説明

光ファイバ検出システム

【課題】相対的に小型のより優れた流体又は気体の流れの流速、圧力、温度、質量流量等のパラメータを測定する検出装置を得る。
【解決手段】光ファイバ検出システム10は、流路12に配置されるハウジング14と、光ファイバセンサ16とからなり、この光ファイバセンサ16は、ハウジング14内において固定される光ファイバ28と、ブラッグ格子36と、光を光ファイバに送る光源38と、光ファイバ28のブラッグ格子36によりろ過される光を検出するとともに検出される光の波長変化を監視する検出器39とからなる。光ファイバ28は、実質的に流路12に対して垂直をなし、流路12を通る流れが、光ファイバ28に圧力を加えるとともにブラッグ格子36の変形を引き起こすことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に検出技術に関し、特に光ファイバ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体又は気体の流れの流速、圧力、温度、質量流量等のパラメータを測定する様々な検出装置が知られている。しかし、冷却流又はシールを介した漏洩流等の接近困難な通路を介した流れを測定する場合、従来の検出装置は実施するのが面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,712,084号
【特許文献2】米国特許第6,813,962号
【特許文献3】米国特許第6,740,866号
【特許文献4】米国特許第6,923,048号
【特許文献5】米国特許第7,149,374号
【特許文献6】米国特許第7,207,214号
【特許文献7】米国特許第6,981,406号
【特許文献8】米国特許第7,322,247号
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0031326A1号
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0170909A1号
【特許文献11】米国特許出願公開第2003/0206677A1号
【特許文献12】欧州特許第1012553B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相対的に小型のより優れた検出装置を得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示の実施形態によれば、光ファイバ検出システムが得られる。この光ファイバ検出システムは、流路に配置されるハウジングと光ファイバセンサとからなる。光ファイバセンサは、ハウジング内に固定される光ファイバと、ブラッグ格子と、光ファイバに光を送る光源と、光ファイバのブラッグ格子によりろ過される光を検出するとともに検出される光の波長変化を監視する検出器とからなる。ファイバは、実質的に流路に対して垂直をなす。ハウジングは、上流側において開口を形成して、流路を通る流れが光ファイバに圧力を加えるとともにブラッグ格子の変形を引き起こすことを可能にする。
【0006】
本明細書に開示の他の実施形態によれば、光ファイバ検出システムが得られる。この光ファイバ検出システムは、流路に配置されるハウジングと光ファイバセンサとからなる。光ファイバセンサは、ハウジング内に固定される光ファイバからなる。光ファイバは、実質的に流路に対して垂直をなすとともに、流路内における差圧を測定する第1のブラッグ格子を含む第1の部分と、流路内における全圧を測定する第2のブラッグ格子を含む第2の部分と、流路内における温度を測定する第3のブラッグ格子を含む第3の部分とからなる。光ファイバセンサは、さらに、ファイバを介して光を送る光源と、光ファイバのブラッグ格子によりろ過される光を検出するとともに検出される光の波長変化を監視する検出器とを含む。
【0007】
本発明の上記及びその他の特徴と態様と利点とは、図面全体を通して同じ参照符号が同じ部分を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に従った、流れの差圧を測定する光ファイバ検出システムの断面図である。
【図2】光ファイバに加えられる圧力によるブラッグ格子の波長変化を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態に従った、流れの差圧と静圧とを測定する光ファイバ検出システムの断面図である。
【図4】図3の光ファイバ検出システムの空洞部内における光の反射と透過とを示す拡大図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に従った、流れの全圧と静圧とを測定する光ファイバ検出システムの断面図である。
