説明

充電制御装置、充電制御装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体

【課題】できるだけ安価な電力を利用して、複数台の電気自動車において必要な充電量を充電する。
【解決手段】複数の電気自動車3のそれぞれが備えるバッテリ34へ順次行う充電を制御するHEMS2であって、各電気自動車3から、当該電気自動車3のバッテリ34の蓄電量を取得するデータ取得部22と、データ取得部22が取得した蓄電量および各電気自動車3の次回の予想消費電力量に基づく、各蓄電装置の目標充電量を決定する充電量算出部23と、バッテリ34に充電する順序を設定する順序設定部24と、電力安価期間内に、順序設定部24が設定した順序に従って、各バッテリ34に対して順番に、充電量算出部23が決定した目標充電量を充電する充電制御部26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置を搭載する複数台の車両に対する充電を制御する充電制御装置、充電制御装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に対する意識の高まりを受けて、バッテリ(蓄電装置)を搭載し、駆動装置としてモータを搭載する電気自動車、プラグインハイブリッド自動車(PHV)などの二酸化炭素の排出量が少ない自動車が普及し始めている。このまま電気自動車およびPHVの一般家庭への普及が進むと、電気自動車やPHVを複数台所有する家庭が出てくることが考えられる。
【0003】
電気自動車およびPHVは、家庭用電源を用いてバッテリの充電を行うことが可能となっている。家庭における充電には、一般的に以下の2つの問題がある。(1)充電に必要な時間が長い。(2)電気料金が増大するのを防ぐために、電力会社との契約電力量を超えることができない。
【0004】
このような問題があるため、複数台電気自動車を所有している場合、各電気自動車を使用するまでに、それぞれの電気自動車の充電を完了することができない場合がある。
【0005】
ここで、特許文献1には、各車両の充電期間や充電開始タイミングを分散させて契約電力量の範囲内で充電を行い、各車両を使用するまでに必要な充電量を充電する充電制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−136109号公報(2009年6月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、充電時にできるだけ安価な電力を利用するということが考えられていないため、電気料金が高額になるという問題がある。電気自動車を使用することにより、二酸化炭素の排出量を抑えることができるが、各家庭においては、電気料金を抑えるということも重要な要素である。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、できるだけ安価な電力を利用して、複数台の電気自動車において必要な充電量を充電する充電制御装置、充電制御装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る充電制御装置は、上記課題を解決するために、複数の車両のそれぞれが備える蓄電装置へ順次行う充電を制御する充電制御装置であって、上記複数の車両から、当該車両の蓄電装置の蓄電量を取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した蓄電量および各車両の次回の予想消費電力量に基づく、各蓄電装置の目標充電量を決定する充電量決定手段と、上記蓄電装置に充電する順序を設定する順序設定手段と、電気料金が安い期間である電力安価期間内に、上記順序設定手段が設定した順序に従って、各蓄電装置に対して順番に、上記充電量決定手段が決定した目標充電量を充電する充電制御手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
本発明に係る充電制御装置の制御方法は、上記課題を解決するために、複数の車両のそれぞれが備える蓄電装置へ順次行う充電を制御する充電制御装置の制御方法であって、上記複数の車両から、当該車両の蓄電装置の蓄電量を取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された蓄電量および各車両の次回の予想消費電力量に基づく、各蓄電装置の目標充電量を決定する充電量決定ステップと、上記蓄電装置に充電する順序を設定する順序設定ステップと、電気料金が安い期間である電力安価期間内に、上記順序設定ステップにおいて設定された順序に従って、各蓄電装置に対して順番に、上記充電量決定ステップにおいて決定された目標充電量を充電する充電制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、上記充電量決定手段は、上記データ取得手段が取得した蓄電量および各車両の次回の予想消費電力量に基づく、各蓄電装置の目標充電量を決定する。そして、上記充電制御手段は、電気料金が安い期間である電力安価期間内に、上記順序設定手段が設定した上記蓄電装置に充電する順序に従って、各蓄電装置に対して順番に、上記充電量決定手段が決定した目標充電量を充電する。そのため、安い電気料金で各車両に必要な充電量(目標充電量)を充電することができる。したがって、各車両を使用するために必要な費用を抑えることができるという効果を奏する。
【0012】
なお、電気料金が安い電力安価期間は、一般的に電力の使用量が少ない、深夜の時間帯に設定されている。また、ユーザは、一般的に、日中の時間帯に車両を使用することが多い。そのため、各車両は、基本的に毎日、電力安価期間に充電可能な状態にあることが多い。各車両を毎日電力安価期間中充電している場合、各車両の蓄電装置には、電力が残っている場合が多い。よって、各日において、各車両に必要な充電量の合計は、電力安価期間内に充電可能な総充電量に比べて少なくなると考えられる。したがって、一般的なユーザは、電力安価期間内で十分に各車両に必要な充電量を充電することができる。
【0013】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記順序設定手段は、曜日ごとに、複数の車両の蓄電装置に充電する順序の優先度が設定されている用途情報に基づいて、上記電力安価期間の終了時の日の曜日に対応する優先度が高いものから順に、各蓄電装置に順序を設定することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、上記順序設定手段は、曜日ごとに、複数の車両の蓄電装置に充電する順序の優先度が設定されている用途情報に基づいて、上記電力安価期間の終了時の日の曜日に対応する優先度が高いものから順に、各蓄電装置に順序を設定する。そのため、仮に、電力安価期間内に全ての車両の目標充電量の充電が完了しない場合であっても、優先度が高い順番で充電されているため、優先度が高い車両の目標充電量の充電が完了している可能性が高い。したがって、上記電力安価期間の終了時以降にユーザが使用する可能性の高い車両の充電を完了させることができる。
【0015】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の蓄電装置の総充電回数を示す総充電回数情報を取得し、上記順序設定手段は、総充電回数情報の示す蓄電装置の総充電回数が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記順序設定手段は、上記データ取得手段が各車両から取得した、総充電回数情報の示す各車両の蓄電装置の総充電回数が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定する。そのため、総充電回数が小さい車両の蓄電装置の蓄電量が、総充電回数が大きい車両の蓄電装置の蓄電量に比べて、多くなる。それゆえ、総充電回数が小さい車両の走行可能な距離が、総充電回数が大きい車両に比べて長くなる。
