説明

保護シート、およびそれを備えた入力装置

【課題】長期間使用したとしても破れにくい保護シートを実現できる。
【解決手段】保護シート110を、例えばスキン層からなる第1層111と、例えば不織布からなる第2層112とを備えた2層構造とすることにより、1層構造の保護シートに比べて、長期間使用時の耐久性及びキーボード打鍵に対する耐久性を向上することができる。したがって、保護シート110を載置したキーボード5を繰り返し押圧したとしても、保護シート110の疲労が少なく、破れによる破損を軽減することができる。保護シート110の強度を向上することにより、キートップの裏側へ液体や粉塵などが進入することを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、保護シートに関する。本願は、保護シートを備えた入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピューター(以下、パソコンと称する)に搭載または接続されているキーボードは、入力可能な文字毎にキートップを備えている。キートップは、ユーザーによる押圧操作によって確実にストロークするために、隣接する他のキートップとの間に間隙を有している。このような隣り合うキートップ間に間隙を有するキーボードでは、例えばユーザーが誤ってキートップ上にコーヒーなどの液体をこぼしてしまったり、雨中で使用したり、粉塵が多く飛散している環境で使用したりすると、キートップ間の間隙に液体や粉塵などが進入してしまうことがある。キートップ間に液体や粉塵などが進入してしまうと、キートップの下部に配されている可動部品がスムーズに動作しなくなることがあり、これによりキートップをスムーズにストロークできなくなる場合がある。このような問題に対して、キーボードにおけるキートップ間に液体や粉塵などが進入するのを防ぐ様々な提案がなされている。
【0003】
特許文献1は、キーボードのキートップ表面に、キーを識別する識別情報を有するシート部材を被せたキーボード装置を開示している。特許文献1に開示されているシート部材は、シリコン系のゴムで且つ伸縮性を有するものが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−353443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に開示されているシート部材は、シリコン系のゴムによる単層構造であるため、キーボードを繰り返し押圧操作するのに伴って繰り返して伸縮することにより、破れやすいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の保護シートは、入力装置の入力部を覆うことが可能な保護シートであって、少なくとも第1層と第2層とを含む複数層で形成され、前記第1層は、弾性を有する材料を含み、前記第2層は、緩衝性を有する材料を含む。
【0007】
本願の入力装置は、複数の入力部を備えた入力装置であって、少なくとも前記入力部の間を覆うことが可能な保護シートを備え、前記保護シートは、少なくとも第1層と第2層とを含む複数層で形成され、前記第1層は、弾性を有する材料を含み、前記第2層は、緩衝性を有する材料を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、長期間使用したとしても破れにくい保護シートを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ノートパソコンの斜視図
【図2】ノートパソコンのキーボードの平面図
【図3A】図2におけるZ−Z部の断面図
【図3B】キーが押された状態を示すキーボードの断面図
【図4A】保護シートの平面図
【図4B】図4AにおけるZ−Z部の断面図
【図5A】保護シートを載置したキーボードの平面図
【図5B】図5AにおけるZ−Z部の断面図
【図6】キーが押された状態を示すキーボードの断面図
【図7A】保護シートの変形例を示す要部平面図
【図7B】図7AにおけるZ−Z部の断面図
【図8】ノートパソコンのキーボードの要部平面図
【図9A】図8におけるZ−Z部の断面図
【図9B】キーが押された状態を示す断面図
【図9C】キーの拡大断面図
【図10】実施例2にかかる保護シートを備えたキーボードの断面図
【図11】実施例3にかかる保護シートを備えたキーボードの断面図
【図12】実施例4にかかる保護シートを備えたキーボードの断面図
【図13A】保護シートの変形例を示す平面図
【図13B】図13AにおけるZ−Z部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
〔1.入力装置の構成〕
以下、本願の保護シートを適用する入力装置の一例として、ノートパソコンのキーボードを挙げ説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態にかかるノートパソコンの外観を示す斜視図である。図2は、ノートパソコンにおけるキーボード近傍の平面図である。なお、本実施の形態では、入力装置の一例としてノートパソコンのキーボードを挙げたが、デスクトップパソコンに搭載されたキーボード、パソコンやPDA(personal digital assistance)などに外部接続可能なキーボードであってもよい。また、本実施の形態におけるキーボードには、例えばQWERTY配列を有するキーボードの他、数字及び算術記号のみを入力可能なキーボードなどを含む。
【0012】
図1に示すように、ノートパソコンは、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1は、各種電気素子が実装された回路基板やハードディスクドライブなどを内蔵している。第2の筐体2は、ディスプレイパネル4を備えている。第1の筐体1と第2の筐体2とは、ヒンジ部3によって互いに回動自在に支持されている。ヒンジ部3は、第1の筐体1と第2の筐体2とを回動自在に支持する回動軸を備えている。
【0013】
第1の筐体1の上面1aには、キーボード5とポインティングデバイス6とが配されている。キーボード5は、ユーザーによる各種文字の入力操作を受け付ける。ポインティングデバイス6は、その操作面においてユーザーによる接触操作を受け付け、ディスプレイパネル4に表示されるカーソルを所望の位置へ移動する操作が可能なデバイスである。
【0014】
図2に示すように、キーボード5は、複数のキーを備えている。各キーには、入力可能な文字や機能が割り当てられている。キーボード5のキーの配列は、本実施の形態ではQWERTY配列としたが、このキー配列に限らず、AZERTY配列やDvorak配列など他のキー配列であってもよい。図示は省略しているが、キーボード5における各キートップの上面(ユーザーがキーボード5で文字などを入力する際に指で押圧する面)には、そのキートップを押圧操作することで入力可能な文字や機能名などが印刷されている。
【0015】
図3A及び図3Bは、図2におけるZ−Z部の断面図である。図3Aは、キーが押圧操作されていない状態を示す。図3Bは、一部のキーが押圧操作された状態を示す。以下、キーボード5の具体的構成について説明するが、キー5aを一例として挙げて説明する。
【0016】
キー5aは、キートップ51、リンク部材52a及び52b、ドーム部53を備えている。キートップ51は、図示のように断面形状が略台形になるように形成されている。キートップ51の上面51aには、各キーの機能を表す文字や記号などが印刷されている。キートップ51の下面側(上面51aの裏側)には、略中央に突起部51bが形成され、突起部51bの両側にはリンク支持部51c及び51dが形成されている。突起部51bは、ドーム部53に形成された凹部53aに嵌合している。リンク支持部51cは、開口部を有し、その開口部にリンク部材52aの一方の端部が遊嵌している。リンク支持部51dは、開口部を有し、その開口部にリンク部材52bの一方の端部が遊嵌している。
