説明

光ファイバ・ガラスチューブ融着構造及びそれを備えた光ファイバアセンブリ、並びに、それに用いるガラスチューブ

【課題】光ファイバにガラスチューブを融着して一体化させる場合に、構造的に大きな変化が生じて光の出射特性に影響が及ぶのを防ぐ。
【解決手段】光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100は、ガラス製の光ファイバ111と、光ファイバ111が挿通されたガラスチューブ120と、を備え、光ファイバ111の外周部とガラスチューブ120の内周部とが少なくとも一部分で融着している。光ファイバ111及びガラスチューブ120は、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも融点が低い材料で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ・ガラスチューブ融着構造及びそれを備えた光ファイバアセンブリ、並びに、それに用いるガラスチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野や機械加工分野において、光ファイバをレーザー光などの光の伝送に用いる手術や機械加工が広く行われている。そして、そのような光ファイバでは、光出射端部に一端が封止されたガラスチューブが被せられる場合がある(例えば、特許文献1〜3)。
【特許文献1】米国特許公報第5428699号公報
【特許文献2】特開昭60−108804号公報
【特許文献3】特開平10−155806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、光ファイバにガラスチューブを融着して一体化させる場合、構造的に大きな変化を生じ、その結果、光の出射特性に影響が及ぶという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造は、ガラス製の光ファイバと、該光ファイバが挿通されたガラスチューブと、を備え、該光ファイバの外周部と該ガラスチューブの内周部とが少なくとも一部分で融着したものであって、
上記光ファイバ及び上記ガラスチューブは、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも融点が低い材料又は所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、光ファイバ及びガラスチューブのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも融点が低い材料又は所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されているので、その融点が低い材料又は所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成された方の融着部分のみを溶融させて融着させれば、光ファイバ及びガラスチューブの双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、光ファイバの伝送特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0007】
(実施形態1)
図1及び2は、実施形態1に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を示す。これは、レーザー光等の光の伝送に用いられる光ファイバアセンブリの出射端側端部構造である。
【0008】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100は、光ファイバ心線110とその一端に設けられたガラスチューブ120とを備えている。
【0009】
光ファイバ心線110は、光ファイバ111とその外周面を覆うように設けられた緩衝層112とさらにその上を被覆するナイロン樹脂等の被覆層113とを有する。光ファイバ心線110は、例えば、被覆層113外径である心線径が250〜3000μmに形成されている。
【0010】
光ファイバ111は、ガラス製であって、ファイバ中心のコア111aとそれを覆うクラッド111bとを有する。光ファイバ111は、例えば、コア径が10〜2400μm、クラッド径が25〜2500μmに形成されている。
【0011】
緩衝層112は、例えば、紫外線硬化型樹脂等により外径が200〜2700μmに形成されている。
【0012】
光ファイバ心線110は、出射端側において、緩衝層112及び被覆層113が剥がされて、光ファイバ111の先端部が突出した形態となっている。光ファイバ111の先端部の突出長さは、例えば100mm以下である。また、突出した光ファイバ111の先端部の端面はファイバ軸に対して傾斜した平坦面に形成されている。この傾斜角度θは、例えば、0〜45°であり、特に38±1°が好ましい。
【0013】
ガラスチューブ120は、ガラス製であって、一端が開口して他端が封止されたキャップ状に形成されている。ガラスチューブ120は、例えば、長さが5〜100mm、外径が30〜5000μm、及び内径が25〜2500μmに形成されている。そして、ガラスチューブ120は、開口した一端から突出した光ファイバ111の先端部が挿通され、その光ファイバ111の先端部を覆うように設けられ、端面が緩衝層112及び被覆層113の端面に、また、開口部が光ファイバ111の先端部の基端にそれぞれ接着剤130を介して接着されている。この接着剤130としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂等のものが挙げられる。
【0014】
光ファイバ111とガラスチューブ120とは、それらの接着部よりも先端側において、光ファイバ111の外周部とガラスチューブ120の内周部とが全周に渡って融着した融着部140が形成されている。
【0015】
光ファイバ111及びガラスチューブ120は、いずれもガラス製である。そして、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、内側層121と外側層122とを有する二層構造に構成されており、内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも融点が低い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、Ge等が20mol%以下ドープされて高屈折率化した石英でコア111aが形成され且つ純粋石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低融点化した石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111は、コア111aの屈折率が1.45〜1.46で、クラッド111bの屈折率が1.44〜1.47及び融点が1400℃以上である。また、ガラスチューブ120は、内側層121の融点が900℃以上で、外側層122の融点が1400℃以上である。
