説明

個人信用通知方法および通知システム

【課題】不正使用や個人情報の漏出を防止できる個人信用蓄積媒体を用いて、個人の信用情報を通知可能とする。
【解決手段】個人の顔画像データと、その個人の信用情報を改ざん不能に蓄積記録できる個人信用蓄積媒体に記録されている顔画像データを読み取り、その個人信用蓄積媒体を提示した人間の顔画像を撮像手段76によって撮像し、この撮像された顔画像を示す撮像データと上記読み取られた顔画像データとを比較して、それら両データが同一の顔を示していると判別されたとき、個人信用蓄積媒体に記録されている信用情報を表示手段74等の通知手段によって通知対象に通知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人を特定するための顔画像データおよび個人の信用情報を記録した個人信用蓄積媒体を利用して個人の信用情報を通知する方法、および、その方法を実施するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スタンドアローンのフォトブースでいわゆる証明写真を撮影することが行われており、手軽に自分の写真を撮影して種々の申請に使用することが行われている。この種の写真は、印画紙にプリントされ申請用紙に貼付されたり、申請用紙とともに提出されたりして使用される。
【0003】
近年、インターネットによる種々の取引が行われる中、種々の申請もネットを介して行うことが可能になり、公的な手続きの申請や各種会員制組織の入会申請もネットを介して行うことが可能になっている。この種の申請には、申請者本人の顔写真の提出が要求されることが少なくないが、それには証明写真をスキャナで読み取ったデータや、デジタルカメラで撮影した写真データを申請データに添付して送信することが有効な方法として考えられる。
【0004】
しかし、個人が作成した写真データは、種々の写真処理ソフトを用いて加工することができ、加工されていない真正な顔写真データであるという保証がない。したがって加工の施されていないことを保証する保証付きの顔写真データがあれば便利である。
【0005】
このような要望に対応できる証明写真の改ざん防止方法として、本出願人が先に提案したものが知られている(特許文献1参照)。この特許文献1の方法は、撮影許可機関により許可された撮影手段で撮影機関がユーザを撮影して得た画像データに撮影許可情報及び撮影履歴情報を含む付帯情報を付加し、これをデータベースに蓄積するとともにネットワークを介してユーザのパソコンに送信し、そのユーザのパソコンから画像データを画像使用機関に送信するようにしたものである。その送信を受けた画像使用機関では、この画像データが本当にユーザ本人を撮影した画像であり、改ざんが加えられていないものであるか画像の認証を行う。すなわち、画像使用機関の画像判定手段が、画像データの中から画像データに付加されている付帯情報を抽出し、ネットワークを介して撮影機関にアクセスして、撮影機関のデータベースに蓄積されている付帯情報と照合を行い、画像データを認証する。
【0006】
また、撮影許可機関は、撮影許可発行手段とデータベースを有し、撮影許可発行手段は撮影機関から撮影手段を特定して、ネットワークを介して撮影許可の要求があった場合に当該撮影手段に対し、証明写真撮影の許可を発行する。この許可の発行に際しては、撮影条件、どこまでの範囲の加工が認められるか等の画像作成条件、許可期間等の情報を含む撮影許可情報が付与される。また、データベースには、発行された撮影許可情報が蓄積される。また、この撮影許可機関は、撮影機関、ユーザパソコン、画像使用機関とは別個の証明写真の認証を行う第三者機関であり、撮影機関から撮影手段を特定してネットワークを介して撮影許可の要求があった場合に、その撮影手段に対して証明写真撮影の許可を発行する。
【0007】
したがって特許文献1の方法では、ユーザ以外に撮影機関と撮影許可機関が必要であり、認証の際には撮影機関に照会して認証をしてもらうことが必要になる。
【0008】
しかしながら、現実には従来のスタンドアローン型フォトブースのように簡便にユーザが証明写真すなわち電子申請用の顔画像記録媒体を作成できるものが望まれる。また一旦作成した電子申請用顔画像記録媒体を紛失したときなど、他人に利用されることを未然に防ぐためにその顔画像記録媒体を無効にすることが望まれ、その無効化も、そのユーザが簡単に出来る一方、他人には無効にできないようにすること、さらに、一旦無効にした後あるいはそれと同時に有効な電子申請用顔画像記録媒体を再発行できるようにすることが望まれる。
【特許文献1】特開2003−244347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような要望に応えるものとして、撮影機関や撮影許可機関を必要とせずユーザが簡便に得ることができる、加工のされていないことを保証する保証付き顔写真データを担持した顔画像記録媒体が考えられる。
【0010】
また、そのように形成された顔画像記録媒体は電子申請用に限らず、例えば従来用いられている印鑑登録証や健康保険証がそうであるように、個人を特定するために用いることができれば便利である。そして、そのように顔画像記録媒体を利用する際には、その顔の人物のその利用時点での信用度が分かるようになっていればより一層便利である。さらにその場合、例えばその顔画像記録媒体を拾う等により不正取得した者が不正使用できないようになっていたり、あるいは、その顔画像記録媒体から個人情報が漏れ出ないようになっていれば、該媒体の利便性および信頼性はより高いものとなる。しかし従来、そのような要求に対応できる顔画像記録媒体は提供されていなかった。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、顔画像を示すデータを記録している媒体を用いて、個人の信用情報を通知することができる方法および、その方法を実施可能なシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による第1の個人信用通知方法は、