【0017】
よって、総充電回数が小さい車両の方が、総充電回数が大きい車両に比べて、使用の自由度が高くなるため、総充電回数が小さい車両の方が使用頻度が高くなることが考えられる。各車両を総充電回数が小さいものから順に並べた順番で、各車両の充電を行った場合、各車両の総充電回数の平準化、つまり、各車両の使用頻度の平準化を図ることができ、各車両の寿命、特に、蓄電装置の寿命を延ばすことができる。
【0018】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の蓄電装置の総充電回数を示す総充電回数情報を取得し、上記順序設定手段は、総充電回数情報の示す蓄電装置の総充電回数が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記順序設定手段は、上記データ取得手段が各車両から取得した総充電回数情報の示す総充電回数が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定する。ここで、総充電回数が大きい車両は、ユーザの使用頻度が高い車両であると考えられる。そのため、この場合、ユーザの使用頻度が高い車両を優先的に充電することができる。
【0020】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の総走行距離を示す総走行距離情報を取得し、上記順序設定手段は、総走行距離情報の示す総走行距離が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、上記順序設定手段は、上記データ取得手段が各車両から取得した総走行距離情報の示す総走行距離が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定する。そのため、総走行距離が小さい車両の蓄電装置の蓄電量が、総走行距離が大きい車両の蓄電装置の蓄電量に比べて、多くなる。それゆえ、総走行距離が小さい車両の走行可能な距離が、総走行距離が大きい車両に比べて長くなる。
【0022】
よって、総走行距離が小さい車両の方が、総走行距離が大きい車両に比べて、使用の自由度が高くなるため、総走行距離が小さい車両の方が使用頻度が高くなることが考えられる。各車両を総走行距離が小さいものから順に並べた順番で、各車両の充電を行った場合、各車両の総走行距離の平準化、つまり、各車両の使用頻度の平準化を図ることができ、各車両の寿命を延ばすことができる。
【0023】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の総走行距離を示す総走行距離情報を取得し、上記順序設定手段は、総走行距離情報の示す総走行距離が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、上記順序設定手段は、上記データ取得手段が各車両から取得した総走行距離情報の示す総走行距離が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定する。ここで、総走行距離が大きい車両は、ユーザの使用頻度が高い車両であると考えられる。そのため、この場合、ユーザの使用頻度が高い車両を優先的に充電することができる。
【0025】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記順序設定手段は、蓄電装置の蓄電量が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、上記順序設定手段は、蓄電装置の蓄電量が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定する。そのため、各車両の蓄電装置の蓄電量の最小値を高めることができる。よって、各車両の走行可能距離の最小値を高くすることができる。
【0027】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記順序設定手段は、蓄電装置の蓄電量が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、上記順序設定手段は、蓄電装置の蓄電量が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定する。そのため、各車両の蓄電装置の蓄電量の最大値を高めることができる。よって、各車両の走行可能距離の最大値を高くすることができる。
【0029】
また、本発明に係る充電制御装置は、上記充電制御手段は、上記電力安価期間内に、全ての蓄電装置において、上記充電量決定手段が決定した目標充電量の充電が完了しなかった場合、上記複数の車両が備える蓄電装置以外の蓄電装置に蓄電されている電力から、上記充電量決定手段が決定した目標充電量の充電が完了していない蓄電装置の充電を行うことが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、上記充電制御手段は、上記電力安価期間内に、全ての蓄電装置において、上記充電量決定手段が決定した目標充電量の充電が完了しなかった場合、上記複数の車両が備える蓄電装置以外の蓄電装置に蓄電されている電力から、上記充電量決定手段が決定した目標充電量の充電が完了していない蓄電装置の充電を行う。
【0031】
ここで、一般的に、電力安価期間に供給される系統電力を利用して、上記複数の車両が備える蓄電装置以外の蓄電装置を蓄電する。そのため、上記複数の車両が備える蓄電装置以外の蓄電装置に蓄電されている電力は、電気料金が安い電力である。したがって、上記電力安価期間内に、全ての各車両の蓄電装置において、上記充電量決定手段が決定した目標充電量の充電が完了しなかった場合であっても、上記複数の車両が備える蓄電装置以外の蓄電装置に蓄電されている電力を利用することにより、安い電気料金で各車両に必要な充電量を充電することができる。
【0032】
なお、上記充電制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記充電制御装置の各手段として動作させることにより、上記充電制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明に係る充電制御装置は、上記複数の車両から、当該車両の蓄電装置の蓄電量を取得するデータ取得手段と、各車両の次回の予想消費電力量を算出する予想消費電力量算出手段と、上記データ取得手段が取得した蓄電量、および、上記予想消費電力量算出手段が算出した予想消費電力量に基づいて、各蓄電装置の充電量を算出する充電量算出手段と、上記蓄電装置に充電する順序を設定する順序設定手段と、電気料金が安い期間である電力安価期間内に、上記順序設定手段が設定した順序に従って、各蓄電装置に対して順番に、上記充電量算出手段が算出した充電量を充電する充電制御手段とを備えている構成である。
【0034】
また、本発明に係る充電制御装置の制御方法は、上記複数の車両から、当該車両の蓄電装置の蓄電量を取得するデータ取得ステップと、各車両の次回の予想消費電力量を算出する予想消費電力量算出ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された蓄電量、および、上記予想消費電力量算出ステップにおいて算出された予想消費電力量に基づいて、各蓄電装置の充電量を算出する充電量算出ステップと、上記蓄電装置に充電する順序を設定する順序設定ステップと、電気料金が安い期間である電力安価期間内に、上記順序設定ステップにおいて設定された順序に従って、各蓄電装置に対して順番に、上記充電量算出ステップにおいて算出された充電量を充電する充電制御ステップとを含む。