【0017】
リンク部材52a及び52bは、互いに交差するように配されている。リンク部材52aは、一方の端部がリンク支持部51cに回動自在に支持され、他方の端部がメンブレン部55に形成されたリンク支持部54aに移動自在に支持されている。リンク部材52bは、一方の端部がリンク支持部51dに回動自在に支持され、他方の端部がメンブレン部55に形成されたリンク支持部54bに移動自在に支持されている。リンク部材52a及び52bは、キートップ51を矢印Eに示す下降方向及び矢印Fに示す上昇方向へ案内する部材である。
【0018】
ドーム部53は、図3Aに示すように内部が中空構造となったドーム状に形成されている。ドーム部53は、上端に形成された凹部53aに突起部51bが嵌合し、下端がメンブレン部55に固定されている。ドーム部53は、外部から圧力が印加された際に変形し、圧力が印加されていない状態では図3Aに示す形状を維持し、ゴムなどの弾性材料で形成されている。ドーム部53は、凹部53aの裏側に突起部53bが形成されている。ドーム部53は、図3Aに示すようにキートップ51が押圧操作されていない時に、キートップ51が自重により矢印Eに示す方向へ変位しないように、キートップ51を支持する部材である。ドーム部53は、図3Aに示すようにキートップ51が押圧操作されていない状態から、ユーザーにより矢印Eに示す方向へ押圧操作された場合、キートップ51の矢印Eに示す方向への変位に伴って圧縮変形する。
【0019】
リンク支持部54aは、リンク部材52aの他方の端部を支持している。リンク支持部54bは、リンク部材52bの他方の端部を支持している。キートップ51が図3Aに示す位置から矢印Eに示す方向へ変位する際、リンク部材52aの他端はリンク支持部54aとメンブレン部材55との対向領域内を矢印Hに示す方向へ移動し、リンク部材52bの他端はリンク支持部54bとメンブレン部材55との対向領域内を矢印Gに示す方向へ移動する。また、キートップ51が図3Aに示す位置にある時は、リンク部材52aの他端はリンク支持部54aの図示向かって右端の内壁に当接し、リンク部材52bの他端はリンク支持部54bの図示向かって左端の内壁に当接する。これにより、リンク部材52aの他端が矢印Gに示す方向へ移動するのを規制し、リンク部材52bの他端が矢印Hに示す方向へ移動するのを規制することができ、キートップ51が図3Aに示す位置から矢印Fに示す方向へ変位するのを規制することができる。
【0020】
メンブレン部55は、上部メンブレンシート55a、下部メンブレンシート55b、スペーサ55c、上部接点55d、および下部接点55eを備えている。上部メンブレンシート55aと下部メンブレンシート55bとは、互いに略平行に配されている。上部メンブレンシート55a及び下部メンブレンシート55bは、それぞれ基材を備えている。基材は、例えばシリコーンゴムなどで形成することができる。基材は、配線パターン(不図示)と接点55d及び55eが形成されている。配線パターン、接点55d及び55eは、例えばAgインクで形成することができる。上部接点55dは、上部メンブレンシート55aにおける下部メンブレンシート55bに対向する面に形成されている。下部接点55eは、下部メンブレンシート55bにおける上部メンブレンシート55aに対向する面に形成されている。上部接点55d及び下部接点55eは、第1の筐体1内の電気回路基板(不図示)に電気的に接続されている配線パターン(不図示)に接続されている。上部メンブレンシート55a及び下部メンブレンシート55bは、スペーサ55cを挟んで貼り合わされている。スペーサ55cは、少なくとも上部接点55d、下部接点55e、及びその周辺においては、上部メンブレンシート55aと下部メンブレンシート55bとを空間的に連通させるように開口部を有し、上部メンブレンシート55aの弾性変形に伴う上部接点55dと下部接点55eとの電気的接触を妨げないようにしている。上部メンブレンシート55a及び下部メンブレンシート55bの間にスペーサ55cを挟むことにより、上部メンブレンシート55a及び下部メンブレンシート55bの間に空隙を形成することができる。スペーサ55cは、少なくとも上部接点55dと下部接点55eとの間に空隙を形成することができる。上部接点55dと下部接点55eとの間に空隙を形成することにより、キートップ51が押圧操作されていない状態において上部接点55dと下部接点55eとが接触するのを防ぐことができる。
【0021】
キー5aのキートップ51とキー5bのキートップ58との間、およびキー5bのキートップ58とキー5cのキートップ59との間には、それぞれ間隙P1が存在する。図示は省略しているが、キーボード5に搭載されているキートップは、隣り合うキートップとの間に間隙が存在する。また、キートップと第1の筐体1の一部とが隣り合う部分でも、キートップと第1の筐体との間に間隙(例えば、図3Aに示す間隙P2)が存在する。
【0022】
以下、キーボード5の動作について説明する。
【0023】
図3Aは、キートップ51が押圧操作されていない状態である。図3Aに示す状態では、キートップ51は、ドーム部53によって図示の位置(上昇位置)が維持され、自重による矢印Eに示す方向への変位が規制されている。この時、接点55dと接点55eとは離間している。
【0024】
この状態から、ユーザーが指などでキートップ51を矢印Eに示す方向へ押圧すると、キートップ51は、リンク部材52a及び52bによって案内されながら、矢印Eに示す方向へ変位する。この時、ドーム部53は、キートップ51にかかる矢印Eに示す方向の押圧力により圧縮変形する。また、キートップ51は、リンク部材52a及び52bによって支持されているため、メンブレン部55に対して平行な姿勢を保ったまま矢印Eに示す方向へ変位する。キートップ51が矢印Eに示す方向へ変位する際、リンク部材52aは、他方の端部がリンク支持部54aに支持されながら矢印Hに示す方向へ移動し、リンク部材52bは、他方の端部がリンク支持部54bに支持されながら矢印Gに示す方向へ移動する。
【0025】
図3Bに示すように、ユーザーによりキートップ51が所定の位置まで押圧されると、ドーム部53に形成された突起部53bが上部メンブレンシート55aに当接する。この状態からさらにキートップ51が押圧されると、突起部53bが上部メンブレンシート55aを押圧し、上部メンブレンシート55aは矢印Eに示す方向へ湾曲変形する。上部メンブレンシート55aが所定位置まで変形すると、上部接点55dと下部接点55eとが接触する。上部接点55dと下部接点55eとが接触することにより、上部メンブレンシート55aに形成された配線パターンと下部メンブレンシート55bに形成された配線パターンとが導通状態となり、電気的オン状態を得ることができる。配線パターンは、第1の筐体1内に配された信号処理回路に電気的に接続されているため(接続状態は周知であるため不図示)、信号処理回路では押圧操作されたキーに対応した信号処理を実行する。例えば、押圧操作されたキーに所定の文字入力機能が割り当てられている場合は、割り当てられている文字を第2の筐体2に配された表示部4に表示するよう制御する。
【0026】
