説明

光ガイドを支持構造体と一体化するための方法、光ガイドを備えた支持構造体及びこのような支持構造体を有するデバイス

本発明は、光ガイド1を支持構造体3と一体化するための方法であって、これら要素1、3は成形され、該成形プロセス及び/又はその後の冷却プロセス中に、これら要素1、3のそれぞれの収縮挙動は、両要素1、3が少なくとも一時的に且つ少なくとも境界領域近くにおいて不一致に収縮し、これによりこれら要素1、3が分離してそれぞれの分離面の間に空気間隙1、3が形成されるように制御される、方法に関する。上記要素1、3の分離は、これら要素を、不一致な融点及び/又は不一致な化学結合特性を持つ物質で作ることによって促進されることができる。不一致な収縮は、適当な要素設計によって、不一致な収縮挙動を持つ物質を使用することによって、及び/又は、上記要素を異なった成形及び冷却条件に曝すことによって、促進されることができる。本発明は、更に、光ガイドを備えた支持構造体及びこのような支持構造体を有する装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ガイドを支持構造体、例えば電子機器のハウジング、フレーム又はキャリープレートと一体化する(integrate in or onto)ための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの機器は、光ガイドを利用する。これらは、棒形又はロッド形構造であり、透明物質でできていて、第1の位置における光発生源と、光を必要とする部分との間で光をガイドするように構成される。上記部分は、例えば、感光素子又は光インジケータであり、該光インジケータは、機器の特定の状態、例えば動作モード、スタンドバイモード、充電モード又は何らかのエラーの発生に関してユーザに伝えるものである。このような光ガイドのおかげで、光発生源は、光を必要とする位置から移されて便利な位置に配置されることができ、これにより、設計の自由度を向上させる。
【0003】
しかしながら、このような光ガイドが支持構造体に一体化されると、光ガイドと支持構造体とが接する領域においては全反射が起こることができないという事実により、その光ガイド性能は低下する。これらの領域においては、光は、支持構造体中に漏れ、これにより、光ガイドの光出力を大幅に低減させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、光ガイドを、当該光ガイドの性能の最小の低下を伴うように支持構造体に一体化する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その目的のために、本発明による方法は、請求項1の特徴によって特徴付けられる。
【0006】
本発明は、光ガイド性能が、光ガイドを低い屈折率を持つ物質(特に空気)で囲むことによって改善されることができるという見識に基づくものである。これは、光ガイド及び支持構造体を成形(molding)及び/又はその後の冷却の最中に不一致に(incompatibly)収縮させることによって達成されることができる。これにより、上記要素は、分離して、互いに対して移動することになる。分離面が幾らかの粗さを持つことになるので、相対移動は、これらの面の間に空気間隙を形成させることになる。
【0007】
要素の収縮挙動は、とりわけ、当該要素を作る物質、当該要素が成形及び冷却中に曝される条件(例えば温度及び圧力)並びに当該要素の形状寸法に依存する。従って、これらの因子の何れかを変化させることによってそれぞれの要素の収縮挙動に影響を与えることができる。
【0008】
第1の有利な実施例において、本発明による方法は、請求項2の特徴によって特徴付けられる。
【0009】
光ガイド及び支持構造体を異なった物質で作ることにより、特異な不一致な収縮特性を持つ物質が選択されることができる。従って、上記要素の成形及び冷却中に、一方の要素は他方の要素よりも多く収縮し、従って他方に対して移動して、このことは、これら要素を分離させて空気間隙を形成させる。高収縮及び低収縮に係る物質の適切な組合せは、例えば、PP又はPMP(両者とも高収縮を持つ)とMABS、PC、PET、PMMA又はPS(全て低収縮を持つ)との組合せである。これらの物質の正式名称については、表1を参照されたい。
【表1】

【0010】
更に、これら物質は、好適には、請求項3の特徴に従って、融点が不一致になるように選択される。
