説明

停止判定装置及び停止判定方法

【課題】連続する所定期間を跨ぐタイミングで加減速が行われた場合であっても、正確な停止判定を行う停止判定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】連続する所定期間毎に、該所定期間における第1期間比較値を特定して記憶させ、今回特定した第1期間比較値と記憶されている前回特定した第1期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行い、この判定結果を第1記憶部に記憶させ、さらに、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における第2期間比較値を特定して記憶させ、今回特定した第2期間比較値と記憶されている前回特定した第2期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行い、この判定結果を第2記憶部に記憶させ、第1記憶部に記憶された判定結果と第2記憶部に記憶された判定結果に基づいて停止状態か否かの判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体が停止状態か否かを判定する停止判定装置及び停止判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、移動体(例えば、車両やバイク)にナビゲーション装置を設置・搭載して、ユーザが所望する目的地までの経路探索や経路案内に利用されている。
【0003】
ところで、ナビゲーション装置には、ナビゲーション装置が設置・搭載された移動体が停止している(停止状態)か否かを判定する必要が生じる場合が存在する。
【0004】
停止状態か否かを判定する必要が生じる場合としては、例えば、車両内のスタンドに着脱可能なポータブルナビゲーション装置において、加速度センサや角速度センサ等の出力に基づき該ポータブルナビゲーション装置の取り付け角度を算出する際に必要であり、また、停止時間を計測し、環境運転評価やアイドリングストップを促す際にも必要となる。さらに、車両が停止しているとき以外では、テレビ視聴や複数回の操作を必要とする機能を実行できないように制御する際にも必要である。
【0005】
そのため、停止状態か否かを判定するために種々の方法が提案されている。例えば、ナビゲーション装置が備える加速度センサや角速度センサの出力に基づく加速度や角速度を閾値と比較し、加速度や角速度が閾値以下であれば停止状態と判定することが行われている。
【0006】
しかしながら、停止時における振動は、車種やエアコン等の作動状態によって様々である。例えば、トラックと電気自動車であれば、停止時における振動が大きく異なる。
【0007】
そのため、車種に関係なく一様に閾値を設定していては、ナビゲーション装置がトラックに設置された場合には、実際にはトラックが停止しているにも関わらず、トラックの停止時における振動により停止状態と判定されない、或いは、ナビゲーション装置が電気自動車に設置された場合には、実際には電気自動車が低速で移動しているにも関わらず、ナビゲーション装置に加わる振動が小さいため停止状態と判定してしまうなどの問題が生じていた。
【0008】
そのため、下記特許文献1(特開2008−37115)では、G値(加速度値)のばらつきを考慮した停止判定を行うために、今回測定した加速度値と前回測定した加速度値との差分値を算出し、該差分値と閾値とを比較することで停止判定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−37115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1における前回測定した加速度値とは、直前に測定した加速度値(特許文献1に記載の通り5秒毎に加速度値を計測するのであれば、5秒前の加速度値)である。
【0011】
しかしながら、停止時(アイドリング状態)における振動による加速度は、ある値で一定となるのではなく、時間経過と共に変化する(例えば−0.5[G]〜0.5[G])ため、前回測定した加速度が、停止時における振動による加速度のうちの小さい値(−0.5[G])であり、今回測定した加速度が、停止時における振動による加速度のうちの大きい値(0.5[G])であれば、差分値(1[G])が大きくなり、停止しているにも関わらず走行状態と判定してしまう恐れがある。
【0012】
そこで、上記課題を解決するために、本願出願人は、特願2011−024710号にて、連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度及び/又は角速度に基づく期間比較値を特定して記憶部に記憶させ、今回特定した期間比較値と前回特定した期間比較値との差分値に基づいて移動体が停止状態か否かを判定する停止判定装置及び停止判定方法を提案している。
【0013】
ここで、図7を用いて、特願2011−024710号を説明の説明を行う。なお、図7は、停止判定装置が搭載された車両が停止している場合に加速度センサにより検出される加速度の時間変化を表したグラフである。
【0014】
特願2011−024710号では、所定期間である0.01[s]〜0.5[s]間における最大の加速度である期間比較値(図7においてはA点である0.06[s]時の0.5[G])と、所定期間である0.51[s]〜1[s]間における最大の加速度である期間比較値(図7においてはB点である0.79[s]時の0.48[G])との差分値を算出し、該差分値の絶対値(0.02[G])が閾値(例えば0.05[G])以下であれば、停止状態であると判定を行っている。
【0015】
これにより、車種などの違いによる停止判定のばらつきを抑制し、正確な停止判定を行うことが可能となる。
【0016】
しかしながら、上記特願2011−024710号を用いる場合、図4に示すような場合に、誤判定を行ってしまう可能性がある。
【0017】
図4は、停止判定装置が搭載された車両が停止している状態から、図4の1[s]付近で加速を行った場合の加速度の時間変化を表したグラフである。なお、説明の簡略化のため図4では、1[s]付近で加速を行った後は、等速で(大きな加減速を行わずに)走行している場合を例示している。
【0018】
すなわち、停止判定装置が搭載された車両は、1[s]付近で停止状態から走行状態へ移行しているため、停止判定装置は、1[s]以降は走行状態と判定しなければならない。
【0019】
そして、図4の場合に、特願2011−024710号を適用すると、所定期間である0.01[s]〜0.5[s]間における最大の加速度である期間比較値(図4においてはC点である0.06[s]時の0.5[G])と、所定期間である0.51[s]〜1[s]間における最大の加速度である期間比較値(図4においてはD点である1[s]時の1.98[G])との差分値の絶対値(1.48[G])が閾値(例えば0.05[G])以上であるため、1[s]の時点で走行状態と判定することが可能であるが、続いて、所定期間である0.51[s]〜1[s]間における最大の加速度である期間比較値(図4においてはD点である1[s]時の1.98[G])と、所定期間である1.01[s]〜1.5[s]間における最大の加速度である期間比較値(図4においてはE点である1.01[s]時の2[G])との差分値の絶対値(0.02[G])が閾値(例えば0.05[G])以下であるため、1.5[s]の時点で実際に走行しているにも関わらず、停止状態と判定してしまう恐れがあった。
【0020】
すなわち、特願2011−024710号では、連続する所定期間を跨ぐタイミングで加減速が行われた場合、実際に走行しているにも関わらず、停止状態と判定してしまう恐れがあった。
【0021】
