64で連結して剛性を高め、この傾斜フレーム64,64、左右センターフレーム48,48に沿うようにリフトシリンダ15を設けている。このリヤーフレーム63及びレバーガイド69から突出している左右アーム65,65を介して、エンジン12の上部に突出したコ字形状の支持フレーム66を設け、この支持フレーム66の上部に燃料タンク67を支持し取り付けている。
【0019】
また、右アーム65の後側部には右側のサイドフレーム49に沿うようにレバーガイド69を設け、このレバーガイド69には前記センターフロート19の向い角を調節し、センターフロート19の検出角度を調節するための感度レバー68を設け、また、右サイドフレーム49の前側部には油圧リフトバルブ70を設けている。このリフトバルブ70にはワイヤ71を介して後側のセンターフロート19に連結し、このワイヤ71のアウターをレバーガイド69に形成したアウター受けに係合させて、全体として簡潔な構成としている。
【0020】
また、図3に示すように、左右サイドフレーム49,49をステアリングハンドル22の近傍を分割点として、短い前側サイドフレーム49a,49aと長い後側サイドフレーム49b,49bに分割している。そして、前側サイドフレーム49a,49a、後側サイドフレーム49b,49bのそれぞれの左右を互いに連結した前後フレーム部に構成し、これらを着脱自在に連結している。この前記後側左右サイドフレーム(49b,49b)の前側部には左右フロントアクスル(32,32)を、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)をそれぞれ取り付けている。また、左右補助苗載せ台31,31のフレーム枠体31a,31aを、左右後側サイドフレーム49b,49bの前側部に左右両側に突出するように取り付けている。
【0021】
左右補助苗載せ台31,31のフレーム枠体31a,31aを左右前側サイドフレーム49a,49aに取り付けると、左右前側サイドフレーム49a,49aの繋ぎ部分が弱くなり、左右補助苗載せ台31,31に苗を載せ負荷がかかると、補助苗載せ台31,31が揺れて不安定になるという不具合が発生する。しかし、前記構成のように、左右後側サイドフレーム49b,49bの前側部に左右補助苗載せ台31,31を取り付けることにより、部品点数を同じにしながら支持強度をアップし、左右補助苗載せ台31,31を強固に支持することができる。
【0022】
また、図10に示すように、左右後側サイドフレーム49b,49bを、断面四角形の角チューブに構成し、この角チューブの前側端部に構成した上下方向の穴49cに、ブラケット39,39を挿入して溶接固着する。そして、左右補助苗載せ台31,31のフレーム枠体31a,31aの下端部を、ブラケット39,39に挿入し回り止め状態で挿入支持する。前記構成によると、ブラケット39の溶接箇所を少なくし、コストの低減を図りながら、補助苗載せ台31を強固にしじすることができる。
【0023】
また、左右サイドフレーム49,49の後側サイドフレーム49b,49bの前側部に、左右フロントアクスルケース32,32を取り付け、後側サイドフレーム49b,49bの後側部に左右リヤーアクスルケース46,46を取り付けている。前記構成によると、後側サイドフレーム49b,49bに、左右フロントアクスルケース32,32及び左右リヤーアクスルケース46,46を取り付けることにより、フレームの剛性を高めることができる。
【0024】
また、図1及び図2に示すように、運転席10を搭載したシートカバー11の下方にエンジン12に配設し、左右後側サイドフレーム49b,49b、左右センターフレーム48、48の上側面に、シートカバー11を取り付けている。シートカバー11の後側下端部には、平面視略U字状の雨水流し溝11aを構成し、雨水流し溝11aの水落とし穴11b,11bを、前側左右に構成し水が流下するように構成している。また、エンジン12の左側の原動プーリ12aとジェネレータプーリ33との間を、ベルト伝動装置34により伝動している。そして、原動プーリ12a及びベルト伝動装置34のベルトを、シートカバー11の左側の水落とし穴11bに臨ませ、この水落とし穴11bを通りながらベルト伝動装置34のベルトが回転するように構成している。前記構成によると、シートカバー11の切欠き開口部を少なくすることができる。
【0025】
また、図2に示すように、前記シートカバー11の例えば前側右下部に取出穴11cを設け、この取出穴11cからリコイルスタータ操作用の紐を引き出してエンジン12を始動するように構成している。また、前記ミッドフレーム57の中央部に板状のブラケット58を設け、このミッドフレーム57、ブラケット58及び左右サイドフレーム49,49の上面を、前後左右のステップフロア59,60で覆って合わせ目部を接合して取り付け、このステップフロア59,60にステップマット35を載置し、シートカバー11下部の前側及び左右両側部を覆っている。そして、苗移植機にセル始動のエンジン12を搭載した場合には、このステップマット35の右側後端部から係止部(図示省略)を設け、シートカバー11の前記取出穴11cに係止部を係合し、取出穴11cをふさいでいる。なお、リコイルスタータ始動型のエンジン12を搭載した場合には、前記突出した係止部を切断除去する。前記構成によると、ステップマット35を複数の型式に共用することができる。