図3Bに示す状態において、ユーザーがキートップ51から指を離間させると、キートップ51は、ドーム部53の弾性復帰力によって矢印Fに示す方向へ上昇する。すなわち、ドーム部53は、キートップ51を矢印Fに示す方向へ押し上げる程度の弾性復帰力を有する。この時、キートップ51は、リンク部材52a及び52bによって案内されるため、メンブレン部55に対して平行な姿勢を保ったまま矢印Fに示す方向へ上昇する。図3Aに示すように、ドーム部53が圧縮変形した状態から元の形状に復帰することで、上部メンブレンシート55aを押圧していた突起部53bが上部メンブレンシート55aから離間する。上部メンブレンシート55aは、突起部53bが離間することにより、湾曲変形していた状態から元の形状(図3Aに示すように下部メンブレンシート55bに平行対向した形状)に復帰し、上部接点55dと下部接点55eは離間する。上部接点55dと下部接点55eとが離間することにより、上部メンブレンシート55aの配線パターンと下部メンブレンシート55bの配線パターンとが電気的に乖離された状態となり、電気的にオフの状態となる。
【0027】
図3Aに示すように、キートップ51が所定位置まで上昇すると、リンク部材52aの他端はリンク支持部54aの図示向かって右端の内壁に当接し、リンク部材52bの他端はリンク支持部54bの図示向かって左端の内壁に当接する。これにより、リンク部材52aの他端が矢印Gに示す方向へ移動するのを規制し、リンク部材52bの他端が矢印Hに示す方向へ移動するのを規制することができ、キートップ51が矢印Fに示す方向へ変位するのを規制することができる。以上の動作により、キートップ51は図3Aに示す元の位置に復帰する。
【0028】
〔2.保護シートの構成〕
図4Aは、本実施の形態にかかる保護シートの平面図である。図4Bは、図4AにおけるZ−Z部の断面図である。
【0029】
保護シート10は、図2等に示すキーボード5を覆うように載置することが可能である。図4Aに示すように、保護シート10は、キーボード5(図2等参照)に搭載される各キートップに対応した位置に、第1の凸部10a及び第2に凸部10bを備えている。本実施の形態では、図4Aに示すように保護シート10における一部の凸部にのみ符号を付与したが、保護シート10はキーボード5に備わる全てのキートップに対応する位置に凸部が形成されている。
【0030】
図4Bに示すように、保護シート10は、第1層11及び第2層12からなる2層構造としている。第1層11は、保護シート10をキーボード5に載置した際に、表面に露出する層である。すなわち、第1層11は、保護シート10をキーボード5に載置した際に、ユーザーの指等により直接押圧される層である。第1層11は、例えば弾性変形可能な樹脂によるスキン層で形成することができる。第1層11は、少なくとも弾性を有する材料で形成されていればよい。また、第1層11は、必要に応じて例えば銀系または燐系など公知の抗菌剤を混入させると、キーボード5を複数のユーザー間で共用する場合には、打鍵したユーザーの汚染を抑制することができるため好ましい。第2層12は、第1層11に密着している層であり、保護シート10をキーボード5に載置した際に、キートップに当接する層である。第2層12は、例えば不織布で形成することができる。第2層12は、少なくとも緩衝性または吸音性を有する材料で形成されていればよく、不織布の他、ウレタンフォームなどの柔軟性材料で形成してもよい。
【0031】
図4Bに示すように、保護シート10は、キーボード5のキートップの高さ及びキートップ間の間隙に対応した凹凸形状に形成されている。図4Bに示す断面図では、第1の凸部10a、第2の凸部10b、第3の凸部10c、第1の凹部10d、および第2の凹部10eを図示した。第1の凸部10aは、図2または図3Aに示すキー5aに対応している。第2の凸部10bは、図2または図3Aに示すキー5bに対応している。第3の凸部10cは、図2または図3Aに示す第1の筐体1におけるキーボード5の周囲に位置する部分に対応している。第1の凹部10dは、図3Aに示すキー5aと第1の筐体1との間の間隙P2に対応している。第2の凹部10eは、図3Aに示すキー5aとキー5bとの間の間隙P1に対応している。
【0032】
図5Aは、保護シート10が載置されているキーボード5の平面図である。図5Bは、図5AにおけるZ−Z部の断面図である。保護シート10をキーボード5に載置すると、図5Bに示すように、保護シート10の第1の凸部10aがキー5a上に載置され、第2の凸部10bがキー5bに載置され、第3の凸部10cが第1の筐体1に載置され、第1の凹部10dがキー5aと第1の筐体1との間隙P2に入り込み、第2の凹部10eがキー5aとキー5bとの間隙P1に入り込む。
【0033】
保護シート10は、面ファスナー13によって第1の筐体1に固定することができる。面ファスナー13は、多数のフック状起毛が形成された一方の布材と、多数のループ状起毛が形成された他方の布材とで構成され、両者を接合することができる。面ファスナー13の一方の布材は、保護シート10の第3の凸部10cの裏面(第2層12側の面)に接着テープ等で貼着されている。面ファスナー13の他方の布材は、第1の筐体1の上面1aのキーボード5近傍に接着テープ等で貼着されている。面ファスナー13は、図2に示すように、保護シート10の一対の短辺に沿うように配されている(第1の面ファスナー13a、第2の面ファスナー13b)。これにより、保護シート10をキーボード5における正規の位置に位置合わせした後、面ファスナー13の布材同士を接合することにより、保護シート10を正規の位置で固定することができる。なお、「正規の位置」とは、保護シート10の凸部がキートップに載置し、凹部がキートップ間の間隙に入り込んでいる状態の、保護シート10の位置である。
【0034】
図5Bに示す状態(キートップが押圧されていない状態)において、ユーザーが例えばキー5aのキートップ51を矢印Eに示す方向へ押圧すると、保護シート10の主に第1の凹部10dと第2の凹部10eとが変形しながら、第1の凸部10aがキートップ51とともに矢印Eに示す方向へ変位する。図6は、キー5aのキートップ51を矢印Eに示す方向へ押圧した状態を示す断面図である。図6に示す状態において、第1の凸部10aは、ユーザーの指100とキートップ51とに挟持されているため、キートップ51に密接している。なお、キートップ51を押圧したときの各可動部品の動作については、前述と同様である。
【0035】
図6に示す状態(キートップが押された状態)において、ユーザーがキー5aのキートップ51から指100を離間すると、キートップ51はドーム部53の弾性復帰力によって矢印Fに示す方向へ上昇する。このとき、保護シート10は、第1層11が弾性を有する材料で形成されているため、図5Bに示すように無負荷状態(指等で押されていない状態)になると元の形状に戻る。
【0036】
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、保護シート10を、例えばスキン層からなる第1層11と、例えば不織布からなる第2層12とを備えた2層構造とすることにより、1層構造の保護シートに比べて、長期間使用時の耐久性及びキーボード打鍵に対する耐久性を向上することができる。したがって、保護シート10を載置したキーボード5を繰り返し押圧したとしても、保護シート10の疲労が少なく、破れによる破損を軽減することができ、キートップの裏側へ液体や粉塵などが進入することを防ぐことができる。
【0037】
