説明

光モジュレータおよびシーケンサー

【課題】色選択性光モジュレーターならびにこれらを使用する色フィルター、シーケンサーおよびディスプレイを提供する。
【解決手段】光モジュレータであって、以下: 入力光を受容し、偏光を出力するための、入力偏光子;第一の色選択性偏光モジュレータであって、該偏光を受容するため、および該偏光の少なくとも第一スペクトルの偏光状態を選択的に変調するための、第一の色選択性偏光モジュレータ;第二の色選択性偏光モジュレータであって、該第一の色選択性偏光モジュレータからの光を受容するため、および該偏光の少なくとも第二スペクトルの偏光状態を選択的に変調するための、第二の色選択性偏光モジュレータ;および 出力偏光子であって、該第一および第二スペクトルの偏光状態を受容し、分析するための、出力偏光子、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、色選択性偏光変調に関する。より詳細には、カラー化画像処理デバイス(例えば、ディスプレイおよびカメラ)のためのカラーシーケンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
フルカラーディスプレイは一般に、以下の4つの技術のうち1つを使用して実現される:(1)カラーフィルターアレイを空間的に使用する技術;(2)一時的に、逐次的色技術を使用する技術;(3)複数の光路を使用する相加的な重層:または(4)スタックしたディスプレイパネルを減法的に使用する技術。空間的なカラーシステムにおいて、各フルカラーピクセルは、少なくとも3つのサブピクセルに細分化され、1つは、各加法原色に対して専用化される。赤色、緑色、青色のスペクトルフィルターからなるカラーフィルターアレイ(CFA)は、液晶ディスプレイ(LCD)の活性ピクセル素子に記録され、その結果、各原色の電送レベルは、局所的に制御され得る。この技術は、観察者から見て、個々に分離されないほど十分に小さいサブピクセルを必要とする。眼によって得る空間的な一体化から、知覚されたフルカラーの画像を得る。細分化の結果として、空間的なカラーシステムにおいて使用されるディスプレイパネルは、モノクロディスプレイにおいて使用される、ピクセル数の3倍のピクセル数を必要をする。
【0003】
逐次的色技術において、サブフレームが表示され、このとき、各サブフレームは、フルカラー画像において、加法原色の分配を包含する。十分な速度(例えば、ビデオ速度の3倍、すなわち180Hz)でサブフレームを表示することによって、眼は一時的にサブフレームを一体化し、知覚されたフルカラー画像を得る。この場合、空間的な細分が存在しないので、各ピクセルはフルカラーを提供する。原則として、CFAを使用するフルカラーピクセルは、同一領域の一連のピクセルとして同一の輝度を提供する。しかし、光の有効な使用とはならない。なぜなら、加法原色を表示することは一般に、補色減法原色のブロッキングを意味するからである。
【0004】
相加的な重層を使用するフルカラーディスプレイを実現するため、例えば、投影システムにおいて、光源は3つの光路に分割され、この各々は1つの加法原色バンドにおいて、光源電源を装備する。典型的に、2色性ビームスプリッターは3つの加法原色を3つの物理的に分離した経路に分離するために使用される。1つのディスプレイパネルは、各光路における光学的な伝送を空間的に変調するために充てられる。続いて、各画像は相加的に上載せされ、フラカラー画像を形成する。この技術は、よりハードウェア示強性であるが、これは原理上、空間または時間的なカラー技術のいずれよりも、3倍の明るさである。このように、この技術は投影システムの実現に好ましい。
【0005】
減法ディスプレイにおいて、3つの光路は、波面剪断なしで効果的に製造される。このようなシステムは、カラーフィルムと類似的であるので、用語「減法」が適切である。全ての光が、同一の物理的経路を進行するが、構造の特定の層だけは、各波長バンドにおける光を処理する。実際、フルカラーディスプレイは、3つの同時に記録された伝送ディスプレイパネルのスタックからなり、各々は、1つの加法原色の局所的伝送を独立して決定することを請け負う。なぜなら、唯一物理的な経路が存在するからであり、各ステージは波長選択的な偏光効果を使用して他方から独立されなければならない。輝度変調には、偏光入力および有効な電圧制御分析偏光子の両方を必要とする。従って、色が独立した輝度変調は、入力偏光度を選択的に制御する波長および/または検光子の波長選択性によって典型的に達成される。加法分割経路ディスプレイと比較して、減法ディスプレイは、固有の設計課題を有する。高い光学スループットを得るため、パネル透過損失は低くあるべきであり、任意の受動色制御素子は低損失であるべきであり、そして画像は、パネル間で有効的に中断されなければならない。直視ディスプレイシステムにおいて、ディスプレイをオフノーマル(off−normal)で見る場合、色質および視差に関しては、さらに複雑である。
【0006】
幾つかの減法ディスプレイのスキームが関連分野で開示されている。最も簡素な構造は、ニュートラル偏光子(neutral polarizer)と共に、3つのゲストホストLCDを使用する(例えば、それらは米国特許第3,703,329号および同第5,032,007号に開示される)。各LCDパネルは色素を含み、この色素は印加された電圧によって決定される、面内(in−plane)投影と共に色選択性偏光子として作用する。他の実施態様において、変調および波長選択偏光分析(wavelength selective polarization analysis)の機能は、準ニュートラルLCDと色選択性偏光フィルムを組み合わせることでデカップリングされる。このような偏光子は、多色色素偏光子で有り得る(例えば、米国特許第4,416,514号、同第5,122,887号および、K.R.Sarmaら、SID'93 DIGEST、1005頁または多色LCフィルムに開示されるもの、または、米国特許第5,686,961に開示されるようなもの)。他の可能性のある色偏光フィルム技術には以下のものが挙げられる:1つの直線偏光における誘電ミラー(dielectric mirror)として挙動し、そして直交偏光においては等方性である、多層延伸ポリマーフィルム(米国特許第5,612,820号開示されるもの)、およびコーティングしたプリズムフィルム(米国特許第5,422,756号に開示されるもの)。さらに他の形状、例えば、米国特許第5,050,965号に開示される形状において、混合型減法ディスプレイが開示され、これは、ねじれたLCDパネルからの複屈折色と組み合わせた色選択性偏光子を利用する。
【0007】
関連技術の減法ディスプレイの性能は、多数の因子によって妨害される。例えば、浅い転移スロープ(transition slope)および多くの色素偏光子の低いピーク透過(peak transmission)のために色質およびスループットは乏しい。より基本的には、3つの減法フィルターステージを使用する場合、黒色状態の光学密度は典型的に乏しい。
【0008】
減法型においては、各加法原色は、二段階の協同作用(各々が、1つの加法原色をブロックする)を介して生成される。このブロックされた加法原色は原色(複数)と隣接し、典型的に、望ましくない漏れが存在する。より重要なことに、密な黒色状態は、白色(任意の内部原色(interprimary)光を含む)から3色全ての加法原色を引くことによって得られる。このことは、困難なスペクトル処理の問題を表す。なぜなら、コントラスト比は小さいサイドローブ振幅によってでさえも下がり得る。さらに、許容可能なコントラストを達成する設計は、小さな製造許容差、モジュレーターの均一性における変化、および環境の変化に対して強くない。このことは、高いコントラスト比がステージ間で、高レベルの協同を要求するからである。
【0009】
減少したサイドローブレベルは、各減法原色の重なりを増加させることによって達成され得る。しかし、これは、原色のカラーコーディネートに悪影響を与えることなく実施され得る。受動ノッチフィルタリングは、内部原色光を発するために提供され得るが、これは、挿入損およびコストの増大に関わる。印刷システムにおけるように、第四の「黒色パネル」は、コントラスト比を改善するために挿入され得、これは、再度コストおよび複雑さを増大させ、そしてスループットを減少させる。この「黒色パネル」技術は、米国特許第5,050,965号に開示される。
【0010】
チューナブルフィルターまたはカラーシャッターは、先行技術において十分に考証されている。このようなフィルターには、2つのクラスが存在する:偏光干渉フィルター(PIF)、および切換え偏光フィルター(SPF)。
【0011】
PIFは、従来、スペクトル測定装置に使用されており、それは、それらが、嵩張り、製造が複雑であり、そして較正を必要とするためである。Lyot PIFは、独立型フィルターユニットからなり、これは、協同的に作用し、バンドパスプロファイルを発生する。このようなスペクトルプロファイルは、特に、青色のディスプレイに理想的であると考えられ、ここで、適切な赤色ブロッキングは不必要に狭いバンドパス幅を決定する。Lyot PIFのチューニングは、典型的に、各ステージにおけるアナログLCデバイスの挿入およびルックアップ表の形成を必要とする。
【0012】
SolcPIFは、内部偏光子が排除され、このとき、有限インパルス応答方法(finite impulse response method)(Harris、Ahmann、およびChang)を使用して設計された他のフィルターを排除するという利点を有する。しかし、一般に、PIFのプロファイルのチューニングは、同調した各リターダーの中心波長の移動を必要とする。それ故、各受動リターダーは、1つ以上のLCデバイスの付加によって活性化されなければならない。このような構造により、アナログの純カラーの発色が可能となり、これは分光分析の用途に有益である。しかし、カラーディスプレイ/画像化において、より高いスループットおよびより簡素な構造は、SPFを使用して達成される。
【0013】
SPFは、直交する偏光子状態の間で切換える、デジタルLCスイッチを利用する。受動成分またはカラー偏光子は、これらの偏光に関連した実質的に異なる透過スペクトルを有する。従って、LCデバイスをこの状態間で駆動することにより、2つのカラー偏光子スペクトルの間の変調を提供する。LCデバイスがアナログモードで駆動されると、その出力は典型的に、カラー偏光子スペクトルの電圧制御混合物からなる。
【0014】
これまでSPFに使用されたカラー偏光子には、以下のものが挙げられる:ニュートラル偏光子上の単一の45°配向直線リターダー(米国特許第4,003,081号(Hilsum)、同第4,091,808号(Scheffer)、および同第4,232,948号(Shanks)に開示される)、多色色素直線偏光子(米国特許第4,582,396号(Bos)、同第4,416,514号(Plummer)、同第4,758,818号(Vatne)、同第5,347,378号(Handschy)に開示される)、両方の効果を含むハイブリッド構造(米国特許第4,917,465号(Conner)、および同第5,689,317号(Miller)に開示される)、コレステリック液晶円形偏光子(米国特許第5,686,931号(Funfschillingら)に開示される)、および偏光子リターダースタック(PRS)技術(米国特許第5,751,384号(Sharp)に開示される)。他の潜在的カラー偏光子技術には、以下のものが含まれる:コーティングしたプリズム偏光子(米国特許第5,422,756号(Weber)に開示される)、および多層延伸ポリマー(PCT出願番号WO95/17691(Ouderkirk)に開示される)。
【0015】
最高のスループットSPFは、現在、PRS技術を利用する。このような構造は、スタックに対して外部のスイッチを使用するため、パワーの保存はニュートラルスイッチを仮定することを命令し、2つのスペクトルは実質的に互いに逆である。追加の受動フィルタリングがない場合、スペクトルは、半最大点(half−maximum point)でのスペクトルの重なりと非常に関連する。このように、SPF技術に基づくリターダーは、フィルターを通した出力とニュートラル出力との間のスイッチングよりもむしろ、補色間のスイッチングに対して十分適切である。
【0016】
補色スイッチ技術に関する別の問題は、出力強度に関する。典型的に、セルクロミナンスは、得られたカラーコーディネートに重要な影響を有する。中心波長およびセルの均一性が作製において決定されるが、挙動は引き続いて温度、電圧、入射角および方位角によって影響を受ける。例えば、ゼロツイストネマチック(ZTN)セルが、PRS(典型的には、非作動状態)のスペクトルを反転する場合、この半最大点は、セルの半波リターダンス(retardance)に従ってシフトされ得る。作動状態において、このセルは、通常のインシデンスにおいて消失され、性能を制限する色偏光子を与え得る。しかし、フィルターのオフノーマルを調べる場合、重要なリターダンスを典型的に経験する。このことによって、カラーコーディネートに有意に影響を与え得る。従って、補色スイッチングを使用して安定なカラーコーディネートを達成することによって、非現実的な耐性が設置され得、そして、幾つかの場合、達成できない性能をセルに要求し得る。
【0017】
上記の文献は本明細書中で参考として援用され、本明細書中では、追加または代替の詳細、特徴および/あるいは技術背景の教示に当てる。
【発明の開示】
【0018】
(発明の要旨)
本発明は色選択性光モジュレーターならびにこれらを使用する色フィルター、シーケンサーおよびディスプレイを提供する。色分離は、ほとんど損失のないリターダーフィルムを用いて達成され、透過と消光との間で、任意の急な転移スロープを有する高いスペクトル対照を与える。
【0019】
本発明のカラーフィルターおよびカラーシーケンサーでは、各カラーフィルターのステージは、色選択性光モジュレーター(CSLM)であり、このモジュレーター(CSLM)は、補色を変調することなく、1色の透過を変化させる。カラーフィルターステージは、ニュートラルスペクトル(白色または黒色)の透過と色的にフィルターを通したスペクトルの透過との間を切換え得る。2つ以上のカラーフィルターステージが連続して使用され得、各フィルターステージは独立して、原色の透過を制御する。
【0020】
好ましい実施態様において、各フィルターステージは、アナログ様式で加法原色の透過を局所的に制御する。従って、画像および色の発生を一体化する。1つの好ましい実施態様は、フィルターステージ間で内部偏光子を除外し、それによって、1つの入力偏光手段および1つの出力手段のみを有するフルカラーディスプレイを提供する。好ましい2偏光子配置によって、加法モード(これは、減法モードスキームに関して有用性を示す)で操作される。
【0021】
色選択性偏光モジュレーターは、能動偏光変調要素(モジュレーター)を備える。例えば、電気工学または磁気光学偏光モジュレーターであり、これは、偏光の等方性状態の間での実質的に介在する偏光子の変調状態を有する(すなわち、固有偏光(eigenpolarization))。この色選択性偏光モジュレーターはさらに、1つ以上のリターダーを備えたリターダースタックを備える。
【0022】
偏光の変調状態は入力偏光であり、偏光の透過した状態がモジュレーターに印加された電圧に依存する。偏光の等方性状態は入力偏光であり、偏光の透過した状態は実質的にモジュレーターに印加した電圧に依存しない。第一スペクトルがモジュレーターの変調状態に配置され、そして、第二補色スペクトルがモジュレーターの等方性状態に配置されるように、リターダースタックは、光を色的に前条件付けする。従って、このモジュレーターは第一スペクトルの偏光の状態を変調するが、補色スペクトルの偏光を実質的には変調されないままにする。好ましい実施態様において、このスペクトルは加法原色スペクトルおよび減法スペクトルである。
【0023】
色選択性光モジュレーター(CSLM)(これは、カラーフィルターを形成するために使用され得る)は、色選択性偏光モジュレーター(すなわち、リターダースタックおよびモジュレーター)を偏光検光子と組み合わせることで形成される。偏光検光子は、ニュートラル偏光子と組み合わせて第二リターダースタックとなり得るか、あるいは、色選択性偏光子(例えば、直線または円色偏光フィルター)となり得る。これらのタイプの色選択性偏光子の例は、多色色素偏光子、コレステリック液晶、およびコレステリック液晶ポリマーである。
【0024】
好ましい実施態様において、偏光検光子は第二リターダースタックおよびモジュレーターの後に配置される検光偏光子を備える。このような構造は、変調されていないスペクトルの完全な透過または完全なブロッキングを提供する可能性を有する一方で、補色スペクトルの100%照度変調を可能にする。リターダースタック間の関係(すなわち、各リターダーフィルムの数、配向およびリターデーション)は、顕著に全体の挙動に影響を与える。例示的なリターダースタックの関係は、協同偏光変換を表し、これによって、補色スペクトルバンドのゼロ変調を伴う、十分に規定されたスペクトルバンドの完全な照度変調を得る。
【0025】
2つのリターダースタック(すなわち、色選択性偏光モジュレーターにおけるリターダースタックおよび偏光検光子におけるリターダースタック)を備えるCSLMにおいて、偏光子およびリターダースタックは、カラーフィルターがスタックオンリー(SO)ニュートラル(すなわち、モジュレーターがなければ、白色光を透過する)またはフィルターを通したSOスタックのいずれかであるように、配向され得る。SOニュートラルモードにおいて、モジュレーターの作用によってフィルターを通した出力が提供され得、一方、フィルターを通したSOモードは、モジュレーターを使用してニュートラル状態を発生させる。いずれの場合においても、このモジュレーターに印加された電圧は、効率的に複合リターダースタックの「存在」を制御する(すなわち、2つのリターダースタックが、相殺よりはむしろフィルタリングにおいて協同し、ニュートラル出力を発生する程度)。モジュレーターがアナログ変調が可能である場合、電圧により制御された複合リターダースタックの存在はまた、アナログである。
【0026】
リターダースタックに加え、例えば、偏光子とモジュレータータイプとの間に生ずる互換性を解決するために、さらなる偏光透過要素が入力偏光子と出力偏光子との間に備えられ得る。偏光される光源に関して、入力偏光子は必要がない。内部偏光子を有さないCSLM実施態様において、これらのCSLMは、入力および出力偏光子に対して、偏光セパレーター/コンバイナーを有する分割経路形状において操作され得る。これらのCSLMはまた、反射モード設計を使用し得る。
【0027】
先行技術の共通経路ディスプレイおよびカラーシーケンサーと違って、2つの偏光子CSLMによって、各ステージの後、偏光の状態を検光するための必要性を排除することによって、減法モードよりはむしろ加法モードにおける操作を可能とする。これは、パワーベースでCSLMステージの相互作用を排除する。加法原色が減法原色となるように(すなわち、白色は黒色となり、そして逆もあり得る)スペクトルを反転することによって、重要な性能改善を得る。詳細には、これらのCSLMステージは、加法原色を発する場合、独立となり、一方で、高密度黒色状態が達成され得る。これは、減法原色および白色状態での僅かな衝撃を用いて達成される。
【0028】
本発明のCSLMは、好ましくは、リターダースタック間に能動偏光変調素子を備え、従って、フィルターを通したスペクトルとニュートラルスペクトルとの間での変調を提供する。本発明の目的は、CSLMを利用し、R、G、B、C、M、Y、W、およびK(黒色)のセットから任意に選択可能な出力を有するハイスループットカラーフィルターを提供することである。本発明のさらなる目的は、CSLMを利用し、内部検光偏光子を備えないシーケンサーおよびマルチステージカラーフィルターを製造することである。本発明のさらに別の目的は、CSLMを利用し、正確な能動偏光変調素子特性に依存しない、固定されたカラーコーディネートを有するカラーフィルターを製造することである。また、本発明の目的は、このようなフィルターをディスプレイおよびデジタルカメラと組み込んで、ニュートラル出力を有するか、または有さない、高性能の色の発生を得ることである。
【0029】
本発明のさらなる目的は、共通経路スタックパネルプロジェクターを提供することであって、このプロジェクターは、減法モードよりはむしろ加法モードで操作される。この独特なオプションは、本発明のCSLMによって可能となり、これによって、光が3つの全てのパネルを通過しきるまで、任意の光のブロッキングを避けることが可能となる。
【0030】
本発明のさらなる利点、目的および特徴は、以下に続く発明の詳細な説明に一部示され、そして、一部は、以下の試験の際に当業者に明らかとなるか、または本発明の実施から理解され得る。本発明のこれらの目的および利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘したように実現および達成され得る。
【0031】
本発明は、以下の図面を参照して詳細に説明され、ここで同一の参照番号は、本明細書中の同一要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
色選択性偏光モジュレータを、色選択性光モジュレータ(CSLM)に使用するために本発明に記載する。CSLMは、色選択により、活性化または空間的にパターン化した素子を使用して光の伝達を制御するデバイスである。
【0033】
カラーフィルターとして使用される一般化したCSLM10の回路図を図1に示す。CSLMカラーフィルターは、入力偏光子130、第一リターダースタック110、第二リターダースタック120、リターダースタック110および120の間に配置された偏光子モジュレータ100ならびに出力偏光子140を備える。第一リターダースタック110は、それぞれリターダンスΓ1,Γ2,...ΓNならびに配向α1,α2,...αNをそれぞれ有する複数の個別のリターダー1010a,1010b,...1010cを備える。この第二リターダースタック120は、配向α'N,...α'2,α'1をそれぞれ有する複数の個別のリターダー1020a,...1020bおよび1020cを含む。図示する目的のために、第一および第二のリターダースタック110および120の各々は、3種の個別のリターダーで示されることを考慮すべきである。リターダースタック110および120の各々に含まれる個別のリターダーの数は、3個未満または多くなり得ることが理解されるべきである。
【0034】
CSLM中の色選択性素子は、典型的に、リターダーフィルムのスタックである。しかし、これらはまた、薄いねじれた液晶フィルムであり得る。色選択性偏光モジュレータ中のリターダースタックおよび偏光検光子中のリターダースタック(これらは、リターデーション値および配向に関する)は、スペクトルバンドを決定するために使用され、スペクトルバンド上で活性化素子(偏光モジュレータ)が光伝達を変調し得る。この偏光モジュレータ(これは、活性化または空間的にパターン化した偏光モジュレータであり得る)を、選択されるスペクトルバンドの伝達を制御するためにリターダースタックの間に配置する。活性化モジュレータを使用する場合、選択されるバンドの伝達は、電気的にそして時間的に制御される。空間的にパターン化したモジュレータを使用する場合、選択されるスペクトルバンドの伝達は、空間的に制御される。
【0035】
本発明のCSLMは、共通経路、分割経路、およびハイブリットカラー表示システム、カラー配列のため、ならびにアプリケーションにおけるアナログカラーの発生のために有用であり、これらには、照明、分光法、比色法、およびマルチスペクトル像が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
(定義)
本発明の構造およびそれらの動きを特徴付けるために使用されるある程度の定義が、次に提供される。加法原色とは、通常の色覚を有する観察者によって、実質的に飽和した赤(R)、緑(G)、または青(B)として認識可能な色である。逆に、飽和していないRGB色相である色は、パステルと呼ばれる。飽和しているが、他の色相を有する色は、加法原色の混合物(すなわち黄色または橙色)として生成され得る。
【0037】
用語「減法原色」とは、1つの加法原色を欠くことをいう。これらは、シアン(C)、マゼンタ(M)、および黄色(Y)として公知であり、そして減色システム(すなわち印刷システム)に使用される色である。他に記述しない場合は、シアンは青+緑であると考えられ、マゼンタは青+赤であると考えられ、そして黄色は緑+赤であると考えられる。単色の黄色は、純な黄色と呼ぶ。
【0038】
パワースペクトルの合計が純な白色スペクトルを与える場合(すなわち、シアン+赤、マゼンタ+緑、または黄+青)、色は補色である。パワーの保存によって、相補的な色素は、例えばニュートラル検光偏光子、次いで任意の偏光子/リターダスタックをπ/2回転させることで、発生され得る。
【0039】
「フィルターにかけた」スペクトルとは、CSLM構造を通した伝達において、色彩的に変化されるスペクトルである。伝達されたスペクトルは、特定の色相を有し、そして「ニュートラル」スペクトルより顕著に飽和しており、このことは、以下で議論する。好ましいフィルターにかけたスペクトルは、加法原色RGBまたは減法原色CMYのような飽和したカラーを示すスペクトルである。
【0040】
「ニュートラル」スペクトルとは、CSLM構造を通した伝達において、色彩的に変化されないスペクトルである。この伝達されたニュートラルスペクトルは、フィルターを通したスペクトルよりもCommission International DE l'Eclairge diagramの白色点に実質的に近いコーデネートを有する。例として、フィルターの白色状態および黒色状態が挙げられる。
【0041】
「固有偏光」は、CSLM構造を通過する際に変化しない偏光状態である。
【0042】
「スタックオンリー」(SO)モードとは、偏光モジュレータが存在しない場合、または偏光モジュレータが電気光学的に等価「ではない」状態にある場合のCSLM構造の出力をいう。このSOモードは、2個のリターダースタックをニュートラル偏光子の間に配置する場合に、ニュートラルスペクトルまたはフィルターを通したスペクトルのどちらかを伝達させるために、2個のリターダースタックを協同的に働かせるものであり得る。
【0043】
「スタック変更」(SA)モードは、偏光モジュレータ素子が、他のリターダスタックに関して1個のリターダスタックの「存在」を効率的に変更するために使用される場合のCSLM構造の出力をいう。このSAモードは、2個のリターダースタックをニュートラル偏光子の間に配置する場合に、ニュートラルスペクトルまたはフィルターを通したスペクトルのどちらかを発生させるために、2個のリターダースタックを協同的に働かせるものであり得る。
【0044】
人間の目は、波長依存感度性を有し、通常の昼明かりの照明状態の間、緑色の光に対して最も敏感である。逆に、目は、短波長の青色(すなわち400nm未満)および長波長の赤色(すなわち700nmより大きい)に対してほぼ非敏感性である。
【0045】
この目は、3つの加法原色に対応する3つの独立した光受容体を有する。このように、目は、この3つの加法原色の適切な混合体を使用して任意の色を観測するように「トリック」され得る。3色の情報のみを使用して、フルカラー画像を発生することが可能となる。この加法原色は、原理的にフルカラー画像に必要でない遷移バンドによって分離される。これらの遷移バンドは、約500nmの波長の純なシアン、および約585nmの波長の純な黄色である。多くの場合において、この遷移バンドは、利用可能なカラースペースを拡大するために不適格である。
【0046】