【0026】
また、図2に示すように、ステップマット35の左側部には取出穴35bを設け、この取出穴35bから前輪デフロックぺダル36(図1に示す)を取り出し、取出穴35の直径を前輪デフロックぺダル36のアーム部の断面よりも小さく構成し、ステップマット35のゴムの弾性力により、前輪デフロックぺダル36の抜け止めをするように構成している。
【0027】
また、図12に示すように、左右後側フレーム49b,49bの前後方向中間部には、左右補助ステップ37,37を左右両側に延出するように取り付けている。また、この左右補助ステップ37,37のアーム部における左右後側フレーム49b,49bの下方位置で、且つ、前記センターフレーム47,47の上方部位を、補強パイプ38を連結すると共に、補強パイプ38を左右センターフレーム48,48にも連結して補強し、この補強パイプ38をエンジン12搭載用の部材にしている。前記構成によると、左右補助ステップ37,37の強度を高め、エンジン12を強固に支持することができる。
【0028】
次に、図1、図8、図9に基づき整地用ロータリについて説明する。後輪9,9とフロート19,20,20との間の土壌面を掻き均す整地用のセンターロータリ75、左右サイドロータリ76,76を配置して、前記リヤーアクスルケース46部から取り出される出力軸77を経由して駆動するように構成している。このセンターロータリ75、左右サイドロータリ76,76を回転軸受するロータリフレーム78,78の上部を、リンク79を介して苗植付フレーム18上部の苗載せ台支持フレーム80に設けた上部フレーム81に吊り下げるようにして設けている。
【0029】
この上部フレーム81の中央部にはロータリ上下レバー82を設け、このロータリレバー82を左右に回動することにより、フック部でフックピン83を係合して、ロータリフレーム78,78を吊り上げたり降ろしたりすることができる。また、上部フレーム81の左右両側部には、苗載せ台3の上部裏面側を支持案内する支持ローラ84を設けている。また、左右のロータリフレーム78,78部に沿って前記前板5を上下動して苗取り量を調節する苗取り量調節レバー85と、前記センターフロート19を上下動して苗植付深さを調節する調節レバー86を設けている。これらのレバー85,86は、前記ロータリ上下レバー82よりも左右外側で低い位置に配設している。
【0030】
次に、図13乃至図16に基づき線引きマーカ装置90について説明する。
線引きマーカ装置90は、次行程の走行経路の指標となる位置に跡を付けていく回転式の線引きマーカ(爪車)91と、基端側がマーカブラケット92に軸支された回動支点軸93回りに起立倒伏自在で、且つかぎ型の構成されたマーカアーム94とにより構成されている。この線引きマーカ(爪車)91は、マーカアーム94の先端に軸支され、外周部に突起爪91a,…を有した回転体91bによって構成され、圃場面に接地して回転し泥掻きしながら跡を付けていくように構成されている。
【0031】
また、マーカアーム94は、基端側アーム94aと先端側アーム94bとからなり、基端部の回動支点軸93を支点として起伏回動する構成であり、先端の線引きマーカ91が苗載せ台3の側部に位置する上昇起立姿勢と、圃場面に接地する下降倒伏姿勢とに切り替えられる。そして、このマーカアーム94の上昇起立状態でのかぎ型屈曲部94cには、側面視で苗載せ台3の傾斜方向に対して略直交し苗載せ台3から離れる方向に傾斜する回動軸(回動軸受け体)95を設け、この回動軸95を回動軸心として先端側アーム94bが基端側アーム94aに対して折れ曲がり回動するようになっている。このようにマーカアーム94の起立状態での線引きマーカ91は、回動軸95の軸心回りに折り曲がり回動によって、苗載せ台3の左右幅内での下方空間内に折り畳み収納することができる。
【0032】
また、図14に示すように、リフトシリンダ15の押し引き作動により、平行リンク機構13により苗植付装置14を昇降させるように構成し、平行リンク機構13のロワーリンク13a,13a側のシリンダアーム96,96と、リフトシリンダ15との間に、マーカソレノイド97を位置させ、リフトシリンダ15のシリンダ部15aから延出したブラケット97cにマーカソレノイド97を取り付けている。
【0033】
また、リフトシリンダ15の伸縮ロッド部15bにはスプリングケース99を取り付けている。図16に示すように、スプリングケース99のスプリングケース(上側)99aの係合部には、リフトシリンダ15に沿うオートリターンロッド100の上側端部を取り付け、オートリターンロッド100の下側端部をスプリングケース(下側)99bの係合部を通して下方に延出している。
【0034】
