説明

個体認識ユニット、該個体認識ユニットを使用したペット管理システム

【課題】個体と固体情報との一致を確認して管理可能な個体認識ユニット及び管理システムの提供。
【解決手段】ユニット識別子と行政機関等が管理用に登録した個体識別子と個体情報を記憶するメモリ53を備える個体認識ユニットを用いてペットを管理するペット管理システムであって、外部から入力した個体識別子とメモリに記憶した個体識別子との対応が一致するか否かを判定し、一致すると判定したとき、外部からの個体情報の読み出しを許可することによって、ペット個体と個体情報との一致を確保した上で、ペットホテル603・動物病院300・ペット保険業者500等において、個体情報に含まれるペットの種別・健康情報・病歴情報を読み出すことや、健康情報・保険情報を登録すこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬又は猫等のペットに装着され、ペットとの対応を確保することができる個体認識ユニット、該個体認識ユニットの通信及び記憶機能を用いてペットを管理することができるペット管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動物の迷子や不用意に捨てられることを防止するため、通信及びメモリ機能付きのマイクロチップを動物体内に埋設させ、該マイクロチップの固有識別子(ID)や飼い主情報を役所等でデータベース化しておき、迷子等の際に前記データベースを検索して飼い主を検索する迷子検索システムが提案されている。
【0003】
他方、犬の狂犬病予防注射等の情報を第三者が容易に検索することを目的とし、予防注射の情報や犬種/性別等の個体情報をデータベースに登録しておき、第三者が前記データベースを検索して予防注射等の情報を知ることができる動物個体管理支援システムが下記特許文献1にて提案されている。尚、前述のマイクロチップ使用を法的に義務付ける法案化も推進されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−21758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術による迷子検索システムは、マイクロチップに固定識別用の識別子(ID)を格納していているだけであり、その個体特有の予防注射摂取状態他の健康状態はデータベースを検索しても知ることができないと言う不具合があった。
【0006】
前記特許文献1記載の動物個体管理支援システムは、病歴や飼い主等の情報を個体情報と共にデータベースを検索して知ることができるものの、マイクロチップのチップIDを知らなければ当該各種情報を知ることができないと言う不具合があった。
【0007】
また、個体情報等を記憶したICチップを首輪等に設け、このICチップから個体情報等を入手することも提案されているが、その個体(ペット)と首輪(ICチップ)との対応が正しいか否かを知ることができず、例えば第三者が悪意により首輪を交換した場合、誤った個体情報等が提供されてしまう可能性があると言う不具合があった。
【0008】
本発明の目的は、前述の従来技術による不具合を除去することであり、ペット等の個体と該個体に装着された個体認識ユニットの個体情報との一致を確保して正確な個体情報及び健康情報を知ることができる個体認識ユニット、該個体認識ユニットを使用したペット管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明は、ユニット識別子と個体識別子と個体情報を記憶するメモリと、該メモリに記憶したユニット識別子と個体識別子と個体情報を読み出す制御部とを備える個体認識ユニットであって、
外部から入力した個体識別子とメモリに記憶した個体識別子との対応が一致するか否かを判定する第1機能部と、
該第1機能部において一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第2機能部とを含むことを第1の特徴とする。
【0010】
本発明は、管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う制御部を有する個体認識ユニットであって、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能部と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能部と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能部と、
該第3機能部において一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能部とを含むことを第2の特徴とする。
【0011】
また本発明は、管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う制御部を有する首輪形状の個体認識ユニットであって、
リング状の首輪円環部の一部を接合及び接合解除を行う鍵部と、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能部と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能部と、
前記鍵部が接合を解除後に再結合するとき、前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能部により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能部と、
該第3機能部において一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能部とを含むことを第3の特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記第1から第3何れかの特徴の個体識別ユニットであって、一致しないと判定したとき、警告動作を行う警告機能部を含むことを第4の特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記第1から第3何れかの特徴の個体識別ユニットであって、一致しないと判定したとき、動物への個体識別ユニット装着を阻止する装着阻止機能部を含むことを第4の特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記第1から第5何れかの特徴の個体識別ユニットであって、複数のGPS衛星から送信される軌道情報を基に自己の位置である経度緯度情報を算出し、該算出した経度緯度情報を発信する位置情報通知機能部とを含むことを第5の特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記第1から第5何れかの特徴の個体識別ユニットであって、前記メモリに、個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種の各情報、及び又は、病歴情報を記憶することを第6特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記第2から第6何れかの特徴の個体識別ユニットであって、前記制御部が、動物に埋設されたマイクロチップとデータ交信を行うことを第7の特徴とする。