保護シートを載置していないキーボードに水をこぼしてしまった場合、キートップの裏側に水が進入するが、その水が蒸発することによってキートップの裏側には残留物がほとんど残らないため、キートップのストロークの円滑性が損なわれることは少ない。しかし、コーヒーやジュースなどを、保護シート10を載置していないキーボード5にこぼしてしまった場合、キートップの裏側に進入したコーヒーやジュースを乾燥させたとしても、粘性を有する砂糖などが残留してしまうことがある。このような粘性を有する残留物が、リンク部材52a及び52bなどの可動部品に付着すると、可動部品の動きが悪くなり、キーボード5の操作性を低下させてしまう。本実施の形態の保護シート10は、キートップ5の裏側への液体の進入を防ぐことができるため、上記のような問題の発生を防ぐことができる。
【0038】
また、本実施の形態では、キートップ間の間隙P1、P2を保護シート10で覆うことができるため、キートップの裏側へ液体や粉塵等が進入するのを防ぐことができる。これにより、キートップの裏側へ液体や粉塵等が進入することによる、リンク部材52a及び52bなどの可動部品の動作円滑性が損なわれることを防ぐことができる。また、キートップを離脱してキーボード5の内部を清掃する必要性もほとんどなくなる。
【0039】
また、本実施の形態では、キートップ間の間隙P1、P2等を保護シート10で覆うことができるため、ユーザーがキーボード5を操作している時にキートップが外れてしまうことを防止することができる。すなわち、本実施の形態の保護シート10を載置していないキーボードの場合、ユーザーがキーボードを操作している時に、ユーザーの指先が間隙P1,P2等に入り込んでキートップを持ち上げてしまい、キートップまたはそれに付随する機構部品がキーボードから離脱してしまうことがある。本実施の形態では、キートップ間の間隙P1,P2等を保護シート10で覆う構成とすることで、間隙P1,P2等にユーザーが指先が入り込むことを防ぐことができる。したがって、ユーザーの指先でキートップまたはそれに付随する機構部品をキーボードから離脱してしまうことを防ぐことができる。
【0040】
また、本実施の形態のように保護シート10をキーボード5に着脱可能な構成としたことにより、ノートパソコンを使用するユーザー個々に専用の保護シートを用意することができる。例えば、1台のノートパソコンを複数のユーザーで共用する場合、複数のユーザーが個々に専用の保護シートを持っていることで、各ユーザーは自身専用の保護シートをキーボードに装着してからキーボードを操作することができる。ユーザーは、ノートパソコンの使用後、自身専用の保護シートをキーボードから離脱することで、自身専用の保護シートが他人に触れることがなく、衛生的である。
【0041】
また、本実施の形態では、第2層12を不織布などの緩衝性を有する材料で形成したことにより、ユーザーが指でキートップを押圧した際に生じる衝撃が指へ伝わるのを軽減することができる。例えば、図5Bにおいてユーザーが指でキートップ51を矢印Eに示す方向へ押圧し、図6に示すようにキートップ51が矢印Eに示す方向へ変位した際、リンク部材52a及び52bが上部メンブレンシート55aに当接する。リンク部材52a及び52bが上部メンブレンシート55aに当接したときの衝撃や振動が、リンク部材52a及び52bを通じてキートップ51に伝わる。本実施の形態では、その衝撃や振動を、不織布で形成された第2層12で吸収することで、キートップからユーザーの指に伝わる衝撃を軽減している。また、不織布で形成された第2層12は、ユーザーが指でキートップを押圧した際に生じる打鍵音を吸収することができるため、打鍵音を低減することができる。
【0042】
また、本実施の形態の保護シート10は、キーボード5のキートップに対応した位置に凸部(第1の凸部10a等)を設け、キートップ間に対応した位置に凹部(第1の凹部10d等)を設けたことにより、キーボード5に載置した際に、凹凸を設けていない保護シートに比べてキートップとの隙間を極力少なくすることができる。したがって、保護シート10とキートップとの隙間から液体や粉塵などが進入するのを軽減することができる。例えば、保護シートに凹凸を設けていない場合、キートップ間の間隙部分において保護シートとキートップとの隙間が大きくなってしまい、この隙間からキーボード内に液体や粉塵などが進入してしまう可能性が高くなってしまう。
【0043】
また、本実施の形態の保護シート10は、キーボード5のキートップに対応した位置に凸部(第1の凸部10a等)を設け、キートップ間に対応した位置に凹部(第1の凹部10d等)を設けたことにより、キーボード5に載置した際に、凹凸を設けていない保護シートに比べて保護シート10の位置ズレを軽減することができる。すなわち、保護シート10の凹部がキートップ間の間隙に入り込んでいるため、保護シート10は、キートップの操作面の面方向の位置が規制される。したがって、ユーザーによる打鍵時等において、保護シート10が、キートップの操作面の面方向に位置がずれることを軽減することができる。
【0044】
また、本実施の形態の保護シート10は、キーボード5に面ファスナー13で固定可能としたことにより、保護シート10が装着されたキーボード5を用いてユーザーが文字の入力操作を行っている時に、キーボード5に対する保護シート10の位置ズレが生じにくいため、操作性を低下させることがない。また、保護シート10を面ファスナー13でキーボード5に固定する構成をノートパソコンなどのモバイル機器に適用した場合、保護シート10がモバイル機器から脱落しにくいため、保護シート10を装着したままモバイル機器を運搬することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、保護シート10は、第1層11及び第2層12からなる2層構造としたが、3層以上の構造としてもよい。図7A及び図7Bは、3層構造の保護シートを示す。図7Aは、保護シートの要部平面図である。図7Bは、図7AにおけるZ−Z部の断面図である。図7Bに示すように、保護シートは、第1層11、第2層12、および第3層14からなる3層構造となっている。第1層11は、例えば弾性変形可能な樹脂によるスキン層で形成することができる。第1層11は、少なくとも表面11a(ユーザーがキーボード5を操作する際に指が当接する面)が黒色等の濃色に塗装されている。第2層12は、例えば不織布で形成することができる。第3層14は、例えば弾性変形可能な樹脂によるスキン層で形成することができる。第3層14は、少なくとも表面14aが白色等の淡色に塗装されている。図7A及び図7Bに示すように、第1層11は、第1の凸部10a及び第2の凸部10bに、所定の文字の切り欠き部11b及び11cが形成されている。第1の凸部10aに形成されている切り欠き部11bは、図7Aに示すように文字「Q」の形状を有する。第2の凸部10bに形成されている切り欠き部11cは、図7Aに示すように「W」の形状を有する。図示は省略するが、保護シートにおける他の凸部(キートップに対応する凸部)にも、所定の文字の形状を有する切り欠き部が形成されている。これにより、図7Aに示すように、保護シートを表面11a側から見た時に、黒色の第1層11の表面11aに、白色の文字が現れる状態になる。このような構成とすることにより、保護シートの表面に所定の文字を印刷する必要がなくなる。表面に所定の文字が印刷された保護シートは、ユーザーによる長期間の使用時に、保護シートと指との間の摩擦によって、印刷された文字が消えてしまうことがある。そこで、図7A及び図7Bに示すように、第1層11を文字の形状に切り欠き、第1層11の下層の第3層14の色によって文字を現すことにより、ユーザーの指と保護シートとの間の摩擦によって文字が消えることがない。
【0046】