個人の顔画像データおよびその個人の信用情報が記録されている個人信用蓄積媒体から前記顔画像データを読み取り、
その個人信用蓄積媒体を提示した人間の顔画像を撮像し、
この撮像された顔画像を示す撮像データと前記読み取られた顔画像データとを比較して、それら両データが同一の顔を示していると判別されたとき、前記個人信用蓄積媒体に記録されている信用情報を読み取って、通知対象に通知することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明による第2の個人信用通知方法は、
上述したような個人信用蓄積媒体に記録されている個人の顔画像データおよびその個人の信用情報を、互いに対応付けて該媒体とは別の記録媒体に記憶しておき、
所定の場所に居る人間の顔画像を撮像し、
この撮像された顔画像を示す撮像データと、前記別の記録媒体に記録されている顔画像データとを比較して、撮像された顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定し、
この特定された顔画像データと対応する前記個人の信用情報を読み取って、通知対象に通知することを特徴とするものである。
【0014】
他方、本発明による第1の個人信用通知システムは、上記第1の方法を実施するためのものであって、
個人の顔画像データおよびその個人の信用情報が記録されている個人信用蓄積媒体から前記信用情報および顔画像データを読み取る読取手段と、
その個人信用蓄積媒体を提示した人間の顔画像を撮像する撮像手段と、
前記信用情報を通知対象に通知する通知手段と、
前記撮像された顔画像を示す撮像データと前記読み取られた顔画像データとを比較して、それら両データが同一の顔を示していると判別されたとき、前記読み取られた信用情報を前記通知手段により通知させる制御手段とからなることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明による第2の個人信用通知システムは、上記第2の方法を実施するためのものであって、
上述したような個人信用蓄積媒体に記録されている個人の顔画像データおよびその個人の信用情報を互いに対応付けて記憶する、該媒体とは別の記録媒体と、
所定の場所に居る人間の顔画像を撮像する撮像手段と、
この撮像された顔画像を示す撮像データと、前記別の記録媒体に記録されている顔画像データとを比較して、撮像された顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定する顔画像データ特定手段と、
この特定された顔画像データと対応する前記個人の信用情報を、前記別の記録媒体から読み出す手段と、
この読み出された信用情報を通知対象に通知する通知手段とからなることを特徴とするものである。
【0016】
なお、本発明による第2の個人信用通知システムにおいては、
前記通知手段が前記所定の場所に設置され、
前記別の記録媒体が、前記所定の場所から離れた場所に設置され、
前記撮像データが通信手段を介して前記顔画像データ特定手段に送られ、かつ前記信用情報が該通信手段を介して前記通知手段に送られるようになっていることが望ましい。
【0017】
また、本発明による個人信用通知システムは、前記個人信用蓄積媒体に個人の信用情報を書き込む書込手段をさらに備えていることが望ましい。
【0018】
他方、本発明の個人信用通知システムに適用される前記個人信用蓄積媒体は、前記個人の顔画像データおよび前記信用情報を改ざん不能な状態で記録したものであることが望ましい。
【0019】
さらにこの個人信用蓄積媒体は、前記個人の顔画像データがその個人の真正な画像であることを示す証明情報と、有効期限を示す情報とを改ざん不能な状態で記録したものであることが望ましい。そしてその場合の上記有効期限は、前記顔画像データを記録をした時から所定の期間であることが望ましい。
【0020】
また上記個人信用蓄積媒体は、さらに、前記個人の顔以外のバイオメトリクスデータを改ざん不能な状態で記録したものであることが望ましい。
【0021】
また上記個人信用蓄積媒体は、前記顔画像データの表す顔画像が目視可能に表面に印刷されたものであることが望ましい。
【0022】
さらに上記個人信用蓄積媒体は、前記顔画像データをハッシュ値に変換して記録したものであることが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の個人信用通知方法に用いられる個人信用蓄積媒体は、個人の顔画像データが記録されているので、そのデータを確認することができる手段を備えた各種店舗や金融機関、公共機関等に対して提示して、本人確認に利用することができる。またこの個人信用蓄積媒体は、さらに個人の信用情報も記録しているので、本人確認がなされた個人の信用度を知るために利用することもできる。
【0024】
本発明による第1の個人信用通知方法は、上述した通りの個人信用蓄積媒体に記録されている顔画像データを読み取り、
その個人信用蓄積媒体を提示した人間の顔画像を撮像し、