【0017】
更に本発明は、ユニット識別子と個体識別子と個体情報を記憶するメモリ及び該メモリに記憶したユニット識別子と個体識別子と個体情報を読み出す制御部とを備える個体認識ユニットと通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムであって、
前記固体識別ユニットの制御部が、
外部から入力した個体識別子とメモリに記憶した個体識別子との対応が一致するか否かを判定する第1機能部と、
該第1機能部において一致すると判定したとき、外部からの個体情報の読み出しを許可する第2機能部とを含むことを第8の特徴とする。
【0018】
また本発明は、管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムであって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能部において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報をメモリに記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第4機能部により外部からの個体情報の読み出しが許可されたとき、前記第5機能部により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能部により読み出した固体情報を基に保険条件を判定する第7機能能とを実行させることを第9の特徴とする。
【0019】
更に本発明は、管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムのペット管理方法であって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報を記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第5機能により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能により読み出した固体情報を基に保険条件を判定する第7機能とを実行させることを第10の特徴とする。
【0020】
更に本発明は、管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムであって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能部において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報を記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第5機能により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能により読み出した固体情報の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の情報を表示する第8機能とを実行させることを第11の特徴とする。
【0021】
更に本発明は、管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムのペット管理方法であって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能部において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報を記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第5機能により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能により読み出した固体情報の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の情報を表示する第8機能とを実行させることを第12の特徴とする。
【0022】
また本発明は、前記第8又は9又は11の特徴のペット管理システムであって、一致しないと判定したとき、警告動作を行う警告機能部とを含むことを第13の特徴とする。
【0023】
また本発明は、前記第8又は9又は11何れかの特徴のペット管理システムであって、一致しないと判定したとき、動物への個体識別ユニット装着を阻止する装着阻止機能部を含むことを第14の特徴とする。
【0024】
また本発明は、前記第8又は9又は11何れかの特徴のペット管理システムであって、前記制御部が、複数のGPS衛星から送信される軌道情報を基に自己の位置である経度緯度情報を算出し、該算出した経度緯度情報を発信する位置情報通知機能部とを含むことを第15の特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記第8又は9又は11何れかの特徴のペット管理システムであって、記制御部が、動物に埋設されたマイクロチップとデータ交信を行うことを第16の特徴とする。
【0026】
また本発明は、前記第10又は12何れかの特徴のペット管理システムであって、一致しないと判定したとき、警告動作を行う警告機能とを含むことを第17の特徴とする。
【0027】
また本発明は、前記第10又は12何れかの特徴のペット管理システムであって、一致しないと判定したとき、動物への個体識別ユニット装着を阻止する装着阻止機能を含むことを第18の特徴とする。
【0028】