好ましくは、本発明のCSLM構造は、リターダーの間に活性化偏光モジュレータまたは空間的にパターン化された偏光モジュレータを有するリターダーの2個のスタックを備える。好ましくは、この偏光モジュレータは、2つの極度状態の間で、好ましくはアナログ様式で駆動され得る。好ましい実施態様において、このモジュレータは、1つの極度状態においてSOモードを可能にし、そして他の極度状態においてSAモードを可能にする。この2個のリターダースタックは、ニュートラルスペクトルまたはフィルターを通したスペクトルを発生するために協同的に作動するので、この用語「部分スタック」および「半スタック」は、本明細書において、リターダースタックの1つを言及するためにしばしば使用される。従って、用語「リターダースタック」、「部分スタック」および「半スタック」は、本明細書中で偏光モジュレータのどちらかのサイドにおける2つのリターダースタックのうち1つを言及するのに互換的に使用される。
【0047】
空間的にパターン化されたモジュレータが、2つのリターダースタックの間で使用される場合、この空間的にパターン化されたモジュレータは、光がパターン化されたモジュレータの一方の部分を通過する時、SOモードが可能となり、そして光がパターン化されたモジュレータの別の部分を通過する時、SAモードが可能となるようにパターン化されるのが好ましい。さらに、モジュレータの1つ以上の追加の部分は、追加中間体モード(すなわちSOモードとSAモードの間に存在するモード)が可能となるようにパターン化され得る。
【0048】
SAモードにおいて、ニュートラル偏光子の間で観測される出力は、モジュレータの効果と結びついた、リターダースタックの共同的な効果の結果である。要するに、このモジュレータは、互いに関連する1つのリターダースタックの存在を修正し、これによって両方のリターダースタックの特性を共に修正する。SAモードは、SO出力に関する両方のリターダースタックの極度変更に関連する。しかし、アナログ状態は、SOおよびSAモードの間に存在し得ることを認識すべきである。上記の議論は、本明細書中で記載されるCSLMの全てに適用される。
【0049】
(偏光モジュレータの特性)
個々のリターダースタック設計するための方法、およびリターダースタックの間の関係は、CSLM中で使用される偏光モジュレータ(モジュレータ)の特性に依存する。モジュレータには、機械的な、電気機械的な、液晶の、線形電気光学的な効果、磁気光学的、および非線型電気光学効果デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。モジュレータは、電気的に、光学的に、または光電流を発生する媒体を介するハイブリット効果を使用してアドレスされ得る。
【0050】
液晶(LC)ベースのモジュレータが、その低い製造コスト、その拡張性、単位相互作用長(interaction length)あたり大きな偏光変換を付与するその能力、低い電圧/電力で大きな変調を付与するその能力、および他の理由のために好ましい。LCデバイスは、一般に次のカテゴリーに分類される:(1)ゼロ−ツイストネマチック(Zero−Twist Nematic)(ZTN)または電子制御複屈折(ECB)デバイス;(2)ツイストネマチックデバイス;および(3)面内スイッチング(In−Plane Switching)デバイス。
【0051】
ZTNまたはECBデバイスは、LCデバイスのサブセットであり、これにおいて、面内リターデーションは、面に対して垂直に印可する電場によって制御される。ZTNまたはECBデバイスには、アンチパラレルネマチックデバイス、πセルまたはサーフェイスモードデバイス、垂直配列ネマチック(VAN)デバイス、およびハイブリット配列ネマチック(HAN)デバイスが挙げられる。
【0052】
アンチパラレルネマチックデバイス、およびπセルまたはサーフェイスモードデバイスは、駆動していない状態において最大のリターデーションを有し、そして駆動状態においてほぼ等方性である。ハイコントラストが、駆動状態において余剰リターデーションを取除くために外部補償を加えることで、しばしば得られる。
【0053】
VANデバイスは、同様に(homeotropically)両方の基板表面上に配列される。これらは、電圧を印加することで増加した面内リターデーションの状態である、駆動していない状態において、等方性である。VANデバイスは、全く余剰リターデーションを有さず、よって外部補償なしでハイコントラストを与える。
【0054】
HANデバイスは、同様に1つの基板表面上に配列され、そしてもう一方の表面上にプレーナーが配列される。
【0055】
ツイストネマチックデバイスは、基板を平行にまたは反平行以外でこすられたデバイスである。約45°〜90°のこすり角度差を有するツイストネマチックデバイスを、典型的に「TN」デバイスと呼ぶ。一方、約240°〜270°のこすり角度差を有するデバイスを典型的に「STN」超ツイストネマチックデバイスを呼ぶ。TNデバイスは、典型的に透過活性マトリクス薄層トランジスタ(TFT)パネルを使用して処理される。STNデバイスは、受動マトリクス処理スキームを可能にするように、高く複合化され得る。小さなツイスト角度(40°〜60°)が、混合モード反射型ディスプレイ用にしばしば使用される。
【0056】
面内スイッチングデバイスとは、基板プレート内にディレクタを実質的に回転させる任意のスイッチを言う。例として、キラルスメクティックデバイス(例えば、強誘電性LCまたは電子クリニック(electroclinic)LCデバイス、表面安定化キラルスメクティックC、体積安定化スメクティックC、歪んだヘリックス強誘電性、フレキソ電性(flexoelectric)、アキラルスメクティック、および反強誘電性LCデバイスが挙げられる。側方電極によって駆動される面内スイッチングネマチックデバイスがまた存在する。すなわち、デバイス基板の反対側に配置された透明電極よりむしろ1つのデバイス基板上の側方電極が使用された場合、ネマチック液晶が、固定リターダンスを備える回転可能なリターダーとして作動され得る。
【0057】
1以上の受動リターダーと組合せて液晶活性リターダーを利用する複合リターダーは、CSLMでの偏光モジュレータとして使用され得る。特に有用なのは、米国特許第5,658,490号に記載される無色の複合リターダー、および米国特許第5,870,159号に記載される無色の偏光回転子であり、これらの両方は、本明細書中で全体を通じて参考として援用される。
【0058】
この無色の複合リターダーは、受動リターダーによって側面に配置された液晶の回転可能な半波リターダーを含む。受動リターダーの配向およびリターダンスの結果、この複合リターダーは無色である。この無色の偏光回転子は、受容半波リターダーと組合せた、液晶の回転可能な半波リターダーを含む。光学的補償型屈曲(OCB)セルにおいて、πセルは、視野の領域を改良するためにz方向リターダンスを有するリターダーフィルムと、組合される。STNディスプレイは、別の方法で観測される複屈折カラーを抑えるために1以上のリターダーフィルムをしばしば使用する。TNおよびSTNの両方のディスプレイが、コントラスト比を改良するため、および視野の角度を改良するためにリターダーフィルムを使用する。
【0059】
典型的に、LCデバイスの挙動は、本来、干渉性である。特に、2つの直交の偏光された固有偏光の間に、電圧制御位相シフトを有する固有偏光が存在する。この位相差は、波(すなわち、リターデーション)の間に導入され、偏光状態の変化をもたらす。固有偏光は、はっきりと定義され、そして電圧および波長の両方に独立であるので、ZTNデバイスは、非常に単純である。ツイストネマチックデバイスは、もっと複雑だが、これらもまた、固有偏光を有する。本明細書中で示される特定のCSLM設計は、ZTNモジュレータ用に最適化されるが、本発明のCSLMのリターダースタックは、他のタイプのモジュレータ(例えば、ツイストネマチックデバイス)での使用用にデザインされ、そして作製され得ることを考慮すべきである。
【0060】
光学的活性デバイスは、本発明のCSLMの偏光モジュレーターとして使用され得る電子光学モジュレーターの別のグループである。光学的活性デバイスは、入射光の偏光配向と独立している偏光回転子を備える、偏光回転子である。等方性状態は、左旋および右旋円偏光である。この光学的活性モジュレータは、偏光の円状態に影響を与えない、円偏光の電圧制御位相シフトを行う。しかし、左旋および右旋円偏光を等振幅で分解し得る線形状態の場合、この透過偏光は線形であり、そしてこの配向は円状態の間の位相シフトによって決定される。従って、光学的活性モジュレーターは、偏光のモジュレーター状態が任意の線形状態で、線形状態の場合の偏光回転子として作用する。
【0061】
キラルスメクチック液晶(CSLC)リターダーは、偏光を回転するよりもむしろ軸周りで偏光を反射する。しかし、これらは、偏光の等方的および変調状態で光学活性デバイスと類似である。ゼロツイストネマチックとは対称的に、CSLCは、固定されたリターダンスおよび印加される電圧によって決定される光学軸の方向を有し、面内で回転する。半波リターダンスに対して、CSLCリターダーは円等方性状態および直線変調状態を有する。CSLCリターダーにおける光学軸の電圧制御された方向は、直線光の伝達される方向を決定する。
【0062】
中間の変調および等方性状態を有する電気光学モジュレーター(例えばツイストネマチックデバイス)もまたある。ツイストネマチックデバイスの偏光変換は、Poincare sphereで最も容易に見られる(J.E.BigelowおよびR.A.Kashnow)。偏光状態は、部分的に波長に依存する基底半径を有する、赤道上で回転するコーン(cone)に従う。ピッチ(90°TNに対するセルギャップの4倍である)および複屈折が大きくなるにつれて、コーンの基準が小さくなり、そして波長からほとんど独立し、そしてデバイスは、光学活性のようになる(すなわち、円固有偏光を示す)。より低いピッチの値に対して、こすり方向(すなわち、通常の方向)に沿って導入される直線状態は、赤道からエクスカーション(excursion)を行う。これらのエクスカーションは、優先的な回転と結合される楕円率の周期的な導入を表す。こすり方向に沿って導入されるおよその楕円率を有する光は、回転の間その楕円率を維持する。この波長依存楕円率状態は、純粋な回転を経験する。この制限はまた、非駆動状態でのSTNデバイスの変換を記載するために使用され得る。
【0063】
最近、ツイストネマチックデバイスが楕円固有偏光状態を有する楕円リターダーであることが実験的に示された。直線可変リターダーと同様に、位相シフトは、偏光状態の1つの特定のヘリシティによって実質的に決定される。これは、J.L.PezzanitiおよびR.A.Chipmanの「Phase−only modulation of a twisted nematic liquid−crystal TV by use of the eigenpolarization states」、Opt.Lett.18,1567−1569(1993)に記載される。
【0064】
リターダースタックとモジュレーターの間の適合性を達成するために、追加の受動的リターダーがCSLMに含まれ得る。例えば、リターダースタックが45°で分離される2つの直線偏光に光を調製する場合、これらの偏光状態は、固定された配向を有する種々のリターダーを含むモジュレーターに関して、偏光の変調状態および等方性状態である。偏光状態のうちの1つに平行に配向される受動的四分の一波リターダーは、2つの直線偏光を1つの直線偏光および1つの円偏光に転換し、これらは、CSLCモジュレーターのような、固定されたリターダンスを有する回転可能なリターダーを含むモジュレーターに関して、偏光の変調状態および等方性状態である。従って、CSLMがCSLCモジュレーターのいずれかの側に受動的四分の一波リターダーを含む場合、種々のリターダーモジュレーターのために設計されるリターダースタックは、代わりに回転可能リターダーモジュレーターと共に使用され得る。
【0065】
(一般的考察)
特定のリターダースタック設計を使用することなしに、フィルター設計の分析は、以下の仮定に従って行われ得る:(1)カラーフィルター/スイッチのニュートラル状態で黒または白のいずれかを生成することが望ましい;(2)カラーフィルター/スイッチのフィルターされる状態で「安定な」原色(名目上、セットRGBCMYから)を生成することが望ましい。すなわち、例えばLCセルのような偏光モジュレーターのクロミナンスが、フィルターカラーコーディネートにほとんど影響を有しないことが望ましい;(3)モジュレーターが必要に応じて可視スペクトルを通してSOモードで光学的に「消える」ように、CSLMが設計される;そして(4)偏光モジュレーターがSAモードでいくらかのクロミナンスを示し、その結果、可視スペクトルの約3分の2にわたって一定の偏光変換を維持することが適切になされ得ない。上記仮定と共に、種々の一般的なカラーフィルター配置が分析される。上記仮定に関連しない用途があり得ることに留意するべきである。
【0066】
図2は、CSLMに基づくニュートラル/原色フィルター/スイッチの24の好ましい設計を一覧にする表であり、これらは、6つの加法および減法原色フィルターされる状態、白色または黒色ニュートラル状態、ならびにスタックオンリー(SO)またはスタック変更(SA)状態の間の選択に基づく。一般的に、SO出力は、ネマティックLCデバイスを偏光モジュレーターとして使用する場合、アクロマティックリターデーション(または回転)状態よりもニュートラル(アクロマティック)等方性状態を達成することが一般的により実際的であるので、質がより高い。SAモードのアクロマティックLCデバイス(例えば、厚いTN構造)を製造することは可能であるが、本発明者らは、SO状態がSA状態よりも優れていると考える。
【0067】
LCセルが偏光モジュレーターとして使用される場合、カラーフィルター/スイッチ設計を比較する場合、最も重要な差の1つは、カラーフィルター/スイッチ出力の質のLCセルクロミナンスのインパクトである。SOモードは、好ましくは、セルクロミナンスの負の効果を受けることが最も少なくあり得る出力であるように選択される。SOおよびSAモードを考慮した最終の決定は、好ましくは、全体の構成要素の性能の全体的な観点に基づき、これは、複数のカラーフィルター/スイッチステージおよび複数の偏光子を含む。優先は特定の用途についての詳細から導かれる。これらの詳細には、出力の数、中心波長の位置、バンドパスプロフィール、およびそれぞれの波長帯についてのスループット要求が挙げられるが、これらには限定されない。例えば、デジタルカメラに対するカラーシーケンサーは、ディスプレイ用途について非常に乏しい最適スペクトルを有し得る。他の実際的な問題はまた、許容される偏光子の数、駆動電力の制限、ランプスペクトルの特徴、および視野の必要を含めて、取り組まれ得なければならない。全ての用途をカバーする「最高の設計」は明らかに無い。しかし、本発明を種々の用途に適合し得る方法を例示する数例が、以下に記載される。
【0068】
大部分の用途が、マルチステージのカラーフィルターを利用し、それぞれのカラーフィルターステージがCSLMで実行され、このCSLMは、好ましくは、偏光モジュレーターとして中心LCセルを有する一対のリターダースタックを構成する。マルチステージの設計では、独立して設計され、完全にモジュラーであり得るように、カラーフィルターステージ(CSLM)が互いに独立して機能することが好ましい。これは、設計プロセス、特にマルチステージ配置を単純化する。例えば、カラーフィルターステージのうちの1つのリターダースタックのリターダンスは、残りのカラーフィルターステージの出力にインパクトなしで、1つの用途の必要に適用するようにシフトされ得る。
【0069】
カラーフィルターステージの独立性を維持すること、および高密度黒色状態または極度にニュートラル白色状態を得ることのために、マルチステージカラーフィルターのSOモードが、好ましくはそれぞれのカラーフィルターステージのニュートラル出力に対応する。しかし、ある場合において、カラーフィルターステージの設計者は、この選択を有さない。例えば、独立なカラーフィルターステージを有するために、それぞれのカラーフィルターステージが、他のカラーフィルターステージからの援助無しで、受容可能なフィルターされる状態(すなわち、カラーコーディネート)を生成しなければならない。加法原色が2つのカラーフィルターステージから減法的に得られる場合でさえ、カラーブロッキングの冗長の欠如が残る。すなわち、受容可能な加法原色コーディネートは、それぞれのカラーフィルターステージが高い質の減法原色を生成し得ない場合、達成され得ない。結果として、優先は、理想的なニュートラル状態を超えて受容可能なフィルターされる状態を得るために頻繁に与えられる。
【0070】
クロマティック偏光モジュレーターを使用して、これによってニュートラル状態に対してSOモードを保存する、高い質のSAフィルターされる状態を提供する設計スキームがある。これらの設計スキームでは、LCセル(偏光モジュレーター)は、1つの加法原色を切り換えることのみが必要である。この例には、R/K(赤/黒)、G/KおよびB/Kならびに補色(complement)C/W、M/WおよびY/Wを含む。LCセルがSOモードでよりもSAモードでよりクロマティックであると仮定すると、黒色状態の密度(または白色状態の平坦さ)がSO黒色(白色)を使用してより良い。典型的には、原色の質は、SOまたはSAフィルターされるモードについて識別不能である。これらの種のカラーフィルターステージのスタック(CSLM)は、マルチステージカラーフィルターについて望ましい。
【0071】
LCセルが2つ以上の加法原色の間で切り換えなければならない場合、状況は変化する。SO白色を有するSA加法原色は、フィルターされるカラーコーディネートで有意なデグラデーション(degradation)を受ける。これは、偏光モジュレーターが青色と赤色を効果的にブロックするためにこれらの偏光を回転させなければならないので、特にSA緑色の場合そうである。活性な偏光モジュレーターについて、これは、可視スペクトルに渡ってアクロマティックであるLCセルを必要とする。従って、SOモードは、カラーコーディネートを保存するためにフィルターされる状態にあてられる。SOモードをフィルターされる状態にあてると、結果として、白色状態が顕著な短波長青色および長波長赤色損失を有し得る。白色状態は、リターダースタックが除去され、LCセルのみが45°に配向させられる場合、実際に現れる。リターダースタックは、多くの場合、白色透過を改善するが、LCセルのみと比較した場合、透過を決して低下させないようである。
【0072】
(CSLM構造の要件)
少なくとも部分的に偏光した光がCSLMに対する入力であると仮定される。偏光されていない光が導入され得るが、ランダムに偏光された光は、CSLMによって操作されず、変調されないCSLMを通過することが理解されるべきである。従って、入力光の偏光成分でのCSLMの作用を考える。さらに、入力光の偏光成分が特定の操作帯を越えてニュートラルに偏光されると仮定される。「白色」状態は、従って、この特定の操作帯にわたって実質的にニュートラルである出力透過として規定される。
【0073】
最適の白色状態は、スペクトル帯の操作を通じて均一の透過を有する透過関数として規定される。可視操作について、操作スペクトル帯は、400〜700nmである。逆に、フィルターされる状態は、透過関数が操作帯の中に、1つ以上の最大透過点(理想的には、損失ゼロ)、および1つ以上の最小透過点(理想的には、透過ゼロ)を含むものである。
【0074】
(A)ニュートラル出力要件 ニュートラル状態を達成するために単一のカラーフィルターステージ(CSLM)についての要件が、ここで議論される。議論は、特に、最大スループット白色状態(このような設計がまた検光偏光子の適切な回転によって黒色状態を表し得る)に焦点をあてる。
【0075】
偏光された入力光は、直接、例えばレーザーから生成され得、または光源とCSLMの間の受動的偏光子を置くことによって生成され得る。多くの種類の受動的偏光子が存在するが、最も通例の受動的偏光子は、直線偏光状態を生成する。従って、議論および例は、直線偏光入力光の特別な場合に集中して示された。しかし、他のニュートラル光入力が直接または間接に、楕円偏光子、またはニュートラル直線偏光子と組み合わせたアクロマティックリターダー構造を使用して生成され得ることが理解されるべきである。
【0076】
CSLMは、偏光モジュレーター(能動的または空間的にパターン化される)のいずれかの側に第一および第二のリターダースタックを含むリターダー構造、ならびに検光ニュートラル偏光子(検光子)を含む。用語「ニュートラル」は、操作帯に渡って、実質的に一定の透過および偏光の有効性を提供する。操作帯は、モジュレーターによって実質的に変調される少なくとも1つのスペクトル部分およびモジュレーターによって実質的に変調されない少なくとも1つのスペクトル部分を含む。
【0077】
入力光偏光が偏光検光子によって伝達される偏光と異なる場合、効果的な白色状態は、リターダー構造がニュートラル偏光変換を行うことを必要とする。この変換はSOまたはSAモードで達成され得る。SOモードについて、リターダースタックは、入力光偏光を検光偏光子によって伝達される偏光に変換するニュートラル変換を生成するために協同する。従って、モジュレーター(例えば、LCセル)は、CSLM構造を実質的によりクロマティックであるものに切り換え、これによって所望のフィルターされる操作を達成する。
【0078】
SAモードについて、ニュートラル変換は、モジュレーターを有するリターダースタックの作用によって、またはある場合ではモジュレーターのみによって達成される。この例は、直線入力偏光状態および直線検光偏光子の特別な場合である。ニュートラル状態では、SOモードまたはSAモードにいずれかを使用して、モジュレーターが高い効率の白色状態についてθだけ、または黒色状態についてθ+π/2だけ偏光を回転させなければなない。ここで、θは検光(出口)偏光子の配向である。モジュレーターは、比較的中性の操作を行うので、モジュレーターがニュートラル状態の特性について大きく原因がある配置を考えることは魅力的である。モジュレーターが特にアクロマティックであり得ないが、アナログモジュレーターが性能を最大にするために、ニュートラルスペクトルのピークの通過を位置付けるために調節され得る。例えば、マルチステージカラーフィルターは、ニュートラル状態のカラーフィルターステージのピーク透過を調節することによって処理能力を最大にし、フィルターされる状態でカラーフィルターステージのピーク透過と一致する。
【0079】
例えば、x配向入力偏光およびx配向直線検光偏光子のような、検光偏光子が偏光の入力状態を分析する特定の場合では、最適の白色状態が、リターダースタック構造が正味ゼロの偏光変換を提供する場合、得られる。これは、入力/出力偏光がリターダースタックの固有偏光であることを要求することと等価である。この場合、好ましいサブセットのリターダースタック設計は、入力/出力偏光がLCデバイスの1つの特定の状態についてリターダー構造の固有偏光と一致する設計である。これは、例えば、直線偏光に先立つおよび続くPancharatnamアクロマティックリターダーのような、追加のリターダースタックがクロマティックリターダースタックの前にニュートラル偏光状態を生成し、クロマティックリターダースタックの後にニュートラル偏光状態を分析するために使用される場合を含む。しかし、このような解決は、これらが追加のリターダーを必要とするので、より複雑である。
【0080】
調和した入力/出力偏光が、SOモードで白色状態を生成する場合、第一リターダースタックは、操作帯内で第二のリターダースタックによって完全に補償されなければならないクロマティックな偏光変換を実行する。これは、単に、入力偏光が組み合わせたリターダースタックの固有偏光に対応することを必要とする。例えば、入力リターダースタック(−7.5°、52.5°および67.5°の個々のリターダー配向を有する)を有するゼロ配向直線偏光状態は、67.5°、52.5°および−7.5°に配向される個々のリターダーを有する第二のリターダースタックが続き、ニュートラル白色状態が生成する。この特定の構造は、リターデーションおよび配向の両方で対称的であり、従って真の反射モードカラーフィルター/スイッチを可能にすることに留意すること。さらに、このリターダースタック構造が特定の偏光の入力状態必要とし、他の入力偏光配向(例えば、45°直線または円形入力偏光)について等価に実行しないことに留意するべきである。
【0081】
「交差スタック」配置は、特定の入力/出力偏光に依存しないSO白色について1つの系統の解決を提供する。2つのリターダーが、等価なリターデーションを有し、交差した配向を有する場合、得られるJonesマトリクスは、同一性のマトリクスである。この概念は、それぞれの追加の対が同じリターデーションおよび交差した配向を有しながら、いずれかの側に追加のリターダーを加えることによって拡張され得る。このスキームに一致する任意の数のリターダーについて、それぞれのリターダースタックを示すJonesマトリクスが互いの逆であるので、正味ゼロの偏光変換である。リターダー構造が等方性であるように見えるので、最適の白色状態が任意の適合した入力/出力偏光について得られる。SAモードでフィルターされる出力について最適のスタック設計が、入力リターダースタックによって最適に示される変換器およびクロマティック偏光状態に依存する。
【0082】
別の場合は、調和した入力/出力偏光がSAモードで白色状態を生成する場合である。この場合、入力偏光は、ここでリターダースタックと変換器の両方を含むCSLM構造の固有偏光に対応する。例えば、入力リターダースタック(−7.5°、52.5°および67.5°に配向された個々のリターダーを有する)を有するゼロ配向直線偏光状態は、−67.5°、−52.5°および7.5°に配向される個々のリターダーを有する第二のリターダースタックが続き得る。これは、入力に平行に配向されるZTN半波プレート(モジュレーター)を有する白色状態を生じる。この構造は、従って上記の対称的な構造の固有偏光を有するように見える。
【0083】
第二の実施例では、モジュレーターが交差リターダースタックの見掛けを作るように使用され得る。上記入力偏光を使用して、入力リターダースタック、およびZTN半波プレート配向、第二のリターダースタックが22.5°、37.5°および−82.5°に配向される個々のリターダーを有する。
【0084】
(B)フィルターされる出力の要件 透過スペクトルの観点からカラーフィルター構造への要求が、ここで記載される。先に議論されたように、操作帯は、偏光がモジュレーター(例えば、LCデバイス)によって実質的に変調されない少なくとも1つのスペクトル部分と、偏光がモジュレーターによって実質的に変調される少なくとも1つのスペクトル部分を有するとして規定される。好ましい実施態様では、偏光の変調は、検光偏光子の適切な選択によって透過変調になる。さらに、変調されたスペクトル部分は、好ましくは、実質的に完全透過と実質的にゼロ透過との間で変調される。これは、スペクトルの変調される部分内で直交偏光状態間で変調し得ることを必要とする。スペクトルの変調されない部分は、モジュレーターの切り換え状態と独立してその偏光状態を保持しなければならない。従って、スペクトルの変調されない部分の透過は、任意の切り換え状態について実質的に固定(典型的には、完全透過またはゼロ透過)を維持しなければならない。
【0085】
上記設計の考慮は、2つのリターダースタックの間に配置されるモジュレーターを含むCSLMフィルター構造に関して考慮される。スペクトルのフィルターされる部分は、直交状態間で完全に変調され、CSLM構造を通ってその透過に対して有意である方法で、変調されないスペクトル部分は、モジュレーターが「見えない」(すなわち、モジュレーターによって変調されない)。スペクトルのフィルターされる部分の偏光は、従来のニュートラルシャッターにおけるようにモジュレーターについて適切に構成されなければならない。スペクトルの変調されない部分は、モジュレーターのゼロ変調状態に対応する偏光(すなわち、モジュレーター固有偏光)を有する。
【0086】
モジュレーターは、単一層または複合物(すなわち、能動的および/または受動的要素の多層)、ツイストまたはゼロツイストであり、好ましくは、挙動において干渉計的なデバイスである。すなわち、2つの直交固有偏光があり、それぞれは光学的に別の経路長を有する。これらの波の間の経路長が制御され得ると仮定される。それぞれの固有偏光に投射し、モジュレーターを透過する光の偏光状態に影響を与えるのは、波長間の経路長差である。本発明のCSLM構造の好ましいモジュレーターは、ゼロツイストネマティック(ZTN)のような、電圧および波長安定固有偏光を有するものである。逆に、ツイストネマティックデバイスは、波長および電圧に比較的感受性な固有偏光を有する。
