説明

充填プラスチック材料組成物

本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー)、および酸性基を含む化合物を含む組成物に関する。一実施形態において、本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニル))および、ポリエチレングリコールと、モル過剰の4〜17個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸またはそのラクトンおよび/またはC3−4−アルキレンオキシドとを反応させて、ポリマージオールを形成し、リン酸塩処理剤との反応によって該ジオールをリン酸塩処理して、リン酸エステルを得る工程によって得られる/得ることができる化合物(これは、分散剤としても言及され得る)を含む組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー)、および酸性基を含む化合物を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック材料(例えば、ポリ塩化ビニル)において、充填剤(filler)の使用は公知である。上記充填剤の存在は、寸法上の剛性(dimensional rigidity)および最終プラスチック材料の低コストを付与する手段として公知である。しかし、充填剤の利点は、以下を含む少なくとも1種の欠点に対して釣り合わされる:(i)プラスチック材料の製造の間のゆっくりとした処理、および(ii)減少された衝撃強さ。さらに、充填剤の存在は、プラスチック材料を製造することと関連するエネルギーコストを増大させる傾向がある。なぜなら、プラスチック材料中に上記充填剤を均一に分散させることが望ましいからである。充填剤の均一な分布は、代表的には、上記プラスチック材料の一貫した特性を生じる。結論として、充填剤の低い充填のみが、プラスチック材料、特に、ポリ塩化ビニルの生成において使用される。
【0003】
上記で強調した多くの困難を克服するために、プラスチック材料との適合性を促進するために、上記充填剤にカップリング剤または他の添加剤を使用する試みがなされてきた。試みは、特許文献1または特許文献2、または特許文献3、または特許文献4、または特許文献5、または特許文献6における開示を含む。
【0004】
特許文献6は、充填プラスチックの改善された処理条件および耐衝撃性を提供するために、充填塩化ビニルポリマー組成物における添加剤としての低級アルコキシル化アルキル酸リン酸エステルの使用を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,344,107号明細書
【特許文献2】米国特許第3,404,023号明細書
【特許文献3】米国特許第3,926,873号明細書
【特許文献4】米国特許第4,094,853号明細書
【特許文献5】米国特許第4.098,758号明細書
【特許文献6】米国特許第4,294,752号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、当該技術と関連する課題を克服すると同時に、組成物をプラスチック材料および充填剤に提供する必要がある。本発明は、このような組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)または塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)))および式(1)の化合物またはその塩:
Y−A−O−B−Z 式(1)
を含む組成物を提供し、ここで、
Yは、独立して、基RO−または基Z−B−であり;
Rは、独立して、C1−18ヒドロカルビル基、またはC1−18ヒドロカルボニル基であり;
Zは酸性基であり;
Aは、独立して、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO)]−であり;
Bは、独立して、ヒドロキシカルボキシル基、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO]−であり;
R’は、独立して、H、−CH、または−CHCHであり;そして
mおよびnは、独立して、1〜1000、または1〜500、または1〜500または1〜70まで変動する。
【0008】
一実施形態において、本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニル))および、ポリエチレングリコールと、モル過剰の4〜17個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸またはそのラクトンおよび/またはC3−4−アルキレンオキシドとを反応させて、ポリマージオールを形成し、リン酸塩処理剤(phosphating agent)との反応によって該ジオールをリン酸塩処理(phosphate)して、リン酸エステルを得る工程によって得られる/得ることができる化合物(これは、分散剤としても言及され得る)を含む組成物を提供する。上記化合物のより詳細な説明は、欧州特許出願 EP 0 765 356号に開示される。
【0009】
一実施形態において、本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニル))を含む組成物を提供し、Zは、ホスフェート(もしくはスルフェート)の部分エステルである。
【0010】
一実施形態において、本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニル))を含む組成物を提供し、Zは、ホスフェートのモノエステルもしくはホスフェートのジエステル、またはスルフェートのモノエステルである。
【0011】
一実施形態において、本発明は、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニル))を充填するための方法を提供し、この方法は、プラスチック材料に、粒子状固体および式(1)の化合物を供給する工程を包含する。
【0012】
一実施形態において、本発明は、塩化ビニルポリマーにおける充填剤のための分散剤として、式(1)、ホスフェートの部分エステル、スルフェートの部分エステル、およびこれらの混合物からなる群より選択される化合物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、本明細書中上記に開示される組成物を提供する。