【0011】
この特徴は、上記要素が成形ステップの最中に融合することを防止する。これは、間隙形成プロセスを促進することができ、上記要素が予測不能な分離面に沿って分離することを防止することができる。更に、これは、より滑らかな分離面を結果として生じさせることができ、これは、光ガイドの反射特性を向上させることができる。これは更に、分離面に特定の予め定められた形状を与える可能性を与え、これは、間隙の形状が制御されることを可能にする。
【0012】
高融点及び低融点を持つ物質の適切な組合せは、例えば、PP、PS、SAN、PAAM(全て低融点を持つ)とPC、PEI、PES又はPSU(全て高融点を持つ)の何れかとの組合せである。
【0013】
上記要素は、例えば、射出成形によって又は2(又はそれより多い)ショット成形プロセスによって成形されることができる。どちらの場合でも、最も高い融点を持つ物質が最初に処理されるべきである。この理由から、好ましくは、支持構造体が最初に成形されるように、支持構造体は最も高い融点を持つ物質で作られる。
【0014】
この代わりに又はこれに加えて、光ガイド及び支持構造体は、請求項5の特徴に従って、不一致な化学特性を持つ物質から作られることができる。これは、上記要素が成形の最中に接合することを防止し、これにより、上述の不一致な融解挙動によって得られる結果と類似の結果を達成する。しかし、この場合には、物質は、優先的な順序で成形されなくてもよい。不一致な化学結合特性を持つ適切な物質は、例えば、極性物質及び無極性物質の組合せであり、例えば、ポリプロピレン(PP)とポリカーボネート(PC)又はスチレンアクリロニトリル(SAN)との組合せである。
【0015】
代わりの有利な実施例において、本発明による方法は、請求項6に従う特徴によって特徴付けられる。
【0016】
それぞれの要素の成形及び冷却条件を、特に圧力及び/又は温度を、互いに独立して制御することによって、これら要素の個別の収縮挙動が影響を与えられることができ、不一致になるように制御されることができる。例えば、一方の要素をより速く及び/又はより低い温度で冷却することによって、一方の要素が他方の要素よりも速く収縮するようにされることができる。この方法によって、上記要素は同一の物質から製造されることができる。これは、例えば、光ガイドを備えた構造体が特別な条件下で動作されるべき場合に有利である。同一の物質から作られると、上記要素は、このような条件に対して類似した態様で応答し、これにより、構造体及び光ガイドがこのような条件下で正しく機能し続けることを助ける。
【0017】
更に別の実施例において、本発明による方法は、請求項7の特徴によって特徴付けられる。
【0018】
光ガイド及び/又は支持構造体のデザイン、例えばこれらの形状及び相互の向きを適応させることにより、収縮挙動は、少なくとも局所的に、好適には両要素が出会う箇所において、影響されることができる。収縮は、例えば、光ガイドを細長いデザインにすることによって促進されることができる。更に光ガイドを十分に硬くすることにより、光ガイドは、収縮率が或る閾値を超えると外れる(snap loose)ことになる。光ガイドの早期のスナップ動作は、支持構造体に何らかの外部衝撃又は屈曲負荷を与えることによって引き起こされ得る。この方法は、上記の方法と同様に、両要素が同一の物質で作られることができる(場合によっては有利である)という利点を提供する。
【0019】
本発明は、更に、請求項9の特徴に従う光ガイドを備えた支持構造体に関し、ここで、前記光ガイド及び前記支持構造体の境界面は、前記光ガイド及び前記支持構造体の製造中の不一致な収縮によって実現される小さい間隙によって互いから分離される。好適には、収縮は、間隙が少なくとも50から100ナノメートルの平均高さを持つ(ガイドされた光の波長の10−20%である)ように制御される。このような間隙高さは、良好な全反射を許可し、これは、漏れを通じた光の損失を最小化することを助け、これにより、光ガイドのガイド性能を向上させる。
【0020】
本発明は、更に、本発明による光ガイド及び構造体を備えた装置に関する。このような装置は、例えばシェーバ、歯ブラシ、コーヒーメーカー、アイロン等の家庭用機器であってよく、又は、光が1つの位置から別の位置に伝送される必要があるいかなる他の電子装置でもよい。
【0021】
