説明

光学フィルムの製造方法

【課題】共押出しによる溶融流延製膜法で物性の異なる樹脂を積層して製膜後、高倍率延伸しても層間の剥離が発生しない光学フィルムの製造方法の提供。
【解決手段】溶融流延法にて溶融押出し工程でTダイから共押出しされたコア層及びスキン層を形成する溶融樹脂を、フィルム成形工程でキャストロール及びタッチロールで圧着し、冷却引取り工程で冷却し、延伸工程で延伸した後、回収工程で回収し、スキン層/コア層/スキン層の構成を有する光学フィルムを製造する光学フィルム製造方法において、前記Tダイ101aから吐出された段階の前記コア層を形成する溶融樹脂の幅をC、前記スキン層を形成する溶融樹脂の幅をS、前記タッチロールの幅をTR、前記キャストロールの幅をCRとした場合に下記の関係にあることを特徴とする光学フィルムの製造方法。(小)C<CR<S<TR(大)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共押出しで溶融流延法により積層した光学フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置、液晶テレビやパソコンの液晶ディスプレイ等に使用されている光学フィルムの製造方法は溶媒を用いた流延製膜法と、溶媒を用いない溶融流延製膜法による製造方法が知られており、溶媒を用いた流延製膜法は、環境負荷、溶媒回収に要する費用は非常に大きい負担となるため、溶媒を用いない溶融流延製膜法による製造方法が行われる様になっている。
【0003】
液晶ディスプレイ等で使用される光学フィルム(偏光板保護フィルム)は、バックライト等の熱により収縮し、若干の歪が生じることが知られている。近年、液晶ディスプレイの大サイズ化、薄膜化に伴い歪の影響が相対的に大きくなり、液晶ディスプレイ斜め方向に筋状の模様(以降、斜め筋とも言う)が現れ易くなっている。
【0004】
液晶ディスプレイ等で使用される光学フィルムとしては、セルロースエステル系樹脂であるトリアセチルセルロース(TAC)やセルロースアセテートプロピオネート(CAP)、及びアクリル系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)等が知られている。
【0005】
トリアセチルセルロース(TAC)やセルロースアセテートプロピオネート(CAP)等の光学フィルムでは、偏光子との接着性はよいが、樹脂自体の特性から、斜め筋が出易い傾向があることが知られている。一方、アクリル系樹脂、COP等の光学フィルムでは斜め筋の故障は出難いが、偏光子との接着性が劣ることから特殊な接着方法が必要であり、既存の工程が使用できない欠点が有る。
【0006】
1種類のフィルムに多様の機能を付与する方法として、異なる特性を有するフィルムを組み合わせ積層した積層フィルムとすることが知られている。
【0007】
例えば、共押出しによる溶融流延製膜法で、複数種の樹脂を多層化して成形することで、高機能を有する積層した光学フィルムを作製することが知られている。例えば、ビニル芳香族系樹脂と、環状オレフィン系樹脂とを共押出して、ビニル芳香族系樹脂の層と環状オレフィン系樹脂の層とを有する積層原反フィルムを作製した後、得られた積層原反フィルムを長手方向に対して直行する方向に一軸延伸した積層光学フィルムが知られている(特許文献1参照)。
【0008】
又、260℃で3cm/10分以上15cm/10分未満の流動値を有するノルボルネン樹脂を主成分とする第1のノルボルネン系樹脂の樹脂組成物をコア層とし、260℃で15cm/10分以上45cm/10分未満の流動値を有するノルボルネン樹脂を主成分とする第2のノルボルネン系樹脂の樹脂組成物を外層とし、フィルム状樹脂をダイから共押出して作製したノルボルネン系樹脂フィルムが知られている(特許文献2参照)。
【0009】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の共押出しによる溶融流延製膜法で作製された積層した光学フィルムは、大きく物性の異なる樹脂を積層した場合は、高倍率で延伸すると剥離し易く、所望の組合せにおいてフィルムを製造することが難しい。
【0010】
この様な状況から、共押出しによる溶融流延製膜法で物性の異なる樹脂を積層して製膜後、高倍率延伸しても層間の剥離が生じない光学フィルムの製造方法の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−237533号公報
【特許文献2】特開2010−120304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記状況を鑑みなされたものであり、その目的は共押出しによる溶融流延製膜法で物性の異なる樹脂を積層して製膜後、高倍率延伸しても層間の剥離が発生しない光学フィルムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の上記目的は下記の構成により達成された。
【0014】
1.溶融流延法にて溶融押出し工程でTダイから共押出しされたコア層及びスキン層を形成する溶融樹脂を、フィルム成形工程でキャストロール及びタッチロールで圧着し、冷却引取り工程で冷却し、延伸工程で延伸した後、回収工程で回収し、スキン層/コア層/スキン層の構成を有する光学フィルムを製造する光学フィルム製造方法において、
前記Tダイから吐出された段階の前記コア層を形成する溶融樹脂の幅をC、前記スキン層を形成する溶融樹脂の幅をS、前記タッチロールの幅をTR、前記キャストロールの幅をCRとした場合に下記の関係にあることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【0015】
(小)C<CR<S<TR(大)
2.前記延伸工程がMD(Machine Direction)延伸工程と、TD(Transverse Direction)延伸工程とを有し、MD延伸工程及びTD延伸工程、若しくはMD延伸工程、TD延伸工程及びMD延伸工程で逐次延伸することを特徴とする前記1に記載の光学フィルムの製造方法。
【0016】
3.前記MD延伸工程で延伸する前記光学フィルムの両端がスキン層のみで構成されていることを特徴とする前記2に記載の光学フィルムの製造方法。
【0017】
4.前記TD延伸工程で延伸する時、前記スキン層を保持して行われることを特徴とする前記2又は3に記載の光学フィルムの製造方法。
【0018】
5.前記コア層を形成する樹脂のガラス転移温度が、前記スキン層を形成する樹脂のガラス転移温度より低いことを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
【0019】
6.前記コア層が、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂の何れから選ばれる少なくとも1つの樹脂であることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
【0020】
7.前記スキン層が、セルロースエステル系樹脂であることを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
【0021】
