光モジュール及び光モジュール実装体
【課題】光モジュールを実装基板に実装した光モジュール実装体において、光モジュールのリード線の長さが長くなるのを防止するとともに、光モジュール本体やリード線の仕様変更に柔軟に対応することを可能とする。
【解決手段】
光モジュール1は、光ファイバ線2aの一部を収容するとともに、実装基板5上の回路素子と接続される複数のリード線2bを有する光モジュール本体2と、光モジュール本体2を締付け保持する締付保持部材3と、締付保持部材3を仰角方向に回転自在に保持する回転保持部材4とを備える。実装基板5への実装持には、光モジュール1の回転保持部材4の下部を実装基板5の長方形孔5aに挿通し、回転保持部材4に設けた係止突条4jを通じて光モジュール1を実装基板5に係止する。
【解決手段】
光モジュール1は、光ファイバ線2aの一部を収容するとともに、実装基板5上の回路素子と接続される複数のリード線2bを有する光モジュール本体2と、光モジュール本体2を締付け保持する締付保持部材3と、締付保持部材3を仰角方向に回転自在に保持する回転保持部材4とを備える。実装基板5への実装持には、光モジュール1の回転保持部材4の下部を実装基板5の長方形孔5aに挿通し、回転保持部材4に設けた係止突条4jを通じて光モジュール1を実装基板5に係止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号と電気信号を相互に変換する光モジュール及び光モジュール実装体に関し、特に、実装基板に穿設された孔に光モジュールを配置して実装する光モジュール等に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを通じて光信号を伝送する光モジュールは、所定の配線パターンを有する実装基板の上に実装・固定された状態で実使用される。この種の光モジュール実装体においては、光モジュールによって実装基板の表面の一部が占有されるため、光モジュール以外の回路素子やジャンパ線等は、実装基板の表面の残余部分に配置される。このため、実装基板の大型化を招き易く、その小型化を図るには、光モジュールの占有面積を減らし、回路素子等の配置面積を拡大することが重要となる。
【0003】
そこで、特許文献1には、図9に示すように、先端に係止爪20aが形成された脚部20bを備えたカバー20を、光モジュール21の上方から被せ、脚部20bの係止爪20aを通じてカバー20と実装基板22を係止することにより、光モジュール21を実装基板22上に固定する光モジュールの実装基板への固定方法が提案されている。この方法によれば、ねじ締め用のフランジなどを設ける必要がなくなるため、光モジュールの占有面積を低減することができ、実装体の小型化を図ることが可能になる。
【0004】
その一方で、光モジュールとしては、図9に示す、リード線21aが光モジュール21の左右から露出したバタフライ型モジュールの他、図10(a)、(b)に示す、光ファイバ線24a、25aの収容部の反対側からリード線24b、25bが露出した同軸型モジュールも広く用いられている。この種の光モジュールは、円柱状筐体24cのみから構成されるもの(図10(a)参照)や、両側に脚部25dを有する台座25cを円柱状筐体25eの後部に付設したもの(図10(b)参照)などが一般的である。
【0005】
図10(a)に示す光モジュール24を実装基板に実装する場合には、図11に示すように、実装基板26に穿設した長方形孔26a内に光モジュール24を配置し、その状態で、図12に示すように、2つの取付板27により上下から光モジュール24を挟持する。その後、取付板27を実装基板26にねじ止めし、それによって、光モジュール24を実装基板26上に固定する。尚、このときの光モジュール24の位置決めは、円柱状筐体24cの後端に突設された突起24d(図10(a)参照)を、取付板27の内側に凹設された凹部(不図示)に係合させることにより行う。
【0006】
一方、図10(b)に示す光モジュール25を実装基板に実装する場合には、図13に示すように、実装基板28に穿設したT字形孔28a内に光モジュール25を配置し、その状態で、別途に設けられた取付部(不図示)に光モジュール25及び実装基板28をねじ止めし、それによって、実装基板28に光モジュール25を固定する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−93617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図11及び図12に示す光モジュール実装体においては、光モジュール24の全体を収容するための長方形孔26aを実装基板26に穿設する必要があり、その部分では、回路素子等を配置することができないため、回路配置等が大きく制限されることになる。特に、図13に示す光モジュール実装体においては、T字形孔28aを穿設することから孔の開口面積が大きくなるため、実装基板28の設計自由度の低下を招いたり、実装体の小型化が困難になるなどの問題が生じていた。
【0009】
また、図13に示す光モジュール実装体においては、光モジュール25のリード線25bと実装基板28の表面との高さが異なるため(図13(b)参照)、リード線25bの根元から基板表面の半田付け部までの距離が長くなる。このため、リード線25bの長さが長くなり、リード線25bの寄生インダクタンスの影響を受けて高周波信号の伝送特性が悪化するという問題があった。
【0010】
その一方で、図11及び図12に示す光モジュール実装体においては、光モジュール24のリード線24bと実装基板26の表面との高さを揃えることができるため、リード線24bの長さを短くすることができるが、この実装方法では、取付板27の形状や寸法等により、光モジュール24の高さが決定されるため、リード線24bの配置位置等に変更が生じた場合に対応することができない。特に、リード線24bの位置や配置は、モジュールメーカにより様々であるため、光モジュール24の種類が事後的に変更されると、場合によっては、実装基板26や取付板27まで変更する必要が生じ、全面的な再設計を強いられることがあった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、リード線の長さが長くなるのを防止しながら、仕様変更に柔軟に対応することを可能にしたり、実装基板に穿設される孔の開口面積を小さくすることにより、回路配置等の制限を緩和し、基板設計の自由度の向上や実装体の小型化を可能にする光モジュール等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、光モジュールであって、光ファイバ線の一部を収容するとともに、実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、該光モジュール本体を前記実装基板の表面に垂直な面内において回転自在に保持する回転機構とを備えることを特徴とする。
