説明

偽造防止インキ及び偽造防止媒体並びに偽造防止ステッカー

【課題】太陽光や蛍光灯の下では目視にて黒色を呈するため、通常の墨インキに見え、かつ、可視光の一部の波長領域を透過する耐光性の高い偽造防止インキで構成することにより、任意の可視光と赤外光を照射し、その反射光を識別することにより、容易に真偽の判定ができ、さらには、可視光の波長領域の一部の光を透過し、かつ、赤外光の一部の波長領域の光を吸収する偽造防止インキによって構成されることにより、真の情報の漏洩を予防する等に有効な偽造防止インキ、これを用いた偽造防止媒体、又は偽造防止ステッカーを提供する。
【解決手段】太陽光および蛍光灯の下では目視にて黒色を呈し、400〜780nmの可視光のうち、透過する波長領域幅が50nm以上あり、かつ、780nm〜1400nmの近赤外線波長領域の光を透過し、金属を含有しない顔料を主成分としてなることを特徴とする偽造防止インキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷画像が目視においては黒色に見えるインキで構成される偽造防止インキおよび偽造防止媒体ならびに偽造防止ステッカーに係わり、特に、可視光領域の一部の波長の光を透過することを特徴とする偽造防止インキとこれを用いた偽造防止媒体ならびに偽造防止ステッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から株券、債券、小切手、商品券、宝くじ、定期券等の証券類に記載される情報を機械により真正なものかどうかを判別する手段や、商品にステッカーを添付し真正かどうかを証明する手段として、バーコードやOCR文字等の機械読み取り可能なコードマークが設けられることが多く、この場合の偽造防止手段としては、赤外領域での吸収のない隠蔽層をコードマーク上に形成するか(特許文献1参照)、目視ではカーボンブラックと同じ黒色を示すが、赤外領域では吸収のない黒色インキを用いてダミーパターンを形成し、赤外領域での読み取りの有無によりコードマークを読み取るものがある(特許文献2参照)。
【0003】
例えば前者では、白色のインク及び黒色のインクの赤外線反射性及び赤外線吸収性を利用し、機械的に読み取り可能な情報をバーコード等のパターン状のマークを媒体などに付与し、これに赤外光を照射、マークを走査し、その反射赤外光の強度を二値化することにより記録された情報を読み取ることが記載されている。そして、情報が不正に読み取られないように可視光を遮断し、赤外光を透過する隠蔽層を形成し、可視光により容易に情報が読み取られることを防止することが記載されている。
【0004】
また、後者は、目視的には同じ見え方であるが、赤外領域での分光特性に差のあるカーボンを用いた黒色の赤外線吸収インキと組み合わせ、印刷物の特定の箇所に真偽判別情報などを隠蔽させておき、照合時にその赤外領域での読み取りの有無により真偽判別情報を読み出し、その有無や真否により正当性を確認する場合に用いられる。例えばダミーとして用いる黒色で赤外領域に吸収の無いインキとして、シアン(藍)、イエロー(黄)、マゼンタ(赤)のプロセスインキの三原色を混合し、赤外線透過インキ組成物として利用されており、このように光学的特性の異なる2種類のインキ組成物が用いられてきた。また、別の例として、赤外線を透過する耐性の良い黒色インキとして、金属化合物である黒色顔料を主成分とするインキが知られている。
【0005】
特に、特定の真偽判別情報を印刷物中のマーク、模様、デザイン、文字、数字等などに合わせて同色で形成し隠蔽させることにより、複写機を用いて本物とほぼ同じように複写されても、複写物には全体に赤外領域に吸収を有するため、赤外線照射による照合では、真偽判別情報を確認することができないため、容易に真偽を判別することができる。なお、真正物は赤外領域に吸収の無いインキで形成された箇所が抜けて見えるため、容易に真偽判別情報を確認することができる。
【0006】
しかしながら、上記条件で作製された時点での印刷物では、経時により退色、変色等の変化を生じ、赤外線吸収インキと赤外線透過インキの二種類のインキが、色の差となって表れるため、隠蔽された真偽判別情報が知られてしまう問題があった。また従来から用いられていた赤外領域に吸収の無いプロセスインキの三原色の混合により作製されていた赤外線透過インキ組成物は耐光性、耐熱性、耐溶剤性など、実用面における各種耐性に問題を有し、最も汎用的に使用されるプロセスインキにより作製が可能なため、コードの読み取りに関しては優れていたが、依然として複写等の偽造や変造等を有効に防止する手段と
しては不充分であった。また、赤外光の反射性を持ち、耐性を向上した黒色インキは金属を含むため、環境的に規制され使用し難いという問題点があった。
【特許文献1】特開昭58−45999号公報
