説明

健康食品及び健康飲料

【課題】ツルニンジンの有効成分を効果的に人体に供給することができ、美容や健康に大きく貢献する健康食品と健康飲料を提供する。
【解決手段】ツルニンジンを乾燥させた粉末と、緑茶の粉末を含有する。ツルモの粉末を加えても良い。前記ツルニンジンの粉末は、平均粒径が0.5μm〜8μmの粉末である。ツルニンジンの粉末から抽出した成分を含むものでも良い。ツルニンジンの粉末から抽出した成分と、海洋深層水を原料とするミネラル水を混合した飲料、又は、ツルニンジンの粉末を、海洋深層水を原料とするミネラル水に混合し分散させたものでも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ツルニンジンを乾燥して粉末にしたツルニンジン粉末及びその抽出物を用いた健康食品及び健康飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
ツルニンジン(Codonopsis lanceolata)は、茎がつるになり、根の形がニンジンに似ていることからこの名前が付けられたもので、種々の薬効を有することが知られている。例えば、古くより抗炎症、去痰、滋養強壮、強精等を目的に民間薬的に用いられており、韓国では抗がん作用のある植物として認定されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に開示されているように、ツルニンジン及びシソやハトムギ等の植物を粉末にした健康食品及び健康飲料が提案されている。特許文献2には、ツルニンジンによる血中テストステロン低下抑制剤が開示されている。その他、特許文献3には、ツルニンジン抽出物を含有する粉末組成物が提案されており、これから散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤等を提供することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3489095号公報
【特許文献2】特表2005−115426号公報
【特許文献3】特開2008−208118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記背景技術によるツルニンジンは、その有効成分を効果的に利用可能なものではなく、食用にした場合の吸収性が良くないものであった。また、ツルニンジンの有効成分を効果的に化粧料として用いたものは従来なかった。
【0006】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、ツルニンジンの有効成分を効果的に人体に供給することができ、美容や健康に大きく貢献する健康食品及び健康飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ツルニンジンを乾燥させた粉末と緑茶の粉末を含有する健康食品である。さらに、ツルモの粉末を加えたものである。前記ツルニンジンの粉末は、平均粒径が0.5μm〜8μmの粉末である。
【0008】
また、前記ツルニンジンの粉末から抽出した成分を含む健康食品である。さらに、他の緑茶やツルモ等の抽出成分を有するものでも良い。
【0009】
またこの発明は、ツルニンジンの粉末から抽出した成分と、海洋深層水を原料とするミネラル水を混合した健康飲料である。又は、ツルニンジンの粉末を、海洋深層水を原料とするミネラル水に混合し分散させた健康飲料でも良い。
【発明の効果】
【0010】
この発明の健康食品及び健康飲料は、有効成分を効果的に吸収可能であり、有害物質を含まず、副作用がなく、有効成分が安定的に作用するもので、長期間の使用が可能なものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態のツルニンジン粉末及びその抽出物について説明する。ツルニンジンは、植物体を構成する要素の全てを使用することができ、例えば根、根茎、葉、茎、花、実、種子、芽等を使用することができるが、根又は根茎を用いるのが好ましい。
【0012】
ツルニンジンの成分は、炭水化物、ビタミンB・B、ミネラル(Na,Mg,P,S,Cl,K,Ca)、サポニン(体脂肪の燃焼に効果のある成分)等を有する。ツルニンジンの成分のうち、活性のある成分とは、ランセマサイドA(Lancemaside A)というサポ二ンである。その他の成分として、タンジェノサイド(Tangshenoside I)というフ工ニルプ口パノイドの仲間を含む。
【0013】
ツルニンジンの粉末は、先ずツルニンジンの根等を適宜の大きさに切り分けて、乾燥させ、平均粒径が数μm以下、例えば0.5μm〜8μm、好ましくは0.5μm〜5μm、より好ましくは0.5μm〜3μmの微粉末に粉砕する。乾燥は、ツルニンジンを高温にせずに乾燥する方法が好ましい。粉砕方法は、種々あるが、熱変成等の生じないトルネードミル法が好ましい。トルネードミル法は、高速で互いに反対方向に回転する2枚の円板間に粗い粉末粒子を投入し、粒子同士の衝突により微粉末を生成する方法である。
【0014】
ツルニンジンの抽出物は、ツルニンジンを常温又は加温下にて、水やその他各種溶媒抽出液により有効成分を溶出させる。抽出溶媒としては、極性溶媒、非極性溶媒のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類、エーテル類があるが、水、エタノール及びその混合液を用いるのが好ましい。
【0015】
抽出方法は、ツルニンジンを粉砕、破砕、又は裁断したものに水を加え、抽出温度としては、0℃〜100℃、好ましくは60℃〜100℃で、抽出時間としては5分〜8時間、好ましくは30分〜2時間程度である。その後、必要に応じて、抽出物を希釈又は濃縮、適宜ろ過又は遠心分離等の操作により不溶物を除去し、濃縮することで溶媒を除去し、固形、半固形または液状にして用いる。
【0016】
ツルニンジンの粉末は、そのまま健康補助食品として食用することができるが、さらに他の機能性食品やその他の食品の粉末と混合して、新たな健康補助食品と摂取すると良い。また、ツルニンジンやその粉末から抽出した成分も、食品の他、化粧料として用いることもできる。
【実施例1】
【0017】
次に、この発明のツルニンジン粉末を用いた健康補助食品の実施例について説明する。この実施例は、ツルニンジン粉末とその他の食品成分の粉末とを混合し、他の食品に混合した健康食品である。成分は、表1の通りである。
【表1】

