説明

光モジュール

【課題】突入電流による過大な光信号の送信を防止する。
【解決手段】光モジュールは、回転軸32を中心に第1位置Pと第2位置Pの間で弧を描く動きをするようにケース10に取り付けられた揺動部材38と、スライダ24のスライドに連動して、ケース10から出入りする部分を有するように動く従動部材44と、を有する。揺動部材38が第1位置Pにあるときに、従動部材44の一部がケース10から突出してケース10のケージ48への挿入を妨げ、カバー部42は光ファイバ56の挿入口を避ける位置で光ファイバ56の差し込みを許容する。揺動部材38が第2位置Pにあるときに、従動部材44の一部はケース10の外側から退避してケース10のケージ48への挿入を許容し、カバー部42は光ファイバ56の挿入口を覆う位置で光ファイバ56の差し込みを妨げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ通信に用いられる光モジュールとして、破損や性能劣化などに伴う交換を容易にするため、脱着可能なプラガブル構造を有するものが知られている(特許文献1及び2参照)。光モジュールは、光ファイバの送信側及び受信側のそれぞれに脱着できるように接続されている。また、光モジュールは、電子回路を有する回路基板に搭載されたケージに脱着できるようになっている。
【0003】
従来の光モジュールは、光ファイバを装着した状態であっても未装着の状態であってもケージに着脱することができるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−257235号公報
【特許文献2】特開2008−233645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子回路を駆動した状態(ONにした状態)で、光ファイバが装着された光モジュールをケージに挿入すると、コネクタの電極と光モジュールの電極が接触したときに、突入電流(インラッシュカレント)が流れる。突入電流によって送信側の光モジュールには過大な光信号が生じ、定格値以上のパワーの光が受信側の光モジュールに伝送されてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、突入電流による過大な光信号の送信を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る光モジュールは、ケージへの脱着が可能な光モジュールであって、内部に光素子を有し、前記光素子と光学的に接続するための光ファイバの挿入口を有するケースと、スライドできるように前記ケースの外側に配置されたスライダと、回転軸を中心に第1位置と第2位置の間で弧を描く動きをするように前記ケースに取り付けられ、前記弧を描く動きが直線運動に変換されるようにして前記スライダをスライドさせるラッチ部と、前記光ファイバの前記挿入口を覆う位置と前記挿入口を避ける位置との間を動くカバー部と、を有する揺動部材と、前記スライダのスライドに連動して、前記ケースから出入りする部分を有するように動く従動部材と、を有し、前記揺動部材が前記第1位置にあるときに、前記従動部材の一部が前記ケースから突出して前記ケースの前記ケージへの挿入を妨げ、前記カバー部は前記光ファイバの前記挿入口を避ける位置にあって前記光ファイバの差し込みを許容し、前記揺動部材が前記第2位置にあるときに、前記従動部材の前記一部は前記ケースの外側から退避して前記ケースの前記ケージへの挿入を許容し、前記カバー部は前記光ファイバの前記挿入口を覆う位置にあって前記光ファイバの差し込みを妨げることを特徴とする。本発明によれば、光ファイバを差し込んだままでは光モジュールをケージに装着することができないため、突入電流による過大な光信号の送信を防止することができる。
【0008】
(2)(1)に記載された光モジュールにおいて、前記従動部材は、前記ケースから出入りする方向に延びる板バネであることを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(2)に記載された光モジュールにおいて、前記ケースは、前記板バネを前記ケースから出し入れするための第1穴と、前記板バネを前記スライダに固定するための第2穴と、を有することを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(3)に記載された光モジュールにおいて、前記第1穴は、前記板バネを90°未満の角度で湾曲させるように、前記ケースの壁部の厚み方向に対して屈曲した斜めの方向に形成されていることを特徴としてもよい。
【0011】