8.前記回収工程では、前記延伸工程で延伸した後、前記光学フィルムの両端の前記スキン層を少なくとも前記コア層が混入しない状態で除去し、且つ、該光学フィルムの両端部がスキン層のみで形成されている状態で回収することを特徴とする前記1から7の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0022】
共押出しによる溶融流延製膜法で物性の異なる樹脂を積層して製膜後、高倍率延伸しても層間の剥離が発生しない光学フィルムの製造方法を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】共押出しによる溶融流延法で積層した光学フィルムを製造する製造工程の一例を示す模式図である。
【図2】図1に示される製造工程で製造された積層した光学フィルムの概略拡大断面図である。
【図3】図1のTで示される部分の拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施する形態を図1から図3を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
図1は共押出しによる溶融流延法で積層した光学フィルムを製造する製造工程の一例を示す模式図である。本発明は、本図に示す様な共押出しによる溶融流延法で積層した光学フィルムの製造方法に関し、更に詳しくは製膜後、高倍率延伸しても層間の剥離が発生しない積層した光学フィルムの製造方法に関する。
【0026】
図中、1は積層した光学フィルムの製造工程を示す。製造工程1は、溶融押出し工程(不図示)、フィルム成形工程101と、冷却引取り工程102と、延伸工程103と、回収工程104とを有している。共押出しによる溶融流延法で積層した光学フィルムを製造する製造工程としては特に限定はなく、本図に示される工程の他に、例えば熱固定工程を付加した製造工程であってもよい。
【0027】
溶融押出し工程(不図示)は、第1溶融押出し工程(不図示)と、第2溶融押出し工程(不図示)と、第3溶融押出し工程(不図示)とを有している。
【0028】
第1溶融押出し工程(不図示)は、第1スキン層形成用の樹脂を供給するホツパー(不図示)と、ホツパー(不図示)から供給された第1スキン層形成用の樹脂を加熱混練溶融する溶融機(不図示)と、溶融された第1スキン層形成用の樹脂をフィルム成形工程101のフィードブロック101bに安定に送るギヤポンプ(不図示)と、異物を除去するためのフィルタ(不図示)と、添加剤の混合を均一にするためのミキサー(不図示)とを有している。第2溶融押出し工程(不図示)、第3溶融押出し工程(不図示)も第1溶融押出し工程(不図示)と同じ構成となっている。
【0029】
フィルム成形工程101は、フィードブロック101bを有するT型ダイス101aとタッチロール101cと、キャストロール101dとを有している。101b1は第1溶融押出し工程(不図示)から送られてくる第1スキン層形成用の溶融樹脂をフィードブロック101bに供給する導管を示す。101b2は第2溶融押出し工程(不図示)から送られてくるコア層形成用の溶融樹脂をフィードブロック101bに供給する導管を示す。101b3は第3溶融押出し工程(不図示)から送られてくる第2スキン層形成用の溶融樹脂をフィードブロック101bに供給する導管を示す。101b4はフィードブロック101bで第1スキン層形成用の溶融樹脂/コア層形成用の溶融樹脂/第2スキン層形成用の溶融樹脂の構成で積層された状態の溶融樹脂をT型ダイス101aへ供給する導管を示す。
【0030】
フィルム成形工程においては、上記とは別に、フィードブロックとT型ダイスの替わりに、マルチマニホールドタイプのダイスを使用することも出来る。
【0031】
尚、第1スキン層形成用の溶融樹脂とはコア層の片側を被覆する溶融樹脂を言う。第2スキン層形成用の溶融樹脂とはコア層の他の片側を被覆する溶融樹脂を言う。
【0032】
本発明では、コア層の幅Cとスキン層の幅Sを、C<Sにして積層する。マルチマニホールドタイプのダイスの場合には、コア層のマニホールドの幅をスキン層のマニホールドの幅よりも小さくする方法、また、フィードブロックを使用する場合には、フィードブロックでの合流時に、コア層をスキン層の内側に規制する方法、もしくは、コア層、スキン層の溶融粘度差を利用して、スキン層でコア層を包み込む方法がある。また、マルチマニホールド、フィードブロック共に、ダイスの両サイドにスキン層用の導管(サイドフィーダー)を別途設けることで、両端部をスキン層のみにする方法がある。安定に押出すには、サイドフィーダーを用いる方法が好ましい。
【0033】
上記の方法により積層された溶融樹脂膜2aは、T型ダイス101aのスリット状の押出口から膜状に押出され、タッチロール101cと、キャストロール101dとによりフィルム成形される。
【0034】
T型ダイス101aのスリット状の押出口から押出された状態の溶融樹脂膜2aは、コア層形成用の溶融樹脂がスキン層形成用の溶融樹脂に包まれた状態となっており、溶融樹脂膜2aの両端部はスキン層形成用の溶融樹脂により形成された状態となっている。
【0035】
本発明において、キャストロールの幅CRとタッチロールの幅TRは、CR<TRである。本発明におけるキャストロールの幅CRは、上記積層フィルムに接触する部分の幅を意味し、接触する部分のみ凸状に成形すればよい。また、段差のコーナーは、タッチロールとの応力が集中するため、適当なRを付けることが好ましく、凸部の形状を台形上に成形しても良い。
【0036】
冷却引取り工程102は、複数の搬送ロールを兼ねた冷却ロール102aを有しており冷却引取り工程102で引き取られ冷却固化しスキン層/コア層/スキン層の構成で積層され、両端部がスキン層を有する状態の光学フィルム2bとなる。成形フィルムの搬送性を向上するため、冷却ロールは、タッチロール同様に段差を作ることが好ましい。また、以降の搬送性を向上するために、冷却ロールを通過した直後に、フィルム両端をCRと同程度の幅にスリットすることが好ましい。
【0037】
延伸工程103は、MD(Machine Direction)延伸工程103aと、TD(Transverse Direction)延伸工程103bとを有している。延伸工程103では、冷却引取り工程102から送られてくる冷却固化した光学フィルム2bにMD延伸、TD延伸が逐次行われる。TD延伸工程では、両端のスキン層を保持して延伸が行われる。
【0038】
MD延伸工程103aでの延伸率としては、130%から250%が好ましい。
【0039】
TD延伸工程103bでの延伸率としては、130%から250%が好ましい。
【0040】
尚、本図ではMD延伸工程103a、TD延伸工程103bの順での配置を示しているが、TD延伸工程103bの後に再びMD延伸工程を配置しても構わない。
【0041】
回収工程104は延伸工程103で延伸された光学フィルム2bを巻き取る巻き取り機(不図示)を有しており、光学フィルム2bを必要量の長さに巻き芯に巻き取る。
【0042】
回収工程104の前に光学フィルム2bの両端部のスキン層を除去する両端部スキン層除去工程を配置することが好ましい。両端部スキン層除去工程では、両端部のスキン層2b2(図2参照)を少なくともコア層2b1(図2参照)が混入しない状態(光学フィルム2bの両端部がスキン層2b2(図2参照)のみで形成されている状態)で除去することが好ましい。
【0043】
図2は図1に示される製造工程で製造された積層した光学フィルムの概略拡大断面図である。
【0044】
