光ファイバコード及びその被覆除去方法
【課題】引っ張り強度や曲げ剛性を損なうことなく、タイト型構造の光ファイバコードの被覆除去性を向上させた光ファイバコード及びその被覆除去方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ12の外側に素線被覆13を施してなる光ファイバ素線11の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維を縦添えして、または螺旋状に巻いて略同心円状の超高分子量ポリエチレン繊維層15を形成し、その外側から紫外線硬化型樹脂16を含浸させて硬化させてなる繊維強化層14を形成した。
【解決手段】光ファイバ12の外側に素線被覆13を施してなる光ファイバ素線11の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維を縦添えして、または螺旋状に巻いて略同心円状の超高分子量ポリエチレン繊維層15を形成し、その外側から紫外線硬化型樹脂16を含浸させて硬化させてなる繊維強化層14を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信用の光ファイバコードと、その光ファイバコードの被覆を除去する被覆除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及により、高速通信が可能な光ファイバの敷設が進められている。局内での配線が大規模になされているほか、家の中にも光ファイバが配線されるようになってきた。光ファイバは脆性破壊での破断が心配なため、局内や宅内などの露出された配線については、光ファイバ素線に高弾性率抗張力繊維を縦添えして合成樹脂で被覆した光ファイバコードを構成して用いられている。
【0003】
光ファイバコードには、ルース型構造のものとタイト型構造のものがある。
【0004】
図10に示すように、ルース型構造の光ファイバコード80では、光ファイバ(裸ファイバ)82と素線被覆83とで光ファイバ素線81を構成し、光ファイバ素線81に心線被覆84を施して光ファイバ心線85を構成する。光ファイバ心線85の外側に、補強材としてアラミド繊維86及びコード外被87を被覆して単心の光ファイバコードを構成する。
【0005】
光ファイバコード80の備える光ファイバ心線85の外径は、例えば0.9mmであり、市販の光ファイバコードの外径は、2.0mmや2.8mmのものが主流である。アラミド繊維層86は、光ファイバ心線85とコード外被87との間に、アラミド繊維が光ファイバ長手方向に縦添えされてなる。ルース型の光ファイバコード80は、光ファイバ心線81がコード外被87に対してアラミド繊維層86内で自由に動ける構造である。そのため、光ファイバコード80が曲げられた際に、光ファイバ心線85に付与される曲げを小さくできる。また、アラミド繊維層86は、外部からの衝撃を和らげるクッション的役割も果たしている。
【0006】
従来の局内配線では、単心の光ファイバコード80を集合したケーブルが使用されているが、コード数を増やすとケーブルの外径が著しく太くなるため、多くの配線スペースを必要とする問題があった。近年では、光ファイバ心線の外径を0.5mm程度とし、曲げ剛性を確保するために外被材料に高弾性のエラストマーを適用して、外径を1.1mm程度にした光ファイバコードが開発されているが、局内配線に用途が限られている。
【0007】
図11に示すように、タイト型構造の光ファイバコード90は、光ファイバ素線81に繊維強化層91を被覆してなる。繊維強化層91は、ガラス繊維等の補強繊維を光ファイバ素線81の外周に縦添えし、補強繊維に紫外線硬化型樹脂などの樹脂を含浸、硬化させて形成される。
【0008】
光ファイバコード90は、光ファイバ素線81に密着して繊維強化層91が被覆されているため、光ファイバ素線81が内部で動きにくい構造である。
【0009】
繊維強化層を有する光ファイバコードとして、例えば、特許文献1に示されるように、光ファイバ素線の直径を180μm程度、光ファイバコードの直径を250μm程度に形成したものがある。その光ファイバコードは、曲げられたときに光ファイバに側圧が加わって光損失が大きくなりやすいので、素線被覆の弾性率を小さくするように工夫されている。
【0010】
他に、繊維強化層の外側に紫外線硬化型樹脂からなるオーバコート層を形成した光ファイバコードがある(例えば、特許文献2参照)。オーバコート層は、曲げ径を小さくして光ファイバコードを曲げると繊維強化層が圧縮されるので、その圧縮部での座屈を防止するために形成される。繊維強化層の外径が大きくなると、座屈が発生しやすくなるためである。
【0011】
さらに、繊維強化層の外側にオーバコート層を形成すると共に、繊維強化層の内側部には紫外線硬化型樹脂を含浸させないようにして、その部分にクッションとしての機能を持たせた光ファイバコードがある(例えば、特許文献3参照)。
【0012】
【特許文献1】特開平11−133277号公報
【特許文献2】特開平11−149020号公報
【特許文献3】特開2000−154045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のタイト型構造の光ファイバコード90は、ルース型構造の光ファイバコード80に比べて外径を小さく形成することができるといった利点があるが、光ファイバ素線に繊維強化層(被覆)が密着して施されているので被覆を除去しにくいといった問題がある。
【0014】
光ファイバコードの被覆除去は、コネクタ付けの際や、融着接続等の接続の際に不可欠な作業である。通常、被覆除去では、光ファイバコード側面から除去刃を被覆に食い込ませた後、除去刃をファイバ軸方向に動かし、機械的にはぎ取る。
【0015】
タイト型構造の光ファイバコードの繊維強化層に用いられる補強繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維或いは細径鋼線などである。これらの補強繊維で形成された繊維強化層を光ファイバ素線からはぎ取る際には、補強繊維の強度が強いこと自体が障害となる。すなわち、補強繊維の弾性率が高いため、除去刃が補強繊維に食い込まず切ることができない。補強繊維の一部が切れたとしても、補強繊維の残部が被覆を維持するため完全に除去することが難しい。また、補強繊維は、加熱しても軟化することがなく、切り取ることが難しい。そのため、これまでタイト型構造の光ファイバコードが実用に供されることは稀であった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、引っ張り強度や曲げ剛性を損なうことなく、外径の小さい光ファイバコードの被覆除去性を向上させた光ファイバコード及びその被覆除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維を縦添えして、または螺旋状に巻いて略同心円状の超高分子量ポリエチレン繊維層を形成し、その外側から紫外線硬化型樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成した光ファイバコードである。
【0018】
請求項2の発明は、光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維をほぼ軸対称に島状に縦添えして島状超高分子量ポリエチレン層を形成し、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて略同心円状の繊維強化層を形成した光ファイバコードである。