(5)(2)から(4)のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、前記ケージに前記ケースが装着された状態で、前記揺動部材を前記第2位置から前記第1位置の方向に動かしたときに、前記板バネの先端が前記ケージの内面に接触し、前記揺動部材が前記第1位置の方向に到達したときに、前記板バネが前記ケースの内部で屈曲するように、前記板バネの長さが設定されていることを特徴としてもよい。
【0012】
(6)(2)から(5)のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、前記ケースは、内部に前記板バネの動きを規制するガイド部を有することを特徴としてもよい。
【0013】
(7)(1)から(6)のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、前記カバー部は、弾性変形可能な板状部材であり、変形しながら前記挿入口を遮る経路を移動することを特徴としてもよい。
【0014】
(8)(7)に記載された光モジュールにおいて、前記カバー部は、前記ケースの内部に配置されていることを特徴としてもよい。
【0015】
(9)(7)又は(8)に記載された光モジュールにおいて、前記カバー部の前記経路は、屈曲経路を有し、前記カバー部を前記屈曲経路に沿って移動させる屈曲ガイド部をさらに有することを特徴としてもよい。
【0016】
(10)(9)に記載された光モジュールにおいて、前記カバー部の前記経路は、直線経路を有し、前記カバー部を前記直線経路に沿って移動させる直線ガイド部をさらに有することを特徴としてもよい。
【0017】
(11)(7)から(10)のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、前記カバー部は、前記挿入口を遮る位置を通る側の端部に第1係合部を有し、前記カバー部が前記挿入口を遮るときに前記第1係合部と係合する第2係合部を、前記ケースの内部に有することを特徴としてもよい。
【0018】
(12)(11)に記載された光モジュールにおいて、前記第1係合部及び前記第2係合部の少なくとも一方は、弾性変形可能な部位を有し、当該部位の弾性変形によって、前記第1係合部及び前記第2係合部を係合及び解除することを特徴としてもよい。
【0019】
(13)(7)から(12)のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、前記揺動部材は、前記回転軸を中心に回転する本体部と、前記本体部と前記カバー部を連結する連結部と、を含み、前記連結部と前記本体部との取り付け部は、前記回転軸から離れた位置にあり、前記揺動部材の前記第2位置から前記第1位置への動きに伴って前記取り付け部が動く方向に、前記連結部は、前記取り付け部から延びていることを特徴としてもよい。
【0020】
(14)(13)に記載された光モジュールにおいて、前記連結部は、弾性変形可能な板状部材であり、前記揺動部材の動きに伴って変形しながら移動することを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】本発明の実施の形態に係る光モジュールをケージに装着することができない状態を説明する図である。
【図1B】本発明の実施の形態に係る光モジュールをケージに装着することができない状態を説明する図である。
【図2A】本発明の実施の形態に係る光モジュールをケージに装着するときの状態を説明する図である。
【図2B】本発明の実施の形態に係る光モジュールをケージに装着するときの状態を説明する図である。
【図3A】本発明の実施の形態に係る光モジュールをケージに固定した状態を説明する図である。
【図3B】本発明の実施の形態に係る光モジュールをケージに固定した状態を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に追加可能な構造を説明する図である。
【図5】図4に示す構造において挿入口を閉じた状態を説明する図である。
【図6】図4に示す構造においてカバー部を係合した状態を説明する図である。
【図7】図4に示す構造においてカバー部の係合を解除した状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1A、図2A及び図3Aには、それぞれ、本発明の実施形態に係る光モジュールの異なる操作状態での側面が示されている。図1Bには、図1Aに示す光モジュールの横断面が示されている。図2Bには、図2Aに示す光モジュールの横断面が示されている。図3Bには、図3Aに示す光モジュールの横断面が示されている。
【0024】
光モジュールは、光通信で使用されるXFP (10 Gigabit Small Form Factor Pluggable)に準拠している。光モジュールは、ケース10を有する。ケース10は、複数の光素子12(少なくとも1つは発光素子であり、残りは受光素子)その他の電子部品が搭載された回路基板14を収容する。回路基板14には、電気コネクタ16が設けられている。電気コネクタ16は光素子12と電気的に接続されている。
