説明

個人認証装置

【課題】 ユーザが多数存在しても、画面表示情報等の出力情報の出力時に使用される使用言語をユーザごとに切り替え可能な個人認証装置を提供する。
【解決手段】 フラッシュメモリ(記憶手段)4と、操作された場合に入力要求情報を出力する出力手段と、入力された指紋(個人認証情報)が記憶されているか否かを判断する個人認証情報判断手段と、前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に装置の使用を許可し、対応する使用言語が標準の使用言語であるか否かを判断する使用言語判断手段とを備え、出力手段は、前記対応する使用言語が標準の使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記対応する使用言語に変更し、変更された使用言語に対応する出力情報をフラッシュメモリ4から抽出して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面表示情報・メッセージ・音声ガイダンス等の出力情報の出力時に使用される使用言語を入力された指紋等の個人認証情報に対応する使用言語に切り替え可能な個人認証装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の技術としては、健常者/非健常者切替スイッチの状態に基づいて、現在のモードが健常者モードか非健常者モードかを判別し、健常者モードの場合には健常者データファイルに記憶されているデフォルトの設定に基づいた操作機能を操作パネルに適用する一方、非健常者モードの場合には非健常者データファイルに記憶されている設定に基づいた操作機能を操作パネルに適用する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−335033号公報(第2−9頁,図1,図4等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような画像形成装置では、健常者/非健常者切替スイッチにより健常者モードか非健常者モードかを切り替えるだけであるので、ユーザが多数存在しても、出力情報の出力時に使用される使用言語をユーザごとに切り替えることはできないという問題点がある。
【0004】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザが多数存在しても、出力情報の出力時に使用される使用言語をユーザごとに切り替え可能な個人認証装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、個人認証情報に使用言語を対応付けて記憶し、前記使用言語に出力情報を対応付けて記憶すると共に、個人認証情報の入力を前記使用言語のうちの標準の使用言語で要求するための入力要求情報を記憶する記憶手段と、操作手段により操作された場合に前記入力要求情報を出力する出力手段と、入力手段により個人認証情報が入力された場合に前記記憶手段を検索し、入力された個人認証情報が記憶されているか否かを判断する個人認証情報判断手段と、この個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に装置の使用を許可し、前記入力された個人認証情報に対応する使用言語が前記標準の使用言語であるか否かを判断する使用言語判断手段と、を備え、前記出力手段は、前記使用言語判断手段により前記対応する使用言語が前記標準の使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記対応する使用言語に変更し、変更された使用言語に対応する出力情報を前記記憶手段から抽出して出力するものである。
【0006】
請求項2の発明においては、前記記憶手段は、個人認証情報が記憶されていないことを前記標準の使用言語で報知するための報知情報を記憶すると共に、前記出力手段は、前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていないと判断された場合に装置の使用を拒否し、前記報知情報を出力するものである。
【0007】
請求項3においては、前記記憶手段は、前記個人認証情報にタッチパネルの接触感度をも対応付けて記憶すると共に、タッチパネルと、前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に前記入力された個人認証情報に対応する接触感度が前記接触感度のうちの標準の接触感度であるか否かを判断する接触感度判断手段と、この接触感度判断手段により前記対応する接触感度が前記標準の接触感度でないと判断された場合に現在の接触感度を前記対応する接触感度に変更する変更手段と、を備えたものである。
【0008】
請求項4の発明は、個人認証情報に使用言語を対応付けて記憶すると共に、前記使用言語に出力情報を対応付けて記憶する記憶手段と、入力手段により個人認証情報が入力された場合に前記記憶手段を検索し、入力された個人認証情報が記憶されているか否かを判断する個人認証情報判断手段と、この個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に、現在の使用言語が前記入力された個人認証情報に対応する使用言語であるか否かを判断する使用言語判断手段と、この使用言語判断手段により現在の使用言語が前記対応する使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記対応する使用言語に変更し、変更された使用言語に対応する出力情報を前記記憶手段から抽出して出力する出力手段と、を備えたものである。