【0019】
請求項3の発明は、光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン原糸を複数本編んで形成される超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を1本以上縦添えし、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成した光ファイバコードである。
【0020】
請求項4の発明は、1本または偶数本の光ファイバ素線の両側に、上記超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を縦添えした請求項3記載の光ファイバコードである。
【0021】
請求項5の発明は、上記光ファイバは、コアの周囲に3個以上の空孔を有するホーリーファイバである請求項1〜4いずれかに記載の光ファイバコードである。
【0022】
請求項6の発明は、上記光ファイバの直径が100μm以下である請求項1〜5いずれかに記載の光ファイバコードである。
【0023】
請求項7の発明は、上記繊維強化層の外側に紫外線硬化型樹脂を被覆した請求項1〜6いずれかに記載の光ファイバコードである。
【0024】
請求項8の発明は、上記紫外線硬化型樹脂の外側に、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルのうちいずれかの熱可塑性樹脂を被覆した請求項7に記載の光ファイバコードである。
【0025】
請求項9の発明は、請求項1〜8いずれかに記載の光ファイバコードの繊維強化層を除去する方法であって、被覆除去用刃を160℃以上に加熱し、その加熱された被覆除去用刃を上記繊維強化層に食い込ませて繊維強化層を160℃以上に加熱して、繊維強化層を切断することにより光ファイバコードから繊維強化層を除去する被覆除去方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、引っ張り強度や曲げ剛性を損なうことなく、外径の小さいタイト型構造の光ファイバコードの被覆除去性を向上させることができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0028】
図1は本発明に係る光ファイバコードの好適な第1の実施の形態を示した横断面図である。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態の光ファイバコード10は、光ファイバ12の外側に素線被覆13を施してなる光ファイバ素線11の周囲に、繊維強化層14を略同心円状に形成し、その繊維強化層14の周囲に紫外線硬化樹脂被覆18を略同心円状を形成してなる単心の光ファイバコードである。
【0030】
繊維強化層14は、長手方向に配向した超高分子量ポリエチレン繊維を光ファイバ素線11に縦添えして、超高分子量ポリエチレン層15を形成し、超高分子量ポリエチレン繊維層15に紫外線硬化型樹脂16を含浸させて硬化させて形成される。本実施の形態では、繊維強化層14は、直径12μm程度の細い超高分子量ポリエチレン原糸を多数本ストレートに束ねて、その原糸束を光ファイバ素線11の周囲に縦添えし、原糸束の外側から紫外線硬化型樹脂を含浸させて形成される。
【0031】
超高分子量ポリエチレン繊維は、分子量が約400万であり、直径12μmのフィラメント(原糸)を束ねたものである。超高分子量ポリエチレン繊維では、超高分子量ポリエチレン分子が一方向(長手方向)に高配向しており、結晶化度は95%以上である。
【0032】
超高分子量ポリエチレン繊維は、従来の光ファイバコードに用いられるアラミド繊維よりも弾性率及び引っ張り強度が強い。また、紫外線に対する耐性が強いこともあり、釣り糸やロープに使用されている。超高分子量ポリエチレン繊維は、弾性率が100GPa前後であり、アラミド繊維よりも数割程度大きく、破断伸びも4%程度と大きいので、アラミド繊維より少ない量で繊維強化層14を形成することができる。
【0033】
なお、超高分子量ポリエチレン繊維は、東洋紡績(株)とオランダのDSM社が共同開発したもので、1990年頃からダイニーマ(DYNEEMA)(登録商標)という商品名で両者が販売している。北米では、スペクトルという商品名でハウエル社がライセンス生産している。
【0034】
本実施の形態では、紫外線硬化樹脂被覆18は、光ファイバコード10のコード外被として最外層に形成される。紫外線硬化樹脂被覆18は、繊維強化層14を完全に覆って超高分子量ポリエチレン繊維が毛羽立つことを防止すると共に、光ファイバ素線11を外傷から保護するために形成される。
【0035】
紫外線硬化樹脂被覆18は、慣用の成形方法である押出加工により形成されるが、紫外線硬化樹脂被覆18をダイスに1回通して形成する場合、10〜300μm程度の厚さに形成される。
【0036】
繊維強化層14を構成する紫外線硬化型樹脂16は、紫外線硬化樹脂被覆18に比べて柔らかい紫外線硬化型樹脂を使用することが好ましい。このような構造とすることで紫外線硬化樹脂被覆18の摩耗や繊維強化層14の座屈を防止することができる。
【0037】
ただし、紫外線硬化樹脂被覆18は、光ファイバコードの用途次第で省略してもよい。
【0038】
光ファイバ12は、中実(通常)のGIファイバやSMファイバを適用してもよいが、ホーリーファイバを用いることが好ましい。
【0039】
図2に示すように、ホーリーファイバ21は、中実の光ファイバのコア22近傍のクラッド23に、ファイバ長手方向に延びる空孔24が複数個(図では6個)形成されたものである。ホーリーファイバ21は、空孔24による全反射の効果で、曲げても光が漏れにくい特長があり、側圧によっても光損失が生じにくい。ホーリーファイバ21を用いることで、素線被覆13や含浸用の紫外線硬化型樹脂16、保護用の紫外線硬化樹脂被覆18の材質や寸法の違いに関わらず、曲げ損失や側圧損失を低減することができる。本実施の形態ではホーリーファイバ21の空孔数は6個であるが、空孔位置や空孔径を適宜設計すれば空孔は3個以上あればよい。
【0040】
光ファイバコード10では、曲げ損失が小さい利点のあるホーリーファイバ21を適用することにより、曲げによる損失増加を防止することができる。
【0041】
また、光ファイバコード10では、ゲルマニウム等のドーパントを用いて、クラッド23より屈折率の高いコア22を形成したホーリーファイバ21を用いたが、ドーパントによるコアを形成することなく、多数の空孔を同心円状に多層形成したホーリーファイバを用いてもよく、曲げ損失が小さくなるように設計したホーリーファイバ21と同様な効果が得られる。
【0042】
また、光ファイバ12は、小さな曲げ径での使用を可能にするため、光ファイバの直径が、100μm以下のものを用いるのが望ましい。一般の通信用光ファイバの外径は125μmであるが、曲げた際に光ファイバ表面に発生する応力の大きさが外径に比例するため、外径を小さくすることで、曲げ半径を小さくすることができる。最近では、光モジュール等のパッケージ内での光配線用に、直径が80μmの光ファイバが使用されつつあるので、入手容易なコネクタ等の接続部品と接続するべく、光ファイバの直径を80μmにするのが好ましい。
【0043】
次に、光ファイバコードの被覆除去方法について説明する。