【特許文献2】特開平8−34946号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような問題点に着目してなされたもので、太陽光や蛍光灯の下では目視にて黒色を呈するため、通常の墨インキに見え、かつ、可視光の一部の波長領域を透過する耐光性の高い偽造防止インキで構成することにより、任意の可視光と赤外光を照射し、その反射光を識別することにより、容易に真偽の判定ができる偽造防止インキ、これを用いた偽造防止媒体、又は偽造防止ステッカーを提供することにある。さらには、可視光の波長領域の一部の光を透過し、かつ、赤外光の一部の波長領域の光を吸収する偽造防止インキによって構成されることにより、真の情報の漏洩を予防する等に有効な偽造防止インキ、これを用いた偽造防止媒体、又は偽造防止ステッカーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1の発明では、太陽光および蛍光灯の下では目視にて黒色を呈し、400〜780nmの可視光のうち、透過する波長領域幅が50nm以上あり、かつ、780nm〜1400nmの近赤外線波長領域の光を透過し、金属を含有しない顔料を主成分としてなることを特徴とする偽造防止インキとしたものである。
【0009】
また請求項2の発明では、太陽光および蛍光灯の下では目視にて黒色を呈し、かつ、400〜780nmの可視光のうち、透過する波長領域幅が50nm以上あり、金属を含有しない黒色の顔料を主成分とし、かつ、780〜1400nmの近赤外光を透過するが、一部の領域に吸収を持つことを特徴とする偽造防止インキとしたものである。
【0010】
また請求項3の発明では、400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の、少なくとも一部の領域に、請求項2記載の偽造防止インキにて黒色の印刷画像を設け、かつ、該印刷画像部は400〜780nmの可視光のうち、反射率が70%以上の波長領域幅が50nm以上あり、780〜1400nmの近赤外光のうち、一部の波長領域に吸収を持つことを特徴とする偽造防止媒体としたものである。
【0011】
また請求項4の発明では、400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の少なくとも一部の領域に、請求項1に記載の偽造防止インキにて第1の黒色印刷画像を設け、かつ、第1の黒色印刷画像とは重ならない部分があるように、請求項2に記載の偽造防止インキにて第2の黒色印刷画像を設けてあることを特徴とする偽造防止媒体としたものである。
【0012】
また請求項5の発明では、400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の少なくとも一部の領域に、前記黒色印刷画像とは重ならない部分があるように、400nm〜700nmの可視光を吸収し、かつ、800nm〜1400nmの近赤外光を反射する黒色印刷画像を設けてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の偽造防止媒体としたものである。
【0013】
また請求項6の発明では、400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の少なくとも一部の領域に、前記黒色印刷画像とは重ならないように、別の黒色印刷画像を設け、該黒色印刷画像部は、400nm〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が30%以下であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の偽造防止媒体としたものである。
【0014】
また請求項7の発明では、請求項3乃至6のいずれかに記載の偽造防止媒体において、黒色印刷画像を設けた面とは逆の基材面に、粘着層が設けられていることを特徴とする偽造防止ステッカーとしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
【0016】
本発明の偽造防止インキ、偽造防止媒体、又は偽造防止ステッカーは、太陽光や蛍光灯の下では目視にて黒色を呈し、かつ、可視光の一部の波長領域を透過する耐光性の高い偽造防止インキで構成されていることにより、目視では通常の墨インキに見え、任意の可視光と赤外光を照射し、その反射光を識別することにより、容易に真偽の判定ができる偽造防止インキ、偽造防止媒体、又は偽造防止ステッカーを提供することができる。さらには、可視光の波長領域の一部の光を透過し、かつ、赤外光の一部の波長領域の光を吸収する偽造防止インキにより構成されることにより、読み取り波長として赤外線を適用しても、画像を読み取れず、あるいは、別の画像に読み取ってしまい、真の画像を認識することができないため、偽造の予防、改ざんの予防、その他の不正の予防、又は、もし不正があっても発見を容易とする、あるいは、真の情報の漏洩を予防する等に有効な偽造防止インキ、これを用いた偽造防止媒体、又は偽造防止ステッカーを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の偽造防止ステッカーの一実施例を示す平面図であり、図2は図1の偽造防止ステッカーの一実施例のX−X線における断面図である。図3は、本発明の偽造防止インキの一実施例における波長と反射率の関係を表すグラフであり、図4は、図1の偽造防止ステッカーにおける反射画像情報を抽出する方法の一実施例を示す説明図である。図5は、図1の偽造防止ステッカーにおいて図4のカメラ24で得られた画像である。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明の偽造防止ステッカーは、可視光および近赤外光反射性の基材12の上の、少なくとも一部の領域に、本発明の偽造防止インキ11にて黒色の印刷画像を儲け、黒色画像を設けた面とは逆の基材12の面に、粘着層13が設けられたものである。