また、上記のように第1層11に文字形状の切り欠きを設けることによって、自発光式のキーボードにも対応することができる。自発光式のキーボードとは、キートップの裏側にLEDなどの光源を配置し、キートップを透光性材料で形成することにより、キートップを発光させることができるキーボードのことである。これにより、暗所でのキーボードの目視が可能となり、操作性を向上することができる。自発光式キーボードに透光性を有さない保護シートを載置すると、キーボード側からの光を遮断してしまうため、暗所でのキーボードの目視が困難となってしまい、操作性が低下してしまう。そこで、本実施の形態のように第1層11に文字形状の切り欠きを設けて第1層11の下層の第2層12または第3層14の一部を露出させ、第2層12または第3層14を透光性材料で形成することによって、キートップからの光を第2層12または第3層14と第1層11の切り欠きを介して、第1層11の表面11a側に導くことができる。したがって、保護シートを第1層11の表面11a側から見た時に、文字のみが発光して見える状態となり、暗所でのキーボードの目視及び操作が可能となる。
【0047】
なお、図7A及び図7Bに示すように、第1層11に切り欠きを設ける構成は、本実施の形態における2層構造の保護シートにも適用できる。すなわち、第1層11と第2層12とが積層された2層構造の保護シートにおいて、第1層11に、各キーに対応した文字の形状を有する切り欠きを形成する構成としてもよい。これにより、その切り欠きを介して第2層12の一部を文字の形状に露出させることができるため、保護シートに文字の印刷を施す必要がなくなる。印刷された文字は、ユーザーの指と保護シートとの間の摩擦によって消えてしまうことがあるが、切り欠きによって文字を形成する構成ではユーザーの指と保護シートとの間の摩擦によって消えてしまうことがないため、好ましい。
【0048】
また、図7A及び図7Bに示すように、第1層11に切り欠きを設ける構成において、第1層11の下層(第2層12または第3層14等)の色は単色としてもよいが、複数色としてもよい。例えば、第3層14において、アルファベットを入力可能なキーに対応した領域を白色に塗装し、数字を入力可能なキーに対応した領域を青色に塗装し、ファンクションキーに対応した領域を緑色に塗装し、その他のキーに対応した領域を赤色に塗装する。これにより、第1層11の切り欠きには、それぞれの領域毎に色が異なる文字が現れる。
【0049】
また、本実施の形態では、キーボード5に保護シート10を固定させる手段として面ファスナー13を用いたが、他の固定手段を用いてもよい。例えば、キーボード5と保護シート10と互いに係合可能なボタンを備えて両者を係合させる方法、保護シート10に爪部を設けてキーボード5に凹部を設けて爪部と凹部とを係合させる方法、保護シート10とキーボード5とに互いに極性が異なる磁石(または、一方が磁石で他方が金属)を備えて磁石同士を吸着(または、磁石と金属とを吸着)させる方法、などがある。
【0050】
また、本実施の形態における第1層11は、本発明の第1層の一例である。本実施の形態における第2層12は、本発明の第2層の一例である。本実施の形態における第1の凸部10a、第2の凸部10bは、本発明のキートップ嵌合部の一例である。本実施の形態における第1の凹部10d、第2の凹部10eは、本発明の間隙封止部の一例である。本実施の形態における面ファスナー13は、本発明の係止手段の一例である。本実施の形態における切り欠き部11b、11cは、本発明の切り欠き部の一例である。
【0051】
(実施の形態2)
〔1.入力装置の構成〕
図8は、図2におけるキー5a〜5cおよびその近傍の平面図である。図9A及び図9Bは、図8におけるZ−Z部の断面図である。図9Aは、キーが押圧操作されていない状態を示す。図9Bは、一部のキーが押圧操作された状態を示す。図9Cは、キー5bの拡大断面図である。
【0052】
〔1−1.実施例1〕
図8、図9A、図9Bに示すように、本実施の形態にかかるキーボード5は、保護シート110、フレーム120を備えている。
【0053】
保護シート110は、キーボード5に備わる各キー毎に独立して配されている。保護シート110は、図8に示すように第1層111及び第2層112からなる2層構造としている。第1層111は、例えば収縮・伸長による弾性変形可能な樹脂によるスキン層で形成することができる。第1層111は、少なくとも弾性を有する材料で形成されていればよい。第2層112は、第1層111に密着している層である。第2層112は、例えば不織布で形成することができる。第2層112は、少なくとも緩衝性または吸音性を有する材料で形成されていればよく、不織布の他、ウレタンフォームなどの柔軟性材料で形成してもよい。
【0054】
保護シート110は、図8に示すように各キーの平面形状に対して相似形状に形成されている。保護シート110は、図8に示すように主平面の略中央に孔部113が形成されている。孔部113は、図9Aに示すようにリンク部材52a及び52bやドーム部53が挿通する孔部である。保護シート110は、孔部113の近傍部分が、各キーのキートップ51の裏面に接着剤等で固定されている。保護シート110は、外周部114の近傍部分が、フレーム120と上部メンブレンシート55aとに挟持されている。なお、本実施の形態における「挟持」とは、保護シートを圧縮変形させる状態を含む。
【0055】
フレーム120は、保護シート110を固定するための部材である。フレーム120は、図示は省略しているが,第1の筐体1に爪係合などの係合手段によって支持されている。フレーム120は、キーボード5の各キーの位置及び大きさに対応した複数の孔部121が形成されているため、各キーを独立して囲むように配されている。孔部121は、各キー及びそれに付随する部品が挿通している。フレーム120は、例えば弾性変形しにくい樹脂材料で形成することが好ましい。フレーム120は、保護シート110を、上部メンブレンシート55aとともに挟持している。フレーム120は、図9Aに示すように、複数のキーが隣り合う部分においては、隣り合うキーのそれぞれに配されている保護シート110を挟持する。なお、フレーム120は、保護シート110を挟持する際、挟持により保護シート110が圧縮変形する程度の押圧力を伴って保護シート110を挟持することが好ましい。これにより、フレーム120は、保護シート110を確実に挟持することができるため、保護シート110とフレーム120との間に隙間ができにくく、防水性及び防塵性を高めることができる。
【0056】
図9Aに示す状態から、ユーザーが例えばキートップ51を押圧すると、キートップ51が矢印Eに示す方向へ変位する。このとき、保護シート110は、孔部113の近傍部分がキートップ51に固定されているため、図9Bに示すようにキートップ51の変位に伴って矢印Eに示す方向へ変形する。保護シート110は、弾性変形可能な材料で形成されているため、キートップ51が図9Aに示す位置から矢印Eに示す方向へ変位する際に圧縮変形して、キートップ51の変位を妨げにくい。
【0057】
また、図9Bに示す状態において、ユーザーがキートップ51から指を離すと、キートップ51はドーム部53の弾性復帰力によって矢印Fに示す方向へ上昇する。このとき、保護シート110は、第1層111が弾性を有する材料で形成されているため、図9Aに示すように無負荷状態(指等で押されていない状態)になると元の形状に戻る。
【0058】
図9A及び図9Bに示すキーボード5において、フレーム120を取り外すことにより保護シート110の挟持状態が解除される。したがって、キートップ51を取り外すことができる。キートップ51を取り外すことにより、キートップ51を洗浄したり、リンク部材52a及び52bなどの可動部品およびその周辺を清掃したりすることができる。キーボード5を元の状態に戻す際は、まずキートップ51を所定の位置に装着する。次に、保護シート110の外周部112の近傍部分を上部メンブレンシート55aとともに挟持するように、フレーム120をキーボード5における所定の位置に固定する。