【0025】
ケース10は、光素子12と光学的に接続するための光ファイバ56の挿入口18を有する。挿入口18は、光ファイバ56を接続するための光コネクタ(光レセプタクル)の開口である。ケース10は第1穴20を有する。第1穴20は、ケース10の壁部の厚み方向に対して屈曲した斜めの方向に形成されている。ケース10は第2穴22を有する。第1穴20は、第2穴22よりも、電気コネクタ16に近い側に形成されている。第2穴22は、第1穴20よりも、光ファイバ56の挿入口18に近い側に形成されている。
【0026】
ケース10の側面には、図1A、図2A及び図3Aに示すように、スリット28が形成されている。ケース10には、スリット28よりも挿入口18側に回転軸32が設けられている。
【0027】
光モジュールは、例えば図1Aと図2Aを比較して分かるように、スライドできるようにケース10の外側に配置されたスライダ24を有する。ケース10には、溝26が形成され、スライダ24は溝26にガイドされて移動するようになっている(図1B及び図2B参照)。溝26は、光モジュールの、電気コネクタ16と光ファイバ56の挿入口18との間の方向に沿って形成されている。言い換えると、溝26は、光モジュールの、ケージ48との脱着方向に沿って形成されている。そして、この方向に沿って、スライダ24の移動がガイドされる。
【0028】
スライダ24の側面にもスリット30が形成されている。スライダ24の端部には、回転軸32とは反対側の端部に凹部34が形成されている。凹部34を形成することで、相対的に、凹部34に隣接してスライダ24の先端に凸部36が形成される。なお、凸部36は、スライダ24の端部を屈曲させて形成したものであり、その裏面は窪んだ形状になっている。
【0029】
光モジュールは、揺動部材38(又はラッチ)を有する。揺動部材38は、ケース10に固定された回転軸32の周りに回転するようになっている。揺動部材38にはラッチ部40(例えばピン)が設けられている。ケース10に形成されたスリット28は、揺動部材38を回転軸32の周りに回転させたときのラッチ部40の軌跡に沿って形成されている。したがって、ケース10のスリット28は、ラッチ部40の移動をガイドする。
【0030】
これに対して、スライダ24に形成されたスリット30は、ラッチ部40の軌跡からずれて形成されている。詳しくは、図1Aに示すように、スライダ24が回転軸32から最も離れた位置にあるとき、スリット30は、ラッチ部40が回転したときに描く円の一部(弧)上の1点からその円の外側に至るように(例えば接線方向)延びている。そして、揺動部材38を回転軸32の周りに回転させると、ラッチ部40によってスライダ24は回転軸32の方向に引き寄せられる(図2A)。逆に、回転軸32に最も近づいたスライダ24は、揺動部材38を回転軸32の周りに回転させると、ラッチ部40によって回転軸32から離れる方向に移動する。すなわち、光モジュールには、揺動部材38の回転をスライダ24の直線往復運動に変換するカム機構が採用されている。
【0031】
揺動部材38は、回転軸32を中心に第1位置P(図1A)と第2位置P(図2A)の間で弧を描く動きをするようにケース10に取り付けられている。揺動部材38は、弧を描く動きが直線運動に変換されるようにしてスライダ24をスライドさせるラッチ部40を有する。揺動部材38は、図2Bに示すように、光ファイバ56の挿入口18を覆う位置と挿入口18を避ける位置との間を動くカバー部42を有する。
【0032】
光モジュールは、図1B、図2B及び図3Bに示すように、スライダ24の動きに連動して、ケース10から出入りする部分を有するように動く従動部材44を有する。従動部材44は、ケース10から出入りする方向に延びる板バネである。従動部材44は第1穴20から出入りするようになっている。第1穴20がケース10の壁部の厚み方向に対して屈曲した斜めの方向に形成されているので、従動部材44は、90°未満の角度で湾曲する。従動部材44は、第2穴22を通して、ケース10の内側でスライダ24に固定されている。
【0033】
ケージ48にケース10が装着された状態(図2A及び図2B)で、揺動部材38を第2位置Pから第1位置Pの方向(スライダ24がケージ48内にさらに進行する方向)に動かしたときに、従動部材44の先端がケージ48の内面に接触する(図3B参照)。そして、揺動部材38が第1位置Pの方向に到達したときに、従動部材44がケース10の内部で屈曲する。このように、従動部材44は、その長さが設定されている。ケース10は、内部に従動部材44の動きを規制するガイド部46を有する。ガイド部46は、従動部材44の屈曲量を規制する。