【0020】
尚、本発明で云う可視光および近赤外光反射性の基材12とは、可視光および近赤外光を反射する性質を持つ基材であり、特には、偽造防止インキ11の反射率に比べて、かなり高い反射性を持つ基材が好適であり、反射率80%以上であることが好ましい。紙の種類としては、アートコート紙、上質紙等の用紙、特殊証券用紙、白色のポリエステル樹脂シート、白色の塩化ビニルシートなどが使用可能である。
【0021】
粘着層13は、接する基材12を変質させたり、侵したりするものでなければ、一般的な接着材料を用いることができる。例えば、塩化ビニル−酢酸ビニルの共重合体、ポリエステル系、ポリアミド、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル系の粘着剤を単独、もしくは、アルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、ビニルモノマー等の凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリル等に代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加したものを用いることができる。
そして、この粘着層の形成には、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの塗布方法等を用いることができる。
【0022】
可視光とは、一般に波長380〜780nmの領域を言い、近赤外線は、780nm以上の長い波長域の光である。通常の墨インキは、可視光および近赤外光を吸収するため、どの色インキよりも、波長の広範囲の光を吸収する特徴を有する。一般的な色の認識として、色としては、それぞれの言葉により、また個人差により、微妙な色の認識の違いが見られるが、黒色の場合は共通である。そのため、異なる色が目視にて印刷された場合に判別されやすい。通常の印刷の墨インキに使用される顔料としては、例えばカーボンブラックが代表としてあげられるが、可視から近赤外までの光を吸収するため、目視に対しても高い隠蔽性を示すが、選択的な波長の読み取りに対しても、隠蔽してしまう。
【0023】
偽造防止インキ11は、印刷できるインキであって、オフセット印刷インキ、スクリーン印刷インキ、フレキソ印刷インキ、グラビア印刷インキ、インクジェットインク等の公知の印刷法にて使用できるインキであり、太陽光等の自然光や通常使用される蛍光灯の下で、目視では黒色と認識するが、可視光の一部の波長領域を透過する特性を有する。偽造防止インキ11としては、例えば、ペリレン顔料を用いたインキが使用可能である。前記ペリレン顔料は、分子固有の吸収バンドと分子間相互作用に起因する吸収バンドの双方で可視光領域の波長を覆い、可視光の一部の波長は透過するが、黒色を呈する。目視では黒色に観察できるため、意匠性については従来通りに、問題なく設けることができる。
【0024】
さらに、偽造防止インキ11は、図3の31に示すように、近赤外吸収剤を混合することにより、可視光の一部から近赤外光にかけて透過するが、近赤外光の一部に吸収を持つことにより、より複雑な分光特性をつくることができ、容易に機械で読み取ろうとしても難しく、また、複数の波長での読み取りを行うため、同様な波長の偽造防止インキをつくることも難しい。使用できる近赤外線吸収材としては、フタロシアニン化合物やシアニン化合物等の公知の近赤外吸収剤が挙げられ、その他であっても充分な赤外吸収性能を有するものであれば良いが、近赤外線の波長域において短い領域、具体的には800nm付近には吸収がなく、より波長の長い領域の光を吸収するものが望ましい。
【0025】
図4は、本発明の偽造防止インキの検証方法の一実施例を示している。図4からわかるように、偽造防止インキの画像抽出にあたっては、まず、偽造防止インキ11印刷面に対して照射した光の反射状態を、偽造防止インキの可視光の吸収のない任意の波長域を透過するバンドパスフィルター23と、偽造防止インキの光を吸収する任意の赤外域を透過するバンドパスフィルター25とのそれぞれを介して画像情報を読み取り装置によって情報を読み取る。
【0026】
具体的には、偽造防止インキ印刷面に対して、光源21から照射した反射光の50%を反射し、50%を透過するビームスプリッター22まで導き、そこで反射した光はカメラ24側に、透過した光はカメラ26側に、導くように2分割される。そして、それぞれ分割された光をそれぞれのバンドパスフィルター23、25を介して、読み取り装置で読み取り、真偽判定を行う。
【0027】
このようにして、反射光を読み取ると、偽造防止インキ11で印刷した場合と通常の墨インキや赤外を透過する墨インキ、赤外吸収インキとは異なって検出され、不正があっても発見を容易とする、あるいは、真の情報の漏洩を予防する等に有効な偽造防止インキとこれを用いた偽造防止媒体ならびに偽造防止ステッカーを提供できる。
【0028】
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例1】
【0029】
可視光および近赤外光の反射性基材として、白色系の上質タック紙上にオフセット印刷法で、下記の通常の墨インキにて文字を、下記の本発明の偽造防止インキにてマークを、それぞれ厚さ1μm印刷し、本発明の実施例1の偽造防止ステッカーを得た。