【図6】本発明のさらにまた他の実施形態に従った、流れの流動方向と全圧とを測定する光ファイバ検出システムの断面図である。
【図7】図6の線7−7における光ファイバ検出システムの断面図である。
【図8】本発明のまた別の実施形態に従った、流れの全圧と差圧と温度とを測定する光ファイバ検出システムの側面図である。
【図9】図8の線9−9における断面図である。
【図10】それぞれ図8及び9の実施形態を通る流れの全圧と差圧と温度との変化による3個のブラッグ格子の波長変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、流体(液体又は気体)の流れのパラメータを測定する光ファイバ検出システムを開示するものである。これらの光ファイバ検出システムは、ブラッグ格子を有する各光ファイバセンサを含む。検出される光の波長の変化を監視することにより、流れの差圧、静圧、流速及び/又は温度を測定することができる。説明を簡単にするために、異なる実施形態にわたって共通する要素は同じ参照符号を共有する。
【0010】
図1に、流路12に配置されるハウジング14と光ファイバセンサ16とからなる光ファイバ検出システム10が図示されている。光ファイバセンサ16は、ハウジング14内に固定される光ファイバ28からなるとともに、該ファイバ上にブラッグ格子36を有する。ファイバ28は、実質的に流路に対して垂直をなし、ハウジング14は、上流側において開口を形成して、流路を通る流れがファイバ14に圧力を加えるとともにブラッグ格子36の変形を引き起こすことを可能にする。光ファイバセンサ16は、さらに、ファイバ28を介して光を送る光源38と、光ファイバのブラッグ格子によりろ過される光を検出するとともに検出される光の波長変化を監視する検出器39とを含む。
【0011】
図1は、さらに、流路12内における差圧を測定する例示的な光ファイバ検出システム10の図である。流路12を通る流体の流れは、一般に流動方向Dに向かい、従って、以下に用いられる場合、「下流」及び「上流」という用語は、いずれも流動方向Dに対して定義されている。図1の実施形態において、ハウジング14は、流動方向Dの上流チャネル20と流動方向Dに対して実質的に垂直をなす下流チャネル22とを有する実質的に直角なトンネル18を含む。上流及び下流チャネル20及び22は、それぞれハウジング14の前面の上流側開口24とハウジング14の底面の下流側開口26とを含む。図1の実施形態において、光ファイバセンサ16は、ハウジング14内において固定されかつ密封されてファイバ端部が流路12と接触しないようになっている上側及び下側端部を有する、流動方向Dに対して略垂直に配置される光ファイバ28を含む。ファイバ28は、コア部27とコア部27を取り巻く外側層29とを含み、ファイバ28の中間部分30は、上流チャネル20内において、下流チャネル22に隣接して配置される。
【0012】
これにより、流体は、上流側開口24からトンネル18内に流入するとともに、下流側開口26からトンネル18外に流出して、ファイバ28の中間部分30は、流体流の全圧Ptに関連ある一方の側部32と流体流の静圧Psを受けるもう一方の側部34とを有する。流れ12によりファイバ28に加えられる全圧Ptと静圧Psとは、下記のベルヌーイの方程式に従う。
Pt = Ps + Pd
ここで、「Pd」は、下式に従って流速の二乗に比例する動圧又は差圧である。
【0013】
【数1】

【0014】
ここで、ρは、kg/mの単位で表される流体密度であり、uは、m・s−1の単位で表される流速である。従って、ファイバ28の偏向は、差圧Pdに比例し、さらに流速uの指標となる。
【0015】
引き続き図1を参照すると、光ファイバセンサ16は、さらに、ファイバ28内のブラッグ格子36と、ファイバ28に光を放射する光源38と、ブラッグ格子36から反射される光を受ける検出器39とを含む。一実施形態において、ブラッグ格子36は、ファイバ28の中間部分30内の分布周期格子からなる一方で、他の実施形態では、ブラッグ格子36は、ファイバ28内において中間部分30より下又は上に配置される。光源38は、例えば一般に1400〜1500ナノメートルの波長範囲にわたって走査され得る同調可能レーザ、LED、レーザーダイオード又は何らかのその他の準単色光源からなり得る。
【0016】
ブラッグ格子36は、当該技術分野において周知の何らかの方法によりファイバ28上に形成され得、一例では、このような製作には、紫外光の干渉縞を用いて永久的な屈折率変調を創出する方法が含まれる。光源38からの光がファイバ28を通ってブラッグ格子36に送られると、光エネルギーは、下式により与えられる対応するブラッグ波長でブラッグ格子により反射される。
λB= 2neff Λ
ここで、「λB」は、ブラッグ波長を表し、「neff」は、屈折率であり、「Λ」は、格子の周期である。格子36の屈折率neffと周期Λとのいずれもが温度及び歪みの関数である。このため、ブラッグ格子36に加えられる差圧Pdは、36上において、反射光のブラッグ波長の変化を招く歪みを誘導する。