【0087】
本発明の多くの構造が変調帯に渡って安定な波長効果に基づくが、モジュレーターのクロミナンスは、ある場合、色選択技術を高めるために使用され得る。例えば、リターダースタックは、モジュレーターが変調し得る複数のスペクトルの「窓」を開き得る。従って、クロマティックモジュレーターは、スペクトル帯のうちいずれが透過され、いずれがブロックされるかを選択するために使用され得る。しかし、本発明の構造の大部分の性能は、モジュレーターのクロミネンスを抑制することによって高められる。
【0088】
上記議論を考慮すると、最小限の変調を達成し、最大限の変調可能性のための模範的な入力偏光がある。最小限の変調偏光は、単一の固有偏光に沿ってのみの投射を有する。ZTNデバイスについて、例えば、最小限の変調偏光は、正常および異常波である。最大限の変調偏光は、固有偏光に沿った実質的に等しい投射を有する偏光状態に対応する。ZTNデバイスについて、任意の楕円率を有するが、こすり方向に対して±π/4に配向する楕円軸を有する偏光の系統である。従って、入力リターダースタックは、例えば、特定のバンドで、直線±π/4偏光または円偏光を生成し得、モジュレーターは、それぞれの偏光状態について完全な変調能力を提供し得る。
【0089】
フィルターをかけた状態の質を評価することはいくぶん複雑である。なぜならば、全てのアプリケーションおよび出力カラーにとって「最高」である単一の設計はないからである。設計の考慮(例えば、ストップバンドに相対的なパスバンドの幅、および転移スロープ)の全ては、フィルターをかけられる特定のカラーおよびアプリケーション要求に依存する。
【0090】
ディスプレイアプリケーションのための好ましいスペクトルは、所望のスペクトルに適切な周波数領域衝撃係数(frequency domain duty ratio)を有し、そして正弦または他のスペクトルプロファイルではなく矩形であるスペクトルプロファイルを有する。他のスペクトルプロファイルが好ましいさらなる生理学的または他の理由がある。しかし、一般的に、フィルターは、好ましくは急な転移スロープを有し、これは比較的平坦な遷移バンドおよび比較的平坦なブロッキングバンドを有する。比較的平坦なバンドは、スペクトルにおける一連の分布したハイコントラストのゼロ(null)およびピークを有することによって、達成され得る。ほぼ理想的な透過スペクトルは、リターダースタック内のリターダーの数を増加させることによって、発生され得る。実際問題として、受容可能な転移スロープならびにサイドローブ振幅および配置は、制限数の成分を有する彩度を最適化するために、注意深く選択されなければならない。
【0091】
カラーフィルター設計を評価する基準は、彩度、色相、およびスループットを考慮することに基づく。彩度および色相は、CIE色度図を使用して評価され得る。特定のフィルター出力によって発生されたカラーの質は、一連の重なり積分を計算することによって特徴付けられ得、これは特定のフィルターに通した状態についての透過関数、光源のパワースペクトル(power spectrum)、およびCIEカラー整合関数(matching function)を含む。
【0092】
飽和した原色は、所望の第一バンド内に透過される光源パワーと第一バンド外に透過される光源パワーとの間の比率を最大化することによって発生される。フィルター設計は、最適化を非常に特別にするために、光源特性に合わせられ得る。例えば、真の白色源(例えば、6000K 黒体)は、分散光源(例えば、CRT蛍光物質または蛍光バックライト)よりも大きな要求をフィルター性能に対してする。ブロッキングバンド(blocking band)のスペクトルのゼロの位置は、光学成分のリターダンスに依存する。光源のアウトオブバンドパワーのスペクトル最大値で戦略的にゼロを置くことは、有益である。同様に、アウトオブバンドパワーのスペクトル最大値から離れてサイドローブ最大値を置くことは、有益である。受動フィルターは、原色バンドの外にあるバンドを拒絶して彩度を増加させるために、挿入され得る。
【0093】
(C)リターダースタック設計 各リターダースタックによって達成される偏光変換は、任意であり、各リターダーフィルムのリタデーションおよび配向によって決定される。しかし、特定の結果を得るために、リターダースタック設計において制限がなされ得る。例えば、ゼロツイストのネマチックLCDが偏光モジュレータとして使用される場合、中心波長の偏光が、第一リターダースタックを発する±π/4配向線形偏光にするために、制限され得る。等しいリタデーション要素からなるリターダースタックを考慮し、各リタデーション要素は、中心波長での、任意のオーダーの、半波リターダンスを提供する。以下の方程式が満たさなければならない: αN−αN-1+αN-2...α2±α1=π/8+mπ/4、(1) ここで、mは整数であり、Nはリターダー要素の数であり、そして最後の符号はNが奇数か偶数によって決定される。
【0094】
第一リターダースタックの後、ピーク変調された波長が±π/4配向された線形状態でない設計もまた存在する。準折り畳みSolc設計(quasi folded Solc design)に一致する赤色フィルターを考慮する。リターダースタックは、450nmで全波であるポリカーボネートリターダーから作製される。この場合、N=3で、ロッキング角(rocking angle)は、π/4回転角に対して7.5°であるべきである。しかし、赤色フィルター設計は、12°より有意に大きいロッキング角を使用し、これは72°の回転角を与える。この回転角は、807nm半波波長に対応する。驚くほどのことではないが、効率はこの波長のために悪いが、これは可視は十分に越えている。それにもかかわらず、効率は668nmよりずっと短い波長で高く、ここでリターダンスは、半波よりも有意に大きい。この特定の場合、より大きなロッキング角は、より短い波長での効率での回転効率での損失を補償し、668nmでの所望の中間の偏光を与える。全赤色透過は可能であり、なぜならば、リターダースタックは、±π/4配向楕円状態を発生する。
【0095】
(D)リターダースタック関係 米国特許第5,822,021号(これは、その全体で本明細書中で参考として援用される)において、構造が開示され、この構造は、白色状態のための平行偏光子間、または黒色状態のための交差偏光子間で、恒等ジョーンズ行列(identity Jones matrix)を作ることによって、アクロマティックな白色状態または黒色状態を作る。任意の入力リターダースタックに対して、逆のリターダースタックが、個々のリターダーの順序を反転すること、および個々のリターダーを入力リターダースタック内の対応する個々のリターダーからπ/2回転することによって、作られる。透過は、全ての波長に対して均一であり、損失のない成分を想定し、そして交差リターダースタック間のモジュレータが「消される」ように作られることを想定する。交差リターダースタック配列において、白色状態の質は、モジュレータ配向または電気光学効果にかかわらず保証され、但し、モジュレータは効果的に消されるように作られ得る。従って、フィルターをかけられた状態は、白色状態の質への影響を考慮することなしに、設計され得る。このような独立の設計特性の1つの結果は、SOニュートラル配列(SO neutral configuration)は、複数のステージフィルター設計に容易に適応され得る。
【0096】
本発明の一部は、交差リターダースタックの間にゼロツイストネマチック(ZTN)LCモジュレータを0またはπ/2に配向することによって、多くの有用なフィルタリング操作(filtering operation)が得られ得るという発見である。入力リターダースタックは、α1、α2、...αNで配向された個々のリターダーを有し、第二のリターダースタックは、π/2+αN、...π/2+α2、π/2+α1で配向された個々のリターダーを有することを想定する。ZTN LCモジュレータは、変調されたバンド幅に対して半波リターダーであり、SAモードにあるZTN LCモジュレータは、効率的に第二リターダースタック内の個々のリターダーの角をπ/2−αN、...π/2−α2、π/2−α1へ切り換えることを想定する。
【0097】
従って、状態は、第二リターダースタック内の個々のリターダーに交差リターダースタックを有するSAモードで作られた効率的な配向を単に与えることによって、反転される。これは、SA白色状態を作り、LCモジュレータクロミナンスの白色状態透過に対する影響を受けやすい。このようなSOフィルターをかけた配列は、LCモジュレータクロミナンスのフィルタをかけた状態に対する影響が過度である場合、価値がある。
【0098】
さらに、SA白色状態の質が、LCモジュレータクロミナンスのみによって実質的に決定され、そして、そういうものとして、任意の波長で最大の透過を提供するように調整され得る。これは、マルチステージSA白色フィルターにおいて高いスループットを提供するために重要である。少しでも影響が見られる場合、リターダースタックの白色状態に対する影響は、透過を増加する。リターダースタックによって、白色状態の透過を下げることは見出されていない。
【0099】
SA白色状態がLCモジュレータクロミナンスのみによって損なわれる設計は、同様のクロミナンスを有するSO白色出力を有する設計よりも一般的に好ましい。SO白色出力設計は、準ニュートラル変換(quasi−neutral transformation)を作り白色状態を生じるためにリターダースタックを使用する設計のことを言う。SA白色設計は、マルチステージフィルターにおいて好ましく、なぜならば白色状態は、スループットを最大化するように調整され得るからである。逆に、SO白色状態は、スループットの損失を表す固定クロミナンスを有する。
【0100】
ニュートラル透過スペクトルとフィルターをかけた透過スペクトルとの間の変調のための設計選択の範囲を表すCSLMデバイスの例を、ここでは議論する。議論されるCSLMデバイスの全ては、偏光モジュレータのためのZTN LCデバイスを使用する。しかし、モジュレータ配向に対する種々の選択、リターダースタック相互作用、および偏光子配向はまた議論される。
【0101】
(実施態様1:SO白色、0°配向ZTN LCモジュレータ、平行偏光子)
本発明のCSLMの1実施態様は、交差crossedリターダースタックおよび平行偏光子(parallel polarizer)を備え、そして実質的に理想的なSO白色出力を与える。CSLM構造10を図3に示す。CSLM構造10は、ZTN LCモジュレータ100、第一リターダースタック110、および第二リターダースタック120を備える。ZTN LCモジュレータ100およびリターダースタック110および120を、入力偏光子130と出力偏光子140との間に配置する。入力偏光子130の配向は、出力偏光子140の配向に対して平行である。ZTN LCモジュレータ100を、入力偏光子130に対して、平行または垂直に配向し、そして変調されたバンドの中心の波長で半波のリターダンスを提供する。SAモードにおいて、半波ZTN LCモジュレータ100は、入力偏光軸周りで入力偏光を反射し、それによって一方のリターダースタック110の外見上の配向を他方のリターダースタック120に関して変化させる。
【0102】
図3に示す交差スタックCSLMは、各リターダースタックおよび7.5°のロッキング角において、3個の個別のリターダー、好ましくはリターダーフィルムを使用するマゼンタ/白カラーフィルターである。詳細には、第一リターダースタック110は、入力偏光子130に関して7.5°で配向された第一フィルムリターダー110a、入力偏光子130に関して−7.5°で配向された第二フィルムリターダー110b、および入力偏光子130に関して7.5°で配向された第三フィルムリターダー110cを備える。リターダースタック120は、第一、第二および第三のリターダーフィルム120a、120bおよび120cを備え、それぞれ入力偏光子130に関して、−82.5°、82.5°および−82.5°で配向される。
【0103】
第一リターダースタック110および第二リターダースタック120内の個々のリターダーの全ては、緑色(540nm)において1.5波リターダーであり、緑色光に対してπ/4偏光回転(半波リターダンス)を提供する。このカラーフィルター設計は上述の母関数を満たし、従って540nmの光は第一リターダースタック110の後で線形π/4配向されることに注意する。これによって、緑色光は、0配向ZTN LCモジュレータによる変調のために十分に利用可能である。青色光および赤色光の両方は、入力偏光子130の偏光軸に沿って配向されたままであり、これはZTN LCモジュレータ100の固有偏光と一致する。従って、青/赤偏光を変調するZTN LCモジュレータ100の機構は存在せず、いずれのLC遅延からも独立している。青/緑と緑/赤との間の遷移バンドは急であり、フィルターにかけた状態のスクエアノッチを生じる。スペクトルは、各パスバンド(青/赤)における3つの最大値、およびストップバンド(緑)における2つのゼロによって特徴付けられる。ピーク/ゼロ間のサイドローブの振幅がおよそ1%である。
【0104】
加法原色バンド(additive primary band)の1つのみがZTN LCモジュレータによって切り換えられるので、モジュレータクロミナンスのSAスペクトルへの影響は、ほとんど検出不可能である。白色スペクトルは実質的に理想的であり、なぜならば第一リターダースタック110と第二リターダースタック120とが交差しているからである。
【0105】
(実施態様2:SA交差スタック、0°配向ZTN LCモジュレータ、平行偏光子)
図4は、図4のカラーフィルターがSAモードで白色出力を透過することを除いて、図3で示すカラーフィルターと類似の、マゼンタ/白(M/W)カラーフィルターを示す。図3で示すカラーフィルターと同様に、ZTN LCモジュレータ100は、入力偏光子130に対して平行または垂直(π/2)に配向され、従ってモジュレータ100は45°偏光を変調し、そしてモジュレータ100は、変化されていない入力偏光子130の偏光軸に沿って配向される光を通過させる。
【0106】
第一リターダースタック110は、入力偏光子130に関して、7.5°、−7.5°、および7.5°でそれぞれ配向した個々のリターダーフィルム210a、210b、および210cを備える。第二リターダースタック120は、入力偏光子130に関して、82.5°、−82.5°、および82.5°でそれぞれ配向した個々のリターダーフィルム220a、220b、および220cを備える。第一リターダースタック110および第二リターダースタック120内の個々のリターダースタックフィルムは、緑色(540nm)において1.5波リターダーである。従って、第一リターダースタック110および第二リターダースタック120のそれぞれは、緑色光に対してπ/4偏光回転(半波リターダンス)を与える。脱出偏光子(exit polarizer)140は、入力偏光子130の偏光軸に対して平行であるその偏光軸と共に配向される。従って、光出力は、マゼンタ状態と白色状態との間で変調される。
【0107】
0またはπ/2以外のZTN LCモジュレータ100の配向について、設計は、第二リターダースタック120への効率的な入力を考慮して、SA白色状態のために作られ得る。例えば、第二リターダースタック120の配向および脱出偏光子140は、交差リターダースタックおよび平行偏光子を効率的に提供するように、選択される。この白色状態は、モジュレータ100が変調されたバンド全体にわたってアクロマティックである範囲で、実質的に理想的である。
【0108】
配向αLCを有するモジュレータは、2αLCの効率的な出力偏光を生成し、配向2αLC−α1、2αLC−α2、2αLC−αNを有する効率的な出力リターダースタック110を伴う。従って、効率的な交差リターダースタック白色出力は、2αLCでの脱出偏光子140およびπ/2+2αLC−αN、...π/2+2αLC−α2、π/2+2αLC+2αLC−α1での第二リターダースタック120を配向することによって、発生され得る。
【0109】
(実施態様3:SO交差スタック、π/4配向ZTN LCモジュレータ、平行偏光子)
図5は、マゼンタ/白出力を有するカラーフィルターの別の実施態様を示す。図3および4の実施態様と同様に、入力偏光子130および脱出偏光子140を、互いに関して平行に配向する。しかし、ZTN LC半波モジュレータ100を、入力偏光子130に関して±π/4で配向する。従って、モジュレータ100は、入力偏光子130の偏光軸に平行に配向された光の偏光を変調し、そして変化されていない入力偏光子130に関して±π/4で配向された光の偏光を残す。
【0110】
図3および4に示すカラーフィルターと同様にM/W出力を得るために、第一リターダースタック110および第二リターダースタック120を改変し、従ってそれらはそれぞれ緑色(540nm)において全波リターダンスを提供する。図3に示すカラーフィルターにおいて、第一リターダースタック110および第二リターダースタック120は互いに関して交差するので、従って実質的に理想的な非常に白色である出力を提供する。
【0111】
第一リターダースタック110は、入力偏光子130に関して、22.5°、75°、および−60°で配向した個々のリターダー310a、310b、および310cを備える。第二リターダースタック120は、入力偏光子130に関して、30°、−15°、および−67.5°でそれぞれ配向した個々のリターダー320a、320b、および320cを備える。
【0112】
(実施態様4:SA交差スタック、π/4配向ZTN LCモジュレータ、交差偏光子)
図6は、白色出力がSAモードで達成されること以外は、図5に示すCSLMと同様の、CSLM10の別の実施態様を示す。ZTN LC半波モジュレータ100は偏光の状態を反射し、従って入力偏光がπ/2で配向されるように見え、そして第一リターダースタック110が配向π/2−α1、π/2−α2、...π/2−αNを有するように「見える」。SA白色状態は、交差リターダースタックおよび平行偏光子の「見かけ」を作ることによって、発生される。このことは、π/2での脱出偏光子140を配向し、そして−αN、...−α1での第二リターダースタック120における個々のリターダーを配向することによって、なされる。この得られた構造は、第一リターダースタック110および第二リターダースタック120の対向するサインを有する。
【0113】
図6に示す実施態様において、第一リターダースタック110は、入力偏光子130に関して、22.5°、75°、および−60°でそれぞれ配向した個々のリターダー410a、410b、および410cを備える。第二リターダースタック120は、入力偏光子130に関して、60°、−75°、および−22.5°でそれぞれ配向した個々のリターダー420a、420b、および420cを備える。第一リターダースタック110および第二リターダースタック120内の個々のリターダーは、540ナノメートルで全波リターダンスを提供する。
【0114】
(実施態様5:SO白色(固有偏光)、π/4配向ZTN LCモジュレータ、平行偏光子)
交差リターダースタックの代替は、CSLM構造の固有偏光を使用してニュートラル出力を達成することである。図7は、図6のCSLM実施態様の改変であるCSLM10の別の実施態様を示す。図7のCSLM10において、白色出力は、固有偏光を使用してSOモードで得られる。±π/4配向ZTN LCモジュレータ100は、0および/またはπ/2配向偏光を有するスペクトルを変調するために本実施態様で使用される。
【0115】
図7のCSLM10は、M/W CSLMであり、第一リターダースタック110および第二リターダースタック120内の個々のリターダーは、540nm(緑)でリターダンスの2個の全波を提供する。第一リターダースタック110および第二リターダースタック120は、それぞれ青色および赤色バンドにおける半波リターダーであり、第一リターダースタック110は青色および赤色バンドにおける±π/4配向偏光を生じる。そういうものとして、ZTN LCモジュレータ100は、青色および赤色バンドの偏光の状態を変調しない。
【0116】
図7の特定の実施態様において、第一リターダースタック110は、入力偏光子130に関して、22.5°、75°、および60°でそれぞれ個々のリターダー510a、510b、および510cを備える。第二リターダースタック120は、入力偏光子130に関して、−60°、75°、および22.5°でそれぞれ個々のリターダー520a、520b、および520cを備える。
【0117】
(実施態様6:SA白色(固有偏光)、π/4配向ZTN LCモジュレータ、交差偏光子)
図8のCSLMにおいて、ZTN LCモジュレータ100は、第一リターダースタックの見かけを改変し、従ってフィルターをかけた出力を発生する。半波リターダンスにおいて、入力偏光子130および出力偏光子140は交差しているように見え、そして第一リターダースタックは、配向67.5°、15°および−30°を有するように「見える」。
【0118】
図8に示すCSLM10において、入力偏光子130および出力偏光子140は交差しており、そして第一リターダースタック110内の個々のリターダー610a、610b、および610cは、入力偏光子130に関して、67.5°、15°、および−30°でそれぞれ配向される。第二リターダースタック120内の個々のリターダー620a、620b、および620cは、図6に示す対応する個々のリターダーと同一の配向を有する。
【0119】
図8に示す配置は、固有偏光としてSAモードの白色状態を生じる。
【0120】
(実施態様7:SO白色(固有偏光)、0°配向ZTN LCモジュレータ、平行偏光子)
図9に示すCSLM実施態様は、図7に示すCSLMで使用されると同一のリターダースタック配置を使用する。しかし、異なるフィルターをかけた状態が、0°でZTN LCモジュレータ100を配向することによって発生される。ニュートラル出力がSOモードで得られるので、そのスペクトルは、垂直な入射で変化しない。0°配向したZTN LCモジュレータ100は、±π/4配向された偏光を変調する。従って、緑色モジュレータ(M/W設計)は、リターダースタック110および120を使用し、これらは、緑色(540nm)半波の個々のリターダー710a、710b、710c、720a、720b、および720cから成る。SAモードにおいて、ZTN LCモジュレータ100は、リターダースタックの1つにおける角度のサインを切り換えることの「見かけ」を作る。
【0121】
(実施態様8:SA白色(固有偏光)、0°配向ZTN LCモジュレータ、平行偏光子)
SA白色状態は、図9に示すCSLM10のリターダースタック(110または120)の1つにおける個々のリターダーの角度のサインを逆転することによって、固有偏光として得られ得る。そういうものとして、フィルターをかけた出力はSOモードで得られる。
【0122】
この配置を組み込むCSLM実施態様を図10に示す。この実施態様において、第一リターダースタック110は、図9に示す個々のリターダー710a、710b、および710cと同一の配向を有する個々のリターダー810a、810b、および810cを備える。第二リターダースタック120は、60°、−75°、および−22.5°でそれぞれ配向した個々のリターダー820a、820b、および820cを備える。図9に示すCSLMにおけるのと同様に、図10に示す実施態様におけるZTN LCモジュレータ100は、0°で配向される。
【0123】
(実施態様9:整調可能なピーク透過を有するSA白色)
モジュレータのクロミナンスが、SAモードで適切な彩度を有するスペクトルを発生させるためには大きすぎる場合、このようなスペクトルは、SOモードにおいて最も良く発生される。従って、白色状態は、開いた状態のほとんどのLCシャッターデバイスの透過特性の損失を反射する。しかし、ZTNニュートラルシャッターと同様に、CSLMの白色状態のピーク透過は、スループットを最小化するために調整され得る。図11は、整調可能な白色状態を有するSO緑色CSLM10を示す。
【0124】
ZTN LCモジュレータ100が調整可能であり、従ってCSLM10の白色状態のピーク透過が、スループットを最大化するために調整され得る。入力偏光子130および出力偏光子140が交差配向を有する。第一リターダースタック110は、7.5°、−7.5°、および52.5°でそれぞれ配向した個々のリターダー910a、910b、および910cを備える。第二リターダースタック120は、−52.5°、7.5°、および−7.5°で配向した個々のリターダー920a、920b、および920cを備える。ZTN LCモジュレータ100は45°で配向される。
【0125】
(反射モードCSLM)
反射モードCSLM20を図12に示す。反射モードCSLM20は、入力偏光子130、反射体1100、および入力偏光子130と反射体1100との間に配置されたリターダースタック1200を備える。リターダースタック1200は、それぞれリターダンスΓ1、Γ2、...ΓNおよび配向α1、α2、...αNを有する多数の個別のリターダー1210a、1210b...1210cを備える。作動中、光は入力偏光子130を通過し、個々のリターダー1210a、1210b...1210cを通り、反射体1100に反射し、個々のリターダー1210c...1210b、および1210aを通過して戻り、そして入力偏光子130を通過して戻る。従って、入力偏光子130はまた、脱出偏光子として機能し、そしてリターダースタック1200は第一および第二のリターダースタックの両方として機能する。通過光が反射モードCSLM20を取ることをより明確に示すために、反射モードCSLM20の「展開」模式図を図13に示す。
【0126】
反射モードCSLM20は、α'i=αiの制約を有する。アクロマティック変換が、設計の選択の範囲を広げるために挿入され得るが(AmmannおよびYarborough)、このような変換を避けることによってスタックの設計を簡単にすることが最も望まれる。逆反射配置において、展開図は、入力および出力偏光子(偏光子130と共に実行される)が平行であり、リターダースタックに対応する層が個別の配向を有することを示す。偏光スプリッター(図示せず)が使用される場合、平行偏光子出力または交差偏光子出力の間の選択肢が存在する。
【0127】
図14は、反射モードデバイスを実行するのに必須の対称性を有する3つのリターダー(N=3)を備える設計を列挙した表である。図15Aおよび15Bは、それぞれ反射モードマゼンタCSLMの実測出力、およびイエローCSLMの測定された出力のプロットである。シアンCSLMは、図14に列挙される設計#8、430nmで全波のリターダンスを提供するポリカーボネートリターダーを使用する。マゼンタおよびイエローCSLMは、図14に列挙される設計#5を使用する。マゼンタCSLMは、540nmで1.5波ポリカーボネートリターダーを使用し、イエローCSLMは460nmで1.5波ポリカーボネートリターダーを使用する。全てのCSLMは、Nitto−Denko EG 1425DUヨウ素偏光子の2つのシートで構成され、これは白色出力の覆いを形成する。透明電極損失はまた、出力プロファイルの形状に寄与する。
【0128】
(他の実施態様)
上記のCSLMの実施態様は、補色のスペクトルの不変の透過を保持しながら、作動バンドの一部分(スペクトル)の透過を制御するためのLCモジュレーターを利用する。好ましい実施態様は、変調されていないスペクトルが、完全に透過されるか、または完全に消失するようなものである。LCモジュレーターは、白色状態と実質的により飽和しているフィルターにかけた状態との間で変調するため、変調されていないスペクトルが完全に透過される実施態様は、可変彩度CSLMを示す。LCモジュレーターは、フィルターにかけた状態と黒色状態との間で変調するため、変調されていないスペクトルが完全に消失する実施態様は、可変輝度CSLMである。多くの場合において、可変輝度CSLMは、フィルターにかけた状態から一定のカラーコーディネートを有する黒色状態への完全な変調を可能にする。
【0129】