[通常の墨インキ]
FD カルトンACE スミ ロ (東洋インキ社製)

[本発明の偽造防止インキ]
YKR−3081(山本化成社製) 5部
C.I.Pigment Black 31 15部
FD カルトン ACE メジウム ロ (東洋インキ社製) 80部

実施例1の偽造防止ステッカーを図1に示す。
【実施例2】
【0030】
実施例1において図形部分(マーク)を下記の赤外線透過性の墨インキにて、設けた以外は、同様にして、実施例2のステッカーを得た。

[赤外光透過性の墨インキ]
改UVHR FL コンク墨 (T&K TOKA社製)

実施例2は、実施例1と比較するためのものである。
【0031】
実施例1の偽造防止ステッカーは、通常の墨インキも本発明の偽造防止インキも共に目視では黒色の絵柄が確認されるが、カメラ24で画像を見ると、図5のように通常の墨インキのみを見ることができ、カメラ26で画像を見ると目視画像と同様の画像を見ることができ、両方を同時に読み取ることにより、認証することができた。また、実施例2のステッカーでは、カメラ24で目視画像と同様の画像が見え、カメラ26で図5のように通常の墨インキのみの文字部分の画像が観察され、本発明の偽造防止インキとは異なることが判別できた。
【0032】
さらに、上記の偽造防止ステッカーをキセノンフェードメータに入れて、耐光性を観察した。実施例2の赤外光透過性の墨インキは、24時間後目視にて緑色に変色したが、本発明による墨インキは、240時間後でも変色は見られず、耐光性の高い偽造防止インキにより印刷された偽造防止ステッカーが得られた。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の偽造防止ステッカーの一実施例を示す平面図である。
【図2】図1の偽造防止ステッカーの一実施例のX−X線における断面図である。
【図3】本発明の偽造防止インキの一実施例における波長と反射率の関係を表すグラフである。
【図4】図1の偽造防止ステッカーおける反射画像情報を抽出する方法の一実施例を示す説明図である。
【図5】図1の偽造防止ステッカーにおいて図4のカメラ24で得られた画像である。
【符号の説明】
【0034】
1…偽造防止ステッカー
10…通常の墨インキ
11…偽造防止インキ
12…基材
13…粘着層
21…光源
22…50R/50Tビームスプリッター
23、25…バンドパスフィルター
24、26…カメラ
31…偽造防止インキの分光特性
32…通常の墨インキの分光特性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光および蛍光灯の下では目視にて黒色を呈し、400〜780nmの可視光のうち、透過する波長領域幅が50nm以上あり、かつ、780nm〜1400nmの近赤外線波長領域の光を透過し、金属を含有しない顔料を主成分としてなることを特徴とする偽造防止インキ。
【請求項2】
太陽光および蛍光灯の下では目視にて黒色を呈し、かつ、400〜780nmの可視光のうち、透過する波長領域幅が50nm以上あり、金属を含有しない黒色の顔料を主成分とし、かつ、780〜1400nmの近赤外光を透過するが、一部の領域に吸収を持つことを特徴とする偽造防止インキ。
【請求項3】
400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の、少なくとも一部の領域に、請求項2記載の偽造防止インキにて黒色の印刷画像を設け、かつ、該印刷画像部は400〜780nmの可視光のうち、反射率が70%以上の波長領域幅が50nm以上あり、780〜1400nmの近赤外光のうち、一部の波長領域に吸収を持つことを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項4】
400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の少なくとも一部の領域に、請求項1に記載の偽造防止インキにて第1の黒色印刷画像を設け、かつ、第1の黒色印刷画像とは重ならない部分があるように、請求項2に記載の偽造防止インキにて第2の黒色印刷画像を設けてあることを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項5】
400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の少なくとも一部の領域に、前記黒色印刷画像とは重ならない部分があるように、400nm〜700nmの可視光を吸収し、かつ、800nm〜1400nmの近赤外光を反射する黒色印刷画像を設けてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の偽造防止媒体。
【請求項6】
400〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が70%以上の反射性基材上の少なくとも一部の領域に、前記黒色印刷画像とは重ならないように、別の黒色印刷画像を設け、該黒色印刷画像部は、400nm〜1400nmの可視光および近赤外光の反射率が30%以下であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の偽造防止媒体。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれかに記載の偽造防止媒体において、黒色印刷画像を設けた面とは逆の基材面に、粘着層が設けられていることを特徴とする偽造防止ステッカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−31106(P2010−31106A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193283(P2008−193283)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】