【0009】
請求項5の発明においては、前記記憶手段は、個人認証情報が記憶されていないことを前記使用言語のうちの標準の使用言語で報知するための報知情報を記憶し、前記使用言語判断手段は、前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていないと判断された場合に現在の使用言語が前記標準の使用言語であるか否かを判断すると共に、前記出力手段は、前記使用言語判断手段により現在の使用言語が前記標準の使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記標準の使用言語に変更し、前記報知情報を出力するものである。
【0010】
請求項6の発明においては、前記記憶手段は、前記個人認証情報にタッチパネルの接触感度をも対応付けて記憶すると共に、タッチパネルと、前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に前記入力された個人認証情報に対応する接触感度が前記接触感度のうちの標準の接触感度であるか否かを判断する接触感度判断手段と、この接触感度判断手段により前記対応する接触感度が前記標準の接触感度でないと判断された場合に現在の接触感度を前記対応する接触感度に変更する変更手段と、を備えたものである。
【0011】
請求項7の発明は、操作手段による操作からの経過時間を計測する計時手段を備え、前記記憶手段は、前記操作手段による操作から省電力モードに移行するまでの設定時間を記憶し、前記接触感度判断手段は、前記計時手段により計測される前記経過時間が前記設定時間に達した場合に現在の接触感度が前記標準の接触感度であるか否かを判断すると共に、前記変更手段は、前記接触感度判断手段により現在の接触感度が前記標準の接触感度でないと判断された場合に現在の接触感度を前記標準の接触感度に変更し、省電力モードに移行させるものである。
【0012】
請求項8の発明は、操作手段による操作からの経過時間を計測する計時手段を備え、前記記憶手段は、前記操作手段による操作から省電力モードに移行するまでの設定時間を記憶し、前記使用言語判断手段は、前記計時手段により計測される前記経過時間が前記設定時間に達した場合に現在の使用言語が前記標準の使用言語であるか否かを判断すると共に、前記変更手段は、前記使用言語判断手段により現在の使用言語が前記標準の使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記標準の使用言語に変更し、省電力モードに移行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、入力された個人認証情報が登録されていれば装置の使用を許可できると共に、ユーザが多数存在しても、個人認証情報の入力により使用言語を簡単に切り替え可能である。
【0014】
請求項2の発明によれば、入力された個人認証情報が未登録であれば装置の使用を拒否できると共に、個人認証情報が未登録であることをユーザが認識し易い。
【0015】
請求項3の発明によれば、ユーザが多数存在しても、個人認証情報の入力によりタッチパネルの接触感度を簡単に切り替え可能である。
【0016】
請求項4の発明によれば、ユーザが多数存在しても、個人認証情報の入力により使用言語を簡単に切り替え可能である。
【0017】
請求項5の発明によれば、個人認証情報が未登録である場合でも標準の使用言語で装置の使用を継続することができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、個人認証情報が未登録である場合でも標準の接触感度で装置の使用を継続することができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、省電力モードに移行する前にあらかじめ標準の接触感度に戻しておくことができる。
【0020】
請求項8の発明によれば、省電力モードに移行する前にあらかじめ標準の使用言語に戻しておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置(個人認証装置)1は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit,中央処理装置)2、RAM(Random Access Memory,随時書き込み読み出しメモリ)3、フラッシュメモリ(記憶手段)4、コーデック(CODEC)5、音声出力部(出力手段)6、モデム7、NCU(Network Control Unit,回線網制御装置)8、読取部9、印刷部10、タッチパネル(出力手段,操作手段)11、操作部(操作手段)12、指紋入力部(入力手段)13、計時部(計時手段)14、及びLAN(Local Area Network)インターフェース(I/F)15等を備えたものであり、各部2〜15はバス16を介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
