説明

光フィルター、光フィルターモジュール、分光測定器および光機器

【課題】 光学膜としての金属膜の特性が、酸化や硫化等によって劣化するのを防止すること。
【解決手段】 光フィルターは、第1基板20と、第1基板20に対向する第2基板30と、第1基板20に設けられた第1光学膜40と、第2基板30に設けられ、第1光学膜40と対向する第2光学膜50と、を含み、第1光学膜40および第2光学膜50の少なくとも一方は、所望波長帯域の光に対する反射特性および透過特性を有する金属膜40Mを有し、金属膜40Mの表面およびエッジ部は、バリア膜90としての誘電体膜によって覆われている。金属膜40Mのエッジ部に、傾斜面を設けることもできる。また、金属膜40Mと、その下に形成される他の光学膜としての誘電体膜40Eとの間に階段状の段差を形成することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光フィルター、光フィルターモジュール、分光測定器および光機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
エタロンフィルターにおける光学膜(ミラーとして機能する反射膜)には、金属膜や誘電体多層膜を使用することができる。光学膜は、高い反射率特性と、使用する光の波長帯域における透過性とを併せ持つのが好ましく、この条件を考えると、金属膜としては、膜厚の薄い銀(Ag)やその合金が有力な候補である。
【0003】
特許文献1には、ギャップを介して対向する一対の光学膜を有するエタロン素子により構成される光学フィルター装置が開示されている。特許文献1に記載される光学フィルター装置では、光学膜は、炭素を含有する銀の合金膜により構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−251105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エタロンフィルター等における光学膜として金属膜が使用される場合、酸化や硫化等によって、金属膜の特性が劣化する場合がある。例えば、銀ならびにその合金の薄膜は、光学膜の候補として有力であるが、耐熱性や耐環境性が劣るという課題がある。特に、エタロンフィルター等の製造工程において、熱処理がされる場合、加熱下では酸化や硫化が促進されることから、光学膜の特性劣化を防止することが重要である。
【0006】
本発明の少なくとも一つの態様によれば、光学膜としての金属膜の特性が、酸化や硫化等によって劣化するのを防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の光フィルターの一態様は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板に設けられた第1光学膜と、前記第2基板に設けられ、前記第1光学膜と対向する第2光学膜と、を含み、前記第1光学膜および前記第2光学膜の少なくとも一方は、所望波長帯域の光に対する反射特性および透過特性を有する金属膜を有し、前記金属膜の表面およびエッジ部は、バリア膜としての誘電体膜によって覆われている。
【0008】
本態様によれば、バリア膜としての誘電体膜によって、金属膜の表面ならびに端部を被膜することで、酸素、水、硫黄などの、金属膜の反射率の低下要因となるガス等を遮断することが可能となる。よって、光学膜の特性劣化を抑制することができる。
【0009】
(2)本発明の光フィルターの他の態様では、前記金属膜の材料は、Ag単体、Agを主成分とする合金、Au単体、Auを主成分とする合金、Cu単体、Cuを主成分とする合金の第1群のいずれかであり、前記バリア膜としての誘電体膜は、Alの酸化膜、Alの窒化膜、Siの酸化膜、Siの窒化膜、Tiの酸化膜、Tiの窒化膜、Taの酸化膜、Taの窒化膜、ITO膜、Mgのフッ化膜の第2群のいずれかの膜、あるいは、前記第2群のいずれか一つの酸化膜および一つの窒化膜の積層膜である。
【0010】
第1群に含まれる金属単体あるいは金属の合金は、光学膜の候補として有力である。第2群に含まれる誘電体膜は、酸化や硫化等の原因となるガスの進入を阻止する効果があり、耐熱性も備え、また、光の透過性も有することから、金属膜に対するバリア漠として機能し得る。
【0011】
(3)本発明の光フィルターの他の態様では、前記金属膜のエッジ部に傾斜面が設けられており、前記傾斜面上に前記バリア膜としての誘電体膜が形成されている。
【0012】
本態様では、金属膜のエッジ部(端部)に傾斜面が設けられる。バリア膜としての誘電体膜の厚みは、金属膜のエッジ部付近において薄くなる傾向がある。金属膜のエッジ部(端部)にテーパーをつけることによって、バリア膜の被膜性が改善される。よって、金属膜のエッジ部付近において金属膜が露出したり、あるいはバリア膜の厚みが極端に薄くなったりするといった不都合が生じない。
【0013】