【0059】
また、図9Cに示すように、キートップ58の裏面には、第1層111a及び第2層112aを含む保護シート110aが固定されている。キートップ58に固定されている保護シート110aは、キートップ58に隣り合うキートップに固定されている保護シート110b及び110cに対して分離されている。フレーム120は、保護シート110aと、第1層111b及び第2層112bを含む保護シート110bと、第1層111c及び第2層112cを含む保護シート110cとを、上部メンブレンシート55aとの間に挟持している。したがって、フレーム120を取り外すことにより、キートップ58とそれに固定された保護シート110aとを同時に取り外すことができる。キートップ58に固定されている保護シート110aは、隣接するキートップに固定されている保護シート110b及び110cに対して分離しているため、個々のキートップを保護シートとともに取り外すことができる。このような構成とすることにより、複数のキーのうち任意のキーのみの洗浄や清掃をはじめ、例えば繰り返し押下により特定のキートップ51のリンク部材52bとキー51dとの嵌装関係に不具合が生じたときなどに、不具合が生じたキートップ58を保護シート110ごと取り外すことができ、保護シート110を備えた新規のキートップ58を代わりに装着することで、当該特定のキーのみの交換を容易に行うことができる。
【0060】
〔1−2.実施例2〕
図10は、本実施の形態にかかる保護シート及びフレームの変形例を示す。図10において、図9A及び図9Bに示す構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付与して詳細な説明は省略する。実施例1と実施例2とで異なるのは、フレーム120における保護シート110の支持構造である。保護シート110は、実施例1ではフレーム120と上部メンブレンシート55aとで挟まれていたが、実施例2では上部フレーム122と下部フレーム123とで挟まれている。
【0061】
フレーム120は、上部フレーム122と下部フレーム123とを備えている。下部フレーム123は、上部メンブレンシート55aに固定されている。上部フレーム122は、下部フレーム123の上部に配され、図示は省略するが第1の筐体1に爪係合などの係合手段によって支持されている。上部フレーム122と下部フレーム123との間には、少なくとも保護シート110を挟持可能な隙間を有する。上部フレーム122と下部フレーム123は、前述のフレーム120と同様、キーボード5における各キーを囲むように配されている。フレーム120は、図10に示すように、複数のキーが隣り合う部分においては、隣り合うキーのそれぞれに配されている保護シート110を挟持する。なお、フレーム120は、保護シート110を挟持する際、挟持により圧縮変形する程度の押圧力を伴って保護シート110を挟持することが好ましい。
【0062】
これにより、フレーム120は、保護シート110を確実に挟持することができるため、保護シート110とフレーム120との間に隙間ができにくく、防水性及び防塵性を高めることができる。
【0063】
また、図10に示す保護シート110は、図9Cに示す構成と同様に、各キートップの裏面に固定されているとともに、キートップ毎に分離されている。したがって、フレーム122を取り外すことにより、キートップ51、58、59のうちの少なくとも一つとそれに固定された保護シート110とを同時に取り外すことができる。このような構成とすることにより、複数のキーのうち任意のキーのみの洗浄や清掃をはじめ、例えば繰り返し押下により特定のキートップ51のリンク部材52bとキー51dとの嵌装関係に不具合が生じたときなどに、保護シート110ごと取り外すことができるので、当該特定のキーのみの交換を容易に行うことができる。
【0064】
〔1−3.実施例3〕
図11は、本実施の形態にかかる保護シート及びフレームの変形例を示す。図11において、図9A及び図9Bに示す構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付与して詳細な説明は省略する。実施例1と実施例3とで異なるのは、フレームにおける保護シートの支持構成である。保護シート110は、実施例1ではフレーム120と上部メンブレンシート55aとで挟持されていたが、実施例3ではフレーム124の上部に支持されている。
【0065】
フレーム124は、上部メンブレンシート55aに固定されている。フレーム124は、前述のフレーム120と同様、キーボード5における各キーを囲むように配されている。フレーム124は、図11に示すように、複数のキーが隣り合う部分においては、隣り合うキーのそれぞれに配されている保護シート110を支持する。フレーム124に対する保護シート110の支持方法は、面ファスナー等により着脱可能に支持する方法を採用していることが好ましい。保護シート110をフレーム124に対して着脱できる構成とすることにより、キートップ51をキーボード5から容易に離脱でき、キートップ51の洗浄、可動部品およびその近傍の清掃などを、容易に行うことができる。
【0066】
また、保護シート110は、図9Cに示す構成と同様に、各キートップの裏面に固定されているとともに、各キートップ毎に分離されている。したがって、任意のキートップを取り外すことによって、それに固定された保護シートも同時に外れる。このような構成とすることにより、複数のキーのうち任意のキーのみの洗浄や清掃をはじめ、例えば繰り返し押下により特定のキートップ51のリンク部材52bとキー51dとの嵌装関係に不具合が生じたときなどに、保護シート110ごと取り外すことができるので、当該特定のキーのみの交換を容易に行うことができる。
【0067】
〔1−4.実施例4〕
図12は、本実施の形態にかかる保護シート及びフレームの変形例を示す。
【0068】
保護シート130は、キーボード5に含まれる各キーのキートップ51を覆うように載置することが可能である。保護シート130は、キーボード5の各キートップの操作面の形状に沿って装着されている。すなわち、保護シート130の第2層132は、キーボード5の各キートップの操作面における形状に沿って例えば陥没させると、保護シート130とキーボード5との位置合わせを容易にすることができる。なお、第2層132に備える陥没形状が、第1層131にも反映させた構成を採用すると、保護シート130に沿ってキーボード5を装着し易く構成できるため、好ましい。
【0069】
保護シート130は、第1層131及び第2層132からなる2層構造としている。第1層131は、保護シート130をキーボード5に装着した際に、表面に露出する層である。すなわち、第1層131は、保護シート130をキーボード5に装着した際に、ユーザーの指等により直接押圧される層である。第1層131は、例えば弾性変形可能な樹脂によるスキン層で形成することができる。第1層131は、少なくとも弾性を有する材料で形成されていればよい。第2層132は、第1層131に密着している層であり、保護シート130をキーボード5に載置した際に、キートップ51に当接する層である。第2層132は、例えば不織布で形成することができる。第2層132は、少なくとも緩衝性または吸音性を有する材料で形成されていればよく、不織布の他、ウレタンフォームなどの柔軟性材料で形成してもよい。