フラッシュメモリ4は、CPU2により各部3〜15の動作を制御するための各種制御プログラム、指紋(個人認証情報)の入力を使用言語のうちの標準の使用言語(例えば、日本語)で要求するための入力要求情報、指紋が記憶されていないことを標準の使用言語で報知するための報知情報、タッチパネル11や操作部12による操作から省電力モード〔休止状態又はスリープモード(タッチパネル11におけるバックライトや操作部12におけるランプ等を消灯することにより画像形成装置1の消費電力を削減した状態)〕に移行するまでの設定時間を記憶し、指紋に使用言語及びタッチパネル11の接触感度をそれぞれ対応付けて記憶すると共に、使用言語に出力情報を対応付けて記憶した記憶部として機能する。
【0023】
使用言語は、タッチパネル11に画面表示情報やメッセージ等を表示する際の表示言語であると共に、音声出力部6から音声ガイダンス等を出力する際の発音言語である。なお、使用言語のうちのいずれかは、標準の使用言語として記憶されている。タッチパネル11の接触感度のうちのいずれかは、標準の接触感度として記憶されている。
【0024】
記憶手段は、フラッシュメモリ4の他、HDD(Hard Disk Drive)、光磁気ディスク(Magneto Optical Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)−RAMドライブ等であってもよい。個人認証情報は、指紋の他、網膜血管パターン、掌紋、顔、声紋等であってもよい。
【0025】
CPU2は、フラッシュメモリ4に記憶された制御プログラムに従って各部3〜15の動作を制御する制御部として機能する。
【0026】
RAM3は、タッチパネル11の現在の接触感度、現在の使用言語、原稿のサイズ情報、ライフ情報(プリント済み枚数、読み取り枚数等)、読取部9により読み取られる原稿の画像データ、機器設定情報(発信元名、発信元番号等)、ファクス(FAX)送信履歴情報、電子メール送信履歴情報、格納履歴情報(コピー履歴、ファクス受信履歴、電子メール受信履歴等)、出力条件情報(読み取り画質、読み取り濃度、倍率、部数、印刷用紙サイズ等)等を記憶する記憶部として機能する。上記の出力条件情報のうち、読取部9による原稿の読み取り画質(ノーマル、ファイン、スーパーファイン等)、読取部9による原稿の読み取り濃度等を指紋にそれぞれ対応付けてフラッシュメモリ11に記憶させておいてもよい。
【0027】
読取部9は、原稿の画像を読み取り、白黒2値化等した画像データを出力する。印刷部10は、電子写真方式等により、RAM3に記憶された画像データを用紙に記録する。
【0028】
タッチパネル11は、LCD(Liquid Crystal Display,液晶ディスプレイ)等のディスプレイの画面全体をカバーするように物体検出センサを取り付けたものであり、画面をユーザの指等でタッチする(触れる)ことによって画面のどこを指し示したかを検出できるようになっている。検出方法としては、透明電極を用いた圧力検出型、赤外線センサを用いた光学式非接触型等が挙げられる。
【0029】
音声出力部6は、スピーカ等で構成されており、フラッシュメモリ4に記憶された音声ガイダンス等を出力する。出力情報としては、各種の画面表示情報や音声ガイダンス等が挙げられる。入力要求情報や報知情報としては、メッセージや音声ガイダンス等が挙げられる。入力要求情報の内容としては、「指紋を入力して下さい。」等が挙げられる。報知情報の内容としては、「指紋が登録されていません。」等が挙げられる。これら出力情報、入力要求情報、報知情報は、画面表示情報やメッセージである場合にはタッチパネル11に表示され、音声ガイダンスである場合には音声出力部6から出力される。なお、出力情報、入力要求情報、報知情報を表示する手段は、タッチパネル11の他、LCD等であってもよい。
【0030】
操作部12は、各種操作をするための操作キー(ハードキー)等を備えている。画像形成装置1に対するユーザによる各種操作は、タッチパネル11や操作部12を通じて行われる。計時部14は、タッチパネル11や操作部12による操作からの経過時間を計測する。
【0031】
指紋入力部13は、指紋スキャナ等で構成されており、タッチセンサ等によりユーザの指のタッチを検知した場合にその指紋を自動的に読み取って入力できるようになっている。なお、入力手段は、指紋入力部13の他、適宜の個人認証情報を入力可能なものであればよい。
【0032】
画像形成装置1では、登録モードにおいて、指紋、ユーザ名、使用言語(日本語、英語等)、タッチパネル11の接触感度等を登録できるようになっている。タッチパネル11や操作部12により入力されたユーザ名、使用言語、接触感度等は、指紋入力部13により入力された指紋に対応付けてフラッシュメモリ4に記憶させておけばよい。入力された指紋に対応する使用言語や接触感度等をユーザが登録しない場合は、自動的に標準の使用言語や標準の接触感度等が登録されるようにしておけばよい。同様に、入力された読み取り画質や読み取り濃度等も入力された指紋に対応付けてフラッシュメモリ4に記憶させる場合において、入力された指紋に対応する読み取り画質や読み取り濃度等をユーザが登録しない場合は、自動的に標準の読み取り画質や標準の読み取り濃度等が登録されるようにしておけばよい。