【0014】
一実施形態において、上記Zは、無機酸性基を含む。無機酸性基の例としては、硫黄(sulphur)基、リン基、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0015】
一実施形態において、Zは、ホスフェート酸性基またはスルフェート酸性基を含む。
【0016】
一実施形態において、Zは、ホスフェート酸性基を含む。
【0017】
一実施形態において、式(1)の化合物は、上記組成物内で分散される。一実施形態において、式(1)の化合物は、上記組成物内に均一に分散される。
【0018】
一実施形態において、上記プラスチック材料は、塩化ビニルポリマーを含む。一実施形態において、上記塩化ビニルポリマーは、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルからなる群より選択される。上記塩化ビニルポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。一実施形態において、上記塩素化PVCは、50〜75重量%の塩素含有量を有し得、別の実施形態において、上記塩素含有量は、55〜70重量%、望ましくは、57〜68重量%である。
【0019】
一実施形態において、上記塩化ビニルポリマーは、ホモポリマーを含む。
【0020】
一実施形態において、上記塩化ビニルポリマーはコポリマーを含む。
【0021】
塩化ビニルコポリマーが、本発明において上記プラスチック材料として使用される場合、上記コポリマーは、塩化ビニルとコモノマーとのコポリマー形成によって形成され得る。適切なコモノマーの例としては、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)、アルキル(メタ)アクリレート(例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート)、アクリロニトリル、ジアルキルビニルホスホネート(例えば、ビス(βクロロエチル)ビニルホスホネート)および塩素化PVCが挙げられる。
【0022】
欧州特許出願 EP 0 765 356号において、特に、段落7〜24において開示されるように、リン酸エステル分散剤のより詳細な説明は、参考として援用される。上記リン酸エステルは、遊離の酸形態で存在し得るか、または上記リン酸エステルは、アルカリ金属、アンモニア、アミン、アルカノールアミンまたは四級アンモニウムカチオンと塩を形成し得る。上記リン酸エステル基はまた、アルコールとの反応によってさらに部分的にエステル化され得るか、またはアルカノールアミンとの塩を形成し得る。
【0023】
一実施形態において、本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニル))、およびポリエチレングリコールとモル過剰のヒドロキシカルボン酸とを反応させる工程によって得られる/得ることができるポリマージオールから誘導される化合物を含む組成物を提供する。上記化合物のより詳細な説明は、欧州特許出願EP 0 765 356号に開示される。
【0024】
一実施形態において、AおよびBは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−である。
【0025】
一実施形態において、AおよびBは、独立して、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−である。
【0026】
一実施形態において、AおよびBは、独立して、−[OCHCH(CHCH)]−、または−[CH(CHCH)CHO]−である。
【0027】
一実施形態において、AおよびBは、(i)−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−のうちの少なくとも一方;および(ii)−[OCHCH(CHCH)]−、または−[CH(CHCH)CHO]−のうちの少なくとも一方の混合物である。
【0028】
一実施形態において、AおよびBは、(i)−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−のうちの少なくとも一方;および(ii)−[OCHCH−、または−[CHCHO]−のうちの少なくとも一方の混合物である。
【0029】
一実施形態において、Aは、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−であり;Bは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−である。
【0030】
一実施形態において、Aは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−であり;Bは、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−である。
【0031】
一実施形態において、AおよびBは、−(O−(CH−、または−((CH−O)−である。代表的には、上記基−(O−(CH−、または−((CH−O)−は、ポリテトラヒドロフランから誘導され得る。
【0032】
一実施形態において、本発明は、粒子状固体、プラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー、または塩素化ポリ塩化ビニル)およびホスフェートの部分エステル(モノエステルまたはジエステルを含む)、式(1a)の化合物;およびその塩:J−[PO)(EO)]−Hを含む組成物を提供する。
【0033】
式(1a)(ここでEOはエチレンオキシド反復単位であり;POはプロピレンオキシド反復単位であり;JはC1−18−O−基、またはH−(EO)基であり;tおよびqは独立して、1〜50であり;そしてwは1〜70である)。式(1a)の化合物のより詳細な説明は、国際公開WO 97/42252 A1、特に、第1頁30行目〜第3頁2行目に記載され、本明細書中に参考として援用される。
【0034】