図中、2bは光学フィルムを示す。2b1はコア層を示す。2b2はスキン層を示す。スキン層2b2は第1スキン層2b21と、第2スキン層2b22とを有している。2b3は光学フィルム2bの端部を示す。端部2b3はスキン層2b2のみで形成されていることが好ましい。端部とは、光学フィルム2bを図1に示される製造工程1で製造される時のMD方向の端部を言う。
【0045】
本図に示す様に、光学フィルム2bはコア層2b1が、第1スキン層2b21と、第2スキン層2b22とで包まれた3層を有する構成となっている。
【0046】
コア層2b1を形成する樹脂のガラス転移温度が、スキン層2b2を形成する樹脂のガラス転移温度より低いことが好ましい。
【0047】
図3は図1のTで示される部分の拡大概略図である。図3(a)は図1のTで示される部分の拡大概略正面図である。図3(b)は図3(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
【0048】
図中、2aはT型ダイス101aのスリット状の押出口から押出された状態の溶融樹脂膜を示す。溶融樹脂膜2aはコア層形成用溶融樹脂膜2a1が第1スキン層形成用溶融樹脂膜2a21と、第2スキン層形成用溶融樹脂膜2a22とで形成されるスキン層形成用溶融樹脂膜2a2で包まれた状態となっている。
【0049】
2a3は溶融樹脂膜2aの端部を示す。端部2a3はスキン層形成用の溶融樹脂膜2a2のみで形成された状態となっている。
【0050】
コア層形成用溶融樹脂膜2a1に対する第1スキン層形成用溶融樹脂膜2a21及び第2スキン層形成用溶融樹脂膜2a22の厚さの比は、第1スキン層形成用溶融樹脂膜2a21:コア層形成用溶融樹脂膜2a1:第2スキン層形成用溶融樹脂膜2a22=1:1:1から1:8:1が好ましい。
【0051】
Cはコア層形成用の溶融樹脂膜2a1の幅を示す。Sはスキン層形成用の溶融樹脂膜2a2の幅を示す。スキン層形成用の溶融樹脂膜2a2に対するコア層形成用の溶融樹脂膜2a1の幅は、70%から90%が好ましい。
【0052】
図2に示す溶融樹脂膜2aが、図1に示すタッチロール101cと、キャストロール101dとによりフィルム成形される時、タッチロール101cの幅をTR、キャストロール101dの幅をCRとした時、コア層形成用の溶融樹脂膜2a1の幅Cと、スキン層形成用の溶融樹脂膜2a2の幅Sとは下記の関係を有している。
【0053】
(小)C<CR<S<TR(大)
この関係を有する条件でのみ溶融樹脂膜2aをフィルム成形することで、図1に示す延伸工程103で延伸される時、コア層とスキン層との剥離の発生が防止可能となる。
【0054】
コア層形成用の樹脂としてはアクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂の何れから選ばれる少なくとも1つの樹脂であることが好ましい。
【0055】
アクリル系樹脂としては以下に示す樹脂が挙げられる。
【0056】
(アクリル系樹脂)
本発明に用いられるアクリル系樹脂には、メタクリル樹脂も含まれる。
【0057】
前記アクリル系樹脂は、下記一般式(1)で表され、重量平均分子量Mwが20000以上1000000以下であることが好ましい。
【0058】
一般式(1) −(MMA)p−(X)q−(Y)r−
MMAはメチルメタクリレートを、Xはアミド基を少なくとも一つ有しMMAと共重合可能なモノマー単位を、YはMMA、Xと共重合可能なモノマー単位を表す。p、q、rはモル%であり、50≦p≦99、1≦q≦50、p+q+r=100である。
【0059】
Xはアミド基を少なくとも一つ有しMMAと共重合可能なモノマー単位であり、Xは一種でも2種以上でもよく、1モノマー単位中に複数の官能基を有していてもよい。
【0060】
Xの具体的なモノマーとしては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルピロリジン、アクリロイルピペリジン、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、メタクリロイルピロリジン、メタクリロイルピペリジン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0061】
好ましくは、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン、が挙げられる。
【0062】
これらのモノマーは市販のものをそのまま使用することができる。
【0063】
qは、1≦q≦50であり、モノマーの性質により適宜選択されるが、好ましくは5≦q≦30である。また、Xは複数のモノマーであってもよい。
【0064】
前記アクリル樹脂におけるYはMMA、Xと共重合可能なモノマー単位を表す。
【0065】
Yとしては、MMA以外のアクリルモノマー、メタクリルモノマー、オレフィン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等特許文献1、2、3に記載のモノマーが挙げられる。Yは2種以上であってもよい。
【0066】
Yは必要に応じて使用できるものであり、使用しないことが最も好ましい。
【0067】
前記アクリル樹脂は、特にセルロースエステル樹脂と相溶した際の透明性の改善の観点で、重量平均分子量(Mw)が20000以上であることが好ましい。
【0068】
前記アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20000から1000000の範囲内であることが更に好ましく、50000から600000の範囲内であることが特に好ましく、100000から400000の範囲であることが最も好ましい。
【0069】
前記アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)の上限値は、製造上の観点から1000000以下とされることが好ましい形態である。
【0070】
前記アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下の通りである。
【0071】
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=2,800,000から500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
【0072】
本発明の光学フィルムの製造方法に係わるアクリル樹脂の製造方法としては、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、あるいは溶液重合等の公知の方法のいずれを用いても良い。ここで、重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系およびアゾ系のものを用いることができ、また、レドックス系とすることもできる。
【0073】
重合温度については、懸濁または乳化重合では30から100℃、塊状または溶液重合では80から160℃で実施しうる。得られた共重合体の還元粘度を制御するために、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤として用いて重合を実施することもできる。
【0074】
(シクロオレフィン樹脂)
本発明の光学フィルムの製造方法に係わるシクロオレフィンポリマーは脂環式構造を含有する重合体樹脂からなるものである。
【0075】