【0033】
コーデック5は、画像データを記憶や送信等のためにMH(Modified Huffman)方式、MR(Modified READ)方式、MMR(Modified Modified READ)方式等により符号化したり、受信した画像データを復号化したりする。また、コーデック5は、電子メールの添付ファイル形式として一般的な画像フォーマットであるTIFF(Tagged Image File Format)形式やPDF(Portable Document Format)形式等にも対応して画像データを符号化及び復号化する。
【0034】
モデム7は、例えばITU−T(国際電気通信連合−電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送信データの変調及び受信データの復調を行う。NCU8は、PSTN(Public Switched Telephone Network,公衆電話交換網)17に接続されており、電話回線を制御して電話をかけたり切ったりする。
【0035】
LANインターフェース15は、有線方式又は無線方式のLAN18と画像形成装置1とを通信可能に接続するインターフェースである。LAN18にはPC(Personal Computer,パーソナルコンピュータ)、PDA(Personal Digital Assistant,携帯情報端末)、携帯電話等のクライアント端末19が接続されており、画像形成装置1が有する各種機能をクライアント端末19からLAN18を通じて利用できるようになっている。また、LAN18にはメールサーバ(図示せず)や、インターネットに接続されたルータ(図示せず)等も設置されており、画像形成装置1はメールサーバやルータ等を通じてインターネット上の他の電子メール端末装置とインターネットFAX通信を行うことができるようになっている。
【0036】
即ち、画像形成装置1は、コピー機能、FAX通信機能、PC−FAX通信機能(クライアント端末19からのネットワークを介したダイレクトFAX通信機能)、インターネットFAX通信機能〔インターネットを利用したFAX通信機能,TIFF(Tagged Image File Format)形式又はPDF(Portable Document Format)形式等に変換した画データを電子メールに添付して通信する機能〕、ネットワークプリンタ機能(クライアント端末19からのネットワークを介したダイレクト印刷機能)、及びネットワークスキャナ機能(クライアント端末19へのネットワークを介したダイレクトスキャン機能)等を有するデジタル複合機である。
【0037】
なお、個人認証装置はこのような画像形成装置1に限定されるものではなく、指紋等の個人認証情報の入力により、画面表示情報等の出力情報の出力時に使用される使用言語を切り替え可能な個人認証機能を有する装置であればよい。
【0038】
次に、個人認証処理の一例を図2〜図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理は、フラッシュメモリ4に記憶された制御プログラムに基づいてCPU2が発行する命令に従って行われる。
【0039】
オペレーションプロテクトモード(装置の使用が許可されなければタッチパネル11や操作部12による操作を受け付けないモード)がONの場合において、図2に示すように、タッチパネル11や操作部12による操作があり(ステップS1でYES)、かつ、省電力モード中の場合(ステップS2でYES)、通常モード(待機状態)に復帰し(ステップS3)、指紋の入力を標準の使用言語で要求するための入力要求情報が出力される(ステップS4)。なお、オペレーションプロテクトモードがONの場合、個人認証処理の開始時においては、タッチパネル11の現在の接触感度(RAM3上の接触感度)は標準の接触感度に設定されていると共に、現在の使用言語(RAM3上の使用言語)は標準の使用言語に設定されている。入力要求情報は、メッセージである場合にはタッチパネル11に表示され、音声ガイダンスである場合には音声出力部6から出力される。
【0040】
ステップS1において、タッチパネル11や操作部12による操作がない場合(ステップS1でNO)、ステップS1に戻る。ステップS2において、省電力モード中でない場合(ステップS2でNO)、ステップS4に進む。
【0041】
指紋入力部13にユーザが指でタッチした場合(ステップS5でYES)、その指の指紋が読み取られて入力され(ステップS6)、フラッシュメモリ4が検索される。入力された指紋が登録(記憶)されていないと判断された場合(ステップS7でNO)、装置の使用が拒否され(ステップS8)、指紋が未登録である(記憶されていない)ことを標準の使用言語で報知するための報知情報が出力された後(ステップS9)、ステップS4に戻る。報知情報は、メッセージである場合にはタッチパネル11に表示され、音声ガイダンスである場合には音声出力部6から出力される。このように構成しておけば、入力された指紋が未登録であれば装置の使用を拒否できると共に、指紋が未登録であることをユーザが認識し易いという利点がある。
【0042】