【0035】
よって、安い電気料金で各車両に必要な充電量を充電することができる。したがって、各車両を使用するために必要な費用を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る実施形態におけるHEMS、電気自動車およびカーナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記HEMS、電気自動車およびカーナビゲーション装置を含む充電制御システムの概要を示す図である。
【図3】上記HEMSが保持する情報の一例を示す図であり、(a)は暦情報の一例を示し、(b)は契約電力情報の一例を示し、(c)は充電能力情報の一例を示し、(d)は用途情報の一例を示す。
【図4】上記電気自動車が保持する情報の一例を示す図であり、(a)は使用履歴情報の一例を示し、(b)は走行距離情報の一例を示し、(c)は燃費情報の一例を示し、(d)はバッテリ情報の一例を示す。
【図5】上記電気自動車が保持する情報の一例を示す図であり、(a)は使用履歴情報の一例を示し、(b)は走行距離情報の一例を示し、(c)は燃費情報の一例を示し、(d)はバッテリ情報の一例を示す。
【図6】上記電気自動車が保持する情報の一例を示す図であり、(a)は使用履歴情報の一例を示し、(b)は走行距離情報の一例を示し、(c)は燃費情報の一例を示し、(d)はバッテリ情報の一例を示す。
【図7】上記カーナビゲーション装置が保持する情報の一例を示す図であり、(a)は行き先履歴情報の一例を示し、(b)はナビゲーション情報の一例を示す。
【図8】上記カーナビゲーション装置が保持する情報の一例を示す図であり、(a)は行き先履歴情報の一例を示し、(b)はナビゲーション情報の一例を示す。
【図9】上記カーナビゲーション装置が保持する情報の一例を示す図であり、(a)は行き先履歴情報の一例を示し、(b)はナビゲーション情報の一例を示す。
【図10】上記HEMSが実行する充電制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の一実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。まず、本実施形態の充電制御システム1の概要について、図2に基づいて説明する。
【0038】
〔充電制御システム1の概要〕
図2は、本実施形態に係る充電制御システム1の概要を示す図である。図2に示すように、充電制御システム1は、HEMS(Home Energy Management System:充電制御装置)2および電気自動車(車両)3a、3b、3cを含む。電気自動車3a、3b、3cは、それぞれ、内部にバッテリ34a、34b、34cを含んでおり、さらに、それぞれ、カーナビゲーション装置9a、9b、9cを備えているものとする。充電制御システム1は、HEMS2および電気自動車3に加えて、さらに、蓄電池4を備えていてもよい。なお、以下では、電気自動車3a、3b、3cをそれぞれ特に区別しない場合、電気自動車3a、3b、3cを総称して、電気自動車3と称する。また、バッテリ34a、34b、34cをそれぞれ特に区別しない場合、バッテリ34a、34b、34cを総称して、バッテリ34と称する。また、カーナビゲーション装置9a、9b、9cをそれぞれ特に区別しない場合、カーナビゲーション装置9a、9b、9cを総称して、カーナビゲーション装置9と称する。
【0039】
HEMS2と、電気自動車3a、3b、3cとは、それぞれ、充電ポート7a、7b、7cを介して接続可能となっている。充電ポート7a、7b、7cは、それぞれ、充電ケーブルおよびプラグから成り、プラグを電気自動車3に挿入することにより、HEMS2と電気自動車3とが接続される。図示のように、充電ポート7a、7b、7cを介して、HEMS2から電気自動車3のバッテリ34へ順次充電を行う。また、HEMS2は、蓄電池4、家電機器5、発電装置8および発電所6とそれぞれ接続している。なお、図2に示す実線の矢印は、各機器間の電気の流れを示すものである。また、以下では、充電ポート7a、7b、7cをそれぞれ特に区別しない場合、充電ポート7a、7b、7cを総称して、充電ポート7と称する。
【0040】
HEMS2は、家庭内に設置されている電力を消費する家電機器5の消費電力、電力を蓄電する蓄電池4および電気自動車3の蓄電した電力、並びに、発電する発電装置8の発電した電力を管理するものである。具体的には、HEMS2は、発電所6からの系統電力および発電装置8が発電した電力を、電気自動車3、蓄電池4および家電機器5に分配する。
【0041】
さらに、HEMS2は、発電装置8の発電量や、電力会社(発電所6)から購入する電気料金を考慮して、蓄電池4の充放電を制御する。また、HEMS2は、家電機器5の消費電力を監視して、家電機器5の運転/停止等を制御して消費電力を最適化する。また、HEMS2は、電気自動車3の充放電を制御する。本発明の特徴である、HEMS2による電気自動車の充放電の制御について、詳細は後述する。
【0042】
すなわち、HEMS2は、接続する機器に対して、電力を収集・分配すると共に、接続する機器からデータを取得し、当該機器の動作を制御するものである。
【0043】
HEMS2は、充電ポート7を介して、電気自動車3のバッテリを充電するが、本実施形態では、さらに、充電ポート7を介して、電気自動車3とデータのやり取りが可能となっている。ただし、HEMS2と電気自動車3とのデータのやり取りはこの方法に限るものではない。例えば、HEMS2と電気自動車3とが充電ポート7とは異なる他のケーブルで接続されていてもよいし、HEMS2と電気自動車3とが無線で接続されていてもよいし、メモリーカード等の記録媒体を用いて、データを移動させてもよい。
【0044】
電気自動車3は、蓄電装置を搭載し、当該蓄電装置に充電した電気で電動機を回して走る自動車である。ただし、これに限るものではなく、電気自動車3は、プラグインハイブリッド自動車のように、家庭用電源で充電可能な蓄電装置を搭載している自動車(車両)であればよい。また、図2に示す例では、充電制御システム1が3台の電気自動車3を含んでいるが、台数はこれに限るものではない。充電制御システム1は、複数の電気自動車3を含んでいればよい。
【0045】
カーナビゲーション装置9は、GPS(Global Positioning System)情報に基づいて、搭載されている電気自動車3の位置を測位してユーザに通知するものである。また、カーナビゲーション装置9は、ユーザが設定した目的地までのルートを探索し、当該目的地までの道筋をユーザに通知するものである。
【0046】
発電所6は、電力会社に管理され、系統電力を家庭や事業所等の需要家に供給するものである。需要家は、電力会社と電力の料金や供給される電力量を契約している。電力会社は、一般的に、深夜の時間帯に供給する系統電力に対して、日中より単位電力量当たりの電気料金が安い電気料金を設定している。本発明では、この他の時間帯より電気料金が安価な時間帯を電力安価期間と称する。また、本実施形態では、電力安価期間を23時〜翌日の7時までとする。また、本実施形態では、需要家は電力会社と契約電力量を5kW(50A)で契約しているものとする。ただし、上記の電力安価期間および契約電力量は一例であり、これに限るものではない。
【0047】
蓄電池4は、発電所6からの系統電力および発電装置8が発電した電力を蓄電するものである。蓄電池4は、系統電力を利用する場合、基本的に、電力安価期間に供給される系統電力を利用して、蓄電を実行するようにHEMS2に制御される。また、発電装置8が発電する電力は、基本的に、発電所6から日中に供給される系統電力に比べて、安価な電力である。すなわち、蓄電池4に蓄電されている電力は、通常、発電所6から日中に供給される系統電力より、安価な電力である。蓄電池は、各電気自動車3の備える蓄電装置以外の蓄電装置であるとも言える。