そこで、本願発明では、連続する所定期間毎に、該所定期間における第1期間比較値(例えば、所定期間における最大の加速度)を特定して記憶させ、今回特定した第1期間比較値と記憶されている前回特定した第1期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行い、この判定結果を第1記憶部に記憶させ、さらに、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における第2期間比較値を特定して記憶させ、今回特定した第2期間比較値と記憶されている前回特定した第2期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行い、この判定結果を第2記憶部に記憶させ、第1記憶部に記憶された判定結果と第2記憶部に記憶された判定結果に基づいて停止状態か否かの判定を行う停止判定装置及び停止判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、移動体に備えられ、加速度及び角速度を取得し、連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第1期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第1期間比較値を特定し、第1記憶部に複数の前記第1期間比較値を記憶させ、今回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値との差分値を算出し、複数の前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させる制御部を備えた停止判定装置であって、前記制御部は、さらに、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第2期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第2期間比較値を特定し、第2記憶部に複数の前記第2期間比較値を記憶させ、今回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値との差分値を算出し、複数の前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として前記第2記憶部に記憶させ、前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて、前記移動体が停止状態か否かを判定することを特徴とする。
【0023】
前記課題を解決するために、本願の請求項2にかかる発明は、移動体に備えられ、加速度又は角速度を取得し、連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度又は角速度に基づく第1期間比較値を特定し、第1記憶部に前記第1期間比較値を記憶させ、今回特定した第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した第1期間比較値との差分値を算出し、前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させる制御部を備えた停止判定装置であって、前記制御部は、さらに、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度又は角速度に基づく第2期間比較値を特定し、第2記憶部に前記第2期間比較値を記憶させ、今回特定した第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した第2期間比較値との差分値を算出し、前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として前記第2記憶部に記憶させ、前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて、前記移動体が停止状態か否かを判定することを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明において、前記第1期間比較値及び第2期間比較値は、前記所定期間における加速度に基づく期間最大加速度、期間最小加速度及び期間平均加速度、並びに、前記所定期間における角速度に基づく期間最大角速度、期間最小角速度及び期間平均角速度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明において、前記所定期間は、前記移動体の停止時における振動の周期以上の長さであることを特徴とする。
【0026】
これにより、所定期間内に少なくとも1度はピークを迎えることとなり、第1仮停止判定及び第2仮停止判定に有効な期間比較値を特定することができるようになる。
【0027】
さらに、本発明において、前記第1仮停止判定結果又は前記第2仮停止判定結果の何れかが停止状態でない場合、前記制御部は、前記移動体が走行状態であると判定することを特徴とする。
【0028】
これにより、連続する所定期間を跨ぐタイミングで加減速が行われた場合であっても、正確な停止判定を行うことが可能となる。
【0029】
さらに、本発明において、前記制御部は、前記今回特定した第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した第1期間比較値との差分値を算出し、該差分値の絶対値と閾値とを比較し、該差分値の絶対値が閾値以下である場合に前記移動体が停止状態であると判定し、該判定の結果を前記第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させ、前記今回特定した第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した第2期間比較値との差分値を算出し、該差分値の絶対値と閾値とを比較し、該差分値の絶対値が閾値以下である場合に前記移動体が停止状態であると判定し、該判定の結果を前記第2仮停止判定結果として前記第2記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0030】
これにより、複数の閾値を設けることなく、車種などの違いによる停止判定のばらつきを抑制し、正確な停止判定を行うことが可能となる。
【0031】
前記課題を解決するために、本願の請求項7にかかる発明は、移動体に備えられる停止判定装置の停止判定方法であって、加速度及び角速度を取得するステップと、連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第1期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第1期間比較値を特定するステップと、複数の前記第1期間比較値を記憶させるステップと、今回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値と記憶された前回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値と記憶された前回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値との差分値を算出するステップと、複数の該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させるステップと、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第2期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第2期間比較値を特定するステップと、複数の前記第2期間比較値を記憶させるステップと、今回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値と記憶された前回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値と記憶された前回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値との差分値を算出するステップと、複数の該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として記憶させるステップと、前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて、前記移動体が停止状態か否かを判定するステップと、を有することを特徴とする。
【0032】