本発明による方法、構造体及び装置の他の有利な実施例は、独立請求項に規定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を説明するために、その実施例がここで添付の図面を参照して説明される。
【0023】
本明細書では、用語「光ガイド」は、第1の位置から第2の位置へ所定の経路に沿って光をガイドするように構成された全ての透明構造体を包含することを意図される。通常、このような光ガイドは、断面の寸法よりも大きい長さを持つ。しかし、本明細書では、より小さい長さを持つ構造(例えば窓)も、用語「光ガイド」に含まれるとされる。
【0024】
図1は、支持構造体3の内側15に沿って延在する光ガイド1を示す。両要素1、3はプラスチックから成形され、図2において最も良く分かるように、それぞれの境界面の間で延在する小さい間隙10によって互いから分離される。
【0025】
実施例において、支持構造体3は、円柱の一部分のデザインであり、例えば、装置(特に電子装置)のハウジング又は内部構造の一部又は全部を構成してよい。当然、構造3は、いかなる他の形状を持ってもよい。更に、構造3は、光ガイド1以外の他の構成要素(示されない)を持っていてもよい。
【0026】
光ガイド1は、がっしりした略長方形の断面を持つ棒状構造を有し、この棒状構造は、上面及び下面11、12及び側面13、14を持ち、これらは、それぞれの対で互いに略平行に延在する。光ガイド1は、透明物質(特にプラスチック)で作られ、近くの光源5から光が光ガイド1に入ることができる第1の位置4と、光が光ガイド1から出ることができる第2の位置6との間に延在する。与えられた実施例において、光ガイド1は、前記第1の及び第2の位置4、6間のオメガ(Ω)形の径路に沿って延在し、これにより、光が、前記位置4、6間の直線径路を妨げる可能性がある存在しうる障害(示されない)を回避するようにガイドされることを可能にする。
【0027】
第1の位置4において、光ガイド1は、結合部分7を備え、該結合部分7は、ロッド2に一体的に接続されて該ロッド2に略垂直に光源5に向かって延在する。前記光源5は、例えば、プリント回路基板(示されない)に接続されたLED又は外部光源(例えば、機器の適切な開口(示されない)を介して結合部分7に入る太陽光)を有する。結合部分7の反対の端は、傾斜面8を備え、該傾斜面8は、以下で説明される理由のため、ロッド2の下面12に向かって約45°よりも小さい角度で延在する。
【0028】
第2の位置6において、光ガイド1は、段のある端9(段のある端を断面図でより詳細に示す詳細Aを参照されたい)と、Ω形ロッド2の上面11に略平行に延在する上面16と、ロッド2のガイド方向に前記上面16に対して約45°より小さい角度で延在する、段のある面17とを備える。段のある端9は、支持構造体3を少なくとも部分的に貫通し、これにより、図1Bに示されるように支持構造体3の外面において楕円形の光スポット18を形成し、該光スポット18を介して、光が光ガイド1を出て、ユーザに装置の特定の状態について知らせる又は前記光スポット18の近くに位置する感光性部品(示されない)を活性化させることができる。更に、貫通された端9は、光ガイド1を、支持板3に垂直な方向に「固定」するのを助け、ここで言う「固定」とは、光ガイド1が縮小することを許可しつつこれを所定位置に保持することを意味する。光ガイドの横方向の「固定」のために、固定具19の対が提供され、これは、光ガイド(その光入力端の近く)の反対の側に延在する。当然、例えば、光ガイド1に沿って一定の間隔で配置された、より多くの固定具19が提供されることもできる(示されない)。好適には、固定具19は、支持構造体3と一体的に成形される。
【0029】
光ガイド1は以下のように機能する。光源5によって発せられる光ビームは、結合部分7に沿って、その内側面に対する反射を通じて、ガイドされる。端に到達すると、傾斜面8は、光ビームを正しい方向(即ちΩ形ロッド2に入る方向)に反射させる。光ビームは、Ω形ロッド2に沿って、その内側面11−14に対する反射を通じて、ガイドされる。段のある端9に到達すると、光ビームは、傾斜面17によって楕円形光スポット18を通じて下方に反射される。段のある構成は、光ビームが一時ではなく徐々に反射されることを保証し、これにより、光スポット18がその表面全体に沿って略均一に照射されることを保証する。
【0030】