【0017】
図2に示されるように、実線の波形は、ファイバ28に垂直に加えられる圧力がない場合の原波形λであり、破線の波形は、差圧Pdによりもたらされるシフト後の波形λである。従って、ブラッグ波長のシフトΔλと差圧Pdとを相関させることにより、ブラッグ波長シフトΔλを監視することによって差圧Pdを得ることができる。光ファイバセンサは、相対的に小型であり、かつ歪みに対して鋭敏であるため、有用である。このため、光ファイバ検出システム10は、ガスタービン装置における冷却流又はシールを介した漏洩流等の接近困難な流動部分に用いられ得る。
【0018】
図3に、差圧Pdと静圧Psとの両方を測定する、本発明のまた他の実施形態に従った光ファイバ検出システム40が示されており、光ファイバセンサ42は、ハウジング14の下端部分かつファイバ28の下に固定される誘電体膜44を含むファブリー・ペロー光センサからなる。ファイバ28は、下側端部46を含む。膜44は、ファイバ28に面する内面47と、流路12に露出されるとともに静圧Psを受ける外面49とを含む。距離dを有する空洞部48は、ファイバ28の下側端部46と膜44の内面47との間に形成される。
【0019】
図4を参照すると、光源38(図3)からの光は、ファイバ28を透過するとともに、部分的に空洞部48内へと発せられる。ファイバ28の下側端部及び膜44は、それぞれ反射率n及びnを有し、一実施形態では、n=nである。空洞部48は、反射率n及びnとは異なる反射率nを有する。空洞部48内に発せられる光は、空洞部48内においてファイバ28の下側端部46と膜44との間で反射される反射光成分50と、ファイバ28の下側端部46を通って空洞部48の外に送られるとともに検出器39により受けられる透過光成分52とを含む。通常の反射条件であれば、透過光成分52は、空洞部48とさらに相互作用することはない。膜44の外面49は、測定対象の静圧Psにさらされる。静圧Psの増加は、膜44を空洞部48の方へと偏向させる。膜44の内面は、圧力上昇の結果として湾曲して、膜44の内面上において反射される光の反射角が変化するようになる。空洞部48内における光の強度に対する検出器39に到達する光の強度は、膜44の外面49に作用する圧力(静圧Ps)と相関関係にある。従って、空洞部48からの光の強度を測定することにより、静圧Psを測定することができる。
【0020】
図5に、流路12内における全圧Ptと静圧Psとの両方を測定する、本発明のまた他の実施形態に従った光ファイバ検出システム60が図示されている。この図の光ファイバ検出システム60は、自身内に中央スロット66を有する長手ハウジング64と、ハウジング64の中央スロット66内に固定される光ファイバセンサ62とを含む。光ファイバセンサ62は、図3の光ファイバセンサ42と同様の構成を有するとともに、ハウジング64の中央スロット66内に固定されるファイバ28と、ファイバ28内のブラッグ格子36と、ファイバ28の下側端部46より下の膜44と、下側端部46と膜44との間の空洞部48とを有する。
【0021】
ハウジング64は、流路12内において、流動方向Dに対して実質的に垂直な方向に配置される。ハウジング64は、自身の上流側を貫通して中央スロット66と連通する上流側開口68を有する。全圧Ptは、開口68を介してファイバ28に作用し、ファイバ28の変形を引き起こすとともに、さらに、上述のようにブラッグ格子36を通る光の波長シフトを引き起こす。ブラッグ格子36の波長シフトを監視することにより、流れ12の全圧Ptを得ることができる。ある実施形態において、光ファイバ検出システム60は、さらに、流れ12が開口68を介して中央スロット66内に流入することを防ぐ一方で流れ12の全圧Ptをファイバ28に伝える封止膜67を含む。ある実施形態では、溝69が、ファイバ28内においてファイバ28の下流側部に隣接して形成されて、全圧Pt下におけるファイバ28の変形を可能にする。
【0022】
膜44は、ハウジング64の下端部に固定されるとともに、静圧Psを受ける。上述のように、空洞部48の距離dの変化は、静圧Psと相関関係にある空洞部48の強度変化を引き起こす。従って、空洞部48の強度変化を監視することにより、流れ12の静圧Psを得ることができる。
【0023】