好ましいシクロオレフィンポリマーは、環状オレフィンを重合又は共重合した樹脂である。環状オレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。これら環状オレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基が好適である。
【0076】
好ましいシクロオレフィンポリマーは、環状オレフィン以外の単量体を付加共重合したものであってもよい。付加共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどのエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。
【0077】
環状オレフィンは、付加重合反応あるいはメタセシス開環重合反応によって得られる。重合は触媒の存在下で行われる。付加重合用触媒として、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。開環重合用触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる重合触媒;あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。重合温度、圧力等は特に限定されないが、通常−50℃から100℃の重合温度、0から500×10Paの重合圧力で重合させる。
【0078】
本発明に用いるシクロオレフィンポリマーは、環状オレフィンを重合又は共重合させた後、水素添加反応させて、分子中の不飽和結合を飽和結合に変えたものであることが好ましい。水素添加反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。水素化触媒としては、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウムのごとき遷移金属化合物/アルキル金属化合物の組合せからなる均一系触媒;ニッケル、パラジウム、白金などの不均一系金属触媒;ニッケル/シリカ、ニッケル/けい藻土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/けい藻土、パラジウム/アルミナのごとき金属触媒を担体に担持してなる不均一系固体担持触媒などが挙げられる。或いは、シクロオレフィンポリマーとして、下記のノルボルネン系ポリマーもあげられる。
【0079】
ノルボルネン系ポリマーは、ノルボルネン骨格を繰り返し単位として有していることが好ましく、その具体例としては、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報、特開平5−39403号公報、特開平5−43663号公報、特開平5−43834号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−279554号公報、特開平6−206985号公報、特開平7−62028号公報、特開平8−176411号公報、特開平9−241484号公報等に記載されたものが好ましく利用できるが、これらに限定されるものではない。また、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0080】
本発明においては、前記ノルボルネン系ポリマーの中でも、下記構造式(I)から(IV)のいずれかで表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0081】
【化1】

【0082】
前記構造式(I)から(IV)中、A、B、C及びDは、各々独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。
【0083】
また、前記ノルボルネン系ポリマーの中でも、下記構造式(V)または(VI)で表される化合物の少なくとも1種と、これと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体も好ましい。
【0084】
【化2】

【0085】
前記構造式中、A、B、C及びDは、各々独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。
【0086】
又、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2から20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
【0087】
これらの、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、質量比で通常30:70から99:1、好ましくは50:50から97:3、より好ましくは70:30から95:5の範囲となるように適宜選択される。
【0088】
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0089】
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
【0090】
ここで、上記A、B、C、D、は特に限定されないが、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、一価の有機基、又は、少なくとも2価の連結基を介して有機基が連結されてもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。又、AまたはBとCまたはDは単環または多環構造を形成してもよい。ここで、上記少なくとも2価の連結基とは、酸素原子、イオウ原子、窒素原子に代表されるヘテロ原子を含み、例えばエーテル、エステル、カルボニル、ウレタン、アミド、チオエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、上記連結基を介し、上記有機基はさらに置換されてもよい。合成したポリマーの分子鎖中に残留する不飽和結合を水素添加反応により飽和させる場合には、耐光劣化や耐候劣化性などの観点から、水素添加率を90%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上とする。本発明で使用されるシクロオレフィンポリマーの分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、5000から500000、好ましくは8000から200000、より好ましくは10000から100000の範囲であるときに、成形体の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
【0091】