別のタイプのフィルターは可変色相フィルターである。可変色相フィルターは、フィルターにかけた状態に相当するCIE図上に2つの端点を有するフィルターである。従って、LCモジュレーター(単数または複数)の作用は、フィルターにかけた状態とニュートラル状態との間よりむしろ2つのフィルターにかける操作間での変調である。いくつかの可変色相フィルターの例が、米国特許第5,751,384号に提供され、これはその全体が本明細書中で参考として援用される。このタイプのフィルターはまたCSLMで実行され得る。
【0130】
図16は、可変色相フィルター(CSLM)10を示し、これは緑色出力とマゼンタ出力との間で切り替わる。これは、リターダースタックカラー偏光子(SPF)の外側にあるLCスイッチを利用するステージのG/M出力と比較され得る。このような配置において、緑色およびマゼンタのスペクトルは正反対(補色)であり、50%の透過点で交わる。しかし、CSLM10のG/Mスペクトルは正確に補色ではあり得ない。2つのスペクトルの和は、純なシアンバンドおよび純なイエローバンドで実際にノッチを有し、これはディスプレイの用途に望ましい。標準型SPFのように、2つのスペクトルは、半波リターダーをπ/4だけ回転することによって発生し得る。
【0131】
図16のCSLM実施態様において、複合半波モジュレーター1300は、モジュレーターとして使用され、そしてπ/4配向を無色にする。複合半波モジュレーター1300は面内スイッチング(IPS)モジュレーター1310、ならびにIPSモジュレーター1310の各側面に配置された半波リターダー1320および1330を備え、そして15°で配向される。第一リターダースタック110は、それぞれ7.5°、−7.5°および7.5°で配向された個別のリターダー1400a、1400および1400cを備える。第二リターダースタック120は、それぞれ−82.5°、82.5°および82.5°で配向された個別のリターダー1410a、1410bおよび1410cを備える。複合半波モジュレーター1300は、第一リターダースタック110と第二リターダースタック120との間に配置され、これらは全て平行偏光子130と140との間に配置される。
【0132】
IPSモジュレーター1310が5π/12で配向される場合、40nmのバンドパス幅を有する緑色出力が透過される。IPSモジュレーター1300が2π/3回転される場合、494nmおよび596nmで半最大点を有するマゼンタが出力である。これらのスペクトルは10%の透過点で重なる。
【0133】
図17は46個のさらなるSOフィルターCSLM設計を示す表であり、図18は46個のさらなるSOニュートラルCSLM設計を示す表である。図19は56個のさらなる交差偏光子CSLM設計を示す表であり、ここでα1−α2+α3=22.5°である。図20は59個のさらなる交差偏光子CSLM設計を示す表であり、ここでα1−α2+α3=67.5°である。
【0134】
(マルチステージフィルター)
マルチステージCSLMは、1つ以上の検光偏光子と直列の2つ以上のリターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージを備える。各リターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージは、モジュレーターの各側面に配置されたリターダースタックを有するモジュレーターを備える。典型的には、偏光子はニュートラルであるが、特定のスペクトル成分を分析するように設計された偏光子は、リターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージを分離し得る。2偏光子および4偏光子フルカラーマルチステージCSLMの例は、リターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージがカスケード型の場合に起こる発行物を例示するために使用される。マルチステージCSLMは、以下でより詳細に説明されるように、カラーシーケンサーとして使用され得る。
【0135】
図21Aおよび21Bは、それぞれ2つの偏光子、3つのステージCSLMおよび4つの偏光子、3つのステージCSLMのブロック線図である。図17Aに示される2つの偏光子、3つのステージCSLMは、入力偏光子1450、赤色ステージ1420、緑色ステージ1430、青色ステージ1440、および入力偏光子1450に関して交差した出力偏光子1460を備える。図17Bに示される4つの偏光子、3つのステージCSLMは一般に、入力偏光子1450、赤色ステージ1420、この赤色ステージ1420によって透過されるスペクトル成分を分析するための偏光子1470、緑色ステージ1430、この緑色ステージ1430によって透過されるスペクトル成分を分析するための偏光子1480、青色ステージ1440、およびこの青色ステージ1440によって透過されるスペクトル成分を分析するための偏光子1490を備える。
【0136】
ステージの実際の数は任意であることが留意されるべきである。さらに、赤色、緑色および青色ステージは図21Aおよび21BのCSLMに例示の目的で示されるが、他の色を変調するステージが使用され得るということを理解するべきである。上記のほとんどのCSLM設計は、共通経路フルカラーディスプレイがビデオレイトパネル(video rate panel)を使用するのを可能にするために、各CSLMステージ内のモジュレーターがピクセル化されることを可能にする。上記の小数のCSLM設計は、特に加法原色または減法原色の発生のいずれかのみを特に意図される。
【0137】
(2偏光子、3ステージCSLM)
図21Aに示される一般的な2偏光子のマルチステージCSLMの重要な利点は、高い光効率である。なぜなら、これは偏光された入力、および最後の個々のリターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージに続くシグナル検光偏光子を必要とするにすぎないためである。検光偏光子は、リターダースタックおよびモジュレーターの外部に配置され得、すでにLCD逐次プロジェクターのようなシステム内にある偏光子を操作および/または利用する電力を増大する。入力光は非偏光でなければならず、偏光ビームスプリッターは2つの光路を形成するために使用され得る。これらの通路は、リターダースタックおよびモジュレーターによって個別に処理され得、第二偏光スプリッターと再び合わされる。原理的にこれは実質的に損失のないフィルターにかける操作を表す。これはシステムの「etendue」が増加することなく達成される。ただし、マルチステージCSLMの次の構成要素は、偏光に対する感度が良くない。このような構成要素はデジタルマイクロミラー(micromirror)デバイス(DVD)の場合である。
【0138】
1つの検光偏光子を備えるフルカラーマルチステージCSLMの設計における課題は、リターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージ間の相互作用を最小にすることである。偏光の状態は、各リターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージ後に分析されないため、これらのステージは、電力伝達ベースよりむしろフィールドベースで相互作用する。従って、2偏光子設計は4偏光子設計より優れたステージの独立性を必要とする。偏光検光子は、CSLMステージを単離しないため、ニュートラル状態のモジュレータークロミナンス(または垂直でない入力光)によってもたらされる任意の偏光効果は、フィルターにかけた状態の任意のリターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージ用のカラーコーディネートのデグラデーションを表す。ニュートラル状態の質が(黒色状態の濃さまたは白色状態の平坦性)を改良するため、これらのステージの独立性が改良され、SOニュートラル状態を好ましい設計選択にする。
【0139】
2偏光子設計の重要な利点は、4偏光子設計に比べてより多数の利用可能な設計の選択肢があることである。特に、2偏光子CSLMは、加法モードにおいて作動され得る。上記のように、ステージは、減法モードにおいて可変彩度フィルターとして挙動し、加法モードにおいて可変輝度フィルターとして挙動する。1つの偏光検光子のみが使用される場合、白色状態より黒色状態を使用する設計が考えられ得る。黒色状態は単に、特定のステージが、平行偏光子間ではなく交差偏光子間で「消える」ことを意味する。用語「消える」は、ステージを通過する入力光の偏光が保持されることを表すのに使用される。従って、ステージが存在しないように見える。マルチステージCSLMの状況において、他のステージはフィルターモードに切り換えるのに利用できる状態のままであるため、黒色状態は他の出力スペクトルを除外しない。逆に、全てのニュートラル偏光子を使用する4偏光子フィルターは、白色があらゆるリターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージの共通出力であることを必要とする。従って、単に検光偏光子を回転することによって、CSLMは減法フィルターからいくつかの重要な性能を有する加法フィルターに変換される。
【0140】
加法モード設計の利点は、減法原色および白色より、加法原色および黒色の質を優先することであり、これはディスプレイの適用に重要である。入力および出力偏光子が交差する場合、偏光子間の構造を消すことが不可能なため最初に黒色状態の質が落ちる。逆に、入力および出力偏光子が平行の場合、黒色状態は、偏光を直交状態に変換する偏光子間の構造に依存する。フルカラー減法モード構造体を使用する場合、これは、3つのリターダースタック/モジュレーター/リターダースタックステージ(各々は1つの加法原色の偏光を直交状態に回転することを請け負う)の共同作用を必要とする。典型的に、これは手に負えそうもない仕事である。
【0141】
他の利点は、色の発生に関連する。加法モード設計は、ステージ間の共同作用を必要としない単一のCSLMステージを直接使用して加法原色を生じる。従って、各ステージは、他のステージの特徴を無視して独立して設計され得る。ただし、ニュートラル状態は適切な質である。従って、加法モードCSLMを用いて、SOモードにおいて理想的には、ステージは「消え」、各ステージは、1つの加法原色の透過を独立して測定することを請け負う。
【0142】
加法的に減法原色を発生する場合、ステージ間の相互作用が原因の性能損失は、減法的に加法原色を発生する場合に比べてしばしばあまり重要ではない。電力の維持によって、加法および減法フィルターの透過スペクトルが互いに逆になることに留意されたい。このことを考慮すると、黄色スペクトル中に純なイエローノッチを有することは、青色スペクトル中に黄色サイドローブを有することより色彩的により良好である。同様に、シアンスペクトル中に純なシアンノッチを有することは赤色スペクトル中に純なシアンサイドローブを有することより色彩的により良好である。最も重要なことには、白色出力中の純なシアンおよび純な黄色ノッチは、黒色状態の純なシアンおよび純な黄色サイドローブよりも重要性が少ない。
【0143】
(投影ディスプレイ RGB CSLM カラーシーケンサー)
投影ディスプレイにおいて、高い光効率を持続することが最優先される。さらに、CSLMカラーシーケンサー(CCS)は、プロジェクターランプの高い光レベルを処理しなければならない。従って、好ましくは、内部偏光子はCCS設計から排除される。スループットを減らさないために、好ましくは、このCCSは、ビューイングタイム中のボトルネックまたは衝撃係数を生じない。従って、CSLMの過渡的挙動が考慮されなければならない。
【0144】
幸いにも、視野の要件は、2偏光子設計において有利な直視システムのため緩和される。典型的には、10°〜15°の半円錐角度が受容可能である。これらを最優先して、プロジェクターCCSについての好ましい実施態様が、ここで記載される。多くの議論は、単一のピクセルカラーシーケンサーに集中するが、この例はまた、スタックした3つのステージ、ピクセル化したカラーディスプレイに適用する。
【0145】
図22Aに示すように、プロジェクターCCS用の第1の好ましいCSLM設計は、SA赤色ステージ1140,SA緑色ステージ1430、およびSA青色ステージ1420を有する2偏光子加法(SO黒色)設計である。青色ステージ1420は、第一リターダースタック1470、450nm半波LCモジュレーター1480および第二リターダースタック1490を備える。緑色ステージ1430は、第一リターダースタック1500、540nm半波LCモジュレーター1510、および第二リターダースタック1520を備える。赤色ステージ1440は、第一リターダースタック1530、650nm半波LCモジュレーター1540、および第二リターダースタック1550を備える。リターダースタック1470、1490、1500、1520、1530および1550を備える、個々のリターダーの好ましいリターダンスおよび配向は、図22Aで列挙され、議論されていない。LCモジュレーター1480、1510および1540は、90°配向される。リターダースタック1470、1490、1500、1520、1530および1550を構成する個々のリターダーは、好ましくはZ延伸ポリマーフィルム(例えば、Nitto NRZTMポリマーフィルム)である。
【0146】
図22Bは、投影CCS用の第2の好ましいCSLM設計を示す。22Aの設計のように、22Bの設計は、SA赤色ステージ1440、SA緑色ステージ1430、およびSA青色ステージ1420を有する2偏光子加法(SO黒色)設計である。図22Bの設計におけるLCモジュレーター1480、1510および1540は、それぞれ450nm、550nmおよび620nm半波LCモジュレーターである。リターダースタック1470、1490、1520、1530および1550を備える個々のリターダーの好ましいリターダンスおよび配向は、図22Bに列挙され、議論されていない。LCモジュレーター1480、1510および1540は0°配向される。
【0147】
図22Aの設計とは異なり、図22Bの設計は、視野を改善するためのコンペンセーターを備える。具体的には、リターダースタック1490、1520および1550は、面内コンペンセーター1490A、1492Bおよび1492Cを備える。さらに、リターダースタック1490および1520は、Zコンペンセーター1494Aおよび1494Bを備える。面内コンペンセーターおよびZコンペンセーターは、CSLMカラーシーケンサーの視野を改善するのを助ける。Zコンペンセーター1494Aおよび1494Bは、適切なセルローストリアセテートおよび二軸延伸ポリマー(例えば、ポリカルボネート)である。
【0148】
図22Aおよび22Bの設計は、3個のLCモジュレーター1480、1510および1540を有する。補色の切り換えに基づくCCSは2個のLC変調基を有するのみであるが、図22Aおよび22Bの設計は、重要な利点を提供する。第一に、3ステージ設計は、補色の2つのステージ設計において必要な内部偏光子を排除する。適切に選択されたガラス、伝導性コーティングおよびスペーサー濃度を用いることによって、ステージの損失は、1ステージあたり約1〜2%まで減少し得る。対照的に、内部偏光子として使用される各色素充填偏光子は、16%より大きい損失をもたらす。
【0149】
第2に、50%の透過点で重なる補色リターダースタックベースの設計とは異なり、図22Aおよび22B設計の各ステージからのスペクトルは、互いに独立している。
【0150】
第3に、LCモジュレーター1480、1510および1540の各々は、1つの加法原色のバンドにわたってのみアクロマティックである必要があり、一方、補色ベースの設計(二重系ブロッキングを想定して)は2つの加法原色のバンドにわたるアクロマティックな挙動が必要である。
【0151】
第4に、補色ベースのフィルターとは異なり、LCモジュレーター1480、1510および1540のリターダンスは、3つのステージCCSのカラーコーディネートに顕著な影響を有す必要はない。このことにより、スペクトルはLCモジュレーターの細部の特徴と無関係であるために、3つのステージCCSは非常に強くなる。
【0152】
第5に、以下でより詳細に議論されるように、図22Aおよび22Bの設計は、その好ましい過渡的挙動のため、ほぼ100%のビューイングを可能にする。
【0153】
図23は、図22Aおよび22BのCCSについての真理表である。全てのLCモジュレーターが高度に駆動(「オフ」状態)されると、黒色状態が得られる。各ステージのスタックの第一および第二のリターダーのリタデーションが等しくなり、正確に交差するという点、およびLCモジュレーターが完全に消され得るという点で、コントラスト率は、制限された偏光子である。適切な製造耐性が与えられると、適切に補償されたLCモジュレーターを使用して、200:1の平均コントラストが達成され得る。
【0154】
各リターダースタックの独立した最適化により、さらなるノッチフィルターに関連する損失なしで、ほぼ理想的なカラーコーディネートが達成し得る。そうでなければ、このようなフィルターは、中間原色光(interprimary light)を除くために補色に基づいた設計に必要とされ得る。受容可能なカラーコーディネートを達成することは、ランプのスペクトル(およびシステム内の色の損失)、リターダースタック内の別個のリターダーフィルムの数、ならびにステージによって変調された特定の原色バンドに依存する。バンドパスの中心の波長が増加するにつれて、性能を維持するためのリターダーフィルムの数を増やす必要がある。例えば、B/Kステージ1420おいて、第一および第二リターダースタック1470および1490の各々には、たった3個のリターダーフィルムが使用される。なぜなら、リタデーションのΔn(λ)/λ依存は、ストップバンド幅を改善するのに役立つ。一般に、2または3個の別個のリターダーフィルム有するリターダースタックを使用する青色ステージは、受容可能なコーディネートを与える。
【0155】
逆に、リタデーションのΔn(λ)/λ依存は、R/Kステージ1440のストップバンド幅を減らす傾向がある。従って、さらなるリターダーフィルムは、好ましくは、リターダースタック1530および1550に使用される。例えば、リターダースタックに使用される1.5λの赤色リターダーフィルムは、2.5λの青色であり、これはマゼンタの出力を生じる。これは、LC色モジュレータークロミナンスを使用して、青色状態を排除し、かつ青色ステージ1420を使用してさらに青色透過を減らすことによってアドレスされ得る。しかし、このタイプの設計は、あまり強くない。なぜなら、これは、モジュレーターのリターダンス制御、および受容可能なスペクトルを達成するためのステージ間の協同性に依存するからである。上記のように、各ステージは、互いに独立していることが好ましい。0.5λの赤色リターダーが使用される場合、青色オーダー(order)は安全に排除されるが、変換勾配はより浅い。これはステージを独立し得るが、Nの値(個々のリターダーの数)は、変換勾配を急にし、受容可能なカラーコーディネートを与えるように増加されなければならない。
【0156】
図24A、24Bおよび24Cは、図22Aの完全に組み立てられたRGB CCSについて、それぞれ測定された赤色、緑色および青色の透過スペクトルを示す。各スペクトルの最大透過は、パッケージ型RGB CCSのみに関与する損失を示す。これは、基板、リターダースタック、接着剤、ITOフィルムおよびLCフィルムを含む。ARコーティングが、外表面上に提供されるが、RGB CCSは入力および出力偏光子なしでパッケージされる。
【0157】
図25A、25Bおよび26Cは、さらなる測定されたシアン、マゼンタおよび黄色(MY)スペクトルを示し、これはまた図22AのRGB CCSと共に利用し得る。MYスペクトルの最適化は試みられなかった。加法原色のみを考慮することとは対照的に、より均等な重み付けが、減法スペクトルの質に付与されなければならず、これらのステージ間の相互作用を改善するように調整が行われ得る。
【0158】
図22Aおよび22BのCCSは、周期性R、G、Bモードで操作され得るが、このCCSは、回転カラーフィルターホイール(これはより能力がある)の機能を模倣する。例えば、駆動スキームを変えることによって、各原色(および適切ならば白色)のビューイングタイムが調節され得る。より一般的には、シングルフレーム期間内では、各色のビューイングの数、それらの持続時間、それらが表示される順番、および透過レベルは全て任意であり、そして電子的に選択可能である。LCモジュレーター1480、1510および1540をアナログモードで駆動することによって、一連のシステムにおける色のバランスのため、または純な白色フレームの色のバランスのため、原色の任意の混合が作り出され得る。図26A、26Bおよび26Cは、それぞれ赤色ステージ1440、緑色ステージ1430および青色ステージ1420の、それらが図22AのCSLMカラーシーケンサーに組み立てられる前に、測定された出力を示す。図26Aおよび26Bは、それぞれ青色ステージ1420、緑色ステージ1430および赤色ステージ1440の、異なるモジュレーター駆動レベル(すなわち、それぞれのLCモジュレーター1480および1510をアナログモードで駆動する)で測定された出力を示す。図26Aおよび26Bにおいて分かるように、個々の透過レベルが達成され得、これにより十分な変調性能が可能となる。図26Cには示されていないが、赤色ステージ1440は同様の様式で駆動され得る。
【0159】
(2偏光子CCSの過渡的挙動)
非対称の立上り/立下り時間(rise/fall times)がネマティックLCデバイスのスイッチングを特徴付ける。LCフィルムわたって印加された十分な電場(これは弾性力に拮抗する)は、約50〜100μ秒で分子配列分布を再配列する。この場が除かれると、原型の分布への比較的緩徐な緩和(約500μ秒〜1ミリ秒より大きい)が起こる。この復元は電場補助されていないので、リセット時間の改善はセルジオメトリ、表面処理およびLC流体の物理的性質を改変することにより達成される。他のLC効果が著しく緩徐であるかまたは非常に薄いセルギャップを要する場合、表面モードデバイスは、それらが半波状態へのミリ秒以下の緩和を提供するので魅力的である。表面モードデバイスは、およそ50μ秒で容易にゼロのリターダンスに駆動され得る。
【0160】
好ましいCCS設計の過渡的挙動は、スイッチング速度のこの差異をうまく利用してカラーコーディネートを維持し、これによりビュー時間と飽和度の間の関係を取り除く。ほとんどのZTNモジュレータデバイスでは、極大リタデーションが非駆動状態で提供され、駆動状態ではほとんどゼロの面内リタデーションを有する。好ましいCCS設計の状況では、これは任意のフィルタ状態から黒色状態への非常に迅速な駆動を可能とする。
【0161】
図27は、フルカラーCSLMカラーシーケンサーを加法原色に配列するために使用され得る駆動スキームの1つの種類を示す。このCSLMカラーシーケンサーは、内部偏光子を持たない3つのSO黒色ステージからなると考えられる。図27に示した駆動スキームに関して、この駆動状態は、各セルの面内リタデーションを実質的に除去するのに十分な大きさを有する2KHz方形波(square wave)である。この駆動状態は、完全な透過状態に対して最大のスイッチング(緩和)速度を生じる0Vとして示される。これは、典型的なネマティックLCセルの挙動を表し、このため分子は、透明導線にわたって印加された電場に平行に配列するということに注目すべきである。例えば、この様に駆動された均一配向ZTNセルに基づいたCSLMカラーシーケンサーは、典型的に最も速いスイッチング速度および最良の視野を与える。反対に、0Vの透過状態は、分子配列の配置が透過状態の持続のため安定しないLCセルに使用するには適切ではない。
【0162】
図28は、電気駆動信号、およびカラー状態間に推移中の2つのフィルターステージ(赤色および緑色)の対応する光透過を示す。3原色の1つ(例えば、緑色)に対応するステージが低く駆動されるにつれ、それに続く色(例えば、赤色)のためのモジュレータは高く駆動される。50μ秒未満で、このCSLMカラーシーケンサーは赤色から黒色へ切り替わる。約1ミリ秒の経過中に、緑色モジュレータのリターダンスは増加し、緑色の透過が100%まで増加するのを可能とする。初期の50μ秒に続く時間の間に、緑色ステージのリターダースタックにより確立された波長バンドのみが、モジュレータのリターダンスと独立して透過可能となる。このように、カラーコーディネートは、透過性が増加するにつれ、実質的に一定となる。カラーコーディネートに(垂直入射で)影響し得るのは、加法原色バンドに対するモジュレータの比較的重要でない色挙動のみである。フルカラーシーケンシャルシステムにこのスキームを使用して、CSLMカラーシーケンサーは、ディスプレイをブロックすることなく、色品質に影響なく連続的に見られ得る。
【0163】
この100%透過状態への1ミリ秒の推移が有益に使用され得るディスプレイ様式がまた存在する。パルス幅変調ディスプレイでは、解像度は、単一フレームの輝度工程により限定され得る。この工程は、フル照明下での単一フレームの最小ビュー時間により決定される。解像度を増加させる方法は、減少された照明レベルで1つ以上の画像のフレームを挿入することであり、これによりビュー時間を制御可能な持続時間まで増加する。
【0164】
色の間の推移時間を減少させる処理能力の利益がある場合には、代替の駆動スキームが考慮され得る。2偏光子CCSでは、駆動状態(黒色モード)と非駆動状態(フィルターモード)の間の間隔が、そのディスプレイが比較的速い場合には、処理能力を決定し得る。作動バンドの中心の半波リターダンスにできるだけ早く到達すること、そしてそのリターダンスをビュー時間のあいだ中、維持することが重要である。
【0165】
典型的には、低電圧状態におけるリターダンスは、小さな(2〜4V rms)保持電圧の使用での特定の値で維持される。しかしながら、保持電圧の効果は、半波リターダンス状態への緩和時間を減少させることである。例えば、特定のモジュレータは、3V rms保持電圧で作動された場合、1.2msの緩和時間(交差偏光子の間で10%透過から90%透過となるまで1.2ms)を有することが見出された。この保持電圧は、5.6msビュー時間のあいだ中、所望の半波リターダンスを提供するのに選択された。
【0166】
図29に示したような3ステージ駆動スキームを使用することにより、緩和時間は減少され得る。図29は、赤色、緑色および青色CSLMステージを備えるCSLMカラーシーケンサーの駆動スキームを示す。表中に示した電圧および駆動時間は、50℃の作動温度で180Hzで作動する、典型的なCSLMカラーシーケンサー用である。
【0167】
例として図29に示した赤色セルの駆動スキームを参照すると、この赤色ステージのモジュレータは初めに、オフ状態を表す最大電圧状態(VU-R)から0電圧状態へ切替えられる。この0電圧状態は、半波状態への緩和を最大化する(このLCセルのターンオン時間を減少させる)。所望のリターダンスが達成された後、このモジュレータは、そのリターダンスを維持するため、そのビュー時間(T±VL-R)の残余の間、小さな保持電圧(±VL-R)で駆動され得る。その結果は、0.6msのスイッチング速度であり、これは二ステージ駆動スキームで得られるものを超える処理能力の増加に対応する。
【0168】
4偏光子マルチステージCSLMでは、ニュートラル偏光子が各ステージの間に挿入される。偏光は各ステージの後に検光されるので、全透過は、各ステージの出力透過機能の積である。この理由のため、白色状態は全てのステージに共通でなければならない。これは、ニュートラル偏光子よりはむしろ色素ベースカラー偏光子が使用される場合には事実ではないことに注意のこと。2偏光子の場合と異なり、白色状態のステージのセルクロミナンスは、他のステージに導入される偏光をもたらさない。このことが、フィルターに、SA状態および非垂直光からのカラーコーディネート劣化を受けにくくさせる。他方、2偏光子の付加は、全体の処理能力を減少させる。以下に本発明者らは、2つの4偏光子の例を考慮する;1つは、SO加法原色ステージを使用し、他方はSO減法原色ステージ(またはSA減法原色ステージ)を使用する。本発明者らは、SA加法原色ステージは乏しいカラーコーディネートしか得られないため、考慮しない。