ステップS5において、指紋入力部13にユーザが指でタッチしておらず(ステップS5でNO)、かつ、タッチパネル11や操作部12による操作からの経過時間が前記設定時間に達していない場合(ステップS10でNO)、ステップS5に戻る。一方、操作からの経過時間が前記設定時間に達した場合(ステップS10でYES)、省電力モードに移行し(ステップS11)、処理が終了する。
【0043】
ステップS7において、入力された指紋が登録されていると判断された場合(ステップS7でYES)、図3に示すように、装置の使用が許可される(ステップS21)。そして、入力された指紋に対応するタッチパネル11の接触感度が標準の接触感度でないと判断された場合(ステップS22でNO)、現在の接触感度(=標準の接触感度)が前記対応する接触感度に変更される(ステップS23)。このように構成しておけば、ユーザが多数存在しても、指紋の入力によりタッチパネル11の接触感度を簡単に切り替え可能であるという利点がある。
【0044】
次いで、入力された指紋に対応する使用言語(例えば、英語)が標準の使用言語でないと判断された場合(ステップS24でNO)、現在の使用言語(=標準の使用言語)が前記対応する使用言語に変更される(ステップS25)。この場合、変更された使用言語に対応する出力情報がフラッシュメモリ4から抽出されて出力される。出力情報は、画面表示情報である場合にはタッチパネル11に表示され、音声ガイダンスである場合には音声出力部6から出力される。
【0045】
その後、図4に示すように、タッチパネル11や操作部12による操作があり(ステップS31でYES)、かつ、その操作がジョブ実行指示である場合(ステップS32でYES)、そのジョブが実行され(ステップS33)、ステップS31に戻る。ステップS32において、操作がジョブ実行指示でない場合も(ステップS32でNO)、ステップS31に戻る。
【0046】
図3に示すステップS22において、前記対応する接触感度が標準の接触感度であると判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS24に進む。ステップS24において、前記対応する使用言語が標準の接触感度であると判断された場合(ステップS24でYES)、図4に示すステップS31に進む。
【0047】
図4に示すステップS31において、タッチパネル11や操作部12による操作がなく(ステップS31でNO)、かつ、操作からの経過時間が前記設定時間に達していない場合(ステップS34でNO)、ステップS31に戻る。一方、操作からの経過時間が前記設定時間に達し(ステップS34でYES)、かつ、現在の接触感度が標準の接触感度でないと判断された場合(ステップS35でNO)、現在の接触感度が標準の接触感度に変更される(ステップS36)。このように構成しておけば、省電力モードに移行する前にあらかじめ標準の接触感度に戻しておくことができるという利点がある。
【0048】
そして、現在の使用言語が標準の使用言語でないと判断された場合(ステップS37でNO)、現在の使用言語が標準の使用言語に変更され(ステップS38)、図2に示すステップS11に進む。このように構成しておけば、省電力モードに移行する前にあらかじめ標準の使用言語に戻しておくことができるという利点がある。
【0049】
ステップS35において、現在の接触感度が標準の接触感度であると判断された場合(ステップS35でYES)、ステップS37に進む。ステップS37において、現在の使用言語が標準の使用言語であると判断された場合(ステップS37でYES)、図2に示すステップS11に進む。
【0050】
このように構成された画像形成装置1によれば、入力された指紋が登録されていれば装置の使用を許可できると共に、ユーザが多数存在しても、指紋の入力により使用言語を簡単に切り替え可能であるという利点がある。
【0051】
オペレーションプロテクトモードがOFFの場合において、図5に示すように、指紋入力部13にユーザが指でタッチした場合(ステップS41でYES)、その指の指紋が読み取られて入力され(ステップS42)、フラッシュメモリ4が検索される。なお、オペレーションプロテクトモードがOFFの場合、個人認証処理の開始時においては、タッチパネル11の現在の接触感度(RAM3上の接触感度)は標準の接触感度又は変更後の接触感度に設定されていると共に、現在の使用言語(RAM3上の使用言語)は標準の使用言語又は変更後の使用言語に設定されている。
【0052】
入力された指紋が登録されていないと判断され(ステップS43でNO)、かつ、現在の接触感度(=標準の接触感度又は変更後の接触感度)が標準の接触感度でないと判断された場合(ステップS44でNO)、現在の接触感度が標準の接触感度に変更される(ステップS45)。このように構成しておけば、指紋が未登録である場合でも標準の接触感度で装置の使用を継続できるという利点がある。
【0053】
そして、現在の使用言語(=標準の使用言語又は変更後の使用言語)が標準の使用言語でないと判断された場合(ステップS46でNO)、現在の使用言語が標準の使用言語に変更される(ステップS47)。このように構成しておけば、指紋が未登録である場合でも標準の使用言語で装置の使用を継続できるという利点がある。
【0054】
次いで、省電力モード中の場合(ステップS48でYES)、フラッシュメモリ4が検索され、変更された標準の使用言語に対応する出力情報が抽出される。抽出された出力情報は、通常モードに復帰する際(ステップS49)に出力される。そして、報知情報が出力され(ステップS50)、図4に示すステップS31に進む。