(4)本発明の光フィルターの他の態様では、前記第1基板または前記第2基板との間に設けられた他の光学膜とを含み、前記第1基板または前記第2基板の厚み方向からみた平面視における前記金属膜の面積は、前記他の光学膜の面積よりも小さく、これによって、前記金属膜と前記他の光学膜との間に階段状の段差が形成され、前記階段状の段差を覆うように、前記バリア膜としての誘電体膜が形成されている。
【0014】
金属膜の下に、反射率の改善などを目的として、他の光学膜として誘電体膜が設けられる場合がある。この場合、光学膜全体の総膜厚が厚くなり、バリア膜としての誘電体膜の被覆性が、特にエッジ部で低下する可能性がある。そこで、本態様では、金属膜の面積を、誘電体膜の面積よりも小さく設定し、これによって、階段状の段差を形成している。したがって、バリア膜の段差部におけるカバレージが改善され、金属膜のエッジ部が露出するといった不都合が生じにくくなる。
【0015】
(5)本発明の光フィルターの他の態様では、前記第1光学膜および前記第2光学膜のいずれか一方は、所望波長帯域の光の透過性を有する金属膜を有し、前記金属膜の表面およびエッジ部は、バリア膜としての誘電体膜によって覆われており、また、いずれか他方は、少なくとも一層の、光学膜としての誘電体膜によって構成されている。
【0016】
本態様では、いずれか一方の基板に設けられる光学膜と、いずれか他方の基板に設けられる光学膜とで、使用する材料を異ならせる。いずれか一方を、金属膜を含む光学膜とし、いずれか他方を、誘電体膜(誘電体多層膜を含む)のみで構成される光学膜とする。これにより、誘電体膜同士の組み合わせでは得られない反射特性を実現することができる。例えば、光学フィルターの分光帯域の帯域幅を広げることができる。
【0017】
(6)本発明の光フィルターの他の態様では、前記光フィルターは、可変ギャップエタロンフィルターであり、前記第1基板は、第1電極を有し、前記第2基板は、第2電極を有し、前記第1電極と前記第2電極との間に生じる静電力によって前記第1光学膜と前記第2光学膜との間のギャップが可変に制御され、これによって前記所望波長帯域内において分光帯域が切り替えられる。
【0018】
上述のとおり、金属膜は、表面はもちろんのこと、エッジ部までバリア膜としての誘電体膜によって覆われている。よって、湿度をはじめとする金属属膜の反射率劣化(酸化、硫化など)を防ぐことができる。よって、ファブリペローエタロンフィルターにおける透過特性を有する反射ミラーとしての機能を、金属膜が露出している場合と比較して、長期にわたり維持することが可能となる。
【0019】
(7)本発明の光フィルターの他の態様では、前記第1電極は、前記第1基板の基板厚み方向から見た平面視において、前記第1光学膜の周囲に形成されており、前記第2電極は、前記第2基板の基板厚み方向から見た平面視において、前記第2光学膜の周囲に形成されており、かつ、前記バリア膜としての誘電体膜は、前記第1電極または前記第2電極を覆う保護膜としても機能する。
【0020】
本態様では、光学膜としての金属膜の周囲に、電極(配線を含む)が配置されている場合において、バリア膜としての誘電体膜は、金属膜ならびに電極の双方を覆うように形成される。本態様では、バリア膜としての誘電体膜は、電極(配線)の保護膜としても機能する。駆動電極に保護膜が設けられることによって、電極(配線)の劣化も防止することができる。
【0021】
(8)本発明の光フィルターモジュールの一態様は、上記いずれかの光フィルターと、前記光フィルターを透過した光を受光する受光素子と、を含む。
【0022】
光フィルターモジュールは、例えば、例えば光通信装置の受信部(受光光学系と受光素子を含む)として使用することができ、また、例えば、分光測定器の受光部(受光光学系と受光素子とを含む)として使用することができる。本態様によれば、例えば、信頼性が高く、透過光の波長範囲を広くとることができ、小型で、使い勝手のよい光フィルターモジュールが実現される。
【0023】
(9)本発明の分光測定器の一態様は、前記光フィルターを透過した光を受光する受光素子と、前記受光素子から得られる信号に基づく信号処理に基づいて所与の信号処理を実行する信号処理部と、を含む。
【0024】
本態様によれば、光学膜の特性劣化が抑制された、信頼性の高い分光測定器を実現することができる。信号処理部は、受光素子から得られる信号(受光信号)に基づいて所定の信号処理を実行し、例えば、サンプルの分光光度分布を測定する。分光光度分布の測定によって、例えば、サンプルの測色、サンプルの成分分析等を行うことができる。
【0025】
(10)本発明の電子機器の一態様は、上記いずれかの光フィルターを含む。
【0026】
これによって、光学膜の特性劣化が抑制された、信頼性の高い光機器(例えば、各種センサーや光通信応用機器)が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(A)〜(D)は、光フィルターにおけるミラー構造の一例を示す図
【図2】(A)〜(C)は、可変ギャップエタロン素子の具体的な構造の一例と、その動作を説明するための図