【0169】
(4偏光子CCS:SO加法原色)
図30は、SO加法原色ステージを有する4偏光子CCSを示す。このCCSは、入力偏光子1450、赤色ステージ1420、偏光子1470、緑色ステージ1430、偏光子1480、青色ステージ1440および出力偏光子1490を包含する。この実施態様において、本発明者らは再び、赤色、緑色、青色および高密度黒色状態の生成を、それらの相補的な状態を犠牲にして、目的の駆動設計にさせる。このCCSは、R/W、G/WおよびB/W SO加法原色ステージを使用して構成される。各ステージは、内部偏光子と共にSA白色状態を有するので、本発明者らは、モジュレータの色効果の蓄積が白色出力を減弱させると期待する。さらに重要なことには、各ステージからのフィルタリング動作は加法原色の2つをブロックするので、ニュートラル偏光子を使用する全てで減法原色を生じることは可能でない。しかしながら、これらのステージは、加法原色が生成される場合、独立しており、高密度黒色状態を生じることは可能である。それゆえ、この実施態様は、減法混色ディスプレイの実装には好ましくないかもしれないが、例えば、カラーシーケンサーとして使用され得る。
【0170】
出力される全ての3原色は、1つのステージにより生成される色、および残りのステージからの白色状態の積であるということに注意のこと。有意なモジュレータクロミナンスの存在下で高い処理能力を提供するためには、白色状態を調整して選択された色の中心の波長で最大透過性を提供することが必要である。このことは、半波リターダンスが最長波長の3原色で、それが供給(accommodate)する、白色状態を提供するのに十分でなければならないので、モジュレータの設計に影響を与える。例えば、青色および緑色ステージは赤色で半波リターダンスを与えなければならず、一方、赤色ステージは緑色で半波リターダンスを提供しなければならない。
【0171】
白色状態を調整するさらなる利点がある。ひとつの利点は、低コントラストフィルタリング動作により提供されるさらなるブロッキングである。例えば、さらなる青色除去が青色および緑色ステージから発生し、それらの白色状態を赤色ピーク透過に調整する。反対に、この白色状態は、カラーバランスを制御するアナログモードに使用され得る。特定の出力3原色は、他のステージの各々により実質的に変調される。このように、「白色」ステージをSAからSOに調整することは、フル透過およびゼロ透過の間の所望の出力3原色を変調する。
【0172】
図31は、SO加法原色ステージを有する白色状態および4偏光子CCSの調整結果を示す表である。ケース番号1では、白色、赤色および緑色ステージはオン状態であり、白色ステージは青色ピーク透過になり、そして青色ステージはオフ状態である。この状態におけるカラーシーケンサーの出力は、青色である。
【0173】
ケース番号2では、赤色および青色ステージはオン状態であり、それらの白色状態は緑色ピーク透過となり、そして緑色ステージはオフ状態である。この状態におけるカラーシーケンサーの出力は、緑色である。
【0174】
ケース番号3では、緑色および青色ステージはオン状態であり、それらの白色状態は赤色ピーク透過となり、そして赤色ステージはオフ状態である。この状態におけるカラーシーケンサーの出力は、赤色である。
【0175】
ケース番号4では、3つのステージ全てがオフ状態であり、カラーシーケンサーの出力は黒色である。この状態での黒色出力は、各ステージからのフィルタリング動作が加法原色の2つをブロックするので、高密度である。それゆえ、ブロッキング冗長がある。
【0176】
ケース5〜7は、ニュートラル偏光子を使用する減法原色を生成することが可能でないということを例示する。上記のように、ケース番号8により生成された白色出力は、色の蓄積が各ステージのモジュレータに作用するので、光沢がある。
【0177】
SO加法原色を使用する別の利点は、高密度黒色状態を生成することが可能であることである。それぞれのフィルターに通した状態は効果的に加法原色の2つをブロックするので、各ステージがSOモードである場合、多量の冗長がある。実際に、加法原色バンドの各々は、2つのステージによりブロックされる。モジュレータがネマティックLCで実装される場合(これは、非対称スイッチング速度を有する)、2偏光子CCSと関連した上記の有益な過渡的挙動が示される。詳細には、このCCSは、即座に黒色へ駆動され得、ステージの独立性は緩和中の高品質カラーコーディネートを提供する。2偏光子の場合と異なり、全ての3つのステージは、黒色出力の間に加法原色を同時に生成する。
【0178】
透過カラーは、従って、どのステージの組み合わせが白色状態に切替えられるかにより決定される。カラーコーディネートに作用し得るのは、白色状態の発生により引き起こされる透過バンドの歪曲のみである。
【0179】
(4偏光子CCS:SO白色)
目的が減法原色を生成することである場合、特定の電子カメラの適用の場合のように、高密度黒色状態がまた必要である場合以外は、上記設計考慮の反対のことが当てはまる。平行偏光子を用いて、シアン、マゼンタおよび黄色が、3つのステージの各々により独立して生成され、そして白色は原理的には実質的にロスがあり得ない。しかしながら、高密度黒色状態を得る困難性はマイナスに主張する。詳細には、黒色状態の生成は、受容可能な密度を達成するために、C、MおよびYステージの共同作用を必要とする。ステージ間の協調性が最適化される場合でさえ、黒色状態の密度は比較的乏しい。このように、減法原色を生成するための加法的アプローチは、高密度黒色状態が必要である場合、通常好ましい。
【0180】
この場合、本発明者らは2偏光子SO減法原色CCSと非常に似た動作を有するCCSを得る。各モジュレータは加法原色の1つだけを変調するので、4偏光子CCSは、SO減法混色またはSO白色のいずれのモードにおいても、性能的に殆ど差異なく作動し得る。4偏光子CCSはまた、減法原色パネルディスプレイシステムを実装するのに適切である。
【0181】
モジュレータの色効果は重要ではないので、高透過白色状態が、SO減法原色またはSO白色モードのいずれにおいても生成し得る。このことは白色状態の色調整の必要性を排除する。この設計スキームを使用して、高品質減法原色が同様に生成し得る。しかしながら、加法原色は、ステージ間の非理想的協調を被り得る。この兆候は、2偏光子CCSに見出されたものと非常に似ており、赤色出力における純シアンサイドローブ、青色出力における純黄色サイドローブ、および比較的乏しい密度の黒色状態を含む。しかしながら、実際の挙動は、4偏光子CCSの出力は各ステージの透過機能の積であるので、異なっている。このことは、例えば、これらのステージが3原色内バンドの拒絶を改善するよう相互作用し得ないということを意味する。
【0182】
図32は、SO白色状態を生成する4偏光子CCSを示す。このCCSは、入力偏光子1450、赤色ステージ1420、偏光子1470、緑色ステージ1430、偏光子1480、青色ステージ1440および出力偏光子1490を備える。
【0183】
(視野)
モジュレータの選択およびCSLM配置は典型的には、特定の適用のための視野(FOV)要件により影響される。このFOV要件は、CSLM設計およびモジュレータの選択に重要な影響をもち得る。偏光子リターダースタック(PRS)のような相補的なカラー偏光子ベースシステムでは、およそ等しい重要性が2つの電圧状態のFOVに割り当てられるが、これは、2つの電圧状態の両方がフィルタースペクトルの生成において役割を有するからである。反対に、白色/3原色CSLMに基づいたシステムは、これらの電圧状態に等価でない重要性を割り当てるよう許容する。詳細には、CSLMステージは、白色状態の視野角を犠牲にして、フィルターに通した状態の大入射角での固定カラーコーディネートを生成するよう偏らせられ得る。この設計は、このようなステージが出力透過ベースで相互作用するので、偏光子が各ステージを分離する場合に最も良く作動する。
【0184】
本発明のCSLMの利点は、変調リターダンスが色シフトを示さないことである。これは、この遷移バンド幅がリターダースタックにより規定され、モジュレータの状態に独立であるためである。モジュレータはバルブとして機能し、受動的リターダースタックにより確立されたスペクトルウィンドウが満たされる程度を決定する。
【0185】
(ワイドFOV4偏光子RGB SCLM)
シーケンシャル電子カメラの適用に必要であるような、最大FOVを与えるよう設計される4偏光子3色CSLMについて考える。この型の適用に関しては、スイッチング速度は重要ではなく、固定カラーコーディネートが望ましい。逆平行配向ZTNモジュレータを利用するCSLM構造について考える。逆平行配向ネマチックLCセルは、それがゼロ次の1軸性面内半波リターダンスのみで構成されるので、非駆動状態では大視野を与える。従って、オフノーマル角でのリターダンスの1次シフトはない。反対に、駆動状態は、自己補正でないz依存ディレクター分布を有する。このように、このLCセルは非補正時の非駆動状態でより良好なFOV性能を提供する。
【0186】
上記に記載したように、RGB4偏光子CSLMは、SOフィルターモードを使用して最良のカラーコーディネートを与える。モジュレータに逆平行ネマチックLCセルを使用することは、フィルター出力が駆動状態に割り当てられるということを意味し、これは劣ったFOVを有する。この問題は、これらの状態を受動的に反転することにより解決され得る。これは好ましくは、負の複屈折面内1軸性リターダーフィルムと逆平行ネマチックLCセルとを組み合わせることにより達成される。この負の複屈折面内1軸性リターダーフィルムは、適切にはポリスチレン(Y.Fujimuraら、SID92Digest、397頁)またはスチレン誘導体(米国特許第5,430,565号)である。それはまた、プレイミド化ポリアミドまたは液晶ポリマー(H.Moriら、European SID97,M88)であり得る。これらの参考文献は、本明細書中にその全体が援用される。
【0187】
逆平行ネマチック半波リターダー光学軸に平行に配向した負の複屈折1軸性面内半波リターダーフィルムは、その分散が一致する限り、正味ゼロのリターダンスを与える。さらに、この化合物構造は、非常に大きな入射角および全ての方位に対してゼロリターダンスを維持する。従って、この非駆動状態は、入射角に対して幾らかの感受性を有する半波リターダーから、入射角に実質的に感受性のないゼロリターダンスへ変換される。このことは、フィルタリング動作に関する非駆動状態の品質に対して所望の優先権を与える。
【0188】
この配置を使用すると、フィルタリング状態のステージにより確立されたカラーコーディネートは、他のステージにより生成した白色状態の品質によって、わずかに影響されるのみである。カラーコーディネートをシフトさせ得るのは、3原色バンド内の白色状態のクロミナンスのみである。リターダンスはそのバンドの中心での半波リターダンスからシフトするのでこの効果は3原色の透過性をおもに低下させることである。このシフトは、そのフィルムからのゼロ次面内半波リターダンスに加えて、駆動状態の比較的乏しいFOVにより高められる。殆どの場合、効率の関連ロスは、色シフトよりも非常に問題が少ない。
【0189】
図33は、SO加法原色設計を利用する広視野4偏光子RGB CSLMを示す。このCSLMは、入力偏光子1450、赤色ステージ1420、偏光子1470、緑色ステージ1430、偏光子1480、青色ステージ1440および出力偏光子1490を備える。
【0190】
(CSLM材料)
(A)リターダースタック リターダースタックは、原則として、直交偏光への異なる光路長を付与する任意の透明材料から構成され得る。色生成のための典型的な範囲は、可視リターダンスの0.5〜2.5波である。他の望ましい特性として、低価格、大面積、均一性、薄型、ならびに高照度および厳しい環境下での耐久性が挙げられる。有力な直線リターダー技術として、複屈折型構造、結晶性リターダー、延伸ポリマーリターダーシートおよび液晶ポリマーフィルムが挙げられる。
【0191】
複屈折型デバイスは、波長より小さいフィーチャーを有する規則的な構造に基づいている。例えば、十分に高い空間周波数を有する格子は、ゼロ次からの光を回折せず、そして溝に対して平行および垂直な異なる光路長を有する。
【0192】
石英、雲母、方解石のような従来の結晶性リターダー材料は、ポリマーフィルムで可能であるよりもさらに高い解像度を要する適用によく適している。それらはまた、低波面歪曲および/または高出力取り扱い要件が必要である適用に有用である。それらはポリマーリターダーよりもさらに高価であり、特に低リターダンスが要求される場合、大面積には向かない。
【0193】
ポリマーは、化学的反応により形成される繰り返し構造単位からなる化学的化合物または化合物の混合物であり、2個以上の小分子が結合してより大きな分子を形成する。リターダーは配向性有機ポリマーのシートを使用して形成され得る。ポリマー膜を高温で一方向性または二方向性に延伸することにより、直線複屈折が誘起され得る。ポリビニルアルコールまたはポリカーボネートのようなほとんどの材料に関して、屈折率は延伸の方向で増加し、典型的には正の面内一軸リターダーを形成する。ポリスチレンおよびスチレン誘導体のような材料は、米国特許第5,430,565号に記載されているように、延伸後、負の面内複屈折を与え、これは本明細書中でその全体が参考として援用される。そのような材料は、広視野角CSLM構造を生成するために有用である。オフノーマル視野角を有する固定リタデーションを示すリタデーションフィルムは、二つの技術、二軸延伸またはリターダー化合物、の1つを使用して生成される。正の一軸性フィルムと、これと交差された等しいリタデーションの負の一軸性フィルムとの組み合わせは、米国特許第5,138,474号に記載されるような、等方性、角度非感受性リターダンスを有する複合リターダーとなり、これは本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0194】
代替として、広視野角を有する単一層二軸性フィルムは、米国特許第5,245,456号、米国特許第5,472,538号および米国特許第5,559,618号に記載されるような、xおよびz両方に沿った延伸を使用して製造され得、これらは全て、本明細書中でその全体が参考として援用される。そのような延伸は、これらの面内屈折率の間で、実質的に中間となるz方向屈折率を有する二軸性フィルムを生成し得る。この単一フィルムは多分に、大きい等方性視野角を提供する際に2層フィルムのような挙動を示す。
【0195】
延伸ポリマーフィルムは、独特の複屈折分散特性を有する種々の材料を使用して、典型的には0〜2,000nmの任意のリターダンスで入手できる。大きなシートが低コストで購入され得、大きく透明な開口部フィルタを可能とする。ポリカーボネートは、ディスプレイ用途のために最も一般的な材料であり、Nitto Denko、SumitomoおよびSanritzのような供給メーカーから入手できる。ポリビニルアルコールのような他の材料が、Polaroid、Polarvision Inc.およびInternational Polarizerから購入され得る。ポリスルホン(polysulphone)およびポリアリレートフィルムのような高分散性材料が、Nitto DenkoおよびSumitomoから入手できる。幾つかの他のポリマー材料が、スタックを生成するのに潜在的に有用であり、これらにはマイラー、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(terapthalate)、トリアセテート(トリ−ブチル−アセテート)、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリメチルメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0196】
上記のように、カラーフィルターアレイに関しては、空間パターン化CSLM構造が、空間パターン化ポリマーリターダーを使用して実装され得る。この場合、空間パターン化リタデーションを有するフィルムは、活性LC素子と交換されるか、または活性LC素子と協調して作動する。そのようなパターン化リターダーフィルムは、等方性ポリマーフィルムに局所的な応力を加えることにより製造され得る。半波リターダーストライプは、フィルムに局所的な応力を加えることにより、等方性基板にパターン化され得る。
【0197】
液晶ポリマー(LCP)は、液晶モノマーが、その主鎖(骨格)に沿ってまたは側鎖単位として、マクロ分子構造に組み込まれている種類のポリマーである。LCPは、機械的にこすられた表面をせん断加工するか、または光学的手段により配列され得る。光学的方法は、ポリマー配列層に、線状光重合可能(LPP)フィルムまたはアゾベース色素のいずれかを第一に適用する工程を含む。
【0198】
LPPフィルムが使用される場合(Schadtら、Jpn.J.Appl.Phys.34巻、3240〜3249頁、1995を参考のこと、これは本明細書中でその全体が参考として援用される)、このLPP材料が基板上に堆積され、次いで高温で硬化される。この硬化されたフィルムは次いで、偏光UV光に当てられる。LCPが次いで、同一基板上にスパンオン(spun−on)またはコーティングされ、そしてLPPフィルムの配向性で配列される。このLCPは次いで、非偏光UV光に暴露することにより架橋される。
【0199】
アゾベース色素が使用される場合(Shannonら、Nature、368巻、532〜533頁、1994を参考のこと、これは本明細書中でその全体が参考として援用される)、アゾ色素分子がポリミド(polymide)配向層(単数または複数)にインターカレートされ、これは種々の基板(例えば、ガラス、シリコンなど)上に堆積される。液晶モノマーまたはポリマーは、一つの基板上に堆積されるか、または2つの基板の間にはさまれるかのいずれかである。このLC分子配向ベクトルは、以前に配向層に照射した偏光UV光の方向と垂直な方向に向く。その後の露光はこの液晶を再配向させ、これは幾つかの適用には不利であり得る。
【0200】
液晶ポリマーフィルム、特にUV架橋性ポリマーネマティックリターダーは、リターダースタックを形成するのに特に適している。この材料は延伸材料に比べて高複屈折を有し得るので、1つの魅力的な特徴は薄型リターダーを生成する能力である。このことは、偏光子基板のような単一基板に多層リターダースタックの低コストでの製造を可能とし得る。このフィルムは任意の角度でパターン化され得るので、角度をなして延伸ポリマーフィルムを切断する場合のように、無駄がない。各LCP層はこの前の層に本質的に結合され得、感圧接着剤を各層に適応する必要性を回避する。さらに、各LCP層のリタデーションは任意であるので、LCPは複素インパルス応答リターダースタックの形成に貢献する。そのような性能が自由度を増加させ、このことはより大きな設計の選択肢となる。逆に、延伸ポリマーフィルムを使用する場合、各リターダースタックにおける固有のリタデーション値の数を最小化するための重要なコスト的圧力がある。
【0201】
上記リターダースタックは好ましくは、特定の配向およびリターダンス値を有する不連続のリターダー層を包含する。しかしながら、連続的なリターダー「スタック」または構造が、ねじれ構造を有するLCP層を使用して製造され得る。従って、このリターダースタックは、不連続な数の独立ゼロねじれ(直線)リターダーに限定されない。フィルムの厚さ、複屈折、および各表面の境界での分子の配向を選択することにより、フィルムは連続的なリターダー構造に自己集合する。薄型ガラス状フィルムは、LCP材料を使用して基板上に形成され得る。そのようなフィルムは、大多数の非常に薄型の独立直線リターダーと同等であるが、独立リターダー層を物理的に積み重ねる必要性は回避する。他の色選択肢が、ねじれLCP層、またはねじれおよびゼロねじれLCP層を積み重ねることにより入手できる。従って、リターダースタックが、「独立リターダー」から作製されるものとして本明細書中で記載される場合、これは、不連続リターダー層の使用、または等価な連続リターダースタックもしくは構造の使用のいずれかのことを言うと理解されるべきである。
【0202】
現在入手できるLCP材料は、正の異方性を有する。広視野角LCPを生成するためには、二軸性リターダーが必要である。単一フィルムは、真の二軸性LCPを必要とする(P.Bladonら、Macromolecules、25、4329(1992)を参照のこと、これは本明細書中でその全体が参考として援用される)。1つの代替は、正および負の複屈折LCPを含む二層化合物リターダーである。さらに別の代替は、光配列LCPで達成可能な面外チルトを利用することである。等しくかつ反対の面外チルト角を有する二つの同一の平行配向LCPフィルムを提供することにより、化合物リターダーは、このチルト角で制御される視野角で形成される。およそ34度で、リタデーションのオフノーマル依存性が作られて光軸を含む面で消失し得る。
【0203】
LCPは光配列され得るので、面内および表面に垂直の両方の空間的に変化する配向が、光パターン化により達成し得る。これは、標準的なリトグラフの技術を使用してなされる。そのような、CSLM構造の空間パターン化バージョンが生成され得、これはカラーフィルターアレイとして挙動する。ここで、CSLMの活性モジュレータが、局所的に透過カラーを決定する空間パターン化LCPリターダーにより交換される。さらに、空間スイッチおよび活性スイッチ層の両方を使用するハイブリッド構造が組み込まれ得る。1つの実施態様では、固定空間パターンの間の変調が非パターン化電極を有するLCモジュレータデバイスを使用して達成され得るように、パターン化リターダーが活性モジュレータと直列で使用される。
【0204】
他のLCP材料が、リターダースタック材料としてまたは視野角を増加させるためのいずれかで、潜在的に有用である。FujiおよびNippon Oil Campanyから得られるディスコティック(discotic)LCPは、CTA基板で製造される負の複屈折材料であり(H.Mori,Jpn.J.Appl.Phys.,36,1068,(1997)を参考のこと、これは本明細書中でその全体が参考として援用される)。ディスコティックLCPのいくつかは、その光軸が、活性モジュレータのものに近いスプレー配向を有するという独特な特性を備える。このことは、例えば、TNデバイスの選択状態を補正するのに非常に有用である。
【0205】
視野角を増加させる他の有用な材料は、z軸に沿って配向した光軸を有する負の複屈折フィルムである。例えば、典型的なヨウ素ディスプレイ偏光子のセルローストリアセテート(triacitate)(CTA)基板は、偏光子のいずれかの側の基板に対して垂直な40〜70nmのリターダンスを有する。より大きなリターダンスは、ポリカーボネート(Nitto DenkoおよびSumitomo)のようなポリマーの二軸性延伸により得られ得る。典型的には、そのようなフィルムは、小さな正の面内リタデーションを示す。プリイミド化(preimidized)ポリアミドのような他の材料は、基板に対して垂直な光軸と整列する負の複屈折材料であり、ゼロ面内リターダンスを与える。
【0206】
負の複屈折フィルムの複数のフィルムは組み合わされて複合構造を形成し得、これはLCモジュレータの1つの状態を十分に補正し得る。好ましいLCモジュレータ(例えば、パイセル)は、受動構造が選択および非選択状態の両方の視野角を向上させるものである。しかしながら、補正はしばしば、1つの状態の視野を向上させると他方を犠牲にする。このことは、最も大きな視野角を提供する状態がフィルターに通した状態に割り当てられ得るので、CSLM構造の1つの利点を表す。従って、その折衷状態はニュートラル状態であり、これはカラーコーディネートにほとんど影響を与えないように作られる。
【0207】
(B)偏光子 記載され、示された実施態様では、CSLMは、直線偏光子と共に例示されている。一般に、それらは、直線、円形または楕円の偏光子であり得る。それらは、ニュートラルでありえるか、または波長依存偏光を利用しうる。偏光子材料は多数の形態で入手でき、その選択は適用の必要条件に依存する。適切な偏光子には、吸収ベース偏光子(例えば、結晶二色性、色素またはヨウ素の長鎖分子および配向金属粒子(Polarcor製品、Corning,Inc.)、ポリマー多層偏光子(例えば、DBEF製品、3M,Inc.)、複屈折性偏光子(例えば、方解石または石英ベースのAhrens,Wollaston,Rochon,NicolまたはGlan偏光子)、粗表面を使用する散乱偏光子(Yamaguti)またはポリマーマトリクスのLC、反射(例えば、コレステリックLC、45度の多層プリズム、被覆プリズム)および周期的構造(例えば、被覆格子、スリット、線、あるいは配向銀または銅粒子(Polarcor製品,Corning Inc.))が挙げられる。
【0208】
二色性シート偏光子は、薄型、低コスト、大面積であり、容易に一体化され、そして大アングルで良好に機能する。高効率ヨウ素偏光子(例えば、Nitto Denko EG1225)は、低出力の用途に適している。投射用の耐久高輝度偏光子フィルムは典型的には、減少したスループット(84%)を有する色素材料(例えば、PolatechnoおよびPolaroid KE製品)ベースである。垂直入射に関して、この偏光子密度は、リターダースタックからのサイドローブ漏出に基づいて理論的に可能であるよりも劇的に高い必要はない。そのような密度は、偏光子の技術が許す場合には、増加したスループットに交換され得る。
【0209】
広視野角の適用には、偏光子FOVが考慮されなければならない。偏光軸に関して±π/4方位角の光漏出が、最も顕著である。幾何学的効果のため、交差偏光子は、非垂直入射でこれらの方位角に交差されて見えなくなる。さらに、リターダンス基板は、密度の減少に貢献し得る。これらの考慮に基づいて、HN22(Polaroid)(これは、高密度を示し、セルロースアセテートブチレート(CAB)基板を使用する)のような偏光子が、大入射角のために好ましい。幾何学的効果およびリターダンス基板効果を補正する方法がまた、実行され得る(J.Chenら,SID '98Digest,315〜318を参考のこと、これは本明細書中でその全体が参考として援用される)。
【0210】
(C)製造方法および技術 CSLM構造は、当該産業にとって標準である技術を使用して製造され得る。液晶セル(偏光モジュレータ)は好ましくは、フロートガラスまたはホウケイ酸ガラスパネルを使用して製造されるが、プラスティックセルがまた、適切である。Corning7059のようなボロケイ酸は、特定のフロートガラスよりもさらに高い透過性を提供する。このガラスは、液晶をアドレッシングするための透明導線で被覆される。良好な導線はインジウムスズオキシド(ITO)であり、典型的には100〜1,000Ω/cm2の抵抗率を有する。このガラスとこのITOの間をオキシドフィルムで被覆することにより(例えば、Ta25/MgF2/ITO)、反射損失が最小化され得る。そうすることで、変調透過性は、数%増加され得、しばしば99%より高い透過率をもたらす。
【0211】
配向層は、LCフィルムを配向するため透明導線上に被覆される。標準的な材料は、ポリアミド(例えば、Nissan Chemical製のもの)であるが、光配向材料(LPP)がまた使用され得る。前者は処理後、機械的にこすられるが、後者はUV光に露光される。
【0212】
接着性ガスケットが、セルの全周の周りを、典型的には0.5〜1.5mmの幅で施されるかまたはスクリーンプリントされ、小さなフィルホールを残す。ガラス基板は対にされ、接着剤はUV光、温度または両者を連続して使用して圧力下で硬化される。ガラスのロッド、球、または可撓性ポリマーボールのスペーサーが、導線間の間隔を決定するため使用される。スペーサー密度のための要件は、均一性要件、ガラス厚/平面度、開口部サイズおよび液晶EO効果に依存する。その後、このパネルは、充填のためスティックに分断される。液晶材料が導線間の隙間に埋め戻され(back−filled)、使用された表面処理に従って配向する。ある場合には、充填された部分は、均一性を向上させるため後処理工程を経る。フィルホールは次いで、接着剤を使用して封止される。コンタクトが、ITOに対して1または2端(交差点が使用されるかどうかに依存して)に沿ってなされる。導線は典型的には、ピンまたははんだ付けワイヤである。