【0044】
図3に示すように、本実施の形態の被覆除去方法では、光ファイバコード10の被覆(繊維強化層14及び紫外線硬化樹脂被覆18)を切断する2つの除去刃31を用いる。除去刃31の材料には金属或いはセラミックスが適用される。除去刃31にはセラミックヒータ32が埋め込まれ、セラミックヒータ32は、電源33から電気配線34を介して給電され、除去刃31を加熱する。
【0045】
加熱された除去刃31を光ファイバコード10の被覆18,14に押し込む。本実施の形態では、2つの除去刃31を互いに向かい合わせ、光ファイバコード10の側面を上下両側から押し込む(図中、矢印)。加熱した除去刃31を光ファイバコード14の被覆18,14に押し込むと、除去刃31に接触した部位から被覆18,14に伝熱して超高分子量ポリエチレン繊維の配向が解け、繊維強化層14が局所的に軟化する。
【0046】
繊維強化層14を構成する超高分子量ポリエチレン繊維は、一般のポリエチレン繊維より融点(転移温度)が高く、150℃以上で分子の配向が解除される(各分子の配向方向がばらつく)。そこで、温度伝達の時間遅れや作業性の観点から被覆除去時には除去刃を160℃以上に加熱するのが好ましい。
【0047】
被覆18,14に除去刃31を押し込んだ後、除去刃31を光ファイバコード10の端部方向(図中、右方向)に動かす(スライドさせる)と被覆18,14を一体の状態で光ファイバ素線11からはぎ取ることができる。除去刃31を動かす代わりに、光ファイバコード10を、図中左方向に動かしてもよい。
【0048】
次に本実施の形態の作用効果について説明する。
【0049】
従来、超高分子量ポリエチレン繊維は、温度が150℃を超えると変形が始まるため、通常200℃前後で行う熱可塑性樹脂での被覆加工(押出加工)に耐えることができない。したがって、超高分子量ポリエチレン繊維の、アラミド繊維に対する優位性はないものとされ、これまで光ファイバコードに実際に適用することは困難であった。
【0050】
そこで、本発明者らは、この弱点を逆に利用し、被覆除去時に繊維強化層14に熱を加えることで、超高分子量ポリエチレン繊維の物性を局所的に変化させれば、被覆除去を簡単に行うことができることを見出した。
【0051】
本実施の形態の光ファイバコード10によれば、繊維強化層14を160℃以上に加熱して切断するだけで、容易に繊維強化層14を除去することができる。
【0052】
光ファイバコード10は、タイト型構造の光ファイバコードであるため、細径でかつ引っ張り強度にも優れ、曲げや側圧が加わっても光損失が生じにくくすることができる。
【0053】
すなわち、光ファイバコード10は、引っ張り強度と被覆除去性を兼ね備えた細径のタイト構造型の光ファイバコードを実現する。
【0054】
したがって、光ファイバコードの配線において、配線スペースを軽減できると共に、配線作業を簡単にすることができる。本実施の形態の光ファイバコード10は、室内等の配線のほか、伝送機器や測定機器等の機器内光配線にも適用することができる。また、超高分子量ポリエチレン繊維は、酸素、炭素、水素からなる材料であるため、光ファイバコード(繊維強化層)を廃棄する際に燃焼させても、窒素化合物等の有害ガスが発生しないので、環境面でも有用である。
【0055】
紫外線ランプで紫外線硬化樹脂16を硬化させる際の樹脂温度は、熱線遮断フィルタを介して紫外線照射することにより100℃以下にできると共に、超高分子量ポリエチレン繊維が紫外線に強い特性を有することから、光ファイバコード10を製造する際に超高分子量ポリエチレン繊維が劣化することはない。
【0056】
また、光ファイバコードの使用環境温度は、通常60℃を超えることはないので、長期使用に際しての繊維劣化も問題ない。
【0057】
本実施の形態の光ファイバコード10の被覆除去方法によれば、除去刃31を介して被覆14を局所的に加熱することにより、超高分子量ポリエチレン繊維の配向が解け、被覆の弾性率が極端に低下するので、容易に光ファイバ素線11から被覆18,14をはぎ取ることができる。
【0058】
次に、本実施の形態の光ファイバコードの変形例について説明する。
【0059】
本実施の光ファイバコード10では、超高分子量ポリエチレン繊維を光ファイバ素線11にストレートに束ねて縦添えしているが、超高分子量ポリエチレン繊維を光ファイバ素線11の周りに螺旋状に巻いて繊維強化層を形成してもよい。超高分子量ポリエチレン繊維を螺旋状に配置した構造とすることで、繊維強化層の座屈を生じ難くすることができる。
【0060】
ただし、螺旋状に配置した構造では、光ファイバコードに張力が加えられた場合に、光ファイバが側圧を受けて細かく曲がることになる。また、光ファイバコードの製造時にも光ファイバに周期的な細かい曲がり(マイクロベンド)が生じ、光損失が大きくなることが懸念される。よって、光ファイバには、図2に説明したホーリー光ファイバ21を用いることが好ましい。
【0061】
図4に示される光ファイバケーブル(ドロップケーブル)40は、光ファイバコードを用いて構成されるものである。光ファイバケーブル40は、光ファイバコードが構成する心線部41と、心線部41を支持する支持線部42と、心線部41と支持線部42とを連結する首部43とからなる。
【0062】
支持線部42は、支持線(抗張力体)44とその外周を覆う支持線側シース45とで構成される。
【0063】
心線部41は、繊維強化層14の外側に略断面矩形状の心線側シース46が形成されてなる。心線側シース46、支持線側シース45及び首部43(ケーブル外被)は、樹脂押出成形により一括して形成される。そのため、樹脂押出成形時に超高分子量ポリエチレン繊維に影響を与えない程度に低い温度(概ね、150℃以下)で成形することが不可欠である。そのため、ケーブル外被は、ポリエチレン、ポリウレタン、或いはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で形成される。ケーブル外被を設けることで、光ファイバ素線11を機械的損傷から防護できると共に、紫外線硬化樹脂の劣化を防止することができる。
【0064】
光ファイバケーブル40は、光ファイバ素線11を収容する心線部41を支持線部42が支持し、主に架線用の光ファイバケーブルとして用いられる。特に、屋外配線に用いる場合には、紫外線劣化防止が必要なため、カーボンブラックを練り込んだポリエチレンで外被を形成するのが好ましい。
【0065】
次に、好適な第2の実施の形態について説明する。
【0066】
図5に示すように、本実施の形態の光ファイバコード50は、超高分子量ポリエチレン繊維52をほぼ軸対称(光ファイバ素線11の周りの略等間隔)に島状に縦添えして島状超高分子量ポリエチレン繊維層53を形成し、その外側から紫外線硬化樹脂54を含浸させて硬化させて略同心円状の繊維強化層51を形成した点において、前実施の形態の光ファイバコード10と異なる。
【0067】
本実施の形態の光ファイバコード50は、上述したように、アラミド繊維よりも弾性率及び破断伸びが大きい超高分子量ポリエチレン繊維を用いて繊維強化層51を形成しているで、超高分子量ポリエチレン繊維を島状に配置しても問題なく、アラミド繊維より少ない量で繊維強化層51を構成することができる。
【0068】