【0048】
家電機器5は、家庭内にある、冷蔵庫、エアコン、テレビ、PC等の電力を消費する機器である。家電機器5は、HEMS2を介して電力が供給されている。HEMS2は、家電機器5の消費電力(家電機器5へ供給する電力)を検出する機能を備えており、HEMS2は、家電機器5の消費電力を把握することができる。なお、家電機器5は、HEMS2を介して電力を受け取らなくてもよい。この場合、家電機器5は、発電所6、発電装置8、蓄電池4等から直接電力が供給され、HEMS2は、この家電機器5に直接供給される電力を検出する機能を備えていればよい。
【0049】
発電装置8は、家庭内に設置されており、何らかのエネルギーを利用して発電し、他の機器に電力を供給するものである。発電装置8は、例えば、太陽電池パネル、家庭用燃料電池、マイクロガスエンジン、小型風力発電機などである。発電装置8が蓄電池4を備えていてもよい。
【0050】
〔HEMS2、電気自動車3およびカーナビゲーション装置9の構成〕
次に、HEMS2、電気自動車3およびカーナビゲーション装置9の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態におけるHEMS2、電気自動車3およびカーナビゲーション装置9の要部構成を示すブロック図である。
【0051】
図2に示すとおり、本実施形態のHEMS2は、HEMS制御部11、HEMS記憶部12、HEMS通信部13、表示部14、入力部15、タイマー16、電流制御部17およびAC/DC変換部18を備える構成となっている。また、電気自動車3は、電気自動車制御部31、電気自動車記憶部32、電気自動車通信部33およびバッテリ(蓄電装置)34を備える構成となっている。また、カーナビゲーション装置9は、カーナビゲーション制御部41、カーナビゲーション記憶部42およびカーナビゲーション通信部43を備える構成となっている。なお、図1に示す実線の矢印は、各部材間の電気の流れを示すものであり、破線の矢印は、各部材間のデータの流れを示すものである。
【0052】
(1.HEMS2の構成)
まず、HEMS2の構成について説明する。
【0053】
HEMS通信部13は、HEMS2が他の装置と通信するためのものである。ここでは、HEMS2は、HEMS通信部13から充電ポート7を介して電気自動車3と通信することを想定している。
【0054】
表示部14は、HEMS制御部11の制御に従って画像を表示するものであり、例えば液晶表示装置やEL表示装置等を表示部14として適用することもできる。
【0055】
入力部15は、ユーザの入力操作を受け付けるものであり、ユーザは入力部15を介してHEMS2の動作を制御する。入力部15は、例えば、入力キーやキーボード等で構成される。入力部15と表示部14とが一体で構成されていてもよい。この場合、入力部15は、表示部14の表示面に対する入力操作を検出し、検出した入力操作を受け付ける、いわゆるタッチパネルである。
【0056】
タイマー16は、時刻を計時するものである。HEMS制御部11(後述の充電制御部26)は、タイマー16が計時する時刻を検出して、電力安価期間であるか否かを判断する。
【0057】
電流制御部17は、HEMS制御部11の指示に従って、発電所6、発電装置8および蓄電池4から供給される電力を、家電機器5、電気自動車3のバッテリ34および蓄電池4に供給するものである。後述のように、本実施形態では、電流制御部17が扱う電流は交流電流である。電流制御部17は、電力(電流)を測定する電力計(電流計)を備えており、発電所6、発電装置8および蓄電池4から入力される電力(電流)と、家電機器5、電気自動車3のバッテリ34および蓄電池4に出力する電力(電流)とをそれぞれ測定する。
【0058】
AC/DC変換部18は、電流制御部17から蓄電池4へ供給される交流電流を直流電流に変換し、蓄電池4から電流制御部17へ供給される直流電流を交流電流に変換するものである。なお、本実施形態では、蓄電池4が直流電流を入出力するため、AC/DC変換部18が必要となるが、蓄電池4が交流電流を入出力する場合、AC/DC変換部18はなくてよい。また、AC/DC変換部18は、電流制御部17に組み込まれていてもよい。
【0059】
HEMS制御部11は、HEMS記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、HEMS2が備える各部を統括的に制御するものである。
【0060】
本実施形態では、HEMS制御部11は、機能ブロックとして、接続検出部21、データ取得部(データ取得手段)22、充電量算出部(充電量決定手段)23、順序設定部(順序設定手段)24、電流検出部25および充電制御部(充電制御手段)26を備える構成である。これらのHEMS制御部11の各機能ブロック(21〜26)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0061】
接続検出部21は、充電ポート7が新たに電気自動車3と接続したか否かを検出するものである。接続検出部21は、何れかの充電ポート7が電気自動車3と接続したことを検出すると、電気自動車3と接続した充電ポート7を示す接続検出通知をデータ取得部22に送信する。
【0062】
データ取得部22は、入力部15を介して、HEMS2に入力された情報を取得したり、HEMS通信部13を介して、他の装置から情報を取得したりするものである。具体的には、データ取得部22は、接続検出部21から接続検出通知を受信すると、ユーザが入力部15を操作して充電設定指示が入力されるのを所定時間待つ。充電設定指示が入力部15を介して入力された場合、データ取得部22は、入力部15から充電設定指示を取得する。続いて、データ取得部22は、HEMS通信部13を介して、接続検出通知の示す充電ポート7と接続する電気自動車3から、使用履歴情報、走行距離情報、燃費情報、バッテリ情報およびナビゲーション情報を取得する。一方、充電設定指示が入力されなかった場合、データ取得部22は、HEMS通信部13を介して、電気自動車3aから使用履歴情報、走行距離情報、燃費情報、バッテリ情報およびナビゲーション情報を取得する。
【0063】
ここで、ユーザは、充電設定指示として、電気自動車の充電の順序(優先度)、電気自動車の充電量(目標充電量)、翌日の目的地、翌日の予想走行距離等を入力する。
【0064】
また、上記の使用履歴情報は、電気自動車3が自宅を出発した日時および自宅に到着した日時を示す発着日時情報と、電気自動車3が自宅を出発してから到着するまでに実際に走行した距離を示す実走行距離情報と、電気自動車3が自宅を出発してから到着するまでの行き先を示す行先情報とを含むものである。また、走行距離情報は、電気自動車3の今までの累積の走行距離を示す総走行距離情報と、1回の乗車当たりの平均走行距離を示す平均走行距離情報とを含むものである。また、燃費情報は、電気自動車3が1km当たりに消費する電力量である燃費を示す情報である。バッテリ情報は、電気自動車3が搭載するバッテリ34の残りの蓄電量を示す蓄電量情報と、電気自動車3が搭載するバッテリ34の今までの累積の充電回数を示す総充電回数情報とを含むものである。また、ナビゲーション情報とは、カーナビゲーション装置9に行先案内のために設定した目的地を示す目的地情報と、カーナビゲーション装置9に登録した地点を示す登録地点情報とを含むものである。
【0065】
なお、データ取得部22は、電気自動車3から、少なくとも燃費情報および蓄電量情報を取得していればよい。
【0066】
また、ユーザが充電設定指示をいつでもHEMS2に入力可能な状態であってもよい。この場合、データ取得部22は、接続検出部21から接続検出通知を受信したか否かに関わらず、充電設定指示が入力部15を介して入力された場合に、入力部15から充電設定指示を取得する。
【0067】