この他、本発明の光学フィルムの製造方法に用いられるシクロオレフィンポリマーとしては、特開平5−2108号公報の〔0014〕から〔0019〕記載の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂、特開2001−277430号公報の〔0015〕から〔0031〕記載の熱可塑性ノルボルネン系ポリマー、特開2003−14901号公報の〔0008〕から〔0045〕記載の熱可塑性ノルボルネン系樹脂、特開2003−139950号公報の〔0014〕から〔0028〕記載のノルボルネン系樹脂組成物、特開2003−161832号公報の〔0029〕から〔0037〕記載のノルボルネン系樹脂、特開2003−195268号公報の〔0027〕から〔0036〕記載のノルボルネン系樹脂、特開2003−211589号公報の〔0009〕から〔0023〕脂環式構造含有重合体樹脂、特開2003−211588号公報の〔0008〕から〔0024〕記載のノルボルネン系重合体樹脂もしくはビニル脂環式炭化水素重合体樹脂などがあげられる。具体的には、日本ゼオン(株)製 ゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製 アートン、三井化学(株)製 アペル(APL8008T APL6509T APL6013T APL5014DP APL6015Tなどが好ましく用いられる。
【0092】
スキン層形成用の樹脂としてはセルロースエステル樹脂が好ましく、以下に示す樹脂が挙げられる。
【0093】
(セルロースエステル樹脂)
セルロースエステル樹脂は、特に脆性の改善や積層させたときの透明性の観点から、アシル基の総置換度(T)が2.0から3.0、炭素数が3から7のアシル基の置換度が1.2から3.0であり、炭素数3から7のアシル基の置換度は、2.0から3.0であることが好ましい。
【0094】
即ち、前記セルロースエステル樹脂は炭素数が3から7のアシル基により置換されたセルロースエステル樹脂であることが好ましい。具体的には、プロピオニル、ブチリル等が好ましく用いられるが、特にプロピオニル基が好ましく用いられる。
【0095】
セルロースエステル樹脂の、アシル基の総置換度が2.0を上回る場合、即ち、セルロースエステル分子の2、3、6位の水酸基の残度が1.0を下回る場合には、アクリル樹脂等と積層した場合に、十分に接着し光学フィルムとして用いる場合にヘーズが小さい。
【0096】
また、アシル基の総置換度が2.0以上であり、炭素数が3から7のアシル基の置換度が1.2を上回る場合は、更に高い接着性が得られる。
【0097】
例えば、アシル基の総置換度が2.0以上の場合、炭素数3のアシル基、即ちアセチル基の置換度が低く、炭素数3から7のアシル基の置換度が1.2を上回る場合は、接着性が向上しヘーズが低下する。
【0098】
また、アシル基の総置換度が2.0以上の場合、炭素数8以上のアシル基の置換度が低く、炭素数3から7のアシル基の置換度が1.2を上回る場合も、強靭で、所望の特性が得られる。
【0099】
前記セルロースエステル樹脂のアシル置換度は、総置換度(T)が2.0から3.0であり、炭素数が3から7のアシル基の置換度が1.2から3.0であることが好ましく、炭素数が3から7以外のアシル基、即ち、アセチル基や炭素数が8以上のアシル基の置換度の総計が1.3以下とされることが好ましい。
【0100】
また、セルロースエステル樹脂のアシル基の総置換度(T)は、2.5から3.0の範囲であることが更に好ましい。
【0101】
前記セルロースエステル樹脂としては、特にセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートベンゾエート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートから選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、即ち、炭素原子数3または4のアシル基を置換基として有するものが好ましい。
【0102】
これらの中で特に好ましいセルロースエステル樹脂は、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースプロピオネートである。
【0103】
アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。
【0104】
尚、アセチル基の置換度や他のアシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法により求めたものである。
【0105】
前記セルロースエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特にアクリル樹脂との相溶性、脆性の改善の観点から75000以上であり、75000から300000の範囲であることが好ましく、100000から240000の範囲内であることが更に好ましく、160000から240000のものが特に好ましい。
【0106】
セルロースエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が75000を下回る場合は、耐熱性や脆性が落ちてくる。また、300000を超える場合は、粘度が高くなり製膜が難しくなる。本発明では2種以上のセルロース樹脂を混合して用いることもできる。
【0107】
前記セルロースエステル樹脂の重量平均分子量は、上記ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することができる。
【0108】
(その他の添加剤)
本発明の光学フィルムの製造方法では、リターデーションを制御することを目的とした位相差制御剤、フィルムに加工性を付与する可塑剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)等の添加剤を含有させることが好ましい。
【0109】
<位相差制御剤>
〈グリコールと二塩基酸のポリエステルポリオール〉
本発明の光学フィルムの製造方法において使用され得るポリエステルポリオールとしては、炭素数の平均が2から3.5であるグリコールと炭素数の平均が4から5.5である二塩基酸との脱水縮合反応、又は該グリコールと炭素数の平均が4から5.5である無水二塩基酸の付加及び脱水縮合反応による常法により製造されるものであることが好ましい。
【0110】
〈芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールのポリエステル〉
本発明の位相差制御剤として、下記一般式(2)で表される芳香族末端ポリエステルを用いることができる。
【0111】
一般式(2) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはベンゼンモノカルボン酸残基、Gは炭素数2から12のアルキレングリコール残基または炭素数6から12のアリールグリコール残基または炭素数が4から12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4から12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6から12のアリールジカルボン酸残基を表し、またnは1以上の整数を表す。)
一般式(2)中、Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基とGで示されるアルキレングリコール残基またはオキシアルキレングリコール残基またはアリールグリコール残基、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基またはアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステルと同様の反応により得られる。
【0112】
本発明の光学フィルムの製造方法に係わる芳香族末端ポリエステルの具体的な化合物としては、特開2010−32655号公報段落(0183)から(0186)を挙げることができる。