【図3】(A)〜(C)は、可変ギャップエタロン素子の具体的な構造の他の例と、その動作を説明するための図
【図4】(A)および(B)は、可変ギャップエタロン素子を用いた光フィルターの構造の一例を示す図
【図5】光機器の一例である波長多重通信システムの送信機の概略構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0029】
(第1実施形態)
図1(A)〜図1(D)は、光フィルターにおけるミラー構造の一例を示す図である。図1(A)に示すように、ファブリペローエタロン素子(以下、単にエタロン素子という)を用いた光フィルター300は、互いに平行に保持された第1基板20および第2基板30と、第1基板20上に設けられた第1光学膜(反射膜)40と、第2基板30上に設けられた第2光学膜(反射膜)50と、を有する。第1基板20または第2基板30は、例えば、所望の波長帯域の光に対する透過性を有するガラス基板である。
【0030】
また、第1光学膜(反射膜)40と第2光学膜(反射膜)50は、互いに対向し、かつ、所定のギャップG1を有するように形成されている。なお、ギャップG1を可変とすることもできる。可変ギャップエタロン素子(可変ギャップエタロンフィルター)については後述する。第1光学膜40および第2光学膜50は、所望波長帯域の光に対する反射特性と透過特性とを兼ね備えており、各々は、光フィルター300におけるミラーを構成する。
【0031】
本実施形態では、第1光学膜40および第2光学膜50の少なくとも一方は、金属膜を有している。金属膜は、金属単体の膜であってよく、金属の合金からなる膜であってもよい。例えば、銀ならびにその合金の薄膜は、第1光学膜40および第2光学膜50の候補として有力であるが、耐熱性や耐環境性が劣るため、その特性劣化に対する対策が必要となる。特に、エタロン素子の製造工程において、熱処理がされる場合、加熱下では酸化や硫化が促進されることから、第1光学膜40および第2光学膜50の特性劣化を防止することが重要である。
【0032】
そこで、本実施形態では、図1(B)〜図1(D)に示すように、金属膜の表面およびエッジ部を、バリア膜(あるいは保護膜)としての誘電体膜によって覆う構造を採用する。すなわち、本実施形態では、バリア膜を有するミラー構造が採用される。このミラー構造は、第1光学膜40および第2光学膜50の少なくとも一方に適用することができる。以下の説明では、第1基板20上に形成される第1光学膜40を例にとって説明する。
【0033】
図1(B)に示される例では、第1光学膜40として、単体の金属膜40Mが使用されている。第1光学膜40の構成要素である金属膜40Mは、石英ガラス基板などの第1基板20上に形成されている。そして、金属膜40Mの表面およびエッジ部は、バリア膜90としての誘電体膜によって覆われている。金属膜40Mをパターニングした後、バリア膜90としての誘電体膜にて、金属膜40Mの表面だけでなく、さらにエッジ部(端部)を含めて被覆することによって、図1(B)に示されるミラー構造を形成することができる。
【0034】
このミラー構造によれば、金属膜40Mは、表面のみならず、エッジ部ならびに側面の全てがバリア膜90によって覆われて保護されている。よって、酸素、水、硫黄など、金属膜40Mの特性(反射率等)を低下させる原因物質は遮断されて、金属膜40Mには到達しない。したがって、金属膜40Mの特性の劣化が防止される。
【0035】
ここで、金属膜40Mの材料としては、Ag(銀)単体、Ag(銀)を主成分とする合金、Au(金)単体、Au(金)を主成分とする合金、Cu(銅)単体、Cu(銅)を主成分とする合金の中から選ばれた一つを使用することができる。これら金属単体あるいは金属の合金は、光学膜の候補として有力である。
【0036】
なお、Agを主成分とする合金としては、例えば、AgSmCu(銀サマリウム銅合金),AgC(炭化銀),AgPdCu(銀パラジウム銅合金),AgBiNd(銀ビスマス銅合金)、AgGaCu(銀ガリウム銅合金),AgAu(金化銀),AgInSn(銀インジウム錫合金),AgCu(銅化銀)を使用することができる。
【0037】
また、バリア膜90としての誘電体膜は、Al(アルミニュウム)の酸化膜、Al(アルミニュウム)の窒化膜、Si(シリコン)の酸化膜、Si(シリコン)の窒化膜、Ti(チタン)の酸化膜、Ti(チタン)の窒化膜、Ta(タリウム)の酸化膜、Ta(タリウム)の窒化膜、ITO(酸化インジウム錫)膜、Mg(マグネシウム)のフッ化膜の群の中から選ばれた一つの膜、あるいは、上記の群の中から選ばれた一つの酸化膜および一つの窒化膜の積層膜を使用することができる。これらの誘電体膜は、酸化や硫化等の原因となるガスの進入を阻止する効果があり、耐熱性も備え、また、光の透過性も有することから、金属膜40Mに対するバリア膜90として機能し得る。以上説明した材料は、以下に説明する実施例についても同様に適用され得る。