充電量算出部23は、データ取得部22がデータを取得した電気自動車3について、次回乗車時(翌日)の予想消費電力量を算出し、算出した予想消費電力量と、当該電気自動車3のバッテリ34の蓄電量とを比較して、当該電気自動車において必要な充電量(目標充電量)を算出する。そして、充電量算出部23は、算出した充電量を示す充電量情報を充電制御部26に送信する。
【0068】
具体的に、充電量算出部23は、HEMS記憶部12から、電気自動車に対応付けられている用途情報(詳細は後述する)を読み出し、当該電気自動車の翌日の予定(目的地)を特定し、特定した目的地までの往復の距離を予想走行距離とする。次に、充電量算出部23は、予想走行距離に、データ取得部22が取得した燃費情報の示す燃費の値を乗算して予想消費電力量を算出する。そして、算出した予想消費電力量と、当該電気自動車3のバッテリ34の蓄電量とを比較して、予想消費電力量の方が大きい場合、両者の差分値を充電量とする。一方、予想消費電力量の方が小さい場合、充電量を0とする。
【0069】
なお、充電量算出部23が算出する予想走行距離は、上記の算出方法に限るものではない。例えば、充電量算出部23は、データ取得部22が取得した走行距離情報に含まれる平均走行距離情報の示す平均走行距離を次回乗車時の予想走行距離としてもよい。また、充電量算出部23は、データ取得部22が取得したナビゲーション情報に含まれる目的地情報の示す目的地を翌日の目的地とし、その目的地までの往復の距離を予想走行距離としてもよい。また、充電量算出部23は、データ取得部22が取得した(ユーザが入力した)充電設定指示の示す翌日の目的地または翌日の予想走行距離に基づいて、予想走行距離を特定してもよい。
【0070】
また、充電量算出部23は、データ取得部22が取得した(ユーザが入力した)充電設定指示の示す充電量を、電気自動車において必要な充電量としてもよい。
【0071】
また、予想消費電力量は、電気自動車3の使用時に燃料切れが発生するのを防ぐために、その値を多めに見積もることが望ましい。
【0072】
また、充電量算出部23は、充電量を算出した後、算出した充電量、充電ポート7の出力電力量、バッテリ34の充電効率に基づいて、その充電量をバッテリ34に充電するために必要な時間である充電時間を算出してもよい。
【0073】
充電量算出部23は、換言すると、データ取得部22が取得した蓄電量および各電気自動車3の次回の予想消費電力量に基づく、各蓄電装置の目標充電量を決定するものである。
【0074】
順序設定部24は、接続している電気自動車3に対して、充電を行う順序を設定するものである。具体的には、順序設定部24は、HEMS記憶部12から、各電気自動車3に対応付けられた用途情報を読み出し、用途情報の示す曜日ごとの優先度を参照して、翌日の曜日(電力安価期間の終了時の日の曜日)の優先度が高いものから順番に、各電気自動車3に対して順序付けを行う。順序設定部24は、設定した各電気自動車3の順序を示す順序情報を充電制御部26に送信する。
【0075】
なお、順序設定部24が実行する順序の設定方法は、上記の方法に限るものではない。例えば、順序設定部24は、データ取得部22が取得した(ユーザが入力した)充電設定指示の示す電気自動車の充電の順序(優先度)に従って、充電を行う順序を設定してもよい。つまり、この場合、各電気自動車の充電の順序をユーザが決定する。
【0076】
また、ユーザが複数の電気自動車3の用途を区別して使用せず、それぞれの電気自動車3が代替可能な場合、順序設定部24は、データ取得部22が取得した走行距離情報に含まれる総走行距離情報の示す総走行距離に基づいて、電気自動車3を総走行距離が小さいものから順に並べた順番で、各電気自動車3に順序を設定してもよい。この場合、総走行距離が小さい電気自動車3のバッテリ34の蓄電量が多くなり、走行可能な距離が他の電気自動車3に比べて長くなる。そのため、総走行距離が小さい電気自動車3の方が使用の自由度が高くなり、電気自動車3の使用頻度が高くなる。よって、電気自動車3を総走行距離が小さいものから順に並べた順番で、各電気自動車3に順序を設定した場合、電気自動車3の総走行距離の平準化、つまり、使用頻度の平準化を図ることができ、各電気自動車3の寿命を延ばすことができる。
【0077】
また、順序設定部24は、データ取得部22が取得した走行距離情報に含まれる総走行距離情報の示す総走行距離に基づいて、電気自動車3を総走行距離が大きいものから順に並べた順番で、各電気自動車3に順序を設定してもよい。総走行距離が大きい電気自動車3は、使用頻度が高い電気自動車3であると考えられる。そのため、この場合、使用頻度が高い電気自動車3を優先的に充電することができる。
【0078】
また、ユーザが複数の電気自動車3の用途を区別して使用せず、それぞれの電気自動車3が代替可能な場合、順序設定部24は、データ取得部22が取得したバッテリ情報に含まれる総充電回数情報の示す総充電回数に基づいて、電気自動車3を総充電回数が小さいものから順に並べた順番で、各電気自動車3に順序を設定してもよい。総充電回数が小さい電気自動車は、使用頻度が低い電気自動車3であると考えられる。そのため、この場合、電気自動車3の使用頻度の平準化を図ることができ、各電気自動車3の寿命、特に、バッテリ34の寿命を延ばすことができる。
【0079】
また、順序設定部24は、データ取得部22が取得したバッテリ情報に含まれる総充電回数情報の示す総充電回数に基づいて、電気自動車3を総充電回数が大きいものから順に並べた順番で、各電気自動車3に順序を設定してもよい。総充電回数が大きい電気自動車は、使用頻度が高い電気自動車3であると考えられる。そのため、この場合、使用頻度が高い電気自動車3を優先的に充電することができる。
【0080】
また、順序設定部24は、データ取得部22が取得したバッテリ情報に含まれる蓄電量情報の示す蓄電量に基づいて、電気自動車3を蓄電量が大きいものから順に並べた順番で、各電気自動車3に順序を設定してもよい。
【0081】
また、順序設定部24は、データ取得部22が取得したバッテリ情報に含まれる蓄電量情報の示す蓄電量に基づいて、電気自動車3を蓄電量が小さいものから順に並べた順番で、各電気自動車3に順序を設定してもよい。
【0082】
また、順序設定部24は、各車両に次回の使用開始予定時刻が設定されている場合、使用開始予定時刻も考慮して、各車両の充電の順序を設定してもよい。
【0083】
電流検出部25は、電流制御部17が発電所6から供給される単位時間当たりの電力量を検出する、つまり、単位時間当たりの購入した系統電力量(購入電力量)を検出するものである。電流検出部25は、検出した購入電力量の値を示す購入電力量情報を充電制御部26に送信する。
【0084】
充電制御部26は、電力安価期間中に、順序設定部24から送信された順序情報の示す順序で、各電気自動車3に対して、充電量算出部23から送信された充電量情報の示す充電量を順次充電するように、電流制御部17に指示するものである。
【0085】
具体的に、充電制御部26は、HEMS記憶部12から契約電力情報を読み出し、タイマー16が計時する時刻が契約電力情報の示す電力安価期間の開始時点(23時)になると、充電を開始するように指示し、タイマー16が計時する時刻が契約電力情報の示す電力安価期間の終了時点(翌日の7時)になると、充電を終了するように指示する。ここで、電力安価期間の終了時点において、全ての電気自動車3において必要な充電量の充電が完了していない場合であって、蓄電池4が所定以上の電力を蓄電している場合、充電制御部26は、必要な充電量の充電が完了していない電気自動車3に対して、蓄電池4に蓄電されている電力を利用して充電するように電流制御部17に指示する。
【0086】
また、充電制御部26は、電流検出部25から購入電力量情報を取得し、電流制御部17に対して、購入電力量情報の示す値が所定の閾値を越えない範囲で充電ポート7の出力電力が最大になるように指示する。