前記課題を解決するために、本願の請求項8にかかる発明は、移動体に備えられる停止判定装置の停止判定方法であって、加速度又は角速度を取得するステップと、連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度及又は角速度に基づく第1期間比較値を特定するステップと、前記第1期間比較値を記憶させるステップと、今回特定した第1期間比較値と前回特定した第1期間比較値との差分値を算出するステップと、該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として記憶させるステップと、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度又は角速度に基づく第2期間比較値を特定するステップと、前記第2期間比較値を記憶させるステップと、今回特定した第2期間比較値と前回特定した第2期間比較値との差分値を算出するステップと、該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として記憶させるステップと、前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、連続する所定期間を跨ぐタイミングで加減速が行われた場合であっても、正確な停止判定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかる制御部が行う第1仮停止判定を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例にかかる記憶部に記憶される加速度を示す図である。
【図4】本発明の実施例にかかる記憶部に記憶される加速度を時間変化とともに表したグラフである。
【図5】本発明の実施例にかかる制御部が行う第2仮停止判定を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例にかかる制御部が行う第1仮停止判定結果及び第2仮停止判定結果に基づく停止判定を示すフローチャートである。
【図7】停止状態において加速度センサにより検出される加速度の時間変化を表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためにナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の停止判定装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0036】
図1は、本発明の一実施例であるナビゲーション装置1の構成ブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御部10、GPS受信機11、加速度センサ12、角速度センサ13、地図記憶部14、音声出力部15、表示部16、操作部17、第1記憶部18、第2記憶部19を備えて構成される。
【0037】
なお、以下の説明では、ナビゲーション装置1が設置・搭載される移動体として車両を例示するが、これに限ることはなく、バイクや自転車に設置・搭載されてもよいし、歩行者により保持され(備えられ)てもよい。
【0038】
制御部10は、CPU、ROM、RAM(何れも不図示)からなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御・統括するものである。
【0039】
また、制御部10は、ユーザが操作部17を介して設定した目的地までの経路を地図記憶部14に記憶された地図情報とダイクストラ法などの手法を用いて探索する。
【0040】
GPS受信機11は、ナビゲーション装置1(ナビゲーション装置1が搭載された車両)の現在位置や進行方向を検出するものであり、例えば、地球上空を周回している3個以上のGPS衛星から時刻情報及び位置情報を含む電波を受信して処理することにより検出することができる。
【0041】
加速度センサ12は、ナビゲーション装置1に加わる加速度を検出するセンサであり、例えば、左右(x)、上下(y)、前後(z)の3軸の加速度を検出するためのセンサであってもよい。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、何れかの1軸のみにかかる加速度を検出する場合を例示する。
【0042】
角速度センサ13は、角速度を検出するセンサであり、ロール、ヨー、ピッチの3軸角速度センサであってもよい。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、何れかの1つの角速度を検出する場合を例示する。
【0043】
制御部10は、GPS受信機11によって検出された現在位置を加速度や角速度で補完(GPS受信機11によって現在位置が検出される間の現在位置を加速度や角速度で推測する等)し、また、GPS受信機11によって現在位置が検出できない場合(トンネルなどを走行する場合)には、加速度や角速度に基づいて現在位置を算出する。
【0044】
なお、本実施例においては、加速度センサ12及び角速度センサ13は、0.01[s]毎に加速度又は角速度を出力するものとして説明を行う。後述するが、0.01[s]毎に加速度センサ12及び角速度センサ13から出力された加速度又は角速度は、制御部10により第1記憶部18に記憶される。
【0045】
地図記憶部14はハードディスクなどの記憶媒体で構成され、地図記憶部14には、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータと、地形図データとを含む地図情報が記憶されている。
【0046】
道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる。道路リンクデータには、始点および終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所、制限速度等のデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報であり、種別以外にも道路の名称を含んでいてもよい。地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ等が含まれる。
【0047】
音声出力部15は、スピーカなどで構成され、制御部10の指示に基づいて音声出力部15からは、経路案内の際の音声ガイダンスや、ナビゲーション装置1の操作に必要な音声、警告等のブザー音等が出力される。
【0048】
表示部16は、液晶パネルなどで構成され、制御部10の指示に基づいて表示部16には、地図記憶部14に記憶された地図情報に基づく地図画像、制御部10により探索された経路、現在位置を示す現在位置マーク等が表示され、また操作部17による入力作業のための画面が表示される。なお、表示部16は、タッチパネルとすることで、操作部17の機能を持たせることもできる。
【0049】
操作部17は、ユーザによって操作され、出発地、目的地、経由地等の経路探索条件を入力するためのものである。また、操作部17は、上記のタッチパネル以外にも、ナビゲーション装置1に設けられたハードキーで構成されてもよいし、リモコンなどで構成されてもよい。
【0050】
第1記憶部18は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成される。制御部10の指示に基づいて、第1記憶部18には、加速度センサ12により検出される加速度、角速度センサ13により検出される角速度、後述する第1期間比較値(第1期間最大加速度など)が記憶される。また、第1記憶部18には停止判定の際に用いる閾値も記憶される。さらに、第1記憶部18には、制御部10が第1期間比較値(第1期間最大加速度など)に基づいて停止判定を行った結果(後述する第1仮停止判定結果)が記憶される。
【0051】
第2記憶部19は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成される。制御部10の指示に基づいて、第2記憶部19には、後述する第2期間比較値(第2期間最大加速度など)が記憶される。また、第2記憶部19には、制御部10が第2期間比較値(第2期間最大加速度など)に基づいて停止判定を行った結果(後述する第2仮停止判定結果)が記憶される。
【0052】