また本発明は、前記第10又は12何れかの特徴のペット管理システムであって、前記制御部に、複数のGPS衛星から送信される軌道情報を基に自己の位置である経度緯度情報を算出し、該算出した経度緯度情報を発信する位置情報通知機能を実行させることを第19の特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明による個体認識ユニットは、外部から入力した個体識別子、例えば動物等のマイクロチップ識別子と予めメモリに記憶した個体識別子との一致を判定し、一致すると判定したときのみ、メモリに記憶した個体情報の外部読み出しを許可する様に構成したことにより、メモリに記憶した個体情報と個体(ペット)との対応を判定したときのみに個体情報を外部から読み出すことができ、これによって個体と個体情報との一致を確保することができる。
【0030】
また前記個体認識ユニットを使用したペット管理システムは、個体認識ユニットに記憶した健康情報や予防接種情報を保険会社又はペット管理会社が、ペットの予防接種情報や健康情報を基に保険条件の生成や預かり時の判定等に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による個体認識ユニットの一例である首輪ユニットの外観斜視図。
【図2】本実施形態による首輪ユニットの回路構成図。
【図3】本実施形態による首輪ユニットに記憶するデータフォーマット図。
【図4】本実施形態による首輪ユニットの動作フロー図。
【図5】本実施形態による首輪ユニットを使用したペット管理システムを示す図。
【図6】本実施形態によるペット情報表示画面の例を示す図。
【図7】本実施形態による保険管理データベースのデータ例を示す図。
【図8】本実施形態による保険管理データベースのデータ例を示す図。
【図9】本実施形態による保険管理処理の一例を示すフロー図。
【図10】本発明の他の実施形態による個体認識ユニットの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明による個体認識ユニット、該個体認識ユニットを使用したペット管理システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0033】
最初に本実施形態による個体認識ユニットの形態を動物の首に装着する首輪ユニットとした例を説明する。
[構成]
[全体外観]
本実施形態による首輪ユニットは、図1に示す如く、全体外観形状が犬や猫の首に嵌められる首輪形状を成し、大別して、リードを装着するためのフック部を含むソーラ付き電池部10と、後述するランプの点灯/点滅を行うランプ部40と、外部と通信を行うRFIDチップや各種情報を格納するメモリ等の電子回路を搭載するRFIDタグ部50と、GPS通信衛星からの位置情報を受信し、該受信した位置情報を発信する電子回路を搭載したGPS部60と、管轄の役所等により発行される鑑識を取り付けるための鑑識情報部70と、ペットの名前等を表示するための名札部80と、ペットの首の太さや必要に応じた機能に応じて首輪太さ(直径)を調整するための複数の予備連結部90と、鍵等により開閉する鍵部30とから成り、各部位が内側からのみ連結を解除可能な連結機構により円弧状形状を成して連結されることによって可撓性をもって連結する首輪を形成する。
【0034】
尚、材質は、少なくともペットの首に接する内側は皮や布地の柔らかい材質が望ましく、後述する連結機構や電子回路を保護する部分は金属又は高硬度の合成樹脂により形成することが望ましく、且つ各部位及び連結部は防水機能を有している。
【0035】
[内部回路]
前記円弧状の各部位は、後述する(1)〜(7)の様に構成され、各部位の基本構成及び機能を図2を参照して説明する。
(1)ソーラ付き電池部10:
このソーラ付き電池部10は、後述する通信用のアンテナ機能を兼ねたリード係合用のフック部20を有し、外観部に配置されて太陽光を受光することによって発電するソーラパネル11と、該ソーラパネル11によって発電された電力を蓄電するための主電池部12と、前記フック部20を後述する送受信回路と接続するためのアンテナ線21と、後述する理由によってマイクロチップ200を内蔵するための内部空間を構成するチップ装着部15とを備え、リードがフック部20に係合されることによりソーラパネル11が上向きになり、太陽光に発電した電力を蓄電するように構成されている。尚、前記主電池部12に加えて交換型の電池を内蔵可能なように構成しても良く、電源供給経路は省略して説明する。
【0036】
(2)ランプ部40:
このランプ部40は、前記ソーラ付き電池部10からの給電を受けて発光するランプ41と、該ランプ41の点滅を制御する制御部42とを備え、該制御部42が、夜間の散歩時や後述する警告時にランプ41を点滅制御するものである。
【0037】
(3)RFIDタグ部50:
このRFIDタグ部50は、ペットに埋設されたマイクロチップ200と交信するRFIDタグ51aと、該交信によりマイクロチップ200から受信したマイクロチップの識別子(ID)と自己のRFIDタグ51aの識別子(ID)との対応情報並びに後述する個体情報他を記憶するメモリ53と、前記RFIDタグ51a及びメモリ53を制御する制御部(CPU)52とから構成される。
【0038】
前記メモリ53に記憶される情報は、例えば図3に示す如く、犬種等の種別/生年月日/性別/血液型/血統有無/公的機関により付与される識別番号等の個体基礎情報と、前述したマイクロチップ識別番号及びRFIDタグの識別番号(ID)である首輪識別番号(ID)とを含むID情報と、飼い主の氏名/住所/電話番号/メールアドレス等を含む飼い主情報と、当該個体の主治医の病院名/美容室/食事/散歩回数/生活圏範囲を示す位置情報等の生活情報と、体重/病歴/予防注射の接種/フィラリア予防注射/2種混合ワクチン(犬ジステンパー、犬伝染性肝炎)注射/接種日付情報等の健康情報と、ペット保険加入有無等の保険情報とから構成されるものであるが、これに限られるものではない。
【0039】
また本実施形態によるRFIDタグ部50は、メモリ53に格納したマイクロチップ識別子とRFIDタグ51aの識別子(ID)との対応が、正規のペットに本首輪ユニットが装着されているか否かを判定する識別機能を有し、この識別機能については後述する。
【0040】
(4)GPS部60:
複数のGPS衛星から送信される詳細な軌道情報を基に経度緯度情報を受信するためのアンテナ61と、該アンテナ61により受信した複数の経度緯度情報を基に自己の位置を算出するGPS受信部62と、該算出した位置情報を発信するための位置情報発信部64と、前記GPS受信部62及び位置情報発信部64を制御する制御部63と、前記ソーラ付き電池部10のフック部20と導通するアンテナ線21と、前記主電池部12とコネクタ121及び電源線120を介して導通することにより前記回路部位に電力を供給する副電池65とを備え、受信した複数の経度緯度情報を基に自己の位置情報を発信する様に構成されている。尚、位置情報の発信機能は、常時駆動している必要はなく、これについては後述する。