【0013】
そして、本発明によれば、光モジュール本体の傾斜角度を自由に変更することができるため、如何なる配置態様でリード線が配置されていたとしても、リード線の長さを最短にすることができる。このため、光モジュール本体の種類が事後的に変更されても、光モジュール本体の傾斜角度を、変更後の光モジュール本体のリード線に適する角度に調整するのみで対応することができ、仕様変更に柔軟に対応することが可能になる。
【0014】
上記光モジュールにおいて、前記回転機構が、貫通孔を有し、該貫通孔に前記光モジュール本体の一部を圧入することにより該モジュール本体を保持する第1保持部材と、貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えるように構成することができる。
【0015】
上記光モジュールにおいて、前記回転機構が、前記光モジュール本体に付設された台座に対応する形状を有し、該台座の一部を把持することにより前記光モジュール本体を保持する第1保持部材と、貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えるように構成することができる。
【0016】
上記光モジュールにおいて、前記第1保持部材が、外側へ突出する円柱状突部を有し、前記第2保持部材が、前記貫通孔の内壁面に該円柱状突部を収容する凹部を有するように構成することができる。
【0017】
上記光モジュールにおいて、前記回転機構が、前記実装基板との接触面に係止突条を有し、該光モジュールが、前記回転機構の一部を前記実装基板に穿設された孔に挿通し、前記係止突条を通じて前記回転機構を前記実装基板に係止することにより、前記実装基板に実装されるように構成することができる。この構成によれば、実装基板に穿設する孔の大きさを、回転機構の幅に対応する大きさにするだけで足り、また、ねじ止め用のねじ孔やフランジなどを設ける必要もなくなるため、従来の実装基板の孔に比して、孔の開口面積を小さくすることができる。これにより、回路素子やジャンパ線等の配置面積を拡大することができ、光モジュール実装体の小型化を図ったり、基板設計の自由度を高めることが可能になる。
【0018】
上記光モジュールにおいて、前記係止突条を、前記回転機構の挿通方向に沿って複数配列することができ、これによれば、回転機構の挿通深さを調整することができ、実装基板に実装する際の光モジュールの高さを細かく調整することが可能になる。
【0019】
上記光モジュールにおいて、前記光モジュール本体を、光ファイバ線の一部を収容する収容部の反対側から前記複数のリード線が露出する同軸型モジュールとすることができる。
【0020】
また、本発明は、光モジュールを実装基板に実装した光モジュール実装体であって、孔が穿設された実装基板と、光ファイバ線の一部を収容するとともに、該実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、該光モジュール本体を前記実装基板の表面に対して仰角方向に回転自在に保持する回転機構とを具備する光モジュールとを備え、前記実装基板の孔に前記回転機構の一部を挿通した状態で前記光モジュールを前記実装基板に実装したことを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、リード線の長さが長くなるのを防止しながら、仕様変更に柔軟に対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、リード線の長さが長くなるのを防止しながら、光モジュールやリード線の仕様変更に柔軟に対応することが可能となったり、実装基板上の光モジュールの占有面積や孔の開口面積を小さくすることにより、回路配置等の制約を緩和し、基板設計の自由度の向上や実装体の小型化を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明にかかる光モジュールの第1の実施形態を示す斜視図であり、この光モジュール1は、光ファイバ線2aの一部を収容し、後方から複数のリード線2bが露出する同軸形の光モジュール本体2と、光モジュール本体2を締付け保持する締付保持部材3と、貫通孔4aを有し、その内部で締付保持部材3を仰角方向に回転自在に保持する回転保持部材4とから構成される。尚、光モジュール本体2は、図10(a)に示す光モジュール24と同一のものであるため、詳細説明は省略する。
【0024】
締付保持部材3は、図2に示すように、貫通孔3k内に光モジュール本体2の後部が圧入される円環状の保持部材本体3aと、保持部材本体3aに着脱自在の挟持部材3bとから構成される。
【0025】
保持部材本体3aは、光モジュール本体2を保持するためのものであり、例えば、弾性材料等によって形成される。保持部材本体3aの両側部には、保持部材本体3aの外周面から外側に突出し、根元部に放射状に延びる放射突条3eが刻設された一対の円柱状突部3c、3dが設けられ、保持部材本体3aの内周面上部には、光モジュール本体2の後端に突設された突起2c(図1(a)参照)と勘合する凹部3fが凹設される。また、保持部材本体3aの下部には、先端に係合突条3hを有する垂下脚部3gと、垂下脚部3gを左右に分断するスリット3iとが設けられる。
【0026】
一方、挟持部材3bは、保持部材本体3aの垂下脚部3gを挟持して保持部材本体3aの保持力を高めるためのものであり、その両側部には、垂下脚部3gの係合突条3hと係合する係合凹部3jが設けられる。
【0027】