【0038】
また、金属膜40M上にバリア膜90としての誘電体膜を形成する場合には、製造工程で使用する温度をあまり高くしないのが好ましい。これによって、金属膜40Mの再結晶化を防ぎ、反射率の低下を防ぐことができる。また、バリア膜90としての誘電体膜の膜厚を、あまり厚くしない(薄く形成する)のが好ましい。バリア膜90の膜厚が厚いと、例えば、エタロン素子を分光器として使用したとき、分光強度分布に不要なピークが出現して、分光可能な波長帯域の帯域幅が狭まくなる場合がある。よって、バリア膜90の膜厚は、できるだけ薄く形成するのが好ましい。例えば、金属膜40Mの膜厚が50nmの場合、バリア膜90としての誘電体膜の膜厚は20nm程度とするのが好ましい。
【0039】
また、図1(C)に示される例では、金属膜40Mのエッジ部付近における、バリア膜90の被覆性が改善されている。すなわち、図1(C)に示される例では、単体の金属膜40Mのエッジ部に傾斜面(テーパー面)が設けられており、その傾斜面上に、バリア膜90としての誘電体膜が形成されている。
【0040】
エッチング加工しただけでは、金属膜40Mのエッジ部は、一般に直角に近い角度をもつため、その上にバリア膜90を形成した場合、バリア膜90の厚みは、金属膜40のエッジ部付近において薄くなる傾向がある。金属膜40Mのエッジ部(端部)にテーパーをつけることによって、バリア膜90としての誘電体膜(あるいは誘電体層)の被覆性が改善される。すなわち、金属膜40Mのエッジ部(端部)付近におけるバリア膜90の膜厚は、金属膜40Mの表面上における膜厚と同様に、変化が少なく安定している。したがって、バリア膜90が垂直にエッチング加工された場合と比較して、バリア膜90の信頼性が向上する。このため、金属膜40のエッジ部付近において金属膜が露出したり、あるいはバリア膜90の厚みが極端に薄くなって、バリア性が低下したりするといった不都合が生じない。このように、図1(C)の例によれば、バリア膜90としての誘電体膜の膜厚を薄くしつつ、良好なエッジ部のカバレージを得ることができる。
【0041】
また、金属膜40Mのエッジ部において傾斜面(テーパー)を形成する方法としては、例えば、以下のような方法が考えられる。例えば、メタルマスクを第1基板20上に載置した状態で、金属材料をスパッタする。このとき、金属材料の、マスク開口部における回り込み現象によって、結果的にテーパー面が形成される。また、例えば、金属膜40M上にレジストを形成し、このとき、ポストベークの温度を下げる等の方法によって密着性を低下させておく。この状態で、ウエットエッチングあるいは等方性のドライエッチングによって金属膜40Mをエッチングする。エッチャントとして、エッチングレートが高くないものを使用する。金属膜40Mとレジストとの界面からエッチャントが侵入し、エッチングが横方向にも進むことから、結果的に、金属膜40Mのエッジ部(端部)にテーパー面を形成することができる。
【0042】
図1(D)に示される例では、金属膜40Mの下に、反射率の改善などを目的として、他の光学膜として誘電体膜(誘電体多層膜でもよい)40Eが設けられている。すなわち、第1光学膜の構成要素である金属膜40Mと第1基板20との間には、第1光学膜の構成要素である誘電体膜40Eが形成されている。この構造を採用する場合、第1基板20の厚み方向から見た平面視における金属膜40Mの面積を、誘電体膜40Eの面積に一致させると、第1光学膜全体の総膜厚が厚いことから、バリア膜90としての誘電体膜の被覆性が、特にエッジ部で低下する可能性がある。これを防止するためには、バリア膜90としての誘電体膜の膜厚を厚くする必要があるが、この場合には、第1光学膜40の特性に、かなりの影響が及ぶ場合がある。
【0043】
そこで、図1(D)の例では、金属膜40Mの、第1基板20の厚み方向から見た平面視における面積を、第1光学膜40としての誘電体膜40Eの面積よりも小さく設定し、これによって、階段状の段差を形成している。したがって、バリア膜90の段差部におけるカバレージが改善され、金属膜40Mのエッジ部(端部)が露出するといった不都合が生じにくくなる。また、バリア膜90としての誘電体膜の膜厚を薄くすることができ、よって、第1光学膜40の設計が容易である。
【0044】
また、図1(D)の例において、金属膜40Mの下に形成される、第1光学膜40の構成要素としての誘電体膜40Eは、例えば、少なくともワンペアのTiO/SiOを含む誘電体多層膜とすることができる。このとき、バリア膜90としての誘電体膜としては、屈折率が低い方の材料であるSiO膜を使用することができる。
【0045】
また、図1(A)に示される例において、第1光学膜40および第2光学膜50のいずれか一方のみを金属膜を有する光学膜とし、いずれか他方を、少なくとも一層の誘電体膜によって構成される光学膜とすることもできる。つまり、いずれか一方の基板に設けられる光学膜と、いずれか他方の基板に設けられる光学膜とで、使用する材料を異ならせることもできる。この場合、誘電体膜同士の組み合わせでは得られない反射特性を実現することができる。