【0016】
以上のような構成の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、レーザーなどの光源からの光は、光ファイバ111のコア111aに閉じ込められて伝送され、出射端側の光ファイバ111の傾斜した端面で反射してクラッド111b及び集光レンズとして機能するガラスチューブ120を介して、ガラスチューブ120の側面から出射されることとなる。このとき、仮にレーザー光が乱反射等して、それに起因して光ファイバ心線110とガラスチューブ120との間の接着剤130から遊離する物質が発生したとしても、光ファイバ111とガラスチューブ120とが接着部よりも先端側において全周に渡って融着しているので、その物質が光ファイバ111の先端部とガラスチューブ120との間の領域に侵入して光の伝送に影響を及ぼすこともない。
【0017】
次に、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100の出射端側端部構造の形成加工方法について図3(a)−3(e)に基づいて説明する。
【0018】
まず、図3(a)に示すように、光ファイバ心線110の出射端側において、所定長さだけ緩衝層112及び被覆層113を剥がし、光ファイバ111の先端部を突出状態に露出させる。
【0019】
次いで、図3(b)に示すように、光ファイバ111の端面をファイバ軸に対して傾斜した平坦面に形成する。
【0020】
次いで、図3(c)に示すように、光ファイバ111の先端部をガラスチューブ120の一端から挿入し、ガラスチューブ120の端面と緩衝層112及び被覆層113の端面との間、並びに、ガラスチューブ120の開口部と光ファイバ111の先端部の基端との間を接着剤130で接着する。
【0021】
続いて、図3(d)に示すように、それらの接着部よりも先端側において、外側からレーザー(COレーザー等)、ガストーチ、放電、電熱ヒータ等により全周を加熱することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを全周に渡って融着させて融着部140を形成する。このとき、加熱温度を、ガラスチューブ120の内側層121の融点以上で且つ外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bの融点未満の温度とする。これにより、ガラスチューブ120の内側層121のみが溶融して未溶融の光ファイバ111に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、レーザー光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0022】
そして、図3(e)に示すように、ガラスチューブ120の他端の開口をレーザー(特にCOレーザー)、ガストーチ、放電、電熱ヒータ等により加熱して封止してキャップ状に加工する。
【0023】
実施形態1では、光ファイバ111がコア111a及びクラッド111bを有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも融点が低い材料で形成されている構成としたが、この変形例として、図4及び5に示すように、光ファイバ111がクラッド111bを被覆するサポート層111cをさらに有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のサポート層111cよりも融点が低い材料で形成されている構成であってもよい。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低屈折率化した石英でクラッド111bが形成され、且つさらに純粋石英でサポート層111cが形成され、ガラスチューブ120が、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低融点化した石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111は、コア111aの屈折率が1.45〜1.46で、クラッド111bの屈折率が1.44〜1.47、サポート層111cの屈折率が1.45〜1.46及び融点が1400℃以上である。また、ガラスチューブ120は、内側層121の融点が900℃以上で、外側層122の融点が1400℃以上である。なお、光ファイバ111は、例えば、コア径が10〜2400μm、クラッド径が25〜2500μm、サポート層が30〜2600μmである。
【0024】
このように光ファイバ111がクラッド層111bの外側にサポート層111cを有していると、光ファイバ111の構造の崩れを抑制することができる。
【0025】
(実施形態2)
実施形態2に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100は外観構成が実施形態1と同一であるので、図1及び2を用いて説明する。
【0026】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、内側層121と外側層122とを有する二層構造に構成されており、内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、Ge等が20mol%以下ドープされて高屈折率化した石英でコア111aが形成され且つ純粋石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が、鉛ガラス或いはOH値が700ppm以上である高レーザー吸収性能の石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、ガラスチューブ120の内側層121は、波長9.2〜10.8μmのレーザー光の吸収性能が高く、一方、外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bは、そのレーザー光の吸収性能が非常に低い。
【0027】