なお、本実施例においては、第1記憶部18に加速度センサ12により検出される加速度、角速度センサ13により検出される角速度及び閾値が記憶されるが、これらは第2記憶部19に記憶されてもよい。
【0053】
また、説明の簡略化のため第1記憶部18と第2記憶部19とを別々の記憶媒体として記載するが、第1記憶部18と第2記憶部19は同一の記憶媒体で構成されてもよい。すなわち、同一の記憶媒体に、第1期間比較値、第1仮停止判定結果、第2期間比較値及び第2仮停止判定結果が記憶されてもよい。
【0054】
さらに、第1記憶部18や第2記憶部19として別の構成とする必要はなく、例えば、制御部10のRAMや地図記憶部14が第1記憶部18及び第2記憶部19として機能してもよい。
【0055】
ここで、本願発明では、上記特願2011−024710号の発明(連続する所定期間毎に、該所定期間における第1期間比較値(例えば、所定期間における最大の加速度)を特定して記憶させ、今回特定した第1期間比較値と記憶されている前回特定した第1期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行う)に加え、上記特願2011−024710号の連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における第2期間比較値を特定して記憶させ、今回特定した第2期間比較値と記憶されている前回特定した第2期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行い、上記2つの停止判定結果に基づいて移動体が停止状態か否かの最終的な判定を行う。
【0056】
ここで、特願2011−024710号の連続する所定期間とは異なる連続する所定期間する所定期間とは、例えば、特願2011−024710号の連続する所定期間と所定期間の長さは同一であるが、連続する所定期間を開始するタイミングが異なる場合や、所定期間の長さが異なる場合が考えられる。
【0057】
なお、本実施例においては、第1期間比較値に基づく停止判定結果(今回特定した第1期間比較値と記憶されている前回特定した第1期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行った結果)、及び、第2期間比較値に基づく停止判定結果(今回特定した第2期間比較値と記憶されている前回特定した第2期間比較値の差分値を算出し、この算出した差分値に基づいて停止状態か否かの判定を行った結果)は、本実施例においては最終的な停止判定結果ではないため(上記2つの停止判定結果に基づいた停止判定が行われるため)、本実施例においては、上記の第1期間比較値に基づく停止判定結果を第1仮停止判定結果とし、上記の第2期間比較値に基づく停止判定結果を第2仮停止判定結果とし、第1仮停止判定結果及び第2仮停止判定結果に基づく停止判定結果(最終的な停止判定結果)を停止判定結果として説明を行う。
【0058】
続いて、図2のフローチャートを用いて、本発明のナビゲーション装置1の制御部10が行う第1期間比較値に基づく停止判定(第1仮停止判定)の説明を行う。なお、本実施例においては、加速度センサ12から出力される加速度のみを用いて停止判定を行う場合について例示する。
【0059】
まず、制御部10は、加速度センサ12から出力される加速度を取得し(ステップS21)、取得した加速度を第1記憶部18に記憶させる(ステップS22)。なお、上記の通り本実施例においては、加速度センサ12は、0.01[s]毎に加速度を出力するものとして説明を行うため、第1記憶部18には、0.01[s]毎に加速度が記憶される。
【0060】
図3に第1記憶部18に記憶される加速度を示す。図3では、0.01[s]毎に加速度が記憶されている。
【0061】
次に、制御部10は、所定期間を経過したか否かを判定する。本実施例において所定期間とは前回所定期間を経過したとき(ナビゲーション装置1の電源がオンされたとき)から0.5[s]経過するまでの期間であり、ここでは、前回所定期間を経過したときから0.5[s](所定期間)経過したか否かを判定する(ステップS23)。
【0062】
所定期間を経過したか否かは、種々の方法で判定することが可能である。例えば、ナビゲーション装置1がタイマー(不図示)を備えている場合であれば、前回所定期間を経過したと判定したときにタイマーをリセットし、ステップS23では、該タイマーによる時間計測が0.5[s]以上か否かで判定することができる。
【0063】
また、上記の通り、本実施例においては、0.01[s]毎に加速度を取得し、第1記憶部18に記憶しているため、第1記憶部18に記憶されている加速度の数が50個であるか否か(或いは50の倍数であるか否か)で判定してもよい。(但し、50個であるか否かで判定する場合には、後述する第1期間最大加速度を特定・記憶した後に、第1記憶部18に記憶されている加速度の削除を行う必要がある。)
ステップS23において、所定期間を経過したと判定した場合は(ステップS23のYES)、ステップS24へ進み、所定期間を経過していないと判定した場合は(ステップS23のNO)、ステップS21へ戻る。
【0064】
なお、本実施例では、ステップS21〜ステップS30までを一連の流れとして記載しているが、ステップS21〜ステップS23は独立して処理が行われていてもよい。すなわち、ステップS24以降の処理が行われている間も、加速度の取得・記憶が行われていてもよい。後述する図5においても同様である。
【0065】
ステップS24では、所定期間の間に取得した加速度のうち、最大の加速度を第1期間最大加速度(第1期間比較値)として特定する。
【0066】
ここで図3(A)及び図4を用いて詳細に説明を行う。図3(A)は、上述した通り、第1記憶部18に記憶される加速度を示す図であり、図4は、第1記憶部18に記憶された加速度を時間変化とともに表したグラフである。
【0067】
図4に示すように0.01[s]〜0.5[s](所定期間)における最大の加速度は図4のC点における値である。すなわち、図3(A)を参照すると0.06[s]時の0.5[G]が所定期間における最大の加速度であるため、制御部10は、この0.5[G]を第1期間最大加速度として特定する。
【0068】
続いて、制御部10は、ステップS24において特定した第1期間最大加速度を第1記憶部18に記憶させ(ステップS25)、今回特定・記憶させた第1期間最大加速度よりも過去の(前回の)第1期間最大加速度が記憶されているか否かを判定し(ステップS26)、記憶されていなければ(ステップS26のNO)、ステップS21へ戻る。なお、ステップS26の判定は、第1期間最大加速度を第1記憶部18に記憶させる前に行ってもよい。
【0069】
ステップS21へ戻った後、再度、加速度の取得、記憶を所定期間(0.5[s]から0.5[s]経過した期間、つまり1[s])を経過するまで行い(ステップS21〜ステップS23)、所定期間を経過するとステップS24おいて、第1期間最大加速度を特定する(ステップS24)。
【0070】
ここで、図3(B)及び図4を参照すると、0.51[s]〜1[s](所定期間)における最大の加速度は図4のD点における値である。すなわち、図3(B)を参照すると1[s]時の1.98[G]が所定期間における最大の加速度であるため、制御部10は、この1.98[G]を第1期間最大加速度として特定する。
【0071】
続いて、制御部10は、ステップS24において特定した第1期間最大加速度(1.98[G])を第1記憶部18に記憶させ(ステップS25)。今回特定・記憶させた第1期間最大加速度よりも過去の(前回の)第1期間最大加速度が記憶されているか否かを判定する(ステップS26)。
【0072】
ここで、前回のステップS25において、前回の第1期間最大加速度である0.5[G]が記憶されている。そのため、制御部10は、ステップS27の処理へ進む(ステップS26のYES)。
【0073】
ステップS27では、制御部10は、今回特定・記憶させた第1期間最大加速度である1.98[G]と、前回特定・記憶させた第1期間最大加速度である0.5[G]との差分値を算出する(ステップS27)。
【0074】