また、オートリターンロッド100の中途部には、スプリングケース99の傾き防止用のプレート103を設けている。図16(B)に示すように、このプレート103の一側部をマーカソレノイド97のフレーム部にボルト103aで締め付け固定し、他側に設けた係合部103bにオートリターンロッド100に嵌合装着し支持している。また、オートリターンロッド100の下側端部に設けた係合部100aを、マーカソレノイド97の作動ピン97a,97bに係合可能に構成し、リフトシリンダ15の伸縮によりマーカソレノイド97を作動するように構成している。
【0035】
しかして、植付作業時には、苗植付装置14の上昇時にリフトシリンダ15が短縮すると、マーカワイヤが引かれて左右線引きマーカ91,91が起立し、苗植付装置14の下降時にリフトシリンダ15が伸長すると、マーカワイヤが戻り、左右線引きマーカ91,91が倒伏する。また、マーカ用ソレノイド97により、マーカワイヤが戻らないように規制すると、苗植付装置14が下降しても、左右線引きマーカ91,91が起立状態のままで保持される。
【0036】
前記構成によると、リフトシリンダ15の短縮により苗植付装置14を上昇させるものにおいて、マーカソレノイド97の作動構成を簡単に構成することができる。また、前記スプリングケース99のスプリングケース(上側)99aに取り付けたオートリターンロッド100、及び、マーカソレノイド97の作動ピン97a,97bを、平面視で左右サイドフレーム48,48の幅内に位置するように構成している。前記構成によると、オートリターンロッド100及びマーカソレノイド97の作動ピン97a,97bが上下動しても、フレーム部との干渉を防止することができる。
【0037】
次に、図17に基づき、苗載せ台3の後側下部に設けた側断面略L字型の前板5について説明する。苗植付装置14のフレーム部に左右方向の軸104a回りに苗取量調節レバー104を回動調節自在に設け、この苗取量調節レバー104の回動により、苗載せ台3,…に対して前板5を上下に微量調節し、苗取出し量を大小に調節可能に構成している。そして、レバーガイド105の移動溝105aの上側部に沿って調節係止部105bを設け、移動溝105aの下側端部に苗載せ台3の苗取出口2から大きく上方に移動した状態で係止するメンテナンス用の係止孔105cを形成している。
【0038】
前記構成によると、レバーガイド105の調節係止部105bに沿って苗取量調節レバー104を調節することにより、苗取量の微量増減調節をすえうことができる。また、苗取量調節レバー104をメンテナンス用の係止孔105cに係止することにより、苗載せ台3の苗取出口2から前板5を大きく上方に移動して、苗植付爪1と苗載せ台3との間隔を広げることができ、苗取出口2の清掃やメンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】車体の平面図
【図4】車体の側面図
【図5】車体の平面図
【図6】車体の背面図
【図7】苗植付装置の平面図
【図8】ロータリ装置の平面図
【図9】ロータリ装置の背面図
【図10】補助苗載せ台の斜視図
【図11】シートカバーの平面図
【図12】車体の斜視図
【図13】線引きマーカの側面図
【図14】平行リンク機構の側面図
【図15】平行リンク機構の平面図
【図16】平行リンク機構の側面図、平面図
【図17】苗植付装置の側面図
【符号の説明】
【0040】
37:補助ステップ、38:補強パイプ、45:ミッションケース、48:センターフレーム、49:左右サイドフレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗移植機等の作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
苗移植機等の作業車両において、前後方向に延びる左右のフレームにより左右の車体カバーを支持し、この左右のフレームの内側にミッションケースを配設し、ミッションケースへの入力伝動部材とミッションケースからの出力伝動部材とを左右フレームの内側で且つ左右並列状に配置したものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−327400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、作業車両において左右のフレームにより強固に支持しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、ミッションケース(45)の左右両側方に前後方向に沿うように左右サイドフレーム(49,49)を設け、左右中央部にセンターフレーム(48)を設け、左右サイドフレーム(49,49)の下方位置で且つセンターフレーム(48)の上方位置に該センターフレーム(48)に連結される補強部材(38)を設け、左右補助ステップ(37,37)を補強部材(38)で連結した作業車両とする。
【0005】