この説明から、光ガイド1の光ガイド性能が、その内側表面11−14の反射特性に大部分依存することが明らかである。この反射を促進するため、前記反射面11−14が、好適には、低い屈折率を持つ物質(例えば空気)と境界を接する。これが、図1による実施例が、光ガイド1とその下にある支持板3との間の空気間隙10を備える理由である。
【0031】
本発明によれば、このような隙間10は、要素1、3をそれらの製造の最中に不一致に収縮させるという独創的な考えに基づく種々の手法で実現されることができる。これをすることにより、要素1、3は、図2−Åに示されるように分離し、図2−Bに示されるように互いに対して移動する。分離面12、15が特定の荒さを持つので、この相対移動は、隙間10が形成される結果となる。よって、光ガイド1は、事実上全体が空気によって囲まれ、これは光ガイド性能にとって有利である。
【0032】
上述のとおり、不一致な収縮挙動は、異なった手法で達成されることができる。第1の実施例においては、要素1、3は、不一致な収縮挙動を持つ物質から成形されることができる。表1は、物質のリスト(全て透明であり、従って、光ガイド1を製造するのに適切である)を与え、これは、第2列中のプラスによって示される低収縮率又は第3列中のプラスによって示される高収縮率を持つ。これから、PMP及びPPの両方が高い収縮率を持つ一方で表1にリストされる他の物質が低い収縮率を持つことが明らかである。従って、PMP又はPPの何れかと、表1にリストされる他の物質の何れかとのいかなる組合せも、本発明の意味において不一致な収縮挙動を提供するために適切である。好適な実施例において、PMP又はPPがMABS、PC、PET、PMMA又はPSと組み合わせられる。なぜなら、MABSは、良好な靭性及び耐化学性を持ち、PCは良好な光ガイド容量及び良好な耐衝撃性を持ち、PETも良好な耐衝撃性及び非常に優れた透明性を持ち、PMMAは優れた透明性及び良好な光ガイド容量を持ち、そしてPSは良好な透明性及び良い値段を持つからである。
【0033】
部分1、3は、例えば、インサート成形又はマルチプルショット成形によって作製されることができる。これらの成形技術は両方ともそれ自体知られているものであるので、本説明においては更なる説明を要しないであろう。
【0034】
代替実施例においては、光ガイド1及び支持構造体3は、これらの要素1、3を、成形及び/又はその後の冷却の最中に異なった圧力及び/又は温度条件に曝すことによって不一致に収縮するようにされる。この目的のため、要素1、3が異なった態様でプレス成形及び/又は冷却され、これにより少なくとも一時的に異なった収縮挙動を作ることを可能にする特別な型が提供されることができる。この場合、要素1、3は、同じ物質から作られることができる。当然、この方法は、不一致な収縮物質を用いるときにも利用されることができ、これにより、不一致な収縮挙動を強化することができる。
【0035】
更に別の代替実施例において、光ガイド1及び支持構造体3は、特にそれらの境界面におけるそれらの形状寸法の適切な設計によって不一致に収縮するようにされることができる。適切な設計によって、一方を第1の主な方向に収縮させ、他方を、前記第1の方向との角度を含む第2の主な方向に収縮させることができる。従って、(場合によっては何らかの外的機械的衝撃又は変形によって促進された)異なった方向への収縮により、両要素は分離し、所望の隙間10が形成される。ここでも、この方法は、上記の方法の1つ又は両方と組み合わせられることができる。
【0036】
非常に好ましい実施例において、異なった要素1、3は、上述の方法の何れかに従って不一致に収縮させられるだけでなく、既に成形の最中に融合すること又は接合することを防止される。これは、幾つかの利点を提供する。1つは、要素が収縮によって互いから分離される場合に、分離面がどこに位置するかを正確に予測することは困難である可能性があり、ましてや、これを制御することは更に困難である。要素が最初から接合すること又は融合することを防止することによって、このような分離面は(少なくともその位置は)より正確に制御されることができる。更に、要素1、3を収縮を通じて分離させる場合、分離面12、15は、破断された物質を含む可能性があり、これは、一般的に、かなりの荒さを有する。この荒さは、光ガイド1の光ガイド性能を劣化させる可能性がある。なぜなら、光はこのような荒いスポットを介して漏れ出す可能性があるからである。最初から接合又は融合を防止することによって、より滑らかな分離面が得られる可能性がある。更に、上記分離面の形状が制御されることができ、これは、間隙10の最終的な形状寸法の制御を可能にする。