【0070】
保護シート130は、キートップ51の操作面に、接着剤、面ファスナーなどで装着することができる。保護シート130をキートップ51に接着剤で固定する場合は、保護シート130をキートップ51に確実に固定することができるため、キートップ51から位置がずれないというメリットがある。保護シート130をキートップ51に面ファスナーで装着する場合は、保護シート130をキートップ51に対して容易に着脱が可能となるため、保護シート130を容易に交換したり保護シート130を容易に取り外したりすることができる。この場合、例えばキーボード5の所有者以外の他人がキーボード5に触れることによりキートップ等を汚染してしまう際にも、保護シート130を所有者が個人的に所有することで、他人による汚染から保護することもできる。なお、保護シート130は、その外周部がフレーム120に支持されているため、キートップ51に載置していればよく、キートップ51に装着されていることは必須ではない。
【0071】
フレーム125は、上部メンブレンシート55aに固定されている。フレーム125は、前述のフレーム120と同様、キーボード5における各キーを囲むように配されている。フレーム125は、図12に示すように、複数のキーが隣り合う部分においては、隣り合うキーのそれぞれに配されている保護シート130を支持する。フレーム125に対する保護シート130の支持方法は、面ファスナー等により着脱可能に支持する方法を採用することが好ましい。保護シート130をフレーム125に対して着脱できる構成とすることにより、キートップ51をキーボード5から容易に離脱でき、キートップ51の洗浄、可動部品およびその近傍の清掃などを、容易に行うことができる。
【0072】
また、保護シート130は、図9Cに示す構成と同様に、各キートップ毎に分離されている。したがって、任意のキートップを取り外すことによって、それに固定された保護シート130も同時に外れる。このような構成とすることにより、複数のキーのうち任意のキーのみの洗浄や清掃をはじめ、例えば繰り返し押下により特定のキートップ51のリンク部材52bとキー51dとの嵌装関係に不具合が生じたときなどに、保護シート130ごと取り外すことができるので、当該特定のキーのみの交換を容易に行うことができる。
【0073】
〔2.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、保護シート110を、例えばスキン層からなる第1層111と、例えば不織布からなる第2層112とを備えた2層構造とすることにより、1層構造の保護シートに比べて、長期間使用時の耐久性及びキーボード打鍵に対する耐久性を向上することができる。したがって、保護シート110を備えたキーボード5を繰り返し押圧したとしても、保護シート110の疲労が少なく、破れによる破損を軽減することができ、キートップの裏側へ液体や粉塵などが進入することを防ぐことができる。なお、保護シート130においても同様の効果が得られる。
【0074】
保護シート110を備えていないキーボードに水をこぼしてしまった場合、キートップの裏側に水が進入するが、その水が蒸発することによってキートップの裏側には残留物がほとんど残らないため、キートップのストロークの円滑性が損なわれることは少ない。しかし、コーヒーやジュースなどを、保護シート110を備えていないキーボード5にこぼしてしまった場合、キートップの裏側に進入したコーヒーやジュースを乾燥させたとしても、粘性を有する砂糖などが残留してしまうことがある。このような粘性を有する残留物が、リンク部材52a及び52bなどの可動部品に付着すると、可動部品の動きが悪くなり、キーボード5の操作性を低下させてしまう。本実施の形態の保護シート110は、キートップ5の裏側への液体の進入を防ぐことができるため、上記のような問題の発生を防ぐことができる。
【0075】
また、本実施の形態では、キートップ間の間隙P1、P2を保護シート110で覆うことができるため、キートップの裏側へ液体や粉塵等が進入するのを防ぐことができる。これにより、キートップの裏側へ液体や粉塵等が進入することによる、リンク部材52a及び52bなどの可動部品の動作円滑性が損なわれることを防ぐことができる。また、キートップを離脱してキーボード5の内部を清掃する必要性もほとんどなくなる。なお、保護シート130においても同様の効果が得られる。
【0076】
また、本実施の形態では、キートップ間に位置する保護シート110をフレーム120で挟持する構成としたことにより、ユーザーがキーボード5を操作している時にキートップが外れてしまうことを防止することができる。すなわち、本実施の形態の保護シート110及びフレーム120を備えていないキーボードの場合、ユーザーがキーボードを操作している時に、ユーザーの指先が間隙P1,P2等に入り込んでキートップを持ち上げてしまい、キートップまたはそれに付随する機構部品がキーボードから離脱してしまうことがある。本実施の形態では、キートップ間の間隙P1,P2等に保護シート110及びフレーム120を備えた構成とすることで、間隙P1,P2等にユーザーの指先が入り込みにくくすることができる。したがって、ユーザーの指先でキートップまたはそれに付随する機構部品をキーボードから離脱してしまうことを防ぐことができる。
【0077】
また、本実施の形態では、第2層112を不織布などの緩衝性を有する材料で形成したことにより、ユーザーが指でキートップを押圧した際に生じる衝撃が指へ伝わるのを軽減することができる。例えば、図9Aにおいてユーザーが指でキートップ51を押圧し、図9Bに示すようにキートップ51が矢印Eに示す方向へ変位した際、リンク部材52a及び52bが上部メンブレンシート55aに当接する。リンク部材52a及び52bが上部メンブレンシート55aに当接したときの衝撃や振動が、リンク部材52a及び52bを通じてキートップ51に伝わる。本実施の形態では、その衝撃や振動を不織布で形成された第2層112で吸収することで、キートップからユーザーの指に伝わる衝撃を軽減している。また、不織布で形成された第2層112は、ユーザーが指でキートップを押圧した際に生じる打鍵音を吸収することができるため、打鍵音を低減することができる。
【0078】
また、本実施の形態では、保護シートを、フレームまたは上部メンブレンシートに対して着脱可能としたことにより、容易にキートップ51を着脱することができる。したがって、キートップ51を洗浄したり、キートップ51を支持する可動部品およびその周辺を清掃するのに便利である。
【0079】