請求項2の発明は、左右サイドフレーム(49,49)を短い前側サイドフレーム(49a,49a)と長い後側サイドフレーム(49b,49b)に分割し、前後それぞれの左右フレーム部を互いに連結した前後フレーム部を着脱自在に構成し、前記後側左右サイドフレーム(49b,49b)の前側部には左右フロントアクスル(32,32)を、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)をそれぞれ取り付け、前記左右後側サイドフレーム(49b,49b)の前側部に左右補助苗載せ台(31,31)を左右両側に突出するように取り付けた請求項1に記載の作業車両とする。
【0006】
請求項3の発明は、左右サイドフレーム(49,49)を連結するミッドフレーム(54)を設け、該ミッドフレーム(54)の中央部にブラケット(58)を設け、ミッドフレーム(54)、ブラケット(58)及び左右サイドフレーム(49,49)の上面をステップフロア(59,60)で覆い、該ステップフロア(59,60)にステップマット(35)を載置し、該ステップマット(35)に設けた取出穴(35b)に前輪デフロックペダル(36)を設け、前記取出穴(35b)の直径を前輪デフロックペダル(36)のアーム部の断面よりも小さく構成した請求項1又は2に記載の作業車両とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によると、左右補助ステップ(37,37)の強度を高め、強固に支持することができる。
請求項2の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、前後方向に長い後側サイドフレーム(49b,49b)を互いに連結した後側フレーム部には、その前側部に左右フロントアクスル(32,32)が、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)が取り付けられて強固なフレームが構成され、左右後側サイドフレーム(49b,49b)に左右補助苗載せ台(31,31)を取り付けることにより、部品点数を同じにしながら左右補助苗載せ台(31,31)を強固に支持することができる。
【0008】
請求項3の発明によると、請求項1又は2の発明の効果に加えて、取出穴(35b)の直径を前輪デフロックペダル(36)のアーム部の断面よりも小さく構成したので、ステップマット(35)のゴムの弾性力により、前輪デフロックペダル(36)の抜け止めができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面に基づき本発明を説明する。先ず初めに図1乃至図9に基づき本発明を具備する苗移植機の全体構成について説明する。
苗移植機の車体21は、ステアリングハンドル22で操向する左右前輪8,8と左右後輪9,9を有し、運転席10を搭載したシートカバー11の下方に配設したエンジン12によって駆動して走行する乗用四輪走行形態に構成している。車体21の後部に平行リンク機構13を介して苗植付装置14を連結し、リフトシリンダ15の伸縮によって昇降可能に構成している。
【0010】
苗植付装置14は、平行リンク機構13の後側端部に連結したリンクヒッチ16に対してローリング軸17回りのローリング自在に連結している苗植付フレーム18の下部に、左右方向中央部のセンターフロート19と、その左右両側のサイドフロート20,20を配置し、土壌面を滑走支持するように構成している。
【0011】
苗植付フレーム18の上方には、マット状に育苗した苗を収容して後側下方へ繰り出す多条植付形態の苗載せ台3を左右方向に往復移動自在に設け、後側端部には、図7に示すように、側面視楕円形状の植付奇跡線を描いて苗植付作動をする植付爪1を設けて、それぞれ対応した苗載せ台3から繰り出された苗を分離保持して土壌面に植え付ける多条植付形態に構成している。この苗載せ台3の後側下部には、左右方向に沿う苗載せ台ガイドとしての側断面略L字型の前板5を設け、各苗載せ台3,…下端苗送り出し口部を摺動案内し、各苗載せ台3,…毎に各苗植付爪1,…を作用させる苗取出口2,…を形成している。
【0012】
次に、前記フロート19,20,20の支持構成について説明する。図1に示すように、苗植付フレーム18のフロート支持軸24から後側下部に向けてフロートアーム25を突出し、このフロートアーム25をフロート支持軸24の回りに上下回動調節可能に支持している。このフロートアーム25の後側端部に左右方向のフロート軸26を設けて、各フロート19,20,20のブラケットを回動自在に支持し、各フロート19,20,20は滑走時の土壌抵抗を受けて前側端部が上下動するように支持している。
【0013】
このセンターフロート19の上下回動によって、前記リフトシリンダ15の油圧制御弁を切り替えてリフトシリンダ15を伸縮し、苗植付装置14全体を昇降させることにより、苗植付爪1による苗植付深さを一定に維持するように構成している。苗植付作業中に土壌面が深くなりセンターフロート19が上側に移動すると、苗植付装置14を上昇させ、また、逆に土壌面が浅くなりセンターフロート19が下方に移動すると、苗植付装置14を下降させて、苗植付深さを所定深さになるように制御する。
【0014】