本実施の形態の光ファイバコード50は、図1の光ファイバと同様な作用効果を有する。さらに、光ファイバコード50は、超高分子量ポリエチレン繊維52を島状に縦添えして、繊維強化層51を形成しているので、繊維強化層51のうち、島状超高分子量ポリエチレン繊維53以外の部分(紫外線硬化樹脂54のみの部分)を手で裂くことができる。したがって、繊維強化層51の除去をさらに簡単に行うことができる。
【0069】
次に、好適な第3の実施の形態について説明する。
【0070】
第1の実施の形態の光ファイバコード10では、光ファイバ素線11の外周に、超高分子量ポリエチレンの原糸をストレートに束ねて、或いは螺旋状に巻いて超高分子量ポリエチレン繊維層15を形成したのに対し、本実施の形態の光ファイバコードでは、超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を形成して光ファイバ素線の周囲に縦添えした点において異なる。
【0071】
図6に示すように、本実施の形態の光ファイバコード60は、光ファイバ素線11の周りに6本の超高分子量ポリエチレン編み糸繊維(以下、編み糸繊維)61をそれぞれ同心円上に略等間隔に配置して外側から紫外線硬化樹脂63を含浸させて断面外形が光ファイバ素線と同心円状となるように繊維強化層64を形成したものである。
【0072】
編み糸繊維61は、複数本の超高分子量ポリエチレン原糸(フィラメント)62を1本に編み上げて形成される繊維である。
【0073】
編み糸繊維61は、超高分子量ポリエチレン原糸62が互いに密着して形成されるので、ストレートに超高分子量ポリエチレン原糸を束ねた場合と比べて、繊維に紫外線硬化型樹脂が含浸しにくいが、編み糸繊維61表面の凹凸に紫外線硬化型樹脂63が入り込むため、編み糸繊維61と紫外線硬化型樹脂63とを一体にした繊維強化層64を形成することができる。
【0074】
本実施の形態の光ファイバコード60も第1の実施の形態の光ファイバコード10と同様の作用効果を有する。さらに、光ファイバコード60では、光ファイバ素線11の周囲にフィラメントを束ねて形成した場合に比べて、曲げた時の座屈が生じにくいといった利点がある。また、編み糸繊維61は、フィラメント62が編み上げられて形成されるので、毛羽立ちにくいといった利点もある。
【0075】
次に、好適な第4の実施の形態について説明する。
【0076】
図7に示されように、光ファイバコード65は、光ファイバ素線11に両側に編み糸繊維61を1本ずつ配置し、その外側から紫外線硬化樹脂66を含浸させて、断面形状が略長方形の繊維強化層67を形成したものである。
【0077】
編み糸繊維61の直径は、光ファイバ素線11の直径よりも大きい方が、光ファイバ素線11に掛かる側圧を低減できるため好ましい。
【0078】
また、本実施の形態の光ファイバコード65では、光ファイバ素線11が1本であるが、光ファイバコードが備える光ファイバ素線の本数は、2本以上の偶数本であってもよい。その際、偶数本の光ファイバ素線は、2本の編み糸繊維61,61繊維間で直線上に並ぶように配置される。
【0079】
図8に示される光ファイバコード68は、図7の光ファイバコードにおいて、繊維強化層67の外側に、コード外被69として熱可塑性樹脂被覆を施したものである。コード外被69を設けることで、光ファイバコード68を機械的損傷から防護できると共に、紫外線硬化型樹脂の劣化を防止することができる。
【0080】
図9に示される光ファイバケーブル(ドロップケーブル)70は、心線部71に図7の光ファイバコード65を用いて構成したものである。心線部71は、光ファイバコード65の外側に略断面矩形状の心線側シース72が形成されてなる。すなわち、光ファイバコード70は、図8の光ファイバコードに首部43を介して支持線部42を一体に設けたものである。
【0081】
光ファイバケーブル70は、図4の光ファイバケーブル40と同様に、主に架線用の光ファイバケーブルとして用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る光ファイバコードの好適な第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】ホーリーファイバを示す断面図である。
【図3】被覆除去方法を説明する図である。
【図4】図1の光ファイバコードの変形例を示す断面図である。
【図5】好適な第2の実施の形態の光ファイバコードを示す断面図である。
【図6】好適な第3の実施の形態の光ファイバコードを示す断面図である。
【図7】好適な第4の実施の形態の光ファイバコードを示す断面図である。
【図8】図6の光ファイバコードの変形例を示す断面図である。
【図9】図6の光ファイバコードの他の変形例を示す断面図である。
【図10】従来のルース型構造の光ファイバコードを示す断面図である。
【図11】従来のタイト型構造の光ファイバコードを示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
10 光ファイバコード
11 光ファイバ素線
12 光ファイバ
13 素線被覆
14 繊維強化層
15 超高分子量ポリエチレン繊維層
16 紫外線硬化型樹脂
18 紫外線硬化型樹脂被覆
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信用の光ファイバコードと、その光ファイバコードの被覆を除去する被覆除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及により、高速通信が可能な光ファイバの敷設が進められている。局内での配線が大規模になされているほか、家の中にも光ファイバが配線されるようになってきた。光ファイバは脆性破壊での破断が心配なため、局内や宅内などの露出された配線については、光ファイバ素線に高弾性率抗張力繊維を縦添えして合成樹脂で被覆した光ファイバコードを構成して用いられている。
【0003】
光ファイバコードには、ルース型構造のものとタイト型構造のものがある。
【0004】
図10に示すように、ルース型構造の光ファイバコード80では、光ファイバ(裸ファイバ)82と素線被覆83とで光ファイバ素線81を構成し、光ファイバ素線81に心線被覆84を施して光ファイバ心線85を構成する。光ファイバ心線85の外側に、補強材としてアラミド繊維86及びコード外被87を被覆して単心の光ファイバコードを構成する。
【0005】
光ファイバコード80の備える光ファイバ心線85の外径は、例えば0.9mmであり、市販の光ファイバコードの外径は、2.0mmや2.8mmのものが主流である。アラミド繊維層86は、光ファイバ心線85とコード外被87との間に、アラミド繊維が光ファイバ長手方向に縦添えされてなる。ルース型の光ファイバコード80は、光ファイバ心線81がコード外被87に対してアラミド繊維層86内で自由に動ける構造である。そのため、光ファイバコード80が曲げられた際に、光ファイバ心線85に付与される曲げを小さくできる。また、アラミド繊維層86は、外部からの衝撃を和らげるクッション的役割も果たしている。
【0006】
従来の局内配線では、単心の光ファイバコード80を集合したケーブルが使用されているが、コード数を増やすとケーブルの外径が著しく太くなるため、多くの配線スペースを必要とする問題があった。近年では、光ファイバ心線の外径を0.5mm程度とし、曲げ剛性を確保するために外被材料に高弾性のエラストマーを適用して、外径を1.1mm程度にした光ファイバコードが開発されているが、局内配線に用途が限られている。
【0007】