一実施形態において、本発明は、1〜50重量%の粒子状固体、45〜98.99重量%のプラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー、または塩素化ポリ塩化ビニル)、および0.01〜5重量%の式(1)の化合物を含む組成物を提供する。
【0035】
一実施形態において、本発明は、1〜50重量%の粒子状固体、47〜98.99重量%のプラスチック材料(例えば、塩化ビニルポリマー、または塩素化ポリ塩化ビニル)、および0.01〜3重量%の式(1)の化合物を含む組成物を提供する。
【0036】
上記粒子状固体は、ポリマー材料と使用される任意の固体材料であり得、具体的には、充填剤のような固体を含む。上記粒子状固体は、顆粒状物質の形態で、または粉末、しばしば、吹き出される粉末(blown powder)の形態で存在し得る。例としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化鉄、ケイ酸カルシウムおよびケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸塩、カオリン、マイカ、タルク、チョーク、金属繊維および金属粉末、亜鉛、アルミニウム、三水酸化アルミニウム、ガラス繊維、耐火性繊維、カーボンブラック(強化カーボンブラックおよび非強化カーボンブラックを含む)、アルミナ、水晶、木粉、粉末化紙/線維、アスベスト、クリスタライト(crysatille)、直閃石、クロシドライト、珪灰石、アタパルジャイトなど、粒状セラミック材料(例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、二酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、混合された窒化ケイ素−窒化アルミニウムおよび金属チタネート;粒状磁性物質(例えば、遷移金属(しばしば、鉄およびクロム)の磁性酸化物(例えば、γ−Fe、Fe、およびコバルトドープ酸化鉄、フェライト(例えば、バリウムフェライト));ならびに金属粒子(例えば、遊離して存在する金属の鉄、ニッケル、コバルト、銅およびこれらの合金)が挙げられる。
【0037】
一実施形態において、上記粒子状固体(または充填剤)は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ三水和物、シリカ、アルミノケイ酸塩、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、珪藻土、含水シリケート、酸化カルシウム、マイカ、タルク、カオリン、およびベントナイトからなる群より選択される。一実施形態において、上記無機粒状物は、炭酸カルシウムを含む。
【0038】
一実施形態において、上記粒子状固体は、式(1)の化合物で予めコーティングされている。
【0039】
必要に応じて、本発明の組成物は、従来の量の他の従来の添加剤(例えば、可塑剤、難燃剤、潤滑剤、衝撃改変剤(impact modifier)、発泡剤(blowing agent)、または安定化剤)をさらに含み得る。
【0040】
以下の実施例は、本発明の例示を提供する。これら実施例は、網羅するものではなく、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【実施例】
【0041】
分散剤1:は、米国特許第5,785,894号の実施例44(Pluronic 17R4のリン酸エステル)である。
【0042】
分散剤2:は、米国特許第5,981,624号の実施例13(Synperonic PE/L81のリン酸エステル)である。
【0043】
比較例:は、Henschel中60℃で、100部のポリ塩化ビニル(Oxy VinylsTM 225)、3部のArkema DurastrengthTM 200(アクリル改変剤)、0.4部のステアリン酸カルシウム、0.1部のポリエチレンワックス(Honeywell(登録商標)AC−6A)、0.8部のパラフィンワックス(Ferro Petrac(登録商標)165ワックス)、1部の有機スズ安定化剤(Akzo Nobel T5201)、および20部の炭酸カルシウム(Camel Fine ST)を混合して、混合物を形成することによって調製される。次いで、上記混合物を、3種の異なる速度で、Brabender装置中で処理する。上記速度は、15rpm、25rpmおよび35rpmである。上記Brabender装置は、168℃(335oF)、185℃(365oF)、および190℃(375oF)のバレル温度で使用した。平均トルク読み取りおよびBrabender Intelli−Torque Plasti−Corderトルク流体測定システムからの物質の出力を、記録する。
【0044】
本発明の組成物は、1.27部の分散剤1または分散剤2が添加されることを除いて、比較例と類似の様式で調製した。比較例および本発明の実施例について得られる結果は、以下のとおりである:
【0045】
【表1】

全体的に、上記データは、本発明の組成物が(i)形成されるポリ塩化ビニルのトルクを低下させる;または(ii)および/もしくはBrabenderを通った混合物のスループットを増大させ、従って、ポリ塩化ビニルのより効率的な生成を可能にする、のうちの少なくとも1つを可能にすることを実証する。
【0046】
上記で言及される文献の各々は、本明細書に参考として援用される。実施例、または他のものが明示的に示されている場所を除いて、物質量、反応条件、分子量、炭素数などを特定する説明におけるすべての数値で表される量は、用語「約」によって修飾されると理解される。別段示されない限り、本明細書で言及される各化学物質または組成物は、異性体、副生成物、誘導体、および工業用グレードで存在すると通常理解される他のこのような物質を含み得る工業用グレードであると解釈されるべきである。しかし、各化学成分の量は、別段示されない限り、市販の物質に習慣的に存在し得る任意の溶媒または希釈油を除いて示される。本明細書に記載される上方の量、下方の量、範囲、および比率限界は、独立して、組み合わされ得ることが理解されるべきである。同様に、本発明の各要素についての範囲および量は、他の要素のいずれかについての範囲または量と一緒に使用され得る。
【0047】