回転保持部材4は、図3(a)に示すように、n字状の上部材4bと、上部材4bと対向して配置され、複数の係止突条4jを両側面に有するu字状の下部材4cとから構成される。上部材4bと下部材4cとの接合面には、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3d(図2参照)を収容する凹部4d〜4gと、上部材4bと下部材4cとの接合位置を位置決めするための突部4h及び凹部4iとが設けられる。尚、上部材4b及び下部材4cは、図3(a)に示すように、二部材を完全に分割した構造であってもよいし、図3(c)に示すように、上部材4bと下部材4cとの接合部の一方に蝶番等(不図示)を有する一体的な構造であってもよい。
【0028】
次に、上記構成を有する光モジュール1の実装方法について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0029】
光モジュール1の実装にあたっては、先ず、図4(a)に示すように、光モジュール本体2の後部に保持部材本体3aを装着し、保持部材本体3aの弾性力により光モジュール本体2を締付け保持する。次いで、図4(b)に示すように、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3dを、各々、下部材4cの凹部4f、4gに収容し、光モジュール本体2及び保持部材本体3aを下部材4c上に載置する。このとき、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3dと下部材4cの凹部4f、4gとの間は、接着固定等は行わず、遊合させた状態としておく。
【0030】
次に、図4(c)に示すように、保持部材本体3aの垂下脚部3gの係合突条3hと挟持部材3bの係合凹部3jとを係合させながら、挟持部材3bを保持部材本体3aの垂下脚部3gに取り付ける。これにより、保持部材本体3aの締付け力が増大され、光モジュール本体2がより強固に保持される。尚、上記の説明においては、光モジュール本体2及び保持部材本体3aを下部材4c上に載置した後に、保持部材本体3aの垂下脚部3gに挟持部材3bを取り付けたが、これらの作業順序は逆であってもよい。
【0031】
次いで、図4(d)に示すように、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3d(図4(b)参照)を、各々、上部材4bの凹部4d、4e(図3参照)に収容しながら、上部材4b及び下部材4cを接合して光モジュール1を完成させる。このときも、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3dと上部材4bの凹部4d、4eとの間は、接着固定等は行わず、遊合させた状態としておく。
【0032】
次に、図5(a)に示すように、光モジュール1の回転保持部材4の幅に対応する大きさの長方形孔5aが穿設された実装基板5を準備し、実装基板5の上方から回転保持部材4の下部を長方形孔5aに挿通する。そして、下部材4cの係止突条4jを長方形孔5aの端部に係合させて、回転保持部材4を実装基板5に係止し、それによって、光モジュール1と実装基板5を固定する。尚、下部材4cの係止突条4jは、光モジュール1の挿入方向に沿って複数配列されているため、回転保持部材4の挿通深さを調整することができ、光モジュール1を実装基板5に固定する際に、光モジュール1の高さを細かく調整することができる。
【0033】
次いで、図5(b)に示すように、光モジュール本体2を仰角方向に回転させ、リード線2bを実装基板5の表面に接触させる。この際、締付保持部材3の保持部材本体3aに設けた放射突条3e(図2参照)が回転保持部材4の内壁面に当接するため、その際の摩擦力によって、光モジュール本体2の回転角度が保持される。光モジュール本体2を傾斜させた後は、リード線2bと実装基板5の配線パターン(不図示)とを半田付けし、光モジュール1と実装基板5を電気的に接続する。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、光モジュール1を実装基板5上に実装した後に、光モジュール本体2を仰角方向に回転させて、光モジュール本体2の傾斜角度を変更することができるため、如何なる配置態様でリード線2bが配置されていたとしても、リード線2bの長さを最短にすることができる。このため、光モジュール本体2の種類が事後的に変更されても、光モジュール本体2の傾斜角度を、変更後の光モジュール本体2のリード線2bに適する角度に調整するのみで対応することができ、仕様変更に柔軟に対応することが可能になる。
【0035】
また、回転保持部材4を実装基板5の長方形孔5a内に挿入した際に、回転保持部材4の下部材4cに設けた係止突条4jを利用して光モジュール1を実装基板5に係止するため、実装基板5の長方形孔5aの開口面積を従来の実装基板26の長方形孔26a(図11参照)に比して小さくすることができる。従って、回路素子やジャンパ線等の配置面積を拡大することができ、光モジュール実装体の小型化を図ったり、基板設計の自由度を高めることが可能になる。
【0036】
次に、本発明にかかる光モジュールの第2の実施形態について、図6〜図8を参照しながら説明する。尚、これらの図において、図1〜図5と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図6に示すように、本光モジュール10は、光ファイバ線11bの一部を収容し、後方から複数のリード線11cが露出する同軸形の光モジュール本体11と、光モジュール本体11を締付け保持する締付保持部材12と、締付保持部材12を仰角方向に回転自在に保持する回転保持部材4とから構成される。
【0038】
光モジュール本体11は、図7に示すように、円筒状筐体11aの後部に付設された台座11dを備えるタイプのものであり、台座11dの両側部には、略々水平に延びる脚部11eが連設される。尚、この光モジュール本体11は、図10(b)に示す光モジュール25と同一のものである。
【0039】
一方、締付保持部材12は、図7に示すように、光モジュール本体11の台座11dに対応した形状を有し、その両端部には、台座11dの脚部11eと係合する係合凹部12aが設けられる。また、締付保持部材12の両側面には、外側に突出する円柱状突部12b、12cと、各円柱状突部12b、12cの根元に形成された放射突条12dとが設けられる。尚、この締付保持部材12は、所定の強度を有するプラスチック材料等によって形成されるのが好ましい。