そして、制御部10は、ステップ27において算出した差分値の絶対値(1.48[G])と、第1記憶部18に記憶された閾値(例えば、0.05[G])を比較し(ステップS28)、差分値の絶対値が閾値以下であれば(ステップS28のYES)、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は停止状態であると判定し、第1記憶部18に第1仮停止判定結果(停止状態である旨)を記憶させる。(ステップS29)。
【0075】
一方、差分値の絶対値が閾値より大きければ(ステップS28のNO)、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、走行状態であると判定し、第1記憶部18に第1仮停止判定結果(走行状態である旨)を記憶させる。(ステップS30)。
【0076】
今回は、差分値の絶対値が閾値より大きいため(ステップS28のNO)、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は走行状態であると判定し、第1記憶部18に第1仮停止判定結果(走行状態である旨)を記憶させる。
【0077】
なお、図2のフローチャートでは、第1仮停止判定結果を記憶させると、処理を終了しているが、実際には、電源がオフされるまで図2のフローチャートの制御動作が行われる。
【0078】
すなわち、次の所定期間(1[s]から0.5[s]経過した期間、つまり1.5[s])を経過するまで、加速度の取得、記憶を行い(ステップS21〜ステップS23)、所定期間を経過するとステップS24おいて、第1期間最大加速度を特定する(ステップS24)。
【0079】
ここで、図3(C)及び図4参照すると、1.01[s]〜1.5[s](所定期間)における最大の加速度は図4のE点における値である。すなわち、図3(C)を参照すると1.01[s]時の2[G]が所定期間における最大の加速度であるため、制御部10は、この2[G]を第1期間最大加速度として特定する。
【0080】
続いて、制御部10は、ステップS24において特定した第1期間最大加速度(2[G])を第1記憶部18に記憶させ(ステップS25)、今回特定・記憶させた第1期間最大加速度よりも過去の(前回の)第1期間最大加速度が記憶されているか否かを判定する(ステップS26)。
【0081】
ここで、前回のステップS25において、前回の第1期間最大加速度である1.98[G]が記憶されている。そのため、制御部10は、ステップS27の処理へ進む(ステップS26のYES)。
【0082】
ステップS27では、制御部10は、今回特定・記憶させた第1期間最大加速度である2[G]と、前回特定・記憶させた第1期間最大加速度である1.98[G]との差分値を算出する(ステップS27)。
【0083】
そして、制御部10は、ステップ27において算出した差分値の絶対値(0.02[G])と、第1記憶部18に記憶された閾値(例えば、0.05[G])を比較する(ステップS28)。
【0084】
差分値の絶対値が閾値以下であるため(ステップS28のYES)、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は停止状態であると判定し、第1記憶部18に第1仮停止判定結果(停止状態である旨)を記憶させる。(ステップS29)。
【0085】
上述したとおり、図4に示すグラフは、1[s]付近において加速を行うことで、停止状態から走行状態へ移行した場合のグラフである。すなわち、1[s]以降は走行状態と判定しなければならない。しかしながら、上記の1.5[s]を経過した時点で行う第1仮停止判定では、停止状態と判定を行ってしまう。
【0086】
そのため、本発明では、第1仮停止判定結果に加え、第2仮停止判定結果にも基づいて停止判定を行う。
【0087】
次に、図5のフローチャートを用いて、本発明のナビゲーション装置1の制御部10が行う第2期間比較値に基づく停止判定(第2仮停止判定)の説明を行う。本実施例においては、図5のフローチャートと図2のフローチャートは並行して行われる。なお、図5と図2のフローチャートを別々のフローチャートで説明を行うが、ステップS51及びステップS52の加速度センサから出力される加速度の取得や取得した加速度の第1記憶部18への記憶は、ステップS21及びステップS22と同一(共通)の処理である。すなわち、図5のフローチャートと図2のフローチャートとで別々に加速度の取得や記憶が行われるのではない。
【0088】
まず、制御部10は、加速度センサ12から出力される加速度を取得し(ステップS51)、取得した加速度を第1記憶部18に記憶させる(ステップS52)。この処理は図2のフローチャートと同一の処理であるため、第1記憶部18に記憶される加速度は図3に示される第1記憶部18に記憶される加速度と同一である。
【0089】
次に、制御部10は、所定期間を経過したか否かを判定する(ステップS53)。ここで、この所定期間が図2のフローチャート(第1仮停止判定)とは異なる。前回所定期間を経過したときから0.5[s]経過するまでの期間であることは同じだが、第1仮停止判定における所定期間のスタートと第2仮停止判定における所定期間のスタートが異なる。第1仮停止判定で所定期間を計測し始めたときから、任意の時間ずらした時点から0.5[s]経過するまでの期間である。
【0090】
すなわち、上記のように第1仮停止判定がナビゲーション装置1の電源がオンされたとき(0[s])から0.5[s]経過するまでの期間を所定期間とするのであれば、第2仮停止判定では、例えば、ナビゲーション装置1の電源がオンされたとき(0[s])から0.25[s]経過した時点から0.5[s]経過するまでの期間を所定期間とする。
【0091】
つまり、第1仮停止判定では、0.01[s]〜0.5[s]、0.51[s]〜1[s]、1.01[s]〜1.5[s]・・・を夫々所定期間とするのに対し、第2仮停止判定では、0.26[s]〜0.75[s]、0.76[s]〜1.25[s]、1.26[s]〜1.75[s]・・・を夫々所定期間とする。
【0092】
なお、本実施例では、第2仮停止判定で用いる所定時間を第1仮停止判定で用いる所定期間に対し0.25[s]ずらす場合を例示したが、0.25[s]に限定されなくてもよい。
【0093】
すなわち、ステップS53では、制御部10は、所定期間(0.75[s])を経過したか否かを判定する。所定期間を経過したか否かの判定は、例えば、第1仮停止判定と同様にタイマーを用いる場合であれば、最初のみ(電源がオンされてから)0.75[s]を経過したか否かで判定し、0.75[s]を経過すると、タイマーをリセットさせ、それ以降はリセットさせてから0.5[s]経過したか否かで判定する。或いは、最初のみ第1記憶部18に加速度が75個記憶されたか否かで判定し、それ以降は75個に50の倍数を加えた個数の加速度が記憶されたか否かで判定することができる。
【0094】
ステップS53において、所定期間を経過したと判定した場合は(ステップS53のYES)、ステップS54へ進み、所定期間を経過していないと判定した場合は(ステップS53のNO)、ステップS51へ戻る。
【0095】
ステップS54では、所定期間(0.26[s]〜0.75[s])の間に取得した加速度のうち、最大の加速度を第2期間最大加速度(第2期間比較値)として特定する。
【0096】
ここで図3(A)(B)及び図4を用いて詳細に説明を行う。図4に示すように0.26[s]〜0.75[s](所定期間)における最大の加速度は図4のF点における値である。すなわち、図3(A)を参照すると0.29[s]時の0.45[G]が所定期間における最大の加速度であるため、制御部10は、この0.45[G]を第2期間最大加速度として特定する。
【0097】
続いて、制御部10は、ステップS54において特定した第2期間最大加速度を第2記憶部19に記憶させ(ステップS55)、今回特定・記憶させた第2期間最大加速度よりも過去の(前回の)第2期間最大加速度が記憶されているか否かを判定し(ステップS56)、記憶されていなければ(ステップS56のNO)、ステップS51へ戻る。なお、ステップS56の判定は、第2期間最大加速度を第2記憶部19に記憶させる前に行ってもよい。
【0098】
ステップS51へ戻った後、再度、加速度の取得、記憶を所定期間(0.75[s]から0.5[s]経過した期間、つまり1.25[s])を経過するまで行い(ステップS51〜ステップS53)、所定期間を経過するとステップS54おいて、第2期間最大加速度を特定する(ステップS54)。