そして、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を形成加工するときには、光ファイバ111とガラスチューブ120との接着部よりも先端側において、外側から所定波長のレーザー光を照射することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを全周に渡って融着させて融着部140を形成する。このとき、レーザー光の波長を、内側層121が高い吸収性能を示し且つ外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bが非常に低い吸収性能を示すものとする。これにより、レーザー吸収性能が高い材料で形成されたガラスチューブ120の内側層121のみが溶融して未溶融の光ファイバ111に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、レーザー光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0028】
実施形態2では、光ファイバ111がコア111a及びクラッド111bを有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている構成としたが、この変形例として、図4及び5に示すように、光ファイバ111がクラッド111bを被覆するサポート層111cをさらに有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のサポート層111cよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている構成であってもよい。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低屈折率化した石英でクラッド111bが形成され、且つさらに純粋石英でサポート層111cが形成され、ガラスチューブ120が、鉛ガラス或いはOH値が700ppm以上である高レーザー吸収性能の石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、ガラスチューブ120の内側層121は、波長9.2〜10.8μmのレーザー光の吸収性能が高く、一方、外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bは、そのレーザー光の吸収性能が非常に低い。なお、光ファイバ111は、例えば、コア径が10〜2400μm、クラッド径が25〜2500μm、サポート層が30〜2600μmである。
【0029】
このように光ファイバ111がクラッド層111bの外側にサポート層111cを有していると、光ファイバ111の構造の崩れを抑制することができる。
【0030】
その他の構成、動作及び形成加工方法、並びに作用効果は実施形態1と同一である。
【0031】
(実施形態3)
図6及び7は、実施形態3に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は同一符号で示す。これも、レーザー光等の光の伝送に用いられる光ファイバアセンブリの出射端側端部構造である。
【0032】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、単一層構造に構成されており、光ファイバ111のクラッド111bよりも融点が高い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され且つフッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低屈折率化及び低融点化した石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が純粋石英で形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111は、コア111aの屈折率が1.45〜1.46で、クラッド111bの屈折率が1.44〜1.47及び融点が900℃以上である。また、ガラスチューブ120は、融点が1400℃以上である。
【0033】
そして、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を形成加工するときには、光ファイバ111とガラスチューブ120との接着部よりも先端側において、外側からレーザー(COレーザー等)、ガストーチ、放電、電熱ヒータ等により全周を加熱することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを全周に渡って融着させて融着部140を形成する。このとき、加熱温度を、光ファイバ111のクラッド111bの融点以上で且つガラスチューブ120の融点未満の温度とする。これにより、光ファイバ111のクラッド111bのみが溶融して未溶融のガラスチューブ120に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0034】
その他の構成、動作及び形成加工方法、並びに作用効果は実施形態1と同一である。
【0035】
(実施形態4)
実施形態4に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100は外観構成が実施形態3と同一であるので、図6及び7を用いて説明する。
【0036】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、単一層構造に構成されており、光ファイバ111のクラッド111bよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が低い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され且つ鉛ガラス或いはOH値が700ppm以上である高レーザー吸収性能の石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が、純粋石英で形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111のクラッド111bは、波長9.2〜10.8μmのレーザー光の吸収性能が高く、一方、ガラスチューブ120は、そのレーザー光の吸収性能が非常に低い。
【0037】
そして、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を形成加工するときには、光ファイバ111とガラスチューブ120との接着部よりも先端側において、外側から所定波長のレーザー光を照射することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを全周に渡って融着させて融着部140を形成する。このとき、レーザー光の波長を、光ファイバ111のクラッド111bが高い吸収性能を示し且つガラスチューブ120が非常に低い吸収性能を示すものとする。これにより、レーザー吸収性能が高い材料で形成された光ファイバ111のクラッド111bのみが溶融して未溶融のガラスチューブ120に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、レーザー光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0038】