【0040】
光モジュール10の実装にあたっては、先ず、図8(a)に示すように、光モジュール本体11の台座11dに締付保持部材12を装着し、締付保持部材12で台座11dの一部を把持することにより、締付保持部材12と台座11dを固定する。次いで、図8(b)に示すように、締付保持部材12の円柱状突部12b、12cを、各々、下部材4cの凹部4f、4gに収容し、光モジュール本体11及び締付保持部材12を下部材4c上に載置する。
【0041】
次に、図8(c)に示すように、締付保持部材12の円柱状突部12b、12c(図8(b)参照)を、各々、上部材4bの凹部4d、4e(図3参照)に収容しながら、上部材4b及び下部材4cを接合して光モジュール10を完成させる。その後は、図5(a)、(b)に示す場合と同様に、光モジュール10を実装基板5の長方形孔5a内に挿入して、光モジュール10を実装基板5に係止するとともに、光モジュール本体11を仰角方向に回転させ、光モジュール本体11の傾斜角度を、リード線11cに適した角度に調整する。尚、光モジュール本体11を回転させる際、締付保持部材12の両側面に設けた放射突条12d(図7参照)が回転保持部材4の内壁面に当接するため、その際の摩擦力によって、光モジュール本体11の回転角度が保持される。
【0042】
本実施の形態においても、光モジュール10を実装基板5上に実装した後に、光モジュール本体11を仰角方向に回転させて、光モジュール本体11の傾斜角度を変更することができるため、如何なる配置態様でリード線11cが配置されていたとしても、リード線11cの長さを最短にすることができる。加えて、実装基板5の長方形孔5aの開口面積を、実装基板28のT字形孔28a(図13参照)に比して小さくすることもできるため、第1の実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明にかかる光モジュールの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の締付保持部材を示す斜視図である。
【図3】図1の回転保持部材を示す斜視図である。
【図4】図1の光モジュールの組み立て工程を示す図である。
【図5】図1の光モジュールの実装工程を示す図である。
【図6】本発明にかかる光モジュールの第2の実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6の光モジュール本体及び締付保持部材を示す斜視図である。
【図8】図6の光モジュールの組み立て工程を示す図である。
【図9】従来の光モジュール実装体の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の光モジュールを示す斜視図である。
【図11】図10(a)の光モジュールの実装工程を示す図である。
【図12】図10(a)の光モジュールの実装状態を示す図である。
【図13】図10(b)の光モジュールの実装工程を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 光モジュール
2 光モジュール本体
2a 光ファイバ線
2b リード線
2c 突起
3 締付保持部材
3a 保持部材本体
3b 挟持部材
3c、3d 円柱状突部
3e 放射突条
3f 凹部
3g 垂下脚部
3h 係合突条
3i スリット
3j 係合凹部
3k 貫通孔
4 回転保持部材
4a 貫通孔
4b 上部材
4c 下部材
4d、4e、4f、4g 凹部
4h 突部
4i 凹部
4j 係止突条
5 実装基板
5a 長方形孔
10 光モジュール
11 光モジュール本体
11a 円筒状筐体
11b 光ファイバ線
11c リード線
11d 台座
11e 脚部
12 締付保持部材
12a 係合凹部
12b、12c 円柱状突部
12d 放射突条
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号と電気信号を相互に変換する光モジュール及び光モジュール実装体に関し、特に、実装基板に穿設された孔に光モジュールを配置して実装する光モジュール等に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを通じて光信号を伝送する光モジュールは、所定の配線パターンを有する実装基板の上に実装・固定された状態で実使用される。この種の光モジュール実装体においては、光モジュールによって実装基板の表面の一部が占有されるため、光モジュール以外の回路素子やジャンパ線等は、実装基板の表面の残余部分に配置される。このため、実装基板の大型化を招き易く、その小型化を図るには、光モジュールの占有面積を減らし、回路素子等の配置面積を拡大することが重要となる。
【0003】
そこで、特許文献1には、図9に示すように、先端に係止爪20aが形成された脚部20bを備えたカバー20を、光モジュール21の上方から被せ、脚部20bの係止爪20aを通じてカバー20と実装基板22を係止することにより、光モジュール21を実装基板22上に固定する光モジュールの実装基板への固定方法が提案されている。この方法によれば、ねじ締め用のフランジなどを設ける必要がなくなるため、光モジュールの占有面積を低減することができ、実装体の小型化を図ることが可能になる。
【0004】
その一方で、光モジュールとしては、図9に示す、リード線21aが光モジュール21の左右から露出したバタフライ型モジュールの他、図10(a)、(b)に示す、光ファイバ線24a、25aの収容部の反対側からリード線24b、25bが露出した同軸型モジュールも広く用いられている。この種の光モジュールは、円柱状筐体24cのみから構成されるもの(図10(a)参照)や、両側に脚部25dを有する台座25cを円柱状筐体25eの後部に付設したもの(図10(b)参照)などが一般的である。
【0005】