図11に示すように、タイト型構造の光ファイバコード90は、光ファイバ素線81に繊維強化層91を被覆してなる。繊維強化層91は、ガラス繊維等の補強繊維を光ファイバ素線81の外周に縦添えし、補強繊維に紫外線硬化型樹脂などの樹脂を含浸、硬化させて形成される。
【0008】
光ファイバコード90は、光ファイバ素線81に密着して繊維強化層91が被覆されているため、光ファイバ素線81が内部で動きにくい構造である。
【0009】
繊維強化層を有する光ファイバコードとして、例えば、特許文献1に示されるように、光ファイバ素線の直径を180μm程度、光ファイバコードの直径を250μm程度に形成したものがある。その光ファイバコードは、曲げられたときに光ファイバに側圧が加わって光損失が大きくなりやすいので、素線被覆の弾性率を小さくするように工夫されている。
【0010】
他に、繊維強化層の外側に紫外線硬化型樹脂からなるオーバコート層を形成した光ファイバコードがある(例えば、特許文献2参照)。オーバコート層は、曲げ径を小さくして光ファイバコードを曲げると繊維強化層が圧縮されるので、その圧縮部での座屈を防止するために形成される。繊維強化層の外径が大きくなると、座屈が発生しやすくなるためである。
【0011】
さらに、繊維強化層の外側にオーバコート層を形成すると共に、繊維強化層の内側部には紫外線硬化型樹脂を含浸させないようにして、その部分にクッションとしての機能を持たせた光ファイバコードがある(例えば、特許文献3参照)。
【0012】
【特許文献1】特開平11−133277号公報
【特許文献2】特開平11−149020号公報
【特許文献3】特開2000−154045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のタイト型構造の光ファイバコード90は、ルース型構造の光ファイバコード80に比べて外径を小さく形成することができるといった利点があるが、光ファイバ素線に繊維強化層(被覆)が密着して施されているので被覆を除去しにくいといった問題がある。
【0014】
光ファイバコードの被覆除去は、コネクタ付けの際や、融着接続等の接続の際に不可欠な作業である。通常、被覆除去では、光ファイバコード側面から除去刃を被覆に食い込ませた後、除去刃をファイバ軸方向に動かし、機械的にはぎ取る。
【0015】
タイト型構造の光ファイバコードの繊維強化層に用いられる補強繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維或いは細径鋼線などである。これらの補強繊維で形成された繊維強化層を光ファイバ素線からはぎ取る際には、補強繊維の強度が強いこと自体が障害となる。すなわち、補強繊維の弾性率が高いため、除去刃が補強繊維に食い込まず切ることができない。補強繊維の一部が切れたとしても、補強繊維の残部が被覆を維持するため完全に除去することが難しい。また、補強繊維は、加熱しても軟化することがなく、切り取ることが難しい。そのため、これまでタイト型構造の光ファイバコードが実用に供されることは稀であった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、引っ張り強度や曲げ剛性を損なうことなく、外径の小さい光ファイバコードの被覆除去性を向上させた光ファイバコード及びその被覆除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維を縦添えして、または螺旋状に巻いて略同心円状の超高分子量ポリエチレン繊維層を形成し、その外側から紫外線硬化型樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成した光ファイバコードである。
【0018】
請求項2の発明は、光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維をほぼ軸対称に島状に縦添えして島状超高分子量ポリエチレン層を形成し、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて略同心円状の繊維強化層を形成した光ファイバコードである。
【0019】
請求項3の発明は、光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン原糸を複数本編んで形成される超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を1本以上縦添えし、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成した光ファイバコードである。
【0020】
請求項4の発明は、1本または偶数本の光ファイバ素線の両側に、上記超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を縦添えした請求項3記載の光ファイバコードである。
【0021】
請求項5の発明は、上記光ファイバは、コアの周囲に3個以上の空孔を有するホーリーファイバである請求項1〜4いずれかに記載の光ファイバコードである。
【0022】
請求項6の発明は、上記光ファイバの直径が100μm以下である請求項1〜5いずれかに記載の光ファイバコードである。
【0023】
請求項7の発明は、上記繊維強化層の外側に紫外線硬化型樹脂を被覆した請求項1〜6いずれかに記載の光ファイバコードである。
【0024】
請求項8の発明は、上記紫外線硬化型樹脂の外側に、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルのうちいずれかの熱可塑性樹脂を被覆した請求項7に記載の光ファイバコードである。
【0025】
請求項9の発明は、請求項1〜8いずれかに記載の光ファイバコードの繊維強化層を除去する方法であって、被覆除去用刃を160℃以上に加熱し、その加熱された被覆除去用刃を上記繊維強化層に食い込ませて繊維強化層を160℃以上に加熱して、繊維強化層を切断することにより光ファイバコードから繊維強化層を除去する被覆除去方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、引っ張り強度や曲げ剛性を損なうことなく、外径の小さいタイト型構造の光ファイバコードの被覆除去性を向上させることができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0028】
図1は本発明に係る光ファイバコードの好適な第1の実施の形態を示した横断面図である。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態の光ファイバコード10は、光ファイバ12の外側に素線被覆13を施してなる光ファイバ素線11の周囲に、繊維強化層14を略同心円状に形成し、その繊維強化層14の周囲に紫外線硬化樹脂被覆18を略同心円状を形成してなる単心の光ファイバコードである。
【0030】
繊維強化層14は、長手方向に配向した超高分子量ポリエチレン繊維を光ファイバ素線11に縦添えして、超高分子量ポリエチレン層15を形成し、超高分子量ポリエチレン繊維層15に紫外線硬化型樹脂16を含浸させて硬化させて形成される。本実施の形態では、繊維強化層14は、直径12μm程度の細い超高分子量ポリエチレン原糸を多数本ストレートに束ねて、その原糸束を光ファイバ素線11の周囲に縦添えし、原糸束の外側から紫外線硬化型樹脂を含浸させて形成される。
【0031】