この撮像された顔画像を示す撮像データと前記読み取られた顔画像データとを比較して、それら両データが同一の顔を示していると判別されたとき、前記個人信用蓄積媒体に記録されている信用情報を読み取って通知対象に通知させるようにしたので、例えば個人信用蓄積媒体を持参して小売店に来店した個人の真正な信用情報を直ちに店員等に通知することが可能である。そうであれば、その通知された信用情報に応じて、例えば信用度が高い客には特別のサービスを提供するなど、よりきめの細かい対応をすることが可能となる。そして、個人信用蓄積媒体を不正取得した者がその媒体を不正に使用しようとしても、不可能であることは前述の通りである。
【0025】
また、本発明による第1の個人信用通知システムは、
個人信用蓄積媒体に記録されている個人の信用情報および顔画像データを読み取る読取手段と、
その個人信用蓄積媒体を提示した人間の顔画像を撮像する撮像手段と、
前記信用情報を通知対象に通知する通知手段と、
前記撮像された顔画像を示す撮像データと前記読み取られた顔画像データとを比較して、それら両データが同一の顔を示していると判別されたとき、読み取られた信用情報を前記通知手段により通知させる制御手段とからなるものであるので、例えばそれらの手段を上記小売店等に設置しておくことにより、上述した第1の個人信用通知方法を実施することができる。
【0026】
また、本発明による第2の個人信用通知方法は、
上述した通りの個人信用蓄積媒体に記録されている複数の情報を、互いに対応付けて該媒体とは別の記録媒体に記憶しておき、
所定の場所に居る人間の顔画像を撮像し、
この撮像された顔画像を示す撮像データと、前記別の記録媒体に記録されている顔画像データとを比較して、撮像された顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定し、
この特定された顔画像データと対応する前記個人の信用情報を通知対象に通知させるようにしたので、
例えば小売店に来店してそこで顔が撮像された個人の信用情報を、個人信用蓄積媒体の提示を受けなくても、直ちに店員等に通知することが可能である。
【0027】
そうであれば、その通知された信用情報に応じて、例えば信用度が高い客には特別のサービスを提供するなど、よりきめの細かい対応をすることが可能となる。このように、個人信用蓄積媒体の提示を受けなくても特別のサービスを提供できれば、小売店などの利用者からより高い満足度を得ることが可能となる。また、そのとき、個人信用蓄積媒体を不正取得した者がその媒体を不正に使用しようとしても不可能であることは、第1の方法におけるのと同様である。
【0028】
本発明による第2の個人信用通知システムは、
個人信用蓄積媒体に記録されている情報を互いに対応付けて記憶する、該媒体とは別の記録媒体と、
所定の場所に居る人間の顔画像を撮像する撮像手段と、
この撮像された顔画像を示す撮像データと、前記別の記録媒体に記録されている顔画像データとを比較して、撮像された顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定する顔画像データ特定手段と、
この特定された顔画像データと対応する前記個人の信用情報を、前記別の記録媒体から読み出す手段と、
この読み出された信用情報を通知対象に通知する通知手段とからなるものであるので、上述した第2の個人信用通知方法を実施することができる。
【0029】
特にこの第2の個人信用通知システムにおいて、
前記通知手段が前記所定の場所に設置され、
前記別の記録媒体が、前記所定の場所から離れた場所に設置され、
前記撮像データが通信手段を介して前記顔画像データ特定手段に送られ、かつ前記信用情報が該通信手段を介して前記通知手段に送られるようになっている場合は、前記別の記録媒体および顔画像データ特定手段を1組だけ設けて、それらを複数の所定場所(例えば複数の店舗など)で共通利用できるようになる。
【0030】
なお上述の個人信用蓄積媒体は、個人の顔画像データを本人確認のために用いるものであるから、その個人の住所や名前、勤務先等の個人情報が全く記録されていなくても、本人確認のために撮像された個人の顔画像データと、該記録媒体に記録されている顔画像データとを比較することにより、本人確認が可能である。したがって、上述のような個人情報が記録されていなくても正確な本人確認が可能で、よって該記録媒体から個人情報が漏出することを防止できる。
【0031】
また、個人信用蓄積媒体に記録される信用情報は、例えば小売店等にとっては購買履歴すなわち、その店での購買回数や、あるいは購入金額の累計などで表すことができるし、また金融機関等においては例えばATM装置(現金自動預け払い機)の利用回数や、借入金の返済状況等で表すことができる。
【0032】
そして個人信用蓄積媒体を、例えば既に流通しているいわゆるポイントカードの形態や、キャッシュカードに貼付された形態で使うようにすれば、小売店での買い物時等にその媒体が提示されたときや、ATM装置に媒体が挿入されたときに、専用機によってその種の信用情報を逐次書き換えることができる。こうすることにより個人信用蓄積媒体に、個人の信用情報が更新されつつ蓄積されるようになる。ここで、その信用情報として、例えばキャッシュカードの残高不足の回数や、交通事故回数等のいわゆる負の信用情報が記録されるようにしてもよい。
【0033】
また、以上説明した第1および第2の個人信用通知システムが、個人信用蓄積媒体に個人の信用情報を書き込む書込手段をさらに有している場合は、その書込手段を例えば小売店等に設置しておくことにより、個人信用蓄積媒体が提示される毎にその媒体の所有者の信用情報を更新して、該媒体をより信頼度の高いものとすることができる。