【0037】
要素が接合すること又は融合することを防止することは、光ガイド1及び支持構造体3を、非化学結合挙動を持つ物質(例えば極性物質及び非極性物質の組合せ(例えばポリプロピレン(PP)とポリカーボネート(PC)又はスチレンアクリロニトリド(SAN)との組合せ)又は不一致な融点を持つ物質から作ることによって達成されることができる。表1の列4及び5は、物質がそれぞれ低融点を持つか高融点を持つかをプラスによって示す。従って、第4列にプラスのある物質と第5列にプラスのある物質とのいかなる組合せも、不一致な溶融挙動のために適切な組合せを成す。
【0038】
表1から更に、不一致な収縮挙動及び不一致な溶融挙動を有する物質の適切な組合せは、PPと、第5列にプラスを持つ物質の何れか(PMPを除く)との組合せ、又は、PMPと第4列にプラスを持つ物質の何れか(PPを除く)との組合せであることが明らかである。
【0039】
前述の成形技術のうちの1つにおいて、不一致な融点を持つ物質を用いる場合、最初に、最も高い融点を持つ要素を成形することが非常に推奨される。好適には(必ずではないが)これは支持構造体3である。
【0040】
上記の製造方法のおかげで、光ガイド1は、実質的にその全体が空気によって囲まれる一方で、その長さのかなりの部分に亘って支持構造体に沿って延在することができる。前記のとおり、周りの空気は、光ガイドの光ガイド性能にとって有利である。更に、光ガイド及び支持構造体を、成形中に接合又は融合しない物質から作ることにより、滑らかな分離面が作られることができ、これは、光ガイドの内部反射にとって有利である。従って、良好な光ガイド性能を持ち、ほとんど漏れがなく大きな光出力を有する光ガイドが作られることができる。
【0041】
これらの製造方法は、更に、別個の要素として通常製造される2つの要素(光ガイド及び支持構造体)が、一度に、即ち1回の成形プロセスで製造されることができるという利点を提供し、これにより、取扱い上のエラー、位置決めエラー及び組み立てコストを低減させる。
【0042】
与えられた例において、光ガイド1は、支持構造体3に沿って略その長さ全体に亘って延在する。他の構成が可能であることは明らかであろう。例えば、構造3は、光ガイド1の下に少なくとも部分的に延在する開口を備えていてよい。代わりに、光ガイド1は、支持構造体を通じて、これに略垂直に延在することができる。更に、単一の光源5が、2つ以上の光ガイドと組み合わせられることができ、単一の光源5からの光が機器の異なった位置にガイドされることを可能にする。また、光ガイド1は、多くの異なった形状、例えば光源5と光出力18との間の障害を回避する形状を有することができる。光ガイド1は、光径路が光源5と光出口18との間で直線で延在するほぼ1次元の構成か、上記光径路が平面で延在する2次元の構成か、又は、光径路が3次元空間に延在する図1に示されるような3次元の構成であってよい。
【0043】
図3は、本発明による代替の光ガイドの構成の例を示し、ここで、光ガイド1は、その長さの全体又は円柱形の支持構造3を通じた一部に亘って延在する。要素1、3は、上記の方法のうちの1つに従って作られる円形の間隙10によって互いに分離される。
【0044】
本発明は、明細書及び図面中で示された実施例によっていかなる形でも制限されない。本明細書において示され説明された実施例の(一部の)組合せも、本発明の範囲内であると明示的に理解される。更に、請求項において概説された本発明の範囲内において多くの変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1−A】本発明による光ガイドを備えた支持構造体の内面を斜視図で示す。
【図1−B】本発明による光ガイドを備えた支持構造体の外面を斜視図で示す。
【図2−A】図1の支持構造体と光ガイドとの間の空気間隙をより詳細に示す。
【図2−B】図1の支持構造体と光ガイドとの間の空気間隙をより詳細に示す。
【図3】本発明による光ガイドを備えた支持構造体の代替実施例を示す。
【図1】

【図2A】