【0113】
本発明の光学フィルムの製造方法に係わる芳香族末端ポリエステルの含有量は、光学フィルム中に0から20質量%含有することが好ましく、特に1から11質量%含有することが好ましい。
【0114】
〈多価アルコールエステル系化合物〉
本発明の光学フィルムの製造方法に係わる光学フィルムには、多価アルコールエステル系化合物を含有させることができる。
【0115】
多価アルコールエステル系化合物としては、特開2010−32655号公報段落(0218)から(0170)を挙げることができる。
【0116】
〈糖エステル化合物〉
本発明の光学フィルムの製造方法に係わる糖エステル化合物しては、ピラノース構造またはフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下有しその構造のOH基のすべてもしくは一部をエステル化した糖エステル化合物を使用することが好ましい。
【0117】
本発明の光学フィルムの製造方法に用いられる糖エステル化合物としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース、スクロース、セロビオース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースなどが挙げられるが、特にフラノース構造とピラノース構造を両方有するものが好ましい。例としてはスクロースが挙げられる。
【0118】
本発明の光学フィルムの製造方法に用いられる糖エステル化合物は、糖化合物の有する水酸基の一部または全部がエステル化されているものまたはその混合物である。
【0119】
本発明の糖エステル化合物の具体的化合物としては、特開2010−32655号明細書段落(0060)から(0070)を挙げることができる。
【0120】
〈その他の位相差制御剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法に使用する上記位相差制御剤以外としては、分子内にビスフェノールAを含有しているものも好ましい。ビスフェノールAの両端にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを付加した化合物などを用いることができる。
【0121】
例えばニューポールBP−2P、BP−3P、BP−23P、BP−5PなどのBPシリーズ、BPE−20(F)、BPE−20NK、BPE−20T、BPE−40、BPE−60、BPE−100、BPE−180などのBPEシリーズ(三洋化成(株)製)などやアデカポリエーテルBPX−11、BPX−33、BPX−55などのBPXシリーズ((株)アデカ製)がある。
【0122】
ジアリルビスフェノールA、ジメタリルビスフェノールAや、ビスフェノールAを臭素などで置換したテトラブロモビスフェーノールAやこれを重合したオリゴマーやポリマー、ジフェニルフォスフェイトなどで置換したビスフェノールAビス(ジフェニルフォスフェイト)なども用いることができる。
【0123】
ビスフェノールAを重合したポリカーボネートやビスフェノールAをテレフタル酸などの二塩基酸と重合したポリアリレート、エポキシを含有するモノマーと重合したエポキシオリゴマーやポリマーなども用いることができる。
【0124】
ビスフェノールAとスチレンやスチレンアクリルなどをグラフト重合させたモディパーCL130DやL440−Gなども用いることができる。
【0125】
またトリアジン構造をもつものも好ましい。特開2001−166144号公報等に記載の化合物を使用することができる。
【0126】
<可塑剤>
可塑剤としては、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、あるいはエポキシ系等が挙げられる。
【0127】
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等を用いることができる。
【0128】
この中で、ポリエステル系とフタル酸エステル系の可塑剤が好ましく用いられる。ポリエステル系可塑剤は、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル系の可塑剤に比べて非移行性や耐抽出性に優れるが、可塑化効果や相溶性にはやや劣る。
【0129】
従って、用途に応じてこれらの可塑剤を選択、あるいは併用することによって、広範囲の用途に適用できる。
【0130】
ポリエステル系可塑剤は、一価ないし四価のカルボン酸と一価ないし六価のアルコールとの反応物であるが、主に二価カルボン酸とグリコールとを反応させて得られたものが用いられる。代表的な二価カルボン酸としては、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。
【0131】
特に、アジピン酸、フタル酸などを用いると可塑化特性に優れたものが得られる。グリコールとしてはエチレン、プロピレン、1,3−ブチレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキサメチレン、ネオペンチレン、ジエチレン、トリエチレン、ジプロピレンなどのグリコールが挙げられる。これらの二価カルボン酸およびグリコールはそれぞれ単独で、あるいは混合して使用してもよい。
【0132】
このエステル系の可塑剤はエステル、オリゴエステル、ポリエステルの型のいずれでもよく、分子量は100から10000の範囲が良いが、好ましくは600から3000の範囲が可塑化効果が大きい。
【0133】
また、可塑剤の粘度は分子構造や分子量と相関があるが、アジピン酸系可塑剤の場合相溶性、可塑化効率の関係から200から5000mPa・s(25℃)の範囲が良い。さらに、いくつかのポリエステル系可塑剤を併用してもかまわない。
【0134】
可塑剤はアクリル樹脂を含有する組成物100質量部に対して、0.5から30質量部を添加するのが好ましい。可塑剤の添加量が30質量部を越えると、表面がべとつくので、実用上好ましくない。またこれらの可塑剤は単独或いは2種以上混合して用いることもできる。
【0135】
〈酸化防止剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法では、酸化防止剤としては、通常知られているものを使用することができる。特に、ラクトン系、イオウ系、フェノール系、二重結合系、ヒンダードアミン系、リン系化合物のものを好ましく用いることができる。
【0136】
例えば、BASFジャパン株式会社から、IrgafosXP40、IrgafosXP60という商品名で市販されているものを含むものが好ましい。
【0137】
上記フェノール系化合物としては、2,6−ジアルキルフェノールの構造を有するものが好ましく、例えば、BASFジャパン株式会社、Irganox1076、Irganox1010、(株)ADEKA アデカスタブAO−50という商品名で市販されているものが好ましい。
【0138】
上記リン系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、SumilizerGP、株式会社ADEKAからADK STAB PEP−24G、ADK STAB PEP−36及びADK STAB 3010、BASFジャパン株式会社からIRGAFOS P−EPQ、堺化学工業株式会社からGSY−P101という商品名で市販されているものが好ましい。