この苗植付深さを変更するために、前記フロート支持軸24回りに回動可能の植付深さ調節レバーを設けている。前記各フロート19,20,20は、前側部分のフロート幅を広く張り出すようにして均平部を構成し、全体として平面視で略T字型に構成し、苗植付爪1をこのフロート19,20,20の左右両側の均平部の後方に植付作動させるように配置している。苗載せ台3の各苗取出口2,…から分離した苗を、苗取出口2,…の左右両側に設けた植付ガイドに案内させて、フロート19,20,20で均平された土壌面に植え付けていく。
【0015】
前記車体21は、図3乃至図6に示すように、前側のミッションケース45と、左右両側にリヤーアクスルケース46,46を取り付けるリヤーフレーム47と、ミッションケース45とリヤーフレーム47の左右中央部を連結する左右センターフレーム48,48を主体として構成し、これらを囲う左右サイドフレーム49,49、フロントフレーム50等で構成している。
【0016】
このミッションケース45からは、後輪出力軸51,51や、PTO軸52等を設けて、後輪9,9や苗植付装置14等を駆動している。エンジン11の左側にはエンジンプーリ53を設け、ミッションケース45の前側左部の油圧無段変速装置HSTには入力プーリ54を設けて、これらプーリ53,54間に亘って左側のサイドフレーム49の内側に設けるベルトカバー55に沿ってベルト56を架け渡し伝動している。
【0017】
また、このミッションケース45の後側上部には、左右のサイドフレーム49,49間を連結するミッドフレーム57を設け、このミッドフレーム57の中央部に板状のブラケット58を設け、このブラケット58の上面に前後左右に分割しているステップフロア59,60を接合して取り付け固定している。また、フロントフレーム50の中央部にはバッテリ61を搭載し、その左右両側にバランスウエイト62,62を搭載可能に構成している。
【0018】
また、図4及び図5に示すように、前記リヤーフレーム47の上部には上部フレーム63を設け、下側の左右センターフレーム48,48との間を前下がり傾斜の左右傾斜フレーム64,64で連結して剛性を高め、この傾斜フレーム64,64、左右センターフレーム48,48に沿うようにリフトシリンダ15を設けている。このリヤーフレーム63及びレバーガイド69から突出している左右アーム65,65を介して、エンジン12の上部に突出したコ字形状の支持フレーム66を設け、この支持フレーム66の上部に燃料タンク67を支持し取り付けている。
【0019】
また、右アーム65の後側部には右側のサイドフレーム49に沿うようにレバーガイド69を設け、このレバーガイド69には前記センターフロート19の向い角を調節し、センターフロート19の検出角度を調節するための感度レバー68を設け、また、右サイドフレーム49の前側部には油圧リフトバルブ70を設けている。このリフトバルブ70にはワイヤ71を介して後側のセンターフロート19に連結し、このワイヤ71のアウターをレバーガイド69に形成したアウター受けに係合させて、全体として簡潔な構成としている。
【0020】
また、図3に示すように、左右サイドフレーム49,49をステアリングハンドル22の近傍を分割点として、短い前側サイドフレーム49a,49aと長い後側サイドフレーム49b,49bに分割している。そして、前側サイドフレーム49a,49a、後側サイドフレーム49b,49bのそれぞれの左右を互いに連結した前後フレーム部に構成し、これらを着脱自在に連結している。この前記後側左右サイドフレーム(49b,49b)の前側部には左右フロントアクスル(32,32)を、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)をそれぞれ取り付けている。また、左右補助苗載せ台31,31のフレーム枠体31a,31aを、左右後側サイドフレーム49b,49bの前側部に左右両側に突出するように取り付けている。
【0021】
左右補助苗載せ台31,31のフレーム枠体31a,31aを左右前側サイドフレーム49a,49aに取り付けると、左右前側サイドフレーム49a,49aの繋ぎ部分が弱くなり、左右補助苗載せ台31,31に苗を載せ負荷がかかると、補助苗載せ台31,31が揺れて不安定になるという不具合が発生する。しかし、前記構成のように、左右後側サイドフレーム49b,49bの前側部に左右補助苗載せ台31,31を取り付けることにより、部品点数を同じにしながら支持強度をアップし、左右補助苗載せ台31,31を強固に支持することができる。
【0022】
また、図10に示すように、左右後側サイドフレーム49b,49bを、断面四角形の角チューブに構成し、この角チューブの前側端部に構成した上下方向の穴49cに、ブラケット39,39を挿入して溶接固着する。そして、左右補助苗載せ台31,31のフレーム枠体31a,31aの下端部を、ブラケット39,39に挿入し回り止め状態で挿入支持する。前記構成によると、ブラケット39の溶接箇所を少なくし、コストの低減を図りながら、補助苗載せ台31を強固にしじすることができる。