【0213】
好ましいリターダースタックは、二軸性ポリカーボネートフィルムおよび(必要であれば)ニュートラル偏光子フィルムから構成される。典型的には、業者は偏光子およびリターダー材料の両方を供給し、従って完全なリターダースタックを組み立てることができる。感圧接着剤(PSA)を使用して、完全なリターダースタックが単一ユニットに共に重ね合わされ得、これは偏光子に保護層、そしてリターダーPSAにリリースシートが供給される。このリターダースタックはまた、適切な製品サイズに打ち抜かれて供給され得る。
【0214】
リターダースタックは、PSAを使用してLCモジュレータの外部表面に適用され得、単層CSLMステージを形成する。多層CSLMは、標準的な材料を使用してこれらの層を接合することにより製造され得る。これらには、UV、熱、圧力硬化性エポキシ、RTV、および埋め戻しインデックス適合材料と共に接着性ガスケット材料が挙げられる。プラスティックLCデバイスがこのモジュレータに使用される場合、全体のCSLMは、PSAを用いた層積技術を使用して製造され得る。この集合ユニットの波面歪曲は、外部ポリマー表面の組成により解決され得る。この問題は、外部ポリマー表面上にガラスエンドキャップ(end−cap)を接合することによりかなり軽減される。さらに、透過性が、反射防止コーティングされているエンドキャップを使用することにより、向上され得る。
【0215】
リターダースタックにおける透過性損失は、いつくかの損失機構の結果である。典型的には、リターダースタックは、いくつかのポリカーボネートシートから構成され、これらの間にアクリルベースPSAを有する。従って、損失は、材料の吸収およびランダム散乱、ならびに各PSAとポリカーボネート層の間の境界面での反射の結果である。PSA材料は、しばしばポリカーボネートよりもかなり小さい屈折率を有するので、各PSAとポリカーボネート層の間の境界面での反射が典型的には優勢である。従って、透過性を増加させる方法は、表面反射の排除に集中する。表面反射を排除する1つの方法は、ポリカーボネートの屈折率により良くマッチしているPSAを使用することである。別の方法は、化学結合を使用することである。化学結合では、ポリカーボネートシートは、適切な溶媒を使用して、一緒に溶接(weld)される。例えば、塩化メチレンに溶解されたポリカーボネートは、インデックス適合材料を提供する。
【0216】
(カラーディスプレイモード)
上記のように、一般にカラーディスプレイを実装する以下の4つの方式が存在する:(1)空間式;(2)シーケンシャル;(3)分割経路;および(4)共通経路。CSLMは、シーケンシャル構成のカラーシーケンサーとして純粋に使用され得、または共通経路ディスプレイをスタックパネル構成で実装して使用され得る。さらに、CSLMデバイスをディスプレイに使用し、任意の上記に列記した4つの色生成技術を組み合わせるハイブリッド構成が実装され得る。
【0217】
本発明のシステムの種々の配置は、特定の設計基準を満たすため、いくつかの基本的エレメントを種々の方式で組み合わせることにより産み出される。図34A〜34Dは、これらの基本的なエレメントのいくつかを示す。図34Aは、図35〜44を通じて使用されるシンボルを示し、例えば、ディスプレイステージ(例えば、上記の透過性または反射型CSLMディスプレイ)のようなピクセルステージを表す。このピクセルステージは、リターダースタックおよび/または偏光子を含み得る。簡素化のため、「ディスプレイ」という用語は、1つのピクセルステージにあるピクセル化活性デバイスのことを言う一般的用語として使用される。図34Bは、図35〜44を通じて使用されるシンボルを示し、非ピクセルステージ(例えば、上記の非ピクセルCSLMのような)を表す。この非ピクセルステージは、リターダースタックおよび/または偏光子を含み得る。図34Cは、図35〜44を通じて使用されるシンボルを示し、光スプリッターを表す。図34Dは、図35〜44を通じて使用されるシンボルを示し、光コンバイナー(combiner)を表す。スプリッターまたはコンバイナーは、適切なビームスプリッターまたはコンバイナー(例えば、偏光ビームスプリッターまたはコンバイナー、あるいはいくつかの場合には二色性ビームスプリッターまたはコンバイナーのような)であり得る。
【0218】
種々の多数のピクセルおよび非ピクセルステージが、連続しておよび/または平行で配置され得る。さらに、各ディスプレイは、システム出力の一成分のみ(例えば、色成分)を表示するため作動され得るか、システム出力の複数成分を表示するため順次、作動され得る。しかしながら、順次、作動されるディスプレイは、システム出力の一成分のみを表示するため駆動されるよりも、さらに速い速度で駆動されなければならない。また、透過型ディスプレイおよび/または反射型ディスプレイは、可能な配置の数をさらに増加させるため使用され得る。
【0219】
簡素化のため、図35〜44は、カラー画像を生成する例を使用して記載される。図35〜40、42および44は、3成分を有する出力を生成するシステムを示し、図41A〜41Eおよび43は、4成分を有する出力を生成するシステムを示す。
【0220】
最初に図35〜37が、図式的な図38Bに示したシステムの3つの例示的な実施態様として記載される。
【0221】
図35は、一方の経路で1つの透過型ピクセルステージおよび他方の経路で2つの透過型ピクセル化ステージを使用する分割経路システムを示す。光源は、スプリッター4770により上部経路および下部経路に分けられる。上部経路は、画像の1成分を生成する透過型ピクセルステージ4740を有する。下部経路は、スプリッター4770により透過型ピクセルステージ4750および透過型ピクセルステージ4760を通るように向けられる。下部経路は、画像の2成分を生成する。上部経路の単一成分および下部経路の2成分は、コンバイナー4780で結合されて出力画像を形成する。
【0222】
図36は、一方の経路で反射型ピクセルステージ、ならびに他方の経路で非ピクセルステージおよび反射型ピクセルステージを使用する分割経路システムを示す。光源は、スプリッター4820により上部経路および下部経路に分けられる。上部経路は、反射体4830により反射型ピクセルステージ4790を通るように向けられ、画像の1成分を生成する。下部経路は、反射体4840により非ピクセルステージ4800および反射型ピクセルステージ4810を通るように向けられ、画像の2成分を生成する。上部経路の単一成分および下部経路の2成分は、コンバイナー4850で結合されて出力画像を形成する。
【0223】
図37は、一方の経路で透過型ピクセルステージおよび他方の経路で反射型ピクセルステージを使用する分割経路システムを示す。光源は、スプリッター4680により上部経路および下部経路に分けられる。上部経路は、画像の1成分(図35の上部経路と同様に)を生成する透過型ピクセルステージ4690を有する。下部経路は、反射体4700により非ピクセルステージ4710および反射型ピクセルステージ4720を通るように向けられる。この下部経路は画像の2成分(図36の下部経路と同様に)を生成する。上部経路の単一成分および下部経路の2成分は、コンバイナー4730で結合されて出力画像を形成する。
【0224】
図38A〜41Eは、本発明のシステムの可能な配置のいくつかを示す模式的な図である。図34Aに示したように、図38A〜41Eに示したピクセルステージは、透過型または反射型ピクセルステージであり得る。さらに、透過型ピクセルステージは、ピクセル化デバイスの片側もしくは両側にリターダーおよび/または偏光子を有し得る。
【0225】
図38A〜38Cは、3つのピクセルステージを有するシステムを示す。図38Aは、共通経路に配置された3つのピクセルステージ4010、4020および4030を示す。このピクセルステージ4010、4020および4030の各々は、出力画像の異なる成分(例えば、赤色、緑色または青色)を生成する。
【0226】
図38Bは、一方の経路に1つのピクセルステージ4040ならびに他方の経路に2つのピクセルステージ4050および4060を有する分割経路システムを示す。共通光源は、光が両経路にそって同時に透過するように、スプリッター4070により分けられる。上部経路により生成された1成分および下部経路により生成された2成分は、コンバイナー4080で結合されて出力画像を生成する。単一の光源およびスプリッター4070が図38Bでは示されているが、多数の光源が代替に使用され得るということが注目される。
【0227】
図38Cは、分割経路システムの別の例を示す。図38Cでは、光源はスプリッター4120により3つの経路に分けられ、各経路は1つのピクセルステージ4090、4100および4110を有する。各経路により生成された単一成分は、コンバイナー4130により結合されて出力画像を生成する。
【0228】
図39Aおよび39Bは、2つのピクセルステージを有するシステムを示す。図39Aは、2つのピクセルステージのみを使用して画像の3成分を処理する共通経路システムを示す。図39Aで示した配置では、ピクセルステージ4140は出力画像の1成分を処理し得、そして出力画像の他の2成分はピクセルステージ4150により処理され得る。ピクセルステージ4150のディスプレイは、ピクセルステージ4140により生成されない画像の2成分を生成するように順次、作動される。非ピクセルステージ4160のリターダースタックは、ピクセルステージ4150のディスプレイの順次作動と関連して切り替えられる。代替として、ピクセルステージ4140および非ピクセルステージ4160の位置は交換され得る。
【0229】
図39Bは、下部経路のピクセルステージの1つが非ピクセルステージ4180で交換される以外は図38Bと同様な分割経路システムを示す。図39Bでは、光源はスプリッター4200により2つの経路に分けられる。上部経路はピクセルステージ4170を透過し、そして下部経路は非ピクセルステージ4180およびピクセルステージ4190を透過する。上部および下部経路は次いで、コンバイナー4210により結合される。この配置では、ピクセルステージ4190は、下部経路が出力画像の2成分を生成するように順次、作動され得る。
【0230】
図40は、1つのピクセルステージを有するシステムを示す。図40は、1つのピクセルステージおよび2つの非ピクセルステージを使用する共通経路システムを示す。このシステムでは、ピクセルステージ4240のディスプレイは、順次、作動されて、出力画像の3つの全ての成分を生成する。非ピクセルステージ4220および4230のリターダースタックのスイッチングは、ピクセルステージ4240のディスプレイの順次作動と協調される。
【0231】
図41A〜41Eは、4成分を有する出力を生成するシステムの例を示す。そのようなシステムの1つの適用は、図38A〜40に示した3成分システムに4番目の成分(白色成分のような)を加えることである。システムの大多数の可能な配置は4成分を有する出力を生成するので、図41A〜41Eは、順次作動されない4つのピクセルステージを使用する例のみを示す。図41A〜41Eに示した例は、例えば、図39A〜40に示した方法により改変され得るということに注意すべきである。
【0232】
図41Aは、4つのピクセルステージ4250、4260、4270および4280を有する共通経路システムを示す。図41Bは、光源がスプリッター4340により上部経路および下部経路に分けられる分割経路システムを示す。上部経路は2つのピクセルステージ4290および4300を有し、そして下部経路は2つのピクセルステージ4310および4320を有する。上部および下部経路は次いで、コンバイナー4350により出力画像に結合される。図41Cは、光源がスプリッター4400により上部経路および下部経路に分けられる分割経路システムを示す。上部経路は3つのピクセルステージ4360、4370および4380を有し、そして下部経路は単一のピクセルステージ4390を有する。上部および下部経路は、コンバイナー4410により結合されて出力画像を生成する。図41Dは、光源がスプリッター4460により3つの経路に分けられる分割経路システムを示す。第一経路は単一のピクセルステージ4420を有し、第二経路は単一のピクセルステージ4430を有し、そして第三経路は2つのピクセルステージ4440および4450を有する。これら3つの経路は次いで、コンバイナー4470により結合されて出力画像を生成する。図41Eは、光源がスプリッター4520により4つの経路に分けられる分割経路システムを示す。これら4つの経路の各々は、単一のピクセルステージ4480、4490、4500および4510を有する。これら4つの経路は次いで、コンバイナー4530により出力画像に結合される。
【0233】
図42〜44は、本発明のシステム配置のいくつかの他の例を示す。図42は、図式的な図38Cに示した分割経路システムの例として3つの反射型ピクセルステージを有するシステムを示す。光源は反射体4540を透過し、次いでスプリッター/コンバイナー4550により3つの経路に分けられる。各経路に、反射型ピクセルステージ4560、4570、4580が配置される。各反射型ピクセルステージ4560、4570および4580は、出力画像の成分(この例では3つ)の1つを生成する。これら3成分は次いで、スプリッター/コンバイナー4550に戻って透過し、ここで、これらは出力画像に結合される。出力画像は次いで、必要であれば反射体4540により反射され得る。
【0234】
図43は、2つの非ピクセルステージと関連した2つの反射型ピクセルステージを使用する分割経路システムを示す。光源は、スプリッター/コンバイナー4590により2つの経路に分けられる。各経路は、非ピクセルステージ4600、4620および反射型ピクセルステージ4610、4630を有する。図43のこれら経路の各々は、図36に示した下部経路と同様に作動する。結果として、図43に示したシステムは、4成分(各経路により生成された2つ)を有する画像を生成し得る。2つの経路の各々により生成された2つの成分は、スプリッター/コンバイナー4590で結合されて出力画像を生成する。
【0235】
図44は、単一の反射型ピクセルステージおよび2つの非ピクセルステージを使用する共通経路システムを示す。図44のシステムは、図40に示したシステムの例であり、反射型ピクセルステージ4670を使用する。光源は、反射体4640、非ピクセルステージ4650および4660、反射型ピクセルステージ4670を透過し、非ピクセルステージ4650および4660を通って戻り、次いで、必要であれば反射体4640により反射される。非ピクセルステージ4650および4660のスイッチングと、反射型ピクセルステージ4670のディスプレイの配列(sequencing)とを協調させることにより、3成分を有する出力が図44のシステムにより生成され得る。
【0236】
図35〜44は、本発明において可能な多くの組み合わせのごく一部の例である。3または4成分を有する画像が例として使用されたが、任意の数の成分を有する画像が生成され得る。さらに、4より多くの経路を有す分割経路システムがまた、使用され得る。さらに、可視画像が例として使用されたが、可視範囲外の周波数を有する波がまた、本発明のシステムにおいて、例えば、通信の目的として使用され得る。また、このピクセルステージは、アナログまたはバイナリーであり得る。
【0237】
図45は、共通経路またはシーケンシャル能力のいずれかでCSLM技術を利用し得るディスプレイ種類の18例を列記する表である。2つ以下のディスプレイパネルを使用する場合、フルカラーを表示するためには、空間式、シーケンシャルまたは両方に頼ることが必要となる。ディスプレイの数が3つ以上である場合、空間式またはシーケンシャル技術を使用することは、なお可能ではあるが、必要でない。多くのそのような例は、従ってこの表から省略される。
(A)シーケンシャルカラーディスプレイ フルカラーシーケンシャルディスプレイ(図45の設計♯2)は、単一イメージエンジンを使用し、3倍複合システムフレームレートで作動し、三色照明で同調発光されて実装される。
【0238】
図46は、透過型液晶ディスプレイを実装しそして本発明のCSLMカラーシーケンサーを利用するフルカラーシーケンシャルディスプレイを示す。このシーケンシャルディスプレイは、光源1500、二偏光子CSLMカラーシケンサー1550、透過型ピクセル液晶ディスプレイ1560、偏光子1570、投射レンズ1580およびディスプレイスクリーン1590を包含する。
【0239】
この光源1500は適切にはハロゲン化金属ランプであり、好ましくは3つ全ての3原色バンドで光出力を発する。あるいは、この光源1500は、活性ランプシステムまたはランプ/カラーホイールの組み合わせを備え得る。
【0240】
例示的目的のための、この二偏光子CSLMカラーシケンサー1550は、図18で示した種類である。このCSLMカラーシーケンサー1550は、入力偏光子1450、青色ステージ1420、緑色ステージ1430および赤色ステージ1440を包含する。
【0241】
青色ステージ1420は、第一リターダースタック1470、LCモジュレータ1480および第二リターダースタック1490を包含する。緑色ステージ1430は、第一リターダースタック1505、LCモジュレータ1510および第二リターダースタック1520を包含する。赤色ステージ1440は、第一リターダースタック1530、LCモジュレータ1540および第二リターダースタック1550を包含する。入力偏光子1450および出力偏光子1460は交差される。
【0242】
動作上、光源1500およびシーケンサー1550は、液晶ディスプレイ1560を赤色、緑色および青色光で順次、照らす。この液晶ディスプレイ1560は、光源1500およびカラーシーケンサー1550からの赤色、緑色および青色照明と同調した赤色、緑色および青色画像情報で順次、駆動される。この液晶ディスプレイ1560は偏光子1570と共同してこの光の強度を変調し、これは画像情報に従ってスクリーン1590に送られる。図24のフルカラーシーケンシャルディスプレイは、前面投射ディスプレイ(これでは、スクリーン1590は投射オプティクスと同じ側から見られる)または後面投射ディスプレイ(これでは、スクリーン1590は投射オプティクスと反対側から見られる)として実装され得る。
【0243】
図47は、反射型液晶ディスプレイを使用し、そして本発明のCSLMカラーシーケンサーを利用するフルカラーシーケンシャルディスプレイを示す。図47のディスプレイは、透過型液晶ディスプレイの代わりに反射型液晶ディスプレイ1600が使用される以外は図46に示したディスプレイと同様である。この配置では、偏光ビームスプリッター1610が、CSLMカラーシーケンサーのための出力偏光子および反射型液晶ディスプレイ1600のための入力/出力偏光子、の双方として使用される。従って、偏光ビームスプリッター1610は、その偏光が入力偏光子1450の偏光軸に関して交差される光を偏光する。動作上、青色ステージ1420、緑色ステージ1430および赤色ステージ1440を通って透過する光は、偏光ビームスプリッター1610により反射型液晶ディスプレイ1600へと反射される。反射型液晶ディスプレイ1600偏光は、画像情報に従って光を変調し、そしてこの変調された偏光を偏光ビームスプリッター1610へと反射し返す。偏光ビームスプリッター1610は、液晶ディスプレイ1600から反射される光の成分(これは、この偏光ビームスプリッター1610から液晶ディスプレイ1600に向って反射された光に関して直交偏光されている)を透過させる。従って、画像情報は、スクリーン1590上に表示される。
【0244】
上記のように、他のタイプの照射システムを、図46および図47のディスプレイにおける光源1500の代わりに用い得る。例えば、ランプまたは発光ダイオードがパッケージされ得、これらが連続した純の色の連続供給源として機能する。3ランプシステムにおいては、遅延の早い赤色および緑色の燐光を得ることが困難である。1つの解決法は、OCBモードディスプレイにおいて要されるように、フレーム間での色のクロストークを排除する目的で、本発明のCSLMとの組み合わせにおいて、ランプシステムを使用することである。
【0245】
図46および図47に示すディスプレイにおいては、CSLMカラーシーケンサーが、光源1500と液晶ディスプレイ(図46における1560および図47における1600)との間に位置する。しかし、CSLMカラーシーケンサー1550は、このディスプレイシステム内の他の位置に位置され得る。ただし、それが出力(すなわち、スクリーン1590)における照射色を効果的に制御する。デジタルカラーシーケンサーを光源1500と液晶ディスプレイ1560または1600との間に配置することによって、スクリーン1590における画像は、CSLMカラーシーケンサー1550により引き起こされるいかなる波面歪曲に対しても、感受性ではない。
【0246】
CSLMカラーシーケンサー1550が図27および図28に示されるように位置するときに、操作電源が比較的高い場合においても、CSLMカラーシーケンサー1550は比較的小さく作製され得る。UVおよびIRフィルター(図示せず)が、好ましくは光源1500とCSLMカラーシーケンサー1550との間に挿入される。
【0247】
CSLMカラーシーケンサー1550の代替の配置は、液晶ディスプレイ1560または1600と投影レンズ1580との間、および、投影レンズ1580とビューイングスクリーン1590との間である。CSLMカラーシーケンサー1550が投影レンズ1580とビューイングスクリーン1590との間に配置されるならば、CSLMカラーシーケンサー1550は比較的大きな透明開口および低い波面歪曲を有さなければならない。さらに、この配置はこのCSLMカラーシーケンサーの電力操作の要求を減少させる。
【0248】
高フレーム速度システムについては、LCディスプレイ1560または1600は、TFTよりむしろ、好ましくはシリコンベースのディスプレイである。典型的な反射型LCDは、固体ITO電極により被覆したガラス基板の間の、強誘電性LCまたはさまざまなネマチックLCモード、およびシリコン基板上の反射性活性マトリクス構造体を、一体化する。このようなシステムにおいては、CCS1550の検光偏光子はLCDパネルへの入力偏光子として作用し得、逆もまたそうである。オフノーマル照射を使用するシステム(デジタルマイクロミラー装置のような)においては、このシーケンサーは、このシステムの照射アームまたは投影アームのいずれかに配置され得る。しかし、逆反射の配置においては、ビームスプリッティング偏光子は、交差した偏光子を作り出すため、および、そのシステムを通るビームの経路を定めるための、両方に機能する。このような配置においては、このシーケンサーはまたビームスプリッティング偏光子とLCDとの間のアームに挿入され得る。しかし、追加の制約がこのようなCSLMカラーシーケンサーの設計に課される。
【0249】
上記のCSLM配置においては、CSLMステージが主として、検光偏光子の偏光の光の色的な予備調整のために用いられ、この偏光子は、直交する透過軸およびブロッキング軸を有する。このCSLM構造は、フィルターに通した出力とニュートラル出力との間を変調する。しかし、CSLM構造が、フィルターに通したスペクトルとニュートラルスペクトルとの間を変調するように制限される必要はないことが、理解されるべきである。
【0250】
本発明のCSLMカラーシーケンサーを用いる、典型的なシーケンシャルディスプレイアーキテクチャー(図46に示す透過性ディスプレイのような)においては、偏光子(図46における偏光子1460)は、そのカラーシーケンサーの検光偏光子として、およびLCディスプレイを介して発生する局所的灰色スケールの入力偏光子としての、両方に作用する。この偏光子は所望でない逆スペクトルを遮蔽し、これによって、このLCディスプレイを所望の色および偏光によって照射する。
【0251】
この連続したアーキテクチャーは、この偏光子を除去することによって変更され得、これによってカラーおよびグレーレベルの発生手段の両方に、同一の偏光子分析器を共有させる。この様式で、連続したディスプレイの全体が、2つのニュートラル偏光子を用いるのみで実行され得る。全スペクトルがこのLCディスプレイ上に入射するので、この偏光は、このLCディスプレイが所望の加法原色の偏光状態を変調し得るのみであるように、操作されなければならない。全てのLCディスプレイ状態について、逆スペクトルは遮蔽軸に沿って、検光偏光子に到達しなければならない。このスペクトルはしたがって、LCディスプレイの固有偏光に沿って偏光されなければならず、一方加法原色は変調状態に沿って偏光されなければならない。色選択性要素はしたがって、カラーシーケンサーとLCディスプレイとの間に、およびLCディスプレイと偏光子検光子との間に、挿入されなければならない。このことは、冗長なフィルターに通す動作を表わす。より優美な解決法は、LCディスプレイをカラーシーケンサーに組み込むことである。
【0252】
シーケンシャルディスプレイシステムにおいてカラーおよび灰色レベル発生を一体化するための1つの技術は、CSLMのリターダースタックを活性にすることである。この様式によって、このLCディスプレイはいくつかの活性な部分リターダースタックの間に入れられ得、これらのスタックの各々が、適切な電圧の印加と共に消えるように作製され得る。
【0253】
図48Aおよび図48Bは、このようなシステムを図示する。このシステムは、入力偏光子1600、第一の活性リターダー半スタック1610、LCディスプレイ1620、第二の活性リターダー半スタック1630、および出力偏光子1640を有する。図29Aおよび図29Bに示す実施例においては、出力偏光子1640の配向が入力偏光子1600の配向に直交している。しかし、このシステムはまた平行な偏光子と共にも用いられ得ることが、理解されるべきである。
【0254】
図48Bに示すように、活性なリターダー半スタック1610および1630の各々が、第一のリターダー四分の一スタック1650(「QS」で示す)、活性偏光モジュレータ1660、および第二のリターダー四分の一スタック1670により作製される。リターダースタック1650および1670は、リターダー「四分の一スタック」と呼ばれる。なぜなら、上記のように、(偏光モジュレータのいずれかの側にある)受動リターダースタックのうちの1つが「半スタック」とみなされるからである。これは、上記のように、2つのリターダースタックが共同して作動し、ニュートラルスペクトルまたはフィルターに通されたスペクトルを生じさせるからである。2つのリターダー四分の一スタック1650および1670は共に作動して、1つのリターダー半スタックを形成する。
【0255】
偏光モジュレータ1660は、他方に対する一方のリターダー四分の一スタックの見かけの配向を変調するために用いられる。モジュレータ1660のある状態においては、リターダー四分の一スタック1650および1670が共同して、LCディスプレイ1620の変調状態に沿って1つのスペクトルを、LCディスプレイ1620の等方性状態に沿って補色のスペクトルを、調製する。偏光モジュレータ1660の他の状態においては、リターダー四分の一スタック1650および1670は相殺し、ニュートラル入力をLCディスプレイ1620に生じるが、これは等方性状態または変調状態のいずれかである。ニュートラル出力により、白色フレームまたは追加の色のいずれかが、追加のCSLM構造体によって発生され得る。
【0256】
活性リターダー半スタック1610および1630をLCディスプレイ1620のいずれかの側に配置することによって、活性リターダー半スタック1610および1630は、単一のピクセル活性偏光モジュレータ1660を用いて連続的にインおよびアウトを切り換えられ得る。反射モードの配置においては、ハードウェアの要求はより単純であり得る。これは、2つの活性なリターダー半スタック1610および1630が、1つのリターダー半スタックを通る2つの経路を示すためである。しかし、設計オプションがこの配置を用いてさらに強制される。
【0257】
