説明

個人用の手入れ組成物における刺激を減少させる方法

【課題】アニオン性の界面活性剤を含有している個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させる方法を提供する。
【解決手段】本発明は、刺激が減少された個人用の手入れ組成物を製造するために、界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されている材料を、アニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含む方法と、刺激が減少された毛髪または皮膚を浄化するための上記のような組成物を製造する方法である。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願に対するクロス・リファレンス〕
本特許出願は米国特許出願第10/650,226号、同10/650,495号、同10/650,573号、および同10/650,398号の部分継続出願であり、これらのそれぞれは2003年8月28日に出願されていて、現在、係属中である。また、上記の特許出願のそれぞれは参照により本明細書に組み入れられている。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、種々の個人用の手入れ組成物に付随している刺激特性を減少させるための方法、およびこれらの組成物を使用する方法に、関連している。
【0003】
〔関連技術の説明〕
カチオン性、アニオン性、両性、および非イオン性の界面活性剤等のような合成の洗浄剤が種々の洗浄用および浄化用の組成物において広く用いられている。例えば、シャンプー等、を含む、これらの組成物の多くにおいて、その組成物の中に混合されると、比較的に多い泡の量および高い泡の安定性を、その組成物に賦与するか与える界面活性剤を使用することが望ましい。また、このような泡の特性はシャンプーが毛髪を浄化する場合に伴う知覚される有効性に直接に関連していることが、一般的に認められている。すなわち、生じる泡の量が多く、その泡の安定性が高いほど、そのシャンプーの知覚される浄化作用の有効性が高まる。
【0004】
アニオン性の界面活性剤は一般に優れた浄化および発泡の特性を示し、それゆえ、多くの個人用の浄化用の組成物の中に混合されている。しかしながら、これらのアニオン性の界面活性剤は皮膚および目に対して極めて刺激性になる傾向がある。比較的に穏やかな浄化用の組成物を製造する場合に、アニオン性の界面活性剤の一部を、非イオン性および/または両性の界面活性剤等のような、別の界面活性剤に取り替えることが良く知られている。例えば、米国特許第4,726,915号を参照されたい。また、穏やかな浄化用の組成物を製造するための別の方法は、界面活性剤の複合物を得るために、アニオン性の界面活性剤を両性またはカチオン性の化合物に結合させる方法である。例えば、米国特許第4,443,362号、同第4,726,915号、同第4,186,113号、および同第4,110,263号を参照されたい。不都合にも、上記のような二通りの方法により作成された穏やかな浄化用の組成物は不十分な発泡および浄化能力を招く傾向がある。
【0005】
加えて、最近の文献の、ムーア,ピー(Moore, P.)、シローチ,エー(Shiloach, A.)、プバッダ,エス(Puvvada, S.)、ブランクシュタイン,ディー(Blankschtein, D.)による、ジャーナル・オブ・コスメティック・サイエンス(Journal of Cosmetic Science),54巻,2003年,p.143〜159(「ムーア(Moore)他」)は、表皮の皮膚の中への、洗浄用の界面活性剤である、ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate)(SDS)の浸透を減少させるために、水と比較的に低濃度の(個人用の手入れ用の浄化用組成物において一般的な量よりも相当に少ない)SDSとの溶液への、ポリエチレン・オキシド(polyethylene oxide)(PEO)の添加を記載している。ムーア(Moore)他は、界面活性剤の遊離のミセルをPEOに結合させることにより、そのPEOが、そのSDSと共に、そのSDSのミセルに比べて、さらに大きなミセルを形成し、このさらに大きなミセルは、その比較的に小さい遊離のミセルほど、容易に角質層を浸透できなくなる、と仮定している。この様式において、さらに、ムーア(Moore)他は、皮膚の中への界面活性剤の浸透が軽減されて、その減少された界面活性剤の浸透が減少された皮膚の刺激につながる可能性があること、を主張している。
【0006】
それにもかかわらず、本出願人は、ムーア(Moore)他において開示されている量よりも多い量の界面活性剤を含んでいる組成物にPEOを添加すると、PEOが界面活性剤と十分に結合せず、かなりのまたは十分な刺激の減少を生じないこと、を認識している。さらに、従来の個人用の手入れ組成物はムーア(Moore)他において開示されている量よりも多い量の界面活性剤を含む傾向があるので、本出願人は、ムーア(Moore)他の教示が個人用の手入れ組成物における刺激を軽減する別の方法に付随している不都合を著しくは解消していない、と認識している。
【0007】
上述に鑑みて、本出願人は泡の特性および/またはその他の付随の美的価値観に不都合に影響することなく、皮膚および/または目に対する刺激が減少された個人用の手入れ組成物を製造する方法に対する必要性を認識している。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明は種々の個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させる方法を提供しており、これらの方法は従来技術の不都合を解消している。特に、本発明の特定の好ましい実施形態によれば、本出願人は、皮膚および/または目に対して比較的に少ない刺激を示し、さらに/または、比較的に高い発泡/発泡の安定性の特性を示す個人用の手入れ組成物を製造するために、界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されている材料をアニオン性の界面活性剤と共に混合することができること、を好都合にも発見している。
【0009】
本発明の一例の態様は、アニオン性の界面活性剤を含有している個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させる方法、を提供しており、この方法は、刺激が減少された個人用の手入れ組成物の全体の重量に基づいて、約3.5〜7.5重量%未満のアニオン性の界面活性剤を含有している刺激が減少された個人用の手入れ組成物を製造するために、界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されている材料をアニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含んでいる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、本発明に従って製造される組成物が提供されている。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、アニオン性の界面活性剤および界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されている材料を含有している刺激が減少された組成物に対して哺乳類動物の皮膚または毛髪を接触させる工程を含んでいる、皮膚または毛髪に対する刺激が減少された、その皮膚または毛髪を浄化する方法が提供されている。
【0012】
〔好ましい実施形態の説明〕
本明細書において記載されている全てのパーセント(%)は、別に示されていない限り、組成物の全体の重量に基づく重量/重量のパーセント(%)である。
【0013】
刺激の減少に関して、本出願人は、特定の組成物に付随する「TEP値」(この値は、参照により本明細書に組み入れられている、インビトックス・プロトコル・ナンバー86(Invittox Protocol Number 86)(1994年、5月)において記載されていて、以下の実施例においてさらに詳細に説明されているような、経上皮浸透性試験(「TEP試験」)により従来から測定されている)が、その組成物に付随する皮膚および/または目に対する刺激に対して直接の関連性を有すること、を認識している。さらに具体的に言えば、比較的に低いTEP値を有する組成物であって、皮膚および/または目に対して比較的に多い量の刺激を生じる傾向がある組成物に比べて、組成物のTEP値が高いほど、組成物に付随する皮膚および目に対して比較的に少ない刺激を示す傾向がある。また、本出願人は、本発明の方法が、組成物に付随する予想外に高いTEP値/比較的に低い刺激を有する個人用の手入れ組成物、を製造するために適していること、を認識している。例えば、特定の実施形態において、本発明の方法は、少なくとも約1.5またはそれ以上のTEP値を有する組成物、を製造する。特定のさらに好ましい実施形態において、本発明により製造される組成物は、少なくとも約2またはそれ以上、好ましくは少なくとも約2.5またはそれ以上、さらに好ましくは少なくとも約3またはそれ以上、さらに好ましくは少なくとも約3.5またはそれ以上、のTEP値を示す。さらに、特定の特に好ましい実施形態において、上記の化合物は、少なくとも約4.0またはそれ以上、さらに好ましくは少なくとも4.5またはそれ以上、のTEP値を示す。
【0014】
さらに、本発明の方法により製造される、アニオン性の界面活性剤および疎水性に変性されている材料を含有している組成物が、その疎水性に変性されている材料を含まない同種の組成物に比べて、刺激が減少されたことを示す時を決定して、その程度を表わすために、本出願人は、(a)(i)アニオン性の界面活性剤および疎水性に変性されている材料を含有している本発明の組成物、および(ii)その組成物に対して同種の組成物、のTEP値を測定して、(b)その同種の組成物のTEP値を、アニオン性の界面活性剤/疎水性に変性されている材料、の組成物におけるTEP値から差し引くことにより、得られた値として、本発明の組成物における用語の「デルタTEP」、を本明細書において定めている。本明細書においては、アニオン性の界面活性剤および疎水性に変性されている材料を含有している特定の組成物の「同種の組成物」は、そのアニオン性の界面活性剤/疎水性に変性されている材料の組成物と、同一の相対的な重量%で、同一の成分により構成されている組成物であるが、相違点として、そのアニオン性の界面活性剤/疎水性に変性されている材料の組成物における、疎水性に変性されているポリマーが、その同種の組成物においては、同一の相対的な重量%の水により、置き換えられている組成物、を意味している。例えば、7%のアニオン性の界面活性剤と、15%の両性の界面活性剤と、5%の疎水性に変性されているポリマーと、5%のグリセリンと、68%の水(この場合に、全ての%の値は組成物の全体の重量に基づく重量%である)と、により構成されているアニオン性の界面活性剤/疎水性に変性されている材料、の組成物、に対応する同種の組成物は、7%のアニオン性の界面活性剤と、15%の両性の界面活性剤と、5%のグリセリンと、73%の水と、により構成されている組成物である。加えて、以下において説明されているように、実施例10の組成物は実施例11〜15において形成されているアニオン性の界面活性剤/疎水性に変性されているポリマー、の組成物、に対応する同種の組成物である。
【0015】