図10(a)に示す光モジュール24を実装基板に実装する場合には、図11に示すように、実装基板26に穿設した長方形孔26a内に光モジュール24を配置し、その状態で、図12に示すように、2つの取付板27により上下から光モジュール24を挟持する。その後、取付板27を実装基板26にねじ止めし、それによって、光モジュール24を実装基板26上に固定する。尚、このときの光モジュール24の位置決めは、円柱状筐体24cの後端に突設された突起24d(図10(a)参照)を、取付板27の内側に凹設された凹部(不図示)に係合させることにより行う。
【0006】
一方、図10(b)に示す光モジュール25を実装基板に実装する場合には、図13に示すように、実装基板28に穿設したT字形孔28a内に光モジュール25を配置し、その状態で、別途に設けられた取付部(不図示)に光モジュール25及び実装基板28をねじ止めし、それによって、実装基板28に光モジュール25を固定する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−93617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図11及び図12に示す光モジュール実装体においては、光モジュール24の全体を収容するための長方形孔26aを実装基板26に穿設する必要があり、その部分では、回路素子等を配置することができないため、回路配置等が大きく制限されることになる。特に、図13に示す光モジュール実装体においては、T字形孔28aを穿設することから孔の開口面積が大きくなるため、実装基板28の設計自由度の低下を招いたり、実装体の小型化が困難になるなどの問題が生じていた。
【0009】
また、図13に示す光モジュール実装体においては、光モジュール25のリード線25bと実装基板28の表面との高さが異なるため(図13(b)参照)、リード線25bの根元から基板表面の半田付け部までの距離が長くなる。このため、リード線25bの長さが長くなり、リード線25bの寄生インダクタンスの影響を受けて高周波信号の伝送特性が悪化するという問題があった。
【0010】
その一方で、図11及び図12に示す光モジュール実装体においては、光モジュール24のリード線24bと実装基板26の表面との高さを揃えることができるため、リード線24bの長さを短くすることができるが、この実装方法では、取付板27の形状や寸法等により、光モジュール24の高さが決定されるため、リード線24bの配置位置等に変更が生じた場合に対応することができない。特に、リード線24bの位置や配置は、モジュールメーカにより様々であるため、光モジュール24の種類が事後的に変更されると、場合によっては、実装基板26や取付板27まで変更する必要が生じ、全面的な再設計を強いられることがあった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、リード線の長さが長くなるのを防止しながら、仕様変更に柔軟に対応することを可能にしたり、実装基板に穿設される孔の開口面積を小さくすることにより、回路配置等の制限を緩和し、基板設計の自由度の向上や実装体の小型化を可能にする光モジュール等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、光モジュールであって、光ファイバ線の一部を収容するとともに、実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、該光モジュール本体を前記実装基板の表面に垂直な面内において回転自在に保持する回転機構とを備えることを特徴とする。
【0013】
そして、本発明によれば、光モジュール本体の傾斜角度を自由に変更することができるため、如何なる配置態様でリード線が配置されていたとしても、リード線の長さを最短にすることができる。このため、光モジュール本体の種類が事後的に変更されても、光モジュール本体の傾斜角度を、変更後の光モジュール本体のリード線に適する角度に調整するのみで対応することができ、仕様変更に柔軟に対応することが可能になる。
【0014】
上記光モジュールにおいて、前記回転機構が、貫通孔を有し、該貫通孔に前記光モジュール本体の一部を圧入することにより該モジュール本体を保持する第1保持部材と、貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えるように構成することができる。
【0015】
上記光モジュールにおいて、前記回転機構が、前記光モジュール本体に付設された台座に対応する形状を有し、該台座の一部を把持することにより前記光モジュール本体を保持する第1保持部材と、貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えるように構成することができる。
【0016】
上記光モジュールにおいて、前記第1保持部材が、外側へ突出する円柱状突部を有し、前記第2保持部材が、前記貫通孔の内壁面に該円柱状突部を収容する凹部を有するように構成することができる。
【0017】
上記光モジュールにおいて、前記回転機構が、前記実装基板との接触面に係止突条を有し、該光モジュールが、前記回転機構の一部を前記実装基板に穿設された孔に挿通し、前記係止突条を通じて前記回転機構を前記実装基板に係止することにより、前記実装基板に実装されるように構成することができる。この構成によれば、実装基板に穿設する孔の大きさを、回転機構の幅に対応する大きさにするだけで足り、また、ねじ止め用のねじ孔やフランジなどを設ける必要もなくなるため、従来の実装基板の孔に比して、孔の開口面積を小さくすることができる。これにより、回路素子やジャンパ線等の配置面積を拡大することができ、光モジュール実装体の小型化を図ったり、基板設計の自由度を高めることが可能になる。
【0018】
上記光モジュールにおいて、前記係止突条を、前記回転機構の挿通方向に沿って複数配列することができ、これによれば、回転機構の挿通深さを調整することができ、実装基板に実装する際の光モジュールの高さを細かく調整することが可能になる。
【0019】
上記光モジュールにおいて、前記光モジュール本体を、光ファイバ線の一部を収容する収容部の反対側から前記複数のリード線が露出する同軸型モジュールとすることができる。
【0020】