【0034】
図1A及び図1Bに示すように、揺動部材38が第1位置Pにあるときに、従動部材44の一部がケース10から突出してケース10のケージ48への挿入を妨げる。このとき、カバー部42は、光ファイバ56の挿入口18を避ける位置にあって光ファイバ56の差し込みを許容する。
【0035】
図2A及び図2Bに示すように、揺動部材38が第2位置Pにあるときに、従動部材44の一部はケース10の外側から退避してケース10のケージ48への挿入を許容する。このとき、カバー部42は、光ファイバ56の挿入口18を覆う位置にあって光ファイバ56の差し込みを妨げる。
【0036】
以下、本実施の形態に係る光モジュールの作用について説明する。図1A及び図1Bは、光モジュールをケージに装着することができない状態を説明する図である。図2A及び図2Bは、光モジュールをケージに装着するときの状態を説明する図である。図3A及び図3Bは、光モジュールをケージに固定した状態を説明する図である。
【0037】
光モジュールは、ケージ48への脱着が可能な光モジュールである。光モジュールを挿入するケージ48は、マザーボード50に搭載されている。ケージ48は、光モジュールの電気コネクタ16との電気的接続を行うコネクタ52と、光モジュールの抜け止め54を有する。抜け止め54は、ケージ48内に突出する。
【0038】
図1A及び図1Bに示すように、揺動部材38が第1位置Pにあるとき、光モジュールをケージ48に挿入しようとすると、従動部材44の第1穴20からの突出部が、ケージ48への光モジュールの挿入を妨げる。そのため、光モジュールをケージ48に挿入することができない。光ファイバ56を光モジュールに装着した状態では、揺動部材38が第1位置Pにあるため、光モジュールをケージ48に挿入することができない。
【0039】
図2A及び図2Bに示すように、揺動部材38を第1位置Pから第2位置Pに回転させると、従動部材44の第1穴20からの突出方向とは反対方向にスライダ24が移動するため、従動部材44は、ケース10の第1穴20からケース10の内側に収まる。そのため、光モジュールをケージ48に挿入することができる。したがって、揺動部材38を第2位置Pに配置して、光モジュールをケージ48に挿入する。ただし、揺動部材38が第2位置Pにあるときには、カバー部42が妨げとなって光ファイバ56を光モジュールの挿入口18に挿入することができない。したがって、光ファイバ56を装着せずに、光モジュールをケージ48に挿入する。
【0040】
本実施形態によれば、光ファイバ56を差し込んだままでは光モジュールをケージ48に装着することができないため、突入電流による過大な光信号の送信を防止することができる。
【0041】
光モジュールをケージ48に固定するには、図3A及び図3Bに示すように、揺動部材38を、光モジュールをケージ48に挿入したときの第2位置Pから第1位置Pに回転させる。揺動部材38の回転に伴って、上述したカム機構によって、スライダ24が移動する。詳しくは、スライダ24が、ケージ48の奥にさらに進むように移動する。これにより、スライダ24の凹部34に抜け止め54の先端がかみ合い、光モジュールが抜けなくなる。
【0042】
揺動部材38が第1位置Pに配置されると、光ファイバ56の挿入口18が解放されるので、光ファイバ56を装着することができる(図3A及び図3B参照)。
【0043】
揺動部材38を第2位置Pから第1位置Pに移動させるとき、従動部材44の先端がケージ48の内面が接触する(図3A及び図3B参照)。そして、ケース10の内面に押されて、従動部材44が湾曲する。従動部材44の動きは、ガイド部46によって規制されているが、ガイド部46の存在しない領域で湾曲によって従動部材44が回路基板14に接触することを避けるため、従動部材44を回路基板14から隙間をあけて配置することが好ましい。
【0044】
ケージ48から光モジュールを外すには、図2A及び図2Bに示すように、光ファイバ56を光モジュールから外して、揺動部材38を第2位置Pに移動させる。これにより、スライダ24が、光モジュールを抜く方向に移動する。スライダ24の移動により、スライダ24の後端と溝26の端との間に隙間が形成されるので、スライダ24の凹部34に隣接する凸部36が、抜け止め54に押されて窪みことができる。凸部36が窪んで低くなることで、相対的に抜け止め54が凸部36を越えて凹部34の外側に移動する。こうして、凹部34と抜け止め54の係合が解除されるので、光モジュールを外すことができる。
【0045】
図4及び図5は、上述した実施の形態に追加可能な構造を説明する図である。詳しくは、図4は、挿入口118を開けた状態を示し、図5は、カバー部142によって挿入口118を閉じた状態を示す。なお、光モジュールは、光素子112、回路基板114、ケース110を含む。回路基板114は、固定金属158によって固定されている。