超高分子量ポリエチレン繊維は、分子量が約400万であり、直径12μmのフィラメント(原糸)を束ねたものである。超高分子量ポリエチレン繊維では、超高分子量ポリエチレン分子が一方向(長手方向)に高配向しており、結晶化度は95%以上である。
【0032】
超高分子量ポリエチレン繊維は、従来の光ファイバコードに用いられるアラミド繊維よりも弾性率及び引っ張り強度が強い。また、紫外線に対する耐性が強いこともあり、釣り糸やロープに使用されている。超高分子量ポリエチレン繊維は、弾性率が100GPa前後であり、アラミド繊維よりも数割程度大きく、破断伸びも4%程度と大きいので、アラミド繊維より少ない量で繊維強化層14を形成することができる。
【0033】
なお、超高分子量ポリエチレン繊維は、東洋紡績(株)とオランダのDSM社が共同開発したもので、1990年頃からダイニーマ(DYNEEMA)(登録商標)という商品名で両者が販売している。北米では、スペクトルという商品名でハウエル社がライセンス生産している。
【0034】
本実施の形態では、紫外線硬化樹脂被覆18は、光ファイバコード10のコード外被として最外層に形成される。紫外線硬化樹脂被覆18は、繊維強化層14を完全に覆って超高分子量ポリエチレン繊維が毛羽立つことを防止すると共に、光ファイバ素線11を外傷から保護するために形成される。
【0035】
紫外線硬化樹脂被覆18は、慣用の成形方法である押出加工により形成されるが、紫外線硬化樹脂被覆18をダイスに1回通して形成する場合、10〜300μm程度の厚さに形成される。
【0036】
繊維強化層14を構成する紫外線硬化型樹脂16は、紫外線硬化樹脂被覆18に比べて柔らかい紫外線硬化型樹脂を使用することが好ましい。このような構造とすることで紫外線硬化樹脂被覆18の摩耗や繊維強化層14の座屈を防止することができる。
【0037】
ただし、紫外線硬化樹脂被覆18は、光ファイバコードの用途次第で省略してもよい。
【0038】
光ファイバ12は、中実(通常)のGIファイバやSMファイバを適用してもよいが、ホーリーファイバを用いることが好ましい。
【0039】
図2に示すように、ホーリーファイバ21は、中実の光ファイバのコア22近傍のクラッド23に、ファイバ長手方向に延びる空孔24が複数個(図では6個)形成されたものである。ホーリーファイバ21は、空孔24による全反射の効果で、曲げても光が漏れにくい特長があり、側圧によっても光損失が生じにくい。ホーリーファイバ21を用いることで、素線被覆13や含浸用の紫外線硬化型樹脂16、保護用の紫外線硬化樹脂被覆18の材質や寸法の違いに関わらず、曲げ損失や側圧損失を低減することができる。本実施の形態ではホーリーファイバ21の空孔数は6個であるが、空孔位置や空孔径を適宜設計すれば空孔は3個以上あればよい。
【0040】
光ファイバコード10では、曲げ損失が小さい利点のあるホーリーファイバ21を適用することにより、曲げによる損失増加を防止することができる。
【0041】
また、光ファイバコード10では、ゲルマニウム等のドーパントを用いて、クラッド23より屈折率の高いコア22を形成したホーリーファイバ21を用いたが、ドーパントによるコアを形成することなく、多数の空孔を同心円状に多層形成したホーリーファイバを用いてもよく、曲げ損失が小さくなるように設計したホーリーファイバ21と同様な効果が得られる。
【0042】
また、光ファイバ12は、小さな曲げ径での使用を可能にするため、光ファイバの直径が、100μm以下のものを用いるのが望ましい。一般の通信用光ファイバの外径は125μmであるが、曲げた際に光ファイバ表面に発生する応力の大きさが外径に比例するため、外径を小さくすることで、曲げ半径を小さくすることができる。最近では、光モジュール等のパッケージ内での光配線用に、直径が80μmの光ファイバが使用されつつあるので、入手容易なコネクタ等の接続部品と接続するべく、光ファイバの直径を80μmにするのが好ましい。
【0043】
次に、光ファイバコードの被覆除去方法について説明する。
【0044】
図3に示すように、本実施の形態の被覆除去方法では、光ファイバコード10の被覆(繊維強化層14及び紫外線硬化樹脂被覆18)を切断する2つの除去刃31を用いる。除去刃31の材料には金属或いはセラミックスが適用される。除去刃31にはセラミックヒータ32が埋め込まれ、セラミックヒータ32は、電源33から電気配線34を介して給電され、除去刃31を加熱する。
【0045】
加熱された除去刃31を光ファイバコード10の被覆18,14に押し込む。本実施の形態では、2つの除去刃31を互いに向かい合わせ、光ファイバコード10の側面を上下両側から押し込む(図中、矢印)。加熱した除去刃31を光ファイバコード14の被覆18,14に押し込むと、除去刃31に接触した部位から被覆18,14に伝熱して超高分子量ポリエチレン繊維の配向が解け、繊維強化層14が局所的に軟化する。
【0046】
繊維強化層14を構成する超高分子量ポリエチレン繊維は、一般のポリエチレン繊維より融点(転移温度)が高く、150℃以上で分子の配向が解除される(各分子の配向方向がばらつく)。そこで、温度伝達の時間遅れや作業性の観点から被覆除去時には除去刃を160℃以上に加熱するのが好ましい。
【0047】
被覆18,14に除去刃31を押し込んだ後、除去刃31を光ファイバコード10の端部方向(図中、右方向)に動かす(スライドさせる)と被覆18,14を一体の状態で光ファイバ素線11からはぎ取ることができる。除去刃31を動かす代わりに、光ファイバコード10を、図中左方向に動かしてもよい。
【0048】
次に本実施の形態の作用効果について説明する。
【0049】
従来、超高分子量ポリエチレン繊維は、温度が150℃を超えると変形が始まるため、通常200℃前後で行う熱可塑性樹脂での被覆加工(押出加工)に耐えることができない。したがって、超高分子量ポリエチレン繊維の、アラミド繊維に対する優位性はないものとされ、これまで光ファイバコードに実際に適用することは困難であった。
【0050】
そこで、本発明者らは、この弱点を逆に利用し、被覆除去時に繊維強化層14に熱を加えることで、超高分子量ポリエチレン繊維の物性を局所的に変化させれば、被覆除去を簡単に行うことができることを見出した。
【0051】
本実施の形態の光ファイバコード10によれば、繊維強化層14を160℃以上に加熱して切断するだけで、容易に繊維強化層14を除去することができる。
【0052】
光ファイバコード10は、タイト型構造の光ファイバコードであるため、細径でかつ引っ張り強度にも優れ、曲げや側圧が加わっても光損失が生じにくくすることができる。
【0053】
すなわち、光ファイバコード10は、引っ張り強度と被覆除去性を兼ね備えた細径のタイト構造型の光ファイバコードを実現する。
【0054】
したがって、光ファイバコードの配線において、配線スペースを軽減できると共に、配線作業を簡単にすることができる。本実施の形態の光ファイバコード10は、室内等の配線のほか、伝送機器や測定機器等の機器内光配線にも適用することができる。また、超高分子量ポリエチレン繊維は、酸素、炭素、水素からなる材料であるため、光ファイバコード(繊維強化層)を廃棄する際に燃焼させても、窒素化合物等の有害ガスが発生しないので、環境面でも有用である。
【0055】
紫外線ランプで紫外線硬化樹脂16を硬化させる際の樹脂温度は、熱線遮断フィルタを介して紫外線照射することにより100℃以下にできると共に、超高分子量ポリエチレン繊維が紫外線に強い特性を有することから、光ファイバコード10を製造する際に超高分子量ポリエチレン繊維が劣化することはない。