【0023】
また、左右サイドフレーム49,49の後側サイドフレーム49b,49bの前側部に、左右フロントアクスルケース32,32を取り付け、後側サイドフレーム49b,49bの後側部に左右リヤーアクスルケース46,46を取り付けている。前記構成によると、後側サイドフレーム49b,49bに、左右フロントアクスルケース32,32及び左右リヤーアクスルケース46,46を取り付けることにより、フレームの剛性を高めることができる。
【0024】
また、図1及び図2に示すように、運転席10を搭載したシートカバー11の下方にエンジン12に配設し、左右後側サイドフレーム49b,49b、左右センターフレーム48、48の上側面に、シートカバー11を取り付けている。シートカバー11の後側下端部には、平面視略U字状の雨水流し溝11aを構成し、雨水流し溝11aの水落とし穴11b,11bを、前側左右に構成し水が流下するように構成している。また、エンジン12の左側の原動プーリ12aとジェネレータプーリ33との間を、ベルト伝動装置34により伝動している。そして、原動プーリ12a及びベルト伝動装置34のベルトを、シートカバー11の左側の水落とし穴11bに臨ませ、この水落とし穴11bを通りながらベルト伝動装置34のベルトが回転するように構成している。前記構成によると、シートカバー11の切欠き開口部を少なくすることができる。
【0025】
また、図2に示すように、前記シートカバー11の例えば前側右下部に取出穴11cを設け、この取出穴11cからリコイルスタータ操作用の紐を引き出してエンジン12を始動するように構成している。また、前記ミッドフレーム57の中央部に板状のブラケット58を設け、このミッドフレーム57、ブラケット58及び左右サイドフレーム49,49の上面を、前後左右のステップフロア59,60で覆って合わせ目部を接合して取り付け、このステップフロア59,60にステップマット35を載置し、シートカバー11下部の前側及び左右両側部を覆っている。そして、苗移植機にセル始動のエンジン12を搭載した場合には、このステップマット35の右側後端部から係止部(図示省略)を設け、シートカバー11の前記取出穴11cに係止部を係合し、取出穴11cをふさいでいる。なお、リコイルスタータ始動型のエンジン12を搭載した場合には、前記突出した係止部を切断除去する。前記構成によると、ステップマット35を複数の型式に共用することができる。
【0026】
また、図2に示すように、ステップマット35の左側部には取出穴35bを設け、この取出穴35bから前輪デフロックぺダル36(図1に示す)を取り出し、取出穴35の直径を前輪デフロックぺダル36のアーム部の断面よりも小さく構成し、ステップマット35のゴムの弾性力により、前輪デフロックぺダル36の抜け止めをするように構成している。
【0027】
また、図12に示すように、左右後側フレーム49b,49bの前後方向中間部には、左右補助ステップ37,37を左右両側に延出するように取り付けている。また、この左右補助ステップ37,37のアーム部における左右後側フレーム49b,49bの下方位置で、且つ、前記センターフレーム47,47の上方部位を、補強パイプ38を連結すると共に、補強パイプ38を左右センターフレーム48,48にも連結して補強し、この補強パイプ38をエンジン12搭載用の部材にしている。前記構成によると、左右補助ステップ37,37の強度を高め、エンジン12を強固に支持することができる。
【0028】
次に、図1、図8、図9に基づき整地用ロータリについて説明する。後輪9,9とフロート19,20,20との間の土壌面を掻き均す整地用のセンターロータリ75、左右サイドロータリ76,76を配置して、前記リヤーアクスルケース46部から取り出される出力軸77を経由して駆動するように構成している。このセンターロータリ75、左右サイドロータリ76,76を回転軸受するロータリフレーム78,78の上部を、リンク79を介して苗植付フレーム18上部の苗載せ台支持フレーム80に設けた上部フレーム81に吊り下げるようにして設けている。
【0029】
この上部フレーム81の中央部にはロータリ上下レバー82を設け、このロータリレバー82を左右に回動することにより、フック部でフックピン83を係合して、ロータリフレーム78,78を吊り上げたり降ろしたりすることができる。また、上部フレーム81の左右両側部には、苗載せ台3の上部裏面側を支持案内する支持ローラ84を設けている。また、左右のロータリフレーム78,78部に沿って前記前板5を上下動して苗取り量を調節する苗取り量調節レバー85と、前記センターフロート19を上下動して苗植付深さを調節する調節レバー86を設けている。これらのレバー85,86は、前記ロータリ上下レバー82よりも左右外側で低い位置に配設している。
【0030】
次に、図13乃至図16に基づき線引きマーカ装置90について説明する。