また、本発明は、光モジュールを実装基板に実装した光モジュール実装体であって、孔が穿設された実装基板と、光ファイバ線の一部を収容するとともに、該実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、該光モジュール本体を前記実装基板の表面に対して仰角方向に回転自在に保持する回転機構とを具備する光モジュールとを備え、前記実装基板の孔に前記回転機構の一部を挿通した状態で前記光モジュールを前記実装基板に実装したことを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、リード線の長さが長くなるのを防止しながら、仕様変更に柔軟に対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、リード線の長さが長くなるのを防止しながら、光モジュールやリード線の仕様変更に柔軟に対応することが可能となったり、実装基板上の光モジュールの占有面積や孔の開口面積を小さくすることにより、回路配置等の制約を緩和し、基板設計の自由度の向上や実装体の小型化を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明にかかる光モジュールの第1の実施形態を示す斜視図であり、この光モジュール1は、光ファイバ線2aの一部を収容し、後方から複数のリード線2bが露出する同軸形の光モジュール本体2と、光モジュール本体2を締付け保持する締付保持部材3と、貫通孔4aを有し、その内部で締付保持部材3を仰角方向に回転自在に保持する回転保持部材4とから構成される。尚、光モジュール本体2は、図10(a)に示す光モジュール24と同一のものであるため、詳細説明は省略する。
【0024】
締付保持部材3は、図2に示すように、貫通孔3k内に光モジュール本体2の後部が圧入される円環状の保持部材本体3aと、保持部材本体3aに着脱自在の挟持部材3bとから構成される。
【0025】
保持部材本体3aは、光モジュール本体2を保持するためのものであり、例えば、弾性材料等によって形成される。保持部材本体3aの両側部には、保持部材本体3aの外周面から外側に突出し、根元部に放射状に延びる放射突条3eが刻設された一対の円柱状突部3c、3dが設けられ、保持部材本体3aの内周面上部には、光モジュール本体2の後端に突設された突起2c(図1(a)参照)と勘合する凹部3fが凹設される。また、保持部材本体3aの下部には、先端に係合突条3hを有する垂下脚部3gと、垂下脚部3gを左右に分断するスリット3iとが設けられる。
【0026】
一方、挟持部材3bは、保持部材本体3aの垂下脚部3gを挟持して保持部材本体3aの保持力を高めるためのものであり、その両側部には、垂下脚部3gの係合突条3hと係合する係合凹部3jが設けられる。
【0027】
回転保持部材4は、図3(a)に示すように、n字状の上部材4bと、上部材4bと対向して配置され、複数の係止突条4jを両側面に有するu字状の下部材4cとから構成される。上部材4bと下部材4cとの接合面には、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3d(図2参照)を収容する凹部4d〜4gと、上部材4bと下部材4cとの接合位置を位置決めするための突部4h及び凹部4iとが設けられる。尚、上部材4b及び下部材4cは、図3(a)に示すように、二部材を完全に分割した構造であってもよいし、図3(c)に示すように、上部材4bと下部材4cとの接合部の一方に蝶番等(不図示)を有する一体的な構造であってもよい。
【0028】
次に、上記構成を有する光モジュール1の実装方法について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0029】
光モジュール1の実装にあたっては、先ず、図4(a)に示すように、光モジュール本体2の後部に保持部材本体3aを装着し、保持部材本体3aの弾性力により光モジュール本体2を締付け保持する。次いで、図4(b)に示すように、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3dを、各々、下部材4cの凹部4f、4gに収容し、光モジュール本体2及び保持部材本体3aを下部材4c上に載置する。このとき、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3dと下部材4cの凹部4f、4gとの間は、接着固定等は行わず、遊合させた状態としておく。
【0030】
次に、図4(c)に示すように、保持部材本体3aの垂下脚部3gの係合突条3hと挟持部材3bの係合凹部3jとを係合させながら、挟持部材3bを保持部材本体3aの垂下脚部3gに取り付ける。これにより、保持部材本体3aの締付け力が増大され、光モジュール本体2がより強固に保持される。尚、上記の説明においては、光モジュール本体2及び保持部材本体3aを下部材4c上に載置した後に、保持部材本体3aの垂下脚部3gに挟持部材3bを取り付けたが、これらの作業順序は逆であってもよい。
【0031】
次いで、図4(d)に示すように、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3d(図4(b)参照)を、各々、上部材4bの凹部4d、4e(図3参照)に収容しながら、上部材4b及び下部材4cを接合して光モジュール1を完成させる。このときも、保持部材本体3aの円柱状突部3c、3dと上部材4bの凹部4d、4eとの間は、接着固定等は行わず、遊合させた状態としておく。
【0032】
次に、図5(a)に示すように、光モジュール1の回転保持部材4の幅に対応する大きさの長方形孔5aが穿設された実装基板5を準備し、実装基板5の上方から回転保持部材4の下部を長方形孔5aに挿通する。そして、下部材4cの係止突条4jを長方形孔5aの端部に係合させて、回転保持部材4を実装基板5に係止し、それによって、光モジュール1と実装基板5を固定する。尚、下部材4cの係止突条4jは、光モジュール1の挿入方向に沿って複数配列されているため、回転保持部材4の挿通深さを調整することができ、光モジュール1を実装基板5に固定する際に、光モジュール1の高さを細かく調整することができる。
【0033】