【0087】
なお、充電制御部26は、電力安価期間が終了する前に、全ての電気自動車3において必要な充電量の充電が完了した場合、電力安価期間が終了するまで、各電気自動車3または蓄電池4を充電してもよい。
【0088】
HEMS記憶部12は、HEMS制御部11、特に、充電量算出部23、順序設定部24および充電制御部26が処理を実行する際に参照するデータを保持するものである。具体的には、HEMS記憶部12は、暦を示す暦情報、電力安価期間の時間帯および電力会社との契約電力量を示す契約電力情報、充電ポート7の出力電力の最大値を示す充電能力情報、充電量算出部23および順序設定部24が参照する用途情報、或る地点の位置や2地点間の距離を示す地図情報などを保持している。
【0089】
図3にHEMS記憶部12が保持する暦情報、契約電力情報、充電能力情報および用途情報の一例を示す。図3(a)は暦情報の一例を示す図であり、図3(b)は契約電力情報の一例を示す図であり、図3(c)は充電能力情報の一例を示す図であり、図3(d)は用途情報の一例を示す図である。
【0090】
図3(a)に示すように、暦情報は、日付に曜日および祝日が対応付けられたものである。また、図3(b)に示すように、契約電力情報は、電力安価期間の時間帯(23時〜翌日7時)と、契約電力量の値(5kW(50A))を示すものである。また、図3(c)に示すように、充電能力情報は、充電ポート7の出力電力の最大値(3kW)を示すものである。
【0091】
また、図3(d)に示すように、用途情報は、各電気自動車3に用途の種別を示す用途種別情報が対応付けられたものである。用途種別情報は、祝日を含む曜日に、充電の順番の優先度および予定目的地が対応付けられたものである。つまり、用途情報は、電気自動車3ごとに、祝日を含む曜日に当該電気自動車3のバッテリ34に充電する順序の優先度および予定目的地が対応付けられているものである。なお、図3(d)に示す例では、優先度の欄において、「◎」が一番高い優先度を示し、「◎>○>△」の順で優先度の高低を示す。
【0092】
図3(d)に示す例において、翌日が「月曜日」の場合、充電量算出部23は、用途情報を参照して、電気自動車3a、3b、3cの翌日の目的地を、それぞれ、「A市」、「B町 or C町」、「不定」として特定する。充電量算出部23は、電気自動車3aの予定目的地が「A市」であるため、地図情報を参照して、自宅から「A市」までの往復距離20kmを電気自動車3aの予想走行距離とする。また、充電量算出部23は、電気自動車3bの予定目的地が「B町 or C町」であるため、地図情報を参照して、自宅から「B町」、「C町」までの往復距離をそれぞれ特定する。予想走行距離は多めに見積もっておくことが好ましいため、本実施形態では、充電量算出部23は、自宅からの往復距離が長い「B町」までの往復距離10kmを電気自動車3bの予想走行距離とする。また、充電量算出部23は、電気自動車3bの予定目的地が「不定」であるため、予想走行距離を予め定めた所定距離(例えば、100km)とする。なお、予定目的地が「不定」の場合、充電量算出部23は、バッテリの蓄電容量の最大まで充電する満充電としてもよい。また、予定目的地が「不定」の場合、充電量算出部23は、上述の別の算出方法に基づいて、予想走行距離を算出してもよい。
【0093】
また、図3(d)に示す例において、翌日が「月曜日」の場合、順序設定部24は、充電の優先順位を、電気自動車3a、電気自動車3b、電気自動車3cの順に設定する。また、翌日が「日曜日」の場合、順序設定部24は、充電の優先順位を、電気自動車3c、電気自動車3b、電気自動車3aの順に設定する。
【0094】
(2.電気自動車3の構成)
次に、電気自動車3の構成について説明する。なお、電気自動車3は、電動機等の自動車として機能するための構成を備えているが、便宜上ここでは図示および説明を省略する。
【0095】
電気自動車通信部33は、電気自動車3が他の装置と通信するためのものである。ここでは、電気自動車3は、電気自動車通信部33から充電ポート7を介してHEMS2と通信し、電気自動車通信部33から別の有線ケーブルを介してカーナビゲーション装置9と通信することを想定している。
【0096】
バッテリ34は、電気自動車3の電動機の動力となる電気エネルギー(電力)を蓄積する二次電池である。本実施形態では、バッテリ34の満充電時の電力容量(最大蓄電量)は、16kWhであるとする。
【0097】
電気自動車制御部31は、電気自動車記憶部32から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、電気自動車3が備える機能を統括的に制御するものである。電気自動車制御部31は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0098】
具体的に、電気自動車制御部31は、HEMS2のデータ取得部22からデータの送信指示を受信すると、電気自動車記憶部32から使用履歴情報、走行距離情報、燃費情報、バッテリ情報を読み出すと共に、カーナビゲーション装置9に対してナビゲーション情報を送信するように指示する。そして、電気自動車記憶部32から読み出したデータと、カーナビゲーション装置9から受信したナビゲーション情報とを、電気自動車通信部33を介して、データ取得部22に送信する。
【0099】
また、電気自動車制御部31は、自宅を出発した日時、自宅に到着した日時および自宅を出発してから戻ってくるまでに走行した実際の距離を対応付けて使用履歴情報を作成する。電気自動車制御部31は、カーナビゲーション装置9から、日時と行き先とが対応付けられている行き先履歴情報を参照して、使用履歴情報にさらに自宅を出発してから戻ってくるまでの行き先(通過地点、到達地点)を対応付けて使用履歴情報を作成する。
【0100】
なお、電気自動車3が自宅を出発してから戻ってくるまでを1回の乗車とする。すなわち、使用履歴情報は、乗車ごとの自宅を出発した日時、自宅に到着した日時、実走行距離および行き先が対応付けられた情報である。
【0101】
また、電気自動車制御部31は、使用履歴情報に含まれる実走行距離情報の示す実走行距離を累積して総走行距離を算出し、また、実走行距離を平均して平均走行距離を算出して、走行距離情報を作成する。また、電気自動車制御部31は、バッテリ34の現在の蓄電量を検出し、また、バッテリ34の累積の充電回数をカウントして、バッテリ情報を作成する。
【0102】
電気自動車制御部31は、作成した使用履歴情報、走行距離情報、バッテリ情報等を電気自動車記憶部32に格納する。
【0103】
電気自動車記憶部32は、使用履歴情報、走行距離情報、燃費情報およびバッテリ情報等を保持するものである。電気自動車3a、3b、3cの電気自動車記憶部32を、それぞれ電気自動車記憶部32a、32b、32cとする。電気自動車記憶部32a、32b、32cが保持するデータの一例をそれぞれ図4、5、6に示す。図4、5、6は、それぞれ、電気自動車3a、3b、3cの電気自動車記憶部32a、32b、32cが保持する使用履歴情報、走行距離情報、燃費情報およびバッテリ情報の一例を示す図である。
【0104】
図4(a)に示すように、使用履歴情報は、出発日時、到着日時、実走行距離および行き先が対応付けられたものである。また、図4(b)に示すように、走行距離情報は、総走行距離(10000km)と、平均走行距離(23km)とを示すものである。また、図4(c)に示すように、燃費情報は、電気自動車3aの燃費の値(125Wh/km)を示すものである。また、図4(d)に示すように、バッテリ情報は、電気自動車3aが搭載するバッテリ34の残りの蓄電量(2kWh)と、電気自動車3aが搭載するバッテリ34の今までの累積の充電回数(100回)とを示すものである。
【0105】