【0046】
つまり、金属膜単独では、反射ピークが得られる波長帯域が広くなり、誘電体膜単独では、反射ピークが得られる波長帯域が狭い。両者を組み合わせてエタロン素子とした場合、例えば両者の反射率の積で、エタロン素子全体としての反射特性が決まる。よって、誘電体膜同士の組み合わせでは得られない反射特性が実現され、エタロン素子における光学膜の設計の自由度が向上する。例えば、光学フィルターの分光帯域の帯域幅を広げることが可能である。但し、エタロン素子の半値幅にも影響が及ぶため、その影響を考慮した素子設計が必要である。
【0047】
次に、可変ギャップエタロン素子の具体的な構造例について説明する。図2(A)〜図2(C)は、可変ギャップエタロン素子の具体的な構造の一例と、その動作を説明するための図である。図2(A)は、駆動電圧を印加しない状態(初期ギャップG1)における可変ギャップエタロン素子の断面構造を示す図である。また、図2(B)は、第1基板20上に形成される第1光学膜40および第1電極60のレイアウト例を示す図である。図2(C)は、駆動電圧を印加した状態(ギャップG3)における可変ギャップエタロン素子の断面構造を示す図である。図2に示される可変ギャップエタロン素子(光フィルター)300には、図1(B)〜図1(D)のいずれかに示したミラー構造が適用される。
【0048】
図2(A)において、第1基板20と例えば一体で、第2基板30を可動に支持する支持部22が形成されている。支持部22は、第2基板30に設けてもよく、あるいは第1基板20および第2基板30とは別体で形成してもよい。
【0049】
第1基板20および第2基板30の各々は、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成することができる。これらの中でも、各基板20,30の構成材料として、例えばナトリウム(Na)やカリウム(K)などのアルカリ金属を含有したガラスが好ましく、このようなガラスにより各基板20,30を形成することで、光学膜(反射膜)40,50や、第1電極60ならびに第2電極70の密着性や、基板同士の接合強度を向上させることが可能となる。そして、これらの2つの基板20,30は、例えばプラズマ重合膜を用いた表面活性化接合などにより接合されることで、一体化されている。第1基板20および第2基板30の各々は、一辺が例えば10mmの正方形に形成され、ダイヤフラムとして機能する部分の最大直径は例えば5mmである。
【0050】
第1基板20は、例えば、厚みが500μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。
【0051】
なお、可動基板としての第2基板30は、薄肉部(ダイヤフラム)34と、厚肉部32および36を有する。薄肉部34が設けられることによって、より小さい駆動電圧によって、第2基板30に所望の撓み(変形)を生じさせることができる。よって、省電力化が実現される。
【0052】
第1基板20における、第2基板30と対向する対向面のうちの中央の第1対向面に、例えば円形の第1光学膜40が形成されている。同様に、第2基板30は、厚みが例えば200μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。第2基板30は、第1基板20と対向する対向面の中央位置に、第1光学膜40と対向する例えば円形の第2光学膜50が形成されている。
【0053】
なお、第1光学膜40および第2光学膜50は、例えば直径が約3mmの円形状に形成されている。この第1光学膜40および第2光学膜50は、例えば、透過率の半値幅も狭く分解能が良好な、AgC等の金属膜と、その金属膜を被覆するバリア膜90としての誘電体膜とによって構成することができる。第1光学膜40および第2光学膜50は、例えば、スパッタリングなどの手法により形成することができる。各光学膜の膜厚寸法は、例えば0.03μmに形成されている。本実施形態では、第1光学膜40および第2光学膜50として、例えば、可視光全域を分光できる特性をもつ光学膜を用いることができる。
【0054】
第1光学膜40および第2光学膜50は、図2(A)に示す電圧非印加状態においては、第1ギャップG1を介して対向配置されている。なお、ここでは第1光学膜40を固定鏡とし、第2光学膜50を可動鏡とするが、逆でもよく、また、双方を可動鏡とすることもできる。
【0055】
第1基板20の厚み方向から見た平面視において、第1光学膜40の周囲には、第1電極60が形成されている。なお、以下の説明において、平面視とは各基板の基板厚み方向から基板平面を見た場合をいう。同様に、第2基板30上には、第1電極60と対向して第2電極70が設けられている。第1電極60と第2電極70は、第2ギャップG2を介して、対向配置されている。なお、第1電極60および第2電極70の表面は、絶縁膜にて被覆することができる。
【0056】