その他の構成、動作及び形成加工方法、並びに作用効果は実施形態3と同一である。
【0039】
(実施形態5)
図8及び9は、実施形態5に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は同一符号で示す。これも、レーザー光等の光の伝送に用いられる光ファイバアセンブリの出射端側端部構造である。
【0040】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、実施形態1〜4のような全周に渡る融着部140は無く、光ファイバ111の先端の外周部及びガラスチューブ120の内周部の光通過部分を含むように融着した融着部150が形成されている。
【0041】
光ファイバ111及びガラスチューブ120は、いずれもガラス製である。そして、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、内側層121と外側層122とを有する二層構造に構成されており、内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも融点が低い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、Ge等が20mol%以下ドープされて高屈折率化した石英でコア111aが形成され且つ純粋石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低融点化した石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111は、コア111aの屈折率が1.45〜1.46で、クラッド111bの屈折率が1.44〜1.47及び融点が1400℃以上である。また、ガラスチューブ120は、内側層121の融点が900℃以上で、外側層122の融点が1400℃以上である。
【0042】
以上のような構成の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、光ファイバ111の先端の外周部及びガラスチューブ120の内周部の光通過部分を含むように融着部150で融着しているので、それらの間に不純物が介在し、それがレーザー光の伝送に影響を及ぼすということがない。
【0043】
そして、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を形成加工するときには、図10に示すように、光ファイバ111の先端の外周部及びガラスチューブ120の内周部の光通過部分を含む部分において、外側からレーザー(COレーザー等)、ガストーチ、放電、電熱ヒータ等により加熱することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを融着させて融着部150を形成する。このとき、加熱温度を、ガラスチューブ120の内側層121の融点以上で且つ外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bの融点未満の温度とする。これにより、ガラスチューブ120の内側層121のみが溶融して未溶融の光ファイバ111に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0044】
実施形態5では、光ファイバ111がコア111a及びクラッド111bを有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも融点が低い材料で形成されている構成としたが、この変形例として、図11及び12に示すように、光ファイバ111がクラッド111bを被覆するサポート層111cをさらに有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のサポート層111cよりも融点が低い材料で形成されている構成であってもよい。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低屈折率化した石英でクラッド111bが形成され、且つさらに純粋石英でサポート層111cが形成され、ガラスチューブ120が、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低融点化した石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111は、コア111aの屈折率が1.45〜1.46で、クラッド111bの屈折率が1.44〜1.47、サポート層111cの屈折率が1.45〜1.46及び融点が1400℃以上である。また、ガラスチューブ120は、内側層121の融点が900℃以上で、外側層122の融点が1400℃以上である。なお、光ファイバ111は、例えば、コア径が10〜2400μm、クラッド径が25〜2500μm、サポート層が30〜2600μmである。
【0045】
このように光ファイバ111がクラッド層111bの外側にサポート層111cを有していると、光ファイバ111の構造の崩れを抑制することができる。
【0046】
その他の構成、動作及び形成加工方法、並びに作用効果は実施形態1と同一である。
【0047】
(実施形態6)
実施形態6に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100は外観構成が実施形態5と同一であるので、図8及び9を用いて説明する。
【0048】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、内側層121と外側層122とを有する二層構造に構成されており、内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、Ge等が20mol%以下ドープされて高屈折率化した石英でコア111aが形成され且つ純粋石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が、鉛ガラス或いはOH値が700ppm以上である高レーザー吸収性能の石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、ガラスチューブ120の内側層121は、波長9.2〜10.8μmのレーザー光の吸収性能が高く、一方、外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bは、そのレーザー光の吸収性能が非常に低い。
【0049】