逆反射配置において真のアナログLCディスプレイを用いるならば、多重偏光状態が、このLCディスプレイと偏光ビームスプリッタとの間のアームに存在する。2つの部分からなるディスプレイにおいては、逆向きに伝播するビームが、同じ偏光または直交する偏光のいずれかを有する。最終的に、その成分は直交する状態(これが最も透過する)に変換され、このとき中間の偏光状態がグレーレベルを示す。多重偏光状態が適応されなければならないので、偏光子をこのアームに挿入することは実用的ではない。このように、従来のカラーシャッター(色素偏光子または補色の偏光子リターダースタックに基づくようなもの)は、適切ではない。むしろ、使用される技術は、光を遮断することなく偏光を色的に操作しなければならない。このことは、この偏光ビームスプリッタが、CSLMカラーシーケンサーと、LCディスプレイとの両方について、検光子として機能することを要する。本発明のCSLMは、このような要求に適う。
【0258】
(B)(共通経路カラーディスプレイ)
単一ピクセルLCデバイスの代わりに透過性LCディスプレイパネルを用いて、リターダースタックの間の偏光モジュレータとすることによって、CSLMカラーシーケンサーをスタックパネルフルカラーディスプレイに変換し得る(図45の設計#11)。このような共通経路ディスプレイシステムは、慣習的に「減法」システムと呼ばれるが、本発明のCSLM技術によれば、スタックパネルディスプレイが加法モードで操作され得る。加法モードで使用される2つの偏光子CSLMカラーシーケンサーと関連して上述した利点の多くが、このスタックパネルディスプレイシステムに関する。
【0259】
スタックパネルディスプレイは、原理的には、直視システムまたは投影システム(前または後ろ)のいずれかにおいて実施され得る。図49は、本発明によるスタックパネル直視ディスプレイを示す。このディスプレイは、バックライト1680、入力偏光子1690、青色ステージ1700、緑色ステージ1710、および赤色ステージ1720、ならびに出力偏光子1730を備える。
【0260】
青色ステージ1700は、第一のリターダースタック1702、LCディスプレイ1704、および第二のリターダースタック1706を有する。緑色ステージ1710は、第一のリターダースタック1712、LCディスプレイ1714、および第二のリターダースタック1716を有する。赤色ステージ1720は、第一のリターダースタック1722、LCディスプレイ1724、および第二のリターダースタック1726を有する。入力偏光子1690および出力偏光子1730は、これらが交差(直交)する配向を有する。
【0261】
操作においては、LCディスプレイ1704は青色画像情報によって駆動され、LCディスプレイ1714は緑色画像情報によって駆動され、そしてLCディスプレイ1724は赤色画像情報によって駆動される。青色ステージ1700の第一のリターダースタック1702は、LCディスプレイ1704の変調状態に沿って、青色スペクトルを偏光させる。同様に、緑色ステージ1710の第一のリターダー1712は、LCディスプレイ1714の変調状態に沿って緑色スペクトルを偏光させ、そして赤色ステージ1720の第一のリターダースタック1722は、LCディスプレイ1724の変調状態に沿って赤色スペクトルを偏光させる。LCディスプレイ1704、1714および1724は、受動的マトリクスまたは活性マトリクスのディスプレイのいずれかであり得る。
【0262】
直視システムにおいては、そのディスプレイの品質を、見る角度の関数として保持することに関して、独特の問題が生ずる。ディスプレイの品質に影響を与える因子には、カラーシフト、コントラスト比、視差、および解像度が挙げられる。直視システムの性能を改良するための方法には、LCフィルム層間の距離に対するピクセルピッチの比率を最大にすること、および/またはあるLCディスプレイパネルを次のLCディスプレイパネル上に画像化するためのリレーオプティクスを使用することが挙げられる。
【0263】
LCフィルム層間距離に対するピクセルピッチの比率を最大化するために、プラスチック基板上に製造されたLCディスプレイを用いることによって、基板の厚みを最小化し得る。リターダーの厚みもまた、高複屈折液晶ポリマー層からなるリターダースタックを用いて最小化し得る。内部偏光子は、この設計から排除されるか、あるいはCABまたはCTA裏張り基板のない偏光子基板を用いることによって、その厚みを最小化し得る。
【0264】
図49に示す直視システムはバックライト1680を使用するが、この直視システムはまた、エッジ照明と共に実行されるバックライトを用いる透過モード、トランスフェクティブモード、または適切な反射モードのCLSM設計を用いる真の反射においても、操作し得る。
【0265】
このディスプレイシステムの厚みを減少させるための別の可能な技術は、各々のステージにおいて、第一および第二のリターダースタックの機能性を組み合わせることである。図49に示す通り、リターダースタックは、各LCディスプレイの各々の側に位置している。リターダースタックの各対の機能性を分析することによって、単一のリターダースタックが、これらと置換されるために、原理的には設計され得る。このような単一のリターダースタックは、より少ないフィルムを要する可能性を有し、そしてこれらが2つの別個のリターダースタックのために必要とされる。
【0266】
投影ディスプレイシステムは、上映または投影テレビに用い得るが、高度に一体化された、小型かつ軽量の投影ディスプレイシステムを実行するために、本発明のスタックパネル構造体を利用し得る。原理的には、スタックパネル投影ディスプレイシステムは、色分割/結合オプティクスを必要とせずに、従来の3パネルディスプレイシステムと同等の輝度を提供する可能性を有する。
【0267】
図50は、本発明による、スタックパネル投影ディスプレイシステムを示す。この投影ディスプレイシステムは、ランプアセンブリ1500、CSLMベースのスタックパネルカラー画像エンジン1740、投影レンズアセンブリ1580、およびビューイングスクリーン1590を備える。ランプアセンブリ1500は、視準オプティクス、IR/UVフィルタリング、および/または偏光回復システムを備える。
【0268】
カラー画像エンジン1740は、入力偏光子1690、ならびに青色ステージ1700、緑色ステージ1710、赤色ステージ1720、および出力偏光子1730を備える。青色ステージ1700は、第一のリターダースタック1702、LCディスプレイ1704、および第二のリターダースタック1706を有する。緑色ステージ1710は、第一のリターダースタック1712、LCディスプレイ1714、および第二のリターダースタック1716を有する。赤色ステージは、第一のリターダースタック1722、LCディスプレイ1724、および第二のリターダースタック1726を有する。スタックパネルカラー画像エンジン1740は、上で図49と関連して記載したスタックパネルシステムと類似の様式で作動する。図50のスタックパネル投影ディスプレイシステムは、前方投影ディスプレイ(ここでは、ビューイングスクリーン1590は、投影オプティクス1580と同じ側から観察される)として、または後方投影ディスプレイ(ここでは、ビューイングスクリーン1590は投影オプティクス1580の反対側から観察される)として、実行され得る。
【0269】
このスタックパネル投影ディスプレイシステムが、活性マトリクス前方投影テレビとして実行される場合には、3つのLCディスプレイ1704、1714、および1724は、フルカラーの発生のために、アナログモードで使用される。この場合には、各々のLCディスプレイが、加法原色バンドの透過を4〜8ビットの解像度で独立して制御することができなければならない。さらに、1つのステージから選択される特定の透過レベルが、残り2つのステージから選択される透過レベルから実質的に独立していなければならない。中間の電圧においてのこの独立性は、その構造が偏光に影響する様式のため、2偏光子配置において可能である。
【0270】
全ての電圧レベルにおいてステージの独立性を達成する目的で、特定のステージに続くステージの作動によって起こる偏光操作が、電力伝達の意味では重要ではないことが必要である。例えば、50%の透過レベルを達成する目的で、第一ステージ1700によって特定の色が円偏光状態に変換され得る。続くステージでは、リターダースタックはこの偏光状態を変化させないと仮定される。なぜなら、これらは他の色で作動するからである。次のステージのLCディスプレイは、その円形入力の偏光状態を変調させない。これらのLCディスプレイは入力偏光子1690に対して平行に配向しているので、この偏光状態の楕円性を変化させるのみであり、一方、出力(検光)偏光子1730への投影は固定されたままである。このようにして、ステージ間の透過クロストークは実質的に回避され得る。
【0271】
(C)(ハイブリッドカラーディスプレイおよび他の考慮)
図45の設計番号3〜7、12、16、および17は、カラー発生モードがさまざまな様式で接続された、ハイブリッドカラーディスプレイおよびカラーシーケンサーサブシステムである。ハイブリッド配置はカラー発生スキームの組み合わせを利用し、このスキームには、カラーフィルターアレイ(CFA)法、時間連続的方法、多重経路法、および共通経路法が挙げられる。3つのカラー発生技術(すなわち、多重経路/共通経路/シーケンシャル)を組み合わせて用いるハイブリッドシステムを設計することさえ可能である。特定の配置を選択する動機付けは、全体的な性能の問題(例えば、輝度、色のバランス、および/または色の純度)、重量、サイズ、およびコストから生じる。動機はまた、部品、特に光源および画像エンジン(単数または複数)の特定の挙動によっても動かされる。
【0272】
CSLMは偏光に基づいているので、これが最も効果的に用いられるのは、偏光状態で発生した光(例えば、レーザーからの光)、効果的に偏光状態に変換された光、または、光を独立して処理するために2つのディスプレイ経路を提供するシステムと共に用いる場合である。偏光回復スキームにおける主要な目的は、ランプの発光をより多く用いた偏光源を作り出す方法である。これは照射オプティクスの部分であり、ディスプレイの外部とみなされ得る。
【0273】
偏光回復スキームは、分割経路カラーシーケンサーによって実施され得る。画像エンジンが偏光に依存しないならば(Texas Instruments Digital Micromirror Device(DMD)のように)、偏光の損失を回避することに重点が置かれる。偏光の損失を回避するための1つの方法は、分割経路カラーシーケンサーを、偏光されていない光入力を含む直交する偏光に独立して作用するように構成することである。
【0274】
図51は、本発明による透過性分割経路シーケンシャルディスプレイの1例を示す。このディスプレイは、ランプシステム1750(これは、ランダムに偏光した光を発する)、偏光ビームスプリッタ1760、反射体1770、2つのCSLMカラーシーケンサー1780Aおよび1780B、2つのLCディスプレイ1790Aおよび1790B、第二の偏光ビームスプリッタ1800、第二の反射体1810、ならびに投影オプティクス1820を備える。
【0275】
操作において、ランプシステム1750からのランダムに偏光した光が、第一の偏光ビームスプリッタ1760に入る。偏光ビームスプリッタ1760は、第一の偏光状態を有する光を透過し、第二の偏光状態(これは、第一の偏光状態に直交する)を有する光を反射する。この偏光ビームスプリッタにより透過された光は、一方のCSLMカラーシーケンサー1780Bに入る。偏光ビームスプリッタ1760により反射された光は、反射体1770によって再び反射され、他方のCSLMカラーシーケンサー1780Aに入る。
【0276】
各々のCSLMカラーシーケンサー/LCディスプレイの組み合わせは、図46および47に示すシーケンシャルディスプレイの実施態様のいずれかに関連して上に記載したものと類似の様式で作動する。特に、カラーシーケンサー1780Aおよび1780Bは、それらの各LCディスプレイ1790Aおよび1790Bを、光スペクトル(例えば、赤色、緑色、および青色の光)により、引き続いて照射する。LCディスプレイ1790Aおよび1790Bはそれらの各カラーシーケンサーにより引き続いて出力された光スペクトルと同期した画像情報によって、引き続いて駆動される。例えば、カラーシーケンサー1780Aおよび1780Bが、LCディスプレイ1790Aおよび1790Bを、赤色光、緑色光、および青色光によって引き続いて照射するならば、LCディスプレイ1790Aおよび1790Bは、カラーシーケンサー1780Aおよび1780Bからの赤色、緑色および青色の照射と同期した、赤色、緑色、および青色の画像情報によって引き続いて駆動される。
【0277】
LCディスプレイ1790Aおよび1790Bは、その画像情報に従って照射光の偏光を変調する。LCディスプレイ1790Aからの偏光変調された光は、偏光ビームスプリッタ1800を透過する。LCディスプレイ1790Bからの偏光変調された光もまた、反射体1810を経て偏光ビームスプリッタ1800に指向される。偏光ビームスプリッタ1800は、LCディスプレイ1790Aおよび1790Bからの偏光変調された光の偏光の状態を分析し、これによってその光をフィルターに通すこと、および、これら2つのLCディスプレイ1790Aおよび1790Bからの偏光変調された光を組み合わせることの、二重の機能を果たす。偏光感受性の光学成分がカラーシーケンサー1780Aおよび1780Bの下流側にないならば、LCディスプレイ1790Aおよび1790Bからの光を組み合わせることによって、図32のディスプレイシステムはその輝度を二倍にする。偏光ビームスプリッタ1800を出る光は、投影オプティクス1820によって画像化される。
【0278】
反射体1770および1810は、図51のシステムにおいてはプリズムとして示されているが、他のタイプの反射体が使用され得、この場合もやはり本発明の範囲に入ることが、理解されるべきである。さらに、図32のシステムは2つのCSLMカラーシーケンサー1780Aおよび1780Bを有するよう示されているが、両方の光路を収容するよう設計された単一のCSLMカラーシーケンサーもまた使用され得、やはり本発明の範囲に入ることが、理解されるべきである。
【0279】
図52は、反射型分割経路シーケンシャルディスプレイを示す。図33の反射型ディスプレイは、図51に示すディスプレイに類似するが、但し反射型LCディスプレイ1830Aおよび1830Bが、透過性のLCディスプレイの代わりに用いられる。この配置において、偏光ビームスプリッタ1760が、ランプシステム1750からのランダムに偏光された入力光のための経路スプリッタとして、およびLCディスプレイ1830Aおよび1830Bのための検光偏光子としての、両方として用いられる。操作において、ランプシステム1750からのランダムに偏光された光は、偏光ビームスプリッタ1760に入り、2つの直交して偏光された成分に分離し、偏光ビームスプリッタ1760によって、その一方が透過され、他方が反射される。CSLMカラーシーケンサー1780Aおよび1780B、ならびにそれらに関連するLCディスプレイ1830Aおよび1830Bは、図51のディスプレイに関して上に記載したものと類似の様式で作動するが、但し、LCディスプレイ1830Aおよび1830Bは、光を画像情報に従って偏光変調した後、その光を偏光ビームスプリッタ1760に向けて後方に反射する。
【0280】
図53は、分割経路追加ディスプレイシステムを示し、ここでは偏光を用いて光路を分離する。このシステムは、入力偏光子1835、青/黄リターダースタック1840、第一の偏光ビームスプリッタ1850、赤/シアンリターダースタック1860、第二の偏光ビームスプリッタ1870、ミラー1880および1890、3つのLCディスプレイ1900、1910、および1920、第三の偏光ビームスプリッタ1930、第四の偏光ビームスプリッタ1940、ならびに投影オプティクス1820を備える。
【0281】
操作において、白色光源(図示せず)からのランダムに偏光された白色光が、入力偏光子1835によって偏光され、青/黄リターダースタック1840に入る。青/黄リターダースタック1840は、その白色光の青色成分を1つの偏光軸に沿って、そして黄色成分(緑および赤)を直交する偏光軸に沿って、偏光させる。図示した実施例においては、入力偏光子1835、青/黄リターダースタック1840、および第一の偏光ビームスプリッタ1850は、偏光ビームスプリッタ1850によって、偏光された黄色成分が透過され、偏光された青色成分が反射されるように、配向されている。
【0282】
偏光された黄色成分は、赤/シアンリターダースタック1860に入り、このリターダースタックが、その黄色成分の赤色部分を1つの偏光軸に沿って、そしてその黄色成分のシアン部分(緑および青)を直交する偏光軸に沿って、偏光させる。図示した実施例においては、赤/シアンリターダースタック1860および偏光ビームスプリッタ1870は、偏光ビームスプリッタ1870によって、偏光された赤色成分が透過され、偏光されたシアン成分が反射されるように、配向されている。青色成分は第一の偏光ビームスプリッタ1850によって反射されたので、このシアン成分のうちの緑色部分のみが、偏光ビームスプリッタ1870における反射に利用可能である。
【0283】
ミラー1880によって、反射された青色成分は第一のLCディスプレイ1900の方に向けられ、反射された緑色成分は第二のLCディスプレイ1910の方に向けられ、そして透過された赤色成分は第三のLCディスプレイ1920の方に向けられる。
【0284】
第一、第二、および第三のLCディスプレイ1900、1910、および1920は、それぞれ青色、緑色、および赤色の画像情報によって、駆動される。従って、青色、緑色、および赤色の成分は、それらの対応するLCディスプレイ上の画像情報に従って、偏光変調される。第一のLCディスプレイ1900から偏光変調された光は、ミラー1890によって、偏光ビームスプリッタ1930および1940の方に指向される。第二のLCディスプレイ1910からの偏光変調された光は偏光ビームスプリッタ1930に指向され、第三のLCディスプレイ1920からの偏光変調された光は偏光ビームスプリッタ1940に指向される。偏光ビームスプリッタ1930および1940は共に、LCディスプレイ1900、1910、および1920からの光の偏光の状態を分析すること、ならびに、これら3つの光路からの光を組み合わせることの、二重の機能を有する。この組み合わせられた光は次いで、画像化のために投影オプティクス1820に指向される。
【0285】
図54は、分割経路3パネル追加ディスプレイシステムを示し、このシステムは、入射する白色光を3つの分離した光路に分離するために、色を使用する。このディスプレイシステムは、入力偏光子1950、二色性ビームスプリッタ1960、1970、1980、および1990、ミラー2000および2010、LCディスプレイ2020、2030、および2040、出力偏光子2050、ならびに投影オプティクス1820を備える。入力偏光子1950および2050の配向は、交差(直交)している。
【0286】
操作において、入射する白色光は偏光子1950によって偏光され、第一の二色性ビームスプリッタ1960に指向される。二色性ビームスプリッタ1960は、この白色光の青色成分を反射し、そして緑色および赤色成分を二色性ビームスプリッタ1970の方に透過する。二色性ビームスプリッタ1970は、この光の緑色成分を反射し、そしてこの光の赤色成分をミラー2010の方に透過する。ミラー2010は、この赤色成分を第三のLCディスプレイ2040に指向する。青色および緑色成分は、それぞれLCディスプレイ2020および2030に指向される。
【0287】
LCディスプレイ2020、2030および2040は、それぞれ青色、緑色、および赤色の画像情報によって駆動される。したがって、LCディスプレイ2020、2030および2040は、その画像情報に従って、それぞれ青色、緑色、および赤色の成分の強度を偏光変調する。この偏光変調された青色成分は、ミラー2000により反射されて二色性ビームスプリッタ1980および1990に指向され、これらはこの青色成分を透過する。偏光変調された緑色成分は二色性ビームスプリッタ1980に指向され、これはこの緑色成分を二色性ビームスプリッタ1990の方に反射する。二色性ビームスプリッタ1990は、この緑色成分を透過する。
【0288】
偏光変調された赤色成分は二色性ビームスプリッタ1990に指向され、これはこの赤色成分を反射する。出力偏光子2050は、これら青色、緑色、および赤色の、偏光変調された成分の偏光の状態を分析する。この分析された光が次いで、画像化のために投影オプティクス1820に指向される。
【0289】
図55は、分離偏光光路を用いてフルカラーを実行するための、別のハイブリッドディスプレイアーキテクチャを示す。図36に示すハイブリッドディスプレイアーキテクチャは、「分割経路/共通経路」と呼ばれる。このディスプレイアーキテクチャは、4パネルシステムであり、これは一方のアーム(「共通経路」アーム)に赤色、緑色および青色のスタックディスプレイパネルを、他方のアーム(「分割経路」アーム)に単一の白色ディスプレイパネルを有する。このディスプレイシステムは、ランダムに偏光した白色光を生じるランプシステム1750、第一の偏光ビームスプリッタ1760、反射体1770、スタック3パネルディスプレイ2060、単一パネルディスプレイ2070、第二の偏光ビームスプリッタ1800、第二の反射体1810、および投影オプティクス1820を備える。
【0290】
スタック3パネルディスプレイ2060は、入力偏光子2080、青色ステージ2090、緑色ステージ2100、赤色ステージ2110、および出力偏光子2120を有する。青色ステージ2090は、第一のリターダースタック2092、LCディスプレイ2094、および第二のリターダースタック2096を有する。緑色ステージ2100は、第一のリターダースタック2102、LCディスプレイ2104、および第二のリターダースタック2106を有する。赤色ステージ2110は、第一のリターダースタック2112、LCディスプレイ2114、および第二のリターダースタック2116を有する。
【0291】
単一パネルLCディスプレイ2070は、入力偏光子2072、LCディスプレイ2074、および出力偏光子2076を備える。単一パネルディスプレイ2070の入力および出力偏光子2072および2076は、交差した配向を有する。同様に、スタック3パネルディスプレイ2060の入力および出力偏光子2080および2120は、交差した配向を有する。
【0292】
操作において、ランダムに偏光した白色光は、偏光ビームスプリッタ1760によって、直交した偏光成分に分離される。偏光ビームスプリッタ1760によって、一方の偏光成分は透過され、他方は反射される。透過した偏光成分は、3パネルスタックディスプレイ2060に指向される。3パネルスタックディスプレイ2060は、図31に示す3パネルスタックディスプレイと類似の様式で動作する。
【0293】
反射された偏光成分は、反射剤1770によって単一パネルディスプレイ2070の方に指向される。単一パネルディスプレイ2070は「白色パネル」であって、これは白色光の強度を変調する。単一パネルディスプレイ2070および3パネルスタックディスプレイ2060からの出力は、偏光ビームスプリッタ1800および反射体1810によって再び組み合わせられる。この組み合わせられた出力は次いで、画像化のために投影オプティクス1820に指向される。
【0294】
図55に示すハイブリッドディスプレイは、3パネルスタックディスプレイ2060の3つのLCディスプレイ2094、2104、および2112が、単一パネル白色ディスプレイ2070のLCディスプレイ2074より低いピクセルカウントを有するように、構成され得る。この構成は、より解像度の高い単色画像(単一パネル白色ディスプレイ2070により作り出されたものなど)が、認識された解像度にほとんど影響なく、より解像度の低いカラー画像(3パネルスタックディスプレイ2060により作り出されたものなど)によって「色を塗られ」得る、という概念を用いる。
【0295】
図55に示すハイブリッドディスプレイはまた、1つの加法原色バンドがLCディスプレイによって1つのアーム内で変調され、同時に2つのパネルスタックディスプレイが補色のスペクトルを第二のアーム内で変調するようにも、構成され得る。このことは、3パネルスタックディスプレイ2060を、補色のスペクトルを変調するための2パネルスタックディスプレイと置き換えることによって実行され、次いで単一パネルLCディスプレイ2070は、1つの加法原色バンドを変調する。
【0296】
この構成において、単一パネルディスプレイ2070を用いて、ランプシステム1760が比較的弱い加法原色バンドを変調し得る。例えば、ハロゲン化金属ランプシステムを用いるならば、単一パネルディスプレイ2070は赤を変調するために用いられ得、2パネルスタックディスプレイは第二のアーム中で青および緑を変調するために用いられ得る。スペクトルの青色部分の解像度は、ある程度変化され得る。なぜならヒトの目は、位置の情報の決定にスペクトルの青色部分をあまりあてにしないためである。このことは、青色パネルと緑色パネルとの間で画像化する場合に、処理量を増加させるために有用であり得る。
【0297】
図56は、ハイブリッド共通経路/空間的CSLMディスプレイを示す。このディスプレイは、1つのLCディスプレイを2つの加法原色によって引き続いて照射することの代替を提供する。図56のディスプレイは、入力偏光子2200、青色ステージ2210、黄色ステージ2220、および出力偏光子2230を備える。この青色ステージは、第一のリターダースタック2212、LCディスプレイ2214、および第二のリターダースタック2216を有する。黄色ステージは、第一のリターダースタック2222、セグメント化されたLCディスプレイ2224、セグメント化されたフィルター2225、および第二のリターダースタック2226を有する。セグメント化されたLCディスプレイ2224は、第一(緑色)セクション2224Aおよび第二の「赤色」セクション2224Bに分割される。各々のセクションが、全LCディスプレイ2224と同数の画像ピクセルを有する。第一のセクション2224Aは緑色画像情報によって駆動され、第二のセクション2224Bは赤色画像情報によって駆動される。
【0298】
セグメント化されたフィルター2225Bは、赤色光を遮断する第一のシアンフィルターセクション2225A、および緑色光を遮断する第二のマゼンタフィルターセクション2225Bを有する。
【0299】
操作において、第一のリターダースタック2212および青色ステージ2210は、緑色成分および赤色成分が、LCディスプレイ2214の固有状態に沿うように、入力光の偏光の予備調整を行う。したがって、青色光がLCディスプレイ2214によって変調され、第二のリターダースタック2216を用いてその偏光変換を完了する。第一のリターダースタック2222および黄色ステージ2220は、青色成分が黄色LCディスプレイ2224の固有状態に沿って偏光されるように、光を予備調整する。したがって、黄色光(緑および赤)は、LCディスプレイ2224によって変調される。シアンフィルターセクション2225Aは、緑色光および青色光を通過させ、赤色光を遮断する。マゼンタフィルターセクション2225Bは、青色光および赤色光を通過させ、緑色光を遮断する。
【0300】
図56のハイブリッド構造は、フルカラー共通経路アーキテクチャからの1つのLCディスプレイを照射するが、いくらかの空間的な色のサンプリングを有する。
【0301】
CSLM構造は、スペクトルの一部を、別のスペクトル部分のものと一致する偏光状態と、直交する偏光状態との間で変調するために、しばしば用いられる。しかし、CSLM構造はまた、任意の偏光の間を変調するためにも用いられ得る。例えば、リターダースタックの設計を適切に調節するために、たとえこのモジュレータがリターダンスの半波によって切り換えられても、CSLMは、スペクトルの部分を直交しない状態の間に変調した。
【0302】
一例として、ZTNデバイスを用いるSOニュートラルCSLMを考える。これは、第二のZTNデバイスに入る光の偏光を制御するために用いられる。駆動状態においては、リターダースタックが消滅し、全ての光が第二のZTNの固有状態に沿って偏光される。この状態において、全ての光が第二のモジュレータを通過し、このとき偏光状態は変化しない。あるいは、この第二のZTNは45°に配向され得、これによって全ての光が、駆動状態の第二のZTNによって変調され得る。