【0041】
(5)鑑識情報部70:
この鑑識情報部70は、区町村等のペット管轄を行う役所から発行される鑑識証を貼り付ける又は記入する又は装着する為の部位であり、鑑識証を内部に貼り付けるための内部空間を設けることもできる。
【0042】
(6)名札部80:
この名札部80は、飼い主が例えばペット名を表記する為のものであって、ペットショップ等で刻印しても良いし、ペット名を記入した紙等を内蔵できるようにしても良い。
【0043】
(7)予備連結部90:
この予備連結部90は、本実施形態による首輪ユニットを装着する個体の首の太さやユーザより選択される前述の機能部位により、首輪の太さを調整するものであって、前記機能を成すための電源線120/アンテナ線21/コネクタ22等を設けても良い。
【0044】
(7)鍵部30:
この鍵部30は、前記ソーラ付き電池部10及びRFIDタグ部50と連結して構成され、飼い主が所有する鍵や暗証番号により符号31aと31bに示す部位に分割及び結合が成されることによって、本首輪ユニットをペットに装着する/装着を外す鍵機能と、この分割後に再結合されたことを検出し、この再結合をRFIDタグ部50に電波により通知するRFIDタグ51bと、この動作を制御する制御部とを備える。
【0045】
この様に構成された首輪ユニットは、最低限の基本的部位として、前述したソーラ付き電池部10と鍵部30とRFIDタグ部50の3部位から構成され、装着されるペットの首の太さや飼い主の選択によって、予備連結部90やGPS部60を追加することができる。
【0046】
[基本動作01]
この様に構成した本実施形態による首輪ユニットは、電波受信により発電して識別番号を発信するマイクロチップ200を埋め込んだペット2の首に装着され、前述のRFIDタグ部50のメモリ53に格納した各種情報と首輪ユニットが装着されたペットとの対応が正しいことを認識するものであって、この認識処理は、図4に示す如く、制御部52が、例えば電源オン時に続いて、RFIDタグ51aの通信機能を用いてマイクロチップ200と交信するステップS01と、この交信によりマイクロチップ200の識別子(ID)を取得し、メモリ53に格納するステップS02と、鍵部30のRFIDタグ51bと交信し、該RFIDタグ51bの識別子を前記マイクロチップ200の識別子(ID)と対応して格納するステップS03と、鍵部30の連結がロックされたか否かを判定し、ロックされていないと判定したときに入力側に戻るステップS04と、該ステップS04により鍵がロックされたと判定したとき、前述のメモリ53に格納したマイクロチップとRFIDタグの識別子との対応情報が変更できないように電子的にロックするステップS05とを実行する。
【0047】
これら一連の処理によって本実施形態による首輪ユニットは、最初に首輪ユニットをペットに装着したとき、ペットに埋め込まれたマイクロチップ200と交信し、当該マイクロチップ200の識別子と首輪ユニット固有のRFIDタグ51bの識別子との対応をメモリ53に記憶するように動作する。尚、前述したマイクロチップとRFIDタグの識別番号の対応をメモリに格納するタイミングは、本例に限られるものではなく、例えばセット信号/リセット信号等の外部からの指令等の他の条件をタイミングとして選定しても良い。
【0048】
次いで本首輪ユニットは、鍵部30のロックが解除されるか否かを判定するステップS06と、該ステップS06において鍵部30の施錠が解除されたことを判定した後、再び鍵部30が施錠されたか否かを判定するステップS07と、該ステップS07において再施錠されたことを判定したとき、RDIDタグ51aが再びペットに埋設されたマイクロチップの識別子を取得し、この取得したマイクロチップの識別子がメモリ53に記憶したマイクロチップ200の識別子との対応情報と一致するか否かを判定するステップS09と、該ステップS09において一致すると判定したとき、鍵部30に対する施錠許可信号をタグを介して送信して鍵ロックを許可するステップS10と、この許可信号を受信した鍵部30が施錠を行うステップS11を実行する。
【0049】
特に本実施形態による首輪ユニットは、前記ステップS90においてメモリに記憶したマイクロチップ識別子が受信した識別子と相違する(マイクロチップ識別子を受信不可の場合も含む)と判定したとき、前述のステップS07に戻ることによって、鍵の再施錠を阻止する様に動作することによって、例えば首輪ユニットが本来のペットと異なるペットに装着されることを防止することができる。
【0050】
尚、本実施形態においては、鍵の再施錠動作中にマイクロチップ識別子が相違すると判定したとき、再施錠を阻止する例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、例えば、ランプ部40のランプを点滅させて異常を警告することや、図示しないスピーカにより警告音を発することや、GPS部60の通信機能を用いて警告情報を飼い主や警備会社等に通報する様に構成しても良い。
【0051】
また本実施形態による首路ユニットは、首輪ユニットが正規に交換される場合に備え、例えば病院や役所等の比較的公的機関において、ステップS12にて示すクリア信号を受信し、これをステップS13により判定することによって、前述のメモリに格納した対応情報をステップS14にて示す如く削除し、初期状態にリセットすることもできる。
【0052】
これら一連の処理によって本実施形態による首輪ユニットは、首輪ユニットが誤って又は悪意により交換された場合、ペットの各種個体情報を格納した首輪ユニットと個体との対応を確保することができ、従って、誤った個体情報によりペットの病歴や生活情報が誤解されることや、例えば悪意により混血種のペットを純血種として販売されることを防止することができる。
【0053】
[基本動作02]