【0046】
カバー部142は、弾性変形可能な板状部材(例えば板バネ)である。カバー部142は、ケース110の内部に配置されている。カバー部142は、変形しながら挿入口118を遮る経路を移動するようになっている。カバー部142の経路は、屈曲経路160(図5参照)を有している。そのため、屈曲ガイド部162がケース110に取り付けられており、カバー部142を屈曲経路160に沿って移動させている。また、カバー部142の経路は、直線経路164も有しており、カバー部142を直線経路164に沿って移動させる直線ガイド部166がケース110に取り付けられている。屈曲ガイド部162及び直線ガイド部166の少なくとも一方は、ケース110とは別部材であってもよいし、ケース110と一体的に形成してもよい。
【0047】
カバー部142は、挿入口118を遮る位置を通る側の端部に第1係合部168を有している。また、図5に示すようにカバー部142が挿入口118を遮るときに第1係合部168と係合する第2係合部170が、ケース110の内部に取り付けられている。図5に示すように、カバー部142が挿入口118を遮る位置にあるときに、第1係合部168及び第2係合部170が係合することで、カバー部142を保持することができる。
【0048】
図6は、カバー部142を係合した状態を説明する図であり、図7は、カバー部142の係合を解除した状態を説明する図である。第1係合部168及び第2係合部170の少なくとも一方は、弾性変形可能な部位を有している。弾性可能な部位の弾性変形によって、第1係合部168及び第2係合部170は、係合及び解除が可能になっている。なお、第2係合部170は、凹部172内に設けられている。
【0049】
揺動部材138は、回転軸132を中心に回転する本体部174を含む。揺動部材138は、本体部174とカバー部142を連結する連結部176を含む。連結部176は、弾性変形可能な板状部材(例えば板バネ)であり、図5に示すように、揺動部材138の動きに伴って変形しながら移動する。連結部176は、ケース110の外側に配置されている。連結部176と本体部174との取り付け部は、回転軸132から離れた位置にある。揺動部材138の第2位置Pから第1位置Pへの動きに伴って取り付け部が動く方向に、連結部176は、本体部174(取り付け部)から延びている。
【0050】
図4及び図5に示す光モジュールによれば、揺動部材138の動きに連動して光モジュールの挿入口118の開閉を行うことができるため、ダストキャップを廃止することができ、コストを削減することができる。
【0051】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0052】
10 ケース、12 光素子、14 回路基板、16 電気コネクタ、18 挿入口、20 第1穴、22 第2穴、24 スライダ、26 溝、28 スリット、30 スリット、32 回転軸、34 凹部、36 凸部、38 揺動部材、40 ラッチ部、42 カバー部、44 従動部材、46 ガイド部、48 ケージ、50 マザーボード、52 コネクタ、54 抜け止め、56 光ファイバ、110 ケース、112 光素子、114 回路基板、118 挿入口、132 回転軸、138 揺動部材、142 カバー部、158 固定金属、160 屈曲経路、162 屈曲ガイド部、164 直線経路、166 直線ガイド部、168 第1係合部、170 第2係合部、172 凹部、174 本体部、176 連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケージへの脱着が可能な光モジュールであって、
内部に光素子を有し、前記光素子と光学的に接続するための光ファイバの挿入口を有するケースと、
スライドできるように前記ケースの外側に配置されたスライダと、
回転軸を中心に第1位置と第2位置の間で弧を描く動きをするように前記ケースに取り付けられ、前記弧を描く動きが直線運動に変換されるようにして前記スライダをスライドさせるラッチ部と、前記光ファイバの前記挿入口を覆う位置と前記挿入口を避ける位置との間を動くカバー部と、を有する揺動部材と、
前記スライダのスライドに連動して、前記ケースから出入りする部分を有するように動く従動部材と、
を有し、
前記揺動部材が前記第1位置にあるときに、前記従動部材の一部が前記ケースから突出して前記ケースの前記ケージへの挿入を妨げ、前記カバー部は前記光ファイバの前記挿入口を避ける位置にあって前記光ファイバの差し込みを許容し、