上述に鑑みて、本明細書においては、用語の「刺激が減少された組成物」はアニオン性の界面活性剤および界面活性剤を結合させることのできる1種類以上の疎水性に変性されている材料を含有している組成物を一般に意味しており、この組成物は、参照により本明細書に組み入れられている、インビトックス・プロトコル(Invittox Protocol)により測定した場合に、正のデルタTEP値(すなわち、この組成物はその同種の組成物よりも高いTEP値を有している)を有している。本発明の特定の好ましい刺激が減少された組成物は少なくとも約+0.5のデルタTEP値を有する組成物を含む。また、特定のさらに好ましい刺激が減少された組成物は、少なくとも約+0.75、さらに好ましくは少なくとも約+1、のデルタTEP値を有する組成物を含む。さらに、特定の特に好ましい刺激が減少された組成物は、少なくとも約+1.2、さらに好ましくは少なくとも約+1.5、さらに好ましくは少なくとも約+1.8、のデルタTEP値を有する組成物を含む。
【0016】
本明細書においては、用語の「疎水性に変性されている材料」はその材料に結合しているかその材料の中に組み込まれている1種類以上の疎水性の部分を有する任意の材料を一般に意味している。特定の種類の好ましい疎水性に変性されている材料の例は疎水性に変性されているポリマーを含む。これらのポリマーは、例えば、1種類以上の疎水性のモノマー、および、随意的に、1種類以上のコモノマーを重合させて、その中に組み込まれている疎水性の部分を有するポリマーを形成するか、さらに/または、ポリマー材料を、疎水性の部分を含む化合物と共に反応させて、その化合物をそのポリマーに結合させることにより、形成できる。特定の疎水性に変性されているポリマーおよびこれらのポリマーを作成する方法は、マーチャント(Marchant)他に発行されていて、参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第6,433,061号において記載されている。
【0017】
界面活性剤を結合させることのできる多様な疎水性に変性されている材料の任意のものが本発明における使用に適している。本出願人は何らかの特定の作用の理論に拘束されることを望まないが、本発明の方法における使用に適している疎水性に変性されている材料は、皮膚および/または目を刺激するために組成物において有効である刺激を生じる遊離のミセルの濃度を減少させるために、少なくとも部分的に、その材料に界面活性剤(遊離の(結合されていない)界面活性剤の分子および/または、特に、界面活性剤の遊離の(結合されていない)ミセル)を結合させることにより、個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させるために作用すると考えられる。すなわち、本出願人は、特定の組成物の中に含まれている界面活性剤の遊離のミセルの相対的な量がその組成物に付随する皮膚および/または目に対する相対的な刺激に影響し、この場合に、その遊離のミセルの量が多いほど、刺激の量が多くなる傾向があり、その遊離のミセルの量が少ないほど、刺激の量が少なくなる傾向がある。従って、界面活性剤および/または界面活性剤のミセルを疎水性に変性されている材料に結合させることにより、その疎水性に変性されている材料は組成物の中の結合されていない界面活性剤のミセルの濃度を減少させると共に、遊離のミセルが形成される前および/または特定の量の刺激が達成される前に、比較的に高い濃度の界面活性剤をその組成物に添加することを可能にしている。このような遊離のミセルの形成の前において必要とされる界面活性剤の濃度の望ましい変化が図1においてさらに示されている。
【0018】
図1は2種類の組成物、すなわち、本発明の疎水性に変性されている材料を含有する組成物と、疎水性に変性されている材料を含まない同種の組成物と、へのアニオン性の界面活性剤の添加に関連している理想化した表面張力のデータ曲線のグラフ10である。曲線11は、アニオン性の界面活性剤の量が添加されて、増加するにつれての、疎水性に変性されている材料を含まない組成物の、従来の張力測定技法(この例は以下において説明されている)により測定されている、表面張力における変化を示している。また、曲線15は、アニオン性の界面活性剤の量が添加されて、増加するにつれての、疎水性に変性されている材料を含有している組成物の表面張力における変化を示している。曲線11において、界面活性剤が溶液に添加されると、その界面活性剤はその液体と空気との界面に集まる傾向があり、これにより、実質的にその全体の表面積が充たされるまで、その溶液の表面張力を低下させる。この時点、すなわち、以下における界面活性剤の「臨界ミセル濃度(CMC)」の時点12、を過ぎると、その組成物に加えられた実質的に全ての界面活性剤は溶液中に遊離のミセルを形成し、このミセルの形成はその溶液の表面張力にそれほどの影響を及ぼさないが、その組成物に付随する刺激を増加する傾向がある。また、比較により、曲線15において示されているように、アニオン性の界面活性剤を、疎水性に変性されている材料を含有している溶液に添加した場合に、この界面活性剤はそれ自体がその液体と空気との界面に整列すると共に、上記のCMCの時点16に到るまで、疎水性に変性されている材料に結合して、曲線11に比べると、CMCはかなり高い界面活性剤の濃度までずらされており、この時点において、添加された界面活性剤は遊離のミセルを形成する傾向を有する。
【0019】
上述に鑑みて、本出願人は、界面活性剤を結合させることのできる特定の疎水性に変性されている材料の効力の一つの尺度を、刺激が減少された組成物を形成するために、アニオン性の界面活性剤と共に、疎水性に変性されている材料を混合することにより達成される「デルタCMC」として表わせることができること、を認識している。この「デルタCMC」は、本明細書においては、(a)(i)アニオン性の界面活性剤および疎水性に変性されている材料を含む本発明の特定の組成物、および(ii)(i)における組成物の同種の組成物、についてのCMC値を決定することであって、このCMCの値が以下の実施例において定められている逆滴定張力測定試験を用いて決定され、(b)組成物(ii)について得られたCMC値を組成物(i)について得られた値から差し引くことにより、得られる数値として定められている。特定の実施形態において、上記の結果として得られる刺激が減少された組成物に付随するデルタCMCが正の値になるように、本発明における使用のための疎水性に変性されている材料を選択することが好ましい。特定の、さらに好ましい実施形態において、上記の疎水性に変性されている材料は、約+16またはそれ以上、好ましくは約+80またはそれ以上、さらに好ましくは約+300またはそれ以上、のデルタCMCを有する刺激が減少された組成物を達成するために選択されている。
【0020】
界面活性剤を結合させることができて、本発明の方法における使用に適している疎水性に変性されている材料の例は、例えば、疎水性に変性されているアクリル・ポリマー等の、疎水性に変性されているポリマー、ならびに、疎水性に変性されているセルロース、疎水性に変性されているデンプン、またはこれらの2種類以上の組み合わせ物等を含む。
【0021】
本発明における使用に適している疎水性に変性されているアクリル・ポリマーは、ランダム、ブロック、星形、グラフト、のコポリマー等、の形態にできる。特定の実施形態において、上記の疎水性に変性されているアクリル・ポリマーは架橋されているアニオン性のアクリル・コポリマーである。このようなコポリマーは、少なくとも1種類の酸性のモノマーおよび少なくとも1種類の疎水性のエチレンの形態で不飽和なモノマーにより、合成できる。さらに、適当な酸性のモノマーの例は所与の塩基により中和できるエチレンの形態で不飽和な酸性のモノマーを含む。また、適当な疎水性のエチレンの形態で不飽和なモノマーの例は、少なくとも3個の炭素原子の炭素鎖の長さを有する疎水性の分子鎖を含むもの、を含む。
【0022】
また、別の実施形態において、上記の疎水性に変性されていて、架橋されている、アニオン性のアクリル・コポリマーは、少なくとも1種類の不飽和なカルボン酸のモノマー、少なくとも1種類の疎水性のモノマー、アルキル・メルカプタン、チオエステル、アミノ酸−メルカプタン含有の化合物またはペプチド・フラグメント、またはこれらの組み合わせ物、を含む疎水性の連鎖移動剤、架橋剤、および、随意的に、立体安定化剤、から誘導される組成物を含み、この場合に、上記の不飽和なカルボン酸のモノマーの量は、参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第6,433,061号において記載されているように、上記の不飽和なモノマーおよび上記の疎水性のモノマーの全体の重量に基づいて、約60〜約98重量%である。一例の実施形態において、上記のポリマーは、商品名を「カルボポル・アクア・SF−1(Carbopol Aqua SF-1)」として、ノベオン・インコーポレィテッド(Noveon, Inc.)から市場において入手可能であるアクリレート・コポリマーである。
【0023】
多様な疎水性に変性されているセルロースまたはデンプンの任意のものが本発明における使用に適している。適当な疎水性に変性されているセルロースの例は、疎水性に変性されているヒドロキシエチル・セルロース(hydroxyethyl cellulose)(例えば、「ナトロゾル・プラス(Natrosol Plus)」として、ヘルクレス・インコーポレィテッド(Hercules Inc.)(ウィルミントン、デラウェア州)から、市場において入手可能)等、を含む。また、適当な疎水性に変性されているデンプンの例は、疎水性に変性されているヒドロキシプロピル・スターチ・ホスフェート(hydroxypropyl starch phosphate)(例えば、「ストラクチュア・XL(Structure XL)」として、ナショナル・スターチ(National Starch)(ブリッジウォーター、ニュージャージー州)から、市場において入手可能)等、を含む。
【0024】
本発明の特定の好ましい実施形態において、上記の疎水性に変性されている材料は、疎水性に変性されているアクリル・ポリマーと、さらに好ましくは、疎水性に変性されていて、架橋されている、アニオン性のアクリル・コポリマーと、を含有している。
【0025】
本発明の方法の好ましい実施形態による刺激が減少された組成物を形成するために、多様なアニオン性の界面活性剤の任意のものが疎水性に変性されている材料と共に混合することができる。特定の実施形態によれば、適当なアニオン性の界面活性剤は、以下の種類の界面活性剤、すなわち、アルキル硫酸塩(alkyl sulfates)、アルキル・エーテル硫酸塩(alkyl ether sulfates)、アルキル・モノグリセリル・エーテル硫酸塩(alkyl monoglyceryl ether sulfates)、アルキル・スルホン酸塩(alkyl sulfonate)、アルキルアリール・スルホン酸塩(alkylaryl sulfonates)、アルキル・スルホコハク酸塩(alkyl sulfosuccinates)、アルキル・エーテル・スルホコハク酸塩(alkyl ether sulfosuccinates)、アルキル・スルホスクシナメート(alkyl sulfosuccinamates)、アルキル・アミドスルホコハク酸塩(alkyl amidosulfosuccinates)、アルキル・カルボン酸塩(alkyl carboxylates)、アルキル・アミドエーテルカルボン酸塩(alkyl amidoethercarboxylate)、アルキル・コハク酸塩(alkyl succinates)、脂肪族アシル・サルコシネート(fatty acyl sarcosinates)、脂肪族アシル・アミノ酸(fatty acyl amino acids)、脂肪族アシル・タウレート(fatty acyl taurates)、脂肪族アルキル・スルホ酢酸塩(fatty alkyl sulfoacetates)、アルキル・リン酸塩(alkyl phosphates)、およびこれらの2種類以上の混合物から選択される界面活性剤を含む。さらに、特定の好ましいアニオン性の界面活性剤の例は、
以下の化学式のアルキル硫酸塩
R’−CH2 OSO3 X’
以下の化学式のアルキル・エーテル・硫酸塩
R’(OCH2 CH2v OSO3 X’
以下の化学式のアルキル・モノグリセリル・エーテル硫酸塩、
【化1】