【0055】
図5に示すステップS44において、現在の接触感度が標準の接触感度であると判断された場合(ステップS44でYES)、ステップS46に進む。ステップS46において、現在の使用言語が標準の使用言語であると判断された場合(ステップS46でYES)、ステップS48に進む。ステップS48において、省電力モード中でない場合(ステップS48でNO)、フラッシュメモリ4が検索され、変更された標準の使用言語に対応する出力情報が抽出されて出力された後、ステップS50に進む。
【0056】
ステップS43において、入力された指紋が登録されていると判断され(ステップS43でYES)、かつ、図6に示すように現在の接触感度が入力された指紋に対応する接触感度でないと判断された場合(ステップS61でNO)、現在の接触感度が入力された指紋に対応する接触感度に変更される(ステップS62)。
【0057】
そして、現在の使用言語が入力された指紋に対応する使用言語でないと判断された場合(ステップS63でNO)、現在の使用言語が入力された指紋に対応する使用言語に変更される(ステップS64)。
【0058】
次いで、省電力モード中の場合(ステップS65でYES)、変更された使用言語に対応する出力情報がフラッシュメモリ4から抽出される。抽出された出力情報は、通常モードに復帰する際(ステップS66)に出力され、図4に示すステップS31に進む。
【0059】
ステップS61において、現在の接触感度が入力された指紋に対応する接触感度であると判断された場合(ステップS61でYES)、ステップS63に進む。ステップS63において、現在の使用言語が入力された指紋に対応する使用言語であると判断された場合(ステップS63でYES)、ステップS65に進む。ステップS65において、省電力モード中でない場合(ステップS65でNO)、変更された使用言語に対応する出力情報がフラッシュメモリ4から抽出されて出力された後、図4に示すステップS31に進む。
【0060】
このように構成された画像形成装置1によれば、ユーザが多数存在しても、指紋の入力により使用言語を簡単に切り替え可能であるという利点がある。
【0061】
なお、本実施形態において、指紋に読み取り画質や読み取り濃度等をそれぞれ対応付けてフラッシュメモリ4に記憶させておいた場合、既述の使用言語や接触感度と同様の処理を読み取り画質や読み取り濃度等についても行うように構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明に係る個人認証装置は、出力情報の出力時に使用される使用言語を入力された個人認証情報に対応する使用言語に切り替え可能な個人認証装置として有用であり、特に、ユーザが多数存在する場合でも使用言語をユーザごとに簡単に切り替え可能とするのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図。
【図2】オペレーションプロテクトモードがONの場合における個人認証処理例の一部を示すフローチャート。
【図3】オペレーションプロテクトモードがONの場合における個人認証処理例の一部を示すフローチャート。
【図4】オペレーションプロテクトモードがONの場合における個人認証処理例の一部を示すフローチャート。
【図5】オペレーションプロテクトモードがOFFの場合における個人認証処理例の一部を示すフローチャート。
【図6】オペレーションプロテクトモードがOFFの場合における個人認証処理例の一部を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置(個人認証装置)
2 CPU
3 RAM
4 フラッシュメモリ(記憶手段)
6 音声出力部(出力手段)
11 タッチパネル(出力手段,操作手段)
12 操作部(操作手段)
13 指紋入力部(入力手段)
14 計時部(計時手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人認証情報に使用言語を対応付けて記憶し、前記使用言語に出力情報を対応付けて記憶すると共に、個人認証情報の入力を前記使用言語のうちの標準の使用言語で要求するための入力要求情報を記憶する記憶手段と、
操作手段により操作された場合に前記入力要求情報を出力する出力手段と、
入力手段により個人認証情報が入力された場合に前記記憶手段を検索し、入力された個人認証情報が記憶されているか否かを判断する個人認証情報判断手段と、
この個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に装置の使用を許可し、前記入力された個人認証情報に対応する使用言語が前記標準の使用言語であるか否かを判断する使用言語判断手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記使用言語判断手段により前記対応する使用言語が前記標準の使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記対応する使用言語に変更し、変更された使用言語に対応する出力情報を前記記憶手段から抽出して出力することを特徴とする個人認証装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、個人認証情報が記憶されていないことを前記標準の使用言語で報知するための報知情報を記憶すると共に、