【0056】
また、光ファイバコードの使用環境温度は、通常60℃を超えることはないので、長期使用に際しての繊維劣化も問題ない。
【0057】
本実施の形態の光ファイバコード10の被覆除去方法によれば、除去刃31を介して被覆14を局所的に加熱することにより、超高分子量ポリエチレン繊維の配向が解け、被覆の弾性率が極端に低下するので、容易に光ファイバ素線11から被覆18,14をはぎ取ることができる。
【0058】
次に、本実施の形態の光ファイバコードの変形例について説明する。
【0059】
本実施の光ファイバコード10では、超高分子量ポリエチレン繊維を光ファイバ素線11にストレートに束ねて縦添えしているが、超高分子量ポリエチレン繊維を光ファイバ素線11の周りに螺旋状に巻いて繊維強化層を形成してもよい。超高分子量ポリエチレン繊維を螺旋状に配置した構造とすることで、繊維強化層の座屈を生じ難くすることができる。
【0060】
ただし、螺旋状に配置した構造では、光ファイバコードに張力が加えられた場合に、光ファイバが側圧を受けて細かく曲がることになる。また、光ファイバコードの製造時にも光ファイバに周期的な細かい曲がり(マイクロベンド)が生じ、光損失が大きくなることが懸念される。よって、光ファイバには、図2に説明したホーリー光ファイバ21を用いることが好ましい。
【0061】
図4に示される光ファイバケーブル(ドロップケーブル)40は、光ファイバコードを用いて構成されるものである。光ファイバケーブル40は、光ファイバコードが構成する心線部41と、心線部41を支持する支持線部42と、心線部41と支持線部42とを連結する首部43とからなる。
【0062】
支持線部42は、支持線(抗張力体)44とその外周を覆う支持線側シース45とで構成される。
【0063】
心線部41は、繊維強化層14の外側に略断面矩形状の心線側シース46が形成されてなる。心線側シース46、支持線側シース45及び首部43(ケーブル外被)は、樹脂押出成形により一括して形成される。そのため、樹脂押出成形時に超高分子量ポリエチレン繊維に影響を与えない程度に低い温度(概ね、150℃以下)で成形することが不可欠である。そのため、ケーブル外被は、ポリエチレン、ポリウレタン、或いはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で形成される。ケーブル外被を設けることで、光ファイバ素線11を機械的損傷から防護できると共に、紫外線硬化樹脂の劣化を防止することができる。
【0064】
光ファイバケーブル40は、光ファイバ素線11を収容する心線部41を支持線部42が支持し、主に架線用の光ファイバケーブルとして用いられる。特に、屋外配線に用いる場合には、紫外線劣化防止が必要なため、カーボンブラックを練り込んだポリエチレンで外被を形成するのが好ましい。
【0065】
次に、好適な第2の実施の形態について説明する。
【0066】
図5に示すように、本実施の形態の光ファイバコード50は、超高分子量ポリエチレン繊維52をほぼ軸対称(光ファイバ素線11の周りの略等間隔)に島状に縦添えして島状超高分子量ポリエチレン繊維層53を形成し、その外側から紫外線硬化樹脂54を含浸させて硬化させて略同心円状の繊維強化層51を形成した点において、前実施の形態の光ファイバコード10と異なる。
【0067】
本実施の形態の光ファイバコード50は、上述したように、アラミド繊維よりも弾性率及び破断伸びが大きい超高分子量ポリエチレン繊維を用いて繊維強化層51を形成しているで、超高分子量ポリエチレン繊維を島状に配置しても問題なく、アラミド繊維より少ない量で繊維強化層51を構成することができる。
【0068】
本実施の形態の光ファイバコード50は、図1の光ファイバと同様な作用効果を有する。さらに、光ファイバコード50は、超高分子量ポリエチレン繊維52を島状に縦添えして、繊維強化層51を形成しているので、繊維強化層51のうち、島状超高分子量ポリエチレン繊維53以外の部分(紫外線硬化樹脂54のみの部分)を手で裂くことができる。したがって、繊維強化層51の除去をさらに簡単に行うことができる。
【0069】
次に、好適な第3の実施の形態について説明する。
【0070】
第1の実施の形態の光ファイバコード10では、光ファイバ素線11の外周に、超高分子量ポリエチレンの原糸をストレートに束ねて、或いは螺旋状に巻いて超高分子量ポリエチレン繊維層15を形成したのに対し、本実施の形態の光ファイバコードでは、超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を形成して光ファイバ素線の周囲に縦添えした点において異なる。
【0071】
図6に示すように、本実施の形態の光ファイバコード60は、光ファイバ素線11の周りに6本の超高分子量ポリエチレン編み糸繊維(以下、編み糸繊維)61をそれぞれ同心円上に略等間隔に配置して外側から紫外線硬化樹脂63を含浸させて断面外形が光ファイバ素線と同心円状となるように繊維強化層64を形成したものである。
【0072】
編み糸繊維61は、複数本の超高分子量ポリエチレン原糸(フィラメント)62を1本に編み上げて形成される繊維である。
【0073】
編み糸繊維61は、超高分子量ポリエチレン原糸62が互いに密着して形成されるので、ストレートに超高分子量ポリエチレン原糸を束ねた場合と比べて、繊維に紫外線硬化型樹脂が含浸しにくいが、編み糸繊維61表面の凹凸に紫外線硬化型樹脂63が入り込むため、編み糸繊維61と紫外線硬化型樹脂63とを一体にした繊維強化層64を形成することができる。
【0074】
本実施の形態の光ファイバコード60も第1の実施の形態の光ファイバコード10と同様の作用効果を有する。さらに、光ファイバコード60では、光ファイバ素線11の周囲にフィラメントを束ねて形成した場合に比べて、曲げた時の座屈が生じにくいといった利点がある。また、編み糸繊維61は、フィラメント62が編み上げられて形成されるので、毛羽立ちにくいといった利点もある。
【0075】
次に、好適な第4の実施の形態について説明する。
【0076】
図7に示されように、光ファイバコード65は、光ファイバ素線11に両側に編み糸繊維61を1本ずつ配置し、その外側から紫外線硬化樹脂66を含浸させて、断面形状が略長方形の繊維強化層67を形成したものである。
【0077】
編み糸繊維61の直径は、光ファイバ素線11の直径よりも大きい方が、光ファイバ素線11に掛かる側圧を低減できるため好ましい。
【0078】
また、本実施の形態の光ファイバコード65では、光ファイバ素線11が1本であるが、光ファイバコードが備える光ファイバ素線の本数は、2本以上の偶数本であってもよい。その際、偶数本の光ファイバ素線は、2本の編み糸繊維61,61繊維間で直線上に並ぶように配置される。
【0079】
図8に示される光ファイバコード68は、図7の光ファイバコードにおいて、繊維強化層67の外側に、コード外被69として熱可塑性樹脂被覆を施したものである。コード外被69を設けることで、光ファイバコード68を機械的損傷から防護できると共に、紫外線硬化型樹脂の劣化を防止することができる。
【0080】
図9に示される光ファイバケーブル(ドロップケーブル)70は、心線部71に図7の光ファイバコード65を用いて構成したものである。心線部71は、光ファイバコード65の外側に略断面矩形状の心線側シース72が形成されてなる。すなわち、光ファイバコード70は、図8の光ファイバコードに首部43を介して支持線部42を一体に設けたものである。