【0303】
非駆動状態においては、このCSLMは偏光を修正し、これによって光の一部が固有状態(一般に変調されていない)に沿ったままとなる。このスペクトルの第二の部分が、この第二のZTNの固有状態(すなわち、45°の線状)に沿った等しい投影を有するように、CSLMによって修正された偏光を有する。
【0304】
この特定の実施例において、部分的なリターダースタックの組み合わさった作用は、直交した状態間で変調するために通常要されるものの実質的に半分である。1つのクラスの設計は、スペクトルの変調された部分と一致する波長において、半波プレートからなる部分的スタックを有する。第一の部分的リターダースタックから出る変調された光の偏光状態は、 αN−αN-1+αN-12−・・・α2±α1=(π/16)+(mπ/4)
であり、ここでmは整数であり、Nはリターダー要素の数であり、そして最後の符号は、Nが奇数であるか偶数であるかによって決定する。
【0305】
先の実施例は、シリコンディスプレイ上の反射性液晶に適応し、ここで、CSLMは偏光ビームスプリッタとLCディスプレイとの間に位置する。畳まれていないときは、このLCディスプレイは構造体の中央にあり、このときこのCSLM構造体は、このLCディスプレイのいずれかの側に効果的にある。明らかに、これらの対応する2つが同じ構造体を通過するので、これらのリターダーの配向は同一であり、順序が逆である。
【0306】
偏光ビームスプリッタを使用する逆反射LCディスプレイ配置においては、従来のカラーシャッターをこのLCディスプレイアームに挿入することができない。これは、このLCディスプレイポートが、直交する偏光を有する逆伝播光線を収容しなければならないためである。したがって、図57は、偏光ビームスプリッタ2240を用いて逆反射LCディスプレイ装置のLCディスプレイポートに挿入したCSLM構造を示す。単一ピクセルLCスイッチ2250を用いて、2つの部分的スタック2260および2270の相互作用を制御する。
【0307】
反射型LCディスプレイ2280(LCディスプレイ2280の反射部分がミラー2290で置き換わっている)がZTNデバイスであり、そしてこのCSLMを用いて偏光ビームスプリッタ2240を出る色を制御する場合を考える。交差したリターダースタック配置がこのCSLMに用いられるならば、LCディスプレイ2280は、単一ピクセルLCスイッチ2250が駆動状態にあるとき、全ての光を変調する。単一ピクセルLCスイッチ2250が非駆動状態にあるときは、リターダースタック2260および2270の組み合わさった変換は、LCディスプレイの固有偏光(これは、LCディスプレイ2280によって変調されない)に沿ったスペクトルの一部を与えることに貢献し、このスペクトルの一部は、LCディスプレイ2280の固有偏光(これは、LCディスプレイ2280によって変調される)に沿った等しい投影を有する。この意味において、部分的なリターダースタック2260および2270は、透過モードのCSLMのものと同様に機能するが、但し、その偏光の変換が半減している。この場合において、第一の部分的スタック2260から出る光は、22.5度回転される。単一ピクセルLCスイッチ2250は適切に回転して、この光を受容する。第二の部分的スタック2270の作用は、駆動状態にある第一の部分的スタック2260の変換の2回の「取消(undo)」、および非駆動状態における偏光の変換を完了させることである。後者については、この偏光変換は、LCディスプレイ2280によって変調されるべきスペクトルの一部分を与える。この部分は、LCディスプレイ2280の固有状態に沿った等しい投影を有し、これによって支持となる偏光ビームスプリッタ2240から出る光のレベルが完全に変調され得る。逆に、LCディスプレイ2280の固有状態に沿って配向された第二の部分的リターダースタックから出る光は、入口ポートに戻される。
【0308】
本発明のCSLMはまた、空間的カラーデバイスの形成にも有用である。図58は、パターン化されたCSLM2300を示し、これはパターン化されていないリターダースタック2310、1つ以上の部分的にパターン化されたリターダーフィルム2320、活性LCディスプレイ2330、反射体2340、および偏光子2350を備える。
【0309】
LCディスプレイ2330に続く反射体2340は、この構造体を通る2つの経路を提供する。パターン化されたリターダーフィルム2320は、液晶ポリマーまたは局所的に応力を加えたポリマーフィルムから、適切に形成される。反射モードの配置の対称性が増加されているために、その設計スペースは、透過モードの装置に対して込み合っている。畳んでいないバージョンにおいては、LCディスプレイ2330のいずれかの側において部分的なリターダースタックを形成するパターン化されたリターダーフィルムの有効角度は、等価でなければならない。
【0310】
1つの特定の構成において、パターン化されたリターダースタックは、0次、または複合した色消しリターダーを含む。例えば、適切な配向の半波リタデーション層を有するピクセルは、偏光回転子を形成し得る。交差した配向の同じリタデーション層は、局所的に等方性である。最後に、2つの半波リタデーション層が平行であるならば、得られる構造体は全波(有色)プレートに劣化する。このようなパターン化された構造体は、LCディスプレイ2330への相互作用のために、局所的に偏光の予備調整のために用いられ得る。
【0311】
視差の問題を回避するために、パターン化されたリターダースタックは、LCディスプレイ2330の活性ピクセルの可能な限り近くに配置される。この構造体のパターン化されていない部分は、変調の要求に依存して、組み込んでも良いし、組み込まなくても良い。当然、パターン化されていないリターダースタック2310は、このディスプレイの全てのピクセルのクロミナンスおよび/または変調の特性を左右する効果を有する。
【0312】
図59は、図58の空間的カラーディスプレイデバイスの、透過モードバージョンを示す。このデバイスは、第一偏光子2360、第一のパターン化されていないリターダースタック2370、第一のパターン化されたリターダースタック2380、LCディスプレイ2390、第二のパターン化されたリターダースタック2400、第二のパターン化されていないリターダースタック2410、第二偏光子2420、およびバックライト/反射体の組み合わせ2430を備える。独特の、パターン化された部分的リターダースタックおよびパターン化されていない部分的リターダースタックが、LCディスプレイ2390のいずれかの側において使用され得るので、設計オプションの数は大いに増加する。
【0313】
(応用例)
上記のように、本発明のCSLMは、投影ディスプレイ、バーチャルディスプレイ、および直視ディスプレイの、前方および後方で用い得る。これらのディスプレイは、例えば、輸送用乗物(例えば、自動車および航空機)のヘッドアップディスプレイ、グループプロジェクタ、デスクトップコンピューティング、ホームシアター、携帯式ゲーム、アーケードゲーム(3Dおよび2D)、ラップディスプレイ、携帯式ページャー、個人用デジタル式補助具、衛星航法ディスプレイ、計器(例えば、オシロスコープおよびスペクトル分析器)、ウェブブラウザ、電気通信機、ヘッドマウントディスプレイ、ならびに、仮想現実および増大された現実性を目にもたらすディスプレイ、携帯式の身に着けられるコンピュータ、シミュレータ、カムコーダー(camcorder)、ならびに、ディスプレイ眼鏡、ゴーグル、またはシャッターといった、様々な応用において用いられ得る。
【0314】
ディスプレイの応用のために、本発明のマルチピクセルのCSLMは、放射性ディスプレイ(例えば、陰極線管、エレクトロルミネッセントディスプレイ、活性マトリクスエレクトロルミネッセントディスプレイ、電解放出ディスプレイ、およびプラズマディスプレイ)との組み合わせにおいて使用され得る。本発明のCSLMはまた、非表示色発生の応用においても用いられ得、これには、比色法、ステージ照明、家庭用/工業用照明、検査システム、レーザーおよび発光ダイオードのためのカラースイッチ、ならびに、分光法のためのチューナブル光源/受光器、ならびに他の分光診断の応用が挙げられる。
【0315】
本発明のCSLMはまた、モジュレータディスプレイと共にも用いられ得、これには、透過型ディスプレイ(例えば、TFT−LCDおよびポリシリコンLCD)、反射型ディスプレイ(例えば、シリコン上の液晶(LCOS)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、および回折(defractive)格子デバイス)、ならびに受動マトリクスディスプレイ(例えば、STNおよび強誘電体液晶ディスプレイ)が挙げられる。
【0316】
電子的画像化の応用には、ページ送りまたは文書のスキャナ、インターネットカメラ、スタジオ写真用のデジタルカメラ、顕微鏡、マルチスペクトル画像化、ドキュメンテーション(例えば、光IDカメラ)、アマチュア電子写真、および他の応用例(蛍光分光法および医用描写法(例えば、内視鏡および他の医用診断器具)を含む)が挙げられる。
【0317】
画像化デバイスを形成するために、本発明のCSLMは、電荷結合素子、電荷積算素子、または補色金属酸化物半導体の単一ピクセルまたはマルチピクセル画像装置を用いる、静止カメラまたはビデオカメラと組み合わせられ得る。
【0318】
上に記載したように、本発明のCSLMフィルタを、他の能動または受動フィルタと組み合わせて用いて、ハイブリッドフィルタを作製し得る。本発明のCSLMフィルタは、リターダーをベースとしたノッチフィルタおよび二色性フィルタのような、受動フィルタと組み合わせられ得、これによって、UV、IRまたは他の光のバンドを遮断する。これらはまた、偏光干渉フィルタおよびスイッチ偏光子フィルタのような、他の能動フィルタと共にも用いられ得る。
【0319】
本発明のCSLMフィルタは、可視スペクトルにおける色フィルタとして特に有用である。しかし、これらは、分光法、分光測定暗所視フィルタリング、または波長分割多重化の応用のための、他の波長バンドにおける使用のためにもまた製造され得る。本発明のCSLMカラーフィルターは、多くの応用において、特に、カラー画像の記録および表示の領域において、使用され得る。これらは、マルチピクセルアレイに配列され得、空間的または時間的に多重化され得、そして、光学的にアドレスされ得る。
【0320】
前述の実施態様は単なる例示的なものであり、本発明の限定として解釈されるべきではない。本明細書に教示のものは、他のタイプの装置に容易に応用され得る。本発明の記載は例示することを意図されており、特許請求の範囲を限定することは意図されない。多くの変更、改変および変化は、当業者に明白である。特許請求の範囲における手段+機能の項は、詳細に記載した機能の実施として本明細書に記載した構造を包含すること、そして構造的均等物のみでなく均等な構造をも包含することを、意図される。
【図面の簡単な説明】
【0321】
【図1】図1は、本発明に従う、全般的な色選択性光モジュレーター(CSLM)の概略図である。
【図2】図2は、24個の本発明の中性色/原色フィルター/スイッチの好ましい設計を列挙した表である。
【図3】図3は、本発明の色選択性光モジュレーター(CSLM)の第1の実施態様を示す。
【図4】図4は、本発明のCSLMの第2の実施態様を示す。
【図5】図5は、本発明のCSLMの第3の実施態様を示す。
【図6】図6は、本発明のCSLMの第4の実施態様を示す。
【図7】図7は、本発明のCSLMの第5の実施態様を示す。
【図8】図8は、本発明のCSLMの第6の実施態様を示す。
【図9】図9は、本発明のCSLMの第7の実施態様を示す。
【図10】図10は、本発明のCSLMの第8の実施態様を示す。
【図11】図11は、本発明のCSLMの第9の実施態様を示す。
【図12】図12は、本発明に従う、反射モードのCSLMを示す。
【図13】図13は、図12の反射モードのCSLMの「展開」概略図である。
【図14】図14は、N=3であるCSLM設計を列挙する表であり、これらの設計は反射モードのCSLMデバイスを実行するために必要とされる対称性を有する。
【図15A】図15Aは、反射モードのマゼンタCSLMの測定した出力のプロットである。
【図15B】図15Bは、反射モードの黄色CSLMの測定した出力のプロットである。
【図16】図16は、本発明に従う、緑色出力とマゼンタ出力との間で切換える、可変色相CSLMを示す。
【図17】図17は、本発明に従う、46個のSOフィルターCSLM設計のパラメータを示す表である。
【図18】図18は、本発明に従う、46個のSOニュートラルCSLM設計のパラメータを示す表である。
【図19】図19は、本発明に従う、56個の交差偏光子CSLM設計のパラメータを示す表である。
【図20】図20は、本発明に従う、59個の交差偏光子CSLM設計のパラメータを示す表である。
【図21A】図21Aは、本発明に従う、2偏光子マルチステージCSLMのブロック線図である。
【図21B】図21Bは、本発明に従う、4偏光子、3ステージCSLMのブロック線図である。
【図22A】図22Aは、本発明に従う、2偏光子加法(SO黒色)CSLM設計を組み込む、CSLMカラーシーケンサーを示す。
【図22B】図22Bは、本発明に従う、2偏光子加法(SO黒色)CSLM設計を組み込む、CSLMカラーシーケンサーを示す。
【図23】図23は、図22Aおよび22BのCSLMカラーシーケンサーに関する、真理表である。
【図24A】図24Aは、図22Aの完全に組立てられたRGB CSLMカラーシーケンサーの場合の測定された赤色の透過スペクトルのプロットである。
【図24B】図24Bは、図22Aの完全に組立てられたRGB CSLMカラーシーケンサーの場合の測定された緑色の透過スペクトルのプロットである。
【図24C】図24Cは、図22Aの完全に組立てられたRGB CSLMカラーシーケンサーの場合の測定された青色の透過スペクトルのプロットである。
【図25A】図25Aは、さらに測定されたシアンのスペクトルのプロットであって、これはまた、図22AのRGB CSLMカラーシーケンサーを用いて利用できる。
【図25B】図25Bは、さらに測定されたマゼンタのスペクトルのプロットであって、これはまた、図22AのRGB CSLMカラーシーケンサーを用いて利用できる。
【図25C】図25Cは、さらに測定された黄色のスペクトルのプロットであって、これはまた、図22AのRGB CSLMカラーシーケンサーを用いて利用できる。
【図26A】図26Aは、図22AのCSLMカラーシーケンサーの組立て前に、測定された青色ステージの出力のプロットである。
【図26B】図26Bは、図22AのCSLMカラーシーケンサーの組立て前に、測定された緑色ステージの出力のプロットである。
【図26C】図26Cは、図22AのCSLMカラーシーケンサーの組立て前に、測定された赤色ステージの出力のプロットである。
【図27】図27は、本発明に従った、さらに加法原色を通してフルカラーCSLMカラーシーケンサーを配列するための駆動スキームを示す。
【図28】図28は、本発明のCSLMカラーシーケンサーの2つのCSLMステージでの電気駆動シグナルおよび対応する光の透過を示す。
【図29】図29は、本発明のCSLMカラーシーケンサー3つのレベルの駆動スキーム変数を示す。
【図30】図30は、本発明に従った、SO加法原色ステージを有する4つの偏光子CSLMカラーシーケンサーを示す。
【図31】図31は、本発明に従った、異なるCSLM状態の白色状態のチューニングの効果を示す表である。
【図32】図32は、本発明に従った、SOの白色状態を発生する4つの偏光子CSLMカラーシーケンサーを示す。
【図33】図33は、本発明に従った、SO加法原色設計を利用する4つの偏光子RGB CSLMの幅広い領域の視野を示す。
【図34A】図34Aは、図35〜44の模式図における種々の成分を示すのに使用される記号を示す。
【図34B】図34Bは、図35〜44の模式図における種々の成分を示すのに使用される記号を示す。
【図34C】図34Cは、図35〜44の模式図における種々の成分を示すのに使用される記号を示す。
【図34D】図34Dは、図35〜44の模式図における種々の成分を示すのに使用される記号を示す。
【図35】図35は、本発明に従った、1つの経路上の1つの透過ピクセル化ステージおよび別の経路上の2つの透過ピクセル化ステージを使用する分割経路システムを示す模式図である。
【図36】図36は、本発明に従った、1つの経路上の反射ピクセル化ステージ、ならびに別の経路上の非ピクセル化ステージおよび反射ピクセル化ステージを使用する分割経路システムを示す模式図である。
【図37】図37は、本発明に従った、1つの経路上の透過ピクセル化ステージおよび別の経路上の反射ピクセル化ステージを使用する分割経路システムを示す模式図である。
【図38A】図38Aは、3つのピクセル化ステージを有するディスプレイシステムを示す模式図である。
【図38B】図38Bは、本発明に従った、1つの経路上に1つのピクセル化ステージおよび別の経路上に2つのピクセル化ステージを有する分割経路システムを示す模式図である。
【図38C】図38Cは、本発明に従った、分割経路ディスプレイシステムの別の実施態様を示す模式図である。
【図39A】図39Aは、本発明に従った、2つのピクセル化ステージを有するディスプレイシステムを示す模式図である。
【図39B】図39Bは、本発明に従った、2つのピクセル化ステージを有するディスプレイシステムを示す模式図である。
【図40】図40は、本発明に従った、1つのピクセル化ステージを有するディスプレイシステムを示す模式図である。
【図41A】図41Aは、本発明に従った、4つの構成要素を有する出力を生成するディスプレイシステムの実施態様を示す模式図である。
【図41B】図41Bは、本発明に従った、4つの構成要素を有する出力を生成するディスプレイシステムの実施態様を示す模式図である。
【図41C】図41Cは、本発明に従った、4つの構成要素を有する出力を生成するディスプレイシステムの実施態様を示す模式図である。
【図41D】図41Dは、本発明に従った、4つの構成要素を有する出力を生成するディスプレイシステムの実施態様を示す模式図である。
【図41E】図41Eは、本発明に従った、4つの構成要素を有する出力を生成するディスプレイシステムの実施態様を示す模式図である。
【図42】図42は、本発明に従った、3つの反射ピクセル化ステージを有するディスプレイシステム示す模式図である。
【図43】図43は、本発明に従った、2つの非ピクセル化ステージと組合せた2つの反射ピクセル化ステージを使用する分割経路ディスプレイシステムを示す模式図である。
【図44】図44は、本発明に従った、単一の反射ピクセル化ステージおよび2つの非ピクセル化ステージを使用する共通経路ディスプレイシステムを示す模式図である。
【図45】図45は、本発明のCSLMを利用し得る18の例のディスプレイ型の一覧表である。
【図46】図46は、透過液晶ディスプレイを備えた、本発明のCSLMカラーシーケンサーを利用するフルカラー逐次ディスプレイを示す。
【図47】図47は、反射液晶ディスプレイを使用する、本発明のCSLMカラーシーケンサーを利用するフルカラー逐次ディスプレイを示す。
【図48】図48Aおよび図48Bは、本発明に従った、活性リターダースタックを有するCSLMを示す。
【図49】図49は、本発明に従った、CSLMスタックパネル直視式ディスプレイを示す。
【図50】図50は、本発明に従った、CSLMスタックパネル投影ディスプレイシステムを示す。
【図51】図51は、本発明に従った、CSLM透過分割経路逐次ディスプレイシステムの実施態様を示す。
【図52】図52は、本発明に従った、CSLM反射型分割経路逐次ディスプレイシステムを示す。
【図53】図53は、本発明に従って、光経路を分割するために偏光を使用する、分割経路加法ディスプレイシステムを示す。
【図54】図54は、本発明に従って、入射白色光を3つの分離光経路に分割するようなカラーを利用する分割経路3パネル加法ディスプレイシステムを示す。
【図55】図55は、本発明に従って、分割偏光光経路を使用する実装フルカラーのためのCSLMハイブリッドアーキテクチャを示す。
【図56】図56は、本発明に従った、CSLMハイブリッド共通経路/空間ディスプレイを示す。
【図57】図57は、本発明に従って、逆反射型LCディスプレイアーキテクチャのLCディスプレイ部分に挿入されるCSLM構造を示す。
【図58】図58は、本発明に従った、パターン化CSLMを利用する反射型空間カラーディスプレイデバイスを示す。
【図59】図59は、本発明に従った、パターン化CSLMを利用する透過空間カラーディスプレイデバイスを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光モジュレータであって、以下:
入力光を受容し、偏光を出力するための、入力偏光子;
第一の色選択性偏光モジュレータであって、該偏光を受容するため、および該偏光の少なくとも第一スペクトルの偏光状態を選択的に変調するための、第一の色選択性偏光モジュレータ;
第二の色選択性偏光モジュレータであって、該第一の色選択性偏光モジュレータからの光を受容するため、および該偏光の少なくとも第二スペクトルの偏光状態を選択的に変調するための、第二の色選択性偏光モジュレータ;および
出力偏光子であって、該第一および第二スペクトルの偏光状態を受容し、分析するための、出力偏光子、
を有する、光モジュレータ。
【請求項2】
光モジュレータであって、以下:
リターダースタックであって、少なくとも部分的な偏光を受容するため、かつ、第一の偏光を有する第一のスペクトル、および第二の偏光を有する第二のスペクトルを出力するための、リターダースタック;および
電気光学的モジュレータおよびリターダーの組み合わせであって、等方性状態および変調状態を有し、ここで該電気光学的モジュレータおよびリターダーの組み合わせが、該電気光学的モジュレータおよびリターダーの組み合わせの変調状態に対応する偏光状態を有する入力光を選択的に変調するよう適合されている、電気光学的モジュレータおよびリターダーの組み合わせ、
を有する、光モジュレータ。
【請求項3】
前記リターダースタックから出力された前記第一および第二の偏光が、線形偏光である、請求項2に記載の光モジュレータ。
【請求項4】
前記電気光学的モジュレータおよびリターダーの組み合わせが、受動四分の一波長リターダーとの組み合わせでの様々なリターダーを含む、請求項2に記載の光モジュレータ。
【請求項5】
前記変調状態が線形偏光状態であり、前記等方性状態が円偏光状態である、請求項4に記載の光モジュレータ。
【請求項6】
スタックオンリーモードおよびスタック変更モードを有する光モジュレータであって、以下:
少なくとも部分的に偏光された入力光を受容するための、第一のリターダースタック;
該第一のリターダースタックからの光を受容するための、電気光学的モジュレータ;
該電気光学的モジュレータから出力された光を受容するよう配置された、第二のリターダースタック;および
該第二のリターダースタックからの光を受容し、分析するための、出力偏光子、
を有し;
ここで該第一のリターダースタック、該電気光学的モジュレータ、該第二のリターダースタック、および該出力偏光子が、該スタックオンリーモードにおいて、該出力偏光子により透過された光がニュートラル状態に対応するように、適合かつ配向されている、
光モジュレータ。
【請求項7】
前記スタックオンリーモードにおいて、前記出力偏光子により透過された光が黒色状態に対応する、請求項6に記載の光モジュレータ。
【請求項8】
前記スタック変更モードにおいて、前記出力偏光子により透過された光が一次のフィルターに通した状態に対応する、請求項7に記載の光モジュレータ。
【請求項9】
前記出力偏光子による前記一次のフィルターに通した状態の伝達が、連続的にチューナブルである、請求項8に記載の光モジュレータ。
【請求項10】
前記一次のフィルターに通した状態が、赤色状態、緑色状態、および青色状態のうちの1つである、請求項8に記載の光モジュレータ。
【請求項11】
前記スタック変更モードにおいて、前記出力偏光子により透過された光が、赤色状態、緑色状態、および青色状態のうちの1つに対応する、請求項7に記載の光モジュレータ。
【請求項12】
前記スタックオンリーモードにおいて、前記出力偏光子により透過された光が白色状態に対応する、請求項6に記載の光モジュレータ。
【請求項13】
前記スタック変更モードにおいて、前記出力偏光子により透過された光が一次のフィルターに通した状態に対応する、請求項12に記載の光モジュレータ。
【請求項14】
前記出力偏光子による前記一次のフィルターに通した状態の伝達が、連続的にチューナブルである、請求項13に記載の光モジュレータ。
【請求項15】
前記一次のフィルターに通した状態が、シアン状態、マゼンタ状態、および黄色状態のうちの1つである、請求項13に記載の光モジュレータ。
【請求項16】
前記スタック変更モードにおいて、前記出力偏光子により透過された光が、シアン状態、マゼンタ状態、および黄色状態のうちの1つに対応する、請求項12に記載の光モジュレータ。
【請求項17】
シーケンサーであって、以下:
第一モジュレータステージであって、以下:
光の偏光を受容し、変換するための、第一の入力リターダースタック、
該第一のリターダースタックにより出力された光の一部の偏光を受容し、選択的に変調するための、第一の電気光学的モジュレータ、および
該第一の電気光学的モジュレータにより出力された光の偏光を受容し、変換するための、第一の出力リターダースタック、
を有する、第一モジュレータステージ;
第二モジュレータステージであって、以下:
光の偏光を受容し、変換するための、第二の入力リターダースタック、
該第二のリターダースタックにより出力された光の一部の偏光を受容し、選択的に変調するための、第二の電気光学的モジュレータ、および
該第二の電気光学的モジュレータにより出力された光の偏光を受容し、変換するための、第二の出力リターダースタック、
を有する、第二モジュレータステージ;ならびに
第三モジュレータステージであって、以下:
光の偏光を受容し、変換するための、第三の入力リターダースタック、
該第三のリターダースタックにより出力された光の一部の偏光を受容し、選択的に変調するための、第三の電気光学的モジュレータ、および
該第三の電気光学的モジュレータにより出力された光の偏光を受容し、変換するための、第三の出力リターダースタック、
を有する、第三モジュレータステージ、
を有する、シーケンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38A】
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【図38B】
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【図38C】
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【図39A】
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【図39B】
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【図40】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図41E】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公開番号】特開2008−20921(P2008−20921A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199445(P2007−199445)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【分割の表示】特願2000−562889(P2000−562889)の分割
【原出願日】平成11年7月30日(1999.7.30)
【出願人】(500530580)カラーリンク, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】