本実施形態による首輪ユニットは、前述した首輪ユニットの誤装着を防止することができる機能に限られるものではなく、例えばペットが迷子になった場合、GPS部60のGPS受信部62がGPS衛星からアンテナ61を介して経緯緯度情報を受信してペットの位置情報を取得し、この位置情報を位置情報発信部64により飼い主や警備会社等に無線通信することによって、ペットの迷子対策とすることもできる。尚、このGPS部60による位置情報の発信は、迷子時以外は不要であり、無駄な消費電力を防ぐため、例えばGPS部60の制御部62が1分〜1時間等の任意の時間間隔で位置情報を取得し、位置情報が当該ペットの生活圏(メモリ53に記憶した生活圏の位置座標)内を大きく外れたことを検出したときに位置情報の発信を行うことや、フック部20からリードが強制的に外されたときに位置情報を発信するように構成しても良い。また、位置情報発信時には、ランプ部40のランプ41を高照度且つ高速に点滅させる/赤色等の発光表示させるように構成しても良い。
【実施例2】
【0054】
前述の実施形態においては、本発明による個体認識ユニットの形態を首輪ユニットとした例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば図10に示す如く、ペットの首輪に係合されるフック部20を有し、制御部52がRFIDタグ51aを介してペット2にマイクロチップ200と交信してマイクロチップ識別情報をメモリ53に格納し、定期的又はフック部20が首輪から外され、再装着されたたことを検知したとき、メモリ53に記憶した識別子と受信した識別子とが一致するか否かを判定し、一致しないし判定したとき、ブザー又は発光部からなる警告部58を用いて誤装着されたことを警告する様に構成しても良い。
尚、本実施形態によるメモリ53には、図3に示した個体基本情報その他情報が格納されることは言うまでもなく、外観形状も例示したものに限られるものではない。
【実施例3】
【0055】
前述のように本発明による個体認識ユニットは、内蔵したメモリに個体情報他の情報を格納すると共に、正規のペット以外のペットに装着されたときに警告を発する等の機能を有するものであり、前記メモリに格納した各種情報を用いてペットの位置情報検出/健康管理/ペット保険管理等も行うことができ、この実施形態を図5を参照して説明する。
【0056】
(1)迷子発見機能:
この迷子発見機能は、前述したようにGPS部60でGPS衛星610からの経緯緯度情報を基に取得した位置情報が当該ペット2の生活圏内を大きく外れたとき等に位置情報を発信し、この位置情報を迷子センタ6が受信し、飼い主5のPC5aや携帯電話5bに転送する/逆に飼い主が迷子センタ6にアクセスすることによって、飼い主はペットの位置を知ることができる。
【0057】
また本発明による個体認識ユニットは、迷子のペットが警察や保健所等の公的機関にて保護された場合、当該公的機関のコンピュータによりメモリに格納した基本個体情報や飼い主情報を参照することができ、これによって迷子のぺットを飼い主に容易に戻すことができる。また本実施形態による個体認識ユニットは、図3に示した各種情報の内、例えば「個体基礎情報」「ID」「飼い主情報」「生活情報」「健康情報」「保険情報」の各情報グループ又は各項目について複数のセキュリティレベルを設定したアクセス権を予め設定する。例えば、前記公的機関においては「個体基礎情報」「ID」「飼い主情報」のみにリードライト可能なアクセス権のみを設定し、後述するペットショップにおいては「個体情報」はリードオンリーのアクセス権/「生活情報」はリードライト可能なアクセス権のみを設定し、病院においては「個体基礎情報」「ID」「飼い主情報」「生活情報」のリードのみのアクセス権/「健康情報」はリードライト可能なアクセス権のみを設定し、ドッグランにおいては「個体基礎情報」及び「健康情報」の「予防接種履歴」のリードオンリーのアクセス権のみを設定し、保険会社は「個体基礎情報」及び「健康情報」のリードオンリーのアクセス権/「保険情報」のリードライトのアクセス権のみを設定することによって、飼い主の個人情報の漏洩等を防止することができる。
【0058】
尚、前記個体認識ユニットのメモリに登録される個体情報は、前述の個体と個体認識ユニットとの対応が確認された後、アクセス権に応じて役所700のコンピュータ70によって管理・登録され、データベース702に保存することや、ペットショップ400のコンピュータ401を用いて買い主情報や生活情報を登録可能に構成しても良い。
【0059】
(2)健康状態管理機能:
本発明による個体認識ユニットは、前述の個体と個体認識ユニットとの対応が確認された後、RFIDタグ部50のメモリ53に図3に示したペットの体重や病歴等の健康情報を病院300のコンピュータ301を用いて前述のアクセス権に応じて記憶させておくことによって、他の病院においても当該ペットの健康状態の変化や病歴を知ることができ、従ってペットの健康管理を好適に行うことができる。
【0060】
特に本発明においては、前述した個体認識ユニットとペット毎の対応が保証されることによって、誤った治療等を防止することもできる。
【0061】
(3)保険加入支援機能:
本実施形態による個体認識ユニットは、メモリにペットの犬種等の種別/生年月日/性別/血液型/血統有無/個体の主治医の病院名/食事/散歩回数/体重/病歴/予防注射の接種等の健康情報を記憶しているため、例えば保険会社500は、前述の個体と個体認識ユニットとの対応が確認された後、アクセス権に応じて個体認識ユニットに記憶された前記各情報を参照することによって、ペット保険条件(保険対象の病気/保険掛け金/保険金等)を判定し、これを基にペット飼い主と保険契約を締結することや、ペットの病気や死亡等の保険金支払いに該当する事項が発生したとき、ペット個体の正当性を確認することや、保険情報(保険条件/保険金支払い状況等)を容易に確認することができる。
【0062】
この保険会社500は、自社の管理コンピュータ501の保険データベース502に、前述のペットの犬種等の種別/生年月日/性別/血液型/血統有無/個体の主治医の病院名/食事/散歩回数/体重/病歴/予防注射の接種等/ペット保険条件(保険対象の病気/保険掛け金/保険金等)等の情報を登録しておき、保険情報を管理することができる。
【0063】
更に保険会社500は、自社の管理コンピュータ501に、ペットの犬種等の種別/生年月日/性別/血液型/血統有無/個体の主治医の病院名/食事/散歩回数/体重/病歴/予防注射の接種等の健康情報を基に、保険条件(保険対象の病気/保険掛け金/保険金等)を判定するための判定条件をパラメータとして登録しておき、前記各情報及び各情報の組合せによって、保険条件を自動的に作成する機能を有する保険締結条件判定プログラムや、前述の保険データベース502に格納した多数の過去の保険情報を元に前記保険締結条件判定プログラムのパラメータを変更する機能を有する保険条件修正プログラムを有し、これらプログラムによって保険締結/保険金支払い/保険締結条件の見直し等を容易に行うことができる。