【0018】
この健康食品は、これらの成分が平均粒径数μm程度に粉砕され、その粉末を丸ごと摂取するので、ツルニンジンが有する効能に加えて、緑茶の茶葉の成分であるカテキンやビタミンC、食物繊維も効果的に摂取することができる。摂取方法は、お湯や水に溶かして又は分散させても良く、他の食品に混ぜたり、ふりかけても良い。また、お茶の香りは、心を落ち着かせるアロマテラピーの効果もある。
【実施例2】
【0019】
次に、ツルニンジン粉末を用いた健康補助食品の他の実施例について説明する。この実施例は、上記実施例の原料のツルニンジン、緑茶、ツルモの上記粉末又はその抽出成分を水に溶かして又は分散させて、容器に詰めて、健康飲料とするものである。その際、海洋深層水を原料として、脱塩処理したミネラルウォーターに上記の原料の抽出エキスを溶かして、又は粉末原料自体を分散させて、栄養ドリンクにすると良い。海洋深層水としては、栄養成分やミネラル成分が豊富であり、低温であるため細菌が少ない富山湾の海洋深層水が好適である。
【0020】
海洋深層水の脱塩方法は、ナノ膜・逆浸透膜に海洋深層水を通して、濃縮深層水と淡水に分け、濃縮深層水を電気浸透膜に通して、さらに濃縮深層水と脱塩深層水に分ける。得られた脱塩深層水をゼオライト充填槽及び不織布を通過させ、濾過処理し、ミネラル成分量を調整した後、熱処理殺菌及び紫外線殺菌処理を施して、天然ミネラル水とする。又は、逆浸透膜の透過により得られた淡水を用いて、上記ミネラル調整等を行い、天然ミネラル水としても良い。この天然ミネラル水の成分を表2に示す。表2の目標値は、理想的なミネラル水の成分範囲を示す。
【表2】

【0021】
この天然ミネラル水に、表1の健康食品の微粉末又はその抽出成分を溶かすことにより、飲みやすく、健康維持に好適な健康飲料を製造することができる。
【実施例3】
【0022】
次に、この発明のツルニンジン粉末を用いた化粧料について説明する。この実施例は、ツルニンジン抽出物と他の化粧成分を混合した化粧用ローション等の化粧料である。成分の一例を表3に示す。これらの成分の全て、又は適宜の組み合わせにより、クリーム、ローション、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等の化粧料を形成する。
【0023】
【表3】

この発明の化粧料におけるツルニンジン抽出物の配合量は、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜6.0質量%、好ましくは0.02〜3.0質量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜6.0質量%、好ましくは0.02〜3.0質量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜5.0質量%、好ましくは0.02〜2.0質量%の範囲である。
【0024】
この化粧料には、必須成分のツルニンジン抽出物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合するものである。
【0025】
油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等がある。
【0026】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
【0027】
乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等を配合することもできる。
【0028】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、ビャッキュウ抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体がある。
【0029】
増粘剤としては、アルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等がある。
【0030】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
【0031】
その他、紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。また、抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ビャッキュウ抽出物、イネ抽出物等がある。
【0032】
美白成分としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、コンブ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等がある。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツルニンジン(Codonopsis lanceolata)を乾燥させた粉末と緑茶の粉末を含有することを特徴とする健康食品
【請求項2】
前記粉末にツルモの粉末を加えた請求項1記載の健康食品。
【請求項3】
前記ツルニンジンの粉末は、平均粒径が0.5μm〜8μmの粉末である請求項1又は2記載の健康食品。
【請求項4】
前記ツルニンジンの粉末から抽出した成分を含む請求項1、2又は3記載の健康食品。
【請求項5】
ツルニンジンの粉末から抽出した成分と、海洋深層水を原料とするミネラル水を混合したことを特徴とする健康飲料。
【請求項6】
ツルニンジンの粉末を、海洋深層水を原料とするミネラル水に混合し分散させたことを特徴とする健康飲料。


【公開番号】特開2012−75402(P2012−75402A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224848(P2010−224848)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(598170361)
【出願人】(502192270)
【Fターム(参考)】