【0099】
ここで、図3(B)(C)及び図4を参照すると、0.76[s]〜1.25[s](所定期間)における最大の加速度は図4のE点における値である。すなわち、図3(C)を参照すると1.01[s]時の2[G]が所定期間における最大の加速度であるため、制御部10は、この2[G]を第2期間最大加速度として特定する。
【0100】
続いて、制御部10は、ステップS54において特定した第2期間最大加速度(2[G])を第2記憶部19に記憶させ(ステップS55)。今回特定・記憶させた第2期間最大加速度よりも過去の(前回の)第2期間最大加速度が記憶されているか否かを判定する(ステップS56)。
【0101】
ここで、前回のステップS55において、前回の第2期間最大加速度である0.45[G]が記憶されている。そのため、制御部10は、ステップS57の処理へ進む(ステップS56のYES)。
【0102】
ステップS57では、制御部10は、今回特定・記憶させた第2期間最大加速度である2[G]と、前回特定・記憶させた第2期間最大加速度である0.45[G]との差分値を算出する(ステップS57)。
【0103】
そして、制御部10は、ステップ57において算出した差分値の絶対値(1.55[G])と、第1記憶部18に記憶された閾値(例えば、0.05[G])を比較し(ステップS58)、差分値の絶対値が閾値以下であれば(ステップS58のYES)、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は停止状態であると判定し、第2記憶部19に第2仮停止判定結果(停止状態である旨)を記憶させる。(ステップS59)。
【0104】
一方、差分値の絶対値が閾値より大きければ(ステップS58のNO)、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、走行状態であると判定し、第2記憶部19に第2仮停止判定結果(走行状態である旨)を記憶させる。(ステップS60)。
【0105】
今回は、差分値の絶対値が閾値より大きいため(ステップS58のNO)、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は走行状態であると判定し、第2記憶部19に第2仮停止判定結果(走行状態である旨)を記憶させる。
【0106】
以上説明したように第1仮停止判定に用いる連続する所定期間とは異なる連続する所定期間を用いて第2仮停止判定が行われる。
【0107】
続いて、図6のフローチャートを用いて制御部10が行う第1仮停止判定結果及び第2仮停止判定結果を用いた停止判定について説明を行う。
【0108】
なお、図6のフローチャートは、本実施例においては、上記の第1仮停止判定により第1仮停止判定結果が第1記憶部18に記憶される、又は、第2仮停止判定により第2仮判定結果が第2記憶部19に記憶された時点に開始されるものとして説明を行う。
【0109】
すなわち、図4を参照すると、第1仮停止判定により第1仮停止判定結果が第1記憶部18に記憶される1[s]、1.5[s]の時点、及び、第2仮停止判定により第2仮停止判定結果が第2記憶部19に記憶される1.25[s]の時点で開始される。
【0110】
まず、制御部10は、第1記憶部18に第1仮停止判定結果が記憶されているか否かを判定し(ステップS61)、記憶されていれば(ステップS61のYES)、第2記憶部19に第2仮停止判定結果が記憶されているか否かを判定する(ステップS62)。
【0111】
第2記憶部19に第2仮停止判定結果が記憶されている場合(ステップS62のYES)、制御部10は、第1仮停止判定結果及び第2仮停止判定結果の何れかが走行状態であるか否かを判定する(ステップS63)。
【0112】
ステップS63の処理において、何れかが走行状態であれば(ステップS63のYES)、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、走行状態であると判定する(ステップS64)。
【0113】
一方、ステップS63の処理において、何れも走行状態でなければ(第1仮停止判定結果及び第2仮停止判定結果が共に停止状態であれば)(ステップS63のNO)、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、停止状態であると判定する(ステップS65)。
【0114】
以上説明したように停止判定を行うことで、上記のような課題を解決することが可能である。すなわち、図4に示す場合において、第1仮停止判定では、1.5[s]の時点において、所定期間(0.51[s]〜1[s])における最大加速度と、所定期間(1.01[s]〜1.5[s])における最大加速度との差分値の絶対値が閾値以下であるため、第1仮停止判定結果は停止状態となるが、1.5[s]の時点において、第2記憶部19に記憶されている第2仮停止判定結果は走行状態であるため(上記フローチャートでは1.25[s]の時点での第2仮停止判定結果)、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、走行状態であると判定することができる。
[その他の実施形態]
本発明は、上記説明した実施例以外にも種々の変更が可能である。
【0115】
例えば、上記実施例において、所定期間として0.5[s]を例示したが、所定期間は0.5[s]に限ることはなく、任意に設定されてもよい。
【0116】
なお、この所定期間は、停止時(アイドリング状態)における振動の周期よりも大きいことが好ましい。すなわち、所定期間の間に必ず一度は振動のピークが訪れる期間であることが望ましく、例えば、停止時(アイドリング状態)における振動(エンジンの振動等)が1[Hz]程度(或いは1[Hz]以上)であることが分かれば、所定期間を1[s]とすることが好ましい。
【0117】
また、上記実施例においては、所定期間における最大の加速度を期間最大加速度として特定したが、これに限ることはなく、例えば、所定期間における最小の加速度を期間最小加速度として特定し、今回特定した期間最小加速度と、記憶された前回の期間最小加速度との差分値の絶対値と閾値を比較することで第1仮停止判定及び/又は第2仮停止判定を行ってもよい。
【0118】
また、所定期間内における加速度の平均値を算出(特定)して記憶し、今回特定した期間平均加速度(例えば、図3(B)0.51[s]から1[s]までの加速度の平均値)と、前回の期間平均加速度(例えば、図3(A)の0.01[s]から0.5[s]までの加速度の平均値)との差分値の絶対値と閾値を比較することで第1仮停止判定及び/又は第2仮停止判定を行ってもよい。
【0119】
なお、期間最大加速度や、期間最小加速度、期間平均加速度などの所定期間における加速度(或いは角速度)に基づいて特定される値を期間比較値(第1期間比較値、第2期間比較値)として説明する。
【0120】
また、本発明においては、加速度センサ12から出力される加速度について説明を行ったが、加速度に限らず、角速度センサから出力される角速度についても同様に、期間最大角速度や、期間最小角速度、期間平均角速度などの期間比較値を特定して記憶させ、上記実施例と同様の処理を行うことで、第1仮停止判定及び第2仮停止判定を行うことが可能である。
【0121】
また、制御部10が加速度及び角速度を取得し、加速度に基づいて第1期間比較値(例えば、期間最大加速度)を特定し記憶させ、角速度に基づいて第1期間比較値(例えば、期間最大角速度)を特定し記憶させ、今回特定した第1期間比較値(例えば、期間最大加速度)と第1記憶部18に記憶された前回特定した第1期間比較値(例えば、期間最大加速度)との差分値、及び、今回特定した第1期間比較値(例えば、期間最大角速度)と第1記憶部18に記憶された前回特定した第1期間比較値(例えば、期間最大角速度)との差分値を算出し、これらの差分値に基づいて停止状態か否かを判定してもよい。
【0122】
すなわち、今回特定した期間最大加速度と前回特定した期間最大加速度との差分値と、閾値と、を比較し、閾値以下であれば停止状態と判定し、同様に、今回特定した期間最大角速度と前回特定した期間最大角速度との差分値と、閾値と、を比較し、閾値以下であれば停止状態と判定する。
【0123】