【0064】
次に前記ペット保険加入時のコンピュータ501による保険加入処理について図7〜図9を参照して説明する。
保険会社のコンピュータ501の保険データベース502には、例えば犬の例の場合、犬の年齢に応じた病気及び死亡時の保険料及び保険金の個体自己保険情報を格納した保険料対保険金基本テーブル(図示せず)と、図7に示した犬種別特性データベースと、図8(a)〜(d)に示した補正値テーブルが格納され、保険会社のコンピュータ501が各テーブルを参照しながら図8に示す処理を実行することによって、病気/死亡/対人損害/対物損害/対動物損害の各保険料並びに病気/死亡時等の保険金を算出し、保険担当者に表示し、飼い主の承認を得た内容にてペット保険を締結することができる。
【0065】
前記保険会社のコンピュータ501の保険データベース502には、犬の場合を例にとって説明すると、図7に示した犬種グループ別の病気に対する病気耐性レベル(病気/死亡保険用)と攻撃性レベル(対物/対人保健用)の基本データを登録した犬種別特性データベースと、該犬種別特性データベースの病気耐性及び攻撃性に対する詳細犬種別の保険料を補正するための保険料補正率データテーブル(図8[a]〜[d])とを備え、コンピュータ501の制御部が、例えば保険料対保険金基本テーブル(図示せず)及び図7の犬種別特性データベースに登録した犬種グループにより基本とする基本病気耐性値及び基本攻撃性値を基に基本となる保険料及び保険金を設定し、図8に示した各テーブルを参照した補正率を用いて個体別の保険料及び保険金提案資料を作成して、保険係員に表示及び印字出力する様に構成されている。
【0066】
前記補正率テーブルは、犬種よる病気に対する耐性に応じた保険料補正率を格納した病気耐性補正値テーブル(図7[a])と、犬種(性格)による攻撃性のレベルに応じた保険料補正率を格納した攻撃性補正値テーブル(図7[b])と、体重が標準に対する比較により攻撃性が変化することを考慮し、犬個体の標準体重に対する対病気保険料補正率を格納した対病気保険用補正値テーブル(図7[c])と、犬個体の標準体重を基に相手に対する攻撃可能性による保険料補正率を格納した対物保険用補正値テーブル(図7[d])の各情報から構成される。
【0067】
この補正率による補正は、例えば図8(e)に示す如く、肥満のドーベルマンの場合、病気/死亡保険の基本保険料/保険金に対して、体重が標準に比べて高いために保険料が110%になり、対人/対物に対しても攻撃性が150%の補正率と体重増加による80%の補正率によって120%の保険料として算出するものであり、標準のチワワの場合も同様に攻撃性が低いために対人/対物の保険料が90%、病気耐性が低いために病気等の保険料が110%の保険料として算出するものであるが、これに限られるものではない。
【0068】
前記保険会社のコンピュータ501の制御部は、例えば図9に示す如く、保険加入候補の犬が予防接種済みか否かを判定し、非接種の場合に保険負荷のステップS31に移行するステップS30と、該ステップS30において接種済みと判定したとき、純血種か否かを判定するステップS32と、該ステップS32において純血種と判定したとき、性別を判定するステップS33と、該ステップS33において「雄」と判定したとき、加入希望の保険種が「死亡/病気保険」か「対物/対人保険」かを判定するステップS34とを実行する。
【0069】
前記ステップS34において「死亡/病気保険」と判定したとき、本処理は、ステップS40〜43による体重判定/犬種判定/病歴/獣医による健康状態の診断結果/年齢の判定の各処理を経た後、保険会社の管理者による補正をステップS44により行い、同様に前記ステップS34において「対物/対人保険」と判定したとき、体重判定/犬種判定/性別判定の各処理をステップS50〜52により行った後に保険会社の管理者による補正をステップS53により実行する。次いで本処理は、前記各ステップにより得た体重/犬種/病歴/年齢等をファクターとして図7に示した犬種別特性データベースを基に保険加入候補の個体の基本病気耐性値及び基本攻撃性値を得るステップS35と、この基本病気耐性値及び基本攻撃性値を図8に示した補正率及び顧客希望条件処理のステップS37を基に補正処理するステップS35とを実行することによって、個体別の保険料及び保険金提案資料を作成して、保険係員に表示及び印字出力することができる。
尚、前記ステップS32において「雑種」と判定、又はステップS33において「雌」と判定したときには、前述のステップ同様の処理によって個体別の保険料及び保険金提案資料を作成することができる。
【0070】
(4)施設管理機能:
更に本発明による個体認識ユニットは、例えばペット(犬)をドックラン600で遊ばせる又はペットホテル603等に預ける場合、当該ドックラン等の管理者のコンピュータ601が前述の個体と個体認識ユニットとの対応が確認された後、個体認識ユニットのメモリに記憶させた予防注射の接種情報を読み出し、当該施設でペットを預かっても他のペットに病気の伝染等の支障がないことをアクセス権に応じて確認することができ、更に過去に預かったペット情報を管理データベース602に記憶されておくことによって、アフターケア/施設案内等に供される基礎情報して使用することもできる。
【0071】
また本実施形態によるペットホテル603のコンピュータ601は、例えばドッグラン設備内にペット2の詳細位置を検出するための複数のアンテナ621a〜621c並びにドッグランにおける画像を撮影するための監視カメラ621a及び621bと接続され、前記複数のアンテナ621a〜621cを用いてドッグラン内で遊ぶ犬の位置情報を入力すると共に、監視カメラ621a及び621bを用いて前記ドッグラン内で遊ぶ犬の画像情報を入力し、表示部に例えば図6に示す如く、個々の犬2a〜2cの画像と、データベース602に登録した個々の犬2a〜2cの情報(犬種/年齢/性別/予防接種状況他)を個々に表示することによって、当該ドッグランを利用する飼い主が他の犬の状況を知ることができるサービスを提供することができる。尚、前記施設で見られることができる情報は、アクセス権が設定されており、飼い主の個人情報に関しては個人情報が保護されることが望ましい。
【0072】