【0034】
ここで、本発明の個人信用通知システムにおいて、前記個人信用蓄積媒体として、個人の顔画像データおよび信用情報を改ざん不能な状態で記録したものが適用される場合は、該媒体の不正使用を防止することができるので、より好ましい。
【0035】
さらにこの個人信用蓄積媒体が、個人の顔画像データがその個人の真正な画像であることを示す証明情報と、有効期限を示す情報とを改ざん不能な状態で記録したものである場合は、該媒体の不正使用を防止する効果がさらに高いものとなる。
【0036】
また上記個人信用蓄積媒体が、個人の顔以外のバイオメトリクスデータを改ざん不能な状態で記録したものである場合には、顔が変化してもそのバイオメトリクスデータで本人を確認することができるので、用途によってはそのバイオメトリクスデータを用いて本人確認をすることも可能であるし、変化した顔の画像データを記録した新しい個人信用蓄積媒体を作成(更新)したいときにはバイオメトリクスデータを介して同一人物であることを確認して、新しい媒体を作成することができる。この新しい媒体の作成(更新)には、変化しないバイオメトリクスデータはそのまま新しい媒体に移し、顔画像データだけを更新すればよい。
【0037】
なお、以上説明した個人信用蓄積媒体は、本人確認に利用することができるので、これを電子申請用の顔画像データとしてそのまま利用することもできる。また、特別な撮影機関や撮影許可機関を必要とせず、街角に設置した無人のフォトブースにおいてユーザが簡便に得ることができるシステムを構築することも可能である。さらに、有効期限が切れれば確認装置がそれを認識できるようにすることも容易であるから、期限切れの媒体は自動的に使えなくなるようにすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0039】
≪個人信用蓄積媒体作成装置≫
まず、個人信用蓄積媒体の作成について説明する。図1は個人信用蓄積媒体を作成する装置の一例であるデジタルフォトブースの内部の概略を示す側面図である。このデジタルフォトブース1は、人ひとりが入れる程度の大きさのハウジング2の中に顔を撮影する際に座る椅子4を備え、その椅子4の前方には天井21から床22まで延びる仕切壁23が設けられている。仕切壁23には、椅子4に座った人6の顔61に対向する位置に、顔を撮影するデジタルカメラ8が固設され、その上方には、その人6の顔61と手62の両方を同時に画角に収める広角レンズを備えた監視カメラ10が固設されている。
【0040】
デジタルカメラ8は、椅子4に座った人6の顔61を撮影して顔画像データを出力するものであり、監視カメラ10は座った人6の顔61と手62の両方を同時に撮影監視し、それが同一人のものでない状況、すなわち他人がブース2内に入り込んで顔は座った人6の顔61を撮影する一方、手は座った人6の手62でないその他人の手を指紋採取器12に置くなど、異常な状況がないかどうかを監視し、異常がないことを確認してその顔画像データが正常なものすなわち指紋の主と同じ人物のものであることを証明する信号を出力するものである。その監視における異常の判断には、種々の画像認識ソフトを利用して、異常を認識することができる。例えば、予め学習させた正常な状況と異なるような状況を認識して異常信号を出力するような判別器を用いることができる。
【0041】
また、デジタルカメラ8および監視カメラ10のいずれかのカメラにより、デジタルカメラ8により撮影した顔画像が加工なしの真正の画像であることを示す証明情報を出力するようにする。これは、撮影に際して加工のできないデジタルカメラ8によって撮影がなされたことを示す情報で、撮影した画像データを記録媒体に記録すると同時に証明情報を記録することにより行われる。具体的には、例えばその撮影に使用したデジタルカメラ8特有のモデル番号を画像データとともに記録する方法や、電子透かしを画像データに埋め込む方法により記録することができる。
【0042】
また、ハウジング2内には、仕切壁23の一部の座った人6の手62が伸びる位置に、その人6の指紋を採取する指紋採取器12が設置されている。
【0043】
顔を撮影するデジタルカメラ8、監視カメラ10および指紋採取器12は、仕切壁23の裏に設置された制御装置14に電気的に接続され、それぞれからその出力信号を受けて以下に説明する処理をするようになっている。
【0044】
制御装置14は、図2に示すように、顔を撮影して顔画像データを出力するデジタルカメラ8からの信号と、監視カメラ10からの信号と、指紋採取器12からの信号を受け、これらを処理して個人信用蓄積媒体を作成するものである。この実施形態の制御装置14は、監視カメラ10からの信号を処理して異常のないことを示す証明情報を出力する異常判別器16と、その出力に応じて電子透かしを顔画像データに埋め込む電子透かしエンジン18と、デジタルカメラ8からの信号と指紋採取器12からの信号を合成し、これに電子透かしを埋め込む処理をする合成部20と、その合成されたデータを記録媒体に記録して個人信用蓄積媒体30を作成する記録部24とを備えている。
【0045】
また、顔を撮影して顔画像データを出力するデジタルカメラ8は、タイマーを内蔵していて、撮影日時を画像データに付帯して記録する。この撮影日時は、作成された画像媒体30の有効期限を示す情報として機能し、例えばそれから6ヶ月経過した媒体は無効とするなどの運用に寄与することができる。