図2(B)に示されるように、第1電極60は、平面視で、第1光学膜40にオーバーラップしない。よって、第1光学膜40の光学特性の設計が容易である。このことは、第2電極70ならびに第2光学膜50についても同様である。
【0057】
また、例えば、第2電極70を共通電位(例えば接地電位)とし、第1電極60に電圧を印加することによって、図2(C)に示すように、各電極間に矢印で示す静電力(ここでは静電引力)F1を生じさせることができる。すなわち、第1電極60および第2電極70は、静電アクチュエーター80を構成する。静電引力F1によって、第1光学膜40と第2光学膜50との間のギャップを、初期ギャップ(G1)よりも小さいギャップ(G3)となるように可変に制御することができる。各光学膜間のギャップの大きさによって透過光の波長が決まる。よって、ギャップを変化させることで透過波長を選択することが可能となる。
【0058】
なお、図2(A)において太線で示されるように、第1電極60には第1配線61が接続されており、また、第2電極70には第2配線71が接続されている。
【0059】
上述のとおり、本実施形態では、第1光学膜40および第2光学膜50の少なくとも一方を構成する金属膜は、その表面はもちろんのこと、エッジ部までバリア膜としての誘電体膜によって覆われている。よって、湿度をはじめとする金属属膜の反射率劣化(酸化、硫化など)を防ぐことができる。よって、可変ギャップエタロン素子における光透過性を有する反射ミラーとしての機能を、金属膜が露出している場合と比較して、長期にわたり維持することが可能となる。よって、可変ギャップエタロン素子の信頼性が向上する。
【0060】
図3(A)〜図3(C)は、可変ギャップエタロン素子の具体的な構造の他の例と、その動作を説明するための図である。図3では、図2と共通する部分には同じ参照符号が付されている。
【0061】
図3(A)〜図3(C)に示される可変ギャップエタロン素子の構造は、基本的には、図2の構造と同じである。但し、図3(A)〜図3(C)に示される例では、バリア膜90が、第1電極60上にも形成されている。この例では、バリア膜90は、第1電極60の保護膜として機能する。バリア膜90は、第2基板30側にも設けることができる。但し、第2基板30は可動基板であり、良好な撓み特性を確保した方がよいことから、本実施形態では、バリア膜90は、第1基板20側にのみ設けている。
【0062】
図3(B)に示すように、第1基板20上において、第1電極60は、第1基板20の厚み方向から見た平面視において、第1光学膜40の周囲に形成されており、図1で示したバリア膜90としての誘電体膜(SiO膜等)は、第1電極60を覆う保護膜としても機能している。また、図3(B)に示される例では、バリア膜90としての誘電体膜は、第1電極60に接続される配線61上にも形成されている。つまり、バリア膜90は、配線61に対する保護膜としても機能している。
【0063】
このように、光学膜としての金属膜の周囲に、電極や配線とが配置されている場合において、バリア膜90としての誘電体膜(SiO膜等)は、金属膜ならびに電極(配線を含む)の双方を覆うように形成される。電極や配線に保護膜が設けられることによって、電極や配線の劣化も防止することができ、可変ギャップエタロン素子の信頼性がさらに向上する。
【0064】
なお、図3(C)に示されるように、本実施形態では、バリア膜90は、第2基板30側には設けられないことから、第2基板30の可動性(可撓性)には影響がない。
【0065】
(第2実施形態)
図4(A)および図4(B)は、可変ギャップエタロン素子を用いた光フィルターの構造の一例を示す図である。図4(A)に示すように、光フィルター300としての可変ギャップエタロン素子は、互いに対向して配置される第1基板(例えば固定基板)20と、第2基板(例えば可動基板)30と、第1基板20の主面(表面)に設けられる第1光学膜40と、第2基板30の主面(表面)に設けられる第2光学膜50と、各基板によって挟持された、各基板間のギャップ(距離)を調整するためのアクチュエーター(例えば静電アクチュエーターや圧電素子等)80a,80bと、を有する。
【0066】
なお、第1基板20および第2基板30の少なくとも一方が可動基板であればよく、双方を可動基板とすることも可能である。アクチュエーター80aおよびアクチュエーター80bは各々、駆動部(駆動回路)301aおよび駆動部(駆動回路)301bの各々によって駆動される。また、各駆動部(駆動回路)301a,301bの動作は、制御部(制御回路)303によって制御される。
【0067】
所定角度θで外部から入射する光Linは、ほとんど散乱されることなく第1光学膜40を通過する。第1基板20に設けられた第1光学膜40と第2基板30に設けられた第2光学膜50との間で、光の反射が繰り返され、これによって、光の干渉が生じ、特定の条件を満たす波長の光のみが強められ、その強められた波長の光の一部は、第2基板30上の第2光学膜50を通過して、受光部(受光素子)400に到達する。干渉によってどの波長の光が強め合うかは、第1基板20と第2基板30との間のギャップG1に依存する。よって、ギャップG1を可変に制御することによって、通過する光の波長帯域を変化させることができる。