本発明は、その好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、種々のその改変は、本明細書を読めば、当業者に明らかになる。従って、本明細書に開示される発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るような修飾を網羅することが意図されることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状固体、塩化ビニルポリマーおよび式(1)の化合物もしくはその塩:
Y−A−O−B−Z 式(1)
を含む組成物であって、
ここで
Yは、独立して、基RO−または基Z−B−であり;
Rは、独立して、C1−18ヒドロカルビル基、またはC1−18ヒドロカルボニル基であり;
Zは酸性基であり;
Aは、独立して、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO)]−であり;
Bは、独立して、ヒドロキシカルボキシル基、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO]−であり;
R’は、独立して、H、−CH、または−CHCHであり;そして
mおよびnは、独立して、1〜1000まで変動する、
組成物。
【請求項2】
mおよびnは、独立して、1〜500または1〜70である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
AおよびBは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
AおよびBは、独立して、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
AおよびBは、独立して、−[OCHCH(CHCH)]−、または−[CH(CHCH)CHO]−である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
Aは、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−であり;Bは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
Aは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−であり;Bは、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
Zは、硫黄基、またはリン基、またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
Zは、ホスフェート酸性基またはスルフェート酸性基を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
Zはホスフェートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記塩化ビニルポリマーは、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルからなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記塩化ビニルポリマーはホモポリマーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記塩化ビニルポリマーはコポリマーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記粒子状固体は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ三水和物、シリカ、アルミノケイ酸塩(alumina silicate)、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、珪藻土、含水シリケート(hydrated silicate)、酸化カルシウム、マイカ、タルク、カオリン、およびベントナイトからなる群より選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子状固体は炭酸カルシウムである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
塩化ビニルポリマー中での粒子状固体のための分散剤としての、式(1)の化合物またはその塩:
Y−A−O−B−Z 式(1)
の使用であって、
ここで
Yは、独立して、基RO−または基Z−B−であり;
Rは、独立して、C1−18ヒドロカルビル基、またはC1−18ヒドロカルボニル基であり;
Zは、酸性基であり;
Aは、独立して、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO)]−であり;
Bは、独立して、ヒドロキシカルボキシル基、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO]−であり;
R’は、独立して、H、−CH、または−CHCHであり;そして
mおよびnは、独立して、1〜1000まで変動する、
使用。
【請求項17】
前記式(1)の化合物は、請求項2〜11のいずれかにおける定義のうちの少なくとも1つに基づいてさらに特徴づけられる、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記粒子状固体は充填剤である、請求項16または17に記載の使用。
【請求項19】
前記粒子状固体は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ三水和物、シリカ、アルミノケイ酸塩、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、珪藻土、含水シリケート、酸化カルシウム、マイカ、タルク、カオリン、およびベントナイトからなる群より選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項20】
粒子状固体、塩化ビニルポリマー、およびポリエチレングリコールと、モル過剰の4〜17個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸またはそのラクトンおよび/またはC3−4−アルキレンオキシドとを反応させて、ポリマージオールを形成し、リン酸塩処理剤(phosphating agent)との反応によって該ジオールをリン酸塩処理(phosphate)して、リン酸エステルを得る工程によって得られる/得ることができる化合物、を含む、組成物。