【0046】
記録部24は、例えばROMのようなコンピュータで読取可能な記録媒体に、デジタルカメラ8からの顔画像データと指紋採取器12からの指紋画像データの少なくともいずれか一方に電子透かしの埋め込まれたデータを記録して個人信用蓄積媒体30を作成する記録手段であって、それにより作成された個人信用蓄積媒体30は、仕切壁23の取出口26から排出される。
【0047】
なお、この個人信用蓄積媒体30はICチップでもよいし、取扱いやすいように、それを適当な大きさの担体に埋め込んだものでもよいし、あるいは適当な大きさのメモリでもよい。また複数の媒体を混同しないように、本人あるいはそれを扱う人が見てすぐに確認できるように記録されている顔画像データの表す顔の画像を、目視可能な画像として表面に印刷するようにしてもよい。
【0048】
以上のようにして作成された個人信用蓄積媒体30は、作成後は改ざんができないので、加工のない真正な顔画像データを担持した媒体として、種々の申請手続に、従来の証明写真のようにして使用することもできる。また、パソコンにダウンロードすれば電子メールに添付して電子申請することもできる。なおこの個人信用蓄積媒体30には、後述する個人の信用情報を改ざん不能に蓄積記録可能な領域が設けられている。
【0049】
また、この個人信用蓄積媒体30には個人情報が記録されず、顔画像のデータだけが記録されているので、個人情報を知られたくない一方で、顔を認識してもらってサービスを受けるなどの用途に使うことができる。例えば、サービスを提供する側が、顔を認識する装置(顔認識技術は既に多数提案され、実用化もされている)を有していれば、予めこの顔画像データをレストランや競技場などのサービス提供者に送っておき、あとでその場所に出向いたとき、サービス提供者側ではいちいち名前を聞いたり、予約名簿で確認したりすることなく、顔を確認して入場を許可するなどの処理をすることができる。
【0050】
≪個人信用通知システム≫
次に、上述のようなサービスを実際に提供するために利用される個人信用通知システムについて、図3を参照して説明する。図示の通り、上記サービスを提供する小売店等の店舗70には、一般的な演算装置本体71、キーボード等の入力装置72、カードリーダ73および、液晶表示装置等の表示手段74から構成された個人信用通知用コンピュータシステムが設置されている。演算装置本体71は、例えば光ファイバ通信網40を介して管理ステーション50と相互通信可能に接続されている。またこの店舗70内には、来店者75の顔を撮像するためのTVカメラ76が設置され、このTVカメラ76が出力する映像信号は、フォーマット変換等の適宜の処理を受けてから、撮影データとして上記演算装置本体71に入力されるようになっている。
【0051】
なお通常は、上記店舗70内の装置と同様の装置を備えたその他の店舗80、90が設けられ、そして各店舗内において上記演算装置本体71と同様に設けられた演算装置本体が、光ファイバ通信網40を介して管理ステーション50と相互通信可能に接続される。
【0052】
管理ステーション50はデータベース52を備えたサーバ51を有しており、このサーバ51は図1に示したフォトブース1の制御装置14とも接続されている。
【0053】
この制御装置14の合成部20から出力された記録データは管理ステーション50のサーバ51に送られ、個人信用蓄積媒体30に記録されるのと同じデータが該データベース52に記録される。サーバ51は、送られた新規の顔画像データをデータベース52に記録する機能と、後述する無効化のために送られて来た顔画像データをデータベース52に記録されているデータの中から検索し、それを無効化する機能と、有効性を照会されたときにその有効性を判断し、無効化されたものの場合には無効であることを照会元に報知する機能を有している。
【0054】
本実施形態の個人信用通知システムは、個人信用蓄積媒体30を利用する個人信用通知方法と、管理ステーション50のサーバ51を利用する個人信用通知方法の双方を実行できるものであるが、まず前者について説明する。
【0055】
この場合個人信用蓄積媒体30は、例えば店舗70や、あるいはそのフランチャイズチェーンなどが発行するポイントカードの形態で使用され、来店者75は買い物の精算時にこの個人信用蓄積媒体30を店側に提示する。また来店者75の顔はTVカメラ76によって撮像され、撮像データは演算装置本体71に入力される。
【0056】
提示された個人信用蓄積媒体30は精算前にカードリーダ73にかけられ、そこに記録されている個人の信用情報および顔画像データが読み取られる。本例でこの信用情報は、店舗70や、あるいはそのフランチャイズチェーンで過去に購買された金額の累計、購買回数、あるいはそれらを総合的に判断して付けられるポイント数である。他方、読み取られた顔画像データは演算装置本体71に入力される。
【0057】
演算装置本体71はこの顔画像データと上記撮像データとを比較し、それら両データが同一の顔を示しているかどうかを判定する。そのような判定は、公知のパターンマッチング等の手法によって行うことができる。演算装置本体71は、上記両データが同一の顔を示していると判別したとき、上述のようにして読み取ってある信用情報を、通知手段としての表示手段74に文字情報として表示させる。
【0058】