図6及び7に、流れ12の流動方向と全圧Ptとを測定する、本発明のまた他の実施形態に従った光ファイバ検出システム70が図示されている。図6を参照すると、光ファイバ検出システム70は、光ファイバセンサ71と、光ファイバセンサ71を保持するハウジング72とを含む。一実施形態において、光ファイバセンサ71は、第1、第2及び第3のファイバ73、74、及び75を含む少なくとも3個のファイバを含む。一実施形態において、ハウジング72は、流路12を通る流れに一般に直面する頂点と、一般的な流動方向に対して対称に配置される2辺とを有する二等辺三角形の断面を有する。第1の開口76は、ハウジング72の頂点に形成され、第2及び第3の開口77及び78は、2辺上において対称に配置される。第1、第2及び第3のファイバ73、74及び75は、ハウジング72内において固定されるとともに、各々がそれぞれ第1、第2及び第3の開口76、77及び78に露出される部分を有する。また他の実施形態では、ハウジングは、奇数個の辺を有する多角形の断面を有し得る。流れは、流路12を通って多角形の頂点に取り付けられるセンサ上に入射する。少なくとも1対の辺は、一般的な流動方向に対して対称に配置され、各辺が開口を形成する。さらに他の実施形態において、ハウジング72は、また他の断面形状を有し得る。第1、第2及び第3の各ファイバ73、74及び75は、開口76、77及び78に露出される測定面を有し、これらの測定面の配向は、互いに角度をなす。
【0024】
各々のファイバ73、74及び75は、ブラッグ格子36を含む。一部の実施形態において、各ブラッグ格子36は同じである。図5に関する上述の説明を参照すると、各々のファイバ73、74及び75は、流路12を通る流体の流れによって変形する。流れが正確に流動方向Dに向かう場合は、第1のファイバ73における透過光又はブラッグ格子36からの反射光の波長は、全圧Ptの指標となる一方で、第2及び第3のファイバ74及び75のブラッグ格子36に作用する圧力は、この全圧を下回るとともに、同じ波長シフトをもたらす。流動方向が変化すると、第1のファイバ73のブラッグ格子36に作用する検出全圧が低下し、第2及び第3のファイバ74及び75により検出される圧力が変化する。例えば、事前の較正とルックアップ表の作成とにより、流動方向と全圧とを推論することができる。一実施形態において、光ファイバセンサ71は、さらに、検出器39から信号を受けるとともに流動方向を推定する制御装置79(図7)を含む。また他の実施形態において、制御装置79は、検出器39内に埋め込まれて、検出器39が推定機能を果たすようになっている。さらにまた他の実施形態では、速度とその方向とが、光ファイバセンサ71の較正時に作成されるアルゴリズムを手段として判断され得、このアルゴリズムは、コンピュータ又は同様のデータ収集システムにおいて実行され得る。
【0025】
図6の線7−7における断面図である図7を参照すると、一実施形態において、封止膜67は、第1のファイバ73と第1の開口76との間に設けられて、流れ12がハウジング72内に第1の開口76を通って流入することを防ぐ一方で流れ12の圧力が第1のファイバ73に届くことを可能にする。ある実施形態において、開口76は、第1のファイバ73のブラッグ格子36に隣接しないように配置されて、ブラッグ格子36が損傷から保護される。一実施形態において、溝69は、ブラッグ格子36に対して下流方向に設けられて、流れ12の圧力下における第1のファイバ73の十分な変形を可能にする。ある実施形態では、ハウジング72は、図7の第1のファイバ73のためのものと同様の、第2及び第3のファイバ74及び75を保持する構成を有する。
【0026】
図8及び9に、流路12内における全圧Ptと差圧Pdと温度とを測定する、本発明のまた他の実施形態に従った光ファイバ検出システム80が図示されている。光ファイバ検出システム80は、ファイバ82と、ファイバ82を保持するハウジング84と、それぞれ差圧Pdと全圧Ptと温度とを測定する、ファイバ82内の第1、第2及び第3のブラッグ格子86、87及び88とを含む。一実施形態において、ブラッグ格子86、87及び88は、1個の共通のファイバ82である。図8及び9を参照すると、ハウジング84は、流路12内に配置されるとともに、ファイバ82がハウジング84内において流動方向に対して実質的に垂直な方向に維持される態様に構成される。ファイバ82は、それぞれ第1、第2及び第3のブラッグ格子86、87及び88を保持する第1、第2及び第3の部分90、91及び92を含む。ハウジング84は、一般に流動方向に向くとともにファイバ82の第1の部分90に隣接する側部貫通穴94を含む。流路12からの流れは、部分的に貫通穴94を通って流れる。従って、差圧Pdは、ファイバ92の第1の部分90上において歪みを引き起こして、下流方向に向かって変形させる。第1のブラッグ格子86の波長変化は、流れ12の差圧Pdと相関関係にある。第1のブラッグ格子86の波長変化を監視することにより、差圧Pdを得ることができる。ある実施形態において、ブラッグ格子86は、貫通穴94より低又は高位置に配置され、ブラッグ格子86が損傷するのを保護する。一実施形態では、溝100が、ブラッグ格子86の下流側に設けられて、流れの差圧下における第1の部分90の十分な変形を可能にする。