【0139】
上記ヒンダードアミン系化合物は、例えば、BASFジャパン株式会社から、Tinuvin144及びTinuvin770、株式会社ADEKAからADK STAB LA−52という商品名で市販されているものが好ましい。
【0140】
上記イオウ系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、Sumilizer TPL−R及びSumilizer TP−Dという商品名で市販されているものが好ましい。
【0141】
上記二重結合系化合物は、住友化学株式会社から、Sumilizer GM及びSumilizer GSという商品名で市販されているものが好ましい。
【0142】
更に、酸捕捉剤として米国特許第4,137,201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物を含有させることも可能である。
【0143】
これらの酸化防止剤等は、再生使用される際の工程に合わせて適宜添加する量が決められるが、一般には、フィルムの主原料である樹脂に対して、0.05から20質量%、好ましくは0.1から1質量%の範囲で添加される。
【0144】
これらの酸化防止剤は、一種のみを用いるよりも数種の異なった系の化合物を併用することで相乗効果を得ることができる。例えば、ラクトン系、リン系、フェノール系および二重結合系化合物の併用は好ましい。
【0145】
〈着色剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法においては、着色剤を使用することが好ましい。着色剤と言うのは染料や顔料を意味するが、本発明では、液晶画面の色調を青色調にする効果またはイエローインデックスの調整、ヘイズの低減を有するものを指す。
【0146】
着色剤としては各種の染料、顔料が使用可能だが、アントラキノン染料、アゾ染料、フタロシアニン顔料などが有効である。
【0147】
〈紫外線吸収剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。高分子型の紫外線吸収剤としてもよい。
【0148】
〈マット剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法では、フィルムの滑り性を付与するためにマット剤を添加することが好ましい。
【0149】
本発明の光学フィルムの製造方法で用いられるマット剤としては、得られるフィルムの透明性を損なうことがなく、溶融時の耐熱性があれば無機化合物または有機化合物どちらでもよい。これらのマット剤は、単独でも二種以上併用しても使用できる。
【0150】
粒径や形状(例えば針状と球状など)の異なる粒子を併用することで高度に透明性と滑り性を両立させることもできる。
【0151】
これらの中でも、セルロースエステルと屈折率が近いので透明性(ヘイズが小さいこと)に優れる二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
【0152】
二酸化珪素の具体例としては、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600、NAX50(以上日本アエロジル(株)製)、シーホスターKEP−10、シーホスターKEP−30、シーホスターKEP−50(以上、株式会社日本触媒製)、サイロホービック100(富士シリシア製)、ニップシールE220A(日本シリカ工業製)、アドマファインSO(アドマテックス製)等の商品名を有する市販品などが好ましく使用できる。
【0153】
粒子の形状としては、不定形、針状、扁平、球状等特に制限なく使用できるが、特に球状の粒子を用いると得られるフィルムの透明性が良好にできるので好ましい。
【0154】
粒子の大きさは、可視光の波長に近いと光が散乱し、透明性が悪くなるので、可視光の波長より小さいことが好ましく、さらに可視光の波長の1/2以下であることが好ましい。粒子の大きさが小さすぎると滑り性が改善されない場合があるので、80nmから180nmの範囲であることが特に好ましい。
【0155】
なお、粒子の大きさとは、粒子が1次粒子の凝集体の場合は凝集体の大きさを意味する。また、粒子が球状でない場合は、その投影面積に相当する円の直径を意味する。
【0156】
〈粘度低下剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法において、溶融粘度を低減する目的として、水素結合性溶媒を添加することができる。
【0157】
水素結合性溶媒とは、J.N.イスラエルアチビリ著、「分子間力と表面力」(近藤保、大島広行訳、マグロウヒル出版、1991年)に記載されるように、電気的に陰性な原子(酸素、窒素、フッ素、塩素)と電気的に陰性な原子と共有結合した水素原子間に生ずる、水素原子媒介「結合」を生ずることができるような有機溶媒、すなわち、結合モーメントが大きく、かつ水素を含む結合、例えば、O−H(酸素水素結合)、N−H(窒素水素結合)、F−H(フッ素水素結合)を含むことで近接した分子同士が配列できるような有機溶媒をいう。
【0158】
これらは、セルロース樹脂の分子間水素結合よりもセルロースとの間で強い水素結合を形成する能力を有するもので、本発明の光学フィルムの製造方法で行う溶融流延法においては、用いるセルロース樹脂単独のガラス転移温度よりも、水素結合性溶媒の添加によりセルロース樹脂組成物の溶融温度を低下することができる、または同じ溶融温度においてセルロース樹脂よりも水素結合性溶媒を含むセルロース樹脂組成物の溶融粘度を低下することができる。
【実施例】
【0159】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0160】
実施例1
(コア層形成用樹脂のペレットAの準備)
下記、熱可塑性樹脂を、2軸押出機において、ストランド状に溶融押出し、水冷後、長さ3mmから4mmにカットし、コア層形成用樹脂のペレットを作製し、ペレットAとした。
【0161】
アクリル共重合体: 100質量部
(MMA*/ACMO*=70/30、平均分子量10万 ガラス転移温度120℃)
MMA*:メチルメタクリレート
ACMO*:アクリロイルモルホリン
紫外線吸収剤アデカスタブLA−31(旭電化工業株式会社製): 1質量部
(スキン層成用樹脂のペレットBの準備)
下記、熱可塑性樹脂を、2軸押出機において、ストランド状に溶融押出し、水冷後、長さ3mmから4mmにカットし、スキン層形成用樹脂のペレットを作製し、ペレットBとした。
【0162】
セルロースアセテートプロピオネート: 100質量部
(イーストマンケミカル社製、商品名:CAP−482−20ガラス転移温度138℃)
安定剤IRGANOX1010: 0.5質量部
(BASFジャパン(株)製)
安定剤PEP−36(ADEKA(株)製): 0.075質量部
安定剤Sumilizer(GS:住友化学(株)製): 0.48質量部
微粒子AEROSIL R972(日本アエロジル(株)製): 0.8質量部
尚、ガラス転移温度は、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製示差走査熱量計(DSC)EXSTAR DSC6000で測定した値を示す。
【0163】
(共押出しによる溶融流延法による光学フィルムの作製)