【0068】
この可変ギャップエタロン素子を使用すると、図4(B)に示すような分光測定装置を構成することができる。なお、分光測定装置の例としては、例えば、測色器、分光分析器、分光スペクトラムアナライザー等があげられる。
【0069】
図4(B)に示される分光測定装置において、例えば、サンプル200の測色を行う場合には光源100が用いられ、また、サンプル200の分光分析を行う場合には、光源100’が用いられる。
【0070】
分光測定装置は、光源100(あるいは100’)と、複数の波長可変バンドパスフィルター(可変BPF(1)〜可変BPF(4))を備える光フィルター(分光部)300と、フォトダイオード等の受光素子PD(1)〜PD(4)を含む受光部400と、受光部400から得られる受光信号(光量データ)に基づいて、所与の信号処理を実行して分光光度分布等を求める信号処理部600と、可変BPF(1)〜可変BPF(4)の各々を駆動する駆動部301と、可変BPF(1)〜可変BPF(4)の各々の分光帯域を可変に制御する制御部303と、を有する。信号処理部600は、信号処理回路501を有し、必要に応じて、補正演算部500を設けることも可能である。分光光度分布の測定によって、例えば、サンプル200の測色や、サンプル200の成分分析等を行うことができる。また、光源100(100’)としては、例えば、白熱電球、蛍光灯、放電管、LED等の固体発光素子を用いた光源(固体発光素子光源)等を使用することができる。
【0071】
なお、光フィルター300および受光部400によって、光フィルターモジュール350が構成される。光フィルターモジュール350は、分光測定装置に適用できる他、例えば、光通信装置の受信部(受光光学系と受光素子を含む)としても使用可能である。この例については、図5を用いて後述する。本実施形態における光フィルターモジュール350は、光学膜の特性劣化が抑制されて信頼性が高く、また、透過光の波長範囲を広くとることができ、小型軽量で、かつ使い勝手がよいという利点がある。
【0072】
(第3実施形態)
図5は、光機器の一例である波長多重通信システムの送信機の概略構成を示すブロック図である。波長多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)通信では、波長の異なる信号は干渉し合わないという特性を利用して、波長が異なる複数の光信号を一本の光ファイバー内で多重的に使用すれば、光ファイバー回線を増設せずにデータの伝送量を向上させることができるようになる。
【0073】
図5において、波長多重送信機800は、光源100からの光が入射される光フィルター300を有し、光フィルター300(上記いずれかのミラー構造が採用されたエタロン素子を具備する)からは、複数の波長λ0,λ1,λ2,…の光が透過される。波長毎に送信器311,312,313が設けられる。送信器311,312,313からの複数チャンネル分の光パルス信号は、波長多重装置321にて1つに合わせられて一本の光ファイバー伝送路331に送出される。
【0074】
本発明は光符号分割多重(OCDM: Optical Code Division Multiplexing)送信機にも同様に適用できる。OCDMは、符号化された光パルス信号のパターンマッチングによってチャンネルを識別するが、光パルス信号を構成する光パルスは、異なる波長の光成分を含んでいるからである。このように、本発明を光機器に適用することによって、光学膜の特性劣化が抑制された、信頼性の高い光機器(例えば、各種センサーや光通信応用機器)が実現される。
【0075】
以上のように、金属膜の表面はもちろん、端部まで誘電体膜にて覆うことにより、湿度をはじめとする金属膜の反射率劣化(酸化、硫化など)を防ぎ、ファブリペローエタロンにおける光透過特性を有する反射ミラーとしての機能を、金属膜が露出している場合と比較して長期にわたり維持することが可能となる。
【0076】
以上説明したように、本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、光学膜としての金属膜の特性が、酸化や硫化等によって劣化するのを防止することができる。本発明は、例えば、エタロン素子のような波長可変干渉フィルターに適用して好適である。但し、この例に限定されるものではなく、本発明は、ミラー構造として、光の反射特性ならびに光の透過特性を併せ持つ金属膜を用いる構造体(素子や機器)全般に適用可能である。
【0077】
以上、幾つかの実施形態について本発明を説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。したがって、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0078】