【請求項21】
粒子状固体、プラスチック材料、およびポリエチレングリコールと、モル過剰のヒドロキシカルボン酸とを反応させることによって得られる/得ることができるポリマージオールから誘導される化合物、を含む、組成物。
【請求項22】
前記プラスチック材料は、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルからなる群より選択される塩化ビニルポリマーである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
粒子状固体、塩化ビニルポリマー、およびリン酸のモノエステルまたはリン酸のジエステルを含む、組成物。
【請求項24】
前記塩化ビニルポリマーは、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルからなる群より選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記粒子状固体は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ三水和物、シリカ、アルミノケイ酸塩、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、珪藻土、含水シリケート、酸化カルシウム、マイカ、タルク、カオリン、およびベントナイトからなる群より選択される、請求項21〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
塩化ビニルポリマーを充填するための方法であって、該方法は、該塩化ビニルポリマーに、粒子状固体および式(1)の化合物もしくはその塩:
Y−A−O−B−Z 式(1)
を供給する工程を包含する、方法:
ここで
Yは、独立して、基RO−または基Z−B−であり;
Rは、独立して、C1−18ヒドロカルビル基、またはC1−18ヒドロカルボニル基であり;
Zは、酸性基であり;
Aは、独立して、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO)]−であり;
Bは、独立して、ヒドロキシカルボキシル基、−[OCHCH(R’)]−、または−[CH(R’)CHO]−であり;
R’は、独立して、H、−CH、または−CHCHであり;そして
mおよびnは、独立して、1〜1000まで変動する。
【請求項27】
mおよびnは、独立して、1〜500または1〜70である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
AおよびBは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
AおよびBは、独立して、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−である、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
AおよびBは、独立して、−[OCHCH(CHCH)]−、または−[CH(CHCH)CHO]−である、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
Aは、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−であり;Bは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
Aは、−[OCHCH−、または−[CHCHO]−であり;Bは、−[OCHCH(CH)]−、または−[CH(CH)CHO]−である、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
Zは、硫黄基、リン基、またはその混合物を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
Zは、ホスフェート酸性基またはスルフェート酸性基を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
Zはホスフェートを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記塩化ビニルポリマーは、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルからなる群より選択される、請求項26〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記塩化ビニルポリマーはホモポリマーである、請求項26〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記塩化ビニルポリマーはコポリマーである、請求項26〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記粒子状固体は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ三水和物、シリカ、アルミノケイ酸塩、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、珪藻土、含水シリケート、酸化カルシウム、マイカ、タルク、カオリン、およびベントナイトからなる群より選択される、請求項26〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記粒子状固体は炭酸カルシウムである、請求項39に記載の方法。

【公表番号】特表2010−513585(P2010−513585A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540787(P2009−540787)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064000
【国際公開番号】WO2008/071800
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(507370530)ルブリゾル リミテッド (8)
【Fターム(参考)】