線引きマーカ装置90は、次行程の走行経路の指標となる位置に跡を付けていく回転式の線引きマーカ(爪車)91と、基端側がマーカブラケット92に軸支された回動支点軸93回りに起立倒伏自在で、且つかぎ型の構成されたマーカアーム94とにより構成されている。この線引きマーカ(爪車)91は、マーカアーム94の先端に軸支され、外周部に突起爪91a,…を有した回転体91bによって構成され、圃場面に接地して回転し泥掻きしながら跡を付けていくように構成されている。
【0031】
また、マーカアーム94は、基端側アーム94aと先端側アーム94bとからなり、基端部の回動支点軸93を支点として起伏回動する構成であり、先端の線引きマーカ91が苗載せ台3の側部に位置する上昇起立姿勢と、圃場面に接地する下降倒伏姿勢とに切り替えられる。そして、このマーカアーム94の上昇起立状態でのかぎ型屈曲部94cには、側面視で苗載せ台3の傾斜方向に対して略直交し苗載せ台3から離れる方向に傾斜する回動軸(回動軸受け体)95を設け、この回動軸95を回動軸心として先端側アーム94bが基端側アーム94aに対して折れ曲がり回動するようになっている。このようにマーカアーム94の起立状態での線引きマーカ91は、回動軸95の軸心回りに折り曲がり回動によって、苗載せ台3の左右幅内での下方空間内に折り畳み収納することができる。
【0032】
また、図14に示すように、リフトシリンダ15の押し引き作動により、平行リンク機構13により苗植付装置14を昇降させるように構成し、平行リンク機構13のロワーリンク13a,13a側のシリンダアーム96,96と、リフトシリンダ15との間に、マーカソレノイド97を位置させ、リフトシリンダ15のシリンダ部15aから延出したブラケット97cにマーカソレノイド97を取り付けている。
【0033】
また、リフトシリンダ15の伸縮ロッド部15bにはスプリングケース99を取り付けている。図16に示すように、スプリングケース99のスプリングケース(上側)99aの係合部には、リフトシリンダ15に沿うオートリターンロッド100の上側端部を取り付け、オートリターンロッド100の下側端部をスプリングケース(下側)99bの係合部を通して下方に延出している。
【0034】
また、オートリターンロッド100の中途部には、スプリングケース99の傾き防止用のプレート103を設けている。図16(B)に示すように、このプレート103の一側部をマーカソレノイド97のフレーム部にボルト103aで締め付け固定し、他側に設けた係合部103bにオートリターンロッド100に嵌合装着し支持している。また、オートリターンロッド100の下側端部に設けた係合部100aを、マーカソレノイド97の作動ピン97a,97bに係合可能に構成し、リフトシリンダ15の伸縮によりマーカソレノイド97を作動するように構成している。
【0035】
しかして、植付作業時には、苗植付装置14の上昇時にリフトシリンダ15が短縮すると、マーカワイヤが引かれて左右線引きマーカ91,91が起立し、苗植付装置14の下降時にリフトシリンダ15が伸長すると、マーカワイヤが戻り、左右線引きマーカ91,91が倒伏する。また、マーカ用ソレノイド97により、マーカワイヤが戻らないように規制すると、苗植付装置14が下降しても、左右線引きマーカ91,91が起立状態のままで保持される。
【0036】
前記構成によると、リフトシリンダ15の短縮により苗植付装置14を上昇させるものにおいて、マーカソレノイド97の作動構成を簡単に構成することができる。また、前記スプリングケース99のスプリングケース(上側)99aに取り付けたオートリターンロッド100、及び、マーカソレノイド97の作動ピン97a,97bを、平面視で左右サイドフレーム48,48の幅内に位置するように構成している。前記構成によると、オートリターンロッド100及びマーカソレノイド97の作動ピン97a,97bが上下動しても、フレーム部との干渉を防止することができる。
【0037】
次に、図17に基づき、苗載せ台3の後側下部に設けた側断面略L字型の前板5について説明する。苗植付装置14のフレーム部に左右方向の軸104a回りに苗取量調節レバー104を回動調節自在に設け、この苗取量調節レバー104の回動により、苗載せ台3,…に対して前板5を上下に微量調節し、苗取出し量を大小に調節可能に構成している。そして、レバーガイド105の移動溝105aの上側部に沿って調節係止部105bを設け、移動溝105aの下側端部に苗載せ台3の苗取出口2から大きく上方に移動した状態で係止するメンテナンス用の係止孔105cを形成している。
【0038】
前記構成によると、レバーガイド105の調節係止部105bに沿って苗取量調節レバー104を調節することにより、苗取量の微量増減調節をすえうことができる。また、苗取量調節レバー104をメンテナンス用の係止孔105cに係止することにより、苗載せ台3の苗取出口2から前板5を大きく上方に移動して、苗植付爪1と苗載せ台3との間隔を広げることができ、苗取出口2の清掃やメンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】車体の平面図
【図4】車体の側面図
【図5】車体の平面図
【図6】車体の背面図
【図7】苗植付装置の平面図
【図8】ロータリ装置の平面図