以下の化学式のアルキル・モノグリセリド硫酸塩、
【化2】

以下の化学式のアルキル・モノグリセリド・スルホン酸塩、
【化3】

以下の化学式のアルキル・スルホン酸塩
R’−SO3 X’
以下の化学式のアルキルアリール・スルホン酸塩、
【化4】

以下の化学式のアルキル・スルホコハク酸塩、
【化5】

以下の化学式のアルキル・エーテル・スルホコハク酸塩、
【化6】

以下の化学式のアルキル・スルホスクシナメート、
【化7】

以下の化学式のアルキル・アミドスルホコハク酸塩、
【化8】

以下の化学式のアルキル・カルボン酸塩
R’−(OCH2 CH2w −OCH2 CO2 X’
以下の化学式のアルキル・アミドエーテルカルボン酸塩、
【化9】

以下の化学式のアルキル・コハク酸塩、
【化10】

以下の化学式の脂肪族アシル・サルコシネート、
【化11】

以下の化学式の脂肪族アシル・アミノ酸、
【化12】

以下の化学式の脂肪族アシル・タウレート、
【化13】

以下の化学式の脂肪族アルキル・スルホ酢酸塩、
【化14】

以下の化学式のアルキル・リン酸塩、から選択されるものを含み、
【化15】

上記の場合に、
R’は約7個〜約22個、好ましくは約7個〜約16個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R’1 は約1個〜約18個、好ましくは約8個〜約14個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R’2 は天然または合成のl−アミノ酸の置換基であり、
X’はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウム・イオン、および約1個〜約3個の置換基により置換されているアンモニウム・イオンから成る群から選択され、上記の置換基のそれぞれは同一であっても異なっていてもよく、1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基および約2個〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基から成る群から選択され、さらに
vは1〜6の整数、
wは0〜20の整数であり、
さらに上記化合物の混合物を含む。
【0026】
特定の実施形態によれば、本発明のアニオン性の界面活性剤は、好ましくは、1種類以上のアルキル・エーテル硫酸塩(alkyl ether sulfates)、またはこれらの混合物を含んでいる。特定のさらに好ましい実施形態において、本発明のアニオン性の界面活性剤はトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)を含む。このトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)は以下の化学式、すなわち、C1327(OCH2 CH2n OSO3 Naに一般に従う硫酸塩化したエトキシル化トリデシル・アルコール(sulfated ethoxylated tridecyl alcohol)のナトリウム塩であり、この場合に、nは1〜4の値であり、商品名を「セダパルTD−403M(Cedapal TD-403M)」としてイリノイ州、ノースフィールドのステパン・カンパニー(Stepan Company)から市場において入手可能である。さらに、本出願人は、トリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)が、本発明による、付随の刺激がかなり減少された組成物を得るために、特に好都合に使用できること、を認識している。
【0027】
刺激が減少された組成物を製造するために適している、任意の量の疎水性に変性されている材料およびアニオン性の界面活性剤を、本発明の方法に従って混合することができる。特定の実施形態によれば、組成物中における、0〜約8重量%の、活性な疎水性に変性されている材料を含有している刺激が減少された組成物を製造するために、十分な疎水性に変性されている材料が用いられている。好ましくは、組成物中に、約0.01〜約5重量%、さらに好ましくは約0.01〜約4重量%、さらに好ましくは約0.1〜約4重量%、さらに好ましくは約0.1〜約3重量%の活性な疎水性に変性されている材料を含有している刺激が減少された組成物を製造するために、十分な疎水性に変性されている材料が用いられている。本発明において用いられているアニオン性の界面活性剤の量は、好ましくは、組成物中に、約0.1〜約12.5重量%、さらに好ましくは約0.5〜約8.5重量%、さらに好ましくは約1〜約8重量%の、全体の活性なアニオン性の界面活性剤、を含有している刺激が減少された組成物を製造するために十分な量である。特定の別の好ましい実施形態において、上記の活性なアニオン性の界面活性剤の量は、組成物中に、約3.5〜約7.3重量%、さらに好ましくは3.5〜7.3重量%、さらに好ましくは3.5〜7重量%、さらに好ましくは4〜7重量%の、全体の活性なアニオン性の界面活性剤、を含有している刺激が減少された組成物を製造するために十分な量である。
【0028】
上記の疎水性に変性されている材料およびアニオン性の界面活性剤は、2種類以上の流体を混合する任意の従来の方法により、本発明に従って混合することができる。例えば、少なくとも1種類の疎水性に変性されている材料を含むか、これにより実質的に構成されているか、これのみにより構成されている、1種類以上の組成物と、少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤を含むか、これにより実質的に構成されているか、これのみにより構成されている、1種類以上の組成物とを、注ぎ入れ、混合、添加用の滴下、ピペット処理、ポンプ輸送等により、これらの疎水性に変性されている材料またはアニオン性の界面活性剤を含有している組成物の一方を、その他方の中にまたはこれと共に、機械攪拌型のプロペラ、パドル等のような、任意の従来の装置を用いて、任意の順序で、混合することができる。特定の実施形態によれば、この混合工程はアニオン性の界面活性剤を含有している組成物を疎水性に変性されている材料を含有している組成物の中にまたはこれと共に混合する処理を含む。特定の別の実施形態によれば、上記の混合工程は疎水性に変性されている材料を含有している組成物をアニオン性の界面活性剤を含有している組成物の中にまたはこれと共に混合する処理を含んでいる。
【0029】
上記の製造された、刺激が減少された組成物、ならびに本発明の方法による上記の混合工程において混合される疎水性に変性されている材料またはアニオン性の界面活性剤を含有している組成物の任意のものを、1種類以上の、非イオン性、両性、および/またはカチオン性の界面活性剤、真珠光沢剤または不透明化剤、増粘剤、二次的なコンディショナー、保湿剤、キレート化剤、および着色剤、芳香剤、防腐剤、pH調節剤等のような、組成物の外観、感触および芳香を高める添加物、を非限定的に含む多様な別の成分の任意のものと、さらに混合できる。
【0030】
多様な非イオン性の界面活性剤の任意のものが本発明における使用のために適している。適当な非イオン性の界面活性剤の例は、脂肪族アルコール酸またはアミド・エトキシレート(amide ethoxylates)、モノグリセリド・エトキシレート(monoglyceride ethoxylates)、ソルビタン・エステル・エトキシレート(sorbitan ester ethoxylates)、アルキル・ポリグリコシド(alkyl polyglycosides)、これらの混合物等、を含むが、これらに限定されない。特定の好ましい非イオン性の界面活性剤はポリオール・エステル(polyol esters)のポリオキシエチレン(polyoxyethylene)誘導体を含み、この場合に、このポリオール・エステル(polyol ester)のポリオキシエチレン(polyoxyethylene)誘導体は(1)(a)約8個〜約22個、好ましくは約10個〜約14個の炭素原子を含んでいる脂肪酸と、(b)ソルビトール(sorbitol)、ソルビタン(sorbitan)、グルコース(glucose)、α−メチル・グルコシド(α-methyl glucoside)、1分子当たりに平均で、約1個〜約3個のグルコース(glucose)残基を有するポリグルコース(polyglucose)、グリセリン、ペンタエリスリトール(pentaerythritol)およびこれらの混合物、から選択されるポリオールと、から誘導されていて、(2)平均で、約10個〜約120個、好ましくは約20個〜約80個のオキシエチレン(oxyethylene)単位を含んでおり、(3)このポリオール・エステル(polyol ester)のポリオキシエチレン(polyoxyethylene)誘導体の1モル当たりに平均で、約1個〜約3個の脂肪酸残基を有している。このような好ましいポリオール・エステル(polyol esters)のポリオキシエチレン(polyoxyethylene)誘導体の例は、PEG−80ソルビタン・ラウレート(PEG-80 sorbitan laurate)およびポリソルベート20(Polysorbate 20)を含むが、これらに限定されない。平均で、約80モルのエチレン・オキシド(ethylene oxide)によりエトキシル化されているラウリン酸(lauric acid)のソルビタン・モノエステル(sorbitan monoester)である、PEG−80ソルビタン・ラウレート(PEG-80 sorbitan laurate)は、商品名を「アトラスG−4280(Atlas G-4280)」として、デラウェア州、ウィルミントンのICI・サーファクタンツ(ICI Surfactants)から市場において入手可能である。また、ソルビトール(sorbitol)とおよそ20モルのエチレン・オキシド(ethylene oxide)により縮合されているソルビトール酸無水物(sorbitol anhydrides)との混合物のラウレート・モノエステル(laurate monoester)である、ポリソルベート20(Polysorbate 20)は、商品名を「トゥイーン20(Tween 20)」として、デラウェア州、ウィルミントンのICI・サーファクタンツ(ICI Surfactants)から市場において入手可能である。
【0031】
別の種類の適当な非イオン性の界面活性剤は長鎖のアルキル・グルコシド(alkyl glucosides)またはポリグルコシド(polyglucosides)を含み、これらは(a)約6個〜約22個、好ましくは約8個〜約14個の炭素原子を含んでいる長鎖のアルコールと、(b)グルコース(glucose)またはグルコース(glucose)含有のポリマーと、の縮合生成物である。好ましいアルキル・グルコシド(alkyl glucosides)は1分子のアルキル・グルコシド(alkyl glucoside)当たりに約1個〜約6個のグルコース(glucose)残基を含んでいる。さらに、好ましいグルコシド(glucoside)はデシル・グルコシド(decyl glucoside)であり、このデシル・グルコシド(decyl glucoside)はデシル・アルコール(decyl alcohol)と、グルコース・ポリマー(glucose polymer)と、の縮合生成物であり、商品名を「プランタレン2000(Plantaren 2000)」として、ニュージャージー州、ホボケンのヘンケル・コーポレイション(Henkel Corporation)から市場において入手可能である。
【0032】
本明細書においては、用語の「両性の」は(1)例えば、アミノ基(塩基性)および酸の(例えば、カルボン酸、酸性)の官能基の両方を含むアミノ酸等のような酸性および塩基性の両方の部位を含む分子、または(2)同一の分子内に正および負の両方の電荷を有する両性イオン分子を意味する。この後者の電荷はその組成物のpH値に依存していてもよく、依存していなくてもよい。このような両性イオン物質の例はアルキル・ベタイン(alkyl betaine)およびアミドアルキル・ベタイン(amidoalkyl betaine)を含むが、これらに限定されない。なお、これらの両性の界面活性剤は対立イオンを伴わずに本明細書において開示されている。また、熟練者であれば、本発明の組成物のpH条件下において、上記の両性界面活性剤が正および負の電荷の釣り合いを有することにより電気的に中性になるか、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウム、の対立イオン等のような、対立イオンを有することが容易に認識できる。
【0033】
本発明における使用に適している両性界面活性剤の例は、アルキル両性酢酸塩(alkylamphoacetates)(モノまたはジ)等のような両性カルボン酸塩(amphocarboxylates)、アルキル・ベタイン(alkyl betaines)、アミドアルキル・ベタイン(amidoalkyl betaines)、アミドアルキル・サルテイン(amidoalkyl sultaines)、両性リン酸塩(amphophosphates)、ホスホベタイン(phosphobetaines)およびピロホスホベタイン(pyrophosphobetaines)等のようなホスホリル化イミダゾリン(phosphorylated imidazolines)、カルボキシアルキル・アルキル・ポリアミン(carboxyalkyl alkyl polyamines)、アルキルイミノ−ジプロピオネート(alkylimino-dipropionates)、アルキルアムホグリシネート(alkylamphoglycinates)(モノまたはジ)、アルキルアムホプロプリオネート(alkylamphoproprionates)(モノまたはジ)、N−アルキル・β−アミノプロプリオン酸(N-alkyl β-aminoproprionic acid)、アルキルポリアミノ・カルボン酸塩(alkylpolyamino carboxylates)、およびこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
【0034】
適当な両性カルボン酸塩化合物の例は以下の化学式の化合物を含む。
A−CONH(CH2x+567
この場合に、
Aは約7個〜約21個、例えば、約10個〜約16個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルの基であり、
xは約2〜約6の整数であり、
5 は水素または約2個〜約3個の炭素原子を含むカルボキシアルキル基であり、
6 は約2個〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基または以下の化学式の基であり、
8 −O−(CH2n CO2 -
この場合に、
8 は約2個〜約3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、nは1または2であり、さらに
7 は約2個〜約3個の炭素原子を含むカルボキシアルキル基である。
【0035】
適当なアルキル・ベタインの例は以下の化学式の化合物を含む。
B−N+910(CH2P CO2 -
この場合に、
Bは約8個〜22個、例えば、約8個〜約16個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルの基であり、
9 およびR10はそれぞれ独立して約1個〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルの基であり、さらに
pは1または2である。
【0036】
本発明における使用において好ましいベタインはラウリル・ベタイン(lauryl betaine)であり、「エンピゲンBB/J(Empigen BB/J)」として英国、ウエスト・ミッドランズのオルブライト・アンド・ウィルソン・リミテッド(Albright & Wilson, Ltd.)から市場において入手可能である。
【0037】
適当なアミドアルキル・ベタインの例は以下の化学式の化合物を含む。
D−CO−NH(CH2q −N+1112(CH2m CO2 -
この場合に、
Dは約7個〜約21個、例えば、約7個〜約15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルの基であり、
11およびR12はそれぞれ独立して約1個〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルの基であり、
qは約2〜約6の整数であり、mは1または2である。
【0038】
一例のアミドアルキル・ベタイン(amidoalkyl betaine)はコカミドプロピル・ベタイン(cocamidopropyl betaine)であり、商品名を「テゴベタインL7(Tegobetaine L7)」としてバージニア州、ホープウェルのゴールドシュミット・ケミカル・コーポレイション(Goldschmidt Chemical Corporation)から市場において入手可能である。
【0039】
適当なアミドアルキル・サルテインの例は以下の化学式の化合物を含む。
【化16】