前記揺動部材が前記第2位置にあるときに、前記従動部材の前記一部は前記ケースの外側から退避して前記ケースの前記ケージへの挿入を許容し、前記カバー部は前記光ファイバの前記挿入口を覆う位置にあって前記光ファイバの差し込みを妨げることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載された光モジュールにおいて、
前記従動部材は、前記ケースから出入りする方向に延びる板バネであることを特徴とする光モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載された光モジュールにおいて、
前記ケースは、前記板バネを前記ケースから出し入れするための第1穴と、前記板バネを前記スライダに固定するための第2穴と、を有することを特徴とする光モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載された光モジュールにおいて、
前記第1穴は、前記板バネを90°未満の角度で湾曲させるように、前記ケースの壁部の厚み方向に対して屈曲した斜めの方向に形成されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、
前記ケージに前記ケースが装着された状態で、前記揺動部材を前記第2位置から前記第1位置の方向に動かしたときに、前記板バネの先端が前記ケージの内面に接触し、前記揺動部材が前記第1位置の方向に到達したときに、前記板バネが前記ケースの内部で屈曲するように、前記板バネの長さが設定されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、
前記ケースは、内部に前記板バネの動きを規制するガイド部を有することを特徴とする光モジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、
前記カバー部は、弾性変形可能な板状部材であり、変形しながら前記挿入口を遮る経路を移動することを特徴とする光モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載された光モジュールにおいて、
前記カバー部は、前記ケースの内部に配置されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項9】
請求項7又は8に記載された光モジュールにおいて、
前記カバー部の前記経路は、屈曲経路を有し、
前記カバー部を前記屈曲経路に沿って移動させる屈曲ガイド部をさらに有することを特徴とする光モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載された光モジュールにおいて、
前記カバー部の前記経路は、直線経路を有し、
前記カバー部を前記直線経路に沿って移動させる直線ガイド部をさらに有することを特徴とする光モジュール。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、
前記カバー部は、前記挿入口を遮る位置を通る側の端部に第1係合部を有し、
前記カバー部が前記挿入口を遮るときに前記第1係合部と係合する第2係合部を、前記ケースの内部に有することを特徴とする光モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載された光モジュールにおいて、
前記第1係合部及び前記第2係合部の少なくとも一方は、弾性変形可能な部位を有し、当該部位の弾性変形によって、前記第1係合部及び前記第2係合部を係合及び解除することを特徴とする光モジュール。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか1項に記載された光モジュールにおいて、
前記揺動部材は、前記回転軸を中心に回転する本体部と、前記本体部と前記カバー部を連結する連結部と、を含み、
前記連結部と前記本体部との取り付け部は、前記回転軸から離れた位置にあり、
前記揺動部材の前記第2位置から前記第1位置への動きに伴って前記取り付け部が動く方向に、前記連結部は、前記取り付け部から延びていることを特徴とする光モジュール。
【請求項14】
請求項13に記載された光モジュールにおいて、
前記連結部は、弾性変形可能な板状部材であり、前記揺動部材の動きに伴って変形しながら移動することを特徴とする光モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−141520(P2011−141520A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200825(P2010−200825)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(301005371)日本オプネクスト株式会社 (311)
【Fターム(参考)】