【図9】ロータリ装置の背面図
【図10】補助苗載せ台の斜視図
【図11】シートカバーの平面図
【図12】車体の斜視図
【図13】線引きマーカの側面図
【図14】平行リンク機構の側面図
【図15】平行リンク機構の平面図
【図16】平行リンク機構の側面図、平面図
【図17】苗植付装置の側面図
【符号の説明】
【0040】
37:補助ステップ、38:補強パイプ、45:ミッションケース、48:センターフレーム、49:左右サイドフレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッションケース(45)の左右両側方に前後方向に沿うように左右サイドフレーム(49,49)を設け、左右中央部にセンターフレーム(48)を設け、左右サイドフレーム(49,49)の下方位置で且つセンターフレーム(48)の上方位置に該センターフレーム(48)に連結される補強部材(38)を設け、左右補助ステップ(37,37)を補強部材(38)で連結した作業車両。
【請求項2】
左右サイドフレーム(49,49)を短い前側サイドフレーム(49a,49a)と長い後側サイドフレーム(49b,49b)に分割し、前後それぞれの左右フレーム部を互いに連結した前後フレーム部を着脱自在に構成し、前記後側左右サイドフレーム(49b,49b)の前側部には左右フロントアクスル(32,32)を、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)をそれぞれ取り付け、前記左右後側サイドフレーム(49b,49b)の前側部に左右補助苗載せ台(31,31)を左右両側に突出するように取り付けた請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
左右サイドフレーム(49,49)を連結するミッドフレーム(54)を設け、該ミッドフレーム(54)の中央部にブラケット(58)を設け、ミッドフレーム(54)、ブラケット(58)及び左右サイドフレーム(49,49)の上面をステップフロア(59,60)で覆い、該ステップフロア(59,60)にステップマット(35)を載置し、該ステップマット(35)に設けた取出穴(35b)に前輪デフロックペダル(36)を設け、前記取出穴(35b)の直径を前輪デフロックペダル(36)のアーム部の断面よりも小さく構成した請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項1】
ミッションケース(45)の左右両側方に前後方向に沿うように左右サイドフレーム(49,49)を設け、左右中央部にセンターフレーム(48)を設け、左右サイドフレーム(49,49)の下方位置で且つセンターフレーム(48)の上方位置に該センターフレーム(48)に連結される補強部材(38)を設け、左右補助ステップ(37,37)を補強部材(38)で連結した作業車両。
【請求項2】
左右サイドフレーム(49,49)を短い前側サイドフレーム(49a,49a)と長い後側サイドフレーム(49b,49b)に分割し、前後それぞれの左右フレーム部を互いに連結した前後フレーム部を着脱自在に構成し、前記後側左右サイドフレーム(49b,49b)の前側部には左右フロントアクスル(32,32)を、後側部には左右リヤーアクスルケース(46,46)をそれぞれ取り付け、前記左右後側サイドフレーム(49b,49b)の前側部に左右補助苗載せ台(31,31)を左右両側に突出するように取り付けた請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
左右サイドフレーム(49,49)を連結するミッドフレーム(54)を設け、該ミッドフレーム(54)の中央部にブラケット(58)を設け、ミッドフレーム(54)、ブラケット(58)及び左右サイドフレーム(49,49)の上面をステップフロア(59,60)で覆い、該ステップフロア(59,60)にステップマット(35)を載置し、該ステップマット(35)に設けた取出穴(35b)に前輪デフロックペダル(36)を設け、前記取出穴(35b)の直径を前輪デフロックペダル(36)のアーム部の断面よりも小さく構成した請求項1又は2に記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−22290(P2009−22290A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218439(P2008−218439)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【分割の表示】特願2007−155301(P2007−155301)の分割
【原出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【分割の表示】特願2007−155301(P2007−155301)の分割
【原出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]