次いで、図5(b)に示すように、光モジュール本体2を仰角方向に回転させ、リード線2bを実装基板5の表面に接触させる。この際、締付保持部材3の保持部材本体3aに設けた放射突条3e(図2参照)が回転保持部材4の内壁面に当接するため、その際の摩擦力によって、光モジュール本体2の回転角度が保持される。光モジュール本体2を傾斜させた後は、リード線2bと実装基板5の配線パターン(不図示)とを半田付けし、光モジュール1と実装基板5を電気的に接続する。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、光モジュール1を実装基板5上に実装した後に、光モジュール本体2を仰角方向に回転させて、光モジュール本体2の傾斜角度を変更することができるため、如何なる配置態様でリード線2bが配置されていたとしても、リード線2bの長さを最短にすることができる。このため、光モジュール本体2の種類が事後的に変更されても、光モジュール本体2の傾斜角度を、変更後の光モジュール本体2のリード線2bに適する角度に調整するのみで対応することができ、仕様変更に柔軟に対応することが可能になる。
【0035】
また、回転保持部材4を実装基板5の長方形孔5a内に挿入した際に、回転保持部材4の下部材4cに設けた係止突条4jを利用して光モジュール1を実装基板5に係止するため、実装基板5の長方形孔5aの開口面積を従来の実装基板26の長方形孔26a(図11参照)に比して小さくすることができる。従って、回路素子やジャンパ線等の配置面積を拡大することができ、光モジュール実装体の小型化を図ったり、基板設計の自由度を高めることが可能になる。
【0036】
次に、本発明にかかる光モジュールの第2の実施形態について、図6〜図8を参照しながら説明する。尚、これらの図において、図1〜図5と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図6に示すように、本光モジュール10は、光ファイバ線11bの一部を収容し、後方から複数のリード線11cが露出する同軸形の光モジュール本体11と、光モジュール本体11を締付け保持する締付保持部材12と、締付保持部材12を仰角方向に回転自在に保持する回転保持部材4とから構成される。
【0038】
光モジュール本体11は、図7に示すように、円筒状筐体11aの後部に付設された台座11dを備えるタイプのものであり、台座11dの両側部には、略々水平に延びる脚部11eが連設される。尚、この光モジュール本体11は、図10(b)に示す光モジュール25と同一のものである。
【0039】
一方、締付保持部材12は、図7に示すように、光モジュール本体11の台座11dに対応した形状を有し、その両端部には、台座11dの脚部11eと係合する係合凹部12aが設けられる。また、締付保持部材12の両側面には、外側に突出する円柱状突部12b、12cと、各円柱状突部12b、12cの根元に形成された放射突条12dとが設けられる。尚、この締付保持部材12は、所定の強度を有するプラスチック材料等によって形成されるのが好ましい。
【0040】
光モジュール10の実装にあたっては、先ず、図8(a)に示すように、光モジュール本体11の台座11dに締付保持部材12を装着し、締付保持部材12で台座11dの一部を把持することにより、締付保持部材12と台座11dを固定する。次いで、図8(b)に示すように、締付保持部材12の円柱状突部12b、12cを、各々、下部材4cの凹部4f、4gに収容し、光モジュール本体11及び締付保持部材12を下部材4c上に載置する。
【0041】
次に、図8(c)に示すように、締付保持部材12の円柱状突部12b、12c(図8(b)参照)を、各々、上部材4bの凹部4d、4e(図3参照)に収容しながら、上部材4b及び下部材4cを接合して光モジュール10を完成させる。その後は、図5(a)、(b)に示す場合と同様に、光モジュール10を実装基板5の長方形孔5a内に挿入して、光モジュール10を実装基板5に係止するとともに、光モジュール本体11を仰角方向に回転させ、光モジュール本体11の傾斜角度を、リード線11cに適した角度に調整する。尚、光モジュール本体11を回転させる際、締付保持部材12の両側面に設けた放射突条12d(図7参照)が回転保持部材4の内壁面に当接するため、その際の摩擦力によって、光モジュール本体11の回転角度が保持される。
【0042】
本実施の形態においても、光モジュール10を実装基板5上に実装した後に、光モジュール本体11を仰角方向に回転させて、光モジュール本体11の傾斜角度を変更することができるため、如何なる配置態様でリード線11cが配置されていたとしても、リード線11cの長さを最短にすることができる。加えて、実装基板5の長方形孔5aの開口面積を、実装基板28のT字形孔28a(図13参照)に比して小さくすることもできるため、第1の実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明にかかる光モジュールの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の締付保持部材を示す斜視図である。
【図3】図1の回転保持部材を示す斜視図である。
【図4】図1の光モジュールの組み立て工程を示す図である。
【図5】図1の光モジュールの実装工程を示す図である。
【図6】本発明にかかる光モジュールの第2の実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6の光モジュール本体及び締付保持部材を示す斜視図である。
【図8】図6の光モジュールの組み立て工程を示す図である。
【図9】従来の光モジュール実装体の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の光モジュールを示す斜視図である。
【図11】図10(a)の光モジュールの実装工程を示す図である。
【図12】図10(a)の光モジュールの実装状態を示す図である。
【図13】図10(b)の光モジュールの実装工程を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 光モジュール
2 光モジュール本体
2a 光ファイバ線
2b リード線
2c 突起
3 締付保持部材
3a 保持部材本体
3b 挟持部材
3c、3d 円柱状突部
3e 放射突条
3f 凹部
3g 垂下脚部
3h 係合突条
3i スリット
3j 係合凹部
3k 貫通孔
4 回転保持部材
4a 貫通孔
4b 上部材
4c 下部材
4d、4e、4f、4g 凹部
4h 突部
4i 凹部