この場合に、
Eは約7個〜約21個、例えば、約7個〜約15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルの基であり、
14およびR15はそれぞれ独立して約1個〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルの基であり、
rは約2〜約6の整数であり、
13は約2個〜約3個の炭素原子を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレンの基である。
【0040】
一例の実施形態において、上記のアミドアルキル・サルテイン(amidoalkyl sultaine)は商品名を「ミラテインCBS(Mirataine CBS)」としてニュージャージー州、クランベリーのホーン−ポウレン・インコーポレイテッド(Phone-Poulenc, Inc.)から市場において入手可能なコカミドプロピル・ヒドロキシサルテイン(cocamidopropyl hydroxysultaine)である。
【0041】
適当な両性リン酸塩化合物の例は以下の化学式の化合物を含む。
【化17】

この場合に、
Gは約7個〜約21個、例えば、約7個〜約15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルの基であり、
sは約2〜約6の整数であり、
16は水素または約2個〜約3個の炭素原子を含むカルボキシアルキル基であり、
17は約2個〜約3個の炭素原子または以下の化学式の基を含むヒドロキシアルキル基であり、
19−O−(CH2t −CO2 -
この場合に、
19は約2個〜約3個の炭素原子を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレンの基であり、
tは1または2であり、さらに
18は約2個〜約3個の炭素原子を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレンの基である。
【0042】
一例の実施形態において、上記の両性リン酸塩化合物(amphophosphate)は商品名を「モナテリック1023(Monateric 1023)」としてニュージャージー州、パターソンのモナ・インダストリーズ(Mona Industries)から市場において入手可能であり、参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第4,380,637号において開示されているソジウム・ラウロアムホ・PG−アセテート・ホスフェート(sodium lauroampho PG-acetate phosphate)である。
【0043】
適当なホスホベタイン(phosphobetaines)の例は以下の化学式の化合物を含む。
【化18】

この場合に、E,r,R1 ,R2 およびR3 は上記に定められているものと同じである。一例の実施形態において、上記のホスホベタイン(phosphobetaine)化合物は米国特許第4,215,064号、同第4,617,414号、および同第4,233,192号において開示されている化合物であり、これらの特許文献は全て参照により本明細書に組み入れられている。
【0044】
適当なピロホスホベタイン(pyrophosphobetaines)の例は以下の化学式の化合物を含む。
【化19】

この場合に、E,r,R1 ,R2 およびR3 は上記に定められているものと同じである。一例の実施形態において、上記のピロホスホベタイン(pyrophosphobetaine)化合物は米国特許第4,382,036号、同第4,372,869号、および同第4,617,414号において開示されている化合物であり、これらの特許文献は参照により本明細書に組み入れられている。
【0045】
適当なカルボキシアルキル・アルキルポリアミン(carboxyalkyl alkylpolyamine)の例は以下の化学式の化合物を含む。
【化20】