前述の実施形態により説明した個体識別ユニットは、RFIDタグ部50の制御部52がRFIDタグ51aをペットに埋設されたマイクロチップ200とデータ交信を行う例を説明したが、ペットの飼い主の考え方によってはペットにマイクロチップを埋め込むことに抵抗を示すことが考えられる。このため本発明による個体識別ユニットは、ソーラ付き電池部10にマイクロチップ200を内蔵させるためのチップ装着部15を設けており、ペットの飼い主がマイクロチップをペットに埋設することを拒否した場合、役所等の公的機関が動物管理用の識別子を登録したマイクロチップを前記チップ装着部15に内蔵させ、前述の実施形態のように動作させることによって、前述実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0073】
尚、本例の場合は、前記実施例1により説明した個体と個体情報との一致をマイクロチップを用いた確認を行うことができなくなるが、この個体と個体情報との一致は、例えば公的機関において、ペットの眼球に対して網膜の血管パターンを赤外線で撮影した網膜パターン画像を個体識別子として個体識別ユニットのメモリに登録しておき、保険契約等の個体一致確認が重要な使用形態においては、保険会社等のコンピュータを用いて該当ペットの網膜撮影を行い、撮影した網膜パターンとメモリに記憶した網膜パターン画像との一致を確認することによって、個体と個体情報との一致を確認するように構成しても良い。この個体と個体情報との一致を確認する手法は前述の例に限られるものではなく、体毛を基にしたDNA情報や該当の動物特有の個体を識別可能な個体識別生体情報(例えば、鼻紋)を用いても良い。即ち、個体と個体情報との一致を確認する手段しては、前述のマイクロチップに限られるものではなく、個体の生体情報を基に判定しても良い。
【0074】
尚、本実施形態においては、個体認識ユニットの例として首輪又はペンダント形状のものを説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、ペットに何等かの形で取り付けられるものであれば、これら形状に限られるものではない。
【0075】
更に前述の実施形態においては、動物に埋設する部位としてマイクロチップを説明したが、前述の実施形態による個体認識ユニットの機能をマイクロチップに内蔵させ、当該マイクロチップを動物に埋設するようにしても良い。
【符号の説明】
【0076】
2:ペット、6:迷子センタ、10:電池部、11:ソーラパネル、12:主電池部、20:フック部、21:アンテナ線、22:コネクタ、30:鍵部、40:ランプ部、42:制御部、50:RDIDタグ部、51a:RFIDタグ、51b:RFIDタグ、52:制御部、53:メモリ、58:警告部、60:GPS部、61:アンテナ、62:受信部、62:制御部、63:制御部、64:位置情報発信部、65:副電池、70:コンピュータ、70:鑑識情報部、80:名札部、90:予備連結部、120:電源線、121:コネクタ、200:マイクロチップ、300:病院、301:コンピュータ、400:ペットショップ、401:コンピュータ、500:保険会社、501:管理コンピュータ、502:保険データベース、600:ドックラン、601:コンピュータ、602:管理データベース、603:ペットホテル、610:GPS衛星、700:役所、702:データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット識別子と個体識別子と個体情報を記憶するメモリと、該メモリに記憶したユニット識別子と個体識別子と個体情報を読み出す制御部とを備える個体認識ユニットであって、
外部から入力した個体識別子とメモリに記憶した個体識別子との対応が一致するか否かを判定する第1機能部と、
該第1機能部において一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第2機能部とを含むことを特徴とする個体識別ユニット。
【請求項2】
管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う制御部を有する個体認識ユニットであって、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能部と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能部と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能部と、
該第3機能部において一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能部とを含むことを特徴とする個体識別ユニット。
【請求項3】
管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う制御部を有する首輪形状の個体認識ユニットであって、
リング状の首輪円環部の一部を接合及び接合解除を行う鍵部と、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能部と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能部と、
前記鍵部が接合を解除後に再結合するとき、前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能部により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能部と、
該第3機能部において一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能部とを含むことを特徴とする個体識別ユニット。
【請求項4】
請求項1から第3何れかに記載の個体識別ユニットであって、一致しないと判定したとき、警告動作を行う警告機能部を含むことを特徴とする個体識別ユニット。
【請求項5】
請求項1から4何れかに記載の個体識別ユニットであって、一致しないと判定したとき、動物への個体識別ユニット装着を阻止する装着阻止機能部を含むことを特徴とする個体認識ユニット。
【請求項6】
請求項1から5何れかに記載の個体識別ユニットであって、複数のGPS衛星から送信される軌道情報を基に自己の位置である経度緯度情報を算出し、該算出した経度緯度情報を発信する位置情報通知機能部とを含むことを特徴とする個体認識ユニット。
【請求項7】
請求項1から6何れかに記載の個体識別ユニットであって、前記メモリに、個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種の各情報、及び又は、病歴情報を記憶することを特徴とする個体認識ユニット。
【請求項8】
請求項2から第6何れかに記載の個体識別ユニットであって、前記制御部が、動物に埋設されたマイクロチップとデータ交信を行うことを特徴とする個体認識ユニット。