【0027】
ハウジング84は、ファイバ28の第2の部分91に隣接する側部開口96を形成する。封止膜67は、ファイバ82と側部開口96との間に設けられて、流れ12がハウジング84内に側部開口96を介して流入することを防ぐ一方で流れ12の全圧をファイバ82の第2の部分91に伝えることができる。従って、ファイバ28の第2の部分94は、流れ12の全圧Ptを受け、このため、第2のブラッグ格子87の波長変化は、流れ12の全圧Ptと相関関係にある。第2のブラッグ格子87の波長変化を監視することにより、流れ12の全圧Ptを得ることができる。
【0028】
ある実施形態において、第1及び第2の部分90及び91は、それぞれ支持部によりハウジング84に固定される上側及び下側端部を有し、このため、第1及び第2の部分90及び91の偏向が互いに伝わることはない。
【0029】
第3のブラッグ格子88の温度が増加ΔTを有すると、第3のブラッグ格子88のブラッグ波長は、第3のブラッグ格子88の屈折率変調と格子周期とに対する熱膨張効果により、より長い波長の方向に移動する。このため、流路12内における温度変化は、第3のブラッグ格子88の波長シフトを監視することによって監視可能である。ハウジング84は、空洞部98を形成し、空洞部98内のブラッグ格子88は、温度変化に対して鋭敏である。一実施形態において、剛性カバー102が空洞部98内に配置されて、流路12からのあらゆる圧力がファイバ82の第3の部分92に作用することがさらに防がれる。
【0030】
ある実施形態において、流れにおける温度変動による第1及び第2のブラッグ格子86及び87の波長変化は、第3のブラッグ格子88の測定に基づいてさらに較正される。
【0031】
図10を参照すると、一実施形態において、第1、第2及び第3組のブラッグ格子86、87及び88は、異なる反射スペクトルを有するとともに、異なる波長λB1、λB2及びλB3で反射を行う。このため、検出器39は、第1、第2及び第3の格子86、87及び88の3つの全ての波長λB1、λB2及びλB3を受けるとともに、その変化をそれぞれ監視する。
【0032】
別段の記載がない限り、本明細書において用いられる専門用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の熟練者が共通に理解する意味と同じ意味を有する。「第1」、「第2」等の用語は、本明細書において用いられる場合、何らかの順序、数量又は重要性を示すのではなく、むしろ各要素を互いに区別するために用いられる。さらにまた、「ひとつ」及び「1個」という用語は、数量の制限を示すのではなく、むしろ当該のものが少なくとも1個存在することを示し、「前」、「後」、「底」及び/又は「上」等の用語は、別段の断りがない限り、単に説明の便宜のために用いられるとともに、何らかのひとつの位置又は空間的配向に制限されるわけではない。
【0033】
例示的実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、かつこれらの実施例の要素を等価物に置き換え得ることが理解されよう。また、多くの改変を行って、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適応させることができる。従って、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に制限されるのではなく、本発明は添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図されている。
【0034】
上述のこうした全ての目的又は利点が必ずしも何らかの特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことを理解されたい。このため、例えば、当業者には、本明細書に記載のシステム及び技術は、本明細書に教示又は示唆され得るその他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に記載の1個の利点又は1組の利点を達成又は最適化する態様で具体化又は実施され得ることが認識されよう。
【0035】
さらにまた、当業者には、異なる実施形態の様々な特徴の互換性が認識されよう。当業者には、記載の様々な特徴及び各特徴のその他の周知の等価物を組み合せ、又は結合して、本開示の原則に従ってさらに他のシステム及び技術を構成することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 光ファイバ検出システム
12 流路
14 ハウジング
16 光ファイバセンサ16
18 直角なトンネル
20、22 上流及び下流チャネル
24 上流側開口
26 下流側開口
28 ファイバ
27、29 ファイバ28のコア部及び外側層