4j 係止突条
5 実装基板
5a 長方形孔
10 光モジュール
11 光モジュール本体
11a 円筒状筐体
11b 光ファイバ線
11c リード線
11d 台座
11e 脚部
12 締付保持部材
12a 係合凹部
12b、12c 円柱状突部
12d 放射突条
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ線の一部を収容するとともに、実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、
該光モジュール本体を前記実装基板の表面に垂直な面内において回転自在に保持する回転機構とを備えることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記回転機構は、
貫通孔を有し、該貫通孔に前記光モジュール本体の一部を圧入することにより該モジュール本体を保持する第1保持部材と、
貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記回転機構は、
前記光モジュール本体に付設された台座に対応する形状を有し、該台座の一部を把持することにより前記光モジュール本体を保持する第1保持部材と、
貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1保持部材は、外側へ突出する円柱状突部を有し、
前記第2保持部材は、前記貫通孔の内壁面に該円柱状突部を収容する凹部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記回転機構は、前記実装基板との接触面に係止突条を有し、
該光モジュールは、前記回転機構の一部を前記実装基板に穿設された孔に挿通し、前記係止突条を通じて前記回転機構を前記実装基板に係止することにより、前記実装基板に実装されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光モジュール。
【請求項6】
前記係止突条は、前記回転機構の挿通方向に沿って複数配列されることを特徴とする請求項5に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記光モジュール本体は、光ファイバ線の一部を収容する収容部の反対側から前記複数のリード線が露出する同軸型モジュールであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光モジュール。
【請求項8】
孔が穿設された実装基板と、
光ファイバ線の一部を収容するとともに、該実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、該光モジュール本体を前記実装基板の表面に対して仰角方向に回転自在に保持する回転機構とを具備する光モジュールとを備え、
前記実装基板の孔に前記回転機構の一部を挿通した状態で前記光モジュールを前記実装基板に実装したことを特徴とする光モジュール実装体。
【請求項1】
光ファイバ線の一部を収容するとともに、実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、
該光モジュール本体を前記実装基板の表面に垂直な面内において回転自在に保持する回転機構とを備えることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記回転機構は、
貫通孔を有し、該貫通孔に前記光モジュール本体の一部を圧入することにより該モジュール本体を保持する第1保持部材と、
貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記回転機構は、
前記光モジュール本体に付設された台座に対応する形状を有し、該台座の一部を把持することにより前記光モジュール本体を保持する第1保持部材と、
貫通孔を有し、該貫通孔の内側で前記第1保持部材を回転自在に保持する第2保持部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1保持部材は、外側へ突出する円柱状突部を有し、
前記第2保持部材は、前記貫通孔の内壁面に該円柱状突部を収容する凹部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記回転機構は、前記実装基板との接触面に係止突条を有し、
該光モジュールは、前記回転機構の一部を前記実装基板に穿設された孔に挿通し、前記係止突条を通じて前記回転機構を前記実装基板に係止することにより、前記実装基板に実装されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光モジュール。
【請求項6】
前記係止突条は、前記回転機構の挿通方向に沿って複数配列されることを特徴とする請求項5に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記光モジュール本体は、光ファイバ線の一部を収容する収容部の反対側から前記複数のリード線が露出する同軸型モジュールであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光モジュール。
【請求項8】
孔が穿設された実装基板と、
光ファイバ線の一部を収容するとともに、該実装基板上の回路素子と接続される複数のリード線を有する光モジュール本体と、該光モジュール本体を前記実装基板の表面に対して仰角方向に回転自在に保持する回転機構とを具備する光モジュールとを備え、
前記実装基板の孔に前記回転機構の一部を挿通した状態で前記光モジュールを前記実装基板に実装したことを特徴とする光モジュール実装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−141033(P2009−141033A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314119(P2007−314119)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】
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