そこで店舗70の従業員等は、この表示手段74の表示を見て来店者75の信用度を判別することができるので、信用度が高い顧客に対してはそれに応じた程度で価格割引きをするなど、きめの細かいサービスを提供することが可能となる。なおそのような価格割引きのサービスの他に、ホテル等にあっては利用前に個人信用蓄積媒体30を提示してもらうことにより、同じ料金であってもより高級な部屋を提供するなどの種々の付加的サービスを提供することが可能である。
【0059】
なお演算装置本体71が、上記顔画像データと撮像データとが同一の顔を示していると判別しなかった場合、上記信用情報は表示手段74に表示されない。つまり、これらの顔画像データと撮像データとを比較することにより本人確認がなされるので、例えば個人信用蓄積媒体30を拾った人間がそれを不正使用することは不可能である。
【0060】
また本実施形態においては、来店者75が買い物の精算をした際、図示外のレジスターから演算装置本体71に精算金額等の情報が送られる。演算装置本体71はそれに応じた上記ポイントを計算し、そのポイントを、カードリーダ73によって個人信用蓄積媒体30に書き込ませる。なお、個人信用蓄積媒体30に既にポイントが記録されている場合は、それを上書きする形で新しいポイントが記録される。このようにして該個人信用蓄積媒体30には、買い物をする毎により大きい値のポイントが信用情報として蓄積されるようになる。
【0061】
なお、以上説明のように、ある店舗やそのフランチャイズチェーンが独自にポイント等の信用情報を設定する他に、例えばクレジット会社のような機関が信用情報を管理するようにして、その機関と契約している会社、店舗、公共機関等がいろいろな商品を販売し、あるいは役務を提供する都度、共通設定された信用情報を個人信用蓄積媒体に蓄積させることも可能である。
【0062】
また、前述したように信用情報を文字で表示する表示手段74の代わりに、信用情報を「○」や「×」等の記号で表示する表示手段や、信用情報を音声で通知する手段などを用いることも可能である。
【0063】
次に、管理ステーション50のサーバ51を利用する個人信用通知方法の実施形態について説明する。この場合は、個人信用蓄積媒体30に記録されている個人の顔画像データと、その顔画像データがその個人の真正な画像であることを示す証明情報と、有効期限を示す情報と、信用情報である前記ポイントとが、互いに対応を取って管理ステーション50のデータベース52に記録されている。
【0064】
このようなデータベース52への記録は、例えば前述したように来店者75が買い物の精算をしたとき個人信用蓄積媒体30に新しいポイントが記録される毎に、その個人信用蓄積媒体30の記録内容が演算装置本体71および光ファイバ通信網40を介してサーバ51に送られ、該サーバ51がそれらをデータベース52に書き込むことによってなされる。なお通常は、多数の個人信用蓄積媒体30についての上記各データおよび情報が、データベース52に記録されることとなる。
【0065】
そしてこの場合も、来店者75の顔はTVカメラ76によって撮像され、撮像データが演算装置本体71に入力される。この撮像データは、光ファイバ通信網40を介して上記サーバ51に送られる。顔画像データ特定手段を構成するサーバ51は、このようにして送られて来た撮像データを、データベース52に記録されている多数の顔画像データと比較し、撮像された顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定する。次にサーバ51は、その特定された顔画像データと対応させてデータベース52に記録されているポイントを読み出し、そのポイントを示す情報を、光ファイバ通信網40を介して演算装置本体71に送る。
【0066】
演算装置本体71は、こうして送られて来た情報が示すポイントを、表示手段74に表示させる。したがってこの場合も店舗70の従業員等は、表示手段74の表示を見て来店者75の信用度を判別することができ、それに応じたサービスを提供できるようになる。しかもこの場合は、来店者75から個人信用蓄積媒体30の提示を受けなくてもその来店者75の信用度を判別できるので、来店者75により高い満足感を与えることができる。
【0067】
なおサーバ51が、送られて来た撮像データが示す顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定できなかった場合、信用情報である上記ポイントは表示手段74に表示されない。つまりここでも、顔画像データと撮像データとを比較することにより本人確認がなされるので、例えば個人信用蓄積媒体30を拾った人間がそれを不正使用するようなことは不可能である。
【0068】
また本実施形態においても、来店者75が買い物の精算をした際、前述の場合と同様にして、精算金額等に応じたポイントが個人信用蓄積媒体30に書き込まれる。そしてこのように個人信用蓄積媒体30の記録内容が変更された場合、その新しい記録内容が光ファイバ通信網40を介してサーバ51に送られ、その個人信用蓄積媒体30に関するデータベース52の記録内容が更新される。
【0069】
以上説明したように、管理ステーション50のサーバ51に個人信用情報を蓄積させる場合は、個人信用蓄積媒体30には個人信用情報を蓄積させずに顔画像データのみを記録し、顔画像データの特定および信用情報の読み出しは、上記実施形態におけるのと同様にして行うようにしてもよい。
【0070】
なお、上述した個人信用蓄積媒体30には個人情報が記録されていないので、紛失しても個人情報を漏洩することがないから個人情報保護の点から安全である。しかし紛失した個人信用蓄積媒体30は、他人に悪用されないように無効化することが望まれる。
【0071】
≪個人信用蓄積媒体の無効化装置および再発行装置≫