この場合に、
Iは約8個〜約22個、例えば、約8個〜約16個の炭素原子を含むアルキルまたはアルケニルの基であり、
22は約2個〜約3個の炭素原子を有するカルボキシアルキル基であり、
21は約2個〜約3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
uは約1〜約4の整数である。
【0046】
本発明における使用に適している種類のカチオン性の界面活性剤はアルキル第四級アンモニウム塩(alkyl quaternaries)(モノ、ジ、トリ)、ベンジル第四級アンモニウム塩(benzyl quaternaries)、エステル第四級アンモニウム塩(ester quaternaries)、エトキシル化第四級アンモニウム塩(ethoxylated quaternaries)、アルキル・アミン(alkyl amines)、およびこれらの混合物を含み、この場合に、上記のアルキル基は約6個の炭素原子〜約30個の炭素原子を有しているが、約8個〜約22個の炭素原子が好ましい。
【0047】
シリコーン等のような非水溶性の種々の添加物を懸濁することが可能であり、さらに/または、結果として得られる製品がコンディショニング用のシャンプーであることを消費者に示しやすい、多様な、市場において入手可能な真珠光沢剤または不透明化剤の任意のものが本発明における使用に適している。このような真珠光沢剤または不透明化剤は、上記組成物の全体の重量に基づいて、約1%〜約10%、例えば、約1.5%〜約7%または約2%〜約5%の量で存在できる。これらの真珠光沢剤または不透明化剤の適当な例は(a)約16個〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸および(b)エチレンまたはプロピレン・グリコールのいずれかのモノ−またはジ−エステル、(a)約16個〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸および(b)化学式:HO−(JO)a −H(この場合に、Jは約2個〜約3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、aは2または3である)のポリアルキレン・グリコール(polyalkylene glycol)のモノーまたはジ−エステル、約16個〜約22個の炭素原子を含む種々の脂肪族アルコール、化学式:KCOOCH2 L(この場合に、KおよびLはそれぞれ独立して約15個〜約21個の炭素原子を含む)の種々の脂肪族エステル、上記シャンプー組成物中において不溶な種々の無機質の固形物、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0048】
上記の真珠光沢剤または不透明化剤は、商品名を「ユーペルランPK−3000(Euperlan PK-3000)」として、ニュージャージー州、ホボケンのヘンケル・コーポレイション(Henkel Corporation)から市場において入手可能な材料等のような、予備形成されている、安定化した水性分散液として、上記の穏やかな浄化用組成物に導入できる。この材料はグリコール・ジステアレート(glycol distearate)(エチレン・グリコール(ethylene glycol)およびステアリン酸(stearic acid)のジエステル)、ラウレス−4(CH3 (CH210CH2 (OCH2 CH24 OH)およびコカミドプロピル・ベタイン(cocamidopropyl betaine)の組み合わせ物であり、それぞれ、約25〜約30:約3〜約15:約20〜約25の重量%の比率にすることができる。
【0049】
上記の個人用の浄化用組成物に対して適当な粘度を賦与することのできる、多様な、市場において入手可能な、増粘剤の任意のものが本発明における使用に適している。使用する場合に、この増粘剤はシャンプー組成物において約500〜約10,000センチポアズの値にその組成物のブルックフィールド(Brookfield)粘度を上げるために十分な量で存在している必要がある。適当な増粘剤の例は(1)化学式HO−(CH2 CH2 O)z H(この場合に、zは約3〜約200の整数である)のポリエチレン・グリコール、および(2)約16個〜約22個の炭素原子を含む脂肪酸のモノ−またはジ−エステル、エトキシル化ポリオール(ethoxylated polyols)の脂肪酸エステル、脂肪酸およびグリセリンのモノ−およびジ−エステルのエトキシル化誘導体、ヒドロキシアルキル・セルロース(hydroxyalkyl cellulose)、アルキル・セルロース(alkyl cellulose)、ヒドロキシアルキル・アルキル・セルロース(hydroxyalkyl alkyl cellulose)、およびこれらの混合物を非限定的に含む。なお、好ましい増粘剤はポリエチレン・グリコール・エステル(polyethylene glycol ester)、さらに好ましくはPEG−150・ジステアレート(PEG-150 distearate)を含み、このPEG−150・ジステアレート(PEG-150 distearate)は商品名を「PEG6000DS(PEG 6000 DS)」としてイリノイ州、ノースフィールドのステパン・カンパニー(Stepan Company)またはイタリア国、ボログナのコミエル・エス・ピー・エー(Comiel, S.p.A.)から入手可能である。
【0050】
毛髪に光沢等のようなさらに付加的な特性を賦与する揮発性のシリコーン等のような、多様な、市場において入手可能な二次的なコンディショナーの任意のものが本発明における使用に適している。一例の実施形態において、上記の揮発性のシリコーン・コンディショニング剤は約220℃よりも低い大気圧における沸点を有している。このような揮発性のシリコーン・コンディショニング剤は、その組成物の全体の重量に基づいて、約0%〜約3%、例えば、約0.25%〜約2.5%または約0.5%〜約1.0%の量で存在できる。適当な揮発性のシリコーンの例はポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane)、ポリジメチルシクロシロキサン(polydimethylcyclosiloxane)、ヘキサメチルジシロキサン(hexamethyldisiloxane)、商品名を「DC−345」として、ミシガン州、ミッドランドのダウ・コーニング・コーポレイション(Dow Corning Corporation)」から市場において入手可能なポリジメチルシクロシロキサン(polydimethylcyclosiloxane)等のようなシクロメチコーン(cyclomethicone)流体、およびこれらの混合物を非限定的に含み、好ましくはシクロメチコーン(cyclomethicone)流体を含む。
【0051】
上記の個人用の浄化用組成物に対して種々の湿潤化およびコンディショニングの特性を賦与できる、多様な、市場において入手可能な保湿剤の任意のものが本発明における使用に適している。このような保湿剤は、上記組成物の全体の重量に基づいて、約0%〜約10%、例えば、約0.5%〜約5%または約0.5%〜約3%の量で存在できる。適当な保湿剤の例は(1)グリセリン、プロピレン・グリコール(propylene glycol)、ヘキシレン・グリコール(hexylene glycol)、ブチレン・グリコール(butylene glycol)、ジプロピレン・グリコール(dipropylene glycol)、およびこれらの混合物から成る群から選択される可溶性の液体ポリオール、(2)化学式:HO−(R”O)b −H(この場合に、R”は約2個〜約3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、bは約2〜約10の整数である)のポリアルキレン・グリコール(polyalkylene glycol)、(3)化学式CH3 −C6105 −(OCH2 CH2c −OH(この場合に、cは約5〜約25の整数である)のメチル・グルコース(methyl glucose)のポリエチレン・グリコール・エーテル(polyethylene glycol ether)、(4)尿素、および(5)これらの混合物を非限定的に含み、グリセリンが好ましい保湿剤である。
【0052】
適当なキレート化剤の例は本発明の組成物を保護して保存できる物質を含む。好ましくは、このキレート化剤はエチレンジアミン四酢酸(ethylenediamine tetracetic acid)(「EDTA」)であり、さらに好ましくは商品名を「ベルセン100XL(Versene 100XL)」として、ミシガン州、ミッドランドのダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)から市場において入手可能なEDTA四ナトリウム(tetrasodium EDTA)であり、上記組成物の全体の重量に基づいて、約0〜約0.5%または約0.05%〜約0.25%の量で存在する。
【0053】
適当な防腐剤はミシガン州、ミッドランドのダウ・ケミカル・カンパニー・コーポレイション(Dow Chemical Corporation)から「ダウイシル200(Dowicil 200)」として、市場において入手可能であるクォーターニウム−15(Quaternium-15)を含み、上記組成物の全体の重量に基づいて、約0〜約0.2%または約0.05%〜約0.10%の量でその組成物中に存在する。
【0054】
本発明の方法は、上述の混合の工程の前か、後か、これと同時に、疎水性に変性されている材料および/またはアニオン性の界面活性剤を含んでいる組成物と共に、またはその中に、上述の随意的な成分の1種類以上を混合または導入する多様な工程の任意のものをさらに含んでいてもよい。また、特定の実施形態において、上記の混合の順序は決定的ではないが、上記の芳香剤および非イオン性の界面活性剤等のような、特定の成分を、これらの成分を疎水性に変性されている材料および/またはアニオン性の界面活性剤を含んでいる組成物の中に添加する前に、予め混合しておくことが好ましい。
【0055】
本発明により製造される刺激が減少された組成物は、シャンプー、洗浄剤、入浴剤、ゲルまたはジェル、ローション、クリーム等のような個人用の手入れ製品として、またはその製品の中において、用いられることが好ましい。上述のように、本出願人は、本発明の方法が、皮膚および/または目に対する刺激が減少されていて、望ましい発泡特性を有する上記のような個人用の手入れ製品の形成、を可能にすること、を予想外に見出している。
【0056】
特定の別の好ましい実施形態によれば、本発明は、アニオン性の界面活性剤およびこのアニオン性の界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されている材料を含んでいる刺激が減少された組成物に、哺乳類動物の皮膚または毛髪を接触させる工程を含む、皮膚または毛髪に対する刺激が減少された、皮膚または毛髪を浄化するための方法、を提供している。
【0057】
哺乳類動物の皮膚および/または毛髪を接触させるための任意の従来の手段が本発明に従って使用できる。特定の好ましい実施形態において、この接触の工程は本発明の刺激が減少された組成物を人間の皮膚および/または人間の毛髪に供給する処理を含む。
【0058】
本発明の浄化方法は、例えば、石鹸の泡を塗る工程、すすぎの工程等、を含む毛髪および皮膚を浄化する処理に通常に付随している、多様な、付加的な、随意的な工程の任意のものをさらに含むことができる。
【0059】
〔実施例〕
以下の経上皮浸透性(「TEP」)および張力測定の試験は、本発明において、および以下の各実施例において、用いられている。特に、上述のように、このTEP試験は、組成物が本発明による刺激が減少された組成物になる時間を決定するために用いられており、張力測定試験は界面活性剤を結合させるための特定の疎水性に変性されている材料の適性を決定するために使用できる。
【0060】
経上皮浸透性試験(「TEP試験」)
所与の配合に対して予想される目および/または皮膚に対する刺激がインビトックス・プロトコル・ナンバー86(Invittox Protocol Number 86)、すなわち、参照により本明細書に組み入れられる、このインビトックス・プロトコル・ナンバー86(Invittox Protocol Number 86)(5月,1994年)において記載されている「トランス−エピセリアル・パーミアビリティ(TEP)アッセイ(Trans-epithelial Permeability (TEP) Assay)」に従って測定されている。一般に、所与の製品における目および/または皮膚の刺激の可能性は、細胞層を通るフルオレセイン(fluorescein)の漏れにより評価される等のような、細胞層の浸透性におけるその作用を決定することにより評価できる。マジン−ダービィ犬の腎臓の(MDCK)の細胞の単一層が下方のウェル内に培地またはアッセイ用の緩衝液を入れた24個ウェル型プレートの中の微孔質インサートに集合するように増殖されている。その後、その製品における上記の刺激の可能性が、その製品の希釈物に対する15分間の曝露に続いて上記細胞の単一層の中における浸透性のバリアに対する損傷を測定することにより、評価されている。このバリアの損傷は、分光光度計により決定される場合に、30分後に、下方のウェルに漏れ出ているナトリウム・フルオレセイン(sodium fluorescein)の量により評価されている。さらに、このフルオレセイン(fluorescein)の漏れはEC50を決定するための試験材料の濃度(最大の染料の漏れの50%、すなわち、浸透性のバリアに対する50%の損傷、を生じる試験材料の濃度)に対してプロットされている。この場合に、評価点が高いほど、穏やかな配合物を示している。
【0061】
微孔質膜において増殖した上記のMDCKの層の、所与の試験サンプルに対する曝露は所与の刺激物質が目に対して接触する時に生じる最初の現象に対応するモデルになる。生体内において、角膜上皮の最外層は、細胞間の密接した結合の存在により、選択的に浸透可能なバリアを形成している。しかしながら、刺激物質に対する曝露により、この密接した結合が分離して、これによりその浸透性のバリアが除去される。さらに、流体がその上皮の下層および支質に吸収されて、コラーゲンのラメラを分離させることにより、不透明になる。すなわち、上記のTEPアッセイは微孔質インサートにおいて増殖したMDCK細胞の層内における細胞間の密接した結合の破壊における刺激物質の作用を測定する。この損傷は上記の細胞層および微孔質膜を通りその下方のウェルに漏れる標識の染料(ナトリウム・フルオレセイン(sodium fluorescein))の量を測定することにより、分光光度計により評価される。
【0062】
張力測定滴定試験
界面活性剤の溶液の表面張力を測定するための周知の方法はウィルヘルミー(Wilhelmy)プレート法である(ホルムベルグ,ケイ(Holmberg, K.),ジョンソン,ビー(Jonsson, B.),クロンベルグ,ビー(Kronberg, B.),リンドマン,ビー(Lindman, B.),サーファクタンツ・アンド・ポリマーズ・イン・アクエアス・ソリューション(Surfactants and Polymers in Aqueous Solution),ワイリー・アンド・サンズ(Wiley & Sons),347頁)。この方法において、プレートは液体に浸されて、そのプレートにその液体により加えられる下方の力が測定される。これにより、そのプレートにおける力と、そのプレートの寸法に基づいて、その液体の表面張力が決定できる。また、所与の範囲の濃度にわたり上記の表面張力を測定することにより、上記の臨界ミセル濃度(CMC)が決定できることも周知である。
【0063】
市場において入手可能なウィルヘルミー(Wilhelmy)プレート法の器具が存在している。以下の実施例において、所与の範囲の濃度にわたりそれぞれのサンプルの表面張力を決定するために、プラチナのウィルヘルミー(Wilhelmy)プレートと共にクラス・K12張力計(Kruss K12 Tensiometer)(クラス・ユー・エス・エー(Kruss USA)、マシューズ、ノース・カロライナ州)が用いられている。この試験は正方向および逆方向のいずれに行なうことも可能である。いずれの場合においても、サンプル容器はある量の初期の溶液を入れており、この場合に、ウィルヘルミー(Wilhelmy)プレートはその表面張力を測定する。その後、第2の溶液がそのサンプル容器の中に添加されて、攪拌されてから、ウィルヘルミー(Wilhelmy)プレートにより再度調べられる。なお、クラス・ユー・エス・エー(Kruss USA)により用いられている取り決めに従って、第2の溶液が添加されている、滴定が始まる前の、上記のサンプル容器の中に最初に入れられている溶液を、以下において初期の溶液と呼ぶことにし、滴定の間にそのサンプル容器の中に添加される溶液を、以下において添加用の溶液と呼ぶことにする。
【0064】
正方向の滴定において、初期の溶液の濃度は添加用の溶液の濃度よりも低い。この実施例において、正方向の滴定試験の間に、上記の初期の溶液は、トリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)を全く伴わない、HLPCの等級の水(フィッシャー・サイエンティフィック(Fische Scirntific)、ニュージャージー州)であった。一方、上記の添加用の溶液は、5750mg/Lのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)を伴う、トリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)とHLPCの等級の水(フィッシャー・サイエンティフィック(Fischer Scientific)、ニュージャージー州)の溶液であった。このようにして、大量の原液、すなわち、4Lの添加用の界面活性剤の溶液を予め調製し、トリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)(ステパン・カンパニー(Stepan Company)、ノースフィールド、イリノイ州)をHLPCの等級の水(フィッシャー・サイエンティフィック(Fischer Scientific)、ニュージャージー州)に加えて、5750mg/Lの濃度にした。
【0065】
正方向の滴定の開始において、50mLの初期の溶液をサンプル容器に加えた。次に、この初期の溶液の表面張力を測定してから、所与の量の添加用の溶液をそのサンプル容器に加えた。次の表面張力の測定を行なう前に、この溶液を少なくとも5分間にわたり攪拌した。全ての滴定を0mg/L〜少なくとも3500mg/Lのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)にわたり行ない、後者の値は全てのサンプルのCMC値を十分に超えていた。なお、この用法に従って行なった試験は、以下において、正方向の滴定張力測定試験と呼ばれている。
【0066】
一方、逆方向の滴定においては、初期の溶液の濃度は添加用の溶液の濃度よりも高い。以下の実施例の逆方向の滴定試験において、添加用の溶液はHLPCの等級の水(フィッシャー・サイエンティフィック(Fischer Scientific)、ニュージャージー州)であり、この水は界面活性剤を全く含んでいなかった(0mg/L)。完全な濃度の配合物(例えば、表1におけるもの)を、HLPCの等級の水(フィッシャー・サイエンティフィック(Fischer Scientific)、ニュージャージー州)により、およそ5重量%の希釈液に希釈した。次に、この5重量%に希釈した溶液を上記のサンプル容器に加えて、これを初期の溶液とした。その後、この初期の溶液の表面張力を測定してから、所与の容積の添加用の溶液をそのサンプル容器に加えた。この溶液を、次の表面張力の測定を行なう前に、少なくとも5分間にわたり攪拌した。これらの添加、攪拌、およびその後の測定を、希釈が少なくとも0.0008重量%に到達するまで、繰り返した。なお、この方法に従って行なった試験は、以下において、逆方向の滴定張力測定試験と呼ばれている。
【0067】
未補正の張力測定データから、以下の様式で、それぞれのサンプルについてCMC値が決定されている。最初に、高い濃度、すなわち、例えば、線21として図2において示されているような、グラフの最下点よりも高くて、表面張力が実質的に一定である領域内に十分にある濃度、におけるデータの部分に、水平な線に対応する状態を一致させる。次に、例えば、線22として図2において示されているような、既に導かれている水平な線よりも高い表面張力を有している比較的に低い濃度におけるデータに、直線に対応する状態を一致させる。この結果、これらの2本の線/状態の交差点23がそのサンプルについてのCMC値として定められている。図3は、アニオン性の界面活性剤と疎水性に変性されている材料を含む組成物(曲線31)とアニオン性の界面活性剤を含む同種の組成物(曲線32)の2つの張力測定データ曲線31および32を表す例示のグラフである。曲線31のCMCは点33で示しており、曲線32のCMCは点34で示してある。デルタCMC35はCMC33からCMC34を引いたものである。
【0068】
実施例1〜4:浄化用組成物の調製
実施例1〜4の浄化用組成物を以下の表1において記載されている材料および量に従ってそれぞれ調製した。
【表1】