図1に示す製造工程で準備したペレットA、ペレットBを各々、別の熱風乾燥機で、含水率を100ppm以下になるまで乾燥した後、溶融押出し工程で別々の一軸押出機にて溶融混練後、スキン層形成用の溶融樹脂/コア層形成用の溶融樹脂/スキン層形成用の溶融樹脂の質量比を1:4:1になるように流量を調整したのちにフィードブロック式の単層T型ダイスで膜状に押出した。単層T型ダイスのスリット状の押出口(幅1500mm)から押出されたスキン層形成用の溶融樹脂/コア層形成用の溶融樹脂/スキン層形成用の溶融樹脂の構成の溶融樹脂膜を押圧5N/mmで、タッチロールと、キャストロールで押圧し、膜厚80μmのフィルムを成形した。
【0164】
引き続き、キャストロール幅でスリッティングし、延伸工程において、MD方向に2倍、TD方向に2倍延伸後、両サイドをスリッティングし、膜厚20μmの光学フィルムを作成しし試料No.101から108とした。
【0165】
尚、タッチロールの幅(TR)、キャストロールの幅(CR)は、ロールを変更することで、また、コア層形成用の溶融樹脂膜の幅(C)、およびスキン層形成用の溶融樹脂膜の幅(S)は、マルチマニホールドダイを変更することで表1記載の値に変化させた。
【0166】
尚、スリッティング工程では、コア層が除去したスキン層に入らない様に光学フィルムの端部のスキン層を除去した。
【0167】
【表1】

【0168】
評価
作製した各試料No.101から108のコア層とスキン層との剥離性に付き、以下の方法で試験し、以下に示す評かランクに従って評価した結果を表2に示す。
【0169】
剥離性の試験方法
JIS D0202−1988に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行った。セロハンテープ(CT24 ニチバン(株)製)を用い、指の腹でフィルムに密着させた後剥離した。判定は100マスの内、剥離しないマス目の数で表し、スキン層が剥離しない場合を100、完全に剥離する場合を0とし、10回の試験結果の平均を(表2)に示す。なお、小数点以下は四捨五入した。
【0170】
【表2】

【0171】
フィルム成形を行う時、タッチロールの幅(TR)、キャストロールの幅(CR)と、コア層形成用の溶融樹脂膜の幅(C)と、スキン層形成用の溶融樹脂膜の幅(S)との関係が、C<CR<S<TRを満たすときのみ剥離がよいことを確認した。本発明の有効性を確認した。
【0172】
尚、延伸工程をMD延伸工程/TD延伸工程/MD延伸工程とした他は全て同じ条件として、試料No.101から108と同じ試料を作製したが、結果は同じであった。
【0173】
実施例2
(コア層形成用樹脂のペレットの準備)
実施例1で準備したコア層形成用樹脂のペレットAに使用したアクリル共重合体に変えコア層形成用樹脂として表3に示すペレットを使用した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
【0174】
【表3】

【0175】
80NH*:旭化成ケミカルズ製アクリル系樹脂
Z1420*:日本ゼオン製シクロオレフィン系樹脂
(共押出しによる溶融流延法による光学フィルムの作製)
準備したコア層形成用樹脂のペレットNo.2−a、2−bを使用した他は、実施例1の試料No.101と同じ条件で光学フィルムを作製し試料No.201、202とした。
【0176】
評価
作製した各試料No.201、202に付きコア層とスキン層との剥離性に付き、実施例1と同じ方法で試験し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
【0177】
【表4】

【0178】
上表の結果より、試料No.201及び202は共に剥離性が良いことが確認された。
【符号の説明】
【0179】
1 製造工程
101 フィルム成形工程
101a T型ダイス
101b フィードブロック
101c タッチロール
101d キャストロール
102 冷却引取り工程
102a 冷却ロール
103 延伸工程
103a MD延伸工程
103b TD延伸工程
104 回収工程
2a 溶融樹脂膜
2a1 コア層形成用溶融樹脂膜
2a2 スキン層形成用溶融樹脂膜
2a21 第1スキン層形成用溶融樹脂膜
2a22 第2スキン層形成用溶融樹脂膜
2b 光学フィルム
2b1 コア層
2b2 スキン層
2b21 第1スキン層
2b22 第2スキン層
2a3、2b3 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融流延法にて溶融押出し工程でTダイから共押出しされたコア層及びスキン層を形成する溶融樹脂を、フィルム成形工程でキャストロール及びタッチロールで圧着し、冷却引取り工程で冷却し、延伸工程で延伸した後、回収工程で回収し、スキン層/コア層/スキン層の構成を有する光学フィルムを製造する光学フィルム製造方法において、
前記Tダイから吐出された段階の前記コア層を形成する溶融樹脂の幅をC、前記スキン層を形成する溶融樹脂の幅をS、前記タッチロールの幅をTR、前記キャストロールの幅をCRとした場合に下記の関係にあることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
(小)C<CR<S<TR(大)
【請求項2】
前記延伸工程がMD(Machine Direction)延伸工程と、TD(Transverse Direction)延伸工程とを有し、MD延伸工程及びTD延伸工程、若しくはMD延伸工程、TD延伸工程及びMD延伸工程で逐次延伸することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記MD延伸工程で延伸する前記光学フィルムの両端がスキン層のみで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記TD延伸工程で延伸する時、前記スキン層を保持して行われることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記コア層を形成する樹脂のガラス転移温度が、前記スキン層を形成する樹脂のガラス転移温度より低いことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記コア層が、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂の何れから選ばれる少なくとも1つの樹脂であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記スキン層が、セルロースエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記回収工程では、前記延伸工程で延伸した後、前記光学フィルムの両端の前記スキン層を少なくとも前記コア層が混入しない状態で除去し、且つ、該光学フィルムの両端部がスキン層のみで形成されている状態で回収することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−126038(P2012−126038A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280250(P2010−280250)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】