そして、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を形成加工するときには、光ファイバ111の先端の外周部及びガラスチューブ120の内周部の光通過部分を含む部分において、外側から所定波長のレーザー光を照射することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを融着させて融着部150を形成する。このとき、レーザー光の波長を、内側層121が高い吸収性能を示し且つ外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bが非常に低い吸収性能を示すものとする。これにより、レーザー吸収性能が高い材料で形成されたガラスチューブ120の内側層121のみが溶融して未溶融の光ファイバ111に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0050】
実施形態6では、光ファイバ111がコア111a及びクラッド111bを有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている構成としたが、この変形例として、図11及び12に示すように、光ファイバ111がクラッド111bを被覆するサポート層111cをさらに有し、ガラスチューブ120の内側層121が外側層122及び光ファイバ111のサポート層111cよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている構成であってもよい。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され、フッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低屈折率化した石英でクラッド111bが形成され、且つさらに純粋石英でサポート層111cが形成され、ガラスチューブ120が、鉛ガラス或いはOH値が700ppm以上である高レーザー吸収性能の石英で内側層121が形成され且つ純粋石英で外側層122が形成された構成が挙げられる。この場合、ガラスチューブ120の内側層121は、波長9.2〜10.8μmのレーザー光の吸収性能が高く、一方、外側層122及び光ファイバ111のクラッド111bは、そのレーザー光の吸収性能が非常に低い。なお、光ファイバ111は、例えば、コア径が10〜2400μm、クラッド径が25〜2500μm、サポート層が30〜2600μmである。
【0051】
このように光ファイバ111がクラッド層111bの外側にサポート層111cを有していると、光ファイバ111の構造の崩れを抑制することができる。
【0052】
その他の構成、動作及び形成加工方法、並びに作用効果は実施形態5と同一である。
【0053】
(実施形態7)
図13及び14は、実施形態7に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は同一符号で示す。これも、レーザー光等の光の伝送に用いられる光ファイバアセンブリの出射端側端部構造である。
【0054】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、単一層構造に構成されており、光ファイバ111のクラッド111bよりも融点が高い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され且つフッ素やBF等が20mol%以下ドープされて低屈折率化及び低融点化した石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が純粋石英で形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111は、コア111aの屈折率が1.45〜1.46で、クラッド111bの屈折率が1.44〜1.47及び融点が900℃以上である。また、ガラスチューブ120は、融点が1400℃以上である。
【0055】
そして、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を形成加工するときには、光ファイバ111の先端の外周部及びガラスチューブ120の内周部の光通過部分を含む部分において、外側からレーザー(COレーザー等)、ガストーチ、放電、電熱ヒータ等により加熱することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを融着させて融着部150を形成する。このとき、加熱温度を、光ファイバ111のクラッド111bの融点以上で且つガラスチューブ120の融点未満の温度とする。これにより、光ファイバ111のクラッド111bのみが溶融して未溶融のガラスチューブ120に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0056】
その他の構成、動作及び形成加工方法、並びに作用効果は実施形態5と同一である。
【0057】
(実施形態8)
実施形態8に係る光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100は外観構成が実施形態7と同一であるので、図13及び14を用いて説明する。
【0058】
この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100では、光ファイバ111は、コア111aがクラッド111bよりも屈折率が高い材料で形成されている。また、ガラスチューブ120は、単一層構造に構成されており、光ファイバ111のクラッド111bよりも所定波長のレーザー光の吸収性能が低い材料で形成されている。かかる構成としては、例えば、光ファイバ111が、純粋石英でコア111aが形成され且つ鉛ガラス或いはOH値が700ppm以上である高レーザー吸収性能の石英でクラッド111bが形成され、ガラスチューブ120が、純粋石英で形成された構成が挙げられる。この場合、光ファイバ111のクラッド111bは、波長9.2〜10.8μmのレーザー光の吸収性能が高く、一方、ガラスチューブ120は、そのレーザー光の吸収性能が非常に低い。
【0059】
そして、この光ファイバ・ガラスチューブ融着構造100を形成加工するときには、光ファイバ111の先端の外周部及びガラスチューブ120の内周部の光通過部分を含む部分において、外側から所定波長のレーザー光を照射することにより、光ファイバ111とガラスチューブ120とを融着させて融着部150を形成する。このとき、レーザー光の波長を、光ファイバ111のクラッド111bが高い吸収性能を示し且つガラスチューブ120が非常に低い吸収性能を示すものとする。これにより、レーザー吸収性能が高い材料で形成された光ファイバ111のクラッド111bのみが溶融して未溶融のガラスチューブ120に融着することとなるので、光ファイバ111及びガラスチューブ120の双方が溶融して大きな構造変化を生じることがなく、光の出射特性に影響が及ぶのを回避することができる。
【0060】