また、本実施の形態では、キーボード5に備わる各キー毎に独立して保護シートを備え、保護シート110をフレームまたは上部メンブレンシート55aに着脱可能としたことにより、複数のキーのうちの任意のキーにおけるキートップ51のみを着脱することができる。したがって、複数のキーのうち任意のキーのみの洗浄や清掃をはじめ、例えば繰り返し押下により特定のキートップ51のリンク部材52bとキー51dとの嵌装関係に不具合が生じたときなどに、保護シート110ごと取り外すことができるので、当該特定のキーのみの交換を容易に行うことができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、保護シート110は、第1層111及び第2層112からなる2層構造としたが、3層以上の構造としてもよい。図13A及び図13Bは、3層構造の保護シートを示す。図13Aは、保護シートの要部平面図である。図13Bは、図13AにおけるZ−Z部の断面図である。図13Bに示すように、保護シート140は、第1層141、第2層142、および第3層143からなる3層構造となっている。第1層141は、例えば弾性変形可能な樹脂によるスキン層で形成することができる。第2層142は、例えば不織布で形成することができる。第3層143は、例えば弾性変形可能な樹脂によるスキン層で形成することができる。第3層143は、少なくとも表面141aが白色等の淡色に塗装されている。図13A及び図13Bに示すように、第1層141は、所定の文字の切り欠き部140bが形成されている。第1の凸部140aに形成されている切り欠き部140bは、図13Aに示すように「W」の形状を有する。図示は省略するが、保護シートにおける他の凸部(キートップに対応する凸部)にも、所定の文字の形状を有する切り欠き部が形成されている。これにより、図13Aに示すように、保護シート140を表面141a側から見た時に、黒色の第1層141の表面141aに、白色の文字「W]が現れる状態になる。このような構成とすることにより、保護シートの表面に所定の文字を印刷する必要がなくなる。表面に所定の文字が印刷された保護シートは、ユーザーによる長期間の使用時に、保護シートと指との間の摩擦によって、印刷された文字が消えてしまうことがある。そこで、図13A及び図13Bに示すように、第1層141を文字の形状に切り欠き、第1層141の下層の第2層142の色によって文字を現すことにより、ユーザーの指と保護シートとの間の摩擦によって文字が消えることがない。
【0081】
また、上記のように第1層141に文字形状の切り欠きを設けることによって、自発光式のキーボードにも対応することができる。自発光式のキーボードとは、キートップの裏側に発光ダイオード(LED)などの光源を配置し、キートップを透光性材料で形成することにより、キートップを発光させることができるキーボードのことである。これにより、暗所でのキーボードの目視が可能となり、操作性を向上することができる。自発光式キーボードに透光性を有さない保護シートを載置すると、キーボード側からの光を遮断してしまうため、暗所でのキーボードの目視が困難となってしまい、操作性が低下してしまう。そこで、本実施の形態のように第1層141に文字形状の切り欠きを設けて第1層141の下層の第2層142または第3層143の一部を露出させ、第2層142または第3層143を透光性材料で形成することによって、キートップからの光を第2層142または第3層143と第1層141の切り欠きを介して、第1層141の表面141a側に導くことができる。したがって、保護シートを第1層141の表面141a側から見た時に、文字のみが発光して見える状態となり、暗所でのキーボードの目視及び操作が可能となる。
【0082】
なお、図13A及び図13Bに示すように、第1層141に切り欠きを設ける構成は、本実施の形態における2層構造の保護シートにも適用できる。例えば、図9Aに示す2層構造の保護シートにおいて、第1層111に、各キーに対応した文字の形状を有する切り欠きを形成する構成としてもよい。これにより、その切り欠きを介して第2層112の一部を文字の形状に露出させることができるため、保護シートに文字の印刷を施す必要がなくなる。印刷された文字は、ユーザーの指と保護シートとの間の摩擦によって消えてしまうことがあるが、切り欠きによって文字を形成する構成ではユーザーの指と保護シートとの間の摩擦によって消えてしまうことがないため、好ましい。
【0083】
また、図13A及び図13Bに示すように、第1層141に切り欠きを設ける構成において、第1層141の下層(第2層142または第3層143等)の色は単色としてもよいが、複数色としてもよい。例えば、第2層142において、アルファベットを入力可能なキーに対応した領域を白色に塗装し、数字を入力可能なキーに対応した領域を青色に塗装し、ファンクションキーに対応した領域を緑色に塗装し、その他のキーに対応した領域を赤色に塗装する。これにより、第1層141の切り欠きには、それぞれの領域毎に色が異なる文字が現れる。
【0084】
また、本実施の形態では、保護シート110はキートップ51に固定されている構成としたが、キートップ51に着脱可能な構成とすることができる。保護シート110のキートップ51に対する支持は、例えば面ファスナーを用いることができる。このような構成とすることにより、キートップ51のみを新しいキートップに交換する際、あるいは保護シート110のみを新しい保護シートに交換する際に、容易に部品の交換を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本願は、保護シートに有用である。本願は、保護シートを備えた入力装置に有用である。
【符号の説明】
【0086】
5 キーボード
110、130、140 保護シート
111 第1層
112 第2層
120、124、125 フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置の入力部を覆うことが可能な保護シートであって、
少なくとも第1層と第2層とを含む複数層で形成され、
前記第1層は、弾性を有する材料を含み、
前記第2層は、緩衝性を有する材料を含む、保護シート。
【請求項2】
前記第2層は、前記第1層の主平面に接合されている、請求項1記載の保護シート。
【請求項3】
前記入力部は、キートップと、前記キートップを所定方向へ可動可能なように支持する支持部材と、前記キートップの下部に配されているスイッチとを備え、
前記入力部を覆った際に、前記第2層側から前記キートップが嵌合可能なようにキートップ嵌合部が形成されている、請求項1記載の保護シート。
【請求項4】
前記入力部は、複数のキートップを備え、
前記入力部を覆った際に、前記複数のキートップのうち隣り合うキートップの間隙を封止する間隙封止部を備えた、請求項3記載の保護シート。
【請求項5】
前記第2層は、不織布で形成されている、請求項1記載の保護シート。
【請求項6】
前記第2層は、前記入力装置に係止可能な係止手段を備えた、請求項1記載の保護シート。
【請求項7】
前記係止手段は、面ファスナーである、請求項6記載の保護シート。
【請求項8】
前記第1層は、所定の文字または記号の形状を有する切り欠き部が形成されている、請求項1記載の保護シート。
【請求項9】
前記第2層は、少なくとも前記切り欠き部を介して露出する部分の色が、前記第1層における前記切り欠き部近傍の色とは異なる色に着色されている、請求項8記載の保護シート。
【請求項10】
前記第2層は、少なくとも前記切り欠き部を介して露出する部分が透光性を有する、請求項8記載の保護シート。
【請求項11】
複数の入力部を備えた入力装置であって、
少なくとも前記入力部の間を覆うことが可能な保護シートを備え、
前記保護シートは、
少なくとも第1層と第2層とを含む複数層で形成され、
前記第1層は、弾性を有する材料を含み、
前記第2層は、緩衝性を有する材料を含む、入力装置。
【請求項12】
前記保護シートは、前記複数の入力部毎に独立している、請求項11記載の入力装置。
【請求項13】
前記複数の入力部のうち隣り合う入力部の間に配され、前記保護シートを支持するフレームを、さらに備えた、請求項12記載の入力装置。
【請求項14】
前記保護シートは、前記フレームに対して着脱可能である、請求項13に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2011−187297(P2011−187297A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50790(P2010−50790)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】