【0069】
表1の各組成物を以下のように調製した。
まず、水(50.0部)をビーカーに加えた。次に、ポリマー(実施例1におけるPEG8000、実施例2におけるポリオックスWSR205(Polyox WSR 205)、実施例3におけるカルボポルETD2020(Carbopol ETD 2020)、実施例4におけるカルボポル・アクアSF1(Carbopol Aqua SF1))を混合しながら水に加えた。その後、以下の成分をそれぞれの得られる混合物が均質になるまで、混合しながらそれぞれ別個に上記のビーカーに加えた。テゴベタインL7V(Tegobetaine L7V)、モナテリック949J(Monateric 949J)、セデパルTD403LD(Cedepal TD403LD)、グリセリン917(Glycerin 917)、ポリマーJR400(Polymer JR400)、ダウイシル200(Dowicil 200)、およびベルセン100XL(Versene 100XL)。その後、この結果として得られた溶液のpH値を約6.3〜6.6の最終のpH値が得られるまで、20%のクエン酸溶液(実施例2)または20%水酸化ナトリウム溶液(実施例1,3,4)により調節した。その後、残りの水を上記ビーカーに加えた。
【0070】
浄化用組成物の穏やかさの比較:上記の実施例1〜4に従って調製した組成物を上記のTEP試験に従って穏やかさについて試験した。これらの結果が以下の表2において記載されている。
【表2】

【0071】
上記の実施例は全ての材料が同等に浄化用の界面活性剤の組成物における皮膚および目の刺激を軽減できるとは限らないことを示している。
実施例5〜9:張力測定滴定用の組成物の調製
実施例5〜9の浄化用組成物を以下の表3において記載されている材料および量に従ってそれぞれ調製した。
【表3】