前記出力手段は、前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていないと判断された場合に装置の使用を拒否し、前記報知情報を出力することを特徴とする請求項1記載の個人認証装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記個人認証情報にタッチパネルの接触感度をも対応付けて記憶すると共に、
タッチパネルと、
前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に前記入力された個人認証情報に対応する接触感度が前記接触感度のうちの標準の接触感度であるか否かを判断する接触感度判断手段と、
この接触感度判断手段により前記対応する接触感度が前記標準の接触感度でないと判断された場合に現在の接触感度を前記対応する接触感度に変更する変更手段と、
を備えた請求項1又は2記載の個人認証装置。
【請求項4】
個人認証情報に使用言語を対応付けて記憶すると共に、前記使用言語に出力情報を対応付けて記憶する記憶手段と、
入力手段により個人認証情報が入力された場合に前記記憶手段を検索し、入力された個人認証情報が記憶されているか否かを判断する個人認証情報判断手段と、
この個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に、現在の使用言語が前記入力された個人認証情報に対応する使用言語であるか否かを判断する使用言語判断手段と、
この使用言語判断手段により現在の使用言語が前記対応する使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記対応する使用言語に変更し、変更された使用言語に対応する出力情報を前記記憶手段から抽出して出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする個人認証装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、個人認証情報が記憶されていないことを前記使用言語のうちの標準の使用言語で報知するための報知情報を記憶し、
前記使用言語判断手段は、前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていないと判断された場合に現在の使用言語が前記標準の使用言語であるか否かを判断すると共に、
前記出力手段は、前記使用言語判断手段により現在の使用言語が前記標準の使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記標準の使用言語に変更し、前記報知情報を出力することを特徴とする請求項4記載の個人認証装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記個人認証情報にタッチパネルの接触感度をも対応付けて記憶すると共に、
タッチパネルと、
前記個人認証情報判断手段により前記入力された個人認証情報が記憶されていると判断された場合に前記入力された個人認証情報に対応する接触感度が前記接触感度のうちの標準の接触感度であるか否かを判断する接触感度判断手段と、
この接触感度判断手段により前記対応する接触感度が前記標準の接触感度でないと判断された場合に現在の接触感度を前記対応する接触感度に変更する変更手段と、
を備えた請求項4又は5記載の個人認証装置。
【請求項7】
操作手段による操作からの経過時間を計測する計時手段を備え、
前記記憶手段は、前記操作手段による操作から省電力モードに移行するまでの設定時間を記憶し、
前記接触感度判断手段は、前記計時手段により計測される前記経過時間が前記設定時間に達した場合に現在の接触感度が前記標準の接触感度であるか否かを判断すると共に、
前記変更手段は、前記接触感度判断手段により現在の接触感度が前記標準の接触感度でないと判断された場合に現在の接触感度を前記標準の接触感度に変更し、省電力モードに移行させることを特徴とする請求項3又は6記載の個人認証装置。
【請求項8】
操作手段による操作からの経過時間を計測する計時手段を備え、
前記記憶手段は、前記操作手段による操作から省電力モードに移行するまでの設定時間を記憶し、
前記使用言語判断手段は、前記計時手段により計測される前記経過時間が前記設定時間に達した場合に現在の使用言語が前記標準の使用言語であるか否かを判断すると共に、
前記変更手段は、前記使用言語判断手段により現在の使用言語が前記標準の使用言語でないと判断された場合に現在の使用言語を前記標準の使用言語に変更し、省電力モードに移行させることを特徴とする請求項3又は6記載の個人認証装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−4007(P2006−4007A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177456(P2004−177456)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】