そして、全て停止状態と判定した場合にのみ、第1仮停止判定結果を「停止状態」と判定してもよい。(つまり、何れか1つの軸が走行状態であれば第1仮停止判定において停止状態と判定しない)
これは、第2仮停止判定においても同様であり、加速度に基づいて第2期間比較値(例えば、期間最大加速度)を特定し記憶させ、角速度に基づいて第2期間比較値(例えば、期間最大角速度)を特定し記憶させ、今回特定した第2期間比較値(例えば、期間最大加速度)と第2記憶部19に記憶された前回特定した第2期間比較値(例えば、期間最大加速度)との差分値、及び、今回特定した第2期間比較値(例えば、期間最大角速度)と第2記憶部19に記憶された前回特定した第2期間比較値(例えば、期間最大角速度)との差分値を算出し、これらの差分値に基づいて停止状態か否かを判定してもよい。
【0124】
すなわち、今回特定した期間最大加速度と前回特定した期間最大加速度との差分値と、閾値と、を比較し、閾値以下であれば停止状態と判定し、同様に、今回特定した期間最大角速度と前回特定した期間最大角速度との差分値と、閾値と、を比較し、閾値以下であれば停止状態と判定する。
【0125】
そして、全て停止状態と判定した場合にのみ、第2仮停止判定結果を「停止状態」と判定してもよい。(つまり、何れか1つの軸が走行状態であれば第2仮停止判定において停止状態と判定しない)
そして、第1仮停止判定結果及び第2仮停止判定結果の何れかが走行状態であるか(停止状態でないか)否かを判定して、何れかが走行状態(停止状態でない)であれば、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、走行状態であると判定し、何れも停車状態(走行状態でない)であれば、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、停止状態であると判定する。
【0126】
また、上記実施例においては説明を省略したが、加速度センサ12が3軸加速度センサであり、また、角速度センサ13が3軸角速度センサである場合、加速度センサ12及び角速度センサ13の夫々の3軸に対して、本発明の処理を行い、すなわち、全ての軸の出力に対して期間比較値を特定し、今回の期間比較値と前回の期間比較値の差分値に基づいて第1仮停止判定及び第2仮停止判定を行い、全ての軸に対して停止状態と判定した場合にのみ、第1仮停止判定結果及び/又は第2仮停止判定結果を「停止状態」と判定してもよい。(つまり、何れか1つの軸が走行状態であれば第1仮停止判定及び/又は第2仮停止判定において停止状態と判定しない)
また、本発明において、GPS受信機11によって検出される現在位置が移動しているか否かも第1仮停止判定及び/又は第2仮停止判定に加えてもよい。すなわち、今回の期間比較値と前回の期間比較値の差分値の絶対値が閾値以下であると判定した場合に(ステップS28のYES又はステップS58のYES)、GPS受信機11による現在位置が移動しているか否かを判定し、移動していない場合に、停止状態であると判定してもよい。
【0127】
なお、現在位置が移動しているか否かは、例えば、前回検出された現在位置と、今回検出された現在位置(最新の現在位置)との距離が閾値以上か否かなどで判定することができる。
【0128】
また、本発明の第1仮停止判定及び/又は第2仮停止判定は、GPS受信機11によって検出される現在位置が移動していない場合にのみ行ってもよい。これにより、走行中における停止判定を防ぐことができる。
【0129】
さらに、上記実施例では、加速度センサ12が加速度を検出し、角速度センサ13が角速度を検出することを例示したが、制御部10が、加速度センサ12からの出力に基づいて加速度を算出し、角速度センサ13からの出力に基づいて角速度を検出する場合であれば、この制御部10の加速度又は角速度の算出処理までを含めて加速度センサ12又は角速度センサ13とすることが好ましい。
【0130】
また、ナビゲーション装置1が角速度センサ13や加速度センサ12を備えていなくとも、車両に角速度センサ13や加速度センサ12が設けられ、或いは、車両に設けられた他の車載用装置に角速度センサ13や加速度センサ12が設けられていてもよい。
【0131】
その場合は、有線通信又は無線通信を用いて各センサから出力を得る、或いは、他の通信装置から各センサの出力や角速度、加速度を得ることで、本発明の処理を行ってもよい。
【0132】
第1記憶部18及び第2記憶部についても同様に、ナビゲーション装置1が第1記憶部18及び第2記憶部を備えていなくとも、第1記憶部18及び第2記憶部を有する他の通信装置に有線通信又は無線通信を用いて記録指示を行うことで、例えば、第1記憶部18に第1仮停止判定結果などが記憶されてもよい。
【0133】
なお、上記説明したような停止判定は、ナビゲーション装置1が搭載された車両から車速の情報を取得することができないポータブルナビゲーション装置に適用されることが考えられる。
【0134】
ポータブルナビゲーション装置に適用された場合、車両に搭載されている場合と、ユーザ(歩行者)によって保持・携帯される場合とがあるが、ユーザによって保持・携帯される場合に停止判定が不要であれば、車両に搭載されている場合にのみ、本発明の停止判定を行ってもよい。
【0135】
なお、車両に搭載されているか否かの判定は、従来から種々知られている方法を用いることが可能である。例えば、バッテリ駆動中であるか否か(車両から電源供給(12V)を受けているか否か)で判定してもよいし、無線通信などで周囲の車両の位置を受信できる場合であれば、周囲の車両位置とナビゲーション装置1の現在位置を比較して判定することも可能である。
【0136】
さらに、上記実施例では、第1仮停止判定で用いる所定期間と第2仮停止判定で用いる所定期間が異なる例として、所定期間自体の長さは同一(0.5[s])だが、所定時間を第1仮停止判定で用いる所定期間に対し0.25[s]ずらす場合を例示したが、これに限ることはなく、例えば、所定時間自体の長さが異なる場合であってもよい。
【0137】
すなわち、第1仮停止判定では、所定期間を前回所定期間が経過してから0.5[s]経過するまでの期間とするのに対し、第2仮停止判定では、所定期間を前回所定期間が経過してから0.6[s]経過するまでの期間としてもよい。
【0138】
この場合であっても、上記と同様に、所定期間(0.01[s]〜0・6[s])における最大加速度(図4のC点における0.5[G])と、所定期間(0.61[s]〜1.2[s])における最大加速度(図4のE点における2[G])との差分値の絶対値(1.5[G])が閾値(0.05)以上であるため、第2記憶部19には、第2仮停止判定結果として走行状態である旨が記憶される。
【0139】
そのため、この場合も、図4に示す場合において、第1仮停止判定では、1.5[s]の時点において、所定期間(0.51[s]〜1[s])における最大加速度と、所定期間(1.01[s]〜1.5[s])における最大加速度との差分値の絶対値が閾値以下であるため、第1仮停止判定結果は停止状態となるが、1.5[s]の時点において、第2記憶部19に記憶されている第2仮停止判定結果は走行状態であるため(1.2[s]の時点での第2仮停止判定結果)、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、走行状態であると判定することができる。
【符号の説明】
【0140】
1 ・・・ナビゲーション装置
10・・・制御部
11・・・GPS受信機
12・・・加速度センサ
13・・・角速度センサ
14・・・地図記憶部
15・・・音声出力部
16・・・表示部
17・・・操作部
18・・・第1記憶部
19・・・第2記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に備えられ、
加速度及び角速度を取得し、連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第1期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第1期間比較値を特定し、第1記憶部に複数の前記第1期間比較値を記憶させ、今回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値との差分値を算出し、複数の前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させる制御部を備えた停止判定装置であって、