【0081】
光ファイバケーブル70は、図4の光ファイバケーブル40と同様に、主に架線用の光ファイバケーブルとして用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る光ファイバコードの好適な第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】ホーリーファイバを示す断面図である。
【図3】被覆除去方法を説明する図である。
【図4】図1の光ファイバコードの変形例を示す断面図である。
【図5】好適な第2の実施の形態の光ファイバコードを示す断面図である。
【図6】好適な第3の実施の形態の光ファイバコードを示す断面図である。
【図7】好適な第4の実施の形態の光ファイバコードを示す断面図である。
【図8】図6の光ファイバコードの変形例を示す断面図である。
【図9】図6の光ファイバコードの他の変形例を示す断面図である。
【図10】従来のルース型構造の光ファイバコードを示す断面図である。
【図11】従来のタイト型構造の光ファイバコードを示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
10 光ファイバコード
11 光ファイバ素線
12 光ファイバ
13 素線被覆
14 繊維強化層
15 超高分子量ポリエチレン繊維層
16 紫外線硬化型樹脂
18 紫外線硬化型樹脂被覆
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維を縦添えして、または螺旋状に巻いて略同心円状の超高分子量ポリエチレン繊維層を形成し、その外側から紫外線硬化型樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成したことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項2】
光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維をほぼ軸対称に島状に縦添えして島状超高分子量ポリエチレン層を形成し、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて略同心円状の繊維強化層を形成したことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項3】
光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン原糸を複数本編んで形成される超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を1本以上縦添えし、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成したことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項4】
1本または偶数本の光ファイバ素線の両側に、上記超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を縦添えした請求項3記載の光ファイバコード。
【請求項5】
上記光ファイバは、コアの周囲に3個以上の空孔を有するホーリーファイバである請求項1〜4いずれかに記載の光ファイバコード。
【請求項6】
上記光ファイバの直径が100μm以下である請求項1〜5いずれかに記載の光ファイバコード。
【請求項7】
上記繊維強化層の外側に紫外線硬化型樹脂を被覆した請求項1〜6いずれかに記載の光ファイバコード。
【請求項8】
上記紫外線硬化型樹脂の外側に、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルのうちいずれかの熱可塑性樹脂を被覆した請求項7に記載の光ファイバコード。
【請求項9】
請求項1〜8いずれかに記載の光ファイバコードの繊維強化層を除去する方法であって、
被覆除去用刃を160℃以上に加熱し、その加熱された被覆除去用刃を上記繊維強化層に食い込ませて繊維強化層を160℃以上に加熱して、繊維強化層を切断することにより光ファイバコードから繊維強化層を除去することを特徴とする被覆除去方法。
【請求項1】
光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維を縦添えして、または螺旋状に巻いて略同心円状の超高分子量ポリエチレン繊維層を形成し、その外側から紫外線硬化型樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成したことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項2】
光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン繊維をほぼ軸対称に島状に縦添えして島状超高分子量ポリエチレン層を形成し、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて略同心円状の繊維強化層を形成したことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項3】
光ファイバの外側に素線被覆を施してなる光ファイバ素線の周囲に、超高分子量ポリエチレン原糸を複数本編んで形成される超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を1本以上縦添えし、その外側から紫外線硬化樹脂を含浸させて硬化させて繊維強化層を形成したことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項4】
1本または偶数本の光ファイバ素線の両側に、上記超高分子量ポリエチレン編み糸繊維を縦添えした請求項3記載の光ファイバコード。
【請求項5】
上記光ファイバは、コアの周囲に3個以上の空孔を有するホーリーファイバである請求項1〜4いずれかに記載の光ファイバコード。
【請求項6】
上記光ファイバの直径が100μm以下である請求項1〜5いずれかに記載の光ファイバコード。
【請求項7】
上記繊維強化層の外側に紫外線硬化型樹脂を被覆した請求項1〜6いずれかに記載の光ファイバコード。
【請求項8】
上記紫外線硬化型樹脂の外側に、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルのうちいずれかの熱可塑性樹脂を被覆した請求項7に記載の光ファイバコード。
【請求項9】
請求項1〜8いずれかに記載の光ファイバコードの繊維強化層を除去する方法であって、
被覆除去用刃を160℃以上に加熱し、その加熱された被覆除去用刃を上記繊維強化層に食い込ませて繊維強化層を160℃以上に加熱して、繊維強化層を切断することにより光ファイバコードから繊維強化層を除去することを特徴とする被覆除去方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−15338(P2008−15338A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188105(P2006−188105)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]