【0072】
表3の各組成物を以下のように調製した。
まず、HPLCの等級の水(50.0部)をビーカーに加えた。次に、ポリマー(実施例1におけるPEG8000、実施例2におけるポリオックスWSR205(Polyox WSR 205)、実施例3におけるカルボポルETD2020(Carbopol ETD 2020)、実施例4におけるカルボポル・アクアSF1(Carbopol Aqua SF1))を混合しながら水に加えた。その後、この結果として得られた溶液のpH値を約7.0の最終のpH値が得られるまで、20%水酸化ナトリウム溶液(必要に応じて使用)により調節した。その後、残りの水を上記ビーカーに加えた。
【0073】
臨界ミセル濃度の値
上記の実施例5〜9に従って調製した組成物を、正方向の滴定張力実験により臨界ミセル濃度(CMC)値について試験した。初期の溶液は実施例5〜9の内の一つの50mLであった。また、添加用の溶液はHPLCの等級の水の中における5750mg/Lのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)であった。42回の添加を行ない、この添加は0mg/Lの初期の溶液から、最終の測定における3771mg/Lまで、トリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)の濃度を高めている。これらの結果が表4において以下に示されている。
【表4】

【0074】
上記のCMC値は遊離のミセルが形成し始める時の界面活性剤(この実施例においてはトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate))の濃度である。すなわち、このCMC値よりも低い界面活性剤の濃度においては、その界面活性剤は遊離のミセルとして全く存在せず、そのCMC値よりも高い濃度において、遊離のミセルが溶液中に存在する。実施例5において、CMC値は全くポリマーを伴わずに測定されており、125mg/Lであることが分かった。また、表4において、実施例5(添加の材料を伴わない)の組成物に付随するデルタCMC値も示されている。さらに、PEG8000を伴う、実施例6においては、その測定されたCMC値は83であり、界面活性剤だけでポリマーを含まない実施例5のCMC値よりも低い。
【0075】
実施例7において、上記の溶液に対するポリオックスWSR205(Polyox WSR 205)の添加は、添加の材料を伴わない溶液、すなわち、実施例5に比べて、CMC値においてわずかな変化しか生じていない。しかしながら、カルボポルETD2020の添加はCMC値にかなりの影響を及ぼしており、CMC値を、添加の材料を伴わない124mg/Lから、169mg/Lまで高めており、このことは2番目に大きなデルタCMC値を表わしている。さらに、実施例9の、カルボポルSF−1は最も高いCMC値、および最も大きなデルタCMC値を有している。
【0076】
上記の実施例は溶液に対する特定の物質の添加がその溶液中の界面活性剤のCMC値を変え得ることを示している。また、この溶液のCMC値の上昇は遊離のミセルの形成の開始が比較的に高い濃度で生じることを示している。例えば、実施例5において、遊離のミセルは124mg/Lのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate))において形成し始めているが、実施例9においては、400mg/Lのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate))まで形成し始めない。
【0077】
本発明者は、特定の材料の添加(すなわち、実施例8および9)による高い濃度の側へのCMC値の変化は、界面活性剤がその材料に結合することにより、遊離のモノマーの濃度を減少させるために、生じると、考えている。すなわち、遊離のモノマーの濃度は、その材料に結合した界面活性剤の量に比例して、減少する。従って、デルタCMC値の大きさは、上記の材料が結合させることのできる界面活性剤の量、または界面活性剤を結合させることにおけるその材料の効率、を示している。
【0078】
PEG8000の添加(実施例1および6)は、最も低いTEP値、最も高い刺激性、および最低のCMC値、を結果として生じている。また、ポリオックスWSR205(Polyox WSR 205)の添加(実施例2および7)は、2番目に低いTEP値、および2番目に低いCMC値、を結果として生じている。また、カルボポルETD2020(Carbopol ETD 2020)の添加(実施例3および8)は、2番目に高いTEP値、および2番目に大きなCMC値における変化、を結果として生じている。さらに、カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の添加(実施例4および9)は、最も高いTEP値、および最大のCMC値における変化、を結果として生じている。したがって、予想外に、本発明者は、材料の添加により生じるCMC値の変化の大きさと組成物の穏やかさとの間の関係/相関関係を発見している。すなわち、CMC値の比較的に大きな変化を生じる1種類以上の材料の添加はその組成物の改善された穏やかさを生じる。また、CMC値における十分な増加を生じる材料の添加は刺激が減少された組成物を生じる。
【0079】
実施例9において、カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の濃度は500mg/Lであり、CMC値は400mg/Lのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)であったが、このSF−1を伴わないトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)のCMC値は125mg/Lであった。それゆえ、実施例9の材料は500mgの材料当たりに275mgのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)と結合しているか、1.0gのカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)当たりに0.183gのトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)と結合している。すなわち、界面活性剤を結合させる材料の効率はその材料の単位質量当たりのデルタCMC値である。そして、高い効率を有する材料ほど、多量の界面活性剤を結合させ、大きなデルタCMC値を生じる。
【0080】
実施例10〜15:浄化用組成物の調製
実施例10〜15の浄化用組成物を以下の表5において記載されている材料および量に従ってそれぞれ調製した。
【表5】

【0081】
表5のそれぞれの組成物を以下のように、別個に、調製した。
まず、水(50.0部)をビーカーに加えた。次に、実施例11〜15において、カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)を混合しながら上記の水に加えた。(実施例10においては、この工程は省かれている。)その後、アトラスG−4280(Atlas G-4280)を混合しながら上記のビーカーに加えた。次に、実施例10〜15において、以下の成分をそれぞれの得られる混合物が均質になるまで、混合しながらそれぞれ別個に上記のビーカーに加えた。テゴベタインL7V(Tegobetaine L7V)、セデパルTD403LD(Cedepal TD403LD)、グリセリン917(Glycerin 917)、ポリマーJR400(Polymer JR400)、ダウイシル200(Dowicil 200)、およびベルセン100XL(Versene 100XL)。その後、この結果として得られた溶液のpH値を約6.3〜6.6の最終のpH値が得られるまで、20%水酸化ナトリウム溶液または20%のクエン酸溶液により調節した。その後、残りの水を上記ビーカーに加えた。
【0082】
浄化用組成物の穏やかさの比較:上記の実施例10〜15に従って調製した組成物を上記のTEP試験に従って穏やかさについて試験した。表6はそれぞれの実施例の組成物のTEP値を記載している。
【表6】

【0083】
実施例10において示されているように、カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)を伴わない比較的に多量のアニオン性の界面活性剤(6.0%が活性)を含有している組成物は比較的に低いTEP値を記録しており、それゆえ、刺激性であると考えられる。しかしながら、この組成物にカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)を添加すると、実施例11において示されているように、TEP値は改善されている。実施例12〜15は、組成物に添加されるカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の量が増加すると、これらのそれぞれの組成物におけるTEP値がおおまかに付随して改善されること、を示している。さらに、同種の組成物、すなわち、実施例10(カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)を全く伴っていない)、に対するデルタTEP値も図6において示されている。
【0084】
上記の実施例は、カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の存在が、これに界面活性剤を結合させることにより、組成物の皮膚および目における穏やかさを大幅に改善すること、およびその穏やかさが、上記のコポリマーの量が増加するのに従って、一般に改善されること、を示している。さらに、TEP値の増加の大部分(68%)は、0.9%のカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)のみの添加、すなわち、実施例11、により生じている。
【0085】
浄化用組成物の臨界ミセル濃度の比較
上記の逆方向の滴定張力測定試験に従って、臨界ミセル濃度について、上記の実施例10〜15に従って調製した組成物を試験した。表7はそれぞれの実施例の組成物のCMC値を記載している。
【表7】