30 ファイバ28の中間部分30
32、34 全圧Pt及び静圧Psを受ける2つの側部
36 ブラッグ格子
38 光源
39 検出器
40 光ファイバ検出システム
42 光ファイバセンサ
44 誘電体膜
46 ファイバ28の下側端部
48 空洞部
47、49 膜44の内面及び外面
50 反射光成分
52 透過光成分
60 光ファイバ検出システム
62 光ファイバセンサ
64 ハウジング
66 中央スロット
68 ハウジング64の上流側開口
67 封止膜
69 溝
70 光ファイバ検出システム
71 光ファイバセンサ
72 ハウジング
73、74、75 第1、第2及び第3のファイバ
76、77、78 ハウジングの第1、第2及び第3の開口
79 制御装置
80 光ファイバ検出システム
82 ファイバ
84 ハウジング
86、87、88 第1、第2及び第3のブラッグ格子
90、91、92 ファイバ82の第1、第2及び第3の部分
94 貫通穴
96 側部開口
98 空洞部
100 溝
102 剛性カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路(12)に配置されるハウジング(14)と、光ファイバセンサ(16)とを備え、
前記光ファイバセンサ(16)は、
前記ハウジング内において固定されるとともに、ブラッグ格子(36)からなり、前記流路に対して実質的に垂直をなし、前記ハウジングは上流側において開口を形成して、前記流路を通る流れが光ファイバに圧力を加えるとともに前記ブラッグ格子の変形を引き起こすことを可能にする光ファイバ(28)と、
前記光ファイバに光を送る光源(38)と、
前記光ファイバの前記ブラッグ格子によりろ過される光を検出するとともに、前記検出される光の波長変化を監視する検出器と
を備える光ファイバ検出システム(10)。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記流路の初期流動方向の上流チャネルと、前記上流チャネルに対して実質的に垂直をなすとともに自身の下流側端部において下流側開口を有する下流チャネルとを有する実質的に直角のトンネルを含む、請求項1に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項3】
前記ファイバは、一方の側部が前記流れの全圧を受け、もう一方の側部は流れの静圧を受ける状態で、前記上流チャネル内に配置される、請求項2に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項4】
前記光ファイバセンサはさらに、前記ハウジングに固定されるとともに前記ファイバの端部に面する膜を、前記ハウジング内において前記膜と前記ファイバの前記端部との間に空洞部が形成される状態で含み、前記膜は前記静圧を受ける、請求項3に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項5】
前記光ファイバはさらに、前記流路内の流れが、前記開口から前記ハウジング内に流入することを防ぐ封止膜を含む、請求項1に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記流路に一般に直接面する頂点と少なくとも1対の辺とを有する多角形の断面を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項7】
前記ハウジングは、実質的に前記流路に面する頂点と1対の辺とを有する三角形の断面を有し、第1、第2及び第3の開口が前記頂点と前記1対の辺とに形成される、請求項6に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項8】
前記ファイバは、それぞれ前記第1、第2及び第3の開口に面する部分を有する第1、第2及び第3のファイバを含む、請求項7に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項9】
前記光ファイバセンサはさらに、検出器(39)から信号を受けるとともに流動方向を推定する制御装置を含む、請求項8に記載の光ファイバ検出システム。
【請求項10】
前記ブラッグ格子は前記開口の下流に配置される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光ファイバ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−133962(P2010−133962A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275022(P2009−275022)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】