その他の構成、動作及び形成加工方法、並びに作用効果は実施形態7と同一である。
【0061】
(その他の実施形態)
上記実施形態1〜8では、ガラスチューブ120の内側層121又は光ファイバ111のクラッド111bの全体が低融点である或いは高レーザー吸収性能である構成としたが、特にこれらに限定されるものではなく、少なくとも融着部分がそれらの材料で形成されたものであればよい。
【0062】
上記実施形態1〜8では、筒状のガラスチューブ120を光ファイバ111に融着した後に他端を封止したが、特にこれに限定されるものではなく、予め他端を封止してキャップ状に形成したガラスチューブ120を光ファイバ111に融着するようにしてもよい。
【0063】
上記実施形態1〜8では、緩衝層112及び被覆層113を同一長さだけ剥がした構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、図15に示すように、緩衝層112を被覆層113の端面から僅かに突出させ、その部分もガラスチューブ120に挿入した構成であってもよい。
【0064】
上記実施形態1〜4では全周融着のみした構成、及び、実施形態5〜8では光通過部分を含む部分を融着のみした構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、図16(a)に示すように、実施形態1及び5を組み合わせた構成、或いは、実施形態3及び7を組み合わせた構成、図16(b)に示すように、実施形態2及び6を組み合わせた構成、或いは、実施形態4及び8を組み合わせた構成としたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、光ファイバ・ガラスチューブ融着構造及びそれを備えた光ファイバアセンブリ、並びに、それに用いるガラスチューブについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施形態1の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の縦断面図である。
【図2】図1のII-II断面図である。
【図3】(a)〜(e)は実施形態1の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の形成加工方法を示す図である。
【図4】実施形態1及び2の変形例の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の縦断面図である。
【図5】図4のV-V断面図である。
【図6】実施形態3の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の縦断面図である。
【図7】図6のVII-VII断面図である。
【図8】実施形態5の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の縦断面図である。
【図9】図8のIX-IX断面図である。
【図10】実施形態5の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の形成加工方法を示す図である。
【図11】実施形態5及び6の変形例の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の縦断面図である。
【図12】図11のXII-XII断面図である。
【図13】実施形態7の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の縦断面図である。
【図14】図13のXIV-XIV断面図である。
【図15】その他の実施形態の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の一部分を示す図である。
【図16】(a)及び(b)は、別のその他の実施形態の光ファイバ・ガラスチューブ融着構造の縦断面図である。
【符号の説明】
【0067】
100 光ファイバ・ガラスチューブ融着構造
111 光ファイバ
120 ガラスチューブ
121 内側層
122 外側層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製の光ファイバと、該光ファイバが挿通されたガラスチューブと、を備え、該光ファイバの外周部と該ガラスチューブの内周部とが少なくとも一部分で融着した光ファイバ・ガラスチューブ融着構造であって、
上記光ファイバ及び上記ガラスチューブは、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも融点が低い材料で形成されている光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項2】
請求項1に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記ガラスチューブの融着部分が上記光ファイバの融着部分よりも融点が低い材料で形成されている光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項3】
請求項1に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記光ファイバは、その先端部が上記ガラスチューブの一端から挿通されていると共に、該ガラスチューブに接着剤で接着されており、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、それらの接着部よりも先端側において、該光ファイバと該ガラスチューブとが全周に渡って融着している光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項4】
請求項1に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記光ファイバは、その先端部が上記ガラスチューブの一端から挿通されていると共に、該ガラスチューブの側面から光を出射するように端面加工が施されており、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、該光ファイバの外周部及び該ガラスチューブの内周部の光通過部分を含むように融着している光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項5】
請求項1に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記光ファイバは、コアと、該コアを被覆するクラッドと、該クラッドを被覆するサポート層と、を有する光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記ガラスチューブの他端が封止されている光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項7】