【0086】
上記の一連の実施例10〜15は、カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の量が0〜6%(0〜1.8%が活性)まで増加すると、デルタCMC値が高い値に高まること、を示している。特定の理論に拘束されることなく、本発明者は、このようなカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の濃度の増加により生じるデルタCMC値の上昇を、界面活性剤を結合させるそのカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の能力による、と考えている。すなわち、カルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)が多く組成物に添加されるほど(実施例10〜15のように)、多量の界面活性剤がこれに結合するようになる。さらに、このカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)に結合した界面活性剤は遊離のモノマーの濃度に寄与しないので、そのCMC値はさらに高い値に変化する。
【0087】
同様に、表6において示されているように、上記の組成物の穏やかさ(TEP値)はカルボポル・アクアSF−1(Carbopol Aqua SF-1)の濃度の増加と共に一般に増加する。さらに、実施例10〜15により、本発明者はCMC値およびデルタCMC値の増加と組成物の改善された穏やかさ(TEP/デルタTEPの値)との間に相関関係を見出している。
【0088】
〔実施の態様〕
(1)少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤を含有している個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させる方法において、
刺激が減少された組成物の全体の重量に基づいて、3.5〜7.5重量%未満のアニオン性の界面活性剤を含有している、刺激が減少された個人用の手入れ組成物を製造するために、界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されている材料を、少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含む、方法。
(2)実施態様1に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも0.75のデルタTEP値を有している、方法。
(3)実施態様2に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも1のデルタTEP値を有している、方法。
(4)実施態様3に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも1.2のデルタTEP値を有している、方法。
(5)実施態様4に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも1.8のデルタTEP値を有している、方法。
【0089】
(6)実施態様1に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも16のデルタCMC値を有している、方法。
(7)実施態様1に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも80のデルタCMC値を有している、方法。
(8)実施態様1に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも300のデルタCMC値を有している、方法。
(9)実施態様1に記載の方法において、
前記疎水性に変性されている材料が、疎水性に変性されているアクリル・ポリマー、疎水性に変性されているセルロース、疎水性に変性されているデンプン、およびこれらの2種類以上の組み合わせから成る群から選択される、方法。
(10)実施態様9に記載の方法において、
前記疎水性に変性されている材料が疎水性に変性されているアクリル・ポリマーを含む、方法。
【0090】
(11)実施態様10に記載の方法において、
前記疎水性に変性されているアクリル・ポリマーが、少なくとも1種類の不飽和なカルボン酸のモノマーと、少なくとも1種類の疎水性のモノマーと、アルキル・メルカプタン、チオエステル、アミノ酸−メルカプタン含有の化合物、ペプチド・フラグメント、またはこれらの組み合わせを含む疎水性の連鎖移動剤と、架橋剤と、随意的に、立体安定化剤と、により誘導されており、前記不飽和なカルボン酸のモノマーの量は、前記不飽和なモノマーおよび前記疎水性のモノマーの全体の重量に基づいて、60〜98重量%である、方法。
(12)実施態様1に記載の方法において、
前記少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤が、アルキル硫酸塩(alkyl sulfates)、アルキル・エーテル硫酸塩(alkyl ether sulfates)、アルキル・モノグリセリル・エーテル硫酸塩(alkyl monoglyceryl ether sulfates)、アルキル・スルホン酸塩(alkyl sulfonate)、アルキルアリール・スルホン酸塩(alkylaryl sulfonates)、アルキル・スルホコハク酸塩(alkyl sulfosuccinates)、アルキル・エーテル・スルホコハク酸塩(alkyl ether sulfosuccinates)、アルキル・スルホスクシナメート(alkyl sulfosuccinamates)、アルキル・アミドスルホコハク酸塩(alkyl amidosulfosuccinates)、アルキル・カルボン酸塩(alkyl carboxylates)、アルキル・アミドエーテルカルボン酸塩(alkyl amidoethercarboxylate)、アルキル・コハク酸塩(alkyl succinates)、脂肪族アシル・サルコシネート(fatty acyl sarcosinates)、脂肪族アシル・アミノ酸(fatty acyl amino acids)、脂肪族アシル・タウレート(fatty acyl taurates)、脂肪族アルキル・スルホ酢酸塩(fatty alkyl sulfoacetates)、アルキル・リン酸塩(alkyl phosphates)、およびこれらの2種類以上の混合物からなる群から選択される、方法。
(13)実施態様1に記載の方法において、
前記アニオン性の界面活性剤が1種類以上のアルキル・エーテル硫酸塩(alkyl ether sulfates)を含む、方法。
(14)実施態様13に記載の方法において、
前記1種類以上のアルキル・エーテル硫酸塩(alkyl ether sulfates)がトリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)を含む、方法。
(15)実施態様1に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が3.5〜7.3重量%のアニオン性の界面活性剤を含有している、方法。
【0091】
(16)実施態様15に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が3.5〜7重量%のアニオン性の界面活性剤を含有している、方法。
(17)実施態様16に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が4〜7重量%のアニオン性の界面活性剤を含有している、方法。
(18)実施態様1に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が、非イオン性、両性、およびカチオン性の界面活性剤、真珠光沢剤、不透明化剤、増粘剤、二次的なコンディショナー、保湿剤、キレート化剤、着色剤、芳香剤、防腐剤、pH調節剤、から成る群から選択される1種類以上の材料をさらに含む、方法。
(19)少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤を含有している個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させる方法において、
少なくとも1.2のデルタTEP値および少なくとも80のデルタCMC値を有する、刺激が減少された個人用の手入れ組成物を製造するために、界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されているアクリル・ポリマーを、少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含む方法であって、前記刺激が減少された組成物が、その全体の重量に基づいて、3.5〜7重量%のアニオン性の界面活性剤と、非イオン性、両性、およびカチオン性の界面活性剤、真珠光沢剤、不透明化剤、増粘剤、二次的なコンディショナー、保湿剤、キレート化剤、着色剤、芳香剤、防腐剤、pH調節剤、およびこれらの2種類以上の組み合わせから成る群から選択される少なくとも1種類の材料と、を含有している、方法。
(20)付随している刺激が比較的少ない組成物を製造する方法において、
アニオン性の界面活性剤の全体の3.5〜7.5重量%未満を含有していて、少なくとも1.5のTEP値を有している組成物を製造するために、疎水性に変性されている材料を、少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含む、方法。
【0092】
(21)実施態様20に記載の方法において、
前記組成物が3.5〜5重量%のアニオン性の界面活性剤を含有している、方法。
(22)実施態様21に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも3.5のTEP値を有している、方法。
(23)実施態様22に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも4のTEP値を有している、方法。
(24)実施態様23に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも4.5のTEP値を有している、方法。
(25)実施態様20に記載の方法において、
前記組成物が5〜7.5重量%未満のアニオン性の界面活性剤を含有している、方法。
【0093】
(26)実施態様25に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも2のTEP値を有している、方法。
(27)実施態様26に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも2.5のTEP値を有している、方法。
(28)実施態様27に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも3のTEP値を有している、方法。
(29)実施態様22に記載の方法において、
前記疎水性に変性されている材料が疎水性に変性されているアクリル・ポリマーを含む、方法。
(30)実施態様26に記載の方法において、
前記疎水性に変性されている材料が、疎水性に変性されているアクリル・ポリマー、疎水性に変性されているセルロース、疎水性に変性されているデンプン、およびこれらの2種類以上の組み合わせから成る群から選択される、方法。
【0094】
(31)実施態様30に記載の方法において、前記疎水性に変性されている材料が疎水性に変性されているアクリル・ポリマーを含む、方法。
(32)実施態様20に記載の方法において、前記組成物が少なくとも1のデルタTEP値を有している、方法。
(33)実施態様32に記載の方法において、前記組成物が少なくとも1.8のデルタTEP値を有している、方法。
(34)実施態様32に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも16のデルタCMC値を有している、方法。
(35)実施態様34に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも300のデルタCMC値を有している、方法。
【0095】
(36)皮膚または毛髪に対する刺激が減少された、皮膚または毛髪を浄化する方法において、
哺乳類動物の皮膚または毛髪を、実施態様1に従って製造された、刺激が減少された組成物に対して接触させる工程を含む、方法。
(37)皮膚または毛髪に対する刺激が減少された、皮膚または毛髪を浄化する方法であって、哺乳類動物の皮膚または毛髪を、実施態様19に従って製造された、刺激が減少された組成物に対して接触させる工程を含む、方法。
(38)皮膚または毛髪に対する刺激が減少された、皮膚または毛髪を浄化する方法において、
哺乳類動物の皮膚または毛髪を、実施態様20に従って製造された、刺激が減少された組成物に接触させる工程を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】2種類の溶液へのアニオン性の界面活性剤の添加に付随する理想化した張力測定データのグラフ図である。
【図2】本発明の一例の実施形態による組成物について計算した、張力測定データおよびCMCの測定値、のグラフ図である。
【図3】本発明の一例の実施形態による組成物について計算した、張力測定データおよびデルタCMCの測定値、のグラフ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤を含有している個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させる方法において、
刺激が減少された組成物の全体の重量に基づいて、3.5〜7.5重量%未満のアニオン性の界面活性剤を含有している、刺激が減少された個人用の手入れ組成物を製造するために、界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されている材料を、少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記刺激が減少された組成物が少なくとも300のデルタCMC値を有している、方法。
【請求項3】
少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤を含有している個人用の手入れ組成物に付随する刺激を減少させる方法において、
少なくとも1.2のデルタTEP値および少なくとも80のデルタCMC値を有する、刺激が減少された個人用の手入れ組成物を製造するために、界面活性剤を結合させることのできる疎水性に変性されているアクリル・ポリマーを、少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含む方法であって、前記刺激が減少された組成物が、その全体の重量に基づいて、3.5〜7重量%のアニオン性の界面活性剤と、非イオン性、両性、およびカチオン性の界面活性剤、真珠光沢剤、不透明化剤、増粘剤、二次的なコンディショナー、保湿剤、キレート化剤、着色剤、芳香剤、防腐剤、pH調節剤、およびこれらの2種類以上の組み合わせから成る群から選択される少なくとも1種類の材料と、を含有している、方法。
【請求項4】
付随している刺激が比較的少ない組成物を製造する方法において、
アニオン性の界面活性剤の全体の3.5〜7.5重量%未満を含有していて、少なくとも1.5のTEP値を有している組成物を製造するために、疎水性に変性されている材料を、少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤と共に混合する処理を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記組成物が3.5〜5重量%のアニオン性の界面活性剤を含有している、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも3.5のTEP値を有している、方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法において、
前記組成物が5〜7.5重量%未満のアニオン性の界面活性剤を含有している、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記組成物が少なくとも2のTEP値を有している、方法。
【請求項9】
皮膚または毛髪に対する刺激が減少された、皮膚または毛髪を浄化する方法において、
哺乳類動物の皮膚または毛髪を、請求項1に従って製造された、刺激が減少された組成物に対して接触させる工程を含む、方法。
【請求項10】
皮膚または毛髪に対する刺激が減少された、皮膚または毛髪を浄化する方法において、
哺乳類動物の皮膚または毛髪を、請求項4に従って製造された、刺激が減少された組成物に接触させる工程を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−504140(P2007−504140A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524770(P2006−524770)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/027317
【国際公開番号】WO2005/023970
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(502112382)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON & JOHNSON,CONSUMER,COMPANIES,INC.
【住所又は居所原語表記】199 Grandview Road,Skillman,NJ 08558,US
【出願人】(306035258)
【氏名又は名称原語表記】LIBRIZZI, Joseph
【住所又は居所原語表記】19 Norz Drive, Hillsborough,New Jersey 08844, United States Of America
【出願人】(306035269)
【氏名又は名称原語表記】MARTIN, Alison
【住所又は居所原語表記】101 Hoven Court, Huntsville, Alabama 35824, United States Of America
【出願人】(306035270)
【氏名又は名称原語表記】GANOPOLSKY, Irina
【住所又は居所原語表記】1508 White Pine Circle, Lawrenceville, New Jersy 08648, United States Of America
【出願人】(306035292)
【氏名又は名称原語表記】WALTERS, Russell
【住所又は居所原語表記】142 N. Bread Street, Unit 1, Philadelphia, Pennsylvania 19106, United States Of America
【Fターム(参考)】