個人信用蓄積媒体を無効化する装置は、ハード的には図1に示す作成装置のフォトブースと兼用することができる。ただし無効化は、過去に作成した媒体をその場に有していない状態で無効にすることを前提とする場合が殆どであるから、過去に作成した媒体のデータがどこかに保存されていることが必要になる。また、無効化とは、他人が拾った媒体を使用しようとしたときにそれが使えないようにするものであるから、提示された媒体が無効になっていないかどうかを照会するシステムが必要になる。したがって、無効化装置自体はフォトブースでよいが、その他に照会され得るデータベースを備えたサーバが必要になる。以下、その例を、図2、3および4を参照して説明する。
【0072】
なお、無効化のためには、無効化する顔画像データを認識して無効化したのち、照会のために送られて来た顔画像データが無効化したデータと同じかどうかを認識しなければならない。そのためには、顔画像データにID情報を付帯させておき、そのID情報が一致するかどうかを判断し、一致したデータに対して無効であることを知らせるようにするのが望ましい。そのようなID情報としては、撮影するデジタルカメラ8にカメラ撮影日時が最も好ましい。
【0073】
図3に示すように、個人信用蓄積媒体無効化装置を構成するフォトブース1の制御装置14は光ファイバ通信網40を介して前記管理ステーション50と相互通信可能に接続されている。図2および図3に示すように、フォトブース1の制御装置14の合成部20から出力された記録データは、管理ステーション50のサーバ51に送られる。そこで、個人信用蓄積媒体30に記録されるのと同じデータが、データベース52に記録される。サーバ51は、送られた新規の顔画像データをデータベース52に記録する機能と、無効化のために送られて来た顔画像データをデータベース52に記録されているデータの中から検索し、それを無効化する機能と、有効性を照会されたときにその有効性を判断し、無効化されたものの場合には無効であることを照会元に報知する機能を有している。
【0074】
無効化装置のフォトブース1には、図4に示すように、操作パネル32に無効化ボタン34が設けられている。再発行装置のフォトブース1には、その他に再発行ボタン35が設けられるが、現実には、無効化と再発行は新規の作成と同じフォトブースで操作できるようにすることが望まれるから、図4に示すようにフォトブース1の操作パネル32には新規作成ボタン33の他に無効化ボタン34と再発行ボタン35が設けられる。
【0075】
無効化ボタン34を押すと、作成時と同じように顔61を撮影し、その顔画像データがサーバ50に送られる。サーバ50ではデータベース52に記録されている顔画像データの中から、顔が一致する顔画像データを検索し、そのデータを無効化する。ここで無効化されるのは、その無効化のために送った顔を撮影した時点以前に撮影された顔画像データである。
【0076】
ここで無効化するには、顔画像が送られて来てその有効性を照会されたときに、それが無効であることを知らせられるようにすることが必要であるから、照会のために送られて来た顔画像データとデータベースに記録されている顔画像データとの一致を正確に検索しなければならない。そのためには、顔画像データにID情報を付帯させておいて、そのID情報の一致に基づいて無効であることを知らせるのが、正確性と効率のために望ましい。したがって、そのためには顔画像データにデータ特有のID情報を付帯させておくことが望まれる。そのようなID情報としては、顔画像を撮影した撮影日時を採用することができるが、同時に別のフォトブースで撮影された画像との区別がつかないので、撮影日時と、その撮影を行ったデジタルカメラまたはフォトブースを特定する情報(通し番号)との組合せが最も好ましい。あるいは、撮影日時とフォトブースの位置を特定する位置データと組合せてもよい。位置データとしては、フォトブースにGPSを備えておいて、GPSからの位置データを利用するようにしてもよい。
【0077】
個人信用蓄積媒体を再発行する装置も、ハード的には図1に示す作成装置のフォトブースと兼用することができる。再発行は、有効期限の切れていない顔画像データを記録した個人信用蓄積媒体を紛失したり盗難されたりしてそれを無効化したときに、自分で新たに使える個人信用蓄積媒体を作成したいときに行う操作である。過去に作成した個人信用蓄積媒体の有効期限が切れたときに新たに媒体を発行してもらうのは新規の作成と同じであり、これは再発行とは異なる。もちろん、無効化装置の操作により過去の顔画像データを無効化した後に、新たに通常の作成手順により個人信用蓄積媒体を作成すれば、実質的に再発行と同じことができるが、再発行には過去に作成した顔画像をそのまま使うこともでき、その場合には新たに撮影をする必要がないようにすることもできる。
【0078】
ただし、そのような再撮影を行わないようにするためには、本人の確認をするために別の手段、例えばバイオメトリクスデータを用いる必要がある。すなわち、再発行希望者はフォトブースで指紋を採取し、そのデータを管理ステーションに送って過去の指紋データと照合し、一致した指紋データと関連した顔画像データを読み出し、それに付帯するIDデータ(フォトブース番号と撮影日時)を再発行時のIDデータすなわち再発行申請をしたフォトブース番号と再発行申請の日時に書き換え、それらのデータをその顔画像データとともにフォトブースに送って新たな個人信用蓄積媒体に記録することにより、新たに有効な個人信用蓄積媒体を再発行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】個人信用蓄積媒体作成装置の一例を示す概略側面図