【請求項9】
ユニット識別子と個体識別子と個体情報を記憶するメモリ及び該メモリに記憶したユニット識別子と個体識別子と個体情報を読み出す制御部とを備える個体認識ユニットと通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムであって、
前記固体識別ユニットの制御部が、
外部から入力した個体識別子とメモリに記憶した個体識別子との対応が一致するか否かを判定する第1機能部と、
該第1機能部において一致すると判定したとき、外部からの個体情報の読み出しを許可する第2機能部とを含むことを特徴とするペット管理システム。
【請求項10】
管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムであって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能部において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報をメモリに記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第4機能部により外部からの個体情報の読み出しが許可されたとき、前記第5機能部により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能部により読み出した固体情報を基に保険条件を判定する第7機能能とを実行させることを特徴とするペット管理システム。
【請求項11】
管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムのペット管理方法であって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報を記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第5機能により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能により読み出した固体情報を基に保険条件を判定する第7機能とを実行させることを特徴とするペット管理方法。
【請求項12】
管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムであって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能部において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報を記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第5機能により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能により読み出した固体情報の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の情報を表示する第8機能とを実行させることを特徴とするペット管理システム。
【請求項13】
管理団体により設定された固有識別子が設定されたマイクロチップとデータ交信を行う個体認識ユニットの制御部と通信してペットを管理する管理コンピュータを有するペット管理システムのペット管理方法であって、
前記固体識別ユニットの制御部に、
前記マイクロチップの固有識別子を受信する第1機能と、
該第1機能部により受信したマイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応情報を記憶する第2機能と、
前記マイクロチップの固有識別子とユニット識別子との対応が前記第2機能により記憶した対応情報と一致するか否かを判定する第3機能と、
該第3機能部において識別子が一致すると判定したときのみ、外部からの個体情報の読み出しを許可する第4機能と、
個体の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の各情報を含む固体情報を記憶する第5機能とを実行させ、
前記管理コンピュータに、
前記第5機能により記憶した固体情報を読み出す第6機能と、
該第6機能により読み出した固体情報の個体種別と生年月日と性別と予防注射接種と病歴の情報を表示する第8機能とを実行させることを特徴とするペット管理方法。
【請求項14】
請求項8又は9又は11記載のペット管理システムであって、一致しないと判定したとき、警告動作を行う警告機能部とを含むことを特徴とするペット管理システム。
【請求項15】
請求項8又は9又は11何れかに記載のペット管理システムであって、一致しないと判定したとき、動物への個体識別ユニット装着を阻止する装着阻止機能部を含むことを特徴とするペット管理システム。
【請求項16】
請求項8又は9又は11何れかに記載のペット管理システムであって、前記制御部が、複数のGPS衛星から送信される軌道情報を基に自己の位置である経度緯度情報を算出し、該算出した経度緯度情報を発信する位置情報通知機能部とを含むことを特徴とするペット管理システム。
【請求項17】
請求項8又は9又は11何れかに記載のペット管理システムであって、記制御部が、動物に埋設されたマイクロチップとデータ交信を行うことを特徴とするペット管理システム。
【請求項18】
請求項10又は12記載のペット管理方法であって、一致しないと判定したとき、警告動作を行う警告機能とを含むことを特徴とするペット管理方法。
【請求項19】
請求項10又12記載のペット管理方法であって、一致しないと判定したとき、動物への個体識別ユニット装着を阻止する装着阻止機能を含むことを特徴とするペット管理方法。
【請求項20】
請求項10又は12記載のペット管理方法であって、前記制御部に、複数のGPS衛星から送信される軌道情報を基に自己の位置である経度緯度情報を算出し、該算出した経度緯度情報を発信する位置情報通知機能を実行させることを特徴とするペット管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−220506(P2010−220506A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69283(P2009−69283)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(309008295)
【Fターム(参考)】