なお、本実施形態では、燃費情報は、予め電気自動車記憶部32に格納されており、燃費情報の示す燃費の値は、製造会社が公表している値を想定しているが、これに限るものではない。例えば、電気自動車制御部31が、燃費の値を算出してもよい。この場合、例えば、電気自動車制御部31は、1回の乗車当たりのバッテリ34の蓄電量の減少量を記憶しておき、当該減少量と、使用履歴情報に含まれる実走行距離とに基づいて、燃費を算出してもよい。
【0106】
(3.カーナビゲーション装置9の構成)
次に、カーナビゲーション装置9の構成について説明する。なお、カーナビゲーション装置9は、表示部、入力部、スピーカー等の部材を備えているが、便宜上ここでは図示および説明を省略する。
【0107】
カーナビゲーション通信部43は、カーナビゲーション装置9が他の装置と通信するためのものである。上述のように、カーナビゲーション装置9は、電気自動車3と有線接続されているものとする。ただし、カーナビゲーション装置9と電気自動車3とのデータのやり取りはこの方法に限るものではない。例えば、カーナビゲーション装置9と電気自動車3とが無線で接続されていてもよいし、メモリーカード等の記録媒体を用いて、データを移動させてもよい。
【0108】
また、本実施形態では、HEMS2は、カーナビゲーション装置9が保持するデータを電気自動車3を介して取得しているが、これに限るものではない。HEMS2は、カーナビゲーション装置9と通信接続を行い、カーナビゲーション装置9から直接データを取得してもよい。
【0109】
カーナビゲーション制御部41は、カーナビゲーション記憶部42から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、カーナビゲーション装置9が備える機能を統括的に制御するものである。カーナビゲーション制御部41は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0110】
具体的に、カーナビゲーション制御部41は、電気自動車制御部31から行き先履歴情報またはナビゲーション情報の送信指示を受信すると、カーナビゲーション記憶部42から行き先履歴情報またはナビゲーション情報を読み出し、カーナビゲーション通信部43を介して、行き先履歴情報またはナビゲーション情報を電気自動車制御部31に送信する。
【0111】
また、カーナビゲーション制御部41は、ナビゲーション情報の示す目的地および登録地点を参照して、当該目的地および登録地点と、GPS機能により測位した車両の位置とが一致した場合、その一致した地点およびその地点を測位した日時を対応付けて行き先履歴情報を作成する。すなわち、カーナビゲーション制御部41は、電気自動車3がカーナビゲーション装置9に設定された目的地または登録地点に到着した場合、その地点と到着した日時とを対応付けて行き先履歴情報を作成する。
【0112】
カーナビゲーション記憶部42は、行き先履歴情報およびナビゲーション情報等を保持するものである。電気自動車3a、3b、3cに搭載されているカーナビゲーション装置9a、9b、9cのカーナビゲーション記憶部42を、それぞれカーナビゲーション記憶部42a、42b、42cとする。カーナビゲーション記憶部42a、42b、42cが保持するデータの一例をそれぞれ図7、8、9に示す。図7、8、9は、それぞれ、カーナビゲーション装置9a、9b、9cのカーナビゲーション記憶部42a、42b、42cが保持する行き先履歴情報およびナビゲーション情報の一例を示す図である。
【0113】
図7(a)に示すように、行き先履歴情報は、日時と行き先(地点)とが対応付けられたものである。また、図7(b)に示すように、ナビゲーション情報は、目的地および登録地点を示すものである。図7(b)に示す例では、カーナビゲーション装置9aに目的地が設定されておらず、登録地点として「A市」が登録されている。また、図8(b)に示す例では、カーナビゲーション装置9bに目的地が設定されておらず、登録地点として「B町」および「C町」が登録されている。図9(b)に示す例では、カーナビゲーション装置9cに目的地として「F市」が設定されており、登録地点が登録されていない。
【0114】
〔HEMS2の動作〕
次にHEMS2が実行する充電制御処理について図10に基づいて説明する。図10は、HEMS2が実行する充電制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0115】
図10に示すように、まず、HEMS2の接続検出部21は、いずれかの充電ポート7が新たに電気自動車3と接続したか否かを検出する(S1)。接続検出部21は、充電ポート7が新たに電気自動車3と接続したことを検出した場合(S1でYES)、その旨をデータ取得部22に通知する。一方、接続検出部21は、充電ポート7が新たに電気自動車3と接続したことを検出していない場合(S1でNO)、特に処理を行わず、S5の処理に進む。
【0116】
ここでは、まず、充電ポート7aと電気自動車3aとが新たに接続したこととする。
【0117】
データ取得部22は、接続検出部21から充電ポート7aが電気自動車3aとの接続を検出したことを示す接続検出通知を受信すると、ユーザが入力部15を操作して充電設定指示が入力されるのを待つ(S2)。充電設定指示が入力部15を介して入力されると(S2でYES)、データ取得部22は、入力部15から充電設定指示を取得する(S3)。続いて、データ取得部22は、HEMS通信部13を介して、接続検出部21が接続を検出した電気自動車3aから使用履歴情報、走行距離情報、燃費情報、バッテリ情報およびナビゲーション情報を取得する(S4)。一方、充電設定指示が入力されなかった場合(S2でNO)、データ取得部22は、HEMS通信部13を介して、接続検出部21が接続を検出した電気自動車3aから使用履歴情報、走行距離情報、燃費情報、バッテリ情報およびナビゲーション情報を取得する(S4)。
【0118】
充電量算出部23は、データ取得部22が取得した電気自動車3aについて、データ取得部22が取得した平均走行距離情報、ナビゲーション情報、充電設定指示、HEMS記憶部12から読み出した用途情報の少なくとも何れか1つの情報を含む消費電力推定参照情報に基づいて、電気自動車3aの翌日の予想走行距離を算出する。次に、充電量算出部23は、予想走行距離に、データ取得部22が取得した燃費情報の示す燃費の値を乗算して予想消費電力量を算出する。そして、算出した予想消費電力量と、当該電気自動車3のバッテリ34の蓄電量とを比較して、電気自動車3aにおいて翌日の乗車時に必要な充電量を算出する(S5)。
【0119】
接続検出部21が接続を検出した電気自動車3aの充電量を算出した後、充電制御部26は、タイマー16を参照して、現在の時刻が電力安価期間であるかどうかを判定する(S6)。現在の時刻が電力安価期間ではない場合(S6でNO)、S1に戻り、S1〜S5の処理を繰り返す。一方、現在の時刻が電力安価期間である場合(S6でYES)、順序設定部24は、接続している各電気自動車3に対して、データ取得部22が取得した総走行距離情報、総充電回数情報、蓄電量情報、充電設定指示、HEMS記憶部12から読み出した用途情報の少なくとも何れか1つの情報を含む順序設定参照情報に基づいて、充電を行う順序を設定する(S7)。
【0120】
次に、充電制御部26は、順序設定部24が設定した順序に従って、各電気自動車3に対して、充電量算出部23が算出した充電量を充電するように、電流制御部17に指示する(S8)。電流制御部17は、充電制御部26の指示に従って、発電所6から供給される電力を利用して各電気自動車3を充電する。
【0121】