ガラス製の光ファイバと、該光ファイバの先端部が一端から挿通され且つ他端が封止されたガラスチューブと、を備え、該光ファイバが該ガラスチューブに接着剤で接着された光ファイバアセンブリであって、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、それらの接着部よりも先端側において、該光ファイバと該ガラスチューブとが全周に渡って融着しており、且つ、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも融点が低い材料で形成されている光ファイバアセンブリ。
【請求項8】
ガラス製の光ファイバと、該光ファイバの先端部が一端から挿通された且つ他端が封止されたガラスチューブと、を備え、該光ファイバに該ガラスチューブの側面から光を出射するように端面加工が施された光ファイバアセンブリであって、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、該光ファイバの外周部及び該ガラスチューブの内周部の光通過部分を含むように融着しており、且つ、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも融点が低い材料で形成されている光ファイバアセンブリ。
【請求項9】
ガラス製の光ファイバが挿通されて該光ファイバの外周部の少なくとも一部分が内周部に融着されるガラスチューブであって、
融着予定部分が上記光ファイバの融着予定部分よりも融点が低い材料で形成されているガラスチューブ。
【請求項10】
請求項9に記載されたガラスチューブにおいて、
上記光ファイバの融着予定部分よりも融点が低い材料で形成された内側層と、該内側層の外側に設けられた該内側層よりも融点が高い材料で形成された外側層と、の二層構造を有するガラスチューブ。
【請求項11】
ガラス製の光ファイバと、該光ファイバが挿通されたガラスチューブと、を備え、該光ファイバの外周部と該ガラスチューブの内周部とが少なくとも一部分で融着した光ファイバ・ガラスチューブ融着構造であって、
上記光ファイバ及び上記ガラスチューブは、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項12】
請求項11に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記ガラスチューブの融着部分が上記光ファイバの融着部分よりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項13】
請求項11に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記光ファイバは、その先端部が上記ガラスチューブの一端から挿通されていると共に、該ガラスチューブに接着剤で接着されており、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、それらの接着部よりも先端側において、該光ファイバと該ガラスチューブとが全周に渡って融着している光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項14】
請求項11に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記光ファイバは、その先端部が上記ガラスチューブの一端から挿通されていると共に、該ガラスチューブの側面から光を出射するように端面加工が施されており、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、該光ファイバの外周部及び該ガラスチューブの内周部の光通過部分を含むように融着している光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項15】
請求項11に記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記光ファイバは、コアと、該コアを被覆するクラッドと、該クラッドを被覆するサポート層と、を有する光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項16】
請求項13乃至15のいずれかに記載された光ファイバ・ガラスチューブ融着構造において、
上記ガラスチューブの他端が封止されている光ファイバ・ガラスチューブ融着構造。
【請求項17】
ガラス製の光ファイバと、該光ファイバの先端部が一端から挿通され且つ他端が封止されたガラスチューブと、を備え、該光ファイバが該ガラスチューブに接着剤で接着された光ファイバアセンブリであって、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、それらの接着部よりも先端側において、該光ファイバと該ガラスチューブとが全周に渡って融着しており、且つ、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている光ファイバアセンブリ。
【請求項18】
ガラス製の光ファイバと、該光ファイバの先端部が一端から挿通された且つ他端が封止されたガラスチューブと、を備え、該光ファイバに該ガラスチューブの側面から光を出射するように端面加工が施された光ファイバアセンブリであって、
上記光ファイバと上記ガラスチューブとは、該光ファイバの外周部及び該ガラスチューブの内周部の光通過部分を含むように融着しており、且つ、それらのうち一方の融着部分が他方の融着部分よりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されている光ファイバアセンブリ。
【請求項19】
ガラス製の光ファイバが挿通されて該光ファイバの外周部の少なくとも一部分が内周部に融着されるガラスチューブであって、
融着予定部分が上記光ファイバの融着予定部分よりも所定波長のレーザー光の吸収性能が高い材料で形成されているガラスチューブ。
【請求項20】
請求項19に記載されたガラスチューブにおいて、
上記光ファイバの融着予定部分よりも融点が低い材料で形成された内側層と、該内側層の外側に設けられた該内側層よりも融点が高い材料で形成された外側層と、の二層構造を有するガラスチューブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2008−257156(P2008−257156A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169243(P2007−169243)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】