20 第1基板、 30 第2基板、40 第1光学膜、50 第2光学膜、
40M 光学膜の構成要素である金属膜、
40E 光学膜の構成要素である誘電体膜、
60 第1電極、61 第1電極用配線、70 第2電極、71 第2電極用配線、
80 静電アクチュエーター、90 バリア膜(誘電体膜SIO膜等)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板に設けられた第1光学膜と、
前記第2基板に設けられ、前記と対向する第2光学膜と、を含み、
前記第1光学膜および前記第2光学膜の少なくとも一方は、所望波長帯域の光に対する反射特性および透過特性を有する金属膜を有し、前記金属膜の表面およびエッジ部は、バリア膜としての誘電体膜によって覆われていることを特徴とする光フィルター。
【請求項2】
請求項1記載の光フィルターであって、
前記金属膜の材料は、Ag単体、Agを主成分とする合金、Au単体、Auを主成分とする合金、Cu単体、Cuを主成分とする合金の第1群のいずれかであり、
前記バリア膜としての誘電体膜は、Alの酸化膜、Alの窒化膜、Siの酸化膜、Siの窒化膜、Tiの酸化膜、Tiの窒化膜、Taの酸化膜、Taの窒化膜、ITO膜、Mgのフッ化膜の第2群のいずれかの膜、あるいは、前記第2群のいずれか一つの酸化膜および一つの窒化膜の積層膜であることを特徴とする光フィルター。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光フィルターであって、
前記金属膜のエッジ部に傾斜面が設けられており、前記傾斜面上に前記バリア膜としての誘電体膜が形成されていることを特徴とする光フィルター。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の光フィルターであって、
前記第1光学膜および前記第2光学膜の少なくとも一方は、前記金属膜と、前記金属膜と前記第1基板または前記第2基板との間に設けられた他の光学膜とを含み、前記第1基板または前記第2基板の厚み方向から見た平面視における前記金属膜の面積は、前記他の光学膜の面積よりも小さく、これによって、前記金属膜と前記他の光学膜との間に階段状の段差が形成され、前記階段状の段差を覆うように、前記バリア膜としての誘電体膜が形成されていることを特徴とする光フィルター。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光フィルターであって、
前記第1光学膜および前記第2光学膜のいずれか一方のみを前記金属膜を有する光学膜とし、いずれか他方を、少なくとも一層の誘電体膜によって構成される光学膜とすることを特徴とする光フィルター。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光フィルターであって、
前記光フィルターは、可変ギャップエタロンフィルターであり、
前記第1基板は、第1電極を有し、
前記第2基板は、第2電極を有し、
前記第1電極と前記第2電極との間に生じる静電力によって前記第1光学膜と前記第2光学膜との間のギャップが可変に制御され、これによって前記所望波長帯域内において分光帯域が切り替えられることを特徴とする光フィルター。
【請求項7】
請求項6記載の光フィルターであって、
前記第1電極は、前記第1基板の基板厚み方向から見た平面視において、前記第1光学膜の周囲に形成されており、前記第2電極は、前記第2基板の基板厚み方向から見た平面視において、前記第2光学膜の周囲に形成されており、かつ、前記バリア膜としての誘電体膜は、前記第1電極または前記第2電極を覆う保護膜としても機能することを特徴とする光フィルター。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の光フィルターと、
前記光フィルターを透過した光を受光する受光素子と、
を含むことを特徴とする光フィルターモジュール。
【請求項9】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の光フィルターと、
前記光フィルターを透過した光を受光する受光素子と、
前記受光素子から得られる信号に基づく信号処理に基づいて所与の信号処理を実行する信号処理部と、を含むことを特徴とする分光測定器。
【請求項10】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の光フィルターを含むことを特徴とする光機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−42584(P2012−42584A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182120(P2010−182120)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】