【図2B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ガイドを支持構造体と一体化するための方法であって、前記光ガイド及び前記支持構造体は成形され、該成形プロセス及び/又はその後の冷却プロセス中に、前記光ガイド及び前記支持構造体のそれぞれの収縮挙動は、前記光ガイド及び前記支持構造体が少なくとも一時的に且つ少なくともこれらの境界領域近くにおいて不一致に収縮しこれにより前記光ガイド及び前記支持構造体が分離してそれぞれの分離面の間に空気間隙が形成されるように制御される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記光ガイド及び前記支持構造体は、不一致な収縮挙動を有する異なった物質から成形される、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、前記光ガイド及び前記支持構造体は、不一致な融点を有する異なった物質から成形される、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記光ガイド及び前記支持構造体は、2つ又はそれより多い連続したステップで成形され、最も高い融点を持つ物質が最初に成形される、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法において、前記光ガイド及び前記支持構造体は、不一致な化学特性を持つ異なった物質から成形され、これにより前記成形中の前記物質の接合が防止される、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法において、不一致な収縮挙動を生じさせるために、前記光ガイド及び前記支持構造体が成形及び/又はその後の冷却中に曝される圧力及び温度等の条件が、前記光ガイド及び前記支持構造体の各々について独立して制御される、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法において、前記光ガイド及び前記支持構造体の各々の形状及び/又は相対的な向きが、不一致な収縮挙動を促進するように設計される、方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法において、前記光ガイド及び前記支持構造体は、インサート成形又はマルチプルショット射出成形プロセスによって成形される、方法。
【請求項9】
光ガイドを備えた支持構造体であって、前記光ガイドは、使用中に光が当該光ガイドに入ることができる第1の位置と、使用中に光が当該光ガイドから出ることができる第2の位置との間に延在し、前記光ガイド及び前記支持構造体の境界面は、前記光ガイド及び前記支持構造体の製造中の不一致な収縮によって実現される小さい間隙によって互いから分離される、支持構造体。
【請求項10】
請求項9に記載の支持構造体において、前記光ガイド及び前記支持構造体の前記境界面及びテクスチャは、実質的に同一のマッチした形状である、支持構造体。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の支持構造体において、前記光ガイドは、該光ガイドの長さのかなりの部分に亘って前記支持構造体に沿って延在する、支持構造体。
【請求項12】
請求項9、10又は11に記載の支持構造体において、前記光ガイドは、実質的に2次元又は3次元の経路に沿って光をガイドするように構成される、支持構造体。
【請求項13】
請求項9乃至12の何れか1項に記載の支持構造体において、前記支持構造体は取付け具を備え、該取付け具は、好ましくは前記支持構造体と一体的に成形され、且つ、前記光ガイドを、少なくとも、使用中に光が前記光ガイドに入る前記第1の位置の近くで所定位置に保持するように構成される、支持構造体。
【請求項14】
請求項9乃至13の何れか1項に記載の支持構造体において、前記光ガイドは、前記支持構造体中で少なくとも部分的に延在する、支持構造体。
【請求項15】
少なくとも1つの請求項9乃至13の何れか1項に記載の支持構造体を有する、特に電子装置である装置。

【図3】
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【公表番号】特表2008−510175(P2008−510175A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525392(P2007−525392)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052470
【国際公開番号】WO2006/016296
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】