【図2】図1の個人信用蓄積媒体作成装置の制御装置の構成を示す概略図
【図3】本発明の個人信用通知システムの一実施形態を示す概略構成図
【図4】個人信用蓄積媒体を作成、無効化、再発行する兼用装置の操作パネルの一例を示す図
【符号の説明】
【0080】
1 デジタルフォトブース
2 ハウジング
4 椅子
6 人
8 デジタルカメラ
10 監視カメラ
12 指紋採取器
14 制御装置
16 異常判別器
18 電子透かしエンジン
20 合成部
23 仕切壁
24 記録部
26 取出口
30 個人信用蓄積媒体
40 光ファイバ通信網
51 サーバ
52 データベース
70 店舗
71 演算装置本体
72 入力装置
73 カードリーダ
74 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の顔画像データおよびその個人の信用情報が記録されている個人信用蓄積媒体から前記顔画像データを読み取り、
その個人信用蓄積媒体を提示した人間の顔画像を撮像し、
この撮像された顔画像を示す撮像データと前記読み取られた顔画像データとを比較して、それら両データが同一の顔を示していると判別されたとき、前記個人信用蓄積媒体に記録されている信用情報を読み取って、通知対象に通知することを特徴とする個人信用通知方法。
【請求項2】
個人信用蓄積媒体に記録されている個人の顔画像データおよびその個人の信用情報を、互いに対応付けて該媒体とは別の記録媒体に記憶しておき、
所定の場所に居る人間の顔画像を撮像し、
この撮像された顔画像を示す撮像データと、前記別の記録媒体に記録されている顔画像データとを比較して、撮像された顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定し、
この特定された顔画像データと対応する前記個人の信用情報を読み取って、通知対象に通知することを特徴とする個人信用通知方法。
【請求項3】
個人の顔画像データおよびその個人の信用情報が記録されている個人信用蓄積媒体から前記信用情報および顔画像データを読み取る読取手段と、
その個人信用蓄積媒体を提示した人間の顔画像を撮像する撮像手段と、
前記信用情報を通知対象に通知する通知手段と、
前記撮像された顔画像を示す撮像データと前記読み取られた顔画像データとを比較して、それら両データが同一の顔を示していると判別されたとき、前記読み取られた信用情報を前記通知手段により通知させる制御手段とからなる個人信用通知システム。
【請求項4】
個人信用蓄積媒体に記録されている個人の顔画像データおよびその個人の信用情報を互いに対応付けて記憶する、該媒体とは別の記録媒体と、
所定の場所に居る人間の顔画像を撮像する撮像手段と、
この撮像された顔画像を示す撮像データと、前記別の記録媒体に記録されている顔画像データとを比較して、撮像された顔と同一の顔を示していると考えられる顔画像データを特定する顔画像データ特定手段と、
この特定された顔画像データと対応する前記個人の信用情報を、前記別の記録媒体から読み出す手段と、
この読み出された信用情報を通知対象に通知する通知手段とからなる個人信用通知システム。
【請求項5】
前記通知手段が前記所定の場所に設置され、
前記別の記録媒体が、前記所定の場所から離れた場所に設置され、
前記撮像データが通信手段を介して前記顔画像データ特定手段に送られ、かつ前記信用情報が該通信手段を介して前記通知手段に送られることを特徴とする請求項4記載の個人信用通知システム。
【請求項6】
前記個人信用蓄積媒体に個人の信用情報を書き込む書込手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3から5いずれか1項記載の個人信用通知システム。
【請求項7】
前記個人信用蓄積媒体が、前記個人の顔画像データおよび前記信用情報を改ざん不能な状態で記録したものであることを特徴とする請求項3から6いずれか1項記載の個人信用通知システム。
【請求項8】
前記個人信用蓄積媒体がさらに、前記個人の顔画像データがその個人の真正な画像であることを示す証明情報と、有効期限を示す情報とを改ざん不能な状態で記録したものであることを特徴とする請求項3から7いずれか1項記載の個人信用通知システム。
【請求項9】
前記有効期限が、前記顔画像データを記録をした時から所定の期間であることを特徴とする請求項8記載の個人信用蓄積媒体。
【請求項10】
前記個人信用蓄積媒体がさらに、前記個人の顔以外のバイオメトリクスデータを改ざん不能な状態で記録したものであることを特徴とする請求項3から9いずれか1項記載の個人信用通知システム。
【請求項11】
前記個人信用蓄積媒体が、前記顔画像データの表す顔画像が目視可能に表面に印刷されたものであることを特徴とする請求項3から10いずれか1項記載の個人信用通知システム。
【請求項12】
前記個人信用蓄積媒体が、前記顔画像データをハッシュ値に変換して記録したものであることを特徴とする請求項3から11いずれか1項記載の個人信用通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−122441(P2007−122441A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314228(P2005−314228)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】