前記制御部は、さらに、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第2期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第2期間比較値を特定し、第2記憶部に複数の前記第2期間比較値を記憶させ、今回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値との差分値を算出し、複数の前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として前記第2記憶部に記憶させ、前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて、前記移動体が停止状態か否かを判定することを特徴とする停止判定装置。
【請求項2】
移動体に備えられ、
加速度又は角速度を取得し、連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度又は角速度に基づく第1期間比較値を特定し、第1記憶部に前記第1期間比較値を記憶させ、今回特定した第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した第1期間比較値との差分値を算出し、前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させる制御部を備えた停止判定装置であって、
前記制御部は、さらに、前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度又は角速度に基づく第2期間比較値を特定し、第2記憶部に前記第2期間比較値を記憶させ、今回特定した第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した第2期間比較値との差分値を算出し、前記差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として前記第2記憶部に記憶させ、前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて、前記移動体が停止状態か否かを判定することを特徴とする停止判定装置。
【請求項3】
前記第1期間比較値及び第2期間比較値は、前記所定期間における加速度に基づく期間最大加速度、期間最小加速度及び期間平均加速度、並びに、前記所定期間における角速度に基づく期間最大角速度、期間最小角速度及び期間平均角速度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の停止判定装置。
【請求項4】
前記所定期間は、前記移動体の停止時における振動の周期以上の長さであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の停止判定装置。
【請求項5】
前記第1仮停止判定結果又は前記第2仮停止判定結果の何れかが停止状態でない場合、前記制御部は、前記移動体が走行状態であると判定することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の停止判定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記今回特定した第1期間比較値と前記第1記憶部に記憶された前回特定した第1期間比較値との差分値を算出し、該差分値の絶対値と閾値とを比較し、該差分値の絶対値が閾値以下である場合に前記移動体が停止状態であると判定し、該判定の結果を前記第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させ、
前記今回特定した第2期間比較値と前記第2記憶部に記憶された前回特定した第2期間比較値との差分値を算出し、該差分値の絶対値と閾値とを比較し、該差分値の絶対値が閾値以下である場合に前記移動体が停止状態であると判定し、該判定の結果を前記第2仮停止判定結果として前記第2記憶部に記憶させることを特徴とする請求項2〜請求項5の何れか1項に記載の停止判定装置。
【請求項7】
移動体に備えられる停止判定装置の停止判定方法であって、
加速度及び角速度を取得するステップと、
連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第1期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第1期間比較値を特定するステップと、
複数の前記第1期間比較値を記憶させるステップと、
今回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値と記憶された前回特定した前記加速度に基づく第1期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値と記憶された前回特定した前記角速度に基づく第1期間比較値との差分値を算出するステップと、
複数の該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として前記第1記憶部に記憶させるステップと、
前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度に基づく第2期間比較値、及び、該所定期間における角速度に基づく第2期間比較値を特定するステップと、
複数の前記第2期間比較値を記憶させるステップと、
今回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値と記憶された前回特定した前記加速度に基づく第2期間比較値との差分値、及び、今回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値と記憶された前回特定した前記角速度に基づく第2期間比較値との差分値を算出するステップと、
複数の該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として記憶させるステップと、
前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて、前記移動体が停止状態か否かを判定するステップと、
を有することを特徴とする停止判定方法。
【請求項8】
移動体に備えられる停止判定装置の停止判定方法であって、
加速度又は角速度を取得するステップと、
連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度及又は角速度に基づく第1期間比較値を特定するステップと、
前記第1期間比較値を記憶させるステップと、
今回特定した第1期間比較値と前回特定した第1期間比較値との差分値を算出するステップと、
該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第1仮停止判定結果として記憶させるステップと、
前記連続する所定期間とは異なる連続する所定期間毎に、該所定期間における加速度又は角速度に基づく第2期間比較値を特定するステップと、
前記第2期間比較値を記憶させるステップと、
今回特定した第2期間比較値と前回特定した第2期間比較値との差分値を算出するステップと、
該差分値に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定し、該判定の結果を第2仮停止判定結果として記憶させるステップと、
前記第1仮停止判定結果及び前記第2仮停止判定結果に基づいて前記移動体が停止状態か否かを判定するステップと、
を有することを特徴とする停止判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−173143(P2012−173143A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35548(P2011−35548)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】