そして、電力安価期間が終了すると(S9)、充電制御部26は、全ての電気自動車3において必要な充電量(充電量算出部23が算出した充電量)の充電が完了しているかどうかを確認する(S10)。全ての電気自動車3において必要な充電量(充電量算出部23が算出した充電量)の充電が完了している場合、充電制御部26は、電流制御部17に充電を終了するように指示する。一方、全ての電気自動車3において必要な充電量の充電が完了していない場合、充電制御部26は、さらに、蓄電池4に所定以上の電力が蓄電されているかどうか確認する。そして、充電制御部26は、蓄電池4が所定以上の電力を蓄電している場合、必要な充電量の充電が完了していない電気自動車3に対して、蓄電池4に蓄電されている電力を利用して充電するように電流制御部17に指示する(S11)。一方、蓄電池4が所定以上の電力を蓄電していない場合、充電制御部26は、電流制御部17に充電を終了するように指示する。
【0122】
〔変形例〕
本実施形態では、ユーザが、各電気自動車3の用途種別、並びに、各用途種別の曜日ごとの優先度および予定目的地を、入力部15を操作して設定することにより、HEMS制御部11が用途情報を作成することを想定しているが、用途情報の作成方法はこれに限るものではない。例えば、HEMS制御部11は、各電気自動車3から図4(a)、図5(a)、図6(a)に示す使用履歴情報に基づいて、用途情報を作成してもよい。具体的には、HEMS制御部11は、使用履歴情報の示す出発日時および到着日時を参照して、各電気自動車3の曜日ごとの使用頻度(使用率)を算出し、算出した使用頻度に従って、優先度を決定してもよい。また、HEMS制御部11は、使用履歴情報の示す出発日時および到着日時を参照して、各電気自動車3の曜日ごとの行き先の回数または行き先の頻度を算出して、算出した回数または頻度が所定値以上となる行き先を予定目的地として決定してもよい。
【0123】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0124】
最後に、HEMS2の各ブロック、特にHEMS制御部11は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0125】
すなわち、HEMS2は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるHEMS2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記HEMS2に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0126】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0127】
また、HEMS2を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、家庭や事業所において、蓄電装置を搭載する車両に対する充電を制御する充電制御装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 充電制御システム
2 HEMS(充電制御装置)
3 電気自動車(車両)
4 蓄電池(蓄電装置)
9 カーナビゲーション装置
11 HEMS制御部
22 データ取得部(データ取得手段)
23 充電量算出部(充電量決定手段)
24 順序設定部(順序設定手段)
26 充電制御部(充電制御手段)
34 バッテリ(蓄電装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両のそれぞれが備える蓄電装置へ順次行う充電を制御する充電制御装置であって、
上記複数の車両から、当該車両の蓄電装置の蓄電量を取得するデータ取得手段と、
上記データ取得手段が取得した蓄電量および各車両の次回の予想消費電力量に基づく、各蓄電装置の目標充電量を決定する充電量決定手段と、
上記蓄電装置に充電する順序を設定する順序設定手段と、
電気料金が安い期間である電力安価期間内に、上記順序設定手段が設定した順序に従って、各蓄電装置に対して順番に、上記充電量決定手段が決定した目標充電量を充電する充電制御手段とを備えることを特徴とする充電制御装置。
【請求項2】
上記順序設定手段は、曜日ごとに、複数の車両の蓄電装置に充電する順序の優先度が設定されている用途情報に基づいて、上記電力安価期間の終了時の日の曜日に対応する優先度が高いものから順に、各蓄電装置に順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の蓄電装置の総充電回数を示す総充電回数情報を取得し、
上記順序設定手段は、総充電回数情報の示す蓄電装置の総充電回数が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項4】
上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の蓄電装置の総充電回数を示す総充電回数情報を取得し、
上記順序設定手段は、総充電回数情報の示す蓄電装置の総充電回数が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項5】
上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の総走行距離を示す総走行距離情報を取得し、
上記順序設定手段は、総走行距離情報の示す総走行距離が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項6】
上記データ取得手段は、さらに、上記車両から、当該車両の総走行距離を示す総走行距離情報を取得し、
上記順序設定手段は、総走行距離情報の示す総走行距離が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項7】
上記順序設定手段は、蓄電装置の蓄電量が小さいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項8】
上記順序設定手段は、蓄電装置の蓄電量が大きいものから順に、各蓄電装置に順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項9】
上記充電制御手段は、上記電力安価期間内に、全ての蓄電装置において、上記充電量決定手段が決定した目標充電量の充電が完了しなかった場合、上記複数の車両が備える蓄電装置以外の蓄電装置に蓄電されている電力から、上記充電量決定手段が決定した目標充電量の充電が完了していない蓄電装置の充電を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の充電制御装置。
【請求項10】
複数の車両のそれぞれが備える蓄電装置へ順次行う充電を制御する充電制御装置の制御方法であって、
上記複数の車両から、当該車両の蓄電装置の蓄電量を取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップにおいて取得された蓄電量および各車両の次回の予想消費電力量に基づく、各蓄電装置の目標充電量を決定する充電量決定ステップと、
上記蓄電装置に充電する順序を設定する順序設定ステップと、
電気料金が安い期間である電力安価期間内に、上記順序設定ステップにおいて設定された順序に従って、各蓄電装置に対して順番に、上記充電量決定ステップにおいて決定された目標充電量を充電する充電制御ステップとを含むことを特徴とする充電制御装置の制御方法。
【請求項11】
請求項1〜9の何れか1項に記載の充電制御装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−100449(P2012−100449A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246607(P2010−246607)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】